JP2007302564A - 二核化配位子及びその二核亜鉛錯体 - Google Patents

二核化配位子及びその二核亜鉛錯体 Download PDF

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Abstract

【課題】リン酸エステルの加水分解活性、特に核酸に含まれるリン酸ジエステルの加水分解活性が高く、制限酵素モデルとして利用可能であるとともに、リン酸の選択的結合が期待できる金属錯体を提供する。
【解決手段】ジピリジルエタンスペーサーを有する二核化配位子及びその二核化配位子に亜鉛イオンが配位した二核亜鉛錯体である。なお、溶液中の二核亜鉛錯体の構造式を以下に示す。
【化2】
Figure 2007302564

【選択図】なし

Description

この発明は、二核化配位子及びその二核亜鉛錯体に関するものであり、特に制限酵素モデルとして遺伝子工学的な応用の可能性があるとともに、非対称構造を持つことからリン酸の選択的結合が期待できる二核化配位子及び二核亜鉛錯体に関するものである。
自然界にはさまざまな酵素が存在し、常温常圧という穏和な条件下で複雑な化学反応を触媒している。また、酵素の多くは活性中心に金属イオンを有しており、酵素の機能発現に金属イオンが深く関わっていると考えられている(非特許文献1〜3を参照)。
このような金属含有酵素の一つとして、pH8からpH9の水溶液中でリン酸モノエステルを加水分解するアルカリホスファターゼ(以下、APと省略する。)があげられる。APの構造はColemam等によるX線結晶構造解析によって決定されており、活性中心に2個のZn(II)イオンと1個のMg(II)イオンを有していることが明らかにされている(非特許文献4〜5を参照)。
ここで、前記Mg(II)イオンは直接加水分解には関与しないものの、活性中心の構造因子として、基質であるリン酸モノエステルのジアニオンを結合させる静電的働きに関わっていると考えられている。
また、2個のZn(II)イオンは、協同的に作用することにより、基質の捕捉や加水分解反応の活性種の生成を効率的に行っていると考えられている(非特許文献1を参照)。Zn(II)イオンは、その高いLewis酸性によって、配位した水分子やアルコールのpHを低下させ、求核種として作用するヒドロキソ基やアルコキソ基を弱アルカリ性溶液中で生じさせるのに役立っている。また、Zn(II)イオンの電子構造はd10であり、2価の状態が安定であるため酸化還元されることはなく、酸素活性化などは行わないので、生体分子を傷付けることなく触媒反応を行うことができる。これらの性質を有するため、Zn(II)イオンは加水分解反応だけでなく構造因子や分子認識に働く金属イオンとしても適していると言える。
前記APの2個のZn(II)イオンの一方には、二つのヒスチジン残基のイミダゾール基が単座で配位し、一つのアスパラギン酸残基のカルボキシラト基が二座で配位している。もう一方のZn(II)イオンには一つのイミダゾール基と二つのカルボキシラト基がそれぞれ単座で配位しており、その近傍にはセリン残基のヒドロキシル基が存在している。このヒドロキシル基はZn(II)イオンのLewis酸性によってpkaが低下し、脱プロトン化してアルコキソ基となり、リン酸エステルを求核攻撃すると考えられている。また、イミダゾール基やカルボキシラト基が配位することによりZn(II)イオンのLewis酸性が調節され、リン酸エステル加水分解反応に適した反応性を持つ求核種を生成していると考えられている。
さて、金属含有酵素の触媒機構を解明するため、これまでに金属含有酵素のモデルとしてさまざまな金属錯体が合成され、その構造や機能発現の機構について分光学的手法やX線結晶構造解析を用いて詳細な研究が行われている。そして、APのようなリン酸エステル加水分解酵素についても、そのモデルとしてさまざまな金属錯体がこれまでに合成され、その反応性について研究されてきた。その結果、多核化やヒドロキシル基の導入によって加水分解活性が上昇することが報告されている(非特許文献6〜12を参照。)
しかし、従来からある金属錯体はリン酸エステルの加水分解活性が低く、中でも核酸に含まれるリン酸ジエステルの加水分解は大変困難であった。そのため、従来からある金属錯体は、制限酵素モデルとして利用するには不十分、かつ不適切であった。
Lipscomb,W.L.; Strater,N. Chem.Rev. 1996, 96, 2375-2433. Strater,N.; Lipscomb,W.; Klabunde,T.; Krebs,B. Angew. Chem. Int.Enl. 1996, 35, 2024. Wilcox,D.E.Chem.Rev.1996,96,2435. Coleman,J.E.Annu.Rev.Biophys.Biomol.Struct.1992,21,441. Coleman,J.E.;Gettins,P.Adv.Enzymol.1993,55,381. Parkin,G.Chem.Rev.2004,104,699. Molenveld, P.; Stikvoort, W.M.G; Kooijman ,H.; Spek ,A.L.; Endbersen,J.E; Reinhoundt,D.N. J.Org.Chem. 1999,64,3896. Zhu, L.; Santos, O.d.; Koo, C.W.; Rybstein, M.; Pape, L.; Canary,J. W.Inorg.Chem. 2003,42,7912. Iranzo, O.; Elmer, T.; Richard, J.P.; Morrow, J.R. Inorg.Chem. 2003,42,7737. Kimura,E; Nakamura,I.; Koike,T.; Shionoya,M.; Kodama,Y.; I keda,T.; Shiro,M. J.Am.Chem.Soc.1994,116,4764. Koike,T.; Kajitani,S.; Nakamura,I.; Kimura,E.; Shiro,M. J.Am.Chem.Soc.1995,117,1210. Kimura,E.; Kodama,Y.; Koike,T.; Shiro,M. J.Am.Chem.Soc.1995,117,8304.
