以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〔画像転送システムの全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係る画像転送システムの概略構成を示す図である。無線LAN接続機能付き電子スチルカメラ(以下、電子カメラという)1は、公衆アクセスポイント31、自宅アクセスポイント32、プリンタ用ドングル41又はPC(パーソナルコンピュータ)51と無線LAN接続される。このときの無線LANの接続形態は、公衆アクセスポイント31及び自宅アクセスポイント32については、インフラストラクチャモードと呼ばれるものであり、プリンタ用ドングル41及びPC51については、アドホックモードと呼ばれるものである。公衆アクセスポイント31及び自宅アクセスポイント32は、インターネット33と接続されている。インターネット33には、オンラインアルバムサーバ34とメール送信サーバ35が接続されている。
また、インターネット33には、公衆アクセスポイント31を提供するISP(Internet Services Provider)が運営する認証サーバ39が接続されている。なお、公衆アクセスポイント31は、当該ISPが提供するもののみならず、他のISP又はアクセスポイントの提供業者によって提供されるものであってもよい。このため、公衆アクセスポイント31と認証サーバ39との間の通信は、国際ローミング規格WISPR(Wireless Internet Service Project Roaming)に従って行われるようになっている。なお、WISPRは、Wi−Fi Alliance(旧WECA)によってISP間ローミングシーケンスのガイドラインとして提示されたものである。無線LANアクセスではユーザのアクセスする場所が特定できず、またISPが世界中にアクセスポイントを設置することは不可能であるため、ローミングによるユーザ認証を用いてインターネットへの疎通性を確保するようにしたものである。
公衆アクセスポイント31は、空港、駅、ホテル、飲食店などのような公衆に利用される場所に設置されている。電子カメラ1のユーザは、予めISPに加入登録を行い、所定の料金を支払って利用申し込みの手続きをしておくことで、公衆アクセスポイント31を利用するための利用情報を入手することができる。この利用情報には、公衆アクセスポイント31に接続する際のユーザ認証に用いられるユーザIDやパスワードなどが含まれる。但し、この実施形態では、電子カメラの製造業者又は販売業者等は所定のISPと事前契約しており、購入者特典として、一定期間(例えば、電子カメラの購入又は利用開始からの一定期間であり、例えば30日、3ヶ月等)は、無償で当該ISPを介してインターネット接続できるようにし、当該製造業者等が運営するサーバにアクセスできるようにしている。なお、ユーザ認証を行わずに誰でも無料で公衆アクセスポイント31を利用可能としているISPもある。一方、自宅アクセスポイント32は、ユーザの自宅やオフィスなどに設置されており、ユーザとその関係者のみが利用することができる。
オンラインアルバムサーバ34は、電子カメラ1のユーザに対してオンラインアルバムサービスを提供する。オンラインアルバムサービスは、電子カメラ1から転送された画像をユーザ毎に分けて蓄積し、必要に応じてその画像をインターネット上で公開するサービスである。オンラインアルバムサーバ34では、電子カメラ1を所有するユーザ毎にそれぞれ異なるオンラインアルバムが予め登録されている。このオンラインアルバム内には、複数のフォルダがそれぞれ設定されている。何れかのユーザが所有する電子カメラ1からオンラインアルバムサーバ34に対して、撮影した画像が無線LANとインターネット33を介して転送されると、当該ユーザのオンラインアルバム内に設定された複数のフォルダの何れかにその転送画像が蓄積される。
メール送信サーバ35は、電子カメラ1のユーザに対してメール送信サービスを提供する。メール送信サービスとは、電子カメラ1から画像が転送されると、その転送画像のサムネイル画像を添付した通知メールを作成し、指定されたメールアドレスへ送信するサービスである。ユーザは、このメール送信サービスを利用することにより、当該ユーザ以外の人に対して通知メールを送信し、電子カメラ1から転送した画像をその人に紹介することができる。さらにメール送信サーバ35は、通知メールを受け取った人が画像を閲覧するための閲覧ページを作成し、インターネット上で公開する。そのため、通知メールの中には閲覧ページへのリンク情報が含まれている。
ユーザは、オンラインアルバムサーバ34によって提供されるオンラインアルバムサービスと、メール送信サーバ35によって提供されるメール送信サービスのうち、何れかのサービスを利用することができる。何れのサービスを利用するかは、その都度ユーザに選択させるようにしてもよいし、予め選択させておいてもよい。あるいは、電子カメラ1の製造メーカが予め決めておくこともできる。例えば、電子カメラ1が様々な仕向地(出荷対象地域)に対して出荷される場合、電子カメラ1の個々の仕様をその仕向地に合わせるため、予め製造メーカが仕向地の設定を行うことがある。このような場合には、設定された仕向地に応じて何れのサービスを利用するかを決定できる。こうして、電子カメラ1においてユーザの選択又は仕向地の設定により何れのサービスを利用するか決定されたら、その選択結果又は仕向地に応じて、オンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35の何れかが画像の転送先として選択される。
なお、自宅アクセスポイント32には、電子カメラ1の他に、PC(パーソナルコンピュータ)36及び37も無線LAN接続されている。PC36及び37は、電子カメラ1において撮影された画像が電子カメラ1から転送されると、その画像を取得して記録保存したり、その画像に対して各種の画像処理を実行したりする。PC37にはプリンタ38が接続されており、PC37において取得された画像をプリンタ38によって印刷することができる。
プリンタ用ドングル41は、プリンタ42のUSB(Universal Serial Bus)ポートなどに取り付けられて使用される無線LAN用のプリントサーバである。プリンタ用ドングル41によって電子カメラ1から受信した画像データは、プリンタ42へ出力される。これにより、PCを使用せずに、プリンタ42において画像の印刷が行われる。PC51は無線LAN通信機能を有しており、自宅アクセスポイント32に接続されたPC36及び37と同様に、電子カメラ1から転送される画像を取得して記録保存したり、その画像に対して各種の画像処理を実行したりする。
〔電子カメラの構成〕
図2は電子カメラ1の概略構成を示すブロック図である。電子カメラ1は、電池4、電池電圧検出部5、可変光学系3、光学部品7、撮像素子8、アナログ信号処理部12、A/D変換部13、タイミング制御部14、画像処理部15、操作部16、制御部17、メモリ18、圧縮/伸長部19、表示画像生成部20、液晶ディスプレイ21、メモリカード用インタフェース部22、外部インタフェース部23、無線LANモジュール部24を備えて構成されている。
電池4は、電子カメラ1の各部に対してその動作に必要な電力を供給する。電池4からの各部への電力供給は、電子カメラ1の動作状態に応じて許可又は禁止される。この電力供給状態の制御は、制御部17によって行われる。電池4の出力電圧(電池電圧)は、電池電圧検出部5によって検出される。この電池電圧の検出結果は、電池電圧検出部5から制御部17へ出力される。
可変光学系3は、複数の光学レンズ群よりなる撮影レンズや、絞り、シャッター等によって構成される。光学部品7は、光学フィルタやカバーガラスなどによって構成される。被写体からの光束が可変光学系3と光学部品7を通過することにより、撮像素子8上に被写体像が結像される。
撮像素子8は、可変光学系3によって結像される被写体像を撮像し、撮像された被写体像に対応する画像信号(撮像信号)を出力する。撮像素子8は、複数の画素から構成される矩形形状の撮像領域を有し、各画素に蓄積された電荷に対応するアナログ信号である画像信号を、画素単位で順次、アナログ信号処理部12に出力する。撮像素子8は、例えば単板式カラーCCDなどで構成される。アナログ信号処理部12は、内部にCDS(相関2重サンプリング)回路や、AGC(オートゲインコントロール)回路などを有し、入力された画像信号に対して所定のアナログ処理を行う。A/D変換部13は、アナログ信号処理部12で処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。タイミング制御部14は、制御部17により制御され、撮像素子8、アナログ信号処理部12、A/D変換部13、画像処理部15の各動作のタイミングを制御する。
メモリカード用インタフェース部22は、電子カメラ1の内部にセットされたメモリカード(カード状のリムーバブルメモリ)30とのインタフェースをとる。外部インタフェース部23は、USBなどの信号規格に従って、所定のケーブルを介して外部装置とのインタフェースをとる。無線LANモジュール部24は、データのフォーマット変換や暗号化、変復調、周波数変換などの処理を行い、公衆アクセスポイント31、自宅アクセスポイント32、プリンタ用ドングル41又はPC51との間で、無線LAN用の電波を送受信する。
操作部16は、各種の操作ボタンやスイッチ類を有している。これには、レリーズボタン、モードダイヤル、再生ボタン、方向ボタン、メニューボタン、決定ボタン、削除ボタン、ヘルプボタンなどが含まれる。モードダイヤルは、カメラの動作モードを切り換えるための選択ダイヤルである。このモードダイヤルによって切り換えられる動作モードには、画像を撮影するための撮影モードと、公衆アクセスポイント31や自宅アクセスポイント32、プリンタ用ドングル41又はPC51と無線通信を行って、オンラインアルバムサーバ34、メール送信サーバ35、PC36、PC37、プリンタ38、プリンタ42又はPC51に画像を転送するための無線LANモードとが少なくとも含まれる。
再生ボタンは、再生画像を液晶ディスプレイ21に表示するためのボタンである。方向ボタンは、液晶ディスプレイ21に表示される操作画面において選択位置を移動するためのボタンである。メニューボタンは、メニュー画面を液晶ディスプレイ21に表示するためのボタンである。決定ボタンは、操作を決定するためのボタンである。削除ボタンは、不要な画像などを削除するためのボタンである。ヘルプボタンは、さらに詳しい情報などを表示するためのボタンである。なお、一つのボタンに複数の機能を割り当て、操作状態に応じてその機能を使い分けてもよい。
液晶ディスプレイ21は、電子カメラ1の操作状態に応じて各種の操作画面を表示したり、撮像素子8で撮像した被写体像やメモリカードに格納された画像データに基づく再生画像を表示したりする表示装置である。操作部16の出力は制御部17に入力され、液晶ディスプレイ21には表示画像生成部20の出力が入力される。画像処理部15は、例えば、画像処理専用の1チップ・マイクロプロセッサで構成される。メモリ18にはフラッシュメモリが用いられており、電子カメラ1の制御用ソフトウェアや、後述する関連情報、識別情報生成規則、ID/PW生成規則、エラーコードに対応したメッセージリスト、アクセスポイント情報、及びプロファイル情報等のデータが予め又は必要に応じて記憶保持される。
A/D変換部13、画像処理部15、制御部17、メモリ18、圧縮/伸長部19、表示画像生成部20、メモリカード用インタフェース部22、外部インタフェース部23及び無線LANモジュール部24は、バス25を介して相互に接続されている。
図2のような構成の電子カメラ1において、操作部16の操作により、ユーザに撮影モードが選択されてレリーズボタンが押されると、制御部17は、可変光学系3を制御してピント調節を行うとともに、タイミング制御部14を介して、撮像素子8、アナログ信号処理部12、A/D変換部13に対するタイミング制御を行い、被写体の撮像を行う。なお、被写体の種類などによって複数の撮影モードを選択可能とし、撮影モードに応じてタイミング制御を変化させてもよい。
