JP2007522243A - Fgfシグナリングの阻害 - Google Patents

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Abstract

FGFシグナリングを阻害するための方法および組成物が記載されている。本発明の方法は、FGF応答細胞を外因性のヘパラン硫酸6−Oエンドスルファターゼ(Sulf1)と、内因性のヘパラン硫酸を修飾するために有効な量で接触させ、これによりFGFシグナリングを阻害することを含む。また本発明はFGF応答細胞を外因性Sulf1修飾化合物と接触させることを含み、外因性Sulf1修飾化合物は、FGF2もしくはFGF4のFGFR1への結合を下げる能力を特徴とする。外因性Sulf1修飾化合物を含んでなる組成物も、本発明の方法と関連して使用するために提供される。

Description

発明の背景
発明の背景
略号の脚注:HSPG、ヘパラン硫酸プロテオグリカン;HS、ヘパラン硫酸;FGF、繊維芽細胞増殖因子;FGF2、繊維芽細胞増殖因子2、bFGFとしても知られる;FGF4、繊維芽細胞増殖因子4、eFGFとしても知られる;GlcNR6Sase、GlcNR6−Oエキソスルファターゼ;FGFR1、FGF受容体1;QSulf1、ウズラのSulf1;ERK、細胞外シグナリング調節キナーゼ
HSPGは、胚形成中および疾患の病態生理において、細胞表面のシグナリングを調節する細胞外マトリックス糖タンパク質である。HSPGにはシグナリング分子に結合するHS鎖に幾つか共有結合されるようにカップリングされたタンパク質コアを含む。HS鎖は、ウロン酸の2−O位およびグルコサミン残基の6−O、3−OおよびN位で選択的に硫酸化されたウロン酸およびグルコサミン残基の50〜200個の二糖反復からなる。HSの硫黄化パターンは、さらにHS鎖の長さに沿って高度に硫酸化されたドメイン、および十分に硫酸化されていない(undersulfated)ドメインを形成するように、さらに調節されて構造的な不均一性を導く。
HS鎖の硫酸化は、胚細胞における発生的シグナリングプロセスに必要である。ショウジョウバエ(Drosophilia)のスルフェートレス(sulfateless)およびスラローム(slalom)の突然変異体におけるHS硫酸化の損失は、それぞれウイングレス(Wingless:WG)およびFGFまたはWgおよびヘッジホッグ(Hedgehog:Hh)シグナリングの欠陥、および胚での組織パターニング(patterning)における欠陥をもたらす。さらに、HS二糖単位内の個々の位置の硫酸化の欠失により、HSの生合成を破壊する突然変異の調査で明らかにされるようなシグナリング欠陥も引き起こす。例えば、Hs2st(鍵となるHS2−O−スルホトランスフェラーゼ)における遺伝子−トラップ(gene−trap)突然変異を有するマウスは、2−0硫酸化ウロン酸を欠き、そして多数シグナリングプロセスにおける欠陥のために致命的な腎臓の形成不全を表わす。ショウジョウバエのHS 6−O−スルホトランスフェラーゼ遺伝子発現のRNAi阻害は、FGFシグナリング活性を減少させ、そして気管系の一次分枝形成(primary branching)を破壊する。これらの遺伝の調査と合致して、HS硫酸化を阻害するために、培養中の細胞の塩素酸塩による処置は、BMP、WntおよびFGFシグナリングに欠陥を生じる。従ってHSの硫酸化は胚における多数のシグナリング活性において重要な役割を担う。しかし胚のHSの硫酸化状態を調節する生物学的メカニズム、およびリガンド活性および/または受容体の相互作用の制御における特異的HS硫酸基の生化学的な役割は十分に解明されていない。
最近、胚細胞のHS6−Oの硫黄化および発生シグナリングを修飾するHS6−Oエンドスルファターゼのフィミリーが同定され、HS硫酸化に新たな種類の進化的に保存されたレギュレーターが提供された。第2に、密接に関連するファミリーメンバーSulf2が哺乳動物および鳥で同定された。Sulf1はHS分解中に末端の6−Oスルホ基の加水分解を触媒するリソソームのエキソスルファターゼである既知のグルコサミン6−Oスルファターゼ(GlcNR6Sase)とは明らかに異なる構造および酵素の特徴を表わす。対照的に、Sulf1はゴルジを通って分泌され、その特有の親水性ドメインを介して細胞の表面に着けられ(docked)、そしてSulf1はHS/ヘパリンの三硫酸化IdoA2S−GlcNS6S二糖単位に対する基質特異性で、6−Oエンドスルファターゼとして機能する。鳥類のオルソログであるQSulf1は、ウズラの胚の筋肉前駆細胞においてWnt依存的遺伝子発現に必要である。QSulf1活性は細胞表面HSPGの6−O硫酸化状態を改造し、そしてWntリガンドとHSとの間の結合親和性を下げ
る。
生化学的および結晶学的研究は、HSの硫酸化がFGFリガンド−受容体の相互作用およびFGFシグナリングに必要であることを示す。三硫酸化二糖単位を含有するHS鎖は、FGF2−FGFR1結合およびシグナリングを大きく促進するが、FGF2は細胞結合アッセイおよび結晶学的実験においてHSの不存在下でFGFR1に結合できる。HSに関する硫酸基の中で、グルコサミン残基の6−O位の硫酸化はFGF2−FGFR1およびFGF4−FGFR1相互作用およびシグナリングに必要である。HS鎖の明確な配列および硫酸化パターンは、FGFリガンドおよび受容体結合に要求されるが、HSの6−O硫酸化はFGFシグナリング活性のために重要である。
FGFおよびFGFR(FGF受容体)は、脈管形成およびガンを含む多くの発生的および疾患プロセスで重要な役割を果たす。Sulf1はFGFを含む多数のシグナリング経路により制御される胚細胞系統で発現される細胞表面6−O HSのエンドスルファターゼであり、そして最近の研究では、ヒトのSulf1オルソログであるHSulf1が、ヒトのガン細胞においてFGF依存的ERKのキナーゼ活性をダウンレギュレートできることを明らかとする。これらの経路のより詳細な解明を通して、胚においてFGFに制御される発生プロセスを調節する能力は、当該技術分野に重大な進歩を表すだろう。
発明の要約
本発明の目的は、FGF応答細胞におけるFGFシグナリングを阻害するための方法を提供することである。より詳細には本発明はFGF2−FGFR1またはFGF4−FGFR1シグナリングの阻害方法に関する。1つの観点では、FGFシグナリングを阻害する方法は、FGF応答細胞を、内因性のヘパラン硫酸を修飾するために有効な量の外因性Sulf1と接触させることを含んでなり、これによりFGFシグナリングを阻害する。別の観点では、FGFシグナリングを阻害するための方法は、FGF応答細胞を外因性Sulf1修飾(Sulf1−modified)グリコサミノグリカン化合物と接触させることを含んでなり、外因性Sulf1修飾グリコサミノグリカン化合物は、FGF2およびFGF4のFGFR1への結合を下げる能力を特徴とする。これらの方法では、細胞表面および/または外から加えたグリコサミノグリカンの脱硫酸化が、FGF2またはFGF4のFGFR1への結合を防止し、続いて所望の細胞におけるFGFR1活性化を阻害する。
1つの態様では、FGFシグナリングを阻害するために、細胞を外因性Sulf1と直接接触させるべきである。FGF応答細胞とSulf1との接触は、細胞表面のヘパラン硫酸の6−O硫酸化を酵素的に修飾し、そうするとFGFシグナリングを阻害する。細胞と外因性Sulf1との接触は、FGF2−ヘパラン硫酸−FGFR1またはFGF4−ヘパラン硫酸−FGFR1、三重複合体(ternary complex)の形成を防ぐ。該三重複合体の形成は、FGFR1二量化およびそれに続くFGFR1活性化を防ぐ。
別の態様では、FGF応答細胞でのFGFシグナリングの阻害を達成するために、Sulf1活性を間接的に使用することができる。FGF応答細胞のヘパリン(これ自体がSulf1により修飾されている)のような硫酸化グリコサミノグリカン化合物との接触は、FGFシグナリングを阻害するために使用することができる。この方法では、外因性のSulf1修飾化合物は、FGFリガンドのFGFRへの結合を下げる能力を特徴とする。細胞と外因性Sulf修飾化合物との接触は、FGFR2−ヘパラン硫酸−FGFR1またはFGF4−ヘパラン硫酸−FGFR1の三重複合体の形成を防止する。該三重複合体の形成の防止は、FGFR1の二量化、そしてそれに続くFGFR1の活性化を防ぐ。