そこで、この発明はリン酸エステルの加水分解活性、特に核酸に含まれるリン酸ジエステルの加水分解活性が高く、制限酵素モデルとして利用可能であるとともに、リン酸の選択的結合が期待できる金属錯体を提供することを目的とする。
本件発明者らは、金属錯体について鋭意検討することにより、ジピリジルエタンスペーサーを有する二核亜鉛錯体が高いリン酸ジリエステル加水分解活性を有することを突き止めた。すなわち、この発明は、ジピリジルエタンスペーサーを有する二核化配位子及びその二核亜鉛錯体である。
この発明の二核化配位子及びその二核亜鉛錯体は、高いリン酸ジエステルの加水分解活性を備えており、優れた制限酵素モデルである。そのため、これらの化合物の触媒機構を研究することにより、金属含有酵素の触媒機構についての知識をより深めることができる。
この発明にかかる化合物は、以下の化学式(1)、(2)で示される化合物である。
式(1)
Figure 2007302564
式(2)
Figure 2007302564
つぎに、この発明の特徴をさらに具体的に明らかにするため、二核化配位子及び二核亜鉛錯体を製造して、その特性を調べた。なお、下記の実施例はこの発明をよりよく理解するためのものであり、いかなる意味でもこの発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
図1に示す合成スキームに沿って、二核化配位子6-BBPTAH3(以下、化合物6)を合成した。以下にその詳細について説明する。なお、図1と以下の説明との関係を明確にするため、同一の化合物には同一の番号を付与した。
(1)1,2-bis(6'-methyl-2,2'-bipyridin-6-yl)ethane(化合物3)の合成
500mLの三口反応容器に還流冷却管、三方コック、バルーンを取り付けた装置を組み立てて、玉栓及びセプタムキャップを取り付けたのち、装置内部を真空乾燥した。2-methyl-6-(trimethylstannyl)pyridine(化合物1)16.4g(64.2mmol)、1,2-bis(2-bromo-6-pyridyl)ethane(化合物2)8.78g(25.7mmol)、Pd(PPh3)4 0.2g(0.17mmol)を反応容器に入れ、Ar置換した。その後、シリンジを使用してdry toluene 200mLを注入し、一晩加熱還流した。
反応混合物をエバボレーターで濃縮し、析出した固体を水/CHCl3 (50mL×3)で分液して有機層を集め、無水Na2SO4を加えて脱水し、濃縮真空乾燥して淡黄色の固体を得た。この固体をエタノールで洗浄し、無色の粉末を得た。そして、得られた物質のIR、1H-NMR(400MHz)、FAB MSスペクトルを測定した。
なお、赤外吸収スペクトルは島津製赤外分光光度計FT IR-8400により測定した。また、1H-NMRスペクトルは、日本電子製JMN-A400及びECA-500RXフーリエ変換核磁気共鳴装置により測定した。FAB MSスペクトルは、マトリックスに3-nitrobenzylalcholを使用し、日本電子製JMS-700により測定(測定時のイオン化室の温度は42℃)した。
得られた物質のIR、1H-NMR、FAB MSスペクトルとピークの帰属をそれぞれ図2、図3、図4に示す。また、反応収量・収率は7.02g(74.7%)であり、得られた物質の融点は138.7℃から143.3℃の間にあった。
なお、化合物1、化合物2は下記の文献(a)から(c)に記載の方法で合成したものを使用した。また、dry tolueneは金属Na存在下で2時間加熱還流したのち、蒸留したものを使用した。
(a)Funeriu,D.P.;He,Y.B.;Bister,H.J.;Lehn,J-.M.Bull.Soc.Cim.Fr.1996,133,673.
