JP2007502418A - 微量流体大規模集積 - Google Patents

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Abstract

基本的な物理的議論を用い、多層柔軟リソグラフィーを用いて、微量流体バルブの製造のための設計および方法が提示される。本発明に従ったバルブの具体例は実質的に一定の厚みのエラストマー膜部分をその要旨とし、該膜がその全幅を横切っての適応された圧力に対して同様な抵抗性を経験するようにする。上方―または下方―偏向性膜で製造されたそのようなオン−オフバルブは極端に低い作動圧力を有することができ、集積微量流体チップにおいてポンプおよびミキサーのような活動的な機能を実行するのに用いることができる。バルブの性能は、広い範囲の設計パラメーターにわたって作動圧力および流動抵抗双方を測定し、次いで、それらを、有限要素シミュレーションおよび代替バルブ幾何学双方と比較することによって特徴付けた。

Description

(関連出願への相互参照)
本特許出願は、2002年9月25日に出願された米国仮特許出願第60/413,806号に対する優先権を主張する2003年9月24日に出願された米国非仮特許出願第10/607,997号の一部継続出願である。また、本特許出願は、2003年8月11日に出願された米国仮特許出願第60/494,433号に対する優先権も主張する。これらの先行出願の各々を個々に引用して全ての目的で援用する。
連邦援助研究および開発下でなされた発明に対する権利に対する陳述
本明細書中に記載された業績は、Army Research OfficeからのNSF援助金(No.DAAD19−00−1−0392)およびDARPA Bioflipsプログラムによって部分的に支持された。合衆国政府は、従って、該発明においてある種の権利を有する。
(発明の背景)
20世紀の初頭において、エンジニアは通常「ティラニーの数(Tyranny of Numbers)」と呼ばれる問題に直面した:巨視的に組み立てたシステムの複雑性には現実的な限界がある。真空管のような区別される構成要素を用い、複雑な回路は形成し、操作するのに迅速に非常に高価なものとなった。1946年ペンシルバニア大学で作り出されたENIACIは、19,000の真空管よりなり、重さが30トンであって、2000キロワットの電力を用いるものであった。1947年にベル研究所でトランジスターが発明され、改良中の嵩高い真空管を置き換えていったが、接続性は依然として問題であった。
エンジニアは、原理的には、数十万のトランジスターよりなるますます複雑な回路を設計できたが、該回路内の各構成要素は手で半田づけしなければならず:これは高価で労働がきついプロセスであった。より多くの構成要素を回路に加えることはその信頼性を低下させた。というのは、単一の冷半田接合でさえ回路を無益なものとしたからである。
1950年代の後半に、KilbyおよびNoyceは、集積回路を発明することによってエレクトロニクスに対する「ティラニーの数」の問題を解決した。単一半導体―最初はゲルマニウム、次いでシリコーンからの構成要素の全てを製造することによって、KilbyおよびNoyceはトランジスター、キャパシター、レジスターおよびそれらの対応するインターコネクトよりなる回路を作り出し、イン・サイチュにて、手動組み立ての必要性を排除した。1970年代中期までに、改良された技術が大規模集積(LSI):数十万の個々の構成要素の複雑な集積回路の開発に導いた。
微量流体工学(microfluidics)は、生物学および化学のために同様なシステム集積の問題を解決する可能性を提供する。例えば、Unger et al.,Science,288(5463):113(2000)は、シリコーンエラストマーポリジメチルシロキサン(PDMS)から作成されたモノリシックバルブを備えたチップの製造を可能とする候補配管技術を従前に対案した。
しかしながら、今日のデバイスは単純な反復以外の高度な集積のための方法を欠いている。微量流体(microfluidic)システムは、生体分子分離、酵素アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、および免疫ハイブライダイゼーション反応を含めた、生物学的適用の多様なアレイを示すのに用いられてきた。
これらは実験室技術のスケールダウンしたプロセスの優れた個々の例であるが、それらは集積回路内の単一構成要素に匹敵する孤立した機能でもある。真の生物学的集積に立ち向かう現在の産業アプローチは、全実験室を必要とし、20世紀初頭における膨大な真空管ベースのアレイよりなる回路に対する巨視的アプローチを思い出させる、かなり高価な空間および労働を必要とする膨大なロボット流体ワークステーションの形態に突入した。
従って、高密度で大規模な集積微量流体デバイスに対する技術、およびそれを製造する方法に対する要望が存在する。
(発明の要旨)
基本的な物理的議論を用い、多層柔軟リソグラフィーを用いる微量流体バルブの製造のための設計および方法を提案する。本発明に従ったバルブの具体例は実質的に一定の厚みのエラストマー膜部分をその要旨とし、該膜がそれらの全幅を横切って適用された圧力に対して同様な抵抗性を経験するようにする。上方―または下方―偏向性膜で製造したそのようなオン−オフバルブは極端に低い作動圧力を有することができ、集積微量流体チップにおけるポンプおよびミキサーのような活動的機能を実行するのに用いることができる。バルブの性能は、広い範囲の設計パラメーターにわたって作動圧力および流動抵抗双方を測定し、次いで、それらを有限要素シミュレーションおよび代替バルブ幾何学双方と比較することによって特徴付けた。
本発明による微量流体デバイスの具体例は、第一の表面における第一の窪みを含む第一の層を含む。エラストマーの第二の層は、第一の微量流体チャネルを規定するための第一の表面と接触した第一の側、実質的に一定の厚みを呈する第一の微量流体チャネルに隣接した第二の層の膜部分を有する。第三の層は、上記エラストマーの第二の層の第二の側と接触して第二の微量流体チャネルを規定し、その膜部分は、該第一および第二の微量流体チャネルうちの一方内での圧力に応答して、第一および第二の微量流体チャネルうちの他方に偏向可能である。
本発明による微量流体デバイスの具体例は、第一の表面における第一の窪みを含む第一の層、および実質的に一定の厚みを有し、かつ微量流体制御チャネルを規定するための第一の表面と接触した第一の側を含むエラストマーの第二の層を含む。第三の層は、第二の表面における第二の窪み、第二の表面は微量流体流動チャネルを規定するための膜の第二の側と接触し、第二の窪みに隣接し、かつ制御チャネル内の圧力に応答して微量流体流動チャネルに偏向可能な第二の層の膜部分を含む。
微量流体構造中の流動を制御する本発明による方法の具体例は、実質的に一定の厚みを有するエラストマー膜によって隣接微量流体流動チャネルから分離された制御チャネルを供し、次いで、エラストマー膜が微量流体流動チャネルに偏向するように圧力を制御チャネルに適用することを含む。
微量流体構造を製造するための本発明による方法の具体例は、第一のエラストマー材料の第一の側にある流動窪みを規定するための湾曲した断面を呈する第一の隆起した形状(feature)にわたって第一のエラストマー材料を成型することを含む。第二のエラストマー材料は、第二のエラストマー材料の第一の側における制御窪みを規定するための矩形断面を呈する第二の隆起した形状にわたって成型される。第二のエラストマー材料の第一の側は平面基材に対して置かれる。第一のエラストマー材料の第一の側は、実質的に一定の厚みを有するエラストマー膜によって流動窪みが第二のチャネルから分離されるように、第二のエラストマー材料の第二の側に対して置かれる。
微量流体構造を製造するための本発明による方法の代替具体例は、上面に凹状窪みを有する基材を供し、次いで、実質的に一定の厚みを有する第一のエラストマー層の第一の側を、微量流体流動チャネルを規定するための上面と接触させて置くことを含む。第二のエラストマー材料は、第二のエラストマー材料の第一の側の制御窪みを規定するための第一の隆起した形状にわたって成型される。第二のエラストマー材料の第一の側は、実質的に一定の厚みのエラストマー膜によって微量流体制御チャネルから分離された微量流体制御チャネルを規定するための第一のエラストマー層の第二の側に置かれる。
本発明のこれらおよび他の具体例、ならびにその利点および特徴は、以下のテキストおよび添付の図面と組み合わされてより詳細に記載される。
(本発明の詳細な記載)
(I.ミクロ二次加工の外観)
以下の議論は、2002年4月5日に出願された米国非仮特許出願第10/118,466号、2001年11月28日に出願された第09/997,205号、2001年4月6日に出願された第09/826,585号、2000年11月28日に出願された第09/724,784号、および2000年6月27日に出願された第09/605,520号に一般的に記載された、エラストマー材料を利用するミクロ二次加工された流体デバイスの形成に関する。これらの特許出願をここに引用して全ての目的で援用する。
(1.二次加工の方法)
本発明の二次加工の例示的方法を本明細書中で提供する。本発明は、これらの方法の一つまたはその他による二次加工に制限されない。むしろ、本発明の方法の修飾を含めた、本発明のミクロ構造を二次加工する他の適当な方法も考えられる。
図1ないし7Bは、(ポンプまたはバルブとして用いることができる)本発明のミクロ構造を二次加工する第一の好ましい方法の順次の工程を示す。図8ないし18は、(ポンプまたはバルブとしても用いることができる)本発明のミクロ構造を二次加工する第二の好ましい方法の順次の工程を示す。
説明されるように、図1ないし7Bの好ましい方法は、組み立てられ、結合される予め硬化されたエラストマー層を用いることを含む。代替方法において、エラストマーの各層は「所定の位置で」硬化させることができる。以下の記載において、「チャネル」とは、流体またはガスの流動を含むことができるエラストマー構造中の窪みをいう。
図1を参照し、第一のミクロ−機械加工金型10が提供される。ミクロ−機械加工金型10は、限定されるものではないが、フォトリソグラフィー、イオン−ミリング、および電子線リソグラフィーを含めた、多数の慣用的シリコーン加工方法によって加工することができる。
理解できるように、ミクロ−機械加工金型10は隆起したラインまたはそれにそって延びる突出11を有する。第一のエラストマー層20は、示されたように、第一の窪み21がエラストマー層20の底部表面に形成されるように(突出11に寸法が対応する窪み22)金型10の頂部にキャストされる。
図2で理解できるように、それに沿って延びる隆起した突起13を有する第二のミクロ−機械加工金型12も提供される。第二のエラストマー層22は、窪み23が、突出13の寸法に対応するその底部表面に形成されるように、示したように、金型12の頂部にキャストされる。
図3および4に示された順次の工程で理解できるように、次いで、第二のエラストマー層22が金型12から取り出され、第一のエラストマー層20の頂部に置かれる。理解できるように第二のエラストマー層22の底部表面に沿って伸びる窪み23は流動チャネル32を形成する。
図5を参照し、次いで、別々の第一および第二のエラストマー層20および22(図4)が一緒に結合された、一体化された(すなわち:モノリシック)エラストマー構造24を形成する。
図6および7Aの順次の工程で理解できるように、次いで、エラストマー構造24が金型10から取れ出され、平面状基材14の頂部に位置される。図7Aおよび7Bで理解できるように、エラストマー構造24がその底部表面において平面状基材14にシールされていると窪み21流動チャネル30を形成する。
本発明のエラストマー構造は、殆どいずれの平滑な平面状基材での可逆的ハーメチックシールを形成する。このようにシールを形成する利点は、エラストマー構造を剥離し、洗浄し、次いで再使用できる点にある。好ましい態様において平面状基材14はガラスである。ガラスを用いる更なる利点はガラスが透明であることであり、エラストマーチャネルおよび貯蔵器の光学的問合せを可能とする。別法として、エラストマー構造は前記したのと同様の方法によって平坦なエラストマー層に結合されることができ、永久的かつ高い強度の結合を形成する。これは、より高い逆圧が用いられる場合に有意であることが判明するであろう。
図7Aおよび7Bで理解できるように、フローチャネル30および32は、流動チャネル30の頂部をフローチャネル32の底部から分離する基材24の小さな膜25を相互にある角度で好ましくは配置させる。
好ましい態様において、平面状基材14はガラスである。ガラスを用いる利点は、本発明のエラストマー構造を隔離し、洗浄し、再使用できることである。ガラスを用いる更なる利点は、光学的検知を使用できることである。別法として、平面状基材14はエラストマーそれ自体であってよく、これは、より高い逆圧が用いられる場合に有利であることが判明するであろう。
丁度記載した二次加工の方法を変化させて、デバイスのチャネルの壁を形成するとは異なるエラストマー材料よりなる膜を有する構造を形成させることができる。この変形された二次加工の方法は図7Cないし7Gに示される。
図7Cを参照し、第一のミクロ‐機械加工金型10が提供される。ミクロ−機械加工された金型10は、それに沿って延びる順基されたラインまたは突出11を有する。図7Dにおいて、第一のエラストマー層20が、第一のエラストマー層20の頂部が隆起されたラインまたは突出11の頂部で満たすように第一のミクロ−機械加工金型10の頂部にキャストされる。これは、隆起したライン11の基地の高さに対して、金型10へ回転されたエラストマー材料の容量を注意深く制御することによって達成することができる。別法として射出成型によって形成することができよう。
図7Eにおいて、それから延びる隆起した突出13を有する第二のミクロ−機械加工金型も提供される。第二のエラストマー層22は、窪み23が突出13の寸法に対応するその底部表面に形成されるように、示されたように、第二の金型12の頂部にキャストされる。
図7Fにおいて、第二のエラストマー層22が金型12から取り出され、第三のエラストマー層222の頂部に置かれる。第二のエラストマー層22は第三のエラストマー層20に結合されて、後に詳細に記載する技術を用いて一体化されたエラストマーブロック224を形成する。該プロセスにおけるこの時点において、以前は隆起したライン13によって占められた窪み23は流動チャネル23を形成する。
図7Gにおいて、エラストマーブロック224は第一のミクロ‐機械加工金型10および第一のエラストマー層20の頂部に置かれる。次いで、エラストマーブロックおよび第一のエラストマー層20は一緒に結合されて、別のエラストマー層222よりなる膜を有する一体化された(すなわちモノリシック)エラストマー構造24を形成する。
エラストマー構造24が、図7Aの関係で前記されたように、その底部表面において平面状基材にシールされると、以前は隆起したライン11によって占められた窪みは流動チャネル30を形成する。
図7Cないし7Gと組み合わせて前記した変形された加工方法は、膜部分が、構造の残りのエラストマー材料とは別の材料で構成されるのを可能とする利点を供する。エラストマーの厚みおよび弾性特性はデバイスの走査において鍵となる役割を演じる故にこれは重要である。さらに、この方法は、エラストマー構造への一体化に先立ち別のエラストマー層が容易にコンディショニングに付されるのを可能とする。後に詳細に議論するように、潜在的に望ましい条件の例は、膜の作動を可能とするための磁気的または電気的伝導主の導入および/または弾性を変化させるためのドーパントの膜への導入を含む。
前記方法はミクロ機械加工金型の頂部に複製成型によって形成された種々の形状のエラストマー層の形成に関連して説明したが、本発明はこの技術に限定されない。他の技術を使用して、一緒に結合すべき形状のエラストマー材料の個々の層を形成することができよう。例えば、エラストマー材料の形状付与層はレーザーカッティングまたは射出成型によって、または第二の電子的方法と組み合わせて後に議論する化学的エッチングおよび/または犠牲材料を利用する方法によって形成することができよう。
代替方法は、エラストマー材料内にカプセル化されたフォトレジストの開発を利用してパターンをつけたエラストマー構造を製造する。しかしながら、本発明による方法はフォトレジストの利用に限定されない。金属のような他の材料を犠牲材料として供して、周囲のエラストマー材料に選択的に除去することができ、該方法は本発明の範囲内に留まる。さらに、適当な化学混合物を利用して、金属をRTV615エラストマーに選択的にエッチングすることができる。
(2.層およびチャネルの寸法)
ミクロ機械加工されたとは本発明の具体例に従って加工されたエラストマー構造の形状のサイズをいう。一般に、ミクロ機械加工された構造の少なくても一つの寸法の変形はミクロンレベルまで制御され、少なくても一つの寸法は微視的である(すなわち、1000μm未満)。ミクロ機械加工は、典型的には、微視的レベルの形状の寸法を生じるように設計されたフォトリソグラフィーおよびスピンコーティングのような半導体またはMEMS加工技術を含み、ミクロ機械加工された構造の寸法の少なくてもいくつかは、構造を合理的に分解し/イメージするのに顕微鏡を必要とする。
好ましい態様において、流動チャネル30、32、60および62は、好ましくは、約10:1の幅−対−深さ比率を有する。本発明の具体例による幅−対−深さ比率の他の範囲の非限定的リストは0.1:1ないし100:1、より好ましくは1:1ないし50:1、より好ましくは2:1ないし20:1、最も好ましくは3:1ないし15:1である。例示的態様においては、流動チャネル30、32、60および62は約1ないし1000ミクロンの幅を有する。本発明の具体例による流動チャネルの幅の他の範囲の非限定的リストは0.01ないし1000ミクロン、より好ましくは0.05ないし1000ミクロン、より好ましくは0.2ないし500ミクロン、より好ましくは1ないし250ミクロン、最も好ましくは10ないし200ミクロンである。例示的チャネル幅は0.1μm、1μm、2μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、160μm、170μm、180μm、190μm、200μm、210μm、220μm、230μm、240μmおよび250μmを含む。
フローチャネル30,32、60、および62は約1ないし100ミクロンの深さを有する。本発明の具体例によるフローチャネルの深さの他の範囲の非限定的リストは0.01ないし1000ミクロン、より好ましくは0.05ないし500ミクロン、より好ましくは0.2ないし250ミクロン、より好ましくは1ないし100ミクロン、よりこのましくは2ないし20ミクロン、最もこのましくは5ないし10ミクロンである。例示的チャネル深さは0.01μm、0.02μm、0.05μm、0.1μm、0.2μm、0.5μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、7.5μm、10μm、12.5μm、15μm、17.5μm、20μm、22.5μm、25μm、30μm、40μm、50μm、75μm、100μm、150μm、200μm、および250μmを含む。
流動チャネルはこれらの具体的寸法範囲および前記で掲げた例に限定されず、幅を変化させて、図27に関連して後に長さにおいて議論するように、膜を偏向させるのに必要な力の大きさに影響させることができる。例えば、0.01μmのオーダーの幅を有する極端に狭い流動チャネルは、後に詳細に議論するように、光学および他の適用で有用であろう。前記したよりも大きな幅のチャネルさえを有する部分を含むエラストマー構造もまた本発明で考えられ、そのようなより広い流動チャネルを利用する適用の例は流体貯蔵器および混合チャネル構造を含む。
エラストマー層は機械的安定性のために厚くキャストすることができる。例示的具体例において、図1のエラストマー層22は厚みが50ミクロンないし数センチメーター、より好ましくは厚みがほぼ4mmである。本発明の他の具体例によりエラストマー層の厚みの範囲の非限定的リストは約0.1ミクロンないし10cm、1ミクロンないし5cm、10ミクロンないし2cm、100ミクロンないし10cmの間である。
従って、流動チャネル30および32を分離する図7Bの膜25は、約0.01および1000ミクロン、より好ましくは0.05ないし500ミクロン、より好ましくは0.2ないし250ミクロン、より好ましくは1ないし100ミクロン、より好ましくは2ないし50ミクロン、最も好ましくは5ないし40ミクロンの間の典型的な厚みを有する。それ自体、エラストマー層22の厚みはエラストマー層20の厚みの約100倍である。例示的な膜の厚みは0.01μm、0.02μm、0.03μm、0.05μm、0.1μm、0.2μm、0.3μm、0.5μm、1μm、2μm、3μm、5μm、7.5μm、10μm、12.5μm、15μm、17.5μm、20μm、22.5μm、25μm、30μm、40μm、50μm、75μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、400μm、500μm、750μm、および1000μmを含む。