本発明の方法は、FGFR1活性化に対する細胞応答のモジュレーションに使用されることになる。FGFシグナリングを阻害するために本明細書に開示する方法は、外因性Sulf1および/または外因性Sulf1修飾グリコサミノグリカン化合物に接触した正常および/または異常な細胞での増殖、分化および移動反応(migration event)を改変するために使用することができる。そのような細胞は幹細胞またはガン細胞を含んでなることができる。ここで細胞がガン細胞である場合、FGF応答細胞と外因性Sulf1および/またはSulf1修飾化合物との接触は、FGFシグナリングを阻害し、次いで細胞増殖、細胞移動および脈管形成を阻害する。細胞が幹細胞である場合、FGF応答細胞と外因性Sulf1および/またはSulf1修飾化合物との接触は、FGFシグナリングを阻害し、次いで中胚葉の形成を抑制し、その後に細胞の外胚葉への分化を再指令するために使用されることになる。
本発明のさらなる目的は、本発明の方法と関連して使用するための組成物を提供することである。外因性Sulf1修飾グリコサミノグリカン化合物が提供され、そして外因性ヘパリン、ヘパラン硫酸、およびヘパリン/ヘパラン硫酸混合物を含む。外因性のSulf1修飾グリコサミノグリカン化合物を生産するためのインビトロ法も本明細書に提供する。
発明の詳細な説明
1つの観点では、本発明はFGF応答細胞におけるFGFシグナリングの阻害法に関する。より詳細には、本発明は以前に同定されたヘパラン硫酸6−OのエンドスルファターゼであるSulf1の酵素活性を活用することにより、FGFシグナルを阻害する方法に関する。本発明では、細胞表面または外因性のグリコサミノグリカンリガンドの硫酸化を酵素的に修飾するためにSulf1活性が使用されている。細胞表面および/または外から加えられたグリコサミノグリカンの脱硫酸化は、FGF−2およびFGF−4のFGFR1への結合を防ぎ、次いで望む細胞でのFGFR1活性化を阻害する。
本発明は、Sulf1の酵素活性がFGF応答細胞におけるFGFシグナリングを抑制できるという知見に基づく。以下の実施例の章に開示するように、FGF1を介するFGF2およびFGF4シグナリングに関する抑制が証明された。本発明の目的は、細胞の表面のヘパラン硫酸および/または外から加えたヘパリン化合物の6−O硫酸化を修飾することにより、Sulf1がFGFシグナリングを抑制することである。当該技術分野では、ヘパラン硫酸鎖の6−O硫酸化が、FGF応答細胞において正しいFGFシグナリングを行うために必要であると理解されている。一般にグリコサミノグリカンの硫酸化は、FGFリガンド−受容体の相互作用およびFGFシグナリングに必要であることが知られている。さらに、当該技術分野ではグリコサミン残基の6−O位での硫酸化がFGF2−FGFR1およびFGF4−FGFR1の相互作用に特異的に必要であり、そして6−O硫酸化がFGFシグナリング活性に重要であることが知られている。Sulf1活性は6−Oの硫酸化を調節するが、本発明前にFGFシグナリングの制御にSulf1の関与は知られていなかった。本発明ではFGFシグナリングのモジュレーションの実施において、細胞表面のヘパラン硫酸または外因性のヘパリン化合物の6−O硫酸化を酵素的に修飾するためにSulf1活性を使用する。
1つの態様では、FGFシグナリングを阻害するために細胞を外因性Sulf1と直接接触させることができる。この方法は、FGF応答細胞を、内因性のヘパラン硫酸を修飾するために有効な量の外因性Sulf1酵素と接触させることを含んでなり、これによりFGF応答細胞でのFGFシグナリングを阻害する。この態様では、Sulf1は細胞表面のヘパラン硫酸の6−O硫酸化を酵素的に修飾し、そのようにすることによりFGFシグナリングが阻害される。この態様では、外因性のSulf1は、内因性ヘパラン硫酸の
6−O硫酸基のサブセットの少なくとも1つを除去する能力を特徴とする。本発明の目的は、外因性Sulf1がFGF2−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成を防止することである。本発明の別の目的は、外因性Sulf1がFGF4−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成を防止することである。FGF2−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成の防止、およびFGF4−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成の防止は、FGFR1の二量化、それに続くFGFR1の活性化を防止する。
本発明の別の態様では、FGFシグナリングの阻害がSulf1により間接的に達成され得る。この態様では、細胞はそれ自体がSulf1によりインビトロで修飾されたヘパリンのような硫酸化グリコサミノグリカンと接触させられる。FGF応答細胞におけるFGFシグナリングの阻害は、FGF応答細胞を外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物と接触させることを含んでなる。本発明の要件は、外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物がFGFリガンドのFGFRへの結合を下げる能力を有することである。この態様では、Sulf1が外因性ヘパリン化合物の6−O硫酸化を酵素的に修飾するために使用される。好適な態様では、外因性Sulf1修飾ヘパリン化合物は、外因性ヘパリン化合物の6−O硫酸基のサブセットの少なくとも1つの除去を特徴とする。本発明の目的は、FGF2−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成の防止において、FGF応答細胞を外因性Sulf1修飾ヘパリン化合物と接触させることである。本発明の別の目的は、外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物が、FGF4−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成を防止することである。FGFR2−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成の防止、およびFGF4−ヘパラン硫酸−FGFR1の三重複合体の形成の防止は、次いでFGFR1の二量化、そしてそれに続くFGFR1の活性化を防ぐ。
さらに本発明の目的は、Sulf1修飾ヘパリン化合物の生産のためのインビトロ法を提供することであり、Sulf1修飾ヘパリン化合物はFGF応答細胞上でFGF−ヘパラン硫酸−FGFR三重複合体の形成を阻害するその能力を特徴とする。阻害される三重複合体の形成は、FGF2−ヘパラン硫酸−FGFR1またはFGF4−ヘパラン硫酸−FGFR1のいずれかを含んでなることができる。FGF2−ヘパラン硫酸−FGFR1および/またはFGF4−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体形成の阻害は、FGFR1の二量化、そしてそれに続くFGFR1の活性化を防ぐ。本明細書に記載するSulf1修飾ヘパリン化合物の生産法は、ヘパリン化合物(1もしくは複数)をSulf1と、ヘパリン6−O硫酸基のサブセットの少なくとも1つを効果的に除去するための量および十分な時間で接触させることを含んでなる。典型的にはSulf1修飾ヘパリンを提供するために、37℃で数時間のSulf1とヘパリンとのインキュベーションで十分であり、Sulf1修飾ヘパリンはFGF応答細胞上でFGF−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成を阻害するその能力を特徴とする。任意の特定の温度、インキュベーション時間またはバッファー条件をSulf1修飾ヘパリン化合物の生産に使用することは要件とはならないが、Sulf1とヘパリンとの接触により生産されるSulf1修飾ヘパリン化合物が、FGF−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成を阻害できることが要件である。この態様では、Sulf1酵素が直接FGF応答細胞と接触することが要件ではない。
