JP2007524657A - 増殖性疾患の治療のための組合せ法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、増殖性疾患(例えば癌)を治療する薬物の組合せを特徴としている。本発明は、癌および他の増殖性疾患の治療のために新規組合せ療法を同定する方法も特徴としている。

Description

発明の背景
本発明は、癌および他の増殖性疾患の治療に関する。
癌は、異常な細胞の制御できない増殖により特徴付けられた疾患である。癌細胞は、有限の寿命を有する正常細胞に課された障壁を乗り越え、無限大に増殖する。癌細胞の増殖は継続するので、遺伝的変更は、癌性細胞がより攻撃的な増殖表現型を推進することが顕在化するまで、持続し得る。未治療のまま放置されると、癌細胞の身体の遠隔領域へのリンパ系または血流による播種である転移が続けて起こり、健康な組織の破壊を引き起こすことがある。
癌治療は、ひとつの癌型であってもかなりの不均質性が存在するという事実により、妨げられる。例えば一部の癌は、組織を侵襲する能力を有し、転移により特徴付けられた増殖の攻撃的経過を示す。これらの腫瘍は概して、患者の転帰不良が関連している。最終的に腫瘍の不均質性は、多剤耐性の現象、すなわち広範な構造的に無関係の細胞毒性の抗癌性化合物に対する抵抗を生じる(J. H. Gerlach et al., Cancer Surveys, 5:25-46(1986))。進行性の薬物耐性の基礎となる原因は、例えばJ. H. GoldieおよびAndrew J. Coldman(Cancer Research, 44:3643-3653(1984))に説明されたように、診断時の腫瘍内の薬物耐性細胞の小さい集団(例えば変異体細胞)に起因することがある。このような腫瘍の単独の薬物による治療は、支配的な薬物感受性細胞の殺傷の結果として、腫瘍の大きさが縮小する寛解を生じることができる。しかしその薬物感受性細胞が失われると、残存する薬物耐性細胞は繁殖し続けることができ、最終的に腫瘍の細胞集団を支配する。その結果、転移性癌が全ての利用可能な療法に対し多面的抵抗を生じる理由、およびこれをどのように計測するかという問題点が、癌の化学療法において最大の圧力である。
抗癌療法は、多種多様な腫瘍型に対し確実であること、特に侵襲性腫瘍に適していることが必要である。重要なことは、この治療は、最低の宿主毒性で有効でなければならないことである。癌治療、特に多剤耐性癌の治療のための複数の薬剤の組合せの使用の長い歴史にもかかわらず、併用療法を使用して得られる正の結果は、依然予想不可能であることが多い。
発明の概要
本発明は、癌のような、増殖性疾患を治療する組成物、方法、およびキットを特徴としている。
第一の局面において、本発明は、有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる第一の物質、およびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる第二の物質を含有する組成物を特徴としている。
本発明は、有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる第一の物質およびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる第二の物質を患者へ投与することにより、増殖性疾患を有する患者を治療するか、またはその患者における増殖性疾患の進行を阻害する方法も特徴としている。これら2種の物質は、同時または互いに14日以内、互いに7日以内、互いに1日以内、互いに1時間以内に、患者を治療するのに十分な量で投与されることが望ましい。
本発明は、細胞を、有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる第一の物質およびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる第二の物質と接触させることにより、細胞増殖を低下させる方法も特徴としている。
これらの方法および組成物は更に、追加の抗増殖性薬物、例えば抗癌剤を含有する。
更に別の局面において、本発明は、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する方法を特徴としている。この方法において、増殖している細胞(例えば、癌細胞または癌細胞株)は、インビトロにおいて、(i)有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質、および(ii)候補化合物と接触させる。次に任意の許容できるアッセイ法を使用し、その物質および候補化合物の組合せが、物質と接触させたが候補化合物とは接触させない細胞の増殖と比べ、細胞増殖を低下させるかどうかが決定される。細胞増殖の低下は、その組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する。
別の局面において、本発明は、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する別の方法を特徴としている。この方法は、(a)タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる化合物を同定する工程;(b)増殖している細胞を、インビトロにおいて、有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質および工程(a)において同定された化合物と接触させる工程;ならびに、(c)この物質と工程(a)において同定された化合物の組合せが、物質と接触させたが工程(a)において同定された化合物とは接触させない細胞、または工程(a)において同定された化合物と接触させるがこの物質とは接触させない細胞の増殖と比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程を含む。細胞増殖の低下は、その組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する。
前述の局面のいずれかにおいて、有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質は、例えば、有糸分裂キネシンインヒビター、有糸分裂キネシンの発現レベルを低下させるアンチセンス化合物もしくはRNAi化合物、ドミナントネガティブな有糸分裂キネシン、このようなドミナントネガティブな有糸分裂キネシンをコードしている発現ベクター、有糸分裂キネシンに結合しおよび有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる抗体、またはオーロラキナーゼインヒビターであることができる。望ましくは、有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質は、HsEg5/KSPの生物活性を低下させる。有糸分裂キネシンの生物活性の例は、酵素活性、運動活性、および結合活性である。
更に別の局面において、本発明は、増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物を同定する別の方法を特徴としている。この方法は、(a)低下させた有糸分裂キネシンの生物活性を有するように遺伝子操作された増殖している細胞を提供する工程;(b)この細胞を候補化合物と接触させる工程;および、(c)候補化合物が、候補化合物と接触していない細胞と比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程を含む。細胞増殖の低下は、その化合物を、増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物として同定する。
別の局面において、本発明は、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する更に別の方法を特徴としている。この方法は、(a)増殖している細胞を、インビトロにおいて、タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる物質および候補化合物と接触させる工程;(b)この物質と候補化合物の組合せが、この物質と接触させたが候補化合物とは接触させない細胞の増殖と比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程を含む。細胞増殖の低下は、その組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する。
