JP2008059180A - 3次元デザイン支援装置、方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザが製品モデルを手に取った時の安定した把持姿勢を仮想的に生成し、物理モデルを作成することなく製品モデルのエルゴノミック評価ができる3次元デザイン支援技術を提供する。
【解決手段】本発明の3次元デザイン支援方法では、デジタルハンドモデルデータベース1のデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成し、入力されたデジタル製品形状モデルとデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定し、この接触点候補の指定に基づき、製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成し、生成された製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢の安定性を評価する。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の3次元デザイン支援方法では、デジタルハンドモデルデータベース1のデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成し、入力されたデジタル製品形状モデルとデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定し、この接触点候補の指定に基づき、製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成し、生成された製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢の安定性を評価する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、製品モデルをユーザの手で把持する際の把持姿勢の安定性を仮想的に評価する3次元デザイン支援装置、方法、プログラム及び記録媒体に関する。
近年のCADシステムの普及に伴い、デジタルモックアップによるスタイルデザインが本格化しているが、製品に対するエルゴノミック評価は未だに物理モックアップに頼っているのが現状であり、これをデジタル化することで、開発コストや時間の削減を行いたいという要求が高まっている。工業製品のうち、ハンドヘルドIT機器に対して仮想エルゴノミック評価を行うには、豊富な寸法バリエーションや高精度な幾何形状・運動生成機能をもつ手のモデルや、製品形状やユーザインタフェース(UI)操作仕様と手のモデルを連携させたシミュレーション機能などが求められる。
これまでに、Jack、RAMSIS、Safeworkといったデジタル・ヒューマンを用いたシミュレーションソフトウェア(非特許文献1)が市販され、自動車・航空機などの設計に活用されているが、これらは、スタイルデザインにおけるエルゴノミック評価において要求される手のモデルの再現精度やシミュレーション機能を、必ずしも満たすものではない。また特開2002−245484号公報(特許文献1)に記載のようにコンピュータマネキンに関連する技術は知られているが、人の手による製品モデルの把持姿勢を仮想的に作成し提示する技術は知られていない。
また、操作対象の物体の支持位置を指定して人間モデル側の動作を自動決定する研究が、次の論文「Onosato, M., Kawano, T., Iwata, K.; "Virtual Affordance Protocol: Communication between Digital Human and Virtual Working Environment for Task Motion Planning". Digital Human Modeling Conference VDI-berichite NR. 1675, 2002 (The Proc. Digital Human Modeling Conference 2002), pp. 329-342, 2002.6.(非特許文献2)」に記載されている。しかしながら、この技術は、人間の全身の動作生成を対象としており、手の動作生成そのものは取り扱っていない。
さらに、人の手指型のロボットマニプレータの動作生成において、与えられた物体モデルの形状から、安定に把持できるロボットハンドと物体との接触点群の配置を多数の候補点群の中から探索で見つけ出す研究が次の論文「Ch. Borst, M. Fischer and G. Hirzinger; "Grasping the Dice by Dicing the Gap". Proceedings of the 2003 IEEE/RSJ Int. conf. on Intelligent Robots and Systems, (Las Vegas) Oct. 2003, pp3692-3697.(非特許文献3)」に記載されている。しかしながら、この技術は、ロボットハンド・フィンガーの動作生成が目的であり、安定に把持できる点がもともと少ない特殊な物体形状に対して適用すると、多くの探索時間が必要となる問題点があり、また、候補点群をランダムに発生し評価するので必ずしも最適な把持を発見できるとは限らない問題点があった。
特開2002−245484号公報
http://www.ugs.jp/product/efactory/jack.html
Onosato, M., Kawano, T., Iwata, K.; "Virtual Affordance Protocol: Communication between Digital Human and Virtual Working Environment for Task Motion Planning". Digital Human Modeling Conference VDI-berichite NR. 1675, 2002 (The Proc. Digital Human Modeling Conference 2002), pp. 329-342, 2002.6.
Ch. Borst, M. Fischer and G. Hirzinger; "Grasping the Dice by Dicing the Gap". Proceedings of the 2003 IEEE/RSJ Int. conf. on Intelligent Robots and Systems, (Las Vegas) Oct. 2003, pp3692-3697.
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザが製品モデルを手に取った時の安定した把持姿勢を仮想的に生成し、物理モデルを作成することなく製品モデルのエルゴノミック評価ができる3次元デザイン支援技術を提供することを目的とする。
本発明の1つの特徴は、デジタルハンドモデルのデータを保持するデジタルハンドモデルデータベースと、前記デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成するデジタルハンドモデル作成部と、デジタル製品形状モデルを入力するデジタル製品形状モデル入力部と、前記デジタル製品形状モデル入力部の入力したデジタル製品形状モデルと前記デジタルハンドモデル作成部の作成したデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する接触点候補設定部と、前記接触点候補設定部による接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する把持姿勢生成部と、前記把持姿勢生成部の生成した前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記把持姿勢の安定性を評価する把持安定性評価部と、前記デジタル製品形状モデルに対する前記デジタルハンドモデルの把持姿勢を表示する把持状態表示部とを備えた3次元デザイン支援装置にある。
