JP2007300908A - イチゴ類栽培補助用長尺ピロ− - Google Patents

イチゴ類栽培補助用長尺ピロ− Download PDF

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Abstract

【課題】 ハウス栽培におけるイチゴ類栽培法において、イチゴ株の簡便な保冷や保温の仕組み、栽培土壌に直接接触させない仕組み、加えてイチゴ果実に万遍なく陽光などを照射させる仕組みの提供。
【解決手段】 挿入水を満たした長尺ピロ−4が、栽培土壌畝1上でその長尺方向が前記複数のイチゴ株8の栽培列に沿うように、前記イチゴ株の各クラウン部15に近接するように設置されている、イチゴ類栽培補助用長尺ピロ−を提供した。
また、前記果実側の前記長尺ピロ−の上部に、不織布などの農業シ−トが敷設されているイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−を提供した。
前記長尺ピロ−が、前記クラウン部を栽培に適した温度に保ち、前記栽培土壌畝と分離してソフトな枕床となり、陽光などを上部に反射する作用をする。
【選択図】図1

Description

本発明は、イチゴ類の栽培の補助装置に係わり、前記イチゴ株のクラウン部と果実部に作用するピロ−とその使用方法に係わる。
イチゴ類の栽培法には、大別して露地栽培法とハウス栽培法とがある。
また、前記ハウス栽培法には、土耕栽培法とベンチ栽培法とがある。
前記土耕栽培法は、ハウス内の大地に土壌あるいは人工土壌などの栽培土壌で畝を作って栽培する方法である。
また、前記ベンチ栽培法は高設栽培法とも称し、樋状栽培方式、バッグ状栽培方式などがあるが、何れも立体的にラック(rack;置き棚)を設け、ラック上に設置された樋状容器やハンモック状の吊り容器などに栽培土壌を入れて栽培する方法である。
高設栽培法の主な目的は、日常の栽培管理から収穫までの農作業を立ち姿勢で行なうことができ、労働強度が軽減されること、および栽培の集約化である。
本発明においては、以降これらの高設栽培法をベンチ栽培法と称する。
ハウス栽培法は、温度、湿度、陽光などの環境条件が自由に調節可能で、集約的栽培を合理的に行うことができる。
ハウス栽培は、農産物ではイチゴを含めて、ブドウ、メロン、キュウリ、あるいはトマトなどに適用されている。
イチゴ類は、バラ科に属し、園芸学的分類では、液果類(漿果類)に属する。
また、イチゴ類は、草本の多年草であり、イチゴ株は毎年同じ親株に花を着け、通常5年同一株に着花するが、1、2年目の終了時が最大である。
開花、結実が終わるとランナ−を出し、その先に子株(ランナ−プラント)をつけ繁殖する。
このように、イチゴ類は農産物である他の果実や野菜に比較して、特異な植物であるので、イチゴ類の栽培においてはその品種などに適した特別な工夫が必要となる。
特開2003−339254 登録実用新案第3009940号 特開平6−90614 特開平6−22643 なお、引用文献からの引用文およびその説明は、前記引用文の表現をそのまま用いるものとする。
「特許文献1」の段落番号「0004」に、「ビニ−ルハウス内にベンチ式栽培槽を設け、この栽培槽内に収容した培養土により植物を栽培するようにしたビニ−ルハウス栽培装置において、前記栽培槽の底部に、通水性を有する底部材を栽培槽の長さ方向に沿って連続して設け、該低部材の下方に水溶液を所定のレベルに保って循環させる水溶液槽を設け、この水溶液槽の水溶液上面と前記底部材との間に、水溶液を保温あるいは保冷するヒ−トパイプを配設した」と開示されている。
また「特許文献1」の段落番号「0005」に、、「上記ヒ−トパイプにより保温あるいは保冷された水溶液を、培養土の上部に設けた散水管を介して培養土に散水するようにした」と開示されている。
「特許文献1」は、段落番号「0003」、「0013」、「0015」などに開示されているように、温度管理を行った肥料成分を含む水溶液を散布し、余分な水溶液は底部材を介して水溶液槽にもたらされて循環させるので、ハウス栽培農作物に対する温度設定ができ、水溶液の垂れ流しが防止され、環境に優しい栽培装置となるというものである。
「特許文献2」の段落番号「0007」に、「苺は葉や茎の成長と共に、クラウンと呼ばれる主茎根部から果実になる花茎が出て実を結ぶが、成長の儘にしておくと葉や茎が繁茂して通風を悪くし採光の妨げとなって良質の実を作らなくなる」と開示されている。
