JP2008129189A - 反射音付加装置および反射音付加方法 - Google Patents

反射音付加装置および反射音付加方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 入力される音声信号レベルが過渡的に変化する際にも、臨場感が得られるとともに音質や明瞭度を維持した音声を提供することができる反射音付加装置を提供する。
【解決手段】 外部から入力された入力音声信号から抽出された周波数成分から所定時間ごとの入力音声レベル値を算出する入力音声レベル値算出手段212と、過去の入力音声レベル値の最大値を上限レベル値として保持する上限レベル値決定手段221と、過去の入力音声レベル値の最小値を下限レベル値として保持する下限レベル値決定手段222と、上限レベル値と下限レベル値とから立ち上がり閾値および立ち下り閾値を算出する閾値算出手段223と、入力音声レベル値と立ち上がり閾値と立ち下り閾値とから入力音声信号に付加する反射音量算出するパラメータ設定手段23と、算出された反射音量を入力音声信号に付加する反射音処理手段30とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CDやDVDなどに利用される音声信号において、付加する反射音により音像定位制御を行う反射音付加装置および反射音付加方法に関する。
従来、CDやDVDに記録された音楽等を聴く場合に、あたかもコンサートホールで聴いているかのような臨場感のある音場を再現するための技術がある。
その一例として、実際のコンサートホールの残響特性を実測またはシミュレーションで求め、デジタル信号処理を施すことによりAVアンプなどで忠実に再現する技術がある。
また、他の一例として、ヘッドフォンで受聴する再生音にリスニングルームの初期反射音や残響音を付加し、ヘッドフォン受聴でありながらリスニングルームで聴いているような臨場感のある音場を再現する技術がある。
これらの処理は、初期反射音や残響音などの反射音成分を付加することにより効果を得ているが、反射音をあまり大きくし過ぎると、音質が変わる、セリフが不明瞭になる、などの問題が発生する。
つまり、反射音が大きいほど臨場感は高くなるが、音声の音質や明瞭度は低くなる。
この反射音による音質や明瞭度の低下を防止するため、特許文献1および特許文献2に記載されているように、音声信号を分析し、入力信号の特性に応じて付加する反射音のパラメータを制御する技術がある。
この特許文献1には、入力信号の音声レベルを検出し、この検出した音声レベルに応じて直接音と反射音との比を制御する技術が記載されている。
この技術により、例えば声が大きいときには大きな残響量が付加され、声が小さいときには小さい残響量が付加され、固定された量の残響音が付加されたときよりも快適な音響効果がある音場を提供することができる。
しかし、この特許文献1の技術は、入力される音声レベルに応じて直接音と反射音の比率を変更するのみで周波数特性はまったく考慮されてなく、音質や明瞭度の低下を高精度に防止するにはさらに改良が必要であった。
これを解決するため、特許文献2には、入力された音声信号をバンドパスフィルタで複数の帯域に分割して帯域毎に音声レベルを算出し、この音声レベルに帯域毎に設定された重み付けを加算した値により付加する残響音のパラメータを制御する技術が記載されている。
この特許文献2による技術では、入力した音声信号の周波数特性を考慮した制御が可能であり、特許文献1の技術よりもさらに音楽的表現力が高い音場を提供することができる。
特開昭55−35388号公報 特開平5−11791号公報
しかし、特許文献1および特許文献2の技術では、音声レベルの過渡的な変化に対しては対応することができず、入力される音声レベルが急激に上昇して音が立ち上がる際にも、検出される音声レベルが高ければ即座に大きな反射音が付加されるため、声の立ち上がりの際にはセリフの明瞭度が低下してしまうという問題があった。
また逆に、入力される音声レベルが急激に低下して音が立ち下がる際には、反射音成分が即座に減衰するため、余韻のない不自然な音響になってしまうという問題があった。
また、特許文献2では、解析した周波数とあらかじめ設定した閾値とを比較して周波数が閾値を超えたときに制御パラメータを変更しているが、あらかじめ設定する閾値が固定されてしまうと多様な入力信号に合わせて対応することができないという問題があった。
例えば、映画のセリフが出てくる場面は静かで音声レベルが低い場合が多いため閾値を低く設定し、ポップス系の音楽では音声レベルが高いため閾値を高く設定することが望ましいが、特許文献2の技術では対象となるコンテンツごとに閾値を変更することができない。
