JP2007315559A - 精密機器用の免震装置および精密機器の設置構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】嫌振性能が要求される精密機器を設置するための有効な免震装置と、それによる設置構造を提供する。
【解決手段】床面1上に固定された固定架台2上に設置される引き上げ機3等の精密機器を免震支持するべく、固定架台と精密機器との間に免震装置4を介装する。免震装置は、精密機器の底面に固定される鋼製架台5と、鋼製架台と固定架台との間に介装されて固定される積層ゴム6とからなる。鋼製架台を矩形枠状の鋼製フレームとしてのその四隅部の位置に積層ゴムを集中配置する。免震装置により免震支持して設置した精密機器の周囲に作業床7を設けるとともに、作業床と精密機器との間には免震クリアランス8を確保し、免震クリアランスに精密機器の過大水平変位を拘束する緩衝装置9を設置する。
【選択図】図1
【解決手段】床面1上に固定された固定架台2上に設置される引き上げ機3等の精密機器を免震支持するべく、固定架台と精密機器との間に免震装置4を介装する。免震装置は、精密機器の底面に固定される鋼製架台5と、鋼製架台と固定架台との間に介装されて固定される積層ゴム6とからなる。鋼製架台を矩形枠状の鋼製フレームとしてのその四隅部の位置に積層ゴムを集中配置する。免震装置により免震支持して設置した精密機器の周囲に作業床7を設けるとともに、作業床と精密機器との間には免震クリアランス8を確保し、免震クリアランスに精密機器の過大水平変位を拘束する緩衝装置9を設置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、床面上に設置される各種の精密機器を免震支持するための免震装置、およびそれを用いた精密機器の設置構造に関する。
半導体製造工場に設置される半導体製造装置のような各種の精密機器は微振動を嫌う嫌振機器である場合も多く、特許文献1にはその種の精密機器類が設置される構造物に適用する免震構造として、構造物と基礎との間に剛すべり支承による免震装置を設置して精密機器類の設置エリア全体を免震支持するというものが提案されている。
特開2006−2559号公報
ところで、構造物を免震装置により免震支持するということは、構造物の水平剛性を低下させてその固有周期を長周期化することであるから、免震支持された構造物は平常時においても微振動が生じ易いものとなることは不可避である。
そのため、嫌振装置でもある精密機器類を設置する構造物全体ないしその設置エリア全体を免震化する際には、平常時における微振動による悪影響を回避するための対策が不可欠であり、たとえば特許文献1に示される構造では振動許容値との関連により固有振動数を厳密に設定するようにしている。
そのため、嫌振装置でもある精密機器類を設置する構造物全体ないしその設置エリア全体を免震化する際には、平常時における微振動による悪影響を回避するための対策が不可欠であり、たとえば特許文献1に示される構造では振動許容値との関連により固有振動数を厳密に設定するようにしている。
しかし、特に半導体製造工場に設置されるような超精密機器類、たとえばシリコン単結晶インゴットを製造するための引き上げ機は、極めて高度の嫌振性能も要求されるものであって、そのような超精密かつ超嫌振機器に適用し得る有効適切な免震手法は未だ確立されておらず、したがって現時点では半導体製造工場を免震化することは非常に困難であるとされている。
上記事情に鑑み、本発明は、特に半導体製造工場に設置されるような高度の嫌振性能が要求される精密機器を対象として、それを免震化し得る有効適切な免震装置と、それを用いて精密機器を設置するための有効適切な設置構造を提供することを目的としている。
本発明の精密機器用の免震装置は、床面上に固定された固定架台上に設置される精密機器を免震支持するべく、前記固定架台と前記精密機器との間に介装されるものであって、前記精密機器の底面に固定される鋼製架台と、該鋼製架台と前記固定架台との間に介装されて固定される積層ゴムとからなることを特徴とする。
本発明の免震装置においては、鋼製架台を矩形枠状の鋼製フレームとしてのその四隅部の位置に積層ゴムを集中配置することが好ましい。
本発明の免震装置においては、鋼製架台を矩形枠状の鋼製フレームとしてのその四隅部の位置に積層ゴムを集中配置することが好ましい。