(b)Long,G.V.;Boyd,S.E.;Harding,M.M.;Buys,I.E.;Hambley,T.W.J.Chem.Soc.Dalton
Trans.1993,3175.
(c)Puglisi,A.;Benaglia,M.;Roncan,G.;Eur.J.Org.Chem.2003,1552.
(2)ethyl 2,3-bis[6-[6-(ethoxycarbonylmethyl)-2-pyridyl]-2-pyridyl]propanoat(化合物4)の合成
200mLの三口反応容器に三方コック、50mL等圧滴下ロート及びバルーンを取り付けた装置を組み立てて、セプタムキャップを取り付けて真空乾燥したのち、内部をArで満たした。なお、以後の実験操作はAr雰囲気下で行った。まず、diisopropylamine 3.4mL(24mmol)をシリンジで反応容器に注入し、dry THF 19mLをシリンジで注入したのち、エタノール浴に浸けて-80℃に冷却した。つぎに、1.6M n-BuLiヘキサン溶液15mL(24mmol)をシリンジで注入し、30分かき混ぜた。そして、dry THF 19mLに溶かした化合物3 1.47g(4mmol)をシリンジで等圧滴下ロートに注入し30分かけて滴下すると、溶液は黒色に変化した。さらに、-80℃を保ったまま2時間かき混ぜたのち、diethyl carbonate 5.1mL(40mmol)をシリンジで注入し、エタノール浴に浸けたまま徐々に室温に戻しながら一晩かき混ぜた。最後に、シリカゲルTLC(展開溶媒CHCl3:MeOH=25:1)で反応の終了を確認した。
反応混合物に8M CH3COONH4水溶液を30mL加えて反応を止め、pH7であることを確認したのち、エバボレーターでTHFを除去した。酢酸エチル(50mL×5)/水で分液し、有機層を集め、無水Na2SO4を加えて脱水し、濃縮して褐色の油状物質を得た。これに5mLのEt2Oを加えると沈殿が生成したので、吸引ろ過により分離した。残渣はメタノールから再結晶し、淡黄色の固体を得た。ろ液は濃縮し、メタノール10mLを加えて生成した沈殿を吸引ろ過により取り除いた。ろ液を濃縮して得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ35mm×100mm、展開溶媒CHCl3:ヘキサン=60:40〜70:30)により精製し、黄色の油状物質を得た。
得られた淡黄色固体、黄色の油状物質について、IR、1H-NMR(500MHz)、FAB MSスペクトルにより分析したところ、油状物質がethyl2,3-bis[6-[6-(ethoxycarbonylmethyl)-2-pyridyl]-2-pyridyl]propanoate(化合物4)であり、淡黄色の固体が1,2-bis(6'-ethoxycarbonylethyl-2,2'-bipyridin-6-yl)ethane(化合物5)であることが分かった。なお、化合物4のスペクトルとピークの帰属をそれぞれ図5、図6、図7に示す(化合物5についてのデータは省略した。)。また、化合物4の反応収量・収率は1.40g(76.7%)であり、化合物5の反応収量・収率は0.104g(5.1%)であった。
なお、diisopropylamine及びdiethyl carbonateは、下記の文献(d)に記載の方法で精製したものを使用した。また、dry THFは金属Na存在下で2時間加熱還流したのち、蒸留したものを使用した。
(d)Perrin,D.D.;Armarego,W.L.F.;Perrin,D.R.Purification of Laboratory Chemicals, Second Edition, Pergamon Press,1980.
