JP2008054683A - 標的分子機能の決定と薬物リード化合物の同定に関する方法 - Google Patents
標的分子機能の決定と薬物リード化合物の同定に関する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008054683A JP2008054683A JP2007233019A JP2007233019A JP2008054683A JP 2008054683 A JP2008054683 A JP 2008054683A JP 2007233019 A JP2007233019 A JP 2007233019A JP 2007233019 A JP2007233019 A JP 2007233019A JP 2008054683 A JP2008054683 A JP 2008054683A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ligand
- target molecule
- target
- protein
- candidate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/68—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
- G01N33/6803—General methods of protein analysis not limited to specific proteins or families of proteins
-
- G—PHYSICS
- G16—INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
- G16B—BIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
- G16B20/00—ICT specially adapted for functional genomics or proteomics, e.g. genotype-phenotype associations
-
- G—PHYSICS
- G16—INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
- G16B—BIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
- G16B20/00—ICT specially adapted for functional genomics or proteomics, e.g. genotype-phenotype associations
- G16B20/30—Detection of binding sites or motifs
-
- G—PHYSICS
- G16—INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
- G16B—BIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
- G16B50/00—ICT programming tools or database systems specially adapted for bioinformatics
- G16B50/20—Heterogeneous data integration
-
- G—PHYSICS
- G16—INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
- G16C—COMPUTATIONAL CHEMISTRY; CHEMOINFORMATICS; COMPUTATIONAL MATERIALS SCIENCE
- G16C20/00—Chemoinformatics, i.e. ICT specially adapted for the handling of physicochemical or structural data of chemical particles, elements, compounds or mixtures
- G16C20/50—Molecular design, e.g. of drugs
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2500/00—Screening for compounds of potential therapeutic value
-
- G—PHYSICS
- G16—INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
- G16B—BIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
- G16B50/00—ICT programming tools or database systems specially adapted for bioinformatics
-
- G—PHYSICS
- G16—INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
- G16C—COMPUTATIONAL CHEMISTRY; CHEMOINFORMATICS; COMPUTATIONAL MATERIALS SCIENCE
- G16C20/00—Chemoinformatics, i.e. ICT specially adapted for the handling of physicochemical or structural data of chemical particles, elements, compounds or mixtures
- G16C20/90—Programming languages; Computing architectures; Database systems; Data warehousing
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Evolutionary Biology (AREA)
- Medical Informatics (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Immunology (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Hematology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Pathology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Databases & Information Systems (AREA)
- Bioethics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Computing Systems (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
【解決手段】機能未知な標的物質を使用し、続いてアッセイで使用する化学物質ライブラリから小分子を選択する。化学ライブラリのメンバーを生化学的結合アッセイによりタンパク質と混合し、続いて結合するメンバーを(順番にまたは同時に)インビトロまたはインビボで生物学的アッセイを行い、生物学的あるいは病理学的条件下で、測定可能な表現型の変化から遺伝子機能を決定する。生物学的アッセイで表現型の変化を誘発する化学物質を使用して、標的物質の識別を決定する。少なくとも1つの生物学的アッセイで多数の可能性のあるリガンドをスクリーニングし、1つの生物学的アッセイで表現型の変化を生ずるリガンドを選択し、さらにそのリガンドを使用して標的候補物質をスクリーニングし、変化した表現型の原因である特定の標的物質を同定する。
【選択図】なし
Description
1. はじめに
本発明は、標的物質を膨大な数のリガンド中に曝露させ、リガンド−標的物質の対を収集し、そのリガンドを使用してその標的物質の生物学的機能を分析し、状況に応じてリガンドを化学的および/または構造的に同定する方法に関連する。本発明の1つの実施例では、製薬的に適切な標的に結合するリガンドが選択されている。本発明の別の実施例では、リガンド−標的対がゲノムスケールで収集され分析されている。本発明はさらに、表現型の1つの変異に対し少なくとも1つの生物学的アッセイ法で多数の可能なリガンドをスクリーニングし、ヒットしたリガンドを使用しそれに対応する標的分子を同定する方法に関連する。
2.1. 新薬発見への従来法
過去50年間に発見された薬物は一般的に、200〜300の標的に基づいており、現在全製薬会社がスクリーニングに使用している有効な標的は総計450個ほど存在している。これらの標的の大体は、典型的に従来の薬物発見方法によって開発されてきており、その方法で、標的は、遺伝子過剰発現、遺伝子ノックアウト、機能ドメインの遺伝子配列相同性検索、X線結晶化学、または特異的な細胞および生物学的アッセイを含む還元主義生物学を使用して確認されている。さらに、今日実施されているような新薬発見では、標的確認、アッセイ開発、ハイスループットスクリーニング、およびリード化合物の生成が連続して実施されている。
ヒトゲノム解析の完了により特性の未知な多数の遺伝子の配列が分かり、ヒトゲノム配列の価値を引き出すために正しい標的のみを確認し選択する段階は、製薬企業にとって困難であるが必須なこととなっている。ヒトゲノムの100,000個以上の遺伝子中、最大で10,000個の遺伝子が製薬的に有用な標的になると推定されている。遺伝子のこの膨大な数は、遺伝子確認への還元主義的アプローチを困難にし、その結果薬物発見の主たる障害となっている。
従来の生化学的技法では、以前未知であった小分子レセプターを、光架橋法、標識リガンド結合、および親和性クロマトグラフィーなどのインビトロ生化学方法によってタンパク質レベルで同定してきた (Jakoby WB et al., 1974, Methods in Enzymology 46:1)。これらの方法はタンパク質の精製を必要とする。レセプター遺伝子をクローン化するためには、ペプチドの配列をそれ以上に決定する必要があり、この配列はそのタンパク質を発現するcDNAをクローン化するのに使用される。小分子は標識化され、その分子標的を決定するために使用される (Kwon HJ et. al., 1998, PNAS 95:3356)。代わって、小分子をアガロースマトリックスに固定化し、様々な細胞種および生物の抽出物のスクリーニングに使用できる。例えば、プルバラノールB(purvalanol B)(サイクリン依存キナーゼ阻害物質として既知)をアガロースマトリックスに固定化し、多様に収集した細胞種と生物の抽出物のスクリーニングに使用し、キナーゼ活性を持つ多数のタンパク質が単離された (Knockaert M et. al., 2000, Chem. Biol. 7:411)。一方、トラポキシンは、ヒストン脱アセチル化を阻害し、細胞サイクルを停止させるシクロテトラペプチドである。トラポキシンと共有結合で修飾された親和マトリックス上で、2つの核タンパク質が、分画細胞抽出物からヒストン脱アセチラーゼ活性によって同時に精製された。続いて、これらのタンパク質の配列が決定され、タンパク質をコードするcDNAがcDNAライブラリからクローン化された (Taunton J et al., 1996, Science 272:408)。
