JP2008090066A - 微小物体のハンドリング装置およびそのハンドリング方法、ならびに輸送装置およびその輸送方法 - Google Patents

微小物体のハンドリング装置およびそのハンドリング方法、ならびに輸送装置およびその輸送方法 Download PDF

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宏文 三浦
英明 ▲たか▼信
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Abstract

【課題】微小物体を、該物体に直接接触することなく、また摩擦を生じさせることなくハンドリングあるいは輸送することができ、且つ高い制御性をもってこれを行うことが可能な新規なハンドリング装置およびそのハンドリング方法、ならびに輸送装置およびその輸送方法を提供すること。
【解決手段】微小移動体14の底面に撥液性膜を形成し、同時に撥液性の表面を備える基板2を規定する。上記基板2の表面下の絶縁層8内に上記微小移動体14の輸送経路を規定する複数の駆動電極12をパターニングする。上記基板2の表面と上記微小移動体14の底面との間に複数の液滴4を導入し、該液滴4の斥力を利用して上記微小移動体14を支持する。上記複数の駆動電極12の各電極に対し順次電圧を印加することによって濡れ性を局所的且つ所望の移動方向に連続的に変化させ、上記液滴4に駆動力を付与し、該駆動力を上記微小移動体14に伝達して移動させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、微小物体のハンドリング装置およびそのハンドリング方法、ならびに輸送装置およびその輸送方法に関し、より詳細には、電気的濡れ性制御を利用した駆動機構を含む微小物体のハンドリング装置およびそのハンドリング方法、ならびに輸送装置およびその輸送方法に関する。
近年、微細加工技術を用いたマイクロデバイスがセンシング技術の分野において多く応用されており、たとえば、化学分析の現場においては、これらマイクロデバイスを用いた、μTASあるいはLab−on−a−chipとよばれるマイクロスケールに小型化されたマイクロ化学システムが構築され、試料の微量化、検出時間の短縮化などを実現している。また、DNAやタンパク質等に代表される生体分子の計測・分析技術分野においては、いわゆるバイオチップと呼ばれるマイクロデバイスが用いられている。ここで、バイオチップは、一般に数mm四方のスライドガラスなどの基板表面に、タイピング法やインクジェット法などを用いて生体分子をスポッティングし固定化することによって形成されるものであり、上記生体分子をプローブとし、他のターゲット分子等との特異的相互作用を大量に且つ同時平行的に行うことをよって、高い効率性をもって所望の生体分子情報の検出および解析を可能にするものである。上述したように、近年、マイクロデバイスは、特にセンシング技術の分野において、その効率性および経済性に関して大きく貢献するものとして注目を集めており、今後、より一層の発展、普及が期待されるものである。しかしながら、一方で、デバイスの微細化およびそれに伴うデバイスの脆弱化は、マイクロデバイスのハンドリングにおいて特有の困難性を生じさせる。マイクロデバイスの普及には、ハンドリング機構の構築が不可欠であり、微小物体に好適な新規なハンドリング機構が求められていた。
この点につき、例えば、特開2003−241109号公報(特許文献1)、および特開2005−43759号公報(特許文献2)は、各種顕微鏡などの観察系に併用され、微小な観察対象を顕微鏡視野の内外へ移動させるために用いられるマイクロマニピュレータを開示する。これら従来のマイクロマニピュレータは、観察対象である微小物体に操作針等を直接接触させてこれを動かすものである。このような従来のマイクロマニピュレータをマイクロデバイスのハンドリング装置として採用する場合、下記の問題が生じる。
一般に、マイクロデバイスのような微小物体と移動平面である固体との接触面においては、静電気力、ファン・デル・ワールス力、介在する水の表面張力などの相互作用力に起因する吸着現象が生じる。このため、微小物体に操作針等を直接に接触させてこれを動かすというハンドリング機構では、マイクロデバイスの滑らかな輸送を実現することが困難であり、また、同時に、操作針等によるマイクロデバイスの破損、損傷のリスクが生じるという問題がある。特に、上述したバイオチップのハンドリング機構を検討するに際して、基板表面に担持された生体分子の損傷を避けるため、該基板表面に接触することなくバイオチップをハンドリングする機構を採用することが必要となる。
一方、上述したマイクロ化学システムの分野において、マイクロ化学リアクタの開発がなされており、それに伴ってElectro Wetting On Dielectric(以下、EWODという)を利用した電気的濡れ性制御による液滴輸送の技術が種々検討されている。Sung
Kwon Cho, Hyejin Moon, and Chang-Jin Kim, “Creating, Transporting, Cutting, and
Merging Liquid Droplets by Electrowetting- Based Actuation for Digital
Microfluidic Circuits”, Journal of Microelectromechanical Systems, Vol. 12, No.
