JP2007327949A - 潤滑剤塗膜計測方法及び潤滑剤塗膜計測装置 - Google Patents

潤滑剤塗膜計測方法及び潤滑剤塗膜計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】精度と信頼性の高い潤滑剤の塗膜状態の測定を行う潤滑剤塗膜計測装置を提供する。
【解決手段】光を一対の物体の接触部分に照射して干渉縞を発生させる光源40と、干渉縞の分光像を発生させる分光器36と、この分光器で発生した分光像を拡大する顕微鏡38と、顕微鏡で拡大された分光像を高速撮影する高速度カメラ34と、高速度カメラを接触部分に沿って移動させる高速度カメラ移動手段46と、高速度カメラから得た高速撮影データに基づいて油膜の状態を計測する演算手段50とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、相対的に転動又は摺動している一対の物体の接触部分を潤滑する潤滑剤の塗膜の状態を計測する潤滑剤塗膜計測方法及び潤滑剤塗膜計測装置に関する。
例えばベアリングにおいては、互いに潤滑油で潤滑されているボール(一方の物体)と、外輪リング、或いは内輪リング(他方の物体)とが線接触または点接触していると荷重が集中するため、物体の弾性変形と潤滑油の高圧粘土を考慮しなければならない。このような潤滑状態を、弾性流体潤滑状態(EHL状態:Elastohydrodynamic Lubricastion)いう。
このようなベアリングのEHL状態を観察する従来の方法として、円盤状のディスク及び剛球を相対的に転動又は摺動するように配置し、そのディスク及び剛球の接触部分を潤滑油で潤滑しておくとともに、接触部分の潤滑油に光を照射して干渉縞を発生させる光干渉法によりEHL状態の油膜厚さを測定する方法が知られている。
しかし、光干渉法による油膜厚さの測定は、精度及び信頼性の面で問題があり、EHL状態を高精度に観察することができない。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、精度と信頼性の高い潤滑剤の塗膜状態の測定を行なうことで、EHL状態を高精度に観察することができる潤滑剤塗膜計測方法及び潤滑剤塗膜計測装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、相対的に転動又は摺動している一対の物体の接触部分を潤滑する潤滑剤の塗膜の厚さを計測する方法であって、光源から出力された光を前記塗膜の前記接触部分に照射して干渉縞を発生させる工程と、前記接触部分に沿って移動しながら、前記干渉縞を分光して発生した分光像を拡大して高速撮影する工程と、高速撮影したデータに基づいて前記分光像の輝度分布を解析する工程と、輝度分布を解析したデータに基づいて前記分光像の黒縞の波長及び明縞の波長を演算する工程と、前記黒縞の波長及び明縞の波長に基づいて前記塗膜の厚さを測定する工程と、を備えたことを特徴とする潤滑剤塗膜計測方法である。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の潤滑剤塗膜計測方法において、前記光源をハロゲン光源及びキセノン光源とし、これらハロゲン光源及びキセノン光源をミキシングした光を前記塗膜の接触部分に照射するようにした。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の潤滑剤塗膜計測方法において、前記一対の物体を、特定温度の雰囲気状態に配置するとともに、前記潤滑剤を、特定温度に設定するようにした。
また、請求項4の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の潤滑剤塗膜計測方法において、前記一対の物体を互いに押し付けた状態とする。
