本発明は、利点のうちとりわけ、上述の欠点を解決し、特に、車両の地面接触システムに用いられる変形可能な物品又は製品の本来の機械的性質を考慮に入れる仕方で電子装置を一体化することを提案し、変形可能な物品又は製品は、本明細書においては、防振カップリング又はタイヤ、或いはタイヤ内部に設けられる安全支持体、例えば、特にミシュラン社により市販されているPAXシステム内に設けられた支持体に及んでいる。
情報を提供する目的で、本発明と関連して、「タイヤ」という用語は、インフレート可能なタイヤ及び弾性中実タイヤ又はキャタピラ軌道にそのまま当てはまり、これら用語は全て、均等なものとして解釈され、本発明の説明は、これらゴム製品を通信用計装物体に向けることができるようにする手段を提供することを目的としていることは、指摘されるべきである。
より詳細には、本発明は、種々の一体化要素相互間の機械的観点からは見えない電気接続部を形成し、構成される電子複合体を定位置に配置することにより計装の性能を向上させることを提案している。
本発明は、その特徴のうちの1つにおいて、車両の地面接触システムに用いられる変形可能な製品又は物品に、その製造中及びその加硫前に取り付けることができる電子接続要素に関する。接続要素は、少なくとも1本の電線、好ましくは複数本の電線で構成される電気ハーネス又は配線を有し、かかる電線は、相互に平行な経路を取ることができ、電線の各端部は、別々の機能ユニットに接続されるのがよく、かくして、ワイヤは、ガルヴァニック接続を保証し、機能ユニット相互間の間隔は、例えば信号が弱い圧電センサの場合数ミリメートルから例えばタイヤに対して直径方向反対側に位置する2つのセンサが同一の処理ユニットに接続される場合における10センチメートル以上までの値を取る場合がある。電線は、性状がタイヤ構造体に既に用いられている補強材とほぼ同一の真鍮被覆鋼のワイヤであるのがよい。ハーネスは、所定の幾何学的形状に従って、支持体内に一体化され、このハーネスが破損せず又はこれを包囲する支持体に対してインターフェイスのレベルで相対変位を生じることなく、支持体に及ぼされる引張力に耐えるようになっている。支持体は、タイヤの分野において従来用いられている配合ゴムと適合性があるあらかじめ架橋された、好ましくは絶縁性のエラストマーで構成されている。「適合性がある」という用語は、配合ゴムとエラストマーを並置した場合に、加硫ステップにより、密な結合が保証されるということを意味するものと理解されるべきである。
有利には、計装に使用される機能ユニットもまたそれ自体、少なくとも部分的に支持体内に一体化される。この点に関し、本発明は、その特徴のうちの1つにおいて、電気ハーネスに接続され、好ましくは、タイヤ又はより一般的にはゴム製品内にその計装のために一体化されたエレクトロニクスを全て有する計装複合体に関する。かくして、複合体は、任意的に制御ユニットと関連した処理ユニットを有するのがよく、この制御ユニットは、配線により少なくとも1つのセンサ及び(又は)アクチュエータに接続される。複合体は、アンテナを更に有するのがよい。
好ましい実施形態のうちの1つでは、電気接続要素及び(又は)計装複合体の支持体の厚さは、小さくて、1ミリメートルオーダのものであり、したがって、電気接続要素又は複合体全体をタイヤ製造プロセスを実際には改変しないで、例えばタイヤのブランクの組立て中定位置に配置できるようになっている。
別の特徴では、本発明は、車両の地面接触システム用の計装状態のゴム製品、例えば計装状態のタイヤを製造し、即ち、電子部品及びこれらの電気接続部をかかる製品内に一体化する方法に関する。
タイヤを成型する従来方法では、タイヤの種々の構成要素、多くの場合、半完成品を所定の順序に布設することによりかかる構成要素を組み立ててタイヤブランクを作る。本発明の方法では、上述の電気接続要素及び(又は)計装複合体を組立て中、定位置に配置する。好ましい一実施形態によれば、計装を定位置に配置する前又は後に、付形ステップを組立て中に行う。この後者の場合、電気ハーネスは、タイヤの使用中とこの付形ステップの両方において、電線の表面とを隣接の支持体の表面との間に変位が生じないようなものである。