関連のある局面において、本発明は、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する方法を特徴とする。この方法は、(a)有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる化合物を同定する工程;(b)増殖している細胞を、インビトロにおいて、タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる物質および工程(a)において同定された化合物と接触させる工程;ならびに、(c)この物質と工程(a)において同定された化合物の組合せが、この物質と接触させたが工程(a)において同定された化合物とは接触させない細胞、または工程(a)において同定された化合物と接触させるがこの物質とは接触させない細胞の増殖と比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程を含む。細胞増殖の低下は、その組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する。
前述の局面のいずれかにおいて、タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる物質は、タンパク質チロシンホスファターゼインヒビター、タンパク質チロシンホスファターゼの発現レベルを低下させるアンチセンス化合物もしくはRNAi化合物、ドミナントネガティブなタンパク質チロシンホスファターゼ、該ドミナントネガティブなタンパク質チロシンホスファターゼをコードしている発現ベクター、タンパク質チロシンホスファターゼに結合しおよびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる抗体、またはファルネシル転移酵素インヒビターである。望ましくは、この物質は、PTP1B、PRL-1、PRL-2、PRL-3、SHP-1、SHP-2、MKP-1、MKP-2、CDC14、CDC25A、CDC25B、およびCDC25Cから選択されたタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる。
別の局面において、本発明は、増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物を同定するための別の方法を特徴とする。この方法は、(a)低下させたタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を有するように遺伝子操作された増殖している細胞を提供する工程;(b)細胞を候補化合物と接触させる工程;および、(c)候補化合物が、候補化合物と接触させない細胞と比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程を含む。細胞増殖の低下は、その化合物を、増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物として同定する。
前述の局面において、細胞は、癌細胞または癌細胞株由来の細胞であることが望ましい。
「より有効な」とは、方法、組成物、またはキットが、比較される他の方法、組成物、またはキットよりも、より大きい効能を示し、毒性が低く、より安全で、より使いやすく、より忍容性がよく、もしくはより安価なものであるか、またはより高い治療満足性を提供することを意味する。効能は、所定の適応症に適している任意の標準方法を用い、熟練者により測定することができる。
「有糸分裂キネシンインヒビター」とは、有糸分裂キネシンに結合し、および有糸分裂キネシンの生物活性を有意な量(例えば、少なくとも10%、20%、30%またはそれよりも多く)低下させる物質を意味する。有糸分裂キネシンの生物活性は、酵素活性(例えば、ATPase活性)、運動活性(例えば、力の発生)および結合活性(例えば、微小管またはその積荷(cargo)のいずれかへのモーターの結合)を含む。
「ドミナントネガティブな」とは、タンパク質の正常コピーまたは野生型コピーの存在下でのこの変異体の発現が、正常コピーの活性の失活または低下を生じるような、その生理的活性を失活する少なくとも1種の変異を含むタンパク質を意味する。従ってこの変異体の活性は、正常コピーの活性を「支配」し、その結果例え正常コピーが存在したとしても、生物機能は低下される。ひとつの例において、このタンパク質のふたつのコピーの二量体は、例え一方が正常コピーおよび一方が変異コピーで存在したとしても、活性は存在せず;別の例は、変異体が、正常コピーの機能に重要である他のタンパク質に結合または「取り入れ」られ、その結果これらの他のタンパク質は、正常コピーの活性の存在には不十分である場合である。
「タンパク質チロシンホスファターゼ」または「PTPase」は、タンパク質基質上のチロシン残基を脱リン酸化する酵素を意味する。
「タンパク質チロシンホスファターゼインヒビター」とは、タンパク質チロシンホスファターゼに結合し、およびそのタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を阻害(例えば、少なくとも10%、20%、もしくは30%またはそれよりも多く)する物質である。
「二重特異性ホスファターゼ」とは、同じタンパク質基質上のチロシン残基、およびセリンまたはトレオニン残基のいずれかの両方を脱リン酸化することができるタンパク質ホスファターゼを意味する。二重特異性ホスファターゼは、MKP-1、MKP-2、および細胞分裂周期のホスファターゼファミリー(例えば、CDC14、CDC25A、CDC25B、およびCDC25C)を含む。二重特異性ホスファターゼは、タンパク質チロシンホスファターゼであるとみなされる。
「抗増殖性薬物」とは、個々に、細胞増殖を阻害する化合物を意味する。本発明の抗増殖性薬物は、アルキル化剤、白金薬剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼインヒビター、抗腫瘍性抗生物質、抗有糸分裂薬、アロマターゼインヒビター、チミジル酸シンターゼインヒビター、DNAアンタゴニスト、ファネシル転移酵素インヒビター、ポンプインヒビター、ヒストンアセチル転移酵素インヒビター、メタロプロテアーゼインヒビター、リボヌクレオシド還元酵素インヒビター、TNFαアゴニストおよびアンタゴニスト、エンドセリンA受容体アンタゴニスト、レチノイン酸受容体アゴニスト、免疫調節剤、ホルモンおよび抗ホルモン剤、光動的感作物質、およびチロシンキナーゼインヒビターを含む。
「細胞増殖の阻害」とは、インビトロまたはインビボにおける細胞の増殖率を、測定できるよう遅延、停止または逆転することを意味する。望ましくは、増殖率の遅延は、細胞増殖率の決定に適したアッセイ法(例えば、本明細書に説明された細胞増殖アッセイ法)を用い決定した場合、少なくとも20%、30%、50%、60%、70%、80%、または90%である。典型的には増殖率の逆転は、新生物性細胞における細胞死の壊死またはアポトーシス機構の開始または促進により実現される。
「十分量」とは、インビボにおける新生物の細胞の増殖を阻害するために必要とされた、本発明の組合せにおける化合物の量を意味する。増殖性疾患(すなわち癌)の治療的処置のために本発明を実践するために使用される活性化合物の有効量は、投与の様式、対象の年齢、種、性別、罹患臓器、体重、および全身の健康状態に応じて変動する。最終的には、担当医師または獣医師が、適量および用法を決定すると考えられる。
「低用量」とは、ヒト疾患または状態の治療のための所定の投与経路のために処方された特定の化合物の標準推奨量下限よりも少なくとも5%少ない(例えば、少なくとも10%、20%、50%、80%、90%または更には95%)ことを意味する。
「高用量」とは、ヒト疾患または状態の治療のための特定の化合物の標準推奨量上限よりも少なくとも5%多い(例えば、少なくとも10%、20%、50%、100%、200%、または更には300%)を意味する。
「薬学的に許容できる」という語句とは、患者へ投与される場合、有害半オリゴヌクレオチド、アレルギー反応または他の望ましくない反応を生じることがない分子実体および組成物を意味する。
本明細書において使用される「薬学的に許容できる担体」は、任意のおよび全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。薬学的に活性のある物質に関するこのような媒体および物質の使用は、当技術分野において周知である。
「患者」とは、任意の動物(例えばヒト)を意味する。本発明の方法、組成物およびキットを用い治療することができる非ヒト動物は、ウマ、イヌ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ハムスター、サル、モルモット、ラット、マウス、トカゲ、ヘビ、ヒツジ、ウシ、サカナおよびトリを含む。
本発明に有用な化合物は、それらのジアステレオマーおよびエナンチオマーのような異性体、塩、溶媒和物、多形体、更にはここに説明した化合物のラセミ混合物を含む、それらの薬学的に許容できる形のいずれかの本明細書において説明されたものを含む。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、および特許請求の範囲から明らかであると思われる。