化学遺伝学は化学物質を使用して遺伝子機能を確認し、遺伝子発現や遺伝子機能に制御的変化を起こすための新たで強力と考えられるアプローチである。しかし、今日まで、その化学遺伝学的アプローチも、その対象薬物がすでに市場に出回っている既知標的を用いたハイスループット細胞に基づく従来のスクリーニングアッセイによって、これらの既知標的にヒットするより多くの物質を見出すという、伝統的な薬物発見プロセスから飛躍的な進歩は見られていない。化学遺伝学の現状は、Haggarty SJらによる研究(2000, Chem Biol 7:275)によって説明されるが、その研究では139種類の化合物が、細胞に基づくアッセイにおいて、有糸分裂阻害に対するChembridge Diversetライブラリのハイスループットスクリーニングから同定され、続いてインビトロチューブリン重合アッセイ法によって分析された。139個の化合物のうち52個はコルヒチンと同じメカニズムでチューブリンを不安定にするアンタゴニストであった。1つの化合物はタキソールと同様なメカニズムによって、チューブリンを安定化させるアゴニストであることが実証された。86個の化合物には作用はなく、非チューブリン標的を通じ、有糸分裂をモジューレトする傾向であった。染色体および細胞骨格に対する目で見える作用に基づいて、非チューブリン標的をターゲットする化合物に対し、7個がチューブリンの弱いアンタゴニストであると考えられており、1個(モナステロール)はキネシン関連タンパク質Eg5を阻害することが認められた (Mayer et. al., 1999, Science 286:971)。Haggarty SJらの実験では、20〜50 μMのリガンド濃度でアッセイが実施されたことから、低親和性リガンドが選択されている。しかし、標的機能を決定する段階では、低親和性リガンドの価値は限定される。
一旦標的物質が確認されると、生物学的アッセイとメカニズムに基づくアッセイの2つの主なスクリーニング法が適用される(Gordon et. al., 1994, J. Med. Chem. 37:1386)(非特許文献1)。生物学的アッセイでは、生存度または代謝によってスクリーニングされた化合物の細胞1個に対する作用を測定する。例えば、ペニシリンは細菌培養中、成長が抑制されたことで発見された。メカニズムに基づくアッセイには、酵素活性への作用を測定する生化学的アッセイ、標的およびレポーターシステム(例えば、ルシフェラーゼまたはβ−ガラクトシダーゼ)が1つの細胞に導入された細胞ベースのアッセイ(Monks A et. al., 1997, Anticancer Drug Des. 12: 533)、または結合アッセイなどがある。結合アッセイは、ウェル、ビーズ(Boswoth N et al., 1989, Nature 1989, 341:167; Meldal M, 1994, PNAS 91, 3314)、またはチップ(Sunberg S, 2000, Curr. Opin. In Biotechnol 11:47)に固定された標的、あるいは固定化抗体によって捕獲された標的を用いて実施され、通常、結合したリガンドは熱量計により、または蛍光を測定することにより検出される(Sunberg S, 2000, Curr. Opin. In Biotechnology 11:47)。
Gordon et. al., 1994, J. Med. Chem. 37:1386
本発明は、機能未知な標的物質を使用し、続いてアッセイで使用する化学物質ライブラリから小分子を選択し、標的の機能を決定する段階に関連する。本発明によれば、化学ライブラリのメンバーを生化学的結合アッセイによりタンパク質と混合し、続いて結合するメンバーを(順番にまたは同時に)インビトロまたはインビボで生物学的アッセイを行い、生物学的あるいは病理学的条件下で、測定可能な表現型の変化から遺伝子機能を決定する。
5.1. 遺伝子型から表現型へ
1つの局面において、本発明は、タンパク質または核酸標的を多数の可能なリガンドに曝露させ、リガンド−標的対を収集し、そして標的と結合するリガンドを使用して標的物質の生物学的機能を分析する方法に関連する。1つの実施例を図1に概略する。この方法は、今まで知られていない標的物質の機能を決定するために使用され得る。標的分子に結合する候補リガンドを選択する他の多数の方法が本書に記載されている。セクション5.1.1〜5.1.5の下にリストされた全実施例は、本発明のいずれの方法でも使用できる。
本発明によれば、標的分子とは、それに結合または反応する分子が模索されている化合物である。好ましい実施例では、標的は、反応容器中の最大の濃度で存在する物質である。様々な好ましい実施例では、標的は、反応容器のリガンドと同じ濃度で存在している。さらに他の好ましい実施例で、その標的は、各リガンド濃度または、候補リガンドの全混合物濃度よりも高いかまたは低い。他の好ましい実施例で、標的は、反応容器中の最小濃度で存在する物質である。発明の1つの実施例で、標的は、反応容器中の最大の分子量を有する物質である。標的は、インビボまたはインビトロで合成された天然に存在する生体分子であってもよい。標的は、アミノ酸、核酸、糖、脂質、天然物質またはそれらの組み合わせでもよい。instant発明の利点は、標的物質の正体または機能の予備知識を必要としないことである。
本発明によれば、リガンドは、ターゲットに結合するか、生物学的アッセイで効果を発揮するかの両方または一方の可能性がある分子である。遺伝子型から表現型へのアプローチの様々な実施例において、リガンドまたは候補リガンドの混合物の濃度は、反応容器中でターゲット濃度よりも低い。遺伝子型から表現型へのアプローチの他の実施例において、リガンドまたは候補リガンドの混合物の濃度は、反応容器中でターゲット濃度と同じである。遺伝子型から表現型へのアプローチのさらに他の実施例において、リガンドまたは候補リガンドの混合物の濃度は、反応容器中でターゲット濃度よりも高い。標的は、アミノ酸、核酸、糖質、脂質、天然物質、天然物質様化合物またはそれらの組み合わせでもよい。リガンドは、化学的方法のいずれの組み合わせからも作製され得る。また、リガンドは天然に存在する生体分子をインビボまたはインビトロで合成された物かもしれない。リガンドは、別の化合物から随意に誘導体化され得る。この修正の1つの利点は、誘導体化する化合物を、リガンド-標的複合体の収集またはリガンドの収集を容易にするために、例えば、リガンドと標的を分離した後に、使用できることである。誘導体化グループの限定されない試料には、ビオチン、フルオレセイン、ジゴキシゲニン、緑色蛍光タンパク質、放射性同位体、ポリヒスチジン、磁気ビーズ、グルタチオンS トランスフェラーゼ、光活性化架橋剤あるいはそれらの組み合わせが含まれる。
本発明によれば、1対のリガンド−標的対を用いて、解離定数(Kd)が20 μM未満、好ましくは約1 μM未満のリガンドと標的間の親和性を説明している。本発明はさらに、Kd ≦ 100 nM、Kd ≦ 100 pM、Kd ≦ 100 fMのリガンド-標的相互作用を予期している。これらの相互作用は共有結合性または、非共有結合性である。リガンド−標的対のリガンドは、他の標的に親和性を示すことも示さないこともある。リガンド−標的対の標的は、他のリガンドに親和性を示すことも示さないこともある。
本発明の好ましい実施例において、リガンド−標的対は液体クロマトグラフィーによって、非結合リガンドおよび非結合標的から分離され、次いで、リガンド−標的対は2段階目の液体クロマトグラフィーによって各対に分離され、さらに結合しているリガンドが質量分析によって同定される。本発明の様々な実施例において、溶液相中の結合は、ウェル、試験管、またはカラム内で起こり得る。キャピラリー電気泳動、および/または他の検出方法が、ライブラリからリガンドを逆重畳積分するために使用され得る。特に、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)と質量分析またはキャピラリー電気泳動と質量分析で、非常に高感度で分子を測定できる。さらに、この技法は、化学ライブラリの少量の各メンバーを至適に利用するのに重要である、極少量の使用で実行できる。例えば、化学ライブラリの20,000 未満のリガンドは、96個のウェルプレートの各ウェル内で、約100 μL でタンパク質1 μg中10 μM 以下の濃度で、再び結合するために、タンパク質とプールされ得る。好ましい実施例で、各ウェルのカラムとして作動するために、HPLC はカートリッジ付き96(個)ウェルプレートで実行される。別の実施例で、分離は、カラム、ウェル、カートリッジ、チップ、またはフィルタを用い、384個、1536個、あるいは 10,000個以上のウェル型で同時に実行される。また、この分離は、標準のHPLCカラム、スピンカラム、または他のカラムで実行され得る。最初のカートリッジ/カラムは、樹脂中の非結合分子を保持するが、結合リガンドとタンパク質を通過させるために、ゲル透過あるいはサイズ排除、またはゲル濾過型(例えば、G25様樹脂、Pharmacia)であり得る。少量の試料量が望まれ(好ましくは1〜100 μL 以下)るが、さらにこの手順で試料は1桁以上希釈され得る。その故、試料の希釈を最小にするため、好ましくは、直径1〜2 mm以下、長さ5〜200 mm(Rocket Column、BioradまたはPharmacia 社製カラム)の、小さくて径の狭いカラムを使用することが有用である。 キャプラリー液体クロマトグラフィーも使用できる。この樹脂によって、高い親和性で(Kd ≦ 1.0 μM)で結合している小分子を伴ったタンパク質が分離される。次のカートリッジ/カラムでは、疎水性または親水性逆相HPLC樹脂を使用するであろう。使用するリガンドライブラリの疎水性によって以下のような樹脂を選択する。すなわち、C18(シリカ疎水性-疎水性が低いリガンド用)、C8カラム(より親水性で、より疎水性なリガンド用)、シアノカラム(より親水性なリガンド用)または、親水性あるいは疎水性リガンドどちらにも使用できるAgilent社SB8Uである。これらの逆相HPLCで、タンパク質に結合している小分子リガンドをタンパク質から分離し、小分子とタンパク質試料を樹脂結合を通じて濃縮する。続いて、小分子はタンパク質と樹脂から溶出され、溶出物は96(個)ウェルプレートで収集され得る。開始物質の量が既知であれば、この操作で親和性も測定し得る。また、後に、結合親和力を測定するために競合試験を実行できる。
HPLCに基づくアッセイ法
薬物様化学的骨格の収集物を表す薬物様化学的化合物(Sigma-Aldrich, ICN, Calbiochem)の重さを量り、各最終濃度が20 uM となるように50 mM 酢酸アンモニウムpH 7の10%メタノール溶液中で混合した。 1 uM〜20 uM チューブリンまたはP38 MAP キナーゼ(Sigma)をHPLC用 少量試料キュベットに入れ、0.5 uM〜20 uM の化合物と混合した。混合し37℃で15 分間インキュベーション後、キュベットを氷上に置き、自動注入装置(Waters)でHPLC (Waters 2690) に注入した。HPLCの条件は、デュアルサイズ排除および相分離型150 mm X 2.1mm ID Pinkerton GFF II カラム (Regis Technologies) を使用し、使用バッファーは50 mM 酢酸アンモニウム10%メタノールであった。標的タンパク質と結合化合物はDiodeアレイ検出器によって検出され、カラムのボイド(空隙)容量内で溶出され、ほとんどの化合物は波長243 nm でよく吸収された。ある場合には、低濃度の各化合物(0.5〜5 mM)および1個づつの分離が容易と思われる10個未満の化合物を低濃度で使用すると、2つの標的タンパク質を滴定し、さらに標的タンパク質の1つに結合し、非特異的な対照物質には結合しないことが既知な特異的化合物のUV吸収波長においてその滴定を観察することが可能であった。
SKB86002は、P38 MAPキナーゼ標的タンパク質とマイクロモル単位で親和性のあるリガンドである。P38 MAP キナーゼ(5 uM)を、5 uMの 86002 と混合させ、ジオールカラムのHPLCで分離した(図3)。タンパク質画分を採取し、質量分析計で分析した。スペクトル上の親ピーク、フラグメント、および同位体ピークは86002の標準物質に相当し、このことは、P38 MAP キナーゼがマイクロモル単位の親和性を持つ特異的なリガンドを単離し、抽出していることを示している。