(3.柔軟リソグラフィー結合)
好ましくは、エラストマー層は、パターンをつけたエラストマー層を含むポリマーに固有の化学を用い、一緒に化学的に結合する。最も好ましくは、結合は2構成要素「付加硬化」結合を含む。
好ましい態様において、エラストマーの種々の層を、層が異なる化学を有する異種結合において一緒に結合させる。別法として、全ての層が同一化学のものである異種結合を用いることができる。第三に、各エラストマー層は、所望により、代わりに接着剤によって一緒に接着することができる。第四の態様において、エラストマー層は、加熱によって、一緒に熱硬化性エラストマー結合させることができる。
均一な結合の1つの態様において、エラストマー層は同一のエラストマー物質で構成され、1つの層における同一の化学体は他の層中の同一の化学体と反応して層を一緒に結合させる。1つの具体例において、同様なエラストマー層のポリマー鎖間の結合は、別の化学的種との光、熱、または化学的反応による架橋剤の活性化に由来することができる。
別法として、異種態様においては、エラストマー層は異なるエラストマー材料から構成され、1つの層における第1の化学体はもう1つの層における第2の化学体と反応する。1つの例示的異種態様において、各エラストマー層を一緒に結合するのに用いられる結合プロセスは、RTV615シリコーンの2つの層を一緒に結合することを含むことができる。RTV615シリコーンは2−部付加−硬化シリコーンゴムである。パートAはビニル基および触媒を含有し;パートBは水素化ケイ素(Si−H)基を含む。RTV615についての慣用的比率は10A:1Bである。結合のためには、1つの層は30A:1Bで作成することができ(すなわち、過剰なビニル基)、他の層は3A:1Bで作成することができる(すなわち、過剰なSi−H基)。各層は別々に硬化される。2つの層を接触させ、上昇した温度で加熱すると、それらは不可逆的に結合してモノリシックエラストマー基剤を形成する。
本発明の例示的態様において、エラストマー構造は、Sylgard 182、184、または186、または(限定されるものではないが)UCB ChemicalからのEbecryl270またはIrr245のような脂肪族ウレタンジアクリレートを利用して形成される。
本発明による1つの具体例において、2−層エラストマー構造は純粋なアクリレート化ウレタンEbe270から製造することができる。薄い底部層は170℃にて8000rpmで15秒間スピンコートした。頂部および底部層は、Electrolite Corporationによって製造された型式ELC500デバイスを利用し、窒素下で10分間、紫外光下で最初に硬化させた。次いで、組み立てた層をさらに30分間硬化させた。反応は、Ciba−Geygy Chemicalsによって製造されたIrgacure500の0.5%容量/容量混合物によって触媒した。得られたエラストマー材料は中程度の弾性およびガラスへの接着性を呈した。
本発明によるもう1つの具体例において、2−層エラストマー構造は薄い底部層については25%Ebe 270/50%Irr245/25%イソプロピルアルコールの組合せ、および頂部層として純粋なアクリレート化ウレタンEbe270から製造した。Electrolite Corporationによって製造された型式ELC500デバイスを利用し、窒素下の紫外光下で、薄い底部層は最初に5分間硬化させ、頂部層を最初に10分間硬化させた。次いで、組み立てた層をさらに30分間硬化させた。Ciba−Geygy Chemicalsによって製造されたIrgacure500の0.5%容量/容量混合物によって反応を触媒した。得られたエラストマー材料は、中程度の弾性を呈し、ガラスに接着した。
別法として、エラストマー層/基剤が接触した場合に結合するように、例えば、プラズマ暴露によって、エラストマー表面の活性化を含めた他の結合方法を用いることができる。例えば、同一材料から構成されるエラストマー層を一緒に結合させる1つの可能なアプローチは、ここに引用して援用する、Duffy et al., 「Rapid Prototyping of Microfuldic Systems in Poly(dimethylsiloxane)」,Analytical Chemistry (1998),70,4974−4984によって記載されている。この論文は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)層の三層プラズマへの暴露が表面の酸化を引き起こし、2つの酸化された層が接触されると、不可逆的結合が起こることを議論している。
エラストマーの順次の層を一緒に結合させることに対するなおもう1つのアプローチは、未硬化エラストマーの接着特性を利用することである。具体的には、RTV615のような未硬化エラストマーの薄層を第1の硬化されたエラストマー層の頂部に適用する。次に、第2の硬化されたエラストマー層を未硬化エラストマー層の頂部に置く。次いで、未硬化のエラストマーの薄い中央層を硬化させて、モノリシックエラストマー構造を生じさせる。別法として、未硬化エラストマーを第1の硬化されたエラストマー層の底部に適用することができ、第1の硬化されたエラストマー層は第2の硬化されたエラストマー層の頂部に置かれる。中央の薄いエラストマー層の硬化は、再度、モノリシックエラストマー構造の形成をもたらす。
犠牲層のカプセル化を使用して、エラストマー構造を製造する場合、順次のエラストマー層の結合は、未硬化エラストマーを先に硬化されたエラストマー層およびその上のパターンをつけたいずれかの犠牲材料上に注ぐことによって達成することができる。エラストマー層の間の結合は、未硬化エラストマー層のポリマー鎖と硬化されたエラストマー層のポリマー鎖との相互貫入および反応により起こる。エラストマー層の引き続いての硬化は、エラストマー層の間に結合を生じ、モノリシックエラストマー構造を作り出す。
図1ないし7Bの最初の方法を参照し、RTV混合物をミクロ機械加工金型12上に2000rpmにおいて30秒間スピン−コーティングし、ほぼ40ミクロンの厚みを得ることによって作り出すことができる。第2のエラストマー層22は、RTV混合物をミクロ機械加工金型11にスピン−コーティングすることによって作ることができる。層20および22は共に80℃にて別々に1.5時間加熱し、または硬化させることができる。第2のエラストマー層22は約80℃にて第1のエラストマー層20上に約1.5時間で結合させることができる。
ミクロ機械加工金型10および12はシリコーンウェハー上のパターンをつけられたフォトレジストであり得る。例示的態様において、Shipley SJR5740フォトレジストは200rpmで回転させ、マスクとしての高分解能透明フィルムでパターンをつけ、次いで、現像して、高さがほぼ100ミクロンの逆チャネルを得た。ほぼ200℃にて約30分間焼くと、フォトレジストは再度流動し、逆チャネルは曲線的になる。好ましい態様において、各々をシリコーンゴムの接着を妨げるために用いる前に、金型をトリメチルクロロシラン(TMCS)蒸気で約1分間処理することができる。
(4.適当なエラストマー材料)
Allcock et al.,Contemporary Polymer Chemistry,第2版は、一般に、それらのガラス転移温度および液化温度の間の温度で存在するポリマーとしてのエラストマーを記載する。エラストマー材料は弾性特性を呈する。なぜならば、ポリマー鎖は歪み運動を用意に受けて、力に応答して骨格鎖のコイル解除を行い、該骨格鎖は再度コイル化して、力の不存在下で先の形状を採るからである。一般に、力を適用するとエラストマーは、変形するが、力を解除すると、次いで、その元の形状に復帰する。エラストマー材料によって呈された弾性はヤング率によって特徴付けられることができる。約1Paないし1TPaの間、より好ましくは約10Paないし100GBaの間、より好ましくは約20Paないし1GPaの間、より好ましくは約50Paないし10MPaの間、より好ましくは約100Paないし1MPaの間のヤング率を有するエラストマー材料が本発明では有用であるが、これらの範囲外のヤング率を有するエラストマー材料も、特定の適用の必要性に依存して利用することもできる。
本発明のシステムは、広く種々のエラストマーから製造することができる。例示的態様において、エラストマー層は、好ましくは、シリコーンゴムから製造することができる。しかしながら、他の適当なエラストマーも用いることができる。
本発明の例示的態様において、本発明のシステムはGE RTV 615(処方)、ビニル−シラン架橋(タイプ)シリコーンエラストマー(ファミリー)のようなエラストマーポリマーから製造される。しかしながら、本発明のシステムは、ポリマーのこの1つの処方、タイプ、またはこのファミリーさえに限定されず:むしろ、ほとんどいずれのエラストマーポリマーも適当である。本発明のマイクロバルブの製造の好ましい方法についての重要な要件は、エラストマーの複数の層を一緒に結合させる能力である。多層柔軟リソグラフィーの場合には、エラストマーの層を別々に硬化させ、次いで、一緒に結合させる。このスキームは、硬化された層が一緒に結合させるのに十分な反応性を保有することを必要とする。層のいずれかは同一タイプのものであってよく、それ自体に結合することができ、あるいはそれらは2つの異なるタイプのものであってよく、相互に結合することができる。他の可能性は、層の間の接着剤の使用、および熱硬化性エラストマーの使用を含む。
ポリマー化学、前駆体、合成方法、反応条件、および潜在的添加剤の途方もない多様性を仮定すれば、モノリシックエラストマーマイクロバルブおよびポンプを作成するのに用いることができる膨大な数の可能なエラストマーシステムがある。用いる材料の変動は、特定の材料の特性、すなわち、溶媒抵抗性、堅さ、ガス透過性、または温度安定性に対する必要性によって最も動かされるようである。
多くの、多くのタイプのエラストマーポリマーがある。エラストマーの最も普通のクラスの簡単な記載をここに挙げるが、比較的「標準の」ポリマーであってさえ、結合に対する多くの可能性が存在することを示す意図である。通常のエラストマーポリマーはポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)、ポリウレタン、およびシリコーンを含む。
ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン:
ポリイソプレン、ポリブタジエン、およびポリクロロプレンは、全て、ジエンモノマーから重合され、従って、重合する場合にモノマー当たりに1つの二重結合を有する。この二重結合は、ポリマーが加硫によってエラストマーに変換されるのを可能とする(本質的には、硫黄を用いて、加熱によって二重結合の間に架橋を形成する)。これは、結合すべき層の不完全な加硫による均一な多層柔軟リソグラフィーを可能とし;フォトレジストカプセル化は同様なメカニズムによって可能であろう。
ポリイソブチレン:
純粋なポリイソブチレンは二重結合を有しないが、架橋させて、重合において少量(約1%)のイソプレンを含めることによってエラストマーとして用いる。イソプレンモノマーはポリイソブチレン骨格にペンダント二重結合を与え、これは、次いで、前記したように加硫することができる。
ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン):
ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)はリビングアニオン重合によって生じ(すなわち、反応において天然鎖−停止工程がない)、従って、「生きた」ポリマーの末端が硬化されたポリマーに存在し得る。これは、それを、本発明のフォトレジストカプセル化システムに対する天然の候補とする(ここに、硬化された層の頂部に注がれた液体層中には豊富な未反応モノマーがあろう)。不完全な硬化は、均一な多層柔軟リソグラフィー(AからAの結合)を可能とするであろう。該化学は、過剰のブタジエン(「A」)およびカップリング剤で1つの層を作成し、ブタジエン欠乏(均一な多層柔軟リソグラフィーのため)で他の層(「B」)を作成することを容易とする。SBSは「熱硬化性エラストマー」であり、これは、ある温度を超えては、それが溶融し、(弾性とは反対の塑性となり;温度低下はエラストマーを再度生じさせる。かくして、層は加熱によって一緒に結合させることができる。
ポリウレタン:
ポリウレタンはジ−イソシアネート(A−A)およびジ−アルコールまたはジ−アニン(B−B)から生成し、非常に種々のジ−イソシアネートおよびジ−アルコール/アミンがあるので、多数の異なるタイプのポリウレタンは膨大なものである。しかしながら、ポリマーのA vs.B性質は、それらを、1つの層において過剰のA−Aおよび他の層において過剰のB−Bを用いることによって、RTV615のように均一な多層柔軟リソグラフィーで有用なものとする。
シリコーン:
シリコーンポリマーは、恐らくは、最大の構造的多様性を有し、ほとんどは、確かに、最大数の商業的に入手可能な処方を有する。(異種多層柔軟リソグラフィーおよびフォトレジストカプセル化を共に可能とする)RTV615のビニル−対−(Si−H)架橋は既に議論したが、これは、シリコーンポリマー化学で用いられるいくつかの架橋方法の内のただ1つである。
(5.デバイスの操作)
図7Bおよび7Hは、一緒になって、第2の流動チャネルを加圧することによる第1の流動チャネルの閉鎖を示し、図7B(対応する図7Aにおける流動チャネル32を通って切断する切断前面図)では、開いた第1の流動チャネル30を示し;図7Hでは、第2の流動チャネル32の加圧によって閉じられた第1の流動チャネル30を示す。
図7Bを参照し、第1の流動チャネル31および第2の流動チャネル32が示される。膜25は流動チャネルを分離し、第1の流動チャネル30の頂部、および第2の流動チャネル32の底部を形成する。理解できるように流動チャネル30は「開いている」。
図7Hで理解できるように、流動チャネル32の(その中に導入されたガスまたは液体いずれかによる)加圧は膜が下方に偏向させ、それにより、流動チャネル30を通る流動Fをピンチオフする。従って、チャネル32における圧力を変化させることによって、直線的に作動可能なバルビングシステムが、流動チャネル30が所望により膜25を移動させることによって開閉できるように供される。(説明目的のみで、図7Gにおけるチャネル30は「十分に閉じた」位置よりはむしろ「ほとんど閉じた」位置に示される)。
そのようなバルブは、チャネルそれ自体のルーフ(すなわち:移動膜25)を動かすことによって作動されるので、この技術によって作成されるバルブおよびポンプは真にゼロのデッド容量を有し、この技術によって作成された切り替えバルブはバルブの活性容量とほぼ等しいデッド容量を有し、例えば、約100×10μm=100pLである。移動膜によって消費されるそのようなデッド容量および面積は、既知の慣用的なマイクロバルブ用よりもほぼ二桁の大きさだけ小さい。より小さなおよびより大きなバルブ、および切り替えバルブが本発明で考えられ、デッド容量の範囲の非限定的リストは1aLないし1uL、100aLないし100nL、1fLないし10nL、100fLないし1nL、および1pLないし100pLを含む。
本発明によるポンプおよびバルブによって送達することができる極端に小さな容量は実質的な利点を表す。具体的には、手動で計量することができる流体の最小の既知の容量は0.1μl程度である。自動化システムによって計量することができる最も小さな既知の容量は約10倍大きい(1μL)。本発明によるポンプおよびバルブを利用し、10nL以下の液体の容量がルーチン的に軽量し、分注することができる。本発明によって可能とされた流体の極端に小さな容量の正確な軽量は、診断テストおよびアッセイを含めた、非常に多数の生物学的適用で極端に価値があるであろう。
方程式1は、適用された圧力による均一厚みの矩形、線状、弾性の等方性プレートの偏向の高度に単純化された数学的モデルを表す:
(1) w=(BPb)/(Eh
式中、
w=プレートの偏向;
B=(長さvs幅、およびプレートのエッジの支持体に依存する)形状係数;
P=適用された圧力;
b=プレートの幅
E=ヤング率;
h=プレートの厚み。
かくして、この極端に単純化された数式においてさえ、圧力に応答してのエラストマー膜の偏向は:膜の長さ、幅および厚み、膜の柔軟性(ヤング率)、および適用された作動力の関数であろう。これらのパラメーターの各々は本発明による特定のエラストマーデバイスの現実の寸法および物理的組成に応じて広く変化するので、広い範囲の膜厚みおよび弾性、チャネル幅、および作動力が、本発明によって考えられる。
ちょうど示した式は近似に過ぎず、一般に、膜は均一な厚みを有しないので、膜の厚みは長さおよび幅と比較して必ずしも小さくはなく、偏向は必ずしも膜の長さ、幅または厚みと比較して小さくはない。それにもかかわらず、該方程式は、偏向vs適応された力の所望の応答を達成させるために、変数パラメーターを調整するための有用なガイドとして働く。
図8Aおよび8Bは、100μm幅の第1の流動チャネル30および50μm幅の第2の流動チャネル32についてのバルブの開放vs適用された圧力を示す。このデバイスの膜は、ほぼ30μmの厚みおよびほぼ750kPaのヤング率を有するGeneral Electric Silicones RTV615の層によって形成された。図21aおよび21bは、適用された圧力の範囲のほとんどにわたる実質的に直線となるべきバルブの開放の程度を示す。
空気圧力を適用して、0.025”の外径および0.013”の内径を持つステンレス鋼皮下チューブの25mmピースに連結された0.025”の外径を有するプラスチックチューブの10cmの長いピースを通ってデバイスの膜を作動させた。このチューブは、制御チャネルに対して直角の方向にエラストマーブロックを挿入することによって制御チャネルと接触させた。空気圧力は、Lee Co.によって製造された外側LHDAミニチュアソレノイドバルブから皮下チューブに適用された。
デバイスを通っての材料の流動の制御はこれまで適応されたガス圧を利用して記載してきたが、他の流体を用いることもできよう。
例えば、空気は圧縮可能であって、かくして、外部ソレノイドバルブによる圧力の適用の時間、およびこの圧力が膜によって経験される時間の間のいくらかの有限の遅延を経験する。本発明の代替具体例において、圧力は、外部源から水または圧媒油のような非圧縮性流体に適用し、その結果、適用された圧力が膜へほとんど瞬時に移動する。しかしながら、もしバルブの変位容量が大きいか、または制御チャネルが狭ければ、制御流体のより高い粘度は作動における遅延に寄与し得る。圧力を移動させるための最適な媒体は、従って、特定の適用およびデバイスの立体配置に依存し、ガスおよび液体媒体は共に本発明で考えられる。
前記した外部適用圧力は圧力レギュレーターおよび外部ミニチュアバルブを通ってポンプ/タンクシステムによって適用されてきたが、外部圧力の適用の他の方法も本発明で考えられ、これは、ガスタンク、コンプレッサー、ピストンシステム、および液体のカラムを含む。また、考えられるのは、血圧、胃圧、脳脊髄液に存在する圧力、眼内空間に存在する圧力、および正常な反射の間に筋肉によって働く圧力のような生きた生物内で見出すことができるような天然に生じる圧力源の使用である。ミニチュアバルブ、ポンプ、巨視的蠕動ポンプ、ピンチバルブ、および当該分野で知られたような他のタイプの流体調節機器のような、外部圧力を調節する他の方法も考えられる。
理解できるように、本発明の具体例によるバルブの応答は、その移動範囲の大部分にわたってほとんど完全に直線状であることが示されており、ヒステリシスは最小である。従って、本発明のバルブは微量流体計量および流体の制御で理想的に適する。バルブ応答の直線性は、個々のバルブがフックの法則のバネとしてよくモデル化されていることを示す。さらに、流動チャネルにおける高い圧力(すなわち:逆圧)は、単に、作動圧力を増大させることによって打ち消すことができる。実験により、本発明者らは70kPaの逆圧においてバルブ閉鎖を達成したが、より高い圧力も考えられる。以下に示すのは本発明に含まれる圧力範囲の非限定的リストである:10Paないし25Mpa;100Paないし10Mpa、1kPaないし1MPa、1kPaないし300kPa、5kPaないし200kPa、および15kPaないし100kPa。
バルブおよびポンプは直線状作動が開き、閉じるのを必要としないが、直線状応答はバルブが計量デバイスとしてより容易に用いられるのを可能とする。本発明の1つの具体例において、バルブの開放を用いて、既知の程度の閉鎖まで部分的に作動させることによって流速を制御する。直線状バルブの作動は、バルブを所望の程度の閉鎖まで閉鎖することを必要とする作動力の量を決定するのをより容易とする。直線状作動のもう1つの利点は、バルブ作動に必要な力が、流動チャネルにおける圧力から容易に決定できることである。もし作動が直線状であれば、流動チャネルにおける増大した圧力は、同一圧力(単位面積あたりの力)をバルブの作動した部分に適用することによって打ち消すことができる。