(3)2,3-bis[6-[6-(2-hydroxyethyl)-2-pyridyl]-2-pyridyl]-1-propanol(6-BBPTAH3、化合物6)の合成
30mL二口ナスフラスコに三方コック、50mL等圧滴下ロート、バルーン、セプタムキャップを取り付けた装置を組み立てて、装置内部を真空乾燥した。LiAlH4 0.120g(3.20mmol)をナスフラスコに入れ、Ar置換した。dry THF 10mLをシリンジで注入すると、溶液は懸濁した。これを氷浴に浸けて冷却した。dry THF 5mLに溶かした化合物4 0.532g(0.913mmol)をシリンジで等圧滴下ロートに注入し、1時間かけて滴下すると溶液は褐色に変化した。アルミナTLC(展開溶媒、CHCl3:MeOH=100:5)で反応の進行を確認しながら、氷浴に浸けたまま5時間かき混ぜた。反応の終了を確認したのち、反応容器を冷却したままAr下で少しずつ蒸留水15mLを加えて過剰のLiAlH4を分解すると溶液は黄色に変化し、沈殿が生じた。
沈殿を吸引ろ過して取り除き、残渣をCHCl3で洗浄し、ろ液とあわせてエバボレーターで濃縮したのち、水/CHCl3(50mL×5)で分液した。有機層を集め無水Na2SO4を加えて脱水し、濃縮して褐色の油状物質を得た。これをアルミナカラムクロマトグラフィー(φ15mm×110mm、展開溶媒CHCl3)により精製し、黄色の油状物質を得た。この油状物質が化合物6であり、そのIR、1H-NMR(400MHz)、1H-1H COSY(400MHz)、1H-1H NOESY(400MHz)、FAB MSスペクトルとピークの帰属をそれぞれ図8、図9、図10、図11、図12に示す。また、化合物6の反応収量・収率は0.257g (61.7%)であった。
(4)二核亜鉛錯体(化合物7)によるリン酸トリエステルの加水分解反応
二核亜鉛錯体(化合物7)が、従来からある二核亜鉛錯体でも加水分解可能であったリン酸トリエステルを加水分解できるかについて調べた。具体的には以下に示すような手順により行なった。
6-BBPTAH3 (化合物6)2.74mg(6.00μmol)を3.00mLの4.00mM Zn(ClO4)・6H20 30%(V/V)MeCN-H2O溶液に溶かし、1時間かき混ぜ二核亜鉛錯体(化合物7)の溶液を調製した。溶液は20.0mM緩衝溶液(HEPES(pH7)、TAPS(pH8)、CHES(pH>9))とし、NaClO4を使用してイオン強度を0.100Mとした。また、NaOH水溶液を使用してpHをpH7、pH8、pH9、pH10に調節した。この錯体溶液0.500mLを1mLセルに測り取って、5.0μLの2.00mM tris(4-nitrophenyl)phosphate(TNP)のTHF溶液を加えて反応させた。温度を35℃に保ち、UV-vis吸収スペクトルを測定した。TNPの加水分解反応の生成物として生じる4-nitrophenolateの増加を420mmの吸収の変化から追跡して、擬一次速度定数kobsを求めた。pHとkobsとの関係を表1に示す。なお、UV-vis吸収スペクトルはBECKMAN spectorophotometer DU 7400により測定した。また、比較のため錯体溶液の代わりに水を加えたものをブランクとした。
Figure 2007302564
表1から明らかなように、化合物7はブランクと比べて、7倍(pH7)又は8倍(pH8)リン酸トリエステルの加水分解反応を加速した。このことは、化合物7が高いリン酸トリエステル分解活性を有することを示している。なお、pH9を超えると沈殿が生じてしまうため、高いpHでの加水分解反応は追跡できなかった。
(5)二核亜鉛錯体(化合物7)によるリン酸ジエステルの加水分解反応
二核亜鉛錯体(化合物7)が、従来からある二核亜鉛錯体では困難であったリン酸ジエステルを加水分解できるか、及び同加水分解反応をどの程度促進するのかについて調べた。具体的には以下に示すような手順により行なった。
