[実施例]
開示される複数の実施例は限定的ではない
多数の実施例を、本願で説明し、例示のみのために提示する。説明される実施例は、いかなる意味でも限定的ではなく、限定的であることを意図されていない。本明細書で開示される発明は、本開示からすぐに明白になるように、多数の実施例に広く適用可能である。当業者は、開示される発明をさまざまな修正及び変更と共に実践できることを諒解するであろう。開示される発明の特定の特徴を、1つ又は複数の特定の実施例及び/又は図面を参照して説明する場合があるが、そのような特徴が、そうでないと明示的に指定されない限り、それらの特徴がそれを参照して説明される1つ又は複数の特定の実施例又は図面での使用に限定されないことを理解されたい。
名称(本願の最初のページの始めに示されている)及び要約(本願の末尾に示されている)のどちらをも、いかなる形であれ開示される発明の範囲に関して限定的と解釈してはならない。
互いに通信するデバイスは、そうでないと明示的に指定されない限り、互いに連続して通信する必要はない。さらに、互いに通信するデバイスは、直接に又は1つ若しくは複数の中間物を介して間接的に通信してもよい。
互いに通信する複数の構成要素を有する実施例の説明は、すべてのそのような構成要素が必要であることを暗示しない。反対に、さまざまな任意選択の構成要素を、本発明のさまざまな可能な実施例を例示するために説明する。
さらに、処理ステップ、方法ステップ、アルゴリズム、又は類似物を、順次順序で説明する場合があるが、そのような処理、方法、及びアルゴリズムを、代替の順序で働くように構成することができる。言い換えると、説明される場合があるステップのシーケンス又は順序は、必ずしも、ステップをその順序で実行する必要を示さない。本明細書で説明される処理のステップは、実用的な任意の順序で実行することができる。さらに、いくつかのステップを、同時に実行することができる。
項目の列挙されたリスト(番号付きである場合とそうでない場合がある)は、そうでないと明示的に指定されない限り、それらの項目のいずれか又はすべてが相互に排他的であることを暗示しない。同様に、項目の列挙されたリスト(番号付きである場合とそうでない場合がある)は、そうでないと明示的に指定されない限り、それらの項目のいずれか又はすべてがなんらかのカテゴリについて包括的であることを暗示しない。たとえば、列挙されたリスト「コンピュータ、ラップトップ、PDA」は、そのリストの3つの項目のいずれか又はすべてが相互に排他的であることを暗示せず、そのリストの3つの項目のいずれか又はすべてがなんらかのカテゴリについて包括的であることを暗示しない。
用語
用語「実施例(“an embodiment”、“embodiment”、“embodiments”)」、「この実施例(“the embodiment”、“the embodiments”)」、「1つ又は複数の実施例」、「いくつかの実施例」、「一実施例」、及び類似物は、そうでないと明示的に指定されない限り、「開示される発明の1つ又は複数(すべてではない)実施例」を意味する。
用語「含む(“including”、“comprising”)」及びその変形は、そうでないと明示的に指定されない限り、「含むがこれに限定されない」を意味する。
用語「a」、「an」、及び「the」は、そうでないと明示的に指定されない限り、「1つ又は複数の」を意味する。
用語「複数」は、そうでないと明示的に指定されない限り、「2つ以上」を意味する。
用語「少なくとも1つの」は、そうでないと明示的に指定されない限り、「1つ又は複数の」を意味する。
各処理/方法には、1つ又は複数のステップが含まれ、したがって、ある方法の1つの「ステップ」への言及は、固有の先行する基礎を有する。
序数(「第1」、「第2」、「第3」など)が単語の前の形容詞として使用される場合に、その序数は、(そうでないと明示的に指定されない限り)ある要素を同一の用語又は類似する用語によって同様に説明される別の要素から区別するためなど、特定の要素を示すだけのために使用される。たとえば、「第1ウィジェット(widget)」は、それをたとえば「第2ウィジェット」などから区別するだけのためにそのように命名される場合がある。したがって、単語「ウィジェット」の前の序数「第1」及び「第2」の単なる使用は、この2つのウィジェットの間の他の関係を全く示さず、同様に、一方又は両方のウィジェットの他の特性を全く示さない。たとえば、単語「ウィジェット」の前の序数「第1」及び「第2」の単なる使用は、(1)両方のウィジェットが順序又は位置において他方の前又は後にあることを示さず、(2)両方のウィジェットが時間において他方の前又は後に発生し又は働くことを示さず、(3)両方のウィジェットが重要性又は量においてなど、他方の上又は下にランクされることを示さない。
単一のデバイス又は物品が本明細書で説明される場合に、複数のデバイス/物品(それらが協力しようとしまいと)をその単一のデバイス/物品の代わりに使用できることがたやすく諒解されるであろう。同様に、複数のデバイス又は物品が本明細書で説明される場合に(それらが協力しようとしまいと)、単一のデバイス/物品をその複数のデバイス/物品の代わりに使用できることがすぐに明白になるであろう。
デバイスの機能性及び/又は特徴を、その代わりに、そのような機能性/特徴を有するものとして明示的には説明されない1つ又は複数の他のデバイスによって実施することができる。したがって、他の実施例は、そのデバイス自体を含む必要がない。
コンピューティング
本明細書で説明するさまざまな方法及びアルゴリズムを、たとえば適当にプログラムされた汎用のコンピュータ及びコンピューティング・デバイスによって実施できることはすぐに明白になるであろう。通常、プロセッサ(たとえば、1つ又は複数のマイクロプロセッサ)は、メモリ又は類似するデバイスから命令を受け取り、これらの命令を実行し、これらの命令によって定義される1つ又は複数の処理を実行する。さらに、そのような方法及びアルゴリズムを実施するプログラムを、さまざまな既知の媒体を使用し、複数の周知の形で保管し、伝送することができる。いくつかの実施例で、ハードワイヤド回路又はカスタム・ハードウェアを、本発明の処理の実施のためのソフトウェア命令の代わりに又はこれと組み合わせて使用することができる。したがって、実施例は、ハードウェアとソフトウェアの特定の組合せに限定されない。
用語「コンピュータ可読媒体」は、コンピュータ、プロセッサ、又は類似デバイスによって読み取ることのできるデータ(たとえば命令)の供給に関与するすべての媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含むがこれらに限定されない多数の形をとることができる。不揮発性媒体には、たとえば、光ディスク又は磁気ディスクと、他の永続メモリとが含まれる。揮発性媒体には、通常はメイン・メモリを構成するダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)が含まれる。伝送媒体には、プロセッサに結合されたシステム・バスを含む、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバが含まれる。伝送媒体は、ラジオ周波数(RF)データ通信中及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの、音波、光波、及び電磁放射を含むか伝えることができる。コンピュータ可読媒体の一般的な形には、たとえば、フロッピ・ディスク、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、磁気テープ、すべての他の磁気媒体、CD−ROM、DVD、すべての他の光媒体、パンチ・カード、紙テープ、穴のパターンを有するすべての他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEEPROM、すべての他のメモリ・チップ又はメモリ・カートリッジ、後で説明する搬送波、或いはそれからコンピュータが読み取ることのできるすべての他の媒体が含まれる。
さまざまな形のコンピュータ可読媒体を、命令のシーケンスをプロセッサに運ぶのに用いることができる。たとえば、命令のシーケンスを、(i)RAMからプロセッサに配送することができ、(ii)無線伝送媒体を介して搬送することができ、且つ/又は(iii)Bluetooth、TDMA、CDMA、3Gなどの多数のフォーマット、標準規格、又はプロトコルに従ってフォーマットすることができる。
データベースが説明される場合に、当業者は、(i)説明されるものに対する代替のデータベース構造をたやすく使用することができ、(ii)データベース以外のメモリ構造をたやすく使用することができることを理解するであろう。
自動販売機との取引からの支払われるべきつり銭を受け取る代わりに利益を受け取ることのオファーを提供する製品及びプロセスが開示される。一実施例で、自動販売機との取引からの支払われるべきつり銭と引き替えに「代替価値オファー(alternate value offer)」を自動販売機顧客に提供する製品及びプロセスが開示される。
一実施例で、利益の価値は、支払うべきつり銭の価値より大きい(通常は顧客の展望から)。
つり銭の代わりに受け取られる利益は、(i)割引(たとえば、自動販売機を介して売られる製品の価格の)、(ii)クレジット(たとえば、自動販売機での購入に適用可能なクレジット)、(iii)特定の製品(たとえば、さらなる対価なしで自動販売機を介して販売される製品)、(iv)通常価格で、割引で、又はさらなる対価なしでのいずれかで、あるクラスの製品から1つ又は複数の製品を選択し、獲得する能力(たとえば、すべてのソーダ、点滅する赤い発光ダイオード(LED)によって示されるすべてのアイテム)、(v)1回又は複数回のくじ引き抽選への参加など、腕前のゲーム又は運のゲームへの参加、(vi)リモート・コンピュータ又は他の場所からディジタル・コンテンツ(たとえば、MP3音楽ファイル、コンピュータ・ファイル、セル電話機の着信メロディ)をダウンロードする能力、並びに/或いは(vii)顧客の別の利益又は権利の変更など、さまざまな形のうちのどれにでもすることができる。
オファーは、さまざまな形で提供することができる。そのようなオファーは、印刷し(たとえば、紙に)、表示し(たとえば、モニタに)、オーディオを介して提供し(たとえば、スピーカを介して)、且つ/又は情報ネットワークを介して送信する(たとえば、電子メールを介して、セル電話機又はPDAへのダウンロードを介して)ことができる。
いくつかの実施例で、自動販売機は、紙チケットに印刷された代替価値オファーを顧客に与えるように構成され、この紙チケットは、顧客が(1)最初の取引からの支払われるべきつり銭又は(2)利益のいずれかを受け取ることを可能にする。
たとえば、1.00ドルを投入することによって自動販売機から0.65ドルの価格の第1製品を購入する顧客に、0.35ドルのつり銭の権利を与えることができる(すなわち、1.00ドル−0.65ドル=0.35ドル)。つり銭分配装置を介して0.35ドルのつり銭を即座に分配するのではなく、自動販売機は、(1)自動販売機のキーパッドを使用してその機械のコイン分配装置から0.35ドルを(たとえば即座に)受け取るために、(チケットに示された)第1コード(第1の暗号)を入力するか、(2)第2製品の購入(たとえば顧客が選んだ時の)のために0.45ドルのクレジットを受け取るために第2コード(第2の暗号)を入力するかのいずれかの能力を顧客に与える紙チケットを印刷し、出力することができる。