薬物様化学骨格構造(Sigma-Aldrich, ICN, Calbiochem)の収集を表す薬物様化学物質の重さを計り、各物質の最終濃度が20 uM となるように、pH 7の50mM酢酸アンモニウム10%メタノール溶液に混合した。5 uM〜20 uM ウシ血清アルブミン(BSA)またはチューブリン(Sigma)をHPLC用 少量試料キュベット(Waters)に入れ、5 uM〜20 uM の化合物と混合した。混合後、37℃インキュベーションを15分間し、キュベットを氷上に置いた。図9に挙げた100種混合化合物の50 uL を、あらかじめ結合バッファーで2回洗浄し(すなわち、各洗浄操作では、50 mM 酢酸アンモニウム10%メタノールバッファー200 uL を加え、さらにカラムを通過させるようにしたバッファーを1.5 mL の微量遠心管(Eppindorf)中で、回転数の最大設定値において30秒から1分間微量遠心機(Eppindorf)で遠心させる)、バッファーと平衡状態にしてある、MicroSpin G-25 (Amersham Pharmacia Biotech)スピンカラムの上清に添加された。このようなスピンカラムは、一般的に標識化後DNAプローブ用にバッファーの脱塩および交換に使用されるが、G-25 は分子量が25KD以上の分子を削除する従来のサイズ排除樹脂の1つである。スピンカラムを続いて1.5 mL の微量遠心管(Eppindorf)に入れ、微量遠心機(Eppindorf)の最大設定で30秒間遠心させた。また、吸引させるとスピンカラムから溶液を引き出すことができ、スピンカラムは、スピンカラム/カートリッジを96(個)ウェル型で整列し、吸引マニホールドを使用して、溶液をカラムから96(個)ウェルプレートに引き出す場合に特に有用である。
ウシ血清アルブミン(BSA, Sigma)5 uM を、各化合物の最終濃度が5 uM となるように100種化合物に混合した(図13)。混合物の半量(50 uL)をMicro-Spin G-25 カラムの上部に層状に添加し、遠心分離した。タンパク質を含む画分を遠心分離管の底部に採取した。初回のタンパク質/化合物混合物をスピンカラム分離法によって分離した後のタンパク質/化合物混合物と比較し、タンパク質が十分生成されていることをUV吸収から観察した。同じプロトコールを20 uM のチューブリンと20 uM の100種混合物との混合に適用し、溶出タンパク質含有画分の質量スペクトルを測定すると、コルヒチンの特徴を持つピークが、他のピークよりはるかに高い強度に生じた。この場合のバックグランドピークは、HPLC カラムの分離によって観察されたものよりも僅かに高かったが(図14)、スピンカラムによる分離速度および測定の拡張性は非常に魅力的である。例えば、これらの方法は、10、20、40、50、75、100、200、500、1000、2000、5000、10000個、あるいは それ以上の化合物のライブラリまた、より多くの化学骨格構造のライブラリを分析するのに使用でき得る。
本発明は、標的タンパク質と本書で記載した分離方法を用いて単離した混合物から、1つの化合物を同定するための、質量スペクトルのパターン認識分析の方法を提供する。
標的分子機能を系統的に分類するために、各標的のヒット化合物を細胞や組織を使用したアッセイによってスクリーニングし、疾病病因に対する主要分子の各メカニズムを示し得る。標的が示差的発現解析法に基づいて最初に選択される場所で、その示差的発現に特に関連するアッセイが好ましい(例えば、がん細胞の示差的発現解析から標的が生じた場所に特に関連することもある)。この一連のアッセイ法には、アポトーシス、増殖、虚血/壊死、炎症、線維症、血管形成、代謝シグナル伝達、感染および発生/分化などを検出または測定するアッセイを含むが、これだけに限定されない。病因発生経路に注目し、疾病および細胞に特異的な標的を研究することにより、多数の治療領域に対する新しい標的分子が同定され得る。このパネルの目的は、重要な疾病、つまり慢性変性疾患(例えば、アルツハイマー病、変形性関節症、骨粗鬆症)、代謝疾患(例えば、糖尿病、肥満)、炎症疾患、がん、心血管系疾患(例えば、冠動脈疾患、高血圧、うっ血性心不全、心筋症、慢性腎不全)および感染症(例えば、ウィルス、細菌、原虫および薬剤耐性のメカニズム)を含み、これだけに限定されないが、これらの原因となる分子経路の小分子/タンパク質をスクリーニングすることである。アッセイは、同じアッセイが最初に細胞で使用され、疾患患者の生検組織での追跡検査が行えるようにデザインされる。有毒な可能性のある分子を同定するために、壊死アッセイがすべての分子に実施され得る。業界で標準の96 ウェルのマイクロタイタープレートは、ハイスループットおよび超ハイスループットも除外されないが、表現型スクリーニングを実施するために十分なスケールを提供している。。アッセイは細胞株、一次細胞培養、組織生検、組織モデル、インビボ動物モデル、または他の生物で実施され得る。好ましい実施例では、生物学的アッセイは、ヒト細胞株と組織を使って実施される。他の実施例によれば、生物学的アッセイは、細胞、組織、臓器またはいかなる種族の生物全体を使って実施され得る。これらのアッセイでリガンドがプールできるが、各表現型のアッセイは、1つのウェルに付き1種の分子に対し実施され、表現型の作用を隠すようなアゴニストならびにアンタゴニスト相互作用を避けることが有用である。アッセイでは、疾病細胞または組織を、疾病や治療反応に関連すると思われる遺伝子で豊富にさせるが、これだけに限定されない。
別の一連の実施例において、本発明は、少なくとも1つの生物学的アッセイで多数の可能性のあるガンドをスクリーニングし、1つの生物学的アッセイで表現型の変化を生ずるリガンドを選択し、さらにそのリガンドを使用して標的候補物質をスクリーニングし、変化した表現型の原因となる特定の標的物質を同定する方法に関連する。様々な好ましい実施例で、個々のリガンド種は生物学的アッセイで別々にスクリーニングされる。生物学的アッセイで表現型に変化を与えるリガンドが、リガンド-標的相互作用を起こさせる条件下で多数の可能性のある標的に曝露され得る。本発明の様々な好ましい実施例において、標的はペプチドまたはタンパク質であり、各ペプチドや標的タンパク質はその標的をコードするポリヌクレオチドに関与している(例えば、ファージディスプレイまたは細胞表面ディスプレイ)。選択した標的とそれに対応するポリヌクレオチドが採取される。タンパク質の標的をコードするDNA配列が決定され、クローン化され、確認される。これら標的の示差的発現は、ヒト疾病組織生検、特に表現型の分子メカニズムが表現型に関連しているような組織で試験され得る。同様に、リガンドも、これらの疾病組織および/またはインビトロまたはインビトロの疾病モデルにおいて試験され得る。1つの実施例の概要を図2に示す。上述したように、5.1.1 〜5.1.5 の項で挙げた実施例はこれらのいずれの方法でも使用できる。
一旦、多くの遺伝子が発病の特定な分子経路に関連することが示されると、その標的分子は、相互に、さらに経路の既知メンバーに関連して分子経路内でマッピングされる。異なるタンパク質と結合するリガンドは、光活性化架橋剤で誘導体化され、経路中の各メンバーを位置づけるのに使用され得る。例えば、経路の1つのメンバーは最初に標識化される(例えば、GFP)。次に、架橋が可能な官能基を持つ誘導体化リガンドに、経路のメンバーが曝露される。続いて、その混合物が架橋刺激物に曝露される。最後に、経路内の選択されたメンバーが、標識化(例えば、GFP)によって採取され、それに会合するようになるどの化合物も同定される。この段階が、前部のまたは後部の経路メンバーを同定するために、順番に繰り返され得る。これらの方法は、架橋に先立って、前もってリガンドの結合部位を同定したり、標的分子の二次または三次構造を決定する必要がない利点を有する。
本発明は、リード化合物を最適化し、ヒットする割合を上げる方法を提供する。ここで、「リード化合物」とは、製薬的に好ましい特性を持つリガンドを意味する。好ましくは、そのリガンド分子は、技術的に「小さい」分子、例えば分子量が50〜3000 ダルトンの間の分子と考えられる。この方法は広い応用範囲を持っているが、タンパク質-タンパク質相互作用を妨害するリガンドを得るのに、特に有用である。
6.1. 実施例1:乳がん
6.1.1. 標的物質
少なくとも1名の乳癌患者からまず生検を採取する。レーザー捕獲顕微解剖および、ANRNAまたはRT PCR をマイクロアレイ分析法と併用して、がん性細胞内で識別的に発現される遺伝子を単離し得る。例えば、これらの技法を使用して、同じ生検中に、非がん性細胞よりも2倍以上のレベルでがん細胞に存在する転写物を同定し得る。また、その遺伝子は非がん性細胞内では過剰発現され得る。また遺伝子として、試験患者の有意な画分からそのようなレベルで発現される遺伝子が選択され得る。
最大2百万個のリガンドを含む、多様な化学物質、天然物様物質およびペプチドの組み合わせライブラリが、液相中でプールされた様式で合成され得る。さらに、天然物ライブラリ(Terragen, Yonsei)および化学物質ライブラリ(Arqule, Coelocath)が購入され得る。1,000〜10,000個のリガンドが最大100 μL 中で1μg のタンパク質と共に混合され、96ウェルプレートの1つのウェル内で1 μM の濃度となり得る。氷上で30分間インキュベーション後、試料は、カートリッジ付き96ウェルプレートに装填され、各ウェルにHPLC カラム(Waters 2790 HPLC)として操作され得る。最初のカートリッジ/カラムは、サイズ排除樹脂(G25、Pharmacia)であり、樹脂中の非結合分子を保持するが、結合リガンドとタンパク質を通過させ得る。小型で狭いカラム(例えば、長さ2 mm x直径5 mm のRocket Column, Biorad)を使用し、この操作の希釈を最小に留める。次に使用するカートリッジ/カラムは、疎水性または親水性逆相HPLC樹脂であり、その選択は、使用するリガンドライブラリの疎水性に依存する。例えば、疎水性C18シリカカラムは、疎水性が低いリガンドに使用され、親水性C8カラムは、より親水性の高いリガンドに使用され得る。別例として、疎水性または親水性どちらのリガンドにも使用され得る、Agilant 社のSB8Uカラムが挙げられる。逆層HPLCは、小分子とタンパク質を、樹脂に結合させることによりそれらを濃縮し、その後、小分子がタンパク質と樹脂から溶出され得る。小分子を含む溶出物は96 ウェルプレートで採取され得る。これらの溶出物は、続いて、質量分析計(Micromass Quattro LC)に移動され、MassLynx、MAxENT ソフトウェア(Micromass)によってスペクトルが測定され得る。この方法は理論的にいって、1つのタンパク質に付き最大100個のリガンドが逆重畳積分され、正確なライブラリのメンバーそのものが、鏡像異性体を除き同定され得る。特に、質量分析は化合物の同位体または分解パターンを検出するために使用でき、その同位体・分解パターンいずれも代替え法として、または真の分子量と組み合わせて使用し、化合物を同定できる。さらに、IRまたはFTIR 分析を実施し、リガンドの官能基またはユニットが同定され得る。各リガンドが、続いて、合成されるか、または大規模スケールで合成され得る。ペプチドリガンドは、TAT形質移入配列で融合され得る。
cDNAががん細胞の示差的発現 に基づいて選択される場合、リガンドは、アポトーシス、増殖、壊死、血管形成、炎症、または転移がん浸潤を検出・測定するアッセイで試験され得る。本発明によれば、アッセイは、ヒト疾病にできるだけ近く(例えば、病理組織の生検、インビトロ組織モデル、インビトロ疾病モデル、ヒト細胞株)、細胞株に基づきヒト病理試料の一次組織に容易に適用されるモデルからデザイされる。これらのアッセイは、がんに関与していることが知られている遺伝子bcl-2を導入したマウスの組織から、開発され得る。アッセイされ得るヒト乳がん細胞株は、MCF-7、NCI/ADR HS578T、MDA-MB-22231/ATCC、MDA-MB-4335、MDA-N、BT-549、T-47D (NCI、ATCC)である。 他の細胞株と組織も使用され得る。生物学的アッセイの限定されない試料を表1に示す。
アポトーシスは、細胞膜ホスファチジルセリン結合色素 (FITC Annexin V、Cy5.5 のような別の色素も使用可)によって測定される。結合アッセイで同定された各タンパク質用に選択されたリガンドについて、色々な細胞株に対するアポトーシスが試験され得る。2x105〜2x108個の細胞を96ウェルプレートの各ウェルに入れ、1 μM〜10 μM 濃度の各リガンドを含む培養液がウェルに3ウェルづつ加えられる。少なくとも、陰性(リガンドなし)および陽性(bcl2 反応性リガンド)対照も実施される。1.5 時間後、FITC Annexin をウェルに加え、15分間細胞と共にインキュベートし、3回洗浄後、蛍光強度がプレートリーダーによって測定される。
