JP2008107122A - 超音波アレイセンサシステムおよび遅延加算処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 超音波アレイセンサ10は超音波センサ素子11を複数個所定間隔に並べたもので、反射体から到来する超音波反射波を各々の超音波センサ素子11で受信する。遅延加算処理部20により各々の超音波センサ素子11において受信した受信信号に対して、遅延加算処理の基準点における受信信号の受信タイミングに合わせるべく他の超音波センサ素子の受信信号を遅延させ合算する。画像処理部30は画像処理を行なう。遅延加算処理部20において超音波反射波を球面波とした遅延加算処理アルゴリズムを採用するが、超音波反射波が継続信号として時間幅を持った受信信号である場合、遅延時間の時間関数の時間成分を各超音波センサ素子11において当該受信信号が受信され始めた時刻で固定し演算する。
【選択図】図1
Description
超音波レーダーの用途は概ね、十分遠方にある大きな物体の有無を検知する用途に用いられてきた。魚群探知機の用途は概ね、魚の個体を検知するのではなく、魚群を大きな塊として捉えて魚群の概ねの位置と深さを検知する用途に用いられてきた。これら超音波探知機は超音波をトランスデューサーから打ち出し、前方の物体からの反射波をトランスデューサーにより受信し、その受信信号を基に必要な計算処理することにより前方の物体の存在を検知する。超音波探知機がこのような用途である限り解像度は大きな問題ではなく、前方の物体の概ねの外形が分かれば良いとされてきた。解像度が必要な用途については光学式のカメラなどを用いて物体像を捉えることとし、用途に応じて両者を使い分けてきた。
超音波アレイセンサでは各々の超音波センサ素子により受信した反射体からの受信波形の位相を合わせて信号処理を行ない画像として可視化する。
反射体からの距離は超音波の伝播速度が一定であるとすれば反射波の到達時間と超音波の速度から簡単に算出できる。
一方、反射体の方向を確定するには超音波センサ素子の位置のずれを考慮して受信信号を遅延し、それらの信号を加算することにより推定することができる。
従来技術では、フェイズドアレイを用いてアレイ各素子への入射波(測定対象物からの反射波)の到達時間差を考慮しつつ入射波の距離と角度を計算する場合、通常は測定対象(反射源)がアレイの大きさに比べて十分遠方にあると仮定し、平面波が入射するものと考えて遅延計算を行なっている。
したがって、各素子i=1〜Nの受信信号を各々δiだけ遅らせて加算することにより、もし本当に角度θ方向から音波が入射していればエコーの波形が干渉により強め合って大きな信号強度が得られる。
つまり、従来技術には第1の問題として、超音波アレイセンサにて近距離にある反射体から一定時間継続して受信される受信信号を基に遅延加算処理により画像を再現すると、その画像が歪んでしまうなど、計測の精度低下を招くという問題があった。
上記問題があるため、従来の超音波アレイセンサでは、対象物がその平面波の仮定を満たさないほど近距離にある場合は、誤差が生じることを承知の上で平面波として計算するか、あるいはそのような近距離は測定範囲から除外せざるを得ない。
超音波センサ素子を複数個所定間隔に並べ、反射体から到来する超音波反射波を各々の前記超音波センサ素子により受信する超音波アレイセンサと、
各々の前記超音波センサ素子において受信した受信信号に対して、遅延加算処理の基準点における受信信号の受信タイミングに合わせるべく他の超音波センサ素子の受信信号を遅延させて合算する、遅延加算処理を行なう遅延加算処理部と、
前記遅延加算処理の結果に基づいて前記反射体の画像を画像処理する画像処理部を備え、
前記遅延加算処理部は、前記超音波反射波を球面波として遅延時間を時間関数で表現した遅延加算処理アルゴリズムにおいて、前記超音波反射波が継続信号として時間幅を持った受信信号である場合、前記遅延時間の時間関数の時間成分を前記各超音波センサ素子において当該受信信号が受信され始めた時刻で定数化し、非時間関数として演算することを特徴とする。
