JP2007515483A - スピロ環状キヌクリジンエーテル誘導体 - Google Patents

スピロ環状キヌクリジンエーテル誘導体 Download PDF

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Abstract

式(I)の化合物
Figure 2007515483

(n1は0、1、または2であり;n2は0、1、または2であり;Xは結合、O、S、またはNR1であり;Ar1は芳香族5員環、芳香族6員環、または縮合2環式複素環である。)。これらの化合物は、α7型nAChRリガンドにより防止または改善される病状あるいは障害の治療に有用である。式(I)の化合物を含む医薬組成物と、このような化合物および組成物を用いる方法もまた開示される。

Description

本発明は、スピロ環状キヌクリジンエーテル誘導体、このような化合物を含む組成物、ならびに、このような化合物および組成物を用いる、病状と障害の治療方法に関する。
ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChRs)は、中枢(CNS)および末梢(PNS)神経系全体に広く分布している。このような受容体は、特に、多様な神経伝達物質(必ずしもこれらに限らないが、アセチルコリン、ノルエピネフリン、ドーパミン、セロトニンおよびGABAが含まれる)の放出を調節することによって、CNSの機能を調節するのに重要な役割を果たしている。このため、ニコチン性受容体は、多様な生理学的作用を仲介し、とりわけ、認知機能、学習および記憶、神経変性、疼痛および炎症、精神病および感覚のゲーティング(sensory gating)、気分および情動に関連する障害の薬物治療に対するターゲットとされてきた。
CNSおよび末梢神経にはnAChRの多くのサブタイプが存在する。各サブタイプは生理学的な全体的機能の調節に異なる作用を及ぼす。典型的には、nAChRは、サブユニットタンパク質の5量体により構成されるイオンチャネルである。少なくとも12種のサブユニットタンパク質(α2〜α10およびβ2〜β4)がニューロン組織において確認されている。これらのサブユニットは、受容体サブタイプの多様さを説明する様々なホモメリックおよびヘテロメリック複合体を生じる。例えば、脳組織においてニコチンの高親和性(affinity)結合に重要な役割を果たす主な受容体は、(α4)(β2)(α4β2サブタイプ)の組成をもつが、別の主な受容体集団はホモメリック(α7)(α7サブタイプ)からなる。
植物アルカロイドのニコチンなどの特定の化合物は、nAChRsの全てのサブタイプと相互作用し、このことがこの化合物の大きな生理学的作用の理由を説明する。ニコチンには多くの有益な性質があることが示されたが、ニコチンに仲介される全ての作用が望ましいわけではない。例えば、ニコチンは、治療のための投薬で妨げになる、胃腸および心臓血管への副作用を及ぼし、この中毒性と急性毒性はよく知られている。nAChRの特定のサブタイプとだけの相互作用に選択的であるリガンドは、安全性に対する余裕が増えた有益な治療効果を達成する可能性を提供する。
α7型nAChRは、学習、記憶および注意の側面を含めて、認知機能を向上させるのに重要な役割を果たすことが示されている(Levin,E.D.,J.Neurobiol.53: 633−640,2002)。例えば、α7型nAChRは、全身性機能(systemic activity)の中でも特に、注意力欠如障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老年認知症、レビー小体型認知症、ダウン症候群に付随する認知症、AIDS認知症、ピック病、さらには、統合失調症に付随する認知欠陥に関連する病状および障害に関連付けられてきた。α7型nAChRの活性は、α7型nAChRのリガンドを投与することにより修飾または調節できる。これらのリガンドはアンタゴニスト、アゴニスト、部分アゴニスト、またはインバースアゴニストであり得る。こうして、α7型のリガンドには、様々な認知障害の治療における可能性がある。
α7型nAChR調節活性を示す様々な種類の化合物が存在するが、治療法にとって有用な医薬組成物に組み入れることができる、α7型nAChRで活性を示すさらなる化合物を提供することは有益である。具体的には、他のサブタイプに比べてα7含有ニューロンnAChRと選択的に相互作用する化合物を提供することは有益である。
本発明は、スピロ環状キヌクリジンエーテル誘導体化合物、さらにはこのような化合物を含む組成物とこれらを用いる方法に関する。
本発明の化合物は、次の式:
Figure 2007515483
をもつか、またはこれの薬学的に許容される塩、エステル、アミド、もしくはプロドラッグである[式中、
n1は、0、1、または2であり;
n2は、0、1、または2であり;
Xは、O、SまたはNRからなる群から選択されるか、Xは結合であり;
Arは、次の式の基である
Figure 2007515483
(X、X、X、およびXはそれぞれ独立に、Nおよび−CRからなる群から選択され;
、Y、Yはそれぞれ独立に、N、O、S、および−CRからなる群から選択され;
は、CまたはNであり、但し、YがCである場合、Y、Y、およびYの少なくとも1つは−CR以外であり;
、Z、およびZは、それぞれ独立に、N、O、S、および−CRからなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、およびアリールスルホニルからなる群から独立に選択され;
はそれぞれの場合に、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、および−NRからなる群から独立に選択され;
およびRはそれぞれ独立に、水素およびアルキルからなる群から選択される。)。]。
本発明の別の態様は、本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。このような組成物は、nAChRの活性、より特定するとα7型nAChRの活性に関連する病状または障害の治療あるいは防止のための治療計画の通常は一部として、本発明の方法により投与できる。
本発明のさらに別の態様は、nAChRの活性、例えばα7型nAChRの活性に対する選択的調節方法に関する。この方法は、哺乳動物のα7型nAChRの活性調節に関連する病状または障害の治療および/または防止に有用である。より特定すると、本発明の方法は、他の全身性機能の中でも特に、注意力欠如障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老年認知症、AIDS認知症、ピック病、レビー小体型認知症、ダウン症候群に付随する認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、外傷性脳損傷に付随するCNSの機能低下、急性疼痛、手術後の疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、不妊、創傷治癒に伴う新しい血管成長の必要、皮膚移植の血管新生に付随する新しい血管成長の必要、および循環(より特定すると血管閉塞の周辺での循環)の欠如に関連する病状および障害にとって有用である。
本発明の化合物、本発明の化合物を含む組成物、および本発明の化合物を投与することによる病状および障害の治療または防止の方法は、本明細書においてさらに説明される。
用語の定義
本明細書において使用される特定の用語は、下に記載される次の定義に依拠するものである。
本明細書では、「アシル」という用語は、本明細書において定義したカルボニル基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルキル基を意味する。アシルの代表的な例には、これらに限らないが、アセチル、1−オキソプロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキソブチル、および1−オキソペンチルが含まれる。
本明細書では、「アシルオキシ」という用語は、酸素原子を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアシル基を意味する。アシルオキシの代表的な例には、これらに限らないが、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、およびイソブチリルオキシが含まれる。
本明細書では、「アルケニル」という用語は、2から10個の炭素原子を含み、2個の水素の除去により生成する炭素−炭素の2重結合を少なくとも1つ含む直鎖または分岐鎖の炭化水素を意味する。アルケニルの代表的な例には、これらに限らないが、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニル、および3−デセニルが含まれる。
本明細書では、「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルキル基を意味する。アルコキシの代表的な例には、これらに限らないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、およびヘキシルオキシが含まれる。
本明細書では、「アルコキシアルコキシ」という用語は、本明細書において定義した別のアルコキシ基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルコキシ基を意味する。アルコキシアルコキシの代表的な例には、これらに限らないが、tert−ブトキシメトキシ、2−エトキシエトキシ、2−メトキシエトキシ、およびメトキシメトキシが含まれる。
本明細書では、「アルコキシアルキル」という用語は、本明細書において定義したアルキル基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルコキシ基を意味する。アルコキシアルキルの代表的な例には、これらに限らないが、tert−ブトキシメチル、2−エトキシエチル、2−メトキシエチル、およびメトキシメチルが含まれる。
本明細書では、「アルコキシカルボニル」という用語は、本明細書において定義したカルボニル基(−C(O)−により表される)を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルコキシ基を意味する。アルコキシカルボニルの代表的な例には、これらに限らないが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、およびtert−ブトキシカルボニルが含まれる。
本明細書では、「アルコキシイミノ」という用語は、本明細書において定義したイミノ基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルコキシ基を意味する。代表的なアルコキシイミノの例には、これらに限らないが、エトキシ(イミノ)メチルおよびメトキシ(イミノ)メチルが含まれる。
本明細書では、「アルコキシスルホニル」という用語は、本明細書において定義したスルホニル基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルコキシ基を意味する。代表的なアルコキシスルホニルの例には、これらに限らないが、メトキシスルホニル、エトキシスルホニルおよびプロポキシスルホニルが含まれる。
本明細書では、「アルキル」という用語は、1から6個の炭素原子を含む、直鎖または分岐鎖の炭化水素を意味する。代表的なアルキルの例には、これらに限らないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、およびn−ヘキシルが含まれる。
本明細書では、「アルキルカルボニル」という用語は、本明細書において定義したカルボニル基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルキル基を意味する。代表的なアルキルカルボニルの例には、これらに限らないが、アセチル、1−オキソプロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキソブチル、および1−オキソペンチルが含まれる。
