JP2007333638A - 脆性構造体の安定性評価方法、安定性評価装置、および安定性評価プログラム - Google Patents

脆性構造体の安定性評価方法、安定性評価装置、および安定性評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】脆性構造体の変位や歪みの計測値から直接に前記脆性構造体の破壊の可能性を高精度で予測できる安定性評価方法、安定性評価装置、安定性評価プログラムの提供。
【解決手段】ある脆性構造体について最大主応力方向に沿った歪みである最大主歪みを求める最大主歪み算定工程と、前記脆性構造体を構成する脆性材料について応力と体積歪みおよび軸歪みとの関係を求め、体積歪みが極大値を示す応力における軸歪みを限界歪みとする限界歪み算定工程と、前記最大主歪みと前記限界歪みとに基づいて前記脆性構造体の安定性を評価する安定性評価工程とを有する脆性構造体の安定性評価方法、安定性評価装置、安定性評価プログラム。
【選択図】図1

Description

本発明は、脆性構造体の安定性評価方法、安定性評価装置、および安定性評価プログラムに関する。
トンネルなどの岩盤構造物においては、設計段階および施工段階で絶えず破壊の可能性を予測する必要があるが、岩盤構造物の破壊の可能性を予測するために岩盤に作用する応力を直接計測することは困難である。そこで、岩盤の変位や歪みを計測し、得られた計測値を岩盤に作用する応力に変換して岩盤構造物の破壊の可能性を予測する方法が検討された。
しかしながら、岩盤の変位や歪みの計測値から応力を推定しようとすると前記岩盤の弾性係数が必要になり、前記岩盤の弾性係数の評価制度が応力の推定精度に大きな影響を及ぼす。
そこで、岩盤の変位や歪みの計測値から直接に岩盤構造物の破壊の可能性を予測する方法が検討された。
構造体の寿命を予測する装置、方法としては、たとえば
損傷部を研磨・洗浄する損傷計測準備手段、損傷部分の亀裂を計測する損傷計測手段、計測した亀裂情報を亀裂長さと亀裂長さ密度とに区分けする損傷パラメータ評価手段、亀裂から歪み範囲、構造部材の深さ芳香の温度分布および応力を算出して過去の使用条件を推定する使用条件推定手段、応力拡大係数と破壊靱性とから深さ方向の限界値を求める限界値設定手段、過去の歪み繰り返し回数を算出する使用履歴推定手段、構造部材の余寿命を推定する余寿命推定手段を備える余寿命予測装置(特許文献1)、
岩盤構造物におけるアコースティックエミッション(AE)発生数と破壊寿命の関係が歪み速度と破壊寿命の関係に類似する事実を利用し、ひずみを余地因子とする分野で開発済みの図式解法を利用して崩壊時期を予測し、また、AE発生数と破壊寿命との関係が対数表示で直線関係を呈することを利用して岩盤構造物の寿命予測をする方法(特許文献2)、
ある脆性材料について実測された歪みデータを直接用いて体積歪みを計算し、体積歪みの膨張側への移動(ダイタランシー)が生じているか否かを調べ、脆性材料の破壊の判定因子として用いる方法(特許文献3)、および
トンネルの周囲の地山から採取した岩盤のサンプルについて圧縮応力を加えたときの圧縮−応力曲線等から限界歪みを求め、地山で実際に計測した変位から求めた歪みと前記限界歪みとを比較する方法(非特許文献1)
などがある。
特開2001−174380号公報 特開2000−221175号公報 特開2000−337970号公報 桜井、「トンネル工事における変位計測結果の評価法」、土木学会論文報告集第317号、社団法人土木学会 1982年1月
しかしながら、特許文献1に記載の余寿命予測装置は、プラントなどの金属製構造体を対象とする。ここで、金属構造体は岩盤構造体のような脆性構造体とは破壊のメカニズムが異なる。
したがって、特許文献1に記載の余寿命予測装置をそのまま脆性構造体に適用することは不可能であると考えられる。
特許文献2に記載の方法は、岩盤構造物の破壊の可能性を予測するのに岩盤の変位や歪みの代わりにAE発生数の計測値を用いている。
