JP2007503810A - エストロゲンレセプターモジュレーターおよびそれらの使用 - Google Patents

エストロゲンレセプターモジュレーターおよびそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、細胞性腫瘍形成および癌生物学の分野に関する。より具体的には、本開示は、エストロゲン応答性細胞型における腫瘍形成および癌に関する。この細胞型としては、例えば、精巣組織、卵巣組織、および子宮組織、乳腺組織、脳組織、骨格筋組織、および肺組織が挙げられる。本開示はさらに、ポリペプチドを含む組成物、オリゴペプチドを含む組成物、ペプチド模倣物を含む組成物、抗体を含む組成物、および核酸を含む組成物、ならびに、エストロゲン応答性細胞型における腫瘍形成の診断または処置において有用である薬学的組成物、診断キット、および治療キットに関する。

Description

(発明の分野)
本発明は、薬剤および腫瘍治療の分野に関する。より具体的には、本発明は、エストロゲンレセプターの調節、およびホルモン依存性腫瘍の処置において有効である薬学的組成物に関する。
(関連出願の援用)
本出願は、2003年8月26日に出願された仮出願第60/498,118号の優先権の利益を主張する。
(連邦政府により後援された研究または開発に関する陳述)
本発明は、全体または一部が、アメリカ国立衛生研究所助成金第9−7150741号および第RO1 CA095681号によって支援された。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
(発明の背景)
核ホルモンレセプター(NR)は、リガンド依存性の様式で遺伝子発現を調節する転写因子の大きなファミリーを構成する。NRは、脊椎動物発生において重要な役割を果たし、かつ、このNRは、広範囲の細胞応答(例えば、分化、増殖、および恒常性)に関連付けられている(非特許文献1;非特許文献2)。現在、NRスーパーファミリーは、3つのサブファミリーに分かれる。タイプIは、ステロイドホルモンレセプター(例えば、エストロゲンレセプター、プロゲスチンレセプター、アンドロゲンレセプター、またはグルココルチコイドレセプター)を包含する。タイプIIは、非ステロイドホルモンレセプター(例えば、レチノイン酸レセプター、甲状腺ホルモンレセプター、およびビタミンDレセプター)を包含する。タイプIIIは、現在、十分に特徴づけられたリガントを有さないオーファンレセプターを包含する(非特許文献3)。
NRは、N末端リガンド非依存性転写活性化機能ドメイン1(AF1)、NRを特異的なDNAモチーフに標的化させる高度に保存されたDNA結合中央ドメイン(DBD)、C末端リガンド結合ドメイン(LBD)、およびC末端リガンド依存転写活性化機能ドメイン(AF2)を含む、いくつかの構造的特徴を共有する(非特許文献3;非特許文献4)。ホルモン結合がNRに結合することが、コンフォメーションの変化を誘発し、NRを標的遺伝子のプロモーターのうちの応答エレメントに結合させる。NRのLBDは、配列が多様であり、これはリガンドの多様性を説明するが、類似する全体的三次元構造を共有する(非特許文献3)。AF2は、種々のNR間で高度に保存されるが、AF1は、保存されない(非特許文献2)。
NRの転写活性は、ホルモンのみならず、いくつかの調節コアクチベーター、および調節コリプレッサーによって影響される(非特許文献3;非特許文献5)。そのコアクチベーターは、通常は、DNAに結合しないが、NRとのタンパク質間相互作用を介して標的遺伝子のプロモーターへ補充される(非特許文献6)。p160ファミリーは、十分に研究されたNRコアクチベーターファミリーであり、このファミリーは、ステロイドレセプターコアクチベーターSRC1、グルココルチコイドレセプター相互作用タンパク質GRIP1/TIF2、およびグルココルチコイドレセプター相互作用タンパク質P/CIP(AIB1、TRAM1、またはRAC3としても公知である)を包含する(非特許文献7)。第二のコアクチベーターファミリーは、cAMP応答エレメント結合タンパク質CBP、およびcAMP応答エレメント結合タンパク質p300を包含する(非特許文献8)。コリプレッサーの中で、核レセプターコリプレッサー(NcoR)、ならびにレチノイ酸および甲状腺レセプターのためのサイレンシングメディエーター(SMRT)は、甲状腺ホルモンレセプター、レチノイン酸レセプター、レチノイドXレセプター、およびビタミンDレセプターと、リガンド非存在下で、正常に反応する遺伝子の転写サイレンシングにおいて広く特徴づけられかつ関連づけられている(非特許文献3)。コレプレッサーは、アンダゴニストで占められたNRと優先的に結合することが示されている(非特許文献9)。NRのコアクチベーターとコレプレッサーの両方として作用し得る少数の二機能性コレギュレーターもまた報告されており、これには、マウスのジンクフィンガータンパク質(アポトーシスおよび細胞周期停止のレギュレーター)(ZAC1)(非特許文献9)、NR結合セットドメイン含有タンパク質(NSD1)(非特許文献10)、ならびにRIP140(非特許文献11)が挙げられる。
証拠は、コアクチベーターと、NRと、転写レギュレーターとを含む多タンパク質複合体が、ホルモン結合に応答して集まり、そして、転写を活性化することを示唆する(非特許文献3)。研究者はまた、組織型および細胞型に特異的な応答をホルモンが誘発する分子機構、ならびに関与するコアクチベータータンパク質の組成を、活発的に研究している。コアクチベーターの構造分析は、コレギュレーターのリガンドNR複合体との結合を仲介するのに十分である5アミノ酸LXXLL(Xは任意のアミノ酸)からなるモチーフを同定した(非特許文献13)。コアクチベーターSRC1、コアクチベーターCBP、およびコアクチベーターp300は、固有のヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性を有し(非特許文献14)、一方で、NcoRおよびSMRTは、ヒストンデアセチラーゼおよびmSin3Aと関連する(非特許文献15)。ヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性およびヒストンデアセチラーゼ活性と、コレギュレーターとの関連は、コレギュレーター機能の潜在的機構をクロマチン構造の調節が構成することを示唆する(非特許文献2)。遺伝子の転写調節における別の機構は、コレギュレーターのリン酸化に関与する(非特許文献16)。
ステロイドホルモン17β−エストラジオール(E)は、発生、恒常性、心血管系の調節、骨密度の決定、および乳癌の進行を含む、幅広い生物学プロセスに関与する遺伝子の発現を調節する重要な役割を果たす(非特許文献17)。エストロゲンの生物学的効果は、エストロゲンが、構造的かつ機能的に異なるエストロゲンレセプター(ERαおよびERβ)に結合することによって仲介される。ERαは、乳房上皮にある主要なERである(非特許文献18)。他のステロイドレセプターと同様に、ERαは、N末端AF1、DBD、およびAF2ドメインを含むC末端LBDを含む(非特許文献19)。E2とERαが結合することで、リガンド活性化ERαは、核へトランスロケートし、標的遺伝子の13塩基対のパリンドロームエストロゲン応答エンハンサーエレメント(ERE)と結合し、そして、遺伝子の転写を刺激し、その結果、乳癌細胞の増殖は促進される(非特許文献20)。エストロゲンの種々の機能のうちのいくつかは、E−ER複合体へのコレギュレーターの差次的な補充に依存する。ERの転写機能は、SRC1、GRIP1、AIB1、CBP/p300、TIF1、PGC1、およびDAX1を含むいくつかのコレギュレーターによって影響され得る(非特許文献3;非特許文献21;非特許文献22)。コレギュレーターの構造についてはよく知られているが、発生、ホルモン調節、および癌の進行におけるコレギュレータータンパク質の生理学的な役割については、ほとんど知られていない。
抗エストロゲンおよび選択的エストロゲンレセプターモジュレーターは、それらの拮抗性特質および抗エストロゲン性特質に大きく起因して、ホルモン依存性腫瘍細胞の増殖を効果的に阻害することが示されている。しかしながら、抗エストロゲン治療に応答する多くの患者は、最終的には、この治療に対する耐性を発生し、ホルモン非依存性となる。乳癌における進行および最終的な耐性(ホルモン依存性からホルモン非依存性へ)に関与する機構としては、ER改変体またはER変異体の発現、ERのリガンド非依存性活性化、より低濃度のエストロゲンに対する腫瘍の順応、およびERコレギュレーターの薬理学的な変化が挙げられると考えられる。