本明細書では、「アルキルカルボニルオキシ」という用語は、酸素原子を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルキルカルボニル基を意味する。代表的なアルキルカルボニルオキシの例には、これらに限らないが、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、およびtert−ブチルカルボニルオキシが含まれる。
本明細書では、「アルキルスルホニル」という用語は、本明細書において定義したスルホニル基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルキル基を意味する。代表的なアルキルスルホニルの例には、これらに限らないが、メチルスルホニルおよびエチルスルホニルが含まれる。
本明細書では、「アルキルチオ」という用語は、硫黄原子を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルキル基を意味する。代表的なアルキルチオの例には、これらに限らないが、メチルチオ、エチルチオ、tert−ブチルチオ、およびヘキシルチオが含まれる。
本明細書では、「アルキニル」という用語は、2から10個の炭素原子を含み、炭素−炭素の3重結合を少なくとも1つ含む、直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味する。アルキニルの代表的な例には、これらに限らないが、アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、および1−ブチニルが含まれる。
本明細書では、「アミド」という用語は、本明細書において定義したカルボニル基を介して本体分子部分に付いている、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノ基を意味する。アミドの代表的な例には、これらに限らないが、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、およびエチルメチルアミノカルボニルが含まれる。
本明細書では、「アリール」という用語は、単環または2環式の芳香族環系を意味する。アリールの代表的な例には、これらに限らないが、フェニルおよびナフチルが含まれる。
本発明でのアリール基は、0、1、2、3、4、または5つの置換基により置換されている:アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコシイミノ、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルスルホニル、アルキニル、アミノ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、チオアルコキシ、−NR、(NR)アルキル、(NR)アルコキシ、(NR)カルボニル、および(NR)スルホニルから独立に選択される。
本明細書では、「アリールスルホニル」という用語は、本明細書において定義したスルホニル基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアリール基を意味する。アリールスルホニルの代表的な例には、これらに限らないが、フェニルスルホニル、(メチルアミノフェニル)スルホニル、(ジメチルアミノフェニル)スルホニル、および(ナフチル)スルホニルが含まれる。
本明細書では、「カルボニル」という用語は、−C(O)−基を意味する。
本明細書では、「カルボキシ」という用語は、−COH基を意味する。
本明細書では、「シアノ」という用語は、−CN基を意味する。
本明細書では、「ホルミル」という用語は、−C(O)H基を意味する。
本明細書では、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、−Cl、−Br、−Iまたは−Fを意味する。
本明細書では、「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書において定義したアルコキシ基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したハロゲンの少なくとも1個を意味する。ハロアルコキシの代表的な例には、これらに限らないが、クロロメトキシ、2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ、およびペンタフルオロエトキシが含まれる。
本明細書では、「ハロアルキル」という用語は、本明細書において定義したアルキル基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したハロゲンの少なくとも1個を意味する。ハロアルキルの代表的な例には、これらに限らないが、クロロメチル、2−フルオロエチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、および2−クロロ−3−フルオロペンチルが含まれる。
「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、または硫黄から独立に選択されるヘテロ原子を1、2、3、または4個含む、芳香族の5員環もしくは6員環を意味する。ヘテロアリール基は炭素または窒素原子により本体分子部分に結合する。ヘテロアリールの代表的な例には、これらに限らないが、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアジニル、およびトリアゾリルが含まれる。
本発明でのヘテロアリール基は、0、1、2、または3つの置換基により置換されている:アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NR、(NR)アルキル、(NR)アルコキシ、(NR)カルボニル、および(NR)スルホニルから独立に選択される。
「2環式ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、または硫黄から独立に選択されるヘテロ原子を1、2、3、または4個含む、9員および10員の2環式縮合芳香族環、あるいはこれらの互変異性体を表す。2環式ヘテロアリール基は炭素または窒素原子により本体分子部分に結合する。2環式ヘテロアリールの代表的な例には、これらに限らないが、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、イソキノリニル、およびキノリニルが含まれる。本発明での2環式ヘテロアリール基は、0、1、2、または3つの置換基により置換されている:アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NR、(NR)アルキル、(NR)アルコキシ、(NR)カルボニル、および(NR)スルホニルから独立に選択される。
本明細書では、「ヒドロキシ」という用語は、−OH基を意味する。
本明細書では、「ヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書において定義したアルキル基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義した水酸基の少なくとも1つを意味する。ヒドロキシアルキルの代表的な例には、これらに限らないが、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシペンチル、および2−エチル−4−ヒドロキシヘプチルが含まれる。
本明細書では、「メルカプト」という用語は、−SH基を意味する。
本明細書では、「ニトロ」という用語は、−NO基を意味する。
本明細書では、「−NR」という用語は、窒素原子を介して本体分子部分に付いている2つの基、RおよびRを意味する。RおよびRはそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルキルカルボニル、またはホルミルである。−NRの代表的な例には、これらに限らないが、アミノ、メチルアミノ、アセチルアミノ、およびアセチルメチルアミノが含まれる。
本明細書では、「(NR)アルキル」という用語は、本明細書において定義したアルキル基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義した−NR基を意味する。(NR)アルキルの代表的な例には、これらに限らないが、(アミノ)メチル、(ジメチルアミノ)メチル、および(エチルアミノ)メチルが含まれる。
本明細書では、「(NR)アルコキシ」という用語は、本明細書において定義したアルコキシ基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義した−NR基を意味する。(NR)アルコキシの代表的な例には、これらに限らないが、(アミノ)メトキシ、(ジメチルアミノ)メトキシ、および(ジエチルアミノ)エトキシが含まれる。
本明細書では、「(NR)カルボニル」という用語は、本明細書において定義したカルボニル基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義した−NR基を意味する。(NR)カルボニルの代表的な例には、これらに限らないが、アミノカルボニル、(メチルアミノ)カルボニル、(ジメチルアミノ)カルボニル、および(エチルメチルアミノ)カルボニルが含まれる。
本明細書では、「(NR)スルホニル」という用語は、本明細書において定義したスルホニル基を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義した−NR基を意味する。(NR)スルホニルの代表的な例には、これらに限らないが、アミノスルホニル、(メチルアミノ)スルホニル、(ジメチルアミノ)スルホニル、および(エチルメチルアミノ)スルホニルが含まれる。
本明細書では、「スルホニル」という用語は、−S(O)−基を意味する。
本明細書では、「チオアルコキシ」という用語は、硫黄原子を介して本体分子部分に付いている、本明細書において定義したアルキル基を意味する。チオアルコキシの代表的な例には、これらに限らないが、メチルチオ、エチルチオ、およびプロピルチオが含まれる。
通常、アステリスクは、受容体の正確なサブユニット組成が確かでないことを示すために用いられることが認められているが(例えば、α3b4は、他のサブユニットとの組合せにおいてα3およびβ4タンパク質を含む受容体を示す)、本明細書では、α7という用語は、正確なサブユニット組成が確かである受容体も不確かである受容体も含むと想定されている。例えば、本明細書では、α7には、ホモメリック(α7)受容体およびα7受容体(少なくとも1つのα7サブユニットを含むnAChRを表す)が含まれる。
本発明の化合物
本発明の化合物は前記の式(I)をもち得る。より特定すると、式(I)の化合物は、次の式:
Figure 2007515483
をもつことができ、式中、Arは、式(I)の化合物に対して既に定義した通りであり、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、フェニル、−O−Rおよび−NH−R(Rは水素、アルキルおよびアリールである)からなる群から選択される。
ARとして適する環の具体的な例には、これらに限らないが、以下の式:
Figure 2007515483
Figure 2007515483
Figure 2007515483
が含まれ、式中、Rはそれぞれの場合に、式(I)の化合物に対して定義した通りであり;mはそれぞれの場合に、0、1、2、または3であり;pはそれぞれの場合に、0、1、または2であり;qはそれぞれの場合に、0、1、または2である。好ましくは、Rは水素である。
Arとして好ましい部分は、フェニル、またはアミノにより置換されたフェニルである。
通常、式(I)の化合物は、−X−Arにより表される1つの基を含む(すなわち、n2は1である)。しかし、−X−Arにより表される0または2つの基が式(I)の化合物に組み入れられている実施形態もまた想定されている。特に、2つの−X−Ar基が含まれる化合物においては、−X−Arにより表される基はそれぞれの場合に、同じまたは異なる基であり得る。一般に、このような置換は4位および6位で起こることが好ましい。
本発明の一部として想定されている具体的な実施形態には、これらに限らないが、定義した式(I)の次の化合物、またはこの薬学的に許容される塩、エステル、アミド、およびプロドラッグが含まれる:
5’−フェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン];