詳細な説明
本発明は、増殖障害を治療するための組成物、方法、およびキットを特徴としている。
正常な細胞は、増殖、有糸分裂、分化、細胞機能、およびプログラムされた様式の細胞死を調節するシグナル伝達機構を有する。これらの機能を調節するシグナル伝達経路の欠損は、制御できない増殖および繁殖を生じ、これらは癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害および炎症障害を顕在化し得る。
有糸分裂キネシンは、有糸分裂における必須のモーターである。これらは、紡錘体の集成および維持、染色体の紡錘体への結合および適当な位置づけ、双極紡錘体の確立および染色体の反対極への移動を可能にする紡錘体中の力の維持を制御する。有糸分裂キネシン機能の混乱は、有糸分裂紡錘体の奇形または機能不全を引き起こし、しばしば細胞周期停止および細胞死を引き起こす。
タンパク質チロシンホスファターゼ(PTPase)は、タンパク質基質上のチロシン残基を脱リン酸化し、これによりある種の細胞機能を調節する細胞内シグナル伝達分子である。正常細胞において、これらは典型的には、タンパク質チロシンキナーゼと協調して、タンパク質チロシン残基のリン酸化を介してシグナル伝達カスケードを調節するように作用する。タンパク質上のチロシン残基のリン酸化および脱リン酸化は、細胞の増殖および繁殖、細胞周期の進行、細胞骨格の完全性、分化および代謝を制御する。様々な転移性および癌性の細胞株において、PTP1Bおよび再生肝ホスファターゼ(Phosphatases of Regenerating Liver)(PRL-1、PRL-2、およびPRL-3)は、過剰発現されることがわかっている。例えばPRL-3(PTP4A3としても公知)は、転移性結腸直腸癌において比較的高レベルで発現される(Saha et al., Science、294:1343-1346(2001))。PRL-1は、有糸分裂の紡錘体に局在化し、有糸分裂の進行および染色体分離に必要である。PRLホスファターゼは、細胞の移動、侵襲、および転移を促進し、ならびにこれらのPTPaseの阻害は、インビトロにおける癌細胞の増殖および動物モデルにおける腫瘍を阻害することが示されている。
本発明者らは以前、クロルプロマジンとペンタミジンの組合せは、細胞増殖の低下に呼応して作用することを明らかにした(米国特許第6,569,853号)。本発明者らは本明細書で、クロルプロマジンは、有糸分裂キネシンのインヒビターとして作用することを示している。ペンタミジンは、PRLホスファターゼのインヒビターであることが明らかにされている(Pathak et al., Mol. Cancer Ther.、1:1255-1264(2002))。
前述の知見を基に、本発明者らは、有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質の、タンパク質チロシンホスファターゼの活性を低下させる物質との組合せは、細胞増殖の低下に、ここでは増殖性疾患の治療に有用であることを結論付けた。
有糸分裂キネシン
有糸分裂キネシンは、HsEg5/KSP、KIFC3、CHO2、MKLP、MCAK、Kin2、Kif4、MPP1、CENP-E、NYREN62、LOC8464、およびKIF8を含む。他の有糸分裂キネシンは、米国特許第6,414,121号、同第6,582,958号、同第6,544,766号、同第6,492,158号、同第6,455,293号、同第6,440,731号、同第6,437,115号、同第6,420,162号、同第6,399,346号、同第6,395,540号、同第6,383,796号、同第6,379,941号、および同第6,248,594号に開示されている。代表的有糸分裂キネシンのGenBank寄託番号を、表1に示す。
(表1)ヒト有糸分裂キネシン
Figure 2007524657
HsEg5/KSPは、クローニングされかつ特徴決定されている(例えば、Blangy et al., Cell、83:1159-69(1995);Galgio et al., J. Cell Biol., 135:399-414(1996);Whitehead et al., J. Cell Sci., 111:2551-2561(1998);Kaiser, et al., J. Biol. Chem., 274:18925-31(1999);GenBank寄託番号:X85137、NM 004523参照)。KSPのショウジョウバエ(Drosophila)(Heck et al., J. Cell Biol., 123:665-79(1993))およびアフリカツメガエル(Xenopus)(Le Guellec et al., Mol. Cell Biol., 11:3395-8(1991))のホモログが報告されている。ショウジョウバエKLP61F/KRP130は、報告によると、未変性型で精製され(Cole, et al., J. Biol. Chem., 269:22913-22916(1994))、大腸菌において発現され(Barton, et al., Mol. Biol. Cell, 6:1563-74(1995))、ならびに運動性およびATPase活性を有することが報告されている(Cole, et al., 前記;Barton, et al., 前記)。アフリカツメガエルEg5/KSPは、大腸菌において発現され、運動活性(Sawin, et al., Nature, 359:540-3(1992);Lockhart and Cross, Biochemistry, 35:2365-73(1996);Crevel, et al, J. Mol. Biol., 273:160-170(1997))、およびATPase活性(Lockhart and Cross, 前記;Crevel et al., 前記)を有することが報告されている。
KSPに加えてBimCファミリーの他のメンバーは、BimC、CIN8、cut7、KIP1、KLP61Fを含む。
Figure 2007524657
有糸分裂キネシンの生物活性は、ATP加水分解;微小管結合;滑走および重合化/解重合(微小管動態に対する作用);紡錘体の他のタンパク質への結合;細胞周期制御に関連したタンパク質への結合;キナーゼもしくはプロテアーゼのような、他の酵素の基質としての利用;ならびに、紡錘体極分離などの特異的キネシン細胞活性に作用するその能力を含む。
有糸分裂キネシンの生物活性をアッセイする方法は、当技術分野において周知である。例えば、運動アッセイを行う方法は、例えばHall, et al., Biophys. J., 71:3467-3476(1996);Turner et al., Anal. Biochem., 242:20-25(1996);Gittes et al., Biophys. J., 70:418-429(1996);Shirakawa et al., J. Exp. Biol., 198:1809-1815(1995);Winkelmann et al., Biophys. J., 68:2444-2453(1995);および、Winkelmann et al., Biophys. J., 68:72S(1995)に説明されている。ATPase加水分解活性を決定する当技術分野において公知である方法も、使用することができる。1999年5月18日に出願された米国特許出願第09/314,464号は、その全体が本明細書に参照として組入れられているが、これはそのようなアッセイ法を開示している。他の方法も使用することができる。例えば、キネシンからのPi放出は、定量することができる。ひとつの態様において、ATP加水分解活性アッセイ法は、0.3M過塩素酸(PCA)およびマラカイトグリーン試薬(8.27mMモリブデン酸(II)ナトリウム、0.33mMマラカイトグリーン(シュウ酸塩)、および0.8mM Triton X-100)を利用する。このアッセイ法を実行するために、反応液10μLを、0.3M PCAの90μLで停止する。リン酸塩標準を使用し、そのデータを、放出された無機リンのnM数へ変換することができる。全ての反応および標準がPCAにおいて停止された時点で、マラカイトグリーン試薬100μLを、例えばマイクロタイタープレートのような、該当するウェルへ添加する。この混合物を、10〜15分間発色させ、このプレートを吸光度650nmで読みとる。リン酸塩標準が使用される場合、吸光度読み値は、nM Piに変換され、経時的にプロットされる。加えて、当技術分野において公知のATPaseアッセイ法は、ルシフェラーゼアッセイ法を含む。
キネシンモータードメインのATPase活性は、調節剤の作用をモニタリングするために使用することもできる。ひとつの態様において、キネシンのATPaseアッセイ法は、微小管の非存在下で実行される。別の態様において、ATPaseアッセイ法は、微小管の存在下で実行される。様々な種類の調節剤は、前述のアッセイ法において検出することができる。ひとつの態様において、調節剤の作用は、微小管およびATPの濃度とは無関係である。別の態様において、これらの物質のキネシンATPaseに対する作用は、ATP、微小管または両方の濃度の上昇と共に減少する。更に別の態様において、調節剤の作用は、ATP、微小管または両方の濃度の上昇と共に増加する。
