JP2008144617A - ガスタービン車室構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車室ケーシングにおける、温度分布の偏差をなくし、オーバル変形の発生を防止する。
【解決手段】車室ケーシング101の内部にはロータ106が配置される。車室ケーシング101は、上車室ケーシング102と下車室ケーシング103とからなり、フランジ102a,103aをボルト104により締結して連結されている。フランジ102a,103aには、空気通路120,130,140が形成され、この空気通路120,130,140内にも高温のガスが入り込む。このため、フランジ接続部(γ部分)は、車室ケーシング101の他の部分(α,β部分)と同様な温度追従性により、昇温・硬温して温度分布の偏差がなくなり、オーバル変形の発生を防止することができる。よって、オーバル変形を考慮することなくギャップクリアランスを狭く設定することができ、ガスタービンの効率が向上する。
【選択図】図1
【解決手段】車室ケーシング101の内部にはロータ106が配置される。車室ケーシング101は、上車室ケーシング102と下車室ケーシング103とからなり、フランジ102a,103aをボルト104により締結して連結されている。フランジ102a,103aには、空気通路120,130,140が形成され、この空気通路120,130,140内にも高温のガスが入り込む。このため、フランジ接続部(γ部分)は、車室ケーシング101の他の部分(α,β部分)と同様な温度追従性により、昇温・硬温して温度分布の偏差がなくなり、オーバル変形の発生を防止することができる。よって、オーバル変形を考慮することなくギャップクリアランスを狭く設定することができ、ガスタービンの効率が向上する。
【選択図】図1
Description
本発明はガスタービン車室構造に関し、車室ケーシングにおける温度分布の偏差に起因するオーバル変形(楕円型変形)等の変形を防止するように工夫したものである。
ガスタービンは、圧縮機で圧縮した高圧空気に燃料を混合して燃料ガスを生成し、この燃料ガスを燃焼器内で燃焼させて高温・高圧の燃焼ガスを発生させ、この燃焼ガスをタービンに吹き付けてタービンを回転させることにより駆動力を得る原動機である。
ガスタービンは起動特性が良く、起動から定常運転(定常回転数)になるまでの時間が短い。したがって、ガスタービンの車室ケーシングは、起動時には、常温から高温(例えば400°C)にまで短時間で温度上昇する。
ガスタービンは起動特性が良く、起動から定常運転(定常回転数)になるまでの時間が短い。したがって、ガスタービンの車室ケーシングは、起動時には、常温から高温(例えば400°C)にまで短時間で温度上昇する。
ここでガスタービンの一般的な車室構造を、模式図である図7を参照して説明する。同図に示すように、円筒状をなす車室ケーシング1は、上車室ケーシング2と下車室ケーシング3をボルト4によりフランジ接続して構成されている。つまり、車室ケーシング1は、その周方向の2箇所において軸方向に沿い分割されている。
換言すると、上車室ケーシング2は、円筒状の車室ケーシング1の上部円弧面を形成するように湾曲した板状部材であり、下車室ケーシング3は、円筒状の車室ケーシング1の下部円弧面を形成するように湾曲した板状部材である。
換言すると、上車室ケーシング2は、円筒状の車室ケーシング1の上部円弧面を形成するように湾曲した板状部材であり、下車室ケーシング3は、円筒状の車室ケーシング1の下部円弧面を形成するように湾曲した板状部材である。
上車室ケーシング2の両端部(周方向の両端部)にはフランジ2aが形成されている。このフランジ2aは、車室ケーシング1の軸方向(図7では紙面に垂直方向)に沿って延在している。また下車室ケーシング3の両端部(周方向の両端部)にはフランジ3aが形成されている。このフランジ3aは、車室ケーシング1の軸方向(図7では紙面に垂直方向)に沿って延在している。
そして、フランジ2aの接続面(図7では下側の面)と、フランジ3aの接続面(図7では上側の面)とが接触した状態で、ボルト4により、フランジ2aとフランジ3aを締結することにより、上車室ケーシング2と下車室ケーシング3とが連結されて、円筒状の車室ケーシング1が形成されている。
なお、図8に拡大して示すように、フランジ2aの接続面と、フランジ3aの接続面には、それぞれ、ヌスミ(凹部)2b,3bが形成されており、フランジ接続の接続信頼性を向上させている。なお、ヌスミ2b,3bは、車室ケーシング1の軸方向(図7では紙面に垂直方向)に沿って形成されており、両ヌスミ2b、3bが合わさって円筒状の空間となっている。
