JP2008100295A - 研磨ヘッド及び研磨装置 - Google Patents

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Hisashi Masumura
寿 桝村
Koji Kitagawa
幸司 北川
Koji Morita
幸治 森田
Norizane Kishida
敬実 岸田
Satoru Arakawa
悟 荒川
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Abstract

【課題】 ラバーチャック方式による研磨ヘッドにおいて、中板の剛性や平面度に影響されず、ワーク全体に均一な研磨荷重をかけることが可能な研磨ヘッド等を提供することを目的とする。
【解決手段】 少なくとも、略円盤状の中板と、該中板の少なくとも下面部と側面部とを覆うラバー膜からなり、前記中板と前記ラバー膜で囲まれた空間部を有し、圧力調整機構で前記空間部の圧力を変化させることができるように構成され、前記ラバー膜の下面部にワークの裏面を保持し、該ワークの表面を定盤上に貼り付けた研磨布に摺接させて研磨する研磨ヘッドにおいて、前記中板と前記ラバー膜は、前記中板の少なくとも下面部の全体において接触しておらず、隙間を有するものである研磨ヘッド。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ワークの表面を研磨する際にワークを保持するための研磨ヘッド、及びそれを備えた研磨装置に関し、特には、ラバー膜にワークを保持する研磨ヘッド、及びそれを備えた研磨装置に関する。
シリコンウエーハ等のワークの表面を研磨する装置として、ワークを片面ずつ研磨する片面研磨装置と、両面同時に研磨する両面研磨装置とがある。
一般的な片面研磨装置は、例えば図9に示したように、研磨布94が貼り付けられた定盤93と、研磨剤供給機構96と、研磨ヘッド92等から構成されている。このような研磨装置91では、研磨ヘッド92でワークWを保持し、研磨剤供給機構96から研磨布94上に研磨剤95を供給するとともに、定盤93と研磨ヘッド92をそれぞれ回転させてワークWの表面を研磨布94に摺接させることにより研磨を行う。
ワークを研磨ヘッドに保持する方法としては、平坦な円盤状のプレートにワックス等の接着剤を介してワークを貼り付ける方法等がある。その他、ワーク全体の平坦性をよくするための保持方法として、ワーク保持部をラバー膜とし、該ラバー膜の背面に空気等の加圧流体を流し込み、均一の圧力でラバー膜を膨らませて研磨布にワークを押圧する、いわゆるラバーチャック方式がある(例えば特許文献1、2等参照)。
従来のラバーチャック方式の研磨ヘッドの構成の一例を模式的に図8(a)に示し、該研磨ヘッドの周辺部の拡大図を図8(b)に示す。この研磨ヘッド71の要部は、略円盤状の中板72と、中板72に嵌め込むように固定されたラバー膜73とからなる。ラバー膜73は、中板の上面の周辺部72c、側面部72b、下面部72aの周辺部によって支持されている。中板の下面部72aには、ラバー膜73との間に空間部74を形成するために、周辺部に突出部72dが形成されている。中板72の中央には圧力調整機構75に連通する圧力調整用の貫通孔76が設けられており、圧力調整機構75により加圧流体を供給するなどして空間部74の圧力を調節する。また、中板72を研磨布94方向に押圧する図示しない押圧手段を有している。
その他、特許文献2に記載されているような構造の研磨ヘッドとし、ラバー膜に圧力をかける機構の他、中板に均一に圧力をかける機構、ワーク保持部の周囲に設けられたリテーナリングに圧力をかける機構などを設けている場合もある。
このように構成された研磨ヘッドを用いて、ラバー膜73の下面部でバッキングパッド77を介してワークWを保持し、中板を押圧して定盤93の上面に貼り付けられた研磨布94にワークWを摺接させて研磨する。
このようなラバーチャック方式の研磨ヘッドによってワークを研磨すれば、研磨代均一性が比較的良いものが得られるとされているが、特に外周部分において研磨ダレ等が発生するという問題があり、研磨代の均一性にはより一層の向上が求められていた。
特開平5−69310号公報 特開2005−313313号公報
