JP2008115655A - 石製体のスライド機構及び石製扉 - Google Patents
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Abstract
【課題】石製体の移動容易性を保持した構成を有しつつ、製造や交換が簡易である石製体のスライド機構を実現する。
【解決手段】納骨室扉10は、開閉移動を可能に、石にて製造された納骨室扉本体部9と、納骨室扉本体部9を支持する納骨室扉上枠部7と納骨室扉下枠部8とを有し、納骨室扉上枠部7及び納骨室扉下枠部8の表面には、納骨室扉本体部9を進退移動可能に遊嵌させる溝部7a・8aが形成されていると共に、溝部8aには、納骨室扉本体部9を載置又は懸架する複数のガラス玉13が並設されている。
【選択図】図1
【解決手段】納骨室扉10は、開閉移動を可能に、石にて製造された納骨室扉本体部9と、納骨室扉本体部9を支持する納骨室扉上枠部7と納骨室扉下枠部8とを有し、納骨室扉上枠部7及び納骨室扉下枠部8の表面には、納骨室扉本体部9を進退移動可能に遊嵌させる溝部7a・8aが形成されていると共に、溝部8aには、納骨室扉本体部9を載置又は懸架する複数のガラス玉13が並設されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、石製体のスライド機構に関するものであり、例えば、石製扉のスライド機構に関するものである。
従来、墓石には、骨壷を納めるための納骨室が設けられており、この納骨室には、納骨室の開口部を塞ぐための石製の扉(納骨室扉)が設置されている。納骨の際には、この納骨室扉を開き、骨壷を納めるようになっている。
納骨室扉に用いられる扉の型としては、開き戸型や、引き戸型等がある。
この引き戸型の納骨室扉の一例として、次に示すような両開き型のスライド扉がある。
以下、両開き型のスライド式納骨室扉について、図9を用いて説明する。
図9は、従来の納骨室扉を示す図である。図9(a)は、従来の納骨室扉の全体図を示した図である。図9(b)は、従来の納骨室扉の下枠部をそれぞれ示した斜視図である。また、図9(c)は、従来の納骨室扉の下枠部の上面図である。
図9に示した従来のスライド式納骨室扉100は、石製の扉本体部101と、石製の扉下枠部102と車輪部103(図示せず)とを組み合わせた構成である。
扉本体部101は、下面、すなわち扉下枠部102と対向する面に車輪部103を備えている。また、扉下枠部102は、上面、すなわち扉本体部101と対向する面に図9(b)に示すような鉄製のレール部104を備えている。
納骨室扉100は、車輪部103がレール部104の上を動くことにより、扉本体部101が移動可能となり、この車輪部103及びレール部104を介した扉本体部101の前記動作により納骨室扉100は開閉する。
このように、戸車のようにレールと車輪とを用いることにより、比較的重量の大きい石製の納骨室扉であっても、大きな力を加えることなしに容易に開閉することができる。
しかしながら、従来のスライド機構を用いた納骨室扉100では、石製の扉本体部101には車輪部103を、また、扉下枠部102にはレール部104をそれぞれ設ける必要があり、納骨室扉を製造するのに手間がかかってしまう。
また、車輪部103やレール部104は、長年使用していると、熱等による変形や、水等による腐食が原因で劣化するおそれがある。このように、車輪部103やレール部104が劣化すると交換する必要性が生じるが、従来の納骨室扉100では、このような交換する場合でも手間がかかってしまう。例えば、納骨室扉100の車輪部103が劣化した場合、劣化した車輪部103を一旦取り外してから新しい車輪部を取り付けるという作業が必要となり手間がかかってしまう。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、石製体の進退移動容易性を保持した構成を有しつつ、製造や交換が簡易である石製体のスライド機構及び石製扉を実現することである。
本発明の石製体のスライド機構は、上記課題を解決するために、進退移動を可能に、石にて製造された石製体と、上記石製体を支持する支持体とを有し、上記支持体の表面には、上記石製体を進退移動可能に遊嵌させる支持体溝部が形成されていると共に、上記支持体溝部には、上記石製体が載置又は懸架される複数の球体が並設されていることを特徴としている。
上記構成によれば、上記石製体は、上記支持体溝部に並設された複数の球体の回転移動により進退移動が可能となるため、重量の大きい石製体であっても大きな力を加えることなしに容易に進退移動することができる。