さまざまな実施例は、異なる利点を与える。たとえば、つり銭の代わりの利益のオファーを提供する能力により、自動販売機は、投入されたつり銭を保持することができる(そのようなオファーが顧客によって受け入れられた時に、より少ないつり銭が分配されるので)。代替価値オファーが受け入れられる時に、保持されるつり銭の増加は、自動販売機収入を増やすことができる(下で説明するように、一時的に又は永久的にのいずれかで)。さらに、保持されるつり銭の増加は、1つ又は複数の将来の顧客に正しいつり銭を与える自動販売機の能力を高めることができる(たとえば、コイン予備がこれによって増やされるので、補充日の前の販売期間中に)。
さまざまな実施例で、オファーの利益は、受け入れの後にほぼ即座に(たとえば、同一の自動販売機取引中に)、将来に(たとえば、次の自動販売機取引中に)、及び/又は限られた時間の間に(たとえば、引き換えが、ある日付の前のある時間の間だけ許可される)受け取ることができる。
さらに、さまざまな実施例で、代替価値オファーは、1つ又は複数の機械並びに/或いは1つ又は複数の位置でそのような利益を受け取る能力を顧客に与えることができる。たとえば、代替価値オファーは、オファーを発行した自動販売機から、別個の機械(たとえば、オファーを提供したスナック自動販売機の隣に置かれた飲料自動販売機)から、及び/又はコンピュータ(たとえば、正当な英数字から成る暗号(コード)の受取時にディジタル・コンテンツのダウンロードを許可するウェブ・サーバ)から利益を受け取る能力を顧客に与えることができる。
いくつかの実施例で、オファーを提供するかどうか及び/又はオファーの内容は、さまざまな要因に依存するものとすることができる。たとえば、オファーを提供するかどうか及び/又はオファーの内容を、自動販売機の現在のコイン在庫又は予想される在庫(たとえば、コイン在庫が閾値未満であるかどうか)、自動販売機の現在の製品在庫又は予想される製品在庫、オファーが受け入れられる可能性、及び他の条件又は要因に依存するものとすることができる。
最後に、いくつかの実施例で、オファーの受け入れ及び/又は引き換えは、顧客がたとえば自動販売機に入力できるコードの使用を介して容易にすることができる。たとえば、特定の英数字からなる暗号(コード)をコマンドに関連付けて(既知の形で)、アイテムの販売又は自動販売機によって販売される少なくとも1つのアイテムと引き換え可能なクレジットの発行など、さまざまな利益を提供することができる。
本明細書で使用される定義
実アイテム速度(Actual Item Velocity)−所与の製品が販売期間中に自動販売機によって売られる実際の割合。実際の割合は、時間あたりに売られた単位数、時間あたりの売上高、及び時間あたりの収益を含むさまざまな形で表すことができる。
代替価値オファー、販売促進オファー−顧客が(1)最初の取引からの支払われるべきつり銭又は(2)利益のいずれかを受け取ることを可能にする、自動販売機の顧客に提供されるオファー。代替価値オファーは、プリンタ(たとえば、オファーが紙チケットに印刷される)又は液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンなど、自動販売機の出力デバイスを介して顧客に提供することができる。代替価値オファーは、パーソナル・コンピュータ、携帯情報端末(PDA)、又はセル電話機など、別個のコンピュータ又はデバイスの出力デバイスを介して顧客に提供することができる。
利益−支払い又は他の利点。利益のいくつかの例には、製品の割引、製品に適用可能なクレジット、特定の製品、あるクラスの製品(たとえば、すべてのソーダ、点滅する赤い発光ダイオードによって示されるすべてのアイテム)から選択された1つ又は複数の製品を受け取る能力が含まれる。
コイン保存−最小額を残しておくか獲得するために、コイン又は他の通貨の在庫の管理によるなど、自動販売機に蓄えられた運転資金を管理する実践。この最小額を使用して、たとえば、適当な時に顧客につり銭を与えることができる。いくつかの実施例で、自動販売機は、1つ又は複数の代替価値オファーを構成し、顧客に出力することによって、コイン保存の機能を果たすことができる。たとえば、充てん期間の残り全体でのすべての予想される取引に正しいつり銭を出すためには機械に残っているコインの個数が不十分であることを、現在の販売パターンに基づく予想が示す場合に、自動販売機制御システムは、代替価値オファーを実行する(たとえば、顧客に、支払うべきつり銭の代わりに追加製品の割引を提供する)ことによってコイン保存の機能を果たすことができる。
コイン在庫、コイン予備、運転資金−1つ又は複数の取引に従って適当なつり銭を顧客に与えるのに使用することができる、自動販売機が使用可能な通貨(たとえば、コイン)の供給。
充てん期間、販売期間−補充日の間の期間。
正価、小売価格−所与の製品の購入について通常請求される価格。通常、代替価値オファーは、アイテムを正価未満で購入する機会を顧客に提示する。
理想製品速度(ideal product velocity)、目標製品速度(target product velocity)、目標速度(target velocity)−所与の製品が、販売期間などの時間期間中に自動販売機によって売られなければならない所望の割合。したがって、いくつかの実施例で、所与の販売期間の終りまでに(すなわち、補充時間までに)在庫をあるレベルまで減らすために製品を売らなければならない割合を示す理想速度を、製品ごとにセットし又は計算することができる。たとえば、オペレータが補充日及びその日の所望の残り在庫を入力した後に(たとえば、オペレータは、各アイテムが補充日に1つだけ残っており、その結果、機械が、完全に売り切れにならず、顧客を失望させずににできる限り多くのアイテムを売ることを望む場合がある)、理想製品速度を計算することができる(たとえば、自動販売機制御システムによって)。したがって、オペレータが、(a)50単位のソーダAをストックし、(b)14日先の補充日を入力し、(c)1単位のソーダAだけが補充日に残っていなければならないことを示す場合に、制御システムは、49を14で割って、理想製品速度を実現するために、販売期間中に1日あたり平均3.5単位を売らなければならないと結論することができる。本明細書で述べるように、自動販売機制御システムは、周期的に、実質的に継続的に、又は他の形で、実アイテム速度が理想アイテム速度と少なくとも等しいか否かを判定することができ、そうでない場合に、本明細書で述べるように販売促進(たとえば、代替価値オファー)を始めることができる。理想製品速度は、さらに、そのような速度に達した場合に、量の増加が販売促進を介して顧客に与えられる割引を実質的に相殺するようになるようにセットすることができる。所与の製品を売らなければならない実際の割合は、時間あたりに売られた単位数、時間あたりの売上高、及び時間あたりの収益を含むさまざまな形で表すことができる。
最低販売価格−アイテムを売ることのできる最低価格。最低販売価格は、自動販売機のオペレータにとっての製品のコストを必ずしも反映しない場合がある。したがって、最低販売価格に、許容できる利鞘を含めることができる。逆に、最低販売価格を、自動販売機のオペレータにとっての製品のコスト未満にセットすることができる。
オペレータ−自動販売機の所有者(又はその従業員若しくは代理人)。
製品、アイテム−自動販売機で提供される商品又はサービス。自動販売機によって提供される商品の例には、飲料(たとえばソーダの缶)及びスナック(たとえば、キャンディ・バー)が含まれる。多くのタイプの飲料自動販売機及びスナック自動販売機で、同一製品の複数の単位が、行(又は列)に直線状に配置され、コマンド時に個別に販売される。同一の製品を、複数の行にストックすることができる。同様に、複数の製品を、単一の行にストックすることができる。自動販売機によって提供されるサービスの例には、洗車、写真サービス、及びディジタル・コンテンツへのアクセス(たとえば、iPod(商標)などのハンドヘルド・デバイスへのMP3ファイルのダウンロードを許可すること、セル電話機への着信メロディのダウンロードを許可すること)が含まれる。
収益在庫管理(profit inventory management、PIM)−販売期間などの時間期間中の自動販売機の収益性を高めるために製品の販売を管理する実践。いくつかの実施例で、自動販売機は、収益目標を示す保管されたルールに鑑みて販売データを評価するようにプログラムされる。たとえば、保管されたルールは、機械の収益性を増やす傾向がある理想製品速度を示すことができる。機械は、現在の販売データに基づいて、理想製品速度(所与の製品又は製品のグループの)が、現在の販売促進、価格、又は他の販売パラメータに基づいて達成されないと判定することができる。それに応答して、自動販売機は、理想製品速度(所与の製品又は製品のグループの)を達成する目的で、代替価値オファーを実行することができる。
補充日、補充時間−自動販売機が、自動販売機のオペレータによる補充(製品及び/又は運転資金の)をスケジューリングされている時刻及び/又は日付。
目標収益、理想収益−いくつかの実施例で、自動販売機のオペレータによってセットされる収益目標。目標収益は、1つの自動販売機、自動販売機のグループ、1つの製品、製品のグループ、又は全製品に適用することができる。目標収益は、複数の自動販売機に適用することもできる。目標収益は、時間あたりのドル、売られた単位値のドル、ある時点までの集計ドルを含むさまざまな形で表すことができる。
チケット、つり銭チケット、印刷されたチケット、商品券−代替価値オファーを伝えるために自動販売機から出力される物体(たとえば、紙又はプラスチックから形成される)。したがって、いくつかの実施例で、自動販売機制御システムは、代替製品オファーを決定し、オンボード感熱プリンタなどの周辺デバイスに、そのオファーを紙チケットに印刷し、そのチケットを顧客に出力するように指示することができる。このチケットは、取引の領収書として働くこともできる。
I.自動販売機装置
序論
一般に、本発明による自動販売機に、とりわけ、顧客から支払いを受け取り、価格決定及び/又は商品の配布を制御し、且つ/或いはサービスへの機能付与を制御することによって、顧客との販売取引を管理するように構成されたデバイスを含めることができる。
機械ケーシング/キャビネット
いくつかの実施例で、適当な機械キャビネットを、(1)商業レベルの鋼鉄(たとえば、外面パネル及び内部棚用)、(2)ガラス又はPlexiglasなどの透明材料(たとえば、アイテム・ディスプレイ・ウィンドウ用)、(3)ゴム(たとえば、防水断熱用)、(4)プラスチック、及び/又は(5)アルミニウムを含むがこれらに限定されない任意の適当な材料から構成することができる。
多くの市販機械ケーシングを、本発明に従って働くように適合させることができる。たとえば、スナック機械の実施例では、適当な機械ケーシングには、高さ1829mm(72”)、幅988mm(38 7/8”)、奥行き889mm(35”)の、米国ミネソタ州セント・ポールのAutomatic Products International,Ltd.社が製造する129 SnackShopを含めることができる。他の適当なスナック機械ケーシングには、Automatic Products社のA La Carte(登録商標)機械及び米国コネチカット州スタンフォードのCrane Merchandising Systems/Crane Co.社のGPL SnackVendor model # 159が含まれる。
飲料機械の実施例では、米国サウス・キャロライナ州ウィリストンのDixie Narco,Inc.社が市販する機械ケーシングを使用することができる。飲料機械ケーシングは、「クーラー」又は「ガラス・フロント(glass front)」スタイルの前面パネルを含み、顧客が販売用の在庫を見ることを可能にする透明前面パネル(たとえばガラス)を特徴とすることができる。その代わりに、飲料機械ケーシングに、通常は自動販売機の運営に商業的関心を持つ製品製造業者のロゴを宣伝するのに使用される、装飾前面パネルを特徴とする「バブル・フロント(bubble front)」スタイルの前面パネルが含まれることができる。