本発明の精密機器の設置構造は、床面上に固定された固定架台上に免震装置を介して精密機器を設置するための構造であって、前記免震装置は、精密機器の底面に固定された鋼製架台と、該鋼製架台と前記固定架台との間に介装されて固定された積層ゴムからなることを特徴とする。
本発明の設置構造においては、免震装置により免震支持して設置した精密機器の周囲に作業床を設けるとともに、該作業床と精密機器との間には精密機器の水平変位を許容するための免震クリアランスを確保し、該免震クリアランスには精密機器の過大水平変位を拘束する緩衝装置を設置することが好ましい。
本発明の設置構造においては、免震装置により免震支持して設置した精密機器の周囲に作業床を設けるとともに、該作業床と精密機器との間には精密機器の水平変位を許容するための免震クリアランスを確保し、該免震クリアランスには精密機器の過大水平変位を拘束する緩衝装置を設置することが好ましい。
本発明の免震装置は、鋼製架台と積層ゴムとを組み合わせたことにより優れた免震効果を発揮し得ることはもとより、鋼製架台の剛性や重量の設定、積層ゴムによる免震周期の設定により平常時の微振動や磁場の影響を受けることもなく、したがって個々の精密装置をそれぞれこの免震装置を介して免震支持することにより、中小規模の地震時における最大応答加速度を充分に低減できて安定な操業が可能となる。
特に、鋼製架台を矩形フレーム状としてその四隅部に積層ゴムを集中配置することにより、免震支持している精密機器の偏荷重を安定に支持可能であるしその傾きや捻れも有効に防止できる。
また、免震支持している精密機器の周囲に免震クリアランスを確保してそこに緩衝装置を設置することにより、想定を超える大規模地震時における過大な水平変位を拘束し得てフェイルセーフ機能が得られる。
特に、鋼製架台を矩形フレーム状としてその四隅部に積層ゴムを集中配置することにより、免震支持している精密機器の偏荷重を安定に支持可能であるしその傾きや捻れも有効に防止できる。
また、免震支持している精密機器の周囲に免震クリアランスを確保してそこに緩衝装置を設置することにより、想定を超える大規模地震時における過大な水平変位を拘束し得てフェイルセーフ機能が得られる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。本実施形態は、超精密機器でありかつ高度の嫌振機器でもあるシリコン単結晶引き上げ機を対象として、それを半導体製造工場に設置する場合の適用例である。
図1に示すように、本実施形態においては、頑強な床面1上に頑強なプレキャストコンクリート製の固定架台2を独立に固定し、その固定架台2上に1台の引き上げ機3(外殻フレームのみを鎖線で示すに留めて内部の図示は省略している)を設置することを基本とするものであるが、本実施形態ではその引き上げ機3を単に固定架台2上に直接的に固定するのではなく、それらの間に免震装置4を介装してその免震装置4によって引き上げ機3を免震支持することを主眼としている。
本実施形態における免震装置4の基本性能は、免震支持対象の精密機器である引き上げ機3に要求される免震性能と嫌振性能に応じて次のように設定されている。
すなわち、その引き上げ機3が安定に操業し得る限界の許容最大応答加速度は20gal程度であるので、本実施形態ではかなりの頻度で頻発することが想定される50gal程度までの中規模地震時(概ね震度3以下)においても、最大応答加速度が20galを超えることなく安定な操業を継続できるように、免震装置4の性能を設定している。
また、この引き上げ機3におけるルツボの固有周期は0.3〜0.4秒程度であり、引き上げ用のワイヤーの固有周期は4秒程度であることを考慮して、免震装置4により免震支持した後の引き上げ機3全体の免震周期は1〜2秒(たとえば1.4秒程度)に設定している。
すなわち、その引き上げ機3が安定に操業し得る限界の許容最大応答加速度は20gal程度であるので、本実施形態ではかなりの頻度で頻発することが想定される50gal程度までの中規模地震時(概ね震度3以下)においても、最大応答加速度が20galを超えることなく安定な操業を継続できるように、免震装置4の性能を設定している。
また、この引き上げ機3におけるルツボの固有周期は0.3〜0.4秒程度であり、引き上げ用のワイヤーの固有周期は4秒程度であることを考慮して、免震装置4により免震支持した後の引き上げ機3全体の免震周期は1〜2秒(たとえば1.4秒程度)に設定している。
具体的には、本実施形態における免震装置4は、図2に示すように鋼製架台5と積層ゴム6とにより構成されているものである。
