JP2008163444A - 金属材料の熱処理方法及びその装置 - Google Patents

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好伸 阿部
Shinya Inaba
臣哉 稲葉
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正明 橋本
Yoshiyuki Wada
嘉之 和田
Yoshifumi Wada
好史 和田
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Abstract

【課題】 被処理ワークのハンドリングを容易に行え、かつ、ワーク表面に変色が生じない熱処理技術を提供する。
【解決手段】 被処理ワーク(W)を収容している処理チャンバー(1)に液体窒素貯蔵槽(3)から供給された液体窒素を噴霧供給して被処理ワーク(W)を深冷処理し、この深冷処理が終わった被処理ワーク(W)を窒素リッチの無酸素雰囲気で焼戻し処理する金属材料の熱処理方法である。深冷処理から焼戻し処理の一連の処理を炭素、水素ガス、一酸化炭素ガスなどの脱酸素剤の存在下で同一の処理チャンバー内において行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、寸法安定性や耐磨耗性、機械的特性に優れた金属材料を得るための熱処理技術に関し、特に、深冷処理(サブゼロ処理)と焼戻し処理とを一体的に行うことのできる鋼の熱処理方法及びその装置に関する。
高硬度の鋼材を製造するに当たっては、一般に焼入れ処理が行われており、該焼入れ処理によって、鋼はオーステナイト組織からマルテンサイト組織に変態して固くなる。この場合、残留オーステナイトが少ないほど、寸法安定性に優れ、また機械的特性や耐摩耗性が向上した鋼が得られることはしられている。
この残留オーステナイトを減少させるものとして、鋼を急冷せずに液体窒素温度(77K)まで冷却して、一定時間その温度を維持した後、423K程度まで昇温し、その後ゆっくりと室温まで戻す方法(非特許文献1)が提案されている。
ADVANCED MATERALS & PROCESS vol.146 No.6 1994年
ところが、上記の深冷処理と焼戻し処理とを順次行うものでは、低温域での深冷処理と、高温域での焼戻し処理とを別の処理装置で行っていることから、被処理ワークのハンドリングが面倒であるという問題があった。
また、深冷処理と焼戻し処理とを別の処理設備でおこなったものでは、被処理ワークの表面に変色が見られることがあった。これは、焼戻し処理設備内での残留酸素やワーク自体から発生した酸素により部分的酸化が発生しているとためと考えられる。また、それとは別に処理チャンバーに設けられている蓋開閉部に配置されているパッキン材から遊離した不純物が付着することによる影響も考えられる。
このような点に着目し本発明は、被処理ワークの深冷処理と焼戻し処理までの間でのハンドリングをなくし、かつ、ワーク表面に変色が生じない熱処理技術を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載した本発明は、被処理ワークを収容している処理チャンバーに液体窒素貯蔵槽から供給された液体窒素を噴霧供給して被処理ワークを深冷処理し、この深冷処理が終わった被処理ワークを無酸素雰囲気で焼戻処理する鋼の熱処理方法であって、深冷処理から焼戻処理までの処理を同一の処理チャンバー内において行うようにしたことを特徴としている。
請求項2に記載した本発明は、前記発明での処理を脱酸素剤の存在下で行うようにしたことを特徴とし、請求項3に記載した本発明は、請求項2に記載した発明において脱酸素剤として、炭素、水素ガス、一酸化炭素ガス、カルシウム、チタンから選択された少なくとも一つを使用することを特徴とし、請求項4に記載した本発明は、請求項2または3に記載の発明において脱酸素剤を処理チャンバー内で発生させるようにしたことを特徴としている。
