JP2007531573A - 肺音を監視して片肺挿管を検出する装置と方法 - Google Patents

肺音を監視して片肺挿管を検出する装置と方法 Download PDF

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Abstract

人間の片肺の挿管状態を音響的に検出する方法と装置を提供する。一実施例によれば、本発明の方法は、人体の様々な場所に配置された音響センサから受信した電気信号の自己回帰移動平均(ARMA)と自己回帰関数を計算するステップを含む。音響センサの配置場所は、人体の背中または胸部である。本発明の方法と装置は、手術室内のキャセル前のランダム背景雑音に影響されない。本発明の方法と装置により、誤った検出、フォールス・ポジティブとフォールス・ネガティブの相対発生率を修正する。一実施例によれば、同定した最大9%が、フォールス・ポジティブであり、最大2%がフォールス・ネガティブである。

Description

本発明は、肺換気している患者の片肺挿管を音響的に検出する装置に関する。
全身麻酔の間、適正な空気通路管理のために、気管内チューブが患者の気管内に挿入され、それを介して、患者の肺が換気される。チューブは、主誘導(primary induction)の間に挿入され、チューブの先端がカリーナ(carina)(気管が2本の気管支に分かれる分岐点)の上方にくるよう、配置される。チューブの先端の配置位置は重要である。先端は、分岐点上方に配置/維持しなければならない。チューブ(そこを介して両肺が換気される)の正確な配置は、気管挿管(Tracheal Intubation (TRI))と称する。仮にチューブが誤った場所に配置されたり、あるいは患者が動くことによりずれた時には、片肺挿管(One Lung Intubation (OLI))が起こる。OLIの状態が長引くことは避けなければならない。その理由は、十分な酸素が供給されなくなり、換気されていない肺に損傷を与えることがあるからである。OLIは、麻酔中に、酸素の不十分な供給及び誤動作の原因とみなされており、OLIの状態を検出する信頼性のある方法と装置は、今のところ存在しない。
聴診器、カノグラフ(capnograph)等を含む片肺挿管を検出する現在公知の方法も信頼性がない。パルス酸素濃度計(pulse oximetry)が、最も信頼できる公知の方法であるが、結果を得るには2−5分かかり、この遅れは損傷を回避するには長すぎる。現在、リアルタイムで片肺挿管を検出する方法と装置に対する医学的な必要性は高まっている。
Sod-Moriah G., Gelber O., Gurman G. and Cohen A. "Monitoring of Separate Lung Ventilation in Anesthesia and Intensive Care," Proc. of the IEEE 18th convention of electrical and electronics engineers in Israel, Tel-Aviv, March 7-8, 1995 SodMoriah G., Cohen A. and Gurman G., "Detection of One Lung Intubation Incidents in General Anesthesia and Intensive Care," Proc. of the 13th Int. Conf. BIOSIGNAL 96, pp.282-284, Brno, Czech Republic, 1996 a poster presentation Gurman et al., "Continuous Monitoring of Separate Lung Ventilation" ASA annual Meeting Orland Florida October 12-16 2002 provides potentially relevant background art R. K. Webb, J. H. van Walt, W. B. Runciman, J. A. Williamson et. al., "Which monitor? An analysis of 2000 incident reports," Anesthesia and Intensive Care, vol. 21, pp. 529-542, 1993 W. B. Runciman, R. K. Webb, L. Barker and M. Currie, "The pulse oximeter: applications and limitations - An analysis of 2000 incident Reports," Anesthesia and Intensive Care, vol. 21, pp. 543-550, 1993 T. A. Webster, "Now that we have pulse oximeters and capnographs, we don't need precordial and esophageal stethoscope," J. of Clinical Monitoring, vol. 3, pp. 191-192, 1987 A. Cohen and D. Landsberg, "Analysis and automatic classification of breathing sounds," IEEE trans. vol. BME-31, pp. 585-590, 1984 A. Cohen and A. Berstein, "Acoustic transmission of the respiratory system using speech stimulation," IEEE trans. on Biomedical Engineering, vol. 38, pp.126-132, 1992 G. Sod-Moriah, A. Cohen and G. Gurman, "Detection of one lung intubation incidents in general anesthesia and intensive case," Proc. of the 13th Int. Conf. BIOSIGNAL 96, pp. 282-284, Brno, Czech Republic, 1996 A. David, T. Lazmi, Detection of one-lung intubation, Final Project Report, Ben-Gurion University