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、ラバーチャック方式による研磨ヘッドにおいて、中板の剛性や平面度に影響されず、ワーク全体に均一な研磨荷重をかけることが可能な研磨ヘッドを提供することを主な目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、少なくとも、略円盤状の中板と、該中板の少なくとも下面部と側面部とを覆うラバー膜からなり、前記中板と前記ラバー膜で囲まれた空間部を有し、圧力調整機構で前記空間部の圧力を変化させることができるように構成され、前記ラバー膜の下面部にワークの裏面を保持し、該ワークの表面を定盤上に貼り付けた研磨布に摺接させて研磨する研磨ヘッドにおいて、前記中板と前記ラバー膜は、前記中板の少なくとも下面部の全体において接触しておらず、隙間を有するものであることを特徴とする研磨ヘッドが提供される(請求項1)。
このような、中板とラバー膜が、中板の少なくとも下面部の全体において互いに接触しておらず、隙間を有するものである研磨ヘッドを用いてワークを研磨すれば、中板の下面部とラバー膜の間に隙間を有するので、中板の剛性や平面度に影響を受けず、ワーク全体に均一な研磨荷重をかけてワークを研磨することができる。その結果、ワーク全面にわたって、特に外周部において平坦性を高く維持して研磨することができる。
この場合、前記中板の下面部とラバー膜との隙間が1mm未満であることが好ましい(請求項2)。
このように、中板の下面部とラバー膜との隙間が1mm未満であれば、空間部の圧力をより安定した上でワークの研磨を行うことができる。
また、前記中板と前記ラバー膜は、前記中板の側面部の全体においても接触しておらず、隙間を有するものであることが好ましい(請求項3)。
このように、中板とラバー膜は、中板の側面部の全体においても接触しておらず、隙間を有するものであれば、側面部においても接触していないので、中板の側面部の剛性や形状によるラバー膜への影響をさらに低減することができるので、より効果的にワークの裏面を均一の研磨荷重で押圧して研磨を行うことができる。その結果、より効果的にワークの表面の平坦性を維持して研磨を行うことができる。
また、前記ラバー膜のうち前記中板の側面部を覆う部分の内径が、前記ワークの平坦度保証エリアよりも大きいことが好ましい(請求項4)。
このように、ラバー膜のうち中板の側面部を覆う部分の内径が、ワークの平坦度保証エリアよりも大きいものであれば、ラバー膜のワーク保持面へのラバー膜のうち中板の側面部を覆う部分の剛性の影響を低減して研磨することができ、研磨代均一性をより効果的に向上させてワークを研磨することができる。
また、前記ラバー膜が前記ワークを保持する面にバッキングパッドを具備することができ(請求項5)、この場合、バッキングパッドの直径は、ワークよりも大きいものであることが好ましい(請求項6)。
このように、ワークを確実に研磨ヘッドに保持するとともに、裏面のキズ等が発生するのを防止するためにバッキングパッドを具備する場合であっても、バッキングパッドの直径をワークよりも大きいものとすれば、バッキングパッドによるラバー膜の膨張の制限がワークに影響することを低減できるので、より均一の研磨荷重でワークを押圧することができる。
さらに、本発明では、ワークの表面を研磨する際に使用する研磨装置であって、少なくとも、定盤上に貼り付けられた研磨布と、該研磨布上に研磨剤を供給するための研磨剤供給機構と、前記ワークを保持するための研磨ヘッドとして、前記本発明に係る研磨ヘッドを具備するものであることを特徴とする研磨装置が提供される(請求項7)。
このように、本発明に係る研磨ヘッドを備えた研磨装置を用いて、ワークの研磨を行えば、ワーク全体に均一な研磨荷重をかけてワークを研磨することができる。その結果、ワーク全面にわたって、特に外周部において平坦性を高く維持して研磨することができる。
本発明に係る研磨ヘッドを用いてワークの研磨を行えば、ワーク表面に全面にわたって均一の押圧力をかけて研磨することができる。その結果、ワークの全面にわたって研磨代均一性が向上し、研磨されたワークの表面平坦性を良好にすることができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