そこで、第1の手段として、前記遅延加算処理部が、所定時間範囲の時間窓を設定し、前記時間窓を時間軸に沿って移動させつつ前記時間窓が適用された期間の受信信号の実効値(以下、移動実効値と定義する。)を演算する移動実効演算処理を実行する移動実効演算処理手段を備え、
前記遅延加算処理部が、前記超音波反射波が時間幅を持った継続信号である場合に、前記移動実効演算処理手段による移動実効演算処理を適用し、前記受信信号が複数の受信信号が重複した重畳信号である場合に、前記移動実効値が所定レベル以上に増える時刻を各々の前記受信信号が受信され始めた時刻と判断することとする。
前記遅延加算処理部が、前記超音波反射波が時間幅を持った継続信号である場合に、前記振幅・位相演算処理手段により前記受信信号の振幅と位相を演算し、前記受信信号の振幅変化または位相変化が所定レベル以上となる時刻を各々の前記受信信号が受信され始めた時刻と判断することとする。
上記構成により、継続信号をかたまりごとに分離することができ、遅延加算処理を正確に行なうことができる。
超音波センサ素子を複数個所定間隔に並べた超音波アレイセンサにより、反射体から到来する超音波反射波を各々の前記超音波センサ素子により受信し、
各々の前記超音波センサ素子において受信した受信信号に対して、遅延加算処理の基準点における受信信号の受信タイミングに合わせるべく他の超音波センサ素子の受信信号を遅延させて合算する遅延加算処理を行ない、
前記遅延加算処理の結果に基づいて前記反射体の画像を画像処理する超音波画像処理方法であって、
前記遅延加算処理は、前記超音波反射波を球面波として遅延時間を時間関数で表現した遅延加算処理アルゴリズムにおいて、前記超音波反射波が継続信号として時間幅を持った受信信号である場合、前記遅延時間の時間関数の時間成分を前記各超音波センサ素子において当該受信信号が受信され始めた時刻で定数化し、非時間関数として演算することを特徴とする。
上記と同様に、数式により表現することも可能である。
(実施形態1)
図1は、本発明の超音波アレイセンサシステムの一構成例を模式的に示す図である。
図1に示す本発明の超音波アレイセンサシステム100は、超音波アレイセンサ10と、遅延加算処理部20を備えている。図1の構成ではさらに信号処理結果をモニタリングできるように画像処理部30と出力部40を備えるよう工夫がされている。
超音波センサ素子はトランスデューサーとして超音波の送波および受波ができる。超音波の打ち出しには球面波として打ち出すやり方と、超音波レンズなどを用いて集束させたビームとして打ち出すやり方があるが、ここでは球面波を打ち出すものとする。
遅延加算処理部20は、各々の超音波センサ素子において受信した受信信号に対して、遅延加算処理の基準点における受信信号の受信タイミングに合わせるべく他の超音波センサ素子の受信信号を遅延させて合算する遅延加算処理を行なう部分である。なお、基準点とは任意に選択された一点である。例えば、一次元アレイであればアレイ軸上で原点となる一点、二次元アレイであればアレイ平面内で原点となる一点などを適宜選択すればよい。
画像処理部30は遅延加算処理部20の遅延加算処理の結果に基づいて反射体の画像処理を行なう部分である。
出力部40は外部装置として本発明の超音波アレイセンサシステムに接続するもので画像処理した結果を示すモニタである。
図2は反射体1において超音波が反射し、球面波として反射波が生まれ、当該反射波が超音波アレイセンサシステム100に戻り、超音波アレイセンサ10の各超音波センサ素子において受信される様子を模式的に示した図である。
本発明の遅延加算処理部20には超音波反射波を球面波として遅延時間を時間関数で表現した遅延加算処理アルゴリズムにしたがって演算を行なう演算機能が搭載されている。
本発明の遅延加算処理アルゴリズムは、近距離の反射体から到達する超音波反射波に対しては超音波反射波を球面波と見立てて遅延加算処理を行なう。一方、従来技術では到来する超音波反射波を距離にかかわらず一律に平面波と見立てて遅延加算処理を行なう。
まず、比較のために従来技術における平面波とみなした遅延加算処理を説明する。図3は到来する超音波反射波を平面波とみなした場合の遅延加算処理の原理を模式的に説明する図である。