そのため、映画に適した閾値の設定で音楽を聴く場合などは常に音声信号の周波数が閾値を超えてしまい、残響効果を付加するパラメータに変化がなくなり周波数特性を算出する効果がなくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、入力される音声信号レベルが過渡的に変化する際にも、臨場感が得られるとともに音質や明瞭度を維持した音声を提供することができる反射音付加装置および反射音付加方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、入力される音声信号のコンテンツの音声信号レベルに応じて、付加する反射音量を制御することができる反射音付加装置および反射音付加方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の反射音付加装置は、外部から入力された入力音声信号に反射音を付加するものであり、前記入力音声信号から、あらかじめ設定された周波数成分を抽出する周波数抽出手段(211)と、前記周波数抽出手段(211)において抽出された周波数成分から、所定時間ごとの入力音声レベル値を算出する入力音声レベル値算出手段(212)と、前記入力音声レベル値算出手段(212)で算出された過去の入力音声レベル値の最大値を上限レベル値として保持し、前記入力音声レベル値算出手段(212)で今回算出された入力音声レベル値が前記上限レベル値よりも高い場合には、前記上限レベル値を前記算出された入力音声レベル値で更新して保持する上限レベル値決定手段(221)と、前記入力音声レベル値算出手段(212)で算出された過去の入力音声レベル値の最小値を下限レベル値として保持し、前記入力音声レベル値算出手段(212)で今回算出された入力音声レベル値が前記下限レベル値よりも低い場合には、前記下限レベル値を前記算出された入力音声レベル値で更新して保持する下限レベル値決定手段(222)と、前記上限レベル値決定手段(221)で保持されている上限レベル値と、前記下限レベル決定手段(222)で保持されている下限レベル値とから、入力音声レベル値の立ち上がり閾値および立ち下り閾値を算出する閾値算出手段(223)と、前記入力音声レベル値が前記閾値算出手段(223)で算出された立ち上がり閾値を超えたときは、前記入力音声レベルの増加量に応じて前記入力音声信号に付加する反射音量を増加させて算出し、前記入力音声レベル値が前記閾値算出手段(223)で算出された立ち下り閾値より低くなったときには、所定時間経過後から前記入力音声レベル値の減少量に応じて前記入力音声信号に付加する反射音量を減少させて算出する反射音量設定手段(23)と、
前記反射音量設定手段(23)で算出された反射音量を、前記入力音声信号に付加する反射音処理手段(30)とを備えることを特徴とする。
また、本発明の反射音付加方法は、入力音声信号に反射音を付加する反射音付加方法であり、前記入力音声信号から、あらかじめ設定された周波数成分を抽出する第1のステップ(211)と、前記抽出された周波数成分から、所定時間ごとの入力音声レベル値を算出する第2のステップ(212)と、前記第2のステップにおいて算出された入力音声レベル値が、保持している過去の入力音声レベル値の最大値である上限レベル値よりも高い場合には前記上限レベル値を前記算出された入力音声レベル値で更新して保持すると共に、前記第2のステップにおいて算出された入力音声レベル値が、保持している過去の入力音声レベル値の最小値である下限レベル値よりも低い場合には前記下限レベル値を前記算出された入力音声レベル値で更新して保持する第3のステップ(222)と、前記第3のステップにより保持されている上限レベル値および下限レベル値から、入力音声レベル値の立ち上がり閾値および立ち下り閾値を算出する第4のステップ(223)と、前記入力音声レベル値が前記立ち上がり閾値を超えたときは、前記入力音声レベルの増加量に応じて前記入力音声信号に付加する反射音量を増加させて算出し、前記入力音声レベル値が前記立ち下り閾値より低くなったときには、所定時間経過後から前記入力音声レベル値の減少量に応じて前記入力音声信号に付加する反射音量を減少させて算出する第5のステップ(23)と、前記第5のステップにおいて算出された反射音量を、前記入力音声信号に付加する第6のステップ(30)とを有することを特徴とする。
本発明の反射音付加装置および反射音付加方法によれば、入力される音声信号レベルが過渡的に変化する際にも、臨場感が得られるとともに音質や明瞭度を維持した音声を提供することができる。
また、本発明の反射音付加装置および反射音付加方法によれば、入力される音声信号のコンテンツの音声信号レベルに応じて付加する反射音量を制御することができ、コンテンツの特性に応じた制御を行うことが可能である。
〈一実施形態による反射音付加装置の構成〉
本発明の一実施形態による反射音付加装置の構成を、図1〜図5を用いて説明する。