撮像素子8は、可変光学系3により撮像領域に結像された被写体像に対応する画像信号を生成する。その画像信号は、アナログ信号処理部12で所定のアナログ信号処理が施され、アナログ処理後画像信号としてA/D変換部13へ出力される。A/D変換部13では、アナログ処理後の画像信号をデジタル化し、画像データとして、画像処理部15に供給する。
本実施の形態の電子カメラ1では、撮像素子8において、単板式カラー撮像素子の最も代表的なR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタがベイア配列されている場合を例にとり、画像処理部15に供給される画像データはRGB表色系で示されるものとする。画像データを構成する各々の画素には、RGBの何れか1つの色成分の色情報が存在する。ここで、撮像素子8を構成する1つの光電変換素子を画素と言うが、この画素に対応した画像データの1単位も画素と言う。また、画像も複数の画素から構成される概念である。
画像処理部15は、このような画像データに対し、補間、階調変換や輪郭強調などの画像処理を行う。このような画像処理が完了した画像データは、必要に応じて、圧縮/伸長部19で所定の圧縮処理が施され、メモリカード用インタフェース部22を介してメモリカード30に記録される。なお、画像処理が完了した画像データは、補間処理が完了し、各画素にはRGBの全ての色成分の色情報が存在するものとする。
メモリカード30に記録された画像データは、ユーザの操作に応じて、無線LANモジュール部24から、公衆アクセスポイント31、自宅アクセスポイント32、プリンタ用ドングル41又はPC51へと無線送信される。この無線送信は、一般的な無線LANの信号規格、例えばIEEE 802.11bやIEEE 802.11gなどの規格に準拠して行われる。さらに、様々な無線LAN機器間で互換性を補償するための国際標準規格であるWiFi(Wireless Fidelity)認証にも対応している。
公衆アクセスポイント31と自宅アクセスポイント32は、電子カメラ1の無線LANモジュール部24から送信された画像データを中継し、インターネット33を経由して、オンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35へ転送する。また自宅アクセスポイント32は、無線LANモジュール部24から送信された画像データをPC36やPC37へ転送することもできる。プリンタ用ドングル41は、無線LANモジュール部24から送信された画像データをプリンタ42へ出力する。
以上説明したようにして、電子カメラ1と、オンラインアルバムサーバ34、メール送信サーバ35、PC36、PC37、プリンタ42又はPC51とが、無線LANを介して接続される。これにより、電子カメラ1において撮影された画像が、電子カメラ1からこれら各サーバや各機器に対して送信される。なお、電子カメラ1からの画像送信は、PTPIP(Picture Transfer Protocol over Internet Protocol)と呼ばれる周知の通信プロトコルに従って行われる。さらにプリンタ42は、PictBridge規格に対応したものが用いられる。
〔電子カメラにおける識別情報の生成処理〕
次に、電子カメラ1がインターネット33に接続されたオンラインアルバムサーバ34、メール送信サーバ35、認証サーバ39等のサーバにメッセージを送信する際に行われる識別情報の生成処理について、図3〜図5を参照して説明する。ここで、識別情報とは、当該電子カメラ1を他のカメラ又は装置(パーソナルコンピュータ、携帯電話等)から識別するための個体識別情報であり、電子カメラ1からのメッセージを受信したサーバに当該電子カメラ1によるアクセスであることを通知するために生成される情報をいう。但し、この識別情報は、必ずしも当該電子カメラ1の個体までを識別するものでなくてもよく、例えば、電子カメラ1からのメッセージを受信したサーバが、そのサービスの提供を行う対象であるかどうかを判断できる程度のものであってもよい。
図3において、電子カメラ1の上述したメモリ18には、関連情報60、識別情報生成規則61、及び所定のキー62が記憶されている。関連情報60には、電子カメラ1の製造業者名又はその識別コード等の製造業者を識別するための製造者情報、電子カメラ1の製品名又はその識別コード等の製品を識別するための製品情報、シリアル番号等の同一製品の個体毎に付与されるシリアル情報等が含まれる。関連情報60としては、これらの他に、MACアドレス、カメラID、ファームウエアのプログラムバージョン、通信プロトコルのバージョン等が含まれていてもよい。これらの情報は、電子カメラ1の出荷時点において既知のものであり、工場出荷前に電子カメラ1(メモリ18)に記憶設定される。
また、関連情報60としては、このような工場出荷前に既知で予め電子カメラ1に記憶設定されるものの他、例えば、インターネットの接続時に付与されるIPアドレスのような、事後的に設定される情報も含まれる場合がある。
識別情報生成規則61は、制御部17の識別情報生成部70が、関連情報60の一部又は全部に基づいて、識別情報を動的に生成するための規則であり、電子カメラ1の工場出荷前に予めメモリ18に記憶されている。識別情報生成規則61は、関連情報60のうち識別情報の生成に用いるべき情報の指定、該情報の一部又は全てについて何らかの加工を行う場合にはその情報及び加工方法の指定、情報の配列順序、その他の規則が設定された情報である。なお、ここでいう加工とは、キーの付加、変換、暗号化等を意味する。
キー62は予め任意に決められた数値及び/又は文字から構成され、同図では、識別情報生成規則61とは別に示したが、識別情報生成規則61の一部として設定されてもよい。
図4は制御部17によって行われる識別情報生成処理を示すフローチャートである。この処理が開始されると、まず、識別情報生成部70は識別情報生成規則61をメモリ18から読み出し(S20)、読み込んだ識別情報生成規則61に従って、関連情報60をメモリ18から読み出し(S21)、読み出した関連情報60を加工し、配列することにより、識別情報を生成する(S22)。
ここでは、識別情報生成部70は、一例として、識別情報生成規則61に従って、製造者情報、通信プロトコルのバージョン情報、製品情報、シリアル番号をこの順に配列した識別情報を生成する。例えば、「niko/Ver.1/S100C/0025」の如きである。これに、MACアドレス、IPアドレス、カメラID等を付加してもよい。なお、IPアドレスは、インターネット33に接続する際に付与されるものを用いる。従って、IPアドレスを付加する場合には、アクセスポイント31との通信リンクが確定した後に、識別情報生成部70により該識別情報が生成されることになる。
識別情報生成部70によって生成された識別情報は、識別情報設定部71に送られ、メッセージ生成部72により別途生成されたリクエスト・メッセージ内に設定され(S23)、無線LANモジュール部24を介して、オンラインアルバムサーバ34等の指定のサーバに向けてインターネット33に送信される(S24)。
識別情報のリクエスト・メッセージへの設定は、例えば、電子カメラ1と当該指定のサーバとがHTTPプロトコルを用いて通信する場合には、図5に示すように、HTTPのリクエスト・メッセージのメッセージ・ヘッダに「User Agent」として設定するようにできる。これを受信した当該指定のサーバは、この「User Agent」に設定された識別情報により、当該アクセスに係る装置が当該電子カメラ1であることを認識することができ、サービスを提供するか拒否するか等の判断に用いることができる。この識別情報は、電子カメラ1からサーバ等に送られる全てのリクエスト・メッセージに設定される。
一般に、オンラインアルバムサーバ34に画像をアップロードする場合には、電子カメラ1と該サーバ34との間の通信はSSL(Secure Socket Layer)等で暗号化されずに通常の通信が行われるため、上述のように「User Agent」に設定した識別情報は当該メッセージの送り先である指定のサーバ以外に漏洩する可能性がある。上記では、関連情報をそのまま配列して識別情報を生成しているので、識別情報の漏洩は問題である。この対策としては、識別情報の一部又は全部に加工を行う。
例えば、識別情報内のシリアル番号にメモリ18に記憶されたキー62を付加し、更にこれをハッシュ関数(復号不能な関数)を用いて暗号化してそのハッシュ値を設定することにより、識別情報が漏洩してもカメラ自身を特定できなくすることができる。この場合には、オンラインアルバムサーバ34等の指定のサーバ側に、上述した関連情報60、識別情報生成規則61及びキー62と同じ情報又はこれらの中から選択された解読に必要な情報を備えておき、当該識別情報を解読するようにする。なお、ハッシュ関数としては、MD5、SHA−1等の何れを用いてもよい。なお、このような暗号化には、例えば、キー62で識別情報の一部又は全部を暗号化する等の他の方法を用いてもよい。
〔電子カメラにおけるユーザID/パスワードの生成処理〕
次に、電子カメラ1がインターネット33に接続するため、認証サーバ39に認証メッセージを送信する際に行われるユーザID及びパスワード(PW)の生成処理について、図6〜図8を参照して説明する。ここでいうユーザID及びパスワードとは、認証サーバ39に係るISPを利用してインターネット33に接続する正当な権限があることを証明するための情報である。
図6において、電子カメラ1の上述したメモリ18には、関連情報60、ID/PW生成規則63、及び所定のキー64が記憶されている。図3と同じ番号を付した関連情報60は、ここでは、図3を参照して上述したものと同じものを用いている。但し、図3を参照して上述したものとは異なるものをメモリ18に別途記憶させてもよい。また、図3と同じ番号を付したメッセージ生成部72は、図3に示したものと同じである。
ID/PW生成規則63は、制御部17のID/PW生成部80が、関連情報60の一部又は全部に基づいて、ユーザID及びパスワードを動的に生成するための規則であり、電子カメラ1の工場出荷前に予めメモリ18に記憶されている。ID/PW生成規則63は、関連情報60のうちユーザID及びパスワードの生成に用いるべき情報の指定、該情報の一部又は全てについて何らかの加工を行う場合にはその情報及び加工方法の指定、情報の配列順序、その他の規則が設定された情報である。
キー64は予め任意に決められた数値及び/又は文字から構成され、同図では、ID/PW生成規則63とは別に示したが、ID/PW生成規則63の一部として設定されてもよい。キー64としては、図3に示したキー62を共通的に用いるようにしてもよい。
図7は制御部17によって行われるID/PW生成処理を示すフローチャートである。この処理が開始されると、まず、ID/PW生成部80は、ID/PW生成規則63をメモリ18から読み出し(S30)、該ID/PW生成規則61に従って、関連情報60をメモリ18から読み出し(S31)、読み出した関連情報60を加工し、配列することにより、ユーザID及びパスワードを生成する。なお、ここでいう加工とは、キーの付加、変換、暗号化等を意味するのは、図3の場合と同じである。
ここでは、ID/PW生成部80は、一例として、ID/PW生成規則63に従って、製品情報、シリアル番号、製造者情報をこの順に配列したユーザIDを生成する(S32)。例えば、「S100C0025@niko」の如きである。また、ID/PW生成部80は、一例として、ID/PW生成規則63に従って、シリアル番号にキー64を付加したものをハッシュ関数により変換してハッシュ値を求め、これをパスワードとして生成する(S32)。例えば、「015723…」の如きである。
ID/PW生成部80によって生成されたユーザID及びパスワードは、ID/PW設定部81に送られ、メッセージ生成部72により別途生成された認証リクエスト・メッセージ内に設定され(S33)、無線LANモジュール部24を介して、認証サーバ39に向けて送信される(S34)。
