JP2008036490A - ミキシングブロワー - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動モーターによって回転する中空回転軸の先端部に設けたスクリューボスの外周部に段差を設け、該段差箇所に気泡吐出孔を複数設けることにより、回転による自吸効率を上げ、さらに、畜舎汚水処理施設等の曝気槽内の溶存酸素状態を向上させることが可能となるミキシングブロワーを提供することを目的とする。
【解決手段】駆動モーターと、該駆動モーターにより回転する空気取入口を備える中空回転軸と、該回転軸の先端に取り付けられたスクリューとからなり、該スクリューにおいて、スクリューキャップ先端が閉栓され、中空円筒体を形成するスクリューボスの外周部に段差を設けて、該段差箇所に気泡吐出孔を複数設ける構成とする。また、前記中空回転軸において、空気取入口に、ラム圧過給のためのダクトが設けられている構成とすることも可能であり、更に、前記スクリューが、中空軸に着脱自在である構成とすることもできる。
【選択図】図1
【解決手段】駆動モーターと、該駆動モーターにより回転する空気取入口を備える中空回転軸と、該回転軸の先端に取り付けられたスクリューとからなり、該スクリューにおいて、スクリューキャップ先端が閉栓され、中空円筒体を形成するスクリューボスの外周部に段差を設けて、該段差箇所に気泡吐出孔を複数設ける構成とする。また、前記中空回転軸において、空気取入口に、ラム圧過給のためのダクトが設けられている構成とすることも可能であり、更に、前記スクリューが、中空軸に着脱自在である構成とすることもできる。
【選択図】図1
Description
本発明は、畜舎汚水処理施設に用いられるミキシングブロワーであって、特に畜舎汚水処理施設の曝気槽内に溶存酸素を効率よく供給するミキシングブロワーに関するものである。
下水処理においては、微生物が有機物を分解するのに必要な酸素を供給するために、空気を吹き込んだり攪拌したりすること、即ち、曝気が必要となる。従来から、畜舎汚水処理施設においては、曝気槽による微生物を利用した好気性発酵等により処理する手段が行われているが、これは、ブロワーの高圧空気を散気管で細かな気泡にして送気する余剰活性汚泥曝気法である。しかし、該手法は、大掛かりな高圧空気発生装置を必要となってしまう。また、散気管の微細な穴が目詰まりしやすく、その目詰まりによって送気圧力が高くなり、送風量が減少する現象が発生すると共に、吐出される気泡粒が大きくなり、曝気槽内の総体の気泡粒の表面積が減少して酸素が溶けにくくなる問題点があった。
また、比較的安価で手軽な曝気機として、自吸式スクリュー型曝気機がある。これは、モーターの先端に取り付けられたスクリューの回転により発生する負圧を利用し、曝気槽内に空気を送り込む曝気装置である。しかし、該自吸式スクリュー型曝気機は、図4に示すように、スクリューキャップ先端に設けられた吐出口が比較的大きいため、排出される気泡粒が大粒となり、エアリフト力が高い気泡となってしまう。このため、前記同様、気泡粒の表面積が減少して酸素が溶けにくく、特に、曝気槽底部の好気性発酵等がされないという問題も生じている。
そこで、このような問題点を補う手段として、従来より、種々の技術が提供されている。例えば、深水曝気槽の底部まで届く中空軸の回転振動を抑えたことを特徴とする「曝機装置」(特許文献1参照)が提案されている。しかし、負圧により吸引された空気が開口部から吐き出されるため、微細な気泡を作ることができず、効率の良い好気性発酵等の促進を図ることができないという欠点がある。
また、スクリュー軸の外周を囲むように取り付けたカバー内への夾雑物の侵入を防止し、侵入した夾雑物を迅速に排出して夾雑物がスクリュー軸に絡み付くことを防止できるようにした「スクリュー式曝気機」(特許文献2参照)も提案されている。しかし、この技術によると、羽根の後部から前部へと空気を流すため、キャビテーションによる機器の性能低下・振動・騒音・壊食という問題が生ずるおそれがある。
さらに、ドラフトチューブを設けて、スクリューの回転において発生する水流と気泡を曝気槽底部へ導く、「高深水槽に適した曝気装置」(特許文献3参照)が提案されている。しかしながら、かかる技術は高深槽曝気槽には向くものの、比較的浅くて広い畜舎汚水処理施設に用いられる曝気槽には向かない。したがって、上記いずれの技術によっても前記問題点の解決には至っていない。
