JP2008032606A - レーザー誘起プラズマ分光分析法における解析方法とその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、LIPS計測法において、レーザーパルスエネルギーの計測を利用せずに、プラズマそのものの情報から、プラズマ状態を特定できる手法を提示すること、更にはそのことによってコンパクトであるだけでなく精度の良いLIPS計測装置を提供することにある。
【解決手段】本発明のLIPS定量計測の解析手法は、例えば炭化水素系燃料と空気の混合状態の測定において、水素を着目原子としその486nmと656nmのスペクトル線のピーク値の比を算出してプラズマ状態の判定に利用するなど、プラズマスペクトルにおける1つ以上のスペクトルピーク値に基づいてプラズマ状態を判定し、校正データとして用いるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は物質(気体、液体、固体)の組成分析法であるレーザー誘起プラズマ分光分析法において、定量的な計測を行う際のスペクトル解析の方法に関する。
レーザー誘起プラズマ分光分析法(Laser Induced Plasma Spectroscopy :以下、LIPS法という。)では、パルスレーザー光をレンズで集束させてプラズマを発生させ、プラズマが冷却する過程で発する光のスペクトル分析を行うことで、物質の元素組成を調べる。LIPS法は物質の元素組成を調べる手法として広く用いられている。これまでLIPS法は、固体試料の元素分析に用いられることが多かったが、近年、ガス組成分析への適用が注目され始めている。
本出願人の航空エンジン技術開発センターでは、LIPS法を用いて、航空機エンジン燃焼器における燃料と空気の混合度(当量比)を計測する研究を進めている。図7に示したのが、そのLIPS計測システムである。レーザー発振器1から放射したレーザービームを集光レンズ4によって試料に焦点照射し、レーザー誘起プラズマを発生させる。発生したプラズマを分光分析器8を用いて周波数分離してスペクトルを得、ICCDカメラ9を用いて画像化する。この装置はレーザー誘起プラズマを発生させる装置と受光及び分光分析のための装置から構成され、図中3はミラー(反射率5%)であり、5はビームダンパ、6はレンズ、7は光ファイバ、そして2は試料への照射前後のビームエネルギーを測定するパワーメータである。図3に示したグラフは、2つの異なる当量比の混合ガスについて計測された分光スペクトルの例である。元素の種類やエネルギー緩和の過程によって発光波長が異なるが、このデータから、当量比が増加すると水素原子からの発光に対応する波長のピーク値が大きくなることがわかる。これは燃料であるメタン(CH)の割合の増加によるものである。このような性質を利用して、エンジン燃焼器内部の当量比分布の計測を行っている。このLIPS法は、計測装置のコンパクト化が図れることや光学系設定が比較的容易にできるという利点を持っていることから、計測が困難な高温高圧条件におけるジェットエンジン内部の計測やセンサーとしての応用が期待されているところである。
LIPS法で定量的な計測を行う場合には、発生するプラズマの状態が、レーザーやレンズで構成される光学系の特性に依存することに注意を払う必要がある。即ち、どのようなプラズマ状態における発光スペクトルなのかを明確に把握することが必要となる。特に、気体を対象としたLIPSにおいて入射エネルギーが小さいという条件下では、プラズマ状態の変動が大きくなる。そのため、定量計測には、プラズマ状態の特定が重要な要件となる。従来手法では、プラズマ発生に使われたエネルギーを、プラズマ発生前後のレーザーパルスエネルギーの差と考えることで、校正実験を行っている(非特許文献1参照)。しかし、プラズマ状態は、レーザー光源やレンズなどの光学系にも依存するため、使用する光学系ごとに校正実験を行う必要性がある。また、レーザーパルスエネルギーをモニターするためには、従来装置では図7に示すように、入射側レーザー光のエネルギーとプラズマ発生後の出射レーザー光のエネルギー差を検出して発生したプラズマの状態を推定するため、プラズマの前後二箇所にパワーメータ2を設置する必要がある。このパワーメータの配備は、装置をコンパクト化する際にデメリットとなる。計測対象によっては、プラズマ前後にエネルギー計測器を設置できない場合があり、計測対象が限られるという制約も生じる。また、通常、装置のコンパクト化の観点から、入射レーザーのパワーは小さいことが望まれるが、パワーが小さいほどパルスごとのプラズマ状態の変動は大きくなるため、従来は、特許文献1に見られるように比較的大きなレーザーパワーを用い、かつ、一つの光学系のみを用いて校正実験を行うことが多かった。
米国特許第6,700,660号明細書 “ Method and apparatus for in-process liquid analysis by laser induced plasma spectroscopy” March 2, 2004 T.X. Phuoc, F.P. White,"Laser-Induced Spark for Measurements of the Fuel-to-Air Ratio of a Combustible Mixture" Fuel,81 (2002) 1761-1765.
