JP2007535372A - ハンドヘルド式プログラマと埋込可能型医用装置との間の通信方法及び装置 - Google Patents

Abstract

ハンドヘルド式プログラマと埋込可能型医用装置との間の遠隔測定通信用システム及び方法が開示される。望ましい実施形態には、ユーザがハンドヘルド式プログラマの動作を視覚的に観測し、制御できるようにする、ユーザ・フレンドリなカラー・タッチ・スクリーンが含まれている。ハンドヘルド式プログラマには、さらに、ローバストな解析機能をもたらす内部及び／または外部解析手段が含まれている。本明細書に開示のシステムの実施形態のいくつかは、慢性疾患のモニタ、予測、管理がよりうまく行われるように支援する先進患者管理システムのコンポーネントとして構成することが可能である。

Description

本出願は、米国を除く全ての国の指定に関する出願人として、米国国内企業である、Ｃａｒｄｉａｃ Ｐａｃｅｍａｋｅｒ，Ｉｎｃ．の名義で、米国だけの指定に関する出願人として、全て、米国国民である、Ｋｅｎｎｅｔｈ Ｈ． Ｐｅｒｓｅｎ、Ｊｅｆｆｒｅｙ Ａ．Ｖｏｎ Ａｒｘ、Ｄｅｎｎｉｓ Ｅｒｉｃ Ｌａｒｓｏｎ、及び、Ｊａｓｏｎ Ｄｅａｎ Ｈｅｉｎ、インド国民であるＶｉｎｅｅｌ Ｖａｌｌａｐｕｒｅｄｄｙ、及び、ドイツ国民であるＭａｔｔｈｉａｓ Ｄａｎｉｅｌ Ｗｏｅｌｌｅｎｓｔｅｉｎの名義で、２００５年４月２７日にＰＣＴ国際特許出願として提出されており、２００４年４月２９日に提出された米国特許出願第１０／８３５，０４３号に対する優先権を主張するものである。

本装置は、一般に、埋込可能型医用装置に関するものであり、とりわけ、制限するつもりはないが、埋込可能型医用装置と通信して、その動作をモニタし、制御することが可能な外部装置に関するものである。

適正に機能している場合、人間の心臓は、生理的に発生する電気インパルスに基づくそれ自体の内因性律動を維持する。人間の心臓は、身体の循環系全体に十分な血液を供給することが可能である。心臓に血液を吸込み、血液を送り出す各全サイクルは、心周期と呼ばれている。

しかしながら、心臓不整脈と呼ばれる心臓律動の異常を抱える人もいる。こうした不整脈は、血液循環を減少させることになる。不整脈は、心臓の上方の室すなわち心房、または、心臓の下方の室すなわち心室に生じる。しかし、心室性不整脈は、循環の不足から急死に至る可能性があるので、最も重大な健康上の危機である。不整脈は、さらに、異常心臓律動の大きく異なる症状を表わす心臓の特定状態に細分することが可能である。これらの状態は、徐脈すなわち遅い心拍、及び、頻脈すなわち速い心拍である。

心臓不整脈の治療方法の１つでは、埋込可能型医用装置（「ＩＭＤ」）が用いられる。こうした埋込可能型医用装置には、ペーサとも呼ばれるペースメーカや除細動器が含まれる。ペースメーカの従来の用途は、徐脈の患者を治療することである。換言すれば、ペースメーカは、心拍が余りに遅すぎる患者の心周期を速めるのに役立つ。ペースメーカは、ペース・パルスと呼ばれる一連の低エネルギ電気刺激を定期的に心臓に供給することによってこれを実現する。こうした刺激は、心臓内または心臓の周囲に配置される１つ以上の電極を備えた、血管内リード線またはカテーテル（「リード」と呼ばれる）を介して供給される。

埋め込み式除細動器は、ペースメーカに比べてはるかに強い電気刺激を信号に加える。これは、除細動カウンタショックと呼ばれる場合もあり、単純に「ショック」とも呼ばれる。ショックによって、心室性不整脈がきちんとした心室律動に変化するか、あるいは、極めて急速で効果のない心臓律動がより遅くより有効な律動に変化する。除細動器は、心室性細動、心室性頻脈、心房性細動、心房粗動を含む心臓疾患の治療に役立つ。これらの効率が悪いか、または、急速すぎる心拍は、心臓の吸込み送り出し効率を低下させ、その結果、血液の循環が減少する。除細動器によって加えられるカウンタショックによって、頻脈性不整脈が阻止され、心臓は、正常な律動を回復して、血液を効率よく吸込み、送り出すことができるようになる。