さらに、上記石製体のスライド機構は、上記支持体溝部に球体を備えるだけでよいため、従来のようにレール部や車輪部などを装着する等の手間を省くことができる。また、劣化が原因により球体を交換する必要が生じた場合にも、劣化した球体だけを取り替えるだけでよいため簡易に交換することができる。
従って、石製体の進退移動容易性を保持した構成を有しつつ、製造や交換が簡易である石製体のスライド機構を実現することができる。
また、本発明の石製体のスライド機構は、進退移動を可能に、石にて製造された石製体と、上記石製体の下部を支持する下側支持体とを有し、上記下側支持体の表面には、上記石製体の下部を進退移動可能に遊嵌させる下側支持体溝部が形成されていると共に、上記下側支持体溝部には、上記石製体の下部が載置される複数の球体が並設されていることを特徴としている。
上記構成によれば、上記石製体は、上記下側支持体溝部に並設された複数の球体の回転移動により進退移動が可能となるため、重量の大きい石製体であっても大きな力を加えることなしに容易に進退移動することができる。
さらに、上記石製体のスライド機構は、上記下側支持体溝部に球体を備えるだけでよいため、従来のようにレール部や車輪部などを装着する等の手間を省くことができる。また、劣化が原因により球体を交換する必要が生じた場合にも、劣化した球体だけを取り替えるだけでよいため簡易に交換することができる。
従って、石製体の進退移動容易性を保持した構成を有しつつ、製造や交換が簡易である石製体のスライド機構を実現することができる。
また、上記球体は、錆びに対して耐性を有することが好ましい。
上記構成によれば、錆を発生しないため、本発明に係る石製体のスライド機構は、錆によって劣化するおそれがなく、長く使用し続けることが可能となる。
また、上記球体がガラスからなっていることが好ましい。
上記構成によれば、ガラスは非金属特性を有するため錆を発生しない。
従って、錆を発生しないため、錆によって劣化するおそれがなく、長く使用し続けることが可能となる。
また、上記下側支持体溝部には、外部に連通する排水部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、雨等により前記下側溝部内に水が入り、溝部内に水が溜まった場合でも、前記排水部により、溜まった水を外部に排出することができる。よって、溝部内に水が溜まることによって生じる球体の回転移動の低下を防ぐことができる。
また、本発明の石製体のスライド機構における上記石製体は、引き戸本体であってもよい。
上記構成によれば、上記本発明の石製体のスライド機構を引き戸型の扉に用いることができる。
また、上記引き戸本体を2つ備えた両開き型の石製体のスライド機構であって、上記2つの引き戸本体を進退移動可能に遊嵌させる支持体溝部または下側支持体溝部は2つ形成することが可能である。
上記構成によれば、上記本発明の石製体のスライド機構では、上記2つの各溝部内を2つの引き戸本体がそれぞれ進退移動するため、引き戸本体の動く位置は、溝部が形成されている範囲のみとなり、移動範囲は限られる。これにより、上記2つの引き戸本体の閉じる位置を固定することができる。
また、上記石製体における支持体側表面または下側支持体側表面には、支持体溝部に向けて突出する凸条部が形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、上記溝部に遊嵌される凸条部は、石製体より厚みが薄いため、石製体の端部が溝部に遊嵌される場合の溝幅よりも狭い溝幅にすることができる。これにより、石製体の厚みを薄くすることなく、溝幅を小さくすることができるため、溝を形成するスペースがあまりない場合などに有効である。
また、上記凸条部は非連続的に形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、上記石製体における上記支持体側の端部の面に凸条部を形成しない部分があるため、連続的に凸条部を形成している場合に比べて、使用する石の量が少なくて済むため、コストが安くなる。
本発明の石製体スライド機構における上記支持体溝部または下側支持体溝部は、湾曲して形成されていてもよく、上記石製体も湾曲していてもよい。
例えば、部屋のような閉じられた空間に上記構成の石製体のスライド機構を用いた扉を備える場合、直線状のスライド機構を用いた扉を備える場合に比べて、部屋の内部空間の容積を大きくすることができる。
上記構成の石製体のスライド機構を備える石製の扉であってもよく、また、納骨室の内部と外部とを連通する開口部を塞ぐ納骨室扉であってもよい。
上記構成によれば、納骨室扉以外に香炉に備え付けられた石製の扉や、石製の灯篭などに備え付けられる石製の扉等であってもよい。