FGF応答細胞でFGFシグナリングを阻害するために本明細書で開示する方法は、インビトロで行うことができる。FGFシグナリングの阻害は、組織培養中のFGF応答細胞で効果的に行うことができる。FGFシグナリングは脊椎動物および無脊椎動物で保存され、そしてそのままそれを阻害する方法を、脊椎動物または無脊椎動物のいずれかに由来する組織培養細胞で行ってもよい。FGFシグナリングが保存されている脊椎動物細胞系統の例には、ヒトおよびマウスがある。FGFシグナリングが保存されている無脊椎動物細胞系統の例には、線虫(C.elegans)およびショウジョウバエ(Drosophila)がある。インビトロでは、本明細書に開示するFGFシグナリングの阻害法
は、FGFシグナリングを研究するために、またはFGFシグナリングを修飾する治療薬を開発するために使用することができる。本明細書に開示する方法は、培養中の細胞を用いた使用に限定されない。
本明細書に開示するFGF応答細胞におけるFGFシグナリングの阻害法は、インビボで行うこともできる。FGFシグナリングの阻害は、動物中の細胞で効果的に達成することができる。動物内の細胞におけるFGFシグナリングの阻害は、動物がヒトまたは非ヒトである場合に達成され得る。FGFシグナリングは脊椎動物および無脊椎動物で保存され、そしてそのままそれを阻害する方法を、脊椎動物または無脊椎動物のいずれかで行ってもよい。FGFシグナリングが保存されている脊椎動物の例には、ヒトおよびマウスがある。FGFシグナリングが保存されている無脊椎動物の例には、線虫(C.elegans)およびショウジョウバエ(Drosophila)がある。本明細書に開示する方法は、任意の特定の組織または動物の細胞を用いた使用にのみ限定されないことを意図する。インビボで、本明細書に開示するFGFシグナリングを阻害するための方法は、発生または成熟した動物における細胞の運命の決定を改変するために使用することができる。
本発明の目的は、FGFR1活性化に対する細胞応答をモジュレートするために、本明細書に開示する方法を採用することである。当該技術分野では、FGFシグナリングの活性化は正常な動物の発生中に正常な細胞の増殖、分化および移動反応が起こるために重要であることが知られている。当該技術分野では、FGFシグナリングは脊椎動物の発生中の肢芽形成を刺激することが知られており、そして成人組織における正しい損傷治癒および脈管形成を刺激することも知られている。過活動FGFRは多くの疾患状態と結び付けられてきた。FGFRの活性化が細胞の増殖、分化、移動および脈管形成に及ぼす効果は、ガンにおけるFGFRの関与と関連づけられた。多数の遺伝的障害がFGFR変異と結び付けられ、それらには軟骨無形成症(小人症)、低軟骨形成症および死に至る異形成のような骨格障害、および頭蓋縫合の未熟な閉鎖により、または長骨の成長が未熟なまま終了したことにより起こると予想される障害を含む。これらの変異は、前駆細胞の過活性細胞増殖、分化および移動を生じる過活動FGFRから生じることが示唆された。
本明細書に開示するFGFシグナリングを阻害する方法は、外因性Sulf1および/または外因性Sulf1修飾ヘパリンに接触した正常および/異常な細胞における増殖、分化および移動反応を改変するために使用することができる。そのような細胞は、幹細胞およびガン細胞を含んでなることができる。ガン細胞では、FGF応答細胞と外因性Sulf1および/またはSulf1修飾ヘパリン化合物との接触がFGFシグナリングを阻害し、そして次いで細胞増殖、細胞移動および脈管形成を阻害する。ガン細胞においてFGFが誘導する細胞増殖の阻害は、腫瘍細胞の増殖を阻害する。ガン細胞においてFGFが誘導する細胞移動の阻害は、悪性反応(event)の阻害を生じる。最後にガン細胞においてFGFが誘導する脈管形成の阻害は、血管の形成を阻害し、これにより腫瘍への食料供給を遮断する。
本開示は、胚においてSulf1がFGFにより制御される発生プロセスを調節できるインビボの証拠を初めて提供する。本発明の目的は、胚または前駆細胞においてFGFが制御する発生プロセスを改変するために、FGF応答細胞におけるFGFシグナリングを阻害する方法を使用することである。好適な態様では、FGF応答細胞を内因性ヘパラン硫酸を修飾するために十分な量で外因性のSulf1および/またはSulf1修飾ヘパリン化合物と接触させることがFGFシグナリングを阻害する。FGF応答細胞を外因性QSulf1と接触させることは、FGF応答前駆細胞においてFGFシグナリングを抑制することが示され、それに続く中胚葉形成の抑制をもたらした。このように本発明の方法は、前駆細胞の分化が生殖系および排出系の器官を生じる細胞に加えて、筋肉、血液および骨細胞を形成することを防ぐために利用することができる。中胚葉の誘導の防止では
、前駆細胞は代わりに外胚葉を形成するように再指令することができる。外胚葉への細胞分化の再指令は、表皮組織および神経系組織の形成を提供する。FGF応答前駆細胞におけるFGFシグナリングの阻害は、幹細胞生産の促進をもたらす。故に本明細書に開示するFGF応答細胞におけるFGFシグナリングを阻害する方法は、組織および臓器再生のための幹細胞に基づく治療に有用となり得る。
本発明のさらなる目的は、FGFRの下流にあるFGFRシグナリングカスケードの成分を阻害する方法を提供することである。当該技術分野ではFGFRは複雑なシグナル伝達カスケードの一部であることが知られている。活性化されるとFGFRは、Ras、Raf,MEK、MAPKおよびERKを含む下流の細胞内シグナリング成分を活性化する。FGFのFGFRへの結合は受容体を二量化し、これによりその受容体であるチロシンキナーゼ活性を活性化する。FGF受容体のチロシンキナーゼ活性は、Ras、Raf、MEK、MAPKおよびERKならびに下流の標的のリン酸化、およびそれに続く活性化を含むリン酸化のカスケードを細胞内で刺激する。本明細書に開示するFGF応答細胞を外因性Sulf1またはSulf1修飾ヘパリンと接触させることを含んでなる、FGF応答細胞におけるFGFシグナリングの阻害法は、FGFR1の下流のこれらシグナリング反応の阻害にも効果的となる。
また本明細書で提供するのは、本明細書に開示する幾つかの方法で使用するための組成物である。外因性Sulf1修飾ヘパリン化合物を含んでなる組成物が提供され、この組成物はFGF応答細胞を、外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物と接触させることを含んでなる方法において、FGF2またはFGF4のFGFR1への結合を下げる能力を有し、ここでFGF2またはFGF4のFGFR1への結合の低下は、FGF応答細胞におけるFGFシグナリングの阻害を生じる。外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物の例には、ヘパリン、ヘパラン硫酸、およびヘパリン/ヘパラン硫酸混合物がある。個々のヘパリンおよびヘパラン硫酸鎖のサイズは変動することができるが、比較的短鎖が好ましい。外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物は、培養中もしくはインビボでの細胞の細胞増殖、分化および移動を阻害するために使用することができる。また外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物は、組織中の脈管形成または中胚葉形成を阻害するためにも使用することができる。さらに外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物は、幹細胞の生産を促進するために、あるいはガンまたはヘパリン依存的シグナリング経路での欠陥による他の疾患状態を処置するために使用することができる。
本明細書で提供する外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物は、当該技術分野で知られているヘパリンに基づく化合物およびそれらを送達するための方法として特に魅力的な治療用化合物である。ヘパリン化合物は十分に特徴が決定された比較的安定な薬剤であり、そしてヘパリンに基づく治療は当該技術分野で十分に確立されている。ヘパリンは虚血を処置するために長い間、抗凝固剤として広く使用されて来た。ヘパリン化合物はインビボに導入された場合、安定で、しかも非毒性であることが証明されている。
本発明の方法では、外因性Sulf1または外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物が治療に有効な量で生理学的に許容され得る担体中にて投与される。該化合物(1もしくは複数)は、単独で、または他の治療薬と組み合わせて投与することができ、そして静脈内、皮下または経口的に動物に投与することができる。投与は全身的でよいが、局所的投与が好ましい。
