JP2008181443A - ストレージシステム及び増設ストレージ装置接続方法 - Google Patents
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Abstract
【解決課題】基本ストレージ装置と複数の増設ストレージ装置がそれぞれ有する固有の識別情報が重複されないようして規格されているネットワークにおいて、固有の識別情報を付与しなくてもネットワーク接続可能とする。
【解決手段】基本ストレージ装置は、増設ストレージ装置の電源がオンされると、その増設ストレージ装置のネットワークにおける固有の識別情報を設定する設定部に初期値が設定されているか否かを判定し、設定部に初期値が設定されていると判定した場合には固有の識別情報を作成し、初期値を作成した固有の識別情報に書き換え、その作成された固有の識別情報をネットワークにおける固有の識別情報として認識する第1のモードを実行し、設定部に初期値以外の値が記憶されていると判定した場合にはその初期値以外の値をネットワークにおける固有の識別情報として認識する第2のモードを実行する。
【選択図】図9
【解決手段】基本ストレージ装置は、増設ストレージ装置の電源がオンされると、その増設ストレージ装置のネットワークにおける固有の識別情報を設定する設定部に初期値が設定されているか否かを判定し、設定部に初期値が設定されていると判定した場合には固有の識別情報を作成し、初期値を作成した固有の識別情報に書き換え、その作成された固有の識別情報をネットワークにおける固有の識別情報として認識する第1のモードを実行し、設定部に初期値以外の値が記憶されていると判定した場合にはその初期値以外の値をネットワークにおける固有の識別情報として認識する第2のモードを実行する。
【選択図】図9
Description
本発明は、ストレージシステム及びそのストレージシステムにおける増設ストレージ装置接続方法に関し、例えば、ストレージシステムに増設ストレージ装置を接続するための設定に適用しても好適なものである。
SAS(SAN(Storage Area Network) attached storage )接続における規格では、ハードウェア的に各筐体が固有の識別情報となるWWN(World Wide Name)を持つことが義務付けられている。そのため、SAS接続する基本ストレージ装置及び増設ストレージ装置において、同一のSAS−IDをもつストレージ装置同士は接続が不可能となっている。このような理由により、SAS−IDが衝突するような接続を試みる際には、例えばロータリースイッチ等のハードウェア的なSAS−ID変更機能をストレージ装置に設け、同一のSAS−IDを有するストレージ装置との接続を回避する必要があった。すなわち、同一ネットワーク内でストレージ装置に付与するSAS−ID(WWN)が重複しないように人手で設定作業を行っていた。
また、1対N直列通信システムに於けるアドレス設定システムとして次のような技術が知られている。この技術によると、電源投入時等に、各子機が親機よりのアドレス設定信号を受信してアドレス設定を完了することにより、直列接続の次の子機との間のスイッチ回路が閉じられ、これにより、親機よりの次のアドレス設定信号が次の子機にまで到達するようになり、親機に近い子機より順次にアドレス設定が自動的に行われる(例えば、特許文献1参照)。
さらに、アドレス設定方法として次のような技術が知られている。この技術によると、まず直列接続列または分岐接続列の一方における子機を親機に近い順に呼び出す。例えば、直列接続列においては、子機から応答があるとその子機に親機からアドレス設定信号を送信してその子機にアドレスを設定する。これが繰り返されて直列接続の子機が順次にアドレス設定される。直列接続の末端の子機までアドレス設定された結果、呼び出しを行っても応答がないときには、次に他方の、すなわち分岐接続列における子機を親機に近い順に呼び出して応答のあった子機に親機からアドレス設定信号を送信し、その子機にアドレス設定がされる。直列または分岐の接続列の一方から各子機に対して順次に読み出しを行ってアドレス設定するから、自動的にアドレス設定され、分岐があって漏れなく設定される(例えば、特許文献2参照)。
特開平4−223633号公報
特開平8−18597号公報
SAS接続する増設ストレージ装置は、製品として出荷する前に構内テストを行う必要がある。この際、SAS接続する必要があるため、構内テスト用のSAS−IDであるWWNを増設筐体に付与する必要がある。