本発明の課題は、前述したような従来手法の問題点を解決すること、すなわち、LIPS計測法において、レーザーパルスエネルギーの計測を利用せずに、プラズマそのものの情報から、プラズマ状態を特定できる手法を提示すること、更にはそのことによってコンパクトであるだけでなく精度の良いLIPS計測装置を提供することにある。
本発明のLIPS定量計測の解析手法は、プラズマスペクトルにおける1つ以上のスペクトルピーク値に基づいてプラズマ状態を判定し、校正データとして用いるようにした。
具体的には、炭化水素系燃料と空気の混合状態の測定において、水素を着目原子としその486nmと656nmのスペクトル線のピーク値の比を算出してプラズマ状態の判定に利用するものとした。
本発明のLIPS定量計測の解析手法は、一方の成分量に依存するスペクトル線のピーク値と他方の成分量に依存するスペクトル線のピーク値の比を算出し、異なるスペクトル線のピーク値の2つ比が近い値を示すときのみデータを採用して解析することにより、計測精度を向上させるようにした。
本発明のLIPS定量計測の解析手法は、計測精度を向上させるためにレーザー集束点に発生するプラズマ核の数が一つのときのみ解析を実施するものとした。
本発明のLIPS定量計測の解析手法は、レーザー集束点に発生するプラズマのサイズ情報をスペクトル線のピーク値情報と総合することによって、計測対象ガスの温度の計測精度を向上させるようにした。
本発明のLIPS定量計測装置は、レーザービームを照射するレーザー発振器とレーザービームを集光するレンズと、レーザー焦点領域の発生するプラズマの光を受光する光学系と、該受光光を分析する分光分析器と、スペクトルを撮像するICCDカメラとを備えたLIPS装置において、レーザー焦点領域に発生するプラズマを撮像する光検出装置と、発生するプラズマ核の数が一つのときのみ解析を実施する手段とを増設した。
また、本発明のLIPS定量計測装置は、レーザービームを照射するレーザー発振器とレーザービームを集光するレンズと、レーザー焦点領域の発生するプラズマの光を受光する光学系と、該受光光を分析する分光分析器と、スペクトルを撮像するICCDカメラとを備えたLIPS装置において、計測対象ガスの温度の計測精度を向上させるためレーザー焦点領域に発生するプラズマを撮像する光検出装置と、プラズマのサイズ情報をスペクトル線のピーク値情報と総合する手段とを増設するようにした。
本発明のLIPS定量計測の解析手法は、プラズマスペクトルにおける1つ以上のスペクトルピーク値に基づいてプラズマ状態を判定し、校正データとして用いるようにしたので、従来装置に必要であったレーザーパルスエネルギーの計測手段が不要となり、コンパクトな構成で試験領域に配置することができる。また、レーザーパルスエネルギー差からではなくプラズマ状態を反映する1つ以上のスペクトルピーク値に基づいてプラズマ状態を判定するものであるから、計測精度が向上する。また、従来技術では、光学系ごとに校正実験を行う必要があったが、本発明では計測しやすい単純形態の実験設定で行った校正実験の結果(校正曲線)を光学系の異なるシステムにおいても利用することができる。更には、校正曲線をデータベース化することも可能であり、データベースができれば、各自が校正実験を行う必要がなくなる。
炭化水素系燃料と空気の混合状態の測定において、最も放射レベルの高い水素を着目原子としプラズマ状態を反映するその486nmと656nmのスペクトル線のピーク値の比を算出して校正するようにしたので、計測精度が向上された。
本発明のLIPS定量計測の解析手法は、一方の成分量に依存するスペクトル線のピーク値と他方の成分量に依存するスペクトル線のピーク値の比を算出し、異なるスペクトル線のピーク値の2つ比が近い値を示すときのみデータを採用するようにしたので、データの信頼性が増し計測精度を向上させることができた。
本発明のLIPS定量計測の解析手法は、レーザー集束点に発生するプラズマ核の数が一つのときのみ解析を実施するものとしたので、異なるプラズマ状態からの発光情報が混在する場合のデータを排除でき、計測精度を向上させることができる。