前述のように、ラバーチャック方式の研磨ヘッドによってワークを保持して、ワークの表面を研磨する場合において、研磨されたワークの表面平坦性は一層高い水準が求められており、従来、特に外周部分において研磨ダレ等が発生するという問題があった。
このような問題を解決するため、本発明者らは、実験及び検討を行った。
その中で、本発明者らは以下のことを見出した。すなわち、従来、図8のように、中板72の下面部72aにおいてラバー膜73と接触する箇所(突出部)72dがあると、例え突出部72dとラバー膜73が接着されてなく、ワーク研磨中は加圧流体により、フリーとなる状態であっても、研磨の際に研磨ヘッド71全体を押圧する際に中板が研磨布94の方向に押圧されると、ラバー膜73のワーク保持面は、中板72の剛性や下面部72a(突出部72dの下面)の平面度などによる影響を受けて、形状や押圧力が不均一になり、該ラバー膜73のワーク保持面に保持されて研磨されたワークWの形状を悪化させていた。
特に、ラバー膜73のワーク保持面の外側にリテーナリングを配置し、該リテーナリングでワークWのエッジ部を保持する構造の研磨ヘッドの場合、ラバー膜73の下面部のほぼ最外周部までワークWが保持されることになるので、ラバー膜73と、中板の下面部72aの周辺部に形成されている突出部72dとの接触部からの影響が大きかった。また、このようにワークWがラバー膜73と中板の突出部72dとの接触部の直下ではなく、より内側に保持される場合であっても、ラバー膜73のワーク保持面には、ラバー膜73と中板の突出部72dとの接触部の存在により圧力分布が生じるなど少なからず影響があった。
そして、本発明者は、このような問題点を解決するための方策を検討した。その結果、従来、加圧流体を空間部に導入する際に、ラバー膜の形状を安定して維持するには、中板72の周辺部で、ラバー膜73を支持するように突出部72dを設ける構造が必須であると思われていたが、このような構造が必須ではないことを見出した。すなわち、中板の下面部の全体にわたってラバー膜と接触させないようにし、間に隙間を設けることにより、上記問題を解決できること、また、このような構造としてもラバー膜の形状を安定して維持できることを見出し、本発明を完成させた。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明に係る研磨ヘッド及び研磨装置について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明に係る研磨ヘッドの一例(第1の態様)を示している。この研磨ヘッド11は、略円盤状の中板12と、中板12の少なくとも下面部12a、側面部12bを覆うラバー膜(弾性膜)13を具備する。ラバー膜13は中板の上面の周辺部12cで中板12に固定されている。ラバー膜を中板の上面の周辺部12cに固定するには、例えば接着剤等を用いて接着するとともに裏板18を挟みボルト等を用いて固定すればよい。このとき、中板12は、ラバー膜13と、少なくとも下面部12aの全体で接触しておらず、隙間14aを有するようにする。このような形状のラバー膜13を用意するためには、公知の方法でラバー膜を成型すればよい。ラバー膜の厚さは特に限定されるものではなく、適宜都合の良い厚さを選ぶことができるが、例えば1mm厚程度とすることができる。
このようにして中板12とラバー膜13との間で、少なくとも中板の下面部12aとラバー膜13との間で空間部14が画成される。さらにこの空間部14内の圧力を調節するための圧力調整機構15が設けられる。中板12に設けられた貫通孔16から加圧流体を供給するなどして空間部14の圧力を調整する。
また、図2(a)に全体の概略断面図、図2(b)に拡大図を示した本発明に係る研磨ヘッドの第2の態様のように、研磨ヘッド31は、中板の側面部12bの全体においてもラバー膜13と接触せず、隙間14bを有するものとすることが好ましい。この場合、ラバー膜13は、中板の上面の周辺部12cのみに接触し、固定される。この場合も、ラバー膜は公知の方法で成型すればよい。
なお、図2のように中板の側面部12bの全体においてもラバー膜13と接触せず、隙間14bを有するものではなく、中板の側面部12bとラバー膜13の間に隙間を有さず、両者が接触している場合も、両者を接着などにより固定しないことが望ましい。