バルブの直線性はバルブ構造体の構造、組成および作動の方法に依存する。さらに、直線性がバルブで望ましい特徴であるか否かは適用に依存する。従って、直線的におよび非直線的に作動可能なバルブは共に本発明で考えられ、バルブが直線的に作動可能な圧力範囲は特定の具体例に従って変化するであろう。
図9は、前記したように、チップから空気バルブに連結された10cmの長さの空気チューブを備えた100μm×100μm×10μmのRTVマイクロバルブの時間応答(すなわち:適用した圧力の変化に応答する時間の関数としてのバルブの閉鎖)を示す。
チューブおよびバルブの開放の端部におけるデジタル制御シグナルの2つの時間、現実の空気圧力を図9に示す。制御ラインに適用された圧力は100kPaであり、これはバルブを閉鎖するのに必要な約40kPaよりも実質的に高い。かくして、閉鎖する場合、バルブを必要なよりも大きな圧力60kPaで押して閉じる。しかしながら、開放する場合、バルブはそれ自身のバネ力(≦40kPa)のみによってその休止位置まで駆動により戻される。かくして、τ閉鎖はτ開放よりも小さいと予測される。また、圧力を制御するのに用いられるミニチュアバルブの制限のため、制御シグナルおよび制御圧力応答の間にはラグがやはりある。そのようなラグをtと呼び、かつ1/e時定数をτと呼ぶと、値は:t開放=3.63ミリ秒、τ開放=1.88ミリ秒、t閉鎖=2.15ミリ秒、τ閉鎖=0.51ミリ秒である。もし3τが各々解放および閉鎖を可能とされれば、水溶液を満たすと、バルブは75Hzにおいて快適に働く。
ラグの開閉に悩まないもう1つの作動方法を用いれば、この値は約375Hzにおいて働くであろう。バネ定数は膜の厚みを変化させることによって調整することができ;これは速い開放または速い閉鎖いずれかについての最適化を可能とすることにも注意されたし。バネ定数は、ドーパントを膜に導入することによって、または膜として働く異なるエラストマー材料を利用することによって可能なように、膜の弾性(ヤング率)を変化させることによって調整することもできよう(図7Cないし7Hと組み合わせて前記した)。
図9に示したようにバルブ特性を実験的に測定する場合、バルブの開放は蛍光によって測定した。これらの実験においては、流動チャネルに緩衝液(pH≧8)中のフルオレセインイソチオシアネート(FITC)の溶液を満たし、中心ないし1/3番目のチャネルを占有する四角領域の蛍光を、10kHzバンド幅を持つ光増倍管を備えたエピ−蛍光顕微鏡でモニターする。圧力は、ほとんど同一の空気結合を介して制御ラインと同時に圧縮されたホイストンブリッジ圧力センアー(SenSym SCC15GD2)でモニターした。
(6.流動チャネル断面)
本発明の流動チャネルは、それらの所望の適用に応じて、所望により、異なる断面積サイズおよび形状で設計することができ、異なる利点を与える。例えば、下方流動チャネルの断面形状は、その全長に沿って、または(上方交差チャネル下に配置された領域中で、曲がった上面を有することができる。そのような曲がった情報表面は、以下のようにバルブシーリングを容易とする。
図10を参照し、流動チャネル30および32を通る(図7Bのそれと同様な)断面図が示される。理解できるように、流動チャネル30は断面形状が矩形である。本発明の代替の好ましい態様において、図10に示されたように、流動チャネル30の断面は、その代わり、上方の曲がった表面を有する。
まず、図10を参照し、流動チャネル32が圧縮されると、流動チャネル30および32を分離するエラストマーブロック24の膜部分25は、点線25A、25B、25C、25D、および25Eによって示される順次の位置まで下方に移動する。理解できるように、不完全なシーリングが、恐らくは、平面基剤14に隣接する流動チャネル30のエッジで得られるであろう。
図11の代替の好ましい具体例において、流動チャネル30aは曲がった上方壁25Aを有する。流動チャネル32が圧縮されると、膜部分25は点線25A2、25A3、25A4および25A5によって示される順次の位置まで下方に移動し、膜のエッジ部分がまず流動チャネルまで移動し、続いて、頂部膜部分まで移動する。膜25Aにおけるそのような曲がった上面を有する利点は、流動チャネル32が圧縮されると、より完全なシールが供されることである。具体的には、流動チャネル30の上方壁は平面基材14に対して連続的接触エッジを供し、それにより、図10における壁25および流動チャネル30の底の間で見られる接触の「島」を回避する。
膜25Aにおける曲がった上方流動チャネル表面を有するもう1つの利点は、膜がより容易に、作動に応答して流動チャネルの形状および容量に適合させることができることである。具体的には、矩形流動チャネルを使用した場合、全周囲(2×流動チャネルの高さ、+流動チャネルの幅)は流動チャネルに力で入れ込まなければならない。しかしながら、アーチ型流動チャネルを用いる場合、材料のより小さな周囲(半円アーチ状部分のみ)をチャネルに力で入れこまなければならない。このようにして、膜は作動に周辺のより小さな変化を必要とし、従って、適用された作動力により応答して、流動チャネルをブロックする。
代替態様において、(示してないが)、流動チャネル30の底部は、その曲がった表面が、前記した図20で分かるように、曲がった上方壁25Aと接合するように曲線的になっている。
まとめると、膜によって経験された現実の立体配座的変化は、作動に際して、特定のエラストマー構造の立体配置に依存するであろう。具体的には、立体配座的変化は膜の長さ、幅、および厚みプロフィール、構造の残りへのその付着、および流動および制御チャネルの高さ、幅、および形状、および用いるエラストマーの材料の特性に依存するであろう。立体配座的変化もまた、作動の方法に依存し得る。というのは、適用された圧力に応答しての膜の作動が、磁気的または制限的力に応答して作動から幾分変化するであろうからである。
さらに、膜の所望の立体配座的変化もまた、エラストマー構造についての特定の適用に依存して変化するであろう。前記した最も単純な具体例において、バルブの閉鎖の程度を制御するために計量しつつ、バルブは開放または閉鎖することができる。しかしながら、他の具体例においては、膜および/または流動チャネルの形状を変化させると、より複雑な流動調節を達成するのが望ましいであろう。例えば、流動チャネルには、作動に際して、膜が流動チャネルを通っての流動のあるパーセンテージのみをシャットし、流動の該パーセンテージは適用された作動力に非感受性であるように、膜部分直下の隆起した突出を設けることができよう。
矩形、台形、円、楕円、放物線、双曲線、および多角形、ならびに前記形状のセクションを含めた、多くの膜厚みプロフィールおよび流動チャネル断面が本発明で考えられる。すぐ前記で議論した突出を備えた具体例、または流動チャネルに凹所を有する具体例のようなより複雑な断面形状を本発明で考えられる。
加えて、流動チャネルの壁および天井がエラストマーから形成され、かつチャネルのフロアが下の基材から形成される具体例に関連して本発明を主として記載するが、本発明はこの特別な向きに限定されない。チャネルの壁およびフロアもまた下の基材に形成し得るが、流動チャネルの天井のみがエラストマーから構成される。このエラストマー流動チャネルの天井は、適用された作動力に応答して下方へチャネルへと突出し、それにより、流動チャネルを通る材料の流動を制御する。一般に、本出願の他の箇所に記載したようなモノリシックエラストマー構造が微量流体適用で好ましい。しかしながら、そのような配置が利点を供する場合には、基材に形成されたチャネルを使用するのが有用であろう。例えば、光学導波管を含めた基材は、光学導波管が微量流体チャネルの側面に光を特異的に向けるように構築できよう。
(7.ネットワーク化システム)
図12Aおよび12Bは、(例えば、図7Aにおいて)前記したシステムと同一の単一のオン/オフバルブの図を示す。図13Aおよび図13Bは、一緒にネットワーク化した以外は、図12で見られる複数の単一のアドレス可能オン/オフバルブから構成される蠕動ポンピングシステムを示す。図14は、図13の蠕動ポンピングシステムについての実験的に達成されたポンピング速度vs.周波数を示すグラフである。図15Aおよび15Bは、単一制御ラインによって制御可能な複数の流動チャネルの模式図を示す。このシステムは、図12のそれと異なる配置における以外は、一緒に多重化された、図12の複数の単一アドレス可能オン/オフバルブから構成される。図16は、一緒に連結した、またはネットワーク化された、図12の複数の単一オン/オフバルブから構成された、選択されたチャネルを通る流体流動を可能とするのに適合した多重化システムの模式図である。
まず、図12Aおよび図12Bを参照し、流動チャネル30および32の模式図が示される。流動チャネル30は、好ましくは、それを通る流体(またはガス)流動Fを有する。(既に本明細書中で説明したように、流動チャネル30と交差する)流動チャネル32は、流動チャネルを分離する膜25が流動チャネル30の経路に入れ込まれて、説明したように、それを通る流動Fの通過をシャットすることができるように、圧縮される。それ自体、「流動チャネル」32もまた、流動チャネル30における単一バルブを作動する「制御ライン」ともいうことができる。図12ないし15において、複数のそのようなアドレス可能なバルブが、種々の配置において、一緒に連結され、またはネットワーク化されて、蠕動ポンピング、および他の流体ロジック適用が可能であるポンプを得る。
図13Aおよび13Bを参照し、蠕動ポンピングのためのシステムが以下のように提供される。流動チャネル30は、その上を通る複数の略平行な流動チャネル(すなわち:制御ライン)32A、32Bおよび32Cを有する。制御ライン32Aを圧縮することによって、流動チャネル30を通る流動Fが、制御ライン32Aおよび流動ライン30の交点において膜25A下でシャットされる。同様に、(図示しないが)、制御ライン32Bを圧縮することによって、流動チャネル30を通る流動Fは、制御ライン32Bおよび流動チャネル30等の交点において膜25B下でシャットされる。
制御ライン32A、32Bおよび32Cの各々は別々にアドレス可能である。従って、蠕動は、32Aおよび32Cを一緒に、続いて32Aを、続いて32Aおよび32Bを一緒に、続いて32Bを、続いて32BおよびCを一緒に、等を作動させるパターンによって作動させることができる。これは、順次の「101、100、110、010、011、001」パターンに対応し、ここに、「0」は「開いたバルブ」を示し、「1」は「閉じたバルブ」を示す。この蠕動パターンは(3つのバルブの間の作動の位相角という)120°パターンとしても知られている。60°および90°パターンを含めた他の蠕動パターンは等しく可能である。
本発明者らによって行われた実験においては、2.35nL/sは、40kPaの作動圧力下で100×100×10μmバルブにて;薄い(0.5mm i.d.)チューブ中の水のカラムによって移動した距離を測定することによって測定した。ポンピング速度はほぼ75Hzまで作動周波数と共に増大し、次いで、200Hzを超えるまでほとんど一定であった。バルブおよびポンプはかなり持続的でもあり、エラストマー膜、制御チャネル、または結合は決して失敗は観察されなかった。発明者らによって行われた実験においては、本明細書中に記載された蠕動ポンプにおけるバルブで、400万回を超える作動後に磨耗または疲労のいずれかの兆候を示すものはない。それらの耐久性に加えて、それらは穏やかでもある。チャネルを通って送液し、かつ生存性についてテストしたE.Coliの溶液は94%の生存率を示した。
図14は、図13の蠕動ポンピングシステムについての実験的に達成されたポンピング速度vs周波数を示すグラフである。
図15Aおよび15Bは、図12の複数のアドレス可能なバルブを組み立てるもう1つの方法を示す。具体的には、複数の平行な流動チャネル30A、30B、および30Cが供される。流動チャネル(すなわち:制御ライン)32は、流動チャネル30A、30B、および30Cを横切って通過する。制御ライン32の加圧は、制御ライン32および流動チャネル30A、30B、および30Cの交点に位置する膜25A、25B、および25Cを押し下げることによって流動F1、F2およびF3を同時にシャットする。
図16は、以下のように、選択されたチャネルを通って流体が流動することを選択的に可能とするのに適合した多重システムの模式図である。各流動チャネルをその上を通る制御ラインから分離する膜(例えば、図15Aおよび15において膜25A、25Bおよび25C)の下向き偏向は、膜の寸法に強く依存する。従って、図15Aおよび15Bにおける流動チャネル制御ライン32の幅を変化させることによって、制御ラインを多数の流動チャネルを通過させ、しかし所望の流動チャネルのみを作動させる(すなわち:シールする)ことが可能である。図16は、以下のように、そのようなシステムの模式図を示す。
複数の平行な流動チャネル30A、30B、30C、30D、30Eおよび30Fは、複数の平行な制御ライン32A、32B、32C、32D、32Eおよび32Fの下に位置する。制御チャネル32A、32B、32C、32D、32Eおよび32Fは、以下の修飾を施して、前記したバルビングシステムのいずれかを用い、平行な流動チャネル30A、30B、30C、30D、30Eおよび30Fを通る流体流動F1、F2、F3、F4、F5およびF6をシャットオフするのに適合する。
制御ライン32A、32B、32C、32D、32Eおよび32Fの各々は、広い部分および狭い部分を共に有する。例えば、制御ライン32Aは流動チャネル30A、30Cおよび30Eに配置される位置において広い。同様に、制御ライン32Bは流動チャネル32B、30Dおよび30Fに配置される位置において広く、制御ライン32Cは流動チャネル30A、30B、30Eおよび30Fには位置される位置において広い。
各制御ラインが広い位置においては、その圧縮は流動チャネルおよび制御ラインを分離する膜(25)を有意に流動チャネルに押し下げて、それにより、それを通る流動通路をブロックする。逆に、各制御ラインが狭い位置においては、膜(25)もまた狭い。従って、同一程度の圧縮は流動チャネル(30)に押し下げられたこととなる膜(25)をもたらさない。従って、その下の流体通路はブロックされない。
例えば、制御ライン32Aが圧縮されれば、それは流動チャネル30A、30Cおよび30Eにおいて流動F1、F3およびF5をブロックする。同様に、制御ラインCが圧縮されれば、それは流動チャネル30A、30B、30Eおよび30Fにおける流動F1、F2、F5およびF6をブロックする。認識できるように、1を超える制御ラインを同時に作動させることができる。例えば、制御ライン32Aおよび32Cを同時に圧縮して、F4を除いて全ての流体流動をブロックすることができる(32AはF1、F3およびF5をブロックし;および32CはF1、F2、F5およびF6をブロックする)。
異なる制御ライン(32)を一緒に、および種々の行にての双方にて選択的に圧縮することによって、かなりの程度の流体の流動制御が達成できる。さらに、本発明のシステムを6を超える平行な流動チャネル(30)および4を超える平行な制御ライン(32)まで拡大し、かつ制御ラインの広いおよび狭い領域の位置決定を変化させることによって、非常に複雑な流体流動制御システムを作成することができる。そのようなシステムの特性は、ただ2つ(log2n)の制御ラインにてnの流動チャネルのうちのいずれか1つの流動チャネルのスイッチを入れることが可能である。
(8.切り替え可能流動アレイ)
なおもう1つの新規な具体例において、流体通過を選択的に指令して、2つの垂直な方向のいずれかに流動させることができる。そのような「切り替え可能な流動アレイ」システムの例を図17Aないし17Dに提供する。図17Aは、各々がその周りを通過する流動チャネルを有する、固体ポスト92のアレイによって規定される流動チャネルグリッドを形成する窪みのパターンを持つ底部表面を有する、エラストマー90の第一の層(またはいずれかの他の適当な基材)の底面図を示す。
好ましい態様において、流体流動を選択的に指令して、方向F1、または垂直な方向F2いずれかに移動させることができるように、エラストマーのさらなる層を層90の頂部表面に結合させる。図17Bは、交互に「垂直」制御ライン96および「水平」制御ライン94の形状に形成された窪みを示すエラストマー95の第二の層の底部表面の底面図である。「垂直」制御ライン96はそれに沿った同一の幅を有し、他方、「水平」制御ライン94は、示されるように、交互に広いおよび狭い部分を有する。
「垂直」制御ライン96が図17Cに示されるようにポスト92上に位置し、「水平」制御ライン94が、図17Dに示されるように、ポスト92の間にその広い部分で位置するように、エラストマー層95はエラストマー90の頂部上に位置する。
図17Cで分かるように、「垂直」制御ライン96が圧縮されると、領域98における層90および95の間に最初は位置したエラストマー層によって形成された一体化された構造の膜は、示されたように、流動が流動方向F2(すなわち:垂直方向)にのみ通過可能であるように、流動チャネルのアレイ上に下方に偏向する。
図17Dで分かるように、「水平」制御ライン94が圧縮されると、領域99における層90および95の間に最初に位置したエラストマー層によって形成された一体化された構造の膜は、示されたように、流動が流動方向F1(すなわち:水平方向)のみ通過できるように、流動チャネルのアレイ上に下方に偏向する(それらが最も広い領域においてのみである)。
図17Aないし17Dにおいて示された設計は、切り替え可能な流動アレイが、ただ2つのエラストマー層から構成されることを可能とし、垂直通路で、必要な異なるエラストマー層における制御ラインの間を通過するものはない。もし全ての垂直流動制御ライン94を連結すれば、それらは1つのインプットから圧縮できる。それは全ての水平流動制御ライン96についてもあてはまる。
(9.細胞ペン)
本発明のなおさらなる適用において、エラストマー構造を利用して、生物または他の生物学的材料を操作することができる。図18Aないし18Dは、本発明による細胞ペン構造の1つの具体例の平面図を示す。
細胞ペンアレイ4400は、交互流動チャネルの交点において拡大された「ペン」構造4404を備えた、直交向きの流動チャネル4402のアレイをその特徴とする。バルブ4406は各ペン構造4404の入口および出口に位置する。蠕動ポンプ構造4408は、各水平流動チャネルに、および細胞ペン構造を欠く垂直流動チャネルに位置する。
図18Aの細胞ペンアレイ4400には、先に分類されている細胞AないしHが負荷されている。図18Bないし18Cは、1)隣接するペン4404aおよび4404bのいずれか側のバルブ4406を開き、2)水平流動チャネル4402aを送液して細胞CおよびGを変位させ、次いで、3)垂直流動チャネル4402bに送液して、細胞Cを除去することによる、個々に貯蔵された細胞Cの評価および除去を示す。図18Dは、水平流動チャネル4402aを通っての液体流動の方向を逆転することによって、第二の細胞Gが細胞ペンアレイ4400中のその先の位置に移動して戻ることを示す。前記した細胞ペンアレイ4404は、準備のできたアクセスのために、選択されたアドレス可能な位置内に材料を貯蔵することができる。
図18Aないし18Dとの関係で示し、前記した具体例は流動チャネル交点の対向側でリンクされたバルブ対を利用するが、これは本発明によって要求されるものではない。交点の隣接するバルブのリンキング、または交点を囲う各バルブの独立した作動を含めた他の配置が、所望の流動特徴を供するのに可能である。しかしながら、独立したバルブ作動アプローチでは、別々の制御構造が各バルブで利用され、デバイスのレイアウトを複雑化することが認識されるべきである。
(II.微量流体大規模一体化)
以前のセクションは、実質的に漏れ止めされていて、かつスケーラブルであるモノリシックマイクロバルブを記載し、また、これらのマイクロバルブを製造する方法を記載してきた。先に記載された微量流体バルブの比較的簡単なアレイでは、各流体流動チャネルはそれ自身の個々のバルブ制御チャネルによって制御することができる。しかしながら、そのような一体化されていない制御戦略は、現実的には、数千または数万さえの個々にアドレス可能なバルブを含むより複雑なアレイでは実施することができない。従って、本発明の具体例は、単独で、または組み合わされて適用されて、個々にアドレス可能なバルブを有する大規模な一体化された微量流体デバイスの製造を可能とする種々の技術を提供する。
本発明による高密度微量流体チップの具体例は、数千のミクロ機械的バルブおよび数百の個々にアドレス可能なチャンバーを備えたポンピングネットワークを含む。これらの流体デバイスは、大規模な一体化を用いて製造された電子集積回路に似ている。これらのネットワークの構成要素は流体マルチプレキサーであり、これは、最小数のインプットでの複雑な流体操作を可能とすることによって、ネットワークの処理パワーを指数関数的に増大させる二元バルブパターンのコンビナトーリアルアレイである。これらの一体化された微量流体ネットワークを用いて、コンパレーターアレイの微量流体アナログ、および電子ランダムアクセスメモリーと似ている微量流体メモリー貯蔵デバイスを構築することができる。