2.07mM 6-BPPTAH3(化合物6)の30%(v/v)MeCN-H2O溶液を調製した。溶液は20.0mM緩衝溶液(HEPES(pH7)、TAPS(pH8),CHES(pH9))とし、NaClO4を使用してイオン強度を0.100Mとした。NaOH水溶液を使用してpHをpH7、pH8、pH9に調節した。6-BBPTAH3溶液 2.90mLを5mLセルに量り取り、60mM barium 2-hydroxypropyl 4-nitrophenyl phosphate(Ba1/2 HPNP)水溶液0.100mL、40mM Zn(ClO4)2・6H2O水溶液 30.0μLの順に加えて素早く振り混ぜ、加水分解反応を行った。温度を35℃に保ち、UV-vis吸収スペクトルを測定し、400nmの吸収の変化を追跡した。10秒おきに30分間測定を行って反応の初速度Vinitを求め、pHに対してVinitをプロットした。加水分解反応の反応スキームを図13に、プロットした結果を図14に示す。なお、モル吸光係数ε=8700M-1cm-1(pH7)、16200M-1cm-1(pH8)、17800M-1cm-1(pH9)は、文献(Nomura,A.;Sugiura,Y.Inorg.Chem.2004,43,1708.)に記載されている値を使用した。
図14から明らかなように、二核亜鉛錯体(化合物7)によるHPNP加水分解の初速度はpHの上昇に伴って増加した。また、pH9における初速度Vinit=5.2×10-8Ms-1であり、これまでに合成された金属錯体の中では最も高いリン酸ジエステルの加水分解活性を有していることが分かった。なお、pH7〜pH9のどの条件でも沈殿の生成は見られなかった。これについては、リン酸ジエステルモノアニオンに含まれる2つの配位可能な酸素原子が金属含有錯体の2つの亜鉛イオンに架橋することによって、二核亜鉛錯体に取り込まれ、Zn(OH)2の生成が抑制されるることが原因であると考えられる。そこで、以下の実施例で二核亜鉛錯体(化合物7)の溶液中の構造について調べた。
(6)二核亜鉛錯体(化合物7)のpH滴定
6-BBPTAH3 (化合物6)11.4mg(25.0μmol)及びZn(ClO4)2・6H20 18.6mg(50.0μmol)を30%(v/v)MeCN-H2O混合溶媒 25.0mLに溶かした。この溶液にArバブリングしながら、0.100M NaOH水溶液(I=0.100M,NaClO4)を25.0μLずつ加えたときのpH変化を測定した。加えたOH-の当量に対してpHをプロットした結果を図15に示す。なお、pH測定は堀場製作所製M-12又はサーモエレクトロン社製520Aplusを使用し、標準緩衝液によって校正したのちに測定した(以下同じ)。
図15に示すように、pH4.5からpH6.9においては、適定したNaOH水溶液の約2当量のOH-を消費したことが分かった(図中の矢印部分)。これはヒドロキシル基のプロトンが解離することによりOH-が消費されたからであると考えられる。そのため、中性の溶液中では2つのヒドロキシル基がアルコキソ基となった[Zn2(6-BBPTAH)]4+が生成していると考えられる。また、2当量のOH-消費が連続して起こっていることから、プロトンの解離は、ほぼ同等な環境にある2つのヒドロキシル基で起った、すなわち、エチレンスペーサー部位ではなく二核配位子の両端に存在する2つのヒドロキシエチル基のプロトンで起ったと、考えられる。
中性を過ぎたあとには、明確なOH-の消費は見られなかったものの、pHの上昇が比較的ゆるやかであることから、三つ目のヒドロキシル基やZn(II)イオンに配位した水分子のプロトンが解離していると考えられる。
このように、pHが中性以上の溶液中では、二核亜鉛錯体(化合物7)はその両端に存在する2つのヒドロキシエチル基のプロトンが乖離した状態で存在することが分かった。また、滴定中に沈殿が生じたが、これはZn(II)イオンとOH-との塩であるZn(OH)2であると考えられる。
(7)二核亜鉛錯体(化合物7)のコールドスプレーイオン化質量(CSI MS)分析
6-BBPTAH3 (化合物6)1.37mg(3.00μmol)を5.00mLの1.20mM Zn(ClO4)2・6H20 30%(v/v) MeCN-H2O溶液に溶かして二核亜鉛錯体(化合物7)を調製し、そのpHを測定した。NaOH水溶液を用いてpH7に調節しCSI MS分析を行った。さらに、NaOH水溶液を加えてpH8、pH9、pH10に調節し、CSI MS分析を行なった。NaOH水溶液を加える前の金属錯体をポジティブモードで分析した結果を図16に示す。また、NaOH水溶液を加えた後のポジティブモードでの分析結果を図17に、ネガティブモードでの分析結果を図18にそれぞれ示す。なお、CSI MSスペクトルは日本電子製JMS-T100CSRX the AccuTOF CSにより測定し、測定時のオリフィス1および脱溶媒室の温度は室温であった。