of the Negev, Department of Electrical and Computer Engineering, Beer-Sheva, Israel, August 2003 G. R. Wodicka, H. L. Golub, "A model of acoustic transmission in the respiratory system," IEEE Trans. on Biomedical Engineering, vol. 36, No. 9, pp. 925-934, September 1989 V.K. Iyer, P. A. Rammoorthy and Y. Ploysongsang, "Autoregressive modeling of lung sounds: characterization of source and transmission," IEEE Trans. on BIomedical Engineering, vol. 36, No. 11, pp. 1133-1137, November 1989 H. Akiake, "A new look at the statistical model identification," IEEE Trans. Automat. Contr. vol. AC-19, pp. 716-723, 1974 H. Akiake, "Information theory and an extension of the maximum likelihood principle," Proc. 2nd Int. Symp. Inform. Theory, Suppl. Problems of Control and Inform. Theory 1973, pp. 267-281, 1973 G. Schwartz, "Estimating the dimention of a model," Ann. Stat., vol. 6, pp. 461-464, 1978 J. Rissanen, "Modeling by shortest data description," Automatica, Vol. 14, pp. 465-471, 1978 S. Kay, "Fundamentals of Statistical Signal Processing, Volume 2", Prentice Hall, 1998 M. Wax and T. Kailath, "Detection of signals by information theoretic criteria," IEEE Trans. Acoust. Speech, Signal Processing, Vol. ASSP-33, pp. 387-392, 1985 米国特許第2003/0018276号明細書
特許文献1は、呼吸音を電子的に検出することにより、気管内チューブの人体内の位置を検出するのに用いられるシステムと方法を開示する。しかしここに開示された結果を再現するのに必要な十分詳細な記載はない。
肺換気をしている患者の片肺挿管状態を信頼性高く検出する装置と方法に対する医学的ニーズがある。この方法と装置は、手術室あるいは集中治療室の背景ノイズの存在下でも動作できるのが望ましい。
本発明によれば、人間の片肺の換気状態を検出する方法において、
(a) 電気信号を生成するために、人体のある領域から放出された自然肺音を、音響センサで、検出するステップと、
(b) 前記検出された自然肺音を処理するステップにより、片肺換気状態を表す出力を生成するステップと
を有する
ことを特徴とする人間の片肺の換気状態を検出する方法を開示している。
本発明の一実施例のプロセスは、電気信号の自己回帰移動平均(antoregressive moving average (ARMA))または自己回帰モデル(autoregressive model)を計算するステップを含む。
人体は、均一な媒体から構成されておらず、様々な成分(組織)からなる。局部的音響特性は、さまざまな種類の組織毎に変わる。かくして、音源(例えば肺)により生成されるノイズは、ノイズが人体内を伝搬する間、ある程度分散する。音源により生成され人体内を伝搬する特定ノイズの一部が、人体の表面上に取り付けられた検出器に、時間的にバラバラに到達する。それ故に、肺から発生し測定されたノイズ信号と、測定されたノイズ信号の披瀝との間には、相関があることが分かった。
かくして、非線形モデルあるいは線形モデル、例えば自己回帰移動平均(ARMA)モデルあるいは自己回帰モデルが、音源ノイズ信号の合理的な表示を提供し、検出された肺音は、挿管が一方の肺に行われた(片肺挿管状態)か、あるいは挿管が両方の肺に行われ(片肺挿管状態)かを決定するのに役立つ。
本発明の一実施例によれば、本発明の方法は、片肺挿管状態を検出するために、自然肺音(indigenous lung sounds)の分散した活性雑音源の数、あるいは分散したランダム・雑音源の数を決定するステップを含む。分散した活性雑音源を1つ検出したことは、OLIを意味し、分散した活性雑音源を2つ検出したことは、TRIを意味する。本発明の一実施例においては、検出は、BSS(Blind Source Separation)の一般的アプローチで行われる。BSSの従来開示された方法とは異なり、本発明の方法は、分散した雑音源により生成された実信号(actual signal)の決定を必要としない。さらに、本発明の方法は、あらゆる分散した雑音源に対し、適切なものである。
本発明の方法は、前記した技術に限定されるものではない。測定された肺音のノイズからの分散した雑音源の空間統計値のいずれかあるいは一部を、獲得するあるいは再現する従来公知のいかなる技術も、本発明に適したものである。本発明の一実施例によれば、肺音の処理は、肺音のノイズの空間統計値を得るために、ニューラル・ネットワークを使用するステップを含む。本発明の一実施例においては、肺音の処理は、肺音の線形あるいは非線形のモデル(例えば隠れマルコフ・モデル(HMM))を含む。本発明の一実施例においては、肺音の処理は、高次統計値を用いた、BD(Blind Deconvolution)とシステム同定を含む。
本発明によれば、人間の片肺の換気状態を検出する方法において、
(a) 人体のある領域から放出された自然肺音を、音響センサで、電子的に検出するステップと、
(b) 前記検出された自然肺音を処理するステップにより、片肺換気状態を表す出力を生成するステップと
を有する
ことを特徴とする人間の片肺の換気状態を検出する方法を開示している。