ユーザID及びパスワードの認証リクエスト・メッセージへの設定は、例えば、電子カメラ1と認証サーバ39とがHTTPプロトコルを用いて通信する場合には、図8に示すように、HTTPのリクエスト・メッセージのメッセージ・ボディに設定するようにできる。なお、この認証リクエスト・メッセージは、国際ローミング規格WISPRに従ってXML(Extensible Markup Language)を用いて記述される。
これを受信した当該認証サーバ39は、後に詳述するが、認証リクエスト・メッセージに設定されたユーザID及びパスワードを所定の認証リストと比較することにより、その正当性を判断し、アクセスポイント31を介したインターネット33への接続を許可するか否かを決定する。なお、一般に、認証サーバ39と電子カメラ1との通信は、ユーザID及びパスワードが漏洩しないように、SSL(Secure Socket Layer)等で暗号化されて行われる。
〔認証サーバにおける認証処理〕
次に、電子カメラ1から上述した認証リクエスト・メッセージを受信した認証サーバ39における認証処理について、図9及び図10を参照して説明する。認証サーバ39は、WISPRに従ったRADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)サーバである。ここでは、RADIUSクライアントはアクセスポイント31であり、認証サーバ39とアクセスポイント31との間の通信は、RADIUSプロトコルに従って行われる。アクセスポイント31は、電子カメラ1から認証リクエスト・メッセージを受信すると、該メッセージに設定されたユーザID及びパスワードを抽出し、RADIUSプロトコルに従ってこれらを含むRADIUS要求パケットを認証サーバ39に送る。認証サーバ39は、後述する認証処理を実施し、その認証結果を含むRADIUS応答パケットをアクセスポイント31に返送する。
なお、ここでは、アクセスポイント31は認証サーバ39を運営するISPにより提供されているものとし、アクセスポイント31が電子カメラ1等から受信した認証リクエスト・メッセージは、認証サーバ39に転送するものとするが、アクセスポイント31が認証サーバ39に係るISPと異なる他のISP等により提供され、該アクセスポイント31が複数のISPによって利用できるものである場合には、電子カメラ1からの認証リクエスト・メッセージには、認証サーバ39に係るISPを識別するためのISP識別情報が含まれ、アクセスポイント31はこのISP識別情報に従って、該当する認証サーバにRADIUS要求パケットを送ることになる。
図9に示されるように、認証サーバ39は、認証制御部101、認証要求受信部102及び認証応答生成部103を有する制御部100と、所定の認証リスト111及び所定の制限リスト112が記憶されたメモリを備えている。認証リスト111は、認証サーバ39を運営するISPと電子カメラ1の製造業者等との間の事前の取り決めに従って設定される情報であり、このリスト111に設定された情報により特定される電子カメラ(ユーザ)に対して、当該ISPを通じてインターネット33に接続するサービスが提供され得る。
この認証リスト111は、例えば、図11に示されるように、複数のユーザIDとこれらにそれぞれ対応するパスワードから構成される情報である。制限リスト112は、認証サーバ39を運営するISPと電子カメラ1の製造業者等との間の事前の取り決めに従って設定される情報であり、該ISPによって提供されるインターネット接続サービスの利用についての利用制限情報が設定される。例えば、図12に示されるように、インターネット接続サービスを提供する期限(又は期間)についての期限情報が設定される。
期限情報としては、例えば、カメラの購入後あるいはインターネット接続サービスの最初の利用開始後、一定期間のみ当該ISPを介してインターネット33への接続を許容する場合には、その期間(例えば、30日、3ヶ月等)あるいは最終期日(何年何月何日等)が設定される。図12に示したものでは、最終期日が設定されている。なお、アクセスできるサーバに関する制限情報等が更に設定されていてもよい。サーバに関する制限情報は、インターネット33に接続された特定のサーバ(例えば、オンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35)のみに接続を許容し、他のサーバへの接続は許容しない場合等に設定され、例えば、許容するサーバのURL等が設定される。
ここでは、電子カメラ1の製造業者が、電子カメラ1の購入者(ユーザ)に無償で一定期間インターネット接続し、オンラインアルバムサーバ34を利用できるという販売促進キャンペーン(フリープラン)を行っているものとし、制限リスト112に設定される利用制限情報としては、例えば、当該キャンペーンに係る無償期限(最終日)及びオンラインアルバムサーバ35のURLが設定されているものとする。
図10は認証サーバ39の制御部100によって行われる認証処理を示すフローチャートである。電子カメラ1からアクセスポイント31(図9では図示省略)を介して送られた認証要求(RADIUS要求パケット)は、制御部100の認証要求受信部102により受信され(S40)、認証制御部101に渡される。認証制御部101は渡された該認証要求に含まれるユーザID及びパスワード等を抽出し(S41)、抽出したユーザID及びパスワードによりメモリ110の認証リスト111を検索し(S42)、該ユーザID及びパスワードと一致するデータがあるか否を判断し(S43)、一致するものがある場合には、正当なユーザであると決定する。
次に、制限リスト112から該ユーザIDに対応する利用制限情報としての期限情報を読み出し(S44)、現時点が期限内であるか否かを判断する(S45)。S45において、期限内である場合には、対応する制限リスト112の対応する利用制限情報のURLに従って、該当するサーバ(ここでは、オンラインアルバムサーバ34であるものとする)と、電子カメラ1間で通信できるようにリンクを設定するとともに、認証応答(RADIUS応答パケット)にアクセスが承認されたことを示す情報を設定して、該認証応答をアクセスポイント31に送る(S46)。これにより、電子カメラ1によるインターネット通信が可能となり、電子カメラ1はオンラインアルバムサーバ34にアクセスことができるようになる。
S45において、期限が経過していると判断された場合には、予め認証サーバ39を運営するISPと電子カメラ1の製造業者等との間の事前の取り決めに従って設定されたエラーコードリスト(不図示)から対応するエラーコードを抽出し、認証応答(RADIUS応答パケット)に承認されなかったことを示す情報とともに、該エラーコードを設定して(S47)、該認証応答をアクセスポイント31に送る(S48)。
このエラーコードは、WISPRに従って、電子カメラ1からの認証要求に対して、認証サーバ39でその認証が所定の理由(ここでは、期限経過)で否定された場合に送られる認証応答にレスポンスコードとして設定されるエラーコードである。WISPRでは、レスポンスコードとして、「0」〜「255」が予約されているため、当該エラーコードとしては、これらWISPRで予約されたコード以外のコードを用いる。本実施形態では、例えば「300」を用いる。
アクセスポイント31は、電子カメラ1によるインターネット33の利用を許可せず、認証サーバ39からの該認証応答に含まれるエラーコードを、所定のレスポンスメッセージに設定して、電子カメラ1に送る。この場合には、電子カメラ1はインターネットを利用することはできず、更に利用したい場合には、当該ISPに対して別途ユーザ登録を行う必要がある。
〔電子カメラにおけるメッセージ表示処理〕
次に、電子カメラ1からの認証リクエストが認証サーバ39により拒否された場合の電子カメラ1における処理(メッセージ表示処理)について、図13〜図15を参照して説明する。図13に示されるように、電子カメラ1の制御部17は、表示メッセージ抽出部91、エラーコード抽出部92及び認証結果判定部93を備え、電子カメラ1のメモリ18には、表示メッセージリスト65が予め記憶保持されている。
表示メッセージリスト65は、図15に示されるように、複数のエラーコードに対応して、それぞれ所定の表示メッセージ(文字データ又は画像データ)が設定されたリストである。図15では、一例として、電子カメラ1が認証サーバ39に期限経過(例えば、無償利用期間の経過)を理由に認証が拒否されたことを示すエラーコードとして「300」が、このエラーコード「300」に対応する所定のメッセージとして、認証サーバを運営するISPへのユーザ登録を促すことを要旨とする文書が設定されている。この文書の更に具体例としては、「インターネット接続についてのフリープランの期間が終了しました。……(ISPの登録サイトのURLが記載されている)……にアクセスして新規のユーザ登録を行うことにより、更にサービスをご利用いただけます。」の如きである。該URLの代わりに、あるいはURLに加えて、ISPの電話番号等を設定してもよい。
図14は電子カメラ1の制御部17によって行われるメッセージ表示処理の処理を示すフローチャートである。認証サーバ39からアクセスポイント31を介して送られる認証応答(認証レスポンス・メッセージ)は、無線LANモジュール24で受信され(S51)、認証判定部93に渡される。認証判定部93は該認証応答に含まれる情報に基づいて、認証サーバ39によってアクセスが承認されたのか、拒否されたのかを判定し(S52)、認証が拒否された場合には、エラーコード抽出部92は該認証応答に含まれる上述したエラーコードを抽出し(S53)、メッセージ抽出部91は抽出されたエラーコードに基づいて、表示メッセージリスト65を検索して、該エラーコードに対応する表示メッセージを読み出す(S54)。読み出された表示メッセージは、表示画像生成部20を介して液晶ディスプレイ21に表示される(S55)。
この表示により、電子カメラ1のユーザは、例えば、フリープランの無償利用期間が経過したことを認識するとともに、継続して利用したい場合に取るべき手続を速やかに知ることができ、カメラの説明書等によって調べる手間が省略できるので、利便性を向上することができる。ISPにとっても、新規アカウントの登録が促進され、ユーザ数の拡大を期待することができる。電子カメラの製造業者にとっても、ユーザの利便性の向上に伴い、更に販売数を増大させることが期待できる。
なお、ここでは、表示メッセージリストに設定されるエラーコード及びメッセージとして、上述したようなものを例示したが、これに限定されず、ISPとカメラの製造業者等との事前の取り決めで、他の複数のエラーコードを定義し、これらに対応して適宜な表示メッセージを設定し、適宜なタイミングでディスプレイ上にメッセージを表示することにより、更に利便性を向上することが可能である。
〔無線LANの設定〕
次に、無線LANの設定方法について説明する。上記で説明したように、電子カメラ1と公衆アクセスポイント31又は自宅アクセスポイント32が無線LAN接続されることにより、電子カメラ1において撮影された画像がオンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35へ転送される。また、電子カメラ1と自宅アクセスポイント32が無線LAN接続されることにより、PC36又はPC37へ画像が転送される。電子カメラ1とプリンタ用ドングル41が無線LAN接続されることにより、プリンタ42へ画像が転送され、電子カメラ1とPC51が無線LAN接続されることにより、PC51へ画像が転送される。このような無線LAN接続を行うためには、無線LANの接続に必要な情報を予め電子カメラ1に登録しておく必要がある。
電子カメラ1に登録される無線LANの接続情報には、公衆アクセスポイント31に接続する際に用いられるアクセスポイント情報と、自宅アクセスポイント32、プリンタ用ドングル41又はPC51に接続する際に用いられるプロファイル(Profile)情報とがある。アクセスポイント情報とプロファイル情報は、電子カメラ1の電源を切断しても消去されることがないように、メモリ18によって記憶保存されている。