インビトロにおいて有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質が、次にインビボにおいてスクリーニングされる。インビボスクリーニングの方法は、細胞周期分布、細胞生存度、または有糸分裂の紡錘体の存在、形態、活性、もしくは量のアッセイ法を含む。例えば、フローサイトメトリーのような、細胞集団の細胞周期分布をモニタリングする方法は、細胞生存度を決定する方法のように、当業者に周知である(例えば、米国特許第6,617,115号参照)。
有糸分裂キネシンインヒビター
有糸分裂キネシンインヒビターは、クロルプロマジン、モナステロール(monasterol)、テルペンドールE、HR22C16、およびSB715992を含む。他の有糸分裂キネシンインヒビターは、Hopkins et al., Biochemistry, 39:2805(2000);Hotha et al., Angew Chem. Inst. Ed., 42:2379(2003);PCT公報WO01/98278、WO02/057244、WO02/079169、WO02/057244、WO02/056880、WO03/050122、WO03/050064、WO03/049679、WO03/049678、WO03/049527、WO03/079973、およびWO03/039460、ならびに米国特許出願第2002/0165240号、同2003/0008888号、同2003/0127621号、および同2002/0143026号;ならびに、米国特許第6,437,115号、同第6,545,004号、同第6,562,831号、同第6,569,853号、および同第6,630,479号に開示されており、ならびにクロルプロマジンアナログは、米国特許出願第10/617,424号(例えば式(I)参照)に開示された化合物である。
タンパク質チロシンホスファターゼ
タンパク質チロシンホスファターゼは、PRLファミリー(PRL-1、PRL-2、およびPRL-3)、PTP1B、SHP-1、SHP-2、MKP-1、MKP-2、CDC14、CDC25A、CDC25B、CDC25C、PTPαおよびPTP-BLを含む。タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性は、基質上のチロシン残基の脱リン酸化を含む。代表的チロシンホスファターゼのGenBank寄託番号を、表2に示す。
(表2)ヒトタンパク質チロシンホスファターゼ
Figure 2007524657
タンパク質チロシンホスファターゼインヒビター
タンパク質チロシンホスファターゼのインヒビターは、ペンタミジン、レバミソール、ケトコナゾール、ビスペルオキソバナジウム化合物(例えば、Scrivens et al., Mol. Cancer Ther. 2:1053-1059(2003)、および米国特許第6,642,221号に説明されたもの)、バナジウム酸塩および錯体(例えば、オルトバナジン酸ナトリウム)、デホスファチン、ドナシンA1、ドナシンA2、STI-571、スラミン、硝酸ガリウム、スチボグルコネートナトリウム、アンチモン酸メグルミン、2-(2-メルカプトエタノール)-3-メチル-1,4-ナフトキノン、DB289(Immtech)として公知の2,5-ビス(4-アミジノフェニル)フラン-ビス-O-メチルアミドキシム、米国特許第5,843,980号に開示された2,5-ビス(4-アミジノフェニル)フラン(DB75, Immtech)、ならびに、Pestell et al., Oncogene, 19:6607-6612(2000);Lyon et al., Nat. Rev. Drug Discov., 1:961-976(2002);Ducruet et al., Bioorg. Med. Chem., 8:1451-1466(2000)、米国特許出願第2003/0114703号、同2003/0144338号、および同2003/0161893、ならびにPCT公報WO99/46237、WO03/06788およびWO03/070158に説明された化合物を含む。更に別のアナログは、米国特許第5,428,051号;同第5,521,189号;同第5,602,172号;同第5,643,935号;同第5,723,495号;同第5,843,980号;同第6,008,247号;同第6,025,398号;同第6,172,104号;同第6,214,883号;および、同第6,326,395号、ならびに米国特許出願第US 2001/0044468号および同US 2002/0019437号に提供された式に収まるもの、ならびに米国特許出願第10/617,424号に説明されたペンタミジンアナログ(例えば、式(II)参照)である。他のタンパク質チロシンホスファターゼインヒビターは、例えばLazo et al.(Oncol. Res., 13:347-352(2003))、PCT公報WO97/40379、WO03/003001、およびWO03/035621、ならびに米国特許第5,443,962号および同第5,958,719号に説明された方法を用い、同定することができる。
他の生物活性インヒビター
有糸分裂キネシンまたはタンパク質チロシンホスファターゼに結合する化合物の使用による生物活性の低下に加え、有糸分裂キネシンおよびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性の他のインヒビターを使用することができる。このようなインヒビターは、標的タンパク質またはRNAレベルを低下させる化合物(例えば、アンチセンス化合物、dsRNA、リボザイム)、ならびに結合パートナーについて内在性有糸分裂キネシンまたはタンパク質チロシンホスファターゼと競合する化合物(例えば、ドミナントネガティブなタンパク質またはこれをコードしているポリヌクレオチド)を含む。
アンチセンス化合物
有糸分裂キネシンおよび/またはタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性は、標的タンパク質をコードしているRNAに対するアンチセンス化合物の使用によっても低下させることができる。この用途に適した有糸分裂キネシンアンチセンス化合物は、当技術分野において公知であり(例えば、米国特許第6,472,521号、WO03/030832、およびManey et al., J. Cell Biol., 142:787-801(1998))、タンパク質チロシンホスファターゼに対するアンチセンス化合物に対しても同様である(例えば、米国特許第2003/0083285号、およびWeil et al., Biotechniques, 33:1244(2002))。有糸分裂キネシンを低下させる他のアンチセンス化合物は、標準技術を用い同定することができる。例えば、標的の有糸分裂キネシンまたはタンパク質チロシンホスファターゼのmRNAのアクセス可能な領域は、MFOLDなどのRNA二次構造フォールディングプログラムを用い、予想することができる(M. Zuker, D. H. Mathews & D. H. Turner、Algorithms and Thermodynamics for RNA Secondary Structure Prediction: A Practical Guide、RNA Biochemistry and Biotechnology, J. Barciszewski & B. F. C. Clark編、NATO ASI Series, Kluwer Academic Publishers, (1999))。mRNAの予想された最も安定なフォールディングの5%以内の自由エネルギー値を伴う次善のフォールディングは、残基が相補的塩基をみつけ、塩基対結合を形成することができる200塩基のウィンドウを用い予想される。塩基対を形成しないオープン領域は、次に最適なフォールディングにより一緒にまとめられ、ならびにオープンと推定される領域は、アンチセンスヌクレオ塩基オリゴマーへの結合によりアクセス可能であると考えられる。アンチセンスデザインの他の方法は、例えば米国特許第6,472,521号、Antisence Nucleic Acid Drug Dev., 7:439-444(1997), Nucleic Acids Research, 28:2597-2604(2000)およびNucleic Acids Research, 31:4989-4994(2003)に説明されている。
RNA干渉