(1.マルチプレキサーによる流動ラインの制御)
マルチプレキサー構造の使用は、流動チャネルの単一組に重ねる制御ラインの単一組との関係で先に記載した。図19Aは、微量流体二元ツリーマルチプレキサー操作ダイアグラムを示す単純化された平面図を示す。下方のエラストマー層において規定される流動チャネル1900は注目する流体を含み、他方、重ねられるエラストマー層において規定される制御チャネル1902は、空気または水のような作動流体を含有する制御ラインを表す。バルブ1904は、制御チャネル1902のより広い部分1902aと流動チャネル1900との交点において形成される膜によって規定される。広い膜のみが流動チャネル1900に十分に偏向するように、作動圧力が選択される。具体的には、制御チャネル幅:流動チャネル幅の比率が減少するので、マルチプレキサー構造は、バルブを作動させるのに必要な圧力のシャープな増加に基づく。
図19Aに示されるマルチプレキサー構造は、流動チャネルの2つの合計群のうちの1つを各ステージが選択するバルブの二元ツリーの形態である。図19Aに示されるマルチプレキサー具体例において、マルチプレキサー中の開いた/閉じたバルブの各組合せは、nの流動チャネルを2logn制御チャネルのみで扱うことができるように、単一チャネルにつき選択される。
多重バルブシステムを用いることによって、二元システムのパワーが明らかになり:1024の流動チャネルを特異的に扱うのに、約20の制御チャネルが必要なのに過ぎない。これは、非常に多数のエラストマーマイクロバルブがこれらのデバイス内で複雑な流体操作を行うのを可能とし、他方、デバイスおよび外部環境の野間の界面は単純かつ頑強である。
図19Bは、本発明によるマルチプレキサー構造の代替具体例の単純化された平面図を示す。マルチプレキサー構造1950は、下にあるエラストマー層の流動チャネル1954の上にあるエラストマー層に形成された制御チャネル1952を含む。図19Aのマルチプレキサーの同一の物理的原理下で操作すると、マルチプレキサー1950はバルブの三元ツリーを含み、そこでは、各ステージは3つのビット(「トリット」)を含み、流動チャネルの3つの合計群から1つを選択する。nの流動チャネルが3lognの制御チャネルのみで扱うことができるように、マルチプレキサー1950中の開いた/閉じたバルブの各組合わせが単一チャネルにつき選択される。
図19AないしBに示された基本的マルチプレキサーデバイスのいずれかの一般的な微量流体流動構成は、図20の単純化された断面図において一般的に表すことができ、そこでは、制御チャネルネットワークCを規定する第二のエラストマー層E2が、流動チャネルネットワークFを規定する第一のエラストマー層E1の上に存在する。
図19Bの底3マルチプレキサーは、多数の「流動」チャネルを扱うのに用いることができる最も効果的な設計である。これは、x lognバルブが最小化されるからであり、ここに、eはlogの底で用いられる。分率は現実のマルチプレキサーの底で用いられないので、最も効果的なマルチプレキサー構造は、x=3の値、e(約2.71828)に最も近い整数である場合に達成される。
この点を強調するために、表1は底2マルチプレキサーの効率を底3マルチプレキサーと比較する。
Figure 2007502418
先の記載は同一の底の数を有するステージを利用する種々のマルチプレキサー構造に焦点を当てたが、これは本発明によって要求されるものではない。本発明によるマルチプレキサー構造の代替具体例は同様でない底の数のステージを含むことができる。例えば、ビットステージおよびトリットステージよりなる2−ステージプレキサーは、6つの流動チャネルを扱う最も効果的な方法を現す。ステージの順番は任意であり、常に、制御される同一数の流動ラインをもたらす。異なる二元および三元ステージを含むマルチプレキー差構造の使用は、数字2および3の積であるいずれかの数の「流動」チャネルの効果的な取り扱いを可能とする。
マルチプレキサーは、概念的には、いずれの底の数も用いることができる。例えば、5をもし必要であれば底の数として用いることもできる。しかしながら、制御ラインの利用における効率は、制御ラインの数がeの値から離れるにつれ減少する。これは、異なる底の数を有するマルチプレキサー構造について、制御ラインの数vs制御すべき流動ラインの数をプロットする図33に示される。
標準的なマルチプレキサー構造は先に示され、多くの適用につき適当であると記載された。しかしながら、マルチプレキサー構造の代替具体例はある状況において増強された性能を提供することができる。
例えば、数個の流体インプットが選択され、チップの他の領域に系行的に導入すべき場合には、バルブの間のデッド容量に帰せられる望まない交差−汚染が起こり得る。従って、図28は、最小のデッド容量を特徴とする、本発明のマルチプレキサー構造の代替具体例の単純化された平面図を示す。
具体的には、マルチプレキサー2800は、流体インプットツリーの形状に配置された試料インプット2804を有する流動チャネルネットワーク2802を含む。制御ライン2806は3つのステージで配置され、第一および第二の三元状態2806aおよび2806b、および二元ステージ2806c制御ラインは流動チャネルネットワークの出口2808に至る流動した流体にアクセスする。制御ライン2806は、制御バルブ2810を各流動チャネル接合にできるだけ近く位置させて、デッド容量を最小化するように位置させる。加えて、各マルチプレキサーの最終インプットライン2814は緩衝液を受容するように割り当てられ、それにより、流動チャネルおよび流動チャネル接合の内容物の清浄を可能とする。
(2.他の制御ラインによる制御ラインの制御)
大規模集積(LSI)微量流体デバイスの製造を可能とする1つの技術は、制御ラインの複数層の使用である。図21ないし21Bはこのアプローチを示す。図21は、第二の制御ラインによって制御される第一の制御ラインを有する微量流体デバイスの1つの具体例の平面図を示す。図21Aは、線21A−21A’に沿った、図21の微量流体デバイスの断面図を示す。図21Bは、線21B−21B’に沿った、図21の微量流体デバイスの断面図を示す。
微量流体構造2100は、最も下方のエラストマー層2104に形成された2つの流動チャネル2102aないしbを含む。第一および第二のブランチ2106bおよび2106cと流体連絡した第一の入口2106aを含む第一の制御チャネルネットワーク2106は、第一のエラストマー層2104の上にある第二のエラストマー層2108に形成される。第一の制御チャネルネットワーク2106の第一のブランチ2106bは、第一のバルブ2112を規定する第一の流動チャネル2102aの上にある広くなった部分2110を含む。第一の制御チャネルネットワーク2106の第二のブランチ2106cは、第二のバルブ2116を規定する第二の流動チャネル102b上にある広くなった部分2114を含む。
第三の制御チャネル2118aを含む第二の制御チャネルネットワーク2118は、第二のエラストマー層2108の上にある第三のエラストマー層2120に形成される。第三の制御チャネル2118aは、第一の制御チャネルネットワーク2106の第一のブランチ2106bの上にある広くなった部分2118bを含んで、バルブ2122を形成する。
図21ないし21Bに示される微量流体デバイスは以下のように操作することができる。操作すべき流体は流動チャネル2102aおよび2102bに存在する。圧力の第一の制御チャネルネットワーク2106への適用は、バルブ2112および2116の膜をその各流動チャネル2102aおよび2102bへと下方に偏向させ、それにより、流動チャネルを通る流動をバルブにより調節する。
圧力の第二の制御チャネルネットワーク2118への適用は、バルブ2122の膜が、第一の制御チャネルネットワーク2106のみの下にある第一のブランチ2106cへと下方へ偏向させるようにする。これは、バルブ2112をその偏向した状態に固定し、今度は、第一の制御チャネルネットワーク2106内の圧力をバルブ2112の状態に影響することなく変化させることを可能とする。
図21ないし21Bに描いた微量流体デバイスの一般的構成を図22の単純化された断面図にまとめる。具体的には、エラストマーデバイス2200は流動チャネルネットワークFを規定する最も下方のエラストマー層E1、第一の制御チャネルネットワークC1を規定する下にある第二のエラストマー層E2を含む。第一の制御チャネルネットワークC1は、今度は、第三のエラストマー層E3内に規定される第二の制御チャネルネットワークC2の下にある。
図21ないし21Bの微量流体デバイスの具体例は3つの別々のエラストマー層から製造されるように記載されるが、これは本発明によって要求されるものではない。多重化制御ラインを特徴とする本発明の具体例による大規模集積微量流体構造は、2つのエラストマー層のみを利用して製造することができる。このアプローチは図23ないし23Bとの関連で示され、説明される。
図23は、第一および第二の流動チャネル2300aおよび2300bおよび、各々、バルブ2304および2306を規定するための、流動チャネル2300aおよび2300bの上にある第一の分岐した制御チャネルネットワーク2302を含むミクロ機械加工されたエラストマーデバイスの単純化された平面図を示す。図23Aは、下方エラストマー層2306に規定された流動チャネル2300a、および上方エラストマー層2310に規定される第一の制御チャネル2302を備えた、線23A−23A’に沿った、図23のミクロ機械加工エラストマーデバイスの断面図を示す。
下方エラストマー層2308は、さらに、バルブ2314を規定するための、第一の制御チャネル2302直下を走る第二の制御チャネルネットワーク2312を含む。従って、図23Bは、線23B−23B’に沿った、図23のミクロ機械加工エラストマーデバイスの断面図を示す。同一の(下方)エラストマー層2308に存在するが、流動チャネルネットワーク2300および第二の制御チャネルネットワーク2312は別々であって、相互に交わらない。
図24の単純化された断面図に表されるように、かくして、別々の流動チャネルネットワークFおよび制御チャネルネットワークC2は、制御チャネルネットワークC1のみを規定するもう1つのエラストマー層E2がその上に置かれる単一の(下方)エラストマー層E1に存在させることができる。
図23ないし23Bに示された微量流体デバイスは、以下のように操作することができる。操作すべき流体は流動チャネル2300aおよび2300bに存在する。圧力の第一の制御チャネルネットワーク2302への適用は、バルブ2304の膜が、それらの各流動チャネル2300aおよび2300bへと下方に偏向させるようにし、それにより、流動チャネルを通っての流動をバルブにより調節する。
圧力の第二の制御チャネルネットワーク2312への適用は、バルブ2314の膜が、第一の制御チャネルネットワーク2302の上にあるブランチ2302aへと下方に偏向させるようにする。これはバルブ2314を偏向した状態に固定し、今度は、第一の制御ネットワーク2302内の圧力がバルブ2314の状態に影響することなく変化するのを可能とする。
図21に示した具体例とは対照的に、図23ないし23Bの微量流体デバイスは、上昇した圧力に応答して隣接する制御チャネルへと上方に偏向させることによって操作されるバルブをその特徴とする。そのような上方に偏向するバルブを一体化させる大規模集積微量流体構造は、図11との関係で記載したのと同様にして、バルブ閉鎖を容易とするための丸いまたはアーチ状断面を有する流動チャネルを含むことができる。かくして、上方および下方レベル双方の流動チャネルを含む2−層微量流体構造において、上方および下方双方のチャネルは、好ましくは、アーチ状プロファイルを呈する。そのような上方に偏向するバルブの製造および性能の詳細な議論はセクション8において後に供する。
図23ないし23Bおよび24のアプローチを利用して、2を超える層に頼ることなく、ほとんどの限定されない制御を複雑な流動機能性に導入することができる。これは、流動チャネルネットワークF、およびその中に規定される第二の制御チャネルネットワークC2を有する下方エラストマー層E1、その中に規定された別々の第一および第三の制御チャネルネットワークCおよびCを有する下にある上方エラストマー層E2を含む微量流体構造2500の簡略化された断面図を表す図25と組合わされて示される。
図21ないし25との関係で示され、そこに記載された制御チャネルを利用して他の制御チャネルを制御する微量流体デバイスは、単一の制御チャネルネットワークを使用する慣用的な微量流体デバイスよりも優れた多数の利点を提供する。1つの潜在的利点は増強された機能性である。
具体的には、図19AないしBの単一マルチプレキサー構造は、xlogn制御チャネルが与えられたnの流動チャネルの1つを除いて全てのバルブ調節を可能とし、それにより、単一チャネルを通っての流動を可能とする。しかしながら、図19AないしBの単一マルチプレキサーは逆機能性を可能とせず、ここに、バルブの1つのみが、同一数(xlogn)制御ラインを有するマルチプレキサーを利用して同時に作動することができる。
しかしながら、そのような機能性は、従前に記載したように、他の制御ラインを制御するための制御ラインの使用を介して利用可能である。図26は、制御ラインの多数の層を利用する、本発明の具体例による逆マルチプレキサー構造2601の1つの具体例を示す。
第一のエラストマー層に掲載された平行流動チャネル2600には、第二のエラストマー層に形成され、かつ共通の入口2602bを共有する制御チャネル2602aの平行組を含む制御チャネルネットワーク2602がその上に置かれる。流動チャネル2600と同一数の制御チャネル2602aがあり、各制御チャネルは、バルブ2610を規定するための、対応する流動チャネル2600の1つの上に置かれる広くなった部分2602bを有する。
共通入口2602bおよび第一の流動チャネルの間の点において、制御チャネルの第二のネットワーク2604は第一の制御チャネルネットワーク2606の近くを通過し、複数の作動可能膜の形態であるバルブ2612を含むマルチプレキサー構造2602を規定する。ある具体例において、マルチプレキサーを規定する制御ラインのこの第二のネットワークは、第一の制御チャネルネットワークを含有する第二のエラストマー層の上にある第三のエラストマー層に形成することができる。別法として、マルチプレキサーを規定する制御ラインの第二のネットワークは、流動チャネルネットワークと交わらない以外は、一緒に、第一のエラストマー層に形成することができる。
図26に示された逆マルチプレキサー構造の操作の間に、第一の制御チャネルネットワーク2602の共通入口2602bが最初に圧縮解除される。次いで、マルチプレキサー2604を作動させて、第一の制御チャネルネットワーク2602のチャネルの1つを除いて全てを選択する。次に、圧力を入口2602bに適用して、ネットワーク2602の唯一の選択されていない制御チャネルにおける圧力増加を引き起こし、それにより、その選択されていない制御チャネルのみのバルブを作動させる。かくして、逆多重化機能性が達成された。
他の制御ラインを制御するための制御ラインの使用によって供されるもう1つの潜在的利点は、複雑な微量流体構造を制御するのに必要な外部から接近可能な制御ラインの数の減少である。具体的には、制御ラインの複数層の使用を、ちょうど記載したマルチプレキサー概念と組み合わせて、数個の外部から接近可能な制御ラインが、多数の内部バルブ構造を操作することを担う多数の制御チャネルに対する制御を発揮するのを可能とする。
図27は、カスケード化マルチプレキサーを利用する本発明による微量流体デバイス2700の1つの具体例の単純化された平面図を示す。具体的には、1つのエラストマー層において規定された平行流動チャネル2701には、マッチプレキサー2703を規定する広いおよび狭い制御チャネル部分を特徴とする第一の制御チャネルネットワーク2702がその上に置かれる。第一の制御チャネルネットワーク2702は、今度は、やはり第二のマルチプレキサー2706を規定する広いおよび狭い制御チャネル部分を特徴とする第二の流動チャネルネットワーク2704の上に置かれ、またはその下に置かれる。
図27は、どのようにして6つの制御ラインのみを含むマルチプレキサーが、単一のインプットのみを必要とし、その結果、合計7つのみの制御ラインをもたらす、第二のマルチプレキサーとでそれをカスケードとした後に、合計27の流動ラインを制御できるかを示す。第二のマルチプレキサーの論理状態は、第一のマルチプレキサーを用いる各ラインをアドレスし、次いで、さらなるインプットを用いて状態を設定することによって順次に設定することができる。高圧(オン)状態は、第二のマルチプレキサー内の経時的圧力が作動流体の蒸発または脱ガスを介して低下するにつれ、PDMSの固有のガス浸透性により、限定された量の時間の間に一般的に保持することができる。圧力のこの喪失は、第二のマルチプレキサーの状態を周期的に新しいものとし、または実験の合計時間に対して作動流体における喪失の速度を無視できるレベルまで低下させることによってのいずれかによって、2つの方法で対処することができる。
ちょうど記載したように、二元または他のバルブパターンのコンビナトーリアルアレイは、最小数の制御されたインプットでもって複雑な流体操作を可能とすることによって、ネットワークのプロセッシングパワーを増加させることができる。そのような多重化制御ラインを用いて、数千のバルブ、および数百の個々にアドレス可能な反応チャンバーを備えたシリコーンデバイスを製造することができ、個々のバルブ構造を取り扱うのに必要な制御インプットの数は実質的に低下する。
(3.微量流体メモリーアレイ構造)
本発明の具体例による微量流体技術を利用して、1000の個々にアドレス可能なピコリットル規模のチャンバーの高密度アレイを含み、かつ微量流体メモリー貯蔵デバイスとして働くことができるチップを製造することができる。流体設計エレメントとして2つのマルチプレキサーを用い、アドレス可能な25×40チャンバーマイクロアレイとして組織された、1000の独立した区画および3574のマイクロバルブにて微量流体メモリー貯蔵デバイスを設計した。
29Aは、微量流体メモリー貯蔵デバイスについてのマスク設計を示す単純化された平面図である。図29Bは、パージングマシーンを示す、図29Aのアレイの1つの貯蔵位置の単純化された拡大図を示す。
アレイ2900は、相互連結垂直ブランチ流動チャネル2902dを有する平行なトリプレット流動チャネル2902aないしcの行2902を規定する第一のエラストマー層を含む。この適用の目的では、各行における中央流動チャネル2902bに近接する流動チャネル2902aおよび2902cを「バスライン」という。垂直ブランチ2902dおよび中央流動チャネル2902dの間の各交点は、その行において、および貯蔵デバイスのための別の貯蔵位置を規定する。流動チャネルの各々は共通試料インプット2904aまたは2904b、および共通試料アウトプット2906を共有する。行流動チャネル2902aないしcの各々は共通パージインプット2908を共有する。
流動チャネルを含有する第一のエラストマー層の上には、制御チャネルのネットワークを含有する第二のエラストマー層が置かれる。共通入口2910aを有する水平区画化制御チャネルネットワーク2910は第二のエラストマー層に形成される。また、行マルチプレキサー2912を規定する制御ラインC1ないしC10は第二のエラストマー層に形成される。
また、行アクセス制御ラインD1ないしD4が第二のエラストマー層に形成される。行アクセス制御ラインD1ないしD4は、中央流動チャネル、またはアレイの行のいずれか1つについての近接バスラインの1つを通っての流体の流動を制御するように選択的に作動可能である。
第二のエラストマー層は共通入口2914bを有する垂直区画化制御チャネルネットワーク2914も規定する。共通入口2914およびアレイ2900の最初の行の間の点において、第一のエラストマー層に形成された別の制御チャネルネットワーク2916は垂直区画化制御チャネルネットワーク2914下で交差して、列マルチプレキサー2918を規定する。かくして、図29の具体例は、2つの別々の制御チャネルネットワークマルチプレキサー構造2914および2916を利用して垂直区画化制御チャネルに対する制御を可能とする2−層デバイスを表す。具体的には、貯蔵デバイスの操作の間に、列マルチプレキサーの選択された制御チャネルの作動は、全ての他の貯蔵位置はシールされ、汚染されてないままでありつつ、アレイ中の1つの特定の貯蔵のみに対するアクセスを可能とする。貯蔵デバイス2900の操作を今や詳細に記載する。
図29CないしFは、アレイの1つの貯蔵位置の拡大平面図を示す。図29Cに示したように、最初の時点で、垂直区画化制御チャネル2914を圧縮して、垂直区画化バルブ2924を閉じる。次いで、列マルチプレキサー2918を圧縮して、バルブ2930aないしbを活性化して、垂直区画化バルブ2924をその圧縮された状態にシールする。
図29Dは、制御ラインD1ないし4の選択的操作によって、特定の中央流動ラインに沿って位置する全ての貯蔵位置への流体の負荷を示す。垂直区画化バルブ2924の閉じた状態は負荷された流体の垂直方向運動を制限する。図29Eは、水平区画化バルブ2922を閉じ、それにより、隣接する貯蔵位置を離すための水平区画化制御チャネル2910の圧縮を示す。
