JP2007513871A - 害虫忌避性布 - Google Patents

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Abstract

3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルを含有する調製物を含浸させた布。

Description

本発明は3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルを含有する調製物を含浸させた布に関する。
害虫忌避調製物は、昆虫、マダニ、ヒョウヒダニなどの害虫に対する防御・駆除対策として皮膚に塗布することにより、上記害虫の皮膚上の活動を防ぐ目的で服用される調製物である。吸血・刺咬性の昆虫、寄生生物、いたずら虫が皮膚につくことを予め防御することにより吸血・刺咬などのいたずらから皮膚を守る目的から、害虫忌避調製物は動物を殺すのではなく忌避するので、接触毒としてではなく防御剤として作用する。
したがって、本発明では害虫忌避調製物とは、昆虫だけではなく、特に明記されなくても、吸血・刺咬性の寄生生物および/またはクモなどのいたずら虫などに対して防御・駆除対策として作用する調製物を意味する。
昆虫やその他の寄生生物による刺咬傷は、通常膨疹、赤斑、痒みを引き起こし、たまに無危害感染症を起こすこともある。しかし、昆虫、特に蚊はマラリア、黄熱病、デンゲ熱などの寄生生物やウイルスなどによる伝染病の媒介生物となる可能性もある。蚊を例にとれば、3000種もあり、その中には伝染病の媒介生物となりうるものは100種ある。従って、これらの種の防御や駆除は上記伝染病の防止対策にもなる。
人間は、古くから刺咬性の昆虫やその他の寄生生物に悩まされてきており、害虫防御剤へのニーズは従来からある。人間を虫から防御する方法の一つとして、芳香性・悪臭性のハーブや木材を用いて煙の多い火を点けることにより、人間の周辺に滞在することが不快となるので、いたずら虫や害虫が人間の周辺に来ないようにする方法が初期史から知られている。また、害虫の防御対策として皮膚に強臭性物質を塗布する方法も古代から知られており、20世紀末ごろからすでにアニス油、ベルガモット油、シラカバタール、カンファー、シトロネラ油、ユーカリ油、ゲラニウム油、マツ油類、ココス油、ラベンダー油、ナツメグ油、クローブ油、ネロリ油、ハッカ油、ペニーロワイヤル油、ピレスラム、タイム油、シナモン油等の各種天然精油が害虫防御剤に使用されていた。
しかし、これらの精油は強臭性である割りに、殆んどの場合その効果が認められず、さらに高濃度時には人体適合性において問題があるなどといった理由から、現在では虫防御剤としては効能の向上された合成物質を使用することが最も一般的である。この種の害虫防御剤の殆んどは高沸点の液体や低融点または昇華性の結晶性物質であり、室温下で徐々に蒸発する。これらの忌避剤有効成分の殆んどはアミド類、アルコール類、エステル類、エーテル類に属している。
頻用されている万能害虫忌避剤としては、例えばN,N-ジエチル-3-メチルベンゾアミド(DEETともいう)があり、蚊、アブ、サシチョウバエ、マダニ、サシバエ、ヒョウヒダニ、ノミ、トコジラミなどに対して効き目がある。また、蚊(特にハマダラカ亜科およびヤブカ亜科の種)に対して効き目のあるフタル酸ジメチル(Palatinol M、DMPともいう)も頻用されている。
更に、3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステル(エチルブチルアセチルアミノプロピオネート、Repellent3535ともいう)も忌避剤に頻用されており、その一般式を下記に示す。
Figure 2007513871
本化合物Repellent 3535は蚊(ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、Anopheles albimanus)、ツェツェバエ類(Glossinae)、アブ類 (Tabanidae)に対して効能的である。
昆虫の方向感覚は視覚といわゆる化学物質知覚を以って、光、形、色彩、熱、空気湿気、空気中の炭酸ガスやアンモニア、乳酸、酪酸等の有臭物質の濃度に基づく。昆虫は期待できそうな寄主生物をその体温、炭酸ガス排出、皮膚上の微生物の発生排出する有臭物質により認識し、誘引物質の濃度が増加する方向に近づく(非特許文献1)。
害虫忌避調製物の有効成分の作用機構としては、有効成分は塗布後徐々に蒸発することにより、有臭バリアを皮膚の表面上に形成し、このバリアの有効成分が虫の嗅覚をなす感覚子に作用して虫の誘引機構を妨げることで、虫を駆除すると考えられている。害虫忌避剤を皮膚に塗布した後では、虫は皮膚に近づこうとする途中で方向転換をして、塗布処理の皮膚部位から回避していく。のちに害虫忌避剤濃度の低下に伴い、虫は再び皮膚に接近し、最終的には忌避剤の濃度不足により初めて皮膚に接触し刺咬するに至る。すなわち、害虫忌避剤の作用機構は人体の有臭成分をマスキングしながら忌避作用のある有臭成分を付与するという仕組みとなっている。
害虫忌避剤の剤形については液剤、乳剤、ジェル剤、スティック剤,ロールオンタイプ、ポンプスプレー剤、エアゾールスプレー剤等があり、市販品としては特に液状タイプやスプレータイプが多い。この二つの剤型の基材としては通常、保湿剤や少量の香料を添加したアルコール性溶剤または水とアルコールの混合溶剤を使用する。効果維持時間は通常、製品における害虫忌避有効成分の濃度が高いほど長くなるが、害虫忌避有効成分濃度は通常、20〜70重量%である。また、効果維持時間は塗布したフィルムの厚さ、発汗の度合い、外温にも依存している。
しかし、従来技術による害虫忌避調製物では害虫忌避性有効成分の放出過程(放出運動力学)において問題がみられる。つまり、通常は塗布後に有効成分が作用するために十分な量で放出されていく時間は短く、有臭バリアを形成する害虫忌避剤の濃度が経時に低下し、従来の害虫忌避調製物の効果維持時間は制限されるため、おおむね2時間以内に限られている。効果維持時間の延長を図るには、害虫忌避性有効成分の含有量を増加することが考えられるが、水中油型エマルション系の害虫防御調製物では特に水中油型エマルションの場合、諸方面で問題が生じる。すなわち、害虫忌避性有効成分の含有量が多い場合、特に3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルの場合、乳化剤の界面特性に悪影響が与えられ、相分離、親油性相のクリーミング、調製物からの固形成分の沈殿などの現象が起こり、水中油型エマルションの安定性(長期安定性、熱安定性、搬送安定性など)に問題が生じる。反面、水中油型エマルションはアルコール性溶液に比して皮膚を乾燥させないので皮膚に優しく、また油状調製物および油中水型エマルションに比して可視・可触油性膜を皮膚表面上に残さずに速く皮膚になじむといった特性を有することから化粧品や皮膚用医薬品の有効成分の剤型として一般的に好まれている。
また、従来技術による害虫忌避剤含有水中油型エマルションは効果維持時間が比較的短いだけでなく、この種の調製物では、害虫忌避性有効成分の水中油型エマルションに含有されている乳化剤や安定剤に対し高親和性であり、有効成分の放出は比較的困難であるため溶液などの剤型に比して遅延されてしまう。このことから水中油型エマルション系の調製物では作用するまである程度の静置時間(誘導時間ともいう)が必要であることも課題の一つといえる。
上記のように、従来からの技術欠陥により、害虫忌避性有効成分の含有量が20重量%より多い場合、塗布直後に効果を発揮させ、効果維持時間の長い水中油型エマルション系の安定した処方を開発することはこれまで不可能であった。
従って、本発明の目的は上記従来技術の欠陥を解消し、害虫防御面で高効果性を示し、さらに、効果速度が高くかつ維持時間が長い化粧品・皮膚用医薬品用の水中油型エマルションを提供することにあった。
また、害虫から防御する調製物は概ね比較的大きい保管容器に充填された状態で消費者に提供されている。しかし、この種の容器は殆んどの場合において、例えばバッグ、ジャケットやズボンのポケットなどに入れる携帯用としてはサイズが不適当であり、消費者が害虫忌避調製物を携帯する場合に非常に不都合であるという理由から、その提携(およびその使用)を取り止めてしまうという事態が多々生じる。
更に、皮膚の保護、部屋やその他の空間から昆虫やその他のいたずら虫を駆除すること、蛾から衣服を守ること、台所、風呂場やその他の部屋からハエ、ゴキブリ、セイヨウシミなどの有害生物を駆除することなど、様々な使用形態のために、一部は安全・環境保護の面において疑わしい有効成分を含む害虫忌避用製品が多く提供されているので、このように多様化している製品に消費者は惑わされてしまう。また、用途別の製品を何種類も購入し、携帯して使用することも消費者のニーズに応じているとは言いがたい。さらに、多くの消費者は環境保護上・健康上でいたずら虫に対して化学薬品を使用するよりは、化粧品分野で知られるよりやさしい方法と有効成分を使用するという傾向がみられる。
従って、本発明のさらなる目的のひとつは、従来技術における欠陥を解消し、取り扱いが簡単で、適量で使用することが容易であると共にその使用範囲が化粧品分野に限定されない害虫忌避調製物を提供することにあった。
上記目的は驚くべく、3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルを含有する調製物を含浸させた布を以って達成される。
本発明において、布を含浸する調製物を水中油型エマルション(O/Wエマルション)とすることが好適である。
害虫忌避剤を含有する水中油型エマルション自体は例えば特許文献1から知られている。しかし、布と調製物との組み合わせによる業界の専門家にとって驚くべき効果は前記引用文献より容易に考え出せるとはいえない。
また、以下に挙げられる従来技術に属する文献に、害虫忌避剤を含有する調製物で含浸された布についての説明がなされている。
・特許文献2には、ビーズを有する布が記載されており、この布は非水溶性の有効成分を含有してなる調製物で含浸されており、害虫忌避性ワイプとして使用することが可能である。しかし、この文献では3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルという有効成分及び綿繊維についての開示がなされていない。