プロリン、グルタミン酸、およびロイシンリッチタンパク質1(PELP1)は、NRのコレギュレーターのファミリーの一員として最近同定された(非特許文献23、本明細書中にその全体が参考として援用される)。このPELP1ポリペプチドは、その名前が示唆しているように、プロリン、グルタミン酸、およびロイシンといったアミノ酸が異常に豊富である。PELP1のN末端領域は、9つのLXXLLモチーフを有する(同書)。LXXLLモチーフは、NRとのリガンド依存性コアクチベーター結合を仲介することが示された。PELP1はさらに、アミノ酸495〜498の中央に位置するコンセンサス核局在化モチーフによって特徴づけられる(同書、また非特許文献24も参照のこと)。中央核局在化モチーフに隣接しているのは、3つのジンクフィンガーを潜在的に形成する2つのシステインリッチ領域である(同書)。PELP1のC末端領域は、2つのプロリンリッチC末端領域(31%プロリン(アミノ酸751〜870)、23%プロリン(アミノ酸970〜1130))を含み、このC末端領域は、転写活性化ドメインを構成する(同書)。酸性アミノ酸が豊富な領域が、これら2つのプロリンリッチ領域の間に位置する(同書)。PELP1はまた、いくつかのコンセンサスリン酸化部位を含む(同書)。PELP1は、精巣組織、卵巣組織、および子宮組織、乳腺組織、脳組織、骨格筋組織、および肺組織を含む種々のエストロゲン応答組織中で差次的に発現される(同書)。さらに、PELP1の増加した発現は、乳癌細胞に加えて、卵巣腫瘍および子宮腫瘍中でも生じる。
PELP1は、リガンド依存性コアクチベーターとしてER経路において能動的に関与する。PELP1は、ERαアイソフォームおよびERβアイソフォームの両方のコアクチベーターとして、相互作用しかつ機能する。ER経路は、乳癌腫瘍形成の進行と関連付けられており、そして、ER経路のコレギュレーターは、腫瘍進行において一定の役割を果たす。PELP1の発現は、ER−E複合体の転写活性を増強する。PELP1はまた、乳房腫瘍細胞において過剰発現する。これは、PELP1が、ホルモン依存性癌におけるエストロゲンおよび抗エストロゲンの応答を調節する核シグナル伝達経路(具体的には、エストロゲンレセプター経路)に影響を与えることを示唆している。さらに、転写調節のためのER応答エレメントへのPELP1補充は、ホルモン依存性であり、このことは、PELP1の過剰発現がエストロゲンレベルに対して細胞を過剰感作することを示す。低下したホルモンレベルに対するこのPELP1誘導過剰感作は、癌細胞中におけるホルモン耐性を導く一つの機構である。この過剰感作のブロックは、ホルモン耐性癌における腫瘍形成を遅らすかまたは止めるための強固な機構を提供する。
さらなる研究が、細胞周期の進行においてのRELP1の関与が実証した(非特許文献25)。具体的には、乳癌細胞におけるPELP1過剰発現は、エストラジオールシグナル伝達に対して乳癌細胞を過剰感作し、乳癌細胞における細胞周期のS期への促進された進行を導く。細胞周期中の、乳癌細胞におけるこの増加した進行は、細胞周期におけるPELP1媒介性過剰リン酸化が、タンパク質を細胞芽腫(pRb)へと転換することに関係付けられた。細胞芽腫のリン酸化は、細胞周期の進行において重要な役割を果たし、かつ、増加したpRbのリン酸化が、G1期からS期への細胞の進行を導くことが当該分野において周知である。さらに、PELP1とpRbとの間での相互作用はまた、サイクリンD1(多数の乳癌において調節不全であることが公知であるタンパク質)の発現を増加する。細胞周期中の、癌細胞における増加した進行のブロックはまた、腫瘍形成の進行を遅らすかまたは止めるための所望される標的を提供する。
現在、種々の選択的エストロゲンレセプターモジュレーター(SERM)は、乳癌の処置において用いられる。しかしながら、SERMの不利益の一つは、非標的組織中のこれらモジュレーターの化合物の部分的なアゴニスト作用である。例えば、タモキシフェン(最も一般的に処方されているSERM)は、乳癌の処置において非常に効果的であるがまた、子宮内膜腫瘍への刺激を与えてしまう。細胞型に関係なくエストロゲン応答をブロックし得る効果的な治療が必要である。
さらなる研究は、PELP1のN末端領域におけるいくつかのER相互作用部位へと、ERとのPELP1相互作用を位置決めした。活性化ドメインが欠けているPELP1の発現か、または、低分子干渉RNA(siRNA)を用いるPELP1−ER相互作用の妨害は、子宮内膜細胞におけるタモキシフェン媒介性アゴニスト応答をブロックする。従って、PELP1−ER相互作用の妨害は、腫瘍形成を遅らすかまたは止めるさらなる標的を提供し、一方で、非標的組織における伝統的なSERMの部分的なアゴニスト作用をうまく減らす。
ERシグナル伝達経路および細胞周期の両方におけるPELP1の役割は、RELP1を、このような治療のための望ましい標的にする。PELP1活性の調節またはブロックは、乳腺組織、精巣組織、卵巣組織、および子宮組織を含む種々のエストロゲン応答組織における腫瘍形成の進行を阻害する強固な機構を提供する。加えて、PELP1活性を阻害することは、従来の抗エストロゲン化合物とは異なり、組織型に関係なくエストロゲン応答をブロックする可能性が高い。PELP1活性はまた、診断ツールとして、腫瘍中のホルモン過敏性マーカーとして用いられ得る。
Kliewer,S.Aら、Science 284,757−760 (1999) Xu,Lら、Curr.Opin.Genet.Dev.9,140−147(1999) McKenna,N.J.ら、Endocr.Rev.20,321−344(1999) Tsai,M.J.ら、Annu.Rev.Biochem.63,451−486(1994) Glass,C.K.ら、Curr.Opin.Cell Biol.9,222−232(1997) Ma,H.ら、Mol.Cell.Biol.19,6164−6173(1999) Torchia,J.ら、Curr.Opin.Cell Biol.10,373−383(1998) Chakravarti,D.ら、Nature 383,99−103(1996) Wagner,B.L.ら、Mol.Cell.Biol.18,1369−1378(1998) Huang,S.M.およびStallcup,M.R.,Mol.Cell.Biol.20,1855−1867(2000) Huang,N.ら、EMBO J.17,3398−3412(1998) Cavailles,V.ら、EMBO J.14,8741−3751(1995) Heery,D.M.ら、Nature 387,733−736(1997) Spencer,T.E.ら、Nature 389,194−198(1997) Nagy,L.ら、Cell 89,373−380(1997) Glass,C.K.およびRosenfeld,M.G.、Genes Dev.14,121−141(2000) Couse,J.F.およびKorach,K.S.、Endocr.Rev.20,358−417(1999) Warner,M.ら、Curr.Opin.Obstet.Gynecol.11,249−254(1999) Kumar,V.ら、Cell 51,941−951(1987) Dubik,D.およびShiu,R.P.、J.Biol.Chem.263,12705−12708(1988) Zhang,J.ら、J.Biol.Chem.275,39855−39859(2000) Tcherepanova,I.ら、J.Biol.Chem.275,16302−16308(2000) Vadlamudiら、J.Biol.Chem.276(41):38272−38279(2001) Chelsky,D.ら、Mol.Cell.Biol.9,2487−2492(1989) Setharaman B.およびVadlamudi,R.K.、J.Biol.Chem.278:22118−22127(2003)
(発明の要旨)
本開示は、腫瘍細胞におけるPELP1の変化または調節に関連するいくつかの驚くべき発見に起因する。第一に、PELP1のC末端領域からのアミノ酸の欠失(配列番号1(完全長PELP1);配列番号3(PELP1のC末端領域);および配列番号14(C末端欠失PELP1変異体(PELP1−H1))
は、腫瘍細胞におけるエストロゲン応答をブロックし、結果として、腫瘍形成および細胞周期の進行が減少された。第二に、エストロゲンレセプターとのPELP1の相互作用は、PELP1タンパク質のN末端領域(配列番号5(PELP1のN末端領域))中に位置するいくつかのER相互作用部位に位置決めされた。PELP1とERとの間の相互作用を妨害することは、子宮内膜細胞におけるタモキシフェン媒介性アゴニスト応答をブロックする。従って、PELP1活性の妨害は、エストロゲン応答細胞型(例えば、精巣組織、卵巣組織、および子宮組織、乳腺組織、脳組織、骨格筋組織、および肺組織のような細胞型が挙げられる)において腫瘍形成および癌の進行を遅らすかまたは止める、ならびに、非標的組織におけるSERMの部分的なアゴニスト作用を減少する治療活性についての新規経路を提供する。