その結果、6-BBPTAH3とZn(ClO4)2・6H2Oを1:2で混合しただけの溶液のpHはpH4.7であり、その状態でのCSI MSスペクトルを見ると、図16に示すようにm/z=619及び260のピークのみが観測された。これらのピークはそれぞれ単核錯体である[[Zn(6-BBPTAH3)](ClO4)]+、及び[Zn(6-BBPTAH3)]2+に帰属するので、弱酸性溶液中では配位子の三つのヒドロキシル基は全てプロトン化しており、6-BBPTAH3は単核化配位子として作用していると考えられる。また、このとき2つのビピリジル部位は四座のキレート配位子として一つのZn(II)イオンに配位していると考えられる。
また、図17及び図18に示すように、pH7、pH8の溶液では二核亜鉛錯体と思われる同位体パターンのピーク(m/z=293、313.5、685、882)がメインピークとして現れており、pH9以上になるとZn(II)イオンがZn(OH)2として沈殿したため、m/z=479の配位子にナトリウムイオンが付加した[6-BBPTAH3+Na]+のピークが強くなっている。なお、pH7からpH10の全ての条件において[Zn2(6-BBPTAH)]2+、[Zn2(6-BBPTAH)(MeCN)]2+及び[[Zn2(6-BBPTAH)](ClO4)]+に帰属するm/z=293、313.5及び685のピークが見られるが、これらはZn(II)イオンに配位した水分子などがはずれたフラグメントのピークであると考えられる。これらの化学種は、6-BBPTAH3の三つのヒドロキシル基のうちの二つがプロトン解離したジアルコキソ二核亜鉛錯体である。
さらに、m/z=603には[Zn2(OH)(6-BBPTAH)]+又は[Zn2(OH2)(6-BBPTA)]+、m/z=621には[Zn2(OH)(OH2)(6-BBPTAH)]+又は[Zn2(OH2)2(6-BBPTAH)]+に帰属するピークが弱いながらも確認できる。これらのジアルコキソヒドロキソ錯体とトリアルコキソ錯体は分子量が同じであるため、Zn(II)に配位した水分子と配位子のどちらが脱プロトン化したのかについては、質量分析からは判断できない。なお、m/z=293、313.5、685に対するm/z=603、621の相対的なピーク強度はpHの上昇に伴って増加しているが、これらのジアルコキソヒドロキソ錯体の生成が実施例4で見られたpH7以降のゆるやかなOH-消費の原因であると考えられる。
(8)二核亜鉛錯体によるリン酸モノエステルの取り込み
二核亜鉛錯体(化合物7)に取り込まれはするものの、加水分解はされないリン酸モノエステルを使用して、二核亜鉛錯体(化合物7)の加水分解反応における反応機構についてより詳細に調べた。具体的には以下の手順により行なった。
まず、6-BBPTAH3 2.28mg(5.00μmol)、Zn(ClO4)2・6H20 3.72mg(10.0μmol)、PhOPO3Na2・2H2O 1.27mg (5.00μmol)をサンプル瓶に量り取り、30%(v/v)MeCN-H2O溶液10mLを加えて3時間かき混ぜると無色の沈殿が生成したので、沈殿を吸引ろ過により集めた。そして、集めた沈殿のFAB MSスペクトルを測定した。FAB MSスペクトルとそのピークの帰属を図19に示す。
図19から明らかなように、FAB MSスペクトルにはm/z=757にピークが存在し、このピークは[Zn2(PhOPO3)(6-BBPTAH2)]+に帰属すると考えられることから、前記沈殿はリン酸モノエステルジアニオンを取り込んだ二核亜鉛錯体であると推定できた。
この沈殿は水及び有機溶媒に対する溶解度が非常に低かったので、この沈殿をMeOHに溶かして得られた上澄み液について、エレクトロスプレーイオン化質量(ESI MS)分析により分析した。ESI MSスペクトルとそのピークの帰属を図20に示す。なお、ESI MSスペクトルは日本電子製JMS-T100CSRX the AccuTOF CSにより測定し、測定時のオリフィス1および脱溶媒室の温度は室温であった。
図20から明らかなように、上澄み液のESI MSスペクトルをみると、ポジティブモードではm/z=757にピークが存在していることから、この二核亜鉛錯体は溶液中においてもリン酸モノエステルを取り込んだ状態を維持していると推定できる。ここで[Zn2(PhOPO3)(6-BBPTAH2)]+は配位子の三つのヒドロキシル基のうち一つのみがプロトン解離した構造である。しかし、溶液中でも二核構造が維持されていることから、溶液中では、二核亜鉛錯体は本来2つのヒドロキシル基がプロトン解離した状態の配位子が配位した[Zn2(PhOPO3)(6-BBPTAH)]の構造をしており、ESI MSスペクトルを測定する際にイオン化する段階でプロトン化した、と考えるのが妥当である。