以上のように、本発明の石製体のスライド機構は、進退移動を可能に、石にて製造された石製体と、上記石製体の下部を支持する下側支持体とを有し、上記下側支持体の表面には、上記石製体の下部を進退移動可能に遊嵌させる下側支持体溝部が形成されていると共に、上記下側支持体溝部には、上記石製体の下部が載置される複数の球体が並設されているものである。
それゆえ、石製体の進退移動容易性を保持した構成を有しつつ、製造や交換が簡易である石製体のスライド機構及び石製扉を実現するという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
以下、本実施の一形態について、図1〜図6に基づいて説明する。
以下、本実施の一形態について、図1〜図6に基づいて説明する。
本実施の形態では、石製体のスライド機構の一例として、墓石に備えられる石製のスライド型の納骨室扉を用いて説明する。
また、本実施の形態の納骨室扉は、両開き型である。
図3は、墓石1全体の外観を示す斜視図である。
墓石1は、図3に示すように、墓石の本体である墓石本体部2と、外柵部3と、香炉部4と、花立部5と、香炉台6とを備え、さらに内部には納骨室12(図4)を備える。
外柵部3は、墓石1と隣接する墓石との領域を仕切るために、墓石1を囲むように形成されるものであって、境界石や巻石とも呼ばれる。本実施の形態の外柵部3は、墓石の下部を囲む外柵部3aと、墓石1の上部を囲む外柵部3bとから成る。
香炉部4は、お香を焚くために設けられるものであり、内部には、お香を焚くための空間が形成されている。花立部5は、花を飾るために設けられるものである。香炉部4及び花立部5は、香炉台6の上に設置されている。
図4は、墓石本体部2及び外柵部3bを取り除いた墓石1を示す斜視図であり、納骨室12の外観を示した図である。
納骨室12は、図4に示すように、外柵部3aで仕切られることによって形成される内部の空間に設置される。
納骨室12は、骨壷を納めるための閉ざされた空間であり、納骨室12と外部側とを連結する開口部に設けられた納骨室扉10と、外郭部11とから構成される。
ここで、外部側とは、納骨室12の内部に対する外側を意味する。
具体的には、外郭部11は、鉛直方向に延びた3枚の石が、互いに90°の角度を成すように、また、3枚の石を上方から見ると略コの字の形状となるように構成されている。
納骨室扉10は、外郭部11を構成する3枚の石と組み合わせることにより閉じた空間(納骨室12)を形成するように設けられ、納骨室扉上枠部7(支持体)と、納骨室扉下枠部8(支持体、下側支持体)と、納骨室扉本体部9(石製体)とから構成される。
納骨室12の底面は、直接地面と接するようになっており、骨壷を土の上に置くようになっている。また、外郭部11及び納骨室扉上枠部7の上に墓石本体部2を積層することにより墓石1が構成されるため、納骨室12の天井面は、墓石本体部2の底面である。
以下、本願発明の特徴部である納骨室扉10の構成について、図1(a)〜図1(c)を用いて詳細に説明する。
図1は、納骨室扉10の概略構成を示す図である。図1(a)は、湾曲している納骨室扉10を直線状に伸ばした場合の納骨室扉10の鉛直断面図である。また、図1(b)は、図1(a)のA方向から見たときの納骨室扉10の鉛直断面図である。図1(c)は、納骨室扉10を示した斜視図である。
また、図2は、納骨室扉枠部を示した平面図である。図2(a)は、納骨室扉下枠部8の上面図である。また、図2(b)は、納骨室扉上枠部7を示した平面図であり、納骨室扉本体部9を支持する側、すなわち下側から見た図である。
納骨室扉10は、納骨室扉上枠部7と納骨室扉下枠部8とでそれぞれ上下方向から納骨室扉本体部9を挟みこむようにして、納骨室扉本体部9を移動可能に支持するスライド機構である。
納骨室扉上枠部7には、図2(b)に示すように、納骨室扉本体部9を支持する側の面に、中心点Paを中心とした半径Rの円周の略半円形状をした溝部7aが連続して形成されている。この溝部7aの鉛直断面形状は、矩形である。
ここで、中心点Paは、納骨室扉上枠部7の重心が存在する面と同一平面上に存在することとする。
本実施の形態の納骨室扉10は、両開き型のスライド扉であるため、納骨室扉本体部9は、納骨室扉本体部9aと納骨室扉本体部9bとから構成されている。
図1(a)に示すように、納骨室扉本体部9aは、把持部14を備える。把持部14は、納骨室扉本体部9を使用する人が、扉を開閉する際に把持する部分であり、納骨室扉本体部9aにおける納骨室12側の面と反対側の面、すなわち、納骨室12に対して外部側の面上に備えられる。
納骨室扉本体部9bは、納骨室扉本体部9aと同様に、納骨室扉本体部9bにおける納骨室12に対して外部側の面上に把持部14を備える。