細胞増殖は、増殖細胞核抗原(PCNA)に結合する、フルオレセインで標識化された抗PCNA 抗体(例えば、PC-10、Santa Cruz Biotechnology)に、細胞を曝露させることによりアッセイされ得る。結合アッセイで同定した各タンパク質用に選択されたリガンドについて、細胞株の増殖作用が試験され得る。2x105〜2x108個の細胞が96 ウェルプレートの各ウェル中に加えられる。各リガンドを1 μM〜10 μM 含んだ培養液がウェルに3ウェルづつ加えられ得る。少なくとも、陰性(リガンドなし)および陽性対照も実施される。2時間後、FITC抗PCNAをウェルに加え、15分間細胞と共にインキュベートし、3回洗浄後、プレートレーダーを用いて蛍光強度が測定され得る。PCNAアッセイ法は細胞および組織中ですでに使用されている(Kulldorff Mら、2000、 J. Clin Epidemiology 53:875)。増殖を阻害するリガンドは、乳がん患者の採取直後の腫瘍生検によって試験され得る。腫瘍生検の小片が96ウェルプレートに加えられ、上述と同じアッセイが各試料について2ウェルづつ繰り返えされる。蛍光値を読みとった後、試料は、蛍光顕微鏡下で評価され、その増殖が本当に影響を受けている細胞が、がん細胞であることを確認し得る。細胞増殖を測定する第二のアプローチは、BRDUまたは3H-チミジン摂取を観察する従来法である。 第三のアプローチによれば、細胞はCSFE色素(5、6 カルボキシフルオレセイン2酢酸サクシニミジルエステル)で標識化され得る。細胞が7 から 8 世代にわたり増殖すると、色素は希釈される。第四のアプローチでは、蛍光を使用したAttoPhosアッセイを利用し、内因性酵素酸性ホスファターゼを測定し、細胞数を測定する。増殖期決定のための7-ADD(7-アミノアクチノマイチンD)、またはKi67抗体による染色を含む、他の方法で増殖中の細胞を検出し得る。
壊死を検出する方法には、ヨウ化プロピジウムまたはTOTO-3のようなDNA結合色素による従来法があるが、これだけに限定されない。またミトコンドリア酵素の遊離を測定するメチルチアゾールテトラゾリウム(MTT)比色分析を使用して、細胞の生存度を決定し得る。本発明の好ましい実施例では、細胞生存度はDNA結合色素ヨウ化プロピジウムおよびTOTO-3で測定される。
血管形成の促進または抑制効果を試験するためにインビトロアッセイを使用し、培養したヒト皮膚微小血管内皮細胞の、β-FGFまたはウシ血清アルブミン(陰性対照)への移動を、阻害対照のアンジオスタチン濃度を増加し、また別なウェル中のリガンド濃度を増加することにより、測定する(Clonetics, San Diego; Polverini PJら、1991、Methods in Enzymology 198: 440)。血管形成もまた長期にわたるイベントであり、そのためヒト生検モデルではヌードマウスでの成長が絶対に必要である。将来、抗血管形成作用をもつリガンドが発見されるなら、腫瘍中へ毎日3−5日続けて注入し、その後その腫瘍を取り出し、抗原に関連する蛍光抗因子VIIIで染色し、内皮細胞密度を測定してそのリガンドをアッセイできるようになる。
腫瘍の浸潤は、マトリゲル(Matrigel)細胞外基質で被膜されたチャンバーである、細胞基底膜浸潤チャンバーを使用してアッセイされ得る。細胞外基質が使用するウェルを被覆し、24ウェルプレート中で1つのチャンバーと他方のチャンバーから分ける(Becton Dickinson Labware)。結合アッセイで同定した各タンパク質用に選択されたリガンドについて、細胞株の浸潤作用が試験され得る。CSFE色素で標識化された細胞はFACSで測定されるか、インビボで細胞運命を追従するのに使用される。また、細胞は、3H-チミジンまたは他のマーカーで標識化できる。約2x105個の標識細胞を各ウェルに加え、1 μMまたは10 μM の各リガンドを含む培養液を、ウェルの上から半分に3ウェルづつ加える。CO2 培養器でインキュベーションを30時間行った後、膜チャンバーの両側をDMEM/0.1%BSA で3回すすぎ、上部表面を綿棒でこする。ウェル底部にある色素量は、蛍光プレードリーダーを用いて定量され得る。陽性ウェル中の膜を切り取り、底部の細胞数を計測できる。このインビトロアッセイ中で腫瘍浸潤に影響を与えるリガンドは、ヌードマウスのヒト腫瘍生検の組織学分析によって、さらにインビボで試験され得る。
細胞、組織、臓器または生体の発生および/または分化に対するリガンドの作用を試験するために、様々なアッセイが思索されている。限定のない実施例では、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスII陰性細胞か、単一多分化能骨髄リンパ開始細胞(ML-IC)のいずれかと共にリガンドをインキュベートし、さらにInaba K ら、1993、PNAS 90:3038または、Punzel M ら、1999、Blood 93:3750 に従った細胞学的および免疫学的方法により細胞発生運命が評価される。
末梢インスリン抵抗性は、II型糖尿病を引き起こす主な発病メカニズムであり、疾病による死亡原因の第4位であり、盲目、腎不全および切断の主要原因でもある。インスリンは、筋肉および脂肪細胞におけるグルコースの取り込み、肝および筋肉細胞におけるグリコーゲンの合成、脂肪細胞および肝細胞による脂肪生成、および肝細胞におけるグルコース生成の抑制などを促進させる。NIDDM(インスリン非依存性糖尿病)は、骨格筋および脂肪細胞へのインスリン刺激グルコース取り込みの障害、肝における糖新生の阻害障害およびインスリン分泌調節障害の可能性などの特徴を有する。その経路は、部分的にしか分かっておらず、末梢インスリン抵抗性の原因となる分子は知られておらず、こういった状況は本発明の方法を適用するの適している
上述のアプローチを使用して、多能性分泌タンパク質のシグナル経路内にある未知遺伝子の機能を同定確認し、組織特異的な方法で毒性作用から治療的応用効果を取り出し得る。TGFβ1 は、多数の細胞種における強力な成長阻害物質としてよく知られており、またタイプ II TGFβ レセプタ、Smad 2またはSmad 4 は、多数の癌細胞で変異することが知られている (Kim SJ, 2000, Cytokine Growth Factor Rev. 11: 159)。一部の腫瘍抑制遺伝子(DPC4)はSMADファミリーのメンバーであり、T細胞免疫応答の強力なダウンレギュレーターである(Prud'homme GJ, 2000, J. Autoimmun. 14:23)。この成長阻害およびアポトーシス誘発経路調節を使用して、がん細胞の成長を阻害し、自己免疫中にT 細胞の耐性を誘発し、TGFβ 経路の遮断によってがん抗原への耐性を破壊するような新規な治療薬が開発され得る。
7.1.1. 表現型の検出
6.1.3.1 項および6.1.3.2.項 で記載されている腫瘍細胞のアポトーシスおよび増殖アッセイを、例えば384ウェルプレート型を用いてハイスループットスクリーニングに適用し得る(Applied Biosystems FMAT 8100)。アポトーシスおよび壊死を同時にアッセイし得る。アポトーシスおよび壊死については、Cy5.5 Annexin V アッセイおよびTOTO 3 試薬をそれぞれ使用し得る(Applied Biosystems)。Cy5.5 標識化抗PCNA抗体(PC-10、Santa Cruz Biotechnology)を、細胞増殖アッセイに使用し得る。アッセイされ得るヒト乳がん細胞株の限定されない例として、MCF-7、NCI/ADR HS578T、MDA-MB-22231/ATCC、MDA-MB-4335、MDA-N、BT-549、T-47D(NCI、ATCC)が挙げられる。アッセイされ得るヒト前立腺がん細胞株の限定されない実施例は、DU-145、PC-3、LNCaPである。アッセイされ得るヒト大腸がん細胞株の限定されない例として、COLO 205、HCC-2998、HCT-15、HCT-116、HT29、KM12、SW-620が挙げられる。アッセイされ得るヒト肺がん細胞株の限定されない例として、A549/ATCC、EKVX, HOP-62、HOP-92、NCI-H23、NCI-H226、NCI-H322M、NCI-H460、NCI-H522が挙げられる。1x105〜1x108個の細胞を384 ウェルプレートの各ウェル中に加え得る。1 pM〜1 M、好ましくは1 μM〜10 μM のリガンドライブラリ中の有望な各リガンドを含む培養液(上述5.1.2 項でリストされている限定されない例)を試験するウェル中に3ウェルづつ加える。陰性(リガンドなし)および陽性(スタウロスポリン)の対照を含む。≦20 μM で表現型の作用を有するリガンドは、本発明によれば標的同定の優れた候補分子である。
本発明の重要な利点は、従来技術と異なり、1つ以上の生物学的アッセイで作用を持つことが認められたリガンドの標的が、そのリガンドを用いて同定し得ることである。本発明によれば、標的を同定するのに使用し得るアプローチは多数存在する。
上述のいずれの方法によってディスプレイされた有望な標的物質をリガンドに曝露し得る。リガンドを、表面、ビーズまたはカラム上に固定化されるか、または使用する分離方法に依存して溶液中に存在し得る。本発明の最初の実施例で、リガンドを、表面上で直接固定化、直接標識化、または検出され得る。本発明の第二の実施例では、これ以前の例で図解されているように、標的分子がディスプレイされているリガンド-標的分子対の採取を容易にするように、リガンドを親和性標識物質で誘導体化させ得る。このような親和性標識物質の限定されない例として、ビオチン、ジゴキシゲニン、または抗体が含まれる。リガンドと結合するディスプレイされた標的分子を、結合していない標的から分離し、その標的をコードする配列を標準クローン化およびDNA配列決定法によって同定し得る。
また、対象リガンドを複数の有望な標的と組み合わせるために6.1.2項で述べた方法を用い、リガンド-標的対を採取し、リガンドおよび標的を随意に解離させることによって、標的の同定を達成し得る。続いて、標的を同定し得る。本発明の1つの実施例で、標的は、一般的な方法(例えば、アミノ酸配列決定、質量分析および/またはNMR)によって同定され得るタンパク質である。タンパク質を一旦同定すると、標準のプロテオミクスによって疾病細胞との関連性を決定し得る。
一旦、幾つかの遺伝子が発病の特定な分子経路に関与することが示されると、その標的成分を、他の分子経路の構成成分に関連して分子経路内でマッピングできる。異なる分子経路の構成成分に結合するリガンドは、光活性化架橋剤によって誘導体化され得る。少なくとも1つの既知分子経路の構成成分が、GFPのようなマーカーで融合される。以下示す物質をインビボおよびインビトロで組み合わせ得る。(i) 既知分子経路の構成成分と結合する誘導体化リガンド、(ii) マークした経路の構成成分、例えば、GFP融合タンパク質、(iii) 別の分子経路の構成成分と結合あるいは結合する可能性のある、少なくとも1個の誘導体化リガンド、および(iv) 他の分子経路の構成成分。架橋を起こす刺激物質を適用して、得られる複合体の各成分を同定する。この方法で、各分子経路の構成成分を、分子が相互作用する他の成分に関連してマッピングし得る。本発明のさらなる利点は、経路エフェクターがこの方法によって同定され得ることである。さらに、各経路の構成成分のプロファイルが、もしあれば、その経路を通じて作用する既知薬物と比較し、さらに比較試験をその発病経路によって起こされる異なった疾病の細胞に基づいたアッセイで行うことが出来る。この情報は、特定の疾病適応に対しベストな標的を確認し選択するために使用できる。また代わりに、この情報は、特定な患者に対し、薬理遺伝学によるベストな治療法を選択する場合にも使用し得る。
多数のリード化学物質が生化学的および表現型レベルで特徴付けられるので、構造活性相関(SAR)が確証され、リード化合物の最適化の基礎となり得る。類似活性を持つ2-3個の分子が同定されると、アッセイでその構造と活性を比較することによりSAR を決定できる。標的に的を絞った合成技術を使用して、お互いに近くで結合している分子を架橋することができ、その結果、結合分子の作用が、タンパク質の同じサブサイトまたは、標的タンパク質の異なるサブサイトを通して仲介されるかを示すことが出来る。この方法で、標的上で追加される別の機能を持つサブサイトがマップされ、異なるメカニズムを、これらのサブサイトで結合する分子による表現型の結果から解釈することができる(例えばアゴニスト対アンタゴニスト)。