上記3次元デザイン支援装置では、さらに、前記接触点候補設定部により前記デジタル製品形状モデル上の移動目標点が設定されたときに、前記把持姿勢生成部が生成した把持姿勢から当該移動目標点に該当手指を接触させるために当該手指の姿勢を変化させる逆運動学による演算を行う逆運動学演算部を備え、前記把持姿勢生成部は、前記逆運動学演算部の演算結果に基づき、最初に求めた把持姿勢を変化させ、前記移動目標点に該当手指が接触している最尤の把持姿勢を再生成するものとすることができる。
また、前記把持安定性評価部は、wrench空間でのConvex Hullを求め、これに基づいてForce−Closureの成否を判定し、かつ、Grasp Quality値を算出するものとすることができる。
本発明の別の特徴は、デジタルハンドモデルのデータを保持するデジタルハンドモデルデータベースと、前記デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成するデジタルハンドモデル作成部と、デジタル製品形状モデルを入力するデジタル製品形状モデル入力部と、前記デジタル製品形状モデル入力部の入力したデジタル製品形状モデルと前記デジタルハンドモデル作成部の作成したデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する接触点候補設定部と、前記接触点候補設定部による接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する把持姿勢生成部と、前記把持姿勢生成部の生成した前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記把持姿勢の把持容易性を評価する把持容易性評価部とを備えた3次元デザイン支援装置にある。
本発明のさらに別の特徴は、デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成するステップと、デジタル製品形状モデルを入力するステップと、前記デジタル製品形状モデルと作成されたデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定するステップと、前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成するステップと、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記生成された把持姿勢の安定性を評価するステップと、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を表示するステップとを有する3次元デザイン支援方法にある。
上記3次元デザイン支援方法では、さらに、前記デジタル製品形状モデル上の移動目標点を設定するステップと、前記デジタル製品形状モデル上の移動目標点が設定されたときに、前記生成されたデジタルハンドモデルの把持姿勢から当該移動目標点に該当手指を接触させるために当該手指の姿勢を変化させる逆運動学による演算を行うステップと、前記逆運動学による演算の結果に基づき、最初に求めた把持姿勢を変化させ、前記移動目標点に該当手指が接触している最尤の把持姿勢を再生成するステップとを有するものとすることができる。
また、前記把持姿勢の安定性を評価するステップでは、wrench空間でのConvex Hullを求め、これに基づいてForce−Closureの成否を判定し、かつ、Grasp Quality値を算出するものとすることができる。
本発明のまたさらに別の特徴は、デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成するステップと、デジタル製品形状モデルを入力するステップと、前記デジタル製品形状モデルと作成されたデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定するステップと、前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成するステップと、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記生成された把持姿勢の把持容易性を評価するステップとを有する3次元デザイン支援方法にある。
本発明のまたさらに別の特徴は、デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成する処理と、デジタル製品形状モデルを入力する処理と、前記入力されたデジタル製品形状モデルとデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する処理と、前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する処理と、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記生成された把持姿勢の安定性を評価する処理と、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を表示する処理とをコンピュータに実行させる3次元デザイン支援プログラムにある。
上記3次元デザイン支援プログラムでは、さらに、前記デジタル製品形状モデル上の移動目標点を設定する処理と、前記デジタル製品形状モデル上の移動目標点が設定されたときに、前記生成されたデジタルハンドモデルの把持姿勢から当該移動目標点に該当手指を接触させるために当該手指の姿勢を変化させる逆運動学による演算を行う処理と、前記逆運動学による演算の結果に基づき、最初に求めた把持姿勢を変化させ、前記移動目標点に該当手指が接触している最尤の把持姿勢を再生成する処理とを有するものとすることができる。
また、前記把持姿勢の安定性を評価する処理では、wrench空間でのConvex Hullを求め、これに基づいてForce−Closureの成否を判定し、かつ、Grasp Quality値を算出するものとすることができる。
本発明のまたさらに別の特徴は、デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成する処理と、デジタル製品形状モデルを入力する処理と、前記入力されたデジタル製品形状モデルとデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する処理と、前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する処理と、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記生成された把持姿勢の把持容易性を評価する処理とをコンピュータに実行させる3次元デザイン支援プログラムにある。
本発明またさらに別の特徴は、デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成する処理と、デジタル製品形状モデルを入力する処理と、前記入力されたデジタル製品形状モデルとデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する処理と、前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する処理と、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記生成された把持姿勢の安定性を評価する処理と、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を表示する処理とをコンピュータに実行させる3次元デザイン支援プログラムを記録した記録媒体にある。