また、納骨室扉本体部9a及び9bは、中心点Paを中心とした半径Rの略半円形状に、すなわち、溝部7aに沿うように湾曲している。
納骨室扉下枠部8は、図2(a)に示すように、納骨室扉本体部9を支持する側の面に、中心点Pa’を中心とした半径Rの円周の略半円形状の連続した溝部8a(下側支持体溝部)を備える。
ここで、中心点Pa’は、納骨室扉下枠部8の重心が存在する面と同一平面上に存在することとする。なお、中心点PaとPa’は同じ鉛直線上にあるものとする。
納骨室扉下枠部8は、さらに、溝部8aの内部に、焼きを入れた複数のガラス玉13(球体)を備える。ガラス玉13は、納骨室扉本体部9の下部を介して、納骨室扉本体部9a・9bを移動可能に支持している。
次に、納骨室扉10の動作について説明する。
納骨室扉を開けようとする人が、納骨室扉本体部9aに対して、納骨室扉の開く方向(以下、開方向)に力を加えると、その加えた力により、納骨室扉本体部9aの下に配置され、納骨室扉本体部9aを支持するガラス玉13が、納骨室扉本体部9aの移動する方向に回転移動する。また、納骨室扉本体部9bに対して、納骨室扉の開方向に力を加えると、その加えた力により、納骨室扉本体部9bの下に配置され、納骨室扉本体部9bを支持するガラス玉13が、納骨室扉本体部9bの移動する方向に回転移動する。このガラス玉13の前記回転移動によって、納骨室扉本体部9aの下側の端部16a及び納骨室扉本体部9bの下側の端部16bが溝部8a内を開方向へ移動し、また納骨室扉本体部9aの上側の端部15a及び納骨室扉本体部9bの上側の端部15bが溝部7a内を開方向に移動し、その結果納骨室扉本体部9a、9bがそれぞれ開方向に移動することとなる。
ここで、溝部8aの高さ、すなわち溝部の深さをHとし、前記ガラス玉13の直径をrとすると、溝部8aの高さHの値はガラス玉の直径rの値よりも大きいことが好ましい。これは、もし、H<rである場合、溝部8aの側壁により支持されていた納骨室扉本体部9a・9bの下側端部16a・16bが溝部8a内に収まらなくなるため、納骨室扉本体部9a・9bの下側端部16a・16bは、溝部8aによって支持されなくなる。よって、納骨室扉本体部9a及び9bは、不安定になるため、納骨室12の外部側や内部側等に傾くおそれが生じる。
また、納骨室扉下枠部8に形成される溝部8aが内部に備える前記ガラス玉13の数は、溝部8aの内部にぎっしりガラス玉13を敷き詰めた状態のガラス玉13の数をn個とすると、n個から3、4個取り除いたn−3、又はn−4個であることが好ましい。
具体的には、納骨室扉本体部9における扉の開閉移動する方向に延びる側面の長さよりも、ガラス玉13を敷き詰めた部分の溝部8aの長さが少し長くなることがより好ましい。これは、溝部8aの内部にぎっしり敷き詰めすぎると、ガラス玉同士の摩擦が大きくなってしまい、納骨室扉本体部39の開閉動作が鈍くなるからである。
溝部7a、8aの扉の開閉方向における長さLは、納骨室扉本体部9a、9bの開閉方向の長さlよりも大きく、その差L−lが大きいほど好ましい。前記差が大きいと、納骨室扉本体部9の動く範囲が大きくなり、扉を開いた時の開口部の幅、すなわち納骨室扉本体部9aと9bとの幅が広くなる。これにより、骨壷を納め易くなる。
また、納骨室扉下枠部8に形成された溝部8aには、排水溝17(排水部)が形成されていてもよい。これにより、雨等により溝部8a内に水が入り、溝部8a内に水が溜まった場合でも、排水溝17により溜まった水を外部に排出することができ、溝部8a内に水が溜まることによって生じるガラス玉13の回転移動の低下を防ぐことができる。また、この排水溝17の直径は、ガラス玉13の直径に比べて非常に小さいことが好ましい。
このように、本実施の形態の納骨室扉10は、複数の球体であるガラス玉13(球体)を用いることによって、納骨室扉本体部9a、9bと納骨室扉下枠部8との摩擦力を低減することができる。これにより、扉を開ける人は、比較的重量の大きい石製の扉であるにも関わらず、大きな力を加えずに容易に扉の開閉をすることができる。
また、納骨室扉10は、納骨室扉下枠部8にガラス玉13を備えるだけで納骨室扉本体部9の進退移動を可能にできるため、従来のようにレール部や車輪部などを装着する手間を省くことができる。また、劣化が原因によりガラス玉13を交換する必要が生じた場合にも、劣化したガラス玉13だけを取り替えるだけで足りるため簡易に交換することができる。
また、本実施の形態では、錆に対して耐性を有するガラス玉を用いている。これにより、納骨室扉10が雨水等で濡れても錆は発生しないため、錆が原因の劣化のおそれはほとんどない。
