以下、この発明にかかる遊技機の一実施の形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、各図を参照しつつ詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について]
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
同図1に示されるように、パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について]
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
同図2及び図4に併せて示されるように、本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について]
図1及び図2に併せて示されるように、前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板(装飾ランプ)が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、賞球ランプ396、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
[施錠装置の構成について]
図1及び図4に併せて示されるように、前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について]
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図であり、図11及び図12は遊技領域37の構成を示す斜視図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3、図11、図12及び図13に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(図示しない)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車(図示しない)が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。なお、センター役物91の詳細については後述する。
また、センター役物91の後方には、抽選結果を演出表示する演出表示装置115が設けられている。この演出表示装置115としては、例えば、装飾図柄画像情報、背景画像情報、キャラクタ画像情報等を合成した画像情報を表示可能な適宜の表示装置が用いられる。本実施の形態では、演出表示装置115として液晶表示装置が用いられている。
また、上記遊技領域37には、
・ゲート式の始動口として形成されている普通図柄始動口(第1の始動口)96。
・上記遊技盤5の横孔として形成されている特別図柄始動口(第2の始動口)82。
・上記特別図柄始動口82への遊技球の入球の必要条件となる動作を行う第2の可動片(可動部材)81。
・センター役物91外の領域(第2の遊技領域)からその内部の領域(第1の遊技領域)への入口として形成されている大入賞口141。
・センター役物91外の領域(第2の遊技領域)からその内部の領域(第1の遊技領域)への遊技球の進入の確率が高くなるように動作可能な第1の可動片142。
・アタッカ装置98。
・遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球の流下方向の最下流側に形成され、大入賞口141、特別図柄始動口82、普通図柄始動口96等のいずれにも入賞しなかった遊技球を遊技領域37から背面側に排出する球排出口88。
ここで、上記普通図柄始動口96に遊技球が受け入れられたとき(普通図柄始動口96を遊技球が通過したとき)は、後述の第1始動口センサ318(図41参照)によって遊技球の通過が検出される。そして、このとき、予め定められた数値範囲内で更新(生成)される乱数に基づいて上記第2の可動片81の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理が行われ(第1の抽選手段)、この抽選処理の結果に応じて、後述の普通図柄表示器333において所定の時間だけ変動表示される(普通図柄の変動表示制御)。そして、この抽選処理の結果、上記当たりが当選されたときは、後述の普通役物駆動機構334(図41参照)の駆動制御が行われる。これにより、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球が、不可能な態様(拒球態様)から可能な態様(許球態様)に切り替わるように、上記第2の可動片81が動作するようになる。なお、上記普通役物駆動機構334は、第2の可動片81を動作させるためのものであり、例えばソレノイドなどを有して構成される。なお、特別図柄始動口82は、第2の可動片81によって常には拒球態様に維持されている。
また後述するが、上記第2の可動片81は、上記横孔としての特別図柄始動口82内を上記遊技盤5の盤面に対して垂直方向に摺動動作する舌片(図40:受止誘導部材535)を備えて構成されている。このような構成では、上記普通役物駆動機構334(図41参照)の駆動制御が行われたとき、上記舌片は、上記特別図柄始動口82の内側からその外側に延出されるかたちで摺動動作し、これによって遊技球がこの摺動動作した第2の可動片81に案内されつつ、上記特別図柄始動口82に入球し得るようになる。
また、これも後述するが、上記第2の可動片81の摺動動作によって入球可能とされた上記特別図柄始動口82に遊技球が入球(入賞)されたときは、後述の第2始動口センサ317(図41参照)によって遊技球の入賞が検出される。そしてこのときは、後述の特別図柄表示器332(図41参照)に表示される特別図柄が所定の時間だけ変動表示される(特別図柄の変動表示制御)。また併せて、上記第1の可動片142の動作契機となる小当たり及び後述の特別遊技の実行契機となる大当たりについての当落にかかる抽選処理が行われる(第2の抽選手段)。そして、こうした抽選処理の結果、上記小当たりが当選されたときは、後述の大入賞口開閉機構335(図41参照)の駆動制御が行われる。これにより、大入賞口141が開放されるかたちで上記第1の可動片142が動作するようになり、上記センター役物91内の領域(第1の遊技領域)への遊技球の進入が可能となる(補助遊技)。なお、上記大入賞口開閉機構335は、第1の可動片142を動作させるためのものであり、例えばソレノイドなどを有して構成される。また、これも後述するが、上記センター役物91内の領域(第1の遊技領域)に遊技球が進入するときは、適宜の箇所に設けられた入賞口センサ330によって遊技球の当該第1の遊技領域への進入が検出されるとともに、当該検出に応じて所定数の賞球が払い出される。ただし、上記大当たりが当選されたときは、こうした補助遊技が行われることなく、より多くの賞球が遊技者に払い出される後述の特別遊技が行われることとなる。なお、この実施の形態にかかるセンター役物91は、上記第1の可動片142、演出表示装置115、後述する複合誘導装置293及び回転式振分装置294(図24)などを備えて構成されている。
なお、第1の可動片142は、常には大入賞口141への遊技球の入賞が不可能または困難となるように閉鎖態様となっており、上記小当たりに当選したことに応じて大入賞口141が開放する開放態様となる。
また、上記アタッカ装置98は、上記第2の遊技領域にて開閉動作する開閉部材99と、この開閉部材99による開閉動作を通じて同じく第2の遊技領域にて開放される下部側大入賞口83とを備えて構成されている。この実施の形態では、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球による抽選処理の結果が上記大当たりであるとき、若しくは、上記第1の可動片142の開閉動作を通じて上記第1の遊技領域内に進入した遊技球が後述の特定領域(特別入球口)344(図31参照)に受け入れられたとき、上記開閉部材99による開閉動作を通じた上記下部側大入賞口83の開放により遊技者にとって有利な特別遊技が行われる。なお後述するが、遊技球が下部側大入賞口83に入球するときは、適宜の箇所に設けられたカウントセンサ319(図41参照)によって遊技球の当該下部側大入賞口83内への入球が検出される。また、上記開閉部材99は、ソレノイドなどを有して構成されるアタッカ駆動機構339(図41参照)の駆動制御によって開閉動作する構成となっている。
ここで、上記大当たりであるときに行われる特別遊技は、例えば上記開閉部材99を一定パターンで開閉させる動作をラウンド遊技とするとき、このラウンド遊技が任意の回数だけ繰り返し実行されることによって行われる。なお、この実施の形態では、大当たり時に繰り返し行われるラウンド遊技の回数は「15」である。
これに対し、遊技球が後述の特定領域344(図31参照)に受け入れられたときに行われる特別遊技は、補助遊技から続く一連の遊技として行われるものである。すなわち、上記第1の可動片142の開閉動作を伴う補助遊技を、いわば1回のラウンド遊技とし、上記特定領域344に遊技球が入球したことを条件に上記補助遊技に続くかたちで上記アタッカ装置98においてラウンド遊技が任意の回数だけ繰り返し実行される。なお、この実施の形態では、こうした補助遊技に続く一連の遊技として行われる特別遊技のラウンド遊技の回数は、「15」である。すなわちこの場合、上記アタッカ装置98では、この「15」から「1」減算した「14」の回数のラウンド遊技が行われることとなる。このように、特定領域344への遊技球の入球に応じて行われるラウンド遊技は、第2の抽選処理の結果が大当たりであることに応じて行われる大当たり遊技よりもラウンド回数が少なくなる。従って、第2の抽選処理の結果が大当たりであることに応じて行われる大当たり遊技は、特定領域344への遊技球の入球に応じて行われるラウンド遊技よりも遊技者に有利な遊技となる。これは、第2の抽選処理において大当たりに当選する確率が、第2抽選処理において小当たりに当選する確率と補助遊技(第3の抽選処理)において特定領域344に入球する確率との合成確率よりも低いことから、第2の抽選処理の結果が大当たりであることに応じて行われる大当たり遊技をより有利な遊技とすることによって興趣の低下の抑制を図ったものである。
ただし、特定領域344への遊技球の入球に応じて行われるラウンド遊技におけるラウンド回数と、第2の抽選処理の結果が大当たりであることに応じて行われる大当たり遊技におけるラウンド回数と、が実質的に同じ回数となるように構成されていても良い。例えば、特定領域344への遊技球の入球に応じて行われるラウンド遊技におけるラウンド回数を16ラウンド(補助遊技を1ラウンドとすると実質的には15ラウンド)とし、第2の抽選処理の結果が大当たりであることに応じて行われる大当たり遊技におけるラウンド回数を15ラウンドとするような場合である。このとき、第2の抽選処理のおいて大当たりとならずに小当たりであった場合であっても、補助遊技において特定領域344に遊技球が入球することによって、第2の抽選処理の結果が大当たりであることに応じて行われる大当たり遊技と、補助遊技において特定領域344に遊技球が入球することに応じて行われるラウンド遊技とでは、実質的に同等の遊技価値が遊技者に与えられることとなる。これにより、補助遊技において特定領域344に遊技球が入球することに応じて行われるラウンド遊技が行われる場合であっても、遊技者が損をした気分にならず、興趣の低下を抑制できる。また、第2の抽選処理のおいて大当たりとならずに小当たりであった場合であっても、第2の抽選処理の結果が大当たりであることに応じて行われる大当たり遊技と実質的に同等の遊技価値が付与される可能性があるので、第2の抽選処理において大当た また、上記遊技盤5のその他の構成として、上記センター役物91の斜め左下には、上記普通図柄表示器333(図41参照)として機能する3つのLED84と、普通図柄の始動記憶状態を示す4つのLED85からなる普通保留球ランプ323とが設けられている。
ここで、上記普通図柄表示器333では、上記3つのLED84が各別に点滅されることによって上記普通図柄の変動表示制御が行われる。そして、この変動表示制御が所定の時間だけ行われた後は、上記普通図柄についての抽選処理の結果が、当該普通図柄表示器333としての3つのLED84の表示態様(点灯の組み合わせ)によって表示され、遊技者に報知される。
また、上記普通保留球ランプ323では、普通図柄の始動記憶数が表示される。すなわち、後述するが、後述の主制御基板765(図41参照)は、普通図柄始動口96に遊技球が入賞したとき、第1の抽選処理の実行を一旦保留の状態としている。この実施の形態では、この普通図柄の始動記憶は最大4つまで保留され、その保留数(「0」〜「4」)は、上記普通保留球ランプ323としての4つのLED85の点灯態様をもって遊技者に報知される。
なお、本実施形態において、「普通図柄の始動記憶」とは、普通図柄始動口96に遊技球が入賞したことに応じて行われる第1の抽選処理の保留を意味する。より詳しくは、普通図柄始動口96に遊技球が入賞したことに応じて予め定められた数値範囲内で更新(生成)される乱数を取得し、普通図柄の変動表示を行うに際して、当該取得した乱数の当否判定を行うことを意味する。ただし、これに限られるものではなく、普通図柄始動口96に遊技球が入賞したことに応じて予め定められた数値範囲内で更新(生成)される乱数を取得すると共に当該取得した乱数の当否判定を行い、普通図柄の変動表示制御を保留するようにしても良い。即ち、第1の抽選処理の実行を留保することの他、第1の抽選処理の結果の表示制御を留保することも含むものである。
また、上記普通図柄表示器333及び保留球ランプの下方には、上記特別図柄表示器332(図41参照)として機能する3つのLED86と、特別図柄の変動表示制御の保留状態を示す1つのLED87からなる特別保留球ランプ322とが設けられている。
ここで、上記特別図柄表示器332では、上記3つのLED86が各別に点滅されることによって上記特別図柄の変動表示制御が行われる。そして、この変動表示制御が所定の時間だけ行われた後は、上記特別図柄についての抽選処理の結果が、当該特別図柄表示器332としての3つのLED86の表示態様(点灯の組み合わせ)によって表示され、遊技者に報知されることとなる。
また、上記特別保留球ランプ322では、保留の状態にある特別図柄の変動表示制御の数である特別図柄の保留数が表示される。すなわち、後述するが、後述の主制御基板765(図41参照)は、上記特別図柄の変動表示制御を行うとき、この変動表示制御を一旦保留の状態とするものとなっている。この実施の形態では、この特別図柄の変動表示制御は、最大1つまで保留され、その保留数(「0」〜「1」)は、上記特別保留球ランプ322としての1つのLED87の点灯態様をもって遊技者に報知される。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板765が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
このような遊技盤5を有するパチンコ機1では、遊技者が操作ハンドル32を操作すると遊技球が発射し、発射口78aから遊技領域37に向けて遊技球が打ち込まれる。そして、上記普通図柄始動口96に遊技球が受け入れられて第1の抽選処理の結果が当選であると、上記第2の可動片81が上記特別図柄始動口82の内側からその外側に延出されるかたちで摺動動作し、これによって上記特別図柄始動口82に遊技球が入球可能となる。このとき、上記特別図柄始動口82に遊技球がさらに入球(入賞)して第2の抽選処理の結果が小当たりであると、上記大入賞口141が開放されるかたちで上記第1の可動片142が動作し、これによって上記センター役物91内の領域が予め定められた時間だけ開放される補助遊技(第3の抽選処理)が行われるようになる。そしてこの結果、上記センター役物91内の領域に遊技球が進入し、この進入した遊技球が上記特定領域344(図31参照)にさらに受け入れられると、多くの賞球が遊技者に払い出される特別遊技が上記下部側大入賞口83の開放によって行われるようになる。
次に、上記第2の可動片81及び上記特別図柄始動口82を有する特別始動口ユニット530について図36〜図40に基づいて説明する。なお、図36は、特別始動口ユニット530を示す正面図である。また、図37は、特別始動口ユニット530を示す右上前方から見た斜視図である。また、図38は、特別始動口ユニット530の内部機構を左上前方から見た斜視図である。また、図39は、特別始動口ユニット530を縦方向に切断した状態を示す切断斜視図である。また、図40は特別始動口ユニット530を右上後方から見た斜視図である。
同図36〜図40に示されるように、上記特別始動口ユニット530は、遊技盤5(図3参照)の盤面に対して開口した特別図柄始動口82、及び特別図柄始動口82に連通し遊技盤5の奥側に延出された入賞通路531(図39参照)を有する特別入賞装置532と、入賞通路531内に位置する没入位置と特別図柄始動口82から遊技者側に突出する突出位置との間で摺動可能に支持された上記舌片としての受止誘導部材535と、受止誘導部材535を前後方向に摺動させる普通役物駆動機構334とを備えて構成されている。
ここで、上記入賞通路531は、入賞装置ケーシング538内に上記遊技盤5の横孔として設けられてなり、その開口部が上記特別図柄始動口82として形成されている。なお、特別図柄始動口82は、下部側が上部側よりも横幅が広くなるように凸状に形成されている。
また、上記受止誘導部材535は、上述の通り、上記遊技盤5の横孔としての上記入賞通路531内を上記遊技盤5の盤面に対してほぼ垂直方向に摺動動作する舌片状の部材として設けられている。ただし、より正確には、この受止誘導部材535は、上記入賞通路531の奥側に向って下り勾配に形成された傾斜面534を有してなり、この傾斜面534によって遊技球の上記特別図柄始動口82への入球を案内するようにしている。すなわち、同受止誘導部材535は、上記特別図柄始動口82の内側からその外側に延出された状態(突出位置)にあるときには、上記傾斜面534を通じて遊技球の上記特別図柄始動口82への入球を案内するように機能する。一方、同受止誘導部材535は、上記特別図柄始動口82の内側(没入位置)にあるときには、上記遊技領域37を流下する遊技球を受け止めることなく、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球を案内しない。こうした受止誘導部材535の機能を通じて、上記第2の可動片81は、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球の必要条件となる摺動動作を行うこととなる。なお、この受止誘導部材535は、突出位置において受け止めた遊技球を、突出位置から没入位置への切り替わりに際し溢すように構成されている。
ところで、上記受止誘導部材535は、舌片状の部材であることから、遊技球を受け止めた場合であっても、受け止められた遊技球が上記特別図柄始動口82に到達する前に、受止誘導部材535が没入位置に復帰すると、遊技球は特別図柄始動口82に入賞(入球)することなく遊技領域37へ排出される。すなわち、受止誘導部材535を没入位置に変位させる際、受止誘導部材535上の遊技球は慣性力によってその場に留まろうとすることから、受止誘導部材535の先端から落下することとなる。このように、遊技球を受止誘導部材535上に載せることができても、その遊技球は特別図柄始動口82に入賞するとは限らないことから、遊技球が入賞するまで遊技者をハラハラさせることが可能になる。
また、この実施の形態では、上記受止誘導部材535が没入位置にあるときは、その傾斜面534の先端部(最も位置の高い部分)が上記特別図柄始動口82の開口部付近に位置するようにしている。すなわちこの場合、上記受止誘導部材535の先端部よりも上方の空間が上記特別図柄始動口82の実質的な開口部(遊技球が特別図柄始動口82に入球されるときの入口)となる。そして、上記受止誘導部材535が没入位置にあるときの上記実質的な開口部を、遊技球が入球不可能となる程度まで小さく形成する(遊技球の直径よりも上記実質的な開口部の高さを小さくする)ことによって、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球が妨げられるように上記第2の可動片81を配設するようにしている。
これに対し、上記受止誘導部材535が上記没入位置から摺動動作され、上記突出位置まで変位したときは、その先端部よりも位置の低い部分(受止誘導部材535の中央部や根元部分)が上記特別図柄始動口82の開口部付近に位置するようになる。すなわちこの場合、上記受止誘導部材535の中央部(若しくは根元部分)よりも上方の空間が上記特別図柄始動口82の実質的な開口部(遊技球が特別図柄始動口82に入球されるときの入口)となる。そして、このときの実質的な開口部を、遊技球が入球可能となる程度まで大きく形成する(遊技球の直径よりも上記実質的な開口部の高さを大きくする)ようにしている。これにより、上記第2の可動片81の摺動動作によって上記特別図柄始動口82への遊技球の入球が可能となる。
ところで、受止誘導部材535は、球噛みする箇所が極めて少なくなるように、遊技者側に向って先端の尖った尖形形状を呈している。このため、受止誘導部材535の先端が遊技球の中心に当接した場合には、球噛みする可能性が残されているものの、受止誘導部材535の先端が遊技球の中心から僅かでもずれている場合には、受止誘導部材535の先端から離れる方向の力が遊技球に加わり、遊技球は挟持されないようになる。
また、受止誘導部材535の左右縁部から壁部539が立設されており、これらの壁部539は入賞通路531の奥側に向って延出されている。これによれば、受止誘導部材535で受け止められた遊技球を、受止誘導部材535の左右側方から排出(落下)させることなく、特別図柄始動口82側に向って誘導することができる。また、受止誘導部材535を平板状に形成することが可能となり、その結果、特別図柄始動口82及び入賞通路531の高さが比較的低くても、受止誘導部材535を入賞通路531の内部に収容すること、及び受止誘導部材535の上方に遊技球を入賞させるための空間を設けることが可能となる。なお、受止誘導部材535の先端部分は、左右縁部に壁部539を備えない平板状の形状に形成されているため、遊技者が受止誘導部材535を左右斜め前方から見た場合でも、受止誘導部材535上を転動する遊技球の挙動を明瞭に視認させることができる。また、先端部分の壁部を省くことにより、先端側における左右方向の間口が広くなり、受止誘導部材535が没入位置に復帰する際に、受止誘導部材535上の載置された遊技球を受止誘導部材535の先端部分から容易に排出させることが可能になる。
また、図39に示すように、入賞装置ケーシング538の底面中央部分には、特別入賞装置532に入賞した遊技球を入賞通路531から流出させる流出口541が穿設されており、受止誘導部材535の後方における一対の壁部539の間には、受止誘導部材535の位置に拘らず常に流出口541と連通する開口部542が形成されている。このため、受止誘導部材535が突出位置のとき(実線で示す)は勿論、遊技球が入賞通路531から流出される前に受止誘導部材535が没入位置となった場合(二点鎖線で示す)にも、その後、開口部542及び流出口541を通して遊技球を流出させることが可能になる。特に、開口部542の後方における一対の壁部539間には、入賞した遊技球を流出口541に誘導する可動誘導壁543が設けられ、可動誘導壁543は、受止誘導部材535が突出位置の時に流出口541の後方近傍に位置するように構成されている。このため、特別図柄始動口82に入賞した遊技球が可動誘導壁543よりも後方に入り込むことを防止し、流出口541に向って自然に落下させることが可能になる。また、可動誘導壁543は一対の壁部539間に横設されているため、一対の壁部539を平行に支持するとともに、壁部539の変形を抑制することができる。
また、図40に示すように、入賞装置ケーシング538は、不透明の前側ケース部545と、光透過性部材からなる後側ケース部546とに分割されており、前側ケース部545の前面に形成されたフランジ部547が遊技盤5の盤面に固定されるようになっている。つまり、フランジ部547には、二つの取付孔557が穿設されており、ネジ等(図示しない)を取付孔557に挿通させて遊技盤5に螺着させることにより、遊技盤5の盤面に取付けられる。後側ケース部546の内部には、一対の壁部539の摺動を前後方向に規制するガイド部544が壁部539を挟むように形成されており、受止誘導部材535を滑らかに摺動させることを可能にしている。特に、ガイド部544は後側ケース部546と一体に成形されているため、入賞通路531とガイド部544との位置関係を精度よく保つことが可能になり、受止誘導部材535を一層滑らかに摺動させることができる。
また、図38に示すように、後側ケース部546の内部には、受止誘導部材535の駆動源として機能するソレノイド548が収容されている。ソレノイド548は、プランジャー549の先端が遊技者側を向くように配設されている。プランジャー549と壁部539との間には、アーム部材551が設けられており、プランジャー549の往復直線運動が反転して壁部539に伝達されるようになっている。さらに詳しく説明すると、アーム部材551は、一対の壁部539を挟むとともに下端が壁部539に対して外側から掛止され、壁部539を前後方向に付勢する一対の腕部551aと、夫々の腕部551aから外方へ突出するとともに前側ケース部545及び後側ケース部546の間で支持されることにより腕部551aを回動可能に支持する支持軸部552と、夫々の腕部551aの上端間に横設されるとともにプランジャー549の先端に当接する当接部551bと、当接部551bに対して略平行となるように一方の腕部551aの上端から延出されプランジャー549に係止された係止部551cとから構成されている。なお、プランジャー549の周囲には、ソレノイド548の非通電時にプランジャー549が突出するように付勢するコイルバネ(図示しない)が巻かれている。これによれば、プランジャー549の先端と壁部539とがアーム部材551を介して連結されており、プランジャー549の運動方向が反転して壁部539に伝達される。具体的には、ソレノイド548に通電がなされていない場合には、プランジャー549はコイルバネの付勢力によって突出した状態となり、壁部539及び受止誘導部材535は没入位置となる。一方、ソレノイド548に通電がなされると、プランジャー549はコイルバネの付勢力に抗して没入状態となる。すると、アーム部材551の当接部551b及び係止部551cを介して、腕部551aの上端部分がソレノイド548側に引張られ、腕部551aは支持軸部552を軸心として回動する。この結果、腕部551aの下端に接続された壁部539が遊技者側に摺動し、壁部539及び受止誘導部材535は突出位置となる。
また、図37及び図40に示すように、特別図柄始動口82の上方には、遊技盤5の盤面よりも遊技者側に突出して形成された制動ゲート部材554が設けられている。この制動ゲート部材554は、遊技領域37を流下する遊技球を制動させながら通過させるものであり、内径が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように設定されている。これによれば、制動ゲート部材554を通過し勢いを抑えられた遊技球が受止誘導部材535の上面に載せられるため、遊技球を受止誘導部材535上に落ち着かせることが可能となる。したがって、受止誘導部材535上に落下した遊技球を特別図柄始動口82に向って確実に誘導することが可能となる。また、受止誘導部材535が受ける衝撃も弱くなり、受止誘導部材535の変形や破損を防止することが可能になる。また、制動ゲート部材554の内周面における遊技者側の側面には、通過する遊技球の転動方向を特別図柄始動口82側に変更する突起555が形成されている。このため、受止誘導部材535の突出長さが比較的短い場合でも、制動ゲート部材554を通過した遊技球を受止誘導部材535上に載せることが可能となる。また、特別図柄始動口82側に向って転動させることから、受止誘導部材535の傾斜面534における傾斜度合が比較的緩やかであっても、特別図柄始動口82に向って滑らかに誘導することができる。
また、制動ゲート部材554の左右両側には、一対の進入防止部材558が斜め下方に延出されている。進入防止部材558は、制動ゲート部材554の外側を通過する遊技球が、受止誘導部材535に向って転動することを阻止するものであり、これによれば、制動ゲート部材554を通過した遊技球のみを受止誘導部材535に載せることが可能になるとともに、受止誘導部材535で受け止められた遊技球が、制動ゲート部材554を通過しない他の遊技球、すなわち勢いの強い遊技球によって弾き出されることを防止できる。
また、図38に示すように、入賞通路531内の受止誘導部材535の上方には、入賞防止部材561が配設されている。この入賞防止部材561は、受止誘導部材535が突出位置のときに特別図柄始動口82を開放し、受止誘導部材535が没入位置のときに特別図柄始動口82を塞ぐものである。具体的には、先端側の部位で特別図柄始動口82を塞ぎ遊技球の進入を防止する進入防止位置と、入賞通路531の奥側に後退することにより特別図柄始動口82を開放し遊技球の進入を可能とする進入許可位置との間で前後方向に摺動する。このため、受止誘導部材535が没入位置の場合には、たとえ遊技領域37を流下する遊技球が特別図柄始動口82側に跳ね返っても、特別図柄始動口82から進入することを阻止できる。
なお、入賞防止部材561は、連結部材562を介してソレノイド548のプランジャー549に連結されている(普通役物駆動機構334)。すなわち、この普通役物駆動機構334では、プランジャー549が動作すると、その往復直線運動が、連結部材562を介して入賞防止部材561に伝達されるとともに、アーム部材551を介して受止誘導部材535に伝達されるようになっている。なお、アーム部材551は、プランジャー549の往復直線運動における運動方向を反転させて伝達する部材であり、これによって上記入賞防止部材561と上記受止誘導部材535とは相反方向に変位する。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について]
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
同図8及び図9に示されるように、本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について]
図8及び図9に併せて示されるように、本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図4及び図5に示されるように、本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板775を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。この払出制御基板775は、後述するが、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板765から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を払出中継基板108(図41参照)に伝達して払出モータ172を作動制御するようになっている。なお、この実施の形態では、払出制御基板775は、その下側にエラーLED表示器777及びエラー解除スイッチ778、その上側に球抜きスイッチ779等が配置されている。エラーLED表示器777は、球切れ、球がみ、賞球ストック(未払出分あり)、接続異常等の動作エラー状態を表示する。エラー解除スイッチ778を操作すると、上記スピーカ18,57から動作エラー状態に応じたエラー解除法を伝える音声案内が流れる。球抜きスイッチ779は、上記球タンク136及び上記タンクレール150に貯留されている遊技球を排出開始するスイッチである。
[後カバー体の構成について]
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
図5及び図6に示されるように、遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板765の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板765上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板765上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。また、RAMクリアスイッチ769を操作して、主制御基板765内のRAMに記憶されている遊技に関する各種情報を消去(クリア)可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213Cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
なお、分電基板238の下方には、外部端子板371が設けられており、後述の主制御基板765の遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出制御基板775の払い出しに関する各種情報(払出情報)を、外部端子板371を介してホールに設置された図示しないホールコンピュータに出力している。このホールコンピュータは、これらの遊技情報および払出情報により遊技者の遊技を監視している。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について]
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後カバー体210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
図2及び図7に併せて示されるように、本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インターフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インターフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板775との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板775との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[センター役物の具体的な構成について]
図11は遊技領域37を斜め右上前方から示す斜視図であり、図12は遊技領域37を斜め左上前方から示す斜視図であり、図13はセンター役物91を示す正面図であり、図14はセンター役物91の前側ユニット120と後側ユニット121とを分離した状態を示す分解斜視図であり、図15は前側ユニット120を機能単位で分離した状態を示す分解斜視図であり、図16は後側ユニット121を機能単位で分離した状態を示す分解斜視図である。
図11及び図12に示すように、センター役物91は、額縁状の外観を呈しており、遊技領域37の中央に配設されるとともに、上側から右側に亘る外周部分が、遊技領域37の右側周縁まで延出されている。つまり、センター役物91の右側には、実質的な遊技領域37が形成されておらず、遊技球が通過しないようになっている。なお、センター役物91の大きさは特に限定されるものではないが、本例では、遊技領域37全体の約2/3を占める極めて大きな役物として構築されている。
このように構成されたセンター役物91は、遊技領域37の上方に形成された発射口78aから遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が特定の領域を流下するように導くべく構成されている。「特定の領域」とは、センター役物91よりも上方においては、遊技領域37の幅方向のうち発射レール19側の約3分の2の領域であり、センター役物91近傍においては、センター役物91と発射レール19との間の領域であり、センター役物91よりも下方においては、排出口285近傍から発射レール19側の領域である。即ち、遊技球が、遊技盤37の上方から遊技領域37の中央部に配置されたセンター役物91と案内レールとの間を通って排出口285に向かう流路である。
なお、普通図柄始動口96、特別図柄始動口82および大入賞口141は、遊技球の流下方向について上流側から、大入賞口141、特別図柄始動口82、普通図柄始動口96の順に配置されている。より詳しくは、遊技盤5を上下方向に3分割したとき、大入賞口141は最上方の3分の1の領域内に配置されており、特別図柄始動口82は中位の3分の1の領域内に配置されており、普通図柄始動口96は最下方の3分の1の領域内に配置されている。従って、発射口78aから遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、最も早く大入賞口141に到達し、次いで特別図柄始動口82、さらに次いで普通図柄始動口96に到達する。
図13乃至図16に示すように、センター役物91は、前側に配置される前側ユニット120と、その後側に配置される後側ユニット121とに大別されている。前側ユニット120は、遊技領域37から前方に突出した状態で配設されており、遊技領域37と内部空間とを区画する装飾フレーム125を備えている。なお、装飾フレーム125の外周面のうち特に左側の部分には、遊技球を誘導するための誘導壁123が形成され、また、装飾フレーム125の中央には表示窓として機能する開口部124が設けられている。
装飾フレーム125は、表面に装飾が施されており、その左上部には、演出に応じて光を放射する上側電飾体127が配設され、装飾フレーム125の右下部には、上側電飾体127とは別の形態の下側電飾体128が配設されている。さらに、装飾フレーム125の右側には、周面に沿って円弧状に配設された複数の発光手段からなる枠電飾体129が設けられている。
また、装飾フレーム125の上部側は、右上部分が左上部分よりも上方に突出しており、その内側に拡張開口部140が形成されている。この拡張開口部140は、後述する装飾物246や横断誘導部材247を収容する空間として機能しており、開口部124と連通した状態で形成されている。拡張開口部140の左側壁の誘導壁123には、遊技球が入賞可能な大入賞口141が装飾フレーム125の周面を貫通して設けられており、第1の可動片142によって開閉可能となっている。なお、図面では、第1の可動片142によって大入賞口141が閉鎖された状態を示しており、この状態では、大入賞口141に遊技球を入賞させることができないようになっている。そして、第1の可動片142による開放動作によって上記大入賞口141外の領域(第2の遊技領域)から上記大入賞口141内の領域(第1の遊技領域)に入賞(進入)した遊技球は、横断誘導部材247等から構成された誘導通路143によって誘導され、後述する回転式振分装置294に送られる。
また、装飾フレーム125の左側面には、遊技球が入球可能な流入口144(図12参照)が設けられており、流入口144から入球した遊技球を装飾フレーム125の内部に取り入れることが可能になっている。装飾フレーム125の内側底面には、後述するステージ461から流出する遊技球を、普通図柄始動口96に向かって案内する入賞案内部145が設けられている。
以下、装飾フレーム125に組みつけられた上記の各構成についてさらに詳細に説明する。
[上側電飾体127について]
上側電飾体127は、図15に示すように、オートバイのライトを模したものであり、発光可能な比較的大型のヘッドランプ部148と、その両側に配置された小型のサイドランプ部149と、ヘッドランプ部148及びサイドランプ部149を支持するランプ支持部160とを有して構成されている。また、これらの下方を覆うように底面から後方に延出された装飾カバー(図示しない)が設けられている。
[下側電飾体128について]
下側電飾体128は、図15に示すように、所定の文字(例えば「爆」)の形状が切り抜かれた文字盤164と、その後方に配置された反射板(図示しない)、及び発光手段(図示しない)とを有して構成されている。つまり、発光手段の光を、反射板によって乱反射させるとともに、その光を文字盤164に形成された文字窓を通して放射させることにより、文字盤164の文字を光らせることを可能にしている。
[特別電動役物及びその駆動機構について]
大入賞口141を開閉する第1の可動片142は、上側電飾体127の後方に配設された開閉部材駆動機構184によって回動するように支持されている。つまり、第1の可動片142は、前後方向に延出された支持軸185を中心として回動可能に軸支され、開閉部材駆動機構184によって支持軸185を回動させることにより、起立状態(閉鎖状態)から傾斜状態(開放状態)、または傾斜状態から起立状態に変位させることが可能になっている。開閉部材駆動機構184の詳細について、図17乃至図19に基づいて説明する。図17は第1の可動片142及び開閉部材駆動機構184を斜め左上後方から示す斜視図であり、図18は第1の可動片142及び開閉部材駆動機構184の構成を示す背面図であり、図19は開閉部材駆動機構184の各構成を分離した状態を示す分解斜視図である。
開閉部材駆動機構184は、プランジャー186(図19参照)の先端が下方を向くように配設されたソレノイド187と、プランジャー186の先端に取付けられ上下方向に往復運動するブロック状の往復動部材188と、往復動部材188の上面後端部分から上方(すなわちソレノイド187の後側)に向かって延出され往復動部材188と一体成形された延出部189と、延出部189の往復運動を第1の可動片142の支持軸185に伝達し支持軸185を回転させるリンク機構204とを有して構成されている。なお、往復動部材188の左右両側面には、左右外方向へ突出する一対のフランジ225が形成されており、延出部189の上部側には、前後方向に貫通し左右方向に長い長孔205が穿設されている。
リンク機構204は、長手方向が延出部189の往復運動方向に対して略垂直になるように配設され、右側端部が回動軸200を介して回動可能に軸支されたアーム部201と、延出部189の上端近傍とアーム部201とを連結し、延出部189の直線往復運動をアーム部201の回動運動に変換する運動変換部材202と、アーム部201の先端側(左側端部)と第1の可動片142の支持軸185とを連結し、アーム部201の回動運動を支持軸185に伝達する双眼鏡形状の回動伝達部材203とから構成されている。なお、運動変換部材202は、アーム部201の軸支部分(すなわち回動軸200が接続された部分)と回動伝達部材203が連結された部分との間に連結されている。また、回動伝達部材203は、連結ピン206を介してアーム部201に連結されるとともに、アーム部201の先端から内側(右方向)に向かって延設されている。また、運動変換部材202は、延出部189の上部に形成された長孔205に挿入されており、延出部189が往復直線運動する際、アーム部201の角度に合わせて左右方向に摺動するようになっている。つまり、アーム部201に対する接続点の位置を変えることなく、延出部189の往復直線運動をアーム部201の回動運動に変換させることを可能にしている。なお、延出部189及びソレノイド187は、アーム部201の回動軸200と第1の可動片142の支持軸185との間に配置されており、開閉部材駆動機構184における上下方向の長さが短くなるように構成されている。