鋼製架台5は、形鋼や鋼管等の鋼材を図2(b)に示すように矩形フレーム状に組んだもので、その外形輪郭および寸法は免震支持対象の引き上げ機3の平面形状にほぼ合致するものとされ、引き上げ機3の底面に対してアンカーにより強固に固定されるものである。この鋼製架台5は引き上げ機3を安定に支持し得る強度や剛性を有し、かつ当然に平常時の微振動を防止するに充分な重量を有するものとされている。
積層ゴム6は、従来一般にはそれ自体で構造物全体を免震支持する免震装置として多用されているものと同様のものであって、鋼板とゴムとが交互にかつ多段に積層されて相互に接着された構成とされ、その上下が鋼製架台5と固定架台2に対してそれぞれアンカーにより強固に固定されるものである。
その積層ゴム6は、鉛直方向(高さ方向)には充分な剛性を有して引き上げ機3の鉛直荷重を安定に支持可能であり、かつ水平方向(横方向)には所望の柔軟性を有しているものであって、鋼製架台5を介して免震支持する引き上げ機3全体の固有周期を所望周期(上述したようにたとえば1.4秒程度)となるように長周期化して免震効果を得るものである。
鋼製架台5は、形鋼や鋼管等の鋼材を図2(b)に示すように矩形フレーム状に組んだもので、その外形輪郭および寸法は免震支持対象の引き上げ機3の平面形状にほぼ合致するものとされ、引き上げ機3の底面に対してアンカーにより強固に固定されるものである。この鋼製架台5は引き上げ機3を安定に支持し得る強度や剛性を有し、かつ当然に平常時の微振動を防止するに充分な重量を有するものとされている。
積層ゴム6は、従来一般にはそれ自体で構造物全体を免震支持する免震装置として多用されているものと同様のものであって、鋼板とゴムとが交互にかつ多段に積層されて相互に接着された構成とされ、その上下が鋼製架台5と固定架台2に対してそれぞれアンカーにより強固に固定されるものである。
その積層ゴム6は、鉛直方向(高さ方向)には充分な剛性を有して引き上げ機3の鉛直荷重を安定に支持可能であり、かつ水平方向(横方向)には所望の柔軟性を有しているものであって、鋼製架台5を介して免震支持する引き上げ機3全体の固有周期を所望周期(上述したようにたとえば1.4秒程度)となるように長周期化して免震効果を得るものである。
本実施形態における免震装置4では全10台の積層ゴム6を用いているが、引き上げ機3の荷重分布を考慮して、図2(b)(鋼製架台5を底面側から見上げた図)に示すようにそれらの積層ゴム6を鋼製架台5の4隅部に2台ないし3台ずつ集中配置しており、それにより鋼製架台5の四隅部に集中する偏荷重を安定に支持可能であり、また、引き上げ機3が振動した際の傾きや捻れを有効に防止できるものとなっている。
なお、積層ゴム6としては、滑り出しが滑らかで小地震にも有効に作動するタイプ、たとえば最大面圧が60kg/cm2程度、ゴム歪が66%程度のものが好適に採用可能である。積層ゴム6として高減衰積層ゴムを用いることも考えられるが、高減衰積層ゴムは微小変形時の剛性が高いことから好ましくない。また、積層ゴム6を多段に積層することことも考えられるが、コスト高となるし製作が面倒でもあるので、最もシンプルな汎用の市販品を単体で用いる事が現実的であり、それで充分である。
さらに、図1に示しているように引き上げ機3の周囲には作業床7を設けることが一般的であるが、本実施形態では引き上げ機3を免震装置4によって水平変位可能に免震支持していることから、引き上げ機3と作業床7との間にはその水平変位を許容するための免震クリアランス8が確保され、かつ図3に示すように免震クリアランス8には緩衝装置9が設置されている。
緩衝装置9はゴム製のストッパーを主体とするもので、想定を超える大規模地震時には引き上げ機3の過大な水平変位を緩衝しつつ拘束して、最悪時でもそれが転倒してしまうといった重大な事態を防止するためのフェイルセーフ機構として機能するものである。
緩衝装置9はゴム製のストッパーを主体とするもので、想定を超える大規模地震時には引き上げ機3の過大な水平変位を緩衝しつつ拘束して、最悪時でもそれが転倒してしまうといった重大な事態を防止するためのフェイルセーフ機構として機能するものである。
以上のように、本実施形態では超精密機器かつ嫌振機器である引き上げ機3を鋼製架台5と積層ゴム6とによる免震装置4を介して免震支持することとして、その免震周期をたとえば1.4秒程度に設定したことにより、50gal程度までの地震時においても最大応答加速度を20gal程度に抑制することができるという優れた免震効果が得られ、これにより中規模程度の地震時においても安定な操業を継続することが可能となる。