以上のことより、本実施の形態の納骨室扉10は、扉の開閉容易性を保持する構成を有しつつ、簡易に製造や交換をすることができる。また、ガラス玉13が劣化すれば、劣化したガラス玉13を取り替えることによって、納骨室扉10を半永久的に使用し続けることができる。
〔実施の形態2〕
本実施の形態における納骨室扉30が、実施の形態1における納骨室扉10と、納骨室扉本体部39a・39bに突出部35a・35b、36a・36bが形成されている点で、本実施の形態と実施の形態1とは異なるが、それ以外の構成は同じであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
〔実施の形態2〕
本実施の形態における納骨室扉30が、実施の形態1における納骨室扉10と、納骨室扉本体部39a・39bに突出部35a・35b、36a・36bが形成されている点で、本実施の形態と実施の形態1とは異なるが、それ以外の構成は同じであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、本実施の形態における納骨室扉30の概略構成を示す図であり、図6(a)は、湾曲している納骨室扉30を直線状に伸ばした場合の納骨室扉30の鉛直断面図である。また、図6(b)は、図6(a)のA方向から見たときの納骨室扉30の鉛直断面図である。図6(c)は、納骨室扉30の外観を示した斜視図である。
図7は、納骨室扉枠部を示した平面図である。図7(a)は納骨室扉下枠部を示した平面図である。また、図7(b)は、納骨室扉上枠部を示した平面図であり、納骨室扉本体部9と連結する側、すなわち下側から見た図である。
納骨室扉30は、納骨室扉上枠部37と納骨室扉下枠部38とでそれぞれ上下方向から納骨室扉本体部39を挟みこむようにして、納骨室扉本体部39を移動可能に支持しているスライド機構である。
納骨室扉上枠部37は、図7(b)に示すように、納骨室扉本体部39を支持する側の面に、中心点Pcを中心とした半径R’の円の円周の略1/4円形状の溝部37aと、中心点Pbを中心とした半径R’の円の円周の略1/4円形状の溝部37bとが形成されている。この溝部37a・37bの鉛直断面形状は矩形である。ここで、中心点Pb・Pcは、納骨室扉上枠部37の重心が存在する面と同一平面上に存在することとする。
本実施の形態の納骨室扉30は、両開き型スライド扉であるため、納骨室扉本体部39は、納骨室扉本体部39aと納骨室扉本体部39bとから構成されている。
図6(a)に示すように、納骨室扉本体部39aは、納骨室扉本体部39aにおける納骨室12に対して外部側の面に備えられる把持部14と、納骨室扉上枠部37側には溝部37aに向けて突出する突出部35aと、納骨室扉下枠部38側には溝部38a(図6)に向けて突出する突出部36aとを備える。
また、納骨室扉本体部39bは、納骨室扉本体部39bにおける納骨室12に対して外部側の面に備えられる把持部14と、納骨室扉上枠部37側には溝部37bに向けて突出する突出部35bと、納骨室扉下枠部38側には溝部38b(図6)に向けて突出する突出部36bとを備える。
この突出部35a・35b、36a・36bは、溝部37a・37b、38a・38bに向けてそれぞれ突出しているため、この突出部の厚みは、納骨室扉本体部39a・39bの厚みよりも薄くなっている。
また、納骨室扉本体部39aは、中心点Pcを中心とした半径R’の1/4の円周形状をした溝部37aに沿って湾曲している。また、納骨室扉本体部39bは、中心点Pbを中心とした半径R’の1/4の円周形状をした溝部37bに沿って湾曲している。
納骨室扉下枠部38は、図7(a)に示すように、納骨室扉本体部39を支持する側の面に、中心点Pc’を中心とした半径R’の円周の略1/4円形状の溝部38a(下側支持体溝部)と、中心点Pb’を中心とした半径R’の円周の略1/4円形状の溝部38bとが形成されている。この溝38a・38bの鉛直断面形状は矩形である。
ここで、中心点Pb’及びPc’は、納骨室扉下枠部38の重心が存在する面と同一平面上に存在することとする。なお、中心点PbとPb’は同じ鉛直線上にあり、中心点PcとPc’は同じ鉛直線上にあるものとする。
納骨室扉下枠部38は、さらに、溝部38a及び38bの内部に、焼きを入れた複数のガラス玉13を備える。ガラス玉13は、突出部36a、36bを介して、納骨室扉本体部39a、39bを移動可能に支持するようになっている。
ここで、溝部38a及び溝部38bの高さ、すなわち溝部の深さをHとし、前記ガラス玉の直径をrとすると、溝部38a及び溝部38bの高さHの値はガラス玉13の直径rの値よりも大きいことが好ましい。これは、もし、H<rである場合、納骨室扉本体部39a及び39bに形成された突出部36a及び36bは溝部38a及び溝部38b内に収まらなくなり、通常溝部38a及び溝部38b内のみで移動する突出部36a及び36bが溝部38a及び38b内からはみ出してしまい、納骨室扉本体部39a及び39bが傾くおそれがあるからである。