ところで、開閉部材駆動機構184には、ソレノイド187が取付けられた基板183(図15参照)と、ソレノイド187及び往復動部材188を挿通させる透孔208を有し基板183全体を後側から覆う透明の第一ケース209と、その第一ケース209の外面から突出して形成され回動軸200の一端側が挿入される筒状の第一軸受部220と、第一ケース209を貫通するとともに第一ケース209の外面から突出して形成され、支持軸185が挿通される第二軸受部221とが備えられている。つまり、第一ケース209に形成された第一軸受部220によって回動軸200が支持され、第二軸受部221によって第1の可動片142の支持軸185が支持されている。また、第一ケース209の前面側の周縁には、第一ケース209を装飾フレーム125の背面に固定するための複数の取付部222が突出して形成されている。
また、図19に示すように、第一ケース209における透孔208の左右周縁には、第一ケース209の外面から後方に突出して形成されたガイド部223が設けられている。このガイド部223における左右方向の内寸は、往復動部材188の両側面に形成された一対のフランジ225間の外寸と略一致する大きさ(厳密に言えば外寸よりも僅かに広い大きさ)に形成されており、ガイド部223の内面がフランジ225の側面に当接するようになっている。つまり、左右一対のガイド部223によって往復動部材188における左右方向への動きが規制され、上下方向へのみ摺動するようになっている。
また、第一ケース209の外面には、開閉部材駆動機構184全体を覆う透明な第二ケース224(図19参照)が組付けられており、ガイド部223の前面側から透孔208内に突出した支え部223aと第二ケース224の先端面とによって、フランジ225を前後方向に挟持している。つまり、第一ケース209及び第二ケース224を利用して往復動部材188における前後方向の動きも規制されている。なお、第二ケース224の背面には、基板に接続された複数のハーネス(図示しない)を結束するためのハーネス掛止片226が配設されている。
[誘導通路143について]
装飾フレーム125内に配設された誘導通路143について、図14、及び図20〜図23に基づき説明する。図20は誘導通路143の構成を示す拡大斜視図であり、図21は誘導通路143及び装飾物246の構成を示す平面図であり、図22は図21におけるA−A断面及びB−B断面を示す断面図であり、図23は誘導通路143の排出口付近の構成を示す断面図である。
図14及び図20に示すように、誘導通路143は、装飾フレーム125と略同一の突出量となるように配設された透明の管状部材からなり、大入賞口141に入賞した遊技球を装飾物246の前方で横断させる横断誘導部材247と、その横断誘導部材247の下流端に連通し横断誘導部材247によって誘導された遊技球を装飾フレーム125の内周面に沿って誘導する周面誘導部280と、周面誘導部280の下流端に連通し、周面誘導部280によって誘導された遊技球を装飾フレーム125の中心側に向かって略水平方向に誘導する内方向誘導部281と、内方向誘導部281に連通し内方向誘導部281によって誘導された遊技球を装飾フレーム125の奥側に向かって誘導する奥方向誘導部284と、を具備して一体的に形成されている。
横断誘導部材247は、装飾フレーム125の拡張開口部140内を横断しており、右側が下方となるように僅かに傾斜して配置されている。また、横断誘導部材247は、略直線状に延出されており、その内部には遊技球が通過する大きさの通路が形成されている。なお、横断誘導部材247は、透明の部材で形成されており、内部を通過する遊技球、及び横断誘導部材247の後方に配設された装飾物246を、横断誘導部材247を通して視認させることが可能になっている。
周面誘導部280は、装飾フレーム125における前後方向の厚みと略同等の奥行を有しており、その内部には、流下する遊技球を前後方向にジグザグ状に方向転換する複数の方向変換部282が形成されている。つまり、周面誘導部280に案内された遊技球を、前後方向にジグザグ状に流下させることにより、周面誘導部280における上下方向の長さが比較的短い場合でも、通路の長さを比較的長く形成し、遊技球の挙動を十分に楽しませることを可能にしている。なお、方向変換部282の形状及び配列は特に限定されるものではないが、本例では、内方向に向かって尖った断面略三角形状の外観を呈する複数の方向変換部282を、高さ方向に対し千鳥状となるように、互いに対向する前内面及び後内面から交互に突出させている。また、各方向変換部282の上流側根元部分には、前内面または後内面から僅かに突出した半円柱形状の突起283が設けられており、これにより、遊技球の流下速度を抑制している。
内方向誘導部281は、装飾フレーム125の中心側に向かって略水平方向に延出されており、横断誘導部材247と同様に、装飾フレーム125と略同一の突出量となるように装飾フレーム125の前側にのみ配置されている。つまり、略直線状に形成されており、その内部には遊技球が通過する大きさの通路が形成されている。なお、内方向誘導部281の前側内面及び後側内面においても、周面誘導部280と同様に、半円柱状の突起283が一定の間隔で配設されており、遊技球の流下速度を抑制するようにしている。ただし、内方向誘導部281には、方向変換部282に相当するものは設けられていない。
奥方向誘導部284は、装飾フレーム125の前側から奥側に向かって延出された直線状の部材であり、奥方向誘導部284の背面には、遊技球を排出する排出口285が設けられている。すなわち、奥方向誘導部284に到達するまでの間、装飾フレーム125の前面付近で誘導されてきた遊技球が、奥方向誘導部284によって後方に向かって誘導されることになる。このように構成することにより、前方から見る遊技者にとっては、遊技球が一瞬止まっているかのように見えるようになる。特に、奥方向誘導部284の底面が内方向誘導部281の底面よりも垂下されているため、内方向誘導部281及び奥方向誘導部284を前方から見た場合、正面視が、水道の蛇口のように鉤状となる。このため、内方向誘導部281によって誘導された遊技球が、奥方向誘導部284の底面から流出するように見せつつ、遊技球を奥方向に向かって誘導させることが可能となる。したがって、遊技球が止まっているかのような感覚を一層強く喚起させることが可能になる。
また、図23に示すように、奥方向誘導部284の内側底面には、後方に向かって下り勾配の突起部286が形成されており、奥方向誘導部284内で遊技球の勢いが弱くなりすぎた場合でも、突起部286によって遊技球を後方に誘導させることを可能にしている。
なお、図23に示すように、奥方向誘導部284の下流側には、奥方向誘導部284から排出された遊技球を受取り、所定の振分装置321(詳細は後述する)へ案内する案内通路369が配設されている。ここで、奥方向誘導部284の排出口285は、案内通路369の入球口よりも高い位置に配置されており、排出口285と入球口との間に段差部288が形成されている。つまり、段差を設けることにより、案内通路369から奥方向誘導部284内に遊技球が逆流することを防止している。
ところで、本例では、大入賞口141に遊技球が勢いよく入賞した場合でも、横断誘導部材247内で遊技球をゆっくりと転動させることができるように、横断誘導部材247と大入賞口141との間には、大入賞口141に入賞した遊技球の勢いを抑制する速度低減部材248が介装されている。図22に示すように、速度低減部材248は、大入賞口141に入賞した遊技球を後方に向かって案内する後方ガイド部260と、後方ガイド部260に連通し遊技球を僅かに斜め前方へ落下させる降下ガイド部261と、降下ガイド部261に連通し遊技球を前方に向かって案内する前方ガイド部262とから構成されている。なお、後方ガイド部260及び降下ガイド部261は、誘導通路143とは別のガイド通路形成部材によって形成され、前方ガイド部262は誘導通路143の先端において横断誘導部材247と一体に形成されている。
また、降下ガイド部261には、大入賞口141に入賞した遊技球を検出するための入賞状態検出手段263が配設されており、入賞状態検出手段263での検出信号を出力する信号線が、降下ガイド部261の背面側に設けられたコネクタ(図示しない)に接続されている。
また、本例では速度低減部材248を前方から遮蔽するための遮蔽カバー264(図14参照)が装飾フレーム125の前面に取付けられており、大入賞口141に入賞した遊技球を、一旦遮蔽することにより、横断誘導部材247に遊技球が出現する際のワクワク感を高めている。また、遮蔽カバー264によって入賞状態検出手段263を遮蔽し、見栄えの低下を防止している。なお、遮蔽カバー264は、装飾フレーム125の一部として機能しており、その後方に配設された発光手段(図示しない)によって遮蔽カバー264全体が光るように構成されている。
[後側ユニット121の概略構成]
一方、後側ユニット121は、図14及び図16に示すように、演出表示装置115を視認可能な開口部291を有する枠状の後側フレーム292と、その後側フレーム292の右上に配置されオートバイを模した形状の装飾物246と、後側フレーム292の右側に配置され、誘導通路143によって誘導された遊技球を振分けて誘導する複合誘導装置293と、複合誘導装置293によって誘導された遊技球を回転体によって振分ける回転式振分装置294と、後側フレーム292の下側に配置され遊技球を左右方向に転動させることが可能な転動装置295と、流入口144に流入した遊技球を転動装置295に誘導する誘導装置296と、転動装置295の後方に配設され、演出としてオートバイのスピードメータを視認させるメータ表示装置297とを具備して構成されている。また、後側フレーム292の開口部291には、開口部291を閉鎖する透明の仕切板298が設けられており、転動装置295とメータ表示装置297とが仕切板298によって仕切られている。以下、後側ユニット121における各構成について詳細に説明する。
[後側フレーム292について]
後側フレーム292は、前面が開放された略四角形の枠状部材であり、開口部291が形成された板状の背面板300と、背面板300の周縁から前方に延出された側面板301とから構成されている。つまり、上記した各構成が後側フレーム292の内部に収容されるように箱状に形成されている。なお、図示していないが、後側フレーム292の周囲、特に左側方及び右下方には、入賞した遊技球または排出される遊技球を所定の部位に案内するための案内通路構成部材が組付けられるようになっている。
[装飾物246について]
装飾物246は、装飾フレーム125における拡張開口部140に対応する位置、すなわち横断誘導部材247の後方の空間に配設されている。装飾物246は、オートバイの模型である装飾物本体302と、装飾物本体302における前輪が持ち上がるように装飾物本体302を回動可能に支持する支持軸部(図示しない)と、回転力を発生する装飾物モータ303と、この装飾物モータ303の回転を支持軸部に伝達し支持軸部を回動させるリンク機構(図示しない)とから構成されている。つまり、装飾物本体302は、遊技状態に基づいて変動する可動役物であり、例えば、抽選への期待値が高くなると、装飾物モータ303を駆動して通常の走行状態から前輪を持ち上げた走行状態へと切替えるようになっている。なお、装飾物本体302の後方には、装飾物本体302の背景となる背景装飾板304(図13参照)が設けられており、背景装飾板304の表面には装飾性を有する凹凸模様が形成されている。
[複合誘導装置293について]
複合誘導装置293の具体的な構成について、図24乃至図29に基づき説明する。図24は複合誘導装置293及び回転式振分装置294を示す斜視図であり、図25は複合誘導装置293及び回転式振分装置294を示す正面図であり、図26は図25におけるC−C断面を示す断面図であり、図27は主に振分装置321付近の構成を示す断面図であり、図28は図25におけるD−D断面を示す断面図であり、図29は図25におけるE−E断面を示す断面図である。
図24〜図26に示すように、複合誘導装置293は、軸心方向が略垂直方向となるように配設された円筒状の円筒部材306と、その円筒部材306内で螺旋状に形成され遊技球を所定の第一領域307まで誘導する内側誘導通路308と、円筒部材306の外周面に沿って螺旋状に形成され遊技球を所定の第二領域309まで誘導する外側誘導通路320と、誘導通路143によって誘導された遊技球、すなわち大入賞口141に入賞した遊技球を、内側誘導通路308と外側誘導通路320とに振分ける振分装置321とを具備して構成されている。つまり、誘導通路143によって誘導された遊技球が、振分装置321によって内側誘導通路308及び外側誘導通路320に振分けられ、夫々螺旋状に形成された通路に沿って旋回しながら、互いに異なる第一領域307及び第二領域309に誘導されるようになっている。特に、互いに区画された二つの誘導通路308,320が内外二重に構成され、しかも螺旋状に形成されているため、互いに区画された比較的長い二つの経路を、装置を大型化させることなく構築することが可能になる。
また、円筒部材306、内側誘導通路308、及び外側誘導通路320は、いずれも透明の樹脂部材で形成されており、内側誘導通路308及び外側誘導通路320を通過する遊技球の挙動、すなわち旋回している様子を視認させることが可能となっている。
また、内側誘導通路308における螺旋の方向と、外側誘導通路320における螺旋の方向とは、互いに逆周りに形成されている。つまり、内側誘導通路308における遊技球の転動方向と、外側誘導通路320における遊技球の転動方向とが、互いに逆向きになるように構成されている。このため、どちらの通路を通過中であるのかを容易に把握させることが可能になるとともに、互いに反対方向に転動する遊技球によって演出の面白みを高めることができる。
なお、詳細は後述するが、第二領域309は第一領域307よりも、遊技者にとって有利性の高い領域となっており、遊技球が外側誘導通路320を通過するか否かを特に注目させるようにしている。つまり、遊技球の存在を明瞭に認識させることが可能となる外側誘導通路320を、遊技者が注目すべき通路とすることにより、外側誘導通路320への関心を高めるようにしている。また、有利な第二領域309に向かって誘導する外側誘導通路320の方が長い経路となるため、期待感を次第に高め、その後の展開に対してワクワクさせることが可能となる。
また、外側誘導通路320の内面には、遊技球の流下速度を抑制する複数の突起325が所定の間隔で形成されている。このため、有利性の高い外側誘導通路320を通過する際、遊技球は、複数の突起325と衝突することとなり、遊技球の勢いが抑制され、ゆっくりと転動するようになる。したがって、遊技球の挙動を十分に視認させることができ、第二領域309で行われる処理と第二領域309に送られるタイミングとの関係に対して、ハラハラドキドキさせることができる。
ところで、外側誘導通路320の流出口327は、外側誘導通路320の下部前側に配置されている。このため、外側誘導通路320から第二領域309に流出する際の挙動や排出のタイミングを明確に視認させることができる。特に、外側誘導通路320の流出口327近傍にはクルーン326が設けられており、漏斗状の斜面に沿って旋回させながら排出するように構成されている。したがって、排出されるタイミングが最後まで分かり難くなり、排出されるタイミングに対して一層ハラハラさせることが可能になる。
これに対し、内側誘導通路308の流出側には、図29に示すように、流出口340までの通路を後方に向かって延出させた延出流出路329が設けられており、流出口340が外側誘導通路320よりも後方に位置するように構成されている。このように、延出流出路329を備えることにより、内側誘導通路308及び外側誘導通路320における螺旋の径が比較的小さい場合でも、内側誘導通路308の流出口340と外側誘導通路320の流出口328とを離間させることが可能となり、第一領域307及び第二領域309において、比較的大型の役物等を配設することが可能となる。
一方、図27及び図28に示すように、内側誘導通路308の流入口341aは、振分装置321の左側に延出された流入通路341の先端に形成され、外側誘導通路320の流入口342aは、振分装置321の右側に延出された流入通路342の先端に形成されている。
振分装置321は、揺動可能に軸支された揺動片363と、プランジャーを往復直線運動させるソレノイド365と、プランジャーの往復直線運動を揺動片363の揺動運動に変換するクランク機構366とを有して構成されている。また、振分装置321に遊技球を案内する案内通路369は、樋状に形成されており、奥方向誘導部284の後端から排出された遊技球を受取って後方に誘導するとともに、その後、Uターンさせ揺動片363の左側真上に案内するようにU字形に形成されている。つまり、ソレノイド365の左側から前方の揺動片363上に向かって流出するように構成されている。そして、揺動片363は、後側から揺動片363上に向かって流出された遊技球を、揺動片363の上面勾配によって、左側に配置された内側誘導通路308の流入口341aと、右側に配置された外側誘導通路320の流入口342aとに振分けるように構成されている。したがって、振分状況を明瞭に視認させることが可能になるとともに、後方から前方に向かって排出された遊技球を左右に振分けるため、揺動片363での跳ね返りがなく滑らかに振分けることができる。
なお、揺動片363とソレノイド365との間には、表面が鏡面加工された装飾仕切板380が設けられ、ソレノイド365及びクランク機構366等を装飾仕切板380によって遮蔽している。また、図24及び図25に示すように、振分装置321の前面側は透明なケース382によって覆われ、案内通路369の上方は透明なカバー(図示しない)によって覆われている。つまり、ケース382やカバーを設けることにより、遊技球の逸脱及び外部からの進入を防止している。
さらに、揺動片363の前方下側には、交互に点滅する二つの発光部を有する電飾部381が設けられており、これにより意匠性を高めるとともに、遊技球が二つの経路に振分けられることを喚起させるようにしている。
[回転式振分装置294について]
続いて、回転式振分装置294について、図24、図26、及び図30〜図33に基づき説明する。図30は回転式振分装置294の構成を示す平面図であり、図31は回転体347を取外した状態を示す平面図であり、図32は図30におけるF−F断面を示す断面図であり、図33は図30におけるG−G断面を示す断面図である。
図26及び図30に示すように、回転式振分装置294は、複合誘導装置293の内側誘導通路308または外側誘導通路320によって誘導された遊技球を、回転体347を用いて、有利な状態と不利な状態とに選択的に振分けるものである。回転式振分装置294は、凹状の特定領域344、普通領域345、及びリターン領域346を有し、回転可能に支持された円盤状の回転体347と、回転体347を回転させる回転体駆動手段343と、回転体347の周囲を囲う外周壁385を有する回転体ケース384とを具備して構成されている。
また、図31に示すように、回転体ケース384の上面には、回転体347の回転に伴って特定領域344、普通領域345、及びリターン領域346に一時的に連通される流入口367と、内側誘導通路308によって誘導された遊技球を流入口367に案内する案内通路349と、リターン領域346に入球した遊技球をリターン領域346から流出させるリターン流出口389と、リターン流出口389から流出した遊技球を再び流入口367に戻すリターン通路400とが形成されている。さらに、回転体ケース384において回転体347を収容する回転体収容部384aの底面には、特定領域344に入球した遊技球を特定領域344から流出させる第一流出口388と、普通領域345に入球した遊技球を普通領域345から流出させる第二流出口387とが形成されている。また、第一流出口388には、遊技球が第一流出口388から流出されたことを検出する遊技球検出手段(V入賞センサ331)が設けられており、この遊技球検出手段によって遊技球が検出された場合には、上記特別遊技が行われるようになっている。
以下、回転式振分装置294における各構成について詳細に説明する。
回転体347は、中央部分が最も高く周縁に向かって緩やかに低くなる笠形状を呈しており、その周縁には、夫々外周に沿って開口した、一つの特定領域344と、回転体347の回転軸405を中心として特定領域344と対向する位置に形成された一つのリターン領域346と、回転体347及びリターン領域346の間に等間隔で形成された六個の普通領域345とが設けられている。つまり、特定領域344とリターン領域346との位相差が180°となり、それらの領域344,346を繋ぐ線を境界線として、三個の普通領域345が線対象に配設されている。各領域344,345,346の底面には、夫々遊技球が排出可能な貫通孔が形成されており、その貫通孔と回転体収容部384aの底面との組合せによって遊技球が流出される状態と流出されない状態とが切替えられるようになっている。具体的に説明すると、特定領域344における貫通孔は、回転体収容部384aの底面に形成された第一流出口388と合致し、第二流出口387とは合致しない位置に形成され、一方、普通領域345における貫通孔は、回転体収容部384aの底面に形成された第二流出口387と合致し、第一流出口388とは合致しない位置に形成されている。ここで、「合致する」とは、少なくとも遊技球を排出させることができる程度に連通する状態を示しており、「合致しない」とは、譬え重ね合っても連通部分が遊技球の直径よりも小さく遊技球を通過させることのない状態を示している。したがって、特定領域344に遊技球が入球した場合には、その遊技球は回転体347とともに回転し、特定領域344が第一流出口388と合致した際、第一流出口388から流出される。また、普通領域345に遊技球が入球した場合には、その遊技球は回転体347とともに回転し、普通領域345が第二流出口387と合致した際、第二流出口387から流出される。なお、第一流出口388には、V入賞センサ331(図41参照)が配設されており、特定領域344から遊技球が流出したことをV入賞センサ331によって検出するようになっている。また、第二流出口387には、排出センサ313(図41参照)が配設されており、普通領域345から遊技球が流出したことを排出センサ313によって検出するようになっている。
また、特定領域344及び普通領域345の外周縁には、遊技球が各領域344,345から径方向に流出することを防止する円弧状の流出防止壁408が形成されている。つまり、特定領域344及び普通領域345が、回転体ケース384に形成されたリターン流出口389と一致しても、そのリターン流出口389に流出しないように堤が形成されている。換言すれば、リターン領域346における貫通孔は、第一流出口388及び第二流出口387のいずれも合致することはないが、外周縁には流出防止壁408が設けられていないため、リターン流出口389と一致した場合には、リターン流出口389から流出するようになっている。
なお、図33に示すように、リターン流出口389の底面は、流出防止壁408の上面よりも低い位置に形成されリターン通路400に向かって下り勾配となっているため、特定領域344及び普通領域345がリターン流出口389に合致した場合には、流出防止壁408が有効となり、特定領域344及び普通領域345から遊技球が流出することを確実に防止することができる。これに対し、図32に示すように、流入口367の底面は、流出防止壁408の上面よりも高い位置に形成されている。このため、流入口367では流出防止壁408が無効となり、流出防止壁408の有無に拘らず、全ての領域に対し周面開放部分から遊技球を入球させることが可能となる。
このように、流入口367に到達した遊技球は、回転体347の特定領域344、普通領域345、またはリターン領域346に向かって流入可能な状態となる。つまり、遊技球が流入口367に達しても、その流入口367が回転体347における特定領域344、普通領域345、またはリターン領域346に連通するまではその場所で待機し、回転体347の回転に伴って一時的に連通すると、その特定領域344、普通領域345、またはリターン領域346に入球し、回転体347とともに軸心周りに回転する。そして、特定領域344に入球した遊技球は第一流出口388から流出し、普通領域345に入球した遊技媒体は第二流出口387から流出する。また、特定領域344から遊技球が流出したことに基づいて、上記特別遊技が行われる。
一方、リターン領域346に入球した遊技球はリターン流出口389から流出し、その後、リターン通路400を通って再び流入口367に戻される。つまり、特定領域344に入球させることができない場合であっても、リターン領域346に入球した場合には、特定領域344に入球させる機会を再び付与することから、遊技者に得した気分を与え、遊技意欲を高めることが可能になる。
特に、遊技球を流入口367に戻すためのリターン通路400は、案内通路349とは別の通路で構成されている。このため、最初に流入口367に到達するまでの遊技球の挙動と、再び流入口367に到達する際の遊技球の挙動とを互いに異ならせることができ、異なる挙動によって振分けの単調さを軽減することができる。特に、リターン通路400は、回転体347の外周に沿って形成され、案内通路349は、リターン通路400の外側に配設され、リターン通路400と略並行に形成されている。このため、リターン通路400は、リターン流出口389及び流入口367を最短距離で連通することができ、回転体347付近での遊技球の挙動が必要以上に長くなることによるイライラ感を抑制することができる。また、二つの遊技球を並んで転動させることができるようになり、力動的な挙動を醸し出すことができる。
また、案内通路349には、保留装置360が介装されており、案内通路349を通過する遊技球を一旦停留させ、その後、所定のタイミングで放出させることができるようになっている。保留装置360は、停留可能な遊技球の保留数を一つのみに制限する球収容部406と、球収容部406を、案内通路349に対して垂直とし遊技球を保留可能とする保留位置、及び案内通路349に対して並行とし保留した遊技球を流出可能とする開放位置との間で回動させる保留駆動機構338(図41参照)とを具備して構成されている。なお、球収容部406が保留位置のときに球収容部406から溢れる遊技球を案内通路349から排出する排出路407が、案内通路349から分岐して形成されている。このように、案内通路349に保留装置360を介在させたことにより、流入口367に到達する遊技球のタイミングが予測し難くなり、特定領域344を狙った特殊な打ち方を抑制することが可能になる。また、リターン通路400には保留装置360が設けられていないため、リターン通路400の傾斜が比較的緩やかであっても、遊技球を円滑に転動させることができる。また、保留装置360に球収容部406が設けられているため、大入賞口141に入賞する遊技球の個数を増やしても、回転体347の特定領域344に入球可能となる遊技球の数を制限することができる。したがって、入賞による遊技者の期待感を高めながらも、遊技店における負担の増大を抑制することが可能となる。
ところで、図24に示すように、回転体347の各領域に遊技球を入球させる経路として、内側誘導通路308を経由して流入口367から入球させる場合と、外側誘導通路320を経由して回転体347の上面に直接供給する場合とがある。そして、回転体347の上面には、遊技球が入球可能となる普通領域345の個数を制限する入球規制壁421が設けられている。具体的には、図30に示すように、六個の普通領域345のうち、四個の普通領域345の周囲を囲むようにU字形の入球規制壁421が四つ設けられており、二つの普通領域345と、特定領域344及びリターン領域346とにのみ入球させることを可能にしている。すなわち、外側誘導通路320によって第二領域309である回転体347の上面に誘導された場合には、内側誘導通路308によって流入口367に誘導された場合よりも、入球可能となる普通領域345の数が少なくなり、特定領域344またはリターン領域346に入球する確率が高くなる。換言すれば、上記特別遊技が行われる期待値が高くなる。
ところで、リターン流出口389は、流入口367よりも後方で且つ上方の外周壁385に形成されている。そして、リターン流出口389を流入口367よりも高い位置に形成することにより、リターン通路400を、下流側に向かって下り勾配に形成することが可能となり、リターン流出口389から流出された遊技球を、自重を利用して自然に戻すことが可能になる。ところが、リターン流出口389を流入口367よりも高い位置に形成する場合には、リターン領域346に入球した遊技球を高い位置に持ち上げる必要があり、回転体347の機構が複雑になったり大型化したりする虞がある。そこで、本例では、図26に示すように、回転体347の回転軸405を、回転体347に対して垂設するとともに、上端が下端よりも前側に位置するように前方に傾斜した状態で支持している。つまり、回転体347の上面を前側に傾斜させることにより、回転体347の後側の高さを前側の高さよりも高くし、流入口367からリターン領域346に入球した遊技球を、回転体347の回転力を利用して流入口367よりも高いリターン流出口389まで持ち上げるようにしている。また、これによれば、回転体347の上面を前側に傾斜しているため、流入口367から各領域に遊技媒体が入球する様子や、リターン流出口389からリターン通路400に流出する様子を、明瞭に視認させることが可能となり、回転体347を用いた効果的な演出を容易に行うことができるようになる。
回転軸405を回転させる回転体駆動手段343は、回転力を発生するモータ422、モータ422の回転を回転体347の回転軸405に伝達し、回転体347を一定方向(本例では平面視時計回転方向)に回転させる伝達機構423、モータ422及び回転体ケース384を支持するとともに回転体347の回転軸405を回転可能に支持する支持部材425、及び、回転体347を常時回転させるとともに、回転軸405の回転速度を定期的に異なる速度に切替える速度切替手段409(図41参照)を備えている。
ところで、回転体347の速度が常に一定の場合には、リターン流出口389から流出した遊技球が流入口367に戻る際に、常に同じ領域に入球する可能性があり、これによれば、流入口367に戻る前から、さらにはリターン領域346に入球した時点から、どの領域に戻るのかを把握することが可能となり、リターン領域346を設けたことによる面白みが半減する虞がある。これに対し、本例では、速度切替手段409が備えられ、回転体347の回転速度を定期的に変化させるように構成されている。このため、リターン通路400を通って再び流入口367に戻った遊技球が入球可能となる領域を、随時変化させることが可能になり、ひいてはリターン領域346に入球した際に、その後の遊技球の挙動に注目させることができる。
特に、速度切替手段409は、リターン領域346がリターン流出口389に合致した後、リターン領域346から流出された遊技球がリターン通路400を通って流入口367に達するのに要する時間が経過するまでの間における回転体347の回転速度を、定期的に、通常とは異なる速度に変化させている。具体的に説明すると、速度切替手段409は、回転体347を回転させる際、リターン領域346がリターン流出口389に合致する位置を基準点とし、回転体347が半回転のn倍(nは整数:本例では「4」)回転するまでを高速回転させる高速回転モードと、その後、回転体347が半回転のm倍(mは整数:本例では「1」)回転するまでを低速回転させる低速回転モードとを有し、高速回転モード及び低速回転モードを交互に繰り返すようにしている。
これにより、リターン領域346から流出された遊技球が再び流入口367に到達するまでの間において回転する、回転体347の角速度を確実に変化させることが可能になり、再び入球可能となる領域を定期的に切替えることが可能になる。また、回転速度が一度切り替わると、少なくとも180°回転するまではその速度が継続されるため、回転体347の速度が変化するタイミングを把握させることが可能となり、回転体347の速度と特定領域344に入球する可能性とを関連付けて、遊技球の行方を予測させることが可能となる。換言すれば、回転体347の回転速度にも注目させることが可能となり、振分における興趣を一層高めることが可能になる。なお、この場合、リターン領域346から流出された遊技球が特定領域344に入球する確率は、高速回転モードと低速回転モードとの比率によって決まることとなり、例えば、本例のように、高速回転モードと低速回転モードとの比率を4:1とし、低速回転モード時に特定領域344に入球するように設定した場合は、リターン領域346から流出された遊技球が特定領域344に入球する確率は、1/5となる。つまり、大入賞口141に入賞した遊技球が全て案内通路349を通って流入口367に到達すると仮定した場合、流入口367に到達した遊技球がリターン領域346に入球する確率は1/8となり、その1/5(全体の1/40)が特定領域344に入球することとなる。
[転動装置295及び誘導装置296について]
図14に示すように、後側フレーム292の下部前側には、遊技球を左右方向に揺動させながら落下させるステージ461が設けられている。ステージ461は、奥側の転動面と手前側の転動面とを有しており、手前側の転動面の中央部分には、球導出口461aが設けられている。なお、この球導出口461aは、装飾フレーム125に形成された入賞案内部145と連通しており、ステージ461で転動した遊技球が球導出口461aの中央から放出されると、入賞案内部145を通ることとなり、普通図柄始動口96に入球する可能性が高くなる。なお、ステージ461は半透明の部材から構成されており、ステージ461の下方に配設された発光手段(図示しない)の光をステージ461から放射させる構成となっている。
一方、誘導装置296は、装飾フレーム125の周面に形成された流入口144(図12参照)から入球した遊技球をステージ461に誘導するものであり、本例ではコイル状の形成された通路形成部材296aを縦方向に配置し、流入口144とステージ461とを連通している。つまり、通路形成部材296aは、螺旋状の形状を呈しており、遊技球を螺旋状に回転させながらステージ461に誘導する。また、通路形成部材296aは、後側フレーム292における内側の左側面を塞ぐ閉塞部材424に取付けられ、立設状態で保持されている。なお、閉塞部材424の表面には、細かな凹凸模様が形成されており、遮蔽板としても機能している。
[メータ表示装置297について]
次に、メータ表示装置297について、図14、図34及び図35に基づき説明する。ここで、図34はメータ表示装置297を右上後方から示す斜視図であり、図35はメータ表示装置297を右上前方から示す斜視図である。メータ表示装置297は、後側フレーム292の下部に収容されるとともに昇降可能に支持され、上昇させることにより開口部291内に出現する表示枠部429と、その表示枠部429を昇降させる昇降機構440とを具備して構成されている。
さらに詳しく説明すると、表示枠部429は、左右方向に並んだ一対の円環状の窓枠448を有し、オートバイのスピードメータのケーシングを模した形状を呈している。一対の窓枠448の間には、演出表示装置115とは関係なく発光する第一電飾部449が設けられ、各窓枠448の周囲には、円環状の第二電飾部460が設けられている。第一電飾部449は、上下方向に分離された複数の表示窓を有し、遊技状態に基づいて、発光する表示窓の数が切り替わるようになっている。なお、第一電飾部449及び第二電飾部460は、表示枠部429が出現する場合にのみ点灯し、没入した場合には消灯する。
昇降機構440は、後側フレーム292に固定状態で取付けられたベース部材466と、ベース部材466において横長で前後方向に穿設された左右一対の下側長孔部467と、表示枠部429の底面近傍において横長で前後方向に穿設された左右一対の上側長孔部468と、交差部503が軸支されたX字形のリンク機構469と、そのリンク機構469の下端から前後方向に突出し、夫々の下側長孔部467に対して左右方向に摺動可能な状態で挿入された一対の下側支持ピン480と、リンク機構469の上端から前後方向に突出し、夫々の上側長孔部468に対して左右方向に摺動可能な状態で挿入された一対の上側支持ピン481と、リンク機構469の交差部503を上下動させることにより、表示枠部429を昇降させる昇降駆動手段482とから構成されている。
特に、ベース部材466は、下側長孔部467が設けられた底面部486と、その底面部486の左右両端から立設された一対の側壁部487とを有し、内部に表示枠部429を収容可能とする収容室が形成されている。また、側壁部487の内側面には、表示枠部429の可動方向を上下方向に案内するガイド部488が設けられている。また、昇降駆動手段482は、回転力を発生するメータ用モータ489、及びこのメータ用モータ489の回転を直線運動に変換するピニオン500及びラック501等の運動変換機構によって構成されている。
したがって、昇降駆動手段482によってリンク機構469の交差部503が上昇すると、X字形のリンク機構469は、一対の下側支持ピン480及び一対の上側支持ピン481における夫々間隔(左右方向の間隔)が狭くなり、下側支持ピン480と上側支持ピン481との間隔(リンク機構469における高さ方向の長さ)が長くなるように変形する。すなわち、高さ方向に延びるように変形し、これにより表示枠部429を上昇させる。この際、交差部503の変位を増幅して表示枠部429を変位させることが可能となる。具体的には、本例ではリンク機構469における交差部503の位置が上端と下端との中間部位にあるため、上側支持ピン481の変位量は交差部503の変位量の約二倍となる。換言すれば、昇降駆動手段482におけるラック501のストロークが比較的短い場合でも、表示枠部429をストロークの2倍の長さだけ変位させることが可能になる。また、表示枠部429をX字形のリンク機構469によって支えることから、表示枠部429を安定して昇降させることが可能になる。また、ベース部材466における側壁部487の内側面には、表示枠部429の可動方向を上下方向に案内するガイド部488が設けられているため、表示枠部429を滑らかに昇降させることが可能となる。
このように、後側フレーム292の下部には昇降可能に支持された表示枠部429が収容されており、表示枠部429を昇降機構440によって上昇させると、表示枠部429は開口部291内に出現する。表示枠部429には、一対の円環状の窓枠448が設けられているため、後側フレーム292の開口部291内に出現すると、窓枠448の内側を通して演出表示装置115の表示画面を視認させることが可能になる。特に、演出表示制御手段443(図50参照)が設けられており、表示枠部429が開口部291内に出現した際、演出表示装置115の表示画面を、窓枠448の内側を通して視認される第一表示領域(図示しない)と、表示枠部429の外側において視認される第二表示領域(図示しない)とに区分けし、第一表示領域及び第二表示領域に対して互いに異なる演出画像を表示させる。特に、本例では,第一表示領域を、右側の窓枠448を通して視認可能となる領域と、左側の窓枠448を通して視認可能となる領域とに区分けし、互いに異なる演出画像を表示させる。例えば、一方の第一表示領域にはスピード(速度)を表示させ、他方の第一表示領域にはエンジンの回転数を表示させるようにしている。
また、領域変位制御手段444(図50参照)を備えており、表示枠部429の上昇途中及び下降途中においては、第一表示領域と第二表示領域との相対位置を、表示枠部429の昇降に追随させて変位させるようにしている。つまり、表示枠部429の内側を通して視認される演出画像を、表示枠部429の可動位置に追随させて変位させることにより、その演出画像が表示枠部429からはみ出さないように制御している。
このように、表示枠部429の内側と外側とで互いに異なる演出画像を表示させることにより、恰も二つの表示手段があるかのように見せることができ、演出の興趣を高めることが可能になる。特に、表示枠部429の昇降に合わせて第一表示領域が変位するため、表示枠部429の可動中も常に表示枠部429を通して特定の演出を視認させることができ、表示枠部429と演出表示装置115が別々のものであるという印象を喚起させない。また、表示枠部429が出没可能であるため、出現により遊技者に驚きを与えることができる。
なお、図14及び図16に示すように、後側フレーム292の開口部291を閉塞する透明の仕切板298が設けられており、これにより、ステージ461とメータ表示装置297とが仕切られている。このため、ステージ461を転動する遊技球がメータ表示装置297側に流下すること、すなわち表示枠部429が障害物となることを防止できる。また、仕切板298の右下隅部には、平板状の仕切板298から前方に突出し複合誘導装置293及び回転式振分装置294を覆う透明カバー504が一体的に形成されており、これにより、ステージ461を転動する遊技球が、複合誘導装置293及び回転式振分装置294が配置された領域に進入することを防止している。
次に、このようなパチンコ機1の電気的な構成を詳述する。
[パチンコ機の電気的構成について]
図41は、この実施の形態にかかるパチンコ機1の電気的構成をブロック図として示したものである。
パチンコ機1は、大きくは、主基板780と、周辺基板781とを備えて構成されている。
ここで、上記主基板780は、
・遊技球の検出。
・各種当たりの当落にかかる抽選処理。
・特別図柄や普通図柄についての変動表示制御。
・賞球の払い出しにかかる制御(払出制御)。
等々、遊技が予め定められたルールに従って進行するよう各種の制御を行う部分である。
一方、上記周辺基板781は、
・演出ランプの点灯制御。
・音響制御。
・演出画像の表示制御。
等々、上記主基板780によって進行される遊技に各種の演出を付加し、これによって遊技の興趣の向上を図る部分である。
[主基板について]
主基板780は、主制御基板765と払出制御基板775とから構成されている。そしてこのうち、上記主制御基板765は、マイクロプロセッサとしての主制御MPU765a、及び入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート765b、及び上記検査用コネクタ218、及び上記RAMクリアスイッチ769、などを備えて構成されている。