図29Fは、特定の貯蔵位置からの負荷された流体のパージングを示す。具体的には、列マルチプレキサー2918を圧縮解除して、バルブ2930bを作動解除し、制御チャネルのガス抜き、および貯蔵位置2950の上方または下方にある垂直区画化バルブ2924の作動解除を可能とする。列マルチプレキサー2918は圧縮されたままであって、バルブ2930aを作動に維持し、それにより、隣接する貯蔵位置の垂直区画化バルブ2924を閉じた状態に維持する。
最後に、制御ラインD1ないし4を操作して、頂部バスライン2902aのみを通っての流動を可能とする。圧力を適用して入口2908をパージし、力をかけて、貯蔵位置2950の内容物を、頂部バスライン2902aへ、バスライン2902aに沿って、および最後にはアウトプット2906から外へ移動させる。
まとめると、貯蔵アレイチップは、その各々が容量約250pLを有する25×40チャンバーのアレイを含む。各チャンバーは、行マルチプレキサーおよび行マルチプレキサーを用いて個々に取り込むことができる。各メモリー/貯蔵位置の内容物は、色素(試料インプット)または水(洗浄緩衝液インプット)いずれかであるように選択的にプログラムすることができる。
本発明の具体例による大規模な集積マルチプレキサーバルブシステムは、マトリックスの各チャンバーが、個々にアドレスされ、単離されるのを可能とし、外部制御インターコネクトの数を22まで低下させる。流体は単一インプットポートを通じてデバイスに負荷することができ、しかる後、次いで、制御層バルブはゲートとして作用して、アレイを250pLのチャンバーに区画化する。個々のチャンバーアドレシングは、試料チャンバーと平行に走り、行および列マルチプレキサーの制御下で圧縮された液体を用い、チャンバー内容物をアウトプットにフラッシュする流動チャネルを通じて達成される。
図29Bは、図29Aに示されたチップの選択された行内の単一チャンバーについてのパージングメカニクスを再度示す単純化され拡大された平面図である。特定のチャンバーをパージするためには、圧縮された流体をまずパージ緩衝液インプットに導入する。行マルチプレキサーは、次いで、流体を選択された行の最も下方のチャネルに向ける。列マルチプレキサーはチャンバーの垂直バルブを開放し、圧縮された流体がチャンバーを通って流動し、その内容物をパージするのを可能とする。
このデバイスは、2つの順次のレベルの制御があり−列マルチプレキサーはバルブ制御ラインを作動させ、該ラインは、今度は、バルブそれ自体を作動させる点で、かなりのレベルの複雑性を以前の微量流体配管に加える。微量流体アレイの設計およびメカニクスはランダムアクセスメモリー(RAM)と同様である。マルチプレキサーの各組はメモリーアドレスレジスターと似ており、マトリックス中の特異的な行または列にマッピングされる。
動的RAMのように、行および列マルチプレキサーはユニークな機能を有する。行マルチプレキサーは流体トラフィッキングで用いられ:RAMワードラインと同様に、それは行内の個々の区画をパージすることを担う流体を方向付け、行内の中央区画(メモリーエレメント)を新たなものとする。列マルチプレキサーは基本的には異なる方法で作用し、各行における特異的中央区画のための垂直インプット/アウトプットバルブを制御する。
列マルチプレキサーを操作するためには、制御層上の垂直収納バルブを圧縮して、全アレイを閉じる。流動層に位置した列マルチプレキサーはそのバルブで活性化されて、制御層へ上方に偏向されて、全垂直収納バルブアレイ中に圧縮された液体を捕獲する。次いで、単一行をマルチプレキサーによって選択し、垂直収納バルブに対する圧力を会合して、特定の列を開き、それが選択された行における圧縮された液体によって迅速にパージされるのを可能とする。
微量流体メモリー貯蔵デバイスの機能性を示すために、各行の中央メモリー貯蔵チャンバーに色素(クエン酸ナトリウム緩衝液、pH7.2中2.4mMブロモフェノールブルー)を負荷し、進行させて、個々のチャンバーに水をパージして、「CIT」をスペルアウトする。読み出しは光学的であるので、このメモリーデバイスは流体ディスプレイモニターとしても実質的に機能する。図29Gは、微量流体メモリーディスプレイのデモンストレーションを示す。配管ディスプレイの鍵となる利点は、一旦描かれれば、デバイスはほとんど電力を消費しないことである。
(4.一方向バルブ/流体ディスプレイ)
図29Aに描かれた貯蔵デバイスは、その内容物が、中央流動チャンバーのいずれか側に位置した共平面状バスラインを通じて流体の水平方向移動を介して個々に接近可能なチャンバーのアレイを含む。しかしながら、本発明の具体例による大規模集積微量流体構造を製造するための技術はこの特定のデバイスの製造に制限されない。
図34AないしCは、一方向のみでの流体の垂直流動を可能とする、本発明によるバルブ構造の具体例の構造および操作を示す簡略化された断面図を示す。後に詳細に記載するように、これらの一方向バルブを利用して、今度は、垂直、ならびに水平方向の流体の移動を利用する大規模な集積微量流体貯蔵デバイスの代替具体例を作り出すことができる。
図34Aに示すように、一方向バルブ3400は、下方エラストマー層3404の上にある中央エラストマー層3402の上にある上方エラストマー層3401から形成される。下方エラストマー層3404は第一の通路開口3406を規定する。中央エラストマー層3402は、中央層3402の周囲エラストマー材料と唯一の側3402bで一体化されたフレキシブルな膜部分3402aを含む。中央エラストマー層3402の膜部分3402aは第一の通路開口3406の全ての上にあり、膜部分3402のエッジ3402cは下方エラストマー層3404の座部分3404aに存在する。上方エラストマー層3401は、第一の通路開口3406の位置から水平方向に食い違った第二の通路開口3408を規定する。
図34Bに示すように、流体は上向き方向に一方向バルブ3400を通って自由に流動することができる。具体的には、圧縮された流体は第一の通路開口3406を通って移動し、フレキシブルな膜部分3402aの座を奪い、それを上にある第二の通路開口3408へと偏向し、圧縮された流体が第二の通路開口3408および上方エラストマー層3401に入るのを可能とする。
対照的に、図34Cに示すように、流体は下向き方向に一方向バルブ3400を通って流動することができる。具体的には、第二の通路開口3408を通って移動するよう試みる圧縮された流体は座膜部分3402aに遭遇する。下にある第一の通路開口3406における流体の圧力が第二の通路開口3408における圧力を超えるまで、膜部分3402aは依然として座にあり、およびバルブ3400は閉じたままである。
図34AないしCに示された一方向バルブの特別な具体例は3つの区別されるエラストマー層を利用して製造されるが、これは要求されるものではない。この構造は2つのエラストマー層のみから製造し、単一金具を利用して膜部分および頂部層を形成することができる。
図34AないしCに示された一方向バルブの特別な具体例は上向き方向の流体の通過を可能とするが、代替具体例は下向き方向のみの流体の通過を可能とすることができる。そのようなバルブ構造は、一方向バルブの向きを逆にすることによって製造することができる。
本発明の具体例による一方向バルブを利用して、ディスプレイデバイスを製造することができる。図35AないしDは、そのような画素構造の1つの具体例を示す簡略化された断面図である。
図35Aに示すように、画素3500は、最下方エラストマー層3504に形成された第一の流動チャネル3502を含む。第一の流動チャネル3502と直交する第二の流動チャネル3506は最上方エラストマー層3508に形成される。第一の一方向バルブ3510、チャンバー3512、および第二の一方向バルブ3514は、層3504および3508の間に介在するエラストマー層3516に形成される。
ディスプレイ画素3500の操作を図35BないしDにまとめる。図35Bにおいては、第一の流動チャネル3502からの着色した流体3518を第一の一方向バルブ3510を通って加圧下でチャンバー3512に導入される。画素3500は、今や、着色色素がチャージされている。
この画素チャージングは、第二の流動チャネルのいずれかに存在するよりも高い圧力を第一の流動チャネル3502に適用することによって非選択的に行うことができる。別法として、この画素チャージングは、第二の流動チャネルと連絡したマルチプレキサーを利用して、第一および唯一選択された第二の流動チャネルの間に必要な圧力差を生じさせることによって選択的に行うことができる。
図35Cにおいては、第二の流動チャネル3506をより高い圧力に維持し、それにより、第一の一方向バルブ3510を閉じて維持しつつ、着色流体は第一の流動チャネル302からパージされる。
図35Dに示すように、画素3500の色は、第二の流動チャネル3506における圧力を小さなものとし、かつ無色流体を第一の流動チャネル3502、第一の一方向バルブ3510、チャンバー3512、第二の一方向バルブ3514、および最後に第二の流動チャネル3506を通って流動させることによって変化させることができる。
図36は、図35AないしDに記載した画素の全アレイを含むディスプレイデバイスの平面図を示す。具体的には、平行最下方流動チャネル3502を通っての入口3550からの流体の流動は第一のマルチプレキサー3600によって支配される。平行最上方流動チャネルにおける平行最上方流動チャネル3506を通っての入口3551からの流体の圧力および流動は、第二および第三のマルチプレキサー3602および3604によって支配される。
(5.大規模集積コンパレーター構造)
先に記載したメモリーアレイ構造は現存の微量流体構造よりも重要な進歩を表すが、それは2つの異なる材料が別々に導入され、次いで、特定のチャンバーで混合されることを可能としない。しかしながら、この機能性は、256コンパレーターのアレイと類似の大規模集積技術でミクロ機械加工された第二のチップにて供される。具体的には、2056マイクロバルブを含有する第二のデバイスが設計され、これはより複雑な流体操作を行うことができる。
図30Aは、微量流体コンパレーターチップ3000の光学顕微鏡写真を示す。種々のインプットには着色した食品色素が負荷されて、チャネル、およびフルイティックロジックのサブ−エレメントを可視化している。図30Bは、図30Aのチップの1つの部分の簡略化された模式平面図を示す。
コンパレーターチップ3000は、各々、流動チャネル3006の分岐した水平行によって種々の点で交わる、各々、入口3002aおよび3004aを有し、かつ各々、出口3002bおよび3004bを有する一対の平行な蛇行性流動チャネル3002および3004から形成される。蛇行性流動チャネルの間に位置する水平流動チャネルの部分は混合位置3010を規定する。
連結チャネルの中心の上にある第一のバリアー制御ライン3012を作動させて、隣接チャンバーを作り出し、これは脱活性化されて、隣接チャンバーの内容物を混合する。第二のバリアー制御ライン3014は隣接チャンバーのいずれかの端部を折り返して、それらを水平流動チャネルの残りから離す。
連結水平流動チャネル3006の1つの端部3006aは圧力源3016と流体連絡し、連結水平流動チャネル3006の他の端部3006bはマルチプレキサー3020を通って、試料収集アウトプット3018と流体連絡する。
図30CないしHは、図30AないしBの構造の1つの混合エレメントの操作の簡略化された拡大平面図を示す。図30Cは、ミキサーバリアー制御ラインおよび圧縮されていないラップ−アラウンドバリアー制御ラインと共に、負荷に先立っての混合エレメントを示す。図30Dは、単離バルブおよび分離バルブを活性化して、隣接するチャンバー3050および3052を規定するための、ラップ−アラウンドバリアー制御ラインおよびバリアー混合ラインの圧縮を示す。図30Eは、これらの材料を各流動ラインから下方に流動させることによって、第一の化合物および第二の化合物でのチャンバーの負荷を示す。図30Fは、垂直区画化制御ライン3025の圧縮、および隣接チャンバーを規定するための単離を示す。
図30Gは、分離バリアーバルブを脱活性化し、それにより、隣接チャンバーに存在する異なる成分が自由に混合されるのを可能とするための、混合バリアー制御チャネルの圧縮解除を示す。
図30Hは、バリアーの脱活性化、制御ラインの単離、単離バルブの脱活性化、続いての、圧力の制御ラインへの適用、および組み合わせられた混合物が回収されるのを可能とするためのマルチプレキサーの脱活性化を示す。
図30AないしHで示されたデバイスの場合には、2つの異なる試薬を別々に負荷し、対様式で混合し、次いで選択的に回収し、256のサブ−ナノリットル反応チャンバーにおいて区別されるアッセイを行い、次いで、特に興味ある試薬を回収することを可能とする。ミクロチャネルのレイアウトは列当たり64チャンバーよりなる流動層における4つの中央列よりなり、各チャンバーは、区画化および混合の後に約750pLの液体を含有する。液体を低い外部圧(約20kPa)下で2つの別々のインプットを通ってこれらの列に負荷し、蛇行様式でアレイを満たす。制御層上のバリアーバルブは、試料流体を相互から、および各個々のチャンバーの内容物を回収するのに用いるための流動層上のチャネルネットワークから単離するように機能する。これらのネットワークは、マルチプレキサーおよび数個の他の制御バルブの制御下で機能する。
制御チャネルは、空気圧での作動に先立って水が充填された第一のデッド端部であり;チャネルの端部における圧縮された空気を力をかけてバルク多孔性シリコーンに入れる。この手法は、バルブ作動、並びに流動層に含まれた液体の蒸発に際して、流動層へのガスの移動を排除する。エラストマーバルブは、流体トラフィッキングのために高インピーダンスバリアーとして働く電子スイッチと似ている。
デバイスの配管を示すために、流体インプットラインを2つの色素で満たして、列内の単一チャンバーの内容物の負荷、区画化、混合およびパージングのプロセスを示した。
図31AないしDは、作用中のコンパレーターの部分を示す光学顕微鏡写真の組を示す。単一列におけるチャンバーのサブセットはイメージングされつつある。エラストマーマイクロバルブは、チップ上の256チャンバーの各々が、独立して区画化され、対様式で混合され、青色および黄色溶液で選択的にパージされるのを可能とする。チップ上の256チャンバーの各々は個々に取り扱うことができ、その各内容物は、マイクロフルイティック回路の集積された性質を示す、外部世界への唯一の18連結を用いて将来の分析のために回収することができる。
図30の図30Aの大規模集積微量流体デバイスは、特定の酵素の発現につきテストするために微量流体コンパレーターとして用いた。細菌の集団をデバイスに負荷し、発蛍光基質システムは蛍光性生成物の形態で増幅されたアウトプットシグナルを提供する。電子コンパレーター回路は、インプットシグナルが参照閾値を超える場合に大きなアウトプットシグナルを供するように設計される。OPアンプは参照に対するインプットシグナルを増幅し、それを強いて高くまたは低くする。図30Aに示される微量流体コンパレーター構造において、非−蛍光レゾルフィン誘導体であるAmplex Redは参照シグナルとして機能する。インプットシグナルは組換えチトクロームcペルオキシダーゼ(CCP)を発現するE.coliの懸濁液よりなる;当該酵素は回路において化学的増幅器として働く。
図32Aは、酵素および発蛍光基質を用いる微量流体コンパレーターロギックの模式的ダイアグラムを示す。酵素CCPを発現する細胞をインプットシグナルチャンバーが含む場合、非−蛍光Amplex Redは蛍光性生成物レゾフィリンに変換される。CCPの不存在下においては、アウトプットシグナルは低いままである。
細胞および基質は、各行において閉じられ、かつ青色およびオレンジ色色素につき説明した手法と正確に同様に区画化された中央混合バリアーを備えた別々のインプットチャネルに付加される。細胞希釈(密集培養の1:1000)は、蛍光顕微鏡撮影によって証明されるように、約0.2細胞/区画のメジアン分布を生じる。
基質および細胞サブ−区画の間のバリアーを数分間開放して、基質が細胞混合物を含有する区画に拡散することを可能とする。次いで、バリアーを閉じて反応容量を低下させ、反能についてのシグナル/ノイズを改良する。
室温での1時間のインキュベーションの後、チップを修飾されたDNAマイクロアレイスキャナー(Axon Industries, EnePix 400B)でスキャンする(λex=532nm,λem=590DS 40)。個々のチャンバー中での1以上のCCPを発現する細胞の存在は、Amplex Redが蛍光化合物レゾルフィンに変換されるにつれ、強力な増幅されたアウトプットシグナルを生じて、他方、細胞を含まない区画におけるシグナルは低いままである。
本発明に従ったLSI微量流体構造からのシグナルを検出するのにも使用されるスキャナーの1つの例はUnion City California のAxonIndustries, Inc,によって製造されたGenepix 4000Bスキャナーである。該Genepix4000BはDNAアレイチップスキャニングのために元来設計された。それは、各々、Cy3/Cy5蛍光色素につき最適化された2つのレーザー(532/635mm)を有する。Genepixは、通常、3−較正サファイヤーマウント上に存在するCy3/Cy5標識DNAプローブで被覆されたスライドの底部表面をスキャンすることによって機能する。しかしながら、このスキャナーには、それを微量流体チップスクリーナーとして最適未満とする数個の拘束がある。第一に、我々の実験で用いた現行の微量流体デバイスは25×25mm 1番カバーグラス(130ないし170um厚み)に結合させる。レーザー焦点面をソフトウエア界面を通じて調整することができるが、それはカバーグラスを50umの深さまで貫通できるに過ぎず、チャネルを焦点から僅かに外す。しかしながら、得られた分解能はチャネル内での蛍光測定で依然として十分である。
開発すべき第二のオプションは、較正されたマウントの微量流体チップを除去し、それをスライドホールダーの背面に嵌めることである。この位置はチップをレンズにより近くし、それを前記したソフトウエア−焦点面範囲に入れる。この方法の不利は、チップがレーザービームに対して僅かに直角から外れ、チップを横切っての人工的な強度勾配がもたらされることである。この勾配は分析の間に補償することができる。Genepixスキャナーのもう1つの最適下特徴は、マクロ流体チップが数個のチューブラインに連結される場合にそれらを安定化させるハードウエアのその欠如である。この効果は、チップの頂部への重りの付加を介して首尾よく補償することができる。該重りは非−反射性であって、スキャニングプロセスの間に人工的なノイズを生じさせかねないレーザービームの散乱を妨げるべきである。
ハードウエア焦点設定の効果は、Amplex Red溶液(陰性対照,約100μL)満たした図30Aのチップを、スペーサーとしてのNo.1カバーグラスを備えたスライドホールダーの裏面に置くことによって測定した。チップを秤量し、蛍光を、種々の焦点設定にて同一スポットで連続的に測定した。読みを2回採取して、基質の漂白または光活性化が有するかもしれないいずれの効果も評価した。結果は、蛍光測定が最適焦点から±15μmの範囲に幾分合致することを示す。
図32Bはコンパレーターモードにおけるチップのスキャンされた蛍光イメージを示す。列の左半分は、反応をAmplex Redと混合した後における、滅菌PBS(137mM NaCl,2.68mM KCl,10.1mM Na2HP04,1.76mM KH2P04,pH7.4)中のCCP発現E.coliの希釈溶液である。矢印は単一細胞を含有するチャンバーを示す。細胞を含まないチャンバーは低い蛍光を示す。変換された生成物(レゾルフィン)は緑色シグナルとして明瞭に目に見える。列の右半分は触媒されていないAmplex Red基質である。アウトプットシグナルがCCP活性の関数であることを照明するために、CCPまたは増強された緑色蛍光蛋白質(eGFP)いずれかを発現するE.coliの不均一混合物を用いて同様な試験を行った。増幅されたアウトプットシグナルは、個々のチャンバー中のCCP−発現細胞の数に依存するに過ぎなかった。
図32Cは、μHTSコンパレーター、およびアウトプットシグナルに対するeGFP発現制御細胞およびCCP発現細胞の不均一混合物の効果を示す。レゾルフィン蛍光測定(λex=532nm,λem=590nm)を、eGFPまたはCCPいずれかを発現するE.coli細胞を含有する個々のコンパレーターチャンバー中で行った。CCP発現細胞が存在する場合のみ、強いシグナルの増加があり、eGFP発現細胞からのシグナルに対してほとんど効果はなかった。垂直軸は相対的蛍光の単位(RFU)であり;誤差バーはメジアンRFUからの1標準偏差を現す。
チップからの回収は、単一チャンバーを選択肢、次いで、チャンバーの内容物を収集アウトプットへパージすることによって達成することができる。チップにおける各列は別々のアウトプットを有し、各列からのチャンバーが交差−汚染なくして収集されるのを可能とする。