また、納骨室扉下枠部38に形成される各溝の内部が備える前記ガラス玉13の数は、溝部38a、38bの内部にぎっしりガラス玉を敷き詰めた状態のガラス玉の数をn個とすると、n個から3、4個取り除いたn−3、又はn−4個であることが好ましい。
具体的には、納骨室扉本体部39における扉の開閉移動する方向に延びる側面の長さよりも、ガラス玉13を敷き詰めた部分の溝の長さが少し長くなることがより好ましい。
溝部38a若しくは38bの内部にぎっしり敷き詰めすぎると、ガラス玉同士の摩擦が大きくなってしまい、納骨室扉本体部39の開閉動作が鈍くなるからである。
溝部37a・37b、38a・38bの扉の開閉方向における長さLは、納骨室扉本体部39a、39bの開閉方向の長さlよりも大きく、その差L−lが大きいほど好ましい。前記差が大きいと、納骨室扉本体部39の動く範囲が大きくなり、扉を開いた時の開口部の幅、すなわち納骨室扉本体部39aと39bとの幅が広くなる。これにより、骨壷を納め易くなる。
また、納骨室扉下枠部38に形成された溝部38a・38bには、それぞれ排水溝33a・33bが形成されていてもよい。これにより、雨等により溝部38a・38b内に水が入り、溝内に水が溜まった場合でも、排水溝33a・33bにより溜まった水を外部に排出することができる。よって、溝部38a・38b内に水が溜まることによって生じるガラス玉13の回転移動の低下を防ぐことができる。また、この排水溝33a・33bの直径は、ガラス玉13の直径に比べて非常に小さいことが好ましい。
また、納骨室扉本体部39a・39bは、図1(a)に示すように、両者が接触する位置、すなわち納骨室扉30が閉じる位置において、隙間なくきっちり閉まるように、納骨室扉本体部39aは閉じ位置Qから開方向にlaだけ、納骨室扉本体部39bはlbだけ削られた形状となることが好ましい。
本実施形態では、納骨室扉上枠部及び納骨室扉下枠部のそれぞれに溝部が2つずつ形成されているため、閉じた際にこの2つの溝間の距離L’だけ、隙間が開いてしまう。このようなことを防ぐためには、la+lbが溝間の距離L’以上となるようにすることが好ましい。
次に、納骨室扉30におけるスライド機構の動作について説明する。
納骨室扉30を開けようとする人が、納骨室扉本体部39a・39bに対して、納骨室扉30が開く方向(以下、開方向)に力を加えると、その加えた力によりガラス玉13が開方向に回転移動する。このガラス玉13の開方向への回転移動によって、ガラス玉13に載置されている突出部36a・36bは溝部38a・38b内を開方向へ移動し、またそれに対応して突出部35a・35bは溝部37a、37b内を開方向へ移動する。その結果、納骨室扉本体部39a・39bは、開方向に移動し、納骨室扉が開いた状態になる。
図5は、本実施の形態における納骨室扉30とは異なる型の納骨室扉20を示す鉛直断面図である。
本実施の形態では、突出部35a・35bは、納骨室扉本体部39の納骨室扉上枠部37と対向する側の面に、及び36a・36bは納骨室扉下枠部38と対向する側の面にそれぞれ1つの突出部として連続的に形成されている。
本発明はこれに限られず、図5に示すように、納骨室扉本体部19aに突出部21a、22aが非連続的に2つずつ形成された納骨室扉本体部19aを有する納骨室扉20であってもよいし、突出部が2つ以上形成された納骨扉本体部を有する納骨室扉であってもよい。
このように、本実施の形態の納骨室扉30は、複数の球体のガラス玉を用いることによって、納骨室扉本体部39a・39bと納骨室扉下枠部38との摩擦力を低減することができる。これにより、扉を開ける人は、比較的重量の大きい石製の扉であるにも関わらず、大きな力を加えずに容易に扉の開閉をすることができる。
また、納骨室扉30は、納骨室扉下枠部38にガラス玉13を備えるだけで納骨室扉本体部39の進退移動を可能にできるため、従来のようにレール部や車輪部などを装着する手間を省くことができる。また、劣化が原因によりガラス玉13を交換する必要が生じた場合にも、劣化したガラス玉13だけを取り替えるだけで足りるため簡易に交換することができる。
また、本実施の形態では、錆に対して耐性を有するガラス玉を用いている。これにより、納骨室扉30が雨水等で濡れても錆は発生しないため、錆が原因の劣化のおそれはほとんどない。
以上のことより、本実施の形態の納骨室扉30は、扉の開閉容易性を保持する構成を有しつつ、簡易に製造や交換をすることができる。また、ガラス玉13が劣化すれば、劣化したガラス玉13を取り替えることによって、納骨室扉30を半永久的に使用し続けることができる。