Crain Co.社から入手できるものなど、組合せスナック飲料自動販売機実施例を含む、他の実施例も企図されている。機械ケーシング/家具の適合性に関するさらなる詳細は、当技術分野で周知であり、本明細書でさらに説明する必要はない。
在庫貯蔵機構及び在庫販売機構
本発明のスナック機械実施例に従って構成された自動販売機の在庫貯蔵機能及び在庫配布機能に、(i)駆動モータ、(ii)金属棚、(iii)製品引渡しシステム(たとえば、シュート、製品トレイ、製品トレイ・ドアなど)、(iv)二重スパイラル(すなわち、二重螺旋)アイテム販売ロッド、(v)改装可能な(すなわち拡張可能な)棚、及び/又は(vi)冷蔵ユニットを含む1つ又は複数の従来の構成要素を含めることができる。Automatic Products社が製造するmodel 129 SnackShopのケーシングを使用する実施例では、3つの取り外し可能棚を使用することができ、これらは一緒に、30個の製品行と、185個と522個の間の一緒に売られるスナック製品の在庫容量をもたらす。
本発明の飲料機械実施例に従って構成された自動販売機の在庫貯蔵機能及び在庫配布機能に、(i)金属及び/又はプラスチックの棚、(ii)アイテム販売アクチュエータ/モータ、(iii)製品引渡しシュート、及び/又は(iv)冷蔵ユニットを含む1つ又は複数の従来の構成要素を含めることができる。
自動販売機の貯蔵機構及び販売機構に関するさらなる詳細は、当技術分野で周知であり、本明細書でさらに説明する必要はない。
支払い処理機構
自動販売機に、コイン・アクセプタ、紙幣確認装置(bill validator)、カード・リーダ(たとえば、磁気ストライプ・リーダ)、及びつり銭ディスペンサを含む、支払いを受け取り、つり銭を分配する1つ又は複数の機構も含めることができる。そのような機構を、一体式し、組み合わせ、又は別個のものとすることができる。
当技術分野で既知の形で、磁気ストライプ・カード・リーダは、クレジット・カード又はデビット・カードの磁気ストライプ上のデータを読み取ることができ、既知のクレジット・カード処理機器と協力して、従来の取引認可ネットワークを介してカードベースの購入を検証することができる。適当なカードベースの取引処理のシステム及び方法が、USA Technologies,Inc.社から入手可能である。
コイン・アクセプタ、紙幣確認装置、及びつり銭ディスペンサは、通貨貯蔵装置(たとえば、「ホッパ」)と通信することができ、米国ペンシルバニア州ウエスト・チェスタのMars,Inc.社のモデルAE−2400、MC5000、TRC200又はCoinCo社のモデル9300−Lなどの従来のデバイスを含むことができる。コイン・アクセプタ及び紙幣確認装置は、通貨貯蔵装置によって貯蔵される通貨を受け取り、検証することができる。つり銭ディスペンサは、適当な場合(たとえば、顧客が所与の取引に必要な額より多い通貨を投入した場合、顧客が代替価値オファーを拒否し、且つ/又はつり銭額を積極的に要求する場合)に、通貨貯蔵装置から顧客への硬貨の返却をアクティブ化する。そのような装置は、当技術分野で既知のように、マルチドロップ・バス(MDB)及び/又は微細機械の周辺機能を特徴とする場合がある。
いくつかの実施例で、コイン・アクセプタ、通貨貯蔵装置、及び/又はつり銭ディスペンサは、一緒に、1つのユニット(Mars,Inc.社のMEI CASHFLOW series 7000など)を含むことができ、或いは、顧客から受け取られたコインを、その後に顧客につり銭を与えるのに使用できるようになるために、他の形であいまって働くように構成されることができる。そのような実施例は、本明細書で詳細に説明する、コイン予備が閾値レベルまで補給されるまで代替価値オファーを使用するように機能する実施例で望ましい場合がある。たとえば、一実施例で、自動販売機が、つり銭予備が閾値未満まで減少した時に顧客に1つ又は複数の代替価値オファーを出力し、つり銭予備がコインを用いての販売によって補給された後及び/又は代替価値オファー(顧客が利益と交換するため、つり銭を受け取るのを止めるか延期するのを奨励する)の成功の後にそのようなオファーの出力を止めることができる。
いくつかの実施例で、MEI CASHFLOW series 7000は、そのような装置が過去の記録に基づいた取引データに基づいて機械の予想されるつり銭必要量を計算できるので、望ましい可能性がある。さらに、1998年12月23日に公告されたWO 98/58355、「Currency Handling Apparatus」(その全体が参照によって本明細書に組み込まれている)に記載の通貨処理装置は、同様に通貨の予測された将来の流通に合わせるのに必要な通貨の推定量を計算するので、望ましい可能性がある。MEI CASHFLOW series 7000及びWO 98/58355の通貨処理装置は、単に、貯蔵される通貨の望ましい量を計算する装置を記載したものであり、そのような従来技術の機構を使用するオペレータは、最善で、そのような計算を使用して、ストックすべき通貨の量を判定することができる。しかし、MEI CASHFLOW series 7000などのコイン機構及びWO 98/58355に記載の機構を特徴とする本発明の実施例では、そのような計算を使用して、本明細書で説明するように、1つ又は複数の代替価値オファーを顧客に出力しなければならない時を判定する閾値レベルをセットすることができる。
もう1つの実施例で、本発明による自動販売機は、顧客の無線デバイス(たとえば、セル電話機、PDA)から、直接に又は間接に、無線デバイス通信ネットワークを介して支払い認可コマンド及び/又は製品選択コマンドを受け取るように構成することができる。そのような実施例では、支払い処理機構に、本明細書で説明するように、機能的にプロセッサに接続された小型移動・トランシーバを含めることができる。セル電話機を介して自動販売機物品の選択及びそれに関する支払いを可能にするシステム及び方法は、米国ペンシルバニア州ウェインのUSA Technologies,Inc.,社が提供する。さらに、そのような実施例では、セル電話機が、本明細書で説明するように、入出力デバイスとして機能することができる。
自動販売機支払い処理機構に関するさらなる詳細は、当技術分野で周知であり、本明細書でさらに説明する必要はない。
入出力デバイス
本発明によれば、自動販売機に、(i)製品及び/又はオファーを選択する顧客、或いは/若しくは(ii)自動販売機のストック中又は保守中のオペレータ(又はその代理人)から入力を受け取る入力デバイスを含めることができる。また、自動販売機に、顧客又はオペレータに製品又はオファーの情報を出力する1つ又は複数の出力デバイスを含めることができる。
入力デバイスと出力デバイスの多数の組合せを、本発明に従って使用することができる。いくつかの実施例で、自動販売機に、複数の入力デバイスを含めることができる。たとえば、自動販売機に、顧客入力を受け取る外部入力デバイス及びオペレータ入力を受け取る内部入力デバイスを含めることができる。しかし、いくつかの実施例で、入力デバイスは、オペレータと顧客の両方から入力データを受け取る二つの機能を提供する。同様に、自動販売機に、複数の出力デバイス(たとえば、本明細書で説明するように、LCDスクリーン及び複数のLED)を含めることができる。しかし、タッチ・スクリーンを特徴とするものなど(本明細書で説明する)いくつかの実施例で、入力機能及び出力機能を、単一のデバイスによって実現することができる。
多数のタイプの入力デバイスが企図されている。したがって、入力デバイスに、(1)プログラマブルMaster Menu(登録商標)Keypadなどの、自動販売機への入力をもたらす英数字キーのセット、(2)セレンクタ・ダイヤル、(3)アイテム・ディスペンサの各々の組に関連するボタンの組、(4)モーション・センサ、(5)バーコード・リーダ、(6)磁気ストライプ・カード・リーダ、(7)音声認識モジュール及び/又はマイクロホン、(8)デュアルトーン・マルチフリケンシ(DTMF)受信器/デコーダ、(9)無線デバイス(たとえば、セル電話機又は無線携帯情報端末)、(10)指紋リーダなどのバイオメトリック・センサ、並びに/或いは(11)自動販売機設計者が一般的に使用するすべての他の従来の入力デバイスのうちの1つ又は複数を含めることができる。
同様に、多数のタイプの出力デバイスが企図されている。たとえば、出力デバイスに、LCDディスプレイを含めることができる。その代わりに又はそれに加えて、出力デバイスに、1つ又は複数のLEDディスプレイ(たとえば、製品在庫の各行に近接して関連する、自動販売機の棚の複数のマルチカラー又はシングル・カラーの英数字LEDディスプレイ)を含めることもできる。
一実施例で、LEDディスプレイ・スクリーンが、自動販売機の頂上に(ボルト又は他の取付けハードウェアを介して)取り付けられ、各々の顧客に代替価値オファー及び他のメッセージ(たとえば、製品の宣伝)を通信するのに使用される。そのような実施例に適するLEDディスプレイ・スクリーンは、69.85cm(27.5”)の長さ、10.795cm(4.25”)の高さ、及び1.75”の奥行きを有するアルミニウム・ケースに収納することができる。そのようなディスプレイ・スクリーンは、13個の英数字文字及び/又はグラフィカル文字を表示できる表示エリアを有することができる。さらに、そのようなLEDディスプレイ・スクリーンには、本明細書で説明するように、プロセッサと通信するための、RJ45/RS232コネクタなどのシリアル・コンピュータ・インターフェースを含めることができる。さらに、そのようなLEDディスプレイを、現在の及びこれからの販売促進に関して複数の色(たとえば、赤、黄、緑、黒)でテキスト及びグラフィックスを出力できるものとすることができる。
さらに、いくつかの実施例で、出力デバイスに、プリンタが含まれる。いくつかの実施例で、プリンタは、EPSON社のEU−T400 Series Kiosk Printerなど、カード・ストック紙(たとえば、0.06mmから0.15mmの厚さ)に印刷するように構成される。もう1つの実施例で、プリンタは、さまざまなタイプの紙にさまざまなフォント・サイズ(たとえば、9ポイントから24ポイントまでの範囲)でさまざまな英数字シンボル及びグラフィカル・シンボルを感熱ライン印刷することができる。そのような機能を有するプリンタには、日本プリメックス社のNP−345及びセイコーインスツル社のPSA−11が含まれ、これらの両方が、折り畳まれた穴開き感熱紙を受け入れる。他の適するプリンタは、HECON社のTPM 80又はTPM 100、Bematech International社のKF−6580、並びにAxiohm社のA226及びA223プリンタなど、カッタを用いて分離される感熱ロール紙をストックできるものとすることができる。さらに、そのようなプリンタは、RS232/IEEE 12834接続及び/又は両方向パラレル接続を介してプロセッサ(本明細書で説明する)と通信することができる。さらに、そのようなプリンタに、さらに4KBデータ・バッファを含めることができる。
さらに、出力デバイスに、磁気ストリップ・カード・ディスペンサ及び/又は磁気ストリップ・カードリーダ/ライタを含めることができる。したがって、いくつかの実施例で、自動販売機を、その上に記録された代替価値オファー・コードを含む磁気ストライプ・カードを出力し、受け取り、且つ/又はこれに記録するように構成することができる。そのようなカードは、その後、顧客が提示し、カード・リーダが受け入れることができ、その結果、代替価値オファーを受け入れ、変更し、且つ/又は引き換えることができるようになる。