1, February 2003, pp.70-80.(非特許文献1)、Ui-Chong Yi, and Chang-Jin Kim, “Soft
printing of droplets pre-metered by electrowetting,” Sensors and Actuators, A,
114, 2004, pp.347-354. (非特許文献2)、およびAltti Torkkeli, Ari Haara, Jaakko
Saarilahti, Harri Harma, Tero Soukka, and Pertti Tolonen, “Droplet Manipulation
on a Superhydrophobic Surface for Microchemical Analysis,” The 11th
International Conference on Solid-State Sensors and Actuators, Munich, Germany,
June 10-14, 2001, pp. 1150-1153.(非特許文献3)は、電気的濡れ性制御による液滴のハンドリングついて開示する。しかしながら上記非特許文献は、いずれも液体の輸送についてのみ開示するものであり、微小固体片や粉粒体の輸送を実現する輸送機構については何らの示唆を与えるものではない。
特開2003−241109号公報 特開2005−43759号公報 Sung Kwon Cho, HyejinMoon, and Chang-Jin Kim, "Creating, Transporting, Cutting, and Merging LiquidDroplets by Electrowetting- Based Actuation for Digital Microfluidic Circuits",Journal of Microelectromechanical Systems, Vol. 12, No. 1, February 2003,pp.70-80. Ui-Chong Yi, andChang-Jin Kim, "Soft printing of droplets pre-metered by electrowetting,"Sensors and Actuators, A, 114, 2004, pp.347-354. Altti Torkkeli, AriHaara, Jaakko Saarilahti, Harri Harma, Tero Soukka, and Pertti Tolonen, "DropletManipulation on a Superhydrophobic Surface for Microchemical Analysis," The 11thInternational Conference on Solid-State Sensors and Actuators, Munich, Germany,June 10-14, 2001, pp. 1150-1153.
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、微小物体を、該物体に直接接触することなく、また摩擦を生じさせることなくハンドリングあるいは輸送することができ、且つ高い制御性をもってこれを行うことが可能な新規なハンドリング装置およびそのハンドリング方法、ならびに輸送装置およびその輸送方法を提供することを目的とする。
本発明者は、微小物体の新規なハンドリング機構および輸送機構につき鋭意検討した結果、EWODを利用した電気的濡れ性制御による液滴輸送の機構と、撥液性表面上における液滴の表面張力を利用した物体の支持機構とを組み合わせることによって、微小物体を非接触、低摩擦でハンドリングあるいは輸送することができ、且つ高い制御性をもってこれを行うことが可能な機構が構築されることを見出し、本発明に至ったのである。
すなわち、本発明によれば、微小物体を収容可能な、撥液性の底面を備える微小移動体と、前記微小移動体の移動領域として規定され、撥液性の表面を備える基板と、前記基板の表面と前記微小移動体の底面との間に存在し該微小移動体を支持する液滴とを含んで構成される微小物体の輸送装置であって、前記基板は、前記撥液性の表面下に絶縁層により隔てられて形成され、かつ、前記微小移動体の輸送経路を規定するように配設される複数の駆動電極を備え、前記複数の駆動電極の各電極に対し順次電圧を印加する電圧印加制御部をさらに含む、微小物体の輸送装置が提供される。
本発明においては、前記基板の表面下であって前記複数の駆動電極の上方に前記絶縁層により隔てられて形成され、かつ、前記微小移動体の輸送経路に沿って配設される接地電極をさらに含むことが好ましい。
本発明の輸送装置は、さらに、液滴を生成する液滴生成部と、該液滴を前記基板の表面に導入する液滴吐出部と、前記微小移動体を支持する液滴を前記基板表面から回収する液滴回収部とを含むことが好ましい。本発明においては、前記液滴生成部は、並んで配設される3つの電極を含む第1の基板と、前記第1の基板の上側に離間して設けられ、接地電極が配設される第2の基板と、上記3つの電極のうち両端に位置する2つの電極に電圧を印加する電圧印加制御部とを含んで構成することができ、前記液滴吐出部は、前記基板の裏面下に形成され、撥液性の内壁を備える液滴導入流路と、前記基板において前記駆動電極を貫通して形成され、前記液滴導入流路の径よりも大きい径を有する開口部とを含んで構成することができ、前記液滴回収部は、前記基板において前記駆動電極を貫通して形成される開口部と、該開口部と連通し親液性の内壁を備える液滴回収流路とを含んで構成することができる。なお、本発明においては、前記微小移動体が板状、皿状、箱状、カプセル状からなる群より選択される形状を有するものとすることができる。
また、本発明においては、上記輸送装置を微小移動体のハンドリング装置として構成することもでき、該ハンドリング装置を移動ステージとして構成する顕微鏡装置が提供される。