本発明の一つの実施形態は、PELP1活性を妨害し得る、一つ以上のポリペプチド、オリゴペプチド、またはペプチド模倣物を含む組成物に関連し、配列番号7〜配列番号13(PELP1−ERブロッキングペプチド)およびそれらの改変体が挙げられるが、限定はされない。本発明に従うポリペプチド、オリゴペプチド、またはペプチド模倣物は、天然供給源からの単離、原核生物宿主細胞もしくは真核生物宿主細胞における組換え体の産出、または化学合成を含む、当該分野で公知の任意の手段によって達成され得る。
ある特定の実施形態において、ポリペプチドまたはオリゴペプチドは、発現を促進する状況下で宿主細胞を培養し、そしてその培養培地からそのポリペプチドまたはオリゴペプチドを回収することによって、生成される。原核生物細胞または真核生物細胞(例えば、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞、および動物細胞)におけるこれらのポリペプチドまたはオリゴペプチドの発現は、本発明によって包含される。他の実施形態において、ポリペプチド、オリゴペプチド、またはペプチド模倣物は、当該分野において周知の方法を用いる化学合成によって生成される。
本発明の別の実施形態は、PELP1の転写または翻訳を調節または妨害する、低分子干渉RNA(siRNA)またはアンチセンス核酸を提供する。siRNAは、代表的には、100bp未満の長さであり、そして好ましくは、30bp以下である。本発明に従うsiRNAの例は、配列番号16〜配列番号19のうちのいずれかにて提供される。アンチセンス核酸およびsiRNAは、相補DNA鎖の使用含む当該分野において公知の任意の方法によって、または化学合成を介して、作製され得る。
本発明の代替的な実施形態は、本明細書中に開示されたポリペプチドのうちのいずれかをコードする単離された核酸分子である。この単離された核酸の配列は、PELP1遺伝子(配列番号2(完全長PELP1)もしくは配列番号15(PELP H1変異体))に由来する天然に存在する核酸配列、PELP1遺伝子のC末端領域(配列番号4)に由来する天然に存在する核酸配列、PELP1遺伝子のN末端領域(配列番号6)に由来する天然に存在する核酸配列、または、開示されたポリペプチドをコードするこのような配列の変化型であり、これらの核酸配列は、これらの配列に対して相補的な核酸を含む。一本鎖および二本鎖のDNA分子およびRNA分子の両方が、本発明によって包含され、同様に、本発明の変性された二本鎖のDNA分子とハイブリダイズする核酸分子も包含される。さらに含まれるのは、核酸分子の変異誘発により誘導される単離された核酸分子である。この核酸分子は、
配列番号2(完全長PELP1遺伝子)、配列番号4(C末端領域)、配列番号6(N末端領域)、または配列番号15(PELP1 H1変異体)のうちのいずれかの配列、
配列番号2、配列番号4、配列番号6、もしくは配列番号15のうちのいずれかの対立遺伝子改変体、および
配列番号2、配列番号4、配列番号6、もしくは配列番号15のうちのいずれかの縮重改変体
を含む。本発明の核酸はまた、発現されるべき所望のアミノ酸コードに基づき化学的に合成され得る。
本発明に従う単離された核酸分子は、好ましくは、適切な宿主細胞内で上記ポリペプチドの発現を指向し得る発現ベクターを含むベクター中に含まれる。適切な宿主細胞とは、上記発現ベクターからの上記ポリペプチドの発現が生物学的に機能的なポリペプチドを生じる宿主細胞である。生物学的機能は、真核細胞発現、および特には哺乳動物細胞発現が好ましくなるような、上記ポリペプチドの適切な折り畳みおよび適切な構造安定性と関連付けられ得る。本発明における単離された核酸はまた、遺伝子を送達するために使用されるベクターまたは送達系が特定の細胞型を標的とし、そして標的細胞内での上記ポリペプチドの安定な発現を生じる、細胞特異的遺伝子治療組成物のうちに含まれ得る。
特定の実施形態において、本発明は、高い特異性でPELP1ポリペプチドと結合する抗体を提供する。抗体は、配列番号1(完全長PELP1)、配列番号3(C末端領域)、配列番号5(N末端領域)、配列番号7〜配列番号13(PELP1−ERブロッキングペプチド)、または配列番号14(PELP1 HI変異体)のうちのいずれかに対して生成され得るか、あるいは、野生型エピトープおよび変異体エピトープ(例えば、配列番号7〜配列番号13、および配列番号20(PELP1抗体生成エピトープ)として開示されるエピトープ)を含むエピトープコア領域を含む、より小さな構築物を含む任意の部分に対して生成され得る。
本発明のさらなる実施形態は、PELP1活性の潜在的なモジュレーターをスクリーニングする方法を包含する。スクリーニング方法の例は、
候補分子を提供する工程;
単離された化合物、細胞、または実験動物と候補分子とを混合する工程;
その化合物、細胞、または実験動物の一つ以上の特性を測定する工程;および
その一つ以上の特性に対するその候補分子の効果を測定する工程
を包含する。測定可能な特性としては、細胞増殖率、PELP1局在化、PELP1−ER相互作用、またはPELP1−クロマチン相互作用が挙げられるが、限定はされない。アッセイは、無細胞系、単離された細胞、または生物(トランスジェニック動物を含む)のうちで行われ得る。
本発明の特定の実施形態において、上記のポリペプチド、オリゴペプチド、ペプチド模倣物、核酸、siRNA、または抗体は、薬学的組成物を提供するための薬学的に受容可能なキャリアのうちに含まれるか、または、これらのキャリアと組み合わされる。上記活性化合物はまた、当業者によって有用であると認められた任意の経路(非経口経路または腹腔内経路を含む)により投与され得る。遊離塩基または薬学的に受容可能な塩としての上記活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性化剤と適切に混合された水中で、調製され得る。分散物もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物、ならびに油中で調製され得る。通常の保存条件および使用条件下において、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐ防腐剤、またはこの調製物に所望の特性を与える他の賦形剤を含む。
本発明のさらなる実施形態は、エストロゲンレセプター経路に関連する障害(特に、癌)、およびエストロゲン受容性細胞における他の腫瘍形成障害の処置または診断のための治療キットまたは診断キットに関連する。このようなキットは、市販のために包装された一つ以上の治療成分または診断成分を含む。
(詳細な説明)
(ポリペプチド、オリゴペプチド、およびペプチド模倣物)
PELP1活性のブロックまたは妨害(特に、ヒストンH1とPELP1との結合、またはPELP1−ER相互作用のブロック)は、エストロゲン応答細胞型における腫瘍形成および癌の進行を遅らすかまたは止める治療活性についての新規経路を提供する。PELP1活性は、PELP1アミノ酸配列の一つ以上の部分(特に、C末端の253個のアミノ酸、またはPELP1ポリペプチドのN末端部分における種々のER相互作用領域の一つ)に相当する、ポリペプチド、オリゴペプチド、またはペプチド模倣物の投与によって、妨害され得る。このようなポリペプチド、オリゴペプチド、またはペプチド模倣物は、配列番号1(完全長PELP1)、配列番号3(C末端領域)、配列番号5(N末端領域)、配列番号7〜配列番号13(PELP1−ERブロッキングペプチド)、または配列番号14(PELP1 HI変異体)の全体または一部に対応する。
本発明の一つの実施形態は、PELP1活性を妨害し得る多様な形態でのポリペプチド、フラグメント、オリゴペプチド、またはペプチド模倣物を一つ以上含む組成物に関連し、これらのポリペプチド、フラグメント、オリゴペプチド、またはペプチド模倣物は、天然に生じるものか、または種々の技術(例えば、組換えDNA技術または化学合成に関する手順)を介して生成されるものを含む。このような形態としては、誘導体、改変体、およびオリゴマー、ならびに、融合タンパク質またはそれらのフラグメントが挙げられるが、限定はされない。
本発明のポリペプチド改変体は、実質的には天然形態と相同であるが、一つ以上の欠失、挿入、または置換があるため天然形態のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有する、ポリペプチドを含む。所与のアミノ酸は、例えば、類似の生理化学的特性を有する残基で置換され得る。このような保存的置換の例としては、1個の脂肪族残基で別の残基を(例えば、Ile、Val、Leu、またはAlaを互いに)置換すること、1個の極性残基で別の残基を(例えば、LysとArgとの間、GlnとAspとの間、またはGluとAsnとの間で)置換すること、あるいは、1個の芳香族残基で別の残基を(例えば、Phe、Trp、またはTyrを互いに)置換することが挙げられる。他の保存的置換(例えば、類似する疎水性特性を有する領域全体の置換に関与する)が、周知である。