特許文献3に記載の方法は、ある脆性材料について体積比済みを求めてダイタランシーの発生の有無を調べ、前記脆性材料の破壊の判定因子として用いるものであるが、岩盤構造物のような脆性構造体についてリアルタイムで体積歪みを求めることは困難なことが多い。
非特許文献1の方法によれば、トンネル周囲の地山の変位の計測結果から直接にトンネルが破壊する可能性を評価できるが、応力−歪み曲線の原点における接線とサンプルが破壊するときの圧縮応力の値との交点に対応する圧縮歪みを限界歪みとしているから、前記接線の引き方によって限界応力が大きく変動し、トンネルが破壊する可能性を高精度では評価できない場合も考えられる。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、脆性構造体の変位や歪みの計測値から直接に前記脆性構造体の破壊の可能性を高精度で予測できる方法の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、ある脆性構造体について最大主応力方向の歪みである最大主歪みを求める最大主歪み算定工程と、前記脆性構造体を構成する脆性材料について応力と体積歪みおよび軸歪みとの関係を求め、体積歪みが極大値を示す応力における軸歪みを限界歪みとする限界歪み算定工程と、前記最大主歪みと前記限界歪みとに基づいて前記脆性構造体の安定性を評価する安定性評価工程とを有してなることを特徴とする脆性構造体の安定性評価方法に関する。
前記安定性評価方法においては、ある脆性構造体について最大主歪みと限界歪みとに基づいて安定性を評価し、言い換えれば破壊の可能性の高低を評価している。
前記安定性評価方法の有する最大主歪み算定工程では、たとえば既存の文献(たとえば前述の非特許文献1)に記載された方法で最大主歪みを算定する。そして、限界歪み算定工程においては、前記脆性構造体から所定の形状、たとえば円柱状にサンプリングした脆性材料について圧縮応力を加え、圧縮応力に沿った方向の歪みである軸歪みと、これに直交する方向である円周方向の歪みである円周歪みを計測する。そして、前記軸歪みと円周歪みとから体積歪みを求めるとともに、圧縮応力と体積歪みとの関係を求める。そして、体積歪みが極大値を示す圧縮応力、換言すれば体積歪みが収縮から膨張に転じるときの圧縮応力を求め、前記圧縮応力に対応する軸歪みを限界歪みとする。そして、安定性評価工程においては前記最大主歪みと前記限界歪みとに基づいて前記脆性構造体の安定性を評価する。
ここで、軸歪みと最大主歪みとは何れも最大主応力方向の歪であるから、直接に比較が可能である。
また、本発明者が見出したところによれば、脆性材料において体積歪みが極大値を示す値よりも応力が大きくなると、前記脆性材料中にマイクロクラックが多数生じる。したがって、体積歪みが極大値を示すときの応力に対応する軸歪みを限界歪みとすれば、前記脆性構造体に生じた最大主歪みと限界歪みとを比較することにより、前記脆性構造体の安定性を評価することができる。
このように、前記安定性評価方法によれば、脆性構造体の変位や歪みの計測値から直接に前記脆性構造体の安定性、言い換えれば破壊の可能性の大小を評価できる。また、体積歪みが極大値を示す応力は、応力−体積歪み曲線から精度良く求められるから、限界歪みも前記応力を用いて軸歪み−応力曲線から精度良く求められる。
したがって、前記安定性評価方法によれば、脆性構造体の安定性を精度良く評価できる。
なお、脆性構造体としては、トンネルをはじめとする岩盤構造物のほか、石造建築物や石垣、石造橋梁、ロックフィルダムのような石造構造物、および鉄筋コンクリート構造物などのように、構造体を構成する主要な材料が岩盤、コンクリート、石材のような脆性材料である構造体が挙げられる。
請求項2に記載の発明は、前記安定性評価工程において、前記最大主歪みが前記限界歪み以上であれば前記脆性構造体は不安定であり、前記最大主歪みが前記限界歪み未満であれば前記脆性構造体は安定であると評価する請求項1に記載の脆性構造体の安定性評価方法に関する。