しかしながら、構内テスト用のWWNの付与や、出荷後の実稼動のためのWWNの付与などの設定作業は、増設ストレージ装置数が増えるに従い作業工数が増し、人為的なミスも増大する。
また、構内テストを行う増設ストレージ装置の中には製品として出荷できないものもわずかながら存在する。したがって、構内テスト時に全ての増設ストレージ装置にWWNを付与することは、結果的に出荷できない増設ストレージ装置にまでWWNを付与することになる。これでは、WWNを設定する労力が無駄であり、WWN資源の浪費にもなる。
上記特許文献1及び2では、アドレスを自動的に設定するものであり、構内テスト時にアドレスを付与する労力を低減すること及び人為的なミスを防止することについては考慮されていない。
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、基本ストレージ装置と複数の増設ストレージ装置がそれぞれ有する固有の識別情報が重複されないようにして規格されているネットワークにおいて、固有の識別情報を付与しなくてもネットワーク接続することができ、構内テスト時において固有の識別情報を付与する労力を省力化できるとともに人為的なミスの発生も防止できるストレージシステム及び増設ストレージ装置接続方法を提案しようとするものである。
本発明は、基本ストレージ装置及び少なくとも1台の増設ストレージ装置がネットワーク接続され、前記基本ストレージ装置及び前記少なくとも1台の増設ストレージ装置を固有の識別情報により特定するストレージシステムにおいて、前記増設ストレージ装置は、前記ネットワークにおける固有の識別情報を設定する設定部を備え、前記基本ストレージ装置は、前記増設ストレージ装置の電源がオンされると、前記設定部に初期値が設定されている場合には固有の識別情報を作成し、前記初期値を前記作成した固有の識別情報に書き換え、その作成された固有の識別情報を前記ネットワークにおける固有の識別情報として認識する第1のモードと、前記設定部に初期値以外の値が記憶されている場合にはその初期値以外の値を前記ネットワークにおける固有の識別情報として認識する第2のモードとを実行する制御部とを備えるものである。
この構成によると、基本ストレージ装置及び少なくとも1台の増設ストレージ装置を固有の識別情報により特定するSASドメインなどのネットワークにおいて、基本ストレージ装置は、増設ストレージ装置の電源がオンされると、その増設ストレージ装置のネットワークにおける例えばSAS−IDである固有の識別情報を設定する設定部に初期値が設定されているか否かを判定し、その設定部に初期値が設定されていると判定した場合には固有の識別情報を作成し、初期値を作成した固有の識別情報に書き換え、その作成された固有の識別情報をSASドメインにおけるSAS−IDとして認識する構内テスト時に用いるテストモードを実行し、設定部に初期値以外の値が記憶されていると判定した場合にはその初期値以外の値をSASドメインにおけるSAS−IDとして認識する製品出荷時以後で用いる通常モードを実行することができる。
本発明によれば、基本ストレージ装置と複数の増設ストレージ装置がそれぞれ有する固有の識別情報が重複されないようにして規格されているネットワークにおいて、固有の識別情報を付与しなくてもネットワーク接続することができ、構内テスト時において固有の識別情報を付与する労力を省力化できるとともに人為的なミスの発生も防止できるストレージシステム及び増設ストレージ装置接続方法を提供できる。
本発明は、出荷された後にWWNを用いて基本ストレージ装置及び増設ストレージ装置を認識する通常モードに加えて、基本ストレージ装置及び増設ストレージ装置を出荷する前に工場内で実施される構内テスト時に、WWNを付与していなくても、自動的にSASドメインを作成するテストモードを設けたものである。具体的には、通常モードは、SASドメインにおいて、全ての装置がユニークなSAS−IDを持つ場合であり、テストモードは後述するエクスパンダがユニークなSAS−IDを持つ場合である。本発明のストレージシステム及び増設ストレージ装置の接続方法は、通常モードとテストモードの2種類のリンク形態を有しているものである。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のストレージシステム1の全体構成を概略的に示す図である。基本ストレージ装置(基本筐体)100に増設用のストレージ装置である増設ストレージ装置(増設筐体)200、増設ストレージ装置300、…、増設ストレージ装置N00がこの順でチェーン接続されている。チェーン接続とは、1つの親機は1つの子機しか持たない接続方法である。また、基本ストレージ装置100と増設ストレージ装置200及び増設ストレージ装置200と増設ストレージ装置300との間などの増設ストレージ装置間は、それぞれSAS接続されている。