本発明のペプチド模倣物は、配列番号1(完全長PELP1)、配列番号3(C末端領域)、配列番号5(N末端領域)、配列番号7〜配列番号13(PELP1−ERブロッキングペプチド)、または配列番号14(PELP1 HI変異体)、あるいは、それらのフラグメントまたは改変体の一次構造、二次構造、または三次構造を模倣する。好ましいペプチド模倣物は、プロテアーゼ抵抗性である。本発明のペプチド模倣物としては、アザペプチド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、βペプチド、γペプチド、オリゴ(フェニレン、エチニレン)、ビニル性スルホノペプチド、およびポリN置換グリシン(ペプトイド)が挙げられる。本発明のペプチド模倣物は、例えば、Peptidomimetics Protocols(Methods in Molecular Medicine,V.23),Kazmierski,W.M.編、Humana Press(1999)に概要が述べられるような、当該分野において周知の技術を用いて設計され得、かつ化学的に合成され得る。
(核酸)
本発明の代替的な実施形態は、本明細書中に開示されるポリペプチド(配列番号2(完全長PELP1)、配列番号4(C末端領域)、配列番号6(N末端領域)、または配列番号15(PELP1 H1変異体)を含む)、あるいは相補配列を含むそれらのフラグメントまたは改変体のうちのいずれかをコードする、単離された核酸分子である。単離された核酸配列は、PELP1遺伝子のN末端領域またはC末端領域由来の天然に生じる核酸配列であり得るか、または、開示されたポリペプチドをコードするこのような配列の変形(遺伝コード中の重複性によって生じる改変体を含む)であり得る。あるいは、このような核酸は、発現される所望のアミノ酸コードに基づいて化学的に合成され得る。本発明に従う単離された核酸は、好ましくは、ベクター(適切な宿主細胞内で上記ポリペプチドの発現を指示し得る発現ベクターを含む)中に含まれる。本発明の単離された核酸はまた、細胞特異的遺伝子治療組成物のうちに含まれ得る。本発明に従う遺伝子治療は、ポリペプチドをコードする核酸を細胞に提供することを含む。このポリペプチドは、次いで、細胞の転写機構および翻訳機構によって合成され、同様に、発現構築物によって提供され得る任意のポリペプチドも合成される。アンチセンス、リボザイム、siRNA、および他のインヒビターの提供において、上記方法はまた、阻害性構築物をコードする核酸を細胞に提供する。全てのこのような方法は、本明細書中において用語「遺伝子治療」の範囲内に包含される。
本発明にさらに含まれるのは、siRNAである。siRNAは、短いヘアピンRNA(shRNA)(Paddisonら、Genes and Dev.,16:948−58,2002)を含む低分子干渉RNAを指し、このsiRNAは、細胞中の特定の遺伝子の干渉そしておそらく転写後サイレンシングを引き起こし得る。RNA干渉は、干渉RNAを生成する方法を含み、Bass,Nature,411:428−29,2001;Elbashirら、Nature,411:494−98,2001;およびFireら、Nature,391:806−11,1998において記載されかつ議論されている。本発明のsiRNAは、典型的に、長さ100塩基対(bp)未満であり、そしてより好ましくは、長さ約20bp〜30bp以下である。本発明のsiRNAは、好ましくは、1個〜6個のヌクレオチドリーダーまたはヌクレオチドテールを有する。PELP1活性を妨害し得る4つのsiRNAが、単離された。これは、配列番号16〜配列番号19として含まれている。本発明のsiRNAは、そのsiRNA分子がPELP1遺伝子もしくはその転写物と相互作用する場合において、裸のオリゴヌクレオチド形態、センス核酸分子もしくはアンチセンス核酸分子形態、ベクター形態で送達され得るか、または、当業者に公知の他の任意の方法で送達され得る。本発明のsiRNA分子のうちのいずれかの相互作用は、ヒト細胞を含む哺乳類細胞において、転写後サイレンシングか、またはPELP1遺伝子の減少した活性を引き起こす。
本発明の特定の実施形態において、PELP1遺伝子をコードする核酸、PELP1遺伝子のモジュレーターをコードする核酸、またはそれらの有用なフラグメントをコードする核酸は、細胞のゲノム中に、安定に組み込まれ得る。なおさらなる実施形態において、上記核酸は、DNAの別々のエピソームセグメントとして、細胞中に安定に維持され得る。このような核酸セグメントまたは「エピソーム」は、宿主細胞の周期とは独立してか、または同期化して、維持および複製を可能にするのに十分な配列をコードする。発現構築物が細胞にどのようにして送達されるか、および、その核酸が細胞中のどこで残存するのかは、用いられた発現構築物の型、および構築物が形質転換される細胞の型に依存する。当業者は、送達構築物ならびに細胞株および細胞型を、彼らの必要性を満たすために慣用的に選択し、そして、この当業者は、本発明の種々の実施形態で使うためにこのような系を容易に最適化し得る。
特定のウィルスが、レセプター媒介性エンドサイトーシスを介して細胞に感染するかまたは細胞に入り、そして、宿主細胞ゲノム中に組み込み、かつウィルス遺伝子を安定かつ効率的に発現する能力は、そのウィルスを、外来遺伝子を哺乳類細胞内に移入するための魅力的な候補にする。本発明の好ましい遺伝子治療ベクターは、一般に、ウィルス性ベクターである。
外来遺伝物質を受け入れ得るいくつかのウィルスは、これらのウイルスが感染する細胞の範囲で収容し得るヌクレオチドの数が限られるが、これらのウイルスは、遺伝子発現を首尾よくもたらすことが実証されている。アデノウィルスは、しかしながら、このウィルスの遺伝物質を宿主ゲノム中に組み込まないが、それ故、遺伝子発現のための宿主の複製を必要とにない。このことは、このウィルスを、迅速で効率的な異種遺伝子発現に理想的に適するようにする。複製欠陥性感染性ウィルスの調製技術は、当該分野において周知である。
当然、ウィルス性伝達系の使用において、当業者は、ビリオンを、望ましくない混入物を基本的に含まないようにするのに十分に精製して、ベクター構築物を受け取る細胞、哺乳動物、または個体において有害反応を何も生じないようにすることを望む(例えば、欠陥性干渉ウィルス性粒子またはエンドトキシン、および他の発熱物質)。ベクターを精製する好ましい手段は、浮遊密度勾配(例えば、勾配塩化セシウム勾配遠心分離)の使用を含むが、当該分野において公知であるベクター精製のための任意の有効な手段が、使用され得る。
細胞に核酸を送達するさらなる方法としては、リポソーム媒介性トランスフェクションまたはレセプター媒介性トランスフェクションが挙げられる。本発明のさらなる実施形態において、発現構築物は、リポソーム内に捕捉され得る。リポソームは、リン脂質二重層および内側の水性媒体によって特徴付けられる、小胞構造物である。多重膜リポソームは、水性媒体によって隔てられた複数の脂質層を有する。これらのリポソームは、過剰の水溶液中にリン脂質を懸濁した場合に、自然に形成する。そのリン脂質成分は、閉鎖構造の形成前に自己再配列を起こし、水を捕捉し、そして上記脂質二重層の間で溶質を溶解する(GhoshおよびBachhawat、1991)。また企図されるのは、リポフェクタミン(Gibco BRL)と複合体化された発現構築物である。
開示された核酸構築物を標的細胞へ送達するために利用され得るなおさらなる発現構築物は、レセプター媒介性送達ビヒクルである。これらのレセプター媒介性送達ビヒクルは、上記標的細胞で生じるレセプター媒介性エンドサイトーシスによる高分子の選択的取り込みを利用する。種々のレセプターの細胞型特異的分布を考慮すると、この送達方法は、本発明にさらなる程度の特異性を加える。特定のレセプター媒介性遺伝子標的化ビヒクルは、細胞レセプター特異的リガンドおよびDNA結合因子を含む。他のレセプター媒介性遺伝子標的化ビヒクルは、送達されるDNA構築物が可能に結合されている細胞レセプター特異的リガンドを含む。いくつかのリガンドは、レセプター媒介性遺伝子導入のために用いられている。本発明の特定の局面において、上記リガンドは、エストロゲン応答性標的細胞(例えば、精巣細胞、卵巣組織細胞および子宮組織細胞、乳腺組織細胞、脳組織細胞、骨格筋組織細胞、および肺組織細胞)において特異的に発現されるレセプターに対応するように、選ばれる。
他の実施形態において、細胞特異的遺伝子標的化ビヒクルのDNA送達ビヒクル成分は、リポソームと組み合わせた特異的結合リガンドを含み得る。送達される核酸は、上記リポソーム内に収容され、そして、上記特異的結合リガンドは、リポソーム膜内へ機能的に取り込まれる。上記リポソームは、従って、上記標的細胞のレセプターに特異的に結合し、そして上記細胞に内容物を送達する。
(抗体)