本発明者の前記知見によれば、脆性材料に生じる歪みが限界歪み以上になると前記脆性材料の内部にマイクロクラックが多数生じる。したがって、最大主歪みが限界歪み以上になると脆性構造体が破壊する可能性が急激に大きくなると考えられる。
前記安定性評価方法においては、前記の考え方に基づき、最大主歪みが限界歪みより小さいときは、前記脆性構造体は安定であり、破壊の可能性が小さいが、前記最大主歪みが限界歪み以上のときは、前記脆性構造体が破壊する可能性が高いと評価している。したがって、脆性構造体の安定性を評価する論理が単純なものでよい上に、脆性構造体の安定性、言い換えれば破壊の可能性を確実に判定できる点で好ましい。
請求項3に記載の発明は、前記脆性構造体が岩盤構造物である請求項1または2に記載の脆性構造体の安定性評価方法に関する。
前記安定性評価方法によれば、岩盤構造物の周囲の地山の変位や歪みの実測値に基づいて前記岩盤構造物の安定性を高い精度で評価できる。
請求項4に記載の発明は、ある脆性構造体について最大主応力方向の歪みである最大主歪みを求める最大主歪み算定手段と、前記脆性構造体を構成する脆性材料について応力と体積歪みおよび軸歪みとの関係を求め、体積歪みが極大値を示す応力における軸歪みを限界歪みとする限界歪み算定手段と、前記最大主歪み算定手段で求められた最大主歪みと前記限界歪み算定手段で求められた限界歪みとに基づいて前記脆性構造体の安定性を評価する安定性評価手段とを有してなることを特徴とする脆性構造体の安定性評価装置に関する。
前記安定性評価装置においては、最大主歪み算定手段で、たとえば前記脆性構造体の変位または歪みの計測値に基づいて最大主歪みを求める。一方、限界歪み算定手段で、前記脆性材料の所定の形状、たとえば円筒形のサンプルについて軸線方向に沿って圧縮応力を加えて軸歪みと円周歪みとを計測し、得られた計測値から体積歪みを求めると同時に、圧縮応力と体積歪みとの関係を求める。そして、前記体積歪みの値が極大値を示した圧縮応力に対応する軸歪みを限界歪みとする。安定性評価手段においては、このようにして求められた最大主歪みと限界歪みとに基づいて前記脆性構造体の安定性を評価する。
したがって、前記安定性評価装置によれば、前記脆性構造体の変位または歪みの計測値から直接に前記脆性構造体の安定性が評価できる。また、前記限界歪み算定手段においては、請求項1のところで述べたのと同様の理由により、限界歪みの大きさを精度良く求められるから、前記脆性構造体の安定性の評価精度が高い。
請求項5に記載の発明は、前記安定性評価手段において、前記最大主歪みが前記限界歪み以上であれば前記脆性構造体は不安定であり、前記最大主歪みが前記限界歪み未満であれば前記脆性構造体は安定であると評価する請求項4に記載の脆性構造体の安定性評価装置に関する。
前記安定性評価装置の備える安定性評価手段においては、最大主歪みが限界歪みより小さいときは、前記脆性構造体は安定であり、破壊の可能性が小さいが、前記最大主歪みが限界歪み以上のときは、前記脆性構造体が破壊する可能性が高いと評価している。
したがって、前記安定性評価装置においては、安定性評価手段において脆性構造体の安定性を評価する論理を単純化できるうえに、前記脆性構造体の安定性の大小を確実に評価できるから好ましい。
請求項6に記載の発明は、前記脆性構造体が岩盤構造物である請求項4または5に記載の脆性構造体の安定性評価装置に関する。
前記安定性評価装置によれば、岩盤構造物の周囲の地山の変位や歪みの実測地に基づいて前記岩盤構造物の安定性を高い精度で評価できる。
請求項7に記載の発明は、ある脆性構造体について最大主応力方向の歪みである最大主歪みを求める最大主歪み算定ステップと、前記脆性構造体を構成する脆性材料について応力と体積歪みおよび軸歪みとの関係を求め、体積歪みが極大値を示す応力における軸歪みを限界歪みとする限界歪み算定ステップと、前記最大主歪みと前記限界歪みとに基づいて前記脆性構造体の安定性を評価する安定性評価ステップとをコンピュータに実行させるための脆性構造体の安定性評価プログラムに関する。