次に、ストレージシステム1において、基本ストレージ装置100に増設ストレージ装置200、…、N00を増設する際のアーキテクチャについて図2から図5を参照して説明する。
図2は、ストレージシステム1の出荷時移行の増設ストレージ装置の増設に関するアーキテキチャを説明するための概略図である。図2に示すように、基本ストレージ装置100に増設ストレージ装置200、…、N00が、エクスパンダ121a、エクスパンダ221a、…、エクスパンダN21aがそれぞれSAS接続されることにより順にチェーン接続されている。出荷時における通常モードにおいては、各レジスターファイル122a、222a、…、N22a内に設定されるWWNを用いて基本ストレージ装置100、増設ストレージ装置200、…、N00が認識される。
なお、WWNは、本実施の形態においては、電源(図示せず。)がオンされたときに各レジスターファイル122a、222a、…、N22a内に設定される個体を特定するための製造番号から作成されるようになっている。この処理については、後述する。この実施の形態では、基本ストレージ装置100及び増設ストレージ装置200、…、N00のテストモード時には、製造番号は各レジスターファイル122a、222a、…、N22a内に設定しておらず、構内テストが終了した後、製造番号を各レジスターファイル122a、222a、…、N22a内に設定することとする。
図3は、基本ストレージ100の基本コントローラ部W1を説明するための図である。基本コントローラ部W1は、ストレージシステム1全体を制御する。具体的には、例えば、各SASディスク131、231、…、N31に対するデータの読み出し、書き込みの命令を発行する。
基本コントローラ部W1は、CPU(Central Processing Unit)110a、ROM(Read Only Memory)111a、メモリ(Memory)113a、チップセット(Chipset)112a、SASコントロール(SAS−CTL)114aから構成される。なお、CPU110aは、チップセット112aを介してROM111a、メモリ113a、SASコントロール114aと接続されている。
CPU110aは、ROM111aに格納されたシステムプログラムを実行する。ROM111aは、CPU110aが実行するシステムプログラムを格納する領域を有している。メモリ113aは、例えば、DIMM(Double Inline Memory Module)であり、ROM111aに格納されたシステムプログラムを展開する領域、また、CPU110aがシステムプログラムを実行するときに必要となるデータを保存するデータ保存領域を有している。SASコントロール114aは、チップセット112aを介してCPU110aからの命令を受信する。また、SASコントロール114aは、SAS−コマンドを発行し、ディスク部102に対するデータアクセス等を行うための制御を実行する。
図4は、ディスク部W2を説明するための図である。ディスク部W2は、基本ストレージ装置100、各増設ストレージ装置200、…、N00で共通であるため、基本ストレージ装置100についてのみ説明する。ディスク部W2は、エクスパンダ121a、レジスターファイル122a、メモリ123a、ROM124a、各SASディスク131から構成される。エクスパンダ121aは、SASコントロール114a、各SASディスク131及びストレージ装置200のエクスパンダ221aとそれぞれSAS接続されている。また、エクスパンダ121aは、レジスターファイル122a、メモリ123a、ROM124aと接続されている。
エクスパンダ121aは、CPU等を内蔵しており、ROM124aに格納されたプログラムを実行する。このプログラムを実行することにより、エクスパンダ121aは、SASプロトコルにおけるHub(ポート増設)的役割を担うことができる。レジスターファイル122aは、エクスパンダ121aが参照するレジスタテーブルが記憶されており、例えば、SASドメインにおける初期値又はSAS−ID(WWN)、個体を特定するための製造番号(この製造番号が格納される領域が特定番号設定部となる。)及び環境情報が格納される。
メモリ123aは、ROM124aに格納されたプログラムを展開する領域やそのプログラムを実行する際に必要なデータを保持する領域を有している。ROM124aは、例えば、フラッシュROMであり、エクスパンダ121aが実行するプログラムを格納する領域を設けている。