本発明の一実施例によれば、前記(a)の検出するステップは、複数の音響センサから、複数の電気信号を受信するステップを含み、前記少なくとも1個の音響センサは、人体の背中と胸部の一方に配置される。模範的な例として、音響センサの位置は、胸部の左側、胸部の右側、背中の左側、背中の右側を含む。
本発明の一実施例によれば、前記(b)の生成するステップの処理するステップは、背中に配置された音響センサから電気信号をだけを処理する。本発明の一実施例によれば、前記(b)の生成するステップの処理するステップは、胸部に配置された音響センサから電気信号だけを処理する。
前述したように、局部的な音響特性は、組織のさまざまな種類によって異なり、これが肺音のマルチパス伝搬となる。検出された音は、畳み込み混合体(Convolutive Mixture)として記述することができ、そして畳み込みモデル(Convolutive Model)としてモデル化できる。かくして、検出された信号はメモリを有すると言える。
本発明の一実施例によれば、前記(a)の検出するステップは、複数の音響センサから、複数の電気信号を受信するステップを含み、前記(b)の生成するステップの処理するステップは、受信した電気信号と、この受信した電気信号の披瀝および/または将来挙動との間の関係を表すパラメータを計算するステップを含む。この実施例においては、別の電気信号が各音響センサから受信され、このパラメータが、受信した複数の電気信号のいずれかを受信した電気信号と同一あるいは別の受信した電気信号の披瀝および/または将来挙動に関連付ける。
本発明の一実施例によれば、前記(b)の生成するステップの処理するステップは、受信信号と、この受信信号の披瀝と電気信号の将来挙動の少なくとも一方との間の関係を表すパラメータを計算するステップを含む。
本発明の一実施例によれば、前記パラメータは、複数の音響センサ内の第1の音響センサからの電気信号と、同一の第1の音響センサからの電気信号の披瀝および/または将来挙動との間の関係を表す。
本発明の一実施例によれば、前記(b)ステップの処理するステップは、第1時間ウインドウの間の受信電気信号と、第2時間ウインドウの間の受信電気信号との間の関係を表すパラメータを計算するステップを含み、前記第1時間ウインドウと第2時間ウインドウは、オーバーラップする。
本発明の一実施例によれば、前記第1時間ウインドウと第2時間ウインドウとは、少なくとも0.5秒間オーバーラップする。別の構成として、前記第1時間ウインドウと第2時間ウインドウとは、少なくとも0.75秒間オーバーラップする。別の構成として、前記第1時間ウインドウと第2時間ウインドウとは、少なくとも1秒間オーバーラップする。別の構成として、前記第1時間ウインドウと第2時間ウインドウとは、少なくとも1.5秒間オーバーラップする。別の構成として、前記第1時間ウインドウと第2時間ウインドウとは、少なくとも2秒間オーバーラップする。
タイム・ウインドウのオーバーラップは、選択的特徴事項であり、本発明の一実施例においては、解析したタイム・ウインドウの間ではオーバーラップはない。
本発明の一実施例においては、受信した電気信号と受信した電気信号の披瀝との間の関係を表すパラメータを、複数回にわたって計算する。
本発明の一実施例においては、この関係は、条件付き確率関係(conditional probability relation)、例えば将来の信号は現在の信号の形態から与えられる形態を採る条件付き確率を表す。
本発明の一実施例によれば、前記(b)ステップの処理するステップは、前記条件付き確率関係の共分散マトリックスに関連するパラメータを計算するステップを含む。ある実施例においては、この共分散マトリックスは、残差共分散マトリックスである。
片肺換気状態を表す代表的なパラメータは、残差共分散マトリックス(residual covariance matrix)の固有値の大きさである。片肺挿管を検出する特定の固有値を選択することは、採用される音響センサの数に依存する。残差共分散マトリックスの固有値の値が低いことは、片肺換気状態を表す。
本発明の一実施例は、BSS(Blind Source Separation)の技術に関し、元の送信された肺音の再生は、本発明の必須要件ではない。本発明の一実施例によれば、本発明の処理は、前記自然肺音の分散雑音源の数のみを決定する。
しかし、本発明の一実施例においては、元の送信された肺音の予測値が得られる。
本発明の一実施例においては、本発明の処理は、自然肺音の空間統計値を表すパラメータを得る。
本発明の一実施例においては、自然肺音の空間統計値および/または時間統計値を時間をかけて監視する。肺音の空間統計値の偏差値は、挿管状態の変化、例えばTRIからOLIへの変化を表す。本発明の一実施例においては、肺音の空間統計値は、既知のTRIの時間帯、例えばシステムをトレーニングするため外科手術の開始時に得られる。片肺換気状態の存否を検出しようとする後の時間帯において、その時間帯の肺音の空間統計値を、既知のTRIの時間帯の間の値と比較する。
本発明の一実施例によれば、本発明の処理は、雑音源の散乱(空間的分散)を表す音源分散パラメータを決定するステップを含む。より散乱したインコヒーレントのポイント・雑音源は、TRIをより表すことになり、一方、あまり散乱していない雑音源は、残差共分散マトリックスの小さな第2固有値により、明らかとなる。
本発明により行われた実験においては、人間の片肺換気状態は、手術室内あるいは集中治療室内の相殺されていないランダムな背景ノイズの基で、決定される。ある種の背景ノイズは、単純なフィルタリングあるいは適用型ノイズ・キャンセリングのような技術を用いて取り除くことができるが、本発明の方法と装置は、このような技術の使用を排除するものではなく、特にノイズが上記の技術を用いて処理されない場合は、あらゆるランダム背景ノイズが必ずしも取り除かれるわけではない。本発明は、手術室内あるいは集中治療室内の除去されていないランダムな背景ノイズの存在下においても、片肺換気状態を検出する方法と装置を提供できる。
本発明の一実施例においては、本発明の処理するステップは、前記検出された自然肺音を、手術室内のキャセル前のランダム背景雑音に影響されない方法で処理するを含む。
本発明の一実施例においては、前記キャンセル前のランダム背景雑音は、少なくとも70dBの雑音を、あるいは少なくとも75dBの雑音を、あるいは少なくとも80dBの雑音を含む。
任意選択として、本発明の検出するステップは、肺音以外の雑音を検出するステップを含み、本発明の処理するステップは、雑音をフィルタ処理するアダプティブ・フィルタリング技術を用いる。