これらステップの次に、組立体全体の加硫を行い、加硫中、支持体及びこれを取り巻くゴムのエラストマー鎖(チェーン)は、一体配合物を形成するよう織成状態になり、即ち、これら2つの構成要素相互間の架橋が密である。
本発明の最後に、車両の地面接触システムに用いられる変形可能な製品、例えばタイヤであって、電線を有し、電線は、これらがインターフェイスのレベルでタイヤを構成するポリマー材料に対して相対変位を生じないような仕方で一体化された変形可能な製品に関する。有利には、電線は、タイヤ計装を構成する機能ユニットと関連し、これら要素に隣接して位置するゴムは、絶縁性である。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の説明を読むと明らかになり、以下の説明は、タイヤにのみ関するが、これには限定されず、以下の説明は、添付の図面を参照して行われ、これら図面は、説明のためにのみ与えられており、本発明をなんら限定するものではない。
図1は、公知のタイヤ1の半径方向断面図であり、このタイヤは、リム2と共に、空気の入った容積部3を構成している。タイヤ1は、多くの種々の組立て状態の層で構成されている。例えば、従来型のタイヤ製造中、カーカス4をシリンダ状の不透性層5上に形成し、次に、圧力を増大させることによりトーラスの状態に付形する。カーカス4の付形中、或る特定の部分は、40%以上のオーダの伸び及び(又は)変形を生じる。種々の補強要素で形成されたクラウン6が、付形されたカーカスに取り付けられ、タイヤを補強するのに役立つクラウン補強材6は従来通り、複数枚の重ね合わされた交差状態のプライを有し、任意的に「たが」となるプライを有するのがよい。これらは一般に、特に交差状態のプライの場合、金属補強コードを有すると共に(或いは)テキスタイル補強コードを有する。
次に、タイヤを構成する配合ゴムの種々の層、特に、外部トレッドを追加することによりタイヤブランクを完成させる。
付形前後に布設された連続した配合ガムの層は、互いに異なる性状のものであるのがよく、これら配合ゴムの層は特に、ゴム又は別のエラストマーで構成され、これらにはシリカ及び(又は)カーボンブラックが入っており、更に、特に加硫系統を構成する種々の添加剤も入っている。
次に、最終ステップである加硫により、タイヤブランク1を最終的な形状に設定することができ、次にこれはいつでもリム2に取り付けられる状態にある。
当然のことながら、タイヤ1の計装用の測定装置をゴム7又は事実上、リム2に取り付けることが可能である。しかしながら、この解決策は、数個のホイールパラメータに適用できるに過ぎず、タイヤ1に対して行われる真の測定には適用できず、更に、この場合に必要な接合は、長期間にわたって考えると信頼性が無い。
かくして、タイヤ1の真の計装は、種々の組立て状態の層相互間のしっかりとした結合を保証し、材料がその完全な機械的性能を発揮できる最終の加硫ステップ前に、種々の装置の一体化を必要とする。さらに、寸法形状を修正変更した状態であっても実施時に付形ステップにおいて相当大きな応力が伴うとすれば、カーカス4をいったん付形して電子装置を一体化することが好ましい場合がある。しかしながら、電線の幾何学的形状を正確に寸法決めすることにより(以下に更に詳述する)、計装複合体を定位置に配置し、次にブランクを付形することが可能である。
本発明のタイヤの計装では、必然的に、機能ユニットをタイヤブランク内に埋め込むことが必要であり、これら機能ユニットは例えば、センサ及び(又は)タイヤを識別する電子ラベル及び(又は)モニタ装置並びにこれら全体と関連した電子ユニットである。センサは、パラメータに敏感な信号を取り出し又はパラメータを測定するのがよく、力センサ及び(又は)温度センサ及び(又は)圧力センサ等が可能である。また、これら機能ユニットのうちの1つが、単独でパラメータを修正したり制御するよう作用するアクチュエータであり又はかかる機能ユニットをセンサ付きの調整ループに組み込むことが実施可能である。
電力供給すると共に(或いは)測定データを送るために、機能ユニットは従来通り、アンテナ(これは、電磁アンテナである場合が多い)に接続する。