一方、請求項5の発明は、相対的に転動又は摺動している一対の物体の接触部分を潤滑する潤滑剤の塗膜の状態を計測する装置であって、光を前記塗膜の接触部分に照射して干渉縞を発生させる光源と、前記干渉縞の分光像を発生させる分光器と、この分光器で発生した前記分光像を拡大する顕微鏡と、この顕微鏡で拡大された前記分光像を高速撮影する高速度カメラと、この高速度カメラを前記接触部分に沿って移動させる高速度カメラ移動手段と、前記高速度カメラから得た高速撮影データに基づいて前記塗膜の状態を計測する演算手段とを備え、前記演算手段は、高速撮影データに基づいて前記分光像の輝度分布を解析する輝度分布解析手段と、この輝度分布解析手段で解析した輝度分布に基づいて前記分光像の黒縞の波長及び明縞の波長を演算する波長演算手段と、この波長演算手段で演算した前記黒縞の波長及び明縞の波長に基づいて前記塗膜の厚さを演算する塗膜厚さ演算手段とを備えていることを特徴とする潤滑剤塗膜計測装置である。
また、請求項6の発明は、請求項5記載の潤滑剤塗膜計測装置において、前記光源は、ハロゲン光源及びキセノン光源であり、これらハロゲン光源及びキセノン光源をミキシングした光が、前記塗膜の接触部分に照射されるようにした。
また、請求項7の発明は、請求項5又は6記載の潤滑剤塗膜計測装置において、前記一対の物体のうち少なくとも一方のトルク変化を計測するトルク計測手段を備えているとともに、前記演算手段は、前記トルク計測手段が計測したデータに基づいて、一対の物体の接触部分の摩擦係数を演算する摩擦係数演算手段を備えているようにした。
また、請求項8の発明は、請求項5から7の何れか1項に記載の潤滑剤塗膜計測装置において、前記一対の物体を特定温度の雰囲気状態とする雰囲気温度設定手段と、前記潤滑剤を特定温度に設定する潤滑剤温度設定手段とを備えるようにした。
さらに、請求項9の発明は、請求項5から8の何れか1項に記載の潤滑剤塗膜計測装置において、前記一対の物体を互いに押し付けた状態とする押し付け手段を設けた。
本発明の潤滑剤塗膜計測方法及び潤滑剤塗膜計測装置によると、光源から出力された光を塗膜の接触部分に照射して干渉縞を発生させ、接触部分に沿って移動しながら、干渉縞を分光して発生した分光像を拡大して高速撮影し、高速撮影したデータに基づいて分光像の輝度分布を解析し、輝度分布を解析したデータに基づいて分光像の黒縞の波長及び明縞の波長を演算し、黒縞の波長及び明縞の波長に基づいて塗膜の厚さを計測するようにしたので、従来では精度及び信頼性の面で問題があった弾性流体潤滑状態(EHL状態:Elastohydrodynamic Lubricastion)の潤滑剤の塗膜の厚さの計測を高精度に、且つ信頼性を高くして行うことができる。
なお、計測可能な潤滑剤としては、半固体状のものから液体状の潤滑剤が挙げられる。より具体的には、油(潤滑油)の場合は油膜厚さを、グリース(潤滑グリース)の場合はグリース膜厚を高精度、且つ、信頼性を良くして計測できる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る潤滑剤塗膜計測装置の1実施形態を示す図である。
符号2は、ガラス製の円盤形状のディスク試験片であり、このディスク試験片2の上下方向を向く軸心に、装置架台4に支持されて上下方向に延在しているディスク回転軸6の上部が固定されている。
ディスク回転軸6の下端側にはタイミングベルト8を介してサーボモータ10が連結されており、サーボモータ10の駆動力が、タイミングベルト8、ディスク回転軸6を介してディスク試験源2に軸回り回転として伝達される。また、ディスク回転軸6には、第1トルクメータ12が接続されている。
ディスク試験片2の下面には、球形のボール試験片14が接触している。このボール試験片14に、ディスク試験片2の径方向に延在しているボール回転軸16が固定されている。なお、ボール回転軸16は、鋼球からなるボール試験片14がディスク試験片2の下面に接触するように、支持手段(図示せず)によって支持されている。
このボール回転軸16にはサーボモータ18が連結しており、サーボモータ18の駆動力が、ボール回転軸16を介してボール試験片14に回転として伝達されるようになっている。また、ボール回転軸16には、第2トルクメータ20が接続されている。
符号22は、所定量の潤滑油を溜めた潤滑剤溜まりである。潤滑剤溜まり22内の潤滑油は、図示しないヒータにより所定温度により加熱されており、この潤滑剤溜まり22内の潤滑油にボール試験片14の下側が浸されている。