収集プロセスの効率を示すために、GFPを発現するE.coliの希薄燐酸緩衝化生理食塩水(PB溶液)をチップに注入した。区画化の後、ほぼ2番目のチャンバー毎に細菌を含有した。水銀ランプおよびGFPフィルター組を備えた倒立光学顕微鏡(Olympus IX50)を用い、単一GFP細胞を20×対物レンズで同定し、それらの各チャンバーをパージした。
パージされた細胞を、低い細胞接着特性を有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)チューブを用いてアウトプットから収集した。単一GFP−発現細菌の単離は、蛍光フィルター組を用いる40×油浸漬レンズ下での収集された液体試料の可視化によって、および回収された細菌を接種したLuria−Bertaniブロス(LB)プレートでの単一コロニー増殖の観察によって確認した。DNAの単一分子はエラストマーマクロ流体デバイスで効果的に操作できることが示されたので、将来の適用において、個々の分子または分子クラスターをこのようにして選択し、または操作することが可能である。
電子コンパレーターの性能は理想的ではない。例えば、有限なノイズフロアーがあり、絶対的電圧および電流の制限があり、インプットにおいて漏れ電流があり、等々。これらのうちいくつかはデバイスで用いられる材料の固有の特性に由来し、他方、他のものは製造許容性または設計の限界いずれかに依存する。集積流体回路の性能は同様な不完全性に悩む。
(6.製造技術)
各々、図29Aおよび30Aに示される貯蔵アレイおよびコンパレーター微量流体デバイスは、2つの区別される層を用いる多層柔軟リソグラフィー技術で貯蔵した。バルブを作動させるのに必要な全てのチャネルを保有する「制御」層は、制御すべきチャネルのネットワークを含む「流動」層の頂部に位置する。制御チャネルが流動チャネルと交差するバルブが作り出される。2つのチャネルの間の接合における得られた薄い膜は、水力学または空気作動によって偏向することができる。全ての生物学的アッセイおよび流体操作は「流動」層で行われる。
微量流体チャネルのためのマスター金型は、9μmの高さのシリコーン上にポジティブなフォトレジスト(Shipley SJR 5740)をスピン−コーティングし、それらを高分解能(3386dpi)透明マスクでパターンをつけることによって作成した。フォトレジスト金型上のチャネルを120℃にて20分間丸め、十分なバルブ閉鎖を可能とする幾何学を生じさせた。
デバイスは、フォトレジスト金型からキャストされた2−部分硬化シリコーン(Dow Corning Sylgard 184)の2つの層を一緒に結合させることによって製造した。「流動」チャネルを含むデバイスの底部層を20:1部分A:B Sylgardde2500rpmにて1分間スピン−コートする。得られるシリコーン層は厚みが約30μmである。「制御」チャネルを含むデバイスの頂部層は、別々の金型を用い5:1部分A:B Sylgardを用いて厚い層(約0.5cm厚み)としてキャストする。2つの層は最初に80℃にて30分間硬化させる。
次いで、制御チャネルインターコネクト穴は(金型から解放された)厚い層を通じてパンチし、その後それをシールし、チャネルを薄い層の上で側面を形成し、各チャネルネットワークを整列させる。組み立てた相の間の結合は、デバイス80℃にてさらに40分ないし60分間硬化させることによって達成する。得られた多層デバイスをサイズに切断し、RCAで清浄されたNo.1、25mmの視覚のカバーグラス上に、または5000rpmにて5:1部分A:B Sylgardでスピンコートしたカバーグラス上に取り付け、80℃にて30分間硬化させ、続いて80℃にて一晩インキュベートする。
多数の非−連続流動チャネルの同時アドレッシングは、固定された流動チャネルの寸法(100μm幅および9μm高さ)を維持しつつ、種々の幅の制御チャネルを製造することによって達成される。制御チャネルにおける空気圧は、制御チャネルの幅を持つ流動チャネルのスケールに近くなることが必要とされ、より高い作動閾値を有する50μm×100μクロスオーバー領域を閉じることなく、比較的低い圧力(約40kPa)にて100μm×100μm値を作動させるのを簡単とする。
これらのデバイスへの流体の導入は、シリコーンを通じてパンチされた穴へ挿入された鋼ピンを介して達成される。高いヤング率を持つ硬い材料から作成されたミクロ機械加工デバイスとは異なり、シリコーンは柔軟であって、インプットピンの周りに密なシールを形成し、漏れのない300kPaまでの圧力を容易に受け入れる。コンピュータ−制御外部ソレノイドバルブはマルチプレキサーの作動を可能とし、これは今度は非常に多数のマイクロバルブの複雑なアドレッシングを可能とする。
PDMSから製造した流体回路は全ての有機溶媒には適合せず−特に、非極性溶媒の流動は影響され得る。この問題は、化学的に抵抗性のエラストマーの使用によって取り込むことができる。チャネル壁への分子の非−特異的接着による表面効果は、PDMS表面への受動的または化学的修飾いずれかによって最小化することができる。
微量流体回路における交差汚染は電子回路における漏れ電流と似ており、これは複雑な現象である。エラストマーそれ自身を介する小さな分子の拡散により、ある量の汚染が起こる。この効果は、本業績における実施例で用いられる有機色素および他の小さな分子で妨げされず、あるレベルおよび性能要件においては、それは限定的となろう。
また、交差−汚染は、その効果がいずれかの特定の回路の設計によって緩和できる設計の問題でもある。256ウェルコンパレーターチップにおいて、それによって4つの列の各々が別々のアウトプットを有して、改修操作の間に交差汚染を妨げる補償スキームが導入された。流体回路の複雑性が増大するにつれ、同様な設計のルールが進化して、用いるべき特定の材料および製造技術の制限にもかかわらず高い性能が得られる。
メモリーおよびコンパレーターチップの計算パワーは、単一チップ上の多くの流体エレメントを一体化し、制御する能力に由来する。例えば、マルチプレキサー構成要素は、指数関数的に多数の独立したチャンバーの特異的アドレッシングを可能とする。これは、高スループットスクリーニングおよび他の豊富化適用のための重要な要件である、個々の試料の選択的操作または回収を可能とする。それは、生成物の数がやはり指数関数的に増大するコンビナトーリアル合成を含む化学的適用のための有用なツールにもなり得る。
(7.セグメント化適用)
計算パワーのもう1つの例は、複雑なまたは不均一な試料を、コンパレーターチップで示されたように独立して分析することができる管理可能なサブ試料にセグメント化する能力である。例えば、図30Aに示されたような大規模集積微量流体デバイスを利用して、不均一混合物の所望の成分を単離することができよう。第一の工程において、不均一試料を蛇行性流動チャネルの1つを下って流動させることができ、不均一混合物は十分に希釈されて、垂直区画化バルブの間における1以下の可溶性体の存在を確実とする。次いで、流動を停止し、垂直化区画化バルブを作動させて、蛇行性流動チャネルにおいて単離されたセグメントを作り出す。種々のセグメントの問合せ/精査が特定のセグメント内の所望のエンティティの存在を示す場合、そのセグメントをパージし、アウトプットを収集することができよう。丁度記載された具体例において、唯1つの流動チャネルを利用し、他の残りは空であるか、あるいは緩衝液で満たして、所望のエンティティが存在しない交差−汚染の収集を可能とする。
本発明の具体例による大規模集積微量流体構造を利用するアッセイに感受性の不均一混合物は、一般には、2つのカテゴリーに小分けすることができる。不均一混合物の第一のカテゴリーは粒子または分子を含む。そのような粒子のリストは限定されるものではないが、原核生物細胞、真核生物細胞、ファージ/ウイルス、およびビーズまたは他の非−生物学的粒子も含む。
アッセイのための粒子のそのような混合物の1つの例は細菌の不均一な混合物であり、各々は、遺伝子、遺伝子のセグメント、または注目するいくつかの他の配列を含めた、特異的DNA配列を含むプラスミドを保有する。該アッセイは、例えば、所望の特性をもたらす特定の酵素または蛋白質をコードする遺伝子を保有する細菌を同定することによって、所望のDNA配列を含有する細菌につき選択することができる。
本発明によるLSI微量流体構造によるアッセイのための粒子混合物のもう1つの例は、真核生物細胞の不均一混合物も含む。そのような混合物で行われたアッセイは、特異的抗体を発現するハイブリドーマー細胞を選択することができよう。
本発明によるLSI微量流体構造によるアッセイのための粒子混合物のなおもう1つの例は、その表面のファージ提示組換え蛋白質の不均一混合物を含む。そのような混合物で行われたアッセイは、所望の特性を持つ蛋白質を提示するファージにつき選択できよう。
本発明によるLSI微量流体構造によるアッセイのための粒子混合物のさらにもう1つの例はビーズの不均一混合物を含み、各々は、特定の蛋白質、核酸、ペプチドまたは有機分子のような単一の分子型で被覆される。そのような混合物で行ったアッセイは、望まれる特性を備えた分子で被覆されたビーズを選択できよう。
本発明の具体例による大規模集積微量流体構造は、分子の不均一な混合物につきアッセイを行うのに利用することもできる。DNAは、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)技術を利用する増幅のためのその固有のため、そのようなアプローチに適している。一旦増幅されれば、増幅された鋳型分子のイン・ビトロ転写/翻訳のような下流方法をDNAに適用することができる。
アッセイのため分子のそのような混合物の1つの例は、異なる遺伝子または同一遺伝子のクローンいずれかを含有する線状または環状鋳型の不均一混合物である。増幅およびイン・ビトロ転写/翻訳に続き、該アッセイは、その生成物(蛋白質)が所望の特性を呈する鋳型につき選択できるであろう。
本発明によるLSI微量流体構造によるアッセイのための分子混合物のもう1つの例は、単純に種々の配列の線状または環状鋳型の不均一混合物を含む。該アッセイは、その増幅された産物(DNA)が所望の特性を呈する鋳型につき選択できよう。
本発明によるLSI微量流体構造によるアッセイのための分子混合物のさらにもう1つの例はcDNAを含む。その増幅された(DNA)または最終産物(蛋白質/ペプチド)が所望の特性を有するcDNAクローンを選択するアッセイを行うことができよう。
本発明によるLSI微量流体構造によるアッセイのための分子混合物のもう1つの例はmRNAの混合物を含む。アッセイは、その産物(DNAまたは蛋白質)が所望の混合物を呈するmRNA鋳型を選択できよう。
本発明によるLSI微量流体構造によるアッセイのための分子混合物のもう1つの例は、ゲノムDNAを含む。該アッセイは、所望の特性を呈する、すなわち、あるサイズおよび/または配列のアンプリコンを示すゲノムまたは染色体を選択できよう。
本発明の具体例による大規模集積微量流体構造は、核酸以外を含む分子混合物につきアッセイを行うのに利用することもできよう。例えば、酵素のような蛋白質の分子混合物をアッセイすることができよう。というのは、これらの分子は基質の代謝回転によるシグナル増幅を生じるだろうからである。該アッセイは、所望の活性および/または特異性を持つ分子につき選択できよう。
以下の技術を使用して、本発明の具体例によるLSI微量流体構造を利用して分離される分子または粒子を検出することができる。ビーズ、原核生物および真核生物細胞は光学顕微鏡観察または蛍光いずれかによって検出できる。ファージ/ウイルス、非−増幅DNA、蛋白質、およびペプチドのような非常に小さな試料は、蛍光技術を利用して検出可能であろう。さらに、ミクロ−エレクトロメカニカル(MEMS)技術の使用は単一分子さえも蛍光が検出されるのを可能とするであろう。
多数のアッセイを利用して、本発明によるLSI微量流体デバイスを利用して分離される存在の具体的特性を検出することができる。例えば、種々の結合アッセイを利用して、DNA、蛋白質およびペプチドの間の全ての組合せ(例えば、ペプチド−蛋白質、DNA−蛋白質、DNA−DNA、蛋白質−ペプチド等)を検出することができる。結合アッセイの例は、限定されるものではないが、ELISA、FRET、およびラジオオートグラフィーを含む。
種々の機能的アッセイを利用して、標的における化学的変化を検出することができる。機能的アッセイによって検出可能なそのような変化の例は、限定されるものではないが、1)非−蛍光基質の蛍光基質への酵素的代謝回転、2)非−色素算生から色素算に基質への、または1つの色から他の色への酵素的代謝回転、3)ケミルミネセントシグナルを発生する酵素的代謝回転、および4)オートラジオグラフィーを含む。
種々の基質の均一溶液を拡散混合を通じて相互に対してスクリーニングすることができる。多数の適用がこれらのタイプのアッセイに感受性である。そのような適用の1つの例は、特異的DNA配列(すなわち、遺伝子)または機能の存在につき分離されているcDNAライブラリークローンのスクリーニングである。そのような適用のもう1つの例は、限定されるものではないが、ペプチドライブラリー、有機分子ライブラリー、オリゴマーライブラリー、および塩溶液のような小分子を含めた化学的ライブラリーのスクリーニングである。化学的ライブラリーは、酵素反応との干渉、特異的結合の破壊、特異的結合、蛋白質(小分子/塩溶液)の結晶化を引き起こす能力、基質として供される能力のような特異的機能につきスクリーニングすることができる。
他のセグメント化適用は、独立した化学的方法で別々に分析することができるアリコットへ均一試料を小分けすることを必要とする。例えば、図30に示したもののような大規模集積微量流体デバイスを利用して、多くの異なる反応体対への暴露によって均一な混合物のこれらの個々の存在をスクリーニングすることができる。第一の工程において、均一な試料を細長い流動チャネルを通じて流動させることができよう。次いで、流動を停止させ、垂直区画化バルブを作動させて、相互から単離された反応チャンバーセグメントを作成できよう。次に、同一性または濃度において相互から異なる種々の化学的種を各流動チャネルを通ってセグメントの各々に流動させることができ、次いで、介在するバリアーバルブの脱作動によって混合することができよう。混合物中の得られた変化の観察は、均一な存在についての情報を明らかとできよう。
均一セグメント化適用において、1mスクリーニングを行い、すなわち、図30Aの構造における他のもの256に対して1つの均一な溶液をスクリーニングすることが可能である。まず、アッセイすべき溶液を256回の別々の時点で試料インプットに負荷する。次に、サンドイッチバリアーを用いてチャンバーを区画化する。
今や、マルチプレキサーを用いて基質蛇行のチャンバーへ異なる溶液をデッドエンド負荷することが可能である。交差汚染およびパージングおよび交差汚染に関する問題を回避するための、サンドイッチバリアーを2つの別々のバルブに脱カップリングすることができ、1つのバルブは基質蛇行のみを区画化し、第二のバルブは試料蛇行を区画化する。
双方のサンドイッチバリアーを閉じて、基質および試料蛇行を共に区画化することによって、流体ルーティングのためのマルチプレキサーを用いて異なる溶液を256行の各々に導入することができる。この目的では、試料収集ポートは、有利には、パージインプットの代わりに流体導入を用いることができる。
一旦256行の各々が別々の均一な溶液を含めは、全てのバリアーバルブおよび混合バリアーを閉じることができる。この負荷に続いて、基質蛇行または試料蛇行いずれかをアッセイすべき溶液でパージする。脱カップリングは、基質蛇行が区画化されたままとすることによってこの工程の間で有用であり、他方、新しい流体を試料蛇行に導入することができ、新しい均一な流体で256の隣接チャンバーを満たす。混合バリアーを開くことによって、256の実験を拡散混合によって行うことができる。
本発明による微量流体デバイスの具体例は、第一の層に形成された微量流体流動チャネル、および該第一の層に隣接する第二の層に形成された第一の微量流体制御チャネルを含み、該第一の微量流体制御チャネルは第一の偏向可能な膜によって該微量流体流動チャネルから分離されている。第二の微量流体制御チャネルは第一の微量流体制御チャネルに隣接し、かつ第二の偏向可能な膜によって第一の微量流体制御チャネルから分離されている。
微量流体構造において流動を制御するための本発明の方法による具体例は、第一の膜が流動チャネルへ偏向されるように、第一の膜によって隣接する流動チャネルから分離された第一の制御チャネルネットワークの制御チャネルへ圧力を適用することも含む。圧力を第一の制御チャネルネットワークで維持しつつ、第二の膜が第一の制御チャネルネットワークの制御チャネルに偏向し、それをシールするように、第二の膜によって第一の流動チャネルネットワークから分離された第二の制御チャネルネットワーク制御チャネルへ圧力を適用する。第二の制御チャネルネットワークの制御チャネルにおいて圧力を維持しつつ、第一の膜が流動チャネルに偏向したままであるように、第一の制御チャネルネットワークにおける圧力を開放する。
本発明によるミクロ光加工構造の具体例は、第二の複数の平行流動チャネルに直交する第一の複数の平行流動チャネルによって規定される貯蔵位置のアレイを含む。制御ラインのネットワークは貯蔵位置に隣接して、貯蔵位置を単離するための偏向可能なバルブを規定する。第一のマルチプレキサー構造は、該第一の複数の平行流動チャネルを通っての流動を支配するように配置される。第二のマルチプレキサー構造は該第二の複数平行流動チャネルを通っての流動を支配するように配置される。
本発明によるミクロ機械加工位置方向バルブの具体例は、垂直通路部分および座部分を含む第一のエラストマー層、およびフレキシブルな膜を含む第二のエラストマー層を含む。該フレキシブルな膜は一体化された端部および非一体化端部を有し、座部分と接触する非一体化端部は第二の垂直通路部分に偏向するように配置される。
本発明による微量流体デバイスの代替具体例は、細長い第一の流動チャネル、および細長い第一の流動チャネルと重複して、第一のバルブ構造を規定する制御チャネルを含み、該バルブ構造は、細長い第一の流動チャネルへ偏向して、第一の流動チャネルの第一および第二のセグメントを規定するように配置される。第二の流動チャネルは第一のセグメントと流体連絡し、および第三の流動チャネルは第二のセグメントと流体連絡する。
不均一試料のエレメントを単離するための本発明による方法の具体例は、不均一エレメントを含む試料を第一の細長い微量流体流動チャネルから下へ流動させることを含む。第一の細長い流動チャネルの上にある第一のバルブを作動させて、第一のセグメントが不均一試料の第一のエレメントを含み、かつ第二のセグメントが不均一試料の第二のセグメントを含むように、第一および第二のセグメントを規定するように作動される。
本発明による微量流体デバイスの代替具体例は、エラストマー材料内で規定される選択的にアドレス可能な貯蔵位置を含む。第一の流動チャネルは、バルブを介して貯蔵位置と選択的に流体連絡している。第二の流動チャネルは、第二のバルブを介して貯蔵位置と選択的に流体連絡している。
微量流体デバイスにおける材料を選択的に貯蔵し、それを回収するための本発明による方法の具体例は、エラストマー材料内で規定されるチャンバーを供することを含む。材料は第一の流動チャネル中の第一のバルブを介してチャンバーに選択的に流動し、該材料は第二の流動チャネルにおける第二のバルブを介してチャンバーから選択的に流動される。
(8.上方−偏向バルブ構成)
図23ないし25に関連して前記したように、本発明による微量流体構成の具体例は、適用された力に応答して上にあるチャネルに上方に偏向するように構成されたバルブ構造を特徴とすることができる。そのような上方に偏向するバルブは、大規模集積微量流体構造を作り出すに置いてかなり価値があるであろう。
ダイオードおよびトランジスターのような固体状態デバイスの物理学の理解は、集積回路分解能の重要な可能化因子であった。半導体物理学は、スピード、電力消費、サイズ、利得、ノイズ、破壊電流および破壊電圧を含めた、高度に作成された性能特性を持つトランジスターの設計を可能とした。微量流体デバイスは、今や、同様な技術を使用する釣り合いがとれ、生物学およびライフサイエンスにおける同様な進化に着手するためのアイデアである。
これらの集積微量流体回路では、基本的な構成要素はバルブ、ポンプ、および流体操作のための他のツールである。バルブおよびそれらの性能の基本的物理学の間の結合を成し遂げることは、これらの新しい技術のための「デバイス物理学」の理論の開発で鍵となる工程となるであろう。流体デバイスにおける類似の性能評価のいくつかはサイズ、デット容量、チャネルの寸法、作動圧、およびスケール性である。
性能基準の重要性は適用に依存する。電気泳動分離適用では、どのようにして電気力学流体操作を用いて、少量の流体を分離カラムに計量し、注入することができることを示す膨大な文献がある。しかしながら、これらの方法は一般的ではない。なぜならば、それらは作用する流体の特定の特性に依存し、複雑な配管要件がある場合に実行するのは挑戦的だからである。より一般的な流体操作の解決は、機械的バルブを用いることであり、ミクロ機械加工機械的バルブの多くの例がある。例えば、その双方を個々に引用して全ての目的で引用する、Shoji,[Fluids for censor systems],Top. Curr.Chem.194,163(1998)、およびKovacs,「Micromachined Transducers Sourcebook」, McGraw Hill(1998)参照。