5’,7’−ジフェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン];
3−(3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’−イル)アニリン;
5’−フェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン];
5’,7’−ジフェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン];
7’−ブロモ−5’−フェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン];
N−フェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’−アミン;
N,N’−ジフェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’,7’−ジアミン;および
5’−(1H−インドール−5−イル)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]。
化合物の名称は、MDL Information Systems GmbH(フランクフルト、ドイツ、前身はBeilstein Informationssystemeとして知られている)により提供され、またCHEMDRAW(登録商標)ULTRA v.6.0.2ソフトウェアセットの一部である、AUTONOM命名ソフトウェアを用いることにより付与されている。
本発明の化合物は不斉中心またはキラル中心が存在する立体異性体として存在し得る。これらの立体異性体はキラル要素の回りの置換基の立体配置に応じて「R」または「S」である。本明細書では、「R」および「S」という用語は、「IUPAC 1974 Recommendations for Section E,Fundamental Stereochemistry(IUPAC 1974 セクションEへの勧告、基本立体化学)」(Pure Appl.Chem.,1976,45: 13〜30)において定義した立体配置である。本発明では、様々な立体異性体とこれらの混合物が想定されており、これらは本発明の範囲内に実際に含まれる。立体異性体には、鏡像異性体およびジアステレオマーと、鏡像異性体またはジアステレオマーの混合物が含まれる。本発明の化合物の個々の立体異性体は、不斉中心またはキラル中心を含む市販の出発物質から合成によって、あるいは、ラセミ混合物の調製とその後の、当業者によく知られた分割によって調製できる。これらの分割法の例には、(1)キラルな補助物質への鏡像異性体混合物の結合、得られるジアステレオマー混合物の再結晶もしくはクロマトグラフィーによる分離、および場合により行なわれる補助物質からの光学的に純粋な生成物の遊離(Furniss、Hannaford、Smith、およびTatchellの「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry(ボーゲルの応用有機化学教科書)」、第5版、1989年(Longman Scientific & Technical(エセックス CM20 2JE、英国)に記載されている)、あるいは、(2)キラルクロマトグラフィーカラムでの鏡像異性体混合物の直接分離、あるいは、(3)分別結晶法、がある。
本発明の化合物の調製方法
スキームおよび実施例の記述において用いられる場合、特定の省略語には次の意味があるものとする:Acはアセチル;Bnはn−ブチル;Bnはベンジル;dbaはジベンジリデンアセトン;EtOHはエタノール;EtNはトリエチルアミン;EtOAcは酢酸エチル;HPLCは高速液体クロマトグラフィー;Prはイソプロピル;PrOAcは酢酸イソプロピル;LAHは水素化アルミニウムリチウム;Meはメチル;MeOHはメタノール;NBSは、N−ブロモスクシンイミド;NMPはN−メチルピロリジン;OAcはアセトキシ;Pd/Lはパラジウム/配位子;Phはフェニル;Buはtert−ブチル;BuOはtert−ブトキシド;およびTHFはテトラヒドロフラン。
スキームにおいて例示されている反応は、用いられる反応物と材料に適合し、また行なわれる変換に適する溶剤中で実施される。記載されている変換では、本発明の望みの化合物を得るために、分子に存在する官能基に応じて、合成ステップの順序を変更すること、あるいは、別のものに優先して1つの特定のプロセススキームを選択することが必要であり得る。
窒素保護基は、記載されている化合物に存在するアミン基を保護するために使用できる。このような方法と、適当ないくつかの窒素保護基は、GreeneとWuts(Protective Groups In Organic Synthesis(有機合成における保護基),Wiley and Sons,1999)に記載されている。例えば、適切な窒素保護基には、これらに限らないが、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、ベンジル(Bn)、アセチル、およびトリフルオロアセチルが含まれる。より詳細には、Boc保護基は、トリフルオロ酢酸または塩酸などの酸による処理によって除去できる。CbzおよびBn保護基は、触媒を用いる水素化により除去できる。アセチルおよびトリフルオロアセチル保護基は水酸化物イオンにより除去できる。
下に記載される方法では、様々な鏡像異性体の使用を伴うことがある。立体化学がスキームに示されている場合、例示のためだけにこうされている。
Figure 2007515483
式(5)および(6)の縮合キヌクリジンエーテルを、スキーム1に記載されているようにして調製することができる。3−キヌクリジノン(1)を、有機溶剤(例えばテトラヒドロフラン)中で式(2)の置換グリニャール試薬により処理して、式(3)の3(2−フルオロベンジル)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールを得ることができ、これは、カリウムtert−ブトキシドにより処理されて、式(4)のスピロ[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−(3,2’)]−(2’,3’)−ジヒドロベンゾフランのラセミ混合物を与える。当業者によく知られている方法を用いて、このラセミ体を、D−酒石酸によるか、あるいは、Chiracel(登録商標)−ODクロマトグラフィーカラムでのキラルHPLCクロマトグラフィーによる分割によって個々の異性体に分割して、それぞれ式(5)および(6)の(R)−および(S)−異性体を得ることができる。
Figure 2007515483
5’−ブロモ−スピロ[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−(3,2’)]−2(2’,3’)−ジヒドロベンゾフラン化合物(7)および5’,7’−ジブロモ−スピロ[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−(3,2’)]−2(2’,3’)−ジヒドロベンゾフラン(8)を、スキーム2に示されているようにして調製することができる。1つの方法では、式(5)の化合物は、酢酸およびアセトニトリル中でN−ブロモスクシンイミドにより処理されて、式(7)の化合物を与える。別法では、式(5)の化合物を弱酸(例えば酢酸)中で臭素により処理して、式(8)の化合物を得ることができる。同様に、スキーム1による式(6)の(S)−鏡像異性体化合物を式(5)の化合物の代わりに用いて、式(9)の対応する臭素化化合物を得ることができる。
Figure 2007515483
式(16)および(17)のクロロ置換縮合キヌクリジンエーテルを、スキーム3に記載されているようにして調製することができる。式(10)のフルオロ−クロロ−置換フェニルカルボン酸は、水素化アルミニウムリチウムにより還元されて、式(11)の対応するアルコールを与える。式(11)のアルコールはHBrにより処理されて式(12)の化合物を与え、これらは、マグネシウムにより処理されて、式(13)のグリニャール試薬を与える。式(13)のグリニャール試薬を3−キヌクリジノンと反応させて、式(14)の3−(2−フルオロ−4−クロロ−ベンジル)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールを得ることができ、これは、カリウムtert−ブトキシドにより処理されて、式(15)のスピロ[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−(3,2’)]−(2’,3’)−ジヒドロベンゾフランのラセミ混合物を与える。スキーム1で記載したように、このラセミ体を、D−酒石酸によるか、あるいは、Chiracel(登録商標)−ODクロマトグラフィーカラムでのキラルHPLCクロマトグラフィーによる分割によって個々の異性体に分割して、それぞれ式(16)および(17)の(R)−および(S)−異性体を得ることができる。
Figure 2007515483
式(23)により表されるように、Xが結合である式(I)の化合物を、スキーム4に記載されている方法により調製することができる。式(20)の化合物(これには、前のスキーム1〜3において示した式(5)、(6)、(16)、および(17)の化合物が含まれる)を、パラジウム・配位子の存在の下でビス(ピナコラート)ジボロンと反応させて、式(21)のボロン酸エステルを得ることができる。式(21)のボロン酸エステルは、パラジウム・配位子の存在の下で、望みの基Arのハロゲン化物(式(22)、Arは式(I)に対して定義した任意の基であってよく、X’は塩素、臭素、またはヨウ素である)により処理されて、式(23)の化合物を与える。
別法として、式(20)の化合物を、パラジウム触媒の存在の下で、式(I)に対して定義した望みの基Arをもつ対応するスズまたはホウ素試薬と反応させて、式(23)の化合物を得てもよい。また、式(20)の化合物を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在の下で、ヘキサメチルジスタンナン(hexamethylditin)と反応させて対応する式(25)の化合物を得て、これを、望みのAr基の塩化物、臭化物、またはヨウ化物と反応させて、式(23)の化合物を得ることもできる。
Figure 2007515483
式(31)の化合物により表される、XがOである式(I)の化合物を、スキーム5に従って調製することができる。式(20)の化合物を、Org.Lett.2002,4,1623、に記載されているように、CuClの存在の下で、式(30)の化合物(Arは式(I)に対して定義した通りである)、2,2,6,6−テトラメチル−へプタン−3,5−ジオン、およびCsCOにより処理して、式(31)の化合物を得ることができる。
別法として、式(20)の化合物を、式(32)のベンジルアルコールにより処理して、式(33)の化合物を得てもよい。式(33)の化合物を水素化して式(34)の化合物を得ることができ、これらは、CuClの存在の下で、式(22)の望みの基Arのハロゲン化物、2,2,6,6−テトラメチル−へプタン−3,5−ジオン、およびCsCOにより処理されて、式(31)の望みの化合物を与える。
Figure 2007515483
式(36)で定義される、XがNRである式(I)の化合物を、スキーム6に記載されているようにして調製することができる。式(20)の化合物を、Org.Lett.2002,4,3481、に記載されているように、パラジウム触媒と配位子の存在の下で、式(35)の化合物(ArおよびRは、式(I)に対して定義した通りである)により処理して、式(36)の化合物を得ることができる。
別法として、式(20)の化合物を、パラジウム触媒と配位子の存在の下で、式(37)の化合物(Rは式(I)に対して定義した通りである)により処理して、式(38)の化合物を得てもよい。式(38)の化合物を水素化して式(39)の化合物を得て、これを、式(22)の化合物と反応させて、式(36)の化合物を得ることができる。