潤滑剤溜まり22は、てこの原理を用いた荷重負荷装置24に支持されており、この荷重負荷装置24に所定重量の錘26を載せると、錘26を載置した側が下がり、錘26を載置した側と支点Sに対して反対側に設けた潤滑油22側が上昇することで、潤滑剤溜まり22がボール試験片14をディスク試験片2の下面側に押し付けるようになっている。
装置架台4には、潤滑剤溜まり22がX方向(ディスク回転軸6に近接、或いは離間する水平方向)、或いはY方向(X方向に直交した水平方向)に移動可するように荷重負荷装置24を支持する第1XYステージ32が設けられている。
符号28は、ディスク試験片2及びボール試験片14を内部に収納しているチャンバであり、チャンバ28内には、熱風発生装置30から所定温度の熱風が供給されるようになっている。
また、装置架台4には、高速度カメラ34、分光器36、光学顕微鏡38、光源40を組み込んだユニット42をXY方向に移動させる第2XYステージ44が設けられているとともに、ユニット42をX方向に微小移動させる直動装置46が設けられている。直動装置46は、ボールねじ機構46aと、ボールねじ機構46aのねじ軸を回転させるサーボモータ46bとで構成されている。
前述した光源40は、ハロゲン光源40aとキセノン光源40bとで構成されており、これらハロゲン光源40a及びキセノン光源40bの光をミキシングした光が、二股ファイバーライトガイド48を通過して光学顕微鏡38の対物レンズ38aから下方に照射される。
高速度カメラ34には演算装置50が接続されているとともに、演算装置50には、演算結果を表示する表示装置52が接続されている。
演算装置50は、図2に示すように、輝度分布解析回路50a、波長演算回路50b、塗膜厚さ演算回路50c、摩擦係数演算回路50d及び演算結果出力回路50eを備えている。
輝度分布解析回路50aは、高速度カメラ34から得たデータに基づいて後述す分光像の輝度分布を解析する回路である。波長演算回路50bは、輝度分布解析回路50aで解析した輝度分布に基づいて分光像の黒縞の波長及び明縞の波長を演算する回路である。塗膜厚さ演算回路50cは、波長演算回路50bで延在した黒縞の波長及び明縞の波長に基づいてディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分における潤滑油膜の厚さを演算する回路である。摩擦係数演算回路50dは、第1トルクメータ12及び第2トルクメータ20から得たトルク変化データに基づいて、ディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分の摩擦係数を演算する回路である。そして、演算結果出力回路50eは、塗膜厚さ演算回路50c、摩擦力演算回路50dが演算した結果を出力する回路である。
次に、ディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分を潤滑している潤滑油膜の厚さを測定する原理について、図3から図8を参照して説明する。なお、図5から図8の(a)は、ディスク試験片2及びボール試験片14が静止している状態の図であり、図5から図8の(b)は、ディスク試験片2及びボール試験片14が回転している状態の図である。
図3は、ガラス製のディスク試験片2及び鋼球からなるボール試験片14が静止しているときの接触部分を拡大した図であり、ディスク試験片2の下面にはCr半透過膜が形成されており、このCr半透過膜の下面に、さらにSiO2のスペーサ膜が形成される。ディスク試験片2の上方から入射した光は、Cr半透過膜の表面で反射した光R1と、ボール試験片14表面で反射した光R2となる。また、hsio2はSiO2のスペーサ膜の厚さ、hgapは表面粗さによって生じる隙間の厚さである。
また、図4は、ディスク試験片2及びボール試験片14が回転したときの状態を拡大して示した図であり、ディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分の間には潤滑油膜が形成されている。hoilは潤滑油膜の厚さである。