前記安定性評価プログラムをコンピュータにインストールすることにより、請求項1に記載の安定性評価方法をコンピュータに実行させることができる。
請求項8に記載の発明は、前記安定性評価ステップにおいては、前記最大主歪みが前記限界歪み以上であれば前記脆性構造体は不安定であり、前記最大主歪みが前記限界歪み未満であれば前記脆性構造体は安定であると評価する請求項7に記載の脆性構造体の安定性評価プログラムに関する。
前記安定性評価プログラムをコンピュータにインストールすることにより、請求項2に記載の安定性評価方法をコンピュータに実行させることができる。
請求項9に記載の発明は、前記脆性構造体が岩盤構造物である請求項7または8に記載の脆性構造体の安定性評価プログラムに関する。
前記安定性評価プログラムをコンピュータにインストールすることにより、請求項3に記載の安定性評価方法をコンピュータに実行させることができる。
以上説明したように本発明によれば、脆性構造体の変位や歪みの計測値から直接に前記脆性構造体の破壊の可能性を予測する方法が提供される。
1.実施形態1
以下、本発明の脆性構造体の安定性評価方法をトンネル工事に適用した例について説明する。
トンネル工事においては、図1の流れ図に示すように、ステップS1でトンネル周囲の地山について地質調査を行うとともに、岩盤試験を行う。この際、岩盤を所定の直径の円柱状にサンプリングし、ステップS2においてサンプルの軸線方向に沿った圧縮応力を加えて一軸圧縮試験を行う。ステップS2は、本発明の安定性評価方法における限界歪み算定工程に相当する。なお、図1の手順において、ステップS1、およびS3〜S8は公知文献である非特許文献1の考え方と同様であり、ステップS2が今回新たに発明された部分に相当する。
一軸圧縮試験はたとえば図5に示す試験装置によって実施できる。試験装置10は、円柱状の試料(specimen)Sを上下から圧縮して圧縮応力を加える1対の加圧ブロック(anvil)12と、加圧ブロック12に挟持された試料Sの軸方向の歪み即ち軸歪みεを測定する1対の軸方向変位計14と、試料Sの側面に巻回されたチェーン18と、チェーン18の両端に接続され、試料Sの円周方向の円周方向の変位、即ち周歪みεを測定する周方向変位計16とを備える。軸方向変位計14および周方向変位計16の出力は卓上コンピュータPCに入力される。軸歪みεおよび周歪みεの値から、体積歪みεは以下の式:
ε=ε+2ε
によって計算される。
前記一軸圧縮試験を本発明者が実施した結果を図2〜図4に示す。図2において(a)は花崗岩を、(b)は砂岩を示し、図3において(c)は大理石を、(d)は安山岩を示す。そして図4は凝灰岩を示す。ここで、花崗岩、砂岩、大理石、安山岩、および凝灰岩は何れもトンネル周囲の地山を構成する岩石種の代表例である。なお図2〜図4において横軸の「+」は収縮を、「−」は膨張を表す。
図2〜図4から明らかなように、上記の岩石種の何れにおいても、圧縮応力が0から増加すると体積歪み(volumetric Strain)は収縮を示すが、ある圧縮応力において体積歪みは極大値をとり、圧縮応力が更に増加すると体積歪みは逆に膨張を示す。そこで、体積歪みが極大値をとるときの圧縮応力をσとし、圧縮応力σに対応する軸歪みεと限界歪みとする。
ステップS3においては、ステップS2と平行し、ステップS1で行われたトンネル周囲の地山についての地質調査および岩盤試験の結果を解析してトンネル構造を設計する。ステップS4においては、ステップS3で設計したトンネル構造に基づいてロックボルトを打設するとともにアーチ支保工を設置し、トンネルの内面に覆工コンクリートを打設するとともに、図6に示すように覆工コンクリートの表面および地山の内部に変位計を設置する。そして、ステップS5において覆工コンクリートの表面に設置された変位計を用いて覆工コンクリート表面の変位である内空変位を測定し、地山の内部に設置された変位計を用いて地山内部の変位である地中変位を測定する。