本発明の化合物と中間体は、有機合成の分野の技術者に、よく知られている方法によって、単離または精製できる。例えば、Furniss、Hannaford、Smith、およびTatchellによる「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry(ボーゲルの応用有機化学教科書)」、第5版、1989年(Longman Scientific & Technical(エセックス CM20 2JE、英国)刊)に記載されているように、化合物を単離および精製する通常の方法の例には、これらに限らないが、シリカゲル、アルミナ、またはアルキルシラン基により変性されたシリカなどの固体担体(solid support)でのクロマトグラフィー、高温または低温での再結晶(場合によっては、活性炭により前処理される)、薄層クロマトグラフィー、様々な圧力での蒸留、真空の下での昇華、ならびに、粉砕洗い(trituration)が含まれる。
本発明の化合物は少なくとも1個の塩基性窒素をもっているので、本発明の化合物は酸により処理されて望みの塩を生成し得る。例えば、ある化合物は、室温で、または室温より高温で酸と反応して、望みの塩を生成し得る(この塩は冷却後に、沈着し、濾過により捕集される)。この反応に適する酸の例には、これらに限らないが、酒石酸、乳酸、コハク酸、さらに、マンデル酸、アトロラクチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、炭酸、フマル酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸、またはヒドロキシ酪酸、カンファースルホン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、などが含まれる。
本発明の組成物
本発明はまた、薬学的に許容される担体(carrier)と組み合わせて、治療有効量の式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。本発明の組成物は、1種または複数の無毒の薬学的に許容される担体と一緒に製剤された本発明の化合物を含む。この医薬組成物は、固体または液体の形で経口投与用に、非経口注射用に、または直腸投与用に製剤できる。
本明細書では、「薬学的に許容される担体」という用語は、無毒で不活性な固体、半固体もしくは液体のフィラー、稀釈剤、カプセル化材料または任意の種類の製剤助剤を意味する。薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例は、糖、例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびこの誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;粉末トラガント;モルト;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐薬用ワックス;油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、コーン油および大豆油;グリコール、例えばプロピレングリコール;エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェンフリー水;生理食塩水(isotonic saline);リンゲル液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝液、ならびに、他の無毒で適合性のある滑剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムであり、さらには、着色剤、離型剤、被覆剤、甘味剤、香料および芳香剤、保存剤および抗酸化剤もまた、製剤の分野の技術者の判断に応じて、本発明の組成物に存在し得る。
本発明の医薬組成物は、ヒトおよび他の哺乳動物に、経口投与、直腸投与、非経口投与、槽内(intracisternal)投与、膣内投与、腹腔内投与、局所投与(粉末、軟膏またはドロップとして)、口腔内(bucal)投与により、あるいは、口腔もしくは鼻腔スプレーとして投与できる。本明細書では、「非経口」という用語は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下、関節内への注射と注入が含まれる投与方式を表す。
非経口注射のための医薬組成物には、薬学的に許容される滅菌された水性または非水性の溶液、分散体、懸濁液またはエマルジョンと、滅菌された注射可能な溶液もしくは分散体に再溶解される滅菌された粉末とが含まれる。適切な水性および非水性の担体、稀釈剤、溶剤またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなどと、これらの適切な混合物)、植物油(例えばオリーブ油)と、注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチル、あるいはこれらの適切な混合物が含まれる。組成物の適切な流動性は、例えば、レシチンなどの被覆剤の使用により、分散体の場合には必要とされる粒径の維持により、また、界面活性剤の使用により保たれ得る。
これらの組成物はまた、保存剤、濡れ剤(wetting agent)、乳化剤、および分散剤などのアジュバントも含み得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸など)によって確実に行われ得る。等張化剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を含めることもまた望ましいことであり得る。注射可能な製剤(pharmaceutical form)の長く続く吸収は、吸収を遅らせる作用剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の使用により実現できる。
いくつかの場合において、薬剤の作用が長く続くように、皮下または筋肉内への注射による薬剤の吸収を遅らせると望ましいことが多い。これは、水への溶解性に乏しい結晶性またはアモルファス材料の懸濁液を用いることにより実現できる。薬剤の吸収速度は、この材料の溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶の大きさとクリスタリットの形に応じて決まるである。別法として、非経口投与される製剤を、オイルビヒクルに薬剤を溶かすか、または懸濁させることにより投与してもよい。
懸濁液は、活性化合物以外に、懸濁剤(例えば、ポリオキシエチレン(ethoxylated)イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、マイクロクリスタリンセルロース、水酸化酸化アルミニウム(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、寒天、トラガント、およびこれらの混合物)を含み得る。
望ましい場合、また、より効果的に配分されるように、本発明の化合物を、徐放系または標的へのデリバリー系(例えばポリマーマトリックス、リポソーム、およびマイクロスフィア)に組み入れてもよい。これらは、例えば、バクテリアを通さないフィルターによる濾過により、あるいは、滅菌剤を組み入れて滅菌固体組成物(使用直前に、滅菌された水または何らかの他の滅菌された注射可能媒体に溶かすことができる)の形とすることにより、滅菌できる。
注射可能なデポー剤の形は、ポリラクチド・ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中の薬剤のマトリックスをマイクロカプセル化することにより製造される。ポリマーに対する薬剤の比率と、用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬剤の放出速度は制御できる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)(poly(anhydride))が含まれる。注射可能なデポー製剤(formulation)はまた、リポソームに、または体の組織に適合性があるマイクロエマルジョンに薬剤を閉じ込めることによっても調製される。
注射可能な製剤は、例えば、バクテリアを通さないフィルターによる濾過により、あるいは、滅菌剤を組み入れて滅菌固体組成物(使用直前に、滅菌された水または別の滅菌された注射可能媒体に溶かすか、分散させることができる)の形とすることにより、滅菌できる。
注射可能な製剤、例えば、注射可能な水性または油性の滅菌された懸濁液は、適切な分散または濡れ剤と懸濁剤を用いて、知られている技術により製剤できる。滅菌された注射可能な製剤はまた、溶剤中の滅菌された注射可能な溶液、懸濁液もしくはエマルジョンまたは非経口的に許容される無毒な稀釈剤(例えば、1,3−ブタンジオール溶液)でもあり得る。使用することができ、許容されるビヒクルおよび溶剤の中には、水、リンゲル液、U.S.P.および等張の塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌された不揮発性油は、溶剤または懸濁媒体として都合よく使用できる。この目的には、合成モノ−またはジグリセリドを含めて、刺激のない(bland)不揮発性油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射液の調製に使用される。
経口投与のための固形剤形(dosage form)には、カプセル、錠剤、丸剤(pill)、粉末、および顆粒が含まれ、このような固形の剤形においては、本発明の1種または複数の化合物が、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの薬学的に許容される不活性担体の少なくとも1種、および/または、a)フィラーもしくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびサリチル酸;b)バインダー、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシア;c)湿潤剤(humectant)、例えばグルセロール;d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはトウモロキシのデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム;e)溶解遅延剤(solution retarding agent)、例えばパラフィン;f)吸収促進剤、例えば、第4級アンモニウム化合物;g)濡れ剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール;h)吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイトクレー;i)滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム;ならびにこれらの混合物と混合される。カプセル、錠剤および丸薬の場合には、この剤形はまた、緩衝剤も含み得る。
類似のタイプの固形組成物は、ラクトースすなわち乳糖、さらには、高分子量ポリエチレングリコールを用いて、ソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルにおけるフィラーとして用いられ得る。
錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬、および顆粒の固形剤形は、溶腸性の被覆および医薬製剤分野においてよく知られている他の被覆などの被覆とシェルを付けて調製できる。これらは、不透明化剤を、場合によっては含んでいてもよく、また、これらは、腸管の特定の部分においてのみ、あるいはそこで優先的に、(複数の)活性成分を遅れて放出する組成物の形でもあり得る。活性剤の延遅放出に有用な材料の例としては、高分子物質およびワックスが含まれ得る。
好ましくは、直腸または膣内投与のための組成物は坐薬であり、これらは、本発明の化合物を、室温では固体であるが体温では液体であるため、直腸または膣腔において溶融し、活性化合物を放出する適切な非刺激性の担体(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐薬用ワックス)と混合することにより調製できる。