また、本発明の別の構成によっては、微小物体を輸送する方法であって、該方法は微小物体を撥液性の底面を備える微小移動体に収容するステップと、前記微小移動体の移動領域として規定され、撥液性の表面を備える基板の該表面と前記微小移動体の底面との間に液滴を導入して、前記微小移動体を該液滴によって支持するステップと、前記基板の前記撥液性の表面下に絶縁層により隔てられて形成され、かつ、前記微小移動体の輸送経路を規定するように配設される複数の駆動電極の各電極に対し順次電圧を印加して、前記撥液性の表面の濡れ性を局所的且つ移動方向に連続的に変化させるステップとを含む、方法が提供される。
本発明においては、上記微小物体を撥液性の底面を備える微小移動体に収容するステップを微小物体の底面に撥液性を付与するステップに置き換えることができ、また、上記輸送方法を微小移動体のハンドリング方法として構成することもできる。
上述したように、本発明によれば、微小物体を非接触、低摩擦でハンドリングあるいは輸送することができ、且つ高い制御性をもってこれを行うことが可能なハンドリング装置およびそのハンドリング方法、ならびに輸送装置およびその輸送方法が提供される。
以下、本発明を図面に示した実施形態をもって説明するが、本発明は、図面に示した実施形態に限定されるものではない。なお、各図において、共通する構成要素については同じ符合をもってこれを示すものとする。
図1は、EWODを利用した液滴輸送原理を説明するための概略図である。以下、図1を参照しながら本発明の前提技術である、EWODを利用した液滴輸送の原理について簡単に説明する。
図1は、基板2の上に液滴4がその表面張力によって保持されている態様を示す。基板2は、基板部6、絶縁層8、および撥液性膜10を含んで構成されており、さらに絶縁層8の内部には二つの駆動電極12a、12bが配設されている。図1が示すように、基板部6の上に駆動電極12a、12bを含む絶縁層8が形成されており、絶縁層8の上に接地電極13が配設され、さらにその上を覆うように撥液性膜10が設けられている。図1(a)が示すように、駆動電極12a、12bに電圧を加えない状態においては、液滴4は、撥液性膜10の撥液性に起因して大きく且つ均等な接触角をもって基板2上に保持される。
一方、液滴4を接地電極13により接地し、駆動電極12aを接地、12bに電圧を与えると、液滴と電位差のある側の駆動電極12bが配設された位置に対応する撥液性膜10の一部の表面領域の撥液性が局部的に低くなるという現象が起こり、その結果、図1(b)が示すように、その一部表面領域10aにおいて液滴4の接触角が局部的に小さくなるという現象が起こる。このとき生じるこの接触角の差によって、図1(b)中の矢印が示す方向に駆動力が発生し、液滴4が矢印方向に移動する。以上が本発明の前提技術となる、EWODを利用した液滴輸送の原理である。本発明は、上述した液滴輸送の機構に対し、メニスカスによる物体支持の機構を適用することによって微小移動体の輸送機構を実現するものである。以下、本発明の輸送機構について説明する。
図2は、本発明の輸送機構において重要な役割を果たすメニスカスによる物体支持の原理を説明するための概略図である。以下、図2を参照しながらメニスカスによる物体支持の原理について説明する。ここで、メニスカスとは、液体が固体表面と接するとき、両者の分子間に働く付着力と液体分子間の凝集力の大小関係で生じる湾曲した液体表面のことをいい、そのメニスカスによって生じる力をメニスカス力という。
図2に示すように、基板2の撥液性膜10a上に液滴4を保持し、さらにその液滴4の上に、同じく撥液性膜10bが形成された微小移動体14を、その撥液性膜10bを液滴4に向けて載せた場合、液滴4は、その上下に位置する撥液性膜10a、10bの高い撥液性に起因して、接触面積を小さくしようとして凸形状となるため、そのメニスカスの内部において圧力が上がり、図2中の矢印が示すように基板2と微小移動体14を引き離す方向に力が働くことになる。その際、液滴4は、図2が示すように凸型のメニスカスを形成する。本発明においては、以上説明したメニスカスによる物体支持の機構を、EWODを利用した液滴輸送の機構に適用することによって微小移動体の輸送機構を実現する。以下、本実施形態の微小移動体の輸送原理について図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態の輸送原理を説明するための概略図である。図3においては本実施形態の輸送機構を側面から見た断面図が概念的に示されている。なお、図3においては、説明の便宜のため、接地電極13を省略して示す(以下、図6、図8、図9、および図10についても同じ)。図3(a)に示されるように、本実施形態の輸送機構においては、基板2の絶縁層8に、微小移動体14の輸送経路に対応するように複数の駆動電極12a、12bが配設されており、絶縁層8の上には高撥液性の撥液性膜10aが形成されている。一方、被輸送対象である微小移動体14の底面には、基板2と同様に高撥液性の撥液性膜10bが形成されており、微小移動体14の底面と基板2の表面の間には液滴4、4が導入される。導入された液滴4、4は、撥液性膜10a、10bの高い撥液性に起因して凸型のメニスカスを形成し、これによる斥力によって微小移動体14が支持されている。