本実施形態による反射音付加装置1は、図1に示すように、音声信号入力手段10と、制御手段20と、反射音処理手段30と、音声信号出力手段40とを有する。
音声信号入力手段10は、外部のCD、DVDの再生装置などの音声発生源から、音声信号を入力音声信号として入力する。
制御手段20は、入力信号分析手段21と、閾値決定手段22と、反射音量設定手段としてのパラメータ設定手段23とを有する。
入力信号分析手段21は、図2に示すように、周波数抽出手段211と、入力音声レベル値算出手段212とを有する。
周波数抽出手段211は、音声信号入力手段10より入力された入力音声信号から、処理対象のコンテンツに対してあらかじめ設定された周波数成分を抽出する。
例えば、音声帯域のレベルに対してのみ制御したいのであれば、この周波数抽出手段211は数10Hz〜数kHz程度の周波数成分を抽出するバンドパスフィルタで構成することができる。
また、100Hz以下の低域成分の音声レベルを対象外にしたいのであれば、この周波数抽出手段211は、100Hzを超える周波数成分を抽出するハイパスフィルタで構成することができる。
入力音声レベル値算出手段212は、周波数抽出手段211で抽出された周波数成分から、所定時間の音声レベルを示す入力音声レベル値を算出する。
この入力音声レベル値を算出する方法としては、例えば、数msの間隔で音声データを蓄積し、蓄積した区間の平均パワー値を入力音声レベル値とする方法がある。
また、別の方法としては、同様に数msの間隔で音声データを蓄積し、蓄積した区間の最大値を入力音声レベル値とする方法がある。
閾値決定手段22は、図3に示すように、上限レベル値決定手段221と、下限レベル値決定手段222と、閾値算出手段223とを有する。
上限レベル値決定手段221は、過去の入力音声レベル値の最大値を上限レベル値として保持し、入力音声レベル値が既に保持している上限レベル値よりも高いときにはこの上限レベル値を入力音声レベル値で更新して保持し、入力音声レベル値よりも既に保持している上限レベル値のほうが高いときには保持している上限レベル値をそのまま継続して保持する。
この上限レベル値は、入力音声レベル値による更新がない限りは時間の経過とともに減衰する。
下限レベル値決定手段222は、過去の入力音声レベル値の最小値を下限レベル値として保持し、入力音声レベル値が既に保持している下限レベル値よりも低いときにはこの下限レベル値を入力音声レベル値で更新して保持し、入力音声レベル値よりも既に保持している下限レベル値のほうが低いときには保持している下限レベル値をそのまま継続して保持する。
この下限レベル値は、入力音声レベル値による更新がない限りは時間の経過とともに増加する。
閾値算出手段223は、上限レベル値決定手段221で決定された上限レベル値および下限レベル値決定手段222で決定された下限レベル値から、入力音声レベル値の急激な上昇による音声の立ち上がり時であると判断するための閾値である立ち上がり閾値、および入力音声レベル値の急激な低下による音声の立ち下り時であると判断するための閾値である立ち下り閾値を算出する。
この立ち上がり閾値と立ち下り閾値とは後述するパラメータの設定の際に利用されるものであり、上限レベル値と下限レベル値との中間の適当な値に設定される。
図4は、入力音声レベル値に対する上限レベル値、下限レベル値、立ち上がり閾値、立ち下がり閾値の変化の一例を示すグラフである。
図4に示すように、立ち上がり閾値を立ち下がり閾値より低く設定すれば、入力音声レベル値に対してヒステリシス特性を持たせることができる。
パラメータ設定手段23は、図5に示すように、制御量決定手段231と、制御量変換手段232とを有する。
制御量決定手段231は、入力音声レベル値が閾値算出手段223で算出された立ち上がり閾値を超えたときは、入力音声レベルの増加量に応じて制御量を増加させて算出し、入力音声レベル値が閾値算出手段223で算出された立ち下り閾値より低くなったときには、所定時間経過後から入力音声レベル値の減少量に応じて制御量を減少させて算出する。
制御量変換手段232は、制御量決定手段231で算出された制御量を、残響音のパラメータに応じた反射音の付加量に変換する。
反射音処理手段30は、初期反射音処理手段31と、残響音処理手段32と、加算器33とを有する。
初期反射音処理手段31は、入力音声信号を初期反射音信号として加算器33に送出する。
残響音処理手段32は、入力音声信号に、パラメータ設定手段23で算出された残響音のパラメータに応じた反射音の付加量を付加し、残響音信号として加算器33に送出する。
本実施形態において、残響音処理手段32は、図6に示すようなリバーブであり、このリバーブは、入力音声信号を遅延時間τ分遅延させる遅延手段321と、帰還ゲインgと反射音の付加量を入力音声信号に加算する加算器322とから構成されている。