本発明は、上記問題点に鑑み、駆動モーターによって回転する中空回転軸の先端部に設けたスクリューボスの外周部に段差を設け、該段差箇所に気泡吐出孔を複数設けることにより、回転による自吸効率を上げ、さらに、畜舎汚水処理施設の曝気槽内の溶存酸素状態を向上させることが可能となるミキシングブロワーを提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、畜舎汚水処理施設に用いられるミキシングブロワーであって、駆動モーターと、該駆動モーターにより回転する空気取入口を備える中空回転軸と、該中空回転軸の先端に取り付けられたスクリューとからなり、該スクリューにおいて、スクリューキャップ先端が閉栓され、中空円筒体を形成するスクリューボスの外周部に段差を設けて、該段差箇所に気泡吐出孔を複数設けてなる構成となっている。
また、本発明は、前記中空回転軸において、空気取入口に、ラム圧過給のためのダクトが設けられている構成とすることもできる。
さらに、本発明は、前記スクリューが、中空回転軸に着脱自在となる構成を採用することも可能である。
従来の自吸式スクリュー型曝気機が、プロペラによって発生した流体の流速差から生じる負圧を利用して空気を吸引し、大きな吐出ノズルから排出するのに対し、本発明にかかるミキシングブロワーでは、プロペラによって発生する流体の流速差のみならず、スクリュー自体の回転による周速度から発生する速度差も利用し、特に、中空円筒体を形成するスクリューボスの外周部に周設された段差によって、更なる流速差を発生させ、相対的に大きな速度差を得ることを可能としている。従って、吐出孔付近には極めて大きな負圧が発生して空気が吸引されることとなり、該空気は小さな吐出孔から排出されるので、気泡粒が微細化され、曝気槽内の総体の気泡粒の表面積が増大し、曝気槽内の溶存酸素状態の向上を図り、好気性発酵が促進されるという優れた効果を得ることが可能となる。
また、従来の畜舎汚水処理施設の曝気槽内においては、小さな気泡吐出孔が目詰まりしやすいという問題点があったが、本発明におけるミキシングブロワーによれば、中空円筒体を形成するスクリューの回転により、遠心力が加えられて吐出されるため、比重量の大きな糞尿等は、その遠心力の作用によって外部へ放出され、小さな気泡吐出孔の目詰まり現象を回避することが可能となる効果を有するものである。
さらに、本発明にかかるミキシングブロワーによれば、先端に取り付けられたスクリューが、着脱可能なパーツとして従来の自吸式スクリュー曝気機に後付け可能なため、既存の畜舎汚水処理施設の曝気装置に低コスト且つ、容易に後付けすることができるものである。
さらにまた、本発明にかかるミキシングブロワーにおいて、前記中空回転軸の後端に設けられる空気取入口にダクトを設ける構成を採用した場合には、相対風による、いわゆるラム圧過給により、流入空気量が増大し、好気性発酵処理等の向上促進を図ることができるという優れた効果を発揮する。
以上のように、畜舎汚水処理施設の曝気装置の導入条件とされる製品の低コスト化、管理・維持の低ランニングコスト化、メンテナンスフリー化、装置全体の軽量・コンパクト化、高い曝気性、目詰まりしない安定性、装置の耐久性、既存の曝気装置の互換性において畜産農家の曝気槽の要求を満たすものである。
本発明は、ミキシングブロワー1に、溶存酸素を効率よく供給するために、スクリューボス3bの外周部に気泡吐出孔10を複数設けた構造を採用したことを最大の特徴とするものである。以下、本発明にかかるミキシングブロワー1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかるミキシングブロワー1の構成を示す全体斜視図である。詳しくは、駆動モーター2と、該駆動モーター2により回転する中空回転軸7と、該中空回転軸7の先端に取り付けられたスクリュー3とから構成されている。
駆動モーター2は、畜舎汚水処理施設等に用いられる曝気槽Bの上部に懸架される強固なフレーム部材上に軸着され、任意角度で固定される。該駆動モーター2は単相又は三相等の交流モーターが考えうるが、特に限定されるものではなく、回転制御可能な直流モーター等であってもよい。また、該モーター2は、攪拌目的の流体の粘性や、プロペラ9による外部抵抗等から、必要な出力の駆動モーター2を選択することとなるが、電源供給が困難な場所等の問題がある場合には、内燃機関等にも変更して使用可能である。なお、該駆動モーター2は、モーターカバー5によって全体が覆われ、異物混入を防止することで、安全性とメンテナンス性の向上を図っている。