この他、ワークWをより確実に保持できるようにバッキングパッド17をラバー膜13のワーク保持面に貼設してもよい。バッキングパッド17は、水を含ませてワークWを貼り付け、ラバー膜13のワーク保持面にワークWを保持するものである。バッキングパッド17は、例えば発泡ポリウレタン製とすることができる。このようなバッキングパッド17を設けて水を含ませることで、バッキングパッド17に含まれる水の表面張力によりワークWを確実に保持することができる。
また、研磨ヘッド11、31は、中板12(または研磨ヘッド11、31全体)を押圧する手段(図示せず)を具備している。
このように構成された研磨ヘッド11、31を用いて、図示しない中板押圧手段により中板12を定盤21上に貼り付けられた研磨布22の方向に押圧し、ワークWを研磨布22に摺接してワーク表面を研磨する。この中板押圧手段は、中板を全面にわたって均一の圧力で押圧できるものが好ましい。
また、研磨ヘッド11、31は、図10に前記第1の態様(研磨ヘッド11)の場合についてその一例を示したように、ラバー膜13の下面部の外周部に沿って、ラバー膜13のワーク保持面と連動して、または独立して研磨布22を押圧することができるリテーナリング19を具備していてもよい。該リテーナリング19は、例えば、その内側をワークWのエッジ部を保持するガイドリング19aと、該ガイドリング19aの外側に配置され、研磨布22をドレッシングするドレスリング19bを有するものとして構成してもよい。
中板の下面部12aとラバー膜13との隙間14aの距離は、中板の下面部12aとラバー膜13とが研磨中に接触しないように十分な距離をとることが望ましいが、上限は1mm未満とすることが望ましい。この距離を1mm未満とすれば、空間部14の圧力を安定して全面にわたって均一に制御することがより容易となる。また、図2に示した前記第2の態様の場合も中板の下面部12aとラバー膜13との隙間14aの距離については同じ規定となるが、中板の側面部12bとラバー膜13との隙間14bの距離は特に限定されるものではない。ただし、ラバー膜13の形状が不安定になる距離としないことが望ましく、例えば、2mm程度以下とすることが望ましい。
上記のように研磨ヘッド11、31が構成されていれば、ワークWは空間部14の圧力によりラバー膜13の形状と圧力分布を調節することができ、中板の下面部12aとラバー膜13が接触していないので、中板の剛性や形状等の影響がラバー膜13へ伝わらず、均一の研磨圧力でワークWを研磨することができる。
また、前述の第2の態様のように、中板の側面部12bをラバー膜13と接触させないようにして研磨ヘッド31を構成すれば、上記の中板の下面部12aからラバー膜13への影響のみならず、側面部12cからのラバー膜13への影響も防止することができる。
本発明は、ワークWをラバー膜13の下面部の略全体で保持するような場合、例えばワークWのエッジ部を保持するリテーナリング19がラバー膜13のワーク保持面の外側に配設され、ワークWがラバー膜13の下面部の略全体に保持されるような場合には、従来のように中板の下面部12aとラバー膜13との間で接触部がないことによる研磨代均一性向上効果が特に高い。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、ワークの外径がラバー膜13の外周部より内側に位置して保持する場合であっても、従来の、中板の下面部12aとラバー膜13との間に接触部を有することによりラバー膜13のワーク保持面に生じる圧力分布の影響を完全に解消することができるので、従来よりも研磨代均一性は向上する。
ところで、中板の下面部12aの剛性や形状によるラバー膜13のワーク保持面への影響は、本発明によって完全に解消することができるが、ラバー膜13の下面部全体で保持するような場合、例えばワークWのエッジ部を保持するリテーナリング19がラバー膜13のワーク保持面の外側に配設され、ワークWがラバー膜13の下面部の略全体に保持されるような場合には、ラバー膜13のうち中板の側面部12bを覆う部分(以下、ラバー膜側部と言う場合がある)の剛性によるラバー膜13のワーク保持面への影響が残る。このラバー膜側部の剛性の影響は中板12の影響に比べれば軽微なものであるが、ワークWの研磨代均一性をより向上させるために、その影響をできるだけ低減することが好ましい。