ここで、上述した複数の駆動電極12a、12bに順次電圧をかけ、駆動電極12a、12b間に電位差を設けると、駆動電極12a、12bの配設位置に対応する撥液性膜10a表面に濡れ性の勾配が生じ、駆動電極12aと12bに跨った形で保持された液滴4、4それぞれについて接触角の差が発生することに起因して、図に示す矢印d方向に駆動力が働く。これに伴って、液滴4、4に支持された微小移動体14に対して各液滴4、4の駆動力が伝達し、その結果、微小移動体14は、撥液性膜10a表面に濡れ性の勾配の方向、すなわち図中の矢印D方向に輸送されることになる。次に、上述した輸送機構を実現する本実施形態の輸送装置の物理的な基本構成について、図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態の輸送装置20の物理的基本構成を示す斜視図である。なお、説明の便宜のため、図4においては各要素を透視した態様で示すものとし、また紙面の制限から移動領域を限定的に示す。本実施形態の輸送装置20は、上述した輸送機構を実現するものであり、被輸送対象である微小移動体14と、微小移動体14の移動領域を規定する基板2と、基板2上で微小移動体14を支持するための液滴4とを含んで構成されている。基板2は、基板部6、絶縁層8、および撥液性膜10を重畳的に形成することによって構成されている。また、絶縁層8の内部には複数の駆動電極12が図中の矢印XX方向に並べて配設されており、複数の駆動電極12の各電極に対し自在に電圧を印加可能な図示しない電圧印加制御部から矢印XX方向に順次電圧をかけられることによって、液滴4を介して微小移動体14が矢印XX方向に輸送される。
なお、本実施形態においては、動作の安定化の観点から、液滴4を接地するための接地電極13をさらに配設することが好ましい。接地電極13は、基板2の表面下であって複数の駆動電極12の上方に、絶縁層8により隔てられ、かつ、矢印XX方向に沿って、すなわち微小移動体14の輸送経路に沿って配設することができる。なお、接地電極13は、駆動電極12を覆わないように、その幅を狭くして帯状に設けることが好ましい。
本実施形態においては、基板部6をSi基板とすることができ、絶縁層8をSiOによって形成することができる。また、駆動電極12および接地電極13は、Crなどの金属によって形成することができる。本実施形態においては、駆動電極12は、基板2の表面から絶縁層8により隔てられて形成されており、微小移動体14の輸送経路を規定するように配設される。本実施形態においては例えば、Si基板上にSiOをスパッタリングし、その上にレジストを用いてCrをパターンニングして駆動電極12を形成したのち、さらにその上にSiOをスパッタリングして絶縁層8を形成し、続いて、AlをマスクとしてCFガスを用いた等方性エッチングでSiOをパターニングすることによって駆動電極12を一部露出させて電気コンタクト部を形成することができる。さらに、上記Alマスクを除去後、液滴4の輸送経路に沿ってCr等の金属薄膜を帯状にパターニングすることによって接地電極13を形成することができる。最後に、Teflon
AF等の撥液材料を絶縁層8上にスピンコートすることによって撥液性膜10を被膜形成することができる。
一方、被輸送対象である微小移動体14は、任意材料によって形成することができ、その形状も板状、皿状、箱状、カプセル状等適宜選択し、設計することができる。本実施形態においては、微小移動体14を、たとえば板状のバイオチップとして形成することができ、また、微小移動体14を、皿状、箱状、あるいはカプセル状の容器として形成し、該容器内に微小固形部材、粉粒体、細胞、生体組織などを適宜保持することもできる。すなわち、本実施形態においては、微小移動体14を輸送対象とするだけでなく、微小移動体14を輸送対象の容器として機能させることによって、輸送対象を限定しない輸送機構が実現される。
ただし、本実施形態の微小移動体14は、上述したいずれの形状を採用する場合においても、その底面14a、すなわち、液滴4と接触する面は、撥液性として形成される。微小移動体14の本体が親液性材料である場合には、その底面に撥液性材料を別途コーティングすることによって撥液性の底面14aを形成することができる。さらに撥液性材料表面に物理的に細かい凹凸を形成することによって、その撥液性を高めることができる。例えば、本実施形態においては、液滴4を水滴とする場合、シリコン基板上に厚膜のフォトレジストSU−8を塗布し凹凸形状をパターンニングすることにより型を作り、その型に撥水性のポリジメチルシロキサン(以下、PDMSという)を流し込み、硬化させた後に離型することにより、表面に凹凸を有し撥水性が強化されたPDMS製の微小移動体14を形成することができる。また、シリコンやガラス等の任意の基板の表面にTeflon
AFなどの撥水性材料をコーティングすることによっても微小移動体14を形成することができる。
本実施形態における液滴4は、基板2の表面と微小移動体14の底面14aとの間に存在し、その斥力によって微小移動体14を支持する。本実施形態においては、微小移動体14を支持する液滴4の数は、3個以上であればよく、微小移動体14の重量、形状、大きさなどに応じて適宜その数を選択することができる。また、本実施形態における液滴4は、その液体の種類を特に限定するものではなく、例えば、水、各種水溶液、不揮発性のシリコンオイルなどの液体を用いることができる。本実施形態においては、液滴4は、マイクロピペット等を用いて、所定の液体を基板2の上から該基板表面に対して供給することによって導入することができ、また、後述する液滴の吐出機構によって液滴の導入を自動制御することもできる。なお、本実施形態においては液滴4の直径Rを特に限定するものではないが、液滴4の直径Rが小さいほど上述した斥力は大きくなるため、液滴4の直径Rを小さくし且つその数を増やすことでより重量の大きい移動体の輸送が可能となる。
次に、本実施形態の輸送装置20において、微小移動体14の輸送経路を決定する駆動電極12のパターニングについて以下説明する。本実施形態の輸送機構においては、一つの液滴4と接触する面領域内において局所的に濡れ性を変化させることが好ましい。したがって、本実施形態の輸送装置20においては、少なくとも二つの駆動電極12に跨って一つの液滴4が保持されうることが好ましい。すなわち、図2に示されるように、本実施形態の輸送装置20における複数の駆動電極12のピッチPは、用いる液滴4の直径Rの大きさに応じて適宜最適化を図ることが好ましい。また、駆動電極12のピッチPをマイクロメータオーダーでパターニングし、該パターンに対応する直径Rを有する液滴4を用いることによって、マイクロメータオーダーのスケールをもって微小移動体14を移動させることが可能となる。