加算器33は、初期反射音処理手段31から取得した初期反射音信号に残響音処理手段32から取得した反射音の付加量が付加された残響音信号を加算し、出力信号として音声信号出力手段40に送出する。
音声信号出力手段40は、加算器33から取得した出力信号を外部のスピーカなどに送信する。
〈一実施形態による反射音付加装置の動作〉
次に、本実施形態による反射音付加装置の動作について図7〜10を参照して説明する。
まず、音声信号入力手段10において外部のCDやDVDの再生装置などの音声発生源から入力音声信号が入力される(S1)と、制御手段20および反射音処理手段30に送出される。
制御手段20に入力音声信号が入力されると、入力信号分析手段21の周波数抽出手段211において、処理対象のコンテンツに対してあらかじめ設定された周波数成分が入力音声信号から抽出される(S2)。
周波数抽出手段211において入力音声信号から周波数成分が抽出されると、この抽出された周波数成分から所定時間の音声レベルを示す入力音声レベル値が入力音声レベル値算出手段212において算出される(S3)。
この入力音声レベル値を算出する方法としては、例えば、数msの間隔で音声データを蓄積し、蓄積した区間の平均パワー値を入力音声レベル値とする方法がある。
また、別の方法としては、同様に数msの間隔で音声データを蓄積し、蓄積した区間の最大値を入力音声レベル値とする方法がある。
入力音声レベル値算出手段212において入力音声レベル値が算出されると、閾値決定手段22の上限レベル値決定手段221、下限レベル値決定手段222、およびパラメータ設定手段23に送出される。
上限レベル値決定手段221では、過去の入力音声レベル値の最大値が上限レベル値として保持されており、取得された入力音声レベル値と保持している上限レベル値とが比較される(S4)。
比較の結果、入力音声レベル値が既に保持している上限レベル値よりも高いときには(S4の「YES」)、この上限レベル値が入力音声レベル値で更新されて保持され(S5)、入力音声レベル値よりも既に保持している上限レベル値のほうが高いときには(S4の「NO」)保持されている上限レベル値がそのまま継続して保持される(S6)。
また、下限レベル値決定手段222では、過去の入力音声レベル値の最小値が下限レベル値として保持されており、取得された入力音声レベル値と保持している下限レベル値とが比較される(S7)。
比較の結果、入力音声レベル値が既に保持している下限レベル値よりも低いときには(S7の「YES」)、この下限レベル値が入力音声レベル値で更新されて保持され(S8)、入力音声レベル値よりも既に保持している下限レベル値のほうが低いときには(S7の「NO」)保持されている下限レベル値がそのまま継続して保持される(S9)。
この上限レベル値の減衰量と下限レベル値の増加量とは、上限レベル値または下限レベル値をどのくらいの時間間隔で判定するかにより自由に設定可能であり、通常の音楽であれば数秒で±6dB程度が適当である。
次に、閾値算出手段223において、上限レベル値決定手段221で決定された上限レベル値および下限レベル値決定手段222で決定された下限レベル値から、入力音声レベル値の急激な上昇による音声の立ち上がり時であると判断するための閾値である立ち上がり閾値、および入力音声レベル値の急激な低下による音声の立ち下り時であると判断するための閾値である立ち下り閾値が算出される(S10)。
次に、パラメータ設定手段23の制御量決定手段231において、閾値決定手段22から立ち上がり閾値および立ち下がり閾値が取得されるとともに、入力信号分析手段21から入力音声レベル値が取得され、入力音声レベル値の立ち上がり時または立ち下がり時に応じた残響音信号生成のための制御量が算出される(S11)。
制御量の算出処理について、図8を参照して説明する。
図8(a)は、時間の経過とともに変化する入力音声信号レベル値Linを示すグラフであり、Thatkは立ち上がり閾値を示し、Threlは立ち下がり閾値を示す。
また、図8(b)は、図8(a)のように入力音声信号が入力されたときに算出される制御量Koutの変化を示すグラフである。
図8(b)において、時刻t1になると入力音声信号レベル値が立ち上がり閾値Thatkを超えたと判断され、制御量Koutが上昇し始める。
制御量Koutの上昇期間(立ち上がり時間Datk)が経過し、時刻t2になり制御量Koutが飽和状態である1.0に達すると、制御量Koutの上昇が停止する。
入力音声信号レベル値が閾値Thatkを超えていると判断されている間は、制御量Koutは1.0に保たれ、時刻t3になり入力音声信号レベル値が立ち下がり閾値Threlより低くなったと判断されたときは、所定のホールド期間Dhldは飽和状態の制御量Kout=1.0が保持され、時刻t4になると制御量Koutが減少し始める。
制御量Koutの減少期間(立ち下がり時間Drel)が経過し、時刻t5になり入力音声信号レベルが閾値Thatkを超えなければ、制御量Koutも0になる。