上述の心臓律動管理装置には、外部プログラマすなわちコントローラが、埋込可能型装置に命令を送り、埋込可能型装置からデータを受け取ることができるように、無線送受信機能を含むことも可能である。こうしたコントローラによって、埋込可能型装置への物理的アクセスを必要とせずに、埋込可能型装置との通信が可能になる。こうしたコントローラは、医師または他の医療関係者によって、埋込可能型装置の機能のモニタと制御に利用されることで知られている。

外部プログラマすなわちコントローラのモニタまたは問い合わせ方法は、主として、その後の外来診療時に埋込可能型装置及び患者を査定するための経過観察用ツールとして用いられる。この方法は、一般に、装置の状態または有効性を効率よく評価する手段が他に存在しないので、埋込可能型除細動器を装着した患者にとって極めて重要である。通常、患者は、装置の点検を受けるため、臨床家を定期的かつ頻繁に訪問する予定を組まなければならず、異常が検出された場合は手術を必要とする可能性がある。

有限のコマンド・セットを備えるこうしたコントローラによって、患者が埋込可能型装置の機能に何らかの制御を加えることができることが知られている。しかし、患者によって操作されるコントローラは、壁コンセントまたは他の外部電源からの電力を供給する電気コードを必要とするであろうし、また、埋込可能型装置の状況に関して患者と通信したり、埋込可能型装置による命令受信を確認したりするため、テキスト・ベースのメッセージを含んでいる可能性がある。

先行技術文献の１つ（特許文献１参照）には、埋込可能型除細動器と通信するための殺菌可能なハンドヘルド式プログラマ／インタロゲータが開示されている。この装置は、無線周波（ＲＦ）遠隔測定を利用して除細動器と通信し、除細動器へデータを送る。装置のプログラミングや問い合わせは、装置の機能を制御する「機能制御キー」、「電気機械的キー」、「ディスプレイ」によって制御される。ディスプレイによって、それぞれ１６文字からなる２行に検索データを順次示すことが可能である。特許文献１には、ディスプレイ・オプションとしてのカラー・タッチ・スクリーン、あるいは、他の生理的パラメータをモニタするようになっている他のセンサとの通信能力が開示されていない。

もう１つの先行技術文献（特許文献２参照）には、ハンドヘルド式で、埋込可能型心房性除細動装置と連絡をとり合って、装置の状況をモニタし、その動作をプログラムするようになっている、非埋込可能型通信装置が開示されている。特許文献２によれば、ハンドヘルド式通信装置は、外部コマンドを実行する場合、コマンドを受信した旨の応答と、コマンドに応答して、埋込可能型装置によって実施されるタスクの記述の両方を含むことによって、患者に肯定フィードバックを行うようになっている。しかし、特許文献２には、心房性除細動器との適合性の他には、ハンドヘルド式通信装置の利用について開示されていない。さらに、開示の装置は、「外部プログラマから得ることが可能な制御コマンドに比べて大きく制限された」制御コマンド、できれば、「単純モードの選択コマンド、治療順序制御コマンド、状況要求制御コマンド」を備えた携帯式通信装置である。特許文献２のコラム５、１６〜２１行を参照されたい。従って、特許文献２には、ローバストなコマンドや問い合わせ機能を備えたハンドヘルド式外部プログラマの開示及び教示がなされていない。

もう１つの先行技術文献（特許文献３参照）にも、携帯式プログラマが開示されている。このプログラマによれば、プログラマと埋込可能型装置の適切な（または不適切な）動作に関する情報を伝達するため、ユーザに対して触覚、可聴、可視フィードバックが行われる。しかし、特許文献３の図２に示すように、ユーザ入力キー１９、２０、２１、及び、２２は、あらかじめプログラムされたアップリンク及びダウンリンクに制限されており、一般に、ローバストな入力または装置問い合わせ手段を提供することはできない。