当該発明は、表現型を遺伝子型に関連づけるようにシリカ(in silica)でマッチする各リガンドまたはリガンドセットに対する、リガンド-標的(遺伝子型)およびリガンド-生物学的アッセイ(表現型)の化学的フィンガープリントを確立する方法を提供する。
続いて、これらのシステムを使用して、示差的発現データがないか、または特定な疾患に焦点を当てない場合でも標的機能を予測できるように導き得る。さらに、これらのシステムはユーザーを、特異的な作用を持つリガンドおよび標的を選択するように導き得る。さらなる利点は、本システムは必要な結合に関する実験および生物学的アッセイの数を減らし得ることである。他の利点は、熟練した技術者には明らかである。
図18および19に図解したような高度に自動化されたアプローチは、本発明の別な実施例である。このアプローチには、化合物ライブラリからリガンドを決定するには量が不十分な場合でも、発現ベクターのハイスループット構築、タンパク質生成、および1週間に>20 のタンパク質の生成を可能にする精製装置が含まれる。これに引き続き、化学アレイアセッイのようなハイスループットアッセイを行い、標的骨格構造の対を同定する。これらの標的骨格構造対は、図17に概略したような利用法を持つ化学アレイデータベースを構成する。
前述の記載から、様々な利用および条件に本発明を適用するために、本書に記した本発明に変更および修飾を行い得ることは明らかである。そのような実施例は、また、特許請求の範囲内にある。
Claims (107)
- 標的分子に結合する候補リガンドを選択する方法であって、
(a)標的分子を含むインビトロ試料と候補リガンドのライブラリとを、該標的分子と1つ以上の該候補リガンドとの間で複合体が形成され得る条件下で接触させる段階(ここで該ライブラリは少なくとも2つの異なる化学的骨格または少なくとも11種類の化合物を含む)、
(b)前記複合体を単離する段階、
(c)1つ以上の前記候補リガンドを前記複合体から回収する段階、および
(d)1つ以上の回収した候補リガンドを同定する段階
を含む方法。 - 段階(d)が、前記の回収した候補リガンドのMS、IR、FTIR、NMR、および/またはUVスペクトルを測定することを含む、請求項1記載の方法。
- 少なくとも100個の異なる候補リガンドを同時に前記標的分子と接触させる、請求項1記載の方法。
- 標的分子に結合する候補リガンドを選択する方法であって、
(a)標的分子を含むインビトロ試料と候補リガンドのライブラリとを、該標的分子と1つ以上の該候補リガンドとの間で複合体が形成され得る条件下で接触させる段階、
(b)前記複合体を単離する段階、
(c)1つ以上の前記候補リガンドを前記複合体から回収する段階、および
(d)回収した候補リガンドの質量スペクトル中の同位体ピークまたはフラグメントピークの質量/電荷比を決定する段階により、該回収候補リガンドを同定する段階
を含む方法。 - 少なくとも100個の異なる候補リガンドを同時に前記標的分子と接触させる、請求項4記載の方法。
- 段階(d)が、前記回収候補リガンドの質量スペクトル中の親ピークの質量/電荷比を決定する段階を更に含む、請求項4記載の方法。
- 標的分子に結合する候補リガンドを選択する方法であって、
(a)未知の生物学的機能を持つ標的分子を含むインビトロ試料と候補リガンドのライブラリとを、該標的分子と1つ以上の該候補リガンドとの間で複合体が形成され得る条件下で接触させる段階、
(b)前記複合体を単離する段階、
(c)1つ以上の前記候補リガンドを前記複合体から回収する段階、ならびに
(d)回収した候補リガンドのMS、IR、FTIR、NMR、および/またはUVスペクトルを測定することにより、該回収候補リガンドを同定する段階
を含む方法。 - 少なくとも100個の異なる候補リガンドを同時に前記標的分子と接触させる、請求項7記載の方法。
- 標的分子に結合する候補リガンドを選択する方法であって、
(a)標的分子を含むインビトロ試料と1つ以上の候補リガンドとを、該標的分子と1つ以上の該候補リガンドとの間で複合体が形成され得る条件下で接触させる段階、
(b)前記複合体を単離する段階、
(c)1つ以上の前記候補リガンドを前記複合体から回収する段階、ならびに
(d)回収した候補リガンドのIR、FTIR、NMR、および/またはUVスペクトルを測定することにより、該回収候補リガンドを同定する段階
を含む方法。 - 少なくとも100個の異なる候補リガンドを同時に前記標的分子と接触させる、請求項9記載の方法。
- 標的分子に結合する候補リガンドを選択する方法であって、
(a)第一標的分子および第二標的分子を含むインビトロ試料と候補リガンドのライブラリとを、該第一標的分子と1つ以上の該候補リガンドとの間で複合体および該第二標的分子と1つ以上の該候補リガンドとの間で複合体が形成され得る条件下で接触させる段階、
(b)候補リガンドに結合した前記第一標的分子を含む第一複合体を単離する段階、および候補リガンドに結合した前記第二標的分子を含む第二複合体を単離する段階、
(c)1つ以上の前記候補リガンドを前記第一複合体から、および/または前記第二複合体から回収する段階、ならびに
(d)1つ以上の回収した候補リガンドを同定する段階
を含む方法。 - 前記試料を、前記標的分子、前記第一標的分子、または前記第二標的分子と結合することが知られている競合リガンドと接触させる段階を更に含む、請求項11記載の方法。
- 標的分子の生物学的機能を決定する方法であって、
(a)未知の生物学的機能を持つ標的分子を含むインビトロ試料と候補リガンドのライブラリとを、1つ以上の該候補リガンドが該標的分子に結合し得る条件下で接触させる段階、
(b)前記標的分子と結合する候補リガンドを選択する段階、および
(c)選択した候補リガンドの生物学的アッセイにおける作用を測定することにより、前記標的分子の生物学的機能を決定する段階
を含む方法。 - 前記の選択した候補リガンドを同定する段階を更に含む、請求項13記載の方法。
- 標的分子の生物学的機能を決定する方法であって、
(a)疾病状態、生理学的刺激物質の存在下、または特定の細胞的もしくは生物学的過程において上方制御または下方制御される標的分子を含むインビトロ試料と候補リガンドのライブラリとを、1つ以上の該候補リガンドが該標的分子に結合し得る条件下で接触させる段階、
(b)前記標的分子と結合する候補リガンドを選択する段階、および
(c)選択した候補リガンドの生物学的アッセイにおける作用を測定することにより、前記標的分子の生物学的機能を決定する段階
を含む方法。 - 前記の選択した候補リガンドを同定する段階を更に含む、請求項15記載の方法。
- 前記の選択した候補リガンドが前記生物学的アッセイにおける前記標的分子の活性を増大させる、請求項15記載の方法。
- 前記の選択した候補リガンドが前記生物学的アッセイにおける前記標的分子の活性を低下させる、請求項15記載の方法。
- 標的分子の生物学的機能を決定する方法であって、
(a)標的分子を含むインビトロ試料と候補リガンドのライブラリとを、1つ以上の該候補リガンドが該標的分子に結合し得る条件下で接触させる段階、
(b)前記標的分子と結合した候補リガンドを選択する段階、および
(c)選択した前記候補リガンドが、疾病もしくは障害を有するかまたは生理学的刺激物質の存在下もしくは非存在下で特定の細胞的もしくは生物学的過程にある生物体の組織に及ぼす効果を測定することにより、前記標的分子の生物学的機能を決定する段階
を含む方法。 - 前記組織がヒトの組織である、請求項19記載の方法。
- 関心対象の標的分子に結合する2つのリガンドを反応させる方法であって、未知の二次構造または三次構造を有する標的分子を含む細胞またはインビトロ試料と、第一架橋剤を含む第一リガンドおよび第二リガンドとを、該標的分子が該第一リガンドおよび第二リガンドと結合しかつ該第一架橋剤が該第二リガンドと共有結合し得る条件下で接触させる段階により、該第一リガンドと該第二リガンドとを含む架橋生成物を形成させる段階を含む方法。
- 関心対象の標的分子に結合する2つのリガンドを反応させる方法であって、標的分子を含む細胞またはインビトロ試料と、第一架橋剤を含む第一リガンドおよび第二リガンドとを接触(ここで該標的分子における該第一リガンドまたは該第二リガンドへの結合部位の位置または三次構造は未知であり、かつ該接触段階が、該標的分子が該第一リガンドおよび第二リガンドと結合しかつ該第一架橋剤が第二リガンドと共有結合し得る条件下で実施される)させることにより、該第一リガンドと該第二リガンドとを含む架橋生成物を形成させる段階を含む方法。
- 関心対象の標的分子に結合する2つのリガンドを反応させる方法であって、標的分子を含む細胞またはインビトロ試料と、第一架橋剤を含む第一リガンドおよび第二リガンドとを接触(ここで該接触段階が、該標的分子が該第一リガンドおよび該第二リガンドと結合しかつ該第一架橋剤が該第二リガンドと共有結合し得る条件下で実施される)させることにより、該第一リガンドおよび該第二リガンドを含みかつ該標的分子に対して該第一リガンドまたは該第二リガンドより高い親和性を有する架橋生成物を形成させる段階を含む方法。
- 異なる標的分子に結合する2つのリガンドを反応させる方法であって、第一標的分子および第二標的分子を含む細胞またはインビトロ試料と、第一架橋剤を含む第一リガンドおよび第二リガンドとを接触(ここで該接触段階が、
(i) 該第一タンパク質の該第一リガンドへの結合、
(ii) 該第二タンパク質の該第二リガンドへの結合、および
(iii)該第一架橋剤の該第二リガンドへの共有結合
を可能にする条件下で実施される)させることにより、該第一リガンドと該第二リガンドとを含む架橋生成物を形成させる段階を含み、ここで、該第一標的分子における該第一リガンドへの結合部位の位置もしくは三次構造および/または該第二標的分子における該第二リガンドへの結合部位の位置もしくは三次構造は未知である方法。 - 前記架橋生成物の形成が、前記第一タンパク質および前記第二タンパク質とがインビボで相互作用することを示す、請求項24記載の方法。
- 第一タンパク質に結合する第二タンパク質を単離する方法であって、
(a)第一タンパク質および第二タンパク質を含む細胞またはインビトロ試料と、第一架橋剤を含む第一リガンドおよび第二リガンドとを、
(i) 該第一タンパク質の該第一リガンドへの結合、
(ii) 該第二タンパク質の該第二リガンドへの結合、および
(iii)該第一架橋剤の該第二リガンドへの共有結合
を可能にする条件下で接触させる段階により、該第一リガンドと該第二リガンドとを含む架橋生成物、ならびに該架橋生成物、該第一タンパク質、および該第二タンパク質を含む複合体を形成させる段階、
(b)前記複合体を単離する段階、ならびに
(c)前記複合体中で、または前記複合体から回収した、前記第一タンパク質および/または前記第二タンパク質を同定する段階
を含む方法。 - 前記第一タンパク質が検出可能な基を含む、請求項26記載の方法。
- 前記第二リガンドが架橋剤を含む、請求項26記載の方法。
- 前記架橋生成物の形成が、前記第一タンパク質と前記第二タンパク質とがインビボで相互作用することを意味する、請求項26記載の方法。
- 前記架橋生成物の前記標的分子に対する親和性が、前記第一リガンドまたは前記第二リガンドの前記標的分子に対する親和性よりも高い、請求項26記載の方法。
- 前記架橋生成物が、薬物の発見もしくは開発またはリード化合物の最適化において使用される、請求項26記載の方法。
- 前記架橋生成物が、農業用または環境用の物質の開発に使用される、請求項26記載の方法。
- 関心対象の小分子と結合する候補標的分子を選択する方法であって、
(a)アミノ酸以外の部分を持つかまたは4000ダルトン未満の分子量を持つ関心対象の小分子を含むインビトロ試料と、標的分子候補のライブラリとを、該関心対象の小分子と1つ以上の該標的分子候補との間で複合体が形成され得る条件下で接触させる段階(ここで該標的分子はファージ表面で発現されない)、
(b)前記複合体を単離する段階、および
(c)1つ以上の前記標的分子候補を前記複合体から回収する段階により、前記の関心対象の小分子に結合する1つ以上の標的分子候補を選択する段階
を含む方法。 - 段階(a)に先立ち、前記の関心対象の小分子を、生物学的アッセイ中のその作用に基づいて小分子ライブラリから選択する、請求項33記載の方法。
- 関心対象の小分子に結合する標的タンパク質を選択する方法であって、
(a)表面タンパク質に共有結合した標的タンパク質を含むタンパク質融合体を細胞集団内で発現させる段階(ここで該発現段階は該タンパク質融合体が該細胞表面にディスプレイされ得る条件下で実施する)、