アクセスポイント情報には、公衆アクセスポイント31のアクセスポイント名、無線LANのSSID(Service Set Identifier)、IPアドレスの取得方法、認証方式、認証時に用いられる暗号モードの種類と暗号キーの内容などの情報が記録されている。ユーザID及びパスワードは、上述したように、認証要求時に関連情報を用いて動的に生成される。なお、SSIDの異なる複数の公衆アクセスポイントに電子カメラ1が接続可能である場合は、その接続可能な公衆アクセスポイント毎にアクセスポイント情報が登録される。
プロファイル情報には、プロファイル名、無線LANのSSID、IPアドレスの取得方法、認証方式、認証時に用いられる暗号モードの種類と暗号キーの内容、接続機器の種類、プロファイルの作成日時、最終アクセス日時などの情報が記録されている。なお、同一のアクセスポイントを経由して複数の機器に電子カメラ1が接続可能である場合は、その機器毎にプロファイル情報が登録される。即ち図1の場合は、自宅アクセスポイント32を経由して電子カメラ1に接続される各機器、即ちオンラインアルバムサーバ34、メール送信サーバ35、PC36、PC37及びプリンタ38について、それぞれにプロファイル情報が登録される。さらに、自宅アクセスポイント32を経由せずに接続されるプリンタ42及びPC51についても、それぞれにプロファイル情報が登録される。
アクセスポイント情報の登録と、プリンタ42以外のプロファイル情報の登録は、電子カメラ1とPC36、37又は51をケーブルによって有線接続した状態で行われる。なお、プロファイル情報を登録する場合は、対応するPCを電子カメラ1に接続する必要がある。即ち、PC36のプロファイル情報を登録する場合には、電子カメラ1とPC36が接続される。また、PC37又はプリンタ38のプロファイル情報を登録する場合は、電子カメラ1とPC37が接続され、PC51のプロファイル情報を登録する場合は、電子カメラ1とPC51が接続される。このとき電子カメラ1は、外部インタフェース23を介してケーブルに接続される。
上記のようにPC36、37又は51がケーブル接続された状態で、ユーザが電子カメラ1のモードダイヤルを操作し、そのモードダイヤルを「SETUP」の位置に合わせたとする。このときPC36、37又は51において、予めインストールされた無線LAN設定用のソフトウェアプログラムが実行される。これにより、PC36、37又は51から電子カメラ1に対して、無線LANの設定に関するネットワーク情報などの各種情報が送信される。
電子カメラ1は、制御部17の処理により、上記のようにしてPC36、37又は51からケーブルを介して送信された情報を受信して取得し、その内容に基づいて、アクセス情報又はプロファイル情報を作成する。そして、作成されたアクセス情報又はプロファイル情報をメモリ18に書き込んで記憶保存することにより、電子カメラ1において登録する。このアクセス情報又はプロファイル情報の内容に基づいて、無線LANモジュール部24により、電子カメラ1を無線LAN接続するときの接続処理が行われる。
一方、プリンタ42のプロファイル情報の登録は、ケーブル接続ではなく電子カメラ1とプリンタ用ドングル41を無線接続することによって行われる。この無線接続は、無線LAN接続によって行われる。このときの無線LAN接続に必要なネットワーク情報は、プリンタ接続専用のネットワーク情報として、無線LANモジュール部24に予め記憶されている。このネットワーク情報に基づいて、電子カメラ1のIPアドレスが電子カメラ1自身によって自動的に割り当てられ、無線LANモジュール部24とプリンタ用ドングル41がアドホックモードで接続される。そして、無線LAN認証を行わず、またデータを暗号化せずに、無線LANモジュール部24とプリンタ用ドングル41が接続される。
こうして無線LANモジュール部24とプリンタ用ドングル41が無線LAN接続されると、液晶ディスプレイ21に所定のメッセージが表示される。これに応じてユーザがプリンタ用ドングル41に設置されたスイッチを押すと、プリンタ用ドングル41から電子カメラ1に対して、プリンタ42に関する機器情報が送信される。電子カメラ1は、この機器情報と前述のプリンタ接続用のネットワーク情報に基づいて、プリンタ42のプロファイルを作成し、メモリ18に書き込んで記憶保存する。このようにして、プリンタ42のプロファイル情報が電子カメラ1において登録される。
〔無線LANの接続〕
次に、上記で説明したようにして登録されたアクセスポイント情報又はプロファイル情報に基づいて、電子カメラ1を何れかの接続先に無線LAN接続して画像を転送するときの動作について、図16のフローチャートを用いて説明する。図16のフローチャートは、電子カメラ1が無線LANモードに切り換えられたときに、電子カメラ1の制御部17において実行される処理の流れを表している。
図16のステップS1では、電子カメラ1において無線LANモードが選択されたか否かを判定する。無線LANモードが選択されるまではステップS1に留まり、無線LANモードが選択されると次のステップS2へ進む。この判定は、操作部16の一部であるモードダイヤルの操作状態によって行われる。ユーザがモードダイヤルを操作して「無線LAN」の位置に合わせると、無線LANモードが選択されたと判定し、電子カメラ1の動作モードが無線LANモードへと切り換えられてステップS2へ進む。
ステップS2では、無線LANモードの実行開始を示すスタート画面を液晶ディスプレイ21に表示する。ステップS3では、前回の画像転送の際に、その画像転送が途中で中断されたか否かを判定する。画像転送の中断があった場合はステップS15へ進み、転送再開処理を行う。この転送再開処理の内容については、図20のフローチャートにより後述する。画像転送の中断がなかった場合は、ステップS4へ進む。
ステップS4では、前回の画像転送後に電子カメラ1がオートパワーオフされたか否かを判定する。電子カメラ1は、所定時間、例えば3分間ユーザからの操作入力が行われないと、電源が自動的にオフされるオートパワーオフ機能を有している。このオートパワーオフ機能が前回の画像転送の際に働くことで、そのまま電子カメラ1の電源がオフされていた場合は、ステップS4からステップS5へ進む。
ステップS5では、前回の画像転送が正常に終了したことを示す転送終了画面を液晶ディスプレイ21に表示する。ステップS5を実行したらステップS6へ進む。一方、ステップS4においてオートパワーオフされなかったと判定した場合は、ステップS5を実行せずにステップS6へ進む。
ステップS6では、SSIDの検索を行う。このSSIDの検索により、無線LANモジュール部24と無線LAN通信が可能なアクセスポイントやPC、プリンタに対応するSSIDが検索される。このとき、インフラストラクチャモードで接続されるアクセスポイントは全てSSIDの検索対象とされるが、アドホックモードで接続されるプリンタ用ドングルやPCについては、プロファイル情報に登録されているものに限りSSIDの検索対象とされる。また、アクセスポイントによっては、自身のSSIDが設定されていない無線端末に対しては、そのSSIDを秘匿する機能を有するものがある。この秘匿SSIDの検索は、アクセスポイント情報又はプロファイル情報に登録されているSSIDの情報に基づいて行われる。即ち、アクセスポイント情報又はプロファイル情報においてSSIDが登録されているアクセスポイントのみ、SSIDの検索対象とされる。このようにして、電子カメラ1の動作モードが無線LANモードに切り換えられると、無線LANモジュール部24と無線通信が可能なアクセスポイントやプリンタ用ドングルが検索される。
ステップS7では、ステップS6においてSSIDが検索されたか否かを判定する。通信可能な接続先のSSIDが一つも検索されなかった場合はステップS16へ進む。この場合、ステップS16においてエラーメッセージを液晶ディスプレイ21に表示してから、図16のフローチャートを終了する。一方、少なくとも一つ以上のSSIDが検索された場合は、ステップS8へ進む。
ステップS8では、電子カメラ1の接続先を選択するための接続先選択画面を液晶ディスプレイ21に表示する。この接続先選択画面では、ステップS6において検索されたアクセスポイント、PC及びプリンタに対応するSSIDの一覧が表示される。なお、この接続先選択画面において、一覧表示されたSSIDの横には四角枠が表示される。この四角枠は、ユーザがSSIDの種類を容易に識別できるように、SSIDの種類に応じて異なる色で塗り分けられている。例えば、アクセスポイント情報とプロファイル情報の何れにも登録されていないSSIDである場合は、四角枠の中が黒色で塗りつぶされる。また、プロファイル情報に登録済みのSSIDである場合は、四角枠の中が緑色で塗りつぶされ、アクセスポイント情報に登録済みのSSIDである場合は、四角枠の中が橙色で塗りつぶされる。なお、ここで挙げた塗り分け色は一例であるため、他の色を用いてもよい。あるいは、異なる形状の図形などを用いてSSIDの種類をユーザが識別できるようにしてもよい。
また、この接続先選択画面では、カーソルが位置しているSSIDについて、そのSSIDに電子カメラ1が接続されたときに実行可能な機能の種類を示すための機能アイコンが画面下部に表示される。この機能アイコンには、PC接続機能を示すアイコンと、プリンタ接続機能を示すアイコンと、サーバ接続機能を示すアイコンと、全部で3種類のものがある。アクセスポイント情報又はプロファイル情報の何れかにおいて登録されているSSIDであれば、この3種類の機能アイコンのうち少なくとも何れか一つが表示される。しかし未登録のSSIDについては、どの機能を実行可能であるか不明なため、何れの機能アイコンも表示されない。
接続先選択画面においてヘルプボタンが押されると、接続先情報画面が表示される。この接続先情報画面には、カーソルが位置するSSIDに接続されている機器についてのプロファイル名が表示される。なお、SSIDに複数の機器が接続されている場合には、その各機器についてプロファイル名が表示される。一画面内にプロファイル名が表示しきれない場合は、方向ボタンを操作して画面を下側にスクロールさせることにより、残りのプロファイル名が表示される。再度ヘルプボタンが押されると、接続先選択画面に戻る。
また、接続先選択画面においてメニューボタンが押されると、無線LAN設定画面が表示される。この無線LAN設定画面では、メールアドレスの設定、ニックネームの設定、ワイヤレスプリント設定の各設定を行うことができる。メールアドレスの設定を行う場合には、メールアドレス入力画面が表示される。ユーザは、このメールアドレス入力画面において自身のメールアドレスを入力することにより、送信者のメールアドレスを登録することができる。なお、メールアドレス入力画面においてヘルプボタンが押されると、入力したメールアドレスを確認するためのメールアドレス確認画面が表示される。
ニックネームの設定を行う場合は、ニックネーム入力画面が表示される。ユーザは、このニックネーム入力画面において自身のニックネームを入力することにより、送信者のニックネームを登録することができる。なお、ニックネーム入力画面においてヘルプボタンが押されると、入力したニックネームを確認するためのニックネーム確認画面が表示される。
上記のようにして登録された送信者のニックネーム及びメールアドレスは、電子カメラ1からメール送信サーバ35へ画像を転送する際に、電子カメラ1からメール送信サーバ35へ転送画像と共に送信される。そして、メール送信サーバ35において閲覧ページや通知メールを作成する際に利用される。