FGF応答細胞は、発現可能なSulf1 cDNA(Gen Bank寄託番号BC012997)を宿す導入された外因性構築物から外因性Sulf1を発現することができる。FGF応答細胞は、発現可能なSulf1 cDNA構築物で形質転換することができる。動物では、構築物は当該技術分野で知られている遺伝子療法の方法により送達す
ることができる。あるいはSulf1 RNAまたはタンパク質を、当該技術分野ですでに知られている注入もしくは他の送達手段により細胞に送達してもよい。
本発明の治療標的は細胞外であるので、Sulf1酵素またはSulf1修飾ヘパリン化合物の送達は細胞外であることが必要となるだけである。外因性Sulf1または外因性Sulf1修飾ヘパリン化合物が細胞内に送達されることは本発明の要件ではない。したがって本発明の方法では、細胞内送達の製薬学的難点は克服される。外因性Sulf1酵素または外因性Sulf1修飾ヘパリン化合物は、FGFシグナリングの阻害が望まれるFGF応答細胞の細胞外表面に送達され得る。
外因性Sulf1を、発現可能なSulf1 cDNAを宿す構築物から発現するFGF応答細胞では、活性なSulf1が細胞内で発現され、細胞外に分泌され、そして細胞表面上で活性である。細胞表面のヘパラン硫酸の脱硫酸化は、生きている細胞の細胞表面上で起こることが知られている。活性なSulf1を発現している細胞は、不活性な細胞外マトリックス中の標識ヘパラン硫酸で被覆した組織培養プレートに播いた場合、プレートの表面からスルフェートを効果的に放出する。比較して、不活性なSulf1を発現する細胞は、プレートの表面からスルフェートを放出することができず、Sulf1が酵素的に活性であり、そして細胞の表面上で機能していることを示す。さらにゴルジからの放出を防止するように修飾された活性なSulf1を発現する細胞は、不活性な細胞外マトリックス中の標識ヘパラン硫酸で被覆した組織培養プレートからスルフェートを放出することができない。
A.材料および方法
i)プラスミド、mRNAおよび組換えタンパク質。完全長のQSulf1タンパク質をコードするQSulf1 cDNAは、哺乳動物細胞の発現およびQSulf1 mRNAのインビトロ合成のために、それぞれpAG−mycおよびpCS2ベクターにサブクローン化した。pCS2−XFGFR1K562Eプラスミドは、Robert Friesel博士(Neilson & Friesel,J.ofBiol.Chem.271,25049−57(1996))の好意により提供された。アルカリフォスファターゼ(pFGFR1c−AP)で標識した細胞外ドメインを有する可溶性FGFR1受容体をコードする構築物は、Alan Rapraeger博士(Allen et al.,J.Cell Biol.155,845−58(2001))の好意により提供された。薬剤−誘導性iFGFR1は、AP20187(Ariadにより提供された)(Pownall et al.,Developmental Biology 256,89−99(2003))で活性化した。ヒト組換えFGF2タンパク質は、シグマ(Sigma)から購入し、そしてXenopus FGF4(eFGF)は、発現構築物であるpET−XeFGFi(Isaacs et al.,Development 114,711−20(1992))を使用して生産した。QSulf1、QSulf1(C−A)変異体、FGFR1K562EおよびiFGFR1 mRNAは、mMessageキット(アムビオン)を使用して合成し、そして分光光度計を使用して定量した。活性なQSulf1および触媒的に不活性なQSulf1(C−A)タンパク質は、pAG−QSulf1およびpAG−QSulf1(C−A)で安定にトランスフェクトした293T細胞から記載されているように精製した(Ai et al.,Journal of Cell Biology 162,341−51(2003))。
ii)アニマルキャップアッセイ。アフリカツメガエル(Xenopus leavis)は、以下の標準的プロトコールに従い得た(Slack et al.,Nature 326,197−200(1987);Yao&Kessler,Methods in Molecular Biology 137,169−178(2000))。胚の動物極に、図面の簡単な説明に記載したようなmRNAを1細胞段階(one−cell stage)で注入した。注入した胚を0.1×MMR(Yao&Kessler,Methods in Molecular Biology 137,169−178(2000))中で、アニマルキャップが分離する時の8〜9段階まで培養した。アニマルキャップは0.5×MMRにゼラチン(100ng/ml)、組換えタンパク質AP20187およびヘパリンを図面の簡単な説明で特定したように加えた中で培養した。10個のアニマルキャップを各実験群について集めた。示すデータは、少なくとも3回の独立した実験の表示である。ツメカエル(Xenopus)およびウズラ(quail)の胚は、ペンシルバニア大学のIACUC委員会により認証された。
iii)ERK1/2のウエスタンブロッティング分析
アニマルキャップは15μlのバッファー(80mMのベータ−グリセロホィフェート、20mM EGTA、1mM DTT、15mM MgCl、20mM Hepes pH7.5およびプロテアーゼインヒビターのComplete(商標)カクテル(ロッシュ:Roche)を含む)中で溶解した。サンプルはタンパク質サンプルバッファー(4×濃度、バイオラッド(BioRad))を、14,000gでの遠心により得た上清に加えた後75℃で5分間加熱した。二リン酸化ERK1/2(Dp−ERK1/2)およびERK1/2検出には、それぞれサンプルの14μlおよび2μl(10μlの1×添加バッファーを加えた)を別個の10%SDS−PAGEミニゲル(バイオラッド)に乗せた。5%の脱脂ミルクを加えたTBST(10mM Tris pH7.5、150mM NaCl、0.1%Tween−20)をHybond−ECLニトロセルロース膜(アマシャム:Amersham)ブロッキングおよび抗体のインキュベーションに使用した。膜は全ERK1/2抗体(1:4000、シグマ)またはDp−ERK1/2抗体(1:2000、シグマ)と1時間インキュベーションし、TBSTで4回、5分で交換しながら洗浄し、ペルオキシダーゼ標識第2抗体(アマシャム、Dp−ERK1/2および全ERK1/2検出用にそれぞれ1:2000および1:4000)とインキュベーションし、そして洗浄した。シグナルはECL−プラスキット(アマシャム)を使用して発色させ、X−線フィルム上で捕捉し、Stormイメージャーで走査し、そしてImageQuantソフトウェア(モレキュラー ダイナミックス(Molecular Dynamics)で定量した。
iv)RT−PCTアッセイ。アニマルキャップは遺伝子発現のために11段階まで培養した。全RNAをアニマルキャップおよび胚からRNAqueous(商標)キット(アムビオン)を使用して精製し、そして分光光度計により定量した。cDNA合成、ED1αBrachyuryMyoD用のPCRプライマー、PCR条件およびゲル電気泳動に関するプロトコールは、記載されているように行った(Engleka et al.,Developmental Biology 237,159−72(2001))。示すデータは5回の独立したアッセイの表示である。
v)FGF2−ヘパリンビーズ結合アッセイ。アクリル酸ビーズに結合したヘパリン(シグマ)を、QSulf1またはQSulf1(C−A)変異体タンパク質で37℃で一晩、振盪機上で消化した(Ai et al.,Journal of Cell Biology 162,341−51(2003))。ヘパリン−ビーズは遠心により集め、そしてHank’sバランス塩溶液(HBSS、インビトロジェン(Invitrogen))で洗浄し、次いで結合アッセイ用に20μlのビーズを含む50μl容量のアリコートに分けた。処理したヘパリン−ビーズは量を変えたFGF2と室温で30分間インキュベーションし、次いで洗浄した。ヘパリン−ビーズに結合したFGFを、ウエスタンブロッティングにより分析した。示すデータは3回の独立した実験を表す。
vi)FGFR1c−APへのインビトロFGF2結合。FGFR1c−APタンパク質