図5は、SASドメインについて説明するための図である。SASドメインは、SAS規格(プロトコル)により制御可能なネットワークであり、ネットワークを構成する要素は、SASコントロール、エクスパンダ、SASディスクである。これらの要素は、それぞれが固有のSAS−IDを持つことによりSASドメインで特定される。また、SASコントロール114aがルートとなり、SASコントロール114aからネットワークW3が展開される。このネットワークW3は、SASコントロール114a、エクスパンダ121a、221a、…、N21a、各SASディスク131、231、…、N31により構成される。SASコントロール114a、エクスパンダ121a、221a、…、N21a、各SASディスク131、231、…、N31は、それぞれユニークなSAS−IDを記憶するメモリを内蔵している。なお、各エクスパンダ121a、221a、…、N21aは、ポート増設機能を有しており、エクスパンダを通して接続可能なSASディスクにより、ディスクを増設することができる。
このように、ストレージシステム1においては、レジスターファイル122a、222a、…、N22aに設定されるSAS−IDが、SASネットワークにおけるドメインとなり、CPU110aは、SASコントロール114a、エクスパンダ121a、221a、…、N21a、各SASディスク131、231、…、N31を特定することができる。
次に、ストレージシステム1において、増設ストレージ装置200を認識する際に、通常モードで実行するかテストモードで実行するかを判定する判定処理について説明する。図9は、この判定処理の要部を示すフローチャートである。なお、順次増設ストレージを接続していく際にも、同様な処理となるので、基本ストレージ装置100に増設ストレージ装置200を増設する場合で説明する。
基本ストレージ装置100がON状態(すなわち、エクスパンダ121a等が起動している)において、増設ストレージ装置200のディスク部の電源(図示せず。)がONされると(ST101)、増設ストレージ装置200内のエクスパンダ221aが起動する(ST102)。
エクスパンダ221aは、SAS−IDとして初期値を設定するとともに上流のPHY(ポート)を開放する(ST103)。続いて、エクスパンダ221aは、個体を特定する製造番号がレジスターファイル222a内に有るか否かを判定する(ST104)。すなわち、レジスターファイル222a内に増設ストレージ装置200の製造番号が設定されているか否かを判定する。このステップST104では、出荷前の構内テストの段階ではまだ製造番号が設定されていないのでNOと判定され、出荷以後の段階では製造番号が設定されているのでYESと判定される。
製造番号が有ると判定した場合は(ST104:YES)、エクスパンダ221aはその製造番号を利用して、SAS−IDを生成し、その生成したSAS−IDを初期値から書換えてエクスパンダ221a内に設定する(ST105)。そして、エクスパンダ221aは、下流のPHY(ポート)を開放する(ST106)。
ステップST106で下流のPHYが開放されたとき、または、製造番号がないと判定された場合は(ST104:NO)、エクスパンダ221aからSASコントロール114aに制御が移行する(ST107)。
そして、SASコントロール114aは、隣接する増設ストレージ装置200と接続する(ST108)。続いて、SASコントロール114aは、接続した増設ストレージ装置200のエクスパンダ221aのSAS−IDが初期値か否かを判定する(ST109)。
SAS−IDが初期値でないと判定した場合は(ST109:NO)、SASコントロール114aは、通常モードを実行する(ST110)。また、SAS−IDが初期値であると判定した場合は(ST109:YES)、テストモードを実行する(ST111)。通常モード、テストモードにおける処理については、以下でそれぞれ説明する。
先ず、通常モードについて図10を参照して説明する。図10は、通常モードにおけるSASドメイン確立アルゴリズムを示すフローチャートである。
SASコントロール114aは、自分が持つ未検索のPHYに対し、イネーブル(enable)にして調査を実施する(ST201)。なお、調査とは、接続機器のSAS−IDの調査及び接続機器がエクスパンダかSASディスクかを調査するものである。以下でも同様である。