図2は先行技術で知られているように、ゴム内に設けられた計装類を有するタイヤ10の略図である。機能ユニット、ここではセンサ12がタイヤ10の外部に設けられた制御又は放射装置14により制御されるよう設計されている。遠隔制御方式が、電力の供給及び(又は)記録されたパラメータの通信に適用できる。この目的のため、センサ12は、放射装置14の放射アンテナ18に電磁的に結合されるよう設計された誘導性受信アンテナ16に接続されている。受信アンテナ16はこの場合、導電性ワイヤから成る2つのループで形成されているが、他の形態が可能である。また、タイヤの使用に付きものの変形に対処するため、アンテナワイヤは、タイヤの受ける応力、特にその変形を損傷の恐れなく受けることができるように起伏して又は波形に(しかしながら、他の形態も知られている)配置されていることが注目できる。
すでに言及したように、この公知の計装は、すぐにその限界に達する。具体的に言えば、記録された信号は、単純であって、制御ユニット14に直接送信できなければならず、或いは、信号の処理は、センサ12内で直接行われなければならず、それにより、処理をセンサから離れた現場に再配置する可能性が無くなるが、これが好ましい場合がある。
さらに、まもなく明らかになることとして、センサ12の個数は、制限されたものでなければならない。しかしながら、タイヤの周囲に沿って一様に又は非一様に分布して位置し又はサイドウォール及びトレッド内に位置する種々の場所でパラメータを測定することが望ましい場合のあることが判明した。この場合、効率及び信頼性のために、信号の処理を同じ処理ユニットで行うことが望ましいように思われ、効率のため且つこの場合に必要なアンテナの数に鑑みて、このユニットは、タイヤの外部には配置されない。この場合、記録されると共に(或いは)測定される信号の性質に応じて、1本又は2本以上の電線から成る電気接続方式が推奨される。この電気接続方式は、タイヤの使用に起因して生じ、アンテナについて上述したのと同一の機械的応力に直面しなければならない。
有利には、電気接続配線に用いられる電線は、例えばクラウン6の補強材に用いられるワイヤと性状がほぼ同じであり、かかるワイヤは、真鍮で覆われた鋼で作られる場合が多く、良好な機械的性能を保持しながらタイヤの配合ゴムと適合性があってタイヤの配合ゴム内への組込みに適していることが知られている。しかしながら、この機能はここでは、電気接続をこれに伴う抵抗性及び導電性の特徴と共に提供することにあり、必要な絶縁の結果として、これら電線は、絶縁ポリマーにより包囲される。
事実、電気配線に課される別の制約は、エラストマー及び(又は)シリカ及びカーボン入りのゴムで作られ、僅かに導電性であるタイヤのまさにその性状に起因して生じる。しかしながら、信号伝送のための電気接続では、電線を相互に電気的に絶縁すると共に絶縁環境内に布設しなければならない。本発明の接続要素の電線は、タイヤの弾性変形時、電線と支持体との間のインターフェイスのところで運動が生じることが無いような仕方で支持体と関連して組み込まれ、即ち、これと一体である。本発明との関連では、導体は、これらが配置されている環境に合わせて同一に変形するが、ワイヤそれ自体は、非弾性なので一定の長さを保つ。すなわち、引張力が支持体に加えられると、支持体は、電線の辿る経路の幾何学的形状に起因して、電線が抵抗を増大させないで伸長する場合があり、更に、インターフェイスのところでは、電線の表面とこれに隣接した支持体の表面との間には変位が生じない。付着性を高めるため、支持体内への埋め込み前に電線の表面の処理を行うことが可能である。
図3に示すような好ましい実施形態によれば、電気接続要素20は、電線22のハーネスを有し、これら電線は、本数が様々であってよく、例えば12本設けられる。電線は、その延伸時に2本の電線相互間の剪断を回避するよう互いに触れ合っておらず、かくして、各電線22は、その隣りの電線に対し平行な経路を取るのが望ましい。