ステップS6においては、ステップS5で計測された内空変位および地中変位に基づいて地山内の最大主歪みεmaxを算定する。最大主歪みεmaxは、たとえば前述の非特許文献1で示されている通り、以下のような手順で算定できる。
図6の地山の部分の形状は、補間関数P(ξ,η),i=1,2,・・・,Nと測定点iの座標(x,y)とによって式1のように表される。
Figure 2007333638
一方、地山内の変位も式1と同じ相関関数と測定点iのx方向およびy方向の変位の測定値(u,v)を用いて式2のように示される。
Figure 2007333638
なお、式1および式2において図7に、局在座標を(ξ,η)座標としたときに、前記局在座標(ξ、η)を、(x、y)座標をに変換するアイソパラメトリック要素を示し、図8に図7の局在座標(ξ,η)に示す節点1(−1,−1)、節点2(0,−1)、節点3(1,−1)、節点4(1,0)、節点5(1,1)、節点6(0,1)、節点7(−1,1)、節点8(−1,0)の夫々の補間関数Pi(i=1,2,・・・,8)を示す。
二次元状態においては、変位と歪みとの間に式3に示す関係が成立する。
Figure 2007333638
式3に式2を代入すると、式4が得られる。
Figure 2007333638
Figure 2007333638
ここで、補間関数Piは極座標(ξ,η)によって与えられているので、x,yについて式5に微分を行うために下記の式6に従って変数変換を行う。
Figure 2007333638
ここで、式6の[J]はヤコビアン行列であり、下記の式7で与えられる。
Figure 2007333638
式1を式7に代入すると、ヤコビアン行列[J]は式8のように変形される。
Figure 2007333638
式7と式8とから式9の微分方程式が得られる。
Figure 2007333638
式4と式9とから{ε}=<ε,ε,γxy>が求められ、主歪みは前記(ε)に基づいて式10によって求められる。
Figure 2007333638
このようにして求められた主歪みのうち、最大のものを最大主歪みεmaxとする。
最大主歪みεmaxが求められたら、ステップS7において限界歪みεと最大主歪みεmaxとを比較する。したがってステップS7は本発明における安定性評価工程に相当する。ステップS7においては、最大主歪みεmaxが限界歪みε以上の時は現在の設計ではトンネルが破壊する可能性があると判断してステップS3に戻り、トンネル構造を再設計する。一方、最大主歪みεmaxが限界歪みεより小さいときは、トンネル周囲の地山には、微小クラックが殆ど生じていないからトンネルが破壊する可能性がないものと判断してステップS8に移行する。
ステップS8では工事が終了したか否かを判断し、工事が終了していないときはステップS4に戻って施工を継続する。
前述のように、本発明の実施形態を示した図1において、ステップS1,およびステップS3〜S8は非特許文献1に記載の安定性評価方法と同じである。しかし、非特許文献1では、前述のように応力−歪み曲線の原点における接線とサンプルが破壊するときの圧縮応力の値との交点に対応する圧縮歪みを限界歪みとしているから、図9のステップS2において二点鎖線aに示すように応力−歪み曲線の原点における接線の角度が大き過ぎる場合には限界歪みεがより小さく算定され、二点鎖線bに示すように前記接線の角度が小さすぎる場合には限界歪みεがより大きく算定される可能性がある。
これに対して本実施形態においては、体積歪みが極大値をとるときの応力に対応する軸歪みを限界歪みεとしているから、トンネルが破壊する可能性を高精度で予測できる。
また、トンネルの施工とトンネルが破壊する可能性の評価とを同時平行で行うことができるから、不適切な施工によってトンネルが破壊することを未然に防止でき、施工の安全性が高まる。更に、ステップS1およびステップS2を所定の時間間隔で実施することにより、地質の変化に応じた限界歪みεによってトンネル構造の安定性を評価できるから、地質の分布が一様でない地山においても安全にトンネルを施工できる。