そして、SASコントロール114aは、PHYから応答があったか否かを判定する(ST202)。PHYからの応答があれば(ST202:YES)、接続機器が持つSAS−IDがSASコントロール114aに返される(ST203)。そして、SASコントロール114aは、SAS−IDを記憶する(ST204)。続いて、SASコントロール114aは、その接続機器は、エクスパンダであるか否かを判定する(ST205)。なお、設定されたSAS−IDやこの判定結果は、例えばSASコントロール114aに内蔵する設定部であるメモリに記憶される。
応答がなければ(ST202:NO)、又はステップST205の判定が行われた後は、
SASコントロール114aは全てのPHYが調査されたか否かを判定する(ST206)。全てのPHYが調査されていなければ(ST206:NO)、ステップST201の処理へ戻る。
SASコントロール114aは全てのPHYが調査されたか否かを判定する(ST206)。全てのPHYが調査されていなければ(ST206:NO)、ステップST201の処理へ戻る。
一方、全てのPHYが調査されていれば(ST206:YES)、SASコントロール114aは、エクスパンダが1つ以上存在したか否かを判定する(ST207)。エクスパンダが1つ以上存在しない場合は(ST207:NO)、SASドメインにはエクスパンダは存在しないことになるため、処理を終了する。
エクスパンダが1つ以上存在する場合は(ST207:YES)、全てのエクスパンダのPHYについて調査を行ったか否かを判定する(ST208)。全てのPHYについて調査を行っていなければ(ST208:NO)、SASコントロール114aは、任意のエクスパンダの未検索のPHYに対して調査を実施する(ST209)。続いて、SASコントロール114aは、PHYから応答があったか否かを判定する(ST210)。
PHYからの応答があれば(ST210:YES)、接続機器が持つSAS−IDがSASコントロール114aに返される(ST211)。そして、SASコントロール114aは、SAS−IDを設定する(ST212)。続いて、SASコントロール114aは、その接続機器は、エクスパンダであるか否かを判定する(ST213)。なお、設定されたSAS−IDや判定結果は、例えばSASコントロール114aに内蔵する設定部であるメモリに記憶される。
応答がなければ(ST210:NO)、又はステップST213の判定が行われた後は、処理はステップST208へ戻る。また、SASコントロール114aが全てのエクスパンダのPHYについて調査を行ったと判定すると(ST208:YES)、SASドメインが構築され、処理が終了する。
このように基本ストレージ装置100及び増設ストレージ装置200とでSAS接続が構築され、同様の処理を増設ストレージ装置300、…、N00で行うことにより、図5で示したSASコントロール114aがルートとなるSASドメインが形成される。
次に、テストモードについて図11を参照して説明する。図11は、テストモードにおけるSASドメイン確立アルゴリズムを示すフローチャートである。
SASコントロール114aは、自分が持つ未検索のPHYに対し、enableにして調査を実施する(ST301)。そして、PHYから応答があったか否かを判定する(ST302)。PHYからの応答があれば(ST302:YES)、接続機器が持つSAS−IDがSASコントロール114aに返される(ST303)。そして、SASコントロール114aは、SAS−IDを記憶する(ST304)。続いて、SASコントロール114aは、その接続機器は、エクスパンダであるか否かを判定する(ST305)。エクスパンダであると判定すると(ST305:YES)、そのエクスパンダのSAS−IDが初期値であるか否かを判定する(ST306)。初期値であると判定すると(ST306:YES)、そのエクスパンダのSAS−IDを書き換える(ST307)。具体的には、SAS−IDを初期値からユニークな識別番号に書き換えさせるコマンドを、SASコントロール114aはそのエクスパンダに対して発行する。このユニークな識別番号は、SASドメインの中で固有の識別番号であれば良い。
応答がなければ(ST302:NO)、ステップST305,ST306でNOと判定された場合、又はステップST307の処理が行われた後は、SASコントロール114aは全てのPHYが調査されたか否かを判定する(ST308)。全てのPHYが調査されていなければ(ST308:NO)、ステップST301の処理へ戻る。
一方、全てのPHYが調査されていれば(ST308:YES)、SASコントロール114aは、エクスパンダが1つ以上存在したか否かを判定する(ST309)。エクスパンダが1つ以上存在しない場合は(ST309:NO)、SASドメインにはエクスパンダは存在しないことになるため、処理を終了する。