ワイヤレスプリントの設定を行う場合は、前述のような手順に従ってプロファイル情報の登録が行われる。即ち、プリンタ42についてワイヤレスプリントの設定を行う場合を例に説明すると、最初に電子カメラ1とプリンタ用ドングル41の間でアドホックモードの無線LAN接続が試みられる。このとき、プリンタ接続画面が表示される。電子カメラ1とプリンタ用ドングル41が無線LAN接続されると、次にペアリング確認画面が表示される。ユーザがこれに応じてプリンタ用ドングル41のスイッチを押すと、プリンタ用ドングル41から電子カメラ1に向けてプリンタ42に関する機器情報が送信される。電子カメラ1は、この機器情報を受信することでプリンタ42のプロファイルを登録する。プリンタ42のプロファイルの登録が完了すると、プリンタ接続設定完了画面が表示される。この画面においてプリンタ42への接続を選択すると、電子カメラ1がプリンタ42に接続されてワイヤレスプリント処理が開始される。
ステップS8において接続先選択画面が表示されると、次のステップS9では、電子カメラ1の接続先が選択されたか否かを判定する。このとき、ステップS8で表示した接続先選択画面において一覧表示したSSIDの何れかがユーザの操作入力によって選択されると、そのSSIDに対応するアクセスポイント、プリンタ用ドングル又はPCが、電子カメラ1の接続先として選択される。こうして電子カメラ1の接続先が選択されるまではステップS8へ戻って接続先選択画面の表示を続け、接続先が選択されたらステップS10へ進む。
ステップS10では、ステップS9において選択された接続先が、サーバ又はプリンタ専用の接続先であるか否かを判定する。ここで、公衆アクセスポイント31は、オンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35の何れかに接続されるサーバ専用の接続先である。またプリンタ用ドングル41は、プリンタ42に接続されるプリンタ専用の接続先である。従って、これらの接続先に対応するSSIDが接続先選択画面においてユーザに選択された場合は、サーバ又はプリンタ専用の接続先であると判定してステップS13へ進む。一方、自宅アクセスポイント32は、オンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35に接続されると共に、PC36、PC37及びプリンタ38にも接続されている。またPC51は、PC専用の接続先である。従って、これらの接続先に対応するSSIDが接続先選択画面においてユーザに選択された場合は、サーバ又はプリンタ専用の接続先ではないと判定してステップS11へ進む。
ステップS11では、ステップS9において選択された接続先に応じたメニュー画面の表示を行う。ここで表示されるメニュー画面には、電子カメラ1がその接続先に接続されることによって実行可能な各種のメニュー項目が一覧表示される。即ち、自宅アクセスポイント32が選択された場合は、オンラインアルバムサーバ34、メール送信サーバ35、PC36、PC37又はプリンタ38の何れかに画像を転送するためのメニュー項目が一覧表示される。一方、PC51が選択された場合は、PC51に画像を転送するためのメニュー項目が一覧表示される。
なお、自宅アクセスポイント32には、オンラインアルバムサーバ34、メール送信サーバ35、PC36、PC37及びプリンタ38が接続されている。しかし、これ以外のネットワーク接続形態を有するアクセスポイントが接続先として選択される場合もある。その場合は、選択されたアクセスポイントのネットワーク接続形態に応じて、ステップS11で表示するメニュー画面の表示形態が変化される。
具体的には、選択されたアクセスポイントがサーバに接続されている場合と接続されていない場合とでは、異なるメニュー項目がメニュー画面において一覧表示される。即ち、インターネット33を介してオンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35に接続されないアクセスポイントが選択された場合は、これらのサーバに画像を転送するためのメニュー項目は不要であるため、メニュー画面において表示されない。同様にPCとプリンタについても、選択されたアクセスポイントがこれらに接続されていなければ、メニュー画面において不要なメニュー項目が表示されない。従って、接続されている場合と接続されていない場合とでは、それぞれに異なるメニュー項目がメニュー画面において一覧表示される。
上記のようなアクセスポイントのネットワーク接続形態の判断は、アクセスポイント情報又はプロファイル情報に基づいて行われる。即ち、アクセスポイント情報が登録されている場合、そのアクセスポイント情報に対応する公衆アクセスポイントは、オンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35のみに接続されていると判断することができる。一方、プロファイル情報が登録されている場合、そのプロファイル情報に表された接続機器の種類と無線LANのSSIDの情報に基づいて、各SSIDが対応するアクセスポイントにどのような機器が接続されているかを判断することができる。
ステップS11においては、各種のメニュー画面が表示される。自宅アクセスポイント32のように、サーバ、PC及びプリンタの何れもが接続されているアクセスポイントが接続先として選択された場合のメニュー画面には、オンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35に画像を転送するためのメニュー項目「Coolpix Connect」と、PCに画像を転送するためのメニュー項目と、プリンタに画像を転送するためのメニュー項目「ワイヤレスプリント」とが表示される。PCに画像を転送するためのメニュー項目は、さらに「簡単転送(PM付)」、「簡単転送(PM無)」、「撮影日転送」、「選択画像転送」、「撮影&転送」、「転送マーク画像転送」及び「PCモード」の各項目に細分化されている。メニュー画面の切り換えは、方向ボタンの上下を押すことにより行われる。以下に説明する各メニュー画面についても同様である。
サーバとPCが接続されているアクセスポイントが接続先として選択された場合のメニュー画面には、プリンタに画像を転送するためのメニュー項目を除いて、上記の各メニュー項目が表示される。サーバとプリンタが接続されているアクセスポイントが接続先として選択された場合のメニュー画面には、PCに画像を転送するためのメニュー項目を除いて、上記の各メニュー項目が表示される。
PCとプリンタが接続されているアクセスポイントが接続先として選択された場合に表示されるメニュー画面には、サーバに画像を転送するためのメニュー項目を除いて、上記の各メニュー項目が表示される。PCのみが接続されているアクセスポイント、又はアドホックモードで接続されるPCが接続先として選択された場合に表示されるメニュー画面には、PCに画像を転送するための上記の各メニュー項目が表示される。
なお、サーバ専用の接続先が選択された場合、上記の各メニュー項目のうち、サーバに画像を転送するための「Coolpix Connect」のみがメニュー画面において表示すべきメニュー項目に該当する。また、プリンタ専用の接続先が選択された場合、上記の各メニュー項目のうち、プリンタに画像を転送するための「ワイヤレスプリント」のみがメニュー画面において表示すべきメニュー項目に該当する。従って、このようにメニュー画面において表示すべきメニュー項目が一つしかないため、メニュー画面の表示が不要な場合には、ステップS10において説明したように、ステップS11を実行せずにステップS13へ進むことでメニュー画面を表示しない。その結果、無駄なメニュー画面の表示を省略することができる。
ステップS12では、ステップS11で表示したメニュー画面において、何れかのメニュー項目が選択されたか否かを判定する。何れかのメニュー項目が選択されるまではステップS11へ戻ってメニュー画面の表示を続け、メニュー項目が選択されたらステップS13へ進む。
ステップS13では、ステップS12において選択されたメニュー項目に応じた処理を実行する。この処理により、電子カメラ1から、各サーバ、PC又はプリンタのうち選択されたメニュー項目に対応する転送先へと画像が転送される。なお、ここで実行される処理の内容については、以降で詳しく説明する。
ステップS14では、無線LANモードを終了するか否かを判定する。無線LANモードを終了すると判定した場合は、図16のフローチャートを終了する。一方、無線LANモードを継続すると判定した場合はステップS8へ戻り、ステップS8において接続先選択画面を再び表示する。この判定は、ステップS13の処理実行後にユーザが行うモードダイヤルの操作結果に応じて行われる。即ち、モードダイヤルが「無線LAN」の位置のままであれば無線LANモードを継続すると判定し、他の位置へと切り換えられた場合は無線LANモードを終了すると判定する。
以上説明したような処理が無線LANモードにおいて実行されることにより、電子カメラ1からの画像転送が行われる。
〔オンラインアルバムサーバへの画像転送〕
次に、図16のステップS13で実行される処理の具体的な内容について説明する。初めに、オンラインアルバムサーバ34に画像を転送するときに実行されるオンラインアルバムサーバ転送処理の内容について、図17のフローチャートを用いて説明する。図17のフローチャートは、上述したメニュー画面において、メニュー項目「Coolpix Connect」が選択されたときに実行される。
ステップS100では、オンラインアルバムサービスを利用するか否かを判定する。オンラインアルバムサービスを利用する場合は次のステップS101へ進む。一方、オンラインアルバムサービスを利用しない場合、即ちメール送信サービスを利用する場合は、図17のフローチャートを終了する。この場合は、後で説明する図19のフローチャートに従ってメール送信サーバ転送処理が実行される。なお、何れのサービスを利用するかの決定は前述のような方法により行われる。
ステップS101では、既にオンラインアルバムサーバ34に対するユーザ登録が済んでいるか否かを判定する。ユーザ登録済みである場合は次のステップS102へ進み、まだユーザ登録をしていない場合はステップS113へ進む。この判定は、ユーザ登録をすることによって電子カメラ1に内部的に設定されるフラグ情報を参照することにより行われる。ステップS113へ進んだ場合は、エラーメッセージを液晶ディスプレイ21に表示して図17のフローチャートを終了する。この場合、オンラインアルバムサーバ34への画像転送は行われない。なお、ここでは、オンラインアルバムサーバ34に画像転送するためにユーザ登録が必要であるものとしているが、そのような登録をせずに、オンラインサーバ34に画像を転送できるようにしてもよく、この場合には、ステップS101及びS113は省略される。
ステップS102では、電子カメラ1において転送する画像の選択方法を決定するための画像選択方法決定画面を液晶ディスプレイ21に表示する。画像選択方法決定画面には、「全画面から選択」、「撮影日選択」の項目が表示される。ステップS103では、ステップS102で表示した画像選択方法決定画面において、「全画像から選択」又は「撮影日選択」のどちらの画像選択方法がユーザの操作によって選ばれたかを判定する。「全画像から選択」が選択された場合はステップS106へ進み、「撮影日選択」が選択された場合はステップS104へ進む。
ステップS104では、転送する画像の撮影日を選択するための撮影日選択画面を液晶ディスプレイ21に表示する。この撮影日選択画面では、電子カメラ1において記録されている全撮影画像の撮影日が一覧表示される。なお、このとき撮影日毎に撮影画像の何れかを代表画像としてそれぞれ選択し、その各代表画像を縮小したサムネイル画像を撮影日と共に一覧表示することが好ましい。このようにすることで、ユーザは各撮影日にどのような画像が撮影されたかを確認することができるため、撮影日の選択が容易となる。
ステップS105では、ステップS104で表示した撮影日選択画面において、何れかの撮影日がユーザの操作により選択されたかを判定する。撮影日が選択されるまではステップS104へ戻って撮影日選択画面の表示を続ける。何れかの撮影日がユーザにより選択されて決定ボタンが押されると、次のステップS106へ進む。