さらに、いくつかの実施例で、出力デバイスに、オーディオ・スピーカなど、顧客に可聴に情報を出力するオーディオ・モジュールが含まれる。スピーカに、従来の音響スピーカ及び/又は現代のハイパーソニック・スピーカ(hypersonic speaker)を含めることができる。
前に述べたように、いくつかの実施例で、接触感知スクリーンを使用して、入力機能と出力機能の両方を実行することができる。本発明に従って使用するのに適する市販タッチ・スクリーンは、Elo’s AccuTouchシリーズ・タッチ・スクリーンなど、米国カリフォルニア州フレモントのElo TouchSystems,Inc.,社によって製造される。そのようなタッチ・スクリーンに、(i)防眩仕上げをコーティングされた第1の(たとえば、最も外側の)固い表面スクリーン層と、(ii)透明導体コーティングをコーティングされた第2スクリーン層と、(iii)均一な導電コーティングを有するガラス基板を含む第3スクリーン層とを含めることができる。さらに、そのようなタッチ・スクリーンを、±2mm(0.080インチ)未満の誤差の標準偏差など、所定の位置精度以内で入力を検出するように構成することができる。そのようなタッチ・スクリーンの感度分解能は、13インチ・タッチ・スクリーンの場合に15500タッチポイント/cm2(100000タッチポイント/in2)を超えるものとすることができる。そのようなタッチ・スクリーンについて、タッチ・スクリーンを介するプロセッサ(本明細書で説明する)への入力信号をトリガするのに必要なタッチ・アクティブ化力は、通常、57gから113g(2オンスから4オンス)である。さらに、本発明に従って使用されるタッチ・スクリーンは、水、湿気、化学物質、静電エネルギ、及び類似物などの環境ストレスに耐えるものとすることができる。タッチ・スクリーンの上記及び他の動作詳細(たとえば、駆動電流、信号電流、容量、開路抵抗、閉路抵抗など)は、当技術分野で周知であり、本明細書でさらに説明する必要はない。
論理/制御/処理装置
いくつかの実施例で、入力デバイス、出力デバイス、コイン・アクセプタ、紙幣確認装置、カード(たとえば磁気ストライプ)リーダ、つり銭ディスペンサ、通貨貯蔵装置、及び製品販売機構(集合的に「周辺機器」)を含む自動販売機の構成要素は、Intel(登録商標)社のPentium(登録商標)又はCentrino(商標)シリーズ・プロセッサに基づくものなどの制御システム又は制御プロセッサと通信し、これによって制御される。プロセッサは、メモリ及び通信ポートと通信する(たとえば、1つ又は複数の他のコンピュータ若しくは自動販売機と通信するために)ことができる。メモリに、磁気メモリ、光メモリ、及び/又は半導体メモリの適当な組合せを含めることができ、たとえば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、コンパクト・ディスク、及び/又はハード・ディスクを含めることができる。メモリに、任意のタイプのコンピュータ可読媒体を含めることができる。プロセッサ及びメモリのそれぞれは、たとえば、(i)完全に単一のコンピュータ又は他のデバイス内に置くか、(ii)シリアル・ポート・ケーブル、電話回線、又はラジオ周波数トランシーバなどのリモート通信媒体によって互いに接続することができる。
メモリに、プロセッサを制御するプログラムを保管することができる。プロセッサは、プログラムの命令を実行し、これによって、本発明に従って、特に本明細書で詳細に説明するプロセスに従って動作する。このプログラムは、圧縮された、未コンパイルの、及び/又は暗号化されたフォーマットで保管することができる。このプログラムに、さらに、オペレーティング・システム、データベース管理システム、及びプロセッサとインターフェースし、周辺機器に指示することを可能にする「デバイス・ドライバ」など、必要になる可能性があるプログラム要素が含まれる。適当なプログラム要素は、当技術分野で周知であり、本明細書でさらに説明する必要はない。
本明細書で使用される用語「コンピュータ可読媒体」は、実行のためにプロセッサに命令を提供するのに参加するすべての媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含むがこれらに限定されない多数の形をとることができる。不揮発性媒体には、たとえば、メモリなどの光ディスク又は磁気ディスクが含まれる。揮発性媒体には、通常はメイン・メモリを構成するダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)が含まれる。伝送媒体に、プロセッサに結合されたシステム・バスを含む、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバが含まれる。伝送媒体は、ラジオ周波数(RF)データ通信中及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの、音波又は光波を伝えることができる。コンピュータ可読媒体の一般的な形には、たとえば、フロッピ・ディスク、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、磁気テープ、すべての他の磁気媒体、CD−ROM、DVD、すべての他の光媒体、パンチ・カード、紙テープ、穴のパターンを有するすべての他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEEPROM、すべての他のメモリ・チップ又はメモリ・カートリッジ、後で説明する搬送波、或いはそれからコンピュータが読み取ることのできるすべての他の媒体が含まれる。さまざまな形のコンピュータ可読媒体を、実行のためにプロセッサに1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを伝えるのに用いることができる。
本発明の実施例によれば、プログラムの命令を、ROMからなど、別のコンピュータ可読媒体からメイン・メモリに読み取ることができる。プログラム内の命令のシーケンスの実行は、プロセッサに、本明細書で説明する処理ステップを実行させる。代替実施例では、ハードワイヤド回路を、本発明のプロセスの実施のためにソフトウェア命令の代わりに又はこれと組み合わせて使用することができる。したがって、本発明の実施例は、ハードウェアとソフトウェアの特定の組合せに限定されない。
メモリに、1つ又は複数のデータベースを保管することもできる。各データベースに保管されるデータの一部又はすべてを、本明細書で説明する。説明されるデータは、例示的な情報だけを表し、当業者は、データの個数、内容、及び形を、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに本明細書で説明されるものと異なるものにすることができることを理解するであろう。さらに、表形式のリレーショナル・データベースとしてのデータベースの説明に関わりなく、オブジェクトベース・モデルを使用して、本発明のデータ型を保管し、操作することができ、同様に、オブジェクト・メソッド又はオブジェクト挙動を使用して、本発明のプロセスを実施することができる。
したがって、機械の処理装置は、周辺機器とあいまって(たとえば、RS232接続及び/又は他の適当な接続を介して)、本明細書で説明する保管されたビジネス・ロジックに従ってユーザとの対話を管理する。
別個のデバイスを用いる、従来の自動販売機の改良
一実施例で、プロセッサ、入力デバイス、RAM、ROM、出力デバイス、及びデータ・ストレージ・デバイスのうちの1つ又は複数を、自動販売機と通信する、USA Technologies Inc.,社のe−Port(商標)などの別個のデバイスに全体的に又は部分的に含めることができる。別個のデバイスは、インターネットなどのネットワークと通信することもできる。
e−Port(商標)は、オフィス及びMDB販売機器へのアクセスを制御し、店頭クレジット・カード取引デバイスとして働く、クレジット・カード及びスマート・カードを受け入れるユニットである。e−Port(商標)に、カラー・グラフィックスの表示を可能にするLCDと、ユーザがそのデバイスにデータを入力することを可能にする接触感知入力デバイス(タッチ・スクリーン)とが含まれる。ディスプレイは、たとえば代替価値オファー及び取引の状況に関する情報などを用いて対話的にユーザに促すのに使用することができる。
個別のデバイスに、代替価値オファー及び他の情報を顧客に印刷し、出力する、本明細書で説明するプリンタを含めることができる。
個別のデバイスを、本明細書で説明する必要な機能を実行するための適当なソフトウェアを実行するプログラムされたコンピュータとすることもできる。個別のデバイスを、顧客から入力を受け取り、顧客から支払いを受け取り、遠隔地に置かれたサーバと情報を交換し、且つ/又は代替価値オファーを顧客に出力する(たとえば、印刷し、分配する)ように動作するものとすることができる。個別のデバイスを、適当な支払いが受け取られたこと(たとえば、個別のデバイスによって読み取られたクレジット・カードを介して)及び/又は1つ若しくは複数の特定の製品を自動販売機によって販売しなければならないことを自動販売機に指示するように動作するものとすることができる。さらに、個別のデバイスを、代替価値オファー販売促進を実行するように自動販売機に指示するように動作するものとすることができる。
したがって、個別のデバイスを、自動販売機に機能的に接続して、本明細書に記載の発明的プロセスを実行することができる。この形で、従来の自動販売機を、そのような個別のデバイスを用いて改装して、本明細書に記載の発明的プロセスを実行することができる。
ネットワーク実施例
本発明は、通信ネットワークを介して1つ又は複数の自動販売機と通信するコンピュータを含むネットワーク環境で働くように構成することができる。コンピュータは、インターネット、LAN、WAN又はイーサネット(登録商標)、トークン・リングなどの有線媒体又は無線媒体を介して、或いは任意の適当な通信手段若しくは通信手段の組合せを介して、直接に又は間接に自動販売機と通信することができる。自動販売機のそれぞれに、コンピュータと通信するように適合された、Intel(登録商標)社のPentium(登録商標)又はCentrino(商標)プロセッサに基づくものなどのコンピュータを含めることができる。任意の個数及びタイプの機械が、このコンピュータと通信することができる。
自動販売機とコンピュータの間及び自動販売機の間の通信は、リモート・サーバ上のコンピュータによって維持されるウェブ・サイトを介してインターネット上で又は商用オンライン・サービス・プロバイダ、掲示板システム、及び類似物を含むオンライン・データ・ネットワーク上でなど、直接的又は間接的とすることができる。もう1つの実施例では、自動販売機が、RF、ケーブルTV、衛星リンク、及び類似物を介してお互いに及び/又はコンピュータと通信することができる。
ネットワークを含むか他の形で本システムの一部とすることのできる、すべてではないがいくつかの可能な通信ネットワークには、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、高域ネットワーク(WAN)、インターネット、電話回線、ケーブル回線、ラジオ・チャネル、光通信回線、及び衛星通信リンクが含まれる。本システムの一部とすることのできる可能な通信プロトコルには、イーサネット(登録商標)(又はIEEE 802.3)SAP、ATP、Bluetooth(商標)、及びTCP/IPが含まれる。通信は、プライバシを保証し、詐欺を防ぐために、当技術分野で周知のさまざまな形のいずれかで暗号化することができる。
