JP2008106770A - 圧縮機用の翼形部形状 - Google Patents

Abstract

【課題】製造物品、すなわち圧縮機用の翼形部形状を提供する。
【解決手段】本製造物品は、Ｘ、Ｙ及びＺのデカルト座標値に実質的に従った基準輪郭を有する。Ｘ及びＹは、滑らかな連続円弧によって接続されるとインチで表した各距離Ｚにおける翼形部輪郭セクションを形成するインチで表した距離である。Ｚ距離における輪郭セクションは、互いに滑らかに結合されて完全な翼形部形状（２２、６３）を形成する。
【選択図】図５

Description

本発明は、ガスタービンのロータブレード用の翼形部に関する。具体的には、本発明は、圧縮機の様々な段用の圧縮機翼形部輪郭に関する。具体的には、本発明は、圧縮機の様々な段における入口案内ベーン、ロータ又はステータのいずれか用の圧縮機翼形部輪郭に関する。

ガスタービンでは、設計目標に適合させるために、ガスタービンの流路セクションの各段において多くのシステム要件が満たされなければならない。これらの設計目標には、それに限定されないが、効率及び翼形部負荷性能の全体的向上が含まれる。例えば、また本発明を決して限定するものではないが、圧縮機ステータのブレードは、その特定の段についての熱的及び機械的作動要件を達成しなければならない。さらに、例えば、また本発明を決して限定するものではないが、圧縮機ロータのブレードは、その特定の段についての熱的及び機械的作動要件を達成しなければならない。

本発明の１つの例示的な態様によると、製造物品は、表１に記載したＸ、Ｙ及びＺのデカルト座標値に実質的に従った基準輪郭を有する。表１において、Ｘ及びＹは、滑らかな連続円弧によって接続されるとインチで表した各距離Ｚにおける翼形部輪郭セクションを形成するインチで表した距離である。Ｚ距離における輪郭セクションは、互いに滑らかに結合されて完全な翼形部形状を形成する。

本発明の別の例示的な態様によると、圧縮機は、圧縮機ホイールを含む。圧縮機ホイールは、複数の製造物品を有する。製造物品の各々は、翼形形状を有する翼形部を含む。翼形部は、表１に記載したＸ、Ｙ及びＺのデカルト座標値に実質的に従った基準輪郭を含み、表１において、Ｘ及びＹは、滑らかな連続円弧によって接続されるとインチで表した各距離Ｚにおける翼形部輪郭セクションを形成するインチで表した距離である。Ｚ距離における輪郭セクションは、互いに滑らかに結合されて完全な翼形部形状を形成する。

本発明のさらに別の例示的な態様によると、圧縮機は、複数の製造物品を有する圧縮機ホイールを含む。製造物品の各々は、表１に記載したＸ、Ｙ及びＺのデカルト座標値に実質的に従った被膜のない基準翼形部輪郭を有する翼形部を含み、表１において、Ｘ及びＹは、滑らかな連続円弧によって接続されるとインチで表した各距離Ｚにおける翼形部輪郭セクションを形成するインチで表した距離である。Ｚ距離における輪郭セクションは、互いに滑らかに結合されて完全な翼形部形状を形成する。

次に図面を参照すると、図１は、複数の圧縮機段を備えたガスタービン圧縮機２の軸方向圧縮機流路１を示す。図において、圧縮機段は、連続的に番号を付けている。圧縮機流路は、例えば１８個のようなあらゆる数のロータ段及びステータ段を含む。しかしながら、ロータ及びステータ段の的確な数は、工学技術設計の選択範囲である。本発明によって具現化したように、燃焼器内には、あらゆる数のロータ及びステータ段を設けることができる。１７個のロータ段は、１つのタービン設計における単なる例示にすぎない。いずれにしても、本発明を１８個のロータ段に限定することを意図するものではない。