ステップS106では、転送する画像を選択するための画像選択画面を液晶ディスプレイ21に表示する。この画像選択画面では、電子カメラ1に記録された撮影画像を縮小したサムネイル画像が一覧表示される。このとき、画像選択方法として「撮影日選択」が選択されていた場合は、ステップS105において選択された撮影日に該当する撮影画像のみが一覧表示される。一方、画像選択方法として「全画像から選択」が選択されていた場合は、電子カメラ1に記憶された撮影画像の全てが一覧表示される。
ステップS107では、ステップS106で表示した画像選択画面において、何れかの画像がユーザの操作により選択されたかを判定する。画像が選択されるまではステップS106へ戻って画像選択画面の表示を続ける。何れかの画像がユーザにより選択されて決定ボタンが押されると、次のステップS108へ進む。
ステップS108では、転送時の画像サイズを選択するための送信サイズ選択画面を液晶ディスプレイ21に表示する。この送信サイズ選択画面では、プリンタでの印刷に適した画像サイズの「プリントサイズ」、PCでの表示に適した画像サイズの「PCサイズ」、TVでの表示に適した画像サイズの「TVサイズ」、又は元の画像サイズの「オリジナル」のうち、何れかの画像サイズが送信サイズとしてユーザに選択される。電子カメラ1からオンラインアルバムサーバ34に画像を転送する際には、ここで選択された送信サイズに合わせて画像サイズが変換される。
なお、上記の4種類の画像サイズのうち、「プリントサイズ」、「PCサイズ」及び「TVサイズ」は、元の画像サイズよりも小さな画像サイズである。即ち、これらの画像サイズがユーザによって選択された場合は、元の画像サイズよりも小さな画像サイズへと変換される。従って、ユーザはこれらの画像サイズを選択することにより、サーバ容量が無駄に消費されるのを防ぐことができる。一方、元の画像サイズである「オリジナル」がユーザに指定された場合は、画像サイズが変換されない。これにより、ユーザは必要に応じて撮影した画像を劣化させることなく転送することができる。
ステップS109では、ステップS108で表示した送信サイズ選択画面において、何れかの送信サイズがユーザの操作により選択されたかを判定する。送信サイズが選択されるまではステップS108へ戻って送信サイズ選択画面の表示を続ける。何れかの送信サイズがユーザにより選択されると、次のステップS110へ進む。
ステップS110では、選択された画像の転送を開始してもよいかをユーザに確認するための送信確認画面を液晶ディスプレイ21に表示する。次のステップS111では、ステップS110で表示した送信確認画面に対するユーザの操作結果により、ユーザからの送信確認結果がOKであるか否かを判定する。送信確認結果がOKである場合、即ち送信確認画面においてユーザが「はい」を選択した場合は、ステップS112へ進む。そうでない場合、即ち送信確認画面においてユーザが「いいえ」を選択した場合は、ステップS112を実行せずに図17のフローチャートを終了する。この場合、オンラインアルバムサーバ34への画像転送は行われない。
ステップS112では、選択された画像を転送するための画像転送処理を実行する。この画像転送処理が実行されることにより、電子カメラ1とオンラインアルバムサーバ34が無線LANを介して接続され、ユーザに選択された画像が電子カメラ1からオンラインアルバムサーバ34へ転送される。この画像転送処理の具体的な内容については、以降で図18のフローチャートを用いて詳しく説明する。ステップS112を実行したら、図17のフローチャートを終了する。
ここで、図17のステップS112において実行される画像転送処理の内容について、図18のフローチャートを用いて以下に説明する。ステップS121では、無線LANモジュール部24において、図16のステップS9によりユーザに選択された接続先に該当するアクセスポイントとの無線通信を開始して、そのアクセスポイントへの接続を行う。このときアクセスポイントに接続中であることを示すアクセスポイント接続画面が表示される。これにより、電子カメラ1が公衆アクセスポイント31又は自宅アクセスポイント32へ無線LAN接続される。
ステップS122では、ステップS121において接続したアクセスポイントから、そのアクセスポイントへ接続するための暗号キーであるWEP(Wired Equivalent Privacy)キーの入力要求があるか否かを判定する。なお、WEPキーではなく他の暗号形式による暗号キーを用いることもできる。WEPキーの入力要求がある場合はステップS123へ進み、ない場合はステップS125へ進む。
ステップS123では、WEPキーを入力するためのWEPキー入力画面を液晶ディスプレイ21に表示する。ユーザは、このWEPキー入力画面において方向ボタンなどを操作することにより、任意のWEPキーを電子カメラ1に対して入力することができる。なお、このときヘルプボタンが押されると、WEPキー確認画面が表示される。このWEPキー確認画面により、ユーザは入力したWEPキーを確認することができる。
ステップS124では、ステップS123で表示したWEPキー入力画面において、正しいWEPキーがユーザに入力されたか否かを判定する。正しいWEPキーが入力されるまではステップS123へ戻ってWEPキー入力画面の表示をし続け、正しいWEPキーが入力されたらステップS125へ進む。このようにしてWEPキーの認証が行われる。なお、途中でキャンセルボタンを押すことにより、WEPキーの入力を中止することもできる。
なお、アクセスポイントからWEPキーの入力を要求された場合であっても、過去にそのアクセスポイントに対して正しいWEPキーを入力していた場合は、そのWEPキーの内容が電子カメラ1において記憶される。従ってその場合は、記憶されたWEPキーを用いてステップS124の判定を行うことにより、WEPキー入力画面を表示することなくWEPキーの認証が行われる。同様に、アクセスポイント情報やプロファイル情報においてWEPキーの内容が記録されている場合は、そのWEPキーを用いて、WEPキー入力画面を表示することなくWEPキーの認証が行われる。
ステップS125では、ステップS121において接続したアクセスポイントから、そのアクセスポイントへ接続するためのユーザ認証要求があるか否かを判定する。ここでは、アクセスポイント31は予めユーザ登録を行ったユーザ、又は期間限定の利用が許されたユーザなどのように、正当な利用者からの接続のみを許可するISPに係るものであるものとし、ユーザ認証要求を送ってくるものとする。但し、ユーザ登録なしに誰でも利用できるようにしたアクセスポイントもあり、この場合にはユーザ認証要求は送られてこないことになる。ユーザ認証要求がある場合はステップS126へ進み、ない場合はステップS128へ進む。
ステップS126では、図7に示したフローチャートに従って、ID/PW生成処理が行われる。この処理は既に詳述したので、その説明は省略するが、この処理により、ユーザID及びパスワードが動的に生成され、これらを含む認証リクエスト・メッセージが認証サーバ39に対して送られる。
なお、この認証リクエスト・メッセージを受信した認証サーバ39においては、既述のように、図10に示したフローチャートに従って認証処理が行われ、その可否及び所定の理由(ここでは、無料期間の経過)で否定された場合には所定のエラーコードを含む認証レスポンス・メッセージが電子カメラ1に送られる。
このレスポンス・メッセージを受信すると、ステップS127において、図14に示したフローチャートに従って、メッセージ表示処理が行われる。この処理も既に詳述したので、その説明は省略するが、この処理により、認証サーバ39によって認証が所定の理由により拒否された場合に、電子カメラ1の液晶ディスプレイ21にユーザ登録を促す旨のメッセージが表示される。なお、図14のステップS52において、承認された場合には、アクセスポイントへの接続が完了し、次のステップS128に進む。これにより、電子カメラ1が無線LANを介して、画像の転送先として選択されたオンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35に接続される。図14のステップS52において、承認が拒否された場合には、図18に示す処理は終了される。
なお、既にユーザ登録を行ったユーザであり、あるいは利用について正当な権限を持ち、ユーザID及びパスワードを所有している場合には、S126及びS127の処理に代えて、ユーザID及びパスワードの入力画面が表示され、この画面に従って該当するユーザID及びパスワードを入力する。
次にステップS128では、図4に示したフローチャートに従って、識別情報生成処理が行われる。この処理は既に詳述したので、その説明は省略するが、この処理により、識別情報(ここでは、個体識別情報)が動的に生成され、この識別情報がリクエスト・メッセージに設定される。なお、この処理で生成された識別情報は、電子カメラ1からインターネット33に送出される全てのリクエスト・メッセージに設定される。
該リクエスト・メッセージに設定された識別情報は、電子カメラの個体を識別することができるので、転送先のサーバ(ここでは、オンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35)は、この識別情報をユーザ認証を行うために用いることができる。これにより、例えばそのような識別情報を有しない他のカメラや携帯電話等からのアクセスを有効に阻止することができる。例えば、ステップS125でユーザ認証要求を送ってこないアクセスポイント等からインターネットに接続してアクセスされた場合であっても、当該電子カメラ1を識別することができ、サービスを障害なく提供することができる。
次のステップS129では、転送する画像の枚数や送信サイズなどを表した画像情報を転送先のサーバへ送信する。この画像情報に基づいて、転送先のサーバにおいてサーバ容量が足りるか否かの判断が行われる。なお、転送先のサーバでは予め使用できるサーバ容量がユーザ毎に設定されている。例えばオンラインアルバムサーバ34では、各ユーザが自分のオンラインアルバムに100Mバイトまでの画像を蓄積することができる。このサーバ容量は、ユーザが所定の手続きを行うことで1Gバイトまで拡張することができる。またメール送信サーバ35では、各ユーザが自分の閲覧ページに100Mバイトまでの画像を載せることができる。この閲覧ページは所定期間、例えば2週間が経過すると、メール送信サーバ35によって自動的に消去される。
ステップS130では、ステップS131で送信した画像情報に基づいて転送先のサーバが行ったサーバ容量の判断結果により、サーバ容量が足りるか否かを判定する。サーバ容量が足りないと転送先のサーバにおいて判断された場合はステップS131へ進み、エラーメッセージを液晶ディスプレイ21に表示して、図18のフローチャートを終了する。一方、サーバ容量が足りると転送先のサーバにおいて判断された場合は、ステップS132へと進む。
ステップS132では、前述した図17のステップS107、又は後述する図19のステップS208において転送対象に選択された画像の転送を行う。このとき所定の転送画面が表示され、転送する画像の総数と、転送済みの画像数とが表示される。次のステップS133では、画像の転送が終了したか否かを判定する。転送対象とされた全ての画像を転送するまでの間はステップS132へ戻って画像の転送を継続し、画像の転送を終了したらステップS134へ進む。
ステップS134では、電子カメラ1と転送先のサーバとの間で確立されたネットワークの切断を行う。このとき無線LANモジュール部24は、接続先として選択されたアクセスポイントとの無線通信を終了する。これにより、電子カメラ1とそのアクセスポイントの間における無線LAN接続が解除される。次のステップS135では、無線LANモジュール部24への電源供給を停止し、無線LANモジュール部24の電源をオフする。次のステップS136では、画像の転送が終了したことを示す転送終了画面を液晶ディスプレイ21に表示する。ステップS136を実行したら、図18のフローチャートを終了する。