光R1、R2は干渉を起こすので、図5に示すようなニュートンリング(干渉縞)を観察する。なお、図5は、干渉縞を簡略化して示している。
そして、図5の干渉縞のラインAに沿った領域の分光像を得るとともに、この分光像を拡大して高速撮影することで、図6に示す画像を得る。なお、図6も、高速撮影した画像を簡略化して示している。
次いで、図6で得た分光像の画像のラインBに沿った領域の輝度分布を解析し、図7に示す解析図を得る。すなわち、図7の(a)では、静止時における干渉縞の暗縞の波長λ1、明縞の波長λ2が演算され、図7の(b)では、回転時における干渉縞の暗縞の波長λ3、明縞の波長λ4が演算される。
ここで、光R1、R2の光路差と干渉縞の明暗の関係より、静止時における干渉縞の暗縞の波長λ1、明縞の波長λ2から以下の式が成立する。なお、noilは、潤滑油の屈折率である。
暗縞 : (2noil(hsio2 + hgap))/λ1 = m …………………式1
明縞 : (2noil(hsio2 + hgap))/λ2 = m + 1/2………式2
また、式1、式2に基づいて以下の式が成立する。
hsio2 + hgap = (λ1λ2)/(4noil(λ1 − λ2) ………式3
このように、静止時における干渉縞の暗縞の波長λ1、明縞の波長λ2から、スペーサ膜の厚さと表面粗さによって生じる隙間の厚さを加えた厚さ(hsio2 + hgap)を算出することができ、図8の(a)は、hsio2 + hgapの値をプロットした結果である。
また、回転時における干渉縞の暗縞の波長λ3、明縞の波長λ4から以下の式が成立する。
hoil + hsio2 + hgap
= (λ3λ4)/(4noil(λ3 − λ4) ………式4
図8の(b)は、hoil + hsio2 + hgapの値をプロットした結果である。
そして、式3、式4に基づいて以下の式のように、ディスク試験片2及びボール試験片14が回転しているときの潤滑油膜の厚さhoilを求める。
hoil = (1/4noil)((λ3λ4)/(λ3−λ4) − (λ1λ2)/(λ1−λ2) …………式5
次に、本実施形態の潤滑剤塗膜計測装置を使用した潤滑油膜の計測方法について作用とともに説明する。
最初に、潤滑剤塗膜計測装置を使用してディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分における潤滑油膜の厚さを計測する方法について説明する。
第2XYステージ44の駆動によりユニット42を水平方向に移動させ、光学顕微鏡38の対物レンズ38aを、ディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分の上方に位置させる。
次に、荷重負荷装置24に所定重量の錘26を載せ、ボール試験片14の下側が浸されている潤滑剤溜まり22によりボール試験片14をディスク試験片2の下面側に押し付ける。また、潤滑剤溜まり22内の潤滑油を所定温度に加熱しておくとともに、ディスク試験片2及びボール試験片14を収納しているチャンバ内に、熱風発生装置30から所定温度の熱風を供給する。
このように、荷重負荷装置24でボール試験片14とディスク試験片2との間に押し付け力が発生し、熱風発生装置30でボール試験片14及びディスク試験片2が所定の雰囲気温度で接触し、さらに潤滑油も所定温度に設定されているので、再現性の高い測定が行われる。
そして、ディスク試験片2及びボール試験片14を静止した状態で計測を開始する。
ハロゲン光源40aの光とキセノン光源40bの光をミキシングした光を、ディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分に照射し、接触部分に干渉縞を発生させる(図5の(a)参照)。
ここで、ハロゲン光源40aの光とキセノン光源40bの光をミキシングした光は、広範囲に及ぶ波長領域を有し、かつ輝度が大きい特殊な光となる。
そして、分光器36によって干渉縞の分光像を発生し、高速度カメラ34が、光学顕微鏡38によって拡大された分光像を高速撮影していく。このように高速度カメラ34が分光像を高速撮影する際には、直動装置46がユニット46をX方向に微小移動させていく(図6の(a)参照)。