また、納骨室扉30では、納骨室扉上枠部37に形成された溝部37a・37bや納骨室扉下枠部38に形成された溝部38a・38b内に受容される、納骨室扉本体部39の厚みよりも小さい厚みの突出部35a・35b、36a・36bが設けられているため、溝部37a・37bや溝部38a・38bの溝幅は、実施の形態1のように納骨室扉本体部9の下側端部を16a・16bを受容する場合よりも小さくすることができる。これにより、納骨室扉枠部に溝部を形成するスペースがあまりない場合でも、納骨室扉本体部の厚みを薄くすることなく溝幅の小さい溝を形成することができる。
また、納骨室扉30では、納骨室扉上枠部37及び納骨室扉下枠部38にそれぞれ溝部37a・37b、38a・38bと溝部が2つずつ形成されているため、この溝部に沿って移動する納骨室扉本体部39a・39bの移動する範囲が固定され、納骨室扉30の閉じる位置も固定される。
また、実施の形態1、2の溝部の鉛直断面形状は矩形であるが、本発明はこれに限らず、略半円形状であってもよいし、他の形状であってもよい。
また、実施の形態1、2では、納骨室扉上枠部、納骨室扉下枠部、及び納骨室扉本体部が湾曲していることにより、扉の移動軌跡も湾曲した形状で表されるスライド扉機構について説明した。本発明はこれに限らず、納骨室扉上枠部、納骨室扉下枠部、及び納骨室扉本体部が湾曲せずに、扉の移動軌跡が直線形状で現されるように移動するスライド扉機構であってもよい。
実施の形態1、2では、両開き型スライド扉を用いて説明したが、本発明はこれに限られず、引き違い型であってもよく、片開き型であってもよい。
また、実施の形態1、2では、複数の球体として、焼きの入れたガラス玉を用いているが、本発明はこれに限られず、錆に対して耐性を有するものであれば他のものを用いてもよい。
実施の形態1、2では、普通のガラス玉ではなく、焼きを入れたガラス玉を用いているが、これはガラス玉が、焼きを入れることにより頑丈になり、石製の納骨室扉本体部の下に設置しても、納骨室扉本体部の重量に耐えられるようになるからである。また、本発明の球体は、必ずしもガラス玉に限らず、例えば、石又はセラミックでもよい。
また、実施の形態1、2では、納骨室の扉を用いて説明したが、本発明はこれに限られず、香炉に備え付けられた石製の扉や、石製の灯篭などに備え付けられる石製の扉等であってもよい。
また、実施の形態1、2では、納骨室扉下枠部に形成された溝部のみにガラス玉を備える構成である。しかしながら、本発明はこれに限らず、納骨室扉下枠部に形成された溝部だけでなく納骨室扉上枠部に形成された溝部にもガラス玉を備える構成であってもよい。
図8は、納骨室扉40の概略構成を示す図であり、扉の開閉方向から見たときの納骨室扉40の鉛直断面図である。
また、実施の形態1、2では、納骨室扉下枠部に形成された溝部に備えられたガラス玉に納骨室扉本体部を載置する構成であったが、本発明はこれに限らず、懸架型の構成であってもよい。具体的には、図8に示すように、納骨室扉上枠部47に形成された溝部47aの内部に、複数のガラス玉13が並設され、ガラス玉13が回転することにより、納骨室扉本体部49の上端部を介して納骨室扉本体部49は開閉移動するようになっている。
上記構成によれば、納骨室扉下枠部を形成する必要がないため、扉の製造コストを低減することができる。
本発明は、例えば納骨室扉や香炉等の墓石関連の石造物に適用することができる。
1 墓石
2 墓石本体部
3 外柵部
4 香炉部
5 花立部
6 香炉台
7、37、47 納骨室扉上枠部(支持体)
8、38 納骨室扉下枠部(支持体)
7a、8a、37a、37b、38a、38b 溝部
9、9a、9b、19a、39a、39b、49 納骨室扉本体部(石製体)
21a、22a、35a、35b、36a、36b 突出部(突条部)
10、20、30、40 納骨室扉
11 納骨室外郭部
12 納骨室
13 ガラス玉(球体)
14 把持部
17、33a、33b 排水溝(排水部)
2 墓石本体部
3 外柵部
4 香炉部
5 花立部
6 香炉台
7、37、47 納骨室扉上枠部(支持体)
8、38 納骨室扉下枠部(支持体)
7a、8a、37a、37b、38a、38b 溝部
9、9a、9b、19a、39a、39b、49 納骨室扉本体部(石製体)
21a、22a、35a、35b、36a、36b 突出部(突条部)
10、20、30、40 納骨室扉
11 納骨室外郭部
12 納骨室
13 ガラス玉(球体)
14 把持部
17、33a、33b 排水溝(排水部)
Claims (12)
- 進退移動を可能に、石にて製造された石製体と、
上記石製体を支持する支持体とを有し、