一実施形態では、電線22は、起伏を生じながらエラストマー内に平らに布設される。起伏の振幅に応じて、各電線が互いに「嵌入する」(図3A参照)幅の広い起伏部を呈する幾何学的形状を備えたハーネス24又は電線が図3Bに示すように互い平行な経路に沿ってピッチが小さく、振幅が小さい起伏部を呈する「起伏軌道」を備えたハーネス26を得ることが可能である。別の実施形態によれば、ワイヤ22は、図3C及び図3Dに示すような螺旋状の巻線27の形態をしており、図3C及び図3Dは、同一形状を2つの別々の断面平面で示している。幾何学的形状の選択は、特に、初期導体(長さ、性状)、この幾何学的形状を達成するために選択されるプロセス、及びタイヤ内の将来の埋め込みゾーンで決まる。要約すると、各電線は、正弦波又は一続きの円の伸開線(インボリュート)の外観を有する経路を辿ることが好ましく、直線状セグメントの無い有限長さの形状が好ましい。また、タイヤ製造ステップが考慮に入れられ、かかるタイヤ製造段階中、ハーネスを取り付け、その結果、変形部が得られるようにする。
ハーネスを、形状が全体として四辺形又は矩形であり、厚さが小さく、例えば1ミリメートル以下のオーダのリボンケーブル28の形態をしたエラストマー内に組み込むのがよく、この種の連結要素20は、タイヤ製造段階中、任意の位置で適所に容易に配置することができる。
電気ハーネスが埋め込まれたエラストマーは、タイヤに用いられるゴムと適合性があり、タイヤの計装にあたり、タイヤの製造プロセスに最小限の改造しか行われない。具体的に説明すると、エラストマーは、これが組み込まれるべきタイヤと同一条件下で加硫可能である。さらに、この加硫中、電気接続要素20は、タイヤの残部と一体になり、支持体28のエラストマーは、これが配置される配合ゴム及びこれを覆う配合ゴムと適合性があり、したがって、ポリマー鎖は、温度が上昇すると、織成状態になるようになっている。このプロセスの終わりに、配合ゴムの種々の層が市販のタイヤ内で互いに密に結合されるとすぐに、ポリマーは、その周囲からもはや分離することはなく、密に織成された架橋が形成される。
さらに、電気接続要素20を、タイヤブランク内への組込み前に、予備硬化し、即ち、予備架橋又は予備加硫し、エラストマーの架橋の開始が、支持体28の内部へのハーネスのワイヤ22の組込み及び完全な固定を保証することが判明している。これにより、要素20の幾何学的形状を定めることが可能であり、事実、ポリマー結合部のうちの何割かが確立されて、支持体28の材料がたとえ加硫中に達成される最適な機械的性質を得ることができなくても、純粋に可塑的な状態を残すようになる。エラストマーのこの最初の予備架橋により、上流側で、例えば実験室内において、要素20に欠陥が無く、この要素がタイヤの特性を損なうことの無い計装に関する条件を満足するようにすることも可能である。
例えば図3に示すようなハーネスが、ガルヴァニック接続部を形成する2つの端部を備え、このガルヴァニック接続部は、2つの端部相互間に2つの機能ユニットを接続することができる。一例を挙げるに過ぎないが、これら端部の2つの形態が示されているが、任意の形態を実現できることは明らかであり、この形態は、特に、端部に連結されるべき機能ユニットで決まることは明らかである。
良好な信頼性を得ると共にタイヤ又は車両の地面接触システムに用いられる任意他の変形可能な物品内への組込みを単純化するため、端部の各々に連結された機能ユニットを更にリボンケーブルを構成するエラストマー内に組み込むことが、更に望ましい。事実、タイヤブランク上への接続要素の位置決め中、電気ハーネスと機能ユニットとの間に電気接続部を作ることが実行可能であっても、タイヤの種々の構成要素の組立て中に、タイヤ向きの計装類のうちの大部分或いは全部を有するあらかじめ調製された複合体をタイヤブランクに取り付けることが好ましい。有利には、この計装複合体は、タイヤ製造ライン以外のどこかの場所、例えば、より制御された環境又はそれどころか実験室内で調製するのがよい。
ハーネスの場合と同様、複合体もタイヤの成型中、タイヤに組み込むことができる形状のものであり、例えば平らであることが望ましい。複合体それ自体をカーカスの半径方向表面及び横方向面全体を覆った状態でトロイド状(ドーナツ形)に付形するのがよい。