経口投与のための液体の剤形には、薬学的に許容される、エマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が含まれる。活性成分以外に、液体の剤形は、例えば、水、あるいは、他の溶剤、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ピーナッツ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物)などの、当技術分野において一般に使用される不活性稀釈剤を含み得る。
不活性稀釈剤以外に、本発明の経口組成物はまたアジュバントも、例えば、濡れ剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香料および芳香剤もまた含み得る。
本発明の化合物の局所投与または皮下投与のための剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー剤、吸入剤またはパッチが含まれる。本発明の望ましい化合物は、滅菌された状態の下で、薬学的に許容される担体および必要とされる保存剤もしくは求められることがある緩衝剤と混合される。目のための製剤、点耳剤、眼軟膏剤、粉末および溶液もまた、本発明の範囲内にあると想定されている。
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性成分以外に、動物性および植物性の脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。
粉末およびスプレー剤は、本発明の化合物以外に、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含み得る。スプレー剤は、クロロフルオロハイドロカーボンなどの通常の噴射剤(propellant)をさらに含み得る。
本発明の化合物はまた、リポソームの形態において投与できる。当技術分野において知られているように、リポソームは、通常、リン脂質または他の脂質物質から誘導される。リポソームは、水性媒体に分散した、1層または多層の水和した液晶により形成される。リポソームを形成することが可能で、生理学的に許容され、代謝可能な無毒の脂質が使用できる。リポソーム状の本発明の組成物は、本発明の化合物以外に、安定剤、保存剤などを含み得る。好ましい脂質は、別個に、あるいは一緒に使用される、天然および合成のリン脂質とホスファチジルコリン(レシチン)である。
リポソームを形成する方法は、当技術分野において知られている。例えば、Prescott編の「Methods in Cell Biology(細胞生物学の方法)」、XIV巻(Academic Press、ニューヨーク、ニューヨーク州、1976年)の33ページ以後を参照。
本発明の化合物の局所投与のための剤形には、粉末、スプレー剤、軟膏および吸入剤が含まれる。活性化合物は、滅菌された状態の下で、薬学的に許容される担体および必要とされる保存剤、緩衝剤または噴射剤と混合される。目のための製剤、眼軟膏剤、粉末および溶液もまた、本発明の範囲内にあると想定されている。本発明の水性液体組成物もまた特に有用である。
本発明の化合物は、無機または有機の酸から誘導される、薬学的に許容される塩、エステル、またはアミドの形で使用できる。本明細書では、「薬学的に許容される塩、エステルおよびアミド」という用語には、健全な医療上の判断の範囲内で、甚だしい毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒトおよび下等動物の組織に接触して使用されるのに適し、利益/危険(benefit/risk)の比が理に適ったものであり、意図されるそれらの用途で効果的である、式(I)の化合物の塩、両性イオン、エステルおよびアミドが含まれる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、健全な医療上の判断の範囲内で、甚だしい毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒトおよび下等動物の組織に接触して使用されるのに適し、利益/危険の比が理に適ったものである塩を表す。薬学的に許容される塩は当技術分野においてよく知られている。これらの塩は、本発明の化合物の最終の単離と精製の間にin situに、あるいは、遊離の塩基性官能基を適切な有機酸と反応させることによって別途調製されてもよい。
代表的な酸付加塩には、これらに限らないが、以下が含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、二グルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩。
また、塩基性窒素含有基は以下のような作用剤により第4級化できる:低級アルキルのハロゲン化物、例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;硫酸ジアルキル、例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル、および硫酸ジアミル;長鎖ハロゲン化物、例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;アリールアルキルハロゲン化物、例えば、ベンジルおよびフェニチルの臭化物;その他。
薬学的に許容される酸付加塩を生成するために用いられ得る酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸と、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、およびクエン酸などの有機酸とが含まれる。水または油に溶解性または分散性の生成物をこれにより得る。
塩基付加塩は、カルボン酸含有部分を適切な塩基(例えば、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩)と、あるいは、アンモニアまたは有機第1級、第2級もしくは第3級アミンと反応させることによって、本発明の化合物の最終の単離と精製の間にin situで調製できる。薬学的に許容される塩には、これらに限定されないが、アルカリもしくはアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)に基づくカチオン、およびアルミニウムの塩などと、無毒の第4級のアンモニアおよびアミン(アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミンなどが含まれる)のカチオンの塩が含まれる。塩基付加塩の生成に有用な他の代表的有機アミンには、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、およびピペラジンが含まれる。
本明細書では、「薬学的に許容されるエステル」という用語は、インビボで加水分解する本発明の化合物のエステルを表し、これらには、人体において容易に分解して、元の化合物またはこの塩となるものが含まれる。薬学的に許容される無毒の本発明のエステルの例には、C〜CアルキルエステルおよびC〜Cシクロアルキルエステルが含まれ、C〜Cアルキルエステルが好ましい。式(I)の化合物のエステルは、通常の方法により調製できる。薬学的に許容されるエステルは、水酸基を含む本発明の化合物と、酸およびアルキルカルボン酸(例えば酢酸)との、あるいは、酸およびアリールカルボン酸(例えば安息香酸)との反応により、水酸基上に付けられ得る。カルボン酸基を含む本発明の化合物の場合においては、薬学的に許容されるエステルは、この化合物と、塩基(例えばトリエチルアミン)およびアルキルハロゲン化物、アルキルトリフィラート(trifilate)との、例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化ベンジル、ヨウ化シクロペンチルとの反応により、カルボン酸基を含む化合物から調製される。これらはまた、本発明の化合物と、酸(例えば塩酸)およびアルキルカルボン酸(例えば酢酸)との、あるいは、酸およびアリールカルボン酸(例えば安息香酸)との反応によって調製できる。
本明細書では、「薬学的に許容されるアミド」という用語は、アンモニア、C〜Cアルキル第1級アミンおよびC〜Cジアルキル第2級アミンから誘導される、本発明の無毒のアミドを表す。第2級アミンの場合において、このアミンはまた1個の窒素原子を含む5員または6員の複素環の形であってもよい。アンモニア、C〜Cアルキル第1級アミドおよびC〜Cジアルキル第2級アミドから誘導されるアミドが好ましい。式(I)の化合物のアミドは、通常の方法により調製できる。薬学的に許容されるアミドは、第1級もしくは第2級アミン基を含む本発明の化合物から、アミノ基を含む本発明の化合物とアルキル無水物、アリール無水物、ハロゲン化アシル、またはハロゲン化アロイル(aroyl)との反応によって、調製できる。カルボン酸基を含む本発明の化合物の場合においては、薬学的に許容されるエステルは、この化合物と、塩基(例えばトリエチルアミン)、脱水剤(例えばジシクロヘキシルカルボジイミドもしくはカルボニルジイミダゾール)、およびアルキルアミン、ジアルキルアミン(例えば、メチルアミン、ジエチルアミン、ピペリジン)との反応により、カルボン酸基を含む化合物から調製される。これらはまた、脱水条件の下で(例えばモレキュラーシーブを添加して)、本発明の化合物と、酸(例えば硫酸)およびアルキルカルボン酸(例えば酢酸)との、あるいは、酸およびアリールカルボン酸(例えば安息香酸)との反応により調製できる。本発明の組成物は、薬学的に許容されるプロドラッグの形としての本発明の化合物を含み得る。
本明細書では、「薬学的に許容されるプロドラッグ」または「プロドラッグ」という用語は、健全な医療上の判断の範囲内で、甚だしい毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒトおよび下等動物の組織に接触して使用されるのに適し、利益/危険の比が理に適ったものであり、意図されるそれらの用途で効果的である、本発明の化合物のプロドラッグを表す。本発明のプロドラッグは、インビボで、例えば血中での加水分解によって、元の式(I)の化合物へと迅速に転換できる。綿密な検討が、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(新規デリバリーシステムとしてのプロドラッグ),V.14,A.C.S.Symposium Series、およびEdward B.Roche編、「Bioreversible Carriers in Drug Design(薬物設計における生体内可逆担体)」(American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987年)においてなされている。
本発明では、化学的に合成されたか、あるいは、インビボで生体内変換により式(I)の化合物になる薬学的に活性な化合物が想定されている。
本発明の方法
本発明の化合物および組成物は、nAChR、より特定するとα7型nAChRの作用を調節するのに有用である。特に、本発明の化合物および組成物は、α7型nAChRにより調節される障害を治療および防止するのに使用できる。通常、このような障害は、好ましくは、例えば治療計画の一部として、本発明の化合物または組成物を、単独で、もしくは他の活性剤と組み合わせて投与することによって、哺乳動物におけるα7型nAChRを選択的に調節することにより改善できる。
本発明の化合物には、それらに限らないが実施例に具体的に記載されている化合物を含めて、nAChR、より特定するとα7型nAChRに対するアフィニティがある。α7型nAChRのリガンドとして、本発明の化合物は、α7型nAChRが介在する多くの疾患または病状の治療と防止に有用であり得る。
例えば、α7型nAChRは、学習、記憶および注意の側面を含めて、認知機能を向上させるのに重要な役割を果たしていることが示されている(Levin,E.D.,J.Neurobiol.53: 633−640,2002)。このため、α7型のリガンドは、認知障害(例えば、注意力欠如障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老年認知症、AIDS認知症、ピック病、レビー小体型認知症、およびダウン症候群に付随する認知症、さらには、統合失調症に付随する認知欠陥が含まれる)の治療に適している。