このように、直動装置46でユニット46X方向に微小移動させていきながら高速度カメラ34で分光像を高速撮影することで、静止時におけるディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分が広範囲に精度良く撮影される。
高速度カメラ34が高速撮影したデータは、演算装置50の輝度分布解析回路50aに入力される。輝度分布解析回路50aは、分光像の輝度分布を解析して解析データを得る。そして、波長演算回路50bは、輝度分布解析回路50aで解析したデータに基づいて、静止時における干渉縞の暗縞の波長λ1、明縞の波長λ2を演算する(図7の(a)参照)。
そして、サーボモータ10の駆動によりディスク試験片2を回転させ、サーボモータ18の駆動によりボール試験片14を回転させる。この際、ボール試験片14の下側が潤滑剤溜まり22内に浸されているので、潤滑油が、順次ディスク試験片2及びボール試験片14の間に供給されていき潤滑油膜が形成される(図4参照)。そして、潤滑油膜の計測を開始する。
すなわち、ハロゲン光源40aの光とキセノン光源40bの光をミキシングした光を、ディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分に照射し、接触部分に干渉縞を発生させる(図5の(b)参照)。
そして、高速度カメラ34が、光学顕微鏡38によって拡大された分光像を高速撮影していく。この場合にも、直動装置46がユニット46をX方向に微小移動させていく(図6の(b)参照)。
このように、直動装置46でユニット46X方向に微小移動させていきながら高速度カメラ34で分光像を高速撮影することで、回転時におけるディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分が広範囲に精度良く撮影される。
演算装置50の輝度分布解析回路50aは、高速度カメラ34から入力した高速撮影データに基づいて解析データを得る。そして、波長演算回路50bは、輝度分布解析回路50aで解析したデータに基づいて、回転時における干渉縞の暗縞の波長λ3、明縞の波長λ4を演算する(図7の(b)参照)。
塗膜厚さ演算回路50cは、静止時における干渉縞の暗縞の波長λ1、明縞の波長λ2、回転時における干渉縞の暗縞の波長λ3、明縞の波長λ4に基づいて、潤滑油膜の厚さhoilを演算する(図8の(b)参照)。
そして、演算結果出力回路50eは、塗膜厚さ演算回路50cで演算した潤滑油膜の厚さhoilを表示装置52に出力する。
これにより、ディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分における潤滑油膜の厚さの測定が完了する。
次に、潤滑剤塗膜計測装置を使用してディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分における潤滑油膜の厚さを計測する方法について説明する。
第1トルクメータ12が、ディスク試験片2が回転しているときのディスク回転軸6のトルク変化を計測し、第2トルクメータ20が、ボール試験片14が回転しているときのボール回転軸16のトルク変化を計測しているが、これら第1及び第2トルクメータ12,20のトルク変化のデータが演算装置50の摩擦係数演算回路50dに入力される。
摩擦係数演算回路50dは、入力したディスク試験片2側とボール試験片14側のトルク変化に基づいて、ディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分の摩擦係数を演算する。
そして、演算結果出力回路50eは、摩擦係数演算回路50dで演算したディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分の摩擦係数を表示装置52に出力する。
これにより、ディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分の摩擦係数の測定が完了する。