車室ケーシング1(上車室ケーシング2と下車室ケーシング3)の内周面には、静翼5が設けられている。
車室ケーシング1の内部にはロータ6が回転可能に配置されており、ロータ6の外周面には動翼7が設けられている。
なお、車室ケーシング1の軸芯及びロータ6の軸芯が水平状態となるように、車室ケーシング1及びロータ6が設置される。
車室ケーシング1の内部にはロータ6が回転可能に配置されており、ロータ6の外周面には動翼7が設けられている。
なお、車室ケーシング1の軸芯及びロータ6の軸芯が水平状態となるように、車室ケーシング1及びロータ6が設置される。
ガスタービンでは、動翼7の先端と、車室ケーシング1の内周面との距離(チップクリアランス)が狭いほど、洩れるガス量を減らすことができ、効率が向上する。
この場合、車室ケーシング1は温度によって熱膨張・熱収縮することを考慮して、チップクリアランスを設定する必要がある。更に、車室ケーシング1が熱膨張・熱収縮する際に、温度分布に偏差があるため、車室ケーシング1の位置によって膨張量・収縮量が異なることも考慮して、チップクリアランスを設定する必要がある。
車室ケーシング1が熱膨張・熱収縮する際に、温度分布の偏差に起因して、車室ケーシング1の膨張量・収縮量が位置により異なり、車室ケーシング1がオーバル変形することを、図9を参照して説明する。なお、図9では、静翼及び動翼は図示省略して示している。
図9において、破線はオーバル変形前の車室ケーシング1を示し、実線はオーバル変形後の車室ケーシング1を示している。
車室ケーシング1を形成する上下車室ケーシング2,3のうちフランジ2a,3aが位置する部分は、肉厚が厚いため他の部分よりも熱容量が大きくなっている。
車室ケーシング1を形成する上下車室ケーシング2,3のうちフランジ2a,3aが位置する部分は、肉厚が厚いため他の部分よりも熱容量が大きくなっている。
ガスタービンが起動すると、車室ケーシング1内を流通するガス温度が短時間で上昇し、車室ケーシング1の温度も上昇する。
このとき、上下車室ケーシング2,3の両端部、即ち、フランジ2a,3aが位置する部分(図9においてγで示す部分)は、上車室ケーシング2のうち中央部分(図9においてαで示す部分)や下車室ケーシング3の中央部分(図9においてβで示す部分)に比べて、熱容量が大きいため温度上昇が遅れる。
したがって、起動時には、例えば、上下車室ケーシング2,3の中央部分(α,β部分)が400°Cに達していても、上下車室ケーシング2,3の両端部分(γ部分)はまだ300°Cとなっていることがある。
したがって、起動時には、例えば、上下車室ケーシング2,3の中央部分(α,β部分)が400°Cに達していても、上下車室ケーシング2,3の両端部分(γ部分)はまだ300°Cとなっていることがある。
このように車室ケーシング1の温度分布に偏差があると、α,β部分の熱膨張が、γ部分の熱膨張よりも大きくなり、車室ケーシング1は楕円型に変形(オーバル変形)してしまう(例えば、特許文献1参照)。
なお、起動期間が過ぎ、定格運転状態になると、車室ケーシング1は全体が略同じ温度(例えば400°C)となり、オーバル変形はなくなる。
なお、起動期間が過ぎ、定格運転状態になると、車室ケーシング1は全体が略同じ温度(例えば400°C)となり、オーバル変形はなくなる。
定常運転状態から停止状態に移行する停止時には、車室ケーシング1の温度が低下していくが、α,β部分は、γ部分よりも先に温度低下するため、このときにも、オーバル変形が生じる。
前述したチップクリアランスを設定する際には、かかるオーバル変形が生じることも考慮して、チップクリアランスを設定する必要がある。つまり、オーバル変形が生じたとしても、動翼7が車室ケーシング1に接触しない程度の余裕度をもって、チップクリアランスを設定しなければならない。
前述したように従来の車室ケーシング1では、ガスタービンの起動時や停止時に、車室ケーシング1にオーバル変形が生じるため、オーバル変形を見越してチップクリアランスを設定している結果、チップクリアランスをある限度以上に狭くすることができなかった。
このようにチップクリアランスを狭くするのに限界があることが、ガスタービンの効率アップの阻害原因の一つとなっていた。
このようにチップクリアランスを狭くするのに限界があることが、ガスタービンの効率アップの阻害原因の一つとなっていた。