上記支持体の表面には、上記石製体を進退移動可能に遊嵌させる支持体溝部が形成されていると共に、
上記支持体溝部には、上記石製体が載置又は懸架される複数の球体が並設されていることを特徴とする石製体のスライド機構。 - 進退移動を可能に、石にて製造された石製体と、
上記石製体の下部を支持する下側支持体とを有し、
上記下側支持体の表面には、上記石製体の下部を進退移動可能に遊嵌させる下側支持体溝部が形成されていると共に、
上記下側支持体溝部には、上記石製体の下部が載置される複数の球体が並設されていることを特徴とする石製体のスライド機構。 - 上記球体は、錆びに対して耐性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の石製体のスライド機構。
- 上記球体は、ガラスからなっていることを特徴とする請求項3に記載の石製体のスライド機構。
- 上記下側支持体溝部には、外部に連通する排水部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の石製体のスライド機構。
- 上記石製体は、引き戸本体であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の石製体のスライド機構。
- 上記引き戸本体を2つ備えた両開き型の石製体のスライド機構であって、上記2つの引き戸本体を進退移動可能に遊嵌させる上記支持体溝部または上記下側支持体溝部が2つ形成されていることを特徴とする請求項6に記載の石製体のスライド機構。
- 上記石製体における支持体側表面または下側支持体側表面には、上記支持体溝部に向けて突出する凸条部が形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の石製体のスライド機構。
- 上記凸条部が非連続的に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の石製体のスライド機構。
- 上記支持体溝部または上記下側支持体溝部は、湾曲して形成されていると共に、上記石製体も湾曲していることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の石製体のスライド機構。
- 請求項1から10の何れか1項に記載の石製体のスライド機構を備える石製扉。
- 納骨室の内部と外部とを連通する開口部を塞ぐ納骨室扉として使用されることを特徴とする請求項11に記載の石製扉。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006302014A JP2008115655A (ja) | 2006-11-07 | 2006-11-07 | 石製体のスライド機構及び石製扉 |
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ID=39501821
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JP2006302014A Pending JP2008115655A (ja) | 2006-11-07 | 2006-11-07 | 石製体のスライド機構及び石製扉 |
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JP (1) | JP2008115655A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6452982A (en) * | 1987-08-22 | 1989-03-01 | Shojiro Seike | Sash roller |
JP2001055844A (ja) * | 1999-08-16 | 2001-02-27 | Mitsuzo Yamada | 墓の納骨室構造及び納骨壺 |
JP2003147997A (ja) * | 2001-11-09 | 2003-05-21 | Hiroshi Yamaguchi | 墓 |
JP2006070682A (ja) * | 2004-09-01 | 2006-03-16 | Shinichi Kubota | 墓石用ロウソク立て付き香炉箱 |
JP2006214258A (ja) * | 2005-02-07 | 2006-08-17 | Shinichi Kubota | 墓石用香炉 |
-
2006
- 2006-11-07 JP JP2006302014A patent/JP2008115655A/ja active Pending
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