一方、同じ図に示すように、ネガティブモードではm/z=773にピークを観測した。このピークは、基質であるリン酸モノエステルと共にヒドロキソ基が配位した構造、すなわち[Zn2(OH)(PhOPO3)(6-BBPTAH)]-、又は水分子が配位した[Zn2(OH2)(PhOPO3)(6-BBPTA)]-に帰属すると考えられることから、二核亜鉛錯体はこれら何れかの構造を取っていると考えられる。また、これらの構造から、二核亜鉛錯体が前記APの触媒機構の反応中間体を再現するモデル化合物(非特許文献1を参照)になりうる可能性があることが確認できた。
さて、溶液中の二核亜鉛錯体の構造が、ジアルコキソヒドロキソ錯体とトリアルコキソ錯体のいずれかであるのかについては、すなわちZn(II)に配位した水分子と配位子の何れか脱プロトン化したかについては、両者の分子量が同じであることためESI MSスペクトルの結果からは特定することはできない。そこで、溶液中で生じた化学種と配位子(6-BBPTAH3)の1HNMR(500MHz)スペクトルを比較することにより、化学種の特定を試みた。なお、この錯体は非常に溶解度が低かったので、1HNMRスペクトルを測定する際には積算を2880回行った。
1HNMRスペクトルを比較した結果を図21に示す。なお、この図の(1)はスペクトルの全体像であり、(2)は(1)の2.9〜4.5ppmの部分を拡大した図である。また、(a)は配位子(6-BBPTAH3)の1H-NMRスペクトルであり、(b)は二核亜鉛錯体の1H-NMRスペクトルである。
図21から明らかなように、Zn(II)イオンに確実に配位していると考えられる両端のヒドロキシエチル基のシグナルhの化学シフト値について比較すると、(a)配位子のみの場合と(b)錯体の場合との間で変化は殆ど見られない。通常、ヒドロキシル基がアルコキソ基となると電子密度が増加するため、酸素アニオンの隣の炭素に結合したプロトンのシグナルは、高磁場側にシフトすると考えられる。それにも係わらず化学シフト値は変化していなかったのは、ヒドロキシエチル基がZn(II)イオンに配位することによって電子密度が低下し、低磁場シフトが起ったためであると考えられる。すなわち、高磁場シフトと低磁場シフトが打ち消し合って、結果として化学シフトがほとんど変化しなったからであると考えられる。
一方、エチレン部位に導入されたヒドロキシメチル基のシグナルfは、錯体になることによりおよそ0.4ppm低磁場側にシフトしている。これは配位子がZn(II)イオンに配位することにより、間接的にヒドロキシメチル基の電子密度も低下したからであると考えられ、このヒドロキシル基はプロトン解離していないことを示唆している。
以上の結果を考慮すると、このリン酸モノエステルを取り込んだ二核亜鉛錯体は、溶液中では、ジアルコキソヒドロキソ錯体[Zn2(OH)(PhOPO3)(6-BBPTAH)]-を形成していると考えられる。
実施例4から6の結果から、化合物6は、中性溶液中では、その両端の二つのヒドロキシエチル基がプロトン解離してアルコキソ基となって、Zn(II)イオンに配位していること、中性から弱アルカリ性溶液中ではZn(II)イオンに配位した水分子がプロトン解離したジアルコキソヒドロキソ錯体を形成していることが分かった。
また、化合物6のアルコキソ基は、Zn(II)イオンのLewis酸性を低下させ、配位した水分子やアルコールから生じるヒドロキソ基やアルコキソ基などの求核種の求核性を高くする働きがある。一方で、化合物6はπアクセプター性のピリジン環を4つ有するため、Zn(II)イオンのLewis酸性の低下をある一定の範囲に収めようとする働きがある。このように、πアクセプター性のアミンと酸素アニオンによって、Zn(II)イオンのLewis酸性を調節しリン酸エステル加水分解に適した反応性の求核種を生成することは、二核亜鉛錯体(化合物7)の加水分解活性が高い理由の一つであると考えられる。
(9)二核亜鉛錯体(化合物7)の構造の推定