は、pFGFR1c−APでトランスフェクトした293T細胞のコンディショニング培地から、無血清DMEM/F12(インビトロジェン)に交換してから48時間後に得た。コンディショニング培地中のタンパク質を、比色的色素濃縮アッセイ(インビトロジェン)により定量した。QSulf1の精製およびヘパリンの酵素的消化は、記載されている通りであった(Ai et al.,Journal of Cell Biology 162,341−51(2003))。結合アッセイ混合物(HBSS中、10ngのFGF2、10ngのFGFR1c−AP、およびQSulf1またはQSulf1(C−A)のいずれかで前処理した変動する量のヘパリンを含有する全200μl容量)を、室温で30分間インキュベーションした。複合体は、アガロースビーズ(シグマ)にカップリングした10μlの抗−AP抗体スラリーと2時間インキュベーションした後、免疫沈降した。FGFR1c−APに結合したFGF2を、10%SDS−PAGEで解析し、そしてウエスタンブロッィングにより検出し、そしてImageQuantを使用して定量した。抗−FGF2抗体の希釈は、1:2000(シグマ)であった。
vii)漿尿膜(chorioallantonic membrane)脈管形成アッセイ。受精したニワトリの卵を、加湿した38℃のオーブン中で10日間インキュベーションした。対照のヘパリンまたはQSulf1−消化ヘパリン(200ng)を含む20ngのFGF2を含有する10μlのPBSに浸した濾紙(0.25cm)を、外皮の窓を通して露出した漿尿膜の無血管領域に乗せた。卵をテープで密閉し、そしてさらに3日間インキュベーションした。次いで漿尿膜を隣接する濾紙から切り出し、固定し、そして顕微鏡下で調査して各濾紙上の血管分枝の数を数えた(Lundin et al.,J.of Biol.Chem.275,24653−60(2000))。脈管形成は、Friedlander et al.(Friedlander et al.Science 270,1500−02(1995))に従い、1(低い)から4(高い)に採点した。
B.結果および考察
i)QSulf1はFGF2シグナリングおよび中胚葉誘導を抑制する。ツメガエル(Xenopus)のアニマルキャップアッセイは、FGFシグナリングにおけるQSulf1活性を実験するために採用した。ツメガエル(Xenopus)の胞胚の動物極領域のエクスプラントは、未処理の時に外胚葉誘導体を形成する(Yao&Kessler,Methods in Molecular Biology 137,169−178(2000))。エクスプラントを外因性FGFタンパク質で処理すると、延長および中胚葉分化を生じ(Slack et al.,Nature 326,197−200(1987))、都合が良いFGFシグナリングアッセイ系を提供する。QSulf1および触媒的に不活性な変異体であるQSulf1(C−A)(Dhoot et al.,Science 293,1663−6(2001))は、インビトロで合成されたmRNAをツメガエル(Xenopus)の胚に1細胞段階で注入することによりアニマルキャップで過剰に発現され、続いて動物極エクスプラントを胞胚段階で単離した。QSulf1またはQSulf1(C−A)単独の過剰発現は、形態学的変化または中胚葉マーカー遺伝子の発現を誘導しなかった。しかしQSulf1はFGF2誘導型の組織延長(図1A)、および中胚葉遺伝子であるBrachyuryの発現によりアッセイされる中胚葉分化の両方を抑制した(図1B)。酵素的に不活性なQSulf1(C−A)は、FGF2誘導型の組織延長を遮断せず、そしてBrachyury発現をわずかに阻害した。QSulf1発現はERK1/2のリン酸化を強力に抑制し、これはFGF2シグナリング経路の直接的な標的である(図1C、1E)。対照的に、QSulf1(C−A)はリン酸化ERK1/2(図1C、1E)の誘導に効果が無く、QSulf1がその酵素活性を介してFGFシグナリングを直接調節していることが確立される。したがってBrachyury発現に及ぼすQSulf1(C−A)のわずかな阻害活性は、非特異的応答であることを反映しているようだ。QSulf1はFGF4(eFGF)により誘導される中胚葉形成阻害にも同様に活性であり、FGFアイソフォームは通常、ツメガエル(Xenopus)の胚で活性である(図1D)(Slack et al.,Nature 326,197−2000(1987))。したがってこれらのデータは、QSulf1がERK1/2リン酸化の上流を操作するメカニズムを介して酵素的に機能して、FGFが誘導する中胚葉分化を阻害することを確立する。興味深いことには、FGFシグナリングに及ぼすQSulf1の阻害活性は、Wntシグナリングに及ぼすその正の調節活性と対照をなし(Ai et al.,Journal of Cell Biology 162,341−51(2003))、QSulf1が二重調節機能を有し、そしてHS媒介型のFGFおよびWntシグナリングがHSの6−O硫酸化に異なる要件を有することを示す。
ii)QSulf1はFGFR1受容体の上流で機能して、細胞外HSを修飾する。細胞外HSの脱硫酸化におけるQSulf1の活性から予想されるように(Ai et al.,Journal of Cell Biology 162,341−51(2003))、QSulf1がFGFR1受容体の上流に作用してFGFシグナリングを阻害するのかどうかを決定することに焦点をおいた1組の実験を行った。これらの実験のために、構成的に活性なFGFR1の変異体をQSulf1と一緒にアニマルキャップ中で同時発現させ、これは中胚葉誘導およびERK1/2リン酸化によりアッセイされるように、FGFシグナリングに応答する能力について試験した。FGFR1受容体の2種の変異体をこの実験に使用した。1つの場合ではFGFR1 K562Eを使用し、これはHS媒介型の受容体の二量化のための標準的な要件からは独立した、チロシンキナーゼ活性を構成的に活性化する細胞内チロシンキナーゼドメインに変異を有する(Neilson & Friesel,J.of Biol.Chem.271,25049−57(1996))。第2のFGFR1変異体(iFGFR1)は細胞外リガンド結合ドメインを欠くが、膜標的化アミノ末端ミリスチル化配列、および合成薬剤AP20187に結合して、薬剤の添加に応答した受容体の二量化および受容体の活性化を促進する2つの変異したFKBR12ドメインを有する(Pownall et al.,Developmental Biology 256,89−99(2003))。これらの構成的に活性化されるFGFR1受容体は、受容体の二量化に必要な細胞表面HSを修飾するためにQSulf1が機能する場合、FGFシグナリングのQSulf1阻害に対して耐性となるだろうと推論される。高レベルのDp−ERK1/2活性化(図2A、C)および中胚葉遺伝子の誘導(図2B)により示されるように、FGFR1K562EまたはiFGFR1は両方ともFGFシグナリング活性化のためのQSulf1の阻害活性に非感受性であった。
QSulf1が細胞外HSの硫酸化を修飾することにより機能するのかどうかを試験するために、外から加えたヘパリンがアニマルキャップアッセイでFGFシグナリングのQSulf1阻害をレスキューできるかどうかを決定する実験を行った。QSulf1を注入したアニマルキャップは、ヘパリンの存在または不存在下で培養し、ヘパリンはSulf1の高度に硫酸化されたHSグリコサミノグリカン基質であり(Morimoto−Tomita et al.,Journal of Biological Chemistry 277,49175−85(2002);Ai et al.,Journal of Cell Biology 162,341−51(2003))、そしてHS生合成が欠損している細胞のFGF2シグナリングをレスキューすることができる(Ornitz et al.,Mol.Cell.Biol.12,240−247(1992);Lundin et al.,J.of Biol.Chem.275.24653−60(2000))。培養した細胞においてFGF2シグナリングをレスキューする濃度(150〜250ng/ml)で(Fannon et al.,Biochemistry 39,1434−45(2000))、外因性ヘパリンはFGF2が媒介するERK1/2活性化および中胚葉誘導(図3)のQSulf1阻害を完全にレスキューした(図3)。またSulf1は、FGF2に応答し、そしてヘパリン依存的EGFのErk1/2活性化も遮断するが、培養した卵巣細胞株でヘパリン依存的EGFによる活性化には応答せず(Lai et al.,J.Biol.Chem.278,23107−23117(2003))、Sulf1がHS−依存的シグナリングに特異的な細胞外HSの硫酸化を酵素的に修飾するという結論を指示する。特記すべきは、FGF2の存在または不存在下で可溶性ヘパリンで処理した非注入アニマルキャップは、FGFシグナリングにおいてさらに刺激されず、胚のアニマルキャップの細胞表面上のHSは、FGFR1受容体の活性化およびFGFシグナル伝達を制御するために過剰に存在することを示す。