本発明の一実施例においては、片肺挿管状態を表す特定のパラメータを計算し、この計算されたパラメータの値が所定のしきい値以下になった時、あるいは以上になった時に、片肺挿管状態を表す出力信号が生成される。かくして、この所定のしきい値を調整することにより、間違い警報の発生率、誤って正常状態と判定する率、看過したOLI状態の発生率、謝って異常状態と判断する率を、誤差補償カーブに応じて、変化させた装置を構成できる。
例えば、本発明の一実施例においては、計算されたパラメータの値が小さくなったことは、片肺挿管状態を表す。かくして、所定のしきい値を上げることにより、片肺挿管の事例は見過ごされることが少なくなり、フォールス・ネガティブ(正常状態を誤って異常と判断すること)の発生率も少なくなるが、同時に、装置は、間違い警報即ちフォールス・ポジティブ(異常状態を誤って正常と判断すること)の発生率が多くなる。
かくして、本発明の一実施例においては、本発明の処理ユニットは、OLIの同定のうちのフォールス・ポジティブ同定が最大9.6%になるよう、また前記同定にうちのフォールス・ネガティブ同定が最大2%になるよう構成される。
別の構成として、本発明の処理ユニットは、OLIの同定のうちのフォールス・ポジティブ同定が最大4.5%になるよう、また前記同定にうちのフォールス・ネガティブ同定が最大4.5%になるよう構成される。
本発明によれば、
(a) 有意の統計結果を得るために、十分大きな大母集団の人間を選択するステップと、
(b) 前記大母集団の内の小集団内の片肺挿管状態を同定するステップと
を有し、
前記同定のうちの誤った同定は、最大9.6%である
ことを特徴とする方法を開示している。
本発明によれば、
(a) 有意の統計結果を得るために、十分大きな大母集団の人間を選択するステップと、
(b) 前記大母集団の内の小集団内の片肺挿管状態を同定するステップと
を有し、
前記同定の内のフォールス・ポジティブ同定は、最大4.8%であり、
前記同定の内のフォールス・ネガティブ同定は、最大4.8%である
ことを特徴とする方法を開示している。
本発明によれば、
(a) 有意の統計結果を得るために、十分大きな大母集団の人間を選択するステップと、
(b) 前記大母集団の内の小集団内の片肺挿管状態を同定するステップと
を有し、
前記同定の内のフォールス・ポジティブ同定は、最大9%であり、
前記同定の内のフォールス・ネガティブ同定は、最大2%である
ことを特徴とする方法を開示している。
本発明の一実施例においては、統計的に有意の結果を出すために、十分な大きさの母集団は少なくとも20人である。別の構成として、母集団は少なくとも50人である。さらに別の構成として、母集団は少なくとも200人、さらに別の構成として、母集団は少なくとも1000人である。
本発明の一実施例により、検出された音響信号のある自己回帰関数を計算することにより、片肺挿管状態の検出が可能となることが見出された。これは、手術室内及び集中治療室内の背景ノイズの存在があっても可能である。特に、換気された肺の数を、記録された呼吸音から検出するアルゴリズムが本発明により開発された。本発明の一実施例によれば、このアルゴリズムは、MIMO(多入力多出力(Multiple Input Multiple Output))を仮定し、このシステムにおいては、多次元AR(自己回帰(Auto-Regressive))モデルは入力(肺)と出力(記録された音)に関連する。未知のARパラメータを予測し、残差共分散マトリックスの予測された固有値に基づいた検出器が開発され、これにより片肺換気状態の検出が可能となる。
ここに示した実施例においては、複数の雑音源が、ある測定基準(例えばAkaike Information Criterion (AIC)又はMinimum Description Length (MDL))を用いて、予測できる。これらの測定基準は、雑音源に対しいくつかの仮定を置いている。ところが、現在の問題ポイントはこれらの仮定に従うことはなく、その最も悪いポイントは、コヒーレントな分散雑音源の仮定である。肺は点音源ではなく、拡散した音源であるだからである。
コヒーレントな分散音源の仮定の下では、残差共分散マトリックスの大きな固有値は複数の音源に対応し、小さな固有値は分散ノイズに対応する。分散したインコヒーレントな音源の場合には、これら2つの固有値間の区別ははっきりとしない。そこで、しきい値方法を用いて音源の数を予測する。
本発明の一実施例においては、このアルゴリズムは、BSS(Blind Source Separation)モデルから得られるが、ここに開示したアルゴリズムは、活性状態にある音源(即ち肺)の数のみを予測し、音源信号そのものの予測値を必要としない。音源信号は、患者の胸あるいは背中からセンサに伝搬される。これらは、伝送チャネルに対し非線形であるが、本発明者は、線形伝搬チャネルを仮定することは、片肺挿管の検出のため有効に機能する。さらに、線形チャネルの最も一般的な考慮は、極とゼロを有するARMA(自己回帰移動平均(Auto Regressive Moving Average))である。ポールのみを有する低い高次のAR(自己回帰(Auto Regressive))は、ARMAモデルに対する近似を与える。本発明の一実施例によれば、ARモデルは片肺挿管の検出用に有効に機能することが見出された。
本発明の方法は、あらゆる分散雑音源に適したものである。本発明の一実施例においては、「分散雑音源」は、少なくとも75cmの領域に分散したポイント・雑音源群からなる。本発明の方法は、あらゆる分散雑音源に適したものである。本発明のさらなる実施例においては、「分散雑音源」は、少なくとも200cmの領域に分散したポイント・雑音源群からなる。本発明のさらなる一実施例においては、「分散雑音源」は、少なくとも400cmの領域に分散したポイント・雑音源群からなる。
本発明の一実施例おいては、自然肺音の空間統計値及び/または時間統計値が計算される。計算される空間統計値の一例は、さまざまなセンサの処理間でのクロス/ジョイント共分散マトリックスあるいはクロス/ジョイント・スペクトラムである。別の構成として、計算される空間統計値の一例は、2次を超える如何なる次元のクロス/ジョイント累積値(cumulant)あるいはクロス/ジョイント高次スペクトラムである。別の構成として、さまざまな音源で測定処理されるジョイント確率密度関数である。
実験例1.モデルの形成