特定の実施形態において、本発明は、高い特異性でPELP1ポリペプチドと結合する抗体を提供する。完全長のN末端領域またはC末端領域に対して生成された抗体に加えて、抗体はまた、エピトープコア領域(野生型エピトープおよび変異体エピトープを含む)を含むより小さい構築物に応答して生成され得る。このようなエピトープの一つの例は、配列番号20として開示される。このエピトープは、ウサギにおけるPELP1に対する抗体を生成するために用いられている。さらなるエピトープは、本明細書中に開示されたアミノ酸配列のうちのいずれかに由来し得る。さらに、上に記載されたポリペプチド、フラグメント、改変体、融合タンパク質がは、それらと免疫反応性である抗体を生成する際に、「免疫原」として利用され得る。一般に、単独のIgGもしくはIgMか、またはIgGとIgMの組み合わせが、好ましい。なぜなら、これらは、生理学的状況において最も一般的な抗体であり、そして、どの抗体型にも用いられ得るが、これらが実験環境で最も容易に作製されるからである。
これらの抗原性決定基またはエピトープは、直線状またはコンフォメーション(非連続)のいずれかである。直線状エピトープは、PELP1ポリペプチドのアミノ酸の一部分から構成され、一方で、コンフォメーションエピトープまたは非連続エピトープは、タンパク質のフォールディングのときに近づく、ポリペプチド鎖の異なる領域からのアミノ酸部分から構成される(C.A.Janeway,JrおよびP.Travers,Immuno Biology 3:9(Garland Publishing Inc.,第2版 1996))。エピトープは、当該分野において公知の方法のうちのいずれかによって同定され得る。
従って、本発明の一つの局面は、本発明のポリペプチドの抗原性エピトープに関する。このようなエピトープは、以下により詳細に記載されるような抗体(特に、モノクローナル抗体)を惹起させるために有用である。加えて、本発明のポリペプチドからのエピトープは、研究試薬として、アッセイにおいて、物質から特異的結合抗体を(例えば、培養ハブリドーマからポリクローナル血清または上精を)精製するために、用いられ得る。このようなエピトープまたはそれらの改変体は、当該分野において周知の技術(例えば、固相合成、ポリペプチドの化学的切断もしくは酵素的切断)を用いてか、または組換えDNA技術を用いて、精製され得る。
本発明のポリペプチドのエピトープによって励起されたポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の両方は、このようなエピトープが単離されていようと、またはそのポリペプチドの一部のままであろうとも、従来技術によって調製され得る。例えば、Monoclonal Antibodies,Hybridomas:A New Dimension in Biological Analyses,Kennetら(編)、Plenum Press,New York(1980);ならびにAntibodies:A Laboratory Manual,HarlowおよびLand(編)、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,(1998)参照のこと。
モノクローナル抗体(mAb)は、一定の利点(例えば、再現性および大量生産)を有することが認められ、そして、それらモノクローナル抗体の使用は、一般に好ましい。従って、本発明は、ヒトのモノクローナル抗体、マウスのモノクローナル抗体、サルのモノクローナル抗体、ラットのモノクローナル抗体、ハムスターのモノクローナル抗体、ウサギのモノクローナル抗体、ニワトリのモノクローナル抗体、または当業者に公知な任意の他の種源のモノクローナル抗体を提供する。試薬の調製の容易さおよび入手しやすさに起因して、マウスのモノクローナル抗体が、しばしば好ましい。「ヒト化」抗体もまた、企図されるが、しかしながら、ヒトの定常領域ドメインもしくは可変領域ドメインを単独で有するか組み合わせて有するマウス、ラット、または他の種からのキメラ抗体、二重特異性抗体、組換え抗体および改変抗体、ならびにそれらのフラグメントもまた企図される。それらの抗体は、キメラ抗体、およびさらなる改変モノクローナル抗体の生成のための手順としては、Riechmannら(Nature 332:323,1988)、Liuら(PNAS 84:3439、1987)、Larrickら(Bio/Technology 7:934,1989)、ならびにWinterおよびHarris(TIPS 14:139,May,1993)に記載された手順を含む。抗体を遺伝子組換え生成する手順は、英国特許第2,272,440号、米国特許第5,569,825号、米国特許第5,545,806号、およびそれら優先権を主張する関連特許中に見出され得、これらすべては、本明細書中において参考として援用される。
抗体の抗原結合フラグメントは、従来技術によって生成され得、このフラグメントもまた、本発明によって包含される。このようなフラグメントの例としては、Fab’、Fab、F(ab’)2、単一ドメイン抗体(DABS)、Fv、scFv(単鎖Fv)などが挙げられるが、限定はされない。遺伝子工学技術によって生成された抗体フラグメントおよび誘導体はまた、提供される。
本発明は、一般的にはモノクローナル型であるPELP1タンパク質、PELP1ポリペプチド、またはPELP1ペプチドに対する抗体をさらに提供し、これらは、抗体結合体を形成するために一つ以上の他の因子と結合される。十分な選択性、特異性、および親和性の任意の抗体が、抗体結合体の基礎として利用され得る。このような特性は、当業者に公知の従来の免疫学的スクリーニング方法論を用いて評価され得る。
抗体結合体の特定の例は、その抗体が検出可能な標識に結合されている結合体である。「検出可能な標識」は、それらの化合物または要素の特定の機能的特性または化学的特徴に起因して検出され得る化合物または要素であり、それらの使用によって、それらが結合している抗体が検出され、必要に応じてさらに定量化されるが可能になる。別のこのような例は、細胞傷害性因子または抗細胞性因子(「免疫毒素」と呼ば得る)と結合した抗体を含む結合体の形成である。
抗体結合体は、従って、診断用因子として好ましい。抗体診断剤は、一般に、2つのクラス(インビトロ診断剤(例えば、種々の免疫測定法)における使用のため、およびインビボ診断プロトコル用のクラス(抗体指向画像化として一般に公知である))に当てはまる。
標的化合物のアクチベーターまたはインヒビターの構造を確認するために抗体を使用することもまた、可能である。このアプローチは、その後の薬物設計が基礎とし得るファーマコア(pharmacore)を得る。抗イディオタイプ抗体を機能的で薬理学的に活性な抗体にすることによりタンパク質結晶学を全て回避することが、可能である。鏡像の鏡像として、抗イディオタイプの結合部位は、もとの抗体のアナログであることが予期される。上記抗イディオタイプは、化学的または生物学的に生成されたポリペプチドの貯蔵源からポリペプチドを同定および単離するために用いられ得る。選択されたポリペプチドは、上記ファーマコアとして役立つ。抗イディオタイプは、抗原としての抗体を用いて、抗体を生成するために本明細書中に記載される方法を用いて生成され得る。
(薬剤)
本発明の特定の実施形態において、上記ポリペプチド、ペプチド模倣物、核酸、または抗体は、薬学的に受容可能なキャリア中に含まれるか、またはそれらキャリアと組み合わされる。活性化合物はまた、当該分野に公知の任意の経路(非経口経路、腹腔内経路、皮下経路、静脈内経路、筋肉内経路、舌下経路、吸入経路、経口経路などが挙げられる)によって投与され得る。遊離塩基または薬学的に受容可能な塩としての上記活性化合物の溶液は、界面活性化剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)と適切に混合された水中で、調製され得る。分散物もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物中、ならびに油中で調製され得る。これらの調製物は、保存の間に微生物の増殖を防ぐ防腐剤をしばしば含む。有用かつ望ましいキャリアまたは賦形剤を単独でかまたは組み合わせて選択する方法は、当業者に周知である。
水溶液における非経口投与について、例えば、この溶液は、必要に応じて適切に緩衝化されるべきであり、そして、液体希釈剤が、十分な生理食塩水またはグルコースで最初に等張性にされるべきである。これらの特定の水溶液は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、および腹腔内投与に、特に適している。この点について、利用され得る滅菌した水性媒体は、本開示の観点から当業者に公知である。例えば、ある投薬量が、1mLの等張NaCl溶液中に溶解され得、そして、1000mLの皮下注入液体に加えられる得るか、または提唱された注入部位に注射され得るかのいずれかである(例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」第15版、1035〜1038頁および1570〜1580頁を参照のこと)。投薬量におけるいくらかの変化は、処置される被験体の状態に依存して、必ず生じる。投与の担当者は、いずれにせよ、個々の被験体のための適切な投与量を決定する。