ここで、上記主制御MPU765aは、遊技の進行にかかる制御プログラムや各種のコマンドが記憶されている読み出し専用メモリとしてのROM、記憶データがその都度更新される読み書き可能メモリとしてのRAM、及びそれらの動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ、及び不正を防止するための各種機能、等々を備えている。同主制御MPU765aには、上記第2始動口センサ317、及び上記第1始動口センサ318、及び上記カウントセンサ319、及び上記入賞口センサ330、及び上記V入賞センサ331、及び上記排出センサ313など、各種のセンサからの検出信号が主制御I/Oポート765bを介して入力されている。すなわち、こうした検出信号に基づいて上記ROMに格納されている制御プログラムを実行することで、上記普通役物駆動機構334、及び上記大入賞口開閉機構335、及び上記振分装置321の揺動片363を揺動させるためのアクチュエータを有して構成される振分装置駆動機構336、及び上記速度切替手段409、及び上記保留駆動機構338、及び上記アタッカ駆動機構339など、各種のアクチュエータに適宜に駆動信号が出力されるようになり、これによって当該パチンコ機1にて行われる各種の遊技が予め定められたルールに従って進行するようになる。なお、後述するが、この主制御基板765の主制御MPU765aは、上記特別図柄表示器332、及び上記普通図柄表示器333、及び特別保留球ランプ322、及び普通保留球ランプ323の表示制御や、上記周辺基板781、及び上記払出制御基板775に遊技の進行状況を示す信号(演出コマンド、払出コマンド)を出力することも行う。
また、この実施の形態では、上記主制御MPU765aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)を、上記主制御I/Oポート765bを介して外部端子板371に出力する。上述の通り、この外部端子板371は、図示しないホールコンピュータと接続される部分であり、これによってホールコンピュータが、当該パチンコ機1の遊技の進行状況を把握し、監視することができるようになる。
また、後述するが、上記主制御MPU765aは、上記演出表示装置115に表示される演出画像の表示態様についてのコマンドなどを上記主制御I/Oポート765bを介して後述する周辺基板781に送信する。
また、同主制御基板765には図示しない電源基板から電力が供給されている。この電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板765に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより供給される電力によって主制御MPU765aは、その詳細な説明は後述するが、電源遮断時にでも電源断時処理において各種の情報をその内蔵RAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種の情報は、電源投入時に主制御基板765のRAMクリアスイッチ769が操作されると、その内容が内蔵RAMから消去(クリア)されるようになっている。
一方、上記払出制御基板775は、上記主制御基板765からの払出コマンドに基づいて球払出装置170に駆動信号を出力する部分であり、大きくは、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU775a、及びI/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート775b、及びエラーLED表示器777、及びエラー解除スイッチ778、及び球抜きスイッチ779、などを備えて構成されている。
払出制御基板775は、球払出装置170と払出中継基板108を介して接続されており、この払出中継基板108を介して球払出装置170との間でのコマンド(駆動信号)が送受信される。なお、球払出装置170には、球払出装置170に取り込まれた遊技球を球切り出し部材(図示外)によって各種球誘導通路又は各種球排出通路に切り出すために回転する払出モータ172、球切り出し部材(図示外)の回転位置を検出するための回転角スイッチ102、実際に払い出された遊技球の球数を計数する計数スイッチ101等を備えている。
ここで、上記払出制御MPU775aは、遊技の進行状況に応じて遊技者に遊技球(賞球)を払い出すための制御プログラムや各種のコマンドが記憶されている読み出し専用メモリとしてのROM、及び記憶データがその都度更新される読み書き可能メモリとしてのRAM、及び不正を防止するための各種機能、等々を備えている。そして、同払出制御MPU775aには、上記主制御基板765からの払い出しに関する払出コマンドや、上記RAMクリアスイッチ769の操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート775bを介して受信されるようになっている。すなわち、こうして受信される払出コマンドに基づいて上記ROMに格納されている制御プログラムが実行されることで、上記払出モータ172に駆動信号が出力されるようになり、ひいては上記受信された払出コマンドにより示される賞球数だけ遊技球が払い出されるようになる。なお、この実施の形態では、上記払出制御基板775の払出制御MPU775aは、上記センター役物91内への遊技球の進入が上記入賞口センサ330により検出されたとき遊技者に払い出される賞球の数よりも、上記下部側大入賞口83への遊技球の入球が上記カウントセンサ319により検出されたときのほうがより多くの賞球が払い出されるように上記遊技球の払い出しにかかる制御を行うものとなっている。
また、同払出制御MPU775aでは、上記球抜きスイッチ779が操作されると、この操作信号(検出信号)に基づいて球タンク136及びタンクレール150に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ172への駆動信号を出力することも行う。またさらに、プリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号が上述したインターフェース基板252を介して入力されると、この貸球要求信号に基づいて上記払出モータ172への駆動信号を出力することも行う。
また、同払出制御MPU775aは、その詳細な説明は後述するが、パチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、払出制御I/Oポート775bを介して主制御基板765に送信したり、満タンスイッチ107からの検出信号が入力されると、この検出信号に基づいて払出モータ172への駆動信号の出力を停止したり、実際に払い出した遊技球の球数を算出してこれを上記払出制御I/Oポート775bを介して外部端子板371に出力したりする。これにより、ホールコンピュータは、当該パチンコ機1から払い出された遊技球の総数を把握することができるようになる。
なお、プリペイドカードユニット1aがインターフェース基板252に接続されると、プリペイドカードユニット1aからの遊技球の発射許可信号がインターフェース基板252及び払出制御基板775を介して上述した発射制御基板372に入力されるようになっている。この発射許可信号が入力されることによって、発射制御基板372は上述した発射装置194による遊技球の発射可能状態となる。これにより、上記操作ハンドル32が操作されたときは、該操作ハンドル32に設けられているタッチセンサ(図示略)からの検出信号が発射制御基板372に入力されることで、発射装置194によって遊技球の発射が行われるようになる。すなわち、操作ハンドル32が操作されたときは、上記満タンスイッチ107からの検出信号が払出制御MPU775aに入力され、ひいては上記払出モータ172への駆動信号の出力が停止されるような状況であっても、上記発射装置194によって遊技球が発射されるようになる。このようにして、発射装置194から発射された遊技球は、遊技領域37の上方に形成された発射口78aまで案内レール78に沿って導かれ、この発射口から遊技領域37に向けて打ち込まれる。
払出制御基板775には図示しない電源基板から電力が主制御基板765と同様に供給されている。この電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板775に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより供給される電力により払出制御MPU775aは電源遮断時にでも払い出しに関する各種の払出情報をその内蔵RAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板765のRAMクリアスイッチ769が操作されると、その内容が内蔵RAMから消去(クリア)されるようになっている。
[周辺基板について]
周辺基板781は、同図41に示されるように、サブ統合基板763及び液晶制御基板758を備えて構成されている。
ここで、上記サブ統合基板763は、マイクロプロセッサとしてのサブ統合MPU763aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するサブ統合ROM763bと、高音質の演奏を行う音源IC763cと、この音源IC763cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM763dと、を備えて構成されている。すなわち、同サブ統合MPU763aは、上記主制御基板765から演出コマンドが受信されると、該コマンドに基づいて上記制御プログラムを実行することで、外枠側のランプである装飾ランプ394に点灯信号を出力したり、上記賞球ランプ396に点灯信号を出力したりする。また、ランプ駆動基板46を介して、遊技盤5の装飾ランプである演出ランプ395に点灯信号を出力したり、階調ランプ397に階調点灯信号を出力したり、メータ用モータ489及び装飾物モータ303に駆動信号をそれぞれ出力したりする。
また、上記サブ統合MPU763aにより受信された上記主制御基板765からの演出コマンドは、上記音源IC763c及び上記液晶制御基板758に出力されている。これにより、上記音源IC763cが、サブ統合MPU763aから出力された演出コマンドに基づいて、音ROM763dから音情報を読み込むことで、上記スピーカ18,57から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が音響出力されるようになる。
一方、上記液晶制御基板758は、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU758aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する液晶制御ROM758bと、演出表示装置115を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)758cと、演出表示装置115に表示する各種画像を記憶する画像ROM758dと、を備えて構成されている。
液晶制御MPU758aは、サブ統合基板763から上述した演出コマンドを受信すると、この演出コマンドに基づいてVDP758cを制御する。このVDP758cは、画像ROM758dから画像を読み出して演出表示装置115の表示制御を行う。なお、この液晶制御MPU758aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号をサブ統合基板763に出力する。
[主制御基板および周辺制御基板の機能的な構成について]
図42に基づき説明する。図42は、主基板および周辺基板の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
同図42に示すように、主基板780は、普通図柄当たり判定用乱数抽出手段601と、普通図柄当否判定手段602と、第1保留手段603と、第1保留解除手段604と、普通図柄表示制御手段605と、普通図柄保留表示制御手段606と、普通当たり遊技実行手段607と、有利遊技実行手段608とを備えている。また、特別図柄当たり判定用乱数抽出手段611と、特別図柄当たり当否判定手段612と、第2保留手段613と、第2保留解除手段614と、特別図柄表示制御手段615と、特別図柄保留表示制御手段616と、大当たり遊技実行手段617と、小当たり遊技実行手段618とを備えている。さらに、コマンド送信手段620と、排出判断手段621と、入賞判断手段622と、賞球払出手段623とを備えている。
ここで、上記普通図柄当たり判定用乱数抽出手段601は、上記第1始動口センサ318からの出力信号に基づいて上記普通図柄始動口96への遊技球の入球があったか否かの判断を行うとともに(第1の始動判断手段)、該入球があった旨判断したときには乱数を抽出する部分である。この抽出した乱数は、上記第1保留手段603によって第1所定数(例えば4個)まで保留され、これによって上記普通図柄の変動表示制御が保留の状態とされるようになる。一方、このような保留状態は、所定の解除条件(例えば前回の普通図柄についての変動表示制御が終了したこと)が成立したとき、上記第1保留解除手段604によって解除される。そして、上記普通図柄当否判定手段(第1の抽選手段)602が、この解除された乱数に基づいて普通当たりに当選したか否かの判定(抽選処理)を行うこととなる。
ただし、この実施の形態では、上記普通図柄当否判定手段602は、上記普通当たりに当選したか否かの判定の結果に応じて上記演出表示装置115に表示される演出画像の表示態様を上記主基板780内にて決定する部分(第1の表示態様決定手段)としても機能する。そして、こうして内部的に決定された表示態様は、上記普通図柄表示制御手段605によって普通図柄表示器333に所定の変動時間だけ変動表示される。また、上記第1保留手段603による保留数は、上記普通図柄保留表示制御手段606によって普通保留球ランプ323(LED85)に表示される。また、上記普通図柄当否判定手段602による抽選結果が普通当たりの場合は、普通当たり遊技実行手段607が普通役物駆動機構334を駆動制御して、特別図柄始動口82への遊技球の入球が可能となるように第2の可動片(可動部材)81を動作させる。
また、上記有利遊技実行手段608は、予め定められた条件(例えば大当たりに当選したこと)が満たされたとき、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球確率をより高い確率に可変設定する部分である。より具体的には、後述の有利状態にあるか否かを後述の特別図柄当たり判定用乱数抽出手段611による判定の結果に基づいて判断し、該有利状態にある旨判断したときはその旨を上記普通当たり遊技実行手段607に出力する。これにより、この普通当たり遊技実行手段607は、いわゆる開放延長機能を作動させるようになり、上記第2の可動片81の動作時間として必ず後述の長当たり時の動作時間(例えば「5700ms」)を採用するようになる。本実施形態においては、予め定められた条件が満たされる確率は80分の1に設定されており、この確率で当選した場合には、第2の可動片81を動作させることによって、特別図柄始動口82への遊技球の入球確率をより高い確率に可変設定する。
これに対し、特別図柄当たり判定用乱数抽出手段611は、上記第2始動口センサ317からの出力信号に基づいて上記特別図柄始動口82への遊技球の入球があったか否かの判断を行うとともに(第2の始動判断手段)、該入球があった旨判断したときには乱数を抽出する部分である。この抽出した乱数は、上記第2保留手段613によって第2所定数(例えば2個)まで保留され、これによって上記特別図柄の変動表示制御が保留の状態とされるようになる。一方、このような保留状態は、所定の解除条件(例えば前回の特別図柄についての変動表示制御が終了したこと)が成立したとき、上記第2保留解除手段614によって解除される。そして、特別図柄当否判定手段612(第2の抽選手段)が、この解除された乱数に基づいて特別当たり(ここでは、大当りまたは小当たり)に当選したか否かの判定(抽選処理)を行うこととなる。
なお、特別図柄当否判定手段612による判定の結果は、上記特別図柄表示制御手段615によって特別図柄表示器332に変動表示される。また、第2保留手段613による保留数は、特別図柄保留表示制御手段616によって特別保留球ランプ322(LED87)に表示される。また、特別図柄当否判定手段612による抽選結果が小当たりの場合は、小当たり遊技実行手段618が大入賞口開閉機構335を駆動制御して、大入賞口141が開放されるかたちで第1の可動片142を動作させることで、センター役物91内の領域への遊技球を進入可能とする(小当たり遊技)。特別図柄当否判定手段612による抽選結果が大当たりの場合は、大当たり遊技実行手段617がアタッカ駆動機構339を駆動制御して、開閉部材99の開閉動作を通じて下部側大入賞口83への遊技球の進入を可能とする(大当たり遊技)。本実施形態において、小当たりへの当選確率は1005分の1000といった極めて100%に近い確率で設定されており、大当たりへの当選確率は360分の1に設定されている。このように、大当たりへの当選確率は小当たりへの当選確率よりも極めて小さい確率となっている。
また、上記コマンド送信手段620は、上記普通図柄当否判定手段602及び上記特別図柄当否判定手段612による判定の結果(第1、第2の抽選手段による抽選処理の結果)、及びこの抽選結果に関わる情報などを示すコマンドを周辺基板781にそれぞれ送信する部分である。なお、「抽選結果に関わる情報」とは、例えば、上記内部的に決定された演出画像の表示態様や、その演出時間等が相当する。
また、上記排出判断手段621は、上記特定領域344から遊技球が流出したことがV入賞センサ331によって検出され、または、普通領域345から遊技球が流出したことが排出センサ313によって検出されたことに基づいて、センター役物91内から遊技球が排出されたことを検出するものである。
また、入賞判断手段622は、入賞口センサ330による遊技球の検出とカウントセンサ319による遊技球の検出とによって、大入賞口141および下部側大入賞口83のいずれに遊技球が入賞したかを判断する部分である。そして、入賞判断手段622による判断結果に応じて、賞球払出手段623は球払出装置170の球払出動作を制御して、大入賞口141または下部側大入賞口83への入賞に応じて遊技球を払い出す。下部側大入賞口83に入賞した場合は、大入賞口141に入賞した場合よりも多くの賞球が払い出される。なお、本実施形態では、賞球払出手段623は払出制御基板775として具備されており、特別図柄始動口82(第2始動口センサ317)に入賞した場合も所定数の遊技球が払い出される。
一方、周辺基板781は、コマンド受信手段630と、普通図柄画像表示制御手段631と、特別図柄画像表示制御手段632とを備えている。
ここで、上記コマンド受信手段630は、上記普通図柄当否判定手段602及び上記特別図柄当否判定手段612による判定の結果(第1、第2の抽選手段による抽選処理の結果)、及びこの抽選結果に関わる情報などを示すコマンドを上記主基板780のコマンド送信手段620から受信する部分である。
また、上記普通図柄画像表示制御手段(第1の演出画像表示制御手段)631は、上記コマンド受信手段630により受信されるコマンドのうち、上記普通当たりに関するコマンドに基づいて上記演出表示装置115に表示される演出画像を変動表示出力する部分である。より具体的には、この普通図柄画像表示制御手段631は、上記主基板780内にて決定された上記普通当たりについての抽選結果に応じた表示態様が上記演出表示装置115での主要な演出画像として現れるかたちでの上記変動表示出力と、同表示態様が上記主要な演出画像よりも控えめな演出画像として現れるかたちでの変動表示出力とを行う。
すなわち、図79〜図83を参照しつつ後述するが、この実施の形態では、上記演出表示装置115は、その全領域のうちの大部分を占める抽選情報表示領域1151と、その全領域のうちの上方の一部分のみを占める遊技情報表示領域1152と、を有している。そして、上記遊技情報表示領域1152は、保留球ランプの表示に対応する保留対応表示領域1153と、普通当たりについての抽選結果に応じた表示態様が現れる普通図柄対応表示領域1154と、特別当たりについての抽選結果に応じた表示態様が現れる特別図柄対応表示領域1155と、をさらに有している。この点、上記普通図柄画像表示制御手段631は、上記主基板780内にて決定された上記普通当たりについての抽選結果に応じた表示態様を上記抽選情報表示領域1151に所定の変動時間だけ変動表示出力することによって同表示態様が上記演出表示装置115での主要な演出画像として現れるようにしている。また併せて、上記主基板780内にて決定された上記普通当たりについての抽選結果に応じた表示態様を上記普通図柄対応表示領域1154に所定の変動時間だけ変動表示出力することによって同表示態様が上記演出表示装置115での控えめな演出画像(例えば、後述する副領域に表示される演出画像)として現れるようにしている。
また、上記特別図柄画像表示制御手段(第2の演出画像表示制御手段)632は、上記コマンド受信手段630により受信されるコマンドのうち、上記特別当たりに関するコマンドに基づいて上記演出表示装置115に表示される演出画像を変動表示出力する部分である。より具体的には、この特別図柄画像表示制御手段632は、上記特別当たりについての抽選結果に応じた表示態様が上記演出表示装置115での主要な演出画像として現れるかたちでの上記変動表示出力と、同表示態様が上記主要な演出画像よりも控えめな演出画像として現れるかたちでの変動表示出力とを行う。なお、この特別図柄画像表示制御手段632も同様、上記コマンドとして受信される上記特別当たりについての抽選結果に応じた表示態様を上記抽選情報表示領域1151に表示出力することによって同表示態様が上記演出表示装置115での主要な演出画像として現れるようにしている。また併せて、上記特別当たりについての抽選結果に応じた表示態様を上記特別図柄対応表示領域1155に所定の変動時間だけ変動表示出力することによって同表示態様が上記演出表示装置115での控えめな演出画像として現れるようにしている。また後述するが、この特別図柄画像表示制御手段632は、上記大入賞口141に遊技球が入賞した場合は、該入賞中の表示演出を上記抽選情報表示領域1151に表示出力することによってこうした特別当たりに関する表示制御を延長することも行う。
ただし、この実施の形態では、上記普通図柄画像表示制御手段631は、上記普通当たりについての抽選結果に応じた表示態様についての変動表示出力を行うにあたり、上記コマンド受信手段630により受信されたコマンドに基づいて、上記特別当たりの抽選結果に応じた画像表示出力が行われるか否かを判断する。そして、同画像表示出力が上記特別図柄画像表示制御手段632によって行われる旨判断したときは、上記演出表示装置115での主要な演出画像が上記特別当たりについての抽選結果に応じた表示態様となるように、上記変動表示出力(抽選情報表示領域1151への変動表示出力、普通図柄対応表示領域1154への変動表示出力)のうち、上記抽選情報表示領域1151への変動表示出力についてはこれを中止するようにしている。なお、上記第1保留解除手段604は、こうした変動表示出力の停止にかかわらず、上記保留の状態を解除する。また、上記普通図柄当否判定手段602も、こうした変動表示出力の停止にかかわらず、上記普通当たりに当選したか否かの判定の結果に応じて上記演出表示装置115に表示される演出画像の表示態様を上記主基板780内にて決定する。これにより、上記抽選情報表示領域1151では、上記特別当たりの抽選結果に応じた画像演出が、上記普通当たりの抽選結果に応じた画像演出よりも優先的に行われるようになる。
また、この実施の形態では、上記普通図柄画像表示制御手段631は、上記中止した変動表示出力を再開する制御も行う。すなわち、同普通図柄画像表示制御手段631は、上記特別当たりに関する一連の表示態様についての上記抽選情報表示領域1151への表示出力の終了に際し(例えば、後述の確定停止コマンド(コマンド「1FH01H」など)が受信されたとき)、普通図柄についての表示態様の変動時間をカウントするサブタイマが稼動しているか否かを判断する。そして、このサブタイマが稼動中であるときは、上記特別当たりに関する一連の表示態様についての表示出力の終了後に、上記普通図柄についての主要な変動表示出力を再開する。ただしこのとき、抽選情報表示領域1151(主領域)での普通図柄の主要な変動表示は本来の画像出力によって実行されるのではなく、先述のサブタイマがタイムアップするまで図柄が高速スクロール変動される高速変動出力によって行われる。そしてこの結果、上記サブタイマがタイムアップしたときは、上記主基板780内にて当初決定された上記普通当たりについての抽選結果に応じた表示態様のうちの変動表示停止時に現れる停止表示態様を上記抽選情報表示領域1151に表示させる。
[主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて主制御基板765が行う各種制御処理について説明する。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理、賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理、ACK信号入力判定処理について説明する。図43は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図44は図43の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図45は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図46は賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理の一例を示すフローチャートであり、図47はACK信号入力判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理、ACK信号入力判定処理は、後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS80の賞球制御処理の一処理として行われる。
<1.各種乱数>
遊技制御に用いられる各種乱数として、第2の可動片81の動作契機となる当たり(普通当たり)の当落にかかる抽選処理に供される普通図柄の当たり判定用乱数と、この普通図柄の当たり判定用乱数の初期値の決定に用いられる普通図柄の当たり判定用初期値決定用乱数と、普通図柄表示器333に表示する変動表示パターンの決定に用いられる普通図柄の変動パターン決定用乱数と、普通図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される普通図柄決定用乱数などが用意されている。また、小当たり及び大当たりの当落にかかる抽選処理に供される特別図柄の当たり判定用乱数と、この特別図柄の当り判定用乱数の初期値の決定に用いられる特別図柄の当たり判定用初期値決定用乱数と、特別図柄表示器332に表示する変動表示パターンの決定に用いられる特別図柄の変動パターン決定用乱数などが用意されている。
<2.主制御側電源投入時処理>
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御基板765の主制御MPU765aは、図43及び図44に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、割り込みモードの設定を行う(ステップS10)。この割り込みモードは、主制御MPU765aの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する主制御側タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この主制御側タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理が行われる。ステップS10に続いて、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS12)。このI/Oの入出力設定では、主制御MPU765aのI/Oポートの入出設定等を行う。ステップS12に続いて、主制御MPU765aに内蔵されたウォッチドックタイマを有効に設定する(ステップS14)。このウォッチドックタイマは、主制御MPU765aの動作(システム)を監視するためのものであり、一定期間にクリア設定されないときには主制御MPU765aにリセットがかかる(主制御MPU765aのシステムが暴走していないかを定期的に診断している)。
ステップS14に続いて、ウェイトタイマ処理1を行う(ステップS16)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(突発的に電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧以下となると停電予告として停電信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では電圧が停電予告電圧以下となると停電信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理1では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より高くなるまで待っている。本実施形態では、この待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS16に続いて、RAMクリアスイッチ769が操作されているか否かを判定する(ステップS18)。この判定は、主制御基板765のRAMクリアスイッチ769が操作され、その操作信号(検出信号)が主制御基板765に入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ769が操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ769が操作されていないと判定する。
ステップS18でRAMクリアスイッチ769が操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットし(ステップS20)、一方、ステップS18でRAMクリアスイッチ769が操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS22)。このRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU765aに内蔵されたRAM(以下、「主内蔵RAM」と記載する。)に記憶されている、有利遊技や未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定されている。なお、ステップS20及びステップS22でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU765aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS20又はステップS22に続いて、ウェイトタイマ処理2を行う(ステップS24)。このウェイトタイマ処理2では、液晶制御基板758による演出表示装置115の表示制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。例えば、液晶制御ROM758bから圧縮された各種の制御プログラムを読み出して、液晶制御MPU758aに内蔵されたRAMに展開して記憶する。本実施形態では、ブートするまでの時間(ブートタイマ)として2秒(s)が設定されている。ステップS24に続いて、主内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS26)。この設定により主内蔵RAMへのアクセスができ、例えば遊技情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。ステップS26に続いて、スタックポインタの設定を行う(ステップS28)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS28では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS28に続いて、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS30)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定されている。ステップS30でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり遊技情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS32)。このチェックサムは、主内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。ステップS32に続いて、算出したチェックサムの値が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS34)。一致しているときには、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS36)。このバックアップフラグBK−FLGは、遊技情報、チェックサムの値及びバックアップフラグBK−FLGの値等のバックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定されている。
ステップS36でバックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したときには、復電時として主内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS38)。この設定は、バックアップフラグBK−FLGを値0にセットするほか、主制御MPU765aに内蔵されたROM(以下、「主内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主内蔵RAMの作業領域にセットする。ここで「復電時」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態に加えて、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。ステップS38に続けて、電源投入時コマンド作成処理を行う(ステップS40)。この電源投入時コマンド作成処理では、バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドを主内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。なお、各種コマンド等についての説明は後述する。
一方、ステップS30でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり遊技情報を消去するときには、又はステップS34でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS36でバックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主内蔵RAMの全領域をクリアし(ステップS42)、初期設定として主内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS44)。この設定は、主内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主内蔵RAMの作業領域にセットする。ステップS44に続けて、RAMクリア報知及びテストコマンド作成処理を行う(ステップS46)。このRAMクリア報知及びテストコマンド作成処理では、主内蔵RAMをクリアして初期設定を行った旨を、サブ統合基板763に報知するためのRAMクリア報知コマンドと、サブ統合基板763の各種検査を行うためのテストコマンドと、を作成し、送信情報として主内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。なお、サブ統合基板763がRAMクリア報知コマンドを受信すると、このRAMクリア報知コマンドを液晶制御基板758に送信し、一方テストコマンドを受信すると、音源IC763c、液晶制御基板758及びランプ駆動基板46の各種検査を行うためのテストコマンドを送信する。
ステップS40又はステップS46に続いて、割り込み初期設定を行う(ステップS48)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では4msに設定されている。ステップS48に続いて、割り込み許可設定を行う。(ステップS50)。この設定によりステップS48で設定した割り込み周期、つまり4msごとに主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS50に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットする(ステップS52)。このウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。ステップS52に続けて、停電信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると停電予告として停電信号が入力される。ステップS54の判定は、この停電信号に基づいて行う。ステップS54で停電信号の入力がないときには非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。
この非当落乱数更新処理では、上述した、普通図柄の当たり判定用初期値決定用乱数や変動パターン決定用乱数等を更新する。例えば、普通図柄の当たり判定用乱数を更新するカウンタは、普通図柄の当たり判定用乱数の下限値から上限値までの範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ増える(カウントアップする)。このカウンタは、非当落乱数更新処理により普通図柄の当たり判定用初期値決定用乱数が設定(更新)されると、この普通図柄の当たり判定用初期値決定用乱数から上限値までカウントアップし、続けて下限値から普通図柄の当たり判定用初期値決定用乱数までカウントアップする。そして再び非当落乱数更新処理により普通図柄の当たり判定用初期値決定用乱数が更新される。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数を更新する。なお、上述した、特別図柄の当たり判定用初期値決定用乱数や変動パターン決定用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。特別図柄の当たり判定用初期値決定用乱数等は、上述した普通図柄の当たり判定用初期値決定用乱数の更新方法と同一であり、その説明を省略する。
ステップS56に続けて、再びステップS52に戻り、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットし、ステップS54で停電信号があるか否かを判定し、この停電信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS52〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS52〜ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54で停電信号の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えを保護している。ステップS58に続いて、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS60)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。ステップS60に続いて、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする。(ステップS62)、これによりバックアップ情報の記憶が完了する。ステップS62に続いて、主内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS64)。この設定により主内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、主内蔵RAMに記憶されているバックアップ情報が保護される。ステップS64に続いてウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS66)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。ステップS66に続けて、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、主制御MPU765aにリセットがかかり、その主制御MPU765aは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS66の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
パチンコ機1(主制御MPU765a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS34では主内蔵RAMに記憶されているバックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS36では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主内蔵RAMに記憶されているバックアップ情報を2重にチェックすることによりバックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
<3.主制御側タイマ割り込み処理>