なお、ディスク試験片2及びボール試験片14が本発明の一対の物体に相当し、光学顕微鏡38が本発明の顕微鏡に相当し、直動装置46が本発明の高速度カメラ移動手段に相当し、演算装置50が本発明の演算手段に相当し、輝度分布解析回路50aが本発明の輝度分布解析手段に相当し、波長演算回路50bが本発明の波長演算手段に相当し、塗膜厚さ演算回路50cが本発明の塗膜厚さ演算手段に相当し、第1トルクメータ12,第2トルクメータ20が本発明のトルク計測手段に相当し、摩擦係数演算回路50dが本発明の摩擦係数演算手段に相当し、チャンバ28が本発明の雰囲気温度設定手段に相当し、潤滑剤溜まり22及び荷重付加装置24が本発明の押し付け手段に相当する。
したがって、本実施形態は、光源40から出力された光を、ディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分における潤滑油膜に照射して干渉縞を発生し、直動装置46でユニット42をX方向に移動しながら、分光器36で発生させた干渉縞の分光像を光学顕微鏡38で拡大しつつ高速度カメラ34で高速撮影し、その高速撮影したデータに基づいて潤滑油膜の厚さを測定しているので、従来では精度及び信頼性の面で問題があった弾性流体潤滑状態(EHL状態:Elastohydrodynamic Lubricastion)の潤滑油膜の厚さを高精度に、且つ信頼性を高くして行うことができる。
また、光源40の光は、ハロゲン光源40aの光とキセノン光源40bの光をミキシングした光であり、広範囲に及ぶ波長領域を有し、かつ輝度が大きい特殊な光となるので、発生する干渉縞の明暗が正確となり、さらに高精度に潤滑油膜の厚さ測定を行うことができる。
また、荷重負荷装置24でボール試験片14とディスク試験片2との間に押し付け力を発生させ、熱風発生装置30でボール試験片14及びディスク試験片2が所定の雰囲気温度で接触し、さらに潤滑油も所定温度に設定しているので、再現性の高い測定を行うことができる。
さらに、第1トルクメータ12でディスク試験片2が回転しているときのディスク回転軸6のトルク変化を計測し、第2トルクメータ20でボール試験片14が回転しているときのボール回転軸16のトルク変化を計測し、演算装置50の摩擦係数演算回路50dが、第1及び第2トルクメータ12,20のトルク変化のデータに基づいて、ディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分の摩擦係数を演算するようにしているので、簡単な構成でディスク試験片2及びボール試験片14の接触部分の摩擦係数を測定することができる。
次に、図9は、図1と異なる構成の潤滑剤塗膜計測装置を示す図である。
本実施形態の装置は、潤滑剤溜まり22に所定量のグリースが溜まっているとともに、装置架台4上に、ディスク試験片2の下面に塗布されたグリースを掻き取るゴムへら等からなる掻き取り部60が設けられている。この掻き取り部60は、ディスク試験片2の下面に近接し、潤滑剤溜まり22からボール試験片14を介してディスク試験片2の下面に塗布されたグリースの余分量を掻き取り、試験中にはディスク試験片2の下面に存在するグリースの塗膜の厚さが一定となるようにしている。このようにすることで、ディスク試験片2の下面へのグリースの塗膜の形成能力を高精度に行うことができる。
そして、本実施形態も、潤滑油を用いた潤滑油膜の厚さを計測する方法と同様の手順を行うことによって、従来では精度及び信頼性の面で問題があった弾性流体潤滑状態(EHL状態:Elastohydrodynamic Lubricastion)のグリースの塗膜の厚さの測定を高精度に、且つ信頼性を高くして行うことができる。
本発明に係る第1実施形態の潤滑剤塗膜計測装置を示す図である。 本発明に係る潤滑剤塗膜計測装置を構成する演算手段の構成を示す図である。 静止時の一対の物体の接触部分を拡大して示した図である。 回転時の一対の物体の接触部分を拡大して示した図である。 光を照射して発生した干渉縞の概略を示す図である。 分光像を高速撮影した画像の概略を示す図である。 分光像を輝度分析した解析図である。 油膜の厚さを測定した結果を示す図である。 本発明に係る第2実施形態の潤滑剤塗膜計測装置を示す図である。