本発明またさらに別の特徴は、デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成する処理と、デジタル製品形状モデルを入力する処理と、前記入力されたデジタル製品形状モデルとデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する処理と、前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する処理と、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記生成された把持姿勢の把持容易性を評価する処理とをコンピュータに実行させる3次元デザイン支援プログラムを記録した記録媒体にある。
本発明の3次元デザイン支援装置、方法、プログラム及び記録媒体によれば、製品モデルに対するユーザの手による把持姿勢とその把持安定性を仮想的に割り出して評価することができ、物理モデルを作成して実際に手に持って把持姿勢を割り出し、またその把持安定性を評価する必要性を少なくし、3次元デザインにかかる金銭コストや労務コストを低減することができる。
また、本発明の3次元デザイン支援装置、方法、プログラム及び記録媒体によれば、製品モデルに対するユーザの手による把持姿勢を割り出すと共にその把持姿勢の把持容易性を評価することができ、物理モデルを作成して実際に手に持って把持姿勢を割り出し、またその把持姿勢の把持容易性を評価する必要性を少なくし、3次元デザインにかかる金銭コストや労務コストを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の1つの実施の形態の製品モデルの安定した基本把持姿勢を作成する3次元デザイン支援装置を示すブロック図である。本実施の形態の3次元デザイン支援装置の機能は、運動学的、形状的に精密かつ豊富な寸法バリエーションをもつデジタルハンドモデルのデータを保持するデジタルハンドモデルデータベース1、製品形状データを入力する製品形状データ入力部2、入力された製品形状データを保存する製品形状データ記憶部3、デジタルハンドの寸法、「長い−短い」、「ごつい−華奢」の種類を入力設定するハンド寸法設定部4、把持の種類を「Power Grasp」とするか「Precision Grasp」とするかの入力設定のためのグラスプ設定部5、デジタルハンドモデルデータベース1のデータを利用し、ハンド寸法設定部4のデジタルハンドの寸法の設定入力をパラメータにして3次元の仮想的な動きの表示を可能とするデジタルハンドモデルを作成するデジタルハンドモデル作成部6、入力された製品形状データに基づき仮想的な製品形状モデルを作成して表示する製品形状モデル作成部7、製品形状モデル作成部7の作成した製品形状モデルと、デジタルハンドモデル作成部6で作成されたデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する接触点候補設定部8、この接触点候補設定部8による接触点候補の指定に基づき、デジタルハンドモデル作成部6と協働し、入力された製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの概略把持姿勢を算定し、また概略把持姿勢から安定把持が可能な基本把持姿勢をも算定する把持姿勢生成部9、逆運動学演算(Inverse Kinetics演算)を実行し、デジタルハンドモデル作成部6と協働して安定した手指表皮の目標点到達姿勢を求める逆運動学演算部10、基本把持姿勢の安定性を評価する把持安定性評価部11、基本把持姿勢の把持容易性を評価する把持容易性評価部12、入力手段としてのキーボード21、マウスのようなポインティングデバイス22、出力手段としての表示装置23を備えている。そして、把持安定性評価部11は、Force−Closureを判定するForce−Closure判定部11Aと、Grasp Quality値を演算するGrasp Quality値演算部11Bを備えている。
尚、本装置は専用機として、あるいは上記各部の機能を果たすプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムをインストールし、それを実行させることにより後述する諸機能を発揮するコンピュータシステムにて実現するものであり、コンピュータとしてはネットワーク接続により他のコンピュータと接続し、データ通信することができる。したがって、大容量のデジタルハンドモデルデータベース1へのデジタルハンドモデルデータの書込みや製品形状データ記憶部3への製品形状データの書込みはネットワークを通じて行うことができる。また、デジタルハンドモデルデータのうち、手指ハンドリンクモデルのデータ、ハンド外表皮三角形メッシュモデルのデータは、独立行政法人産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センターにて作成されたデータを利用する。
次に、上記構成の製品モデルの基本把持姿勢を作成する3次元デザイン支援装置による3次元デザイン支援方法は、あるデジタル製品形状モデルに対する安定した基本把持姿勢を生成すると共にその安定性を評価するものであり、図2のフローチャートに示すように、デジタルハンドモデルを作成し(ステップSQ1)、製品形状モデルを作成し(ステップSQ2)、当該製品形状モデルを把持する手の接触点候補を指定し(ステップSQ3)、概略把持姿勢の3次元モデルを生成する(ステップSQ4)。そして、この概略把持姿勢からほぼ安定した基本把持姿勢を求め(ステップSQ5)、この基本把持姿勢の安定性を評価する(ステップSQ6)。また、この把持安定性評価と並行して、あるいはいずれか選択的に、基本把持姿勢の把持容易性も評価する(ステップSQ7)。尚、製品形状モデルは当該装置内で作成しても、あるいはネットワークを通じて外部で作成されたものを入力してハードディスクその他の記憶手段に保持しておき、それを用いるようにしてもよい。
まず、デジタルハンドデータベース1に登録されているデジタルハンドデータに基づいてデジタルハンドモデル作成部6が行うデジタルハンドモデルの生成処理を説明する。図3はデジタルハンドモデル作成部6の機能構成を示している。デジタルハンドデータベース1はこの処理にて生成されたデジタルハンドモデルのデータも保持する。
図4に示すように、人の手と指の関節構造は、17関節あって、例えば、上腕(Forearm)のように6自由度(DOF)を持つ関節、手首(Wrist)や各指の付け根の関節のように3自由度(DOF)を持つ関節、そして各指の第1、第2関節のように1自由度(DOF)を持つ関節があり、全体で31自由度を有している。尚、図4において、
は各指を表わしている。
図5に示すように、文献「M.Kouchi et al.,“An Analysis of Hand Measurements for Obtaining Representative Japanese Hand Models,” Proceedings of the 8th Annual Digital Human Modeling for Design and Engineering Symposium, 2005-01-2734, 2005」では、日本人成人のハンド測定データを因子分析して得られた2パラメータ「長い−短い」「華奢−ごつい」に基づき、分布の外円周上の8モデル、及び平均モデルをハンドバリエーションとする。この9モデルをジェネリックハンドモデルデータとしてデジタルハンドモデルデータベース1に保持している。本実施の形態のシステムでは、この9タイプに対し把持姿勢を評価することで,日本人成人の全般的な「持ちやすさ」、「操作しやすさ」を評価する。
ハンドサイズ設定部4は、データベース1に保持されているジェネリックハンドモデルに対し、特定の被験者のハンド寸法の測定データを入力する。このハンド寸法は各手指のリンク長に影響する。
デジタルハンドモデル作成部6は、図3に示す機能を備えている。デジタルハンドバリエーションモデル生成部SQ10において、データベース1に保持されているジェネリックハンドモデルに対し、特定の被験者のハンド寸法をもつデジタルハンドを生成する。また、因子分析によって得られた日本人成人の代表的なハンド寸法をもつデジタルハンドを生成することもできる。