ある地域を想定したシミュレーションによれば、引き上げ機3を固定架台2上に単に固定状態で設置した場合には、約5年間に実際に観測された141回の中小地震地震(5gal以上)のうち、121回については最大応答加速度が20galを超えてしまって操業に何らかの支障を来すことが想定されるのに対し、引き上げ機3を上記の免震装置4により免震支持すればその回数を10回程度にまで激減させることができると想定され、半導体製造工場における生産性を格段に向上させることが可能であることが確認できた。
ある地域を想定したシミュレーションによれば、引き上げ機3を固定架台2上に単に固定状態で設置した場合には、約5年間に実際に観測された141回の中小地震地震(5gal以上)のうち、121回については最大応答加速度が20galを超えてしまって操業に何らかの支障を来すことが想定されるのに対し、引き上げ機3を上記の免震装置4により免震支持すればその回数を10回程度にまで激減させることができると想定され、半導体製造工場における生産性を格段に向上させることが可能であることが確認できた。
勿論、上記の免震装置4は引き上げ機3を単に積層ゴム6によって免震支持するのみならず、充分な強度と剛性、重量を有する鋼製架台5と、適度の水平剛性を有する積層ゴム6とを適正に組み合わせた構成であるので、平常時の微振動は鋼製架台5自体により支障なく防止できるものであるし、引き上げ機3自体による強力な磁場による悪影響を受ける懸念もない。
なお、本発明の免震装置4は精密機器を設置するための免震架台として機能するものであるといえるが、従来一般の各種の免震架台に比べて構造が簡略で安価に製作できるばかりでなく、以下のような利点を有するものである。
すなわち、従来一般の免震架台としてはレール系およびボールベアリング系のものが一般的であるが、その種の免震架台を5gal程度の小地震に対して有効に作動させるためには摩擦係数を0.005程度と極めて低く設定しなければならないので微振動に対して敏感になってそれを有効に防止できないことも想定されるし、平常時においても不用意に作動してしまって使用勝手に問題がある。また、この種の免震架台は摩擦が切れる瞬間に加速度が一時的に増大してしまうことは不可避であるし、復元用のコイルばねと併用することが通常であるのでそのコイルばねの剛性によって小地震時には充分な免震効果が得られない場合がある。それに対し、本発明の免震装置4は積層ゴム6と鋼製架台5とを適正に組み合わせることで、上述したように微振動の影響を受け難く、小地震に対しても支障なく作動するばかりでなく、滑り出しが滑らかであり、その点で従来一般のレール系およびボールベアリング系の免震架台よりも遙かに有効である。
また、空気ばね系の免震架台も知られているが、従来一般の空気ばね系の免震架台では上下方向の振動を拘束できないばかりか増幅する懸念があるし、製造時および点検時における免震架台上への乗り降り動作により性能低下が生じる懸念もあって、引き上げ機のような高度の嫌振性能が要求される超精密機器には適用し難いものであるが、本発明の免震装置ではそのような懸念は全くない。
すなわち、従来一般の免震架台としてはレール系およびボールベアリング系のものが一般的であるが、その種の免震架台を5gal程度の小地震に対して有効に作動させるためには摩擦係数を0.005程度と極めて低く設定しなければならないので微振動に対して敏感になってそれを有効に防止できないことも想定されるし、平常時においても不用意に作動してしまって使用勝手に問題がある。また、この種の免震架台は摩擦が切れる瞬間に加速度が一時的に増大してしまうことは不可避であるし、復元用のコイルばねと併用することが通常であるのでそのコイルばねの剛性によって小地震時には充分な免震効果が得られない場合がある。それに対し、本発明の免震装置4は積層ゴム6と鋼製架台5とを適正に組み合わせることで、上述したように微振動の影響を受け難く、小地震に対しても支障なく作動するばかりでなく、滑り出しが滑らかであり、その点で従来一般のレール系およびボールベアリング系の免震架台よりも遙かに有効である。
また、空気ばね系の免震架台も知られているが、従来一般の空気ばね系の免震架台では上下方向の振動を拘束できないばかりか増幅する懸念があるし、製造時および点検時における免震架台上への乗り降り動作により性能低下が生じる懸念もあって、引き上げ機のような高度の嫌振性能が要求される超精密機器には適用し難いものであるが、本発明の免震装置ではそのような懸念は全くない。