さらに、α7含有nAChRは、in vitro(Jonnala,R.B.and Buccafusco,J.J.,J.Neurosci.Res.66: 565−572,2001)およびin vivo(Shimohama,S.et al.,Brain Res.779: 359−363,1998)の両方において、ニコチンの神経保護作用に関与していることが示されている。より詳細には、神経変性はいくつかの進行性CNS障害(これらに限らないが、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、レビー小体型認知症、さらには、外傷性脳損傷により生じるCNSの機能低下が含まれる)を引き起こす。例えば、アルツハイマー病に関連するβ−アミロイドペプチドによる、α7型nAChRの損傷された機能は、この疾患に付随する認知欠陥の進展における重要な要因として関連が認められている(Liu,Q.−S.,Kawai,H.,Berg,D.K.,PNAS 98: 4734−4739,2001)。α7型nAChRの活性化は、この神経毒性を阻止することが示されている(Kihara,T.et al.,J.Biol.Chem.276: 13541−13546,2001)。このため、α7型の活性を増大させる選択的リガンドは、アルツハイマー病および他の神経変性疾患による欠陥を阻止することができる。
統合失調症は、知覚、認知、および情動における異常に特徴がある複雑な疾患である。死後の検体におけるこれら受容体の欠陥の判定を含めて、相当な証拠がこの疾患におけるα7型nAChRの関与に関連付けられる(Leonard,S.Eur.J.Pharmacol.393: 237−242,2000)。感覚処理(ゲーティング)における欠陥は、統合失調症の特徴の1つである。これらの欠陥はα7型nAChRで作動するニコチン性リガンドにより正常化できる(Adler L.E.et al.,Schizophrenia Bull.24: 189−202,1998; Stevens,K.E.et al.,Psychopharmacology 136: 320−327,1998)。こうして、α7型のリガンドは統合失調症の治療における可能性をはっきりと示している。
血管形成(新しい血管の成長に含まれる過程)は、創傷治癒、皮膚移植の血管新生、および循環の増加(例えば、血管閉塞の周辺での循環の増加)などの有益な全身性機能において重要である。ニコチンなどの非選択的nAChRアゴニストは、血管形成を刺激することが示された(Heeschen,C.et al.,Nature Medicine 7: 833−839,2001)。血管形成の増進は、α7型nAChRの活性化に関連することが示された(Heeschen,C.et al,J.Clin.Invest.110: 527−536,2002)。このように、α7サブタイプに選択的であるnAChRリガンドにより、副作用プロフィールの改善を伴いながら、血管形成を刺激する可能性が増す。
脊髄におけるα7型nAChRの集団が、ニコチン性化合物の疼痛寛解効果に関連付けられてきたセロトニン作動性伝達を調節する(Cordero−Erausquin,M.and Changeux,J.−P.PNAS 98:2803−2807,2001)。α7型nAChRのリガンドは、急性疼痛、手術後の疼痛、さらには慢性疼痛状態(炎症性疼痛および神経因性疼痛が含まれる)が含まれる疼痛状態の治療のための薬物治療の可能性をはっきりと示している。さらに、α7型nAChRは、炎症反応に関与する初代(primary)マクロファージの表面で発現され、α7型受容体のこの活性化により、炎症反応の引き金となるTNFおよび他のサイトカインの放出が抑制される(Wang,H.et al Nature 421: 384−388,2003)。このように、α7型の選択的リガンドは、炎症および疼痛を伴う病状の治療の可能性をはっきりと示している。
哺乳動物の精子先体反応は、精子による卵子の受精における重要な開口分泌過程である。精子細胞上のα7型nAChR活性化は、先体反応にとって欠かせないことが示された(Son,J.−H.and Meizel,S.Biol.Reproduct.68: 1348−1353 2003)。結果として、α7型の選択的作用物質は、受胎障害の治療にとって有用であることをはっきりと示している。
本発明の化合物は、認知、神経変性、および統合失調症に影響を及ぼす病状または障害の治療および防止に特に有用である。
統合失調症に付随する認知障害は、正常に活動する患者の能力を限られたものにする(普通に受けられる治療法、例えば非定型抗精神病薬による治療によっては適切に治療されない症状)ことが多い(Rowley,M.et al.,J.Med.Chem.44: 477−501,2001)。このような認知欠陥は、特に、α7型受容体での活性の低下による、ニコチン性コリン作動性系の機能障害に関連付けられている(Friedman,J.I.et al.,Biol Psychiatry,51: 349−357,2002)。こうして、α7型受容体の活性化剤は、非定型抗精神病薬による治療を受けている統合失調症患者における認知機能を向上させるための有用な治療法を提供し得る。このように、α7型nAChRのリガンドと非定型抗精神病薬を組み合わせると治療の有効性が増すである。適切な非定型抗精神病薬の具体例には、これらに限らないが、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、キエタピン(quietapine)、ジプラシドン、ゾテピン、イロペリドンなどが含まれる。
本発明の医薬組成物における活性成分の実際の投薬レベルは、特定の患者、組成物および投与方式で、望みの治療効果を実現するのに有効である、ある量の(複数の)活性化合物を確保するように、変更できる。選択される投薬レベルは、特定の化合物の活性、投与経路、治療されている病状の重篤度と病状と、治療されている患者の以前の病歴に応じて決まるである。しかし、望みの治療効果を達成するのに必要とされるものより少ないレベルで本発明の化合物の投薬を開始し、望みの効果が得られるまで投薬量を徐々に増やすことは、当分野の技術の範囲内である。
上の、または他の治療において使用される場合、治療有効量の本発明の化合物の1つは、そのものとしての形で、あるいは、薬学的に許容される塩、エステル、アミドまたはプロドッラグの形で(このような形が存在する場合)、用いられ得る。別法として、本発明の化合物は、関心のある本発明の化合物を薬学的に許容される担体の1種または複数と組み合わせて含む医薬組成物として投与できる。「治療有効量」の本発明の化合物という句は、どのような医療処置に対しても妥当で理に適った利益/危険の比で、障害を治療するのに十分な量の化合物を意味する。しかし、本発明の化合物および組成物の1日当たりの全使用量は、健全な医療上の判断の範囲内で、手当てをする医師によって決められることが理解される。特定の患者に対する治療に有効な具体的投薬レベルは、以下が含まれる様々な要素に応じて決まる:治療されている障害と障害の重篤度;用いられる特定の化合物の活性;用いられる特定の組成物;患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別および常食;用いられる特定の化合物の投与時間、投与経路、および排出速度;治療の期間;用いられる特定の化合物と組み合わせて、または同時に使用される薬剤;ならびに、医療技術においてよく知られている同様の要素。例えば、望みの治療効果を達成するのに必要とされるものより少ないレベルで本発明の化合物の投薬を開始し、望みの効果が得られるまで投薬量を徐々に増やすことは、十分に、当分野の技術の範囲内にある。
ヒトまたは下等動物に投与される、本発明の化合物の1日当たりの全投薬量は、約0.10mg/体重1kgから1g/体重1kgの範囲である。より好ましくは、投薬量は、約0.10mg/体重1kgから100mg/体重1kgの範囲である得る。望ましい場合には、効果のある1日当たりの投薬量は、投与用に、複数回の投薬に分割できる。結果として、1回分の投薬組成物は、1日分の投薬量となるように、1日分の量か、あるいはこの約量を含む。
本発明の化合物と方法は、以下の実施例と比較例(これらは本発明の例示であり、この範囲を限定しようとするものではない)を参照することによって、よりよく理解される。
(実施例1)
5’−フェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]の塩酸塩
(実施例1A)
3−キヌクリジノン
3−キヌクリジノン塩酸塩(Aldrich,16.1g、100mol)を、飽和NaHCO(20mL)により、室温で10分間処理した。次に、これをジエチルエーテル(4×100mL)で抽出した。抽出液を合わせて、塩水(brine)(2×20mL)で洗い、MgSO(Aldrich、無水)で乾燥した。濾過により乾燥剤を除去し、濾液を室温で減圧下に濃縮して、白色固体として表題の化合物を得た(11.0g、収率 88%)。MS(DCI/NH)m/z 126(M+H)
(実施例1B)
3−(2−フルオロベンジル)キヌクリジン−3−オール
削り状のマグネシウム(Aldrich,1.20g、50mmol)とI(Aldrich、10mg)をジエチルエーテル(Aldrich、無水、20mL)に一緒に入れ、臭化2−フルオロベンジル[Aldrich、5.70g、50mmol、ジエチルエーテル(200mL)中]により室温で処理した。反応が開始した後(茶色が薄くなる)、臭化2−フルオロベンジルのエーテル溶液を加え続けて、反応温度を保った(≦30℃)。添加終了後、混合物を室温で4時間攪拌した。実施例1Aの生成物(3.75g、30mmol、ジエチルエーテル(20mL)中)を0〜5℃で加えた。次に、反応混合物を室温で10時間攪拌した。次いで、それを0℃の水(20mL)で冷却し、エーテルを減圧下に除去した。残留物をCHCl:イソプロピルアルコール(10:1、3×300mL)で抽出した。抽出液を合わせて濃縮した。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH・HO、90:10:1、R 0.10)により油(4.72g、収率 67%)として精製した。
Figure 2007515483
(実施例1C)
3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]
テトラヒドロフラン(100mL)中の1Bの生成物(4.48g、19mmol)を、カリウムtert−ブトキシド(Aldrich、4.26g、38mmol)により、65℃で6時間処理した。反応をTLCでモニターした。反応終了後、それを濃縮し、残留物をCHCl(100mL)で稀釈し、塩水(2×20mL)で洗った。有機物溶液を濃縮し、表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH・HO、90:10:1、R 0.30)により油(3.12g、収率 76%)として精製した。
Figure 2007515483
(実施例1D)
3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]の塩酸塩
実施例1Cの生成物(180mg、0.84mmol)を、EtOAc(5mL)中、HCl(Aldrich、ジオキサン中、4M、0.5mL、2mmol)により、室温で10時間処理した。表題の化合物を固体(200mg、収率 95%)として得た。
Figure 2007515483
(実施例1E)
5’−ブロモ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]
1Cの生成物(2.80g、13mmol)を、MeCN/HOAc(体積比 5:1、120mL)中、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(Aldrich、3.56g、20mmol)により、0℃から室温で20時間処理した。反応終了後、それを室温で減圧下に濃縮した。残留物をEtOAc(200mL)で稀釈し、塩水(2×20mL)で洗った。有機物溶液を減圧下に濃縮し、表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH・HO、90:10:1、R 0.35)により油(2.9g、収率 70%)として精製した。
Figure 2007515483
(実施例1F)
5’−ブロモ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]の塩酸塩