(b)前記細胞を、アミノ酸以外の部分を持つかまたは4000ダルトン未満の分子量を有する、関心対象の小分子と接触させる段階、および
(c)前記の関心対象の小分子と結合した前記細胞を選択する段階により、前記の関心対象の小分子に結合する前記標的タンパク質を選択する段階
を含む方法。 - 前記細胞が哺乳動物細胞、細菌細胞、酵母細胞または昆虫細胞である、請求項35記載の方法。
- 関心対象の小分子に結合する標的タンパク質を選択する方法であって、
(a)表面タンパク質に共有結合した標的タンパク質を含むタンパク質融合体を細胞集団内で発現させる段階(ここで該発現段階は、該タンパク質融合体がウイルスに感染した該細胞から遊離した該ウイルスの表面上でディスプレイされ得る条件下で実施する)、
(b)前記ウイルスを関心対象の小分子と接触させる段階(ここで、関心対象の小分子とは、
(i)核酸である、
(ii)糖質である、
(iii)脂質である、
(iv)アミノ酸以外の部分を有する、
(v)750ダルトン未満の分子量を有する、または
(vi)細菌により天然に生成されない分子ではない
)、および
(c)前記の関心対象の小分子と結合した前記ウイルスを選択する段階により、前記の関心対象の小分子に結合する前記標的タンパク質を選択する段階
を含む方法。 - 前記ウイルスがバクテリオファージまたはアデノウイルスである、請求項37記載の方法。
- 関心対象の小分子に結合する標的タンパク質を選択する方法であって、
(a)標的タンパク質のライブラリを細胞集団またはインビトロ試料内で発現させる段階(ここで各標的タンパク質は、標的タンパク質をコードする核酸と共有結合している)、
(b)前記細胞またはインビトロ試料と、アミノ酸以外の部分を有するかまたは4000ダルトン未満の分子量を有する関心対象の小分子とを接触させる段階、および
(c)前記の関心対象の小分子と結合した前記の標的タンパク質を選択する段階
を含む方法。 - 前記の選択された標的タンパク質を同定する段階を更に含む、請求項39記載の方法。
- 少なくとも100個のヒト標的タンパク質を前記の関心対象の小分子に接触させる、請求項39記載の方法。
- 前記の関心対象の小分子が天然に存在しない分子である、請求項39記載の方法。
- 該標的分子を薬物標的として確認する前に、該標的分子と結合するかまたはその活性を調節する候補化合物を選択する方法であって、
(a)以前に薬物標的として確認されていない標的分子を含む細胞またはインビトロ試料と候補化合物のライブラリとを、1つ以上の該候補化合物が該標的分子に結合するかまたはその活性を調節し得る条件下で接触させる段階、および
(b)前記標的分子と結合するかまたはその活性を調節する候補化合物を選択する段階
を含む方法。 - 前記ライブラリが少なくとも5個の候補化合物を含む、請求項43記載の方法。
- (c)前記の選択された候補化合物の作用を生物学的アッセイにおいて測定することにより前記標的分子の生物学的機能を決定する段階を更に含む、請求項43記載の方法。
- 標的分子と結合するかまたはその活性を調節する候補化合物を選択する方法であって、
(a)第一標的分子および第二標的分子を含む細胞またはインビトロ試料と候補化合物のライブラリとを、1つ以上の該候補化合物が該第一標的分子と結合するかまたはその活性を調節しかつ1つ以上の該候補化合物が該第二標的分子と結合するかまたはその活性を調節し得る条件下で接触させる段階、
(b)該第一標的分子と結合するかまたはその活性を調節する候補化合物を選択する段階、および
(c)該第二標的分子と結合するかまたはその活性を調節する候補化合物を選択する段階
を含む方法。 - 前記細胞またはインビトロ試料が少なくとも5個の標的分子を含み、かつ該標的分子各々に対して、該標的分子に結合するかまたはその活性を調節する候補化合物が選択される、請求項46記載の方法。
- 前記標的分子に結合するかまたはその活性を調節するリガンドおよびその能力の記録に関連する該標的分子の記録を少なくとも10件含む、電子データベース。
- 生物体プロテオーム中の少なくとも0.5%のタンパク質の記録を含む、請求項48記載のデータベース。
- 標的ドメインに結合するリガンドおよびその能力の記録に関連する該標的分子ドメインの記録を少なくとも10件含む、電子データベース。
- 前記標的分子に結合するかまたはその活性を調節するリガンドおよびその能力の記録に関連する、薬物標的として以前に確認されていない多数の該標的分子の記録を含む、電子データベース。
- 請求項48、50、または51記載のデータベース、および、(i)コンピュータにその記録が保存されている標的分子に結合するかもしくはその活性を調節する1つ以上のリガンドを表示できる、または(ii) 該コンピュータにその記録が保存されているリガンドに結合するかもしくは該リガンドにより調節される活性を有する1つ以上の標的分子を表示できるユーザーインターフェースを含む、コンピュータ。
- 前記化合物の影響を受ける1つ以上の生物学的アッセイにおける1つの表現型の記録に関連する、少なくとも1000件の該化合物の記録を含む電子データベースであって、該生物学的アッセイが該化合物に結合するタンパク質をコードする核酸の外因性コピーを含まない細胞またはインビトロ試料を含む、電子データベース。
- 請求項53記載のデータベース、および、(i)コンピュータにその記録が保存されている化合物に対する1つ以上の生物学的アッセイにおける1つ以上の表現型を表示できる、または(ii) 該コンピュータにその記録が保存されている表現型に作用する1つ以上の化合物を表示できるユーザーインターフェースを含む、コンピュータ。
- 標的分子の発現プロフィールまたは該標的分子の活性の記録に関連する、少なくとも10件の該標的分子の記録を含む、電子データベース。
- 標的分子の発現プロフィールまたは該標的分子の活性の記録に関連する、薬物標的として以前に確認されていない多数の該標的分子の記録を含む、電子データベース。
- 請求項55または56記載のデータベース、および、(i)前記コンピュータにその記録が保存されている標的分子の1つ以上の発現プロフィールもしくは活性の記録を表示できる、または(ii) 該コンピュータにその記録が保存されている発現プロフィールもしくは活性を有する1つ以上の標的分子を表示できるユーザーインターフェースを含む、コンピュータ。
- 関心対象の表現型に関与する標的分子を同定する方法であって、
(a)リガンドおよび前記表現型に寄与するその能力の記録に関連する、生物学的アッセイにおける多数の該表現型の記録を含む第一の電子データベースを提供する段階、
(b)関心対象の表現型の選択を受ける段階、
(c)前記第一データベースにおいて、前記の関心対象の表現型を生じる1つ以上のリガンドを同定する段階、
(d)前記リガンドに結合するかまたはその活性が該リガンドにより調節される標的分子の記録に関連する、多数の該リガンドの記録を含む第二電子データベースを提供する段階、および
(e)前記第二データベースにおいて、前記の関心対象の表現型を生じる前記のリガンドに結合するかまたは該リガンドにより調節される1つ以上の標的分子を同定する段階により、関心対象の該表現型に関与する1つ以上の標的分子を同定する段階
を含む方法。 - 前記の関心対象の表現型が疾病状態に関連しており、前記標的分子が該疾病状態を促進するかまたは抑制するかが決定される、請求項58記載の方法。
- コンピュータで実行される、請求項58記載の方法。
- 関心対象の標的分子に関連する表現型を同定する方法であって、
(a)リガンドおよび前記標的分子に結合するかまたはその活性を調節するその能力の記録に関連する、多数の該標的分子の記録を含む第一電子データベースを提供する段階、
(b)関心対象の標的分子の選択を受ける段階、
(c)前記第一データベースにおいて関心対象の前記の標的分子に結合するかその活性を調節する1つ以上のリガンドを同定する段階、
(d)前記リガンドにより生じる生物学的アッセイ中の表現型の記録に関連する、多数の該リガンドの記録を含む第二電子データベースを提供する段階、ならびに
(e)前記第二データベースにおいて前記リガンドにより生じる1つ以上の表現型を同定する段階により、関心対象の前記標的分子に関連する1つ以上の表現型を同定する段階
を含む方法。 - コンピュータで実行される、請求項61記載の方法。
- 関心対象の標的分子に結合するかまたはその活性を調節するリガンドを同定する方法であって、
(a)リガンドおよび前記標的分子に結合するかまたはその活性を調節するその能力の記録に関連する、少なくとも10件の該標的分子の記録を含む電子データベースを提供する段階、
(b)関心対象の標的分子の選択を受ける段階、ならびに
(c)前記データベースにおいて関心対象の前記標的分子に結合するかまたはその活性を調節する1つ以上のリガンドを同定する段階
を含む方法。 - 前記リガンドを薬物の発見もしくは開発またはリード化合物の最適化に使用する、請求項63記載の方法。
- 前記リガンドを農業用または環境用の物質の開発に使用する、請求項63記載の方法。
- コンピュータで実行される、請求項63記載の方法。
- 関心対象の前記標的分子に結合するかまたはその活性を調節する2つ以上のリガンドの化学構造を比較することにより、関心対象の該標的分子の結合または調節を促進する該リガンド中の官能基を同定する段階を更に含む、請求項63記載の方法。
- 関心対象の前記標的分子に結合するかまたはその活性を調節する2つ以上のリガンドの化学構造を比較することにより、該リガンド集団における1つ以上の官能基または骨格の頻度を決定する段階を更に含む、請求項63記載の方法。
- 2つ以上の前記リガンド中に存在する1つ以上の官能基を有する化合物を1つ以上作成する段階を更に含み、ここで該化合物が薬物の発見もしくは開発またはリード化合物の最適化に使用される、請求項63記載の方法。
- 関心対象のリガンドに結合するかまたは該リガンドにより調節される活性を有する標的分子を同定する方法であって、
(a)前記リガンドに結合するかまたは該リガンドにより調節される活性を有する標的分子の記録に関連する、少なくとも10件の該リガンドの記録を含む電子データベースを提供する段階、
(b)関心対象のリガンドの選択を受ける段階、および
(c)前記データベースにおいて関心対象の前記リガンドに結合するかまたは該リガンドにより調節される活性を有する1つ以上の標的分子を同定する段階
を含む方法。 - コンピュータで実行される、請求項70記載の方法。
- 関心対象のリガンドの選択性を決定する方法であって、
(a)リガンドおよび前記標的分子に結合するかまたはその活性を調節するその能力の記録に関連する、少なくとも10件の該標的分子の記録を含む電子データベースを提供する段階、
(b)関心対象のリガンドの選択を受ける段階、ならびに
(c)前記データベースにおいて前記リガンドに結合するかまたは該リガンドにより調節される標的分子数を決定する段階により、関心対象の該リガンドの選択性を決定する段階
を含む方法。 - コンピュータで実行される、請求項72記載の方法。
- 前記リガンドが標的分子の活性を増大させる請求項72記載の方法であって、該活性が疾病状態、有害な副作用、または毒性に関与しており、かつ該リガンドが薬物の発見もしくは開発またはリード化合物の最適化より除去される方法。
- 前記リガンドが標的分子の活性を低減させる請求項72記載の方法であって、該活性が疾病状態、有害な副作用、または毒性に関与しており、かつ該リガンドが薬物の発見もしくは開発またはリード化合物の最適化の為に選択される方法。
- 被験者の疾病または障害の治療、安定化、または予防のための治療法を選択する方法であって、
(a)治療薬および前記標的分子に結合するかまたはその活性を調節するその能力の記録に関連する、少なくとも10件の該標的分子の記録を含む電子データベースを提供する段階、
(b)被験者において前記疾病または障害に関与する突然変異を有する標的分子を決定する段階、ならびに
(c)前記標的分子に結合するかまたはその活性を調節する治療薬を前記データベースから選択する段階により、前記疾病もしくは障害を治療、安定化、または予防する段階
を含む方法。 - コンピュータで実行される、請求項75記載の方法。
- 被験者の疾病または障害の治療、安定化、または予防のための治療法を選択する方法であって、
(a)治療薬および前記標的分子に結合するかまたはその活性を調節するその能力の記録に関連する、少なくとも10件の該標的分子の記録を含む電子データベースを提供する段階、