ラバー膜側部の影響を低減するための研磨ヘッドについて、その周辺部の拡大図を図4に示した。(a)が前述の第1の態様、(b)が前述の第2の態様の場合である。図4(a)(b)に示したように、ラバー膜13のうち中板の側面部12bを覆う部分(ラバー膜側部)13bがワークWの外径よりも大きくすることが好ましい。但し、例えばワークWのエッジ部を保持するリテーナリングがラバー膜13のワーク保持面の外側に配設され、ワークWがラバー膜13の下面部の略全体に保持されるような場合には、リテーナリングの大きさが予め決まっていることもあり、ラバー膜側部13bの内径をワークWの外径よりも大きくすることが難しい場合がある。このような場合は、ラバー膜側部13bの内径を少なくともワークWの平坦度保証エリアよりも大きいものとすればよい。
ワークの平坦度保証エリアは、ワーク全面のうち所定の平坦度が保証される領域のことであり、仕様により決定されるが、例えば、直径300mmのシリコン単結晶ウエーハの場合は、通常、最外周1〜2mm程度を除いた領域である。
ワークWに対して中板12、ラバー膜13をこのように設計して配設することで、ラバー膜13のワーク保持面へのラバー膜側部13bの剛性の影響を低減して研磨することができ、研磨代均一性をより向上させてワークWを研磨することができる。
また、前述のように、ワークWをラバー膜13のワーク保持面に保持するためにバッキングパッド17がラバー膜13の下面に貼設することがあるが、図11に示したように、バッキングパッド17の直径は、ワークWの直径よりも大きいものであることが好ましい。なお、図11(a)が前述の第1の態様、図11(b)が前述の第2の態様の場合である。このようにすることで、バッキングパッド17とラバー膜13との接着境界でバッキングパッド17がラバー膜13自体の膨張を制限しているために生じる研磨圧力や研磨形状への影響を低減することができる。
ただし、当然ながら、バッキングパッド17の直径は、バッキングパッド17が貼設されるラバー膜13の下面部と同じか、それより小さい必要がある。特に、ワークWのエッジ部を保持するリテーナリングがラバー膜13のワーク保持面の外側に配設され、ワークWがラバー膜13の下面部の略全体に保持されるような場合にはバッキングパッドの大きさはそれほど大きくすることができない。例えば、ワークWとして、直径300mmのシリコンウエーハを研磨する場合には、リテーナリングの内径を302mm程度となり、ラバー膜13の下面部の直径は301.5mmまでとすると、バッキングパッドの直径も301.5mm以下である。
しかしながら、このようにわずかであってもバッキングパッド17の直径をワークWの直径よりも大きくすることにより、より効果的にワークWの研磨代均一性を向上させることができる。
図3は、上記研磨ヘッド11を備えた研磨装置61の概略を示している。この研磨装置61は、研磨ヘッド11のほか、定盤21上に貼り付けられた研磨布22と、研磨布22上に研磨剤65を供給するための研磨剤供給機構66を具備している。
この研磨装置61を用いてワークWを研磨するには、まず、ラバー膜13にワークWを保持する。また、バッキングパッド17がラバー膜13に貼設されている場合には、水を含ませたバッキングパッド17にワークWを貼りつけてワークWの裏面をラバー膜13に保持してもよい。また、リテーナリングがラバー膜13の周囲に配設されている場合には、ワークWのエッジ部がリテーナリングによって保持される。
そして、研磨剤供給機構66から研磨布22上に研磨剤65を供給するとともに、研磨ヘッド11と定盤21をそれぞれ所定の方向に回転させながらワークWを研磨布22に摺接させる。ラバー膜13に保持されたワークWを、定盤21上の研磨布22に対して回転しながら所定の押圧力で押し付けてワークWの表面を研磨することができる。
このような研磨ヘッド11を備えた研磨装置61を用いてワークWの研磨を行えば、空間部14の圧力によりラバー膜13の形状と圧力分布を調節することができ、中板の下面部12aとラバー膜13が接触していないので、中板の剛性や形状等の影響がラバー膜13へ伝わらず、均一の研磨圧力でワークWを研磨することができる。