・また、特許文献3には害虫忌避性有効成分で処理された布が記載されているが、この文
献では3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルという有効成分及び綿繊維についての開示がなされていない。
・さらに、特許文献4には徐放性物質を内包した無機質マイクロカプセルを担持せしめた布が開示されているが、本発明による害虫忌避剤はマイクロカプセル化されていない。
・また、特許文献5には、プラスチックフィルムを貼り付けた、不快害虫の予防忌避剤で浸漬処理された紙が開示されているが、この種の基材は布という概念から外れている。また、3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルという有効成分及び綿繊維についての開示がなされていない。
・また、特許文献6には、袋体内に有効成分を含有せしめた基材が記載されている。
・更にまた、特許文献7には害虫忌避剤を含有するアルコール性調製物を使ったティッシュペーパーについて記載されている。
しかし、本発明により使用される布を含めて本発明による布は従来技術に比して以下に述べる効果を有しているので、上述の文献に記載されている内容から容易に考え出せなかった。
・本発明による綿繊維を含有する布は、従来技術で使用されている基材と比べて本発明の害虫忌避剤の皮膚に対する放出量が増大する。つまり、皮膚に塗布される害虫忌避剤の量は従来技術のものより大きい。
・本発明の害虫忌避剤によれば、従来技術と比べて、安定性の点において問題なく、調製物における濃度を高めて配合して布に担持させることが可能となる。本発明で使用する布は驚くことにも本発明の調製物に対して安定剤として作用する。
・したがって、調製物における安定剤・乳化剤の濃度を著しく低下させることが可能となり、調製物は皮膚により優しいと共に害虫などに対する効果を速く発揮する。
・本発明による布及び製品は、不快害虫に対する忌避効果は使用後にすばやく発揮されるとともに長く維持される。
・本発明の調製物は従来のものと比べて、より低い粘度に調整できると共に油性成分の含有量を下げることが可能となるので、害虫忌避調製物は油光沢のあるフィルムを皮膚表面上に残さずに極めて速く皮膚になじむ。
・布に使用される素材は極めて環境に優しい。
・本発明の布は皮膚及び/又は頭髪・爪などに使用する前でもその後でも布の周囲となる空間で不快害虫からの防御に利用することが可能である。
ドイツ特許DE 10200731号公報 米国特許4904524号公報 世界特許WO 89/03639号公報 日本特開平7-3243号公報 日本特開平1-6199号公報 日本特開平11-42726号公報 ドイツ特許DE 2831275号公報 P. Finkel, E. Siemer,"Repellents zur dermalen Anwendung", Apoth.J. 8, 1986, 32-37頁
本発明に使用する布
本発明において布に使う素材は、好適には、布の全重量に対し、1〜30重量%の綿繊維と9〜80重量%のビスコース繊維と19〜90重量%のポリエステル繊維よりなる。
また、綿繊維の含有量が布の表面に向けて増加する布を使用することが好ましい。
さらに、本発明において布に不織布を使用することが好適である。
更にまた、本発明において不織布として、特に水流交絡加工不織布及び/又は水流エンボス加工不織布からなる布を使用することが好ましい。
また、本発明の布は、表面における綿の含有量は布の全重量に対して30重量%以下、布内部における綿の含有量は布の全重量に対して30重量%以下とすることが好適である。
本発明の布の表面は平滑であっても、例えばネップや孔などの構造を有しても良いが、本発明においては、表面構造のある布が好ましい。
このような布は、任意の模様のマクロパターンを有する布でも良い。
本発明で使用する布の坪量は35〜120 g/m2であることが好適で、坪量40〜60 g/m2のものがより好ましい(ただし、上記坪量は室温20℃±2℃、室内空気の湿度65%±5%の条件で24時間放置したときの測定値)。
不織布の平均厚さは0.4mm〜2mm、特に0.6mm〜1.2mmが好ましい(ただし、平均厚さの測定値はERT 30.5-99法による)。
布に使用する不織布の原料として、本発明による繊維素材の外に、各種の天然系・合成系の有機・無機繊維素材を使用することができ、これらの繊維素材の例として、例えばセルロース、ジュート、麻、サイザル麻、絹、羊毛、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド、ナイロン、ポリビニル誘導体、ポリウレタン、ポリラクチド、ポリヒドロキシアルカノエート、セルロースエステル、ポリエチレンなどの有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維が挙げられる。しかし、本発明は上記に素材に限定するものではなく、その外にも不織布の形成に多数種類の繊維素材を使用することができる。本発明で使用する繊維素材としては非水溶性の繊維が特に好適である。
また、不織布の視覚的な魅力を強調したり高めたりする目的で、染色加工した繊維を使っても良い。なお、繊維は紫外線吸収剤及び/又は防腐剤を添加したものでも良い。
さらに、布を形成するために使用される繊維の吸水率(EDANA試験法10.2-96による)は>20 mm/[10 min]以上であることが好ましい。
また、布を形成するために使用される繊維の吸水量(EDANA試験法10.2-96による)は>9 g/g以上であることが好ましい。
本発明による布の引裂き強さ(ERT法20.2-89による)については、下記の特性値を有するものが好適である。
Figure 2007513871
本発明において好ましく使用する布の伸び(ERT法20.2-89による)については、下記の特性値を有するものが好適である。
Figure 2007513871
布の含浸度は、1:10〜1:5が好適で、好ましくは1:5〜1:4、特に好ましくは1:2.5〜1:3.5である。
本発明に使用する調製物
本発明で布を含浸するために使用する調製物は、好適には3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルを含有し、同化合物の同調製物における含有量としては、調製物の全重量に対して1〜40重量%が好適で、好ましくは5〜15重量%、特に好ましくは5〜12.5重量%である。
なお、本発明の調製物には3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルの外にその他の害虫忌避剤を一種又は二種以上配合することが好適であり、これらの害虫忌避剤は、例えば下記のものから選択することができる。
Figure 2007513871
Figure 2007513871
本発明において3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルの外に調製物に添加する好ましい害虫忌避剤としては、フタル酸ジメチル(PalatinolM, DMPともいう)と1-ピペリジンカルボン酸-2-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチルプロピルエステルとエミュー油が挙げられる。
また、本発明において3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルとエミュー油と、例えばBayrepel(R)という商品名でバイエル株式会社から入手できる1-ピペリジンカルボン酸-2-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチルプロピルエステルとの組み合わせも害虫忌避剤として好ましい。
3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルの外に使用可能なこれらの害虫忌避剤の調製物における濃度としては、調製物の全重量に対して1〜10重量%が好適である。
本発明の調製物の水相には通常化粧品に使用される補助剤を好適に配合でき、これらの補助剤の例としては、アルコール類(例えば、低炭素数のもの、特にはエタノール及び/又はイソプロパノール)、低炭素数のジオールまたはポリオール及びそれらのエーテル(好ましくはプロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロレングリコールモノメチルエーテル、プロレングリコールモノエチルエーテル、プロレングリコールモノブチルエーテルなど)、ポリマー、泡安定化剤、電解質、DHAなどのセルフタンニング剤、脱色素剤、また特に増粘剤が挙げられる。増粘剤は一種又は二種以上使用でき、好適にはシリカ、アルミノシリケート、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロースなどの多糖類又は多糖類の誘導体からなる群、特にポリアクリレートの群から選択され、ポリアクリレートとしては特にカーボポール980、カーボポール 981、カーボポール 1382、カーボポール 2984、カーボポール 5984などのカルボポールの群から選ばれたものが好ましい。これらは単独でも組み合わせても使用可能である。
また、炭素数10〜30のアルキルアクリレートとアクリル酸、メタクリル酸、それらのエステルのモノマーとのコポリマーも好適に使用できる。
さらに、INCI名称「アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー」、特にBFグッドリッチ社より入手できるPe-mulenTR1及びPemulen TR2も好適に使用できる。
また、INCI名称「アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/ビニルピロリドン共重合体」で知られている化合物も好適に使用できる。
このアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウムとビニルピロリドンとの共重合体の好適なものは、下記のランダム構造に基づいて、組成式[C7H16N2SO4]n[C6H9NO]mで表示できる。
Figure 2007513871
この共重合体の本発明における好適な例は、CAS登録番号58374-69-9、13162-05-5、88-12-0で登録され、Aristoflex(R)という商品名でクラリアント社より入手可能である。
また、Seppic社製の Simugel (R) EGなどのアクリロイルジメチルタウレートを包含する共重合体及び架橋重合体も好適に使用できる。
更に、水溶性また水分散性のアニオン性ポリウレタンも好適に増粘剤として用いられ、本発明では、例えばポリウレタン-1及び/又はポリウレタン-4が好適に配合できる。
本発明で好適に使用できるポリウレタンは、例えばAvalureTM UR 445、AvalureTMUR 450など、 AvalureTM URという商品名でBFグッドリッチ社より入手できる。また、本発明で好適に使用できるポリウレタンとして、Luviset Purという商品名でBASF社より入手できるものも配合可能である。
上述の増粘剤のうち、更に好ましいものは、ポリアクリレート系の増粘剤である。また、増粘剤の調製物における濃度としては、組成剤の全重量に対して0.05〜1重量%でよく、特に0.1〜0.5重量%が好ましい。
本開示の明細書においては、専門家に良く知られているように、油脂(油、脂肪)、ロウなどの上位概念として「脂質」という表現を使うことがあるが、本明細書においては「油相」と「脂質相」を同義語として扱っている。
油(オイル)と脂肪(ファット)は例えば極性という点で異なっているが、極性は定義しにくい特性であり、従来から、油または油相の水に対する界面張力を極性指数とすることが提案されている。その際、ある油相と水との界面における界面張力が低いほど、該当油相の極性が高いとされている。本発明では、ある油性成分の極性の尺度として、界面張
力を利用する。
界面張力は、2相間の界面に位置する長さ1メートルの空想線上に働く力である。この界面張力の物理的単位は通常、力/長さの関係から計算され、通常、mN/m(ミリニュートン/メーター)で表される。それは、界面を減少させる方向にある場合に正の記号をもつ。反対の場合にそれは負の記号をもつ。本発明では、水に対する界面張力が20mN/m未満の脂質を極性と言い、水に対する界面張力が30mN/mを越える脂質を非極性と言う。また、水に対する界面張力が20〜30mN/mの範囲内にある資質は通常、中極性という。
極性油の例としては、レシチン類及び脂肪酸トリグリセリド、すなわち炭素数8〜24、特に炭素数12〜18の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアルカンカルボン酸のトリグリセリンエステルが挙げられる。上記脂肪酸トリグリセリドは、好適には、合成油、半合成油及びオリブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、ナタネ油、アーモンド油、パーム油、ヤシ油、ヒマシ油、小麦胚芽油、グレープシード油、サフラワー油、ツキミソウ油、マカデミアナッツ油などのの天然油より選択できる。
本発明で特に好適に使用できる脂質としては、オリブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、ナタネ油、アーモンド油、パーム油、ヤシ油、ヒマシ油、小麦胚芽油、グレープシード油、サフラワー油、ツキミソウ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシの胚芽油、アボカド油などの天然脂質の外に下表記載のものが挙げられる。
Figure 2007513871
更に、油相をジアルキルエーテル類及び飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアルコール類から好適に選択できる。また、油相は炭素数12〜15のアルキルベンゾエートを含有し又は完全に前記アルキルベンゾエートからなるものとすることが特に好適である。
また、油相をいわゆるゲルベアルコールの群から好適に選択できる。ゲルベアルコールはその製造法を初めて発表したマルセル・ゲルベにちなんで名称されており、下記反応式に従って製造されるものである。
Figure 2007513871
つまり、ゲルベアルコールはアルコールを酸化してアルデヒドを得、アセトアルデヒドをアルドール縮合し、脱水することとアリルアルデヒドの水素添加により生成するのであり、低温下でも液状でありその皮膚刺激性はほぼ皆無であるという特性から、ヘアケア・スキンケア製品に油分(潤い)を付与補給する成分として好適に配合できる。
ゲルベアルコールを化粧品に使用することは既知の技術である。化粧品に使用されるものの殆んどは下記一般式で示す構造を有する。
Figure 2007513871
(式中、R1とR2は通常直鎖のアルキル残基を意味する。)
本発明では、上記一般式においてR1がプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、R2がヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、度でシル、トリデシル、テトラデシルのゲルベアルコールを一種又は一種以上好適に選択できる。
また、本発明で上記ゲルベアルコールとして好ましいものとして2−ブチルオクタノール及び2−ヘキシルデカノールが挙げられ、2−ブチルオクタノールは下記の構造式を有し、例えば、Isofol(R)12という商品名でCondea Chemie社より入手することができる。
Figure 2007513871
また、2−ヘキシルデカノールは下記の構造式を有し、例えば、Isofol(R)16という商品名でCondea Chemie社より入手することができる。
Figure 2007513871
また、ゲルベアルコールからなる混合物も本発明において好適に使用できる。2−ブチルオクタノールと2−ヘキシルデカノールを混合したものは、例えばIsofol(R)14という商品名でCondeaChemie社より入手することができる。
ゲルベアルコールの本発明の化粧品用・皮膚用医薬品用の調製物におけるゲルベアルコールの総含有量としては、調製物の全重量に対して25.0重量%以下とすることが好適であり、特に0.5〜15.0重量%が好ましい。
また、油性成分とロウ成分からなる任意の混合物も本発明において好適に使用でき、場合によって油相における脂質成分として、例えばセチルパルミテートなどのロウだけを使用することが好適である場合がありうる。
本発明において特に好適に使用可能な中極性の脂質としては、下記の物質を挙げることができる。
Figure 2007513871
Figure 2007513871
非極性の油性成分の例としては、例えばヴァセリン、パラフィン油、、スクワランスクワレンなどをはじめとする直鎖又は分岐鎖の炭化水素類、ポリオレフィン類、水添ポリブテン類からなる群より選択されるものが挙げられ、ポリオレフィン類のうち、ポリデセン類が好ましい。
本発明で特に好適に使用できる非極性の脂質としては、下記の物質を挙げることができる。
Figure 2007513871
Figure 2007513871
しかし、高極性脂質と低極性脂質からなる混合物もまた好適に使用できる。例えば、直鎖又は分岐鎖の炭化水素類、直鎖又は分岐鎖の炭化水素ワックス、脂肪酸トリグリセリド、特にジアルキルエーテル、炭素数8〜24、特に炭素数12〜18の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアルカンカルボン酸のトリグリセリンエステルからなる群より油相を好適に選択できる。脂肪酸トリグリセリドは、本発明の請求項1記載の条件を満たす限り、例えば合成油、半合成油及びオリブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、ナタネ油、アーモンド油、パーム油、ヤシ油、パーム核油などより好適に選択できる。
本発明において好適に使用できる油脂成分及び/又はワックス成分は、植物由来ワックス、動物由来ワックス、鉱物ロウ、石油系ワックスからなる群より好適に選択でき、それらの有利な例としては、本発明の請求項1記載の条件を満たす限り、カンデリラロウ、カルナウバロウ、木蝋(ハゼロウ)、エスパルトグラス(学名Stipa tenacissima)由来のワックス、コルクワックス、グアルーマワックス、コメヌカロウ、サトウキビロウ、ベリーワックス、オウリキュウリロウ、モンタンロウ、ホホバ油、シアバター、ミツロウ、シェラックロウ、鯨蝋、ラノリン、プリーン・グランド・オイル、セレシン、オゾケライト(地ロウ)、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
その外に、CRODA社よりSyn-cro-wax HRC (グリセリルトリベヘネート)、Syn-cro--wax AW 1C (炭素数18〜36の脂肪酸)という商品名で入手できるもの、モンタン酸エステルワックス、水添ホホバ油、ジメチコンコポリオールミツロウと炭素数30〜50アルキルミツロウなどの合成ミツロウ又は変性ミツロウ、ポリアルキレン系ワックス、ポリエチレングリコール系ワックスなどの変性ワックス類と合成ワックス;水添ヒマシ油及び/又は水添ココス油脂肪酸グリセリドなどの水添植物油、トリヒドロキシステアリン、脂肪酸類、炭素数20〜40のアルキルステアレート、炭素数20〜40のアルキルヒドロキシステアロイルステアレート及び/又はグリコールモンタネート(ジモンタン酸グリコール)などの脂肪酸エステル及びグリコールエステルなどの変性油脂も油脂成分及び/又はロウ成分として好適である。その外に、ステアロキシトリメチルシランなど、上記の油脂及び/又はワックス素材に類似の物性を有する特定の有機ケイ素化合物も、本発明の請求項1記載の条件を満たす限り、好適に使用できる。
上記の油脂成分及び/又はワックス成分は単独でも、併用しても使用できる。また、こ
れらの油脂成分及び/又はワックス成分を任意の混合物にして本発明に好適に使用できる。