この実施例においては、呼吸音信号を患者の背中に取り付けた4個のマイクで記録する。右側と左側で記録された音の振幅を比較することにより、OLIを検出する試みは信頼できる方法ではなかった。その理由は、複数のマイクロホンの1つが、両方の肺で発生した音を記録してしまうからである。この問題を解決するために、畳み込み混合モデル法(convolutive mixture model approach)が提示された。この実施例においては、肺とマイクロホンに関連するARモデルを仮定する。このARモデルが選択されたのは、それが音声とオーディオ処理のアプリケーションで通常使用され、その計算がそれほど複雑ではないからである。このモデルにおいては、各換気された肺が音源を表す。本発明の目的は、センサにより受信した信号から、片肺のみが換気している状態を検出することである。換気された肺により生成された信号は、独立していると仮定する。図1において、x[n]は音源(肺)を表し、y[n]はセンサ(マイクロホン)を表す測定装置である。
ここで、Kは音源(肺)の数を、Lはセンサ(マイクロホン)の数を表すものとする(K<L)。それ故に、音源信号のベクトルx[n]は、K×1ベクトルとして次式で定義される。
x[n]=[x[n] x[n] ・・・ x[n]] (1)
L×1の測定ベクトルは、次式で定義される。
y[n]=[y[n] y[n] ・・・ y[n]] (2)
音源信号と測定値との間の関係は、MIMO−ARモデルで与えられると仮定する。
y[n]=Ay(M)[n]+Cx[n]+e[n], (3)
ここで、y(M)[n]は、ML×1ベクトルで、次式で適宜される。
Figure 2007531573
(4)
yi (M)[n]は、ML×1ベクトルで、i番目のセンサのサンプルMまでの過去の値yi[n]を含む。
Figure 2007531573
(5)
Aは、L×MLマトリックスで、次式で定義される。
Figure 2007531573
(6)
ここで、aijは、M×1ベクトルで、j番目のセンサの過去の値yj[n-1],…yj[n-M]とi番目のセンサのサンプル値yi[n]とを関連付ける。Cは、L×Kのマトリックスで、そのi,j番目の要素は、音源jとセンサiのサンプルに関連する。e[n]は、追加的ホワイト・ノイズを表すL×1ベクトルである。ノイズ信号と音源信号は、独立したゼロ平均のガウス分布で、それぞれ共分散マトリックスがσIとIであると仮定する。この最後の仮定は、一般性を損なうことなく採用できるが、その理由は、音源の共分散は、マトリックスCにより決定され、これは数式(3)から明らかである。その結果、y[n]|y(M)[n]の条件付き分布は、ガウス分布y[n]|y(M)[n]~N(Ay(M)[n],R)である。ここでRは次式で定義される。
R=CC+σI (7)
未知のパラメータA、R、M、Kは、N個の側定値y[1],…,y[N]の組から予測しなければならない。全ての初期条件はゼロであると過程する。すなわち、n<0で、e[n], x[n] = 0。入力信号とノイズ信号は、一定(stationary)であると仮定する。実際に、K、すなわち音源(肺)の数の正確な予測が、OLI検出にとってカギとなる。
実験例2.ML予測器
音源の数Kを決定するために、データのN個のサンプルy[1],…,y[N]から未知のマトリックスAとRを予測する必要がある。このために、最大尤度(Maximum-Likelihood (ML))予測器が用いられる。マトリックスAとRのML予測器は、次の未知のマトリックスが与えられた場合、出力サンプルの条件付き確率密度関数(conditional probability density function (pdf))の対数を最大にすることにより得られる。
Figure 2007531573
(8)
ログ尤度関数(log-likelihood function)は、マトリックスAとRに関するその導関数を等しくし、得られた2つのマトリックスの式を解くことにより、最大にできる。このプロセスにより次式が得られる。その証明は、段落0077を参照のこと。
Figure 2007531573
(9a)
(9b)
情報理論基準(非特許文献14−17)に基づいたモデル・オーダ選択方法を使用することは、モデル・オーダMと音源の数Kを予測するために、自然な方法なように見える。この方法は、我々の研究中に開発されテストされたが、実際の呼吸音信号に適用した場合には、信頼性のある結果を示すことはなかった。それ故に、一般化した尤度比率テスト(Generalized Likelihood Ratio Test)に基づいた方法を開発しテストしたが、それを次に示す。
実験例3.一般化した尤度比率テスト
肺を音源とした本発明の場合には、音源の数は1個または2個である。それ故に、TRIケースとOLIケースとの間を決定するために、GLRTが用いられる(非特許文献18)。このテストは、各仮定の下での確率密度関数の間の比率に基づくが、一方最大尤度予測器(maximum likelihood estimator)を用いて、各仮定の下で未知のパラメータを予測する。
:システムに対し、1個の音源のみが存在する(OLIの場合、K=1)
:システムに対し、2個の音源が存在する (TRIの場合、K=2)
i番目の仮定の下で、ログ尤度関数(log-likelihood function)の展開により、次式が得られる(ここで、ノイズ偏差σは既知であると仮定する)。
Figure 2007531573
(10)
ここで、式7は、式8の2つの最高固有値である。Lはセンサの数である(証明は、段落0078を参照のこと)。
Figure 2007531573
Figure 2007531573
その結果、HかHかを決定するGLRTは、次式となる。
Figure 2007531573
(11)
式(11)から明らかなように、Rの第2の最大固有値は、OLI状況の実際の検出器であるが、これは、σが既知で、音源が点音源であることを仮定している。次に述べる以下のシミュレーションの結果は、コヒーレントとインコヒーレントの分散音源を仮定して、提案されたディテクタの性能を示し、最後の仮定は肺の音源に対するより正確なモデルである。
実験例4.シミュレーション結果
1.ヒーレント音源
予測器の性能をモデルのパラメータの関数として評価するために、合成データによるシミュレーションを実行した。式(3)で規定されたMIMO−ARシステムをシミュレートし、RとAのML予測器が、式(9)に従って計算された。このシミュレーションにおいては、システムのパラメータは、次の通りである。音源の数はK=2で、ARオーダを持った音源の数はL=4で、M=5で、ノイズの偏差、σ=1である。マトリックスCは次のように選択された。
Figure 2007531573
マトリックスAは、単位サークル内でシステム・ポールを表し、安定するよう選択された。マトリックスAとRのML予測器のシミュレーション結果が見出された。
独立したサンプル数Nの関数としてのGLRTの挙動が検査された。第2の最高固有値lが抽出され、ノイズレベルのしきい値σと比較された。各Nに対して、J=1000の繰り返しが実行され、Kのエラー確率が次のように定義された。