本発明は、上記従来技術に鑑み、車室ケーシングのフランジ接続部分での温度追従性を、車室ケーシングの他の部分の温度追従性に合わせることにより、オーバル変形等の変形の発生を防止し、もって、ガスタービンの効率を向上させることができるガスタービン車室構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の構成は、
円筒状をなす車室ケーシングと、この車室ケーシングの内部に回転可能に配置されたロータを備え、
しかも、前記車室ケーシングはその周方向の複数箇所において軸方向に沿い分割され、
更に、分割されたそれぞれの分割車室ケーシングには、その周方向の両端部に軸方向に伸びるフランジが形成され、隣接する分割車室ケーシングどうしは、フランジをボルトにより締結して連結されているガスタービンの車室構造であって、
前記各フランジには、車室ケーシングの内部空間に連通すると共に前記車室ケーシングの半径方向に伸びる空気通路が形成されていることを特徴とする。
円筒状をなす車室ケーシングと、この車室ケーシングの内部に回転可能に配置されたロータを備え、
しかも、前記車室ケーシングはその周方向の複数箇所において軸方向に沿い分割され、
更に、分割されたそれぞれの分割車室ケーシングには、その周方向の両端部に軸方向に伸びるフランジが形成され、隣接する分割車室ケーシングどうしは、フランジをボルトにより締結して連結されているガスタービンの車室構造であって、
前記各フランジには、車室ケーシングの内部空間に連通すると共に前記車室ケーシングの半径方向に伸びる空気通路が形成されていることを特徴とする。
また本発明の構成は、
円筒状をなす車室ケーシングと、この車室ケーシングの内部に回転可能に配置されたロータを備え、
しかも、前記車室ケーシングはその周方向の複数箇所において軸方向に沿い分割され、
更に、分割されたそれぞれの分割車室ケーシングには、その周方向の両端部に軸方向に伸びるフランジが形成され、隣接する分割車室ケーシングどうしは、フランジをボルトにより締結して連結されているガスタービンの車室構造であって、
前記各フランジの接続面には、車室ケーシングの軸方向に伸びるヌスミが形成され、
前記各フランジには、内周端が車室ケーシングの内部空間に連通し外周端が閉塞すると共に前記車室ケーシングの半径方向に伸びる空気通路と、内周端が前記車室ケーシングの内部空間に連通し外周端が前記ヌスミに連通すると共に前記車室ケーシングの半径方向に伸びる空気通路とが形成されていることを特徴とする。
円筒状をなす車室ケーシングと、この車室ケーシングの内部に回転可能に配置されたロータを備え、
しかも、前記車室ケーシングはその周方向の複数箇所において軸方向に沿い分割され、
更に、分割されたそれぞれの分割車室ケーシングには、その周方向の両端部に軸方向に伸びるフランジが形成され、隣接する分割車室ケーシングどうしは、フランジをボルトにより締結して連結されているガスタービンの車室構造であって、
前記各フランジの接続面には、車室ケーシングの軸方向に伸びるヌスミが形成され、
前記各フランジには、内周端が車室ケーシングの内部空間に連通し外周端が閉塞すると共に前記車室ケーシングの半径方向に伸びる空気通路と、内周端が前記車室ケーシングの内部空間に連通し外周端が前記ヌスミに連通すると共に前記車室ケーシングの半径方向に伸びる空気通路とが形成されていることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記空気通路は、車室ケーシングの半径方向に伸びつつ、内周端側から外周端側に向かうに従い軸方向位置が次第にズレていることを特徴とする。
前記空気通路は、車室ケーシングの半径方向に伸びつつ、内周端側から外周端側に向かうに従い軸方向位置が次第にズレていることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記空気通路は、直線状に伸びる筒状空間であることを特徴とする。
前記空気通路は、直線状に伸びる筒状空間であることを特徴とする。
本発明によれば、車室ケーシングのフランジに空気通路を形成したため、車室ケーシングの内部空間を流れるガスが空気通路に流れ込む。このため、ガス温度が上昇または下降したときに、車室ケーシングのフランジ部分は、車室ケーシングの他の部分と略同様な温度追従特性となって、ガス温度に応じて昇温・降温する。
このため、ガスタービンの起動時や停止時であっても、車室ケーシングに温度分布の偏差がなくなり、オーバル変形などの変形の発生を防止することができる。この結果、オーバル変形などを考慮することなく、チップクリアランスをより狭く設定することができ、ガスタービンの効率が向上する。