実施例1Eの生成物(230mg、0,78mmol)を、EtOAc(5mL)中、HCl(Aldrich、ジオキサン中、4M、0.5mL、2mmol)により、室温で10時間処理した。表題の化合物を固体(140mg、収率 54%)として得た。
Figure 2007515483
(実施例1G)
5’−フェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]
の下で、NaCO(水溶液、2M、2mL,4mmol)およびエタノール(8mL)中の、1Eの生成物(200mg、0.68mmol)、フェニルボロン酸(Aldrich,276mg、1.36mmol)、Pd(dba)(Strem Chemicals、12.4mg、0.014mmol)および1,3−ビス(2,6−ジ−i−プロピルフェニル)イミダゾリニウム塩化物(Strem Chemicals、95%、18.3mg、0.041mmol)の混合物を、80℃で15時間攪拌した。反応をTLCによりモニターした。反応収量後、それを減圧下に濃縮し、残留物をEtOAc(30mL)で稀釈した。次に、それを塩水(2×5mL)で洗った。有機物溶液を濃縮し、表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH・HO、90:10:2、R 0.40)により油(90mg、収率 45%)として精製した。
Figure 2007515483
(実施例1H)
5’−フェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]の塩酸塩
実施例1Gの生成物(90mg、0.31mmol)を、EtOAc(5mL)中、HCl(Aldrich、ジオキサン中、4M、0.2mL、0.8mmol)により、室温で10時間処理した。表題の化合物を固体(60mg、収率 59%)として得た。
Figure 2007515483
(実施例2)
5’,7’−ジフェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]のトリフルオロ酢酸塩
(実施例2A)
5’,7’−ジブロモ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]
1Cの生成物(1.50g、7.0mmol)およびNaOAc・3HO(Aldrich、9.52g、70mmol)を、HOAc水溶液(50%、10mL)に溶かし、60℃まで温めた。その間に、臭素(Aldrich、0.73mL、2.28g、14.3mmol)を、HOAc水溶液(50%、10mL)に溶かし、上の混合物に60℃でゆっくりと加えた。添加終了後、反応物を60℃でさらに30分間攪拌した。次に、反応混合物を室温まで冷ました。飽和NaCO水溶液をゆっくりと加えて、pHをpH=10に調節した。次に、得られた混合物を、EtOAc(3×100mL)により抽出した。抽出液を合わせて、濃縮した。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH・HO、90:10:1、R 0.40)により油(1.18g、収率 45%)として精製した。
Figure 2007515483
(実施例2B)
5’,7’−ジブロモ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]の塩酸塩
実施例2Aの生成物(100mg、0.27mmol)を、EtOAc(5mL)中、HCl(Aldrich、ジオキサン中、4M、0.2mL、0.8mmol)により、室温で10時間処理した。表題の化合物を固体(70mg、収率 63%)として得た。
Figure 2007515483
(実施例2C)
5’,7’−ジフェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]のトリフルオロ酢酸塩
2Bの生成物(250mg、0.68mmol)を、実施例1Gの少手順により、フェニルボロン酸(Aldrich、550mg、4.50mmol)とカップリングさせた。表題の化合物を、分取(preparative)HPLC(Gilson、カラムはSymmetry(登録商標)G8 7μm、40×100mm、溶剤はMeCN/HO(0.2体積%のTFA)(20分間で、体積比 90/10から10/90)、流量は75mL/min、uv、250nM)により固体(60mg、収率 18%)として精製した。
Figure 2007515483
(実施例3)
3−(3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’−イル)アニリンのトリフルオロ酢酸塩
(実施例3A)
3−(3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’−イル)アニリン
1Eの生成物(200mg、0.68mmol)を、実施例1Gの手順により、3−アミノフェニルボロン酸(Lancaster、183mg、1.40mmol)とカップリングさせた。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH・HO、90:10:1、R 0.10)により油(100mg、収率 45%)として精製した。
Figure 2007515483
(実施例3B)
3−(3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’−イル)アニリンのトリフルオロ酢酸塩
実施例3Aの生成物(100mg、0.33mmol)を、MeCN/PrOAc(体積1:4、4.5mL)中、トリフルオロ酢酸(Aldrich、114mg、78μL、1.0mmol)により、室温で10時間処理した。表題の化合物を固体(60mg、収率 43%)として得た。
Figure 2007515483
(実施例4)
5’−フェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]のトリフルオロ酢酸塩
(実施例4A)
5’−フェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]
1Eの生成物(200mg、0.68mmol)を、NMP(2mL)中、CsCO(Strem Chemicals、456mg、1.4mmol)と共にCuCl(Strem Chemicals、34mg、0.34mmol)、2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタン−3,5−ジオン(Strem Chemicals、11mg、0.07mmol)を触媒として、160℃で6時間、フェノール(Aldrich、132mg、1.4mmol)とカップリングさせた。次いで、反応終了後、それを室温まで冷まし、CHCl(5mL)で稀釈した。固体を濾別し、濾液をクロマトグラフィー(SiO2、CHCl:MeOH:NH・HO、90:10:1、R 0.30)により直接精製して、表題の化合物を油(110mg、収率 48%)として得た。
Figure 2007515483
(実施例4B)
5’−フェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]のトリフルオロ酢酸塩
実施例4Aの生成物(110mg、0.36mmol)を、PrOAc(5mL)中、トリフルオロ酢酸(Aldrich、114mg、78μL、1.0mmol)により、室温で10時間処理した。表題の化合物を固体(110mg、収率 73%)として得た。
Figure 2007515483
(実施例5)
5’,7’−ジフェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]の塩酸塩
(実施例5A)
5’,7’−ジフェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]
2Aの生成物(190mg、0.5mmol)を、実施例4Aの手順により、フェノール(Aldrich、97mg、1.0mmol)とカップリングさせた。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH・HO、90:10:1、R 0.45)により主な生成物(100mg、収率 50%)として精製した。
Figure 2007515483
(実施例5B)
5’,7’−ジフェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]の塩酸塩
実施例5Aの化合物(100mg、0.25mmol)を、PrOAc(5mL)中、HCl(Aldrich、ジオキサン中、4M、0.5mL、2.0mmol)により、室温で10時間処理した。表題の化合物を固体(90mg、収率 83%)として得た。
Figure 2007515483
(実施例6)
7’−ブロモ−5’−フェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]のトリフルオロ酢酸塩
2Aの生成物(190mg、0.5mmol)を、実施例5Aの手順により、フェノール(Aldrich、97mg、1.0mmol)とカップロングさせた。表題の化合物を、分取HPLC(Gilson、カラムはSymmetry(登録商標)C−8 7μm、40×100mm、溶剤はMeCN/HO(0.2体積%のTFA)(20分間で、体積比 90/10から10/90)、流量は75mL/min、uv、250nM)により固体(30mg、収率 12%)として精製した。
Figure 2007515483
(実施例7)
N−フェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’−アミンの二塩酸塩
(実施例7A)
N−フェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’−アミン
1Eの生成物(200mg、0.68mmol)を、トルエン(Aldrich、無水、10mL)中、CsCO(Aldrich、460mg、1.4mmol)と共にPd(dba)(Strem Chemicals、12.4mg、0.014mmol)およびXantphos(Strem Chemicals、24.3mg、0.042mmol)を触媒として、110℃で20時間、アニリン(Aldrich、130mg、1.40mmol)とカップリングさせた。反応をTLCによりモニターした、反応終了後、それをEtOAc(30mL)で稀釈し、塩水(2×5mL)で洗った。有機物溶液を濃縮し、表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH・HO、90:10:2、R 0.20)により油(120mg、収率 58%)として精製した。
Figure 2007515483
(実施例7B)
N−フェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’−アミンの二塩酸塩
実施例7Aの生成物(120mg、0.39mmol)を、EtOAc(5mL)中、HCl(Aldrich、ジオキサン中、4M、0.5mL、2.0mmol)により、室温で10時間処理した。表題の化合物を固体(110mg、収率 75%)として得た。
Figure 2007515483
(実施例8)
N,N’−ジフェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’,7’−ジアミンの二塩酸塩
2Aの生成物(190mg、0.5mmol)を、実施例7Aの手順により、アニリン(Aldrich、97mg、1.0mmol)とカップリングさせた。表題の化合物の遊離塩基を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH・HO、90:10:2、R 0.10)により主生成物(50mg、収率 25%)として精製した。MS(DCI/NH)m/z 398(M+H)。この遊離塩基(50mg、0.12mmol)を、EtOAc(3mL)中、HCl(Aldrich、ジオキサン中、4M、0.2mL、2.0mmol)により、室温で10時間処理した。表題の化合物を固体(50mg、収率 89%)として得た。
Figure 2007515483
(実施例9)
5’−(1H−インドール−5−イル)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]のトリフルオロ酢酸塩