圧縮機ロータブレードは、空気流に対して運動エネルギーを与え、従って該圧縮機の両側において所望の圧力上昇をもたらす。ロータ翼形部の直後に続くのは、ステータ翼形部の段である。ロータ及びステータ翼形部の両方は、空気流の方向を変え、空気流速度を低下させ（関連するそれぞれの翼形部構成において）かつ空気流の静圧力の上昇をもたらす。翼形部のその外周面を含む構成（周囲の翼形部とのその相互作用と共に）により、本発明のその他の望ましい態様の中でも特に、段空気流効率、空気力学の強化、段から段への滑らかな層流、熱応力の低下、空気流を段から段に効果的に流す段の相互関係の強化、及び機械応力の低下が得られる。一般的に、複数列のロータ/ステータ段は、軸流圧縮機として重ねられて、所望の吐出対入口圧力比を達成する。ロータ及びステータ翼形部は、多くの場合「根元」、「基部」又は「ダブテール」（図２〜図５を参照）として知られる適切な取付け構成によってロータホイール又はステータケースに固定することができる。

図１には、圧縮機２の段を例示的に示している。圧縮機２の段は、ロータホイール５１上に取付けられた複数の円周方向に間隔を置いて配置されたロータブレード２２と固定圧縮機ケース５９に対して取付けられた複数の円周方向に間隔を置いて配置されたステータブレード２３とを含む。ロータホイールの各々は、後方駆動シャフト５８に取付けられ、後方駆動シャフト５８は、エンジンのタービンセクションに連結される。ロータブレード及びステータブレードは、圧縮機の流路１内に位置する。本発明によって具現化した圧縮機流路１を通る空気流の方向は、矢印６０（図１）で示している。圧縮機２の段は、本発明の技術的範囲内にある圧縮機２の段の単なる例示にすぎない。いずれにしても、本発明を圧縮機２の図示しかつ説明した段に限定することを意図するものではない。

ロータブレード２２は、後方駆動シャフト５８の一部を形成するロータホイール５１上に取付けられる。図２〜図６に示すように、各ロータブレード２２には、プラットフォーム６１と、ロータホイール５１上の相補形状の係合ダブテール（図示せず）と連結するようになった実質的又は近似的な軸方向挿入式ダブテール６２とが設けられる。しかしながら、本発明によって具現化したように、軸方向挿入式ダブテールには、翼形部輪郭を設けることができる。各ロータブレード２２は、図２〜図６に示すように、ロータブレード翼形部６３を含む。従って、ロータブレード２２の各々は、プラットフォーム６１の中間位置における翼形部根元６４からロータブレード先端６５までの任意の断面において、一般的な翼形の形状（図６）のロータブレード翼形部輪郭６６を有する。

ロータブレード翼形部の翼形形状を形成するために、空間内における固有の点の組又は軌跡が与えられる。この固有の点の組又は軌跡は、段要件を満たしており、段をそのように形成することができる。この固有の点の軌跡はまた、段効率並びに低い熱及び機械応力に対する所望の要件を満たす。この点の軌跡は、空気力学的負荷と機械的負荷との間で、効率的なかつ安全なかつ円滑な状態で圧縮機を運転するのを可能にするように反復することによって得られる。

本発明によって具現化した軌跡は、ロータブレード翼形部輪郭を定めかつエンジンの回転軸線に対する点の組を含むことができる。例えば、点の組を得て、ロータブレード翼形部輪郭を形成することができる。

下記の表に記載したＸ、Ｙ及びＺ値のデカルト座標系は、その長さに沿った様々な位置におけるロータブレード翼形部の輪郭を定める。本発明によって具現化した翼形部は、第８段翼形部ステータベーンとしての用途を見出すことができる。Ｘ、Ｙ及びＺ座標の座標値はインチで記載しているが、その値を適切に変換した場合にはその他の寸法の単位を用いることもできる。これらの値は、プラットフォームのフィレット領域を除外している。デカルト座標系は、直交関係になったＸ、Ｙ及びＺ軸を有する。Ｘ軸は、圧縮機ブレードのダブテール軸線と平行に位置し、このダブテール軸線は、ロータについての図７及びステータについての図８に示すように、エンジンの中心線に対してある角度をなしている。正のＸ座標値は、後方に向かう、例えば圧縮機の排出端部に向かう軸方向である。正のＹ座標値は、ダブテール軸線に対して垂直な方向である。正のＺ座標値は、ロータブレードの場合には、圧縮機の固定ケーシングに向かう方向である翼形部の先端に向いた半径方向外向き方向であり、ステータブレードの場合には、圧縮機のエンジン中心線に向いた半径方向内向き方向である。