ここに引用して全ての目的につき援用する「Monolithic Microfabricated Valves and Pumps by Multilayer Soft Lithography」, Science 288,113(2000)において、Unger et al.は、どのようにしてモノリシックエラストマーチップにおいて集積機械的バルブを製造するかを示している。やはりここに引用して全ての目的で援用する「Microfluidic Large Scale Integulation」, Science 298:580−584(2002)において、Thorsen et al.は、これらのバルブを用いて、それらの複雑性が大規模集積で製造された電子集積回路と概略同等である高度に集積されたチップを作成できることを示した。ここに引用して全ての目的で援用する、「A Robust and Scalable Microfluidic Metering Method that allows Protein Crystal Growth by free Interface Defusion」, Proc.Nat’l Acad.Sci.99:16531−6(2002)において、Hansen etal.は、これらのバルブもまた、作用する流体の特性とは独立して計量および混合する頑強な操作スキームで用いることもできることを示した。
これらのエラストマーバルブは細菌細胞および溶液生化学を含む適用で価値があることが判明した。しかしながら、バルブの物理的特性は、作動圧力がチャネル寸法が変化するにつれ貧弱にしか釣り合いが取れず、および現実的作動圧を達成するのに低いアスペクト比の幾何学を必要とする(約1:10)意味で、よく釣り合いが取れない。
注目する多くの適用では、単位アスペクト比チャネルおよび利用可能な寸法におけるより大きな動的範囲を有するのが望ましいであろう。これらの基準は、少量の液体または上清において真核生物細胞を操作するための高密度チップの設計で特に重要である。
ここに、我々は、極端に低い作動圧および好都合なスケーリング特性を備えた新しいタイプの微量流体バルブを記載する。我々は、単位アスペクト比チャネルを含めた、広い範囲の設計パラメーターにわたって作動圧および流動抵抗双方を測定することによって、バルブの性能を特徴付けた。我々は、測定されたデータおよび有限要素シミュレーションの間に密な一致を見出し、かくして、シミュレーションを将来の微量流体デバイスの設計のための設計ツールとして確認した。
ほとんどの機械的バルブスキームは、流体チャネルまたはチャンバーを閉じる偏向性膜の使用を含む。高密度デバイスを有するためには、各バルブの作動圧力を同時に最小化しつつ、膜バルブのサイズを最小化するのが望ましい。幾何学は、膜の材料特性のように、これにおいて明白な役割を演じる。ポリジメチルシロキサン(PDMS)のようなシリコーンエラストマーは、シリコーンおよびチッ化ケイ素のような硬い材料よりも五桁の大きさだけ小さなヤング率を有し、かくして、MEMSタイプのバルブで見出されるよりも低い作動圧力を可能とする。さらに、PDMSのような変形可能な材料をガスケットとして用いて、丁度巨視的バルブがゴムウォッシャーバルブ座として用いるように、漏れ防止操作を確保するのが望ましい。
図37AないしBは、2つのバルブの幾何学の簡略化された模式的ダイアグラムを示す。図37Aは、我々の以前の仕事で用いた「プッシュ−ダウン」バルブ幾何学3700の簡略化された模式的ダイアグラムを示す。図37Aで示されたバルブ構成は「プッシュ−ダウン」と呼ばれる。なぜならば、チャネルの間の膜は押し下げられて、下方チャネルをシールし、これは注目する流体を含むからである。膜の厚みはチャネルのエッジから中央にかけて変化する。具体的には、可変厚みの曲がった膜3702は偏向されて、圧力が上の作動チャネル3706に適用された場合、下の流体チャネル3704を閉じる。このタイプの幾何学は、流体チャネル3704の寸法のために1:10未満の低いアスペクト比(高さ:幅)を利用することができる。
図37Aに示されたこの「プッシュ−ダウン」幾何学は多数の適用で有用なことが判明し、下方流体チャネルを注目するいずれかの基材に対して支持することができるという利点を示し、これは流体デバイスが固体基材上の除去可能なプリントヘッドとして用いることができ、およびデバイスが基材から容易に除去でき、かつ再使用のために洗浄することができることを意味する。
図37Bは、我々が「プッシュ−アップ」という低い作動圧幾何学を示す。なぜならば、膜は上方に偏向されて、上方流体チャネルをシールするからである。この幾何学においては、偏向可能な膜は特徴がなく、実質的に一定の厚みを呈する。具体的には、本発明の具体例によるバルブ構成の具体例の偏向可能な膜は、25%を超えるまでは変化しない、好ましくは5%を超えるまでは変化しない厚みを有する膜をその特徴とする。
図37Bは本発明の具体例による「プッシュ−アップ」バルブ幾何学3750の簡略化された模式的ダイアグラムを示し、ここに、実質的に一定の厚みの膜3752は、圧力が作動チャネル3756に適用される場合、丸められた流体チャネル3754に近くなるまで上方に偏向される。この幾何学は過剰な設計柔軟性を可能とする。なぜならば、膜の厚みは流体チャネルの寸法から関係が絶たれているからである。
ハイブリッドデバイスには同様な幾何学の従前のデモンストレーションがあり、そこでは、特徴のないPEMS膜が2つのパターンをつけた硬い基材の間でサンドイッチとされている。例えば、その各々が全ての目的でここに引用して援用される、Vieider et al.,「A Pneumatically Actuated Microwave with a Silicone Labor Membrate for Integration with Fluid Handling Systems」, Tech.Digest of the 8th Intl.Conf. on Solid State Sencors and Actuaters, Vol.2,pp.284−286(1995);Yang et al.,「A MEMS thermopneumatic membrane balb」、 cencors and Actuaters A64,101(1998); およびGrover etal.,「Monolithic membrane values and diaphragm pumps for pratical large integulation into glass microfluidic devices」, Sencors and Actuators B 89.315−23(2003)参照。しかしながら、これらのデバイスは大きくて(ミリメートル寸法)、むしろ遅い傾向があった。
ここに、我々は、どのようにして100μm寸法を持つそのようなバルブをモノリシックPDMSチップに製造するかを示し、バルブ性能の最初の広範な特徴付けを行った。該プッシュ−アップ幾何学は有意である。なぜならば、膜厚みの均一性および独立した性質は、流体チャネルの深さに対して作動圧力の依存性を簡略化するからである。
高いアスペクト比の流体チャネルを製造するために、我々は、3”シリコーンウェハー上に厚いポジティブなフォトレジスト(AZ 100 XT PLP)をスピンコートし、標準的なフォトリソグラフィーによってそれをパターンをつけた。一旦現像されると、フォトレジストをそのガラス転移温度を超えて(典型的には、140℃にて5分間)加熱し、かくして、フォトレジストを再流動させて、曲線的な断面を持つチャネルを得た。
作動チャネルのための金型は、MicroChem SU 8−50、Newton,MAのMicroChem Inc.から入手可能なエポキシ系ネガティブフォトレジストで作成した。このフォトレジストは、エラストマーの硬化に必要な温度で再流動せず、SU−8ラインはそれらの矩形断面を保持する。ここに引用して全ての目的で援用する、V.Studer et al.,「Nanoembossing of thermoplastic polymers for microfluidic applications」,Applied Physics Letters 80:3614−16(2002)。SU−8を2000rpmにおいて3”シリコーンウェハー上に1分間スピンコートした。SU−8層の厚みは典型的には50μmであった。
次いで、双方の金型をトリメチルクロロシランの蒸気に1分間暴露して、金型開放を容易とした。次いで、2成分シリコーンエラストマー(GE RTV615)をプラスチックペトリ皿中の流体チャネル金型に注ぎ、作動チャネル金型上で回転させた。流体チャネル層は過剰の硬化剤(GE RTV615B)を有し、他方、従前にUnger et al.によって記載されているように、作動チャネル層は過剰の他の成分(GE RTV615A)を有し、かくして、2つの硬化された層の間のさらなる結合を可能とした。作動チャネル層の厚みはスピンコーティングのスピードによって制御される。このパラメーターはかなり重要である。というのは、それは活性な膜の厚みも制御するからである。流体チャネル層は数ミリメートルの厚さであって、チューブおよびシリンジのような巨視的エレメントでの信頼性のある結合を可能とする。
双方の層をオーブン中で80℃にて45分間硬化させる。次いで、流体チャネル層を金型から剥離する。流体チャネルに対するアクセス穴を、清潔なルーエルスタブアダプターを用いてパンチする。次いで、この層を整え、エタノールで洗浄し、窒素で乾燥し、所望により、作動チャネル層と整列させる。2つの層の間の結合は、80℃にて3時間焼くことによって達成される。
組立てたチップを作動チャネル金型から剥離させ、作動チャネルに対するアクセス穴をパンチする。次いで、双方の表面(ガラスおよびRTV)をエタノールで濯ぎ、窒素で乾燥し、次いで、80℃にて3時間焼くことによって、最終のデバイスを予め洗浄されたガラス顕微鏡スライドにシールする。清浄な表面では、30psiまでの圧力を漏れ無くして作動チャネルに適用することができる。
新しい微量流体バルブ設計の性能を測定するために、異なるデバイスを構築した。1つのデバイスは、同一の幅の範囲を持つ12の作動チャネルによって交差された、50ないし600μmの幅を持つ12の平行な流体チャネルよりなるものであった。これらのデバイスを用い、我々は、流体チャネルの幅および制御ラインの幅に関する作動圧力(流体チャネルが完全にバルブによって閉じられた圧力)の変動を調べた。
図38は、バルブマトリックスチップの写真を示す。バルブマトリックスチップは、その膜寸法がチャネルの寸法に従って変化する144バルブのマトリックスを形成する流体および作動チャネルの12×12アレイである。作動チャネルに色素溶液を満たす。
また、我々は、作動チャネル層の異なるスピンコーティングスピードでもって異なるデバイスを作成して、膜厚みに対する作動圧力の依存性を特徴付けた。圧力を作動チャネルに適用することによって、作動チャネルから周囲のエラストマーへの空気の流動を作り出すことができるように、エラストマーはガスに対して透過性である。このプロセスは流体チャネル中で気泡を作り出しかねないので、作動チャネルには脱イオン水中のオレンジGの着色溶液を満たして、膜を通過する空気の容量を最小化する。色素を作動チャネルに押し込み、小容量の空気をチャネルから搾り出す。
作動圧力は流体チャネルを空にして測定した。大きな指標の変化は、膜を流体チャネルの頂部と接触させつつ、直接的にバルブの閉鎖をイメージするようにする。流体チャネルに液体があると、作動圧力は液体の逆圧によってシフトされる。一旦作動圧力が測定されれば、チップを作動チャネルに沿って切断し、100×対物レンズを持つ光学顕微鏡を用いることによって、膜の厚みを測定した。
ここに引用して全ての目的で援用する、「Microfluidic Memory and Control Devices」 Science 300,955(2003)において、Groisman et al.は補償されたイン・サイチュ測定の方法を用い、作動チャネルにおける圧力の関数としての1つのバルブによって誘導された圧力降下を測定するために設計したもう1つのデバイスを記載している。このデバイスはY字型流体チャネルを有する。片側は脱イオン水で満たした貯蔵器に連結され、入口の隣にバルブを有し;他方の側は、脱イオン水中の100nm直径の蛍光ビーズ(Duke Scientific Corp.R100)の溶液を満たした貯蔵器に連結される。
2つの溶液の間の界面の位置を、流体チャネルの2つのブランチの間の静水圧の差に対してプロットした。次いで、2つのブランチの間の圧力差無しに、界面の位置を作動チャネルに対する圧力の異なる値につき測定した。次いで、我々は、先の較正プロットを用いて、バルブによって誘導された対応する抵抗の値を内挿した。
実験データに対する洞察を得るために、我々は、単一マイクロバルブの十分な三次元有限−変形モデルを開発した。確証によって、我々は、バルブの幾何学に対する作動圧力の依存性のようなマイクロバルブ挙動の感度の良い予測に関してモデルの忠実性を示す一群の数値的テストを提案する。確証されたモデルは、利得、双安定性および他の進歩した特徴を含めた、高−性能マイクロバルブの合理的な設計のための強力な基礎を提供する。
エラストマーはほとんど圧縮できないNeo−Hookean材料、大きな変形を受けるゴム−様材料の挙動を記載する構成的モデルとしてモデル化する。ここに引用して全ての目的で援用する、Ogden,「Elastic Deformations of Rubberlike Solids」, in Mechanics of Solids, pp.499−537(1982)参照。該neo−Hookeanモデルは理論においていくらかの基礎を有する:それは、自由に接合された分子鎖の変形の統計学的−機械的処理によって得られる。この分析により、以下の関係が得られる。
(2)μ=NkT
(式中、μ=基底状態剪断弾性率;
T=絶対温度;
k=ボルツマン定数;および
N=単位容量当たりの鎖の数)
次いで、2つのパラメーター:剪断弾性率μおよび未変形立体配置のポアソン比vによって特徴付けられる。計算において、我々は、共に文献において広く受け入れられているμ=0.6MPaおよびv=0.45を用いる。
我々は、有限要素法を頼って、マイクロバルブの三次元幾何学を表し、それらの変形および閉鎖を支配する方程式を解く。計算で使用したエレメントは4つのガウス点での10−節二次四面体である。均一な圧力を作動チャネルの表面にわたって適用する。
摩擦のない接触は、非平滑接触アルゴリズムによって全ての表面の間で実現される。その双方をここに引用して全ての目的で援用する、Kane et al.,「Finite element analysis of nonsmooth contact」, Computer Methods in Applied Mechanics and Engineering, 180(1−2):1−26(1999);およびPandolfi et al.,「Time−discretized variational formation of non−smooth frictional contact」, International Journal for Numerical Methods in Engineering, 53(8):1801−1829(2002)参照。
マイクロバルブの得られた平衡立体配置は動的緩和によって計算される。共に引用して全ての目的で援用する、Underwood et al.,「Dynamic relaxation」, in Competational Methods for Transient Dynamic Analysis, Belytschko and Hughes編,pp.245−265,Elsevier Science Publishers, Amsterdam (1983);およびOakley and Knight, 「Adaptive dynamic rexation algorithm for non−linear hyperelastic structures」, Computer Methods in Applied Mechanics and Engineering 126:67−89(1995)参照。
問題の2倍対称のため、計算モデルはマイクロバルブの1/4に制限され、対称境界条件は全ての対称面に適用される。各マイクロバルブ幾何学では、圧力は、実験的作動圧の1/10増分にて単調に増加し、マイクロバルブの十分な閉鎖がもたらされない最大圧力を作動圧力として記録する。
最初のパラメーター研究は作動圧力に対する膜厚みの効果に関する。作動チャネルセクションは300μmの幅および56μmの高さにて矩形であり、流体チャネルセクションは幅が300μmで高さが50μmの円弧によって境界が形成される。実験範囲における3つの膜厚み5、10および15μmが考えられる。第二のパラメーター研究は作動圧力に対するチャネル幅の効果に関する。この場合、作動チャネルセクションは幅が100なしい600μmで高さが55μmの矩形であって、流体チャネルセクションは幅が228μmであって高さが54μmである円弧によって境界が形成される。実験範囲において、4つの作動チャネル幅200、300、450および550μmについて計算を行う。
我々は、プッシュ−アップバルブ構造の作動圧力を、膜を特徴付ける3つのパラメーター−幅、長さおよび厚みの関数としてマッピングした。予測されるように、結果は幅および厚みの関数として対称であり、より大きな寸法はより小さな圧力を生じる。具体的には、図39はマトリックスチップからの値の作動圧力をプロットする。作動圧力はチャネル幅に対して対称であって、匹敵する寸法を持つ「プッシュ−ダウン」バルブを作動させるのに必要な圧力よりも有意に小さい。
作動チャネルの幅が流体チャネル幅に対して小さくなるにつれ、作動圧力は幅または高さの逆インバースパワーとして大まかに釣合い始める。図40Aは、図39からのデータのサブセットは、大雑把に幅が228μmであって、高さが54μmである流体チャネルにわたる種々の寸法の閉鎖バルブの作動チャネルとしての膜寸法での作動圧力のスケーリングを示すことを示す。ラインは勾配−1を有する。
小さな作動チャネル幅では、作動圧力は劇的に増大する。作動チャネルが最適値よりも広くなるにつれ、作動は定常的なままである。従って、交差点におけるそれらの幅を低下させることによって、作動チャネルを流体チャネルと交差するようにすることが可能である。Thorsen et al.によって記載されているように、これは複雑なチップ設計およびマルチプレキサーを作り出して、1つの作動チャネルを持つ複数バルブを制御することを可能とする。
また、作動圧力は膜厚みに対して概略直線的なスケールである。図40Bは、300μmの作動チャネルおよび300μmの流体チャネルを備えたバルブについての膜厚みの関数としての作動圧力をプロットする。閉じた記号は測定されたバルブを表し;開いた記号は有限要素シミュレーションによって計算された値を表す。流体チャネルは深さが56μmであって、断面は弧に近い。結果は、作動圧力が膜厚みと共に直線的に増加するように見えることを示すが、非−ゼロオフセットは、真の機能的依存性がより複雑であることを意味する。
双方の場合において、シミュレーションとの合致は優れている。図40Bは、測定されたおよび計算された作動圧力の比較を示す。予測された値は実験的データに密接にマッチし、これはモデルの第一の確証を提供する。図40Aもまたチャネル幅の関数としての予測されたおよび測定された作動圧力を比較する。再度、モデルの予測は観察に合致し、作動圧力は大きな(小さな)作動チャネル幅に対してわずかに過小予測(過大予測)される。
我々が作ることができた最も薄い膜は数ミクロンであった。非常に薄い膜では、ウェハーに対するフォトレジスト形状による表面張力の効果は不均一な表面を作り出す。かくして、エラストマー層の厚みおよびフォトレジスト形状の厚みの間の差である膜厚みは、パターン密度、サイズおよび形状と共に変化し始める。さらに、2つの層の間の残存する気泡のため、これらの非平坦表面は、デバイスの層の間の結合が達成されるのを困難とする。
我々は、同一寸法を持つプッシュ−アップおよびプッシュダウンバルブの性能の直接的比較を行った。双方の場合において、作動チャネルは300ミクロンの幅であり、他方、流体チャネルは200ミクロン幅であって、46ミクロン深さであり、膜は10μmの厚みであった。流体チャネルのインプットに対する圧力は490mmのHO(0.68psi)であり、他方、アウトプットは大気圧におけるものであった。作動チャネル圧力の関数としてのバルブの正規化された抵抗(バルブ/インプット圧力によって誘導された圧力降下)のプロットを図41に示す。