デジタルハンドモデル作成部6の自然把持経路生成部SQ11は、手を開いた手指リンク初期姿勢の状態から握り状態への自然な経路(自然把持経路)を各指についてサンプリングしたものを、各指のMP、PIP、DIPでのx軸回転に対する回転角として生成する。把持において添えているだけの指(従属把持指)の姿勢はこの自然把持経路に従うものとして計算する。
デジタルハンドモデル作成部6における手指リンクモデル生成部SQ12は、産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センターにおいて開発された汎用的なデジタルハンド生成システムである「Dhaiba−Hand」(商品名)により、自然把持経路生成部SQ11から各関節の回転角を入力し、またデジタルハンドバリエーションモデル生成部SQ10から各手指のリンク長Lと手指リンク初期姿勢を入力し、さらに手指表皮目標点到達姿勢生成部SQ13から関節回転角を入力し、順運動学データに基づき、手指リンクモデルを作製する。
デジタルハンドモデル作成部6における手指表皮目標点到達姿勢生成部SQ13は、逆運動学演算部10を用いてCCD法による逆運動学演算を行い、手指表皮の目標点到達姿勢を生成する。そして表皮メッシュモデル生成部SQ14は、前記「Dhaiba−Hand」にて得られた手指リンクモデルから各リンク位置姿勢を入力し、また手を開いた状態の一姿勢でのみ定義された初期状態での外表皮メッシュモデルに対してメッシュ変形アルゴリズムを適用して変形後の外表皮メッシュモデルを生成して出力する。
図6、図7は小指のリンクモデルを示したものである。これにはまず、Σiから見たΣjの位置姿勢を表す同時変換行列iTjを求め、続いて、ワールド座標系から見た小指先端PTIPの位置姿勢BASETPTIPを求める。他の指に関しても同様に求める。
逆運動学(Inverse Kinetics)は、デジタルハンドの手指先端の移動位置、つまり製品形状モデル上に目標点Aを設定し、この目標点Aにデジタルハンドの手指の先端が到達するための当該手指の各リンクの関節回転角を求める手法である。しかしながら、一般に、3次元空間における多自由度のリンクモデルの姿勢を求めることは容易ではなく、時間的コストが大きい。そこで、本実施の形態では、CCD法(Cyclic-Coordinate Descent Method)を用いて各リンクを再帰的に目標点に近づけていくことで、近似的に、高速にリンク姿勢を求める。これを、図8を用いて説明する。
(i)目標点Aを設定する。
(ii)そして、末端リンクの先端に対応するハンド表皮代表頂点vについて、手指先端リンクを現在の作用リンクLとする(図8(a))。
(iii)作用リンクLと目標点Aとを結ぶ線上にハンド表皮代表頂点vが来るように、作用リンクLを回転する(図8(b))。
(iv)目標点Aと代表頂点vとの距離がしきい値よりも大きい場合には、1つ親のリンクを現在の作用リンクLとして、(ii),(iii)を繰り返す(図8(c)〜(f))。
(v)目標点Aと代表頂点vとの距離がしきい値以下かこれ以上回転できない場合には、代表頂点vの法線と目標点Aにおける製品形状モデルの法線とのなす角度がπに最も近い代表頂点に対し、このときのリンク姿勢を出力とする(図8(g))。これにより、逆運動学をCCD法にて近似的に求め、デジタルハンドモデルの1つの手指を製品形状モデル上の目標点に移動させたときの姿勢を求める。
各リンク位置姿勢に対して、デジタルハンドデータベース1に保持されているハンド外表皮三角形メッシュモデルを参照し、初期ハンド外表皮メッシュを、リンクモデルの各関節回転角をもとに以下のように変形する。図9は1本の指の変形を例示したものである。尚、本実施の形態では、デジタルハンドに対する表皮の変形処理は、次の特徴を有する。
(1)デジタルヒューマンシミュレーションソフトウェア「Poser」(商品名)で用いられている、任意デジタルハンドに対する表皮変形手法を利用する。
(2)(1)の大域的な変形ほど表皮メッシュ形状に変化を与えないものの、屈曲運動時における視覚的な効果が大きいことから、簡易的な手法を用いる。
(3)接触に伴う変形は行わず、後述するように、デジタルハンドと製品モデルとの干渉判定において「接触」状態を判定条件に加えることで、近似的に力学的な接触を実現する。
まず、関節回転によるリンクの姿勢変化に伴う表皮メッシュの大域的な変形手法は次の通りである。
デジタルハンドの表皮メッシュモデルMHの頂点集合をVH⊂MHとする。座標系Σjからみた頂点v∈VHの位置ベクトルをjvとすると、ワールド座標系からみた、関節回転による表皮変形後の頂点vの位置Wv′は、
と表される。wj vz∈[0,1]は、関節jのz軸まわりの回転角に対する頂点vの回転角の重みで、以下の4つのステップによって求められた2つの重みwj (1)vz,wj (2)vzの積として得る。図9において、wj vx,wj vyについても同様である。
ステップ(1):表皮メッシュモデル上の各頂点に対して、この頂点がどのリンクに属しているかを事前に設定しておく。
ステップ(2):リンクLj又はLj-1に属する各頂点v∈VHに対し、ベクトル[jvx,jvy,0]とローカル座標系Σjのx軸がなす角θvzを求める。関節jの周りにθvzに対する4つの角度領域を定義するため、4つの定数θA(j),θB(j),θC(j),θD(j)を指定する。このとき、重みwj (1)vzは図9に示されているように、以下によって定義される。
定数θA(j),θB(j),θC(j),θD(j)は、θA(j)>θB(j)>θC(j)>θD(j)となるように設定する。θCとθBによってはさまれる領域には、リンクLjの大半の頂点が含まれるようにし、θAとθDによってはさまれる領域には、親リンクLj-1の大半の頂点が含まれるように設定する。θBとθAによってはさまれる領域には、手指表皮の手のひら側、θDとθCによってはさまれる領域には手の甲側の頂点が含まれるように設定する。
ステップ(3):各リンクLjに対し、Ljに固定されている2つの楕円体、内部楕円体と外部楕円体を定義する。頂点v∈VHが内部楕円体の内側に存在するとき、vに対する変形は、関節jの回転によってのみ定義され、wj (2)vz=1となる。またさらに、vが外部楕円体の外側に存在する場合、vに対する変形は、関節jの回転の影響をまったく受けず、wj (2)vz=0となる。vが内部楕円体の外側かつ外部楕円体の内側に存在する場合、wj (2)vzは、内部及び外部楕円体上のそれぞれ最も近い点の重みによって線形補間された値を用いる。
ステップ(4):最後に、wj vzをこれら2つの重みの積として設定する。
図10は、人差し指の動きに対するデジタルハンド表皮メッシュモデルの変形の表示例であり、同図(a)に示す初期状態から同図(b)に示すように人差し指を動かす動きを表現するデジタルハンドを作成することができる。
後述する概略把持姿勢から安定した基本把持姿勢に修正する場合には、目標点とそこに移動する手指の代表頂点とを与えることによってデジタルハンド生成部6における手指表皮目標点到達姿勢生成部SQ13が後述するCCD法に基づく逆運動学演算を実行し、指定した指を目標点に移動させた時の当該指のリンク回転角を求める。そしてこのリンク回転角が求められると、手指リンクモデル生成部SQ12にて目標点に指定された指、例えば親指が接触している状態での各手指のリンクモデルを再計算し、続いて、表皮メッシュモデル生成部SQ14にて外表皮メッシュ変形モデルを再計算する。これによって基本把持姿勢のデジタルハンドモデルを作成することになる。
製品形状モデル作成部7は、製品形状モデルを作成する(図2におけるステップS2)。この製品形状モデルの作成は、通常の3次元メッシュモデル作成ツールにより作成する。尚、デジタルハンド外表皮形状及び製品形状モデルは、論文(T.Kurihara et al.: "Modeling Deformable CG Model of Human Hands from Medical Images", The Eurographics/SIGGRAPH Symposium on Computer Animation 2004, pp.357-365, 2004)に表されているように、それぞれ三角形メッシュMH=<VH,KH>、MP=<VP、KP>で表現される。