もう１つの先行技術文献（特許文献４参照）には、電子的に記憶された装置に関する伝送可能な１組の動作パラメータを含む、埋込可能型または非埋込可能型装置用のハンドヘルド式プログラマの記載がある。適合する装置には、脊髄刺激装置、神経刺激装置とセンサ、深部脳刺激装置、蝸牛刺激装置、薬物送達システム、筋組織刺激装置が含まれる。このプログラマは、さらに、装置から遠隔測定データを受信し、その入力に基づいて、いくつかの既定の範囲内で、装置の動作パラメータを変更するようになっている。プログラマは、プログラマの受信したデータを処理して、新しい動作パラメータを生成するように構成されたプログラマ・モジュールを含むように構成されている。遠隔測定は、被変調ＲＦ信号で実施可能である。特許文献４には、さらに、プログラマの動作を制御する方法の１つとしてタッチ・スクリーン・ディスプレイの論考がある。しかし、特許文献４では、プログラマは、臨床家または患者によるアクセスが可能なローバストな解析機能を備える装置として論考されていない。特許文献４では、プログラマは、医用装置のより大規模なネットワークのコンポーネントとしても論考されていない。要するに、特許文献４は、ある１組の動作パラメータを別の１組の動作パラメータに変換する、コンテキスト・スイッチング機能を装置に付与する必要に取り組むものである。

もう１つの先行技術文献（特許文献５参照）には、輸液ポンプが望ましい、医用装置との間でデータの送信または受信が可能なハンドヘルド式通信装置の記載がある。送信データは、主として、医用装置用の置換または更新ソフトウェアに向けて送られる。さらに、この通信装置は、医用装置によって実施される治療またはモニタの修正に用いることが可能な、患者が定義可能なパラメータを送ることが可能である。しかし、特許文献５には、患者または臨床家によるアクセスと修正のために、装置パラメータと機能を表示することが可能な装置またはローバストな解析ツールのネットワーク・コンポーネントとして、通信装置を用いることについての教示または開示はなされていない。

同様に、もう１つの先行技術文献（特許文献６参照）には、上述の特許文献５に記載のタイプの通信装置に関する記載がある。しかし、特許文献６は、データの送信ビットと受信ビットの間における同期損失のリスクを最小限に抑えることによって、ＩＭＤと通信装置との間の通信リンクを改良することに焦点を絞ったものである。

もう１つの先行技術文献（特許文献７参照）には、埋込可能型医用装置をモニタし、プログラミングを行うためのシステムの記載がある。しかし、このシステムには、携帯電話及び／または携帯端末（「ＰＤＡ」）に操作可能に接続された通信モジュールが含まれる。特許文献７には、ＩＭＤと遠隔コンピュータ・システムまたは医療提供者との間の通信を橋渡しする無線電話またはＰＤＡを必要とせずに、ＩＭＤのプログラミングが可能な通信装置の教示または開示がない。

もう１つの先行技術文献（特許文献８参照）には、埋込可能型医用装置に用いられるハンドヘルド式装置のもう１つの例について論考されている。しかし、特許文献８では、基本的に、埋込可能型医用装置、プログラマ、ネットワーク化データ・センタの間のデータ・メッセンジャの働きをする、ハンドヘルド式パーソナル・データ・マネージャ（「ＰＤＭ」）の利用について論考されている。特許文献８には、ＰＤＭデータ・ブリッジの必要に取って代わる、ハンドヘルド式プログラマの教示または開示がない。

これらの参考文献のどれにも、ハンドヘルド式装置の規模におけるプログラマの機能に関する開示または教示がない。実際、先行技術におけるプログラマは、主として、リピータの働きをするが、遠隔測定データを処理して、ユーザ・フレンドリなフォーマットでこうしたデータを提示するようにはなっていない。当該技術者には既知のように、リピータには、埋込可能可能医用装置から情報を電子的に収集し、解析のため、集中型コンピュータ・ネットワークまたはサーバにその情報を送信するシステムと装置が含まれている。

さらに、既存のプログラマは、大きく、極めて携帯しにくい。本明細書に記載のプログラマの利点は、携帯可能であり、軽量かつ小型という点にある。従って、本発明のプログラマによれば、携帯性の向上に加えて、ＩＭＤプログラマの生産コストが大幅に低下することになる。

米国特許第５，３１１，４４９号明細書 米国特許第６，００６，１３２号明細書 米国特許第６，２４９，７０３号明細書 米国特許第６，３８１，４９６号明細書 米国特許出願公開第２００１／００４１９２０号明細書 米国特許出願公開第２００１／０１７３８３０号明細書 米国特許出願公開第２００２／００８２６６５号明細書 米国特許出願公開第２００２／００７２７８５号明細書