図4に示した本実施形態の輸送装置20の駆動電極12は、液滴4を図中の矢印XX方向に輸送するためにパターニングされたものであるが、本実施形態における駆動電極12のパターンは、図4に示す実施形態に限定されるものではなく、所望の輸送態様に応じて電極パターンを適宜設計することができる。以下、図5を参照して、本実施形態における駆動電極12のパターニングについて説明する。
図5は、本実施形態の輸送装置20における駆動電極12のパターンを示す。なお、図5においては、説明の便宜のため微小移動体14および基板2を省略し、駆動電極12および液滴4のみを示す。図5(a)に示すパターンにおいては、複数の駆動電極12が所定の間隔をもって互いに平行に配列されており、隣り合う各駆動電極12に対し順次電位差を設けることによって、基板表面は、局所的且つ矢印YY方向に連続的に濡れ性が変化し、液滴4は、矢印YY方向に駆動力を付与され、その結果、液滴4に支持された微小移動体14は、矢印YY方向に輸送される。
一方、図5(b)に示すパターンにおいては、複数の駆動電極12yを所定の間隔をもって互いに平行に配列してなるパターンAと、同じく複数の駆動電極12xを所定の間隔をもって互いに平行に配列してなるパターンBとが互いに直行するように重畳されている。すなわち、図5(b)に示すパターンにおいては、複数の駆動電極12yからなる電極パターンAと複数の電極12xからなる電極パターンBとが二層化され、駆動電極12x、12yが格子状に配列されている。図5(b)に示すパターンにおいては、隣り合う各駆動電極12yに対し順次電位差を設けることによって、基板表面は、局所的且つ矢印YY方向に連続的に濡れ性が変化し、液滴4は、矢印YY方向に駆動力を付与され、また、隣り合う各駆動電極12xに対し順次電位差を設けることによって、基板表面は、局所的且つ矢印XX方向に連続的に濡れ性が変化し、液滴4は、矢印XX方向に駆動力を付与される。すなわち、図5(b)に示すパターンにおいては、電圧を電極パターンAまたはBに適宜切り替えて与えることによって、液滴4に対して矢印XY方向に自在に駆動力を付与することが可能となり、その結果、液滴4に支持された微小移動体14の輸送経路を矢印XY方向にリアルタイムに変更することが可能となる。
また、図5(c)に示すパターンにおいては、複数の扇状の駆動電極12が所定の間隔をもって配列されることによって円形の電極パターンCが形成されている。隣り合う各駆動電極12に対し順次電位差を設けることによって、基板表面は、局所的且つ矢印LR方向に連続的に濡れ性が変化し、液滴4は、矢印LR方向に駆動力を付与され、その結果、液滴4に支持された微小移動体14は、矢印LR方向に回転することが可能となる。
以上、図5を参照して、本実施形態における駆動電極12のパターニングについて説明してきたが、本実施形態における駆動電極12のパターニングは上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、複数の駆動電極12を所定の間隔をもって円弧を描くように配列することによって、微小移動体14をカーブまたは蛇行させることも可能であり、また、図5(c)に示した円形の電極パターンCを、図5(b)に示した電極パターンAまたはB、あるいはその両方と組み合わせて電極パターンを多層化することにより微小移動体14を所定の位置で回転させその方向を転換させることもできる。すなわち、本実施形態においては、所望の輸送経路に応じて電極パターンを適宜設計することが可能である。
以上、本実施形態の輸送装置20におけるその輸送機構について主に説明してきたが、本発明は、別の実施形態として、微小移動体のハンドリング装置としても構成しうる。上述したように、駆動電極12のピッチPをマイクロメータオーダーでパターニングすることによって、微小移動体14のXY方向の移動や回転方向の移動を、マイクロメータオーダーをもって制御することが可能となるため、たとえば、本発明を各種顕微鏡装置における移動ステージとして構成することができる。すなわち、本発明をハンドリング機構として把握するのか、輸送機構として把握するのかは、単に微小移動体14の移動スケールの違いによるものであることを理解されたい。
本実施形態の輸送装置20は、さらに、微小移動体14を支持し輸送するための媒体である液滴4の生成機構、吐出機構および回収機構を含んで構成されることが好ましい。以下、図6〜図8を参照して、本実施形態の輸送装置20における液滴生成部、液滴吐出部、および液滴回収部について説明する。
図6に示されるように、本実施形態の輸送装置20における液滴生成部30および液滴吐出部32は、上述した基板2と、基板2の下に、所定の離間距離をもって並設される第2の基板16と、基板2と基板16の間に形成された液滴導入流路18とを含んで構成される。図6に示す輸送装置20において基板2はその上面2aのみならず、裏面2bに図示しない撥液性膜を備えている。さらに、基板16は、基板2と同様の構造を有し、複数の電極34が配設された図示しない絶縁層を備え、その表面16aに図示しない撥液性膜を含んで構成されている。すなわち、基板2の裏面下、基板2と基板16の間に形成された液滴導入流路18は、その内壁が撥液性として構成される。次に、図6の一点鎖線内に示す液滴生成部30の液滴分離・生成機構について以下説明する。