図3に示すように横軸方向(x軸方向)に超音波センサ素子11が等間隔に配置されている。左側からx0、x1、・・、xi、xi+1、・・と配列されている。縦軸方向(y軸方向)は超音波探索する空間である。反射体が十分に遠方にあり到来する超音波反射波は平面波となっている。図示では平面波の進行してくる様子を模式的に矢線で示している。平面波は一つの平面として矢線に沿って進行して来て各超音波センサ素子11に到来する。なお、以下の例において基準点は超音波センサ素子x0が置かれた点とする。
図4(a)に示すように、超音波センサ素子xiで受信された反射波信号はタイミングTPiで受信されている。一方、図4(c)に示すように、基準点の超音波センサ素子x0で受信された反射波信号のタイミングTP0で受信されている。両者の受信信号波形は基本的に同じ信号波形となっている。ここで、図4(a)の受信信号のタイミングを遅延させ、図4(b)に示すように両者を同じタイミングTP0で始まる信号とする。すべての超音波センサ素子での受信信号のタイミングを各々遅延させて合わせて加算処理を行ない信号強調を行なう。各々の遅延時間は上記に説明したように非時間関数となっており図4(b)に示したように遅延処理により受信信号波形が歪むことはない。
次に、比較のために従来技術における球面波とみなした遅延加算処理を説明する。図5は到来する超音波反射波を球面波とみなした場合の遅延加算処理の原理を模式的に説明する図である。
図3と同様、図5でも横軸方向(x軸方向)に超音波センサ素子11が等間隔に配置され、左側からx0、x1、・・、xi、xi+1、・・と配列されている。縦軸方向(y軸方向)は超音波探索する空間である。この例でも遅延加算処理の基準点は超音波センサ素子x0の置かれた点とする。
ここで、送信する超音波は短い一定時間の継続信号として打ち出される場合、反射波も時間的に継続する継続信号となる。
図6(a)は超音波センサ素子xiで受信された反射波信号を示しており、タイミングTSiで受信されている。一方、図6(c)は基準点の超音波センサ素子x0で受信された反射波信号を示しており、タイミングTS0で受信されている。両者の受信信号波形は基本的に同じ信号波形となっている。ここで、図6(a)の受信信号のタイミングを遅延させ、図6(b)に示すように両者を同じタイミングTS0で始まる信号とする。しかし、球面波の場合、上記に見たように、各々の超音波センサ素子での遅延時間は時間関数となっているので、単純に[数27]に従った遅延処理を施せば図6(b)に示したように受信信号波形が歪むこととなる。
上記のように、球面波の場合、各超音波センサ素子での受信信号を遅延させる遅延時間が[数27]で表現されるところ、本発明では、遅延時間の時間関数の時間成分を各超音波センサ素子において当該受信信号が受信され始めた時刻で固定して演算することとし、遅延時間を[数27]に代え改善遅延時間[数28]を用いる。
球面波の遅延処理は図6に示したように時間関数となるところ、改善遅延処理では時間成分をTSiで固定して遅延するため時間成分が定数化され、非時間関数となり、図7(b)に示すように継続信号であっても受信信号が歪むことがなくなる。
図8は、遅延処理を時間関数のまま行なった場合の画像処理の結果の一例を示す図である。
図9は、改善遅延処理の結果、非時間関数として遅延処理を行なった場合の画像処理の結果の一例を示す図である。
図8 では、本来二つの反射体である形状が大きく広がり、しかも両物体の間に
ゴーストが画像化されていることが分かる。一方、図9 では、二つの反射体が正
しく画像化されていることがわかる。
本発明の実施形態2にかかる超音波アレイセンサシステムの例を示す。
本発明の実施形態2にかかる超音波アレイセンサシステムは実施形態1の構成に加え、さらに工夫を施したものである。