そして、デジタルハンドモデルと製品形状モデルとを作成すれば、このデジタルハンドモデルと製品形状モデルを使用して、製品形状モデルに対する基本把持姿勢の候補である概略把持姿勢を作成し(図2におけるステップSQ3,SQ4)、さらに把持姿勢の最適化によって基本把持姿勢を得る(図2におけるステップSQ5)。この詳しい処理フローが図11、図12に示してある。尚、図11のフローチャートは、把持安定性評価まで含めて示してある。
図11のフローチャートにおいて、ステップSQ21の接触点候補指定の方法は4つのステップからなる。Cutkosky(M.R.Cutcosky: "On Grasp Choice,Grasp Models, and the Design of Hands for Manufacturing Tasks", IEEE Trans. on Robotics and Automation, vol.5, no.3, 1989)によれば、把持(Grasp)はPower GraspとPrecision Graspに大別される。第1のステップは、この理論を応用し、母指内転筋の境界付近で把持力が発生するものを図13(a)に示すようなPower Grasp、そうでないものを同図(b)に示すようなPrecision Graspと定義する。ユーザは、まず求める把持がこのどちらに当たるかをグラスプ設定部5にて選択する。通常、本発明が対象としているハンドヘルドIT機器の場合、Power Graspでの把持姿勢の安定性がまず求められるので、ここではPower Graspを選択した場合について述べる。
まず、デジタルハンドが把持する製品形状モデルについて定義する。製品形状モデルは製品モデルの筐体形状を表す閉じた3次元メッシュで、MPと表記される。また、MPの頂点集合をVP⊂MPと表記する。
図14に示すように、親指を除く4指について、把持において能動的に握っているものと、単に添えているだけの指があると考える。前者を主把持指fi∈FActive、後者を従属把持指fi∈FPassiveと定義する。ユーザはまず、第2指〜第5指(f2,…,f5)を1本の主把持指と3本の従属把持指に分類する。
次に、ユーザにより、デジタルハンド表皮メッシュの手のひら上の1頂点vH Palm∈VH、及びこの頂点が接触すると思われる製品形状モデル表面上の1頂点vP Palm∈VPをそれぞれ選択する。同様に、主把持指上の1頂点vH Active∈VHと、対応する製品形状モデル表面上の1頂点vP Active∈VPをそれぞれ選択する。
把持姿勢を自動生成するためには、デジタルハンドの表皮メッシュと製品形状モデルとが衝突しているかどうかを判定する必要がある。本実施の形態では、干渉チェックとして、非干渉・干渉状態の識別だけでなく、接触状態も定義し、3状態を判別する。これには、図15に示すように、次の判断を行う。
(1)頂点vが製品形状モデルMPの外側にある場合、vを「非干渉」状態とし、
(2)頂点vが製品形状モデルMPの内側にあり、かつvの法線nv方向の干渉深さdvが閾値τ以下なら、vを「接触」状態とし、
(3)頂点vが「非干渉」、「接触」状態のいずれでもない場合、vを「干渉」状態とする。
(2)頂点vが製品形状モデルMPの内側にあり、かつvの法線nv方向の干渉深さdvが閾値τ以下なら、vを「接触」状態とし、
(3)頂点vが「非干渉」、「接触」状態のいずれでもない場合、vを「干渉」状態とする。
デジタルハンド表皮メッシュ上のすべての頂点が「接触」状態にある場合、デジタルハンドは製品モデルに接触しているとみなす。デジタルハンド表皮メッシュ上の少なくとも1つの頂点が「干渉」状態にある場合、デジタルハンドは製品モデルに干渉しているとみなす。それ以外の場合、デジタルハンドは製品モデルに衝突していないとみなす。すべての把持姿勢で、デジタルハンドは製品に接触していなければならない。
図11におけるステップSQ22の概略把持姿勢生成の手順を、図16のシーケンス図と図17に詳しく示す。接触候補点に基づく概略把持姿勢の生成は、以下のプロセスによる。
(1)頂点vH palmの位置vH palm(ベクトル)が頂点vP palmの位置vp palm(ベクトル)に一致するようにデジタルハンドの位置を平行移動させる(ステップSQ41)。
(2)主把持指fi∈FActiveに対する自然把持経路の各タイムステップについて、デジタルハンドをxyz各軸まわりに回転させることによって、位置ベクトルvH Activeと位置ベクトルvP Activeとの距離が最小になるハンドの姿勢を求める。ただし、この間、他の指は初期姿勢の開いた状態のままとする(ステップSQ42)。
(3)上の(2)で得られた姿勢から、位置ベクトルvP palmと位置ベクトルvP Activeとを結ぶ直線を軸としてデジタルハンドを回転させることによって、デジタルハンドと製品形状モデルとの接触点が最大になるハンドの姿勢を求める(ステップSQ43)。
(4)最後に、すべての従属把持指fi∈FPassiveと母指について、各指の表皮が製品形状モデルに接触するまで自然把持経路に従って閉じていき(ステップSQ44,SQ45)、概略把持姿勢が得られる(ステップSQ46)。
ところが、上で得られたデジタルハンドの概略把持姿勢では、想定される自然な把持姿勢と大きく異なる不適切な姿勢の手指が含まれることがある。そのような場合、図18に示すように、ユーザが不適切な姿勢の手指に対し、その指の先端が接触するべき製品上の目標点を追加入力することでその姿勢を修正する。目標点に接触するように修正された手指の姿勢は、CCD法を改良した以下の手法を用いた、図19に示すアルゴリズムの逆運動学によって得られる。
(1)Lendに属するすべての表皮メッシュ上の頂点v∈VHについて、アルゴリズムCCD法を実行する。ただし、vの位置ベクトルvをアルゴリズム内のjPendとする。また、再帰的に姿勢を変形する間、計算から得られた各関節の回転角度が、その関節に定められている回転可能角度の範囲を超える場合、限界角度以上は回転させない。本実施の形態では、デジタルハンドの関節回転可能角度範囲を予め設定している。
(2)(1)で得られた姿勢のうち、姿勢変形後のvの法線ベクトルと物体の目標頂点の法線ベクトルとのなす角度がπにもっとも近い姿勢を最終姿勢として出力する。
図11のフローチャートにおけるステップSQ23の基本把持姿勢の導出は、接触点数が局所最大になるように姿勢を最適化させ、基本把持姿勢として出力する。そのためには、概略把持姿勢の各指の関節に対し、その回転角度を摂動させることにより、デジタルハンド表皮メッシュと製品形状モデルとの接触点数を局所的に最大化させる。
以上の処理を、図12を用いてさらに説明する。デジタルハンドによる製品モデルの把持姿勢生成手順を示している。非把持状態から概略把持姿勢を生成するステップSQ31では、図14に示したように、デジタルハンドモデルMHと製品モデルMPとの接触点と思われる位置を、デジタルハンドモデルMHの手のひら・指定した1指からそれぞれ1点ずつ、対応する製品モデルMP上の位置をそれぞれに対して1点ずつユーザが選択することで、この2対応点の位置がそれぞれ一致するようにデジタルハンドMHの位置姿勢を決定させる。
図12におけるステップSQ32では、求めた概略把持姿勢に対して不適切な手指姿勢の修正を行う。すなわち、5指のうち、概略把持姿勢においてユーザが想定する姿勢と異なる指があった場合、その指の先端の製品上の把持位置をユーザが再度指定することにより、逆運動学を用いて把持姿勢を修正する。そして、ステップSQ33の把持姿勢の最適化処理では、ステップSQ32までに得られた概略把持姿勢から、各指の関節回転角を摂動させることによって製品モデルに対する接触点数を局所最大化させ、基本把持姿勢を得る。