さらに、本発明のように個々の精密装置をそれぞれ免震装置4を介して独立に免震支持することに代えて、多数の精密機器を設置する工場全体を免震構造物として免震支持したり、あるいは特許文献1に示されるように複数の精密機器を設置するエリア全体を免震支持することも考えられる。
しかし、構造物全体あるいは特定エリアを免震支持する場合には、上述したように免震支持に伴う構造物全体あるいは免震エリア全体の平常時の微振動が問題となるし、当然にポンプ等の振動発生源も同一床面に設置することになるのでそれに対する高度の振動対策も必要となり、構造物内外を連絡する大口径の主配管類に対して変位吸収のためのフレキシビリティを確保する必要もあるので、単に精密機器の設置のみならず構造物全体に対する複雑かつ綿密な免震計画が必要となる。
そのような観点では、構造物全体や精密機器の設置エリアは頑強な構造のものとして構築しておき、そのうえで本発明のように個々の精密機器を簡易な免震装置によって独立に免震支持するという個別免震の手法の採用がより好ましいといえる。
しかし、構造物全体あるいは特定エリアを免震支持する場合には、上述したように免震支持に伴う構造物全体あるいは免震エリア全体の平常時の微振動が問題となるし、当然にポンプ等の振動発生源も同一床面に設置することになるのでそれに対する高度の振動対策も必要となり、構造物内外を連絡する大口径の主配管類に対して変位吸収のためのフレキシビリティを確保する必要もあるので、単に精密機器の設置のみならず構造物全体に対する複雑かつ綿密な免震計画が必要となる。
そのような観点では、構造物全体や精密機器の設置エリアは頑強な構造のものとして構築しておき、そのうえで本発明のように個々の精密機器を簡易な免震装置によって独立に免震支持するという個別免震の手法の採用がより好ましいといえる。
以上で本発明の実施形態を説明したが、本発明は半導体製造工場において引き上げ機を設置する場合に適用するのみならず、各種の精密機器を設置する場合全般に広く適用できるものであるし、設置対象の精密機器の種類や性能、要求される免震性能や嫌振性能、想定される地震規模、その他の諸条件を考慮して、免震周期の設定、鋼製架台の形状や重量、積層ゴムの台数や位置、緩衝装置の要否やその構成等、細部の具体的な構成については適宜の設計的変更が可能であることは言うまでもない。
1 床面
2 固定架台
3 引き上げ機(精密機器)
4 免震装置
5 鋼製架台
6 積層ゴム
7 作業床
8 免震クリアランス
9 緩衝装置
2 固定架台
3 引き上げ機(精密機器)
4 免震装置
5 鋼製架台
6 積層ゴム
7 作業床
8 免震クリアランス
9 緩衝装置
Claims (4)
- 床面上に固定された固定架台上に設置される精密機器を免震支持するべく、前記固定架台と前記精密機器との間に介装される免震装置であって、
前記精密機器の底面に固定される鋼製架台と、該鋼製架台と前記固定架台との間に介装されて固定される積層ゴムとからなることを特徴とする精密機器用の免震装置。 - 請求項1記載の精密機器用の免震装置であって、
鋼製架台は矩形枠状の鋼製フレームからなり、該鋼製架台の四隅部の位置に積層ゴムを集中配置してなることを特徴とする精密機器用の免震装置。 - 床面上に固定された固定架台上に免震装置を介して精密機器を設置するための設置構造であって、
前記免震装置は、精密機器の底面に固定された鋼製架台と、該鋼製架台と前記固定架台との間に介装されて固定された積層ゴムからなることを特徴とする精密機器の設置構造。 - 請求項3記載の精密機器の設置構造であって、
免震装置により免震支持して設置した精密機器の周囲に作業床を設けるとともに、該作業床と精密機器との間には精密機器の水平変位を許容するための免震クリアランスを確保し、
該免震クリアランスには精密機器の過大水平変位を拘束する緩衝装置を設置してなることを特徴とする精密機器の設置構造。
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JP2006148323A JP2007315559A (ja) | 2006-05-29 | 2006-05-29 | 精密機器用の免震装置および精密機器の設置構造 |
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2006
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