図10(c)の継続信号を受信した場合において、受信信号aと受信信号bの分離しないまま、ひとかたまりの継続信号として扱うと、受信信号開始タイミングTiaは実施形態1の[数28]に従って遅延加算処理をすれば見つけ出すことは可能であり、遅延加算処理により各々の超音波センサ素子の受信信号のタイミングを合わせることが可能である。しかし、反射体bは反射体aとは存在位置が異なるので、各々の超音波センサ素子において受信信号bに対して適用すべき遅延時間は受信信号aに対して適用すべき遅延時間とは異なるはずである。ところが、受信信号aに対して適用すべき遅延時間をもって重畳信号全体を遅延処理するので、当該遅延処理では反射体bの受信信号bの開始タイミングは揃わないこととなる。
本発明において、移動実効値とは、超音波アレイセンサ10により各々の超音波センサ素子11が受信した受信信号に対して、所定時間範囲の時間窓を設定し、時間窓を時間軸に沿って移動させつつ時間窓が適用された期間の受信信号の実効値と定義する。
図11に示す実施形態2にかかる超音波アレイセンサシステム100aは、超音波アレイセンサ10と、遅延加算処理部20aと、画像処理部30、外部装置である出力部40を備えているが、遅延加算処理部20aが移動実効演算処理手段21を備えている。
移動実効演算処理手段21は、超音波アレイセンサ10により各々の超音波センサ素子11が受信した受信信号に対して、所定時間範囲の時間窓を設定し、時間窓を時間軸に沿って移動させつつ時間窓が適用された期間の受信信号の移動実効値を演算する移動実効演算処理を実行するものである。
遅延加算処理部20aは、移動実効演算処理手段21による移動実効演算処理を適用し、移動実効値が所定レベル以上に増える時刻を受信信号が受信され始めた時刻と判断する。
ここで、遅延加算処理部20aは、増加差分を調べ、差分が所定の閾値以上の増加が見られた個所をひとかたまりの受信信号の受信開始タイミングと判断する。この例では増加差分が見られるタイミングはTia,Tibの個所のみである。このように本実施形態2にかかる移動実効演算処理手段21の移動実効演算処理により2つの受信信号の開始タイミングを検出することができる。
このように各々の受信信号についてひとかたまりの受信信号の受信開始タイミングを特定し、遅延加算処理を実行し、反射体aの方向θa、反射体bの方向θbを特定する。
本発明の実施形態3にかかる超音波アレイセンサシステムの例を示す。
上記の実施形態2にかかる超音波アレイセンサシステムでは、重畳している受信信号の分離にあたり移動実効値を調べるものであったが、本発明の実施形態3にかかる超音波アレイセンサシステムは受信信号の振幅と位相を調べることにより受信信号の分離を行なうよう工夫を施したものである。
なお、位相の変化と振幅の変化を同時に捉える指標によりそれぞれの受信信号の開始時点を判別する工夫も可能である。
図17に示す実施形態3にかかる超音波アレイセンサシステム100bは、超音波アレイセンサ10と、遅延加算処理部20bと、画像処理部30、外部装置である出力部40を備えているが、遅延加算処理部20bが振幅・位相演算処理手段22を備えている。
振幅・位相演算処理手段22は、超音波アレイセンサ10により各々の超音波センサ素子11が受信した受信信号に対して振幅と位相を演算するものである。
遅延加算処理部20bは、振幅・位相演算処理手段22による振幅・位相演算処理を適用し、受信信号の振幅変化または位相変化が所定レベル以上となる時刻を各々の受信信号が受信され始めた時刻と判断する。
本発明の超音波画像処理方法は、上記の実施形態1、実施形態2の超音波アレイセンサシステムの説明において施された処理方法として提供することができる。また、処理アルゴリズムをプログラムとして記述し、超音波画像処理プログラムとして提供することができる。
図18は、超音波画像処理プログラムのフローチャートの例を示した図である。
次に、超音波反射波(球面波)の受信処理ステップ(S2)において、到来した球面波が各々の超音波センサ素子において受信され、受信信号波形が捉えられる。
次に、超音波受信開始タイミングの検知処理ステップ(S3)において、各々の超音波センサ素子において受信された受信信号波形を解析し、超音波の受信開始タイミングTを検知する。
次に、遅延処理の時間成分固定による非時間関数化処理ステップ(S4)において、時間関数である球面波の遅延処理において時間成分t(変数)を超音波の受信開始タイミングT(定数)として固定し、非時間関数化を行なう。