エクスパンダが1つ以上存在する場合は(ST309:YES)、全てのエクスパンダのPHYについて調査を行ったか否かを判定する(ST310)。全てのPHYについて調査を行っていなければ(ST310:NO)、SASコントロール114aは、任意のエクスパンダの未検索のPHYに対して調査を実施する(ST311)。続いて、SASコントロール114aは、PHYから応答があったか否かを判定する(ST312)。
PHYからの応答があれば(ST312:YES)、接続機器が持つSAS−IDがSASコントロール114aに返される(ST313)。そして、SASコントロール114aは、SAS−IDを記憶する(ST314)。続いて、SASコントロール114aは、その接続機器は、エクスパンダであるか否かを判定する(ST315)。エクスパンダであると判定すると(ST315:YES)、そのエクスパンダのSAS−IDが初期値であるか否かを判定する(ST316)。初期値であると判定すると(ST316:YES)、そのエクスパンダのSAS−IDを書き換える(ST317)。具体的には、SAS−IDを初期値からユニークな識別番号に書き換えさせるコマンドを、SASコントロール114aはそのエクスパンダに対して発行する。このユニークな識別番号は、SASドメインの中で固有の識別番号であれば良い。
応答がなければ(ST312:NO)、ステップST315,316でNOと判定された場合、又はステップST317のSAS−IDが書きかえられた後は、処理はステップST310へ戻る。また、SASコントロール114aが全てのエクスパンダのPHYについて調査を行ったと判定すると(ST310:YES)、SASドメインが構築され、処理が終了する。
このように基本ストレージ装置100及び増設ストレージ装置200、…、N00とでSAS接続が構築され、SASコントロール114aをルートとするSASドメインがSAS−IDが設定されていなくても自動的に形成される。
次に、テストモードにおけるSASドメインの形成を図6から図8を参照しながら説明する。なお、図6から図8はSASドメインの形成を説明するための図である。
図6に示すように、基本ストレージ装置100及び増設ストレージ装置200、…、N00がチェーン接続されており、各装置の電源がオンされると、エクスパンダ121a、221a、…、N00aは、個体を特定するための製造番号が設定されていないためSAS−IDとして初期値が設定され、SAS接続がなされていない。なお、W5は、コントローラ部を示しており、W6、W7、W8はディスク部を示している。
次に、図7に示すように、SASコントロール114aは、エクスパンダ121aの全てのPHYについての調査の実施をすることによりエクスパンダ121aを認識し、エクスパンダ121aのSAS−IDを初期値からユニークな識別情報に設定し、エクスパンダ121aとのSAS接続を行う。
そして、エクスパンダ121aの全てのPHYについて調査がなされると、今度は、エクスパンダ221aを認識する。すると、SASコントロール114aは、エクスパンダ221aのSAS−IDを初期値からユニークな識別情報に設定し、全てのPHYについての調査を実施することにより、下流のエクスパンダ(エクスパンダ321a)を認識する。このような処理を繰り返すことにより、図8に示すように、増設ストレージ装置N00までSAS接続を行うことができ、SASコントロール114aをルートとするSASドメインが形成される。
以上説明したように、基本ストレージ装置100及び増設ストレージ装置200、…、N00がSAS接続され、基本ストレージ装置100及び増設ストレージ装置200、…、N00をSAS−IDにより特定するストレージシステム1において、増設ストレージ装置200、…、N00は、SAS接続における固有の識別情報を設定する設定部を含む処理部であるエクスパンダ221a、…、N21aを備え、基本ストレージ装置100は、増設ストレージ装置200、…、N00の電源がオンされると、設定部に初期値が設定されている場合には固有の識別情報を作成し、その初期値を作成した固有の識別情報に書き換え、その作成された固有の識別情報をSAS接続におけるSAS−IDとして認識するテストモードと、設定部に初期値以外の値が記憶されている場合にはその初期値以外の値をSAS接続におけるSAS−IDとして認識する通常モードとを実行するSASコントロール114aを備えている。