注入可能な使用に適切な薬学的形態としては、滅菌された水溶液または水性分散物、および、滅菌された注入可能な溶液または分散物の即時調製物のための滅菌された粉末が挙げられる。いかなる場合でも、上記形態は、滅菌されなければならず、かつ適切に液体状でなければならない。その形態は、製品条件および保存条件下において、安定でなければならない。そして、上記形態は、微生物(例えば、細菌および新菌)の混入に対して保護されなければならない。上記キャリアは、溶媒または分散媒体(例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、ならびに植物油を含む)であり得る。適切な流動性は、例えば、コーティング(例えば、レシチン)の使用によって、分散の場合には必要粒径の維持によって、ならびに界面活性剤の使用によって維持され得る。本発明の微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)によって引き起こされ得る。多くの場合、等張剤(例えば、糖または塩化ナトリウム)を含むことが、好ましい。注入可能な組成物の長期に渡る吸収は、吸収を遅らす薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)をその組成物中で使用することによって引き起こされ得る。
滅菌された注入可能な溶液は、上に列挙された種々の他の成分とともに、適切な溶媒中で上記活性化合物を必須量取り込むことによって調製され、必要に応じて、ろ過滅菌される。一般に、分散物は、種々の滅菌された活性成分を、滅菌されたビヒクル(基本的な分散媒体、および上に列挙された成分からの他の必要成分を含む)中に取り込むことによって調製される。滅菌された注入可能な溶液の調製のための滅菌された粉末の場合、好ましい調製方法は、減圧乾燥技術および凍結乾燥技術である。この技術は、以前に滅菌ろ過した溶液からのさらに望ましい成分を加えることによって、活性成分の粉末を産出する。
本明細書中で用いられる場合、「薬学的に受容可能なキャリア」としては、ありとあらゆる溶媒分散媒体、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが挙げられる。薬学的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当該分野において周知である。何らかの従来の媒体または因子が上記活性成分と不適合である範囲を除いて、治療組成物におけるそれらの使用が、企図される。補助活性成分もまた、上記組成物中に含まれ得る。
活性成分としてタンパク質を含む水性組成物の調製は、当該分野において十分に理解される。典型的に、このような組成物は、注入可能な物質として調製され、溶液または液体懸濁分散物のいずれかとして調製される(注入前の液体中に溶液または懸濁物のために適した固体形態もまた、調製され得る)。上記調製物はまた、乳化され得る。
(スクリーニング)
本発明はまた、化合物がPELP1を調製する能力についての化合物のスクリーニングを企図する。スクリーニング方法は、無細胞系、単離された細胞、または生物(トランスジェニック動物を含む)において行われ得る。無細胞スクリーニング方法の例は、
候補遺伝子を提供する工程;
その候補分子を、単離された化合物、細胞、または実験動物と混合する工程;
その化合物、細胞、または実験動物の一つ以上の特性を測定する工程;および
その一つ以上の特性に対するその候補分子の効果を測定する工程
を包含する。測定可能な特性としては、細胞中の細胞増殖速度、PELP1局在化、PELP1−ER相互作用、またはPELP1−クロマチン相互作用が挙げられるが、限定はされない。
種々の細胞株が、単離された細胞アッセイのために用いられ得る。その細胞株としては、MCF−7ヒト乳癌細胞、T47Dヒト乳癌細胞、MDAヒト乳癌細胞、MB−231ヒト乳癌細胞、およびZR75Rヒト乳癌細胞、SAOS−2細胞、HepG2細胞、Caco−2細胞、U2OS骨細胞、Ishikawa子宮内膜細胞、RL 95−2子宮内膜細胞、SW1748子宮内膜細胞、HEC1A子宮内膜細胞、HEC1B子宮内膜細胞、HeLa細胞が挙げられるが、限定はされない。またはこの目的のために特に操作された細胞(MCF−7−PELP1細胞、MCF−7−PELP1 HI変異細胞、Ishikawa−PELP1野生型細胞、Ishikawa−PELP1−HI変異細胞、もしくはPELP1−Teton野生型誘導性細胞、PELP1 NLS変異細胞を含むが、限定はされないが、このようなスクリーニングアッセイのために利用され得る。
上記アッセイに依存して、培養が、必要とされ得る。上記細胞は、多数の異なる生理学的アッセイのうちのいずれかを用いて調べられる。あるいは、分子分析(例えば、タンパク質発現、mRNA発現(全細胞もしくはPolyA RNAの差次的なディスプレイを含む)などを観察すること)が実施され得る。さらなるスクリーニング方法およびスクリーニングプロトコルの構成は、当業者に周知であり、かつ本発明において有用である。
(治療キットまたは診察キット)
本発明の治療キットまたは診察キットは、適切な容器中に供給された薬学的に受容可能な処方物中にPELP1の少なくとも一つのモジュレーター(タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ペプチド模倣物、インヒビター、遺伝子、ベクター、抗体、抗体結合体、または他のエフェクター含むが、限定はされない)を含むキットである。上記キットはまた、伝統的なSERM(例えば、タモキシフェン、または当該分野において公知の他の選択的エストロゲンレセプターモジュレーター)と一緒に、本発明のPELP1モジュレーターのうちのいずれかを含む。上記キットは、単一の容器を有し得るか、または、完全なキットを構成するために多様に供給された化合物各々のための別個の容器を有し得る。
上記キットの構成要素が、一つ以上の液体溶液中に提供される場合は、その溶液は、特に好ましい滅菌された水溶液を含む水溶液である。PELP1モジュレーターまたは薬学的に受容可能なそれらの塩の組成物はまた、注入可能な組成物へと処方され得る。この場合、上記容器は、シリンジ、ピペット、または他のこのような装置であり得る。この容器から、上記処方物は、体の感染領域に適用され得、動物中に注入され得、またはそのキットの他の構成要素に適用され得るかもしくはその構成要素と混合さえされ得る。
そのキットの構成要素はまた、乾燥粉末として提供され得る。構成要素が乾燥粉末として提供される場合、この粉末は、適切な溶媒を加えることにより再構成され得る。上記溶媒は、キットの一部として別々の容器中に提供され得ることが、想定される。
以下の実施例は、本発明を説明する目的のために提供され、そして本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。本出願の全体にわたって引用された、全ての参考文献、特許、および公開された特許出願の内容は、本明細書によって、本明細書中において参考として援用される。
(PELP1 H1変異体のヒストンH1結合の特徴付け)
PELP1中のヒストン結合ドメインの存在を実証するために実験を行った。これらの実験は、PELP1がクロマチンに補充されるかどうか、ならびに、PELP1がヒストンH1と相互作用するかどうかを調べる。図1Aは、チャコール処理血清(charcoal stripped serum)中でPELP1安定クローンを2日間増殖したCHIP分析の結果(30分間、1時間、または3時間、E2で処理もしくはE2無しで処理したか、あるいは、3時間、TSAで処理した)を示す。T7−PELP1を、抗T7抗体で免疫沈降し、結合したクロマチンを溶出し、そして、pS2遺伝子(−359〜−30)に特異的なPCR増幅プライマーを上記CHIP分析に用いた。上記CHIP分析は、エストロゲン刺激がない場合において、PELP1の基礎蓄積(basal accumulation)を示した。30分間の処理では、PELP1との結合を何も示さなかった。その後、60分間のE2処理後に補充が増加した。3時間に渡るE2処理の継続は、pS2プロモーターからPELP1の完全な喪失をもたらした。これらの結果は、PELP1が、動力学的様式でE2応答性プロモーターへ補充されること、ならびに、デアセチラーゼ複合体がpS2プロモーターへのPELP1の補充において役割を有し得ることを、示唆する。
図1Bに描写されたファーウェスタン(Far−Western)アッセイの結果は、PELP1がヒストンH1と相互作用することを示す。ネイティブなヒストンを、MCF−7細胞から精製し、精製されたH3ヒストンもしくはH1ヒストン(Roche Biochemicals)とともに、15%SDS−PAGEゲル上で泳動した。そのゲルを、ニトロセルロースにトランスフェクトし、そして、35S標識化PELP1を、プローブとしての使用するためにインビトロ転写および翻訳系を用いて生成した。PELP1相互作用バンドを、オートラジオグラフィーによって同定した。この実験の結果は、PELP1がヒストンH1(全ヒストンの構成要素としてのヒストンH1、および精製されたヒストンH1としてのヒストンH1の両方)と特異的に相互作用し得ることを示す。他のヒストン、または精製されたヒストンH3との結合は、観察されなかった。