本発明のLIPS定量計測の解析手法は、レーザー集束点に発生するプラズマのサイズ情報をスペクトル線のピーク値情報と総合することができるので、計測対象ガスの温度の計測精度を向上させることができる。
本発明のLIPS定量計測装置は、従来のLIPS装置に加えて、レーザー焦点領域に発生するプラズマを撮像する光検出装置と、発生するプラズマ核の数が一つのときのみ解析を実施する手段とを備えるものであるから、異なるプラズマ状態からの発光情報が混在する場合のデータを効果的に排除でき、計測精度を向上させることができる。
また、本発明のLIPS定量計測装置は、従来のLIPS装置に加えて、レーザー焦点領域に発生するプラズマを撮像する光検出装置と、プラズマのサイズ情報をスペクトル線のピーク値情報と総合する手段とを増設するようにしたものであるから、計測対象ガスの温度の計測精度を向上させることができる。
本発明の解析方法は、1つ以上の原子(またはイオン)の電子的励起状態を、プラズマスペクトル上の対応波長におけるピーク値(またはピーク値の比)からプラズマ状態を判定しようとするものである。まず、プラズマスペクトル上の対応波長におけるピーク値(またはピーク値の比)からプラズマ状態を判定できる根拠について説明する。プラズマスペクトル上のピーク値は原子の種類によって波長が特定され、励起された電子のレベルに対応して波長毎のレベルが決まる。因みに水素については図3からも分かるように486nmと656nmのピークが観察される。今、エンジン燃焼器における炭化水素と空気の当量比測定に用いる目的でLIPS計測を行う場合における波長486nmの水素のピーク値と波長746nmの窒素のピーク値の比(H486/N746)と当量比との関係を示す。水素は炭化水素の量に対応し、窒素は空気の量に対応する原子である。さて、図4に示したものは波長486nmの水素のピーク値と波長656nmの水素のピーク値の比(H486/H656)がそれぞれ0.04,0.50,0.60,0.70,0.80であるときのデータ毎に整理したものである。このように(H486/N746)値と当量比との関係はほぼ線形に近い特性曲線であるが(H486 /H656)値によってシフトされる関係にあることが認められる。すなわち、この(H486/H656)値は励起された水素の電子がどのレベルに励起されたかの比率に対応するものであるから、これはとりもなおさずその際のプラズマ状態を示すものと解される。すなわち、そのときのプラズマ状態に対応した(H486/H656)値を把握しておけば、得られた(H486 /N746)値から当量比を推定することができることになる。本発明はこの知見に基づいてなされたもので、プラズマ状態を示すこの(H486/H656)値毎の(H486 /N746)値と当量比との関係を示すテーブルが校正曲線として用いられる。
スペクトル線(波長)の選択は、使用する光学系の構成や調べたい原子(またはイオン)によって決められる。例えば、エンジン燃焼器の当量比測定に用いる目的でLIPS計測を行う場合、計測精度を向上させるために、燃料と酸化剤に由来する独立した3つ以上のエミッションピークを利用する。得られた2つのピーク比の値が近い値を示すときのみ解析が実施される。
図1に本発明に係る計測システムの概要図を示した。このシステムは、レーザー発振器1から放射したレーザービームを集光レンズ4によって試料に焦点照射し、レーザー誘起プラズマを発生させ、発生したプラズマを分光分析器8を用いて周波数分離してスペクトルを得、ICCDカメラ9を用いて画像化するという点では図7に示した従来のLIPS装置と同様であり、上記の構成が採られている。ただし、本システムはプラズマ状態をプラズマ発生前後のレーザーパルスエネルギーの差から推定するものではないので、この装置では従来装置における2つのミラーと2つのエネルギーメータは不要となるが、得られたスペクトル情報についてプラズマ状態を把握するための異なる処理がなされることになる。図中のレンズ6はプラズマ発光を捉えるものであり、プラズマの光は指向性を持つものではないので図のようにレーザービームに対して垂直な配置に限定されるものではない。ビームダンパ5は必須のものではなく場合によっては省略しても良い。また、本発明に係るシステムの好ましい態様として後述する機能を備えるICCDカメラのようなプラズマ現象観察用の光学検出器10を配置する。