=間違って予測されたKの数/J (12)
図2は、エラー確率Pを、サンプル数Nの関数として示す。エラー確率は、サンプル数が増えるに従って減少する。この事実は、音源がコヒーレントの時には、ノイズレベルのしきい値を使用することが正しいことを、証明している。
2.インコヒーレントの分散音源シミュレーション結果
各肺は、いくつかの独立した点音源から構成され、分散音源として処理しなければならない。この仮定の下で、アルゴリズムの性能を評価するために、空間的に分散した音源を合成した。このシミュレーションにおいては、2つの分散音源を合成した。各分散音源は、クロス空間シグネチャ(close spatial signature)を具備する4個の独立した点音源で構成された。それ故に、Cのコラム(列)は次のように選択された。
Figure 2007531573
(13)
,Cは直交しており、
Figure 2007531573
式12は正規直交グループである。εは、分散幅を決定する定数である。音源のベクトルX[n]は、8個の独立した音源を表す。それ故に、積Cx[n]は、2つの分散音源を表し、それぞれ4個の独立した音源から構成される。
インコヒーレントの分散音源仮定の下で、GLRTの性能を検査するために、1個あるいは2個の分散音源の場合に対するRの固有値の間の比較が行われる。図3において、Rの固有値は、K=1とK=2に対するεの関数として導き出される。図3から分かるように、音源が広く分散している時でも、音源信号のサブスペースの固有値は、ノイズのサブスペースの固有値とは分離できる。それ故に、肺はコヒーレントな音源のモデルとして機能しないにも関わらず、Rの第2の最高固有値を、実際の呼吸音信号のOLI状況の検出器として調べることができる。さらに、音源が広く分散している場合のしきい値は、ノイズレベルがσ=1よりも高くなければならない。
実験例5.実験結果
OLI検出用に開示したモデルを検査するために、記録された呼吸のデータベースを確立した。データベースは、24人の患者に関し2つの状態を手術室で記録されたものである。すなわち、チューブの先端がカリーナ(carina)の上方に配置された時の正しい呼吸期間中と、チューブの先端がカリーナの下側に配置され片肺のみが換気されている時のOLIの状況の間である。
各実験の間、マイクが患者の背中に張り付けられ、図4に示すように、2つの状態で患者の呼吸音を記録した。記録された音でより高いSN比を達成するために換気は機械的ではなく手動で実行され、チューブの実際の位置は、光学装置により毎時有効にされた。実験は、医療センター、ソロカ−イスラエル(Soroka - Israel)の主外科手術室で、外科手術の開始時に麻酔中に行われた。
呼吸信号のスペクトラム範囲外の不規則な背景ノイズ、例えばモニタのビープ音、医者の会話等の一部を減衰するために、記録された信号は、100Hz−600Hzのバンド幅のバターワース(Butterworth)フィルタで濾過され、4kHzでサンプリングされた。
カットオフ周波数が600Hzのために、0.3倍のダウン・サンプリング操作が行われた。
各マイクロホンからの信号の振幅は、患者の身体上のマイクロホンの位置と、特定の患者の人体構造と、サンプリング・システムのゲインに依存する。それ故に、各チャネルの出力は異なる信号振幅になり、ノイズ分散σは、マイクロホン毎に異なることが分かった。この問題を処理するために、チャネルに対するノイズレベルによる各チャネルの正規化が行われた。
前述の方法は、手術室の周囲ノイズを低減させるのに十分であり、アルゴリズムそのものは、手術室の不規則な雑音に敏感でない方法で、OLI状態を決定するのに十分頑強である。
この記録された呼吸信号は、OLIとTRIの両方の状況を含む。呼吸信号は、4kHzのカットオフ周波数に限定され、データはそれぞれこの2000サンプルのウインドウに分割され、その80%がオーバーラップしている。AICとMDLは、実際のデータに適用された時には、最高に利用できるARモデル・オーダを選択するために、15の任意のARオーダが計算の複雑さと利用できる処理時間を考慮して、設定された。未知のマトリックスAとRは、各ウインドウに対し、段落0053−0055に記載されたML予測器を用いて予測された。
図5は、処理前の4個のマイクロホンによって記録されたOLI状況とTRI状況の両方の呼吸サイクルを示す。この図から明らかなように、記録された音の振幅のみで、OLIの場合とTRIの場合とを決定することは、単純な作業ではない。
図6は、RMLの第2の最高固有値を時間の関数と、図5に示す処理のプロセスの結果の関数として示す。図6から明らかなように、OLIとTRIは、各呼吸サイクルの間、RMLの第2最高固有値により、区別される。提案されたアルゴリズムの結果は、24個の実験に対して一定であった。
システムの性能の評価を、Leave some out methodを用いて、次のとおり実行した。システムをトレーニングするために、20回の実験を行ってヒストグラムを抽出した。残りの4回の実験で、システムを有効にし、トレーニング・プロセスで抽出された統計値に従って、テストした。このプロセスは、6回繰り返し、各回毎に4個の有効実験からなる、異なるグループを用いた。その結果、有効化が、全部で24個の実験で、「患者独立モード」で行われた。
OLI検出には2種類のエラーが存在する。すなわち、Pmissで、OLIをTRIと間違って検出する確率であり、もう1つはPFAで、TRIをOLIとして検出する確率である。ディテクション・エラー・トレードオフ(Detection Error Tradeoff (DET))カーブは、これらのエラーを表示するための一般的な手法である。DETカーブは、装置の性能に対する情報を与え、カーブ上の各ポイントは、あるしきい値に対するPFAとPmissを示す。実際のモニタリング・システムのしきい値は、システムの要求された感度に従って計算され、これは、システムの許容されたPmissを考慮に入れて行われる。図7は、提案された決定システムのDETカーブを示し、これは上記の6回の繰り返しに従って計算された。イコール・エラー・レート(Equal Error Rate (EER))ポイントは、DETカーブ上のポイントとして定義され、Pmiss=PFAは、4.8である。当然のことながら、より重要な指標は、PFAよりもPmissである。それ故に、実際のシステムにおいては、DETカーブ上の選択されたアクティビティ・ポイントは、Pmiss=2%、PFA=9%のところにある。
実験例6.議論