したがって、基本ストレージ装置100と複数の増設ストレージ装置200、…、N00がそれぞれ有する固有の識別情報が重複されないようにして規格されているSASドメインにおいて、固有の識別情報をレジスターファイル122a、…、N22aに設定しなくても、基本ストレージ装置100内のSASコントロール114aをルートとするSASドメインを自動的に構築することができる。すなわち、ストレージシステム1によると、基本ストレージ装置100及び増設ストレージ装置200、…、N00にSAS−IDが付与されていなくても、SASドメインを構築することができる。
したがって、作業員の手作業により基本ストレージ装置100、増設ストレージ装置200、…、N00にWWNのような固有の識別情報を設定する必要がなく、労力を省力化できるとともに、構内テスト時に固有の識別情報を間違って付与するという人為的なミスも防止できる。
また、構内テスト時に出荷できない不良品である増設ストレージ装置であることが判明した場合には、その増設ストレージ装置に対して、WWNを付与する必要がなくなる。
なお、上述の実施の形態においては、本発明を図1のように構成された基本ストレージ装置100及び増設ストレージ装置200、300、…、N00に適用するようにして説明した場合について述べたが、本発明はこれに限られず、この他種々の構成の基本ストレージ装置及び増設ストレージ装置に広く適用することができる。
また、上述した実施の形態では、基本ストレージ装置100と、増設ストレージ装置200、…、N00がチェーン接続される場合について説明したが、増設はチェーン接続に限られるものではない。例えば、増設ストレージ装置がツリー型構造で接続される場合にも本発明は適用することができる。
図14は、増設ストレージ装置がツリー型構造で接続される場合のテストモードにおける探索アルゴリズムを示すフローチャートである。なお、SAS接続されるネットワークの初期設定としては、SASコントロールとエクスパンダのSAS−IDは異なること、エクスパンダの上流PHYは開放し下流PHYは閉鎖しておくこと、エクスパンダの値は全て同じ初期値とすることが条件となる。
図12に示すように、SASコントロール114aからSASネットワークへのディスカバリー等の状態チェックを行う(ST401)。この状態チェックは、閉鎖しているPHYはないか、初期値と同じSAS−IDを持つエクスパンダはないかについて行うものである。
そして、SASコントロール114aは、SAS−IDが初期値のエクスパンダが存在するか否かを判定する(ST402)。SAS−IDが初期値のエクスパンダが存在する場合は(ST402:YES)エクスパンダにSAS−IDを設定する(ST403)。この設定するSAS−IDは、SAS接続されているSAS−ID以外のものを使用する。そして、処理はステップST401へ戻る。
一方、SAS−IDが初期値のエクスパンダが存在しない場合は(ST402:NO)、ディスエイブル(disable)されているPHYが存在するか否かを判定する(ST404)。disableされているPHYが存在する場合は(ST404:YES)、disableされているPHYを開放する(ST405)。そして、処理は、ステップST401へ戻る。
このようなステップST401からST405の処理が繰り返され、ステップST404でdisableされているPHYが存在しないと判定されると(ST404:NO)、この処理を終了する。
この処理を行うことにより、ツリー型構造で増設ストレージ装置が基本ストレージ装置に接続される場合のテストモードにおいて、SASドメインを形成するためのエクスパンダの探索を行うことが可能となる。
本発明は、増設ストレージ装置を増設するストレージシステムに広く適用することができる。
1…ストレージシステム、100…基本ストレージ装置、110a…CPU、111a…ROM、112a…チップセット、113a…メモリ、114a…SASコントロール、121a…エクスパンダ、122a…レジスターファイル、123a…メモリ、123a…ROM、131…SASディスク、200,300〜N00…増設ストレージ装置、221a〜N21a…エクスパンダ、222a〜N22a…レジスターファイル、223a〜N23a…メモリ、224a〜N24a…ROM、231〜N31…SASディスク
Claims (10)
- 基本ストレージ装置及び少なくとも1台の増設ストレージ装置がネットワーク接続され、前記基本ストレージ装置及び前記少なくとも1台の増設ストレージ装置を固有の識別情報により特定するストレージシステムにおいて、
前記増設ストレージ装置は、
前記ネットワークにおける固有の識別情報を設定する設定部を備え、
前記基本ストレージ装置は、