前ステップSQ31で得られたデジタルハンドの概略把持姿勢では、想定される自然な把持姿勢と大きく異なる不適切な姿勢の手指が含まれることがある。このような場合、図18(a)〜(c)に示すように、ユーザが不適切な姿勢の手指に対し、その指の先端が接触するべき製品モデル上の目標点を追加入力することで、その姿勢を修正する。目標点に接触するように修正された手指の姿勢は、CCD法を改良した以下の手法を用いた逆運動学によって得る。
続いて、図2のステップSQ6、図11のステップSQ24における把持安定性評価を実行する。この把持安定性評価では、得られた基本把持姿勢に対し、接触点から生成されるwrench空間のConvex Hullを利用し、Force−Closureを判定し、またGrasp Quality値を求めることで持ちやすさを評価する。ここで、Force−Closureは、論文(N.S.Po1lard: "Closure and Quality Equivalence for Efficient Synthesis of Grasps from Examples", The Intenational Journal of Robotics Research, 23(6)595-613, 2004)に提案されたものである。
図20のフローチャートを用いて、製品形状モデルに対する基本把持姿勢の持ちやすさの指標であるForce−Closureの判定とGrasp Quality値の評価について説明する。
まず、上述した方法で概略把持姿勢と製品形状モデルとを作成する(ステップSQ51,SQ52)。そして、ユーザが目標点を製品形状モデル上に指定し、またデジタルハンドモデルの手指を指定することで、概略把持姿勢を補正した基本把持姿勢を生成する(ステップSQ53)。こうして得られた基本把持姿勢に対して、その接点集合と予め与えた接触面摩擦係数μからwrench空間のConvex Hullを求める(ステップSQ54)。そして、このConvex HullからForce−Closure判定とGrasp Quality値の算出を行い(ステップSQ55,SQ56)、その結果に基づいて把持安定性、つまり製品形状モデルの持ちやすさを評価する(ステップSQ57)。
まず、wrench空間について説明する。図21に示すように、製品形状モデルに対し、ハンド表皮がN個の頂点においてクーロン摩擦(摩擦係数μ)で接触しているとき、各指が接触点cで滑らないためには、接触点cにおける接触力が摩擦円錐内になければならない。簡単のため、この円錐をL角形の底面をもつ頂角tan-1μの多角錐に近似する。このとき、接触点cで製品に作用する力fcとトルクfc×p(c)を表わす
は、以下のように表現できる。
次に、Force−Closure、Grasp Quality値について、図22を用いて説明する。物体に作用する任意の外力に対して、力とモーメントとの平衡式が成り立つとき、物体はForce−Closureの状態にあるといい、次の条件を満たす。
このForce−Closureにより、製品形状モデルを安定に把持できるかどうかを判定する。また、Force−Closureが成立するとき、Grasp Qualityεは、数10式に示すように任意の外力wrenchに対抗するために必要なwrenchの大きさの総和の逆数と定義され、数9式の凸包を構成する各超平面h∈Hと原点との距離の最小値によって求められる。このGrasp Quality値εは、それが大きい方が製品形状モデルを同一の力でも把持する場合に、よりしっかりと把持できることを意味する。
次に、把持容易評価部12が行う、製品デジタルモデルに対するデジタルハンドの基本把持姿勢の把持容易性評価について、図23、図24を用いて説明する。
ある物体を把持している場合の手指の把持姿勢は,手指のリンク構造におけるP個の関節角度の集合
によって表現される。ここで、P≒30としている。人間の5指の関節数の合計は30程度といわれている。ここで、「程度」と述べざるを得ないのは、親指の根元関節や手のひらの中央部の関節の自由度数が文献によって異なる値となっており、手指全体の関節数の解釈が解剖学的に一意に定まっていないためである。ただ、これらの文献で使われている関節値の範囲を見ると、25〜30程度であるため、本実施の形態ではP≒30としている。
これらの関節角度は一見互いに独立な変数に見え、特定の把持姿勢を表現するためにはP個の関節角度全てを指定しなければならないように思える。しかしながら実際には,手の各指の各関節角度の間には,生体構造上の連動性があるため、P個より著しく少ない個数の変数(自由度)で把持姿勢を近似的に表現できる。本実施の形態が実行する演算では、それらの少ない変数で把持姿勢の特徴を表現し、それを用いて把持容易性の判断を行う。そこで、この少ない個数の変数を求めるため、以下のように実験的に得られた複数の把持姿勢の標本値を主成分分析する。
まず、図23の前処理における処理A1では、用意されたサンプル物体に対する被験者の把持姿勢の測定をデータグローブ等を用いて実施する。被験者に試験的に把持させる合計N個のサンプル物体があるものとする。ある被験者がn番目のサンプル物体を実際に把持した場合の、手指のp番目の関節角度をx*npとし、これらの角度値を被験者に装着させたデータグローブから測定する。
同時に、被験者がそのサンプル物体を把持した時の主観的な「把持容易性」を、2段階「把持が容易」、「把持が可能であるが容易ではない」の値で回答させる。n番目のサンプル物体を把持したときの、この主観的な把持容易性の値を、sn∈{把持が容易、把持が可能であるが容易でない}とし、その値のN個のサンプル物体分の集合を{sn}とする。また、被験者にN個のサンプル物体を全て把持させて測定した関節角度の測定値集合を式(1)とする。
尚、被験者が複数人の場合には、Nを被験者数とサンプル物体数の積に置き換えて、同様に複数人の手指関節角度の測定値集合を式(1)のように計測しておく。
次に、図23のプロセスA2に示したように、手指関節角度の主成分分析を実施する。まず各関節角度の測定値に関する平均値
を求め、この平均値に基づき測定値集合に含まれるデータの中心化を式(2)のように行う。
行列Xより、共分散行列V(P行P列の正方かつ対称な行列)を式(4)のように定義する。
共分散行列Vの固有値解析より得られた固有値を大きい順に、λ1>λ2>……>λpとし、またこれらの固有値に夫々対応する固有ベクトル(列ベクトル)を
とする。
とする。
以上の固有値解析結果に基づき、1≦M<Pなる整数Mを考え、ある特定の手指のもつP個の関節角度
の値が判った場合、それらの特徴を表現できる、P個よりも少ないM個の変数(主成分)
の値は、以下の式(5)により計算できる。
本実施の形態では、例えば、M=2とし、第1主成分z1と第2主成分z2とを手指関節角度の特徴を表現できる2変数と定める。
既に測定から得られている被験者がサンプル物体を把持した時の手指関節角度値の集合
において、あるサンプル物体nを把持した場合の手指関節角度値
を、式(7)を用いて第1主成分zn1と第2主成分zn2の値に変換する。
次に、図23の処理A4において、把持容易性評価マップ作成を行なう。まず式(7)から得られる点(zn1,zn2)を、図24のように横軸がzn1、縦軸がzn2のグラフ上にプロットし、同時に被験者がそのサンプル物体を把持した時に回答させた主観的把持容易性評価値sn∈{把持が容易、把持が可能であるが容易でない}をグラフ上に記録する。
合計N個のサンプル物体分についてN点分プロットを行なうと、図24のように、原点Oの周辺に「把持が容易」と被験者から回答された点の集合で作られる領域である把持容易領域R1、並びに「把持が可能であるが容易でない」と回答された点の集合から作られる領域である把持可能領域R2が得られる。しかしながら、この方法だけでは、把持容易領域R1と把持可能領域R2との境界は定まっても、把持可能領域R2と把持不可能領域R3との境界は明確には定まらない。
そこで、図23における各関節可動限界角度測定処理A3を行なう。この処理A3では、別途、被験者にデータグローブを装着させ、物体を把持していない状態で、各手指の関節角度のうち、ある一部の関節の角度を固定し、他の間接を最大まで能動的に伸展させた状態を作らせ、その時の手指各関節の可動限界角度