また、段落番号「0005」に、「苺のような植物の生育過程で、葉と主茎根部を人工的に分け前記主茎根部から出る花茎部が葉の影にならないように一方向に集めて、植物が成長期に充分に採光できるようにする他に、病害虫対策のため薬剤の散布ができるだけ均一ならしめる手段として植物生育用補助柵を提供・・」と開示されている。
植物生育用補助柵は、「特許文献2」の段落番号「0013」〜「0015」に開示されているように、外枠に連続した2本の脚を地中で支え、これに囲まれた下部に開口した切込み部、枠で構成した窓部などに葉や茎を分けて挿入して、苺苗の成長に合わせて脚を地中から徐々に引き上げてゆく。
この植物生育用補助柵の使用によって繁茂した葉や茎を区分けし、良質な実を作るとしている。
「特許文献3」の段落番号「0011」に、「・・ハウス内にて栽培されたイチゴの定植周辺の地温を制御するイチゴの栽培方法であって、前記地温を高温期間中20℃〜25℃に維持しかつ低温期間中13℃〜18℃に維持し、更に高温長日期間中、イチゴに短日処理を行っている」と開示されている。
また、「特許文献3」の段落番号「0021」には、「図1(a)には、空冷式の冷水温湯機(ヒ−トポンプ)2、熱媒体用タンク3、循環用ポンプ4、各パイプ5及びサ−モスタットからなる地温制御システム1が示されている。そして、本実施例1、2では、このシステム1を土壌を冷却または加温するための手段として用いている」と開示されている。
「特許文献3」の段落番号「0025」には、「・・パイプ5を畝7の上面付近に前記パイプ5を平行に3本配設する区(畝上冷水・短日処理区)と、畝7上面より7cm下の位置に前記パイプ5を平行に3本埋設する区(土中冷水・短日処理区)とを設定した」と開示されている。
段落番号「0025」には「・・パイプ5を畝7の上面付近に前記パイプ5を平行に3本配設・・」との記載があるが、「特許文献3」の図1によると、パイプ5は何れの個所も畝土中に埋設されている。
「特許文献3」は、温水あるいは冷水を畝土中に埋設されたパイプで循環させ、畝上の温度を任意に制御する方法と構造が開示されているものである。
「特許文献4」の段落番号「0008」に、「・・高温期間中にハウス内にてイチゴを栽培する方法にあって、イチゴの定植部周辺の地温をイチゴの収穫可能な期間を通じて20℃〜25℃に維持・・」と開示されている。
また、「特許文献4」の段落番号「0012」に、「・・前記ハウスは雨除ハウスであり、かつそのハウスは高温時に遮光されることが望ましい。その理由は、雨や強い日差し等のハウス内の環境を変動させる因子を極力少なくし、地温を一定に保持するためである」と開示されている。
また、「特許文献4」の段落番号「0016」には、「タンク3に貯留されている冷媒としての水は、ヒ−トポンプ2によって、10℃〜14℃に冷却された後、循環用ポンプ4によって各パイプ5へ圧送される。そして、その水は地温を降下させた後に、再びタンク3に回収される。」と開示されている。
また、「特許文献4」の段落番号「0018」に、「・・畝7上面より7cm下の位置に前記パイプ5を平行に3本埋設した。また、パイプ5は塩化ビニル製であり、その外径及び内径はそれぞれ25mm、20mmである。この場合、パイプ5の埋設数は根系の発達を妨げない程度の本数であることが望ましい」と開示されている。
「特許文献4」には、イチゴの収穫期に畝土中に埋設された循環冷却水によって畝土の地温を下げること、および地温を効率よく下げるために、ハウスは高温時に遮光されることが開示されている。
一般に農作物のハウス栽培の目的は、冬季などの寒冷期における保温などによって、農作物の栽培に適さない季節における栽培と収穫を確保することである。
さらに、農作物の生育可能な季節においても、さらなる加温や環境条件のコントロ−ルによって、栽培農作物の生育促進、収穫量の増大をねらうことなどである。
イチゴ類の果実は、花床が肥大発達して肉質となった偽果であり、真果に相当するのは、花たく上のそう(痩)果であり、一般的にはそう果をさしてイチゴの種子と呼ぶ。
イチゴ類は草本の多年草であり、イチゴ株は一般に土壌に這うように低いことがその特徴でもある。
また、わが国の亜熱帯地方の夏季においては、気温が高温になり着花など栽培に好ましくない場合が多く、露地栽培においては気温の低い高地での栽培、ハウス栽培においては、短日栽培、ハウス内の低温化、あるいは栽培土壌の低温化などが必要になる。
また、冬季においては、ハウス内の温暖化、あるいは栽培土壌の加温などが必要になる。
このようにイチゴ類は、他の果実に比較して特異な果実植物であるので、イチゴ類の栽培にはその品種毎の特別な工夫が必要となる。