当業者は、互いに通信する自動販売機及び/又はコンピュータが、お互いへ継続的に送信している必要がないことを理解するであろう。逆に、そのような自動販売機及び/又はコンピュータは、必要に応じてお互いに送信することだけとして、ほとんどの時間にデータの交換をやめることができる。たとえば、インターネットを介して別の機械と通信する自動販売機が、一時に数週間にわたって他の機械にデータを送信しない場合がある。
一実施例で、サーバ・コンピュータが、必要でない及び/又は好ましくない場合がある。たとえば、本発明を、1つ又は複数の実施例で、独立の自動販売機及び/又は1つ又は複数の他の自動販売機のみと通信する自動販売機で実践することができる。そのような実施例では、サーバ・コンピュータによって実行されると記述されるすべての機能又はサーバ・コンピュータに保管されるものとして記述されるデータを、その代わりに、1つ又は複数の自動販売機によって実行するかこれに保管することができる。
他の実施例で、自動販売機は、たとえば本明細書で説明するデータのすべて又は一部を自動販売機に供給し、且つ/又は自動販売機から受け取る、サーバなどのリモート・コンピュータと通信することができる。したがって、ある種の実施例で、サーバに、データ・ストレージ・デバイス/メモリなど、ある種の要素又はある種の要素の部分を含めることができる。
一実施例で、リモート・コンピュータを、顧客又はオペレータによって、第2コンピュータ(インターネット又は他のネットワークを介して通信する)を介して直接に又は間接にアクセス可能とすることができる。したがって、第2コンピュータの顧客又はオペレータは、ウェブ・ブラウザを介してリモート・コンピュータと通信することができる。第2コンピュータは、たとえば、自動販売機によって出力されるものとして本明細書で説明されるメッセージをリモート・コンピュータから受け取り、且つ/又は自動販売機に供給されるものとして本明細書で説明される入力をリモート・コンピュータに送信することができる。同様に、自動販売機の入力デバイスを介して受け取られるものとして本明細書で説明されるさまざまなデータを、リモート・サーバと通信するウェブ・ブラウザを介して受け取ることができ、このリモート・サーバは、自動販売機と通信する。したがって、自動販売機のオペレータは、リモート・ポーリング機能及びリモート・レポーティング機能を有することができ、自動販売機に新しいビジネス・ルールを送信することなどができる。
II.プロセス
ソフトウェア
一実施例で、ソフトウェアベースの制御システムが、特に本明細書で説明する本発明による機能に従って、自動販売機の動作を管理する命令を実行する。そのような自動販売機の動作に、(1)アイテム価格決定(たとえば、LEDを介する価格の表示、適当な場合のそのような価格の変更など)、(2)(i)入力デバイスを介して顧客の選択を受け取り、(ii)支払い処理機構を介して支払いを処理し、(iii)対応するアイテム販売機構を作動させることによる販売取引の処理、(3)代替価値オファーの識別、(4)出力デバイスを介する顧客への代替価値オファーの出力(LCDディスプレイ及びLEDディスプレイでのグラフィックス/内容の表示と、カード・ストックへのオファーの印刷及びそのような印刷物の分配とを含む)、並びに(5)取引情報(在庫レベル、代替価値オファーの受入率など)の記録を含むが、これらに限定はされない。
いくつかの実施例で、機械周辺機器(たとえば、入力デバイスと、出力デバイスと、在庫販売機構と、コイン・アクセプタ、紙幣確認装置、カード・リーダ、及びつり銭ディスペンサなどの支払い処理機構となどの機械的ハードウェアを含む機械ハードウェア)は、標準RS−232シリアル・インターフェースを介してソフトウェアベース制御システムによって制御される。そのような実施例では、組込みAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)/デバイスを使用して、ソフトウェアがRS−232接続性を介して自動販売機周辺機器を作動させ/制御するのを可能にすることができる。そのような自動販売機周辺機器を、実用的である任意の形で、直接に又は間接に制御システムに機能的に接続することができる。
図1に示されているように、一実施例で、制御システムに指示する制御ソフトウェアは、3つの抽象構成要素に分割することができる。そのような分割は、タスクの明瞭な区分をもたらし、この区分は、将来の変更及びある構成要素の新しいプログラミングを他の構成要素の混乱なしで適用できるようにするのに望ましい可能性がある。そのような分割は、構成要素のある種の詳細を他の構成要素が安全に無視することも可能にする。図1に移ると、ビジネス・ロジック構成要素10、制御レイヤ構成要素20、及び例示的な機械周辺機器構成要素30を含む3つの抽象構成要素が図示されている。前に述べたように、より多くの機械周辺機器を使用することができる。ビジネス・ロジック構成要素10は、API 15を介して制御レイヤ構成要素20に接続され、制御レイヤ構成要素20は、API 25を介して機械周辺機器構成要素30に接続される。
図1に移ると、一実施例で、ビジネス・ロジック構成要素10は、ソフトウェアのうちで、本明細書で述べる代替価値オファーを実行する部分を視覚的に表す。そのような構成要素は、1つ又は複数のデータベース(たとえば、代替価値オファー・ルール・データベース、製品データベース、コイン予備データベース、及び/又は取引ヒストリ・データベース)にアクセスして、そのような機能を実行することができる。制御レイヤ構成要素20は、ソフトウェアのうちで、少なくとも1つの機械周辺機器構成要素30とインターフェースし、これによって、(i)出力デバイス(すなわち、機械周辺機器構成要素30)を介する代替価値オファー情報の出力、(ii)製品販売機構(すなわち、機械周辺機器構成要素30)を介する製品の販売、及び/又は(iii)つり銭ディスペンサ及び通貨貯蔵装置(すなわち、複数の機械周辺機器構成要素30)を含めることのできる支払い処理機構を介する顧客への支払うべきつり銭の分配などの機能を実行するコマンドを送る部分を視覚的に表す。前に述べたように、機械周辺機器構成要素30は、一般に、入力デバイスと、出力デバイスと、在庫販売機構と、コイン・アクセプタ、紙幣確認装置、カード・リーダ、及びつり銭ディスペンサなどを含む支払い処理機構となどの機械的ハードウェアを含む機械ハードウェアを意味する。
図1の実施例にかかわらず、当業者は、制御ソフトウェアを多数の非排他的な形で抽象的に表せることをたやすく認めるであろう。さらに、このソフトウェアを、「階層」パラダイム以外の多数の周知のパラダイムに従って開発し、且つ/又は提示することができる。
さまざまなプロセス・ステップ
いくつかの実施例によれば、オファーを管理する(たとえば、代替管理オファーを識別し、出力し、且つ/又は処理する)ように設計されたプロセスが、自動販売機のメモリに保管され、自動販売機の周辺デバイス(たとえば、プリンタ、キーパッド)を利用して、制御システム(たとえば、プロセッサ、RAM、ROMなど)によって実行される。プロセス・ステップを、自動販売機制御システムによって実行されるものとして、又は自動販売機制御システムの展望から説明する場合があるが、そのような説明は、単に一実施例を示すものである。上で述べたように、本明細書で説明する実施例は、全体的に又は部分的に、1つ又は複数の自動販売機、コンピュータ、及び/又はデバイスで実行することができる。
8つのステップ(ステップ100から800)を含む実施例の例示的処理ステップを、下で説明する。8つのステップのこの特定の詳説は、本発明の範囲を限定するものではない。本発明に、下で説明するものと同一の又はこれに類似するステップが他の順序で、8つより少数又はより多数のステップを有して配置される複数の他の実施例が含まれる。さらに、8つのステップのうちのどれもが、本発明に必須とは考えられず、これらは、単に、そのようなステップ及びその変形形態をたまたま含むさまざまな実施例を示すために説明されるものである。
ステップ100:最初の製品選択及び支払額を受け取る。
ステップ100で、顧客は、既知の形で(たとえば、対応するアイテム・ディスペンサ識別子の表示をキーパッドなどの入力デバイスに入力することによって)自動販売機から購入する製品を選択し、なんらかの既知の形で(たとえば、通貨を紙幣確認装置又はコイン受入装置に投入する、クレジット・カードをカード・リーダに通す、キーパッドを用いて支払い認可コードを入力する)支払いを行う。たとえば、顧客は、キーパッドの「A1」とマークされたキーを押し、紙幣確認装置に1.00ドルを投入することによって、自動販売機から1単位のCoca−Cola(登録商標)ソーダを選択することができる。自動販売機制御システムは、この選択と、投入された通貨の額の表示とを受け取る。製品の購入に使用可能な支払額(すなわち、支払いのうちで、提供されたがまだ製品の支払いに使用されていない部分)を、自動販売機の「貸方残高」と考えることができる。したがって、この実施例では、自動販売機の貸方残高は、1.00ドルである。
ステップ200:つり銭を支払うべきであるかどうかを判定する。そうである場合にはステップ300に進む。
ステップ200で、自動販売機(たとえば、自動販売機制御システム)は、顧客につり銭を支払うべきであるかどうかを判定する。一実施例で、自動販売機制御システムは、選択された製品の価格(たとえば、今購入されようとしている製品の小売価格)を判定し、その価格を貸方残高と比較することによってこれを行うことができる。貸方残高が、選択された製品の判定された価格を超える場合に、貸方残高と判定された価格との間の差の額のつり銭を顧客に支払うべきである。
一実施例で、自動販売機は、データベース(下で示す製品データベースなど)から、選択された製品に関連する識別子に対応するレコードから価格を取り出すことによって、選択された製品の価格を判定することができる。さらに、一実施例で、自動販売機は、選択された製品に取り付けられた、機械可読のしるし(たとえば、バー・コード)又はラジオ周波数識別(「RFID」)送信器などのデータ送信器から、価格及び/又は製品識別子を読み取ることによって、選択された製品の価格を判定することができる。
例示的な製品データベースを、下の表1に示す。
製品データベース
上の製品データベースがそれを示すように、一実施例で、製品ごとに、少なくとも1つの対応する製品カテゴリ並びに、対応する小売価格、コスト、利ざや、充てん期間の始めの量、現在の日/時の残っている量、補充日、実販売料金、及び理想販売料金が保管される。上の製品データベースの例示的データは、充てん期間の始めが6/15/03であったことと、現在の日付が6/25/03である(すなわち、充てん期間に入って10日であり、充てん期間が5日残っている)ことを前提とする。さらに、上の製品データベースの例示的データを、以下で、1つ又は複数の実施例を例示するために参照する。
ステップ300:1つ又は複数の代替価値オファーを出力すべきであるかどうかを判定する。そうでない場合には、ステップ800に進む。そうである場合には、ステップ400に進む。