を測定し、これを用いて把持容易性評価マップ作成処理A4に入力する。この把持容易性評価マップ作成処理A4では、可動限界角度
の値を式(7)と同様に、式(8)を用いて主成分に分解する。
この式(8)から得られる点(z′1,z′2)を、角度を固定する関節角を変えながら複数点プロットし、さらに複数の被験者に対してプロットすると、どの被験者でも生成することが可能であり、物体を把持可能と思われる手指の曲げ角の領域である把持可能領域R2と、ある被験者ではどこかの関節が可動限界角度を超えてしまう領域である把持不可能領域R3との境界が定まる。尚、把持不可能領域R3の外側境界線は定めなくともよい。
この手順により求められた横軸が第1主成分、縦軸が第2主成分を表す平面グラフ上に、把持容易領域R1、把持可能領域R2、把持不可能領域R3の3領域が規定されたものを「把持容易性評価マップ」と名づけ、このマップを把持容易性評価マップ作成処理A4の出力とする。
主成分分析処理A2から求められた固有ベクトル
並びに把持容易性評価マップ作成処理A4から得られた把持容易性評価マップを利用し、デジタルハンドによる把持シミュレーションから求められたデジタルハンドの手指関節角度値をもとに、把持容易性評価SQ7を実施する。
デジタルハンドによる把持シミュレーションから求められたデジタルハンドの手指関節角度値を
とすると、この角度値を式(8)と同様に、式(9)を用いて主成分に変換する。
また把持容易性評価SQ7において、「把持は容易である」と判断された場合には、点
と、把持容易性評価マップ上の把持容易領域と把持可能領域の境界線との最短距離とを評価し、その距離が大きいほど把持がより容易であると表現した定量的な把持容易性の評価指標を、補助的に出力することも可能である。
本実施の形態によれば、製品のデジタルモデルに対してデジタルハンドにて把持させることによってその把持が容易であるか否かの把持容易性を評価することができる。このため、本実施の形態によれば、製品開発の初期の段階で作成したデジタルモデルに対して、ユーザが容易に把持できるものかどうか評価することができ、3次元デザイン支援に有効に活用することができる。
本実施の形態による基本把持姿勢の妥当性、把持安定性、把持容易性について検証した結果は、次の通りである。図25に示すように、円筒の製品モデルに対する成人男性のデジタルハンドモデルの基本把持姿勢を求め、その接触点を抽出し、同じ寸法の実円筒に対して24歳男性に把持させて掌紋を採取した結果を比較したところ、両者がよく一致することが確認できた。
また、図26に示すように、φ40mm、60mm、100mm、165mmの4種類の径の円筒モデル、□40mm、60mm、75mm、100mmの4種類の角筒モデルに対して、Force−Closureを求め、またGrasp Quaity値を算出した。同時に、22歳〜28歳の男性8人に各実モデルを把持してもらい、主観的評価を求めた。
その結果、□100mmまでの全角筒モデル、φ100mmまでの円筒モデルはForce−Closureを満たすが、φ160mmではForce−Closureを満たさないことが判別できた。また、Grasp Quality値は、角筒、円筒共にその径が大きくなるにしたがって低下していることも確認できた。そして、このGrasp Quality値は人による実モデルでの把持しやすさの評価ともよく一致するものであった。
また、図27(a)に示すハンドヘルド機器の1つ、ペン型マウスについてその基本把持姿勢の安定性を求めたところ、Force−Closureは成立しており、Grasp Qualityは0.56であり、安定に把持できることが確認できた。しかしながら、この物理モデルは、同図(b)に示すように側部に操作ボタンPBがあるので、その操作ボタンPBを操作するために基本把持姿勢から母指を離した同図(c)の姿勢でのForce−Closureを判定したところ、これを満たさないことが判明した。つまり、当該ペン型マウスは基本把持姿勢では安定に把持することができても、ボタン操作を行う場合には把持が不安定になることがコンピュータ上で判明した。実際の物理モデルを作成し、これに対して母指による操作ボタンPBの操作を行ったところ、やはり把持が不安定であった。よって、本発明の3Dデザイン支援装置を用いることで、物理モデルを作成する前にコンピュータ上で操作の安定性を評価できることが確認できた。
また、図28(a)の携帯電話機、図29(a)の携帯型MDプレーヤ、図30(a)のPDAのハンドヘルド機器それぞれに対応する製品形状モデルに対して基本把持姿勢を求めたところ、各図(b)のような安定した基本把持姿勢を得ることができた。そしてその持ちやすさを上記Force−Closureの成立、Grasp Quality値を求めて評価したところ、これらは安定に把持できることも確認できた。
1 デジタルハンドデータベース
2 製品形状モデルデータ入力部
3 製品形状データ記憶部
4 ハンド寸法設定部
5 グラスプ設定部
6 デジタルハンドモデル作成部
7 製品形状モデル作成部
8 接触点候補設定部
9 把持姿勢生成部
10 逆運動学演算部
11 把持安定性評価部
11A Force−Closure判定部
11B Grasp Quality値演算部
21 キーボード
22 ポインティングデバイス
23 表示装置
2 製品形状モデルデータ入力部
3 製品形状データ記憶部
4 ハンド寸法設定部
5 グラスプ設定部
6 デジタルハンドモデル作成部
7 製品形状モデル作成部
8 接触点候補設定部
9 把持姿勢生成部
10 逆運動学演算部
11 把持安定性評価部
11A Force−Closure判定部
11B Grasp Quality値演算部
21 キーボード
22 ポインティングデバイス
23 表示装置
Claims (14)
- デジタルハンドモデルのデータを保持するデジタルハンドモデルデータベースと、
前記デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成するデジタルハンドモデル作成部と、
デジタル製品形状モデルを入力する製品形状モデル入力部と、
前記デジタル製品形状モデル入力部の入力したデジタル製品形状モデルと前記デジタルハンドモデル作成部の作成したデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する接触点候補設定部と、
前記接触点候補設定部による接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する把持姿勢生成部と、
前記把持姿勢生成部の生成した前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢の安定性を評価する把持安定性評価部と、
前記デジタル製品形状モデルに対する前記デジタルハンドモデルの把持姿勢を表示する把持状態表示部とを備えたことを特徴とする3次元デザイン支援装置。 - 前記接触点候補設定部により前記デジタル製品形状モデル上の移動目標点が設定されたときに、前記把持姿勢生成部が生成した把持姿勢から当該移動目標点に該当手指を接触させるために当該手指の姿勢を変化させる逆運動学による演算を行う逆運動学演算部を備え、
前記把持姿勢生成部は、前記逆運動学演算部の演算結果に基づき、最初に求めた把持姿勢を変化させ、前記移動目標点に該当手指が接触している最尤の把持姿勢を再生成することを特徴とする請求項1に記載の3次元デザイン支援装置。 - 前記把持安定性評価部は、wrench空間でのConvex Hullを求め、これに基づいてForce−Closureの成否を判定し、かつ、Grasp Quality値を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の3次元デザイン支援装置。
- デジタルハンドモデルのデータを保持するデジタルハンドモデルデータベースと、
前記デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成するデジタルハンドモデル作成部と、