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図43及び図44に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板765の主制御MPU765aは、図45に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS70)。ここでは、上述した主制御側メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを主制御側タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、主制御側メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS70に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Bをセットする(ステップS72)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)のステップS52においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS72に続いて、スイッチ入力処理を行う(ステップS74)。このスイッチ入力処理では、主制御I/Oポート765bの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、普通図柄始動口96に入球した遊技球を検出する第1始動口センサ318からの検出信号、特別図柄始動口82に入球した遊技球を検出する第2始動口センサ317からの検出信号、大入賞口141に入球した遊技球を検出する入賞口センサ330からの検出信号、下部側大入賞口83に入球した遊技球を検出するカウントセンサ319からの検出信号、特定領域344から流出した遊技球を検出するV入賞センサ331からの検出信号、普通領域345から流出した遊技球を検出する排出センサ313からの検出信号や、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板775が正常に受信した旨を伝える払出制御基板775からのACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS74に続いて、タイマ減算処理を行う(ステップS76)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って特別図柄表示器332が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って特別図柄表示器332が点灯する時間のほか、主制御基板765(主制御MPU765a)が送信した各種コマンドを払出制御基板775が正常に受信した旨を伝えるACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、特別図柄の変動表示パターン又は普通図柄の変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで特別図柄の変動表示パターン又は普通図柄の変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間として100msが設定されており、このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS76に続いて、当落乱数更新処理を行う(ステップS78)。この当落乱数更新処理では、上述した、普通図柄の当たり判定用乱数及び普通図柄決定用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、普通図柄の当たり判定用初期値決定用乱数等も更新する。普通図柄の当たり判定用初期値決定用乱数等は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。一方、普通図柄の当たり判定用乱数及び普通図柄決定用乱数は、当落判定(普通当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。例えば、普通図柄の当たり判定用乱数を更新するカウンタは、普通図柄の当たり判定用乱数の下限値から上限値までの範囲を、主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとにカウントアップする。このカウンタは、普通図柄の当たり判定用初期値決定用乱数から上限値までをカウントアップし、続けて下限値から初期値までをカウントアップする。普通図柄の当たり判定用乱数の下限値から上限値までの範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により普通図柄の当たり判定用初期値決定用乱数は更新される。なお上述した、特別図柄の当たり判定用乱数や当たり判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。特別図柄の当たり判定用乱数等は、上述した普通図柄の当たり判定用乱数の更新方法と同一であり、その説明を省略する。
ステップS78に続いて、賞球制御処理を行う(ステップS80)。この賞球制御処理では、上述した入力状態記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出す賞球コマンドを作成したり、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを払出制御基板775に送信する。例えば、下部側大入賞口83に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成して払出制御基板775に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板775が正常に受信した旨を伝えるACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板65と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板775に送信したりする。なお、これらの詳細な説明は後述する。
ステップS80に続いて、賞球チェック処理を行う(ステップS82)。この賞球チェック処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、大当り遊技状態でないときに下部側大入賞口83に遊技球が入球すると、異常状態として賞球異常報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。(なお、この異常状態の確認は、入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて行う)。ステップS82に続いて、コマンド受信処理を行う(ステップS84)。払出制御基板775は、その詳細な説明は後述するが、例えば球払出装置170が球がみを起こして遊技球を払い出せない状態等の状態コマンドを送信する。ステップS84のコマンド受信処理では、この状態コマンドを正常に受信すると、その旨を払出制御基板775に伝える情報を、出力情報として主内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、その詳細な説明は後述するが、正常に受信した状態コマンドを整形して送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS84に続いて、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS86)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、第2始動口センサ317からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した特別図柄の当たり判定用乱数及び変動パターン決定用乱数等を更新する各種カウンタの値を抽出して始動情報として主内蔵RAM316の始動情報記憶領域に記憶する。この始動情報記憶領域には、始動情報記憶ブロック0〜1(2つの始動情報記憶ブロック)が設けられており、各始動情報記憶ブロックに始動情報が時系列で記憶されるようになっている。なお、各始動情報が特別図柄の保留に相当しており、本実施形態では特別図柄の最大保留数は「2」である。そして、始動情報記憶ブロックの数を保留球として、特別保留球ランプ322を点灯させるように点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
そして、始動情報記憶ブロック0から読み出した始動情報に基づいて、特別図柄の当たり判定用乱数の値を取り出して主内蔵ROMに予め記憶されている特別当たり判定値と一致するか否かを判定(大当たりまたは小当たりであるか否かの判定)して、これらの判定結果により決定された遊技状態が決定する。この決定した遊技状態に、上述した特別図柄の変動パターン決定用乱数に基づいて特別図柄の変動パターン等を決定して遊技演出コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば、大当たり遊技状態となるときには、下部側大入賞口83を開閉動作させるようアタッカ駆動機構339への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、小当たり遊技状態となるときには、大入賞口141を開閉動作させるよう大入賞口開閉機構335への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理の詳細については後述する。
ステップS86に続いて、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS88)。ここで、普通電動役物制御処理では、第2の可動片81の動作制御が行われる。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、第1始動口センサ318からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄の当たり判定用乱数及び変動パターン決定用乱数等を更新する各種カウンタの値を抽出して始動情報として主内蔵RAMの始動情報記憶領域に記憶する。この始動情報記憶領域には、始動情報記憶ブロック0〜3(4つの始動情報記憶ブロック)が設けられており、各始動情報記憶ブロックに始動情報が時系列で記憶されるようになっている。なお、各始動情報が普通図柄の保留に相当しており、本実施形態では普通図柄の最大保留数は「4」である。そして、始動情報記憶ブロックの数を保留球として、普通保留球ランプ323を点灯させるように点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
そして、始動情報記憶ブロック0から読み出した始動情報に基づいて、普通図柄の当たり判定用乱数の値を取り出して主内蔵ROMに予め記憶されている普通当たり判定値と一致するか否かを判定(普通当たりであるか否かの判定)して、これらの判定結果により決定された遊技状態が決定する。この決定した遊技状態に、上述した普通図柄の変動パターン決定用乱数に基づいて普通図柄の変動パターン等を決定して遊技演出コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば普通当たり遊技状態となるときには、特別図柄始動口82が入球可能な態様(許球態様)に切り替わるように、普通役物駆動機構334への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、普通図柄及び普通電動役物制御処理の詳細については後述する。
ステップS88に続いて、ポート出力処理を行う(ステップS90)。このポート出力処理では、主制御I/Oポート765bの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。例えば、出力情報に基づいて出力端子から、払出制御基板775からの状態コマンドを正常に受信したときにはACK信号を払出制御基板775に出力したり、大当たり遊技状態であるときには、下部側大入賞口83の開閉動作を行うアタッカ駆動機構339に駆動信号を出力したり、大当たり遊技状態である旨を伝える大当たり信号を外部端子板371に出力したりする。
ステップS90に続いて、サブ統合基板コマンド送信処理を行う(ステップS92)。このサブ統合基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報をサブ統合基板763に送信する。この送信情報には、上述したように、遊技演出コマンド、RAMクリア報知コマンド、テストコマンド、賞球異常報知コマンド及び状態コマンド等がある。この送信情報のほかに、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するときにセットされるセルフチェックフラグの値に基づいてその接続状態に不具合が生じているときには接続不具合コマンドを作成してサブ統合基板63に送信する。
ステップS92に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Cをセットする(ステップS94)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、ステップS72においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。ステップS94に続いて、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS96)。この復帰は、ステップS70でスタックに積んで退避した内容を読み出してレジスタに書き込むことにより行われる。ステップS96に続いて、割り込み許可の設定を行い(ステップS98)、このルーチンを終了する。
<4.賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理>
次に、賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理について説明する。この賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理では、賞球として払い出す遊技球の球数を指示する賞球コマンドや主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状況を確認するセルフチェックコマンドを払出制御基板775に送信する。
賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理が開始されると、主制御基板765の主制御MPU765aは、図46に示すように、セルフチェックフラグSCHK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS100)。このセルフチェックフラグSCHK−FLGは、後述するACK信号入力判定処理において、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して送信するときにセットされるフラグであり、セルフチェックコマンドを送信するとき値1、セルフチェックコマンドを送信しないとき値0にそれぞれ設定されている。なお、セルフチェックフラグSCHK−FLGは初期値として値0、つまりセルフチェックコマンドを送信しない状態に設定されている。
ステップS100でセルフチェックフラグSCHK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまりセルフチェックコマンドを送信しないときには、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態に不具合が生じていないとして、賞球コマンド送信処理を行う(ステップS102)。この賞球コマンド送信処理では、例えば、下部側大入賞口83に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成して払出制御基板775に送信する。その賞球コマンドを払出制御基板775に送信すると、賞球コマンドを消去するようになっている。つまり作成した賞球コマンドは、一度のみ主制御基板765(主制御MPU765a)から払出制御基板775に送信することでき、送信後、破棄されるようになっている。
一方、ステップ100でセルフチェックフラグSCHK−FLGが値1であるとき、つまりセルフチェックコマンドを送信するときには、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態に不具合が生じているとして、セルフチェックフラグSCHK−FLGに値0をセットし(ステップS104)、セルフチェックコマンド送信処理(ステップS106)を行い、このルーチンを終了する。このセルフチェックコマンド送信処理では、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板775に送信する。なお、ステップS102の賞球コマンド送信処理及びステップS106のセルフチェックコマンド送信処理を開始すると、上述したACK信号入力判定時間(本実施形態では、100ms)の計時を開始するようになっている。
ステップS104でセルフチェックフラグSCHK−FLGの値を値0にセットすることによって(つまりセルフチェックフラグSCHK−FLGKの値を値1から値0にセットしたことによって)、ステップS106で送信したセルフチェックコマンドが、後述するACK信号入力判定処理において払出制御基板775が正常にセルフチェックコマンドを受信した旨のACK信号が入力されると、ステップS102で賞球コマンド送信処理を行う。このとき、賞球コマンド送信処理では、賞球として払い出す遊技球があればその球数の賞球コマンドを作成して払出制御基板775に送信する。一方、ステップS106で送信したセルフチェックコマンドが、後述するACK信号入力判定処理において払出制御基板775が正常にセルフチェックコマンドを受信した旨のACK信号が入力されないと、再びステップS106でセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板775に送信し、ACK信号が入力されない限り繰り返しセルフチェックコマンドを払出制御基板775に送信することとなる。
このように、主制御基板765(主制御MPU765a)は、賞球コマンドを払出制御基板775に送信して払出制御基板775からのACK信号が入力されないときにはチェックコマンドを払出制御基板775に送信する。これにより、例えば、主制御基板765と払出制御基板775との基板間を電気的に接続するケーブルのコネクタが外れかかっていたり、そのケーブルが断線していたり等の接続不具合を簡単に確認することができる。
また、例えば、ACK信号が主制御基板765に入力されないよう払出制御基板775とは別体に不正基板(所謂、ぶら下がり基板)を設け、遊技者がリモコン操作によってその不正基板のプログラムを開始させる不正行為を行っても、主制御基板765(主制御MPU765a)は、ACK信号が入力されないときには賞球コマンドを再送信するのではなくチェックコマンドを払出制御基板775に送信する。これにより、不正基板を用いた不正行為により遊技者が遊技球を不正に獲得することを防止するとともに、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を安全に確認することができる。なお、上述した、賞球コマンド及びセルフチェックコマンドの詳細な説明は後述する。
<5.ACK信号入力判定処理>
次に、ACK信号入力判定処理について説明する。このACK信号入力判定処理では、払出制御基板775が正常に賞球コマンドやセルフチェックコマンドを受信したか否かを判定する。
ACK信号入力判定処理が開始されると、主制御基板765の主制御MPU765aは、図47に示すように、ACK信号入力判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS110)。この判定は、図45に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS76のタイマ減算処理で減算したACK信号入力判定時間に基づいて行う。具体的には、そのACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS110では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出してACK信号入力判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS110でACK信号入力判定時間が経過していないときには、ACK信号が入力されているか否かを判定する(ステップS112)。この判定は、図45に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS74のスイッチ入力処理で払出制御基板775からのACK信号に基づいて行う。具体的には、そのACK信号は入力情報として主内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS112では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出してACK信号が入力されているか否かの判定を行う。
ステップS112でACK信号が入力されているときにはセルフチェックフラグSCHK−FLGに値0をセットし(ステップS114)、このルーチンを終了する。一方、ステップS112でACK信号が入力されていないときにはそのままこのルーチンを終了する。セルフチェックフラグSCHK−FLGは、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを送信するとき値1、セルフチェックコマンドを送信しないとき値0にそれぞれ設定されている。ACK信号が入力されているときには、ステップS114でセルフチェックフラグSCHK−FLGに値0、つまりセルフチェックコマンドを送信しない状態にすることで、例えば、主制御基板765がノイズの影響を受けてもセルフチェックフラグSCHK−FLGの値が変化しないようにしている。
一方、ステップS110でACK信号入力判定時間が経過しているときは、セルフチェックフラグSCHK−FLGKに値1、つまりセルフチェックコマンドを送信する状態に設定し(ステップS116)、このルーチンを終了する。ステップS116でセルフチェックフラグSCHK−FLGKに値1をセットすることで、図46に示した賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理におけるステップS106でセルフチェックコマンド送信処理を行い、セルフチェックコマンドを作成して払出制御基板775に送信する。
<6.普通図柄及び普通電動役物制御処理>
次に、普通図柄及び普通電動役物制御処理(第1遊技処理)の詳細について説明する。図48は第1遊技処理の一例を示すフローチャートであり、図49は第1始動検出処理の一例を示すフローチャートであり、図50は第1抽選・変動開始処理の一例を示すフローチャートであり、図51は第1抽選変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートであり、図52は第1変動中処理の一例を示すフローチャートであり、図53は第1当たり役物作動処理の一例を示すフローチャートであり、図54は普通図柄の変動パターンテーブルの一例を示す図である。
図45に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS88の普通図柄及び普通電動役物制御処理を、以下では「第1遊技処理」として説明する。主制御MPU765aは、図48に示すように、「第1遊技処理」として、第1始動検出処理(ステップS8800)、第1抽選・変動開始処理(ステップS8802)、第1抽選変動表示パターン設定処理(ステップS8804)、第1変動中処理(ステップS8806)、および、第1当たり役物作動処理(ステップS8808)を順に行う。以下、各処理の詳細について説明する。
まず、図49に示すように、主制御MPU765aは、第1始動検出処理が開始されると、第1始動検出フラグがONであるか否かを判別する(ステップS8810)。なお、第1始動検出フラグは、普通図柄始動口96に遊技球が入球したことが第1始動口センサ318により検出されると、スイッチ入力処理(ステップS74)によりONにセットされる。そして、第1始動検出フラグがONであれば(ステップS8810におけるYES)、さらに第1保留手段603による普図保留球数カウントが4より小さいか否かを判別する(ステップS8812)。普図保留球数カウントが4より小さければ(ステップS8812におけるYES)、普通図柄当たり判定用乱数抽出手段601が抽出した乱数を第1保留手段603に保留する第1始動記憶格納処理を実行する(ステップS8814)。具体的には、この第1始動記憶格納処理では、普通図柄の当たり判定用乱数及び変動パターン決定用乱数等が始動情報として主内蔵RAMの普図保留についての始動情報記憶領域に記憶される。なお、第1始動記憶格納処理(ステップS8814)の実行後は、第1始動検出処理を終了する。また、第1始動検出フラグがOFFである場合(ステップS8810におけるNO)や、普図保留球数カウントが4以上である場合(ステップS8812におけるNO)も、第1始動検出処理を終了する。
次に、図50に示すように、主制御MPU765aは、第1抽選・変動開始処理が開始されると、第1ジョブフラグが「0」であるか否かを判別する(ステップS8820)。第1ジョブフラグは、普通図柄に関する処理段階を指示するためのフラグである。ここで、普通図柄の図柄変動が行われていない場合(例えば、演出表示装置115においてデモ画面が表示されている状態)には、第1ジョブフラグが「0」にセットされている。そして、第1ジョブフラグが「0」でなければ(ステップS8820におけるNO)、普通図柄に関する他の処理(例えば、普通図柄の図柄変動中)が実行されているから、第1抽選・変動開始処理を終了する。
第1ジョブフラグが「0」であれば(ステップS8820におけるYES)、さらに第1保留手段603に第1始動記憶があるか否かを判別する(ステップS8822)。第1始動記憶がある場合には(ステップS8822におけるYES)、第1始動記憶移行処理を実行する(ステップS8824)。具体的には、この第1始動記憶移行処理では、普図保留の始動情報記憶ブロック0に記憶された始動情報が読み出されて、所定の処理領域に記憶される。その後、始動情報記憶ブロック1の始動情報が始動情報記憶ブロック0に、始動情報記憶ブロック2の始動情報が始動情報記憶ブロック1に、始動情報記憶ブロック3の始動情報が始動情報記憶ブロック2に、始動情報記憶ブロック4の始動情報が始動情報記憶ブロック3に、それぞれシフトされる。なお、ステップS8822において第1始動記憶が0であれば(ステップS8822におけるNO)、第1抽選・変動開始処理を終了する。
ステップS8824において第1始動記憶移行処理を行ったのち、所定の処理領域に記憶されている始動情報の当たり判定乱数が第1当たり値であるか否かを判別する(ステップS8826)。このとき、第1当たり値であれば(ステップS8826におけるYES)、第1抽選第1当たりフラグをONにする(ステップS8828)。第1抽選第1当たりフラグは、長当たりに当選した場合にセットされるフラグである。第1当たり値でなければ(ステップS8826におけるNO)、所定の処理領域に記憶されている始動情報の当たり判定乱数が第2当たり値であるか否かを判別する(ステップS8830)。このとき、第2当たり値であれば(ステップS8830におけるYES)、第1抽選第2当たりフラグをONにする(ステップS8832)。第1抽選第2当たりフラグは、短当たりに当選した場合にセットされるフラグである。なお、第1当たり値および第2当たり値のいずれでもなければ(ステップS8830におけるNO)、第1抽選第1当たりフラグおよび第1抽選第2当たりフラグのいずれもONにされない(OFFのままである)。その後、先述の第1ジョブフラグに「1」をセットして(ステップS8834)、第1抽選・変動開始処理を終了する。
すなわち、この実施の形態では、
・上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されるために必要な上記普通電動役物81の動作時間として最低限の時間(例えば「108ms」)を示す動作時間情報が対応付けられている短当たり。
・上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されるために必要な上記普通電動役物81の動作時間として十分長い時間(例えば「5700ms」)を示す動作時間情報が対応付けられている長当たり。
といった2種類の当たり(短当たり、長当たり)が上記普通電動役物81の動作契機となる当たりとして含まれている。
なお、本実施形態では、普通図柄の当たり判定用乱数の値は151種類だけ用意されている。そして、これらの当たり判定用乱数のうちで、84種類の乱数値が当たりに当選したことを示す当たり判定値(すなわち、第1当たり値および第2当たり値)と一致し、67種類の乱数値がハズレ(落選)であることを示す当たり判定値と一致する。さらに、これらの当たりに当選したことを示す当たり判定値のうちで、2種類の乱数値が長当たりに当選したことを示す当たり判定値(すなわち、第1当たり値)と一致し、82種類の乱数値が短当たりに当選したことを示す当たり判定値(すなわち、第2当たり値)と一致する。すなわち、本実施形態では、長当たりに当選する確率よりも、短当たりに当選する確率の方が格段に高く設定されている。
次に、図51に示すように、主制御MPU765aは、第1抽選変動表示パターン設定処理が開始されると、第1ジョブフラグが「1」であるか否かを判別する(ステップS8840)。第1ジョブフラグが「1」でなければ(ステップS8840におけるNO)、第1抽選変動表示パターン設定処理を終了する。
第1ジョブフラグが「1」であれば(ステップS8840におけるYES)、さらに先述の第1抽選第1当たりフラグがONであるか否かを判別する(ステップS8842)。このとき、第1抽選第1当たりフラグがONであれば(ステップS8842におけるYES)、第1抽選第1当たり時変動表示パターン設定処理を実行する(ステップS8844)。この第1抽選第1当たり時変動表示パターン設定処理は、長当たりの抽選結果に対応する変動表示パターンを設定する処理である。具体的には、後述する普通図柄変動パターンテーブル(図54参照)から、普通図柄の変動パターン決定用乱数に基づいて長当たりに対応する変動パターン(変動PT)8,10,12,14,15,17,19,20,22,24,25,29のいずれか一つが設定される。なお、ステップS8844では、普通図柄表示器333(LED84)の停止(点灯)態様も決定される。
第1抽選第1当たりフラグがONでなければ(ステップS8842におけるNO)、先述の第1抽選第2当たりフラグがONであるか否かを判別する(ステップS8846)。このとき、第1抽選第2当たりフラグがONであれば(ステップS8846におけるYES)、第1抽選第2当たり時変動表示パターン設定処理を実行する(ステップS8848)。この第1抽選第2当たり時変動表示パターン設定処理は、短当たりの抽選結果に対応する変動表示パターンを設定する処理である。具体的には、後述する普通図柄変動パターンテーブル(図54参照)から、普通図柄の変動パターン決定用乱数に基づいて長当たりに対応する変動パターン(変動PT)2,4,6,28のいずれか一つが設定される。なお、ステップS8848では、普通図柄表示器333(LED84)の停止(点灯)態様も決定される。
第1抽選第2当たりフラグがOFFでなければ(ステップS8846におけるNO)、第1抽選第1当たりフラグおよび第1抽選第2当たりフラグのいずれもONでないため、第1抽選外れ時変動表示パターン設定処理を実行する(ステップS8850)。この第1抽選外れ時変動表示パターン設定処理は、はずれの抽選結果に対応する変動表示パターンを設定する処理である。具体的には、後述する普通図柄変動パターンテーブル(図54参照)から、普通図柄の変動パターン決定用乱数に基づいてはずれに対応する変動パターン(変動PT)1,3,5,7,9,11,13,16,18,21,23,26,27のいずれか一つが設定される。なお、ステップS8850では、普通図柄表示器333(LED84)の停止(点灯)態様も決定される。
その後、第1抽選第1当たり時変動表示パターン設定処理、第1抽選第2当たり時変動表示パターン設定処理および第1抽選外れ時変動表示パターン設定処理のいずれかで設定された変動パターンに応じた変動時間をタイマにセットし(ステップS8852)、普図LED作動フラグをONにセットする(ステップS8854)。この普図LED作動フラグがONにセットされると、普通図柄表示器333(LED84)での図柄変動が開始される。その後、先述の第1ジョブフラグに「2」をセットし(ステップS8856)、第1抽選変動表示パターン設定処理を終了する。
ところで、この第1抽選変動表示パターン設定処理で設定された変動パターンは、図45に示したサブ統合基板コマンド送信処理(ステップS92)によってサブ統合基板763に送信される。例えば、はずれに対応して変動パターン「1」が設定された場合は、サブ統合基板763に変動時間「10800」のコマンド「40H01H」が送信される。また、長当たりに対応して変動パターン「17」が設定された場合は、サブ統合基板763に変動時間「42000」のコマンド「40H11H」が送信される。また、短当たりに対応して変動パターン「2」が設定された場合は、サブ統合基板763に変動時間「10800」のコマンド「40H02H」が送信される。なお、サブ統合基板763側における普通図柄の変動処理については、後述する。
次に、図52に示すように、主制御MPU765aは、第1変動中処理が開始されると、第1ジョブフラグが「2」であるか否かを判別する(ステップS8860)。第1ジョブフラグが「2」でなければ(ステップS8860におけるNO)、第1変動中処理を終了する。一方、第1ジョブフラグが「2」であれば(ステップS8860におけるYES)、さらにステップS8852でタイマにセットされた変動時間がタイムアップしたか否かを判別する(ステップS8862)。タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていなければ(ステップS8862におけるNO)、第1変動中処理を終了する。
タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていれば(ステップS8862におけるYES)、普図LED作動フラグをOFFにセットする(ステップS8864)。この普図LED作動フラグがOFFにセットされると、普通図柄表示器333(LED84)での図柄変動が終了する。そして、サブ統合基板763により実行される普通図柄の図柄変動を停止して、演出表示装置115に抽選結果を確定表示する確定停止コマンド(例えば、コマンド「4FH01H」)をセットする(ステップS8866)。なお、この確定停止コマンドは、図45に示したサブ統合基板コマンド送信処理(ステップS92)によってサブ統合基板763に送信されるが、詳細は後述する。
そして、第1抽選第1当たりフラグまたは第1抽選第2当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS8868)。第1抽選第1当たりフラグまたは第1抽選第2当たりフラグがONであれば(ステップS8868におけるYES)、先述の第1ジョブフラグに「3」がセットされ(ステップS8870)、第1変動中処理が終了する。一方、第1抽選第1当たりフラグおよび第1抽選第2当たりフラグのいずれもがONでなければ(ステップS8868におけるNO)、先述の第1ジョブフラグに「0」がセットされ(ステップS8872)、第1変動中処理が終了する。
次に、図53に示すように、主制御MPU765aは、第1当たり役物作動処理が開始されると、第1ジョブフラグが「3」であるか否かを判別する(ステップS8880)。第1ジョブフラグが「3」でなければ(ステップS8880におけるNO)、第1当たり役物作動処理を終了する。
第1ジョブフラグが「3」であれば(ステップS8880におけるYES)、さらに先述の第1抽選第1当たりフラグがONであるか否かを判別する(ステップS8882)。このとき、第1抽選第1当たりフラグがONであれば(ステップS8882におけるYES)、第2の可動片81の動作時間(特別図柄始動口82の開放時間)として、長開放用時間(例えば「5700ms」)をタイマにセットする(ステップS8884)。
そして、サブ統合基板763により実行される長当たりに対応する演出パターンを指示するコマンドである第1当たり電役開放演出パターンコマンドを送信する(ステップS8886)。具体的には、第1当たり電役開放演出パターンコマンドとしてコマンド「50H02H」を送信し、これを受信したサブ統合基板763は遊技者に特別図柄始動口82を狙わせるような演出パターンを演出表示装置115に表示するが、詳細は後述する。
一方、第1抽選第1当たりフラグがONでなければ(ステップS8882におけるNO)、第1抽選第2当たりフラグがONであることを意味する。そこで、特別遊技(時短)中であるか否かを判別し(ステップS8888)、特別遊技(時短)中であれば(ステップS8888におけるYES)、短当たりであるにも拘らず、第2の可動片81の動作時間(特別図柄始動口82の開放時間)として、長開放用時間(例えば「5700ms」)をタイマにセットし(ステップS8884)、上記と同様に第1当たり電役開放演出パターンコマンドを送信する(ステップS8886)。
一方、特別遊技(時短)中でなければ(ステップS8888におけるNO)、第2の可動片81の動作時間(特別図柄始動口82の開放時間)として、短開放用時間(例えば「108ms」)をタイマにセットする(ステップS8890)。なお、特別遊技(時短)中でない状態で短当たりに当選した場合には、ステップS8886のような第1当たり電役開放演出パターンコマンドの送信は行われない。つまり、短当たりに当選しても、演出表示装置115では短当たりに当選したことは演出表示されずに、第2の可動片81の動作により特別図柄始動口82が短期間だけ開放されることになる。より具体的には、 上記落選時用(ハズレ時用)の表示態様が決定されたときと、上記短当たり用の表示態様が決定されたときとでは、上記演出表示装置115の主領域には互いに近似した表示態様が表示される。
その後、普通役物駆動機構334により第2の可動片81を動作させて、特別図柄始動口82の開放動作を行う電役開放制御を行う(ステップS8892)。そして、タイマがセットされた所定時間(長開放用時間または短開放用時間)経過したか否かを判定する(ステップS8894)。タイマが所定時間経過していれば(ステップS8894のおけるYES)、普通役物駆動機構334により第2の可動片81を停止させて、特別図柄始動口82の閉鎖動作を行う電役閉鎖制御を行い(ステップS8896)、その後、先述の第1ジョブフラグに「0」をセットし(ステップS8898)、第1当たり役物作動処理を終了する。なお、タイマが所定時間経過していなければ(ステップS8894のおけるNO)、ステップS8894に戻り、タイマが所定時間経過するまで電役開放制御を実行する。
なお、図53に示す第1当たり役物作動処理は、実際には主制御基板765における処理とサブ統合基板763における処理とが、各基板におけるタイマ割り込みに従って独立して実行される。しかし、本実施形態では、説明の便宜と理解の容易のため、主制御基板765における処理とサブ統合基板763における処理とを、一連の処理として連続したシーケンシャル処理として説明している。
ここで、図54に示す普通図柄の変動パターンテーブルに基づいて、各種コマンド(変動パターン)と演出表示装置115に表示される変動内容との関係について説明する。主制御基板765から送信される第1の抽選手段(普通図柄当否判定手段602)にかかるコマンド(変動パターン)は、いずれも、2バイトのデータで構成されており、各コマンド(変動パターン)には、変動内容、抽選による当落情報および変動時間にかかる情報が含まれている。そして、主制御基板765から送信されたコマンド(変動パターン)がサブ統合基板763により受信されると、当該サブ統合基板763により当該コマンド(変動パターン)が解釈される。そして、当該コマンド(変動パターン)に基づいて液晶制御基板758の動作制御や演出表示装置115での表示制御が行われる。なお、本実施の形態では、各コマンド(変動パターン)は、コマンドの種類を示す「ステータス」、および、当該ステータスに従って実行される内容を示す「モード」、という二つのデータ部から構成されている。例えば、コマンド「40H01H」では、先頭の「40H」がステータスを示し、末尾の「01H」がモードを示している。
<7.特別図柄及び特別電動役物制御処理>
次に、特別図柄及び特別電動役物制御処理(第2遊技処理)の詳細について説明する。図55は第2遊技処理の一例を示すフローチャートであり、図56は第2始動検出処理の一例を示すフローチャートであり、図57は第2抽選・変動開始処理の一例を示すフローチャートであり、図58は第2抽選変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートであり、図59は第2変動中処理の一例を示すフローチャートであり、図60は第2小当たり役物作動処理の一例を示すフローチャートであり、図61は第2大当たりオープニング処理の一例を示すフローチャートであり、図62は特別電動役物大当たり制御処理の一例を示すフローチャートであり、図63は特別図柄の変動パターンテーブルの一例を示す図である。
図45に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS86の特別図柄及び特別電動役物制御処理を、以下では「第2遊技処理」として説明する。主制御MPU765aは、図55に示すように、「第2遊技処理」として、第2始動検出処理(ステップS8600)、第2抽選・変動開始処理(ステップS8602)、第2抽選変動表示パターン設定処理(ステップS8604)、第2変動中処理(ステップS8606)、第2小当たり役物作動処理(ステップS8608)、第2大当たりオープニング処理(ステップS8610)、および、特別電動役物大当たり制御処理(ステップS8612)を順に行う。以下、各処理の詳細について説明する。