また、図3中の研磨ヘッド11を、図2に示した研磨ヘッド31としても同様の効果が得られる。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
図1に示したような構成の研磨ヘッド11を以下のように作製した。
外径298mmの中板12に、厚さ1mm、下面部の外径300mmのラバー膜13を嵌め込み、裏板18を挟んでボルトで固定し、中板の下面部12aとラバー膜13との隙間14aが0.5mmになるようにした。また、ラバー膜13の下面部に直径298mmのバッキングパッド17を貼設し、ラバー膜13の周囲にリテーナリングの内径を302mmとして配設した。
上記のような研磨ヘッド11を備えた研磨装置を用いて、以下のように、ワークWとして直径300mm、厚さ775μmのシリコン単結晶ウエーハの研磨を行った。なお、使用したシリコン単結晶ウエーハは、その両面に予め1次研磨を施し、エッジ部にも研磨を施したものである。また、定盤21には直径が800mmであるものを使用し、研磨布22には通常用いられるものを使用した。
研磨の際には、研磨剤にはコロイダルシリカを含有するアルカリ溶液を使用し、研磨ヘッド11と定盤21はそれぞれ42rpm、44rpmで回転させた。ワークWの研磨荷重(押圧力)は、空間部14の圧力が28、29、30kPaとなるようにし、それぞれの研磨荷重につき2枚ずつ研磨を行った。研磨時間は80秒とした。
このようにして研磨を行ったワークWについて研磨代均一性を評価した。なお、研磨代均一性は、平坦性測定器で研磨前後のワークの厚さを面内について、平坦度保証エリアとして最外周部2mm幅を除外した領域について測定し、研磨代の差分をとることで求められ、研磨代均一性(%)=(面内の最大研磨代−面内の最小研磨代)/面内の平均研磨代の式で表される。
この結果得られたワークの研磨代均一性を図5中に示す。25〜30%程度の研磨代均一性が得られ、研磨代均一性は良好であった。
(実施例2)
図2に示したような、研磨ヘッド31を、実施例1と同様に、ただし、中板12として外径296mmのものを用い、中板の側面部12bとラバー膜13との隙間14bが1mmとなるようにして作製した。
この研磨ヘッド31を用いて、実施例1と同様にシリコン単結晶ウエーハの研磨を行った。
この結果得られたワークの研磨代均一性を図5中に示す。15〜25%程度の研磨代均一性が得られ、実施例1の場合よりもさらに研磨代均一性が向上した。
(比較例)
図8に示したような従来の研磨ヘッド71を用いて、実施例1と同じようにシリコン単結晶ウエーハの研磨を行った。
この結果得られたワークの研磨代均一性を図5中に示す。研磨代均一性にはばらつきがあったが、概ね50〜80%程度であり、実施例1、2の場合より悪化している。
以上の結果より、本発明にかかる研磨ヘッドの構造を有する実施例1、2の場合には、従来の研磨ヘッドの場合よりワークの研磨代均一性が向上し、本発明の効果が明らかに得られた。
(実施例3)
上記実施例2と同様に、ワークWとして直径300mmのシリコン単結晶ウエーハを用い、ただし、ラバー膜側部13bの内径を、296.9〜299.5mmの範囲で変化させたものを作製した研磨ヘッド31を用い、研磨荷重を30kPaとして、それぞれ1枚ずつワークの研磨を行った。なお、ラバー膜側部の外径及びラバー膜の下面部の外径は、ラバー膜の厚さが1mmであるので、298.9〜301.5mmである。また、ワークWの平坦度保証エリアは、ワーク最外周部幅1mmを除外する場合は直径298mm、ワーク最外周部幅2mmを除外する場合は直径296mmとなる。
この結果得られたワークの研磨代均一性を図6に示した。ラバー膜側部13bの内径が大きいほど研磨代均一性が向上する傾向が見られた。
(実施例4)
上記実施例2と同様に、ワークWとして直径300mmのシリコン単結晶ウエーハを用い、ただし、ラバー膜側部13bの内径を299.5mm、研磨荷重を30kPaとし、バッキングパッド17の外径を298〜300.4mmの範囲で変化させてそれぞれ1枚ずつワークの研磨を行った。
この結果得られたワークの研磨代均一性を図7に示した。バッキングパッド17の外径がワークWの直径である300mmよりも大きい場合に、研磨代均一性がより向上した。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、本発明に係る研磨ヘッドは図1、2に示した態様に限定されず、中板の下面部の全体とラバー膜とが接触していないならば、その他の研磨ヘッドの形状等は適宜設計すればよい。