ステップ300で、自動販売機制御システムは、代替価値オファーを出力すべきであるかどうかを判定する。そのような判定は、(1)機械が在庫を有する1つ又は複数の製品の残りの量、(2)充てん期間の残りの日数、(3)1つ又は複数の製品の販売データ及び/又は収益性データ、(4)機械のコイン予備、(5)最初の取引からの、つり銭として顧客に支払うべき額(たとえば、上のステップ100及び200で判定された額)、(6)現在の時刻、日付、曜日、及び他の時間に基づく考慮事項、(7)認可されるオファーの最大個数、(8)顧客の身元(たとえば、顧客ロイヤリティ/報償カードで提供される識別子を介して識別される)、並びに/或いは(9)1つ又は複数の同一のオファー又は類似するオファーの受入率など、1つ又は複数の要因に基づくものとすることができる。上の要因の任意の組合せ及び上の要因のいずれかによって考慮される任意の特定の値を、オファーを出力すべきであるかどうかの判定に使用することができる。
オファーを出力すべきであるかどうかの判定及びどの利益を申し出るかの判定は、1つ又は複数のルールに従って行うことができる。これらのルールは、多数の形で表すことができる。一実施例で、ルールを、制御ソフトウェアのプロセスに組み込むことができる。そのようなルールの変更は、たとえば人工知能及び/又はニューラル・ネットワーク・アルゴリズムを使用してルールを変更するソフトウェアによるなど、制御ソフトウェアを変更することを含む場合がある。
もう1つの実施例で、ルールは、たとえば、条件と、対応する条件が満足されたとの判定時に出力すべき各々のオファーとを保管する、データベースによって表される。ルールをデータベースに保管することの利点は、同一のソフトウェアが、異なるデータを有するデータベースを操作して、効果的に異なるルールを作ることができることである。したがって、同一のソフトウェアを複数の自動販売機にインストールすることができ、これらの自動販売機が、各々のデータベース内のデータが異なる場合に、異なって動作することができる。そのようなデータベース内のルールの変更は、データベースによって保管されるデータの変更(たとえば、ローカル制御又はリモート制御を介する)を伴う場合があるが、ソフトウェアの変更を要求する必要はない。
そのようなデータベース内のデータを操作するのに使用できるソフトウェアは、当業者にはたやすく識別可能であるはずである。たとえば、ソフトウェアを使用して、(i)比較の条件(たとえば、在庫レベル)、演算子(たとえば、より大きい、等しい)、及び/又は値(たとえば、30)を選択し、(ii)ブール演算子(たとえば、AND、OR、NOT)を介して複数の比較をつなぎ合わせることによって、データベース内で条件を作成し/編集することができる。ソフトウェアを使用して、(i)オファーのカテゴリ(「[再実行時刻]に再度来て[製品]を無料で受け取ってください)を選択し、(ii)そのようなカテゴリに関するパラメータがある場合に(たとえば、再実行時刻、製品)、そのパラメータの値を選択することによって、データベース内で作成し/編集することができる。そのようなデータベース内の値は、固定値とすることができ、或いは、他の値に基づいて計算することができる。
そのようなデータベースは、とりわけ、代替価値オファーを出力すべきかどうかの判定で考慮される要因と、どの代替価値オファーを出力すべきかの判定で考慮される要因とを表すことができる。
代替価値オファー・ルール・データベースに、ステップ300で相談することができる。例示的な代替価値オファー・ルール・データベース及びその例示的内容を、下の表2に示す。
上で示したように、代替価値オファー・ルール・データベースに、1つ又は複数の代替価値オファーを提供するかどうかの判定で販売制御システムを助ける1つ又は複数のルールを保管することができる。上の例示的な代替価値オファー・ルール・データベースは、条件及び対応するオファーとしてルールを表すが、ルール及び類似する意思決定構造を表す他の手段が、当業者によってたやすく識別可能である。さらに、上の例示的な代替価値オファー・ルール・データベースは、ブール評価として条件を表すが、他のタイプの条件が、当業者によってたやすく識別可能である。
実施例−在庫考慮事項
最初のレコード(すなわち、表2の一番上の行)は、(対応する条件を介して)(i)アイテムの残りの量、(ii)充てん期間の残りの日数、及び(iii)最初の取引からの顧客に支払うべきつり銭の額を考慮するルールを示す。具体的には、このルールは、充てん期間に5日以下だけしか残っていない時に製品の在庫が30単位を超えて残っており、つり銭額が製品のコストより高い場合に、オファー(具体的には、顧客が、最初の取引からの支払うべきつり銭と引き替えに製品を受け取ることを可能にするオファー)を提供しなければならないことを示す。この場合に、上の製品データベースの例示的データに従えば、自動販売機制御システムは、最初の取引から0.25ドルのつり銭の権利を与えられた顧客に、支払うべき0.25ドルのつり銭と引き替えに1パッケージのDentyne(登録商標)チューインガムを購入する機会を提供しなければならないと判定することができる。というのは、30単位を超えるDentyne(登録商標)チューインガムが在庫に残っており、充てん期間に5日だけが残っており、支払うべきつり銭の額が、アイテムのコスト(0.20ドル)より高いからである。
実施例−コイン予備の考慮事項
代替価値オファー・ルール・データベースの第2及び第3のレコードは、1つ又は複数の代替価値オファーを提供するかどうかの判定が、コイン予備データ及び/又はコイン予備の潜在的な減少に依存する実施例を示すものである。そのような実施例では、コイン予備データベースを使用することができる。例示的なコイン予備データベースを、下の表3に示す。
上の代替価値オファー・ルール・データベースの第2レコードは、コイン予備が所定の閾値又は「固定」閾値未満まで減少した時に代替価値オファーをトリガするルールを示す。そのような閾値は、手動でセットする(たとえば、自動販売機のオペレータによって)又はデバイス(たとえば、自動販売機のプロセッサ)によってセットするなど、多くの手法により設定することができる。その表に示されているように、このルールは、25セント硬貨在庫が4コイン未満に減り、顧客に支払うべきつり銭が0.25ドルである場合に、顧客が支払われるべき0.25ドルのつり銭をあきらめることに合意するならば、顧客がその機械ですべてのスナック又は飲料の0.35ドルの割引を受け取ることを可能にするオファーをその機械が出力しなければならないことを示す。この実施例では、25セント硬貨在庫が、現在は4コイン未満なので、最初の取引からの0.25ドルのつり銭を受け取る資格を与えられる(たとえば、上のステップ100及び200)すべての顧客に、このオファーを提供しなければならない。
上の代替価値オファー・ルール・データベースの第3レコードは、コイン予備が、さまざまなデータに基づいて計算される閾値未満に減少した時に代替価値オファーをトリガするルールを示す。そのような閾値は、望ましい任意のスケジュールに従って(たとえば、周期的に、実質的に連続的に、又は自動販売機取引の際に必要に応じて)計算することができる。そのような閾値は、たとえば、自動販売機制御システムによって、又は、たとえば、上で説明した、MEI CASHFLOW series 7000コイン機構若しくはWO 98/58355の通貨処理装置などの別の手段によって計算することができる。
いくつかの実施例で、上の代替価値オファー・ルール・データベースの第3レコードによって示されるように、計算される閾値を、予想されるつり銭の額(たとえば、充てん期間全体を通じて将来の顧客につり銭を渡すのに必要なつり銭の予想される額)に基づくものとすることができる。そのような閾値は、WO 98/58355に記載の方法など、既知の方法を使用して計算することができる。その代わりに、制御システムが、充てん期間の残りの間の取引について支払うべきつり銭の予想される額を計算することによって、そのような閾値を計算することができる。たとえば、制御システムは、計画された取引量と1取引あたりの支払うべきつり銭の平均額の両方を決定することができる。たとえば、制御システムは、取引ヒストリ・データベースにアクセスして、ヒストリック取引量及び1取引あたりの支払うべき平均つり銭を決定することができる。例示的な取引ヒストリ・データベースを、下の表4に示す。
上の取引ヒストリ・データベースの例示的データによれば、取引量は、1日あたり3取引であり、つり銭として平均0.35ドルが分配されることが明らかである。したがって、制御システムは、充てん期間に5日が残っていると仮定して、その充てん期間の差引勘定について顧客に釣り銭を渡すのに約1.75ドルのつり銭が必要になる(たとえば、すべての将来の顧客がドル紙幣で支払い、コインがホッパに全く追加されないと控え目に仮定して)と正当に予想することができる。
コイン在庫データベースの例示的データに基づいて、合計1.25ドルのコインが、コイン・ホッパに存在し(7個の5セント硬貨×0.05ドル価値)+(4個の10セント硬貨×0.10ドル価値)+(2個の25セント硬貨×0.25ドル価値))、これは、この充てん期間の残りに必要なつり銭の予想された1.75ドルを満たすのに十分な額より少ない。この実施例では、ホッパに十分な運転資金がないので、機械は、代替価値オファー・ルール・データベースの第3レコードによる要求に従って、顧客が、次の日に任意の飲料の購入のためのクレジットで、支払うべきつり銭の価値の2倍を受け取ることができると判定するはずである。
上で述べた値を決定する複数の他の形があることは、当業者にたやすく明白になるであろう。たとえば、1取引あたりの支払うべき平均つり銭を、(i)取引のランニング・カウントと、(ii)これらの取引にまたがって計算される、支払うべき平均つり銭とを維持することによって、ヒストリック・データから計算することができる。言い換えると、いくつかの実施例で、すべてのヒストリック・データを保管する必要はない。
たとえば、上に示した例示的な取引ヒストリ・データベースは、6つの取引と0.35ドルの支払うべき平均つり銭を表した。次の取引で、支払うべき平均つり銭を、次の式に従って、その取引での支払うべき新しいつり銭に基づいて更新することができる。
支払うべき新しい平均つり銭=(6×0.35ドル+X)/7
ただし
X=支払うべき新しいつり銭
である。
いくつかの実施例で、使用可能なつり銭の推定は、顧客が一般に自動販売機で購入を行うのにコインの特定の金種区分を使用する割合に基づいて行なうことができる(全体的に又は部分的に)。したがって、いくつかの実施例で、自動販売機(又は別のデバイス)は、自動販売機によって受け取られると期待されるコインの個数を考慮することができ、その個数が、自動販売機が充てん期間にすべての将来の顧客に正しいつり銭を与えるのに適当な金種区分の十分なコイン在庫を有する可能性が高いか否かを判定するのに使用される。
いくつかの実施例で、固定閾値と計算された閾値の両方を、1つ又は複数の代替価値オファーを顧客に提供しなければならないかどうかの判定で考慮することができる。上の代替製品オファー・データベースのレコードによって示される実施例の場合に、第2レコード及び第3レコードが、それぞれ固定閾値と計算された閾値の両方を提供する。
さらに、いくつかの実施例で、複数の代替閾値を考慮することができ、異なる閾値が、異なる利益(たとえば、異なる価値を有する利益)をトリガする。すなわち、第1代替価値オファーを、運転資金の第1額に基づいて判定することができ、第2代替価値オファーを、運転資金の第2額に基づいて判定することができる。たとえば、コインの総価値が2.00ドル未満の場合に、支払うべきつり銭の価値を超える価値を有するオファーを提供することが適当であるとするルールを設けることができる(たとえば、自動販売機を介する購入に適用可能なクレジットの形の2倍のつり銭価値)。その一方で、コインの総価値がさらに低い(たとえば、0。これは、コイン予備が完全になくなったことを意味する)場合に、さらに高い価値のオファー(たとえば、自動販売機を介する購入に適用可能なクレジットの形の3倍のつり銭価値)を提供するオファーを適当とすることができる。したがって、一実施例によれば、オファーは、自動販売機が比較的多くのコインを有する(たとえば、自動販売機が単に「コイン保存」モードである)時ではなく、自動販売機が比較的少ないコインを有する(たとえば、自動販売機が「コイン空」モードである)時に、顧客にとってより価値があるように生成することができる。