iii)QSulf1修飾ヘパリンはFGF2が誘導する脈管形成を阻害する。外因性ヘパリンはQSulf1発現アニマルキャップ細胞でFGFシグナリングをレスキューするので、QSulf1修飾ヘパリンがFGFシグナリングを遮断できるかどうかを試験する実験を行った。これらの実験には、漿尿膜の脈管形成系におけるFGF2シグナリングを調査し、FGF誘導に関して、血管分枝により監視されるような感度のある、しかも定量的なインビボアッセイを準備し(Lundin et al.,J.of Biol.Chem.275,24653−60(2000))、そしてそれに続いてPBS対照1(低レベルの脈管形成)から4(FGF2が誘導する脈管形成レベル)に採点した(Friedlander et al.,Science 270,1500−02(1995))。PBSで処理した対照の漿尿膜は、1と採点されるレベルで血管を形成し(表1、図4A)、それに対してFGF2で処理した膜は、かなりの分枝がある血管を形成し、そして1〜4の尺度のうちの2.9と採点され(図4B)、ここで1の採点は膜あたり0〜2個の分枝に等しく、そして4の採点は膜あたり25の分枝に等しい。FGFに誘導される血管の分枝は、QSulf1により酵素的に脱硫酸化された外因性ヘパリンの添加によりほぼ完全に遮断され、1.1と採点されたが、不活性なQSulf1(C−A)酵素には遮断活性が無く、そして2.9と採点された(図4CおよびDを比較されたい)。したがって、QSulf1修飾ヘパリンは、有力な脈管形成インヒビターである。
表1 QSulf1 6−O硫酸化ヘパリンは、
ヒナ漿尿膜上のFGF2が誘導する脈管形成を阻害する。
胚処理 採点の数 脈管形成
PBS 14 1
FGF2(25ng) 15 2.9±0.5
FGF2+ヘパリン 15 2.5±0.7
/QSulf1(C−A)
FGF2+ヘパリン 14 1.1±0.5
/QSulf1
脈管形成は1(低い、PBS)から4(高い)に、Friedlander et al.,Science 270,1500−02(1995)に従い採点した。示したデータは各処理から少なくとも14個の胚についての平均および標準偏差である。
iv)QSulf1修飾ヘパリンは、FGF2−FGFR1複合体形成を破壊する。QSulf1活性がHSを修飾してFGFシグナリングを遮断するメカニズムを調査するために、QSulf1はヘパリンがFGF2に結合する能力を改変するかどうかを決定する実験を行った。アクリル酸ビーズに結合したヘパリンを、QSulf1または触媒的に不活性なQSulf1(C−A)で酵素的に処理し、そして次に過剰なFGF2タンパク質と一緒にインキュベーションして結合をアッセイした。次いで結合したFGF2を含むビーズを洗浄し、そして結合したFGFをウエスタンブロッティグを使用して定量した。これらのアッセイにより、FGF2がQSulf1処理ヘパリンおよびQSulf1(C−A)処理ヘパリンに等しく十分に結合することが明らかとなり(図5A)、QSulf1処理はHSへのFGF2結合を減少しないことが確立された。これはヘパリンへのFGF2結合に2−Oを必要とするが、6−Oスルフェートは必要としない事前の知見と一致する(Schlessinger et al.,Molecular Cell 6,743−50(2000);Lundin et al.,J.of Biol.Chem.275,24653−60(2000);Pye et al.,J.Biol.Chem.273,22936−42(1998))、これらにはQSulf1の基質を含む(Morimoto−Tomita et al.,Journal of Biological Chemistry 277,49175−85(2002);Ai et al.,Journal of Cell Biology 162,341−51(2003)。
次いでQSulf1は、ヘパリンがFGF2−ヘパリン−FGFR三重複合体を形成する能力を破壊するかどうかを決定した。ヘパリンが媒介するFGF2リガンド−受容体結合は、APタグに融合されたFGFR1の細胞外ドメインを含有する可溶性FGFR1cを使用することによりアッセイした(Allen et al.,J.Cell Biol.155,845−58(2001))。FGF2およびFGFR1cは、QSulf1またはQSulf1(C−A)の濃度を上昇させて処理したヘパリン(0−1000ng/ml)とインキュベーションして、FGF2−ヘパリン−FGFR三重複合体を形成できるようにした。次いで複合体は抗AP抗体と免疫沈降させた。ヘパリンの不存在下では低レベルのFGF2がFGFR1c−APに結合しただけであった(図5B−C)。対照QSulf1(C−A)酵素で処理したヘパリンは、FGF2のFGFR1cへの結合を促進したが、QSulf1で処理したヘパリンは、2〜5倍まで結合を減少させ(図5B−C)、QSulf1消化がヘパリンの三重複合体の形成を促進する能力を下げることを示す。QSulf1はHS鎖の6−O硫酸化二糖のサブセットに対する基質特異性を有するので(Ai et al.,Journal of Cell Biology 162,341−51(2003))、QSulf1はFGF2−FGFR1相互作用およびシグナリングを促進するための受容体の二量化に必要であるが、FGF2リガンド結合には必要無い6−O硫酸基を除去する(Schlessinger et al.,Molecular Cell 6,743−50(2000);Lundin et al.,J.of Biol.Chem.275,24653−60(2000);Pye et al.,J.Biol.Chem.273,22936−42(1998))。
FGF2での結果とは対照的に、QSulf1はヘパリンのWntリガンドへの結合親和性を下げ、Wntシグナリングを強化する(Ai et al.,Journal of Cell Biology 162,341−51(2003))。QSulf1は、原節、底板、神経管および腎臓を含む初期胚の前駆細胞の多重系統で異なるパターンで発現される(Dhoot et al.,Science 293,1663−6(2001);Ohto et al.,Genes to Cells 7,173−85(2002))。これらQSulf1発現前駆系統は、それらの前駆系統としての特異性について、WntおよびFGFを含む多くの発生シグナルに応答している。理論に拘束されることを望まないが、QSulf1は神経管および原節のような多型潜在性胚組織の系統特異性において、Wntシグナリングを促進し、そしてFGFシグナリングを遮断するための二重調節機能により、空間的および一時的「スイッチ」として機能することができる。Sulf1オルソログは、線虫(C.elegans)、ショウジョウバエ(Drosophila)およびヒトを含む多様な動物のゲノムに存在し(Dhoot et al.,Science 293,1663−6(2001);Morimoto−Tomita et al.,Journal of Biological Chemistry 277,49175−85(2002))、そして第2の関連するアイソフォームが脊椎動物で同定され、Sulf1酵素が進化の過程で高度に保存され、そして多くの系でFGFおよび他の発生シグナルを調節できることを示す。これらの研究は、胚におけるQSulf1の発生シグナリング機能に関する将来の調査のための基礎となる。