中空回転軸7の軸径、長さ、肉厚及び材質等については、たわみやねじりモーメント、材料の比強度等から、使用する曝気槽Bの大きさや深さ等によって算出する。素材については特に限定されるものではないが、畜舎汚水処理施設の曝気槽内攪拌を目的とする場合は、攪拌する糞尿液等の流体の粘性が大きく、また、酸化しやすいため、高強度・耐食性の高い、継手なしステンレス鋼管等を用いることが望ましい。そして、該中空回転軸7の所定箇所には、空気吸入口4が備えられている。
また、図5に示すように、空気吸入口4に、空気吸入用ダクト8を設ける構成とすることもできる。かかる構成を採用した場合は、中空回転軸7自体が回転することで、ラム圧過給による流入空気量の増加を図ることが可能となる。中空回転軸7が回転すると、空気取入口4に設けた空気吸入用ダクト8によって中空回転軸7内に外部空気が取り入れられることとなり、このとき、中空回転軸7及びスクリュー3内部がラム圧ボックスとなって相対風によるラム圧過給作用が働き、より大きな排出力で気泡Kが曝気槽B内へ排出できるという効果を得ることが可能となる。取り付けは溶接やネジ等が一般的と考えられるが、不要なスワールの発生を抑えて整流することを考慮し、流路内には、凹凸や段差の少ない滑らかな形状が望ましい。また、該ダクト8の形状をシュノーケル状にして、空気取入口4を中空回転軸7の中心からより遠方にすることで、周速度を高めてより大きなラム圧を得る態様も有効である。
なお、該中空回転軸7は、ケーシング管6で覆う構造とする構成を採用することもできる。かかる構造とする場合には、曝気槽Bに浸水した中空回転軸7を、曝気槽B内の糞尿液等と分離することが可能になり、中空回転軸7の振動を防ぎ、さらに汚物類の絡まりを防止する役割を果たすこととなる。かかる態様を採用する場合には、該ケーシング管6の先端にベアリング等の軸受け部材を設けて、中空回転軸7を回転自在に軸支することとなる。
前記中空回転軸7の先端には、スクリュー3が設けられている。該スクリュー3は、中空回転軸7の先端に対して溶接等により一体的に設けることもでき、あるいは取り付け機構等を介して着脱自在に設けることも可能である。
図2は、本発明にかかるスクリュー3の構造を示す拡大斜視図である。該スクリュー3のスクリューキャップ3a先端は閉栓されており、また、スクリューボス3bは中空円筒体構造となっている。
該中空円筒体を形成するスクリューボス3bの外周部には、図に示すような複数の段差Dが周設され、該段差Dの部分には多数の気泡吐出孔10が設けられている。該気泡吐出孔10の直径及び数は、流体の粘性、プロペラ9付近の流速、空気の比重量等から発生する負圧を算出し、排出可能な空気流量を求め、気泡吐出孔10の総断面積からこれを決定する。
また、該スクリューボス3bの後端部には、プロペラ9が2枚以上設けられている。該プロペラ9は、一般的な攪拌用プロペラであればよく、枚数、形状、寸法、ピッチ、傾斜角等は攪拌目的流体物の粘性や曝気槽Bの大きさ等、及び使用するモーターの出力により選定する。そしてまた、該スクリューボス3bは、先端が絞られたテーパ状あるいはスピンナー形状に形成することもでき、該構成とした場合には、プロペラ9の傾斜角との関係により、排出される空気の流れ方向を、中空回転軸延長方向に対して、狭く長くすることもできるので、曝気槽Bが深い場合や、幅が狭くて長手方向に長い場合には効果的である。
図3は、本発明にかかるスクリュー3の作用効果示す断面図であり、図3(a)は側面断面図、図3(b)は正面断面図をそれぞれ示している。曝気槽Bに送気される空気の流れを図面に沿って説明すると、まず、駆動モーター2によってスクリュー3が回転し、スクリュー3の外部周辺にはプロペラ9によって、比重量の大きい糞尿液等に流れが生じ、高速流体となる。そうすると、ベルヌーイの定理に示されるように、速度差の生じる部分では圧力エネルギーが小さくなり、同一管路内にある比重量の小さい空気を吸引する。但し、係るプロペラ9によって得られる負圧の大きさは、従来の吸引式曝気機と異なるものではない。
しかし、本発明にかかるスクリュー3は、このプロペラ9によって得られる負圧のみならず、スクリュー3自体の回転による周速度から発生する負圧をも利用しており、特に、スクリュー3を形成するスクリューボス3bの外周部に周設された段差Dによって生じる流速差から相対的に大きな流速差を得ることによって、より大きな負圧を発生させ、吸入口4を介して中空回転軸7へ空気が吸気される点である。
さらに、スクリュー3の回転による遠心力も加えられることになるので、従来製品(図4参照)と比して、より大きな吸引力で空気が吸気され、気泡吐出穴10より微細な気泡K粒として多量に曝気槽B内全体に放出されることとなる。図4は、本願発明と対比するために、従来製品の断面形状を示すものであり、気泡吐出孔10が大口径であるため、吐出す気泡粒Kが大粒となってしまうことを示している。