次に、反射体の方向θおよび反射体までの距離rの算出処理ステップ(S6)において、遅延加算処理ステップ(S5)における遅延加算処理の結果から、加算結果が最大となるθを求め、超音波の発射時間と受信時間の差分と超音波速度より距離rを求める。
次に、画像化処理ステップ(S7)において、反射体の画像処理を行なう。反射体の方向θと距離rが求まっているので、画像化することは可能である。この走査範囲について存在するすべての反射体(物体、壁面など)を画像化することにより精度の良い画像が得られる。
次に、出力処理ステップ(S8)において、画像化処理ステップ(S7)で生成した画像をモニタ上に描画する。
図18に示した超音波画像処理プログラムのフローチャートと概ね同様であるが、超音波の受信開始タイミングの検知処理ステップ(S3a)が異なっている。
図19のフローチャートでは、超音波の受信開始タイミングの検知処理ステップが移動実効値の算出による受信信号の開始タイミングの検知処理ステップ(S31)を備えている。図12に示した原理を用いた移動実効値の算出によりひとかたまりの受信信号の開始タイミングを検知し、非時間関数化処理ステップ(S4)以下のステップにつなげる。
図20のフローチャートでは、超音波の受信開始タイミングの検知処理ステップが振幅・位相のフェイザ表示での移動距離判別による受信信号の開始タイミングの検知処理ステップ(S32)を備えている。ひとかたまりの受信信号の開始タイミングを検知し、非時間関数化処理ステップ(S4)以下のステップにつなげる。
以上が超音波画像処理プログラムの一例である。
11 超音波センサ素子
20,20a 遅延加算処理部
21 移動実効演算処理手段
30 画像処理部
40 出力部
100,100a 超音波アレイセンサシステム
Claims (14)
- 超音波センサ素子を複数個所定間隔に並べ、反射体から到来する超音波反射波を各々の前記超音波センサ素子により受信する超音波アレイセンサと、
各々の前記超音波センサ素子において受信した受信信号に対して、遅延加算処理の基準点における受信信号の受信タイミングに合わせるべく他の超音波センサ素子の受信信号を遅延させて合算する、遅延加算処理を行なう遅延加算処理部と、
前記遅延加算処理部は、前記超音波反射波を球面波として遅延時間を時間関数で表現した遅延加算処理アルゴリズムにおいて、前記超音波反射波が継続信号として時間幅を持った受信信号である場合、前記遅延時間の時間関数の時間成分を前記各超音波センサ素子において当該受信信号が受信され始めた時刻で定数化し、非時間関数として演算することを特徴とする超音波アレイセンサシステム。 - 前記遅延加算処理において、前記超音波反射波の前記基準点への到来方向をθとし、各前記超音波センサ素子での受信時刻をtとした場合、
前記基準点から前記反射体までの距離r0(t)が[数1]で表現され、
各前記超音波センサ素子から前記反射体までの距離ri(t,θ)が[数2]で表現され、
各前記超音波センサ素子での受信信号を遅延させる遅延時間δi(t,θ)が[数3]で表現され、
前記超音波反射波が継続信号として時間幅を持った受信信号である場合、遅延時間として前記各超音波センサ素子において当該受信信号が受信され始めた時刻Tで固定し、[数3]のδi(t,θ)に代え[数4]のδi(T,θ)を用いることを特徴とする請求項1に記載の超音波アレイセンサシステム。
- 前記遅延加算処理部が、所定時間範囲の時間窓を設定し、前記時間窓を時間軸に沿って移動させつつ前記時間窓が適用された期間の受信信号の実効値(移動実効値)を演算する移動実効演算処理を実行する移動実効演算処理手段を備え、
前記遅延加算処理部が、前記超音波反射波が時間幅を持った継続信号である場合に、前記移動実効演算処理手段による移動実効演算処理を適用し、前記受信信号が複数の受信信号が重複した重畳信号である場合に、前記移動実効値が所定レベル以上に増える時刻を各々の前記受信信号が受信され始めた時刻と判断する、請求項1から3のいずれかに記載の超音波アレイセンサシステム。 - 前記遅延加算処理部が、受信信号の振幅と位相を演算する振幅・位相演算処理手段を備え、