本発明における解析、ここでは異なる物質の当量比の測定を想定したフローチャートを図2に示す。まず、ステップ1でレーザー発振器1からレーザーパルスを照射して焦点領域にある試料をプラズマ状態にする。ステップ2ではパルス毎に発生するプラズマについてスペクトル情報を光学系を介して取得する。ステップ3ではプラズマ状態を把握するため着目する原子Aの異なる周波数のエミッションピーク値の比(A/A)を計算する。ステップ4では一方の物質の着目原子Aのピーク値Aと他方の物質の着目原子Bのエミッションピーク値の比(A/B)を計算する。ステップ5では(A/A)値毎の(A/B)値と当量比との関係を示すテーブルを準備しておき、そのテーブルを参照して先に求めた(A/A)値を特定しその校正特性から(A/B)値に対応する当量比の校正値を得る。ステップ6では先の原子Aのピーク値Aと他方の物質の着目原子Cのエミッションピーク値の比(A/C)を計算する。ステップ7ではテーブルを参照して先に求めた(A/A)値を特定しその校正特性から(A/C)値に対応する当量比の校正値を得る。このステップ6とステップ7はステップ4とステップ5に並行して実施しても良い。ステップ8では得られた異なる原子のエミッションピーク値を基に算出した双方の当量比が規定された制限内の値(例えば2.5%)であることを確認し、制限内であれば適正な測定値として採用し、制限内でなければ不採用として測定を終える。なお、BとCは他の物質にのみ含まれる原子の異なるスペクトル線であればよく、異なる原子のスペクトル線に限らず、波長が異なる同一原子のスペクトル線であっても良い。
図2において右側の破線枠で囲った部分のステップ9乃至ステップ11までは必須の構成ではないが、オプションとして推奨の手法である。このステップはプラズマ状態をモニタするイメージ増強機能付のダイオード・アレイやCCD素子アレイなどのような光検出器10(図1参照)を配置することが必要となる。ステップ9ではプラズマのサイズや発生するプラズマ核の数を、プラズマ観察用光検出器10によって撮像する。ステップ10では撮像した画像情報からプラズマ核の数がいくつあるか判定する。ステップ11ではプラズマ核の数が1つのときのみ、プラズマ状態の特定及び、LIPS解析を行うこととし、ステップ3においてなされる「原子Aの異なる周波数のエミッションピーク値の比(A/A)の計算を」実行させ、1つ以上であったときはその計算を中止する。即ち、プラズマ核の数によって計測を行うか否かのON/OFF条件として用いるのである。プラズマ核が複数あるということは複数のプラズマ状態のスペクトルが混在していることであり、正しい計測ができない。このステップを加えることにより、得られた測定値の信頼性は高くなる。
また、ステップ9ではプラズマ観察用光学検出器10によってプラズマ核の数の他、プラズマのサイズを検出することができる。この検出値はスペクトルのレベル情報と総合して判定することにより計測ガスの温度計測精度をより向上させることができる。
次に、2つの異なる実験条件における実験結果の例を示す。1つ目の条件は、10kwの熱発生率をもつ、比較的小さなメタン−空気の予混合バーナーの常温条件を計測対象とした。光源には、120mJ−8nsのスペックを持つNd:YAGレーザー発振器を用い、本発明の手法による当量測定を実施した。図3のグラフは実はこの2つの当量比条件における平均プラズマスペクトルを示したものである。各元素のエミッションの値は、各波長における背景レベル(ピークの現れていない範囲における平均値)を取り除いてから、ピークをはさんで±3nmの平均を取ることで決定した。
もう一つの実験では、100kw級の熱発生率をもつ、700Kに予熱したメタン−空気予混合燃焼器を対象とした。光源には、400mJ−7nsのスペックを持つNd:YAGレーザーを用いて本発明の手法による計測を実施した。図5のグラフは、この条件における当量比計測結果を、1つ目の実験条件における結果とともに示したものである。異なる実験設定における当量比計測結果が良い一致を示していることから、本発明が提案する解析手法によって、一般性のある校正が行われていることが確認できる。