図1は、本発明の脆性構造体の安定性評価方法をトンネル施工に適用した例を示す流れ図である。 図2は、花崗岩および砂岩について一軸圧縮試験を行ったときの圧縮応力と軸歪み、体積歪み、円周歪みとの関係を示すグラフである。 図3は、大理石および安山岩について一軸圧縮試験を行ったときの圧縮応力と軸歪み、体積歪み、円周歪みとの関係を示すグラフである。 図4は、凝灰岩について一軸圧縮試験を行ったときの圧縮応力と軸歪み、体積歪み、円周歪みとの関係を示すグラフである。 図5は、実施形態1の方法について一軸圧縮試験を行うのに使用した試験装置の構成を示す概略図である。 図6は、実施形態1の方法においてトンネルおよび周囲の地山に変位計を設置する位置を示す概略図である。 図7は、前記変位計で測定される地山の局所座標(ξ,η)と全体座標(x,y)との関係を示す平面図である。 図8は、局所座標(ξ,η)における節点1〜8における補間関数を示す表である。 図9は、非特許文献1の脆性構造体の安定性評価方法をトンネル施工に適用した例を示す流れ図である。
符号の説明
10 試験装置
12 加圧ブロック
14 軸方向変位計
16 周方向変位計

Claims (9)

  1. ある脆性構造体について最大主応力方向の歪みである最大主歪みを求める最大主歪み算定工程と、
    前記脆性構造体を構成する脆性材料について応力と体積歪みおよび軸歪みとの関係を求め、体積歪みが極大値を示す応力における軸歪みを限界歪みとする限界歪み算定工程と、
    前記最大主歪みと前記限界歪みとに基づいて前記脆性構造体の安定性を評価する安定性評価工程と
    を有してなることを特徴とする脆性構造体の安定性評価方法。
  2. 前記安定性評価工程においては、前記最大主歪みが前記限界歪み以上であれば前記脆性構造体は不安定であり、前記最大主歪みが前記限界歪み未満であれば前記脆性構造体は安定であると評価する請求項1に記載の脆性構造体の安定性評価方法。
  3. 前記脆性構造体は岩盤構造物である請求項1または2に記載の脆性構造体の安定性評価方法。
  4. ある脆性構造体について最大主応力方向の歪みである最大主歪みを求める最大主歪み算定手段と、
    前記脆性構造体を構成する脆性材料について応力と体積歪みおよび軸歪みとの関係を求め、体積歪みが極大値を示す応力における軸歪みを限界歪みとする限界歪み算定手段と、
    前記最大主歪み算定手段で求められた最大主歪みと前記限界歪み算定手段で求められた限界歪みとに基づいて前記脆性構造体の安定性を評価する安定性評価手段と
    を有してなることを特徴とする脆性構造体の安定性評価装置。
  5. 前記安定性評価手段においては、前記最大主歪みが前記限界歪み以上であれば前記脆性構造体は不安定であり、前記最大主歪みが前記限界歪み未満であれば前記脆性構造体は安定であると評価する請求項4に記載の脆性構造体の安定性評価装置。
  6. 前記脆性構造体は岩盤構造物である請求項4または5に記載の脆性構造体の安定性評価装置。
  7. ある脆性構造体について最大主応力方向の歪みである最大主歪みを求める最大主歪み算定ステップと、
    前記脆性構造体を構成する脆性材料について応力と体積歪みおよび軸歪みとの関係を求め、体積歪みが極大値を示す応力における軸歪みを限界歪みとする限界歪み算定ステップと、
    前記最大主歪みと前記限界歪みとに基づいて前記脆性構造体の安定性を評価する安定性評価ステップと
    をコンピュータに実行させるための脆性構造体の安定性評価プログラム。
  8. 前記安定性評価ステップにおいては、前記最大主歪みが前記限界歪み以上であれば前記脆性構造体は不安定であり、前記最大主歪みが前記限界歪み未満であれば前記脆性構造体は安定であると評価する請求項7に記載の脆性構造体の安定性評価プログラム。
  9. 前記脆性構造体は岩盤構造物である請求項7または8に記載の脆性構造体の安定性評価プログラム。
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