以上説明したような処理により、電子カメラ1とオンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35が無線LANを介して接続される。そして、ユーザに選択された画像が電子カメラ1からオンラインアルバムサーバ34又はメール送信サーバ35へ転送される。なお、画像転送前にキャンセルボタンが押された場合は、所定のキャンセル画面を表示して、図18のフローチャートを終了する。
〔メール送信サーバへの画像転送〕
次に、図16のステップS13で実行される処理のうち、メール送信サーバ35に画像を転送するときに実行されるメール送信サーバ転送処理の内容について、図19のフローチャートを用いて説明する。図19のフローチャートは、メニュー画面に示すように、メニュー項目「Coolpix Connect」が選択されたときに実行される。
ステップS200では、メール送信サービスを利用するか否かを判定する。メール送信サービスを利用する場合は次のステップS201へ進む。一方、メール送信サービスを利用しない場合、即ちオンラインアルバムサービスを利用する場合は、図19のフローチャートを終了する。この場合は、前述した図17のフローチャートに従ってオンラインアルバムサーバ転送処理が実行される。このステップS200においても図17のステップS100と同様に、何れのサービスを利用するかの決定は前述のような方法により行われる。
ステップS201では、送信者であるユーザのニックネームとメールアドレスが送信者情報として電子カメラ1に登録済みであるか否かを判定する。この送信者情報の登録は、前述のように無線LAN設定画面から表示されるメールアドレス入力画面とニックネーム入力画面において、ユーザが自身のメールアドレスやニックネームを入力することにより行われる。送信者情報が登録済みである場合はステップS203へ進み、まだ登録されていない場合はステップS202へ進む。
ステップS202では、送信者情報の登録を行う。このとき、最初に送信者情報入力画面が表示される。この画面においてユーザが「入力」を選択すると、次にメールアドレス入力画面が表示される。ユーザは、このメールアドレス入力画面において自身のメールアドレスを入力することにより、送信者情報のメールアドレスを登録することができる。なお、メールアドレス入力画面においてヘルプボタンが押されると、入力したメールアドレスを確認するためのメールアドレス確認画面が表示される。
メールアドレスの登録が完了したら、次にニックネーム入力画面が表示される。ユーザは、このニックネーム入力画面において自身のニックネームを入力することにより、送信者情報のニックネームを登録することができる。なお、ニックネーム入力画面においてヘルプボタンが押されると、入力したニックネームを確認するためのニックネーム確認画面が表示される。こうして送信者情報のニックネームとメールアドレスがそれぞれ登録されたら、ステップS203へ進む。
以上説明したように、電子カメラ1において送信者情報が登録されていない状態でメール送信サーバ35への画像転送をユーザが指示した場合、ステップS201からステップS202へ進み、送信者情報入力画面を表示することにより、送信者情報を登録するようユーザに要求する。そして、送信者情報が登録されたらステップS203へ進み、それ以降の処理を実行する。このようにして、送信者情報が登録されていない場合には、送信者情報を登録しなければその後の処理を行わずにメール送信サーバ35への画像転送を禁止することとした。このようにしたので、メール送信サーバ35において閲覧ページを作成するために必要な送信者情報を、画像転送の際に電子カメラ1からメール送信サーバ35へ確実に送信することができる。
ステップS203からS210では、図17のステップS102からS109と同様の処理を実行する。即ち、ステップS203では、画像選択方法決定画面を液晶ディスプレイ21に表示する。ステップS204では、ステップS203で表示した画像選択方法決定画面において何れの画像選択方法がユーザの操作によって選ばれたかを判定する。「全画像から選択」が選択された場合はステップS207へ進み、「撮影日選択」が選択された場合はステップS205へ進む。ステップS205では、撮影日選択画面を液晶ディスプレイ21に表示する。ステップS206では、ステップS205で表示した撮影日選択画面において何れかの撮影日が選択されたかを判定する。撮影日が選択されるまではステップS205へ戻って撮影日選択画面の表示を続け、何れかの撮影日が選択されるとステップS207へ進む。ステップS207では、画像選択画面を液晶ディスプレイ21に表示する。ステップS208では、ステップS207で表示した画像選択画面において、何れかの画像がユーザの操作により選択されたかを判定する。画像が選択されるまではステップS207へ戻って画像選択画面の表示を続け、何れかの画像が選択されるとステップS209へ進む。
ステップS209では、送信サイズ選択画面を液晶ディスプレイ21に表示する。なお、このステップS209において表示される送信サイズ選択画面は、図17のステップS108において表示される送信サイズ選択画面と異なり、元の画像サイズの「オリジナル」が選択できないようになっている。このようにすることで、メール送信サーバ35に画像を転送する際には、ユーザに元の画像サイズを指定させないようにしている。これにより、元の大きな画像サイズのままで電子カメラ1から画像が転送されるのを防ぎ、サーバ容量が圧迫されないようにしている。
なお、オンラインアルバムサーバ34に画像を転送する際にも、上記と同じようにしてユーザに元の画像サイズを指定させないこととすれば、同様の効果を得ることができる。即ち、オンラインアルバムサーバ34及びメール送信サーバ35の少なくとも何れか一方については、そのサーバに画像を転送する際、ユーザに元の画像サイズを指定させないこととして、サーバ容量の圧迫を防ぐことができる。
ステップS210では、ステップS209で表示した送信サイズ選択画面において、何れかの送信サイズが選択されたかを判定する。送信サイズが選択されるまではステップS209へ戻って送信サイズ選択画面の表示を続ける。何れかの送信サイズがユーザにより選択されると、次のステップS211へ進む。
ステップS211では、メールの宛先を選択するための宛先選択画面を液晶ディスプレイ21に表示する。このとき宛先選択画面が表示される。この宛先選択画面には、メールの宛先として登録済みの友人や知人のニックネームリストが表示されている。ユーザはその中の何れかをメールの宛先として選択することができる。なお、ヘルプボタンを押すことにより、宛先確認画面を表示することもできる。この宛先確認画面には、カーソルが位置している宛先のニックネームとメールアドレスが表示される。
ステップS212では、宛先を新規追加するか否かを判定する。ステップS211で表示した宛先選択画面において、宛先選択画面のカーソルが「新規追加」の位置に移動されて決定ボタンが押されると、宛先を新規追加すると判定してステップS213へ進む。一方、宛先を新規追加しない場合はステップS214へ進む。
ステップS213では、新規に追加する宛先の入力及び登録を行う。このとき、初めに宛先ニックネーム入力画面が表示される。ユーザは、この宛先ニックネーム入力画面において方向ボタンなどを操作することにより、宛先に追加したい友人や知人のニックネームを入力することができる。なお、このときヘルプボタンが押されると、宛先ニックネーム確認画面が表示される。この宛先ニックネーム確認画面により、ユーザは入力した宛先ニックネームを確認することができる。
宛先ニックネームの入力が完了したら、次に宛先メールアドレス入力画面が表示される。ユーザは、この宛先メールアドレス入力画面において宛先に追加したい友人や知人のメールアドレスを入力することができる。なお、このときヘルプボタンが押されると、宛先メールアドレス確認画面が表示される。この宛先メールアドレス確認画面により、ユーザは入力した宛先メールアドレスを確認することができる。こうして新規に入力されたニックネームとメールアドレスが宛先に追加され、電子カメラ1において登録される。登録が完了したら、ステップS211へ戻って宛先選択画面を表示する。
なお、電子カメラ1に対する宛先の登録は、上記のステップS213において行う場合に限られない。即ち、セットアップメニューから宛先の登録を選択するなどの方法により、ユーザは任意のタイミングで宛先を登録することができる。又は、電子カメラ1に対して宛先のニックネームとメールアドレスを直接入力せずに、電子カメラ1にPCを接続し、そのPCにおいて入力されたニックネームとメールアドレスから宛先を登録することとしてもよい。さらに宛先の登録だけでなく、ステップS202において登録される送信者情報についても同様である。即ち、ユーザは任意のタイミングで送信者情報を登録したり、電子カメラ1に接続されたPCにおいて入力されたニックネームとメールアドレスから送信者情報を登録したりすることができる。
ステップS214では、既に登録されている宛先の何れかを消去するか否かを判定する。ステップS211で表示した宛先選択画面において削除ボタンが押されると、宛先消去画面が表示される。この画面において「はい」が選択されると、宛先選択画面においてカーソルが位置していた宛先を消去すると判定してステップS215へ進む。この場合、ステップS215においてその宛先を消去した後、ステップS211へ戻って宛先選択画面を表示する。一方、宛先を消去しない場合はステップS216へ進む。
ステップS216では、ステップS211で表示した宛先選択画面において、何れかの宛先が選択されたか否かを判定する。ユーザの操作により何れかの宛先が選択されるまでの間はステップS211へ戻って宛先選択画面の表示を続け、何れかの宛先が選択された場合はステップS217へ進む。ステップS217では、送信確認画面を表示する。
ステップS217で表示した送信確認画面において「はい」が選択されると、次のステップS218において送信確認OKと判定し、ステップS219へ進む。ステップS219では、図18のフローチャートに示す画像転送処理を前述のようにして実行する。これにより、電子カメラ1とメール送信サーバ35が無線LANを介して接続され、ステップS208においてユーザに選択された画像が電子カメラ1からメール送信サーバ35へ転送される。このとき転送画像と共に、ステップS216において選択された宛先と、前述のように電子カメラ1において送信者情報として登録されたユーザのニックネーム及びメールアドレスも送信される。ステップS219を実行したら図19のフローチャートを終了する。一方、ステップS217で表示した送信確認画面において「いいえ」が選択されると、次のステップS218において送信確認がOKでないと判定し、ステップS219を実行せずに図19のフローチャートを終了する。この場合、画像の転送が行われない。
〔画像転送の再開〕
次に、図16のステップS15において実行される転送再開処理について、図20のフローチャートを用いて説明する。図20のステップS301では、転送を再開することをユーザに確認するための転送再開確認画面を液晶ディスプレイ21に表示する。
ステップS301で表示した転送再開画面確認画面において「はい」が選択された場合、続くステップS302では転送を再開すると判定し、さらにその次のステップS303では接続先を変更しないと判定する。この場合はステップS308へ進み、ステップS308において、前回未転送であった画像を対象に、図18のフローチャートに示す画像転送処理を実行する。このとき電子カメラ1は、前回の接続先と同じ接続先に接続される。これにより、前回転送されなかった画像が再転送される。ステップS308を実行したら図20のフローチャートを終了する。
一方、ステップS301で表示した転送再開画面確認画面において「いいえ」が選択された場合、続くステップS302では転送を再開しないと判定する。この場合はステップS308を実行せずに図6のフローチャートを終了する。従って、画像の再転送は行われない。
また、ステップS301で表示した転送再開画面確認画面において「接続先変更」が選択された場合、続くステップS302では転送を再開すると判定し、さらにその次のステップS303では接続先を変更すると判定する。この場合はステップS304へ進む。ステップS304では、図16のステップS6と同様に、無線LANモジュール部24と無線LAN通信が可能な接続先のSSIDの検索を行う。