上で示した代替価値オファー・ルール・データベースの第4レコードは、代替価値オファーを提供するかどうかの判定が、機械のコイン在庫が完全になくなったか否か(すなわち、機械が「コイン空」モードであるかどうか)に依存する実施例を示す。この実施例では、機械のコイン在庫が完全になくなった場合に、顧客は、追加製品のためのクレジットで、支払われるべきつり銭の価値の3倍を受け取るか、適当なコード(ここでは「9387」)の提示時につり銭額を供給するようにプログラムすることのできる近くの機械からつり銭を受け取るかのいずれかを行う能力を提供される。いくつかの実施例で、そのような近くの機械は、本明細書で説明したように、通信ネットワークを介して、直接に又は間接に第1の自動販売機と通信することができる。したがって、第1の機械は、1つ又は複数の近くの機械に照会して、(1)その1つ又は複数の近くの機械が第1の機械の顧客につり銭額を与えるのに十分な運転資金を有するかどうかを判定し/確認し、(2)第2の機械がつり銭を与える前に顧客に要求しなければならないコードを送信することができる。代替案では、そのような近くの機械を、データベースに1つ又は複数のコードを保管するようにプログラムすることができ、その結果、第1の機械からのそのような通信が不要になる。
更に他の実施例で、機械が「コイン空」モードに入っている時に、その機械を、補充日の後又はその機械が予想される将来の販売を介して十分な運転資金を受け取ると予想された後など、後の時にその機械から最初の取引からの支払われるべきつり銭を受け取るオファーを出力するように構成することができることに留意されたい。
実施例−販売/収益性の考慮事項
上で示した代替価値オファー・ルール・データベースの第5レコードは、1つ又は複数の代替価値オファーを提供するかどうかの判定が、1つ又は複数の製品の販売データ及び/又は収益性データに依存する実施例を示す。第5レコードによって示されるように、ある製品の実販売料金が、その製品の理想販売料金の50%以下である(たとえば、製品データベースによって示される、既知の方法論によって計算されるなど)場合に、つり銭額の代わりに製品を受け取る機会を顧客に提供する代替価値オファーが適当である。
支払うべきつり銭の額と引き替えのオファーを判定する追加のシステム及び方法が、本出願人の(1)同時係属の米国特許予備出願第60/473815号、名称「APPARATUS,SYSTEM AND METHOD FOR PROFIT MANAGED VENDING MACHINE TRANSACTIONS」、及びその後に出願され、これに対する優先権を主張する実用新案出願、(2)同時係属の米国特許予備出願第10/095372号、名称「METHOD AND APPARATUS FOR VENDING A COMBINATION OF PRODUCTS」、及び(3)米国特許第6397193 B1号、名称「METHOD AND APPARATUS FOR VENDING A COMBINATION OF PRODUCTS」に開示されており、各出願/特許の全体が、すべてにおいて参照によって本明細書に組み込まれている。
オファーのタイプ
判定される(たとえば、ステップ300で)代替価値オファーは、顧客に、最初の取引(たとえば、ステップ100及び200で開始される取引)からの支払われるべきつり銭を受け取ることの代わりのさまざまな利益を実現する能力を提供することができる。代替価値オファーは、最初の取引からの支払われるべきつり銭を受け取る代わりに、(i)割引(たとえば、自動販売機を介して売られる製品の価格の)、(ii)クレジット(たとえば、自動販売機での購入に適用可能なクレジット)、(iii)特定の製品(たとえば、さらなる代償なしで自動販売機を介して販売される製品)、(iv)通常価格で、割引で、又はさらなる代償なしでのいずれかであるクラスの製品(たとえば、すべてのソーダ、点滅する赤い発光ダイオード(LED)によって示されるすべてのアイテム)から1つ又は複数の製品を選択し、獲得する能力、(v)1つ又は複数のくじ引き抽選への参加など、腕前のゲーム又は運のゲームへの参加、(vi)リモート・コンピュータ又は他の場所からディジタル・コンテンツ(たとえば、MP3音楽ファイル、コンピュータ・ファイル、セル電話機の着信メロディ)をダウンロードする能力、並びに/或いは(vii)顧客の別の利益又は権利の変更を含む(これらに限定はされない)1つ又は複数の「利益」を受け取る能力を顧客に与えることができる。
運のゲームへ参加するチャンスの一つの例として、利益を、従来のくじ引きチケット(たとえば、自動販売機によって提供される、又は自動販売機によって印刷される、或いは自動販売機が顧客に与えるくじ引きチケットに関する商品券の引き換え時に獲得される)又は、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第6267670号によって開示されるものなどの「党派的くじ引きチケット(factional lottery ticket)」とすることができる。
一つの実施例で、利益を、自動販売機によって行われるか監視される、くじ引き、勝者がすべての賞金を得るくじなどの抽選に関するものとすることができる。したがって、自動販売機は、くじ引き、勝者がすべての賞金を得るくじなどが終わった時に、結果(たとえば、どの顧客が勝ったか、どの番号が当選番号か、その顧客が勝ったかどうか)について顧客に知らせることができる。それに加えて又はその代わりに、ウェブ・サイト又は類似物が、くじ引き、勝者がすべての賞金を得るくじなどの結果を提供することができる。一実施例で、利益に、顧客の別の利益又は別の権利への変更を含めることができる。たとえば、チケットが、製品商品券のクレジットの量、複数の自動販売機製品への応募で引き換えられていないアイテムの個数、顧客に与えられるネットワーク・アクセス時間(たとえば、WiFiアクセス又はVoIPアクセス)の長さを乗算する(又は他の形で増やす)ことができる。
Walker他の米国特許第6298329号及び米国特許第6876978号(両方が参照によって本明細書に組み込まれている)に、支払うべきつり銭に基づいてセットされる価値を有するクーポン及び商品券を伴うさまざまな製品及びプロセスが開示されている。これらの特許で開示された製品及びプロセスを、本発明の実施例に従って使用して、さまざまな利益に関するオファーを提供することができる。
さらに、代替価値オファーは、即座に、将来に、ある時に(たとえば、オフィス・ビルディング位置で午後7:00などの「オフ・ピーク」時間に)、及び/又は限られた時間の間(たとえば、オファーが受け入れられてから7日以内)に、そのような利益を受け取る能力を顧客に提供することができる。他のタイプの制限を、既知の形で代替価値オファーと引き換えに課すことができる。
一実施例で、利益の価値を、利益が引き換えられない場合に、経時的に増やすことができる。したがって、利益は、本質的に、引き換えられないままである時に「利子」を累積することができる。一実施例で、現金に引き換え可能な商品券の価値の1週間あたり追加の10%の増加が累積される。増加の割合は、(1)経時的な引き換えの可能性の推定される減少、(2)実販売、及び/又は(3)予測された又は推定された販売に基づいて計算することができる。
もう1つの実施例で、固定額(たとえば、0.01ドル)を、毎日(又は毎週、毎月など)、購入のためのクレジットに引き換え可能な、引き換えられていない商品券に追加することができる。一実施例で、利益の引き換え時の現金価値(受け取ることのできる現金の額)は、一定のままである(たとえば、支払うべきつり銭の最初の額)が、価値の増加(「累積された利子」)は、1つ又は複数の製品の購入のためにのみ引き換えることができる。同様に、増加の割合は、(1)経時的な引き換えの可能性の推定される減少、(2)実販売、及び/又は(3)予測された又は推定された販売に基づいて計算することができる。
代替価値オファーは、オファーが提供されたか受け入れられた自動販売機で、別の自動販売機で、インターネットにアクセスするコンピュータを介して、キオスクで、ATMで、セル電話機を介してなど、ある位置及び/又はある機械でそのような利益を受け取る能力を顧客に与えることもできる。利益が自動販売機を介して引き換えられる一実施例で、利益に、(a)通常は販売に使用可能な製品、及び/又は(b)顧客が利益の引き換えに従う場合を除いてアクセスできない製品行で提供されるアイテム、商品券、クーポンなど、通常は販売に使用可能でない他のアイテムを含めることができる。たとえば、通常は販売に使用可能でないアイテムを、特別な製品行(たとえば、「A−5」)に置くことができ、自動販売機は、通常の自動販売機取引(たとえば、行A−5の支払い及び選択を行うこと)でその製品行の製品を分配することを許容しない。
一実施例で、代替価値オファーは、1つ又は複数の機械で利益を受け取る能力を顧客に与えることができる。たとえば、代替価値オファーは、オファーを発行した機械から及び/又は個別の機械(たとえば、オファーを提供したスナック自動販売機の隣に置かれた飲料自動販売機)から、利益を受け取る能力を顧客に与えることができる。発行する自動販売機以外の機械から顧客が利益を受け取ることを代替価値オファーが可能にする一実施例で、その別の機械は、(1)直接に又は間接に(たとえば、本明細書で説明する通信ネットワークを介して)代替価値オファー・データ(たとえば、代替価値オファーに対応する引き換えコード又は受け入れコード)を受け取り、且つ/又は(2)代替価値オファー・データを保管する(たとえば、主張された引き換えコード、受け入れコード、又は代替価値オファーの他のしるしの提示時の取り出し及び比較のためにデータベースに)ことができる。したがって、利益の引き換え中又は受け取り中に(たとえば下のステップ600で)、顧客が代替価値オファーに関連する利益を個別の機械で引き換えるか受け入れることを望む時に、その個別の機械は、顧客から受け取ったデータを、発行する機械から受け取ったデータ及び/又はその個別の機械によってアクセス可能なメモリに保管されたデータと比較することによって、代替価値オファーを検証することができる。
ステップ400:1つ又は複数の代替価値オファーを出力する。
ステップ400では、1つ又は複数の判定された代替価値オファーを、出力デバイスを介して顧客に与えることができる。たとえば、一実施例で、下で示すように、1つ又は複数の代替価値オファーを、印刷されたチケットで顧客に与えることができる。説明テキスト及び付随する「受け入れコード」が、各代替価値オファーを表すことができる。代替価値オファーを提供する印刷されたチケットの例を、図2に示す。
図2に示された例示的なつり銭チケット200には、顧客が当初に1.00ドルで0.75ドルのアイテム(たとえば、行位置A1からのCoca−Cola(登録商標)ソーダ)を購入し、これによって顧客に0.25ドルのつり銭の資格が与えられたと仮定して、進行中の実施例との一貫性を有する代替価値オファー及び付随するコードを表すしるし210、215、220、及び225が示されている。
入力された時に、顧客が、提供されるオファーのどれを受け入れるのでもなくつり銭を受け取ることを好むことを示すことを可能にするコードを、提供することができる。しるし250が、そのようなコードを示す。