図6は、従来手法による校正を行った場合と本提案手法による校正を行った場合との精度の違いを示したものである。横軸に当量比を取り、縦軸に計測値の不確実性を取り当量比毎の計測値の不確実性を%で示したグラフである。(H486 /H656)値が0.50,0.60,0.70のときの本発明の解析手法による計測データの信頼性はそれぞれ若干の差があるものの、従来法による信頼性に比べ、遙かに高くなっているこが見て取れる。また、2つの異なるエミッションピーク値を基に算出した当量比が規定された制限(2.5%)内の値であることを確認して得た計測値は、更に信頼性が高くなっていることが分かる。本提案手法による校正を行った場合、広い当量比範囲で精度の顕著な改善がなされることが確認できた。
自動車エンジン、ガスタービンエンジンにおける当量比計測、バーナー出口での有害な金属の濃度計測など、産業上の利用可能性は多岐にわたる。LIPS計測が行われる全ての場合にこの解析手法を取り入れることで、計測精度の改善が期待できる。特に、プラズマ状態の変動が問題となるような計測ではその効果は大きいといえる。
本発明のLIPS定量計測装置の基本構成を示す図である。 本発明のLIPS定量計測における解析方法のフローチャートである。 2つの当量比条件における平均プラズマスペクトルを示したものである。 486 とN746のピーク比と当量比との関係における水素励起状態の影響を示したグラフである。 本発明の手法による2つの異なる実験条件でのH486 とN746のピーク比を示したグラフである。 本発明の手法による計測精度の向上を示すグラフである。 従来のLIPS定量計測装置の基本構成を示す図である。
符号の説明
1 レーザー発振器(Nd-YAGレーザー) 2 パワーメータ
3 ミラー(5%反射) 4 集光レンズ
5 ビームダンパ 6 レンズ
7 光ファイバ 8 分光器
9 ICCDカメラ 10 プラズマ観察用光検出器

Claims (7)

  1. プラズマスペクトルにおける1つ以上のスペクトルピーク値に基づいてプラズマ状態を判定し、LIPS定量計測の校正データとして用いる解析手法。
  2. 炭化水素系燃料と空気の混合状態の測定において、水素を着目原子としその486nmと656nmのスペクトル線のピーク値の比を算出してプラズマ状態の判定に利用するものである請求項1に記載の解析手法。
  3. 一方の成分量に依存するスペクトル線のピーク値と他方の成分量に依存するスペクトル線のピーク値の比を算出し、異なるスペクトル線のピーク値の2つ比が近い値を示すときのみデータを採用して解析することにより、計測精度を向上させることを特徴とする請求項1または2に記載の解析手法。
  4. レーザー集束点に発生するプラズマ核の数が一つのときのみ解析を実施するものとした請求項1乃至3のいずれかに記載の解析手法。
  5. レーザー集束点に発生するプラズマのサイズ情報をスペクトル線のピーク値情報と総合することによって、計測対象ガスの温度の計測精度を向上させる請求項1乃至4のいずれかに記載の解析手法。
  6. レーザービームを照射するレーザー発振器とレーザービームを集光するレンズと、レーザー焦点領域の発生するプラズマの光を受光する光学系と、該受光光を分析する分光分析器と、スペクトルを撮像するICCDカメラとを備えたLIPS装置において、レーザー焦点領域に発生するプラズマを撮像する光検出装置と、その撮像情報に基づいて請求項4に記載の解析を実行する手段とを増設したものであるLIPS装置。
  7. レーザービームを照射するレーザー発振器とレーザービームを集光するレンズと、レーザー焦点領域の発生するプラズマの光を受光する光学系と、該受光光を分析する分光分析器と、スペクトルを撮像するICCDカメラとを備えたLIPS装置において、レーザー焦点領域に発生するプラズマを撮像する光検出装置と、その撮像情報に基づいて請求項5に記載の解析を実行する手段とを増設したものであるLIPS装置。
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