ステップS305では、ステップS304においてSSIDが検索されたか否かを判定する。通信可能な接続先のSSIDが一つも検索されなかった場合はステップS309へ進む。この場合、ステップS309においてエラーメッセージを液晶ディスプレイ21に表示してから、ステップS301へ戻って転送再開確認画面を再び表示する。一方、少なくとも一つ以上のSSIDが検索された場合は、ステップS306へ進む。
ステップS306では、ステップS305において検索されたSSIDを一覧表示することにより、接続先選択画面を液晶ディスプレイ21に表示する。次のステップS307では、ステップS306で表示した接続先選択画面において、ユーザの操作により何れかのSSIDが電子カメラ1の再接続先として選択されたか否かを判定する。再接続先が選択されるまではステップS306へ戻って接続先選択画面の表示を続け、再接続先が選択されたらステップS308へ進む。
ステップS308では、前回未転送であった画像を対象に、図18のフローチャートに示す画像転送処理を実行する。このとき電子カメラ1は、ステップS307において選択された再接続先に接続される。これにより、前回転送されなかった画像が再転送される。ステップS308を実行したら図20のフローチャートを終了する。以上説明したようにして転送再開処理が実行されることにより、前回中断された画像転送が再開され、そのときの未転送画像が再転送される。
〔オンラインアルバムサーバの動作〕
次に、オンラインアルバムサーバ34の動作について説明する。図21は、電子カメラ1からオンラインアルバムサーバ34へ画像を転送するときに、オンラインアルバムサーバ34において実行される処理のフローチャートである。ステップS401では、電子カメラ1から送られてくるリクエスト・メッセージの「User Agent」に設定されている識別情報を抽出する。この識別情報は、図18のステップS128において生成されたものである。
ステップS402では、ステップS401で抽出した識別情報が正しいものであるか否かを判定する。識別情報が正しい場合はステップS403へ進み、正しくない場合はステップS404へ進む。オンラインアルバムサーバ34は、電子カメラ1のメモリ18に記憶された関連情報60、識別情報生成規則61及びキー62と同じ情報をそのメモリ内に記憶保持しており、該識別情報が識別情報生成規則61に従って何らかの加工(暗号化等)が施されている場合には、これらを用いて解読する。これらの情報を用いて、予めサービス提供の対象である全ての電子カメラについて、電子カメラと同様の生成規則を用いて識別情報を別途生成し、リストにしたものと、送られた識別情報を比較するようにしてもよい。これにより、識別情報に基づいたサーバ認証が行われると共に、その電子カメラ1のユーザが特定される。
ステップS403又はステップS404では、ステップS402の判定の結果をサーバ認証結果として電子カメラ1へ送信する。即ち、ステップS402からステップS403へ進んだ場合は、サーバ認証結果がOKであったことを電子カメラ1に対して送信する。この場合、サーバ認証結果の送信後に次のステップS405へ進む。一方、ステップS402からステップS404へ進んだ場合は、サーバ認証結果がOKでなかったことを電子カメラ1に対して送信する。この場合、サーバ認証結果の送信後に図21のフローチャートを終了する。従って、電子カメラ1からオンラインアルバムサーバ34への画像転送が行われない。
ステップS405では、電子カメラ1から画像情報を受信する。この画像情報は、図18のステップS131において電子カメラ1から送信されるものであり、これから転送しようとする画像の枚数や送信サイズなどが表されている。次のステップS406では、ステップS405で受信した画像情報に基づいて、サーバ容量が足りるか否かを判定する。サーバ容量が足りると判定した場合はステップS407へ進み、足りない場合はステップS408へ進む。
ステップS407又はステップS408では、ステップS406の判定の結果をサーバ容量判定結果として電子カメラ1へ送信する。即ち、ステップS406からステップS407へ進んだ場合は、サーバ容量が足りることを電子カメラ1に対して送信する。この場合、サーバ容量判定結果の送信後に次のステップS409へ進む。一方、ステップS406からステップS408へ進んだ場合は、サーバ容量が足りないことを電子カメラ1に対して送信する。この場合、サーバ容量判定結果の送信後に図21のフローチャートを終了する。従って、電子カメラ1からオンラインアルバムサーバ34への画像転送が行われない。
ステップS409では、電子カメラ1からの転送画像を受信する。この転送画像は、図18のステップS134において電子カメラ1から転送されるものである。次のステップS410では、ステップS409で受信した転送画像を蓄積する蓄積対象フォルダを選択する。ここでは、画像の転送元である電子カメラ1のユーザに対して登録されているオンラインアルバム内に設定された複数のフォルダの中から、蓄積対象フォルダを選択する。例えば、当該ユーザが何れかのフォルダを予め画像の蓄積先として指定していた場合は、そのフォルダを蓄積対象フォルダとする。また、当該ユーザが画像の蓄積先を指定していない初期状態の場合は、初期フォルダとして予め設定されたフォルダを蓄積対象フォルダとする。
なお、上記の初期フォルダは、当該ユーザ以外の人に対しては蓄積された画像を公開しない非公開のフォルダとすることが好ましい。このようにすれば、ユーザが知らないうちに画像が公開されてしまうのを防ぐことができる。一方、ユーザによって予め蓄積先のフォルダが指定されている場合は、そのフォルダ内の画像を公開するか否かについてもユーザが指定できるようにすることが好ましい。このようにすれば、ユーザの希望に応じて画像を公開するか否かを決定することができる。
ステップS411では、ステップS409で受信した転送画像を、ステップS410において選択された蓄積対象フォルダに蓄積する。これにより、当該ユーザのオンラインアルバム内に設定された複数のフォルダの何れかに、電子カメラ1からの転送画像が蓄積される。こうして蓄積された転送画像は、ユーザがPCなどを用いてオンラインアルバムサーバ34にアクセスすることで、インターネット上に公開したり、任意の方法で加工したりすることができる。ステップS411を実行したら、図21のフローチャートを終了する。
以上説明したような処理がオンラインアルバムサーバ34において実行されることにより、電子カメラ1により撮影された画像がオンラインアルバムサーバ34へと転送され、その転送画像がユーザ毎にオンラインアルバム内に蓄積される。
〔メール送信サーバの動作〕
次に、メール送信サーバ35の動作について説明する。図22は、電子カメラ1からメール送信サーバ35へ画像を転送するときに、メール送信サーバ35において実行される処理のフローチャートである。このフローチャートのステップS501〜S508では、図21のステップS401〜S408と同様の処理を実行する。従って、処理内容の説明を省略する。
ステップS509では、電子カメラ1から転送画像及び宛先を受信する。このうち転送画像は、図18のステップS134において電子カメラ1から転送され、宛先は転送画像と共に電子カメラ1から送信される。次のステップS510では、電子カメラ1からの画像の転送が中断されたか否かを判定する。画像の転送が中断された場合はステップS511へ進む。一方、転送対象とされた全ての画像が中断されずに転送された場合は、ステップS513へ進む。このようにして、電子カメラ1からの画像転送が中断されたことをステップS510において検出する。
ステップS511では、電子カメラ1において画像転送が再開され、転送中断時の未転送画像が電子カメラ1から再送されたか否かを判定する。未転送画像が再送されるまではステップS511に留まり、未転送画像が再送されると次のステップS512へ進む。このようにして、画像転送の中断がステップS510において検出された場合は、未転送画像が再送されるまでは後述するステップS514を実行しないことにより、通知メールの作成を保留する。そして、未転送画像が再送されたときに、その通知メールの作成に対する保留を解除する。ステップS512では、電子カメラ1から再送された未転送画像を受信する。
ステップS513では、ステップS509で受信した転送画像に基づいて、電子カメラ1から転送された画像を閲覧するための閲覧ページの作成を行う。このとき、ステップS512において未転送画像を受信していた場合は、その未転送画像も含めて閲覧ページを作成する。この閲覧ページには、電子カメラ1から転送された画像をそれぞれ縮小したサムネイル画像が並べて表示されている。閲覧者は、希望するサムネイル画像をクリックすることで、その画像を拡大表示したりダウンロードしたりすることができる。なお、ここで作成された閲覧ページは、前述のように所定期間が経過したときに消去される。
ステップS514では、ステップS513で作成した閲覧ページを当該電子カメラ1のユーザ以外の人に紹介するための通知メールを作成する。この通知メールは、閲覧ページへ接続するためのリンク情報を含んでいる。さらに通知メールには、電子カメラ1からの転送画像を縮小したサムネイル画像が添付されている。なお、電子カメラ1からの転送画像が所定数以上ある場合、その各転送画像のうち一部を選択し、選択した転送画像のサムネイル画像を通知メールに添付する。例えば、通知メールには最大3枚のサムネイル画像を添付することとしている場合は、電子カメラ1からの転送画像が3枚を超えると、そのうち3枚を選択して通知メールに添付する。このとき、各転送画像が電子カメラ1において撮影された順序などに基づいて、通知メールにサムネイル画像を添付する転送画像を選択することができる。例えば、撮影順序が最先のものから順に3つの画像を選択し、これらのサムネイル画像を通知メールに添付する。
ステップS515では、ステップS509で電子カメラ1から受信した宛先において指定されたメールアドレスに対して、ステップS514で作成した通知メールを送信する。これにより、電子カメラ1のユーザが前述のようにして選択した宛先へと通知メールが送信される。ステップS515を実行したら図22のフローチャートを終了する。
以上説明したような処理がメール送信サーバ35において実行されることにより、電子カメラ1により撮影された画像がメール送信サーバ35へと転送され、その転送画像を閲覧するための閲覧ページが作成される。そして、転送画像を紹介するための通知メールが指定されたメールアドレスへと送信される。
なお、上記のステップS513において作成される閲覧ページには、画像を転送した当該電子カメラ1のユーザのメールアドレスも含まれている。このようにしてユーザのメールアドレスを公開することにより、メール送信サービスの不正利用を抑止することができる。ここでいうメール送信サービスの不正利用には、例えば、公序良俗に反するような画像を閲覧可能にしたり、他人を不快にするような画像を閲覧可能にしたりすることなどが該当する。なお、ユーザのメールアドレスは前述のように電子カメラ1において予め登録されており、電子カメラ1から画像が転送される際に送信される。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…電子カメラ、17…制御部、18…メモリ、21…液晶ディスプレイ、24…無線LANモジュール部、31…公衆アクセスポイント、32…自宅アクセスポイント、33…インターネット、34…オンラインアルバムサーバ、35…メール送信サーバ、39…認証サーバ、60…関連情報、61…識別情報生成規則、63…ID/PW生成規則、65…表示メッセージリスト、70…識別情報生成部、71…識別情報設定部、72…メッセージ生成部、80…ID/PW生成部、81…ID/PW設定部、91…メッセージ抽出部、92…エラーコード抽出部、93…認証判定部、101…認証制御部、103…認証応答生成部、111…認証リスト。