バルブによってチャネルに供された過剰な抵抗の差分測定を行うことによって、適用された圧力の関数としてバルブの効果的な抵抗をマップすることが可能である。かくして、「プッシュアップ」バルブは、「プッシュダウン」バルブよりも約一桁の大きさ低い圧力で作動することは明らかである。
図41のレビューは、プッシュアップバルブのみが、対向チャネルに固着する膜のためヒステリシル挙動を呈することを示す。プッシュダウンバルブのヒステリシス挙動は非常に小さい。ヒステリシス挙動は、圧力を流体チャネルに加えることによって抑制することができ、対応してバルブを閉じるのに必要な圧力を上昇させるであろう。
プッシュ−アップおよびプッシュ−ダウンバルブは、共に、作動チャネルにおける圧力の増大する値につき同様な形状の曲線を有する。しかしながら、曲線は有意な量だけ食い違い、プッシュ−ダウンバルブが閉じる圧力は20psiを超えており、他方、プッシュ−アップバルブが閉じる閉鎖圧力は2.4psiに過ぎない。
一桁の大きさのこの差は、活性な膜の形状の差による。プッシュ−ダウンバルブは凸形状の膜を有する。それは中央が薄く(10μm)、しかしながら、エッジにおいてより厚く(46μm)、従って、曲げるのがより困難である。事実、このタイプのバルブでは、膜厚みの最適値がある。もし膜が余りにも薄いと、それは中心においてのみ偏向し、バルブは決してエッジでは閉じない。もし膜が余りにも厚くて非常に堅いと、作動圧力は非現実的に高くて、デバイスは失敗する。
本発明によるバルブ構成の具体例では、膜は均一に薄い。プッシュアップバルブでは、膜厚みに対して技術的な制限があるに過ぎない。というのは、より薄い膜は常により低い作動圧力を与えるからである。従って、プッシュアップバルブは高いアスペクト比(深さ:幅)のチャネルに適する。典型的には、1:5(深さ:幅)よりも高いアスペクト比、および5psi以下の圧力で1:1と高いチャネルを閉じるのは可能である。
圧力の値を減少させるためには、図41は、プッシュアップバルブは興味深いヒステリシスを呈することを示す。図42は、プッシュ−アップバルブ構成のみのための作動チャネル圧力の関数としてのバルブの正規化された抵抗(バルブ/インプット圧力によって誘導された圧力降下)のプロットを示す。図42は、チャネル抵抗が、作動圧力が増加するにつれスムーズに増加することを示す。しかしながら、圧力が減少するにつれ、抵抗は高いままであり、次いで、不連続的な下向きジャンプを取る。
我々は、バルブ端部をイメージするために長い作用距離目的の光学顕微鏡を用い、作動チャネルにおける圧力の異なる値につき膜の形状および位置を捕獲することができた。図43aないしfは、図42のプロットにおける、各々、点番号1ないし6でのプッシュ−アップバルブの断面のこれらの電子顕微鏡写真を示す。具体的には、図43aは、制御ラインにおいて圧力がない点番号1における図を示す。図43bないしdは、制御ラインにおいて増大する圧力がある点番号2ないし4における図を示す。
図43eは、閉鎖圧力と同等な圧力がある図42の点番号5における図、および閉じた位置にあるバルブを示す。図43fは、制御ラインにおける圧力が低下した、図42の点番号6における図を示す。バルブのヒステリシス挙動は、膜が流体チャネルの頂部に固着したままで、点番号6におけるプッシュ−アップバルブの連続閉鎖状態によって証明される。
図42および43fは、かくして、ヒステリシスが、流体チャネルの頂部への膜の接着に由来することを示す。流体チャネルおよび作動チャネルの間の圧力差による膜に対する力が流体チャネルの頂部への膜の接着に打ち勝つと、バルブは突然締まり、バルブによって誘導された圧力降下の値は、増大する圧力で得られるものに近い値まで下がる。恐らくは、より大きな回復力が固着の表面力を圧倒できたので、このヒステリシスは慣用的プッシュ−ダウンバルブ構成では観察されなかった。
これまで記載したバルブ構成の具体例は、上の流動チャネルへ上向きに偏向可能な実質的に一定の厚みの平面状膜を特徴とするが、これは本発明によって要求されるものではない。本発明による微量流体バルブ構成の代替具体例は、上の流動チャネルへ偏向可能な実質的に一定の厚みを有する平面状膜を利用できよう。図44は、本発明によるバルブ構成のそのような代替具体例の1つの例の簡略化された断面図を示す。
図44に示された代替バルブ構造4400は、下の基材4404において規定された凹状流体チャネル4402を含む。PDMS材料の第一の薄い層4406は基材4404の頂部に形成される。PDMS材料の第二のより厚い層4408は薄い層4406の上にあり、層4408の底部表面における窪み4408aは薄い層4406と接触して、制御チャネル4410を規定する。
図44のバルブの操作は、図37Bのプッシュ−アップバルブについて前記したのと同様である。具体的には、制御チャネル4402への正圧の適用は、薄いPDMS層4406の膜部分4406aの下の流体チャネル4402への偏向を引き起こす。膜部分4406aは平面状であって、実質的に一定な厚みのものである故に、それは下の流体チャネルの凹状形状に容易に適合することができる。このように、図44で示した下向きに偏向可能なバルブは、異なる厚みの膜を特徴とする慣用的なプッシュダウンバルブ構成と同一の利点の多くを提供する。
図44のバルブ構造は、まず、凹状流動窪みを有する基材を供することによって製造することができる。1つの具体例において、この基材は、その中にエッチングされた凹状窪みを有するガラスまたは何らかの他の剛直な材料を含むことができる。もう1つの具体例において、基材は、エンボシングによって形成された凹状窪みを有するポリマー材料を含むことができる。なおもう1つの具体例において、基材は、再流動したフォトレジストを含むことができる、曲線的な隆起形状に対して成型することによって形成された凹状窪みを有するエラストマーを含むことができる。
図44のバルブ構造の製造は、実質的に一定の厚みの平面状エラストマー膜層を基材に配置することによって継続することができる。所望の厚み均一性を呈する膜層は、スピンコーティングによって形成できるであろう。
図44のバルブ構造の製造は、制御窪みを保有する上方エラストマー層を、平面状エラストマー膜層と接触させて配置することによって完了することができる。上方エラストマー層における窪みは、該層を、ワークピースの表面の存在するフォトレジストのような隆起形状上に成型することによって形成することができる。
結論として、我々は、単純な物理的議論を用いることによって、好都合なスケーリング特性を持つモノリシックマイクロバルブを設計し、製造し、およびテストすることができることを示した。これらのバルブは、同様な寸法を持つ最良な従前の設計よりも桁が低い作動圧力を有する。それらは、寸法において大きな動的範囲を持つ単位−アスペクト比バルブを作成することができる意味で優れたスケーリング特性を有する。シミュレーションはバルブ性能とよく合致するという事実は、特に、より小さな寸法に釣合わせることを狙い、複雑な幾何学を作り出す場合に将来のバルブ設計のためのツールとして、またはバルブ閉鎖の基本的物理学を解明するためのツールとして用いることができることを意味する。
先に記載されたデバイスは、ほとんど任意の複雑性を持つ複雑な流体回路が、微量流体LSIを用いて製造できることを示す。強力なバルブ多重化と組み合わせた迅速で単純な製造手法を用いて、高スループットスクリーニング適用から、新しい液体ディスプレイ技術の設計までの範囲の多くの適用のためのチップを設計することができる。プロセスのスケーラビリティは、より高い密度の機能的バルブエレメントさえを備えた頑強な微量流体デバイスを設計するのを可能とする。
その特別な具体例を参照して本発明をここに記載してきたが、修飾、種々の変形および置換の許容範囲はこれまでの開示で意図されており、いくつかの例においては、記載した発明の範囲を逸脱することなく他の特徴の対応する使用無くして本発明のいくつかの特徴が使用されるのは認識されるであろう。従って、多くの修飾をなして、特定の状況または材料を、本発明の本質的範囲および精神を逸脱することなく本発明の教示に適合させることができる。本発明は、本発明を実施するために考えられる最良の形態として開示された特定の具体例に限定されず、本発明は特許請求の範囲内に入る全ての具体例および同等物を含むことを意図する。
図1は、ミクロ機械加工した金型の頂部に形成された第一のエラストマー層の概略図である。 図2は、ミクロ機械加工した金型の頂部に形成された第二のエラストマー層の概略図である。 図3は、ミクロ機械加工された金型から取り出され、かつ図1のエラストマー層の頂部上に置かれた図2のエラストマー層の概略図である。 図4は、第一のエラストマー層の頂部に位置した第二のエラストマー層を示すことを除き、図3に対応する概略図である。 図5は、一緒に連結した第一および第二のエラストマー層を示す以外は、図4に対応する概略図である。 図6は、取り出された第一のミクロ機械加工された金型、および所定の位置に置かれた平面状基材を示す以外は、図5に対応する概略図である。 図7Aは、平面状基材にシールされたエラストマー構造を示す以外は、図6に対応する概略図である。図7Bは、開いた流動チャネルを示す、図7Aに対応する前面断面図である。図7Cないし7Gは、別のエラストマー層から形成された膜を有するエラストマー構造を形成する方法の工程を示す概略図である。図7Hは、作動した状態における図7Bのバルブを示す前面断面図である。 図8Aおよび8Bは、種々の流動チャネルのためのバルブ開口vs.適用された圧力を示す。 図9は、100μm×100μm×10μm RTVマイクロ波の時間応答を示す。 図10は、膜の作動を示す図7Bのバルブの前面断面図である。 図11は、曲がった上面を備えた流動チャネルを有するバルブの代替具体例の前面断面図である。 図12Aは、オン/オフバルブの模式的頂面図である。図12Bは、図12A中の線23B−23Bに沿った断面立面図である。 図13Aは、蠕動ポンピングシステムの模式的頂面図である。図13Bは、図13Aにおける線24B−24Bに沿った断面立面図である。 図14は、図13の蠕動ポンピングシステムの具体例についての、実験的に達成されたポンピング速度vs周波数を示すグラフである。 図15Aは、多数の流動ラインを同時に作動させる一つの制御ラインの模式的頂面図である。図15Bは、図15Aにおける線26B−26Bに沿った断面立面図である。 図16は、種々のチャネルを通っての流動を可能とするように適合した多重システムの模式的概略図である。 図17AないしDは、切り替え可能流動アレイの一つの具体例の平面図を示す。 図18AないしDは、細胞ペンアレイ構造の一つの具体例の平面図を示す。 図19Aは、二元ツリー微量流体マルチプレキサー操作ダイアグラムを示す簡略化された平面図を示す。 図19Bは、二元ツリー微量流体マルチプレキサー操作ダイアグラムを示す簡略化された平面図を示す。 図20は、図19AないしBのデバイスの一般的微量流体構成の単純化された断面図を示す。 図21は、制御チャネルを利用して他の制御チャネルを制御する微量流体構造の具体例の単純化された平面図を示す。図21Aは、線21A−21A’に沿った図21の構造の単純化された断面図を示す。図21Bは、線21B−21B’に沿った図21の構造の単純化された断面図を示す。 図22は、図21−21Bのデバイスの一般的微量流体構成の単純化された断面図を示す。 図23は、制御チャネルを利用して他の制御チャネルを制御する微量流体構造の代替具体例の単純化された平面図を示す。図23Aは、線23A−23A’に沿った図23の構造の単純化された断面図を示す。図23Bは、線23B−23B’に沿った図23の構造の単純化された断面図を示す。 図24は、図23ないし23Bのデバイスの一般的微量流体構成の単純化された断面図を示す。 図25は、他の制御ラインによる制御ラインに対する制御を利用するデバイスのもう一つの具体例の一般的微量流体構成の単純化された断面図を示す。 図26は、本発明による逆マルチプレキサー構造の一つの具体例の単純化された平面図を示す。 図27は、本発明によるカスケード化マルチプレキサー構造の一つの具体例の単純化された平面図を示す。 図28は、本発明による修飾されたマルチプレキサーの具体例の単純化された平面図を示す。 図29Aは、微量流体メモリー貯蔵デバイスの光学顕微鏡写真を示す。図29Bは、図29Aに示されたチップの選択された列内の単一チャンバーのためのパージングメカニクスを示す単純化された拡大平面図である。 図29CないしFは、個々の貯蔵位置のローディングおよびパージングを示す図29Aのアレイの単純化された拡大図である。 図29CないしFは、個々の貯蔵位置のローディングおよびパージングを示す図29Aのアレイの単純化された拡大図である。 図29Gは、微量流体メモリーディスプレイの模式図を示す。 図30Aは、微量流体コンパレーターチップの光学顕微鏡写真を示す。図30Bは、図30Aの微量流体コンパレーターチップの単純化された模式図である。 図30CないしHは、図30Aの微量流体構造のチャンバーのローディングを示す拡大され単純化された平面図である。 図30CないしHは、図30Aの微量流体構造のチャンバーのローディングを示す拡大され単純化された平面図である。 図31AないしDは、作用中のコンパレーターの部分を示す光学顕微鏡写真の組である。 図32Aは、酵素および発蛍光基質を用いる微量流体コンパレーターロジックの模式的ダイアグラムを示す。図32Bは、コンパレーターモードのチップの走査された蛍光イメージを示す。図32Cは、μHTSコンパレーター、およびアウトプットシグナルに対する、eJFP発現制御細胞およびCCP発現細胞の異種混合物の効果を示す。 図33は、種々のベースのnマルチプレキサー構造用についての、制御ラインの数vs制御されるべき流動ラインの数をプロットする。 図34AないしCは、本発明の具体例による垂直一方向バルブの具体例の構造および走査を示す単純化された断面図を示す。 図35AないしDは、本発明による微量流体ディスプレイデバイスの一つの画素の構造および走査を示す単純化された断面図を示す。 図36は、本発明によるディスプレイデバイスの一つの画素の構造および走査を示すディスプレイ単純化断面図の一つの具体例の平面図を示す。 図37Aは、下方に作動する微量流体バルブ構造の単純化された断面図を示す。図37Bは、本発明による上方に作動するバルブ構造の具体例の単純化された断面図を示す。 図38は、本発明による微量流体デバイスの具体例の写真を示す。 図39は、作動圧力vs微量流体チャネル幅および制御ライン幅をプロットする。 図40Aは、本発明による上方−偏向バルブ構造の具体例についての作動圧力vs作動チャネル幅をプロットする。図40Bは、本発明による上方―偏向バルブ構造の具体例についての作動圧力vs膜厚みをプロットする。 図41は、同一寸法を有する上方―および下方―偏向性バルブについての正規化抵抗vs作動チャネル圧力をプロットする。 図42は、上方―偏向性バルブについての正規化抵抗vs作動チャネル圧力をプロットする。 図43aないしfは、図42の種々の番号の位置におけるプッシュ−アップバルブの断面の電子顕微鏡写真を示す。 図44は、本発明によるバルブ構成の代替具体例の単純化された断面図を示す。

Claims (27)

  1. 微量流体デバイスであって:
    第一の表面における第一の窪みを含む、第一の層;
    エラストマーの第二の層であって、該第一の表面と接触して第一の微量流体チャネルを規定する第一の側を有し、該第一の微量流体チャネルに隣接する該第二の層の膜部分が、実質的に一定の厚みを呈する、エラストマーの第二の層;および
    第三の層であって、該エラストマーの第二の層の第二の側と接触して第二の微量流体チャネルを規定し、該膜部分は、該第一および第二の微量流体チャネルうちの一方内での圧力に応答して、該第一および第二の微量流体チャネルうちの他方に偏向可能である。第三の層
    を含む、微量流体デバイス。
  2. 前記第二の微量流体チャネルが、前記第三の層と前記第二の層の第二の側における第二の窪みとの間に規定されており、それによって、前記膜部分が、該第二の微量流体チャネルに適用された圧力に応答して前記第一の微量流体チャネルへと上方に偏向可能である、請求項1記載の微量流体デバイス。
  3. 前記第二の微量流体チャネルが矩形断面を呈する、請求項2記載の微量流体デバイス。
  4. 前記第二の微量流体チャネルが、前記第二の層と前記第三の層における第二の窪みとの間に規定されており、それによって、前記膜部分が、前記第一の微量流体チャネルに適用された圧力に応答して該第二の微量流体チャネルへと下方に偏向可能である、請求項1記載の微量流体デバイス。
  5. 前記第二の微量流体チャネルが湾曲した断面を呈する、請求項4記載の微量流体デバイス。
  6. 前記第三の層が剛直な基材を含む、請求項5記載の微量流体デバイス。
  7. 前記基材がガラスを含む、請求項6記載の微量流体デバイス。
  8. 前記第二の窪みがエッチングされた窪みを含む、請求項7記載の微量流体デバイス。
  9. 前記第三の層がポリマーを含む、請求項1記載の微量流体デバイス。
  10. 前記第二の層がPDMSを含む、請求項9記載の微量流体デバイス。
  11. 前記微量流体流動チャネルが、約1:5と1:1との間の深さ:幅アスペクト比を呈する、請求項1記載の微量流体デバイス。
  12. 前記微量流体流動チャネルが100μm以下の幅を呈する、請求項1記載の微量流体デバイス。
  13. 前記微量流体制御チャネルの幅が前記微量流体流動チャネルの幅よりも大きい、請求項1記載の微量流体デバイス。
  14. 前記微量流体制御チャネル内に作動流体をさらに含む、請求項1記載の微量流体デバイス。
  15. 微量流体構造において流動を制御する方法であって、該方法は:
    実質的に一定の厚みを有するエラストマー膜によって隣接する微量流体流動チャネルから分離された、微量流体制御チャネルを提供する工程;および、
    該エラストマー膜が該微量流体流動チャネルへと偏向するように、該制御チャネルに圧力を適用する工程
    を包含する、方法。
  16. 水で満たされた前記微量流体制御チャネルへ圧力を適用する、請求項15記載の方法。
  17. 前記圧力の適用が、前記上にある微量流体流動チャネルへと上向きに膜を偏向させる、請求項15記載の方法。
  18. 前記圧力の適用が、前記下にある微量流体流動チャネルへと下向きに膜を偏向させる、請求項15記載の方法。
  19. 微量流体構造を製造する方法であって、該方法は:
    曲線的な断面を呈する第一の隆起した形状上に第一のエラストマー材料を成型して、該第一のエラストマー材料の第一の側における流動窪みを規定する工程;
    矩形断面を呈する第二の隆起した形状上に第二のエラストマー材料を成型して、該第二のエラストマー材料の第一の側における制御窪みを規定する工程;
    該第二のエラストマー材料の第一の側を平面状基材に対して配置する工程;および、
    該第一のエラストマー材料の第一の側を該第二のエラストマー材料の第二の側に対して配置する工程であって、それによって、実質的に一定の厚みを有するエラストマー膜によって該流動窪みが該制御チャネルから分離される、工程
    を包含する、方法。
  20. 第一のワークピース上のフォトレジストにパターンをつけることによって、前記第一の隆起した形状を形成する工程をさらに包含する、請求項19記載の方法。
  21. 前記第一のワークピースを加熱して前記フォトレジストを再流動させ、前記曲線的な断面プロフィールを形成するさらに包含する、請求項20記載の方法。
  22. 微量流体構造を製造する方法であって、該方法は:
    上面に凹状窪みを有する基材を提供する工程;
    実質的に一定の厚みを有する第一のエラストマー層の第一の側を、該上面と接触させて配置して、微量流体流動チャネルを規定する工程;
    第一の隆起した形状上に第二のエラストマー材料を成型して、該第二のエラストマー材料の第一の側に制御窪みを規定する工程;および、
    該第二のエラストマー材料の第一の側を該第一のエラストマー層の第二の側に対して配置し、実質的に一定の厚みのエラストマー膜によって該微量流体制御チャネルから分離された微量流体制御チャネルを規定する工程
    を包含する、方法。
  23. 前記基材を提供する工程が、ガラス基材を提供する工程を包含し、該ガラス基材は、その中に、エッチングされた前記凹状窪みを有する、請求項22記載の方法。
  24. 前記基材を提供する工程が、前記凹状窪みを形成するようにエンボス加工されたポリマー基材を提供する工程を包含する、請求項22記載の方法。
  25. 前記基材を提供する工程が:
    曲線的な断面を呈する隆起した形状上に第三のエラストマー材料を成型する工程;および、
    該隆起した形状から該第三のエラストマー材料を取り外す工程
    を包含する、請求項22記載の方法。
  26. 第一のワークピース上のフォトレジストにパターンをつけることによって、前記第一の隆起した形状を形成する工程をさらに包含する、請求項25記載の方法。
  27. 前記第一のワークピースを加熱して前記フォトレジストを再流動させ、前記曲線的な断面プロフィールを形成する工程をさらに包含する、請求項26記載の方法。
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