一実施例で、一意の又は実質的に一意の受け入れコードを、顧客に出力される代替価値オファーごとに生成することができる。代替価値オファー受け入れコードは、したがって、一実施例で、非シーケンシャルに生成された英数字コードを含むことができる。一実施例で、データベースを維持して、特定の代替価値オファーの発行及び受け入れ(引き換え)を追跡することができ、その結果、顧客が、ある回数を超えて所与の利益を得ることができなくなるようになる(たとえば、オファーが、顧客ごとに1つ又は最初の製品の購入ごとに1つに制限されるようになる)ことにも留意されたい。
ステップ500:1つ又は複数の代替価値オファーが受け入れられるかどうかを判定する。そうである場合には、ステップ600に進む。そうでない場合には、ステップ700に進む。
ステップ500で、1つ又は複数の代替価値オファーが受け入れられるかどうかを判定する。そのような判定は、顧客の受け入れを示す信号を入力デバイスから受け取る販売制御システムによって行うことができる。たとえば、特定の代替価値オファーの受け入れを示すために、顧客は、つり銭チケットに印刷されたコードを自動販売機のキーパッドに入力することができる。代替案では、顧客が、紙幣確認装置又はカード・リーダにチケットを投入することができ、チケットの機械可読しるしを入力デバイス(たとえば、バー・コード・スキャナ)にスキャンすることができ、或いは、受け入れの表明を入力デバイス(たとえば、音声認識モジュールに機能的接続されたマイクロホン)に音声で与えることができる。当業者は、オファーを引き換えるか受け入れる多数の他の方法があることを認めるであろう。
上で述べたように、いくつかの実施例で、代替価値オファーを発行した機械は、顧客がその代替価値オファーを受け入れるかどうかを判定する。他の実施例では、個別の自動販売機が、顧客がその代替価値オファーを受け入れるかどうかを判定する。他の実施例では、個別のコンピュータ(たとえば、POSコンピュータ又はウェブ・サーバ)が、顧客がその代替価値オファーを受け入れるかどうかを判定する。
一実施例で、代替価値オファーは、ステップ400での発行からある時間のうちに受け入れられない場合に満了するものとすることができる。たとえば、一実施例で、代替価値オファーは、受け入れコードが発行から5分以内に受け取られない場合にタイム・アウトすることができる(すなわち、顧客の「沈黙」は拒否である)。そのような実施例では、受け入れの時間期間が過ぎた後に、このプロセスは、任意選択でステップ800で継続することができ(その点で、支払うべきつり銭が分配される)、或いは、他の形で終了することができる。
さらに、別の代替実施例で、代替価値オファーは、デフォルト時間期間のうちに積極的に受け入れられず、拒否されない場合に受け入れられたと考えられ、この場合に、このプロセスは、下のステップ600で継続することができる。
いくつかの実施例で、1つ又は複数の代替価値オファーの受け入れが、他の代替価値オファーの拒否を構成することができる。
ステップ600:オファー利益を提供する。
1つ又は複数の代替価値オファーが受け入れられた場合に、自動販売機制御システムは、顧客が、対応する提供された利益を実現することを許可する。さまざまな実施例で、顧客が利益を実現するのを許可することは、(i)取引を割り引いて処理すること、(ii)貸方残高にある額を加算すること、(iii)特定の製品を販売すること、及び/又は(iv)カテゴリ、クラス、又はグループからの製品の選択を認可することのうちの1つ又は複数を伴うものとすることができる。他の適当な利益は、当業者にたやすく明白になるであろう。
代替実施例では、個別の自動販売機、POSコンピュータ、又はウェブ・サーバなどの個別のデバイスが、(i)代替価値オファー受け入れコードを受け取り、(ii)受け取った受け入れコードを検証し(受け取った受け入れコードがデータベースに保管されているかどうか、又は発行した自動販売機から受け取られたかそれによって確認されたかどうかを判定することによって)、且つ/又は(iii)利益(たとえば、割引の認可など)を提供する(又は提供を容易にする)ことができる。
ステップ700:顧客が支払われるべきつり銭を要求したかどうかを判定する。そうでない場合には、プロセスを終了する。そうである場合には、ステップ800に進む。
いくつかの実施例で、顧客は、代替価値オファーを拒否し、つり銭を受け取ることを望む場合に、つり銭を積極的に要求しなければならない。他の実施例では、顧客がデフォルト時間期間内に代替価値オファーを受け入れない場合に、つり銭が自動的に分配される(下のステップ800)。
つり銭を受け取るために顧客がつり銭を積極的に要求しなければならない、いくつかの実施例では、顧客がデフォルト時間期間内につり銭を要求しなかった場合に、このプロセスが終了し、顧客は、その後、その機械につり銭額を請求することができる。つり銭を受け取るために顧客がつり銭を積極的に要求しなければならない、他の実施例では、デフォルト時間期間内につり銭を要求しなかった場合に、そのつり銭は、放棄され、自動販売機のオペレータに没収されると考えられる。
ステップ800:つり銭額を分配する。
ステップ800では、自動販売機制御システムが、つり銭販売装置を介するつり銭の分配を認可する。
説明を明快にするために、いくつかの実施例で、つり銭を支払うべき場合に代替価値オファーを出力することができるが、他の実施例では、つり銭を支払うべきではない場合であっても、代替価値オファーを出力することができる。
たとえば、一実施例で、顧客がある額の通貨を挿入した後だが、購入する製品を顧客が選択する前に、代替価値オファーを出力することができる。
もう1つの実施例で、顧客が購入する製品を選択した後だが、顧客がある額の通貨を挿入する前に、代替価値オファーを出力することができる。
さらなる実施例
1つの代替実施例で、代替価値オファーは、支払われるべきつり銭を慈善事業に寄付する能力を顧客に提示することができる。そのような額は、既知の形で口座に送信することができる。
いくつかの実施例で、顧客が、支払われるべきつり銭を積極的に要求するまで、コイン・トレイへのドアを、ロックされたままにすることができる。顧客がつり銭を積極的に要求するまで、視覚的出力及び/又は聴覚的出力を1つ又は複数の出力デバイスを介して供給し、たとえば「現在つり銭チケットを販売中です」(又は類似のもの)を示すことができ、その結果、顧客が、本明細書で開示される発明によるつり銭チケット・プロセスを明瞭に知らされる。
いくつかの実施例で、コイン予備が、ある閾値未満になっている時に、機械は、あるタイプの通貨(たとえば、硬貨)の累積を奨励するために、ある金種区分固有の販売促進を出力することができる。たとえば、10セント硬貨がある閾値未満であることをコイン予備データベースが示す場合に、機械は、10セント硬貨だけを提供する顧客に、すべてのアイテムに対する割引価格(たとえば、0.30ドルの割引)を申し出ることができる。自動販売機は、閾値量を超えるコイン予備を補給されたならば、そのような販売促進の出力を止めることができる。
いくつかの実施例で、顧客は、複数の取引からの支払われるべきつり銭を1つの「アカウント」に保管することができる。
1.たとえば、つり銭チケットが取引に従って印刷される前に、顧客に、前に発行されたつり銭チケットで与えられたコードを入力するように促すことができる。自動販売機制御システムは、前に発行されたつり銭チケットに関連するコードを無効化する(たとえば、データベース・レコード内で)ことができ、そのような前に発行されたつり銭チケットに関連する現金価値を現在の取引からのつり銭額に加算することができる。したがって、顧客は、複数の取引からの支払われるべきつり銭へのアクセスを許可するコードを有する、1つの取って代わるつり銭チケットを受け取る。そのような実施例は、顧客がつり銭価値を1つの便利な媒体に集計することを許すので望ましいはずである。
2.もう1つの実施例で、複数の取引からの支払われるべきつり銭を、特定の顧客に関連する一意の識別子によって識別されるアカウントに集計することができる。たとえば、自動販売機は、アカウント・データベースを維持することができ、ここで、このデータベースのレコードは、顧客に一意の英数字コード又は顧客バイオメトリック・データ(たとえば、指紋など)によって識別される。
本明細書で述べたように、いくつかの実施例で、顧客は、代替価値オファーを受け入れるか引き換えること、或いは当初につり銭チケット及び/又は代替価値オファーを発行した機械以外の機械から支払われるべきつり銭を受け取ることを許可される。いくつかのそのような実施例で、関係する自動販売機を、引き換えデータを記録し、且つ/又は報告するように構成することができ、その結果、オペレータは、どの機械がつり銭額又は代替価値オファーの引き換えを容易にしたかを調整でき、理解できるようになる。たとえば、ある自動販売機オペレータ(たとえば、スナック機械オペレータ)が、別の自動販売機オペレータ(たとえば、個別の飲料機械オペレータ)と契約することができ、その結果、各機械が、他方の機械から発行されたつり銭チケット・コードを受け入れるようになる。したがって、これらの機械が近接して置かれ、一方の機械のコイン予備が減少した場合に、その機械は、つり銭チケットを発行することができ、その結果、顧客は、支払われるべきつり銭を第2の機械から受け取ることができるようになる。そのような顧客が、つり銭チケット・コードを第2の機械に提示し、これによって、支払われるべきつり銭を受け取る時に、第2の機械は、つり銭額の供給を記録し(たとえば、データベース・レコードに)、且つ/又は報告し(たとえば、第1の機械に、中央サーバに、など)、その結果、第1の機械のオペレータが、その後、このつり銭額について第2の機械のオペレータに返済できるようになる。
オファーは、自動販売機を介して(たとえば、その自動販売機での顧客との取引中に)提供することができる。代替案では、オファーを、他の手段を介して提供することができる。たとえば、オファーを、ウェブ・サイトを介して提供することができ、このウェブ・サイトで、顧客は、オファーに関するプリファレンスを登録することができる。そのような実施例では、自動販売機で取引が行われているか否かにかかわらず、また、自動販売機で取引が行われたか否かにかかわらず、1つ又は複数のオファーを、このウェブ・サイトを介して提供し、顧客が受け入れることができる。
たとえば、顧客は、(1)自動販売機オペレータによって又はその代わりに運営されているウェブ・サイトなどのウェブ・サイトにアクセスし、(2)そのウェブ・サイトに対して自分の身元を示し(たとえば、一意の顧客識別子及びパスワードを入力することによって)、(3)オファーに関するプリファレンスを示し、且つ/又はあるオファーを受け入れることができる。
顧客は、たとえば、標準ウェブ・ブラウザを介してグラフィカル・ユーザ・インターフェースを操作することによって、そのようなプリファレンスを示すことができ、ここで、このユーザ・インターフェースは、複数の形のいずれかで(たとえば、HTMLコード又は類似のものによって、アクティブ・サーバ・ページによって、Macromedia社のFlash(登録商標)アニメーションによって)生成される。
顧客が示すプリファレンスは、本明細書で説明したルール(たとえば、代替価値オファー・ルール)に対応するものとすることができる。一実施例で、顧客は、ルールの組を与えられ(たとえば、ウェブ・ブラウザを介して)、顧客は、その顧客が自動販売機取引に適用することを望むルールを選択する。たとえば、顧客に、次のルールを与えることができる。
その後、顧客が、自動販売機との取引に参加し、自動販売機に自分の身元を示した時に、適用可能なルールが、その取引に適用される。したがって、その取引中に、顧客は、オファーを提示される必要がなく、その顧客は、その取引中にオファーを受け入れる必要がない。