従って、以上の及びその他の理由から、本発明の目的は、タッチ・スクリーン制御によって容易にアクセス可能であり、ＲＦ遠隔測定を用いて、プログラマと装置の間のローバストな通信とデータ解析を行い、患者管理ネットワークのコンポーネントとして適合性のある、埋込可能型医用装置用のコンパクトなプログラマを提供することにある。

本発明の態様の１つによれば、ユーザ・フレンドリなハンドヘルド式プログラマと埋込可能型医用装置との間でローバストな遠隔測定通信を行うための方法及び装置が提供される。このハンドヘルド式プログラマは、提示される情報に対する変更を受け入れ、新しい情報によって、埋込可能型医用装置の再プログラミングを行うようになっている。本明細書において用いられる限りにおいて、「臨床家」は、医師、医師助手（ＰＡ）、看護士、医療技術者、または、他の任意の患者の医療提供者とすることが可能である。

ＰＤＡまたはタブレット型ＰＣのようなハンドヘルド式プログラマは、遠隔測定を通じて埋込可能型医用装置と連絡をとり合うことになる。このシステムは、ハンドヘルド式プログラマのハードウェアを介して、短距離誘導遠隔測定と長距離ＲＦ遠隔測定をサポートするようになっている。ハンドヘルド式プログラマは体表面心電図（体表面ＥＣＧ）をとるように構成されてもよい。このシステム・プログラマには、適合する遠隔測定手段を医用装置に提供することが可能な、カスタム・ハードウェアまたは当該技術において既知のハードウェアを含むことが可能である。

ユーザ・アクセスを改善するため、プログラマには、入力を受け取るか、または、情報を表示するタッチ・スクリーンやカラー・ディスプレイが含まれている。プログラマには、コンパチブル・クレイドル（cradle）を含むことも可能である。さらに、プログラマは、情報を記憶することが可能であり、装置からリアルタイムのトレースで情報を表示し、さらに、現在のパラメータ設定を伝達するのに十分なほど、解析的にローバストである。

ユーザは、ハンドヘルド式プログラマを利用して診断試験を実施することが可能になる。経過観察セッション時に、この装置を利用して、埋込可能型装置のモニタまたは再プログラミングを行うことが可能である。再プログラミングは、遠隔で行うことも可能である。こうした実施形態の場合、ＩＭＤのモニタと再プログラミングは、遠隔位置の臨床家または患者管理システムが、ハンドヘルド式プログラマの遠隔測定機能を介して実施することが可能である。

もう１つの実施態様において、ハンドヘルド式プログラマは、誘導テクノロジを利用して、埋込可能型医用装置との通信を行う。有効であるためには、こうしたテクノロジは、一般に、短距離装置間通信に制限される。

さらにもう１つの実施態様では、ハンドヘルド式プログラマは、ＲＦテクノロジを利用して、埋込可能型医用装置との通信を行う。ＲＦテクノロジを利用すると、ハンドヘルド式プログラマと医用装置との間でより長距離の通信が可能になる。

ハンドヘルド式プログラマには、ユーザが、視覚的にハンドヘルド式プログラマの動作を観察し、制御できるようにするカラー・タッチ・スクリーンを含むのが望ましい。この実施態様におけるスクリーンには、液晶ディスプレイ、または、タッチ・スクリーン機能性を提供する、当該技術において既知の他の任意のタイプのカラー・ディスプレイを含むことが可能である。

もう１つの実施態様では、ハンドヘルド式プログラマは、埋込可能型医用装置とこうした装置のためのより伝統的なプログラマとの間におけるデータ及び／または解析ブリッジの働きをするように構成することが可能である。

さらにもう１つの実施態様では、ハンドヘルド式プログラマは、他のハンドヘルド式プログラマまたは埋込可能型医用装置によるネットワークのコンポーネントとして構成することができるか、あるいは、適応できる。このように構成されると、ハンドヘルド式プログラマは、ハンドヘルド式プログラマ自体の機能限界を超えるデータの相談や解析に適応することができるようになる。こうしたネットワークには、先進患者管理システムを含むことが可能である。

上述の各種実施態様は、説明のためだけに提示されたものであり、本発明を制限するものと解釈すべきではない。当該技術者であれば、本明細書に例示され、解説される、下記の実形態や応用例がなくても、付属の請求の範囲に記載の本発明の真の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明に施すことが可能な各種修正及び変更が容易に明らかになるであろう。