本発明の請求項1記載の条件を満たす限り、油相は好適には、2−エチルヘキシルイソステアレート、オクチルドデカノール、イソトリデシルイソノナノエート、ブチレングリコールジカプリレート/ジカプレート、2−エチルヘキシルココエート、炭素数12〜15のアルキルベンゾエート、カプリル酸・カプリン酸トリグリセリド、ジカプリリルエーテルからなる群より選択される。
特に好適なものとしては、オクチルドデカノール、カプリル酸・カプリン酸トリグリセリド、ジカプリリルエーテル、ジカプリリルカルボネート、炭酸ジカプリリル、ヤシ油脂肪酸グリセリドからなる混合物、炭素数12〜15のアルキルベンゾエートとブチレングリコールジカプリレート/ジカプレートからなる混合物、炭素数12〜15のアルキルベンゾエート、2−エチルヘキシルイソステアレート、イソトリデシルイソノナノエートからなる混合物が挙げられる。
なお、炭化水素としては、本発明の請求項1記載の条件を満たす限り、パラフィン油、シクロパラフィン、スクワラン、スクワレン、水素添加したポリイソブテンもしくはポリデセンを好適に使用できる。
シリコーン類
本発明の調製物の油相を全体的に、又は部分的に、本明細書においてシリコーン油とも明記する環状及び/又は直鎖のシリコーンからなる群より選択することも好適となる場合がある。これらのシリコーン又はシリコーン油としては下記の一般式で示す構造単位を有するモノマーが挙げられる。
Figure 2007513871
シリコーン油とは、ケイ素原子が酸素原子により鎖状及び/又は網状のように結合しており、それ以外のケイ素の原子価が炭化水素残基(概ねにメチル基であるが、エチル基、プロピル基、フェニル基などとなっていることもある)により飽和されてなる高分子量の合成重合体である。
本発明で好適に使用できる直鎖型シリコーンは、一般的には下記式で示す構造単位を特徴とする。
Figure 2007513871
(式中、ケイ素原子はR1 - R4 で示されるアルキル基及び/又はアリール基により飽和されており、これらの残基は同様でも異なってもよく、また、異なっている残基の数は4以下に限定するものではない。また、mは2〜200,000の数を表す。)
直鎖型シリコーン油は系統的にポリオルガノシロキサンと呼ばれており、そのうち量的にもっとも重要なものはメチル基で置換されたポリオルガノシロキサンであり、下記構造式を特徴とする。
Figure 2007513871
これらはポリジメチルシロキサン又はジメチコーン(INCI名称)とも呼ばれており、多種の鎖長又は多種の分子量のものがある。本発明で特に好適な直鎖型シリコーン油は多種鎖長のジメチコーン及びフェニルトリメチコーンである。
また、本発明において特に好適なポリオルガノシロキサンはジメチルポリシロキサン[ポリ(ジメチルシロキサン)]であり、これらは例えば商品名ABIL10〜10 000でTh. Goldschmidth社より入手できる。好適なものとして更にフェニルメチルポリシロキサン(INCI名称フェニルジメチコン、フェニルトリメチコン)、INCI名称でシクロメチコーン(Cyclomethicone)とも呼ばれる環状シリコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、アミノ変性シリコーン(INCI名称アモジメチコーン)や、例えば、ポリシロキサン・ポリアルキレン共重合体(INCI名称ステアリルジメチコーン、セチルジメチコーン)、ジアルコキシメチルポリシロキサン(INCI名称ステアロキシジメチコーン、ベヘンオキシステアリルジメチコーン)などのシリコーンワックスを挙げることができ、後者は例えば、商品名Abil-Wax(数種タイプあり)でTh. Goldschmidt社より入手できる。
本発明では下記に挙げるシリコーン油もまた好適に使用できる。
Figure 2007513871
本発明で好適に使用できる環状シリコーンは、一般的には下記式で示す構造単位を特徴とする。
Figure 2007513871
(式中、ケイ素原子はR1 - R4 で示されるアルキル基及び/又はアリール基により飽和されており、これらの残基は同様でも異なってもよく、また、異なっている残基の数は4以下に限定するものではない。また、nは3/2〜20の数を表し、整数でない場合、奇数のシロキシル基が環にありうることを意味である。)
本発明において特に好適な環状シリコーン油としてはシクロメチコーン、特にシクロメチコーンD5及び/又はシクロメチコーンD6が挙げられる。
本発明で好適なシリコーン油とシリコーンワックスとしては環状及び/又は直鎖型のシリコーン油及びシリコーンワックスが挙げられる。
本発明においては、脂質とシリコーン油の割合を約1:1(一般的にはx:y)とすることが特に好適である。
また、シリコーン油としては好適にはフェニルトリメチコーンを選択する。また、ジメチコーン、フェニルジメチコーン、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサンとオクタメチルシクロテトラシロキサンなどのシクロメチコーン、セチルジメチコーン、ベヘノキシジメチコーンも好適に使用できる。
また、シクロメチコーンとイソトリデシルイソノナノエートとの混合物及びシクロメチコーンと2-エチルヘキシルイソステアレートとの混合物も好適に使用できる。
しかし、上述の化合物に類似の構成を有し、例えばポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレンの付加により有機側鎖が誘導体化されたシリコン油も好適に使用でき、その例としては、例えばセチル・ジメチコーン・コポリオール、セチル・ジメチコーン・コポリオール(及び)ポリグリセリル−4−イソステアレート(及び)ヘキシルラウレートなどのポリシロキサン・ポリアルキル・ポリエーテル共重合体が挙げられる。
O/W乳化剤
O/W乳化剤は、好適には例えば下記のポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン付加型乳化剤の群より選択できる。
- ポリオキシエチレン高級アルコール、
- ポリオキシエチレンラノリンアルコール、
- 一般式R-O-(-CH2-CH2-O-)n-R’のポリオキシエチレングリコールエーテル、
- 一般式R-COO-(-CH2-CH2-O-)n -Hの脂肪酸エトキシレート、
- 一般式R-COO-(-CH2-CH2-O-)n -R’のエーテル化脂肪酸エトキシレート、
- 一般式R-COO-(-CH2-CH2-O-)n -C(O)-R’のエステル化脂肪酸エトキシレート、
- ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
- ポリオキシエチレンソルビタンエステル、
- ポリオキシエチレンコレステロール、
- エトキシ化トリグリセリド、
- 一般式R-O-(-CH2-CH2-O-)n-CH2-COOH(nは5〜30の数を表す)のアルキルエーテルカルボン酸、
- ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
- 一般式R-O-(-CH2-CH2-O-)n-SO3-Hのアルキルエーテルサルフェート、
- 一般式R-O-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-H のポリオキシプロピレン高級アルコール、
- 一般式R-O-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-R’のポリオキシプロピレングリコールエーテル、
- ポリオキシプロピレンラノリンアルコール、
- 一般式R-COO-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-R’のエーテル化脂肪酸プロポキシレート、
- 一般式R-COO-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-C(O)-R’のエステル化脂肪酸プロポキシレート、
- 一般式R-COO-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-Hの脂肪酸プロポキシレート、
- ポリオキシプロピレングリセリン脂肪酸エステル、
- ポリオキシプロピレンソルビタンエステル、
- ポリオキシプロピレンコレステロール、
- プロポキシ化トリグリセリド、
- 一般式R-O-(-CH2-CH(CH3)O-)n-CH2-COOHのアルキルエーテルカルボン酸、
- 一般式R-O-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-SO3-Hのアルキルエーテルサルフェート及びそれらの酸型、
- 一般式R-O-Xn-Ym-Hの酸化プロピレンと酸化エチレンを付加重合した高級アルコール、R-O-Xn-Ym-H,
- 一般式R-O-Xn-Ym-R’のポリプロピレングリコールエーテル
- 一般式R-COO-Xn-Ym-R’のエーテル化脂肪酸プロポキシレート、
- 一般式R-COO-Xn-Ym-H の酸化プロピレンと酸化エチレンを付加重合した脂肪酸。
本発明において使用するポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン付加型O/W乳化剤は、残基R 及びR’が飽和基である限り、特にHLB値が11〜18、更に好適にはHLB値が14.5〜15.5のものより選択される。残基RとR’が共に、又はその一方が不飽和基である場合、或いは同残基RとR’が共に又はその一方がイソアルキル誘導体である場合には、そのような乳化剤の好適なHLB値は前記値より低いか或は高くてもよい。
上記ポリオキシエチレン高級アルコールは好適に、酸化エチレンを付加のステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール(セトステアリルアルコール)からなる群より選択され、特に好ましい例としては、下記のものが挙げられる。
ポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル(ステアレス(steareth)−13)、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル(ステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル(ステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル(ステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル(ステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル(ステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル(ステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル(ステアレス−20)、
ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル(イソステアレス(isosteareth)−12)、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル(イソステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル(イソステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル(イソステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル(イソステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル(イソステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル(イソステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル(イソステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル(イソステアレス−20)、
ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル(セテス(ceteth)−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル(セテス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル(セテス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル(セテス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル(セテス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル(セテス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル(セテス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル(セテス−20)、
ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル(イソセテス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル(イソセテス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル(イソセテス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル(イソセテス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソセチルエーテル(イソセテス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル(イソセテス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル(イソセテス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル(イソセテス−20)、
ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル(オレス−12)、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル(オレス−13)、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル(オレス−14)、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル(オレス−15)、
ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル(ラウレス−12)、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル(イソラウレス−12)、
ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル(セテアレス−13)、ポ
リエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル(セテアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル(セテアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル(セテアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル(セテアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル(セテアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテル(セテアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルステアリルエーテル(セテアレス−20)。
また、脂肪酸エトキシレートは下記の群から選択するのも好適である。
ポリエチレングリコール(20)ステアレート、ポリエチレングリコール(21)ステアレート、ポリエチレングリコール(22)ステアレート、ポリエチレングリコール(23)ステアレート、ポリエチレングリコール(24)ステアレート、ポリエチレングリコール(25)ステアレート、
ポリエチレングリコール(12)イソステアレート、ポリエチレングリコール(13)イソステアレート、ポリエチレングリコール(14)イソステアレート、ポリエチレングリコール(15)イソステアレート、ポリエチレングリコール(16)イソステアレート、ポリエチレングリコール(17)イソステアレート、ポリエチレングリコール(18)イソステアレート、ポリエチレングリコール(19)イソステアレート、ポリエチレングリコール(20)イソステアレート、ポリエチレングリコール(21)イソステアレート、ポリエチレングリコール(22)イソステアレート、ポリエチレングリコール(23)イソステアレート、ポリエチレングリコール(24)イソステアレート、ポリエチレングリコール(25)イソステアレート、
ポリエチレングリコール(12)オレエート、ポリエチレングリコール(13)オレエート、ポリエチレングリコール(14)オレエート、ポリエチレングリコール(15)オレエート、ポリエチレングリコール(16)オレエート、ポリエチレングリコール(17)オレエート、ポリエチレングリコール(18)オレエート、ポリエチレングリコール(19)オレエート、ポリエチレングリコール(20)オレエート。
また、エトキシル化アルキルエーテルカルボン酸またはそれの塩としては、好適には、ラウレス−11カルボン酸ナトリウムが使用できる。
また、アルキルエーテルスルフェートとしては、好適には、ラウレス−14硫酸ナトリウムが使用できる。
また、ポリオキシエチレンコレステロールとしては、好適には、ポリエチレングリコール(30)コレステリルエーテルが使用できる。また、ポリエチレングリコール(25)ソヤステロール(soyasterol)も有用であることが確認された。
また、エトキシル化トリグリセリドとしては、好適には、ポリエチレングリコール(60)ツキミソウ油系脂肪酸グリセリドが使用できる。
また、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは下記の群から選択するのも好適である。
ポリエチレングリコール(20)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(21)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(22)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(23)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(6)グリセリルカプレート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルオレエート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルイソステアレート、ポリエチレングリコール(18)
グリセリルオレエート・ココエート。
また、ソルビタンエステルはポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノイソステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノオレエートからなる群から選択するのも好適である。
本発明において特に好ましいO/W乳化剤及び乳化剤混合物としては以下のものが挙げられる。