まず、図56に示すように、主制御MPU765aは、第2始動検出処理が開始されると、第2始動検出フラグがONであるか否かを判別する(ステップS8620)。なお、第2始動検出フラグは、特別図柄始動口82に遊技球が入球したことが第2始動口センサ317により検出されると、スイッチ入力処理(ステップS74)によりONにセットされる。第2始動検出フラグがONであれば(ステップS8620におけるYES)、特別図柄始動口82への入賞が不正になされたものでないかを確認する不正入賞確認処理を実行する(ステップS8622)。例えば、この不正入賞確認処理では、特別図柄始動口82の本来の開放タイミングでないタイミングで、第2の可動片81による特別図柄始動口82の開放動作が行われたり第2始動口センサ317によって遊技球が検出されたりした場合は、警告(アラート)を発する等の処理が行われる。そして、第2保留手段613による特図保留球数カウントが1より小さいか否かを判別する(ステップS8624)。特図保留球数カウントが1より小さければ(ステップS8624におけるYES)、特別図柄当たり判定用乱数抽出手段611が抽出した乱数を第2保留手段613に保留する第2始動記憶格納処理を実行する(ステップS8626)。具体的には、この第2始動記憶格納処理では、特別図柄の当たり判定用乱数及び変動パターン決定用乱数等が始動情報として主内蔵RAMの特図保留についての始動情報記憶領域に記憶される。なお、第2始動記憶格納処理(ステップS8626)の実行後は、第2始動検出処理を終了する。また、第2始動検出フラグがOFFである場合(ステップS8620におけるNO)や、特図保留球数カウントが1以上である場合(ステップS8624におけるNO)も、第2始動検出処理を終了する。
次に、図57に示すように、主制御MPU765aは、第2抽選・変動開始処理が開始されると、第2ジョブフラグが「0」であるか否かを判別する(ステップS8630)。第2ジョブフラグは、特別図柄に関する処理段階を指示するためのフラグである。ここで、特別図柄の図柄変動が行われていない場合(例えば、演出表示装置115においてデモ画面が表示されている状態)には、第2ジョブフラグが「0」にセットされている。そして、第2ジョブフラグが「0」でなければ(ステップS8630におけるNO)、特別図柄に関する他の処理(例えば、特別図柄の図柄変動中)が実行されているから、第2抽選・変動開始処理を終了する。
第2ジョブフラグが「0」であれば(ステップS8630におけるYES)、さらに第2保留手段613に第2始動記憶があるか否かを判別する(ステップS8632)。第2始動記憶がある場合には(ステップS8632におけるYES)、第2始動記憶移行処理を実行する(ステップS8634)。具体的には、この第2始動記憶移行処理では、特図保留の始動情報記憶ブロック0に記憶された始動情報が読み出されて、所定の処理領域に記憶される。その後、始動情報記憶ブロック1の始動情報が始動情報記憶ブロック0にシフトされる。なお、ステップS8632において第2始動記憶が0であれば(ステップS8632におけるNO)、第2抽選・変動開始処理を終了する。
ステップS8634において第2始動記憶移行処理を行ったのち、所定の処理領域に記憶されている始動情報の当たり判定乱数が大当たり値であるか否かを判別する(ステップS8636)。このとき、大当たり値であれば(ステップS8636におけるYES)、第2大当たりフラグをONにする(ステップS8638)。第2大当たりフラグは、大当たりに当選した場合にセットされるフラグである。一方、大当たり値でなければ(ステップS8636におけるNO)、第2小当たりフラグをONにする(ステップS8640)。第2小当たりフラグは、小当たりに当選した場合にセットされるフラグである。その後、先述の第2ジョブフラグに「1」をセットして(ステップS8642)、第2抽選・変動開始処理を終了する。
なお、本実施形態では、特別図柄の当たり判定用乱数の値は347種類だけ用意されている。そして、これらの当たり判定用乱数のうちで、2種類の乱数値が大当たりに当選したことを示す当たり判定値(すなわち、大当たり値)と一致し、345種類の乱数値が小当たりに当選したことを示す当たり判定値(すなわち、大当たり値以外の判定値である小当たり値)と一致する。すなわち、本実施形態では、大当たりに当選する確率よりも、小当たりに当選する確率の方が格段に高く設定されており、また、遊技者に対して何らの特典も与えられない抽選結果に対応する判定値(いわゆる、外れ)は設けられていない。
次に、図58に示すように、主制御MPU765aは、第2抽選変動表示パターン設定処理が開始されると、第2ジョブフラグが「1」であるか否かを判別する(ステップS8650)。第2ジョブフラグが「1」でなければ(ステップS8650におけるNO)、第2抽選変動表示パターン設定処理を終了する。
第2ジョブフラグが「1」であれば(ステップS8650におけるYES)、さらに先述の第2大当たりフラグがONであるか否かを判別する(ステップS8652)。このとき、第2大当たりフラグがONであれば(ステップS8652におけるYES)、大当たりの抽選結果に対応する変動パターンである第2抽選大当たり時変動表示用パターンを選択する(ステップS8654)。具体的には、後述する特別図柄変動パターンテーブル(図63参照)から、特別図柄の変動パターン決定用乱数に基づいて大当たりに対応する変動パターン(変動PT)を選択する。本実施形態では、大当たりに対応する変動パターンは「6」のみであるため、この変動パターンが選択される。なお、ステップS8654では、特別図柄表示器332(LED87)の停止(点灯)態様も決定される。
第2大当たりフラグがONでなければ(ステップS8652におけるNO)、第2小当たりフラグがONであることを意味するから、小当たりの抽選結果に対応する変動パターンである第2抽選小当たり時変動表示用パターンを選択する(ステップS8656)。具体的には、後述する特別図柄変動パターンテーブル(図63参照)から、特別図柄の変動パターン決定用乱数に基づいて小当たりに対応する変動パターン(変動PT)1〜5のいずれか一つが選択される。なお、ステップS8656では、特別図柄表示器332(LED87)の停止(点灯)態様も決定される。
その後、第2抽選大当たり時変動表示用パターンまたは第2抽選小当たり時変動表示用パターンのうち、いずれか設定された変動パターンを当落情報コマンド(すなわち、大当たりまたは小当たりを示すコマンド)とともにセットする(ステップS8658)。さらに、第2抽選大当たり時変動表示用パターンまたは第2抽選小当たり時変動表示用パターンのうち、いずれか設定された変動パターンに応じた変動時間をタイマにセットし(ステップS8660)、特図LED作動フラグをONにセットする(ステップS8662)。この特図LED作動フラグがONにセットされると、特別図柄表示器332(LED87)での図柄変動が開始される。その後、先述の第2ジョブフラグに「2」をセットし(ステップS8664)、第2抽選変動表示パターン設定処理を終了する。
ところで、この第2抽選変動表示パターン設定処理で設定された変動パターンは、図45に示したサブ統合基板コマンド送信処理(ステップS92)によってサブ統合基板763に送信される。例えば、大当たりに対応して変動パターン「6」が設定されると、サブ統合基板763に変動時間「8000」のコマンド「10H06H」が送信される。また、小当たりに対応して変動パターン「1」が設定された場合は、サブ統合基板763に変動時間「1400」のコマンド「10H11H」が送信される。なお、サブ統合基板763側における特別図柄の変動処理については、後述する。
次に、図59に示すように、主制御MPU765aは、第2変動中処理が開始されると、第2ジョブフラグが「2」であるか否かを判別する(ステップS8670)。第2ジョブフラグが「2」でなければ(ステップS8670におけるNO)、第2変動中処理を終了する。一方、第2ジョブフラグが「2」であれば(ステップS8670におけるYES)、さらにステップS8660でタイマにセットされた変動時間がタイムアップしたか否かを判別する(ステップS8672)。タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていなければ(ステップS8672におけるNO)、第2変動中処理を終了する。
タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていれば(ステップS8672におけるYES)、特図LED作動フラグをOFFにセットする(ステップS8674)。この特図LED作動フラグがOFFにセットされると、特別図柄表示器332(LED87)での図柄変動が終了する。そして、サブ統合基板763により実行される特別図柄の図柄変動を停止して、演出表示装置115に抽選結果を確定表示する確定停止コマンド(例えば、コマンド「1FH01H」)をセットする(ステップS8676)。なお、この確定停止コマンドは、図45に示したサブ統合基板コマンド送信処理(ステップS92)によってサブ統合基板763に送信されるが、詳細は後述する。
そして、第2大当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS8678)。第2大当たりフラグがONであれば(ステップS8678におけるYES)、先述の第2ジョブフラグに「4」をセットし(ステップS8680)、第2変動中処理が終了する。一方、第2大当たりフラグがONでなければ(ステップS8678におけるNO)、先述の第2ジョブフラグに「3」をセットし(ステップS8682)、第2変動中処理を終了する。
次に、図60に示すように、主制御MPU765aは、第2小当たり役物作動処理が開始されると、第2ジョブフラグが「3」であるか否かを判別する(ステップS8690)。第2ジョブフラグが「3」でなければ(ステップS8690におけるNO)、第2小当たり役物作動処理を終了する。
第2ジョブフラグが「3」であれば(ステップS8690におけるYES)、サブ統合基板763により実行される小当たりに対応する演出パターンを指示するコマンドである第2小当たり開放演出パターンコマンドを送信する(ステップS8692)。具体的には、第2小当たり開放演出パターンコマンドとしてコマンド「20H03H」を送信し、これを受信したサブ統合基板763は遊技者に大入賞口141を狙わせるような演出パターンを演出表示装置115に表示するが、詳細は後述する。
そして、第1の可動片142の動作時間(大入賞口141の開放時間)をタイマにセット(第2小当たり開放第1タイマをセット)して(ステップS8694)、大入賞口開閉機構335により第1の可動片142を動作させて、大入賞口141の開放動作を行う上特別電動役物開放制御を行う(ステップS8696)。そして、入賞口センサ330により遊技球が検出されたか否かによって、センター役物91内に入賞したか否かを判別する(ステップS8698)。センター役物91内に入賞した場合は(ステップS8698におけるYES)、センター役物91内に入賞したことを示す役物入力信号をサブ統合基板763に出力し(ステップS8700)、サブ統合基板763では役物入力信号に基づいて演出表示装置115等において所定の演出動作を行う。
そして、遊技球が大入賞口141に入賞してからの経過時間をカウントするタイマをセット(第2小当たり開放第2タイマをセット)して(ステップS8702)、大入賞口141が開放中か(第1の可動片142が開放態様か)否かを判別する(ステップS8704)。大入賞口141が開放中であれば(ステップS8704におけるYES)、第2小当たり開放第1タイマが所定時間経過したか否かを判別する(ステップS8706)。第2小当たり開放第1タイマが所定時間経過していれば(ステップS8706におけるYES)、大入賞口開閉機構335により第1の可動片142を動作させて、大入賞口141の閉鎖動作を行う上特別電動役物閉鎖制御を行う(ステップS8708)。
上特別電動役物閉鎖制御(ステップS8708)の実行後、大入賞口141が開放中でない場合(ステップS8704におけるNO)、あるいは、第2小当たり開放第2タイマが所定時間を経過していない場合は(ステップS8706におけるNO)、V入賞センサ331により遊技球が検出された(すなわち、V入賞センサ331がON)か否かを判別する(ステップS8710)。V入賞センサ331がONであれば(ステップS8710におけるYES)、センター役物91内の特定領域344に遊技球が入賞したことを示す役物内特定検出信号をサブ統合基板763に出力し(ステップS8712)、サブ統合基板763では役物内特定検出信号に基づいて演出表示装置115等において所定の演出動作を行う。そして、第2小当たり遊技大当たりフラグをONにし(ステップS8714)、先述の第2ジョブフラグに「4」をセットし(ステップS8682)、第2小当たり役物作動処理を終了する。なお、第2小当たり遊技大当たりフラグは、小当たり遊技を経由して大当たりに当選した場合にセットされるフラグである。
一方、V入賞センサ331がONでなければ(ステップS8710におけるNO)、排出センサ313により遊技球が検出された(すなわち、排出センサ313がON)か否かを判別する(ステップS8718)。排出センサ313がONでなければ(ステップS8718におけるNO)、さらに第2小当たり開放第2タイマが所定時間(ここでは、20秒)を経過したか否かを判別する(ステップS8720)。第2小当たり開放第2タイマが所定時間を経過していれば(ステップS8720におけるYES)、大入賞口141に入賞してからの経過時間が20秒を経過したため、後述する排出検出信号を出力して(ステップS8722)、先述の第2ジョブフラグに「0」をセットし(ステップS8726)、第2小当たり役物作動処理を終了する。これにより、特定領域344に遊技球が入賞(すなわち、V入賞)してから20秒が経過すると、センター役物91内に遊技球が残留しているかいないかに拘らず、次の処理に進むことが可能となる。なお、第2小当たり開放第2タイマが所定時間を経過していなければ(ステップS8720におけるNO)、ステップS8704に戻る。
また、排出センサ313がONであれば(ステップS8718におけるYES)、センター役物91内の普通領域345に遊技球が入賞したことを意味する。そのため、入賞口センサ330による検出数(入賞数)と排出センサ313による検出数(排出数)が同じであるか否かを判別する。(ステップS8724)。そして、入賞数と排出数が同じであれば(ステップS8724におけるYES)、センター役物91内からの遊技球の排出が完了したことを示す排出検出信号をサブ統合基板763に出力し(ステップS8722)、サブ統合基板763では排出検出信号に基づいて演出表示装置115等において所定の演出動作を行う。そして、先述の第2ジョブフラグに「0」をセットし(ステップS8726)、第2小当たり役物作動処理を終了する。一方、入賞数と排出数が同じでなければ(ステップS8724におけるNO)、センター役物91内からの遊技球の排出が完了していないことを示すから、ステップS8704に戻る。
なお、センター役物91内に入賞しなかった場合は(ステップS8698におけるNO)、第2小当たり開放第1タイマが所定時間経過したか否かを判別する(ステップS8728)。第2小当たり開放第1タイマが所定時間経過していれば(ステップS8728におけるYES)、先述と同様に上特別電動役物閉鎖制御を行って大入賞口141を閉鎖する(ステップS8729)。一方、第2小当たり開放第2タイマが所定時間を経過していない場合は(ステップS8706におけるNO)、ステップS8698に戻る。
次に、図61に示すように、主制御MPU765aは、第2大当たりオープニング処理が開始されると、第2ジョブフラグが「4」であるか否かを判別する(ステップS8730)。第2ジョブフラグが「4」でなければ(ステップS8730におけるNO)、第2大当たりオープニング処理を終了する。
第2ジョブフラグが「4」であれば(ステップS8730におけるYES)、第2大当たりフラグがONであるか否かを判別する(ステップS8732)。ここで、第2大当たりフラグがONであれば(ステップS8732におけるYES)、特別図柄の組み合わせによって大当たりに当選したことを示すから、サブ統合基板763により実行される大当たりの開始ラウンドに対応する演出パターンを指示するコマンドである第2大当たりオープニングコマンドをセットする(ステップS8734)。具体的には、第2大当たりオープニングコマンドとしてコマンド「20H01H」を送信し、これを受信したサブ統合基板763は大当たり遊技を開始する演出パターンを演出表示装置115に表示する。そして、大当たり遊技開始ラウンドの実行時間をカウントするための第2大当たりオープニングタイマをセットし(ステップS8736)、大当たり遊技開始ラウンドの「1」をラウンドカウンタにセットする(ステップS8738)。そして、先述の第2ジョブフラグに「5」をセットし(ステップS8740)、第2大当たりオープニング処理を終了する。
一方、第2大当たりフラグがONでなければ(ステップS8732におけるNO)、特定領域344を通過して大当たりに当選したことを示すから、サブ統合基板763により実行される小当たり経由の大当たりの開始ラウンドに対応する演出パターンを指示するコマンドである第2小当たり遊技大当たりオープニングコマンドをセットする(ステップS8742)。具体的には、第2小当たり遊技大当たりオープニングコマンドとしてコマンド「20H04H」を送信し、これを受信したサブ統合基板763は大当たり遊技を開始する演出パターンを、特別図柄の組み合わせによる大当たりとは異なる演出態様で演出表示装置115に表示する。そして、大当たり遊技開始ラウンドの実行時間をカウントするための第2小当たり遊技大当たりオープニングタイマをセットし(ステップS8744)、大当たり遊技開始ラウンドの「2」をラウンドカウンタにセットする(ステップS8746)。これは、大当たり遊技開始ラウンドの「1」は、小当たり遊技での大入賞口141の開放動作によって既に実行されたものとみなすためである。そして、先述の第2ジョブフラグに「5」をセットし(ステップS8740)、第2大当たりオープニング処理を終了する。
なお、この第2大当たりオープニング処理で設定された変動パターン(第2大当たりオープニングコマンドおよび第2小当たり遊技大当たりオープニングコマンド)は、図45に示したサブ統合基板コマンド送信処理(ステップS92)によってサブ統合基板763に送信される。
次に、図62に示すように、主制御MPU765aは、特別電動役物大当たり処理が開始されると、第2ジョブフラグが「5」であるか否かを判別する(ステップS8750)。第2ジョブフラグが「5」でなければ(ステップS8750におけるNO)、特別電動役物大当たり処理を終了する。
第2ジョブフラグが「5」であれば(ステップS8750におけるYES)、第2大当たりオープニングタイマまたは第2小当たり遊技大当たりオープニングタイマによりカウントされる大当たりオープニングタイムがアップしたか否かを判別する(ステップS8752)。大当たりオープニングタイムがアップしていなければ(ステップS8752におけるNO)、特別電動役物大当たり処理を終了する。
一方、大当たりオープニングタイムがアップしていれば(ステップS8752におけるYES)、アタッカ駆動機構339により下部側大入賞口83(開閉装置)を開放する(ステップS8754)。そして、この開閉装置の開放時間が経過した否かを判別し(ステップS8756)、開放時間が経過していれば(ステップS8756におけるYES)アタッカ駆動機構339により下部側大入賞口83(開閉装置)を閉鎖する(ステップS8758)。また、開閉装置の開放時間が経過していなくても(ステップS8756におけるNO)、当該開閉装置に最大入賞数の遊技球が入賞した場合には(ステップS8760におけるYES)、アタッカ駆動機構339により下部側大入賞口83(開閉装置)を閉鎖する(ステップS8758)。なお、開閉装置に最大入賞数の遊技球が入賞していなければ(ステップS8760におけるNO)、ステップS8754に戻る。
開放装置の閉鎖後は、当該開放装置の開閉動作があらかじめ定められたラウンド回数(ここでは、15ラウンド)に達したか否かを判別する(ステップS8762)。具体的には、このラウンド回数の判別は、ラウンドカウンタに記憶された値が「15」に至ったか否かに基づいて実行される。所定のラウンド回数に達していれば(ステップS8762におけるYES)、大当たりフラグ(第2大当たりフラグまたは第2小当たり遊技大当たりフラグ)をOFFにセットする(ステップS8764)。そして、先述の第2ジョブフラグに「0」をセットして(ステップS8766)、特別電動役物大当たり処理を終了する。一方、所定のラウンド回数に達していなければ(ステップS8762におけるNO)、ラウンドカウンタを1加算する(ステップS8768)。そして、サブ統合基板763により実行される大当たり遊技ラウンド間のインターバルに対応する演出パターンを指示するコマンドであるインターバルコマンドを送信して(ステップS8770)、特別電動役物大当たり処理を終了する。
ところで、図示しないが、所定の条件が成立した場合(例えば、上記の特別電動役物大当たり処理によって、所定のラウンド回数が実行された(すなわち、大当たり遊技の一連の動作が全て実行された))ことを条件として、当該特別電動役物大当たり処理の後処理として時短機能作動処理を実行する。この時短機能作動処理は、特別図柄始動口82への遊技球の入球確率をより高い確率に可変設定するための処理である。より具体的には、有利遊技実行手段608が有利遊技(時短遊技)にある旨判断したときは、その旨を普通当たり遊技実行手段607に出力する。これにより、普通当たり遊技実行手段607は、いわゆる開放延長機能を作動させるようになり、第2の可動片81の動作時間として必ず長開放用時間(例えば「5700ms」)を採用するようになる。
なお、図60に示す第2小当たり役物作動処理、および、図62に示す特別電動役物大当たり処理は、実際には主制御基板765における処理とサブ統合基板763における処理とが、各基板におけるタイマ割り込みに従って独立して実行される。しかし、本実施形態では、説明の便宜と理解の容易のため、主制御基板765における処理とサブ統合基板763における処理とを、一連の処理として連続したシーケンシャル処理として説明している。
ここで、図63に示す特別図柄の変動パターンテーブルに基づいて、各種コマンド(変動パターン)と演出表示装置115に表示される変動内容との関係について説明する。主制御基板765から送信される第2の抽選手段(特別図柄図柄当否判定手段612)にかかるコマンド(変動パターン)は、いずれも、2バイトのデータで構成されており、各コマンド(変動パターン)には、変動内容、抽選による当落情報および変動時間にかかる情報が含まれている。そして、主制御基板765から送信されたコマンド(変動パターン)がサブ統合基板763により受信されると、当該サブ統合基板763により当該コマンド(変動パターン)が解釈される。そして、当該コマンド(変動パターン)に基づいて液晶制御基板758の動作制御や演出表示装置115での表示制御が行われる。なお、本実施の形態では、各コマンド(変動パターン)は、コマンドの種類を示す「ステータス」、および、当該ステータスに従って実行される内容を示す「モード」、という二つのデータ部から構成されている。例えば、コマンド「10H01H」では、先頭の「10H」がステータスを示し、末尾の「01H」がモードを示している。
[払出制御基板の各種制御処理]
次に、払出制御基板775が行う各種制御処理について説明する。まず、払出制御側電源投入時処理について説明し、続いて払出制御側タイマ割り込み処理、各種賞球ストック数加算処理、賞球ストック監視処理、払出球抜き判定設定処理、払出設定処理、球抜き設定処理について説明する。図64は払出制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図65は図64の払出制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図66は図65に続いて払出制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図67は払出制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図68は賞球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図69は貸球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図70はストック監視処理の一例を示すフローチャートであり、図71は払出球抜き判定設定処理の一例を示すフローチャートであり、図72は払出設定処理の一例を示すフローチャートであり、図73は球抜き設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球抜き判定設定処理は、後述する払出制御側電源投入処理におけるステップS264の主要動作設定処理の一処理として行われ、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、そして払出球抜き判定設定処理の順番で優先順位が設定されている。
<1.払出制御側電源投入時処理>
パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図64〜図66に示すように、払出制御側電源投入時処理を行う。この払出制御側電源投入時処理が開始されると、払出制御MPU775aは、割り込みモードの設定を行う(ステップS200)。この割り込みモードは、払出制御MPU775aの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御側タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御側タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理が行われる。ステップS200に続いて、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS202)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPU775aのI/Oポートの入出設定等を行う。ステップS202に続いて、ウェイトタイマ処理1を行う(ステップS204)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(突発的に電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧以下となると停電予告として停電信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では電圧が停電予告電圧以下となると停電信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理1では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より高くなるまで待っている。本実施形態では、この待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS204に続いて、RAMクリアスイッチ769が操作されているか否かを判定する(ステップS206)。この判定は、RAMクリアスイッチ769が操作され、その操作信号(検出信号)が払出制御MPU775aに入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ769が操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ769が操作されていないと判定する。
ステップS206でRAMクリアスイッチ769が操作されているときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットし(ステップS208)、一方、ステップS206でRAMクリアスイッチ769が操作されていないときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS210)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU775aに内蔵されたRAM(以下、「払出内蔵RAM」と記載する。)に記憶されている、例えば賞球ストック数、実球計数、駆動指令数及び各種フラグ(及び、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報)等の払い出しに関する払出情報(その詳細な説明は後述する。)を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定されている。なお、ステップS208及びステップS210でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU775aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS208又はステップS210に続いて、球抜きスイッチ779が操作されているか否かを判定する(ステップS212)。この判定は、球抜きスイッチ779が操作され、その操作信号(検出信号)が払出制御MPU775aに入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときには球抜きスイッチ779が操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときには球抜きスイッチ779が操作されていないと判定する。
ステップS212で球抜きスイッチ779が操作されているときには、球抜きフラグRMV−FLGに値1をセットし(ステップS214)、一方、ステップS212で球抜きスイッチ779が操作されていないときには、球抜きフラグRMV−FLGに値0をセットする(ステップS216)。この球抜きフラグRMV−FLGは、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定されている。なお、ステップS214及びステップS216でセットされた球抜きフラグRMV−FLGは、払出制御MPU775aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS214又はステップS216に続いて、払出内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS220)。この設定により払出内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。ステップS220に続いて、スタックポインタの設定を行う(ステップS222)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS222では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS222に続いて、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS224)。上述したように、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定されている。ステップS224で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS226)。このチェックサムは、払出内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。ステップS226に続いて、算出したチェックサムの値が後述する払出制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS228)。一致しているときには、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS230)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御側電源断時処理において払出内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定されている。
ステップS230で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御側電源断時処理を正常に終了したときには、復電時として払出内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS232)。この設定は、払出バックアップフラグHBK−FLGを値0にセットするほか、払出制御MPU775aに内蔵されたROM(以下、「払出内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を払出内蔵RAMの作業領域にセットする。ここで「復電時」とは、上述したように、電源を遮断した状態から電源を投入した状態に加えて、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS224で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去するときには、又はステップS228でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS230で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、払出内蔵RAMの全領域をクリアし(ステップS234)、初期設定として払出内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS236)。この設定は、払出内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS232又はステップS236に続いて、割り込み初期設定を行う(ステップS238)。この設定は、後述する払出制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では1.75msに設定されている。ステップS238に続いて、割り込み許可設定を行う(ステップS240)。この設定によりステップS238で設定した割り込み周期、つまり1.75msごとに払出制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS240に続いて、停電信号が入力されているか否かを判定する(ステップS242)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると停電予告として停電信号が入力される。ステップS242の判定は、この停電信号に基づいて行う。ステップS242で停電信号の入力がないときには1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS244)。この1.75ms経過フラグHT−FLGは、後述する、1.75msごとに処理される払出制御側タイマ割り込み処理で1.75msを計時するフラグであり、1.75ms経過したとき値1、1.75ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS244で1.75ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり1.75ms経過していないときには、ステップS242に戻り、停電信号が入力されているか否かを判定する。一方、ステップS244で1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり1.75ms経過したときには、1.75ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし(ステップS246)、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)775cにクリア信号をONする(ステップS248)。この外部WDT775cは、払出制御MPU775aの動作(システム)を監視するためのものであり、一定期間にクリアされないときには払出制御MPU775aにリセットがかかる(払出制御MPU775aのシステムが暴走していないかを定期的に診断している)。
ステップS248に続いて、ポート出力処理を行う(ステップS250)。このポート出力処理では、払出制御I/Oポート775bの出力端子から、払出内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板765からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝えるACK情報、球払出装置170への駆動制御を行う駆動情報、球払出装置が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器777に表示するLED表示情報、プリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号を正常に受信した旨を伝える受信完了情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて出力端子から、主制御基板765からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときにはACK信号を主制御基板765に出力したり、球払出装置170に駆動信号を出力したり、球払出装置170が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数信号として出力したり(本実施形態では、球払出装置170が実際に10個の遊技球を払い出すごとに賞球数信号を出力している。)、エラーLED表示器777に表示信号を出力したり、プリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号を正常に受信したときには受信完了信号をプリペイドカードユニット1aに出力したりする。
ステップS250に続いて、ポート入力処理を行う(ステップS252)。このポート入力処理では、払出制御I/Oポート775bの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、エラー解除スイッチ778の操作信号、回転角スイッチ102からの検出信号、計数スイッチ101からの検出信号、満タンスイッチ107からの検出信号、プリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号及び接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板765が正常に受信した旨を伝える主制御基板765からのACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS252に続いて、タイマ更新処理を行う(ステップS254)。このタイマ更新処理では、その詳細な説明は後述するが、球払出装置170が球がみを起こしているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球がみ判定時間、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出する際に設定されている球抜き判定時間、下皿31が満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球払出装置170に設けられた図示しない球切れスイッチからの検出信号により球払出装置170に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行う。例えば、球がみ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が1.75msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球がみ判定時間を1.75msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球がみ判定時間を正確に計っている。
本実施形態では、球抜き判定時間として60060ms、満タン判定時間として504ms、球切れ判定時間として119msがそれぞれ設定されており、このタイマ更新処理を行うごとに球抜き判定時間及び満タン判定時間を1.75msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球抜き判定時間及び満タン判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS254に続いて、CR通信処理を行う(ステップS256)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、プリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号が入力されているか否かを判定したり、プリペイドカードユニット1aからの接続信号が入力されているか否かを判定したりする。貸球要求信号が入力され、この貸球要求信号を正常に受信したときには、その旨を伝える受信完了情報を上述した出力情報記憶領域に記憶するとともに、その貸球要求信号を貸球情報として払出内蔵RAMの貸球情報記憶領域に記憶する。一方、貸球要求信号を正常に受信できなかったときには、その旨を伝える貸球要求エラー情報を払出内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶する。
接続信号が入力されているときには、プリペイドカードユニット1aとの接続が正常であるとしてその旨を伝えるCR接続情報を状態情報記憶領域に記憶する。なお、接続信号が入力されていないときには、プリペイドカードユニット1aとの接続が異常であるとしてその旨を伝えるCR接続情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS256に続いて、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS258)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タンスイッチ107からの検出信号により下皿31が遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球払出装置170に設けられた球切れスイッチからの検出信号により球払出装置170に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、下皿31が遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期1.75msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ107からの検出信号がON、前回(1.75ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ107からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タンスイッチ107からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS254のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間(504ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ107からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タンスイッチ107からの検出信号がONであるときには、下皿31が遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タンスイッチ107からの検出信号がOFFであるときには、下皿31が遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