必ずしも一定の率で描かれているとは限らない図面において、同様の番号は、いくつかの図にわたってほぼ同様のコンポーネントを表わしている。異なる添え字の付いた同様の番号は、ほぼ同様のコンポーネントの異なる例を表わしている。図面には、制限のためではなく、例示のために、本開示において論考される各種実施形態の概要が描かれている。

下記の詳細な説明では、その一部をなし、説明のため、具体的な実施形態または例が示されている添付の図面が参照される。これらの実施形態を組み合わせることもできるし、他の実施形態を利用することもできるし、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、構造的、論理的、電気的変更を加えることも可能である。下記の詳細な説明は、従って、制限の意味にとるべきではなく、本発明の範囲は、付属の請求項とその同等物によって定義される。

本方法及び装置の説明は、医用装置と無線通信するようになっている、埋込可能型医用装置用のハンドヘルド式プログラマに関連して行われる。プログラマは、さらに、埋込可能型医用装置のネットワークとの通信を行うようにもなっている。こうしたネットワークは、先進患者管理（Advanced Patient Management:「ＡＰＭ」）システムによって媒介するか、あるいは、ＡＰＭと一体化することが可能である。「患者管理」という用語は、患者固有の情報を生成し、収集し、それらの情報を記憶し、照合を行い、実用的な勧告を生成して、慢性疾患を抱える患者の予測管理を可能にするプロセスを表わしている。

図１は、とりわけ、ＰＤＡまたはタブレットＰＣ１００として構成されたハンドヘルド式プログラマの概略を例示した図である。本明細書において開示のＰＤＡは、Ｐａｌｍ^TM型ＰＤＡの改良型である。この実施形態において、プログラマ１００には、臨床家または患者が埋込可能型医用装置の機能１０２をプログラミングし、モニタできるようにする、カラー・タッチ・スクリーン１０１が含まれている。プログラマ１００には、さらに、例えば、ボタン１０３を押すことによって起動することが可能な事前設定されたプログラミング機能またはパラメータを選択することにより、プログラミング・メニューまたはモニタ・オプションを変更する手段を含むことも可能である。図１にさらに示すように、プログラマは、埋込可能型医用装置に問い合わせて、その動作状況を判定する能力を患者または臨床家に与えるか、または、患者診断情報を提供するように構成することも可能である。例えば、埋込可能型医用装置は、差し迫った喘息発作の前兆として、胸部インピーダンスのような生理的パラメータを検知するように構成することも可能である。タッチ・スクリーン１０１を利用することによって、患者または臨床家は、このパラメータをリアルタイムでモニタし、こうした発作が激しくなる前に、早期処置を施すことが可能になる。モニタは、英字１０４、数字１０５、または、グラフィック・フィードバック表示（不図示）の形態をとることが可能である。プログラマ１００は、さらに、英数字入力手段によってデータ入力または表示をカスタム化する能力を患者または臨床家に与えるように構成することも可能である。例えば、プログラマ１００は、英数字入力パッド１０６を介して特定の時刻を入力することによって、英数字入力パッド１０６を通じて、それらの時刻に埋込可能型医用装置への問い合わせを行うようにプログラムすることが可能である。プログラマ１００は、さらに、臨床家によるアクセスが可能なコンピュータ・ネットワークに問い合わせを受けたデータを送信するようにプログラムすることも可能である。問い合わせを受けたデータまたは他のデータの送信は、遠隔測定で実施することが可能である（１０７）。誘導及び／またはＲＦ遠隔測定法が適合する送信手段として検討されている。しかし、当該技術者には明らかなように、例えば、赤外線手段のように、本開示の目標や目的に合致する、他のデータ送信手段も存在する。読者には当然明らかなように、図１の実施形態は、単なる説明を目的としたものでしかなく、本開示の範囲を規定または制限しようとするものではない。