図1Cは、発明者によって調製されたPELP1 H1変異体の構造と、野生型PELP1の構造とを比較する図である。この変異体は、部位特異的変異誘発によって構築した。ここで、終止コドンは、変異体PELP1のアミノ酸877のコドンの後ろに導入した。コンセンサス核局在化モチーフの位置を、図中の略語「NLS」によって示す。
図1Dは、野生型PELP1と対比したPELP1 H1変異体の発現を示す。C末端領域の欠失は、一過性トランスフェクションアッセイおよびその後のウェスタン分析によって示されるような、より小さいタンパク質の発現をもたらす。
ヒストンH1結合ドメインを欠くPELP H1変異体の発現は、エストロゲン媒介性転写活性化のブロックをもたらす。PELP1変異体の機能性は、図1Eに描写されたEREレポーター遺伝子アッセイにおいて実証された。Isikawa(ヒト子宮内膜腺癌)細胞を、PELP1 H1変異体と一緒にかまたは無しで、EREレポーター遺伝子でトランスフェクトした。次いで、この細胞を、エストロゲンで処理するかまたは処理せず、そして、上記レポーター遺伝子活性を測定した。
(PELP1ドミナントネガティブ変異体の特徴付け)
乳癌細胞株MCF−7、子宮内膜癌細胞株Ishikawa、子宮頸部癌細胞株HeLa、および骨肉種SaoS2細胞とに、ドミナントネガティブPELP H1変異体と一緒にかまたは無しで、EREルシフェラーゼレポーターでトランスフェクトした。24時間後、細胞をE2(10−9M)で処理したかまたは処理せず、そして、24時間後のルシフェラーゼレポーター活性を測定した。このアッセイの結果は、図2に示される。試験された4つのモデル細胞全てにおいて、エストロゲンの追加は、そのレポーター遺伝子からの転写を数倍刺激した。しかし、ヒストンH1変異体の発現は、エストロゲンによる転写活性化の大きさを十分に減少した。これらの結果は、C末端領域またはPELP1が、正常なエストロゲン媒介性転写機能の維持に重要なヒストンH1結合領域を含むことを示す。PELP1とヒストンH1との相互作用は、驚くべきである。なぜなら、PELP1は、他のNRコレギュレータータンパク質とはほとんど相同性を共有しないからである。
従って、PELP1 H1変異体の発現は、乳癌細胞、骨肉種癌細胞、および子宮内膜癌細胞におけるエストロゲン媒介性ER同時活性化機能を有効に抑制した。
(PELP1 H1変異体の効果と、一般に使用される特定の抗エストロゲンの効果との比較)
MCF−7細胞またはHela細胞を、ER応答性レポーター(EREルシフェラーゼ)でトランスフェクトした。いくつかの細胞を、PELP H1変異体をトランスフェクトし、そして、いくつかの細胞はトランスフェクトしなかった。この細胞を、さらに、エストロゲンでか、ICI182780存在下でのエストロゲンでか、タモキシフェン存在下でのエストロゲンでか、タモキシフェン+PELP H1変異体でか、またはタモキシフェン+エストロゲン+PELP H1変異体で処理した(図3に示される)。
MCF−7細胞株およびHela細胞株の両方において、エストロゲンは、EREレポーター遺伝子を刺激し、そして、抗エストロゲンICIおよびタモキシフェンは、図3の棒グラフに示されるように、ERE活性の大きさを減少した。PELP H1変異体はまた、E2媒介性レポーター活性を顕著にブロックし、かつ、ICIまたはタモキシフェンよりもさらにより強力であった。加えて、タモキシフェンとPELP1 H1変異体とを合わせると、試験された1因子または因子の組合せよりも、さらにより有意な阻害をもたらした。
(腫瘍細胞株におけるPELP1の調節不全)
PELP1の発現を、種々の細胞株において研究した。タモキシフェン感受性細胞およびタモキシフェン耐性細胞の両方は、同様のレベルのPELP1を発現した。しかし、PELP1は、タモキシフェン耐性細胞内において差次的に局在することが見出された。腫瘍細胞におけるPELP1発現の免疫組織学的検査は、正常な細胞においてはPELP1が核内に局在化するのに対して、PELP1がその腫瘍細胞の細胞質内に主に局在することを示した。PELP1発現の調節不全は、乳房腫瘍および子宮内膜腫瘍の両方において観察された。
理論によって拘束されないが、癌細胞株におけるPELP1の変化した局在化、および、SERMの活性を調節するPELP1の能力は、PELP1が、PELP1による非ゲノム性シグナル伝達の活性化機構を介して、タモキシフェンおよびホルモン耐性において一定の役割を果たすことを示すと考えられる。提唱されるPELP1の機構のモデルが、図4に描写される。
通常の生理学的条件下において、PELP1は、核区画に局在する。エストロゲンは、ERおよびpRbとのPELP1相互作用を促進し、ER媒介性ゲノム応答(古典的なゲノム経路)を増強する。病理学的な状態(例えば、乳癌)において、PELP1の局在化は変化し、そして、PELP1は主に細胞質内に局在する。PELP1が細胞質内に存在する場合、エストロゲンは、PELP1−ERとPELP−srcのキナーゼとの相互作用を増強する。これらの増強された相互作用は、最終的に、MAPK経路(非ゲノム経路)の活性化、およびERの増加したリン酸化をもたらす。このことは、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)に対する変化したホルモン応答をもたらし、それにより、タモキシフェンの影響に対する耐性に寄与する。
(PELP1機能の妨害は、子宮内膜細胞株におけるタモキシフェン媒介性アゴニスト活性をブロックする)
PELP1機能の破壊を、タモキシフェン媒介性アゴニストシグナル伝達の妨害を評価するために、子宮内膜細胞株(Ishikawa)および乳癌細胞株(MCF−7)において行ったレポーター遺伝子活性および細胞増殖アッセイを用いて調べた。癌細胞を、
(a)PELP1 cDNA、
(b)PELP1 H1変異体cDNA(アミノ酸 1〜877)、
(c)核局在化シグナルを欠くPELP1変異体cDNA(PELP−NLS変異体)、または
(d)PELP1特異的siRNA
のいずれかと一緒に、EREレポーター遺伝子で同時にトランスフェクトした。細胞をエストロゲンで2日間刺激し、そして、レポーター遺伝子活性および細胞数を測定した。野生型PELP11の過剰発現は、Ishikawa細胞においては、タモキシフェン媒介性アゴニスト活性を増強したが、MCF−7細胞においては増強しなかった。興味深いことに、PELP1−NLS変異体の発現(この変異体は、細胞質内に主に局在する)は、MCF−7およびIshikawa細胞の両方においてタモキシフェン媒介性アゴニストシグナル伝達を増強した。PELP H1変異体(1〜877)の発現は、Ishikawa細胞におけるタモキシフェン媒介性アゴニスト活性を妨害した。さらに、PELP1特異的siRNAの発現もまた、Ishikawa細胞によってタモキシフェン媒介性活性を妨害した。
(PELP1 siRNAでの細胞の処理は、PELP1発現レベルを十分に減少した)
MCF−7細胞を、コントロールsiRNA、または4種のPELP1 siRNAのカクテルのいずれかと一緒に、EREレポーター遺伝子でトランスフェクトした。細胞を、エストロゲンでかまたはエストロゲン無しで処理し、そして、レポーター活性を測定した。細胞溶解物をまた、PELP1レベルを調べるためにウェスタンブロッティングによって分析した。
図5に示されるように、PELP1 siRNAでのMCF−7細胞の処理は、PELP1の発現を十分に減少した。siRNAを用いるPELP1のダウンレギュレーションはまた、PELP1 H1変異体を発現する細胞において観察されたレベルと同様のレベルになるまでER媒介性トランス活性化機能に影響した。これらの結果は、PELP1 siRNAが、癌細胞におけるシグナル伝達を操作する代替的な方法を提供し得ることを示す。この方法は、PELP1ポリペプチドおよびPELP1変異体に関与する前に記載された方法と同様である。
(正常な子宮内膜細胞および癌性子宮内膜細胞におけるPELPの発現および局在化)
PELP1の発現および局在化を、正常な子宮内膜および癌性子宮内膜の両方において特徴付けた。図6は、PELP1が子宮内膜のすべての段階において発現される一方で、このタンパク質が病期に依存して特徴的な局在化を示すことを示す。