請求項5に記載した本発明は、被処理ワークを収容する処理チャンバーと液体窒素貯蔵槽とを、液体窒素供給路とこの液体窒素供給路から分岐導出した気体窒素供給路とで連通接続し、気体窒素供給路に気化器と流量計及び流量調整弁を介装し、処理チャンバーの内部に被処理ワークを加熱する加熱源とチャンバー内雰囲気を均一化するファンとを収容配置させたことを特徴としている。
請求項6に記載した本発明は、請求項5に記載した発明において脱酸素剤による処理部を処理チャンバーの内部に位置させたことを特徴とし、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において加熱源に脱酸素剤発生部を設けたことを特徴としている。
さらに請求項8に記載した発明は、請求項5〜7のいずれか1項に記載した発明において、処理チャンバーにおける蓋開閉部に配置するパッキン材として少なくとも表面にフッ素系樹脂を使用したことを特徴としている。
本発明では、深冷処理から焼戻し処理までの処理を同一の処理チャンバーにおいて行うようにしていることから、深冷処理から焼戻し処理までを一連の作業として行うことができ、処理チャンバー内の雰囲気制御が容易となり、被処理ワークの深冷処理と焼戻し処理までの間でのハンドリングを無くすことなる。
また、深冷処理から焼戻し処理までの一連の処理を脱酸素剤の存在下で行っているので、被処理ワークが酸化により着色されることがなく、熱処理製品の製品価値低下をなくすことができる。
さらに、処理チャンバーにおける上蓋の開閉部でのパッキン材として耐極低温性・耐熱性に優れたフッ素系樹脂製の少なくともその表面に有するものを使用することにより、パッキン材から遊離した不純物が付着することを抑制することができる。
図1は本発明の一実施形態での概略系統図、図2は熱処理装置の正面図である。
この熱処理装置は、被処理ワーク(W)を収容して、深冷処理や焼戻し処理を行う処理チャンバー(1)と、この処理チャンバー(1)に深冷処理時の冷却媒体として使用される液体窒素貯蔵槽(3)とを具備している。
液体窒素貯蔵槽(3)と処理チャンバー(1)は、液体窒素供給路(4)とこの液体窒素供給路(4)から分岐導出した気体窒素供給路(5)とで連通接続してある。気体窒素供給路(5)には、上流側から順に気化器(6)、減圧弁(7)、流量計(8)、開閉弁(9)、流量調整弁(10)、圧力計(11)が配設してある。また、液体窒素供給路(4)の分岐部よりも上流側に液供給弁(12)、電磁開閉弁(13)、逆止弁(14)、安全弁(15)、圧力計(16)が配置され、液体窒素供給路(4)の分岐部よりも下流側に開閉弁(17)、流量調整弁(18)が配置されている。
処理チャンバー(1)はその内面に発泡ウレタンとグラスウールを張設して断熱処理して、77Kから523Kまでの温度変化に耐えられるようにした恒温槽に構成してある。また、処理チャンバー(1)内には、チャンバー内昇温のための加熱源である電気ヒータ(19)と、チャンバー内雰囲気を均一化するためのファン(20)が配置してある。また、処理チャンバー(1)内にはファン軸貫通部等から浸入してチャンバー内に残留している酸素やワーク自身から発生する酸素を処理する脱酸素剤による処理部(21)が設けてある。また、上蓋(26)の開閉部(27)に装着されるパッキン材(28)としては、耐極低温性・耐熱性に優れたフッ素系樹脂製のものを採用している。
脱酸素剤としては、黒鉛や木炭等の乾燥された炭素粉末、カルシウム粉末、粒状スポンジチタンなどの粉粒体のほか、水素ガスや一酸化炭素ガスのような還元性ガスが使用できる。
また、パッキン材(28)に用いられる耐極低温性・耐熱性に優れたフッ素系樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)や、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロビレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)等を使用することができる。
図中符号(22)は処理チャンバー(1)内で液体窒素供給路(4)の先端部に装着した液体窒素噴出ノズル、(23)は処理チャンバー(1)からのガス排出路で液体窒素使用時に開弁する大流量排出弁(24)と、気体窒素使用時に開弁する小流量排出弁(25)とが装着してある。