実際的観ポイントから、これらの実験例は、OLIの検出の方法と装置を示す。本発明により、肺音をモニタすることによりOLIを検出するアルゴリズムが開発された。アルゴリズムの性能を確認するために、OLIとTRIにある患者から記録された呼吸音信号のデータベースが確立された。MIMO−ARモデルを仮定し、残差共分散マトリックスの第2の最高固有値を特徴として選択することにより、実際の呼吸音信号からOLIを検出する信頼性の高い方法を提供できる。
外科手術状態に応じて前処理を行わなければならないために、各マイクロホンに対する最適ゲインを設定できるようにするために、各外科手術の前にシステムをに自動的にトレーニングすることがが好ましい。
式(9)の証明。
未知のパラメータA、Rに対する式(8)の最大化は、対応する部分導関数をゼロに等しくすることにより、達成される。式(8)の最後の項のみは次の通りである。
Figure 2007531573
(14)
この式(14)は、Aに対するログ尤度(log-likelihood)の導関数を計算することに関連する。マトリックスBに対するスカラーaの導関数は次の通りである。
Figure 2007531573
ここで、以下の恒等式を用いた。
Figure 2007531573
(15)
(16)
Aが正方形マトリックスで、f(A)がスカラー関数の場合には、次式となる。
Figure 2007531573
(17)
Aが正方可逆マトリックスの場合には、次式となる。
Figure 2007531573
(18)
かくして、次式が得られる。
Figure 2007531573
(19)
(20)
AとRのML予測器を見出すために、上記の導関数は、ゼロに等しくなければならない。Rは共分散マトリックスであるので、R=Rと、R−1=R−Tである。それ故に、次の2つの未知のマトリックス変数AとR−1とを有する2個のマトリックス式が得られる。
Figure 2007531573
(21)
(22)
式(22)は、次のように単純化できる。
Figure 2007531573
(23)
式20のマトリックスは、
Figure 2007531573
が可逆であると仮定すると、式(21)からのAを取り出すことにより、式(9a)となる。式(9a)を式(23)の最後の項に代入し、Rを取り出すと、式(9b)となる。
式(10)の証明。
AとRを式(8)に代入することにより、式(24)となる。
Figure 2007531573
(24)
式(24)の加算の項はスカラーであり、それ故に、トレース操作がそれに対し実行できる。
Figure 2007531573
(25)
式(25)の5番目の式は、式(9b)を代入することにより得られる。
マトリックスの行列式は、そのその固有値の積である。それ故に、
Figure 2007531573
を思い出すと、降順(l>l>・・・>l)内の
Figure 2007531573
内の固有値は次のように単純化される。
Figure 2007531573
(26)
非特許文献18で解るように、Rの最小L−K固有値を用いて、σを予測する。それ故に、式(26)は次のように変形できる。
Figure 2007531573
(27)
σが既知であると仮定しているので、式(27)の予測の代わりに、代入され、それ故に、式(27)は次式となる。
Figure 2007531573
(28)
式(25)と式(28)を式(24)に代入することにより、式(10)となる。
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
代表的なMIMO ARモデルを表すブロック図。 コヒーレント・音源のGLRTのPのグラフ。 散乱レベルεと固有値Rとの関係を表すグラフ。 本発明の一実施例による、患者の背中に取り付けられたマイクロホンの位置を表し、TRIの状態を示す。 片肺挿管(OLI)と気管支挿管(TRI)の両方の場合の記録された呼吸サイクルを表す図。 片肺挿管(OLI)と気管支挿管(TRI)の両方の場合に対する時間の関数としてのRの第2最大固有値を表す図。 予測されたRの第2最大固有値に基づいた検出器のDETを表す図。

Claims (33)

  1. 人間の片肺の換気状態を検出する方法において、
    (a) 人体のある領域から放出された自然肺音を、音響センサで、電子的に検出するステップと、
    (b) 前記検出された自然肺音を処理するステップにより、片肺換気状態を表す出力を生成するステップと
    を有する
    ことを特徴とする人間の片肺の換気状態を検出する方法。
  2. 前記(a)ステップは、複数の音響センサから、複数の電気信号を受信するステップを含み、
    前記少なくとも1個の音響センサは、人体の胸部に配置される
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記(a)ステップは、複数の音響センサから、複数の電気信号を受信するステップを含み、
    前記少なくとも1個の音響センサは、人体の背中に配置される
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記(a)ステップは、複数の音響センサから、複数の電気信号を受信するステップを含み、
    前記少なくとも1個の音響センサは、人体の背中と胸部の一方に配置される
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記(a)ステップは、複数の音響センサから、複数の電気信号を受信するステップを含み、
    前記(b)ステップの処理するステップは、前記電気信号と、前記電気信号の披瀝と電気信号の将来挙動の少なくとも一方との間の関係を表すパラメータを計算するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記(b)ステップの処理するステップは、前記電気信号と、前記電気信号の披瀝と電気信号の将来挙動の少なくとも一方との間の関係を表すパラメータを計算するステップを含む
    ことを特徴とする請求項3記載の方法。
  7. 前記(b)ステップの処理するステップは、第1時間ウインドウの間の電気信号と、第2時間ウインドウの間の電気信号との間の関係を表すパラメータを計算するステップを含み、
    前記第1時間ウインドウと第2時間ウインドウは、オーバーラップする
    ことを特徴とする請求項5または6記載の方法。
  8. 前記第1時間ウインドウと第2時間ウインドウとは、少なくとも1秒間オーバーラップする
    ことを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 前記第1時間ウインドウと第2時間ウインドウとは、少なくとも2秒間オーバーラップする