1Eの生成物(200mg、0.68mmol)を、実施例1Gの手順により、5−インドリルボロン酸(Frontier,161mg、1.00mmol)とカップリングさせた。表題の化合物を、分取HPLC(Gilson、カラムはSymmetry(登録商標)G8 7μm、40×100mm、溶剤はMeCN/HO(0.2体積%のTFA)(20分間で、体積比 90/10から10/90)、uv、250nM)により固体(30mg、収率 12%)として精製した。
Figure 2007515483
(実施例10)
生物活性の測定
α7型nAChRへの本発明の代表的化合物の効果を確認するために、本発明の化合物を[3H]−メチルリカコニチン(methyllycaconitine、MLA)結合アッセイにより評価し、[3H]−シチシン結合アッセイを考案し、これらを以下の通り実施した。
[3H]−シチシンの結合
結合条件を、Pabreza LA,Dhawan,S,Kellar KJ,[3H]−Cytisine Binding to Nicotinic Cholinergic Receptors in Brain(脳におけるニコチン性コリン作動性受容体への[3H]−シチシンの結合),Mol.Pharm.39: 9−12,1991、に記載されている手順から若干変更した。ラットの脳から小脳を除いたもの(ABS Inc.、ウィルミントン、デラウェア州)からの膜に富む画分を、4℃でゆっくりと解凍し、洗い、30倍の体積のBSS−トリス緩衝液(120mMのNaCl/5mMのKCl/2mMのCaCl/2mMのMgCl/50mMのトリス−Cl、pHは7.4、4℃)に懸濁させた。100〜200μgのタンパク質および0.75nMの[3H]−シチシン(30Ci/mmol;Perkin Elmer/NEN Life Science Products、ボストン、マサチューセッツ州)を含む試料を、最終体積を500μLとして、4℃で75分間インキュベートした。各化合物について7点の10倍稀釈濃度で2回試験した。非特異的結合を10μMの(−)−ニコチンの存在の下で求めた。96ウェル濾過装置(Packard Instruments、Meriden、コネチカット州)を用いて、予め湿らせたガラス繊維フィルタープレート(Millipore、ベッドフォード、マサチューセッツ州)上に結合放射能を真空濾過により分離し、次に、2mLの氷冷BSS緩衝液(120mMのNaCl/5mMのKCl/2mMのCaCl/2mMのMgCl)により素早く洗った。Packard MicroScint−20(登録商標)シンチレーションカクテル(40μL)を各ウェルに加え、Packard TopCount(登録商標)装置を用いて放射能を測定した。IC50の値を、Microsoft Excel(登録商標)ソフトウェアの非線形回帰により求めた。Cheng−Prusoffの式を用いて、Kiの値をIC50から計算した(K=IC50/1+[リガンド]/K)である)。
[3H]−メチルリカコニチン(MLA)の結合
結合条件は、[3H]−シチシン結合に対するものに類似していた。ラットの脳から小脳を除いたもの(ABS Inc.、ウィルミントン、デラウェア州)からの膜に富む画分を、4℃でゆっくりと解凍し、洗い、30倍の体積のBSS−トリス緩衝液(120mMのNaCl、5mMのKCl、2mMのCaCl、2mMのMgCl、および50mMのトリス−Cl、pHは7.4、22℃)に懸濁させた。100〜200μgのタンパク質、5nMの[3H]−MLA(25Ci/mmol;Perkin Elmer/NEN Life Science Products、ボストン、マサチューセッツ州)および0.1%のウシ血清アルブミン(BSA、Millipore、ベッドフォード、マサチューセッツ州)を含む試料を、最終体積を500μLとして、22℃で60分間インキュベートした。各化合物について7点の10倍稀釈濃度で2回試験した。非特異的結合を10μMのMLAの存在の下で求めた。96ウェル濾過装置(Packard Instruments、Meriden、コネチカット州)を用いて、2%BSAで予め湿らせたガラス繊維フィルタープレート上に結合放射能を真空濾過により単離し、次に、2mLの氷冷BSSにより素早く洗った。Packard MicroScint−20(登録商標)シンチレーションカクテル(40μL)を各ウェルに加え、Packard TopCount(登録商標)装置を用いて放射能を測定した。IC50の値を、Microsoft Excel(登録商標)ソフトウェアの非線形回帰により求めた。Cheng−Prusoffの式を用いて、Kiの値をIC50から計算した(K=IC50/1+[リガンド]/Kである)。
本発明の化合物は、MLAアッセイにより試験した時、約1ナノモルから約10マイクロモルのK値をもっており、多くは1マイクロモル未満のKをもっていた。[3H]−シチシンでの本発明の化合物の結合値は、約50ナノモルから少なくとも100マイクロモルの範囲であった。通常、好ましい化合物の決定には、D=Ki3H−シチシン/KiMLAという式においてDが約50であるように、[3H]−シチシン結合により求めたK値を考慮して、MLAアッセイにより求めたK値が考察された。好ましい化合物は通常、α4β2型受容体に比べて、α7型受容体により大きな効力を示した。
本発明の化合物は、受容体の活性を変えることによりα7型nAChRの機能を調節するα7型nAChRのリガンドである。本発明の化合物は、受容体の基礎活性を抑制するインバースアゴニストまたは、受容体を活性化するアゴニストの作用を完全に遮断するアンタゴニストであり得る。本発明の化合物はまた、α7型nAChR受容体を部分的に遮断するか、もしくは部分的に活性化する部分アゴニストまたは、受容体を活性化するアゴニストでもあり得る。
前記の詳細な説明と付随の実施例は単なる例示であり、本発明の範囲(これは、添付の請求範囲とそれらの等価物によってのみ定められる)の限定であると見なされるべきでないことが了解されている。開示されている実施形態に対する様々な変更や修正が当業者には明らかである。このような変更や修正は、化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成法、製剤および/または本発明の利用方法に関するもの(これらに限らないが)を含めて、本発明の精神と範囲から逸脱することなく行うことができる。

Claims (12)

  1. 式(I)の化合物またはこれの薬学的に許容される塩、エステル、アミド、もしくはプロドラッグ。
    Figure 2007515483

    [式中、
    n1は、0、1、または2であり;
    n2は、0、1、または2であり;
    Xは、O、SまたはNRからなる群から選択されるか、Xは結合であり;
    Arは、次の式の基である
    Figure 2007515483
    (X、X、X、およびXはそれぞれ独立に、Nおよび−CRからなる群から選択され;
    、Y、およびYはそれぞれ独立に、N、O、S、および−CRからなる群から選択され;
    は、CまたはNであり、但し、YがCである場合、Y、Y、およびYの少なくとも1つは−CR以外であり;
    、Z、およびZは、それぞれ独立に、N、O、S、および−CRからなる群から選択され;
    は、水素、アルキル、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、およびアリールスルホニルからなる群から独立に選択され;
    はそれぞれの場合に、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、および−NRからなる群から独立に選択され;
    およびRはそれぞれ独立に、水素およびアルキルからなる群から選択される。)。]
  2. 以下の式からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
    Figure 2007515483
    [式中、Arは、式(I)の化合物に対して既に定義した通りであり、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、フェニル、−O−R、および−NH−R(Rは、水素、アルキル、およびアリールである。)からなる群から選択される。]
  3. Arが、以下の式からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
    Figure 2007515483
    [式中、Rはそれぞれの場合に、請求項1において定義した通りであり;mはそれぞれの場合に、0.1,2、または3であり;pはそれぞれの場合に、0、1、または2であり;qはそれぞれの場合に、0、1、または2である。]
  4. Arが、フェニル、またはアミノにより置換されたフェニルである請求項1に記載の化合物。
  5. n2が1である請求項1に記載の化合物。
  6. 以下の化合物からなる群から選択される請求項1に記載の化合物、またはこの薬学的に許容される塩、エステル、アミド、もしくはプロドラッグ。
    5’−フェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン];
    5’,7’−ジフェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン];
    3−(3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’−イル)アニリン;
    5’−フェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン];
    5’,7’−ジフェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン];
    7’−ブロモ−5’−フェノキシ−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン];
    N−フェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’−アミン;
    N,N’−ジフェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]−5’,7’−ジアミン;および
    5’−(1H−インドール−5−イル)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−[1]ベンゾフラン]
  7. 薬学的に許容される担体と組み合わせて、治療有効量の請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
  8. 有効量の請求項1の化合物を投与することを含む、哺乳動物におけるα7型ニコチン性アセチルコリン受容体の作用を選択的に調節する方法。
  9. 請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む、α7型ニコチン性アセチルコリン受容体により調節される状態または障害を治療する方法。
  10. 前記の状態または障害が、注意力欠如障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老年認知症、AIDS認知症、ピック病、レビー小体型認知症、ダウン症候群に付随する認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、外傷性脳損傷に付随するCNSの機能低下、急性疼痛、手術後の疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、不妊、創傷治癒に伴う新しい血管成長の必要、皮膚移植の血管新生に付随する新しい血管成長の必要、および循環(より特定すると血管閉塞の周辺での循環)の欠如からなる群から選択される請求項9に記載の方法。
  11. 前記の病状または障害が、認知障害、神経変性、および統合失調症からなる群から選択される請求項9に記載の方法。
  12. 非定型抗精神病薬と組み合わせて請求項1の化合物を投与することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
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