球払出装置170に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期1.75msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(1.75ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切れスイッチからの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS254のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間(119ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切れスイッチからの検出信号がONであるときには、球払出装置170に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切れスイッチからの検出信号がOFFであるときには、球払出装置170に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS258に続いて、コマンド受信処理を行う(ステップS260)。このコマンド受信処理では、主制御基板765からの払い出しに関する各種コマンドを受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝えるACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続に異常が生じている旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。なお、主制御基板765からの払い出しに関する各種コマンドの詳細な説明は後述する。
ステップS260に続いて、コマンド解析処理を行う(ステップS262)。このコマンド解析処理では、ステップS260で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS262に続いて、主要動作設定処理を行う(ステップS264)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球がみ等の動作設定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。なお、これらの動作設定や監視の詳細な説明は後述する。
ステップS264に続いて、LED表示データ作成処理を行う(ステップS266)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板775のエラーLED表示器777に表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に対応する表示データを作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS266に続いて、コマンド送信処理を行う(ステップS268)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいてコマンドを作成して主制御基板765に送信する。
ステップS268に続いて、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)775cへのクリア信号をOFFする(ステップS270)。これにより、外部WDT775cをクリアし、払出制御MPU775aにリセットがかからないようにするとともに、外部WDT775cの計時を開始する。
ステップS270に続けて、再びステップS242に戻り、停電信号が入力されているか否かを判定し、この停電信号の入力がなければ、ステップS244で1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり1.75ms経過したときには、ステップS246で1.75ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS248で外部WDT775cにクリア信号を出力し、ステップS250でポート出力処理を行い、ステップS252でポート入力処理を行い、ステップS254でタイマ更新処理を行い、ステップS256でCR通信処理を行い、ステップS258で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS260でコマンド受信処理を行い、ステップS262でコマンド解析処理を行い、ステップS264で主要動作設定処理を行い、ステップS266でLED表示データ作成処理を行い、ステップS268でコマンド送信処理を行い、ステップS270で外部WDT775cにクリア信号を出力し、ステップS242〜ステップS270を繰り返し行う。なお、このステップS242〜ステップS270の処理を「払出制御側メイン処理」という。
主制御基板765による遊技の進行に応じて払出制御側メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPU775aの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPU775aは、ステップS250のポート出力処理において、主制御基板765からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝えるACK信号を、優先して主制御基板765に出力している。これにより、払出制御MPU775aは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS242で停電信号の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS272)。この設定により後述する払出制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。ステップS272に続いて、球払出装置170への駆動信号の出力を停止する(ステップS274)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。ステップS274に続いて、外部WDT775cにクリア信号をON/OFFする(ステップS276)。これにより、外部WDT775cをクリアする。ステップS276に続いて、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS278)。このチェックサムは、ステップS226で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。ステップS278に続いて、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする。(ステップS280)、これにより払出バックアップ情報の記憶が完了する。ステップS280に続いて、払出内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS282)。この設定により払出内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。ステップS282に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、外部WDT775cにクリア信号をON/OFFしない。このため、払出制御MPU775aにリセットがかかり、その後払出制御MPU775aは、この払出制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS272〜ステップS282の処理及び無限ループを「払出制御側電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU775a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS228では払出内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS230では払出制御側電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
<2.払出制御側タイマ割り込み処理>
次に、払出制御側タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御側タイマ割り込み処理は、図64〜図66に示した払出制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、1.75ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御側タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図67に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS290)。ここでは、上述した払出制御側メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御側タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御側メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS290に続いて、1.75ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS292)。この1.75経過フラグHT−FLGは、この払出制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり1.75msごとに1.75msを計時するフラグであり、1.75ms経過したとき値1、1.75ms経過していないとき値0にそれぞれ設定されている。ステップS292に続いて、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS294)。この復帰は、ステップS290でスタックに積んで退避した内容を読み出してレジスタに書き込むことにより行われる。ステップS294に続いて、割り込み許可の設定を行い(ステップS296)、このルーチンを終了する。
<3.各種賞球ストック数加算処理>
次に、各種賞球ストック数加算処理について説明する。この各種賞球ストック数加算処理には、賞球用賞球ストック数加算処理と貸球用賞球ストック数加算処理とがあり、賞球用賞球ストック数加算処理は主制御基板765からの後述する賞球コマンドに基づいて払い出す球数を加算する処理であり、貸球用賞球ストック数加算処理はプリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号に基づいて払い出す球数を加算する処理である。まず、賞球用賞球ストック数加算処理について説明し、続いて貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。なお、本実施形態では、賞球用賞球ストック数加算処理が優先的に行われるように設定されており、この賞球用賞球ストック数加算処理で加算された賞球ストック数に応じた遊技球が球払出装置170で払い出されたあと、貸球用賞球ストック数加算処理が行われるように設定されている。
賞球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図68に示すように、賞球コマンドがあるか否かを判定する(ステップS300)。この判定は、図66に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS262のコマンド解析処理で解析したコマンドに基づいて行う。具体的には、その解析したコマンドは受信コマンド情報として払出内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶されている。ステップS300では、この受信コマンド情報記憶領域から受信コマンド情報を読み出して賞球コマンドであるか否かの判定を行う。
ステップS300で受信コマンド情報が賞球コマンドであるときには、この賞球コマンドに対応する賞球数PBVを、賞球数情報テーブルから読み出す(ステップS302)。この賞球数情報テーブルは、その詳細な説明は後述するが、賞球コマンドと賞球数PBVとを対応付けて払出制御ROMに予め記憶されている情報テーブルである。ステップS302に続いて、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出す(ステップS304)。この賞球ストック数PBSは、球払出装置170で遊技球を未だ払い出していない数、つまり未払い出しの球数を表しており、本実施形態では、2バイト(16ビット)の記憶容量を有している。これにより、賞球ストック数PBSは、0〜65535個までの未払い出しの球数を記憶することができるようになっている。ステップS304で読み出した賞球ストック数PBSにステップS302で読み出した賞球数PBVを加算し(ステップS306)、このルーチンを終了する。なお、ステップS306で加算したあと、ステップS300で読み出した賞球コマンドを受信コマンド情報記憶領域から消去する。
一方、ステップS300で受信コマンド情報が賞球コマンドでないときには、そのままこのルーチンを終了する。
次に、貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。この貸球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図69に示すように、貸球要求信号があるか否かを判定する(ステップS310)。この判定は、図66に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS252のポート入力処理でプリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号に基づいて行う。具体的には、その貸球要求信号は入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS310では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して貸球要求信号があるか否かの判定を行う。
ステップS310で貸球要求信号があるときには、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS312)、この賞球ストック数PBSに貸球数RBVを加算し(ステップS314)、このルーチンを終了する。貸球数RBVは固定値であり、払出制御ROMに予め記憶されている。本実施形態では、貸球数RBVとして値25が設定されている。なお、ステップS314で加算したあと、ステップS310で読み出した貸球要求信号を入力情報記憶領域から消去する。また、本実施形態では、賞球を優先している(賞球と貸球とを区別して管理している)。このため、貸球要求信号があるときであっても、貸球要求信号を保持し、賞球の払い出しの完了をもって、貸球の払い出しを行う。したがって、賞球ストックPBSが値0になってから貸球の払い出しを行うようになっている。
一方、ステップS310で貸球要求信号がないときには、そのままこのルーチンを終了する。
<4.ストック監視処理>
次に、ストック監視処理について説明する。このストック監視処理は、遊技者が遊技中に下皿31に遊技球を満タンにした状態(ストックした状態)で遊技を続けていないか監視する処理である。
ストック監視処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図70に示すように、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS320)、読み出した賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH1以上であるか否かを判定する(ステップS322)。注意的しきい値TH1は、本実施形態では値50に設定されている。ステップS322で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH1以上であるときには、注意フラグCA−FLGに値1をセットする(ステップS324)。この注意フラグCA−FLGは、遊技者が下皿31に遊技球のストックを開始し、遊技球の未払い出し数(上述した賞球ストック数)が注意的しきい値TH1以上に達している旨を示すフラグであり、注意的しきい値TH1以上に達しているとき値1、注意的しきい値TH1以上に達していないとき値0にそれぞれ設定されている。
ステップS324に続いて、ステップS320で読み出した賞球ストック数PBSが警告的しきい値TH2以上であるか否かを判定する(ステップS326)。警告的しきい値TH2は、本実施形態では値300に設定されている。ステップS326で賞球ストック数PBSが警告的しきい値TH2以上であるときには、警告フラグWA−FLGに値1をセットし(ステップS328)、このルーチンを終了する。この警告フラグWA−FLGは、遊技者が下皿31に遊技球のストックを開始し、遊技球の未払い出し数(上述した賞球ストック数)が警告的しきい値TH2以上に達している旨を示すフラグであり、警告的しきい値TH2以上に達しているとき値1、警告的しきい値TH2以上に達していないとき値0にそれぞれ設定されている。
一方、ステップS322で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH1未満であるときには、注意フラグCA−FLGに値0をセットし(ステップS330)し、このルーチンを終了する。一方、ステップS326で賞球ストック数PBSが警告的しきい値TH2未満であるときには、警告フラグWA−FLGに値0をセットし(ステップS332)、このルーチンを終了する。
遊技状態が大当りとなり、遊技者がリラックスして演出表示装置115で繰り広げられる演出に見入ったり、装飾物本体302の役物動作に見入ったりしていると、遊技者は、うっかりして1ラウンドの間、賞球として払い出された遊技球を、下皿31から下皿用球排出ボタン(図示外)を操作して抜かないことがある。この状態で遊技を続けると、上述したように、賞球ストック数PBSの値は増加し、注意的しきい値TH1、そして警告的しきい値TH2以上となり、その詳細な説明は後述するが、警告演出として、スピーカ18,57から案内音声が流れることとなる。そうすると、遊技者は、遊技状態が大当りというリラックスした状態でいられるにもかかわらず、うっかりして下皿31から遊技球を抜かないでいると、警告演出が行われることとなり、いらだつ事態になりかねない。
そこで、その不快感を極力防止するために本実施形態では、上述したように、警告的しきい値TH2に値300を設定している。この警告的しきい値TH2は、2ラウンド分の賞球として払い出す遊技球の球数に設定されている。例えば、下部側大入賞口83に遊技球が1個入球すると、賞球として15個払い出す場合には、1ラウンド分(本実施形態では、下部側大入賞口83が閉鎖状態から開放状態となったとき、15個の遊技球の入球又は開放状態となってから30秒の経過により、下部側大入賞口83が開放状態から閉鎖状態に再び戻るようになっている。)の賞球として払い出す遊技球の球数は、下部側大入賞口83に遊技球が10個入球すると、150個(=15×10)となり、2ラウンド分では300個(150×2)となる。なお、賞球ストック数PBSの記憶容量が1バイト(8ビット)である場合には、0〜255個までの未払い出しの球数しか記憶することができないため、上述したように、本実施形態では、賞球ストック数PBSの記憶容量を2バイト(16ビット)にすることによって、256個以上の未払い出しの球数を記憶することができるようになっている。
一方、注意的しきい値TH1は値50に設定されているが、これは、賞球ストック数PBSが警告的しきい値TH2に達するまえの段階で、その詳細な説明は後述するが、注意演出として賞球ランプ396を点灯することによって、例えばホールの店員に対して遊技者の遊技を注意する旨を伝えることができ、ホールの店員は遊技者に下皿31から遊技球を抜く旨を伝えることができる。これにより、遊技者は下皿31に遊技球を満タンにした状態でさらに遊技を継続することを防止することができる。また、遊技者は、遊技状態が大当りというリラックスした状態でいられるにもかかわらず、うっかりして下皿31から遊技球を抜かないでいても、注意演出による告知の段階で、ホールの店員から下皿31から遊技球を抜く旨を伝えられ、いらだつ事態を防止することができる。
なお、本実施形態では、注意的しきい値TH1は、1バイト(8ビット)で表せる上限値255の約5分の1に相当する値50に設定されており、上述した警告的しきい値TH2の値300の6分の1に設定されている。これにより、ホールの店員に対してできるだけ早い段階で遊技者の遊技に注意を促す旨を伝えることができるようになっている。
<5.払出球抜き判定設定処理>
次に、払出球抜き判定設定処理について説明する。この払出球抜き判定設定処理は、球払出装置170で遊技球を、上皿51及び下皿31に払い出すか、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球をパチンコ機1から排出するか、又はこのような払い出しや排出を行わないか、いずれかに設定する処理である。
払出球抜き判定設定処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図71に示すように、球がみ中フラグPBE−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS340)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、その詳細な説明は後述するが、球払出装置170が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定されている。
ステップS340で球がみ中フラグPEB−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり球がみ動作を行っていないときには、賞球ストック数PBSを払出内蔵RAMから読み出し(ステップS342)、読み出した賞球ストック数PBSが値0より大きいか否かを判定する(ステップS344)。この判定は、球払出装置170による遊技球の払い出しにおいて未払い出しの球数があるか否かを判定している。
ステップS344で賞球ストック数PBSが値0より大きいとき、つまり未払い出し球数があるときには、下皿31が遊技球で満タンであるか否かを判定する(ステップS346)。この判定は、図66に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS258の満タン及び球切れチェック処理で記憶された満タン情報に基づいて行う。具体的には、満タン情報は払出内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されている。ステップS346では、この状態情報記憶領域から満タン情報を読み出して下皿31が遊技球で満タンであるか否かを判定する。
ステップS346で下皿31が遊技球で満タンでないときには、後述する払出設定処理を行い(ステップS348)、このルーチンを終了する。これにより、上皿51及び下皿31に遊技球が払い出される。一方、ステップS346で下皿31が遊技球で満タンであるときには、そのままこのルーチンを終了する。本実施形態のパチンコ機1では、下皿31が遊技球で満タンになると球払出装置170を強制停止する。この球払出装置170が強制停止中に賞球が発生すると、球払出装置170による未払い出しの球数が増え、図68に示した賞球用賞球ストック数算出処理によって賞球ストック数PBSが加算されて増加することとなる。
一方、ステップS340で球がみ中フラグPBE−FLGが値1、つまり球がみ動作を行っているときには、又はステップS344で賞球ストック数PBSが値0より大きくない(値0である)とき、つまり未払い出し球数がないときには、球抜きフラグRMV−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS350)。この球抜きフラグRMV−FLGは、上述したように、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定されている。ステップS350の判定は、図64に示した払出制御側電源投入時処理におけるステップS214の判定結果に基づいて行う。つまり、払出制御基板775の球抜きスイッチ779からの操作信号が入力されると、払出制御側電源投入時処理におけるステップS214で球抜きフラグRMV−FLGに値1をセットし、一方、操作信号が入力されないと、払出制御側電源投入時処理におけるステップS216で球抜きフラグRMV−FLGに値0をセットする。
ステップS350で球抜きフラグRMV−FLGが値1であるとき、つまり球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出するときには、後述する球抜き設定処理を行い(ステップS352)、このルーチンを終了する。これにより、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球が排出される。
ここで、電源を遮断し、その後球抜きスイッチ779を押したまま電源投入すると、この払出球抜き判定設定処理のステップS352で球抜き設定処理を行うこととなり、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出することができるようになっている。この排出を終了すると、球抜きフラグRMV−FLGに値0をセットする。
一方、ステップS350で球抜きフラグRMV−FLGが値0であるとき、つまり球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出しないときには、そのままこのルーチンを終了する。これにより、遊技球の払い出しや排出が行われない。
次に、払出設定処理について説明する。この払出設定処理では球払出装置170を駆動して遊技球を払い出す設定を行う処理ある。
払出設定処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図72に示すように、駆動指令数DRVを払出内蔵RAMから読み出す(ステップS360)。この駆動指令数DRVは、球払出装置170で払い出す遊技球の球数を指令するものであり、賞球ストック数PBSと同値である。ステップS360に続いて、駆動指令数DRVが値0であるか否かを判定する(ステップS362)。この判定は、球払出装置170で払い出す遊技球の球数が残っているか否かを駆動指令数DRVに基づいて判定する。ステップS362で駆動指令数DRVが値0であるとき、つまり球払出装置170で払い出す遊技球の球数がゼロ個であるときには、球払出装置170への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS364)。この設定では、球払出装置170に駆動信号を停止する駆動情報を設定して上述した払出内蔵RAMの出力設定記憶領域に記憶する。ステップS364に続いて、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS366)、実球計数PBを読み出す(ステップS368)。この実球計数PBは、球払出装置170が実際に払い出した遊技球の球数をカウントしたものである。このカウントは、その詳細な説明は後述するが、図66に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS252のポート入力処理で、球払出装置170の計数スイッチ101からの検出信号に基づいて行う。
ステップS368に続いて、ステップS366で読み出した賞球ストック数PBSからステップS368で読み出した実球計数PBを引いた値を、賞球ストック数PBS及び駆動指令数DRVにセットし(ステップS370)、実球計数PBに値0をセットし(ステップS372)、このルーチンを終了する。なお、駆動指令数DRV及び実球計数PBが値0であるときには、ステップS372では、ステップS366で読み出した賞球ストック数PBSの値がそのまま駆動指令数DRVにセットされる。
一方、ステップS362で駆動指令数DRVが値0でないとき、つまり球払出装置170で払い出す遊技球の球数があるときには、球払出装置170への駆動信号の出力を設定する。(ステップS374)。この設定では、球払出装置170に駆動信号を出力する駆動情報を設定して出力設定記憶領域に記憶する。ステップS374に続いて、回転角スイッチ102からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS376)。この判定は、図66に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS252のポート入力処理で、回転角スイッチ102からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS376では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して回転角スイッチ102からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS376で回転角スイッチ102からの検出信号があるときには、駆動指令数DRVに値1だけ引き(デクリメントし、ステップS378)、計数スイッチ101からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS380)。この判定は、図66に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS252のポート入力処理で、計数スイッチ101からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS380では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して計数スイッチ101からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS380で計数スイッチ101からの検出信号があるときには、実球計数PBに値1だけ足し(インクリメントし、ステップS382)、このルーチンを終了する。ステップS382で実球計数PBをインクリメントすることで実球計数PBをカウントアップすることとなる。一方、ステップS380で計数スイッチ101からの検出信号がないときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップ276で回転角スイッチ102からの検出信号がないときには、球がみ判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS384)。この判定は、図66に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS254のタイマ更新処理で更新した球がみ判定時間に基づいて行う。具体的には、その球がみ判定時間は、時間管理情報として払出内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS384では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球がみ判定時間が経過したか否かを判定する。なお、球がみ判定時間中には球払出装置170は、球がみ動作を行う。この球がみ動作は、球払出装置170の球通路(図示外)に取り込まれた遊技球が球詰まりした状態等を解消するために行う。
ステップS384で球がみ判定時間が経過していないときには、球がみ動作を行うよう球払出装置170への駆動信号の出力を設定する(ステップS386)。この設定では、球払出装置170に駆動信号を出力する駆動情報を設定して上述した払出内蔵RAMの出力設定記憶領域に記憶する。ステップS386に続いて、球がみ中フラグPBE−FLGに値1をセットし(ステップS388)、このルーチンを終了する。この球がみ中フラグPBE−FLGは、球払出装置170による球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定されている。一方、ステップS384で球がみ判定時間が経過したときには、球がみ動作を終了するよう球払出装置170への駆動信号の停止を設定する(ステップS390)。この設定では、球払出装置170に駆動信号を停止する駆動情報を設定して出力設定記憶領域に記憶する。ステップS390に続いて、球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS392)、このルーチンを終了する。
次に、球抜き設定処理について説明する。この球抜き設定処理では、球払出装置170を駆動して、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出する。
球抜き設定処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図73に示すように、球抜き判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS400)。この判定は、図66に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS254のタイマ更新処理で更新した球抜き判定時間に基づいて行う。具体的には、その球抜き判定時間は、時間管理情報として払出内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS400では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球抜き判定時間が経過したか否かを判定する。なお、球抜き判定時間中には球払出装置170は、球抜き動作を行う。この球抜き動作は、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出するために行う。
ステップS400で球抜き判定時間が経過していないときには、球抜き動作を行うよう球払出装置170への駆動信号の出力を設定する(ステップS402)。この設定では、球払出装置170に駆動信号を出力する駆動情報を設定して上述した払出内蔵RAMの出力設定記憶領域に記憶する。ステップS402に続いて、球抜きフラグRMV−FLGに値1をセットし(ステップS404)、このルーチンを終了する。この球抜きフラグRMV−FLGは、上述したように、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定されている。一方、ステップS400で球抜き判定時間が経過したときには、球抜き動作を終了するよう球払出装置170への駆動信号の停止を設定し(ステップS406)、このルーチンを終了する。この設定では、球払出装置170に駆動信号を停止する駆動情報を設定して出力設定記憶領域に記憶する。
[払い出しに関する各種コマンド等]
次に、払い出し関する各種コマンド等について説明する。まず、主制御基板765から払出制御基板775に送信する払い出しに関するコマンド(賞球コマンド)について説明し、続いて払出制御基板775から主制御基板765に送信するパチンコ機1の状態コマンド、この状態コマンドを整形した整形状態コマンドについて説明する。図74は払い出しに関するコマンドの一例を示す賞球数情報テーブルであり、図75は状態コマンドの一例を示すテーブルであり、図76は状態コマンドを整形した整形状態コマンドの一例を示すテーブルである。
<1.賞球コマンド>
賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、主制御基板65から払出制御基板775に送信する払い出しに関するコマンドである。例えば、パチンコ機1にプリペイドカードユニット1a(パチンコ機と通信して、パチンコ機に供給する遊技球を、パチンコ機の払出モータを駆動して上皿に貸球として払い出す装置(「CR機」という。))が隣接して配置されている場合には、図74(a)に示すように、主制御基板765から払出制御基板775に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板775は、球払出装置170を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ機1に貸球機(遊技球を上皿に貸球として直接払い出す装置(「一般機(現金機)」という。))が隣接して配置されている場合には、図74(b)に示すように、主制御基板765から一般機に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15が指定されている。この指定された賞球数だけ、一般機は遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンド(セルフチェックコマンド)として、図74(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。このセルフチェックコマンドは、賞球を払い出すためのものではなく、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するためのものであり、CR機及び一般機において共通に用いられる。
ここで、CR機と一般機(現金機)について説明する。CR機では、貸し受けたい球数に相当するプリペイドカードを予め券売機で購入し、パチンコ機1に隣接して配置されたプリペイドカードユニット1aにそのプリペイドカードを挿入することでパチンコ機1(球払出装置170)から貸球として遊技球が払い出される。具体的には、プリペイドカードは、プリペイドカードユニット1aに挿入されると、プリペイドカードユニット(図示外)に内蔵されたカードリーダーによってプリペイドカードから残金情報が読み取られるようになっている。プリペイドカードユニット1aは、その残金情報に基づいてパチンコ機1に貸球要求信号を出力し、パチンコ機1は球払出装置170から貸球として遊技球を払い出す。一方、一般機(現金機)では、貸球用の専用機をパチンコ機1’に隣接して配置されている。その貸球用の専用機に現金を入れることで、貸球用の専用機は、その現金に基づいて貸球として遊技球を払い出す。
CR機は、一般機に許可されていない確率変動機能を有しており、一般機に比べて射幸性の面で遊技者の人気が高い。このため、CR機については、ホールの脱税対策として、売り上げを第三者機関で管理される仕組みとなっている。具体的には、プリペイドカードユニット1aは、売り上げ情報収集端末と赤外線通信を行うことができるようなっており、売り上げ情報収集端末がプリペイドカード会社の情報収集センターと有線で接続されている。これにより、プリペイドカード会社はホールの売り上げ情報を管理できるようになっている。
ところで、一般機用として払出制御基板775’が搭載されたパチンコ機1’に、確率変動機能を備えたCR機用の遊技盤5を、一般機用の遊技盤5’に替えて装着すると、一般機用のパチンコ機1’にもかかわらず、確率変動機能を有したCR機で遊技者に遊技を行わせることができる。このため、遊技者は人気の高いCR機を好んで遊技を行うこととなる。そうすると、一般機用として払出制御基板775’が搭載されたパチンコ機1’は、上述したように、パチンコ機1’に隣接して配置されており、プリペイドカード会社の情報収集センターと接続されていないため、売り上げ情報が第三者機関に伝わらなくなる。これにより、ホールは、このような不正遊技を遊技者に提供することによって売り上げを不正に獲得している。
本実施形態では、賞球コマンドは、1バイト、つまり8ビットの記憶容量を有しており、その8ビットのうちの上位4ビットを、CR機用の賞球コマンド又は一般機用の賞球コマンドに識別できる情報として用いる。一方その8ビットの下位4ビットを、遊技者に払い出す遊技球の球数を指定する情報として用いている。上述したように、CR機用の賞球コマンドは10H〜コマンド1EH、一般機用の賞球コマンドは20H〜コマンド2EHにそれぞれ予め設定されている。このように、上位4ビットに値1をCR機用に指定し、上位4ビットに値2を一般機用に指定することによって、電源投入時に図示しない送信用のレジスタが初期化されて値0(デフォルト値)となっても、下位4ビットが値0となり賞球1個を指示するものとなるが、上位4ビットが値0であるためCR機用の賞球コマンド、一般機用の賞球コマンドのいずれにも該当しない。これにより、電源投入時においてデフォルト値が払出制御基板775に送信されても、払出制御基板775は無効なコマンドとして破棄する。また、セルフチェックコマンドもまた1バイト、つまり8ビットの記憶容量を有しており、その8ビットのうち上位4ビットを、CR機及び一般機の共通コマンドであるセルフチェックコマンドとして用いている。上述したように、セルフチェックコマンドは30Hである。このように、隣接する同一の2ビットの情報でCR機用の賞球コマンド、一般機用の賞球コマンド、セルフチェックコマンドのいずれかを指定することができるため、CR機用の払出制御基板775ではCR機用の賞球コマンド及びセルフチェックコマンドを受信すると、隣接する同一の2ビットの情報に基づいてCR機用の賞球コマンド及びセルフチェックコマンドを判別して受け入れ、一方一般機用の払出制御基板775’では一般機用の賞球コマンド及びセルフチェックコマンドを受信すると、隣接する同一の2ビットの情報に基づいて一般機用の賞球コマンド及びセルフチェックコマンドを判別して受け入れる。これにより、例えば一般機用のパチンコ機1’に、確率変動機能を備えた主制御基板765を搭載したCR機用の遊技盤5が装着されても、パチンコ機1’に装着された一般機用の払出制御基板775’は、CR機用の賞球コマンドを正常に受信すると、その旨を主制御基板765にACK信号を出力するが、その受信したCR機用の賞球コマンドを破棄するようになっている。したがって、一般機用の遊技盤5’をCR機用の遊技盤5に替えて遊技者に遊技を行わせても、遊技者に賞球として遊技球が払い出されることがない。