以上のように入力音声レベル値の立ち上がり時または立ち下がり時に応じた残響音信号生成のための制御量が算出されると、この制御量が制御量変換手段232において残響音のパラメータに応じた反射音の付加量である帰還ゲインgに変換される(S12)。
制御量変換手段232における制御量の変換処理において、リバーブの帰還ゲインgを設定する場合について図6、図9、および10を参照して説明する。
図6に示すようなリバーブにおいて、遅延時間をτ、帰還ゲインをgとすると、例えば60dB減衰する残響時間Tは下記(1)式で表される。
Figure 2008129189
図9は、上記式(1)における帰還ゲインgと残響時間T(秒)との関係を示すグラフである。
リバーブにおいて帰還ゲインを調整して残響時間を制御する場合に、図9のような帰還ゲインgと残響時間Tとの関係では比例関係ではなく曲線を画いているため、制御量決定手段231で算出された制御量をそのまま残響音処理手段32のパラメータの帰還ゲインの値とすることはできない。
そこで、制御量決定手段231で算出された制御量Koutと残響時間を比例した線形の関係にするため、この制御量Koutが制御量変換手段232において制御に適した形の帰還ゲインgに変換される。
本実施形態においては、下記式(2)を用いて制御量Koutが帰還ゲインgに変換されることにより、図10に示すように制御量Koutと残響時間Tとが比例関係の線形に近い関係になる。
Figure 2008129189
このように変換され算出された帰還ゲインgをパラメータとして反射音の付加量が付加され、残響音処理手段32でリバーブにより入力音声信号から残響音信号が生成される(S13)。
残響音処理手段32で生成された残響音信号は、加算器33で初期反射音処理手段31から取得された入力音声信号に加算され、出力信号が生成されて音声信号出力手段40から外部のスピーカなどに送信される(S14)。
以上の本実施形態の反射音付加装置によれば、入力音声レベル値の立ち上がり時には徐々に残響を増やすようにパラメータが設定されるため、入力される音声信号レベルが過渡的に変化する際に急激に制御量が変化することを防止することができ、臨場感がありながら音楽は歯切れが良い状態が維持され、また映画等のセリフの明瞭度が維持された音声を提供することができる。
また、入力音声レベル値の立下り時には制御量に応じて次第に残響が減衰するようにパラメータが設定されるため、同様に急激に制御量が変化することを防止することができ、急激に臨場感がなくなるという不自然さがなくなる。
また、立ち上がり閾値と立下り閾値とを異なる値に設定することにより、閾値付近における入力音声信号レベル値の小さな変化に追随して制御量が算出されることを防止することができ、装置の動作の安定性を向上させることができる。
本実施形態においては、制御量変換手段でリバーブの帰還ゲインを設定する場合について説明したが、同様の手順により初期反射音レベルやリバーブレベルを設定することも可能である。
また、リバーブの高域ダンプパラメータに適応した立ち上がり時または立下り時の時間推移に応じてダンピング特性を変更してもよい。
また、本実施形態においては、残響音処理手段をリバーブで構成した場合について説明したが、他の残響音信号を生成するパラメータの設定においても利用することができる。
本発明の一実施形態による反射音付加装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による反射音付加装置の入力信号分析手段の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による反射音付加装置の閾値決定手段の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による反射音付加装置に入力する入力音声レベル値に対する上限レベル値、下限レベル値、立ち上がり閾値、立ち下がり閾値の変化の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態による反射音付加装置のパラメータ設定手段の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による反射音付加装置の残響音処理手段の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による反射音付加装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による反射音付加装置において、(a)入力される入力音声レベル値の変化を示すグラフ、および(b)算出される制御量の変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態による反射音付加装置における帰還ゲインと残響時間との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態による反射音付加装置における制御量と残響時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…反射音付加装置