図7は、本実施形態の輸送装置20における液滴分離・生成機構を説明するための概略図であり、図7(a)は、液滴生成部30の側断面図を示し、図7(b)は、その上面図を示す。本実施形態における液滴生成部30は、液滴保持部36と液滴分離部38とから構成されている。液滴保持部36は、基板16上の電極34aが配設された位置に対応する領域に形成され、比較的大きな液滴40を保持する。液滴分離部36は、電極34bおよび34cが配設された基板16と、基板16の上側に離間して設けられ、接地電極13が配設された基板41を含んで形成されている。図7に示されるように、3つの電極34a、電極34bおよび34cは並べて配設されている。本実施形態における液滴生成部30は、電圧の印加により基板表面が局所的に親液化されることを利用して、液滴保持部36に保持された比較的大きな液滴40から、輸送媒体としての小さな液滴42を分離・生成する。図7(a)に示されるように、隣り合う3つの電極34a、34b、および34cのうち、両端に位置する電極34aおよび34cのみに電圧を印加すると、電極34aおよび34cに対応する基板16の表面が親液化され、中央に位置する電極34bに対応する基板16の表面のみが撥液性となる。このように電極34a、34b、および34cへの電圧印加を制御することによって、比較的大きな液滴40から小さな液滴42が分離・生成される。
こうして生成された液滴42は、図6に示される基板16に配設された他の複数の電極34に対し順次電圧を印加することによって液滴導入流路18を通って図中の矢印の方向へ輸送され液滴吐出部32に到達する。この輸送機構は、既述したEWODを利用した液滴輸送の原理によるものである。本実施形態においては、液滴生成部30から液滴吐出部32に至る液滴42の輸送経路をいかようにも設計することができ、図5を参照して上述したのと同様に、所望の輸送経路に応じて複数の電極34のパターニングを行うことができる。次に、図6の一点鎖線内に示す液滴吐出部32の液滴吐出機構について以下説明する。
図8は、本実施形態の輸送装置20における液滴吐出機構を説明するための概略図であり、図8(a)は、液滴吐出部32の側断面図を示し、図8(b)は、その上面図を示す。図8に示されるように、本実施形態における液滴吐出部32は、流路径Fを有する液滴導入流路18と、基板2において駆動電極12を貫通して形成され、流路径Fよりも大きい直径Hを有する開口部である液滴吐出口44とを含んで構成される。図8(a)に示される液滴導入流路18は、既述したように内壁が撥液性とされている。このような撥液性の内壁を備える狭い液滴導入流路18内の液滴42aは、その表面の曲率が大きく、一般に液滴内部の圧力は、液滴表面の曲率に比例するため、液滴42aは、その内部に高い圧力を発生させた状態で液滴導入流路18内を輸送されて液滴吐出口44に到達する。ここで、液滴吐出口44から基板2の表面側に表出した液滴42bの液滴表面の曲率は、液滴吐出口44の直径Hが流路径Fよりも大きいことから、流路内の液滴42aの曲率よりも小さくなる。よって、液滴42bにおける内部圧力は、液滴42aにおける内部圧力よりも小さくなり、液滴42全体において内部圧力差が生じ、これに起因して液滴42は、図中の矢印が示すように基板2の表面側に押し出される。続いて、本実施形態の輸送装置20における液滴回収機構について説明する。
図9は、本実施形態の輸送装置20における液滴回収機構を説明するための概略図であり、図9(a)は、液滴回収部50の側断面図を示し、図9(b)は、その上面図を示す。図9に示されるように、本実施形態における液滴回収部50は、基板2において駆動電極12を貫通して形成される開口部である液滴回収口52と、液滴回収口52と連通し親液性の内壁を備えた液滴回収流路54とを含んで構成される。図9(a)に示されるように、液滴42は、パターニングされた駆動電極12によって決定される所定の輸送経路に従って、基板2の撥液性の表面2aを移動し液滴回収部50に到達する。ここで、液滴回収口52から液滴回収流路54の親液性の内壁側に流入した液滴42は、毛細管現象により図中の矢印の方向に吸い込まれ回収される。以上、本実施形態の輸送装置20における、濡れ性制御を利用した液滴の生成、導入および回収機構について説明してきたが、本実施形態における液滴の生成、導入および回収機構は、上述した態様に限定されるものではなく、上記各機構を圧電素子や熱などを利用したマイクロポンプによって構成することもできる。続いて、本実施形態における液滴の生成、導入および回収機構と微小物体の輸送機構とが連関して奏される機能および作用について、バイオチップの検査選別装置を例にとって、具体的に説明する。
一般に、バイオチップは数mm四方の基板の表面にタイピング法やインクジェット法などを用いて生体分子をスポッティングして形成されるものであるが、従来、バイオチップの作成過程において、生体分子のスポットの大きさ、量、形状、及びその位置にばらつきが生じたり、生体分子自体の品質が劣化したりするといった不具合が発生していた。本発明は、微小物体の輸送ならびに輸送に用いる液滴の生成、導入および回収の自動制御機構を採用することにより、作製された大量のバイオチップを迅速に検査し、良品・不良品をシステマチックに選別することを可能にする輸送機構を提供する。
図10は、本発明の実施形態であるバイオチップの検査選別装置60を示す図であり、図10(a)は、その上面図を示し、図10(b)は、その側断面図を示す。まず最初に、検査対象である複数のバイオチップ62が基板2を備える輸送領域に順次導入され、液滴吐出部32に設けられた4つの液滴吐出口44の上にセットされる。次に液滴生成部30の液滴保持部36に保持された大きな液滴40から4つの小さな液滴42が生成・分離される。生成された4つの液滴42は、流路18の中を輸送されたのち液滴吐出部32に到達し、4つの液滴吐出口44から基板2の表面側に押し出される。その際、液滴42が押し出される力によって予めセットされていたバイオチップ62が持ち上げられ、4つの液滴42によって支持される。その後、X方向に配設された複数の駆動電極12に順次電圧を印加することによって、バイオチップ62は、矢印X1が示す方向に輸送され、図10(a)の円が示す検査領域Sに到達する。