<2.状態コマンド>
状態コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、払出制御基板775から主制御基板765に送信するコマンドである。状態コマンドには、図75に示すように、枠状態、エラー解除ナビ及びストック表示に区分されており、枠状態、エラー解除、そしてストック表示の順で優先順位が設定されている。枠状態には、球切れ、球抜き中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、球抜き中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。なお、状態コマンドのうち、枠状態である旨を伝えるビット5(B5)〜ビット7(B7)にはB5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビには、球がみ、計数スイッチエラー及びリトライ上限エラーが要されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、計数スイッチエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライ上限エラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「計数スイッチエラー」とは、球払出装置170の計数スイッチ101の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライ上限エラー」とは、つじつまの合わない払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。なお、状態コマンドのうち、エラー解除ナビである旨を伝えるビット5(B5)〜ビット7(B7)にはB5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
ストック表示には、50個以上のストック中、300個以上のストック中が要されており、50個以上のストック中ではビット0(B0)に値1がセットされ、300個以上のストック中ではビット1(B1)に値1がセットされる。なお、状態コマンドのうち、ストック表示である旨を伝えるビット5(B5)〜ビット7(B7)にはB5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
<3.整形状態コマンド>
主制御基板765の主制御MPU765aは、サブ統合基板763に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶量領を有するコマンドであり、1バイト(8ビット)の記憶容量を有し、コマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有し、演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。主制御MPU765aは、払出制御基板775から上述した状態コマンドを受信すると、図76に示すように、付加情報である「10000001B(=81H)」をステータスに設定するとともに、受信した状態コマンドをモードに設定して2バイト(16ビット)の記憶容量を有する整形状態コマンドに整形する。この整形状態コマンドは、図45に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92のサブ統合基板コマンド送信処理の一処理として行われ、サブ統合基板763に送信される。なお、整形状態コマンドの詳細な説明は、上述した状態コマンドの内容と同一であるためその説明を省略する。
[サブ統合基板の機能的な構成について]
図77に基づき説明する。図77は、周辺基板を構成するサブ統合基板の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
サブ統合基板763は、主制御基板765のコマンド送信手段620から送信されるコマンドを受信するコマンド受信手段630と、普通図柄画像表示制御手段631と、特別図柄画像表示制御手段632と、液晶制御基板758にコマンドを送信するコマンド送信手段710と、を有している。
コマンド受信手段630は、主制御基板765から送信される第1の抽選手段(普通図柄当否判定手段602)にかかる演出のコマンド、第2の抽選手段(特別図柄当否判定手段612)にかかる演出のコマンド、および、センター役物91内の第1の遊技領域(特定領域344)に遊技球が進入した場合における役物抽選にかかる演出のコマンドなどをそれぞれ受信する。なお、主制御基板765からのコマンドの受信は外部割込受信により行われ、解析実行は16msの定常処理にて行われる。
普通図柄画像表示制御手段631は、第1の抽選手段にかかる演出のコマンドをコマンド受信手段630によって受信したとき、この第1の抽選手段にかかる演出のコマンドに応じた表示態様が抽選情報表示領域(主領域)1151および遊技情報表示領域(副領域)1152の両方にそれぞれ表示されるように制御する。より具体的には、演出表示装置115における表示を直接的に制御するのは液晶制御基板758であるが、第1の抽選手段にかかる演出のコマンドに応じた表示態様が抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152の両方にそれぞれ表示されるように、演出コマンド送信手段710を介して液晶制御基板758にコマンドを送信する。
特別図柄画像表示制御手段632は、第2の抽選手段にかかる演出のコマンドをコマンド受信手段630によって受信したとき、この第2の抽選手段にかかる演出のコマンドに応じた表示態様が抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152の両方にそれぞれ表示されるように制御する。より具体的には、上記同様、演出表示装置115における表示を直接的に制御するのは液晶制御基板758であるが、第2の抽選手段にかかる演出のコマンドに応じた表示態様が抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152の両方にそれぞれ表示されるように、演出コマンド送信手段710を介して液晶制御基板758にコマンドを送信する。
液晶制御基板758は、サブ統合基板763の演出コマンド送信手段710から受信したコマンドに応じて演出表示装置115の表示制御を行う。演出表示装置115にて表示制御される表示内容(変動内容)については後述する。
ところで、特別図柄画像表示制御手段632は、抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152における表示制御の状態を設定する状態情報設定手段704と、この状態情報設定手段704の設定を解除する状態情報解除手段706と、コマンド受信手段630により受信したコマンドが、所定のコマンド(具体的には、小当たりの抽選結果に基づく特別図柄演出に関するコマンド)である場合に当該コマンドを改変する第2改変手段708とを有している。
状態情報設定手段704は、コマンド受信手段630によって第2の抽選手段にかかる演出のコマンドをコマンド受信手段630によって受信したとき、この第2の抽選手段にかかる演出のコマンドに応じた表示制御が抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152の両方にて行われる状態であることを示すフラグを設定する。
状態情報解除手段706は、抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152における一連の表示制御が終了するとき、状態情報設定手段704におけるフラグ設定を解除する。なお、抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152における一連の表示制御の終了は、コマンド受信手段630により受信した第2の抽選手段にかかる演出のコマンドに基づいて把握できる。
一方、普通図柄画像表示制御手段631は、状態情報設定手段704においてフラグが設定されているか否かを判断する状態情報判断手段700と、この状態情報判断手段700における判断に基づいてコマンド受信手段630により受信したコマンドを改変する第1改変手段702と、を有している。
第1改変手段702は、状態情報設定手段704によりフラグが設定されていると状態情報判断手段700によって判断されたとき、コマンド受信手段630から受信した第1の抽選手段にかかる演出のコマンドを改変する。この改変された第1の抽選手段にかかる演出のコマンドは、演出コマンド送信手段710を介して液晶制御基板758に送信される。一方、状態情報設定手段704によりフラグが設定されていなければ、コマンド受信手段630から受信した第1の抽選手段にかかる演出のコマンドは、第1改変手段702によって改変されることなく、演出コマンド送信手段710を介して液晶制御基板758に送信される。
[サブ統合基板による制御について]
図78に基づき説明する。図78は、主制御基板、サブ統合基板および液晶制御基板による演出表示制御についてのタイムチャートである。
遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が普通図柄始動口96を通過して第1始動口センサ318によって検出されると、主制御基板765の第1抽選手段が第1の抽選処理を行い、普通図柄表示器333において普通図柄の変動表示を行う。この第1の抽選処理の結果が例えば外れであって、且つ選択された変動PTが「PT普1」であると、コマンド「40H01H」が主制御基板765からサブ統合基板763に送信される。このコマンド「40H01H」は、図54に示すように、第1の抽選処理の結果が外れであって、変動時間が10800msの通常変動であることを示すコマンドである。
主制御基板765からコマンドを受信したサブ統合基板763(より具体的には普通図柄画像表示制御手段631の状態情報判断手段700)は、状態情報設定手段704によってフラグが設定されているか否かを判断する。ここで、図78によればフラグが設定されていない(即ち抽選情報表示領域1151において特別図柄および特別電動役物演出のいずれも表示されていない)ので、サブ統合基板763は、主制御基板765から受信したコマンド「40H01H」を改変することなく、液晶制御基板758に送信する。
液晶制御基板758は、サブ統合基板763からコマンドを受信すると、受信したコマンドに応じて演出表示装置115に表示される演出を表示制御する。図78によれば、液晶制御基板758がコマンド「40H01H」を受信しているので、液晶制御基板758は、この受信したコマンドに応じて普通図柄対応表示領域1154の変動を開始すると共に抽選情報表示領域1151において普通図柄の演出を開始する。
普通図柄表示器333において普通図柄の変動が開始したときを起点として、コマンド「40H01H」に応じた変動時間10800msが経過すると、主制御基板765は、コマンド「4FH01H」を送信する。このコマンド「4FH01H」は、液晶制御基板758の普通図柄対応表示領域1154における普通図柄の変動の停止、および、抽選情報表示領域1151における普通図柄の演出の停止、を指示するためのコマンドである。
コマンド「4FH01H」を受信した液晶制御基板758は、普通図柄対応表示領域1154における普通図柄の変動を停止すると共に、抽選情報表示領域1151における普通図柄演出を停止する。
さらに、遊技球が普通図柄始動口96を通過することによって行われた第1抽選手段による第1の抽選処理の結果が長当りであって、且つ選択された変動PTが「PT普17」であると、コマンド「40H11H」が主制御基板765からサブ統合基板763に送信される。このコマンド「40H11H」は、図54に示すように、第1の抽選処理の結果が長当りであって、変動時間が42000msの通常変動であることを示すコマンドである。
主制御基板765からコマンドを受信したサブ統合基板763は、状態情報設定手段704によってフラグが設定されているか否かを判断する。ここで、図78によればフラグが設定されていないので、サブ統合基板763は、主制御基板765から受信したコマンド「40H11H」を改変することなく、液晶制御基板758に送信する。
液晶制御基板758は、サブ統合基板763からコマンドを受信すると、受信したコマンド「40H01H」に応じて普通図柄対応表示領域1154の変動を開始すると共に抽選情報表示領域1151において普通図柄の演出を開始する。
普通図柄表示器333において普通図柄の変動が開始したときを起点として、コマンド「40H11H」に応じた変動時間42000msが経過すると、主制御基板765は、普通図柄対応表示領域1154における普通図柄の変動の停止、および、抽選情報表示領域1151における普通図柄の演出の停止、を指示するためのコマンド「4FH01H」を送信する。なお、このとき、普通図柄表示器333、普通図柄対応表示領域1154および抽選情報表示領域1151のいずれにおいても、第1抽選手段による第1の抽選処理の結果が当りである旨が表示される。
普通図柄表示器333、普通図柄対応表示領域1154および抽選情報表示領域1151において第1抽選手段による第1の抽選処理の結果が当りである旨が表示されると、所定のインターバル期間を経て、特別図柄始動口82を閉鎖している第2の可動片81が開放する(即ち、拒球態様から許球態様に切り替わる)。このとき、主制御基板765はサブ統合基板763にコマンド「50H02H」を送信し、サブ統合基板763はこのコマンドを改変することなく液晶制御基板758に送信する。
コマンド「50H02H」を受信した液晶制御基板758は、抽選情報表示領域1151において、普通電動役物演出としての「左にいれろ」を表示制御する(図81(a)参照)。
第2の可動片81が許球態様である間に遊技球が特別図柄始動口82に入賞して第2始動口センサ317によって検出されると、主制御基板765の第2抽選手段が第2の抽選処理を行い、特別図柄表示器332において特別図柄の変動表示を行う。この第2の抽選処理の結果が小当たりである場合には、コマンド「10H01H」、「10H02H」、「10H03H」、「10H04H」および「10H05H」のなかから選択的にいずれかのコマンドがサブ統合基板763に送信される。一方、第2の抽選処理の結果が大当たりである場合には、コマンド「10H06H」がサブ統合基板763に送信される(図63参照)。図78では、主制御基板765がコマンド「10H01H」をサブ統合基板763に送信している。
サブ統合基板763は、「10H01H」、「10H02H」、「10H03H」、「10H04H」、「10H05H」および「10H06H」のうちいずれかのコマンドを受信すると、上述の通り、上記状態情報設定手段704によって上記第2の抽選手段にかかる演出のコマンドに応じた表示制御が抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152の両方にて行われる状態であることを示すフラグを設定する。そしてこの上で、改変手段702によって受信したコマンドを改変して、当該改変したコマンドを液晶制御基板758に送信する。例えば、サブ統合基板763が送信したコマンドが「10H01H」である場合、第2改変手段708は、「10H11H」、「10H21H」および「10H31H」のいずれかに改変して液晶制御基板758に送信する。そして、液晶制御基板758は、改変されたコマンドに応じて特別図柄対応表示領域1155における変動表示を開始すると共に抽選情報表示領域1151において特別図柄演出の表示制御を行う。これにより、例えば同じ変動時間に対応する演出が複数あったとしても、第2の抽選手段にかかる演出のコマンド送信を1回で行うことができ、主制御基板765の負荷を軽減できる。例えば、変動時間1400msの演出がA演出、B演出およびC演出の三種類があったとしても、主制御基板765は、変動内容にかかる情報、当落情報および変動時間情報のみを送信するのみでよく、A演出、B演出およびC演出のいずれの演出を行うかの情報を送信する必要がない。なお、本実施形態において、抽選情報表示領域1151における特別図柄演出は、キャラクタの点滅表示が相当する(図82(a)参照)。
特別図柄表示器332において特別図柄の変動中に、遊技球が普通図柄始動口96を通過して第1始動口センサ318によって検出されると、主制御基板765の第1抽選手段が第1の抽選処理を行い、普通図柄表示器333において普通図柄の変動表示を行う。この第1の抽選処理の結果が例えば短当たりであって、且つ選択された変動PTが「PT普2」であると、コマンド「40H02H」が主制御基板765からサブ統合基板763に送信される。このコマンド「40H02H」は、図54に示すように、第1の抽選処理の結果が短当たりであって、変動時間が10800msの通常変動であることを示すコマンドである。
主制御基板765からコマンドを受信したサブ統合基板763(より具体的には普通図柄画像表示制御手段631の状態情報判断手段700)は、状態情報設定手段704によってフラグが設定されているか否かを判断する。ここで、図78によればフラグが設定されている(即ち抽選情報表示領域1151において特別図柄演出が行われている)ので、サブ統合基板763は、主制御基板765から受信したコマンド「40H02H」をコマンド「41H02H」に改変し、当該改変したコマンド「41H02H」を液晶制御基板758に送信する。
改変されたコマンド「41H02H」を受信した液晶制御基板758は、普通図柄対応表示領域1154において普通図柄の変動表示制御を行うものの、抽選情報表示領域1151においては普通図柄の演出を行うことなく、特別図柄演出を優先して行う。なお、コマンド「41H02H」には、第1の抽選処理の結果情報(当落情報)および変動時間の情報についてはコマンド「40H02H」に含まれる情報と同じ情報が含まれている。
そして、特別図柄表示器332において特別図柄の変動が開始したときを起点として、コマンド「10H01H」に応じた変動時間1400msが経過すると、主制御基板765は、コマンド「1FH01H」をサブ統合基板763に送信する。このコマンド「1FH01H」は、液晶制御基板758の特別図柄対応表示領域1155における特別図柄の変動の停止、および、抽選情報表示領域1151における特別図柄の演出の停止、を指示するためのコマンドである。
コマンド「1FH01H」を受信した液晶制御基板758は、特別図柄対応表示領域1155における特別図柄の変動を停止すると共に、抽選情報表示領域1151における特別図柄演出を停止する。
特別図柄対応表示領域1155における特別図柄の変動が停止され、また、抽選情報表示領域1151における特別図柄演出が終了したのち、所定のインターバルを経て第1の可動片142の動作により大入賞口141が開放すると共に、コマンド「20H03H」がサブ統合基板763に送信される。このコマンド「20H03H」は、大入賞口141が開放したことを示すコマンドであり、このコマンドを受信した液晶制御基板758は、受信したコマンド「20H03H」を改変することなく、液晶制御基板758に送信する。
コマンド「20H03H」を受信した液晶制御基板758は、抽選情報表示領域1151において、特別電動役物演出としての「上をねらえ」を表示制御する(図82(b)を参照)。
ここで、大入賞口141が開放されている間は、たとえ普通図柄表示器333において普通図柄の変動が行われていたとしても、抽選情報表示領域1151では、普通図柄演出よりも、特別電動役物演出が優先して行われる。ただし、抽選情報表示領域1151において普通図柄演出よりも特別電動役物演出が優先して行われていたとしても、普通図柄表示器333において普通図柄の変動が行われている限り、普通図柄対応表示領域1154においても普通図柄の変動が行われる。言い換えれば、抽選情報表示領域1151において普通図柄演出よりも特別電動役物演出が優先して行われている場合に、普通図柄表示器333において普通図柄の変動または停止が行われたとしても、特別図柄対応表示領域1155においては、特別電動役物演出が行われる。ただし、普通図柄対応表示領域1154においては、普通図柄表示器333における表示と同様に、変動および停止が行われる。
なお、大入賞口141の開放が終了して閉鎖されたとしても、大入賞口141の開放によってセンター役物91内部の特定領域344(第1の遊技領域)に遊技球が進入した場合には、抽選情報表示領域1151において特別電動役物演出が継続して行われる。この特別電動役物演出は、第1の遊技領域から遊技球が排出されるまで、即ち、センター役物91内の第1の遊技領域に遊技球が進入した場合における役物抽選にかかる演出が行われている間、行われる。そして、抽選情報表示領域1151において特別電動役物演出が行われている間に遊技球が普通図柄始動口96を通過することによって普通図柄表示器333の変動または停止にかかわるコマンドが主制御基板765からサブ統合基板763に送信されたとしても、当該コマンドがサブ統合基板763の第1改変手段702によって改変され、当該改変されたコマンドが液晶制御基板758に送信される。
ここで、抽選情報表示領域1151において特別電動役物演出が終了したときに、普通図柄表示器333において普通図柄が変動しているとき、抽選情報表示領域1151における表示は、図柄を高速でスクロールさせる高速変動となる。これは、遊技球が普通図柄始動口96を通過したことに応じてサブ統合基板763に送信されたコマンドが第1改変手段702によって改変されることによって、サブ統合基板763に送信されたコマンドに応じた変動内容の情報が失われてしまうからである。
なお、先述したように、サブ統合基板763に小当たりに基づく特別図柄演出に関するコマンド(具体的には、コマンド「10H01H」〜「10H05H」)が送信されると、サブ統合基板763は受信した当該コマンドを「10H11H」、「10H21H」および「10H31H」のいずれか(以下、改変コマンドという。)に改変して液晶制御基板758に送信する。ここで、液晶制御基板758は、受信した改変コマンドに基づく演出表示(役物抽選演出)をすぐに開始するのではなく、主制御基板765からサブ統合基板763に送信された入賞コマンドの受信を契機として実行する。言い換えれば、液晶制御基板758は、入賞コマンドを受信するまで改変コマンドに基づく演出表示(役物抽選演出)の開始を留保する。なお、入賞コマンドとは、小当たりへの当選により開放動作される大入賞口141に入賞すると主制御基板765から送信されるコマンド「24H02H」であり、このコマンド「24H02H」は大当たり時のカウントコマンドとしても兼用される。
ここで、抽選情報表示領域1151(主領域)で演出表示が実行されるともに、普通図柄対応表示領域1154(副領域)で図柄変動されている場合には、以下のような状態が発生すると、主領域での演出表示が副領域での図柄変動よりも先に終了することになる。
・小当たり遊技によって大入賞口141が開放されたが大入賞口141へ遊技球が入賞せずに、副領域での図柄変動よりも先に主領域での小当たり遊技演出が終了した場合。
・大入賞口141へ遊技球が入賞したもの、センター役物91内の特定領域344を遊技球が通過(すなわち、V入賞)せずに、副領域での図柄変動よりも先に主領域での役物抽選演出が終了した場合。
・V入賞により大当たり遊技が実行され、当該大当たり遊技の終了時点で、副領域での図柄変動よりも先に主領域での大当たり遊技演出が終了した場合。
すなわち、これら3つのタイミングが、上記第2の抽選手段にかかる演出のコマンド(特別図柄演出に関するコマンド)の受信に応じて行われる一連の表示制御(小当たり遊技演出、役物抽選演出を含む)が終了するタイミングに相当する。そして、こうした一連の表示制御が終了するタイミングでは、上述の通り、状態情報設定手段704におけるフラグ設定が解除されることとなる。
そこで、液晶制御基板758は、上記の改変コマンドを受信している状態で、主領域での演出表示が副領域での図柄変動よりも先に終了した場合は、当該改変コマンドに基づいて主領域で普通図柄演出を実行する。より具体的には、主制御基板765は、先の入賞コマンドのほか、役物抽選の終了契機に閉鎖コマンド(小当たり終了を指示するコマンド「23H13H」)や、大当たり遊技の終了契機に閉鎖コマンド(大当たりエンディングを指示するコマンド「23H10H」)をサブ統合基板763に送信する。液晶制御基板758は、サブ統合基板763から閉鎖コマンドを受信すると、改変コマンドに基づいて主領域での普通図柄演出を実行する。すなわち、改変コマンドに基づいて主領域に表示される背景演出データ(具体的には、先述のA演出、B演出およびC演出のいずれか)を選択するとともに、主領域にはこの背景演出データに基づく背景の前面で普通図柄を高速でスクロールさせる図柄高速変動表示データを合成して、当該図柄高速変動表示データを主領域で表示することで先述の高速変動を行う。
このように、本実施形態では、副領域での普通図柄変動よりも先に主領域での演出表示が終了した場合に、主領域で普通図柄をどのような態様で表示するかを指示する情報を、改変コマンドに具備させている。そして、この改変コマンドを液晶制御基板758に事前送りしておき、所定のコマンド受信を契機に、当該改変コマンドに基づいて主領域での普通図柄の表示態様を切り替えるようにしている。よって、副領域での普通図柄変動よりも先に主領域での演出表示が終了して主領域での普通図柄の変動態様を切り替える必要が生じた場合であっても、その都度表示切替用のコマンドを送信する等の余計な処理をする必要がなく、事前送りされた改変コマンドに基づいて適切に主領域での普通図柄の変動態様を切り替えることができる。
以上をまとめると、本実施形態の遊技機は、第1ステップ遊技と第2ステップ遊技と第3ステップ遊技とに区分することができる。第1ステップ遊技は、普通図柄始動口96に遊技球を入賞させて普通図柄当否判定手段(第1抽選手段)602によって普通当たりに当選したか否かの判定(第1の抽選処理)を行い、この第1の抽選処理に応じた表示態様を演出表示装置115に導出する遊技が相当する。第2ステップ遊技は、特別図柄始動口82に遊技球を入賞させて特別図柄当否判定手段612(第2抽選手段)によって特別当たりに当選したか否かかの判定(第2の抽選処理)を行い、この第2の抽選処理の応じた表示態様を演出表示装置115に導出する遊技が相当する。第3ステップ遊技は、大入賞口141に遊技球を入賞させて、回転体347を用いて、有利な状態と不利な状態とに選択的に振分ける遊技(第3の抽選処理)が相当する。ただし、例えば第1ステップ遊技と第2ステップ遊技とが重複して行われる場合もある。この場合、演出表示装置115には特別図柄始動口82に入賞したことに応じた表示態様が表示され、普通図柄始動口96に入賞したことに応じた表示態様は表示されないこととなる(内部的には第1ステップ遊技が行われている)。そして、第3ステップ遊技において有利な状態に振り分けられた場合に大当たり遊技実行手段617によって大当たり遊技が実行される。
このように、大当たり遊技は、第3ステップ遊技において有利な状態に振り分けられた場合に行われるので、第3の抽選処理を本抽選と解することができ、第1の抽選処理および第2の抽選処理を、それぞれ、第1予備抽選および第2予備抽選と解することができる。なお、本実施形態では、極稀に第2の抽選処理の結果に応じて大当たり遊技が実行される場合もあるが、第3の抽選処理の結果に応じて大当たり遊技が発生することが殆どであるため、本発明の本質から逸脱するものではない。
また、抽選情報表示領域1151において、普通電動役物演出、特別図柄演出および特別電動役物演出のうちいずれかの演出が行われているときは、これらの各演出は、普通図柄演出よりも優先して行われる。また、特別図柄演出または特別電動役物演出が行われているときは、これらの各演出は、普通図柄演出および普通電動役物演出のいずれよりも優先して行われる。さらに、特別電動役物演出が行われているときは、当該特別電動役物演出は、普通図柄演出、普通電動役物演出および特別図柄演出のいずれよりも優先して行われる。このように、普通図柄演出、普通電動役物演出、特別図柄演出および特別電動役物演出を共通の抽選情報表示領域1151に表示すると共に、大当り遊技発生までの道程がより近い演出を優先して行うことによって、普通図柄および特別図柄の変動効率を低下させることなく、大当り遊技発生に対する影響が大きい演出を行うことが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
ところで、第2の可動片81が拒球態様である(閉鎖している)間に遊技球が特別図柄始動口82に入賞しなかった場合には、特別図柄対応表示領域1155において特別図柄演出が行われることがない。また、抽選情報表示領域1151において特別図柄の変動も行われない(図78における二点鎖線部分を参照)。そして、第2の可動片81による特別図柄始動口82の閉鎖に伴って(拒球態様となることに伴って)、抽選情報表示領域1151における表示が、普通電動役物演出からインターバル/デモ演出に切り替わる。ただし、第2の可動片81により特別図柄始動口82が閉鎖したときに普通図柄表示器333および普通図柄対応表示領域1154において普通図柄の変動が行われていれば、抽選情報表示領域1151において普通図柄演出が表示される。
また、第1の可動片142が開放している間に遊技球が第1の遊技領域に進入しなかった場合には、抽選情報表示領域1151における表示が、インターバル/デモ演出、普通図柄演出および普通電動役物演出のいずれかに表示制御される(図78の二点鎖線を参照)。より具体的には、第1の可動片142が開放している間に遊技球が第1の遊技領域に進入しなかったとき、抽選情報表示領域1151において、第2の可動片81の動作により特別図柄始動口82が開放していれば(許球態様であれば)普通電動役物演出が表示され、普通図柄が変動していれば普通図柄演出が表示される。第2の可動片81の動作により特別図柄始動口82が開放しておらず、且つ普通図柄演出も行われていない場合には、インターバル/デモ演出に戻る(図78における二点鎖線参照)。
[演出表示装置における表示態様について]
次に、演出表示装置115における表示態様について、図79を参照しつつ説明する。図79は、演出表示装置115に表示される表示領域を説明するための図である。
演出表示装置115は、演出表示装置115の全領域のうち大部分を占める主要な抽選情報表示領域1151と、当該抽選情報表示領域1151よりも控えめに演出表示装置115の全領域のうち上方の一部分のみを占める遊技情報表示領域1152と、を有している。
抽選情報表示領域1151では、第1の抽選手段にかかる演出、第2の抽選手段にかかる演出、または、センター役物91内の第1の遊技領域に遊技球が進入した場合における役物抽選にかかる演出等が表示される。この抽選情報表示領域1151は、左図柄、中図柄および右図柄の三つの図柄を表示可能に構成されている。なお、「役物抽選にかかる演出」とは、センター役物91内の第1の遊技領域に遊技球が進入してから回転式振分装置294によって遊技球が振り分けられるまでの間に、抽選情報表示領域1151に表示される演出である。
遊技情報表示領域1152は、普通保留球ランプ323の表示に対応する保留対応表示領域1153と、普通図柄表示器333の表示に対応する普通図柄対応表示領域1154と、特別図柄表示器332の表示に対応する特別図柄対応表示領域1155と、を有している。即ち、保留対応表示領域1153は普通図柄の変動表示制御の保留状態を示す。また、普通図柄対応表示領域1154、普通図柄の変動表示および第1の抽選手段による抽選結果を表示する。さらに、特別図柄対応表示領域1155は、特別図柄の変動表示および第2の抽選手段による抽選結果を表示する。
保留対応表示領域1153では、普通図柄の保留数に対応する表示態様が表示される。即ち、保留対応表示領域1153では、例えば普通図柄の保留数が1個であれば「L」のみが明るい色で表示され、2個であれば「L」および「2」が明るい色で表示される。
普通図柄対応表示領域1154では、アルファベットの「D」、「N」および「R」のいずれかが表示され、このいずれが表示されるかによって、第1の抽選手段による抽選結果を把握することができる。なお、第1の抽選手段による抽選結果が導出されるに際し、普通図柄表示器333において普通図柄が変動している間、アルファベットの「D」、「N」および「R」が交互に切替表示される。
特別図柄対応表示領域1155では、赤色の「P」または緑色の「P」が表示され、このいずれが表示されるかによって、第2の抽選手段による抽選結果を把握することができる。なお、第2の抽選手段による抽選結果が導出されるに際し、特別図柄表示器332において特別図柄が変動している間、赤色の「P」と緑色の「P」とが交互に切替表示される。
ここで、普通図柄対応表示領域1154では、普通図柄表示器333において普通図柄が変動している間、アルファベットの「D」、「N」および「R」が交互に切替表示されると共に、普通図柄表示器333において普通図柄についての抽選処理の結果が表示されると、「D」、「N」および「R」のいずれかで停止表示される。従って、抽選情報表示領域1151において第2の抽選手段にかかる演出が表示されることによって第1の抽選手段にかかる演出が表示されていない場合であっても、普通図柄対応表示領域1154では、アルファベットの「D」、「N」および「R」が交互に切替表示されることとなる。
また、特別図柄対応表示領域1155では、特別図柄表示器332において特別図柄が変動している間、赤色の「P」と緑色の「P」とが交互に切替表示されると共に、特別図柄表示器332において特別図柄についての抽選処理の結果が表示されると、赤色の「P」および緑色の「P」のいずれかで停止表示される。
次に、遊技の進行に伴って演出表示装置115に表示される一連の画像について、図80〜図83を参照しつつ説明する。図80〜図83は遊技の進行に伴って演出表示装置115に表示される一連の流れを示す図である。より詳しくは、図80および図81は、第1の抽選手段にかかる演出を示す図である。図82は、第2の抽選手段にかかる演出を示す図である。図83は、役物抽選にかかる演出を示す図である。ただし、図81(a)、図82(a)および(b)については、便宜上、演出表示装置115の周辺部材についても示している。
普通図柄および特別図柄のいずれも保留数がゼロであるとき、演出表示装置115における表示は、図80(a)に示される表示となる。即ち、抽選情報表示領域1151では三つの識別図柄が停止表示され、保留対応表示領域1153では普通図柄の保留数がゼロである旨が表示される。また、普通図柄対応表示領域1154ではアルファベットが交互に切替表示されることなく特定のアルファベットで停止表示され、特別図柄対応表示領域1155では赤色の「P」と緑色の「P」とが交互に切替表示されることなくいずれかの色で停止表示される。
普通図柄始動口96を遊技球が通過すると、普通図柄表示器333における普通図柄の変動が開始されると共に、三つの識別図柄の変動表示が開始される。これにより、普通図柄の変動が開始したことを把握できる。さらに、普通図柄表示器333において普通図柄が変動している間ひいては三つの識別図柄が変動している間、普通図柄対応表示領域1154におけるアルファベットも交互に切替表示される。なお、普通図柄の変動は、第1の抽選手段による抽選処理の結果を導出する前提として行われるものである。
そして、普通図柄の変動が行われている間に遊技球が普通図柄始動口96を通過すると、普通図柄始動口96を通過した遊技球の個数分だけ、所定の範囲内(本実施形態では4個)で普通図柄の変動表示制御が保留される。普通図柄の変動表示制御が保留されたことは、保留対応表示領域1153における表示により把握できる(図80(b)参照)。図80(b)によれば、普通図柄の保留数が3個であることを把握できる。
第1の抽選手段による抽選処理の結果は、変動表示が行われている三つの識別図柄の全図柄が停止表示された場合の組み合わせによって導出される。この三つの識別図柄は、左図柄→右図柄→中図柄の順で停止表示するが、左図柄と右図柄とが同じ図柄で停止表示されたときにリーチとなり(図80(c)参照)、リーチ変動が行われる(図80(d)参照)。
なお、「リーチ変動」とは、最終停止図柄(本実施形態では中図柄)となる識別図柄以外の識別図柄(本実施形態では左図柄および右図柄)が、所定時間継続して、特定の表示結果(本実施形態では「2」)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の識別図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わったりして、最終結果が表示される前で大当たり発生の可能性が継続している状態を意味する。
第1の抽選手段による抽選処理の結果が当たりであるとき、三つの識別図柄が全て同じ図柄で停止表示され(図80(e)参照)、その後、第2の可動片81が作動して特別図柄始動口82に遊技球が入賞しやすくなる。そして、抽選情報表示領域1151では、三つの識別図柄の表示に代えて、特別図柄始動口82に向けて遊技球を狙うことを促す表示が行われる(図81(a)参照)。本実施形態では、演出表示装置115の左側に配置される特別図柄始動口82に遊技球を狙うことを促すべく、「左にいれろ!」の文字と左を指す矢印とが表示される。
なお、抽選情報表示領域1151において、第1の抽選手段にかかる演出に代えて第2の抽選手段にかかる演出が行われる場合であっても、普通図柄の変動表示制御が保留されていれば、第1の抽選手段による抽選が行われると共に、普通図柄の変動表示制御の保留が解除されて三つの識別図柄による変動表示の表示態様が内部的に決定される。そして、第1の抽選手段による抽選が当たりであるとき(即ち、三つの識別図柄が全て同じ図柄で停止表示すると内部的に決定されたとき)、第2の抽選手段にかかる演出が行われていたとしても、第2の可動片81が作動して特別図柄始動口82に遊技球が入賞しやすくなる。つまり、演出表示装置115において第1の抽選手段にかかる演出が表示されているか否かにかかわらず、三つの識別図柄が全て同じ図柄で停止表示すると内部的に決定されれば、第2の可動片81が作動して特別図柄始動口82に遊技球が入賞しやすくなる。これにより、第2の抽選手段にかかる演出表示の有無にかかわらず、第1の抽選手段による抽選処理の効率を高めることができる。
このように、特別図柄始動口82に遊技球が入賞すると、抽選情報表示領域1151では、第1の抽選手段にかかる演出よりも第2の抽選手段にかかる演出が優先して行われる。即ち、特別図柄始動口82に遊技球が入賞すると、抽選情報表示領域1151では、第1の抽選手段による抽選処理の結果を導出するために三つの識別図柄の変動表示が行われていたとしても、当該三つの識別図柄の変動表示に代えて、第2の抽選手段にかかる演出が行われる。これにより、遊技者から見れば、三つの識別図柄の変動表示が中止したように見える。
一方、第1の抽選手段による抽選処理の結果が外れであるときは、普通図柄の変動表示制御が保留されていることを条件に、普通図柄表示器333において普通図柄の変動に対応して、三つの識別図柄の変動表示が繰り返し行われる。
なお、抽選情報表示領域1151において、上述のように、第1の抽選手段にかかる演出に代えて第2の抽選手段にかかる演出が表示されたとしても、遊技情報表示領域1152の普通図柄対応表示領域1154では、アルファベットの「D」、「N」および「R」が交互に切替表示されている。従って、抽選情報表示領域1151において第1の抽選手段による抽選結果に応じた表示を視認できない場合であっても、普通図柄対応表示領域1154における表示を視認できるので、普通図柄が変動していること等、現在の状況を把握することができる。また、第2の抽選手段にかかる演出は、演出表示装置115の大部分の領域を占める抽選情報表示領域1151に表示されるので、第2の抽選手段にかかる演出が妨げられることもなく、興趣の低下を抑制できる。
次に、特別図柄始動口82に遊技球が入賞すると、特別図柄表示器332において特別図柄が変動している間、抽選情報表示領域1151に表示されているキャラクタが点滅表示される(図82(a)参照)。これにより、特別図柄の変動が開始したことを把握できる。さらに、特別図柄表示器332における特別図柄が変動している間ひいてはキャラクタが点滅表示している間、特別図柄対応表示領域1155における「P」のアルファベットも緑色と赤色との間で交互に切替表示される。なお、特別図柄の変動は、第2の抽選手段による抽選処理の結果を導出する前提として行われるものである。
特別図柄表示器332における変動が停止すると、これに伴って特別図柄対応表示領域1155における「P」のアルファベットが緑色または赤色で停止表示される(図82(b)参照)。これにより、遊技者は、第2の抽選手段による抽選処理の結果が導出されたことを把握できる。
ここで、第2の抽選手段による抽選処理の結果が小当たりであると、特別図柄対応表示領域1155では、キャラクタの点滅表示に代えて、大入賞口141に向けて遊技球を狙うことを促す表示が行われる(図82(b)参照)。本実施形態では、演出表示装置115の上方に形成された大入賞口141に遊技球を狙うことを促すべく、「上をねらえ」の文字と上を指す矢印とが表示される。
一方、第2の抽選手段による抽選処理の結果が大当たりであると、特別図柄対応表示領域1155では、キャラクタの点滅表示に代えて、「大当たり」の文字が表示され(図82(c)参照)、その後、特別遊技が発生する。
なお、特別図柄の変動が停止し、且つ、特別図柄の変動が停止したときに普通図柄の変動表示制御が保留されていれば、普通図柄表示器333において普通図柄の変動が再び開始され、図80(a)〜(e)の一連の処理が繰り返される。また、普通図柄対応表示領域1154においても、普通図柄表示器333において普通図柄が変動している間、アルファベットの「D」、「N」および「R」が交互に切替表示される。ただし、このとき、普通図柄対応表示領域1154では、演出表示装置115の上方に形成された大入賞口141に遊技球を狙うことを促す旨の表示が行われているため、三つの識別図柄は表示されない。
なお、第1の抽選手段にかかる演出が終了するタイミング(即ち内部的に決定された表示態様による変動表示の終了タイミング)と、普通図柄対応表示領域1154における普通図柄の変動表示が終了するタイミングは同じである。
ところで、第1の抽選手段による抽選処理の結果が当たりとなって、抽選情報表示領域1151において特別図柄始動口82に向けて遊技球を狙うことを促す表示が行われたにも拘わらず、特別図柄始動口82に遊技球が入賞しなかったとき、再び、三つの識別図柄が表示される(図81(b)参照)。ただし、このとき、三つの識別図柄による変動表示の表示態様が内部的に決定されていたとしても、当該決定されていた表示態様による変動表示に代えて、特定の表示態様による変動表示が行われる。本実施形態では、この特定の表示態様は、三つの識別図柄を高速でスクロール変動する表示態様である。なお、三つの識別図柄の高速スクロールによる変動が実行されるとき、当該高速スクロールによる変動表示は、普通図柄の変動時間をカウントするサブタイマに基づいた時間だけ行われる。