本発明の複合体30が、図4に示されており、この複合体は、破線で示されたタイヤケーシングの計装に合わせて形作られている。複合材は、これにその形状を与える支持体32を有している。支持体32は、タイヤのゴムと適合性のある上述したようなエラストマーで作られ、このエラストマーは更に、概略的に示されているトーラスに容易に適合する形状を得るように予備架橋されると共に予備付形されている。支持体32は、電気的干渉が、センサの信号を歪ませるのを阻止するよう例えば全体が絶縁エラストマーで構成されている。支持体は、種々の要素を未硬化ポリマー内に位置決めして組み込み、次に予備加硫を行うことにより製造されたものであるのがよい。
図示の例では、複合材は、複合材30の相互連結システムを形成する3つのハーネス34を有している。これらハーネスは、可変本数の電線で構成され、配線用組立体34a,34b,34cが同一本数の電線を有する必要もなく、同一の幾何学的形状を有する必要もなく、特に、サイドウォールに取り付けられたハーネス34cは、他の2つとは異なる性状の応力を受ける。各ハーネスの電線は、これら電線が例えば図3に示すように伸びを生じることができるようにする幾何学的形状を備えている。ハーネスは各々、これらの端部のうちの一方が機能処理及び制御ユニット36に接続されている。
電線は各々、その他方の端部が他の3つの機能ユニット38に接続されている。2つのユニット38a,38bは例えば、センサであるのがよく、これらセンサは、更に放射又は受信アンテナに接続され、センサ38bは、電磁アンテナ40に接続され、センサ38aは、2つの高周波アンテナ42に接続されている。第3のハーネス34cは、アクチュエータ38cに接続されて、ユニット36は、センサ38a,38bによりユニット36に送られたデータの関数として、アクチュエータ38に支持して応力をこのアクチュエータが取り付けられているタイヤのサイドウォールに加えるようにする。
一群の要素34,36,38,40,42は、引張力及び(又は)圧縮力が支持体32に及ぼされても、エラストマーに対しどの接触点でも相対運動を生じないように支持体32内に組み込まれている。支持体32はそれ自体、タイヤのゴムと適合性のある材料で作られ、したがって、タイヤ及び複合材30の外部を構成する支持体32が完全に互いに連接され、計装複合材30とタイヤとの間の相対運動がそのインターフェイスのレベル又は高さ位置で生じず、かくして、剪断によってはタイヤの特性が変わらないようになっている。支持体32の材料がゴムと適合性のあるままである限り、例えば、アンテナ40,42の付近で導電性粒子の局所充填を行ったエラストマーを提供することにより不均質な性状の支持体32を得ることが可能である。
この例は、例示として与えられていることは明らかであり、上述とは異なる個数のセンサを設けることが可能であり、アクチュエータをサイドウォール中に設けなければならないということはなく、アンテナを設けるかどうかは任意であり、或いは、アンテナを全てのセンサからの他の機能ユニットに設けてもよく、複合材の形状は、異なっていてもよく、例えば、トレッド等にのみ基づいていてもよい。
製造のため、例えば、不透性層及び種々の成型層を適当な製造用支持体上に布設する。カーカスをトーラスの状態に付形し、クラウンプライのうち少なくとも何割かを位置決めした後、複合材30を、このようにして形成された組立体上に2つのクラウンブロック製品相互間で直接配置する。次に、ブランクの調製は、特にトレッドを位置決めした状態で通常通り続く。最終の加硫により、複合材30を組み込んだタイヤの形成が可能である。
また、タイヤの付形は、計装複合材が既にいったん定位置にあり、例えば、或る特定のセンサをカーカスプライの下に又はそのレベルに配置しなければならない場合に行うことが可能である。この場合、複合材30の寸法形状は、タイヤの製造とその使用の両方に起因する例えば70%に達する場合のある変形率に対応するよう選択される。注目されるべきこととして、付形は当然のことながら、計装状態のタイヤの製造にとって必要不可欠なものではない。
かくして、全く同一のタイヤの計装複合材に関する構造的伸び率は、タイヤの製造中、タイヤの使用に応じて、20〜40%又は40〜70%のオーダのものであるように選択されるのがよいことが注目される。
かくして、製造方法により得られたタイヤは、タイヤの体積部内に組み込まれた計装類を有する。特に、電気接続部は、電線がタイヤの使用中、種々の材料相互間のインターフェイスのレベルにおいてゴムに対する運動を生じることが無いようなものである。