また、研磨装置の構成も図3に示したものに限定されず、例えば、本発明に係る研磨ヘッドを複数備えた研磨装置とすることもできる。
本発明に係る研磨ヘッドの第1の態様を示す概略断面図であり、(a)は研磨ヘッド全体を示す概略断面図であり、(b)はその周辺部を示す拡大図である。 本発明に係る研磨ヘッドの第2の態様を示す概略断面図であり、(a)は研磨ヘッド全体を示す概略断面図であり、(b)はその周辺部を示す拡大図である。 本発明に係る研磨ヘッドを備えた研磨装置の一例を示す概略構成図である。 ラバー膜のうち中板の側面部を覆う部分(ラバー膜側部)と、ワークの最外周部の位置関係を示す説明図である。 実施例1、2及び比較例において研磨したワークの研磨代均一性を示すグラフである。 ラバー膜のうち中板の側面部を覆う部分(ラバー膜側部)の内径を変化させたときのワークの研磨代均一性を示すグラフである。 バッキングパッドの外径を変化させたときのワークの研磨代均一性を示すグラフである。 従来のラバーチャック方式の研磨ヘッドの構造を示す概略断面図であり、(a)は研磨ヘッド全体を示す概略断面図であり、(b)はその周辺部を示す拡大図である。 片面研磨装置の一例を示す概略構成図である。 本発明に係る研磨ヘッドが、リテーナリングを具備する場合の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る研磨ヘッドにおける、ワークとバッキングパッド及びラバー膜の位置関係を示す説明図である。
符号の説明
11、31…研磨ヘッド、
12…中板、 12a…中板の下面部、 12b…中板の側面部、
12c…中板の上面の周辺部、
13…ラバー膜、 13b…ラバー膜側部、
14…空間部、 14a、14b…隙間、
15…圧力調整機構、 16…貫通孔、
17…バッキングパッド、 18…裏板、
19…リテーナリング、 19a、ガイドリング、 19b…ドレスリング、
21…定盤、 22…研磨布、
61…研磨装置、 65…研磨剤、 66…研磨剤供給機構、
W…ワーク。

Claims (7)

  1. 少なくとも、略円盤状の中板と、該中板の少なくとも下面部と側面部とを覆うラバー膜からなり、前記中板と前記ラバー膜で囲まれた空間部を有し、圧力調整機構で前記空間部の圧力を変化させることができるように構成され、前記ラバー膜の下面部にワークの裏面を保持し、該ワークの表面を定盤上に貼り付けた研磨布に摺接させて研磨する研磨ヘッドにおいて、
    前記中板と前記ラバー膜は、前記中板の少なくとも下面部の全体において接触しておらず、隙間を有するものであることを特徴とする研磨ヘッド。
  2. 前記中板の下面部とラバー膜との隙間が1mm未満であることを特徴とする請求項1に記載の研磨ヘッド。
  3. 前記中板と前記ラバー膜は、前記中板の側面部の全体においても接触しておらず、隙間を有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の研磨ヘッド。
  4. 前記ラバー膜のうち前記中板の側面部を覆う部分の内径が、前記ワークの平坦度保証エリアよりも大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の研磨ヘッド。
  5. 前記ラバー膜が前記ワークを保持する面にバッキングパッドを具備することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の研磨ヘッド。
  6. 前記バッキングパッドの直径は、前記ワークよりも大きいものであることを特徴とする請求項5に記載の研磨ヘッド。
  7. ワークの表面を研磨する際に使用する研磨装置であって、少なくとも、定盤上に貼り付けられた研磨布と、該研磨布上に研磨剤を供給するための研磨剤供給機構と、前記ワークを保持するための研磨ヘッドとして、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の研磨ヘッドを具備するものであることを特徴とする研磨装置。
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