有糸分裂キネシンおよび/またはタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性は、RNA干渉(RNAi)の使用により低下させることができ、これは例えば問題の有糸分裂キネシンまたはタンパク質チロシンホスファターゼに対する2本鎖RNA(dsRNA)または低分子干渉RNA(siRNA)を使用する(例えば、Miyamoto et al., Prog. Cell Cycle Res., 5:349-360(2003);米国特許出願第2003/0157030号)。このような干渉するRNAをデザインする方法は、当技術分野において公知である。例えば干渉RNAをデザインするソフトウェアは、Oligoengine(シアトル、WA)から入手可能である。
ドミナントネガティブなタンパク質
ドミナントネガティブな有糸分裂キネシンおよびタンパク質チロシンホスファターゼを作成する方法は、当業者には公知である。このようなドミナントネガティブなタンパク質は、例えば、Gupta et al., J. Exp. Med., 186:473-478(1997);Maegawa et al., J. Biol. Chem., 274:30236-30243(1999);Woodford-Thomas et al., J. Cell Biol., 117:401-414(1992)に説明されている。
オーロラキナーゼインヒビター
オーロラキナーゼは、有糸分裂の紡錘体の構造および機能を調節する新規ファミリープロテインキナーゼであることが示されている。オーロラキナーゼのひとつの標的は、有糸分裂キネシンを含む。従ってオーロラキナーゼインヒビターは、本発明の方法、組成物またはキットに従いタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性の低下させる化合物と組合せて使用することができる。
オーロラキナーゼの3クラスが存在する:オーロラ-A、オーロラ-Bおよびオーロラ-C。オーロラ-Aは、AIRK1、DmAurora、HsAurora-2、HsAIK、HsSTK15、CeAIR-1、MmARK1、MmAYK1、MmIAK1、およびXIEg2を含む。オーロラ-Bは、AIRK-2、DmIAL-1、HsAurora-1、HsAIK2、HsAIM-1、HsSTK12、CeAIR-2、MmARK2およびXAIRK2を含む。オーロラ-Cは、HsAIK3を含む(Adams, et al., Trends Cell Biol., 11:49-54(2001))。
オーロラキナーゼインヒビターは、VX-528およびZM447439を含む。他のものは、例えば米国特許出願第2003/0105090号および米国特許第6,610,677号、同第6,593,357号、および同第6,528,509号に開示されている。
ファルネシル転移酵素インヒビター
ファルネシル転移酵素インヒビターは、PRLホスファターゼの生物活性を変更し、その結果本発明の方法、組成物、またはキットにおいて有糸分裂キネシン活性を低下させる化合物と組合せて使用することができる。ファルネシル転移酵素インヒビターは、アルグラビン、ロナファルニブ、BAY-43-9006、チピファルニブ、ペリリルアルコール、FTI-277およびBMS-214662、更にはKohl, Ann. NY Acad. Sci. 886:91-102(1999)、米国特許出願第2003/0199544号、同2003/0199542号、同2003/0087940号、同2002/0086884号、同2002/0049327号、および2同002/0019527号、米国特許第6,586,461号および同第6,500,841号、およびWO03/004489に説明された化合物を含む。
治療法
本発明の化合物は、過増殖性細胞により特徴付けられる癌および他の障害の治療に有用である。療法は、単独で、または他の療法(例えば、手術、放射線療法、化学療法、免疫療法、抗血管新生療法、または遺伝子療法)と組合せて行うことができる。加えて、新生物または他の増殖性疾患を発症するより大きいリスクを有するヒト(例えば、遺伝的素因があるヒトまたはそのような障害の既応のあるヒト)は、過増殖を阻害または遅延する予防療法を受けることができる。併用療法の期間は、治療される疾患または障害の種類、患者の年齢および状態、患者の病期および病型、ならびに患者がその治療にいかに反応するかによって決まる。療法は、静止期間を含むオン-オフサイクルをもたらし、その結果患者の体は、依然予期しない副作用からの回復の機会を有する。望ましくは本発明の方法、組成物、およびキットは、他の方法、組成物、およびキットよりもより有効である。「より有効」とは、方法、組成物またはキットが、比較される別の方法、組成物、またはキットよりも、より大きい効能を示し、毒性が低く、より安全で、より使いやすく、より忍容性が良く、もしくはより安価なものであるか、またはより高い治療満足度を与えることを意味する。
癌は、白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病)、真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病、非ホジキン病)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、ならびに肉腫および癌腫などの固形腫瘍(線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウイルムス腫瘍、子宮頚癌、子宮癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、稀突起神経膠芽細胞腫、神経鞘腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫)を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の組合せおよび方法により治療することができる他の増殖性疾患は、リンパ増殖性障害および乾癬を含む。「リンパ増殖性障害」は、リンパ系細胞(例えば、T-細胞およびB-細胞)の異常な増殖が存在する障害を意味する。
追加療法は、本発明の組合せを伴う他の抗増殖性薬物の使用を含むことができる。例えば、治療が癌に関する場合、この組合せは、抗癌剤、例えば下記表3の物質と共に投与することができる。
(表3)
Figure 2007524657
Figure 2007524657
Figure 2007524657
Figure 2007524657
実施例
下記実施例は、本発明を例証するものである。これらはいかなる意味においても、本発明を限定することは意味しない。
クロルプロマジンは有糸分裂キネシンインヒビターである
本発明者らは、無細胞モーターアッセイ法を用い、クロルプロマジンは有糸分裂キネシンインヒビターであることを決定した。このアッセイ法は、キネシンモータータンパク質の微小管活性化されたATPase活性の間に生成された有機リン(Pi)を測定する。組換えHsEg5/KSPキネシンモータータンパク質活性は、Kinesin ATPase End Point Biochem Kit(Cytoskeleton、カタログ番号BK053)を使用し、反応緩衝液、ATPおよび微小管の量について、製造業者の使用説明書に従い、アッセイした。HsEg5/KSPキネシンタンパク質の量を、1反応につき0.8μgに最適化し、指示されたように含んだ。各アッセイ法は、透明な96ウェル1/2面積プレート(Corning Inc., Costar、カタログ番号3697)中において、以下の条件を含んだ、総反応容積30μLで行った:
1.反応緩衝液およびATPのみからなる反応ブランク;
2.以下を含有する、陰性対照反応液:
a.キネシンタンパク質を含まない微小管およびATP、または
b.微小管を伴わないキネシンHsEg5/KSPおよびATP;ならびに
3.指定された最終濃度の化合物を伴うまたは伴わない、ATP、キネシン、および微小管を含有する実験反応液。
反応液は、ATPの添加前に、室温で15分間プレインキュベーションした。ATP添加後反応を、室温で10分間進行させ、その後CytoPhos Reagentの70μLの添加により停止した。室温で最後の10分間のインキュベーション後、反応を、分光光度計(Beckman Instruments, Inc., Model DU 530)上で、吸光度650nmで定量した。生の吸光度値を、ブランクの吸光度を減算することにより補正した。吸光度は、標準Pi曲線との比較により、Pi濃度に変換した。阻害率は、下記式に従い、Pi濃度から計算した:阻害%=(未処置−処置)/未処置×100。相加平均は、反復実験の阻害率から作成した。これらの結果を、表4に示す。
(表4)キネシンモーター活性の阻害率(%)(n=4)
Figure 2007524657
有糸分裂キネシンの生物活性を低下させることが可能である他のフェノチアジンは、プロメタジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ペルフェナジン、フルフェナジン、クロザピン、およびプロクロルペラジンを含む。