10…音声信号入力手段
20…制御手段
21…入力信号分析手段
22…閾値決定手段
23…パラメータ設定手段
30…反射音処理手段
31…初期反射音処理手段
32…残響音処理手段
33…加算器
40…音声信号出力手段
211…周波数抽出手段
212…入力音声レベル値算出手段
221…上限レベル値決定手段
222…下限レベル値決定手段
223…閾値算出手段
231…制御量決定手段
232…制御量変換手段
321…遅延手段
322…加算器

Claims (2)

  1. 外部から入力された入力音声信号に反射音を付加する反射音付加装置において、
    前記入力音声信号から、あらかじめ設定された周波数成分を抽出する周波数抽出手段と、
    前記周波数抽出手段において抽出された周波数成分から、所定時間ごとの入力音声レベル値を算出する入力音声レベル値算出手段と、
    前記入力音声レベル値算出手段で算出された過去の入力音声レベル値の最大値を上限レベル値として保持し、前記入力音声レベル値算出手段で今回算出された入力音声レベル値が前記上限レベル値よりも高い場合には、前記上限レベル値を前記算出された入力音声レベル値で更新して保持する上限レベル値決定手段と、
    前記入力音声レベル値算出手段で算出された過去の入力音声レベル値の最小値を下限レベル値として保持し、前記入力音声レベル値算出手段で今回算出された入力音声レベル値が前記下限レベル値よりも低い場合には、前記下限レベル値を前記算出された入力音声レベル値で更新して保持する下限レベル値決定手段と、
    前記上限レベル値決定手段で保持されている上限レベル値と、前記下限レベル決定手段で保持されている下限レベル値とから、入力音声レベル値の立ち上がり閾値および立ち下り閾値を算出する閾値算出手段と、
    前記入力音声レベル値が前記閾値算出手段で算出された立ち上がり閾値を超えたときは、前記入力音声レベルの増加量に応じて前記入力音声信号に付加する反射音量を増加させて算出し、前記入力音声レベル値が前記閾値算出手段で算出された立ち下り閾値より低くなったときには、所定時間経過後から前記入力音声レベル値の減少量に応じて前記入力音声信号に付加する反射音量を減少させて算出する反射音量設定手段と、
    前記反射音量設定手段で算出された反射音量を、前記入力音声信号に付加する反射音処理手段と、
    を備えることを特徴とする反射音付加装置。
  2. 入力音声信号に反射音を付加する反射音付加方法において、
    前記入力音声信号から、あらかじめ設定された周波数成分を抽出する第1のステップと、
    前記抽出された周波数成分から、所定時間ごとの入力音声レベル値を算出する第2のステップと、
    前記第2のステップにおいて算出された入力音声レベル値が、保持している過去の入力音声レベル値の最大値である上限レベル値よりも高い場合には前記上限レベル値を前記算出された入力音声レベル値で更新して保持すると共に、前記第2のステップにおいて算出された入力音声レベル値が、保持している過去の入力音声レベル値の最小値である下限レベル値よりも低い場合には前記下限レベル値を前記算出された入力音声レベル値で更新して保持する第3のステップと、
    前記第3のステップにより保持されている上限レベル値および下限レベル値から、入力音声レベル値の立ち上がり閾値および立ち下り閾値を算出する第4のステップと、
    前記入力音声レベル値が前記立ち上がり閾値を超えたときは、前記入力音声レベルの増加量に応じて前記入力音声信号に付加する反射音量を増加させて算出し、前記入力音声レベル値が前記立ち下り閾値より低くなったときには、所定時間経過後から前記入力音声レベル値の減少量に応じて前記入力音声信号に付加する反射音量を減少させて算出する第5のステップと、
    前記第5のステップにおいて算出された反射音量を、前記入力音声信号に付加する第6のステップと、
    を有することを特徴とする反射音付加方法。
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JP2017526265A (ja) * 2014-07-30 2017-09-07 フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン オーディオ信号の強化のための装置と方法及び音響強化システム
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