前記遅延加算処理部が、前記超音波反射波が時間幅を持った継続信号である場合に、前記振幅・位相演算処理手段により前記受信信号の振幅と位相を演算し、前記受信信号の振幅変化または位相変化が所定レベル以上となる時刻を各々の前記受信信号が受信され始めた時刻と判断する、請求項1から3のいずれかに記載の超音波アレイセンサシステム。 - 前記遅延加算処理の結果に基づいて前記反射体の画像を画像処理する画像処理部を備え、
前記画像処理部が、前記遅延加算処理部における前記遅延加算処理結果である加算信号の瞬時値を輝度変調して画像を生成する請求項1から5のいずれかに記載の超音波アレイセンサシステム。 - 前記遅延加算処理の結果に基づいて前記反射体の画像を画像処理する画像処理部を備え、
前記画像処理部が、前記遅延加算処理結果である加算信号に前記移動実効演算処理結果である移動実効値を掛けた値を輝度変調して画像を生成する請求項4に記載の超音波アレイセンサシステム。 - 超音波センサ素子を複数個所定間隔に並べた超音波アレイセンサにより、反射体から到来する超音波反射波を各々の前記超音波センサ素子により受信し、
各々の前記超音波センサ素子において受信した受信信号に対して、遅延加算処理の基準点における受信信号の受信タイミングに合わせるべく他の超音波センサ素子の受信信号を遅延させて合算する遅延加算処理を行なう遅延加算処理方法であって、
前記遅延加算処理は、前記超音波反射波を球面波として遅延時間を時間関数で表現した遅延加算処理アルゴリズムにおいて、前記超音波反射波が継続信号として時間幅を持った受信信号である場合、前記遅延時間の時間関数の時間成分を前記各超音波センサ素子において当該受信信号が受信され始めた時刻で定数化し、非時間関数として演算することを特徴とする遅延加算処理方法。 - 前記遅延加算処理において、前記超音波反射波の前記基準点への到来方向をθとし、各前記超音波センサ素子での受信時刻をtとした場合、
前記基準点から前記反射体までの距離r0(t)が[数8]で表現され、
各前記超音波センサ素子から前記反射体までの距離ri(t,θ)が[数9]で表現され、
各前記超音波センサ素子での受信信号を遅延させる遅延時間δi(t,θ)が[数10]で表現され、
前記超音波反射波が継続信号として時間幅を持った受信信号である場合、前記各超音波センサ素子において当該受信信号が受信され始めた時刻Tで固定し、[数10]のδi(t,θ)に代え[数11]のδi(T,θ)を用いることを特徴とする請求項8に記載の遅延加算処理方法。
- 前記遅延加算処理において、所定時間範囲の時間窓を設定し、前記時間窓を時間軸に沿って移動させつつ前記時間窓が適用された期間の受信信号の実効値(移動実行値)を演算する移動実効演算処理を備え、
前記遅延加算処理において、前記超音波反射波が時間幅を持った継続信号である場合に、前記移動実効演算処理を適用し、前記受信信号が複数の受信信号が重複した重畳信号である場合に、前記移動実効値が所定レベル以上に増える時刻を各々の前記受信信号が受信され始めた時刻と判断する、請求項8から10のいずれかに記載の遅延加算処理方法。 - 前記遅延加算処理において、受信信号の振幅と位相を演算する振幅・位相演算処理を備え、
前記遅延加算処理において、前記超音波反射波が時間幅を持った継続信号である場合に、前記振幅・位相演算処理により前記受信信号の振幅と位相を演算し、前記受信信号の振幅変化または位相変化が所定レベル以上となる時刻を各々の前記受信信号が受信され始めた時刻と判断する、請求項8から10のいずれかに記載の超音波アレイセンサシステム。 - 前記遅延加算処理の結果に基づいて前記反射体の画像を画像処理し、
前記画像処理において、前記遅延加算処理結果における前記遅延加算処理結果である加算信号の瞬時値の値を輝度変調して画像を生成する請求項8から12のいずれかに記載の遅延加算処理方法。 - 前記遅延加算処理の結果に基づいて前記反射体の画像を画像処理し、
前記画像処理において、前記遅延加算処理結果である加算信号に前記移動実効演算処理結果である移動実効値を掛けた値を輝度変調して画像を生成する請求項12に記載の遅延加算処理方法。
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