リン酸モノエステルを取り込んだ二核亜鉛錯体を利用して、二核亜鉛錯体の構造について調べた。具体的には、まず、リン酸モノエステルを取り込んだ二核亜鉛錯体のX線結晶構造解析を試みた。しかし、この錯体は溶解度が低いため、単結晶を得ることが困難であり、X線結晶構造解析による結晶構造の決定はできなかった。そこで、ESI MS測定から推定した構造[Zn2(OH)(PhOPO3)(6-BBPTAH)]-及び[Zn2(PhOPO3)(6-BBPTAH)]について、分子軌道計算による分子モデリングを行って、リン酸モノエステルを取り込んだ二核亜鉛錯体の構造の決定を試みた。その結果を図22に示す。なお、分子軌道計算による分子モデリングは、富士通製BioMed CAChe Active Site Version 6.1.12.34を使用してPM5法により行った。また、分子モデリングでは計算を簡略化するために、リン酸モノエステルとしてphenyl phosphateの代わりにmethyl phosphateを使用した。
図22(a)は[Zn2(OH)(MeOPO3)(6-BBPTAH)]-の計算結果を示しており、図22(b)は[Zn2(MeOPO3)(6-BBPTAH)]の計算結果を示している。これらの図に示すように、計算の結果、2つのZn(II)イオンの間の距離、Zn(II)・・・Zn(II)は、それぞれ5.230Å、5.476Åであった。そして、これらの距離はAPの亜鉛間距離である3.94Åはよりも長かった。また、これらの距離は、6-BBPTAHのビピリジン部位の代わりに、エチレンジアンミン部位、ピリジルメチル部位などを備えた二核亜鉛錯体がリン酸ジエステルを取り込んだときの金属間距離4.812Å〜5.0016Åよりも長かった。これは6-BBPTAHのビピリジン部位が、エチレンジアンミン部位、ピリジルメチル部位などと比べても硬くて曲がり難いため、亜鉛間の距離が広がったことが原因であると考えられる。そして、配位子が硬くて曲がり難いことは、錯体構造の自由度を低下させ、捕捉した基質の構造を歪めて求核攻撃を受け易くするので、二核亜鉛錯体(化合物7)の加水分解活性が高い理由の一つであると考えられる。
二核化配位子6-BBPTAH3の合成スキームを示す図である。 化合物3のIRスペクトルとピークの帰属を示す図である。 化合物3の1H-NMRスペクトルとピークの帰属を示す図である。 化合物3のFAB MSスペクトルとピークの帰属を示す図である。 化合物4のIRスペクトルとピークの帰属を示す図である。 化合物4の1H-NMRスペクトルとピークの帰属を示す図である。 化合物4のFAB MSスペクトルとピークの帰属を示す図である。 化合物6のIRスペクトルとピークの帰属を示す図である。 化合物6の1H-NMRスペクトルとピークの帰属を示す図である。 化合物6の1H-1H COSYスペクトルとピークの帰属を示す図である。 化合物6の1H-1H NOESYスペクトルとピークの帰属を示す図である。 化合物6のFAB MSスペクトルとピークの帰属を示す図である。 二核亜鉛錯体によるリン酸ジエステルの加水分解反応の反応スキームを示す図である。 二核亜鉛錯体によるリン酸ジエステルの加水分解反応の反応速度を異なるpHのもとで測定した結果を示す図であり、pHとVinitとの関係をプロットした図である。 二核亜鉛錯体をpH滴定した結果を示す図であり、加えたOH-の当量とpHとの関係をプロットした図である。 。NaOH水溶液を加える前に測定した二核亜鉛錯体のCSI MSスペクトルとそのピークが帰属する化学種を示す図である。 NaOH水溶液を加えてpHを変えた後に、ポジティブモードで測定した二核亜鉛錯体のCSI MSスペクトルとそのピークが帰属する化学種を示す図である。 NaOH水溶液を加えてpHを変えた後に、ネガティブモードで測定した二核亜鉛錯体のCSI MSスペクトルとそのピークが帰属する化学種を示す図である。 リン酸モノエステルの取り込んだ二核亜鉛錯体のFAB MSスペクトルとそのピークの帰属を示す図である。 リン酸モノエステルを取り込んだ二核亜鉛錯体のESI MSスペクトルとそのピークの帰属を示す図である。 溶液中で生じた化学種と溶液中の配位子との1H-NMRスペクトルを比較した結果を示す図である。 リン酸モノエステルを取り込んだ二核亜鉛錯体の構造について、分子軌道計算により分子モデリングした結果を示す図である。

Claims (2)

  1. 式(1)
    Figure 2007302564
    で示される二核化配位子。
  2. 式(2)
    Figure 2007302564
    で示される二核亜鉛錯体。
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