符号の説明
2 ディスク試験片
10 サーボモータ
12 第1トルクメータ
14 ボール試験片
18 サーボモータ
20 第2トルクメータ
22 潤滑剤溜まり
24 荷重負荷装置
28 チャンバ
34 高速度カメラ
36 分光器
38 光学顕微鏡
40 光源
40a ハロゲン光源
40b キセノン光源
42 ユニット
44 第2XYステージ
46 直動装置
50 演算装置
50a 輝度分布解析回路
50b 波長演算回路
50c 塗膜厚さ演算回路
50d 摩擦係数演算回路
52 表示装置
60 掻き取り部

Claims (9)

  1. 相対的に転動又は摺動している一対の物体の接触部分を潤滑する潤滑剤の塗膜の厚さを計測する方法であって、
    光源から出力された光を前記塗膜の前記接触部分に照射して干渉縞を発生させる工程と、
    前記接触部分に沿って移動しながら、前記干渉縞を分光して発生した分光像を拡大して高速撮影する工程と、
    高速撮影したデータに基づいて前記分光像の輝度分布を解析する工程と、
    輝度分布を解析したデータに基づいて前記分光像の黒縞の波長及び明縞の波長を演算する工程と、
    前記黒縞の波長及び明縞の波長に基づいて前記塗膜の厚さを測定する工程と、を備えたことを特徴とする潤滑剤塗膜計測方法。
  2. 前記光源をハロゲン光源及びキセノン光源とし、これらハロゲン光源及びキセノン光源をミキシングした光を前記油膜の接触部分に照射することを特徴とする請求項1記載の潤滑剤塗膜計測方法。
  3. 前記一対の物体を、特定温度の雰囲気状態に配置するとともに、前記潤滑剤を、特定温度に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の潤滑剤塗膜計測方法。
  4. 前記一対の物体を互いに押し付けた状態とすることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の潤滑剤塗膜計測方法。
  5. 相対的に転動又は摺動している一対の物体の接触部分を潤滑する潤滑剤の塗膜の状態を計測する装置であって、
    光を前記塗膜の接触部分に照射して干渉縞を発生させる光源と、
    前記干渉縞の分光像を発生させる分光器と、
    この分光器で発生した前記分光像を拡大する顕微鏡と、
    この顕微鏡で拡大された前記分光像を高速撮影する高速度カメラと、
    この高速度カメラを前記接触部分に沿って移動させる高速度カメラ移動手段と、
    前記高速度カメラから得た高速撮影データに基づいて前記塗膜の状態を計測する演算手段とを備え、
    前記演算手段は、高速撮影データに基づいて前記分光像の輝度分布を解析する輝度分布解析手段と、この輝度分布解析手段で解析した輝度分布に基づいて前記分光像の黒縞の波長及び明縞の波長を演算する波長演算手段と、この波長演算手段で演算した前記黒縞の波長及び明縞の波長に基づいて前記塗膜の厚さを演算する塗膜厚さ演算手段とを備えていることを特徴とする潤滑剤塗膜計測装置。
  6. 前記光源は、ハロゲン光源及びキセノン光源であり、これらハロゲン光源及びキセノン光源をミキシングした光が、前記塗膜の接触部分に照射されることを特徴とする請求項5記載の潤滑剤塗膜計測装置。
  7. 前記一対の物体のうち少なくとも一方のトルク変化を計測するトルク計測手段を備えているとともに、
    前記演算手段は、前記トルク計測手段が計測したデータに基づいて、一対の物体の接触部分の摩擦係数を演算する摩擦係数演算手段を備えていることを特徴とする請求項5又は6記載の潤滑剤塗膜計測装置。
  8. 前記一対の物体を特定温度の雰囲気状態とする雰囲気温度設定手段と、前記潤滑剤を特定温度に設定する潤滑剤温度設定手段とを備えたことを特徴とする請求項5から7の何れか1項に記載の潤滑剤塗膜計測装置。
  9. 前記一対の物体を互いに押し付けた状態とする押し付け手段を設けたことを特徴とする請求項5から8の何れか1項に記載の潤滑剤塗膜計測装置。
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