また、本発明の調製物における乳化剤の総含有量としては、調製物の全重量に対し、0.5〜8.5重量%が好適で、好ましくは0.75〜6.0重量%、更に特に好ましくは0.1〜2.5重量%である。
なお、本発明において皮膚に鎮静作用または消炎作用のある成分などの薬用又は皮膚科用の有効成分を好適に配合する可能性があり、これらの成分としては、パンテノール、アラントイン、タンニン、抗ヒスタミン剤、消炎剤、例えばヒドロコルチゾンなどのグルココルチコイド、例えばアズレン、ビサボロール、グリチリチン、ハマメリンなどの植物性有効成分、カミツレエキス、アロエベラエキス、ハマメリスエキス、カンゾウエキスなどの植物エキスが挙げられる。
そのうち、アロエベラ、パンテノール、ハマメリスエキスが好ましく、特に好ましいものとしてはハマメリスエキスが挙げられる。
これらの消炎作用のある物質は単独でも二種以上併用しても配合でき、調製物における総含有量としては、調製物の全重量に対し、0.1〜20重量%が好適で、好ましくは1.0〜12.5重量%、更に特に好ましくは2.5〜8.5重量%である。
なお、本発明の調製物には抗酸化剤を一種又は二種以上好適に配合でき、抗酸化剤はアミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカン酸)およびそれの誘導体、ペプチド類、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド類、カロチン類(例えばα−カロチン、β−カロチン、リコピン)およびそれらの誘導体、リポ酸およびそれの誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、金チオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール類(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、そしてそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびそれの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)および極めて低い許容投薬量(例えばpモルからμモル/kg)のスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)、そしてまた、(金属)キレート剤(例えばα−ヒドロキシ−脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、腐植酸、胆汁酸、胆汁抽出液、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(例えばγ−リノレイン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびそれの誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、アスコルビル燐酸Mg、酢酸アスコル
ビル)、トコフェロール類および誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)およびベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチンおよびそれの誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤック酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびそれの誘導体、マンノースおよびそれの誘導体、亜鉛およびそれの誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびそれの誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベン類およびそれらの誘導体(例えばスチルベンオキサイド、トランス−スチルベンオキサイド)、そして本発明における使用に適する前記活性材料の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)からなる群から好適に選択できる。
これらの抗酸化剤は単独でも二種以上併用しても配合でき、調製物における総含有量としては、調製物の全重量に対し、0.001〜30重量%が好ましく、特に好ましくは0.05〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。
ビタミンEおよび/またはそれの誘導体を抗酸化剤1種または2種以上として用いる場合、それの個々の濃度は調製物の全重量に対し、0.001〜10重量%の範囲になるように選択するのが好適である。
ビタミンAもしくはビタミンAの誘導体またはカロチンまたはそれの誘導体を抗酸化剤1種または2種以上として用いる場合、それの個々の濃度は調製物の全重量に対し、0.001〜10重量%の範囲になるように選択するのが好適である。
本発明の化粧品用及び/又は皮膚科用の調製物が化粧品用及び/又は皮膚科用の有効成分を含有することが好適であり、同成分のうち、皮膚を酸化応力から守ることのできる抗酸化剤が好ましい。
本発明においてその外の好適な有効成分としてα−リポン酸、フィトエン、D-ビオチン、コエンジムQ10、α−グルコシルルチン、カルニチン、カルノシン、天然及び/又は合成のイソフラボノイド、クレアチン、クレアチニン、タウリン及び/又はβ−アラニンなどの天然有効成分及び/又はそれらの誘導体が挙げられる。
また、本発明の調製物には、必要に応じて一種又はそれ以上のセルフタンニング剤を好適に配合できる。これらのセルフタンニング剤の好適な例としてはグリセリンアルデヒド、ヒドロキシメチルグリオキサール、γ―ジアルデヒド、エリスルロース、6-アルド-D-フルクトース、ニンヒドリン、5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン(ジュグロン)、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン(ローソン)などが挙げられる。
なお、本発明の調製物には、必要に応じて一種又はそれ以上の脱色素剤を好適に配合できる。これらの脱色素剤の好適な例としては8-ヘキサデセン-1、16-ジカルボン酸(ジオイック酸、CAS登録番号20701-68-2)、コージ酸、アスコルビン酸、アゼライン酸などのジカルボン酸が挙げられる。
なお、本発明の調製物には好適に紫外線フィルターを配合できる。本発明で好適に使用できる紫外線フィルターとしては、下記のものが挙げられる。
無機顔料
無機顔料としては金属酸化物及び/又はその他の難水溶性又は非水溶性の金属化合物、特に酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(例えばFe2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)
、酸化ケイ素(SiO2)、酸化マンガン(例えばMnO)酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化セリウム(例えばCe2O3)、これらの金属の混合酸化物とそれらの酸化物の混合物、また硫酸バリウム(BaSO4)が挙げられる。
酸化チタン系顔料としてはルチル型結晶構造でもアナタース型結晶構造でもよく、また、親水性、両性、疎水性などを付与保持する目的で表面処理(コーティング)されたものも本発明において好適に使用できる。この表面処理は、顔料の表面に公知方法により親水性及び/又は疎水性の無機及び/又は有機薄膜を付着させる方法でよく、本発明における表面コーティングは水を含有してもよい。
本発明において、上述のコーティングがされた、又はされていない二酸化チタン類は市販されている油性又は水性の予備分散物の形態で使用してもよい。これらの予備分散物は好適には分散助剤及び/又は可溶化剤を添加したものでもよい。
本発明で使用する二酸化チタン類は10nm〜150nmの一次粒子サイズを特徴とする。
Figure 2007513871
本発明において特に好ましい二酸化チタン類としては、テイカ株式会社製のMT-100 Zと
MT-100TV、メルク社製のEusolex T-2000とEusolexTS、デグサ社製のTitandioxid T 805などが挙げられる。
本発明において使用できる酸化亜鉛は市販されている油性又は水性の予備分散物の形態で使用してもよい。本発明において好適な酸化亜鉛粒子及び酸化亜鉛粒子を含有する予備分散物は、300nm未満の一次粒子サイズを特徴とし、下記の商品名で以下記載の会社より入手できる。
Figure 2007513871
本発明において特に好ましい酸化亜鉛類としては、BASF社製のZ-Cote HP1とHaarmann &
Reimer (H&R)社製のZinkoxidNDMなどが挙げられる。
調製後の化粧品調製物における無機顔料(一種又はそれ以上)の総含有量は好適には0.1〜25重量%の範囲、好ましくは0.5〜18重量%の範囲から選択される。
有機顔料
本発明において好ましい有機顔料としては、商品名Tinosorb(R) MでCIBA-Che-mika-lienGmbHより入手できる2,2’-メチレンビス-(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル−フェノール) [INCI名称ビスオクチルトリアゾール]が挙げられる。
その他の紫外線フィルター
本発明で好適に使用できるUVA吸収剤としては、ジベンゾイルメタン誘導体、特に商品名Parsol(R)1789でジボーダン社より、商品名Eusolex(R) 9020でメルク社より入手できる4-(t−ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタン(CAS登録番号70356-09-1)が挙げられる。