クロルプロマジンおよびペンタミジンの組合せはインビトロにおける細胞増殖を低下させる
ペンタミジン(タンパク質チロシンホスファターゼインヒビター)およびクロルプロマジン(有糸分裂キネシンインヒビター)の組合せの、インビトロにおいて細胞増殖を低下させる能力を決定した。ヒト結腸腺癌細胞株HCT116(ATCC#CCL-247)は、10%FBS、2mMグルタミン、1%ペニシリンおよび1%ストレプトマイシンを補充したDMEMにおいて、37±5℃および5%CO2で増殖した。抗増殖アッセイ法を、384ウェルプレートにおいて行った。組合せマトリックスからの10Xストック溶液(6.6μL)を、アッセイウェル中の培養培地40μLに添加した。腫瘍細胞を、0.25%トリプシン溶液を用い、培養フラスコから遊離させた。20μLの培地中の3000個の細胞が各アッセイウェルに送達されるように、細胞を培養培地に希釈した。アッセイプレートを、37℃±0.5℃および5%CO2で72〜80時間インキュベーションした。このインキュベーション期間後、37℃±0.5℃に温めた20%Alamar Blueの20μLを各アッセイウェルに添加した。Alamar Blue代謝産物を、添加後3.5〜5.0時間の蛍光強度の量により定量した。LJL Analyst ADリーダー(LJL Biosystems)を用いる定量を、高減衰、100ミリ秒の読み時間、励起フィルター530nm、および発光フィルター575nmで、ウェルの中心部で行った。一部の実験について、定量は、Wallac Victor2リーダーを用いて行った。測定は、安定化したエネルギーランプ制御;100ミリ秒の読み時間、励起フィルター530nm、および発光フィルター590nmで、ウェルの上部で行った。プレートリーダー間で有意差は、測定されなかった。
各ウェルの阻害率(I%)は、下記式を用い、プレート間で計算した。
I%=[(平均未処理ウェル−処理ウェル)/(平均未処理ウェル)]×100
平均未処理ウェル値(平均未処理ウェル)は、ビヒクル単独で処理した同じアッセイプレートからの40個のウェルの相加平均である。陰性阻害値は、未処理のウェルと比較した、処理したウェルにおける局所的変動から生じた。
阻害%で表したデータを、表5に示す。
(表5)
Figure 2007524657
その他の態様
本明細書において言及した全ての刊行物および特許は、本明細書に参照として組入れられている。本発明の範囲および精神から逸脱することのない、説明した本発明の方法およびシステムの様々な修飾および変動は、当業者には明らかであると思われる。本発明は特定の好ましい態様に関連して説明されているが、請求された発明は、そのような特定の態様に過度に限定されないことは理解されなければならない。実際、腫瘍学または関連した分野の技術者には明らかである、本発明を実行する上で説明された態様の様々な修飾は、本発明の範囲内であることが意図されている。

Claims (75)

  1. 有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる第一の物質、およびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる第二の物質を含有する組成物であって、ここで該第一および第二の物質が、増殖性疾患を有する患者へ投与される場合に、該疾患を治療するのに十分な量で存在する、組成物。
  2. 前記第一の物質が、有糸分裂キネシンインヒビターである、請求項1記載の組成物。
  3. 前記第一の物質が、有糸分裂キネシンの発現レベルを低下させる、アンチセンス化合物またはRNAi化合物である、請求項1記載の組成物。
  4. 前記第一の物質が、ドミナントネガティブな有糸分裂キネシン、または該ドミナントネガティブな有糸分裂キネシンをコードしている発現ベクターである、請求項1記載の組成物。
  5. 前記第一の物質が、有糸分裂キネシンへ結合し、および有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる抗体である、請求項1記載の組成物。
  6. 前記有糸分裂キネシンが、HsEg5/KSPである、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
  7. 前記第一の物質が、オーロラキナーゼインヒビターである、請求項1記載の組成物。
  8. 前記有糸分裂キネシンの生物活性が、酵素活性、運動活性、または結合活性である、請求項1記載の組成物。
  9. 前記第二の物質が、タンパク質チロシンホスファターゼインヒビターである、請求項1記載の組成物。
  10. 前記第二の物質が、タンパク質チロシンホスファターゼの発現レベルを低下させる、アンチセンス化合物またはRNAi化合物である、請求項1記載の組成物。
  11. 前記第二の物質が、ドミナントネガティブなタンパク質チロシンホスファターゼ、または該ドミナントネガティブなタンパク質チロシンホスファターゼをコードしている発現ベクターである、請求項1記載の組成物。
  12. 前記第二の物質が、タンパク質チロシンホスファターゼに結合し、およびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる抗体である、請求項1記載の組成物。
  13. 前記タンパク質チロシンホスファターゼが、PTP1B、PRL-1、PRL-2、PRL-3、SHP-1、SHP-2、MKP-1、MKP-2、CDC14、CDC25A、CDC25B、またはCDC25Cである、請求項9〜12のいずれか1項記載の組成物。
  14. 前記第二の物質が、ファルネシル転移酵素インヒビターである、請求項1記載の組成物。
  15. 前記第一または第二の物質が、組成物中に低用量で存在する、請求項1〜14のいずれか1項記載の組成物。
  16. 前記第一または第二の物質が、組成物中に高用量で存在する、請求項1〜14のいずれか1項記載の組成物。
  17. 前記組成物が、局所投与のために製剤化されている、請求項1〜16のいずれか1項記載の組成物。
  18. 前記組成物が、全身投与のために製剤化されている、請求項1〜16のいずれか1項記載の組成物。
  19. 増殖性疾患を有する患者を治療する方法であって、
    a)有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる、第一の物質;および、
    b)タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる、第二の物質
    の組合せを、該患者へ投与する工程を含み、ここで第一および第二の物質が、一緒に該患者を治療するのに十分な量で、同時に、または互いに28日以内に投与される、方法。
  20. 前記第一の物質が、有糸分裂キネシンインヒビターである、請求項19記載の方法。
  21. 前記第一の物質が、有糸分裂キネシンの発現レベルを低下させるアンチセンス化合物またはRNAi化合物である、請求項19記載の方法。
  22. 前記第一の物質が、ドミナントネガティブな有糸分裂キネシン、または該ドミナントネガティブな有糸分裂キネシンをコードしている発現ベクターである、請求項19記載の方法。
  23. 前記第一の物質が、有糸分裂キネシンに結合し、および有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる抗体である、請求項19記載の方法。
  24. 前記有糸分裂キネシンが、HsEg5/KSPである、請求項19〜23のいずれか1項記載の方法。
  25. 前記第一の物質が、オーロラキナーゼインヒビターである、請求項19記載の方法。
  26. 前記第二の物質が、タンパク質チロシンホスファターゼインヒビターである、請求項19記載の方法。
  27. 前記第二の物質が、タンパク質チロシンホスファターゼの発現レベルを低下させる、アンチセンス化合物またはRNAi化合物である、請求項19記載の方法。
  28. 前記第二の物質が、ドミナントネガティブなタンパク質チロシンホスファターゼまたは該ドミナントネガティブなタンパク質チロシンホスファターゼをコードしている発現ベクターである、請求項19記載の方法。
  29. 前記第二の物質が、タンパク質チロシンホスファターゼに結合し、およびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる抗体である、請求項19記載の方法。
  30. 前記タンパク質チロシンホスファターゼが、PTP1B、PRL-1、PRL-2、PRL-3、SHP-1、SHP-2、MKP-1、MKP-2、CDC14、CDC25A、CDC26B、またはCDC25Cである、請求項21〜25のいずれか1項記載の方法。
  31. 前記第二の物質が、ファルネシル転移酵素インヒビターである、請求項19記載の方法。
  32. 前記第一および第二の物質が、互いに14日以内に投与される、請求項19〜31のいずれか1項記載の方法。