基準目的としてのみに、図５に示すように、スタッキング軸線に沿った翼形部とプラットフォームとの交差部を通るゼロ（０）点を設定している。本発明の翼形部のこの例示的な実施形態では、ゼロ（０）点は、そこでは下記の表のＺ座標が０．０００インチである基準セクションとして定められ、この０．０００インチの位置は、エンジン又はロータ中心線から一定の所定の距離にある。

Ｘ、Ｙ平面に対して垂直なＺ方向での選択位置においてＸ及びＹ座標値を定めることによって、それに限定されないが、翼形部の長さに沿った各Ｚ距離における図６の輪郭セクション６６のようなロータブレード翼形部の輪郭セクションを確定することができる。Ｘ及びＹ値を滑らかな連続円弧で接続することによって、各距離Ｚにおける各輪郭セクション６６を決定することができる。距離Ｚ間の様々な表面位置の翼形部輪郭は、隣接する輪郭セクション６６を互いに滑らかに接続することによって決定され、従って翼形部輪郭が形成される。これらの値は、周囲温度状態、非作動状態又は非高温状態における翼形部輪郭を表し、また被膜のない翼形部に対するものである。

翼形部の輪郭を決定するための表の値は、小数点以下３桁まで作成されかつ示されている。翼形部の実際の輪郭には、考慮しなければならない一般的な製造公差と被膜とが存在する。従って、示した輪郭の値は、基準翼形部に対するものである。従って、あらゆる被膜厚さを含む＋/−値のような一般的な＋/−製造公差が、Ｘ及びＹ値に加えられることが分かるであろう。従って、翼形部輪郭に沿った任意の表面位置に対して垂直な方向における約＋/−０．１６０インチの距離により、ロータブレード翼形部設計及び圧縮機についての翼形部輪郭エンベロープが定まる。すなわち、本発明によって具現化したように、翼形部輪郭に沿った任意の表面位置に対して垂直な方向における約＋/−０．１６０インチの距離により、基準の低温又は常温時の実際の翼形部表面上の測定点と、同一温度でのこれらの点の理想的な位置との間における差異の範囲が定まる。本発明によって具現化したロータブレード翼形部設計は、この差異の範囲に対して安定した状態を保ち、機械的及び空気力学的機能を損なうことがない。

下記の表１に記載した座標値は、例示的な第８段翼形部ステータベーン用の基準輪郭エンベロープを提供する。

上記の表１に開示した例示的な翼形部は、他の類似の圧縮機設計において使用するために幾何学的に拡大又は縮小することができることを理解されたい。その結果、表１に記載した座標値は、翼形部輪郭形状が変化しない状態のままになるように、率に応じて拡大又は縮小することができる。表１の座標の拡大縮小バージョンは、定数によって乗算又は除算した表１のＸ、Ｙ及びＺ座標値によって表されることになる。

本明細書には様々な実施形態を説明しているが、当業者はそれら実施形態における要素、変更又は改良の様々な組合せを行うことができ、またそれらが本発明の技術的範囲内に属することは、本明細書から分かるであろう。