図２は、他の埋込可能型医用装置２０１ａ、２０１ｂ、２０１ｃとの通信２００に適応可能なハンドヘルド式プログラマ１００のもう１つの実施形態の概要を例示した概略／ブロック図である。こうした装置は、患者２０２に埋め込んで２０１ｄ、複数の生理的パラメータをモニタすることが可能である。例えば、筋肉の交感神経活動（ＭＳＮＡ）は、注入可能な微小電極検知装置によって測定することが可能である。従って、プログラマ１００は、患者２０２に埋め込まれる１組の医用装置２０１ａ、２０１ｂ、２０１ｃ、２０１ｄによってモニタし、通信２００し、各医用装置によって報告されるデータを解析して、患者の健康のより総合的な評価を行うように構成することが可能である。プログラマ１００は、異なる患者に埋め込まれた複数医用装置２０１ａ、２０１ｂ、２０１ｃについて解析し、報告を行うように構成することも可能である。これを実施する方法の１つは、コンピュータ・ネットワーク２０３を利用して、異なる患者のプログラマとの間で送受信されるデータ２０４を記憶し、解析することによるものである。これによって、臨床家は、患者集団の状況を同時にモニタして、患者グループに影響する可能性のある環境的ストレスやその他の要因の識別と評価を支援することが可能になる。さらに、プログラマ１００は、患者間で交換できるように、２人以上の患者の埋込可能型医用装置を取り扱うようにプログラムすることもできる。もちろん、この実施形態では、患者または臨床家によるプログラマ１００の不正な利用または危険な利用を阻止するため、安全管理を実施することが可能である。こうした安全管理の１つには、臨床家だけによる、または、臨床家とプログラマ及び／または医用装置のメーカとの共同による変更が可能な、装置に関する事前設定プログラミングの制限を含むことが可能である。プログラマ１００は、コンパチブル・クレイドル２０５を備えるように構成することも可能である。この実施形態の場合、クレイドル２０５は、接続ポートまたはエネルギ源の働きをすることが可能である。接続ポートには、Ｅｔｈｅｒｎｅｔ^TMポート、赤外線ポート、または、他の無線ポート（不図示）を含むことが可能である。クレイドル２０５は、プログラマ１００に記憶されるか、または、プログラマ１００によって媒介されるデータのハード・コピーを供給するため、帯形記録計（「ＳＣＲ」）を含む内蔵式プリンタ２０６を備えるように構成することが可能である。

図３は、通信３０１ＡＰＭシステム３００のコンポーネントとしてのハンドヘルド式プログラマ１００のもう１つの実施形態の概要を例示した概略／ブロック図である。ＡＰＭは、患者、その医師、その家族を支援して、慢性疾患のモニタ、予測、管理がよりうまく行われるようにするシステムである。ＡＰＭは、とりわけ、長期にわたるデータの連続性を維持し、本明細書に開示のハンドヘルド式プログラマ１００と埋込可能型医用装置３０２との間の通信方法と装置を具備する、医用装置からの情報と他の医療データベースからの患者データを統合するのに役立つ。図３に示す実施形態の場合、ＡＰＭ３００には、３つの主コンポーネント、１）ハンドヘルド式プログラマ１００、２）生理機能をモニタするようになっている少なくとも１つのセンサを含む埋込可能型医用装置３０２、３）患者データベース３０３ａ、３０３ｂ、医療データベース３０３ｃ、３０３ｄを含むデータ管理システム３０３、４）データ管理モジュールからのデータを解析する解析エンジン３０４が含まれている。ＡＰＭは、医師や他の臨床家が、さまざまな異なる装置、患者固有及び非固有データを利用して、投薬治療と共に、患者に可能性のある最良の看護を施すのを支援するように設計されている。

上述のハンドヘルド式プログラマの全ての実施形態には、データ記憶手段を含むことが可能である。一般に、こうした手段には、ＰＣＭＣＩＡカードのようなコンピュータ・メモリ・システムまたは装置が含まれる。こうしたカードは、プログラマに通信及びデータ記憶機能を与えることも可能である。

プログラマは、さらに、体表面ＥＣＧを取るように構成することも可能である。体表面ＥＣＧは、人体表面における心臓の電気的活動の反映である。

上述の各種実施形態は、説明だけを目的として提示されたものであり、本発明を制限するものとみなすべきではない。上述の実施形態は、互いに組み合わせて利用することが可能である。当該技術者には、本明細書において例示され、解説される下記の実施例及び応用例がなくても、付属の請求項及びその同等物に記載の本発明の真の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明に加えることが可能な各種修正及び変更が容易に明らかになるであろう。付属の請求項において、「がある」及び「ｉｎ ｗｈｉｃｈ」という用語は、「が含まれる」及び「ｗｈｅｒｅｉｎ」というそれぞれの用語の平易な同等英語として用いられている。