    ことを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 前記(a)ステップは、複数の音響センサから、複数の電気信号を受信するステップを含み、
    前記(b)ステップの処理するステップは、第1音響センサの第1電気信号と、前記第1音響センサの第1電気信号の披瀝と前記第1音響センサの第1電気信号の将来挙動の少なくとも一方との間の関係を表すパラメータを計算するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. 前記第1音響センサは、人体の胸部に配置される
    ことを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 前記第1音響センサは、人体の背中に配置される
    ことを特徴とする請求項10記載の方法。
  13. 前記関係は、条件付き確率関係を表す
    ことを特徴とする請求項5または10記載の方法。
  14. 前記(b)ステップの処理するステップは、前記条件付き確率関係の共分散マトリックスに関連するパラメータを計算するステップを含む
    ことを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 前記(b)ステップの処理するステップは、前記共分散マトリックスの少なくとも1個の固有値を計算するステップを含む
    ことを特徴とする請求項13記載の方法。
  16. 前記固有値の低い方の値は、前記片肺換気状態を表す
    ことを特徴とする請求項15記載の方法。
  17. 前記(b)ステップの処理するステップは、前記自然肺音の空間統計値と時間統計値からなるグループから選択された少なくとも1つの統計値を表すパラメータを獲得するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  18. 前記統計値の偏差値は、挿管状態の変化を表す
    ことを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 前記(b)ステップの処理するステップは、前記自然肺音の複数の分散ランダム音源を決定するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  20. 前記(b)ステップの処理するステップは、前記自然肺音の1つの分散ランダム音源を決定するステップを含む
    ことを特徴とする請求項19記載の方法。
  21. 前記(b)ステップの処理するステップは、雑音源の散乱を表す雑音散乱パラメータを決定するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  22. 前記(a)ステップは、電気信号を生成するステップを含み、
    前記(b)ステップの処理するステップは、前記電気信号の自己回帰移動平均(ARMA)の予測値を計算するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  23. 前記(a)ステップは、電気信号を生成するステップを含み、
    前記(b)ステップの処理するステップは、前記電気信号の自己回帰関数の予測値を計算するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  24. 人間の片肺の換気状態を検出する方法において、
    (a) 人体のある領域から放出された自然肺音を含む雑音を電子的に検出するステップと、
    (b) 前記検出された自然肺音を、手術室内のキャセル前のランダム背景雑音に影響されない方法で、処理するステップにより、片肺換気状態を表す出力を生成するステップと
    を有する
    ことを特徴とする人間の片肺の換気状態を検出する方法。
  25. 前記キャンセル前のランダム背景雑音は、少なくとも70dBの雑音を含む
    ことを特徴とする請求項24記載の方法。
  26. 前記(a)ステップは、肺音以外の雑音を検出するステップを含み、
    前記(b)ステップの処理するステップは、雑音をフィルタ処理するアダプティブ・フィルタリング技術を用いる
    ことを特徴とする請求項24記載の方法。
  27. (a) 有意の統計結果を得るために、十分大きな大母集団の人間を選択するステップと、
    (b) 前記大母集団の内の小集団内の片肺挿管状態を同定するステップと
    を有し、
    前記同定のうちの誤った同定は、最大9.6%である
    ことを特徴とする方法。
  28. (a) 有意の統計結果を得るために、十分大きな大母集団の人間を選択するステップと、
    (b) 前記大母集団の内の小集団内の片肺挿管状態を同定するステップと
    を有し、
    前記同定の内のフォールス・ポジティブ同定は、最大4.8%であり、
    前記同定の内のフォールス・ネガティブ同定は、最大4.8%である
    ことを特徴とする方法。
  29. (a) 有意の統計結果を得るために、十分大きな大母集団の人間を選択するステップと、
    (b) 前記大母集団の内の小集団内の片肺挿管状態を同定するステップと
    を有し、
    前記同定の内のフォールス・ポジティブ同定は、最大9%であり、
    前記同定の内のフォールス・ネガティブ同定は、最大2%である
    ことを特徴とする方法。
  30. 人間の片肺の換気状態を検出する装置において、
    (a) 人体のある領域から放出された自然肺音を、電子的に検出する複数の音響センサと、
    (b) 片肺換気状態を表す出力を生成するために、前記音響センサから受信した電気信号を処理する処理ユニットと
    を有する
    ことを特徴とする人間の片肺の換気状態を検出する装置。
  31. 前記処理ユニットは
    前記同定の内のフォールス・ポジティブ同定は、最大9%であり、
    前記同定の内のフォールス・ネガティブ同定は、最大2%である
    よう適合される
    ことを特徴とする請求項30記載の装置。
  32. 前記処理ユニットは
    前記同定の内のフォールス・ポジティブ同定は、最大4.5%であり、
    前記同定の内のフォールス・ネガティブ同定は、最大4.5%である
    よう適合される
    ことを特徴とする請求項30記載の装置。
  33. 前記処理ユニットは、手術室内のキャセル前のランダム背景雑音に影響されない方法で、出力を生成する
    ことを特徴とする請求項30記載の装置。
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