図6は、本発明にかかるミキシングブロワー1の実施形態を示す説明図であり、図6(a)は、稼動状態の平面図、図6(b)は、稼動状態の断面図をそれぞれ示している。該ミキシングブロワー1は、楕円形の対流循環式のオキシデーションデッキ型の曝気槽に対角位置に設置することによって、円滑な流れを生じさせるとともに、曝気槽B内の溶存酸素状態を向上させ、その効力を増大させている。該ミキシングブロワー1の接地に際しては、水面から約35〜45度の角度で取り付けられるのが好ましいが、この角度に限定されるものではなく、曝気槽の深さに応じて、微細気泡Kが底部に届く角度であればよい。
本発明は、特に畜舎汚水処理施設の曝気槽を微生物を利用した好気性発酵等により処理するミキシングブロワーとして提案しているが、これ以外に大型の下水・汚水処理施設用としてや家庭用の汚水処理槽用としても幅広く利用される可能性がある。
1 ミキシングブロワー
2 駆動モーター
3 スクリュー
3a スクリューキャップ
3b スクリューボス
4 吸入口
5 駆動モーターカバー
6 ケーシング管
7 中空回転軸
8 ダクト
9 プロペラ
10 気泡吐出孔
B 曝気槽
K 気泡
D 段差
2 駆動モーター
3 スクリュー
3a スクリューキャップ
3b スクリューボス
4 吸入口
5 駆動モーターカバー
6 ケーシング管
7 中空回転軸
8 ダクト
9 プロペラ
10 気泡吐出孔
B 曝気槽
K 気泡
D 段差
Claims (3)
- 畜舎汚水処理施設に用いられるミキシングブロワーであって、駆動モーターと、該駆動モーターにより回転する空気取入口を備える中空回転軸と、該回転軸の先端に取り付けられたスクリューとからなり、該スクリューにおいて、スクリューキャップ先端が閉栓され、中空円筒体を形成するスクリューボスの外周部に段差を設けて、該段差箇所に気泡吐出孔を複数設けてなることを特徴とするミキシングブロワー。
- 前記中空回転軸において、空気取入口に、ラム圧過給のためのダクトが設けられていることを特徴とする請求項1記載のミキシングブロワー。
- 前記スクリューが、中空軸に着脱自在であることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載のミキシングブロワー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006211573A JP2008036490A (ja) | 2006-08-03 | 2006-08-03 | ミキシングブロワー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006211573A JP2008036490A (ja) | 2006-08-03 | 2006-08-03 | ミキシングブロワー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008036490A true JP2008036490A (ja) | 2008-02-21 |
Family
ID=39172115
Family Applications (1)
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JP2006211573A Pending JP2008036490A (ja) | 2006-08-03 | 2006-08-03 | ミキシングブロワー |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008036490A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011255290A (ja) * | 2010-06-08 | 2011-12-22 | Eddy Plus Co Ltd | 攪拌用回転体および攪拌装置 |
-
2006
- 2006-08-03 JP JP2006211573A patent/JP2008036490A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011255290A (ja) * | 2010-06-08 | 2011-12-22 | Eddy Plus Co Ltd | 攪拌用回転体および攪拌装置 |
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