v)QSulf1が媒介するHS修飾は、FGF2リガンド−受容体相互作用および受容体の活性化を調節する。FGF2−ヘパリン−FGFR1三重複合体形成のQSulf1調節のこれら実験は、QSulf1が中胚葉誘導および脈管形成におけるFGF2シグナリングを阻害するという知見を解釈するための基礎を提供する(図6)。細胞表面のHSPGはFGF2リガンド−受容体相互作用の周知コファクターであり、受容体の二量化および細胞内シグナリング伝達を活性化を制御する(Ornitz & Itoh,Genome Biology 2.REVIEWS3005(2001))。またHSの硫酸化状態も、そのFGF2シグナリング機能に重要である。HS2−O硫酸化は、FGF2リガンド結合に必要とされ、そして6−O硫酸化は受容体結合/二量化に必要であり(Lundin et al.,J.of Biol.Chem.275,24653−60(2000);Pye et al.,J.Biol.Chem.273,22936−42(1998))、FGF2−HS−FGFR1三重複合体を形成する(図6A)。本明細書に報告する実験は、QSulf1 6−Oエンドスルファターゼ活性が、細胞表面HSの特異的6−O脱硫酸化、リガンド−受容体三重複合体の形成を阻害する修飾、および受容体の二量化によりFGF2シグナリングを遮断することを示す。この結論は、FGFR1の活性化形態がQSulf1の阻害活性に非感受性であるという知見により支持される(図6B)。さらにアニマルキャップ細胞でのQSulf1の阻害活性は、外因性の可溶性ヘパリンによりレスキューされることができる。ヘパリンは豊富な6−O硫酸化残基を含み、すなわちQSulf1を発現している細胞上の6−O脱硫酸化HS鎖を置き換えて、FGF2−FGFR1複合体の形成および受容体の二量化を可能にする(図6C)。また本明細書では、QSulf1がヘパリンを酵素的に修飾して、脈管形成におけるFGF2シグナリングの有力な可溶性インヒビターを生産するために使用することができることも示す。QSulf1消化により生産された阻害ヘパリンは、FGF2に結合するがFGFR1には結合しない6−O脱硫酸化多糖であるらしく、これは細胞表面上で内因性のHSと競合して、三重複合体の形成を遮断し、そして脈管形成を阻害する(図6D)。
胚におけるSulf1の機能に加えて、これは成人の組織でも発現され、そしてガンのような病態生理プロセスでも機能するらしい。最近の研究は、HSulf1発現が卵巣ガン細胞で抑制され、そしてこれらのガン細胞中のHSulf1過剰発現がFGF2およびEGFによるERK活性化を遮断し、そして増殖を阻害することを示す(Lai et al.,J.Biol.Chem.278,23107−23117(2003))。細胞中のQSulf1の増殖因子シグナリング機能は、その酵素活性およびHS鎖の6−O脱硫酸化に対する特異性に基づく。さらにQSulf1は可溶性ヘパリンを酵素的に修飾して、脈管形成の有力なインヒビターを生産することができる。これらの知見、およびリガンド受容体相互作用に関与するHSドメインに対するQSulf1の特異性は、QSulf1酵素がインビボおよびインビトロの両方でヘパリンに基づく化合物を生成するための有用な試薬となることを示す。これらの修飾ヘパリンは、組織および器官の再生のための幹細胞生産を促進するための、そして特異的なガンの処置において、腫瘍細胞の増殖および脈管形成を制御するための治療薬としても有用となることができる(Folkman,J.Semin.Oncol.29,15−18(2002))。
ツメガエル(Xenopus)のアニマルキャップアッセイにおいて、FGFが誘導する中胚葉のQSulf1抑制を示すデータを表す。ツメガエル(Xenopus)の胚に野生型のQSulf1または変異体QSulf1(C−A)のmRNA(750pg)を1細胞段階で注入した。アニマルキャップは8〜9段階で切開し、そして中胚葉誘導およびERK1/2活性化を評価するために培養した。(A)FGF2の不存在下で、アニマルキャップのエクスプラントは表皮を形成し、そして球状と想定されるが、FGFで誘導した時にキャップは延長し、そして中胚葉組織を形成した。触媒的に不活性なQSulf1(C−A)ではなく野生型QSulf1の発現は、FGFが誘導するアニマルキャップの延長を遮断する。(B)アニマルキャップは、RT−PCRアッセイにより遺伝子発現を評価するために、RNAの単離前に第11段階まで培養した。QSulf1はFGF2(30ng/ml)により誘導される中胚葉の遺伝子発現(Brachyury)を抑制するが、触媒的に不活性なQSulf1(C−A)はFGF2が誘導するBrachyury発現を遮断しない。EF1αはゲル添加用対照として使用し、そして全胚RNAは中胚葉遺伝子の陽性対照として使用した。(C,D)ERK1/2リン酸化のアッセイについては、アニマルキャップをFGF2またはFGF4(30ng/ml)の存在下または不存在下で、1時間培養し、そしてタンパク質抽出物は、二リン酸化ERK1/2(Dp−ERK1/2)および全ERK1/2タンパク質を検出するための抗体を使用したウエスタンブロット分析用に調製した。Erk1/2リン酸化はFGFシグナリングに広く応用されているアッセイである(Lai et al.,J.Biol.Chem.278,23107−23117(2003);Pownall et al.,Developmental Biology 256,89−99(2003))。全ERK1/2レベルは、ゲル添加を監視するための標準として使用した。FGF2−誘導化Dp−ERK1/2リン酸化はQSulf1により抑制されるが、酵素に不活性なQSulf1(C−A)では抑制されない(C)。またQSulf1は、FGF4が誘導するDp−ERK1/2活性化を抑制する(D)。E.パネルCで示すERK1/2のリン酸化を定量し、そして4回の独立した実験から標準偏差を含む平均として提示した。相対的なDp−ERK1/2レベルは、全ERK1/2に対するDp−ERK1/2の比を測定することにより算出し、そして次に任意に10の値に割り当てたFGF2が誘導するレベルに対して標準化した。FGF2が誘導するDp−ERK1/2のQSulf1抑制は、FGF2対照から統計的に有意であったが(p<0.001)、QSulf1(C−A)はFGF2シグナリング活性に効果が無かった(p=0.72)。 構成的に活性化されたFGFR1受容体はFGF2およびFGF4シグナリングのQSulf1阻害を迂回することを示すデータを表す。FGFR1K562Eは、FGFリガンド結合から独立して、構成的な活性を付与する細胞内ドメインの変異をもつFGFR1受容体である(A,B)。iFGFR1は、欠失した細胞外ドメインを持ち、そして受容体の二量化および薬剤AP20187の添加に応答した誘導性の活性化を促進する細胞内ドメインが加えられた膜に着いたFGFR1受容体である(C)。QSulf1のmRNA(2ng)を単独で、またはFGFR1K562E mRNA(100pg)もしくはiFGFR1のmRNA(20pg)と一緒に、1細胞段階のツメガエル(Xenopus)の胚に注入した。アニマルキャップは8〜9段階で切開し、そしてリン酸化ERK1/2(Dp−ERK1/2)および全ERK1/2(ERK1/2)(A,C)のウエスタンブロット分析用に、および中胚葉の遺伝子発現をアッセイするためのRT−PCR分析に(B)培養した。(A)タンパク質抽出物は、FGF2処理から1時間後にDp−ERK1/2のウエスタンブロット分析によりアッセイした。QSulf1はFGF2(30ng/ml)を抑制するが、Dp−ERK1/2のFGFR1K562E活性化は抑制しない。(B)QSulf1はFGF2を抑制するが、中胚葉マーカーであるBrachyuryおよびMyoDのFGFR1K562E誘導は抑制しない。全胚サンプルは中胚葉の遺伝子発現のための陽性対照を提供した。(C)iFGFR1受容体のAP20187(1.25μM)活性化は、QSulf1の存在下でDp−ERK1/2の活性化を誘導する。 外因性ヘパリンがQSulf1によるFGF2シグナリングの抑制をレスキューすることを示すデータを表す。QSulf1のmRNAを1細胞段階のツメガエル(Xenopus)の胚に注入した(2ng)。アニマルキャップを8〜9段階で切開し、そして培養した。硫酸化ヘパリンを150ng/mlの濃度で培養基に加えた。(A)アニマルキャップはFGF2処理から2時間後に集めた。QSulf1は、FGF2タンパク質(30ng/ml)により誘導されるERK1/2活性化を抑制し、この抑制は外因性ヘパリンによりレスキューされた。全ERK1/2はゲル添加対照としてアッセイした。(B)アニマルキャップは遺伝子発現を評価するために第11段階まで培養した。中胚葉遺伝子(Brachyury)発現のQSulf1抑制は、外因性ヘパリンによりレスキューされた。