その外の好適なUVA吸収剤としては、フェニレン-1,4-ビス(2-ベンゾイミドアジル)-3,3’-5,5’-テトラスルホン酸及びその塩、特に対応するナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩)、なかんずくINCI名称ビスイミダジレートのフェニレン-1,4-ビス(2-ベンゾイミドアジル)-3,3’-5,5’-テトラスルホン酸ビス-ナトリウム塩が挙げられ、後者は 商品名Neo Heliopan APでHaarmann& Reimer社より入手できる。
更に、本発明において1,4-ジ(2-オキソ-10-スルホ-3-ボルニリデンメチル)-ベンゼン(別名ベンゼン-1,4-ジ(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル-10-スルホン酸)及びその塩(特に対応する10-スルファト化合物、なかんずくそのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩)も好適に使用できる。
更に、好適なUVA吸収剤として下記構造式を特徴とするヒドロキシベンゾフェノン類が挙げられる。
Figure 2007513871
(式中、R1とR2は互いに依存せず水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基又は炭素数3〜10のシクロアルケニル基を示し、R1とR2は共に結合している窒素原子と5〜6員環を形成してもよい。R3は炭素数1〜20のアルキル基を意味する。)
本発明において特に好適なヒドロキシベンゾフェノンとしては 2-(4'-ジエチルアミノ-2'-ヒドロキシベンゾイル)-安息酸ヘキシルエステルが挙げられ、これは例えば、商品名UvinulA PlusでBASF社より入手できる。
また、本発明において、広域スペクトルをカバーする紫外線吸収剤(以下、広域紫外線吸収剤ともいう)、つまりUVA光線とUVB光線を共に吸収する吸収剤も好適に使用できる。
広域紫外線吸収剤又はUVB吸収剤として好適なものとしては、下記構造式を有するビスレゾルシニル誘導体が挙げられる。
Figure 2007513871
(式中、R1、R2、R3は互いに依存せず炭素数1〜10の分岐鎖および直鎖のアルキル基からなる群より選択されるか又は水素原子を意味する。)
そのうち、特に好ましいものとしては、商品名Tinosorb(R) SでCIBA-Che-mika-lienGmbHより入手できる2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(INCI名称アニソトリアジン)が挙げられる。
本発明において特に好適に使用する調製物は、UVA光線に対して高い保護効果またはきわめて高い保護効果を発揮する調製物であって、UVA吸収剤及び/又は広域紫外線吸収剤を数種含有し、上記紫外線吸収剤としては、例えば4-(テルト-ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタンなどのジベンゾイルメタン誘導体、フェニレン-1,4-ビス(2-ベンゾイミドアジル)-3,3’-5,5’-テトラスルホン酸及び/又はその塩、1,4-ジ(2-オキソ-10-スルホ-3-ボルニリデンメチル)-ベンゼン及び/又はその塩、2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジンが挙げられ、これらは各々単独でも併用しても配合できる。
また、下記構造式で示す構造単位を有する紫外線吸収剤も、本発明において好適に使用できる。
Figure 2007513871
これらの紫外線吸収剤の例としては、欧州特開EP570838号公報に記載のs-トリアジン誘導体を挙げることができ、下記一般式で示されている。
Figure 2007513871
[式中、Rは一種又はそれ以上の炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもいい炭素数1〜18の分岐鎖又は直鎖のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基を示し、Xは酸素原子又はNH基を意味し、R1は一種又はそれ以上の炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもいい炭素数1〜18の分岐鎖又は直鎖のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、または水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、又は下記一般式で示す残基であり
Figure 2007513871
(式中、Aは一種又はそれ以上の炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもいい炭素数1〜18の分岐鎖又は直鎖のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基であり、R3は水素原子又はメチル基であり、nは1〜10の数である。)
R2は、XがNH基である場合には、一種又はそれ以上の炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもいい炭素数1〜18の分岐鎖又は直鎖のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基であり、Xが酸素原子である場合には、一種又はそれ以上の炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもいい炭素数1〜18の分岐鎖又は直鎖のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、または水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、又は下記一般式で示す残基である。
Figure 2007513871
(式中、Aは一種又はそれ以上の炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもいい炭素数1〜18の分岐鎖又は直鎖のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基であり、R3は水素原子又はメチル基であり、nは1〜10の数である。)]
さらに、本発明で特に好ましい紫外線吸収剤は、下記構造式で示す非対称的に置換されたs-トリアジンである。
Figure 2007513871
この化合物は以下、ジオクチルブチルアミドトリアゾン(INCI名称ジオクチルブタミドトリアゾン)と明記し、商品名UVA-SORBHEBでSigma 3V社より入手できる。
また、対称的に置換されたs-トリアジンの一種である4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)-トリス-安息酸-トリス-(2-エチルヘキシルエステル) [別名2,4,6-トリス-[アニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)]-1,3,5-トリアジン、INCI名称オクチルトリアゾン]も本発明において好適に使用でき、商品名UVINUL(R)T 150でBASF社より市販されている。
また、下記一般式で示すの化学構造を有する欧州特開EP775698号公報に記載のビスレゾルシニル誘導体も好適に使用できる。
Figure 2007513871
(式中、R1、R2、A1は各種の有機残基を示す。)
また、2,4-ビス-{[4-(3-スルホナト)-2-ヒドロキシ-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジンナトリウム塩、2,4-ビス-{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-[4-(2-メトキシエチル-カルボキシル)-フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ-プロピルオキシ)-2-ヒドロ
キシ]-フェニル}-6-[4-(2-エチル-カルボキシル)-フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(1-mエチル-ピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-{[4-トリス(トリメチルシロキシ-シリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-{[4-(2“-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-{[4-(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’-ヘプタメチルシロキシ-2“-メチル-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジンも本発明において好適に使用できる。
また、広域紫外線吸収剤として、商品名Tinosorb(R) MでCIBA-Che-mika-lien GmbHより入手できる2,2’-メチレン-ビス-(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール)も本発明において好適に使用できる。
また、INCI名称ドロメトリゾールトリシロキサンの2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-[2-メチル-3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチル シリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]-フェノール(CAS登録番号155633-54-8)も、好適に広域紫外線吸収剤として使用できる。
本発明に使用するUVB吸収剤及び/又は広域紫外線吸収剤は油溶性でも水溶性でもよい。好適に使用できる油溶性のUVB吸収剤及び/又は広域紫外線吸収剤としては、例えば下記のものが挙げられる。