検査領域Sに到達したバイオチップ62は、例えば顕微鏡などの検査装置64によって所望の検査が行われる。検査によってバイオチップ62が良品と判断された場合には、Y方向に配設された複数の駆動電極12に順次電圧を印加した後、X方向に配設された複数の駆動電極12に順次電圧を印加することによって、バイオチップ62は、矢印Y1が示す方向に輸送されたのち、矢印X2が示す方向に輸送され、最終的には良品回収トレイ66に到達する。また、検査によってバイオチップ62が不良品と判断された場合には、Y方向に配設された複数の駆動電極12に対し良品のときとは逆順に順次電圧を印加した後、X方向に配設された複数の駆動電極12に順次電圧を印加することによって、バイオチップ62は、矢印Y2が示す方向に輸送されたのち、矢印X3が示す方向に輸送され、最終的には不良品回収トレイ68に到達する。良品回収トレイ66および不良品回収トレイ68は、いずれも4つの液滴回収口52を有する液滴回収部50を構成しており、バイオチップ62を支持、輸送してきた4つの液滴42は、4つの液滴回収口52からそれぞれ吸引され回収される。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明は、落射型顕微蛍光観測装置、TEM、SEM、AFMなどの各種顕微鏡を用いたセンシング装置において、大量の微小な対象を顕微鏡視野の内外へシステマチック且つ高効率でハンドリングまたは輸送するマニピュレータとして、また、マイクロ化学リアクタにおける粉粒状の薬剤や被検体のマニピュレータや、バイオ・医療用マイクロデバイスにおける細胞、生体組織や薬剤のマニピュレータとして、さらには、MEMS部品の組み立てステージにおける微小部材のマニピュレータとしてなど、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
以下、本発明について、実施例を用いてより具体的に説明を行なうが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。本実施形態の輸送装置20について以下に示す基本動作実験を行った。
(微小物体の直進輸送動作)
撥水膜および絶縁膜にTeflon
AFを用いた基板表面上にマイクロピペットによって5μlの水滴4個を導入した。大きさ5.2mm×5.5mm、質量21mgのシリコン片を用意し、該シリコン片を上記4個の水滴の上で支持した後、60Vの駆動電圧をもって印加した。なお、電極材料はクロムとし、基板の電極は、電極ピッチを1mmとして電極を直線的に並設する形状にパターニングして形成し、位相を2/3πradずつずらした3相の電圧を印加した。上記条件で動作実験を行った結果、電圧印加のタイミングに同期してシリコン片が直進的に移動することが確認された。
(微小物体の回転動作)
上述したのと同様の基板および方法を用いて、該基板上に1μlの水滴3個を導入した。直径5mm、質量7.7mgの表面に凹凸が形成され撥液性を強化したPDMS製の回転子を用意し、該回転子を上記3個の水滴の上で支持したのち、100Vの駆動電圧をもって印加した。なお、電極材料はクロムとし、基板の電極は、外径4.5mm、内径2mm、電極間のギャップ50μmの図5(c)に示したのと同様の18極からなる円形の電極をパターニングし、位相を1/3πradずつずらした6相の電圧を印加した。上記条件で動作実験を行った結果、電圧印加のタイミングに同期して回転子が回転することが確認された。
上述した基本動作実験により、本発明がマイクロデバイスの輸送装置として充分に実現可能であることが示された。
以上、説明したように、本発明によれば、微小物体を非接触、低摩擦でハンドリングあるいは輸送することができ、且つ高い制御性をもってこれを行うことが可能なハンドリング装置およびそのハンドリング方法、ならびに輸送装置およびその輸送方法が提供される。本発明は、マイクロデバイスの新規なハンドリング機構ならびに輸送機構を提供することにより、センシング技術の分野におけるマイクロデバイスのより一層の応用、普及に貢献することが期待される。
EWODを利用した液滴輸送原理を説明するための概略図。 メニスカスによる物体支持の原理を説明するための概略図。 本発明の輸送原理を説明するための概略図。 輸送装置の物理的基本構成を示す斜視図。 輸送装置における駆動電極のパターンを示す図。 輸送装置における液滴生成部および液滴吐出部を示す図。 輸送装置における液滴分離・生成機構を説明するための概略図。 輸送装置における液滴吐出機構を説明するための概略図。 輸送装置における液滴回収機構を説明するための概略図。 バイオチップの検査選別装置の実施形態を示す図。
符号の説明
2…基板、4…液滴、6…基板部、8…絶縁層、10…撥液性膜、12…駆動電極、13…接地電極、14…微小移動体、16…基板、18…液滴導入流路、20…輸送装置、30…液滴生成部、32…液滴吐出部、34…電極、36…液滴保持部、38…液滴分離部、41…基板、40…大きな液滴、42…小さな液滴、44…液滴吐出口、50…液滴回収部、52…液滴回収口、54…液滴回収流路、60…バイオチップの検査選別装置、62…バイオチップ、64…検査装置、66…良品回収トレイ、68…不良品回収トレイ

Claims (19)

  1. 微小物体を収容可能な、撥液性の底面を備える微小移動体と、
    前記微小移動体の移動領域として規定され、撥液性の表面を備える基板と、
    前記基板の表面と前記微小移動体の底面との間に存在し該微小移動体を支持する液滴とを含んで構成される微小物体の輸送装置であって、
    前記基板は、前記撥液性の表面下に絶縁層により隔てられて形成され、かつ、前記微小移動体の輸送経路を規定するように配設される複数の駆動電極を備え、
    前記複数の駆動電極の各電極に対し順次電圧を印加する電圧印加制御部をさらに含む、微小物体の輸送装置。
  2. 前記基板の表面下であって前記複数の駆動電極の上方に前記絶縁層により隔てられて形成され、かつ、前記微小移動体の輸送経路に沿って配設される接地電極をさらに含む、
    請求項1に記載の微小物体の輸送装置。