デジタル製品形状モデルを入力する製品形状モデル入力部と、
前記デジタル製品形状モデル入力部の入力したデジタル製品形状モデルと前記デジタルハンドモデル作成部の作成したデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する接触点候補設定部と、
前記接触点候補設定部による接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する把持姿勢生成部と、
前記把持姿勢生成部の生成した前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持容易性を評価する把持容易性評価部とを備えたことを特徴とする3次元デザイン支援装置。 - デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元のデジタルハンドモデルを作成するステップと、
デジタル製品形状モデルを入力するステップと、
前記入力されたデジタル製品形状モデルと前記作成されたデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定するステップと、
前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成するステップと、
前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記生成された把持姿勢の安定性を評価するステップと、
前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を表示するステップとを有する3次元デザイン支援方法。 - 前記デジタル製品形状モデル上の移動目標点を設定するステップと、
前記デジタル製品形状モデル上の移動目標点が設定されたときに、前記生成されたデジタルハンドモデルの把持姿勢から当該移動目標点に該当手指を接触させるために当該手指の姿勢を変化させる逆運動学による演算を行うステップと、
前記逆運動学による演算の結果に基づき、最初に求めた把持姿勢を変化させ、前記移動目標点に該当手指が接触している最尤の把持姿勢を再生成するステップとを有することを特徴とする請求項5に記載の3次元デザイン支援方法。 - 前記把持姿勢の安定性を評価するステップでは、wrench空間でのConvex Hullを求め、これに基づいてForce−Closureの成否を判定し、かつ、Grasp Quality値を算出することを特徴とする請求項5又は6に記載の3次元デザイン支援方法。
- デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元のデジタルハンドモデルを作成するステップと、
デジタル製品形状モデルを入力するステップと、
前記入力されたデジタル製品形状モデルと前記作成されたデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定するステップと、
前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成するステップと、
前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記生成された把持姿勢の把持容易性を評価するステップとを有する3次元デザイン支援方法。 - デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成する処理と、
デジタル製品形状モデルを入力する処理と、
前記入力されたデジタル製品形状モデルと作成されたデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する処理と、
前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する処理と、
前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記作成された把持姿勢の安定性を評価する処理と、
前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を表示する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする3次元デザイン支援プログラム。 - 前記デジタル製品形状モデル上の移動目標点を設定する処理と、
前記デジタル製品形状モデル上の移動目標点が設定されたときに、前記生成されたデジタルハンドモデルの把持姿勢から当該移動目標点に該当手指を接触させるために当該手指の姿勢を変化させる逆運動学による演算を行う処理と、
前記逆運動学による演算の結果に基づき、最初に求めた把持姿勢を変化させ、前記移動目標点に該当手指が接触している最尤の把持姿勢を再生成する処理とを有することを特徴とする請求項9に記載の3次元デザイン支援プログラム。 - 前記把持姿勢の安定性を評価する処理では、wrench空間でのConvex Hullを求め、これに基づいてForce−Closureの成否を判定し、かつ、Grasp Quality値を算出することを特徴とする請求項9又は10に記載の3次元デザイン支援プログラム。
- デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成する処理と、
デジタル製品形状モデルを入力する処理と、
前記入力されたデジタル製品形状モデルと作成されたデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する処理と、
前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する処理と、
前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記作成された把持姿勢の把持容易性を評価する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする3次元デザイン支援プログラム。 - デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成する処理と、
デジタル製品形状モデルを入力する処理と、
前記入力されたデジタル製品形状モデルと作成されたデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する処理と、
前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する処理と、
前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記作成された把持姿勢の安定性を評価する処理と、
前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を表示する処理とをコンピュータに実行させる3次元デザイン支援プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - デジタルハンドモデルデータベースのデータを呼び出し、3次元デジタルハンドモデルを作成する処理と、
デジタル製品形状モデルを入力する処理と、
前記入力されたデジタル製品形状モデルと作成されたデジタルハンドモデルとの接触点候補を指定する処理と、
前記接触点候補の指定に基づき、前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの把持姿勢を生成する処理と、
前記デジタル製品形状モデルに対するデジタルハンドモデルの前記作成された把持姿勢の把持容易性を評価する処理とをコンピュータに実行させる3次元デザイン支援プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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