  33. 前記第一および第二の物質が、互いに7日以内に投与される、請求項32記載の方法。
  34. 前記第一および第二の物質が、互いに1日以内に投与される、請求項33記載の方法。
  35. 前記第一または第二の物質が、低用量で投与される、請求項19〜34のいずれか1項記載の方法。
  36. 前記第一または第二の物質が、高用量で投与される、請求項19〜34のいずれか1項記載の方法。
  37. 前記第一または第二の物質が、局所的または全身に投与される、請求項19〜36のいずれか1項記載の方法。
  38. 前記増殖性疾患が、癌である、請求項19〜37のいずれか1項記載の方法。
  39. 前記癌が、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、真性赤血球増加症、ホジキン病、非ホジキン病、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウイルムス腫瘍、子宮頚癌、子宮癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、稀突起神経膠芽細胞腫、神経鞘腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫から選択される、請求項38記載の方法。
  40. 表3に列記された抗増殖性薬物を、患者へ投与することを更に含む、請求項38記載の方法。
  41. 有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる第一の物質およびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる第二の物質を、細胞と接触させることを含む、細胞における細胞周期停止を誘導する方法。
  42. 増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)増殖している細胞を、インビトロにおいて、有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質および候補化合物と接触させる工程;ならびに
    (b)この物質および候補化合物の組合せが、この物質に接触させたが候補化合物とは接触させない細胞の増殖に比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程であって、ここで細胞増殖の低下が、この組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する工程。
  43. 細胞が、癌細胞または癌細胞株由来の細胞である、請求項42記載の方法。
  44. 増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物を同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)低下させた有糸分裂キネシンの生物活性を有するように遺伝子操作された増殖している細胞を提供する工程;
    (b)この細胞を候補化合物と接触させる工程;および
    (c)候補化合物が、候補化合物と接触していない細胞と比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程であって、ここで細胞増殖の低下が、この化合物を、増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物として同定する工程。
  45. 増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)増殖している細胞を、インビトロにおいて、タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる物質および候補化合物と接触させる工程;ならびに
    (b)この物質および候補化合物の組合せが、この物質に接触させたが候補化合物とは接触させない細胞の増殖に比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程を含み、ここで細胞増殖の低下が、この組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する工程。
  46. 細胞が、癌細胞または癌細胞株由来の細胞である、請求項45記載の方法。
  47. 増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物を同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)低下させたタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を有するように遺伝子操作された増殖している細胞を提供する工程;
    (b)この細胞を候補化合物と接触させる工程;および
    (c)候補化合物が、候補化合物と接触していない細胞と比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程であって、ここで細胞増殖の低下が、この化合物を、増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物として同定する工程。
  48. 増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる化合物を同定する工程;
    (b)増殖している細胞を、インビトロにおいて、タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる物質および工程(a)において同定された化合物と接触させる工程 ;ならびに
    (c)この物質および工程(a)において同定された化合物の組合せが、この物質に接触させたが工程(a)において同定された化合物とは接触させない細胞、または工程(a)において同定された化合物に接触させたがこの物質とは接触させない細胞の増殖に比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程であって、ここで細胞増殖の低下が、この組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する工程。
  49. 増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる化合物を同定する工程;
    (b)増殖している細胞を、インビトロにおいて、有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質および工程(a)において同定された化合物と接触させる工程;ならびに
    (c)この物質および工程(a)において同定された化合物の組合せが、この物質に接触させたが工程(a)において同定された化合物とは接触させない細胞、または工程(a)において同定された化合物に接触させたがこの物質とは接触させない細胞の増殖に比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程であって、ここで細胞増殖の低下が、この組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する工程。
  50. (i)有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる第一の物質、およびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる第二の物質を含有する組成物;ならびに
    (ii)該組成物の増殖性疾患と診断された患者への投与に関する使用説明書
    を備える、キット。
  51. (i)有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる第一の物質;
    (ii)タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる第二の物質;ならびに
    (iii)該第一および第二の物質の増殖性疾患と診断された患者への投与に関する使用説明書
    を備える、キット。
  52. (i)有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる第一の物質;ならびに、(ii)該第一の物質、およびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる第二の物質の、増殖性疾患と診断された患者への投与に関する使用説明書を備える、キット。
  53. (i)タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる第一の物質;ならびに、(ii)該第一の物質、および有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる第二の物質の、増殖性疾患と診断された患者への投与に関する使用説明書を備える、キット。