  3. 液滴を生成する液滴生成部と、該液滴を前記基板の表面に導入する液滴吐出部と、前記微小移動体を支持する液滴を前記基板表面から回収する液滴回収部とをさらに含む、
    請求項1または2のいずれか1項に記載の微小物体の輸送装置。
  4. 前記液滴生成部は、並んで配設される3つの電極を含む第1の基板と、前記第1の基板の上側に離間して設けられ、接地電極が配設される第2の基板と、上記3つの電極のうち両端に位置する2つの電極のみに電圧を印加する電圧印加制御部とを含む、
    請求項3に記載の微小物体の輸送装置。
  5. 前記液滴吐出部は、前記基板の裏面下に形成され、撥液性の内壁を備える液滴導入流路と、前記基板において前記駆動電極を貫通して形成され、前記液滴導入流路の径よりも大きい径を有する開口部とを含む、
    請求項3に記載の微小物体の輸送装置。
  6. 前記液滴回収部は、前記基板において前記駆動電極を貫通して形成される開口部と、該開口部と連通し親液性の内壁を備える液滴回収流路とを含む、
    請求項3に記載の微小物体の輸送装置。
  7. 前記液滴生成部、前記液滴吐出部、および前記液滴回収部のうち少なくとも一つがマイクロポンプによって形成される、
    請求項3に記載の微小物体の輸送装置。
  8. 前記微小移動体が板状、皿状、箱状、カプセル状からなる群より選択される形状を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微小物体の輸送装置。
  9. 撥液性の底面を備える微小移動体と、
    前記微小移動体の移動領域として規定され、撥液性の表面を備える基板と、
    前記基板の表面と前記微小移動体の底面との間に存在し該微小移動体を支持する液滴とを含んで構成される微小物体の輸送装置であって、
    前記基板は、前記撥液性の表面下に絶縁層により隔てられて形成され、かつ、前記微小移動体の移動経路を規定するように配設される複数の駆動電極を備え、
    前記複数の駆動電極の各電極に対し順次電圧を印加する電圧印加制御部をさらに含む、微小移動体のハンドリング装置。
  10. 前記基板の表面下であって前記複数の駆動電極の上方に前記絶縁層により隔てられて形成され、かつ、前記微小移動体の移動経路に沿って配設される接地電極をさらに含む、
    請求項9に記載の微小移動体のハンドリング装置。
  11. 液滴を生成する液滴生成部と、該液滴を前記基板の表面に導入する液滴吐出部と、前記微小移動体を支持する液滴を前記基板表面から回収する液滴回収部とをさらに含む、
    請求項9または10のいずれか1項に記載の微小移動体のハンドリング装置。
  12. 前記液滴生成部は、並んで配設される3つの電極を含む第1の基板と、前記第1の基板の上側に離間して設けられ、接地電極が配設される第2の基板と、上記3つの電極のうち両端に位置する2つの電極に電圧を印加する電圧印加制御部とを含む、
    請求項11に記載の微小移動体のハンドリング装置。
  13. 前記液滴吐出部は、前記基板の裏面下に形成され、撥液性の内壁を備える液滴導入流路と、前記基板において前記駆動電極を貫通して形成され、前記液滴導入流路の径よりも大きい径を有する開口部とを含む、
    請求項11に記載の微小移動体のハンドリング装置。
  14. 前記液滴回収部は、前記基板において前記駆動電極を貫通して形成される開口部と、該開口部と連通し親液性の内壁を備える液滴回収流路とを含む、
    請求項11に記載の微小移動体のハンドリング装置。
  15. 前記液滴生成部、前記液滴吐出部、および前記液滴回収部のうち少なくとも一つがマイクロポンプによって形成される、
    請求項11に記載の微小移動体のハンドリング装置。
  16. 請求項9〜15のいずれか1項に記載のハンドリング装置が移動ステージとして構成される顕微鏡装置。
  17. 微小物体を輸送する方法であって、該方法は、
    微小物体を撥液性の底面を備える微小移動体に収容するステップと、
    前記微小移動体の移動領域として規定され、撥液性の表面を備える基板の該表面と前記微小移動体の底面との間に液滴を導入して、前記微小移動体を該液滴によって支持するステップと、
    前記基板の前記撥液性の表面下に絶縁層により隔てられて形成され、かつ、前記微小移動体の輸送経路を規定するように配設される複数の駆動電極の各電極に対し順次電圧を印加して、前記撥液性の表面の濡れ性を局所的且つ移動方向に連続的に変化させるステップと
    を含む、方法。
  18. 微小物体を輸送する輸送方法であって、該方法は、
    微小物体の底面に撥液性を付与するステップと、
    前記微小物体の移動領域として規定され、撥液性の表面を備える基板の該表面と前記微小物体の底面との間に液滴を導入して、前記微小移動体を該液滴によって支持するステップと、
    前記基板の前記撥液性の表面下に絶縁層により隔てられて形成され、かつ、前記微小物体の輸送経路を規定するように配設される複数の駆動電極の各電極に対し順次電圧を印加して、前記撥液性の表面の濡れ性を局所的且つ移動方向に連続的に変化させるステップと
    を含む、方法。
  19. 微小移動体をハンドリングする方法であって、該方法は、
    微小移動体の底面に撥液性を付与するステップと、
    前記微小移動体の移動領域として規定され、撥液性の表面を備える基板の該表面と前記微小移動体の底面との間に液滴を導入して、前記微小移動体を該液滴によって支持するステップと、
    前記基板の前記撥液性の表面下に絶縁層により隔てられて形成され、かつ、前記微小移動体の移動経路を規定するように配設される複数の駆動電極の各電極に対し順次電圧を印加して、前記撥液性の表面の濡れ性を局所的且つ移動方向に連続的に変化させるステップと
    を含む、方法。
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