(b)被験者において前記疾病または障害に関与する突然変異を有する標的分子を決定する段階、ならびに
(c)前記標的分子に結合しないか、またはその活性を調節しない治療薬を前記データベースから選択する段階
を含む方法。 - 前記標的分子がタンパク質である、請求項78記載の方法。
- 前記標的分子が核酸である、請求項78記載の方法。
- コンピュータで実行される、請求項78記載の方法。
- 関心対象の化合物が試料中に存在するか否かを決定する方法であって、
(a)化合物ライブラリから得た2つ以上の化合物の参照質量スペクトルを提供する段階、
(b)前記ライブラリから得た1つ以上の化合物を含む試料の被験質量スペクトルを提供する段階、および
(c)参照質量スペクトルのピークが前記被験質量スペクトルに含まれているか否かを決定する段階により、該参照質量スペクトルを生成した化合物が前記試料中に存在するか否かを決定する段階
を含む方法。 - 前記被験質量スペクトルの全ピークが1つの化合物に割り当てられるまで、前記参照質量スペクトルを順番にまたは同時に解析する、請求項82記載の方法。
- 段階(c)が、1つ以上の参照質量スペクトルのピークが前記被験質量スペクトルに含まれるか否かを連続して決定する段階を含む、請求項82記載の方法。
- 請求項82記載の方法であって、
(i)前記参照質量スペクトル中の全ピークが前記被験質量スペクトル中に存在すると決定する段階により、該参照質量スペクトルを生成した化合物が前記試料中に存在すると決定する、または
(ii)該参照質量スペクトルの1つのピークが該被験質量スペクトル中に存在しないと決定する段階により、該参照質量スペクトルを生成した化合物が前記試料中に存在しないと決定する
まで、段階(c)が繰り返される方法。 - 段階(a)が、前記ライブラリの各化合物の質量スペクトルを決定する段階を含む、請求項82記載の方法。
- 前記参照スペクトル中の少なくとも1つのピークが同位体ピークまたはフラグメントピークである、請求項82記載の方法。
- 前記参照スペクトルの少なくとも1つのピークが親ピークである、請求項82記載の方法。
- 前記参照質量スペクトルが、前記質量スペクトルを生成した化合物の参照に関連する該質量スペクトルの1つ以上の特性の記録を含むデータベースに含有される、請求項82記載の方法。
- 段階(c)がコンピュータで実行される、請求項82記載の方法。
- 関心対象の化合物が試料中に存在するか否かを決定する方法であって、
(a)化合物ライブラリから得た2つ以上の化合物の参照質量スペクトルを提供する段階、
(b)前記ライブラリから得た1つ以上の化合物を含む試料の被験質量スペクトルを提供する段階、
(c)前記被験質量スペクトルの1つ以上のピークが参照質量スペクトルに含まれているか否かを決定する段階、および
(d)参照質量スペクトルの全ピークが前記被験質量スペクトル中に存在するか否かを決定する(ここで該参照質量スペクトルは該被験質量スペクトル中に存在する1つのピークを含む段階(c)由来の参照質量スペクトルである)ことにより、該参照質量スペクトルを生成した化合物が前記試料中に存在するか否かを決定する段階
を含む方法。 - 段階(d)が、1つ以上の参照質量スペクトルのピークが前記被験質量スペクトルに含まれるか否かを順番に決定する段階を含む、請求項91記載の方法。
- 段階(d)が、前記参照質量スペクトルの1つのピークが被験質量スペクトル中に存在するか否かを決定する段階を含む、請求項91記載の方法であって、
(i)該参照質量スペクトルの全ピークが該被験質量スペクトル中に存在すると決定する段階により、該参照質量スペクトルを生成した化合物が前記試料中に存在すると決定する、または
(ii)該参照質量スペクトル中の1つのピークが該被験質量スペクトル中に存在しないと決定する段階により、該参照質量スペクトルを生成した化合物が該試料中に存在しないと決定する
まで、該決定が繰り返される方法。 - 段階(a)が前記ライブラリの各化合物の質量スペクトルを決定する段階を含む、請求項91記載の方法。
- 前記参照スペクトルの少なくとも1つのピークが同位体ピークまたはフラグメントピークである、請求項91記載の方法。
- 前記参照スペクトルの少なくとも1つのピークが親ピークである、請求項91記載の方法。
- 前記参照質量スペクトルが、前記質量スペクトルを生成した化合物の参照に関連する1つ以上の該質量スペクトルの特性の記録を含むデータベースに含有される、請求項91記載の方法。
- 前記特性が、同位体ピークの質量/電荷比、フラグメントピークの質量/電荷比、親ピークの質量/電荷比、およびピーク強度からなる群より選択される、請求項97記載の方法。
- 段階(c)または(d)がコンピュータで実行される、請求項97記載の方法。
- 関心対象の化合物が試料中に存在するか否かを決定するプログラムを内蔵したコンピュータ読み取り可能なメモリであって、
(a)化合物ライブラリから得た2つ以上の化合物の参照質量スペクトル中、1つ以上のピークの質量/電荷比を含む質量分析データを入力値として受け取るコンピュータコード、
(b)前記ライブラリから得た1つ以上の化合物を含む試料の被験質量スペクトル中、1つ以上のピークの質量/電荷比を含む質量分析データを入力値として受け取るコンピュータコード、および
(c)参照質量スペクトル中のピークが前記被験質量スペクトルに含まれるか否かを決定する段階により、該参照質量スペクトルを生成した化合物が前記試料中に存在するか否かを決定するコンピュータコード
を含むメモリ。 - 関心対象の化合物が試料中に存在するか否かを決定するプログラムを内蔵したコンピュータ読み取り可能なメモリであって、
(a)化合物ライブラリから得た2つ以上の化合物の参照質量スペクトル中、1つ以上のピークの質量/電荷比を含む質量分析データを入力値として受け取るコンピュータコード、
(b)前記ライブラリから得た1つ以上の化合物を含む試料の被験質量スペクトル中、1つ以上のピークの質量/電荷比を含む質量分析データを入力値として受け取るコンピュータコード、
(c)前記被験質量スペクトルの1つ以上のピークが参照質量スペクトルに含まれるか否かを決定するコンピュータコード、および
(d)参照質量スペクトル中の全ピークが前記被験質量スペクトル中に存在するか否かを決定する段階により、該参照質量スペクトルを生成した化合物が前記試料中に存在するか否かを決定するコンピュータコード
を含むメモリ。 - 関心対象のタンパク質をコードする2つ以上のベクターを作製する方法であって、
(a)関心対象の第一タンパク質をコードする第一核酸と第一バックボーン核酸とを、それらの反応が生じ得る条件下、ロボット操作装置の第一区画においてロボット操作で接触させる段階により、該第一タンパク質をコードする第一ベクターを作成する段階、および
(b)関心対象の第二タンパク質をコードする第二核酸と第二バックボーン核酸とを、それらの反応が生じ得る条件下、ロボット操作装置の第二区画内においてロボット操作で接触させる段階により、該第二タンパク質をコードする第二ベクターを作成する段階
を含む方法。 - 請求項102記載の方法であって、
(c)前記第一ベクターと第一細胞とを、該第一細胞内に該第一ベクターが挿入され得る条件下でロボット操作で接触させる段階、および
(d)前記第二ベクターと第二細胞とを、該第二細胞内に該第二ベクターが挿入され得る条件下でロボット操作で接触させる段階、
を更に含む、方法。 - 前記第一細胞が前記第一タンパク質を発現し、かつ前記第二細胞が前記第二タンパク質を発現する、請求項103記載の方法。
- 少なくとも5個のベクターが同時に作製される、請求項102記載の方法。
- タンパク質を精製する方法であって、
(a)ロボット操作装置内の第一培養液中に前記第一タンパク質が分泌される条件下で、第一細胞において該第一タンパク質を発現させる段階、
(b)ロボット操作装置内の第二培養液中に前記第二タンパク質が分泌される条件下で、第二細胞において該第二タンパク質を発現させる段階、
(c)前記第一培養液を第一クロマトグラフィーカラムに、また前記第二培養液を第二クロマトグラフィーカラムにロボット操作で移す段階、ならびに
(d)前記第一タンパク質および前記第二タンパク質を精製する段階
を含む方法。 - 少なくとも5個のタンパク質が同時に精製される、請求項106記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US24983200P | 2000-11-17 | 2000-11-17 | |
US32946301P | 2001-10-15 | 2001-10-15 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002558871A Division JP2004534519A (ja) | 2000-11-17 | 2001-11-19 | 標的分子機能の決定と薬物リード化合物の同定に関する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008054683A true JP2008054683A (ja) | 2008-03-13 |
Family
ID=26940379
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002558871A Pending JP2004534519A (ja) | 2000-11-17 | 2001-11-19 | 標的分子機能の決定と薬物リード化合物の同定に関する方法 |
JP2007233019A Pending JP2008054683A (ja) | 2000-11-17 | 2007-09-07 | 標的分子機能の決定と薬物リード化合物の同定に関する方法 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002558871A Pending JP2004534519A (ja) | 2000-11-17 | 2001-11-19 | 標的分子機能の決定と薬物リード化合物の同定に関する方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20090221436A1 (ja) |
EP (1) | EP1344060A4 (ja) |
JP (2) | JP2004534519A (ja) |
CA (1) | CA2467657A1 (ja) |
WO (1) | WO2002058533A2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013522592A (ja) * | 2010-03-10 | 2013-06-13 | パーフィニティ バイオサイエンシズ インコーポレイテッド | 一回の分析における多数の分析物の認識および定量のための方法 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2486486A1 (en) * | 2002-05-17 | 2004-05-06 | Alfred E. Slanetz | Process for determining target function and identifying drug leads |
DK2259068T3 (en) * | 2003-01-16 | 2013-11-11 | Caprotec Bioanalytics Gmbh | Capture compounds and methods for analyzing the proteome |
EP1553515A1 (en) * | 2004-01-07 | 2005-07-13 | BioVisioN AG | Methods and system for the identification and characterization of peptides and their functional relationships by use of measures of correlation |
US20080020474A1 (en) * | 2004-03-30 | 2008-01-24 | Riken | Method of Analyzing Biosample by Laser Ablation and Apparatus Therefor |