  54. 増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)増殖している細胞を、インビトロにおいて、有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質および候補化合物と接触させる工程;ならびに
    (b)この物質および候補化合物の組合せが、この物質に接触させたが候補化合物とは接触させない細胞の増殖に比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程であって、ここで細胞増殖の低下が、この組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する工程。
  55. 有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質が、有糸分裂キネシンインヒビターである、請求項54記載の方法。
  56. 有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質が、該有糸分裂キネシンの発現レベルを低下させるアンチセンス化合物またはRNAi化合物である、請求項54記載の方法。
  57. 有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質が、ドミナントネガティブな有糸分裂キネシンまたは該ドミナントネガティブな有糸分裂キネシンをコードしている発現ベクターである、請求項54記載の方法。
  58. 有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質が、該有糸分裂キネシンに結合し、および有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる抗体である、請求項54記載の方法。
  59. 前記有糸分裂キネシンが、HsEg5/KSPである、請求項54記載の方法。
  60. 有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質が、オーロラキナーゼインヒビターである、請求項54記載の方法。
  61. 前記有糸分裂キネシンの生物活性が、酵素活性、運動活性、または結合活性である、請求項54記載の方法。
  62. 細胞が、癌細胞または癌細胞株由来の細胞である、請求項54記載の方法。
  63. 増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物を同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)有糸分裂キネシンの生物活性を低下させるように遺伝子操作された増殖している細胞を提供する工程;
    (b)細胞を候補化合物と接触させる工程;および
    (c)候補化合物が、候補化合物と接触していない細胞と比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程であって、ここで細胞増殖の低下が、この化合物を、増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物として同定する工程。
  64. 細胞が、癌細胞または癌細胞株由来の細胞である、請求項63記載の方法。
  65. 増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)増殖している細胞を、インビトロにおいて、タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる物質および候補化合物と接触させる工程;ならびに
    (b)この物質および候補化合物の組合せが、この物質に接触させたが候補化合物とは接触させない細胞の増殖に比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程であって、ここで細胞増殖の低下が、この組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する工程。
  66. タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる物質が、タンパク質チロシンホスファターゼインヒビターである、請求項65記載の方法。
  67. タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる物質が、該タンパク質チロシンホスファターゼの発現レベルを低下させるアンチセンス化合物またはRNAi化合物である、請求項65記載の方法。
  68. タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる物質が、ドミナントネガティブなタンパク質チロシンホスファターゼまたは該ドミナントネガティブなタンパク質チロシンホスファターゼをコードしている発現ベクターである、請求項65記載の方法。
  69. タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる物質が、該タンパク質チロシンホスファターゼに結合し、およびタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる抗体である、請求項65記載の方法。
  70. 前記タンパク質チロシンホスファターゼが、PTP1B、PRL-1、PRL-2、PRL-3、SHP-1、SHP-2、MKP-1、MKP-2、CDC14、CDC25A、CDC25B、またはCDC25Cである、請求項64記載の方法。
  71. 前記第二の物質が、ファルネシル転移酵素インヒビターである、請求項65記載の方法。
  72. 細胞が、癌細胞または癌細胞株由来の細胞である、請求項65記載の方法。
  73. 増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物を同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)低下させたタンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を有するように遺伝子操作された増殖している細胞を提供する工程;
    (b)この細胞を候補化合物と接触させる工程;および
    (c)候補化合物が、候補化合物と接触していない細胞と比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程であって、ここで細胞増殖の低下が、この化合物を、増殖性疾患の治療に有用であり得る化合物として同定する工程。
  74. 増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる化合物を同定する工程;
    (b)増殖している細胞を、インビトロにおいて、タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる物質および工程(a)において同定された候補化合物と接触させる工程;ならびに
    (c)この物質および工程(a)において同定された化合物の組合せが、この物質に接触させたが工程(a)において同定された化合物とは接触させない細胞、または工程(a)において同定された化合物に接触させたがこの物質とは接触させない細胞の増殖に比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程であって、ここで細胞増殖の低下が、この組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する工程。
  75. 増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せを同定する方法であって、以下を含む方法:
    (a)タンパク質チロシンホスファターゼの生物活性を低下させる化合物を同定する工程;
    (b)増殖している細胞を、インビトロにおいて、有糸分裂キネシンの生物活性を低下させる物質および工程(a)において同定された化合物と接触させる工程;ならびに
    (c)この物質および工程(a)において同定された化合物の組合せが、この物質に接触させたが工程(a)において同定された候補化合物とは接触させない細胞、または工程(a)において同定された化合物に接触させたがこの物質とは接触させない細胞の増殖に比べ、細胞増殖を低下させるかどうかを決定する工程であって、ここで細胞増殖の低下が、この組合せを、増殖性疾患の治療に有用であり得る組合せとして同定する工程。
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