このため、ガスタービンの起動時や停止時であっても、車室ケーシングに温度分布の偏差がなくなり、オーバル変形などの変形の発生を防止することができる。この結果、オーバル変形などを考慮することなく、チップクリアランスをより狭く設定することができ、ガスタービンの効率が向上する。
以下に本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づき詳細に説明する。
本発明の実施例1に係るガスタービンの車室構造を、模式図である図1、フランジ接続部を拡大して示す図2、及び図2のIII-III断面である図3を参照して説明する。
図1に示すように、円筒状をなす車室ケーシング101は、上車室ケーシング(分割車室ケーシング)102と下車室ケーシング(分割車室ケーシング)103をボルト104によりフランジ接続して構成されている。つまり、車室ケーシング101は、その周方向の2箇所において軸方向に沿い分割されている。
換言すると、上車室ケーシン10グ2は、円筒状の車室ケーシング101の上部円弧面を形成するように湾曲した板状部材であり、下車室ケーシング103は、円筒状の車室ケーシング101の下部円弧面を形成するように湾曲した板状部材である。
換言すると、上車室ケーシン10グ2は、円筒状の車室ケーシング101の上部円弧面を形成するように湾曲した板状部材であり、下車室ケーシング103は、円筒状の車室ケーシング101の下部円弧面を形成するように湾曲した板状部材である。
上車室ケーシング102の両端部(周方向の両端部)にはフランジ102aが形成されている。このフランジ102aは、車室ケーシング101の軸方向(図1では紙面に垂直方向)に沿って延在している。また下車室ケーシング103の両端部(周方向の両端部)にはフランジ103aが形成されている。このフランジ103aは、車室ケーシング101の軸方向(図1では紙面に垂直方向)に沿って延在している。
そして、フランジ102aの接続面(図1では下側の面)と、フランジ103aの接続面(図1では上側の面)とが接触した状態で、ボルト104により、フランジ102aとフランジ103aを締結することにより、上車室ケーシング102と下車室ケーシング103とが連結されて、円筒状の車室ケーシング101が形成されている。
フランジ102aの接続面と、フランジ103aの接続面には、それぞれ、ヌスミ(凹部)102b,103bが形成されており、フランジ接続の接続信頼性を向上させている。なお、ヌスミ102b,103bは、車室ケーシング101の軸方向(図1では紙面に垂直方向)に沿って形成されており、両ヌスミ102b、103bが合わさって、車室ケーシング101の軸方向に伸びる円筒状のヌスミ空間110が形成されている。
車室ケーシング101(上車室ケーシング102と下車室ケーシング103)の内周面には、静翼105が設けられている。
車室ケーシング1の内部にはロータ106が回転可能に配置されており、ロータ106の外周面には動翼107が設けられている。
なお、車室ケーシング101の軸芯及びロータ106の軸芯が水平状態となるように、車室ケーシング101及びロータ106が設置される。
車室ケーシング1の内部にはロータ106が回転可能に配置されており、ロータ106の外周面には動翼107が設けられている。
なお、車室ケーシング101の軸芯及びロータ106の軸芯が水平状態となるように、車室ケーシング101及びロータ106が設置される。
更に本実施列では、
(1)上車室ケーシング102のフランジ102aに空気通路120が形成され、
(2)下車室ケーシング103のフランジ103aに空気通路130が形成され、
(3)フランジ102a、103aの接続面に、空気空路140が形成されている。
各空気通路120,130,140は、直線状に伸びる筒状空間であり、車室ケーシング101の半径方向に沿い伸びている。
(1)上車室ケーシング102のフランジ102aに空気通路120が形成され、
(2)下車室ケーシング103のフランジ103aに空気通路130が形成され、
(3)フランジ102a、103aの接続面に、空気空路140が形成されている。
各空気通路120,130,140は、直線状に伸びる筒状空間であり、車室ケーシング101の半径方向に沿い伸びている。
そして、空気通路120,130は、その内周端が車室ケーシング101の内部空間に連通し、その外周端が閉塞している。
空気通路140は、その内周端が車室ケーシング101の内部空間に連通し、その外周端がヌスミ空間110に連通している。