・ベンジリデンカンファー誘導体、好ましくは3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、3−ベンジリデンカンファー;
・4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシルおよび4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル;
・2,4,6−トリアリニノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン
・ベンザルマロン酸エステル、好適には4−メトキシ−ベンザルマロン酸ジ(2−エチルヘキシル);
・桂皮酸エステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、4−メトキシ桂皮酸イソペンチル;
・ベンゾフェノンの誘導体、好適には2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン;
・ポリマーに結合されてなる紫外線吸収剤。
好適に使用できる油溶性のUVB吸収剤及び/又は広域紫外線吸収剤としては、例えば下記のものが挙げられる。
・2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸の塩、例えばそのナトリウム塩、カリウム塩及びトリエタノールアミン塩、またスルホン酸そのもの;
・3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)スルホン酸及びそれらの塩。
本発明に好適に使用できる室温で液状の紫外線吸収剤としては、ホモメンチルサリチレート(INCI名称ホモサレート)、 2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート (2-エチルヘキシルサリチレート、オクチルサリチレート、INCI:Octyl Salicylate)、4-イソプロピルベンジルサリチレート、そして桂皮酸エステル、好ましくは4-メトキシ桂皮酸(2-エチルヘキシル)エステル(2-エチルヘキシル-4-メトキシシンナメート、INCI名称オクチルサリチレート)と4-メトキシ桂皮酸イソペンチルエステル (イソペンチル-4-メトキシシン
ナメート、INCI名称イソアミルp−メトキシシンナメート)、そして、商品名Parsol(R)SLXでHoffmann La Roche 社より入手できる3-(4-(2,2-ビス-(エトキシカルボンビニル)-フェノキシ)プロペニル)-メトキシシロキサン/ジメチルシロキサン共重合体(INCI名称ジメチコジエチルベンザルマロネート)が挙げられる。
そのほかに、商品名Uvinul(R) N 539でBASF社より入手できる エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニレンアクリレート(別名オクトクリレン)も、紫外線吸収剤として本発明において好適に使用できる。
なお、本発明による調製物にポリマーに結合された紫外線吸収剤又は高分子紫外線吸収剤を使用することも極めて好適である可能性もある。この種の紫外線吸収剤としては、国際特許出願公開WO92/20690号公報の明細書に記載されているものが挙げられる。
もちろん、本発明に使用できる紫外線吸収剤は上述のものに限定するものではない。
本発明による調製物におけるUVA光線及び/又はUVBUVA光線を吸収する物質の総含有量としては、紫外線の全領域にわたって光線に対して毛髪及び皮膚を保護する化粧品調製物を提供する目的から、0.1〜30重量%が好適で、好ましくは0.5〜20重量%、特に1.0〜15重量%である。よって、これらの化粧品調製物は、毛髪又は皮膚用のサンケアー製品に使用することも可能となる。
ビタミンとビタミン誘導体
ビタミンとビタミン誘導体としては、例えばビタミンA、ビタミンB1-6群、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンH、ビタミンK、ビタミンPP及びこれらの誘導体が挙げられる。これらの含有量としては、調製物の全重量に対し、0.001〜10重量%が好適で、好ましくは0.05〜7重量%、特に0.5〜5重量%である。
ビタミン誘導体としては、本発明においてレチニルパルミテート、アスコルビルグルコシド、酢酸トコフェリル、パルミチン酸トコフェリル、ニアシンアミド、パンテノールなどが好適に使用できる。
本発明による化粧品調製物には、通常この種の調製物に使用される化粧品溶助剤を配合することができ、これらの例としては、酸化防止剤、防腐剤、香料、抗微生物剤、発泡防止剤、染料、染色作用のある顔料、セルフタンニング剤、漂白剤、増粘剤、界面活性物質、乳化剤、エモリエント剤、潤いを付与する物質及び/又は保湿性物質、油脂、ワックス、又はアルコール、ポリオール、ポリマー、泡沫安定化剤、電解質、有機溶剤、シリコーン誘導体などの化粧品処方に通常使用される成分などが挙げられる。
本発明による化粧品用・皮膚用医薬品用の調製物の組成は、皮膚及び/毛髪を吸血性及び刺咬性の害虫及びその他の寄生生物から保護するために通常よく使用できる。また、本発明による化粧品用・皮膚用医薬品用の調製物は、一次的には皮膚を紫外線及び/又は老化から守ったり、潤いを付与することを目的としたスキンケア製品、太陽を浴びた後のスキンケアを目的としたアフターサンケア製品などの用途に好適に使用できる。
また、本発明による化粧品用・皮膚用医薬品用の調製物は、化粧品と皮膚用医薬品として通常の方法で皮膚及び/毛髪に必要量を塗布することにより、使用することができる。
また、本発明により、本発明による布、つまり本発明による調製物を含浸した布を人体および人体及び/又は上記布の周囲にある空間に対して効果を直ちに且つ長期的に発揮する防虫剤として使用できる。
比較実験例
実験1(塗布量)
従来の不織布及び本発明による綿繊維含有の不織布に同量の本発明の調製物を含浸させ、被験者5人により精密に定義した統一的な方法に従って、皮膚に塗布してもらった。塗布の前後に布の重量を量り、皮膚に塗布された調製物量を求めた。
Figure 2007513871
結果:本発明による布を使用することにより、同一実験条件下において、本発明による調製物の塗布された量は、従来のものと比較して約20%ほど増大する。
実験2(害虫忌避効果の維持性)
本実験には、それぞれネッタイシマカ(Aedes aegypti)を300〜400匹(雄・雌)を立方体の籠(寸法30 x 30 x 30 cm)に入れておいて使用した。実験を行う際に蚊が空腹状態であることを確保するために、実験の前の晩に餌としての砂糖水溶液を与えないことにした。その翌日午前8時と午前11時の間に標準条件下(20℃、相対湿度70%〜80%)で実験を行った。
実験には被験者5人に参加してもらい、定義された統一方法に従い、前腕を500cm2の面積で害虫忌避剤含有の布で拭いた。実験布としては、同一の化粧品キャリアー系を用いた下記の布を使用した。
・Repellent 3535を5重量%含有する本発明の調製物(A)を含浸せしめた綿繊維を含有しない布(布の組成:ビスコース70%、PET30%)
・Repellent 3535を5重量%含有する調製物(B)を含浸せしめた綿繊維を含有する布(布の組成:ビスコース40%、PET50%、綿10% =本発明による布)
被験者の手及び上腕を蚊から保護するために、それぞれ手袋と樹脂製マンシェットを使用した。
実験期間として各10分ずつ、被験者には上述のごとく準備した前腕を蚊の入った籠の中に入れてもらい、蚊はその間、調製物を塗布した面積にしか近づけないようにしていた。実験は3時間に亘って行ない、(A)処理した皮膚面積に距離3cm未満まで近づいた蚊の匹数、(B)処理した皮膚面積に刺咬した蚊の匹数を求めた。
対照実験では、被験者の無処理前腕に対して同様な実験を行い、上記匹数を求めた。
Figure 2007513871
これらの実験により、布に綿を添加したことにより、蚊による攻撃の回数がほぼ半減したことが判明した。
以下に示す実施例を用いて本発明の調製物をさらに具体的に説明するが、本発明をこれらに限定するものでない。実施例に示す数値は個々の調製物の全重量を基準にした重量パーセントを示す。
実施例
Figure 2007513871
Figure 2007513871
Figure 2007513871
Figure 2007513871
Figure 2007513871

Claims (10)

  1. 3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルを含有する調製物を含浸させた綿繊維を含む布。
  2. 調製物が水中油型エマルション(O/Wエマルション)であることを特徴とする請求項1に記載の布。
  3. 布に使用される材料が布の全重量に対し1〜30重量%の綿繊維と9〜80重量%のビスコース繊維と19〜90重量%のポリエステル繊維からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の布。
  4. 綿繊維の含有量が布の表面に向けて増加することを特徴とする請求項1〜3の一つに記載の布。
  5. 布が不織布材料製のクロスであることを特徴とする請求項1〜4の一つに記載の布。
  6. 布の平均厚さが0.4mm〜2mmであることを特徴とする請求項1〜5の一つに記載の布。
  7. 調製物における3-(N-n-ブチルアセチルアミノ)プロピオン酸エチルエステルが調製物の全重量に対し1.0〜40重量%の濃度で存在することを特徴とする請求項1〜6の一つに記載の布。
  8. 布の含浸度が2.0〜10.0g/mであることを特徴とする請求項1〜7の一つに記載の布。
  9. 調製物が一種又は一種以上の抗炎症剤を調製物の全重量に対し0.1〜20.0重量%の濃度で含むことを特徴とする請求項1〜8の一つに記載の布。
  10. 請求項1〜9の一つに記載の布の、人体および人体及び/又は上記布の周囲にある空間に対して効果を直ちに且つ長期的に発揮する防虫剤としての使用。
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