とりわけ、埋込可能型医用装置の機能をプログラムし、モニタするため、タッチ・スクリーンを含むＰＤＡまたはタブレットＰＣとして構成されたハンドヘルド式プログラマの概要を例示した図である。 とりわけ、コンピュータ・ネットワークのコンポーネントとして、埋込可能型医用装置及び／またはこうした装置のネットワークと電子的に通じている、コンパチブル・クレイドルを備えたハンドヘルド式プログラマの実施形態の１つの概要を例示した概略及び／またはブロック図である。 とりわけ、埋込可能型医用装置、及び、医療及び患者データベース及び解析エンジンを含むＡＰＭシステムと電子的に通じている、ハンドヘルド式プログラマのもう１つの実施形態の概要を例示した概略及び／またはブロック図である。

符号の説明

１００ ハンドヘルド式プログラマ、１０１ タッチ・スクリーン、１０３ ボタン、１０６ 英数字入力パッド、２０１ａ 埋込可能型医用装置、２０１ｂ 埋込可能型医用装置、２０１ｃ 埋込可能型医用装置、２０３ コンピュータ・ネットワーク、２０５ コンパチブル・クレイドル、３００ ＡＰＭシステム、３０２ 埋込可能型医用装置、３０３ データ管理システム、３０３ａ 患者データベース、３０３ｂ 患者データベース、３０３ｃ 医療データベース、３０３ｄ 医療データベース、３０４ 解析エンジン

Claims (23)

1. ａ．送信器と、
   ｂ．受信器と、
   ｃ．接触式表示画面と
   を備え、手に持てる構造とサイズとされた、少なくとも１つの埋込可能型医用装置との無線通信用装置であって、
   無線通信用装置が、前記埋込可能型医用装置の解析とプログラミングを含む無線通信を実施することを特徴とする装置。
2. 前記プログラミング・モジュールに、事前設定プログラミングの制限があることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 前記装置にＰＣＭＣＩＡカードが含まれることを特徴とする請求項１に記載の装置。
4. 前記装置に携帯端末が含まれることを特徴とする請求項１に記載の装置。
5. 前記装置にタブレットＰＣが含まれることを特徴とする請求項１に記載の装置。
6. 前記装置が前記埋込可能型医用装置のための伝統的なプログラマに対するブリッジとして機能できるようにするプロセッサが含まれることを特徴とする請求項１に記載の装置。
7. さらに、データ記憶装置が含まれることを特徴とする請求項１に記載の装置。
8. さらに、コンパチブル・クレイドルと組み合わせて用いるように構成されることを特徴とする請求項１に記載の装置。
9. 前記クレイドルが前記装置にエネルギを供給するようになっていることを特徴とする請求項８に記載の装置。
10. 前記クレイドルにプリンタが含まれることを特徴とする請求項８に記載の装置。
11. 前記クレイドルに少なくとも１つの接続ポートが含まれることを特徴とする請求項８に記載の装置。
12. 前記クレイドルが、別のプログラマと電子的に通信するようになっていることを特徴とする請求項８に記載の装置。
13. 前記クレイドルが、外部プリンタと電子的に通信するようになっていることを特徴とする請求項８に記載の装置。
14. 前記装置の前記無線通信に、前記少なくとも１つの埋込可能型医用装置への問い合わせが含まれることを特徴とする請求項１に記載の装置。
15. 前記装置が前記少なくとも１つの埋込可能型医用装置の動作を診断するようになっていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
16. 前記装置がコンピュータ・ネットワークと電子的に通信するようになっていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
17. 前記装置が先進患者管理システムと電子的に通信するようになっていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
18. 前記装置が、前記少なくとも１つの埋込可能型医用装置から伝達されたデータの解析を行うようになっていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
19. さらに、データ・ディスプレイが含まれており、リアルタイムにデータ表示を行うように構成されていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
20. 前記装置が、さらに、コンピュータ・ネットワークのコンポーネントとなるように構成されていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
21. 前記コンピュータ・ネットワークに複数ハンドヘルド装置が含まれることを特徴とする請求項２１に記載の装置。
22. 前記コンピュータ・ネットワークに複数埋込可能型医用装置が含まれることを特徴とする請求項２１に記載の装置。
23. 前記コンピュータ・ネットワークに複数ハンドヘルド装置及び埋込可能型医用装置が含まれることを特徴とする請求項２１に記載の装置。

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