空気通路140は、その内周端が車室ケーシング101の内部空間に連通し、その外周端がヌスミ空間110に連通している。
このように、フランジ接続部に、空気通路120,130,140を形成したため、車室ケーシング101の内部空間を流れるガスが、この空気通路120,130,140やヌスミ空間110内にも流れ込む。このため、フランジ102a,103aが位置する部分(図1においてγで示す部分)は、従来に比べると、ガス温度の変化に対して迅速に追従して温度変化する。
このため、流通するガスの温度変化に合わせて、フランジ102a,103aが位置する部分(図1においてγで示す部分)も、上下車室ケーシング102,103のうち中央部分(図1においてα,βで示す部分)は、ほぼ同じ状態で温度変化する。
このため、流通するガスの温度変化に合わせて、フランジ102a,103aが位置する部分(図1においてγで示す部分)も、上下車室ケーシング102,103のうち中央部分(図1においてα,βで示す部分)は、ほぼ同じ状態で温度変化する。
したがって、ガスタービンの起動時や停止時において、車室ケーシング101の内部空間を流れるガスの温度が変化していった場合であっても、フランジ102a,103aが位置する部分(図1においてγで示す部分)における熱膨張量・熱収縮量と、上下車室ケーシング102,103のうち中央部分(図1においてα,βで示す部分)における熱膨張量・熱収縮量がほぼ等しくなり、オーバル変成は生じない。
このように、オーバル変形の発生を防止することができるので、オーバル変形を見越してチップクリアランスを設定する必要がなくなるため、チップクリアランスを従来よりも狭く設定することができる。このようにチップクリアランスを従来よりも狭くすることができるので、ガスタービンの効率を向上させることができる。
次に本発明の実施例2を、図4を参照しつつ説明する。
実施例2では、空気通路120,130,140を斜めに配置している(なお、図4では空気通路120のみが表れている)。
つまり、各空気通路120,130,140は、車室ケーシング101の半径方向に伸びつつ、内周端側から外周端側に向かうに従い軸方向位置が次第にズレている。このため、空気通路120,130,140を長くすることができ、流通するガスの温度に対して、フランジ102a,103aが位置する部分(図1においてγで示す部分)の温度追従性が良くなる。
つまり、各空気通路120,130,140は、車室ケーシング101の半径方向に伸びつつ、内周端側から外周端側に向かうに従い軸方向位置が次第にズレている。このため、空気通路120,130,140を長くすることができ、流通するガスの温度に対して、フランジ102a,103aが位置する部分(図1においてγで示す部分)の温度追従性が良くなる。
この結果、フランジ102a,103aが位置する部分(図1においてγで示す部分)における熱膨張量・熱収縮量と、上下車室ケーシング102,103のうち中央部分(図1においてα,βで示す部分)における熱膨張量・熱収縮量の差を、より少なくすることができる。
なお、上述した各実施例は、車室ケーシングが、その周方向の2箇所で分割され、分割部分をフランジ接続したタイプのガスタービン車室構造であったが、車室ケーシングが、その周方向の3箇所以上(例えば4箇所や8箇所)で分割され、分割部分をフランジ接続したタイプの車室ケーシングにも本発明を適用することができる。
4分割タイプや8分割タイプの従来の車室ケーシングでは、温度分布に偏差があると、いわば、花びら状に変形することがあるが、本願発明を適用すれば、このような花びら状の変形も防止することができる。
4分割タイプや8分割タイプの従来の車室ケーシングでは、温度分布に偏差があると、いわば、花びら状に変形することがあるが、本願発明を適用すれば、このような花びら状の変形も防止することができる。
図5は本発明の実施例4に係るガスタービンの車室構造に用いる車室ケーシング101を示す。
この車室ケーシング101では、上車室ケーシング102と下車室ケーシング103の両端部に、ホゾ201とホゾ溝202を形成している。そして、ホゾ201とホゾ溝202を嵌合し、ボルト203をホゾ201及びホゾ溝202に貫通させて、上車室ケーシング102と下車室ケーシング103を連結して車室ケーシング101を形成している。
この車室ケーシング101では、上車室ケーシング102と下車室ケーシング103の両端部に、ホゾ201とホゾ溝202を形成している。そして、ホゾ201とホゾ溝202を嵌合し、ボルト203をホゾ201及びホゾ溝202に貫通させて、上車室ケーシング102と下車室ケーシング103を連結して車室ケーシング101を形成している。