構成的に発現されたEF1αはゲル添加対照として役立て、そして全胚から調製したRNAは中胚葉の遺伝子発現のアッセイに関する陽性対照として使用した。 QSulf1処理ヘパリンは、FGF2が誘導する脈管形成を抑制することを示すデータを表す。ヘパリンを含むか、または含まないFGF2に浸した濾紙を、10日目のニワトリの胚の漿尿膜に適用した。膜上の血管形成を3日後に分析した。3回の独立した実験から12枚より多くの濾紙を、各実験群について調査した。(A)対照PBSの濾紙の適用は、13サンプルのうちの9サンプルで血管分枝の形成を誘導しなかった。(B)FGF2(20ng)濾紙の適用は、12サンプルのうちの8サンプルに血管分枝の形成を誘導した。(C)FGF2およびQSulf1(C−A)処理ヘパリン(200ng)を含有する濾紙の適用は、14サンプルのうちの12サンプルでFGF2により誘導される血管分枝の形成に影響を及ぼさなかった。(D)FGF2およびQSulf1(C−A)処理ヘパリン(200ng)を含有する濾紙の適用は、15サンプルのうちの9サンプルで血管分枝のFGF2誘導を抑制した。矢印は血管分枝の形成を示す。 QSulf1処理ヘパリンはFGF2のFGFR1への結合を下げるが、ヘパリンはさげないことを示すデータを表す。(A)QSulf1はFGF2のヘパリンへの結合に影響を及ぼさない。QSulf1またはQSulf1(C−A)変異体タンパク質で前処理したヘパリンビーズを、示した量のFGF2とインキュベーションした。ヘパリンが結合したFGF2は、ウエスタンブロッティングにより分析した。QSulf1処理およびQSulf1(C−A)処理ヘパリンへのFGF2結合に有意差は検出されなかった。(B)ヘパリンのQSulf1処理は、FGF2−ヘパリン−FGFR1複合体の形成を減少させた。QSulf1処理またはQSulf1(C−A)処理した可溶性ヘパリンは、示した濃度でFGF2(10ng/ml)およびFGFR1c−AP(10ng/ml)とインキュベーションした。FGFR1c−APは、アガロースビーズに結合した抗AP抗体と免疫沈降し、そして結合したFGF2をウエスタンブロッティングにより検出した。(C)QSulf1処理またはQSulf1(C−A)処理したヘパリンの存在下で、FGFR1c−APに結合したFGF2の定量。QSulf1処理ヘパリンの存在下でのFGF2のFGFR1c−APへの結合は、QSulf1(C−A)処理したヘパリンの存在下での結合と比べて2〜5倍低下した。 FGFリガンド−受容体の相互作用のモジュレーティングを介するSulf1によるFGFシグナリング調節のモデルを表す。2:2:2モデル(2つのリガンド、2つのHS鎖および2つの受容体)は、シグナリング中にFGF2−HS−FGFR1の三重複合体の形成を具体的に説明するために他者により提案された(Schlessinger et al.,Molecular Cell 6,743−50(2000);Folkman,J.Semin.Oncol.29,15−18(2002))。(A)Sulf1の不存在下で、硫酸化された細胞表面のHSはFGFリガンド−受容体の相互作用、受容体の二量化および細胞内シグナリングの活性化を促進する。(B)QSulf1による内因性HSの選択的な6−O脱硫酸化はFGFリガンド−受容体の結合を下げるが、HSへのFGFリガンド結合にはほとんど影響しない。低下したリガンド−受容体相互作用は、受容体の二量化およびシグナリングを抑制する。(C)内因性の硫酸化ヘパリンは、QSulf1で脱硫酸化した内因性の細胞表面HSを置き換え、そしてFGFリガンド−受容体の相互作用を促進することによりシグナリングをレスキューする。(D)Sulf1 6−O脱硫酸化外因性ヘパリンはFGFR1に対して低下した親和性を有するが、FGF2に競合的に結合し、そして内因性のHSが媒介するFGF2脈管形成活性を妨害する。FGFR1の細胞内ドメインの“P”は、リン酸化および活性化を示す。

Claims (25)

  1. 阻害されるFGFシグナリングがFGF2−FGFR1またはFGF4−FGFR1シグナリングであるFGF応答細胞におけるFGFシグナリングの阻害方法であって、FGF応答細胞を、内因性のヘパラン硫酸を修飾するために有効な量の外因性Sulf1と接触させることを含んでなり、これによりFGFシグナリングを阻害する上記方法。
  2. 阻害されるFGFシグナリングがFGF2−FGFR1またはFGF4−FGFR1シグナリングであるFGF応答細胞におけるFGFシグナリングの阻害方法であって、FGF応答細胞を、外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物と接触させることを含んでなり、外因性のSulf1修飾ヘパリン化合物がFGF2またはFGF4のFGFR1への結合を下げる能力を特徴とする上記方法。
  3. FGF応答細胞との接触がインビトロである請求項1または2に記載の方法。
  4. FGF応答細胞との接触がインビボである請求項1または2に記載の方法。
  5. FGF応答細胞が外因性Sulf1を発現する請求項1に記載の方法。
  6. FGFシグナリングの阻害が脈管形成の阻害を生じる請求項1または2に記載の方法。
  7. FGFシグナリングの阻害が中胚葉形成の阻害を生じる請求項1または2に記載の方法。
  8. FGF応答細胞がガン細胞および幹細胞からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  9. FGFシグナリングの阻害が幹細胞生産の促進を生じる請求項8に記載の方法。
  10. FGFシグナリングの阻害が腫瘍細胞増殖の阻害を生じる請求項8に記載の方法。
  11. 外因性Sulf1が、内因性ヘパラン硫酸の6−O硫酸基のサブセットの少なくとも1つを除去する能力を特徴とする請求項1に記載の組成物。
  12. 外因性Sulf1修飾ヘパリンが、ヘパリン6−O硫酸基のサブセットの少なくとも1つの除去を特徴とする、請求項2に記載の方法。
  13. 外因性Sulf1がFGF2−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成を防止する、請求項1に記載の方法。
  14. 外因性Sulf1がFGF4−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成を防止する、請求項1に記載の方法。
  15. 外因性Sulf1修飾ヘパリンがFGF2−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成を防止する、請求項2に記載の方法。
  16. 外因性Sulf1修飾ヘパリンがFGF4−ヘパラン硫酸−FGFR1三重複合体の形成を防止する、請求項2に記載の方法。
  17. 外因性Sulf1がFGFR1の二量化を防止する請求項1に記載の方法。
  18. 外因性Sulf1修飾ヘパリン化合物がFGFR1の二量化を防止する請求項2に記載の方法。
  19. FGFシグナリングの阻害がFGF受容体チロシンキナーゼ活性の減少を生じる請求項1または2に記載の方法。
  20. FGF受容体チロシンキナーゼ活性の減少が下流のFGF受容体チロシンキナーゼ標的の活性化の阻害を生じる、請求項19に記載の方法。
  21. 下流のFGF受容体チロシンキナーゼ標的が、Ras、Raf、MEK、MAPKおよびERKからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 外因性Sulf1修飾ヘパリン化合物を含んでなる組成物であって、FGF応答細胞を外因性Sulf1修飾ヘパリン化合物と接触させることを含んでなる方法において、FGFのFGFRへの結合を下げる能力を有し、ここでFGFのFGFRへの結合の低下がFGF応答細胞におけるFGFシグナリングの阻害を生じる上記組成物。
  23. 外因性Sulf1修飾ヘパリン化合物が脈管形成インヒビターである、請求項22に記載の組成物。
  24. 外因性Sulf1修飾ヘパリン化合物が中胚葉形成のインヒビターである、請求項22に記載の組成物。
  25. ヘパリン化合物をSulf1と、ヘパリン6−O硫酸基のサブセットの少なくとも1つを効果的に除去するための量および十分な時間で接触させることを含んでなる、Sulf1修飾ヘパリン化合物を生産するためのインビトロの方法。
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