ガスタービンの複数段を通る圧縮機流路を例示的に示しかつ本発明の実施形態による例示的な翼形部を示す概略図。 ロータブレード翼形部をそのプラットフォーム及びその実質的又は近似的な軸方向挿入式ダブテール継手と共に示した、本発明の実施形態による例示的なロータブレードの斜視図。 ロータブレード翼形部をそのプラットフォーム及びその実質的又は近似的な軸方向挿入式ダブテール継手と共に示した、本発明の実施形態による例示的なロータブレードの斜視図。 翼形部の正圧側面からほぼ円周方向に見た、図２のロータブレード及び関連するプラットフォーム及びダブテール継手の側面図。 翼形部の負圧側面からほぼ円周方向に見た、図２のロータブレード及び関連するプラットフォーム及びダブテール継手の側面図。 図５の線６−６のほぼ周りで取ったロータブレード翼形部の断面図。 その上に座標系を重ね合せた状態での本発明の例示的な実施形態によるロータブレードの斜視図。 その上に座標系を重ね合せた状態での本発明の例示的な実施形態によるステータブレードの斜視図。

符号の説明

１ 軸方向圧縮機流路
２ ガスタービン圧縮機
２２ 円周方向に間隔を置いて配置されたロータブレード
５１ ロータホイール
２３ 円周方向に間隔を置いて配置されたステータブレード
５９ 固定圧縮機ケース
５８ 後方駆動シャフト
６０ 空気流方向矢印
６１ プラットフォーム
６２ 軸方向挿入式ダブテール
６３ ロータブレード翼形部
６６ ロータブレード翼形部輪郭
６４ 翼形部根元
６５ ロータブレード先端
６６ 輪郭セクション

Claims (9)

1. 表１に記載したＸ、Ｙ及びＺのデカルト座標値に実質的に従った基準輪郭を有し、前記表１において、Ｘ及びＹは、滑らかな連続円弧によって接続されるとインチで表した各距離Ｚにおける翼形部輪郭セクションを形成するインチで表した距離であり、
   前記Ｚ距離における輪郭セクションが、互いに滑らかに結合されて完全な翼形部形状（２２、２３）を形成する、
   製造物品。
2. 前記物品が翼形部（２２、２３）を含む、請求項１記載の製造物品。
3. 前記物品形状が、任意の物品表面位置に対して垂直な方向に±０．１６０インチ以内のエンベロープ内に位置する、請求項２記載の製造物品。
4. 前記物品がロータ（２２）を含む、請求項１記載の製造物品。
5. その各々が翼形形状を有する翼形部を備えた複数の製造物品を有する圧縮機ホイールを含む圧縮機であって、
   前記翼形部が、表１に記載したＸ、Ｙ及びＺのデカルト座標値に実質的に従った基準輪郭を有し、前記表１において、Ｘ及びＹは、滑らかな連続円弧によって接続されるとインチで表した各距離Ｚにおける翼形部輪郭セクションを形成するインチで表した距離であり、
   前記Ｚ距離における輪郭セクションが、互いに滑らかに結合されて完全な翼形部形状（２２、２３）を形成する、
   圧縮機。
6. 前記製造物品がロータ（２２）を含む、請求項５記載の圧縮機。
7. その各々が翼形部を備えた複数の製造物品を有する圧縮機ホイール（５１）を含む圧縮機（２）であって、
   前記翼形部が、表１に記載したＸ、Ｙ及びＺのデカルト座標値に実質的に従った被膜のない基準翼形部輪郭を有し、前記表１において、Ｘ及びＹは、滑らかな連続円弧によって接続されるとインチで表した各距離Ｚにおける翼形部輪郭セクションを形成するインチで表した距離であり、
   前記Ｚ距離における輪郭セクションが、互いに滑らかに結合されて完全な翼形部形状（２２、２３）を形成し、
   前記Ｘ及びＹ距離が、拡大又は縮小したロータブレード翼形部（２２、２３）を得るために、同一の定数又は数値の関数として拡大縮小可能である、
   圧縮機（２）。
8. 前記製造物品がロータ（２２）を含む、請求項７記載の圧縮機（２）。
9. 前記翼形部形状が、任意の翼形部表面位置に対して垂直な方向に±０．１６０インチ以内のエンベロープ内に位置する、請求項７記載の圧縮機（２）。

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