US10081592B2 (en) | 2012-03-23 | 2018-09-25 | The Board Of Trustees Of The University Of Illinois | Complex and structurally diverse compounds |
US9476871B2 (en) | 2012-05-02 | 2016-10-25 | Diatech Oncology Llc | System and method for automated determination of the relative effectiveness of anti-cancer drug candidates |
KR102564473B1 (ko) * | 2018-01-29 | 2023-08-07 | 주식회사 켐에쎈 | 천연물에 대한 lc-ms/ms 스펙트럼 데이터를 분석하는 방법 |
JP6694104B1 (ja) * | 2019-10-30 | 2020-05-13 | 株式会社 資生堂 | 情報処理システム、方法、プログラム |
CN114112980B (zh) * | 2022-01-24 | 2022-05-10 | 武汉宏韧生物医药股份有限公司 | 一种基于数据分析的药物组分检测方法与系统 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5891742A (en) * | 1995-01-19 | 1999-04-06 | Chiron Corporation | Affinity selection of ligands by mass spectroscopy |
US5834318A (en) * | 1995-05-10 | 1998-11-10 | Bayer Corporation | Screening of combinatorial peptide libraries for selection of peptide ligand useful in affinity purification of target proteins |
CA2362052A1 (en) * | 1999-02-12 | 2000-08-17 | Cetek Corporation | High throughput size-exclusive method of screening complex biological materials for affinity ligands |
-
2001
- 2001-11-19 CA CA002467657A patent/CA2467657A1/en not_active Abandoned
- 2001-11-19 EP EP01994081A patent/EP1344060A4/en active Pending
- 2001-11-19 JP JP2002558871A patent/JP2004534519A/ja active Pending
- 2001-11-19 WO PCT/US2001/043348 patent/WO2002058533A2/en active Application Filing
-
2007
- 2007-09-07 JP JP2007233019A patent/JP2008054683A/ja active Pending
-
2009
- 2009-01-30 US US12/363,443 patent/US20090221436A1/en not_active Abandoned
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013522592A (ja) * | 2010-03-10 | 2013-06-13 | パーフィニティ バイオサイエンシズ インコーポレイテッド | 一回の分析における多数の分析物の認識および定量のための方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004534519A (ja) | 2004-11-18 |
WO2002058533A3 (en) | 2003-01-30 |
EP1344060A4 (en) | 2004-12-22 |
WO2002058533A2 (en) | 2002-08-01 |
CA2467657A1 (en) | 2002-08-01 |
EP1344060A2 (en) | 2003-09-17 |
US20090221436A1 (en) | 2009-09-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008054683A (ja) | 標的分子機能の決定と薬物リード化合物の同定に関する方法 | |
Bauer et al. | Affinity purification‐mass spectrometry: Powerful tools for the characterization of protein complexes | |
Lau et al. | Quantitative encoding of the effect of a partial agonist on individual opioid receptors by multisite phosphorylation and threshold detection | |
Norman et al. | Genetic selection of peptide inhibitors of biological pathways | |
Nilsson et al. | Quantitative phosphoproteomic analysis of the STAT3/IL-6/HIF1α signaling network: an initial study in GSC11 glioblastoma stem cells | |
Elschenbroich et al. | Isolation of cell surface proteins for mass spectrometry-based proteomics | |
Heilker et al. | The power of combining phenotypic and target-focused drug discovery | |
Mendes et al. | Optimization of the magnetic recovery of hits from one-bead–one-compound library screens | |
Raymond et al. | Unbiased peptoid combinatorial cell screen identifies plectin protein as a potential biomarker for lung cancer stem cells | |
US20090156413A1 (en) | Method, system, apparatus and device for discovering and preparing chemical compounds for medical and other uses | |
Ganesan et al. | Immunoproteomics technologies in the discovery of autoantigens in autoimmune diseases | |
Bergström Lind et al. | Immunoaffinity enrichments followed by mass spectrometric detection for studying global protein tyrosine phosphorylation | |
Liu et al. | Development of in planta chemical cross-Linking-Based quantitative interactomics in arabidopsis | |
US20060234390A1 (en) | Process for determining target function and identifying drug leads | |
Zhang et al. | D283 Med, a cell line derived from peritoneal metastatic medulloblastoma: A good choice for missing protein discovery | |
Tang et al. | 14-3-3ε boosts bleomycin-induced DNA damage response by inhibiting the drug-resistant activity of MVP | |
WO2003055914A2 (en) | Modified receptors for the discovery of therapeutic ligands | |
US20040115726A1 (en) | Method, system, apparatus and device for discovering and preparing chemical compounds for medical and other uses. | |
Kim et al. | Direct profiling the post-translational modification codes of a single protein immobilized on a surface using Cu-free click chemistry | |
Gong et al. | Emerging technologies to study the glomerular filtration barrier | |
Dimastromatteo et al. | Target identification, lead discovery, and optimization | |
AU2002246512A1 (en) | Process for determining target function and identifying drug leads | |
Muralidharan et al. | Current proteomics methods applicable to dissecting the DNA damage response | |
Delalande et al. | The Holdup Multiplex, an assay for high-throughput measurement of protein-ligand affinity constants using a mass-spectrometry readout | |
KR101453554B1 (ko) | 물질의 상호작용을 탐색하는 방법 및 키트 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080423 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20080722 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20080725 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20080821 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20080826 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20080919 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20080925 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081215 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090316 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090316 |