前記増設ストレージ装置の電源がオンされると、前記設定部に初期値が設定されている場合には固有の識別情報を作成し、前記初期値を前記作成した固有の識別情報に書き換え、その作成された固有の識別情報を前記ネットワークにおける固有の識別情報として認識する第1のモードと、前記設定部に初期値以外の値が記憶されている場合にはその初期値以外の値を前記ネットワークにおける固有の識別情報として認識する第2のモードとを実行する制御部とを備える、
ことを特徴とするストレージシステム。 - 前記増設ストレージ装置は、
個体を特定する特定番号を設定する特定番号設定部と、
前記電源がオンされると前記設定部に初期値を設定し、前記特定番号設定部に特定番号が設定されているかを判定し、前記特定番号が設定されている場合には前記設定部に設定されている初期値を、前記特定番号を用いて生成される前記ネットワークにおける固有の識別情報に設定するとともに前記設定部を含む処理部とを備える、
ことを特徴とする請求項1記載のストレージシステム。 - 前記処理部は、前記設定部に初期値を設定するとともに上流のポートを開放し、前記特定番号を用いて生成される前記ネットワークにおける固有の識別情報を前記設定部に設定した場合には、下流のポートを開放し、
前記制御部は、前記第1のモード又は前記第2のモードで前記開放されたポートと通信を行う、
ことを特徴とする請求項2記載のストレージシステム。 - 前記増設ストレージ装置が2台以上である場合に、その複数の増設ストレージ装置は、前記基本ストレージ装置からチェーン接続しており、
前記第1のモードは、前記チェーン接続された順に前記初期値を前記作成された固有の識別情報に書き換えていく、
ことを特徴とする請求項1記載のストレージシステム。 - 前記基本ストレージ装置を特定する固有の識別情報及び前記増設ストレージ装置を特定する固有の識別情報は、前記ネットワークにおいて異なるものであることが規定されている、
ことを特徴とする請求項1記載のストレージシステム。 - 基本ストレージ装置及び少なくとも1台の増設ストレージ装置を固有の識別情報により特定するネットワークにおける増設ストレージ装置接続方法において、
前記基本ストレージ装置は、
前記増設ストレージ装置の電源がオンされると、その増設ストレージ装置の前記ネットワークにおける固有の識別情報を設定する設定部に初期値が設定されているか否かを判定するステップと、
前記ステップで前記設定部に初期値が設定されていると判定した場合には固有の識別情報を作成し、前記初期値を前記作成した固有の識別情報に書き換え、その作成された固有の識別情報を前記ネットワークにおける固有の識別情報として認識する第1のモードを実行するステップと、
前記ステップで前記設定部に初期値以外の値が記憶されていると判定した場合にはその初期値以外の値を前記ネットワークにおける固有の識別情報として認識する第2のモードを実行するステップとを備える、
ことを特徴とする増設ストレージ装置接続方法。 - 前記増設ストレージ装置は、
前記電源がオンされると前記設定部に初期値を設定するステップと、
個体を特定する特定番号を設定する特定番号設定部に特定番号が設定されているかを判定するステップと、
前記ステップで前記特定番号が設定されていると判定した場合には前記設定部に設定されている初期値を、前記特定番号を用いて生成される前記ネットワークにおける固有の識別情報に設定するステップと備える、
ことを特徴とする請求項6記載の増設ストレージ装置接続方法。 - 前記増設ストレージ装置は、
前記設定部に初期値を設定するステップは上流のポートを開放する処理を含み、
前記特定番号を用いて生成される前記ネットワークにおける固有の識別情報を設定した後、下流のポートを開放するステップを備え、
前記基本ストレージ装置は、
前記第1のモードを実行するステップ又は前記第2のモードを実行するステップにおいて、前記開放されたポートと通信を行う、
ことを特徴とする請求項7記載の増設ストレージ装置接続方法。 - 前記増設ストレージ装置が2台以上である場合に、その複数の増設ストレージ装置は、前記基本ストレージからチェーン接続しており、
前記第1のモードを実行するステップは、前記チェーン接続された順に前記初期値を前記作成された固有の識別情報に書き換えていく、
ことを特徴とする請求項6記載の増設ストレージ装置接続方法。 - 前記基本ストレージ装置を特定する固有の識別情報及び前記増設ストレージ装置を特定する固有の識別情報は、前記ネットワークにおいて異なるものであることが規定されている、
ことを特徴とする請求項6記載の増設ストレージ装置接続方法。
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