上述の構成からなる熱処理装置を使用しての熱処理は、処理チャンバー(1)内に被処理ワーク(W)を収容セットし、液体窒素貯蔵槽(3)から液体窒素供給路(4)を使用して送給されてきた液体窒素を処理チャンバー(1)内に噴霧供給し、処理チャンバー(1)内を深冷処理温度に所定時間維持して被処理ワーク(W)を深冷処理する。
ついで、30分程度かけて焼戻し温度(例えば523K)まで昇温し、窒素ガスによる無酸素雰囲気を維持した加熱状態で被処理ワーク(W)を2時間程度焼戻し処理する。その後、液体窒素を供給して、取り出し温度まで冷却する。
処理チャンバー(1)内を焼戻し処理温度まで昇温し、その温度を維持している際に、被処理ワーク(W)からの酸素や、ファンの軸受けや排気口から浸入した酸素があると、その酸素が被処理ワーク(W)の表面を酸化してワークを変色させることがあるが、本発明では、処理チャンバー(1)内に脱酸素剤を作用させて前述の酸素を除去するようにして、焼戻し処理時の加熱に影響される酸化(着色)を抑制している。さらに、処理チャンバー(1)の蓋開閉部(27)にフッ素系樹脂製のパッキン材(28)が配置してあることから、パッキン材(28)からの遊離不純物の発生を防止することができ、その遊離不純物で被処理ワーク(W)が酸化(着色)することを抑制することができる。
上記の実施形態では、処理チャンバー(1)の開閉部(27)に装着されるパッキン材(28)として、フッ素系樹脂製のものを採用しているが、このパッキン材(28)としては、通常使用されているバッキン材の表面をフッ素系樹脂でコーティング処理したものや、通常使用されているバッキン材の表面にフッ素系樹脂テープを巻回して包被したものであってもよい。
本発明は、各種金属材料の熱処理に利用することができる。
本発明の一実施形態での概略系統図である。 本発明の一実施形態を示す熱処理装置の正面図である。
符号の説明
1…処理チャンバー、3…液体窒素貯蔵槽、4…液体窒素供給路、5…気体窒素供給路、6…気化器、8…流量計、10…流量調整弁、19…加熱源、20…ファン、21…脱酸素剤による処理部、27…蓋開閉部、28…パッキン材、W…被処理ワーク。

Claims (8)

  1. 被処理ワーク(W)を収容している処理チャンバー(1)に液体窒素貯蔵槽(3)から供給された液体窒素を噴霧供給して被処理ワーク(W)を深冷処理し、この深冷処理が終わった被処理ワーク(W)を無酸素雰囲気で焼戻処理する金属材料の熱処理方法であって、
    深冷処理から焼戻処理を同一の処理チャンバー(1)内において行うようにしたことを特徴とする金属材料の熱処理方法。
  2. 深冷処理から焼戻処理までを脱酸素剤の存在下で行う請求項1に記載した金属材料の熱処理方法。
  3. 脱酸素剤が、炭素、水素ガス、一酸化炭素ガス、カルシウム、チタンから選択された少なくとも一つである請求項2に記載した金属材料の熱処理方法。
  4. 脱酸素剤を処理チャンバー内で発生させる請求項2または3に記載した金属材料の熱処理方法。
  5. 被処理ワーク(W)を収容している処理チャンバー(1)と液体窒素貯蔵槽(3)とを、液体窒素供給路(4)とこの液体窒素供給路(4)から分岐導出した気体窒素供給路(5)とで連通接続し、気体窒素供給路(5)に気化器(6)と流量計(8)及び流量調整弁(10)を介装し、処理チャンバー(1)の内部に被処理ワーク(W)を加熱する加熱源(19)とチャンバー内雰囲気を均一化するファン(20)とを収容配置した金属材料の熱処理装置。
  6. 処理チャンバー(1) の内部に脱酸素剤による処理部(21)を位置させた請求項5に記載した金属材料の熱処理装置。
  7. 加熱源(19)に脱酸素剤発生部を設けた請求項6に記載した金属材料の熱処理装置。
  8. 処理チャンバー(1)の蓋開閉部(27)に配置するパッキン材(28)として、少なくとも表面にフッ素系樹脂を使用した請求項5〜7のいずれか1項に記載した金属材料の熱処理装置。
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