PELP1は、子宮内膜癌細胞(広く用いられる子宮内膜細胞株(IshikawaおよびRL 95−2)を含む)において、広範に発現される。コントロールMCF−7乳癌細胞(ERα陽性)およびMDA−MB−231(ERβ陽性)乳癌細胞もまた、分析した(図7A)。モデル系としてER陽性Ishikawa細胞を用いるERトランス活性化アッセイは、PELP1の同時発現が、リガンドで刺激された細胞において、ベクターでトランスフェクトされた細胞においてEREルシフェラーゼ(luc)活性の6倍の増加が観察されたのと比較して、9倍増加したことを示す。このことは、PELP1はまた、子宮内膜細胞においてERのコアクチベーターとして作用することを示唆する(図7B)。両方のERサブタイプのトランス活性化機能のPELP1による調節は、ERα特異的リガンドまたはERβ特異的リガンドを用いて行われた。PELP1でトランスフェクトされた細胞を、PPT(ERα特異的リガンド)で処理した場合、3XERElucレポーター活性は、上記ベクターでトランスフェクトされたコントロールより9倍多く増加した(図7C)。このことは、PELP1が、ERα依存性転写を同時活性し、そして、内因性ERαおよびそれの特異的リガンドPPTと協働することを示唆する。これらの結果と一致して、E2によるIshikawa細胞の処理は、インビボにおいてERαとPELP1との増強された結合をもたらした(図7D)。図7Eに示されるように、ERβ特異的リガンドDPNでのIsikawa細胞の処理はまた、ERE−luc活性を刺激した(コントロール細胞において観察されるよりも3倍だけ大きい活性ではあったが)。このことは、PELP1がまた、ERβの転写活性と協働し得ることを示唆する。PELP1はまた、PELP1で同時にトランスフェクトした場合に、Ishikawa細胞におけるERβ転写活性を増強する(図7F)。さらに、内因性PELP1は、Ishikawa細胞において、リガンド依存性様式で有効にERβと相互作用する(図7G)。総じてこれらの結果は、PELP1が両方のERサブタイプのコアチベクターとして作用することを示唆するが、しかしながら、PELP1は、Ishikawa細胞において、ERβより規模の大きいERαの同時活性化を示した。
(ヒストンとのPELP1の相互作用)
生化学的分析および走査型共焦点顕微鏡分析を、PELP1の核局在化および機能的関連を実証するために用いた。原子核内分画は、クロマチン画分および核基質画分とのPELP1の結合を示した。リガンド刺激は、17−β−エストラジオール(E2)応答プロモーターへのPELP1の補充を促進し、そのPELP1のアセチル化H3との共局在化を促進し、そして、PELP1に関連するヒストンアセチルトランスフェラーゼの増加した酵素活性を促進した。ファーウェスタン(Far−Western)分析は、PELP1がヒストン1およびヒストン3(H1およびH3)と相互作用する(H1に対しての方が優先的である)ことを明らかにした(図8)。欠失分析を用いて、PELP1のC末端領域は、H1結合部位として同定されている。H1結合ドメインを欠くPELP1変異体は、ドミナントネガティブとして作用し、そして、ERα媒介性転写をブロックする(図9)。クロマチン免疫沈降分析は、プロモーターとのPELP1の周期的な結合および解離を示す。この周期的な結合および解離は、逆位相で生じるH1およびPELP1の補充を伴う。PELP1の過剰発現は、エストロゲン応答エレメント含有ヌクレオソームのミクロコッカスヌクレアーゼの感受性を増加する。これらの結果は、PELP1が、癌細胞におけるH1の置換を介するクロマチン再構築活性に関与することを示唆する。
(タモキシフェン耐性におけるPELP1の役割)
60個の乳癌標本におけるPELP1の局在化を、免疫組織化学によって分析した。ERコアクチベーターであるPELP1の変化した局在化の機能的な結果を調べるために、細胞質中でPELP1を特異的に発現するMCF−7モデル細胞(PELP1−cyto)を作製した。MCF−7モデル細胞、MCF−7−PELP1野生型モデル細胞、およびMCF7−PELP1−cytoモデル細胞に関して、タモキシフェン感受性がPELP1の局在化によって影響されることを示すために、レポーター遺伝子アッセイ、タンパク質ベースの方法、共焦点ベースの方法、および細胞生物学ベースの方法を用いた(図10)。60個の乳腺腫瘍標本におけるPELP1の免疫組織学的検査は、PELP1は、正常な組織中での核局在化とは対照的に、細胞質中に主に位置することを示唆した。PELP1−cyto細胞は、エストロゲンに対する高感受性を与え、そして、タモキシフェンに対する耐性を示した。PELP1−cyto細胞はまた、E2処理の際に過度のMAPK活性化を示し、そして構成的なP13K活性を示した。さらに、PELP1−cyto細胞は、P13Kのp85サブユニットとPELP1との構成的結合を示した。PELP1cyto細胞はまた、Ser 118およびser 167においてERの増加したリン酸化を示した。これらの結果は、非ゲノムシグナル伝達経路(例えば、MAPKおよびP13K)を活性化し、従って、ERリン酸化を促進する能力を有し、タモキシフェンアゴニスト作用をもたらすコアクチベーター(例えば、PELP1)の変化した局在化と、そのような作用とが、タモキシフェン耐性をもたらし得ることを示唆する。
本発明の上記の記述は、単に本発明を例示することが意図され、そして、本発明の他の実施形態、改変、および等価物は、本発明書に添付された特許請求の範囲において記載される本発明の範囲内にある。開示される概念および具体的な実施形態が、本発明と同じ目的を実施するために他の組成物または方法を改変または設計するための基礎として容易に利用され得ることが、当業者によって認識されるべきである。このような同等な組成物または方法が、添付された特許請求の範囲において示される本発明の精神と範囲から逸脱しないこともまた、当業者によって認識されるべきである。
(参考文献)
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以下の図面は、本明細書の一部であり、そして本発明の特定の局面をさらに例示するために含まれる。本発明は、一つ以上のこれらの図を、本発明の要旨および本明細書中に提示された具体的実施形態の詳細な説明と組み合わせて参照することによって、より良く理解され得る。
図1Aは、エストロゲン存在下でのPELP1とクロマチンとの基礎的かつ動的な関連を示す、クロマチン免疫沈降分析である。図1Bは、ファーウェスタン(Far−Western)方法によるPELP1ヒストンH1結合アッセイである。図1Cは、PELP1野生型およびPELP1変異体の図である。図1Dは、PELP1野生型、およびPELP1(1〜877)欠失変異体PELP1 H1MTのポリアクリルアミドゲルである。図1Eは、EREレポーター遺伝子アッセイによって決定されたPELP1 H1変異体(PELP1 H1MT)の発現によるレポーター遺伝子活性化のエストロゲン媒介性誘導のダウンレギュレーションを示す棒グラフである。 図2は、乳癌細胞株(MCF−7)、子宮内膜癌細胞株(Ishikawa)、子宮頸癌細胞株(HeLa)、および骨癌細胞株(SaoS2)における、エストロゲン媒介性レポーター遺伝子活性に対するPELP(アミノ酸 1−877)H1変異体の効果を示す。 図3は、一般に使用される特定の抗エストロゲンの効果と比較した、エストロゲン媒介性レポーター遺伝子活性のブロックにおけるPELP1 H1変異体の効果を示す。 図4は、PELP1の機能についての提唱モデルを描写した図であるが、本発明は、この理論図によって拘束されない。 図5は、MCF−7細胞におけるエストロゲン媒介性EREレポーター遺伝子の発現に対するPELP1のsiRNAの効果を示す。 図6は、ヒトの子宮内膜におけるERα、ERβ、およびPELP1の免疫反応性染色の概要を示す。 図7は、子宮内膜細胞におけるERαおよびERβとのPELP1の機能的相互作用に関連する結果を示す。 図8は、ヒストンH1およびヒストンH3とのPELP1の相互作用を示す。 図9は、E2媒介性トランス活性化に対する、C末端ヒストン結合領域が欠けているPELP1変異体に効果を示す。 図10は、タモキシフェン耐性に対するPELP1の効果を示す。

Claims (11)

  1. 配列番号3、5、7〜13、または14のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
  2. 配列番号1、3、5、7〜13、14、または20の少なくとも7アミノ酸のRELP1ポリペプチドと結合し得る、PELP1特異的抗体。
  3. 請求項2に記載の抗体であって、該抗体はモノクローナル抗体である、抗体。
  4. 配列番号4、6、または15のヌクレオチド配列を含む、単離された核酸。
  5. PELP1活性を妨害し得る、siRNA。
  6. 配列番号16、17、18、または19のsiRNAを含む、請求項5に記載のsiRNA。
  7. PELP1活性を妨害し得る、ペプチド模倣物。
  8. 請求項1に記載の単離されたポリペプチドと、薬学的に受容可能なキャリアとを含む、薬学的組成物。
  9. 請求項2に記載のPELP1特異的抗体と、薬学的に受容可能なキャリアとを含む、薬学的組成物。
  10. 請求項5に記載のsiRNAと、薬学的に受容可能なキャリアとを含む、薬学的組成物。
  11. 請求項7に記載のペプチド模倣物と、薬学的に容可能なキャリアとを含む、薬学的組成物。
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