大入賞口141に遊技球が入賞してセンター役物91内の第1の遊技領域に遊技球が進入すると、当該第1の遊技領域に進入した遊技球が回転式振分装置294によって振り分けられるまで、抽選情報表示領域1151では役物抽選にかかる演出が行われる(図83(a)参照)。図83(a)では役物抽選にかかる特定の演出表示のみを示しているが、実際には、これに関連した演出表示が行われる。
そして、センター役物91内の第1の遊技領域に遊技球が進入することによって役物抽選が行われたとき、その抽選結果に応じて、図83(b)または図83(d)が表示される。本実施形態では、センター役物91内の第1の遊技領域に進入した遊技球が特別入球口344に受け入れられると、抽選情報表示領域1151において図83(b)が表示されたのち、「大当たり」の文字が表示され(図83(c))、その後、特別遊技が発生する。
一方、センター役物91内の第1の遊技領域に進入した遊技球が、特別入球口344ではなく普通領域345に受け入れられると、抽選情報表示領域1151において図83(d)が表示されたのち、三つの識別図柄の変動表示に戻る(図83(e)参照)。ただし、このとき、三つの識別図柄による変動表示の表示態様が決定されていたとしても、当該決定されていた表示態様による変動表示が行われることなく、特定の表示態様(本実施形態では三つの識別図柄を高速でスクロール変動する表示態様)による変動表示が行われる。
なお、本実施形態では、第1の抽選手段にかかる演出は、図80(a)〜(e)および図83の演出表示が相当する。ただし、第1の抽選手段による抽選処理の結果が当たりである場合(図81参照)には、第2の可動片81の摺動動作によって特別図柄始動口82への遊技球の入球が可能な態様が終了するまでが、第1の抽選手段にかかる演出に相当する。
また、第2の抽選手段にかかる演出は、図82の演出表示が相当する。ただし、第2の抽選手段による抽選処理の結果が小当たりである場合(図82(b)参照)には、大入賞口141が開放されるかたちでの第1の可動片142の動作が終了するまでが、第2の抽選手段にかかる演出に相当する。
さらに、役物演出にかかる演出は、図83(a)〜(d)の演出表示が相当する。なお、図83(e)は、第1の抽選手段にかかる演出に相当する。
以上説明したように、この実施の形態にかかる遊技機によれば、以下のような多くの優れた効果が得られるようになる。なお、以下に列記する効果(1)〜(10)は、この実施の形態にかかる遊技機によって得られる効果の一例である。
(1)始動口として上記普通図柄始動口(第1の始動口)96及び上記特別図柄始動口(第2の始動口)82を備え、それら始動口のうちの特別図柄始動口82については、
・上記普通図柄始動口96に遊技球が入球されること。
をその入球条件とした。そして、こうして入球可能となる上記特別図柄始動口82に遊技球がさらに入球されることに基づいて行われる上記特別当たり(第2の当たり)についての抽選処理(ここでは、大当たり及び小当たりのいずれに当選したかについての判定処理)を行うこととなる。そして、この抽選処理にて大当たりが当選されること、若しくは小当たりが当選されて該小当たり遊技にて上記特定領域344に遊技球が振り分けられたこと、のいずれかの条件が満たされることに基づいて上記下部側大入賞口83が開放される特別遊技を行うこととした。このような構成では、上記普通図柄始動口96に入球したときよりも、上記特別図柄始動口82に入球したときのほうが、特別遊技が行われることへの期待度が大きくなり、特別遊技が発生するまでの過程の単調性が好適に解消されるようになる。
(2)また、上記演出表示装置115については、こうした効果(1)に記載の構成を採用した上で、当該演出表示装置115の大部分を占める抽選情報表示領域(主領域)1151および該主領域1151よりも小さい遊技情報表示領域(副領域)1152とを有することとした。そしてこのうち、上記遊技情報表示領域1152では、上記普通図柄画像表示制御手段(第1の演出画像表示制御手段)631による表示制御のみが行われる普通図柄対応表示領域(第1の副領域)1154と、上記特別図柄画像表示制御手段(第2の演出画像表示制御手段)632による表示制御のみが行われる特別図柄対応表示領域(第2の副領域)1155と、をさらに有し、これによって上記普通図柄画像表示制御手段631による表示制御と、上記特別図柄画像表示制御手段632による表示制御とを互いに独立した表示制御として実行するようにした。これにより、特別遊技の発生条件となる2つの当たり(第1の当たり、第2の当たり)についての抽選処理の結果が遊技者に常に認識可能とされるようになる。
(3)上記演出表示装置115の抽選情報表示領域(主領域)1151では、上記普通図柄画像表示制御手段631による表示制御に応じた演出画像と、上記特別図柄画像表示制御手段632による表示制御に応じた演出画像とが順次現れるようにした。これにより、1つの画像領域(主領域)でありながら、上記普通図柄始動口96に遊技球が入球したときに行われる通常時の表示演出(ノーマル演出)と、上記特別図柄始動口(第2の始動口)82に遊技球が入球したときに上記通常時の表示演出(ノーマル演出)よりも特別遊技が行われることへの期待度の高い表示演出(スペシャル演出)と、を各々独立した表示演出として行うことができるようになる。しかもこの場合、上記スペシャル演出は、上記ノーマル演出から発展したかのように行われるようになり、こうした各々独立した表示演出を遊技者から見て違和感なく連続的に行うことができるようになる。また、遊技者は上記特別遊技が行われることへの期待度の高いスペシャル演出を上記ノーマル演出よりも優先的に見ることが可能であり、スペシャル演出への発展によって上記特別遊技が行われることへの期待度が高くなったことを認識可能となる。
(4)上記主制御基板765を、
・上記普通図柄当否判定手段(第1の表示態様決定手段)602によって決定された表示態様に応じた演出画像が上記抽選情報表示領域(主領域)1151および遊技情報表示領域(副領域)1152の両方にてそれぞれ現れるように上記演出表示装置115に表示される演出画像についての表示制御を行うべき旨のコマンド(第1の演出コマンド)。
・上記特別図柄当否判定手段(第2の表示態様決定手段)612によって決定された表示態様に応じた演出画像が上記抽選情報表示領域(主領域)1151および遊技情報表示領域(副領域)1152の両方にてそれぞれ現れるように上記演出表示装置115に表示される演出画像についての表示制御を行うべき旨のコマンド(第2の演出コマンド)。
を送信するだけの構成とした上で、上記周辺基板781(副制御手段)が、
・上記第2の演出コマンドが受信されたとき(演出コマンド受信手段)、該第2の演出コマンドに応じた表示制御が上記抽選情報表示領域(主領域)1151および遊技情報表示領域(副領域)1152の両方にて行われる状態にある旨を示す状態情報を設定する状態情報設定手段704。
・上記第2の演出コマンドの受信に応じて行われる一連の表示制御が終了するとき、前記状態情報設定手段により設定されている状態情報を解除する状態情報解除手段706。
・上記第1の演出コマンドが受信されたとき(演出コマンド受信手段)、上記状態情報が設定されているか否かを判断する状態情報判断手段700。
・上記状態情報判断手段700により上記状態情報が設定されている旨判断されたとき、上記受信された第1の演出コマンドにより示される情報を改変する改変手段702。
・上記改変手段702により上記第1の演出コマンドにより示される情報が改変されたとき、該改変された情報に基づき、上記第1の表示態様決定手段(普通図柄当否判定手段602)によって決定された表示態様に応じた演出画像が上記演出表示装置115のうちの遊技情報表示領域(副領域)1152のみにて現れるように上記演出表示装置115に表示される演出画像についての表示制御を行う部分表示制御手段(普通図柄画像表示制御手段631)。
を備えることによって、上記抽選情報表示領域(主領域)1151および遊技情報表示領域(副領域)1152の表示制御を異ならしめるようにした。これにより、上記主制御基板765にかかる処理負荷の増大、上記主制御基板765と周辺基板781との間の通信負荷の増大、及び上記主制御基板765での記憶容量の圧迫、などの問題を好適に解決することができるようになる。
(5)上記主制御基板765は、抽選情報表示領域(主領域)1151にて上記スペシャル演出が行われる期間中も、上記ノーマル演出を内部的にはその都度消化するようになっている(第1の抽選手段(普通図柄当否判定手段602)、駆動制御手段(普通当たり遊技実行手段607)、第1の表示態様決定手段(普通図柄当否判定手段602)など)。これにより、上記抽選情報表示領域(主領域)1151にて長い表示演出(ノーマル演出+スペシャル演出)が実行される場合であっても、次の抽選結果が得られるまでの時間である回転効率の向上を図ることができるようになる。
(6)上記第1の抽選手段が保留機能(第1保留手段603、第1保留解除手段604)を備えることにより、上記特別図柄始動口82の始動率の向上を図った。そしてこの上で、上記第2の抽選手段も保留機能(第2保留手段613、第2保留解除手段614)を備えることとした。したがって、上記特別遊技が行われることへの期待度の高いスペシャル演出のみを連続して行うことができるようになる。
(7)上記周辺基板781では、上記第2の演出コマンド(第2の抽選手段にかかる演出のコマンド)の受信に応じて行われる一連の表示制御の終了に際し、上記普通図柄対応表示領域(第1の副領域)1154にて上記普通図柄画像表示制御手段(第1の演出画像表示制御手段)631による表示制御(部分表示制御手段による表示制御)が実行中であるか否かを判断することとした(状態判断手段)。より具体的には、この普通図柄対応表示領域1154にて表示制御が行われる予定時間を計時するタイマ手段が稼働中であるか否かを判断することとした。そして、この部分表示制御手段による表示制御が行われている旨判断されたときは、所定の演出画像が高速変動される高速表示態様が上記抽選情報表示領域(主領域)1151に現れるように上記抽選情報表示領域(主領域)1151に表示される演出画像についての変動表示出力を行うこととした(高速変動出力手段)。より具体的には、上記タイマ手段による上記予定時間の計時がタイムアップされるまで上記抽選情報表示領域(主領域)1151に上記高速表示態様が表示される表示制御と、上記タイマ手段による上記予定時間の計時がタイムアップされるタイミングに合わせて上記第1の表示態様決定手段(普通図柄当否判定手段602)によって当初決定された表示態様のうちの停止表示態様が上記抽選情報表示領域(主領域)1151に表示される表示制御と、を行うこととしたため、遊技者から見て違和感なく、上記ノーマル演出を再開させることができるようになる。
(8)上記普通電動役物(可動部材)81が動作するときの動作時間の長短が、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球確率の高低、さらには特別遊技が行われる状態に移行する確率の高低と関係することに鑑み、上記普通当たりについての抽選処理では、上記特別図柄始動口82を入球可能とする上記普通電動役物81の動作時間として各々異なる動作時間を示す動作時間情報がそれぞれ対応付けされた複数種の当たりについての抽選処理を行うこととした。そしてこの上で、上記駆動制御手段(普通当たり遊技実行手段607)が、上記第1の抽選手段により上記複数種の当たりのいずれかが当選されたとき、該当する当たりの種類に応じた動作時間だけ特別図柄始動口82が入球可能とされるように上記普通電動役物(可動部材)81の駆動制御を行うこととした。すなわちこの場合、上記普通電動役物81が上記当選種に応じた時間だけ動作する、といっただけで、上記第2の当たりの当選確率をその都度決定付けることができるようになり、これによって遊技の興趣の低下を抑制することができるようになる。
(9)上記第1の表示態様決定手段(普通図柄当否判定手段602)は、上記複数種の当たりが落選されたとき、落選時用の表示態様を決定する通常表示決定手段と、上記短当たりが当選されたとき、上記特定の表示態様としての短当たり用の表示態様を決定する第1の特定表示決定手段と、上記長当たりが当選されたとき、上記特定の表示態様としての長当たり用の表示態様を決定する第2の特定表示決定手段と、を備え、上記普通当たりの抽選処理の結果に応じて上記通常表示決定手段及び上記第1の特定表示決定手段及び上記第2の特定表示決定手段を選択的に用いることにより、上記演出表示装置115に表示される演出画像の表示態様を決定することとした。そして、上記普通図柄画像表示制御手段(第1の演出画像表示制御手段)631が、上記落選時用の表示態様が決定されたときと、上記短当たり用の表示態様が決定されたときとでは、上記第2の表示演出部に表示される演出画像の表示態様が互いに近似するように該演出画像についての表示制御を行うようにした。これにより、遊技者は、上記落選であるのか、上記短当たりが当選されたのかを判断し難くなる。すなわちこの場合、上記短当たりの当選によって入球可能とされた上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されたとき、遊技者から見れば、上記特別当たりについての抽選処理の結果に応じた表示演出(スペシャル演出)が突然行われるようになり、これによって遊技の興趣の低下の好適な抑制が期待できるようになる。
(10)上記受止誘導部材535が、上記突出位置において遊技球を受け止めることが可能であると共に、上記突出位置で受け止めた遊技球を、上記突出位置から上記収容位置への切り替わりに際して溢すように構成されている。したがって、想定以上に遊技球が上記特別図柄始動口82に受け入れられることが抑制されるようになり、予定通りに遊技機の性能が発揮されるようになる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、特別図柄始動口82に対して受止誘導部材535を配設するものを示したが、その他の入賞口(例えば普通図柄始動口96)に対して受止誘導部材535を備えるようにしてもよい。また、受止誘導部材535を普通抽選の結果に基づいて可動させるものを示したが、抽選結果以外の遊技状態に基づいて可動させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄始動口82は一つのみ設けられているが、この数は一つに限られるものではなく、複数設けられていても良い。このとき、いずれの特別図柄始動口に入賞したかを判断して抽選を行うようにしても良い。例えば、第一の特別図柄始動口と第二の特別図柄始動口とを設けたとき、第一の特別図柄始動口に入賞したときは第一の抽選手段によって抽選を行い、第二の特別図柄始動口に入賞したときは第二の抽選手段によって抽選を行うことが考えられる。
また、上記実施形態では、受止誘導部材535及び入賞防止部材561の駆動源としてソレノイド548を示したが、駆動源は特に限定されるものではなく、例えばモータを用いて摺動させるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。
即ち、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である遊技球等の投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備えるもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(即ち、遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出画像表示手段をさらに備えるもの」、一般に「複合機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段と始動口に入賞することによって抽選を行う抽選手段とを備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
一方、パチスロ機とは、遊技媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させると共に、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させる、といった実質的な遊技を行うものであり、停止操作機能付きのスロットマシンである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合せが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等のように、投入する媒体によっては実質的な遊技が行われない遊技機では、一見、遊技媒体が存在しないかのように思われるが、このような遊技機であっても、遊技内容の全体において、遊技球やその他の適宜の物品を用いて行われる遊技を含ませることが想定できる。よって、このような遊技機であっても、遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機の対象とすることができる。
また、上述の実施形態における演出表示装置115は、液晶表示装置であることが好ましいが、必ずしも液晶表示装置に限られない。EL表示装置、プラズマ表示装置およびCRT等の表示装置等であってもよい。即ち、普通当りの判定結果を導出可能であれば、その態様は限られない。ただし、普通当りの判定結果を導出するに際し、例えばリーチ表示等、普通当たりに当選している可能性があることを遊技者にアピールできることが好ましい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(技術的思想1)
遊技領域を有し、当該遊技領域に向けて遊技球が打ち込まれる遊技盤と、
前記遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球を該遊技領域にて流下させる弾球遊技において所定の条件が満たされたか否かの判断を行うとともに、該判断に応じて遊技の進行にかかる制御を行う主制御手段と、
前記主制御手段による前記判断に応じて各種の演出にかかる制御を行う副制御手段と、
前記主制御手段による前記判断に応じて遊技者への遊技球の払い出しにかかる払出制御を行う払出制御手段と、を備え、
前記主制御手段は、前記弾球遊技において前記所定の条件が満たされた旨判断したときは、遊技者に有利な特別遊技を行う遊技機であって、
前記遊技盤の遊技領域に設けられ、遊技球を受け入れ困難な閉状態と当該閉状態よりも遊技球を受け入れ容易な開状態との間で開閉動作可能な開閉装置と、
前記遊技領域に設けられる第1の始動口と、
前記遊技領域に設けられ、可動部材を有し、該可動部材が動作するときにのみ遊技球の入球が可能とされる第2の始動口と、
所定の演出画像が表示される第1の表示演出部と、
前記第1の表示演出部よりも大きな表示演出部として設けられ、当該表示演出部の大部分を占める主領域と該主領域よりも小さい副領域とを有し、前記主領域及び前記副領域の両方にて所定の演出画像がそれぞれ表示される第2の表示演出部と、を備え、
前記主制御手段は、
前記第1の始動口への遊技球の入球があったか否かの判断を行う第1の始動判断手段、及び
前記第1の始動判断手段により前記第1の始動口への遊技球の入球があった旨判断されることに基づいて前記可動部材の動作契機となる第1の当たりについての当落にかかる抽選処理を行うとともに、該抽選処理に際しては、当該抽選処理を一旦保留の状態とする第1の抽選手段、及び
前記保留の状態が解除されることによって行われる前記第1の抽選手段による前記抽選処理にて前記第1の当たりが当選されたとき、前記可動部材が所定の動作時間だけ動作するように該可動部材の駆動制御を行う駆動制御手段、及び
前記第1の抽選手段によって前記抽選処理が行われたとき、該抽選処理の結果に応じて前記第1の表示演出部に表示される演出画像についての表示態様を決定する第1の表示態様決定手段、及び
前記第1の表示態様決定手段によって前記表示態様が決定されたとき、該決定された表示態様に応じた演出画像が前記第1の表示演出部に現れるように前記第1の表示演出部に表示される演出画像についての表示制御を行う第1の表示演出制御手段、及び
前記第1の表示態様決定手段によって前記表示態様が決定されたとき、該決定された表示態様に応じた演出画像が前記第2の表示演出部の主領域及び副領域の両方にてそれぞれ現れるように前記第2の表示演出部に表示される演出画像についての表示制御を行うべき旨の第1の演出コマンドを前記副制御手段に送信する第1の演出コマンド送信手段、及び
前記駆動制御手段による駆動制御によって入球可能とされた前記第2の始動口に遊技球の入球があったか否かの判断を行う第2の始動判断手段、及び
前記第2の始動判断手段により前記第2の始動口への遊技球の入球があった旨判断されることに基づいて第2の当たりについての抽選処理を行う第2の抽選手段、及び
前記第2の抽選手段による前記抽選処理にて前記第2の当たりが当選されることに基づいて前記開閉装置が開閉動作される特別遊技を行う特別遊技実行手段、及び、
前記第2の抽選手段によって前記抽選処理が行われたとき、該抽選処理の結果に応じて前記第1の表示演出部に表示される演出画像についての表示態様を決定する第2の表示態様決定手段、及び
前記第2の表示態様決定手段によって前記表示態様が決定されたとき、該決定された表示態様に応じた演出画像が前記第1の表示演出部に現れるように前記第1の表示演出部に表示される演出画像についての表示制御を行う第2の表示演出制御手段、及び
前記第2の表示態様決定手段によって前記表示態様が決定されたとき、該決定された表示態様に応じた演出画像が前記第2の表示演出部の主領域及び副領域の両方にてそれぞれ現れるように前記第2の表示演出部に表示される演出画像についての表示制御を行うべき旨の第2の演出コマンドを前記副制御手段に送信する第2の演出コマンド送信手段、及び
前記開閉装置への遊技球の入球があったか否かの判断を行う入賞判断手段、及び
前記入賞判断手段により前記開閉装置への遊技球の入球があった旨判断されたとき、遊技球の払い出しにかかる払出制御を行うべき旨の払出コマンドを前記払出制御手段に送信する払出コマンド送信手段、を有しており、
前記副制御手段は、
前記主制御手段の前記第1の演出コマンド送信手段及び前記第2の演出コマンド送信手段から送信される前記第1の演出コマンド及び前記第2の演出コマンドをそれぞれ受信する演出コマンド受信手段、及び
前記演出コマンド受信手段により前記第1の演出コマンドが受信されたとき、該受信された第1の演出コマンドに応じた表示態様が前記第2の表示演出部の主領域及び副領域の両方にてそれぞれ現れるように前記第2の表示演出部に表示される演出画像についての表示制御を行う第1の演出画像表示制御手段、及び
前記演出コマンド受信手段により前記第2の演出コマンドが受信されたとき、該受信された第2の演出コマンドに応じた表示態様が前記第2の表示演出部の主領域及び副領域の両方にてそれぞれ現れるように前記第2の表示演出部に表示される演出画像についての表示制御を行う第2の演出画像表示制御手段、を有しており、
前記払出制御手段は、
前記主制御手段の前記払出コマンド送信手段から送信される前記払出コマンドを受信する払出コマンド受信手段、及び
前記払出コマンド受信手段により前記払出コマンドが受信されたとき、該受信された払出コマンドに応じた賞球数だけ遊技者に遊技球を払い出す払出制御を行う払出制御実行手段、を有しており、
前記第1の表示演出部は、前記主制御手段の前記第1の表示演出制御手段による表示制御と、前記主制御手段の前記第2の表示演出制御手段による表示制御とが互いに独立した表示制御として実行可能とされるべく、前記主制御手段の前記第1の表示演出制御手段による表示制御のみが行われる第1の演出領域と、前記主制御手段の前記第2の表示演出制御手段による表示制御のみが行われる第2の演出領域とを備えるものであり、
前記第2の表示演出部の副領域は、前記副制御手段の第1の演出画像表示制御手段による表示制御と、前記副制御手段の第2の演出画像表示制御手段による表示制御とが互いに独立した表示制御として実行可能とされるべく、前記副制御手段の第1の演出画像表示制御手段による表示制御のみが行われる第1の副領域と、前記副制御手段の第2の演出画像表示制御手段による表示制御のみが行われる第2の副領域とを備えるものであり、
前記第2の演出画像表示制御手段は、
前記演出コマンド受信手段により前記第2の演出コマンドが受信されたとき、該第2の演出コマンドに応じた表示制御が前記第2の表示演出部の主領域及び副領域の両方にて行われる状態にある旨を示す状態情報を設定する状態情報設定手段、及び
前記第2の演出コマンドの受信に応じて行われる一連の表示制御が終了するとき、前記状態情報設定手段により設定されている状態情報を解除する状態情報解除手段、を備えるものであり、
前記第1の演出画像表示制御手段は、
前記演出コマンド受信手段により前記第1の演出コマンドが受信されたとき、前記状態情報が設定されているか否かを判断する状態情報判断手段、及び
前記状態情報判断手段により前記状態情報が設定されている旨判断されたとき、前記受信された第1の演出コマンドにより示される情報を改変する改変手段、及び
前記改変手段により前記第1の演出コマンドにより示される情報が改変されたとき、該改変された情報に基づき、前記第1の表示態様決定手段によって決定された表示態様に応じた演出画像が前記第2の表示演出部のうちの第1の副領域のみにて現れるように前記第2の表示演出部に表示される演出画像についての表示制御を行う部分表示制御手段、を備える
ことを特徴とする遊技機。
上記構成では、始動口として第1の始動口及び第2の始動口を備え、それら始動口のうちの第2の始動口については、
・上記第1の始動口に遊技球が入球されること。
をその入球条件とした。そして、こうして入球可能となる第2の始動口に遊技球がさらに入球されることに基づいて行われる上記第2の抽選手段による抽選処理にて第2の当たりが当選されることに基づいて上記開閉装置が開放される特別遊技を行うこととした。このような構成では、第1の始動口に入球したときよりも、第2の始動口に入球したときのほうが、特別遊技が行われる期待感が大きくなり、特別遊技が発生するまでの過程の単調性が好適に解消されるようになる。
一方、上記第2の表示演出部については、こうした構成を採用した上で、当該第2の表示演出部の大部分を占める主領域と該主領域よりも小さい副領域とを有することとした。そしてこのうち、上記副領域では、上記第1の演出画像表示制御手段による表示制御のみが行われる第1の副領域と、上記第2の演出画像表示制御手段による表示制御のみが行われる第2の副領域とを備えることとし、これによって上記第1の演出画像表示制御手段による表示制御と、上記第2の演出画像表示制御手段による表示制御とを互いに独立した表示制御として実行するようにした。これにより、特別遊技の発生条件となる2つの当たり(第1の当たり、第2の当たり)についての抽選処理の結果が遊技者に常に認識可能とされるようになる。
これに対し、上記主領域においても、これを2つの領域に分割することで、上記第1の演出画像表示制御手段による表示制御と、上記第2の演出画像表示制御手段による表示制御とを互いに独立した表示制御として実行するようにすることも考えられる。ただしこの場合、主要な演出画像の出力先となる上記主領域として十分なスペースを確保することが困難となり、ひいては遊技の興趣の低下が懸念される。この点、上記構成では、上記第1の演出画像表示制御手段による表示制御に応じた演出画像と、上記第2の演出画像表示制御手段による表示制御に応じた演出画像とが前記第2の表示演出部の主領域に順次現れるようにした。これにより、1つの画像領域(主領域)でありながら、第1の始動口に入球したときに上記主領域にて行われる通常時の表示演出(ノーマル演出)と、第2の始動口に入球したときに上記通常時の表示演出よりも特別遊技が行われることへの期待度の高い表示演出(スペシャル演出)とを各々独立した表示演出として行うことができるようになる。しかもこの場合、上記スペシャル演出は、上記ノーマル演出から発展したかのように行われるようになり、こうした各々独立した表示演出を遊技者から見て違和感なく連続的に行うことができるようになる。また、遊技者は上記特別遊技が行われることへの期待度の高いスペシャル演出を上記ノーマル演出よりも優先的に見ることができるようになり、これによって遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
しかしながら、このように主領域と副領域との表示制御を異ならしめる場合、上記主制御手段では、上記副制御手段に対し、上記主領域及び上記副領域の各々に応じた演出内容についての指示を行う必要が生ずる。すなわち、上記主制御手段から送信される演出コマンドの種類が多くなってしまい、上記主制御手段にかかる処理負荷の増大、上記主制御手段と副制御手段との間の通信負荷の増大、及び上記主制御手段での記憶容量の圧迫、などが無視できない。この点、上記構成では、上記主制御手段を、
・前記第1の表示態様決定手段によって決定された表示態様に応じた演出画像が前記第2の表示演出部の主領域及び副領域の両方にてそれぞれ現れるように前記第2の表示演出部に表示される演出画像についての表示制御を行うべき旨の第1の演出コマンド。
・前記第2の表示態様決定手段によって決定された表示態様に応じた演出画像が前記第2の表示演出部の主領域及び副領域の両方にてそれぞれ現れるように前記第2の表示演出部に表示される演出画像についての表示制御を行うべき旨の第2の演出コマンド。
を送信するだけの構成とした上で、上記副制御手段が、
・前記演出コマンド受信手段により前記第2の演出コマンドが受信されたとき、該第2の演出コマンドに応じた表示制御が前記第2の表示演出部の主領域及び副領域の両方にて行われる状態にある旨を示す状態情報を設定する状態情報設定手段。
・前記第2の演出コマンドの受信に応じて行われる一連の表示制御が終了するとき、前記状態情報設定手段により設定されている状態情報を解除する状態情報解除手段。
・前記演出コマンド受信手段により前記第1の演出コマンドが受信されたとき、前記状態情報が設定されているか否かを判断する状態情報判断手段。
・前記状態情報判断手段により前記状態情報が設定されている旨判断されたとき、前記受信された第1の演出コマンドにより示される情報を改変する改変手段。
・前記改変手段により前記第1の演出コマンドにより示される情報が改変されたとき、該改変された情報に基づき、前記第1の表示態様決定手段によって決定された表示態様に応じた演出画像が前記第2の表示演出部のうちの副領域のみにて現れるように前記第2の表示演出部に表示される演出画像についての表示制御を行う部分表示制御手段。
を備えることによって、上記主領域と副領域との表示制御を異ならしめるようにした。これにより、上記主制御手段にかかる処理負荷の増大、上記主制御手段と副制御手段との間の通信負荷の増大、及び上記主制御手段での記憶容量の圧迫、などの上述の問題を好適に解決することができるようになる。
またさらに、上記構成では、上記主制御手段は、上記副制御手段にて上記スペシャル演出が行われる期間中も、上記ノーマル演出を内部的にはその都度消化するようになっている(第1の抽選手段、第1の表示態様決定手段)。これにより、上記第2の表示演出部にて長い表示演出が実行される場合であっても、次の抽選結果が得られるまでの時間である回転効率の向上を図ることができるようになる。
(技術的思想2)
前記第2の抽選手段は、前記抽選処理に際し、当該抽選処理を一旦保留の状態とするものであり、
前記特別遊技実行手段は、前記保留の状態が解除されることによって行われる前記第2の抽選手段による抽選処理にて前記第2の当たりが当選されることに基づいて前記開閉装置が開閉動作される特別遊技を行うものである
技術的思想1に記載の遊技機。
上記技術的思想1に記載の遊技機において、技術的思想2に記載の遊技機では、上記第2の抽選手段が、上記抽選処理に際し、当該抽選処理を一旦保留の状態とすることとした。また、上記特別遊技実行手段が、上記保留の状態が解除されることによって行われる上記第2の抽選手段による抽選処理にて上記第2の当たりが当選されることに基づいて上記開閉装置が開閉動作される特別遊技を行うこととした。このような保留機能を利用することで、特別遊技が行われることへの期待度の高いスペシャル演出を連続して行うことができるようになる。
(技術的思想3)
前記第1の演出画像表示制御手段は、
前記第2の演出コマンドの受信に応じて行われる一連の表示制御の終了に際し、前記部分表示制御手段による表示制御が行われているか否かを判断する状態判断手段と、
前記状態判断手段により前記部分表示制御手段による表示制御が行われている旨判断されたとき、所定の演出画像が高速変動される高速表示態様が前記第2の表示演出部のうちの主領域に現れるように前記第2の表示演出部の主領域に表示される演出画像についての変動表示出力を行う高速変動出力手段と、を備え、
前記高速変動出力手段による変動表示出力では、
前記部分表示制御手段による表示制御が終了されるまで前記第2の表示演出部の主領域に前記高速表示態様が表示される変動表示出力と、
前記部分表示制御手段による表示制御が終了されるタイミングに合わせて、前記第1の表示態様決定手段によって当初決定された表示態様のうちの変動表示停止時に現れる停止表示態様が前記第2の表示演出部の主領域に表示される変動表示出力と、が行われる
技術的思想2に記載の遊技機。
ところで、上記スペシャル演出が行われる期間中に上記部分表示制御手段による表示制御が行われる遊技機にあって、上記第2の表示演出部では、上記スペシャル演出が終了した直後に上記ノーマル演出が再開されることとなる。ただしこの場合、上記第2の表示演出部には、上記第1の表示態様決定手段により決定されたノーマル演出の表示態様がその演出の途中から表示されることにもなりかねない。
この点、上記構成では、上記第2の演出コマンドの受信に応じて行われる一連の表示制御の終了に際し、上記部分表示制御手段による表示制御が行われているか否かを判断することとした。そして、部分表示制御手段による表示制御が行われている旨判断されたときは、上記第1の抽選手段による抽選処理の結果に応じた演出画像が高速変動される高速表示態様が上記第2の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示態様(スペシャル演出)から差し替わって上記第2の表示演出部の主領域に現れるように、上記第2の表示演出部の主領域に表示される演出画像についての変動表示出力を行うこととした。そして、こうした変動表示出力を、上記部分表示制御手段による表示制御が終了されるタイミングに合わせて、上記第1の表示態様決定手段によって当初決定された表示態様のうちの変動表示停止時に現れる停止表示態様が上記第2の表示演出部の主領域に表示されるように停止させることとしたため、遊技者から見て違和感なく、上記ノーマル演出を再開させることができるようになる。
(技術的思想4)
前記第1の抽選手段による抽選処理では、前記第2の始動口を入球可能とする前記可動部材の動作時間として各々異なる動作時間を示す動作時間情報がそれぞれ対応付けされた複数種の当たりについての抽選処理が行われ、
前記駆動制御手段は、前記第1の抽選手段により前記複数種の当たりのいずれかが当選されたとき、該当する当たりの種類に応じた動作時間だけ前記第2の始動口が入球可能とされるように前記可動部材の駆動制御を行う
技術的思想1〜3のいずれか1つに記載の遊技機。
技術的思想1〜3のいずれか1つに記載の遊技機において、技術的思想4に記載の遊技機では、上記可動部材が動作するときの動作時間の長短が、上記第2の始動口への遊技球の入球確率の高低、さらには第2の当たりの当選確率の高低と関係することに鑑み、上記第1の抽選手段による抽選処理では、上記第2の始動口を入球可能とする上記可動部材の動作時間として各々異なる動作時間を示す動作時間情報がそれぞれ対応付けされた複数種の当たりについての抽選処理を行うこととした。そしてこの上で、上記駆動制御手段が、上記第1の抽選手段により上記複数種の当たりのいずれかが当選されたとき、該当する当たりの種類に応じた動作時間だけ上記第2の始動口が入球可能とされるように上記可動部材の駆動制御を行うこととした。すなわちこの場合、上記可動部材が上記当選種に応じた時間だけ動作する、といっただけで、上記第2の当たりの当選確率をその都度決定付けることができるようになり、これによって遊技の興趣の低下を抑制することができるようになる。
(技術的思想5)
前記第1の抽選手段は、前記動作時間情報のうちの短い動作時間が対応付けされている当たりを短当たり、前記動作時間情報のうちの長い動作時間が対応付けされている当たりを長当たりとするとき、前記短当たりが前記長当たりよりも頻繁に当選されるかたちで前記抽選処理を行う
技術的思想4に記載の遊技機。
また、技術的思想4に記載の遊技機において、技術的思想5に記載の遊技機によるように、上記第1の抽選手段が、上記動作時間情報のうちの短い動作時間が対応付けられている当たりを短当たり、上記動作時間情報のうちの長い動作時間が対応付けられている当たりを長当たりとするとき、上記短当たりが上記長当たりよりも頻繁に当選されるかたちで上記抽選処理を行うようにすれば、上記第2の始動口に遊技球が入球可能となる頻度(第2の当たりが当選され得るチャンスの頻度)を好適に高めることができるようになり、遊技の興趣の低下を抑制することができるようになる。
(技術的思想6)
前記短当たりは、前記第2の始動口に遊技球が入球されるために必要な時間として最低限の動作時間を示す動作時間情報が対応付けされた当たりであり、前記長当たりは、前記第2の始動口に遊技球が入球されるために必要な時間として十分な動作時間を示す動作時間情報が対応付けされた当たりである
技術的思想5に記載の遊技機。
また、技術的思想5に記載の遊技機においては、技術的思想6に記載の遊技機によるように、上記短当たりを、上記第2の始動口に遊技球が入球されるために必要な時間として最低限の動作時間を示す動作時間情報が対応付けされた当たりとし、上記長当たりを、上記第2の始動口に遊技球が入球されるために必要な時間として十分な動作時間を示す動作時間情報が対応付けされた当たりとするようにすることが、実用上望ましい。すなわちこの場合、このような短当たりを採用したことで、上記第2の始動口に遊技球が入球可能となる頻度(第2の当たりが当選され得るチャンスの頻度)を最大限まで高めることができるようになる。また、上記長当たりが当選されたときは、上記スペシャル演出が行われることがほぼ確定するようになる。またさらに、いわゆる時短機能を用いて、上記短当たりでの動作時間を延長することが可能となり、この場合、上記所定の表示部では通常、上記スペシャル演出のみが繰り返し行われるようになる。
(技術的思想7)
前記第1の表示態様決定手段は、
前記第1の抽選手段により前記複数種の当たりが落選されたとき、落選時用の表示態様を決定する通常表示決定手段と、
前記第1の抽選手段により前記短当たりが当選されたとき、短当たり用の表示態様を決定する第1の特定表示決定手段と、
前記第1の抽選手段により前記長当たりが当選されたとき、長当たり用の表示態様を決定する第2の特定表示決定手段と、を備え、前記第1の抽選手段による抽選処理の結果に応じて前記通常表示決定手段及び前記第1の特定表示決定手段及び前記第2の特定表示決定手段を選択的に用いることにより、前記第1の表示演出部に表示される演出画像についての表示態様を決定するものであり、
前記第1の演出画像表示制御手段は、前記落選時用の表示態様が決定されたときと、前記短当たり用の表示態様が決定されたときとでは、前記第2の表示演出部に表示される演出画像の表示態様が互いに近似するように該演出画像についての表示制御を行う
技術的思想6に記載の遊技機。
また、技術的思想6に記載の遊技機において、技術的思想7に記載の遊技機によるように、上記第1の表示態様決定手段が、上記第1の抽選手段により上記複数種の当たりが落選されたとき、落選時用の表示態様を決定する通常表示決定手段と、上記第1の抽選手段により上記短当たりが当選されたとき、短当たり用の表示態様を決定する第1の特定表示決定手段と、上記第1の抽選手段により上記長当たりが当選されたとき、長当たり用の表示態様を決定する第2の特定表示決定手段と、を備え、上記第1の抽選手段による抽選処理の結果に応じて上記通常表示決定手段及び上記第1の特定表示決定手段及び上記第2の特定表示決定手段を選択的に用いることにより、上記第1の表示演出部に表示される演出画像についての表示態様を決定するとともに、上記第1の演出画像表示制御手段が、上記落選時用の表示態様が決定されたときと、上記短当たり用の表示態様が決定されたときとでは、上記第2の表示演出部に表示される演出画像の表示態様が互いに近似するように該演出画像についての表示制御を行うようにすれば、遊技者は、上記落選であるのか、上記短当たりが当選されたのかを判断し難くなる。すなわちこの場合、上記短当たりの当選によって入球可能とされた上記第2の始動口に遊技球が入球されたとき、遊技者から見れば、上記第2の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出(スペシャル演出)が突然行われるようになり、これによって遊技の興趣の低下の好適な抑制が期待できるようになる。
(技術的思想8)
前記第2の始動口から遊技盤の奥側に向けた方向には、当該第2の始動口から受け入れた遊技球の通路となる特定始動受入通路が形成されており、
前記可動部材は、
前記特定始動受入通路内に収容される収容位置と、前記遊技盤の盤面から遊技者側に向けて突出する突出位置と、の間で変位可能であって、当該突出位置にあるときに、前記遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球を受け止め可能であり且つ当該受け止めた遊技球を前記特定始動受入通路に誘導可能であると共に、当該突出位置から当該収容位置への切り替わりに際して受け止めた遊技球を溢す受止誘導部材、
および、前記第2の始動口の開口領域を小さくする狭小位置と、当該狭小位置よりも前記特定始動受入通路内側であって且つ当該特定始動口の開口領域を当該狭小位置にあるときよりも大きくする広大位置と、の間で変位可能であって、当該狭小位置にあるときは当該特定始動口への遊技球の受け入れが不可能である一方、当該広大位置にあるときは当該特定始動口への遊技球の受け入れが可能となる受入防止部材、
を有する
技術的思想1〜7のいずれか1つに記載の遊技機。
上記受止誘導部材が、上記突出位置において遊技球を受け止めることが可能であると共に、上記突出位置で受け止めた遊技球を、上記突出位置から上記収容位置への切り替わりに際して溢すように構成されている。したがって、想定以上に遊技球が上記第2の始動口に受け入れられることが抑制されるようになり、予定通りに遊技機の性能が発揮されるようになる。