実施例4では、車室ケーシング101に、熱容量の大きなフランジがなく、車室ケーシング101の周方向に亘すべての部分で肉厚が略等しくなるため、車室ケーシング101が昇温・降温した場合であっても、温度分布の偏在がなくなり、オーバル変形は生じない。
図6は本発明の実施例5に係るガスタービンの車室構造に用いる車室ケーシング101を示す。
この車室ケーシング101では、上車室ケーシング102と下車室ケーシング103の両端部に、アリ301とアリ溝302を形成している。そして、アリ301とアリ溝302を嵌合し、ボルト303をアリ301及びアリ溝302に貫通させて、上車室ケーシング102と下車室ケーシング103を連結して車室ケーシング101を形成している。
この車室ケーシング101では、上車室ケーシング102と下車室ケーシング103の両端部に、アリ301とアリ溝302を形成している。そして、アリ301とアリ溝302を嵌合し、ボルト303をアリ301及びアリ溝302に貫通させて、上車室ケーシング102と下車室ケーシング103を連結して車室ケーシング101を形成している。
実施例5では、車室ケーシング101に、熱容量の大きなフランジがなく、車室ケーシング101の周方向に亘すべての部分で肉厚が略等しくなるため、車室ケーシング101が昇温・降温した場合であっても、温度分布の偏在がなくなり、オーバル変形は生じない。
101 車室ケーシング
102 上車室ケーシング
103 下車室ケーシング
102a,103a フランジ
104 ボルト
120,130,140 空気通路
102 上車室ケーシング
103 下車室ケーシング
102a,103a フランジ
104 ボルト
120,130,140 空気通路
Claims (4)
- 円筒状をなす車室ケーシングと、この車室ケーシングの内部に回転可能に配置されたロータを備え、
しかも、前記車室ケーシングはその周方向の複数箇所において軸方向に沿い分割され、
更に、分割されたそれぞれの分割車室ケーシングには、その周方向の両端部に軸方向に伸びるフランジが形成され、隣接する分割車室ケーシングどうしは、フランジをボルトにより締結して連結されているガスタービンの車室構造であって、
前記各フランジには、車室ケーシングの内部空間に連通すると共に前記車室ケーシングの半径方向に伸びる空気通路が形成されていることを特徴とするガスタービンの車室構造。 - 円筒状をなす車室ケーシングと、この車室ケーシングの内部に回転可能に配置されたロータを備え、
しかも、前記車室ケーシングはその周方向の複数箇所において軸方向に沿い分割され、
更に、分割されたそれぞれの分割車室ケーシングには、その周方向の両端部に軸方向に伸びるフランジが形成され、隣接する分割車室ケーシングどうしは、フランジをボルトにより締結して連結されているガスタービンの車室構造であって、
前記各フランジの接続面には、車室ケーシングの軸方向に伸びるヌスミが形成され、
前記各フランジには、内周端が車室ケーシングの内部空間に連通し外周端が閉塞すると共に前記車室ケーシングの半径方向に伸びる空気通路と、内周端が前記車室ケーシングの内部空間に連通し外周端が前記ヌスミに連通すると共に前記車室ケーシングの半径方向に伸びる空気通路とが形成されていることを特徴とするガスタービンの車室構造。 - 請求項1または請求項2おいて、
前記空気通路は、車室ケーシングの半径方向に伸びつつ、内周端側から外周端側に向かうに従い軸方向位置が次第にズレていることを特徴とするガスタービンの車室構造。 - 請求項1乃至請求項3の何れか一項において、
前記空気通路は、直線状に伸びる筒状空間であることを特徴とするガスタービンの車室構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006330135A JP2008144617A (ja) | 2006-12-07 | 2006-12-07 | ガスタービン車室構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006330135A JP2008144617A (ja) | 2006-12-07 | 2006-12-07 | ガスタービン車室構造 |
Publications (1)
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