なお、イチゴ株においては、花柄の先端の花はやがてイチゴ果実となると、花柄は果柄になるので、成長段階の何れをも含む名称として、それぞれの単独状態や複合状態を含めて本発明では、果柄と表現するものとする。
また、土壌関連物とは土耕栽培においては栽培土壌や畝、ラック栽培においては栽培土壌、土壌容器、土壌バッグ、土壌樋、あるいはラックそのものなどを指すものとする。
バラ科に属するイチゴ類は、わが国での露地栽培においては、温帯や亜熱帯地方の春秋植物であり、高温の夏季、低温の冬季には栽培が適さないので、ハウス栽培が盛んに行われている。
次に、土耕栽培法やベンチ栽培法におけるイチゴ類のハウス栽培の課題を示す。
イチゴ類のハウス栽培における第一の課題は、各イチゴ品種に適したタイミングで、ハウス内気温あるいは栽培土壌について、夏季には保冷、冬季における保温を行う必要があることである。
したがって、夏季におけるイチゴ株の周囲気温や栽培土壌の低温化や短日化など、冬季におけるイチゴ株の周囲気温や栽培土壌の加温などの可能なハウス栽培が行われている。
また、イチゴ株は農土に這うように生育する低草本であるから、イチゴ果実は栽培土壌などの土壌関連物に接触しやすい。
加えて果柄が比較的長く細いので、イチゴ果実が土壌関連物に接触しやすく果実の重力も加わるので、土壌関連物が結露すると、これに接触したイチゴ果実の下部が変色したり変形したりする。
このことから、第二の課題は、イチゴ果実を栽培土壌などの土壌関連物に直接接触させないようにすることである。
イチゴ類の果実は、できれば土壌関連物に接触しない状態か、接触する場合には結露状態でも、表面に水滴が滞留しない材料であることを要する。
また、イチゴ類のように極端に低い草本の場合、イチゴ果実は栽培土壌などの土壌関連物に近接しているので、イチゴ果実に均一に陽光などを照射することが難しく、イチゴ果実の着色斑や形状斑などの原因となり易く、品質を劣化させる。
このことから、第三の課題は、陽光などをイチゴ果実に万遍なく照射することである。
なお、陽光など、とはハウス内の陽光および人工光などを指す。
つぎに、これらの課題に関する現状を説明する。
前記第一の課題である、イチゴ類の品種毎の適宜な保冷や保温に関することは、ハウス栽培の採用で一応は解決する。
しかしながら、ハウス栽培法の効果を上げるためには、ハウス内の全空域の空調や栽培土壌畝自体を対象として、夏季の保冷や冬季の保温のために冷媒や温水などを循環させるなど、大がかりな設備と多大な電力や燃料などの用役を必要とするので、採算性から積極的な温度管理までは十分には行われてない。
前記第二の課題である栽培土壌などの土壌関連物から果実を非接触状態としたり、ソフトな接触状態とする対策として、果柄およびイチゴ果実の下部の土壌や土壌関連物などの外側に、樹脂フィルムなどを部分的に敷設するなどの方法が採られているのに過ぎないのが現状である。
前記第三の課題である、陽光などをイチゴ果実に万遍なく照射する工夫に関しては、積極的な対策は殆ど採られてなく、陽光などがイチゴ株周辺の土壌関連物、敷設された樹脂フィルム、あるいは近傍の壁面や器材からの消極的な反射に頼っているのが現状である。
かかる現状から、設備コストが低廉で、用役消費が少なく、多大な労力を必要としないで、前記第一、第二、第三の課題を解決することができる、簡便な方法や仕組みの提案が、イチゴ類のハウス栽培業者など、関係者に望まれているところである。
本発明は上記従来の課題を考慮して、ハウス栽培における土耕栽培法やベンチ栽培法によるイチゴ類栽培において、イチゴ株の簡便な保冷や保温の仕組み、栽培土壌などに直接接触させない仕組み、加えてイチゴ果実に万遍なく陽光などを照射させる仕組みなど、多目的なシステムの提供を目的とする。
イチゴの収穫期近においては、イチゴ株は、根部、クラウン(crown)部、葉柄、葉、花柄や果柄、花およびイチゴ果実などからなる。
クラウンは短い茎で、ここから葉が特定の葉序をもって互生し、葉柄、花柄や果柄、イチゴ果実の発生個所でもある。
云わば、クラウン部はイチゴ株のかなめ(要)となる部分であると考えられる。
発明者は上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、イチゴ株のクラウン部を局所的に適宜保冷あるいは保温することにより、ハウス内や栽培土壌の保冷あるいは保温を大きく補完する作用があることを見いだした。
発明者は前記発明の目的に鑑み、鋭意検討を重ねて以下の発明に至ったものである。
すなわち、イチゴ類のハウス栽培における土耕栽培法、あるいはベンチ栽培法おいて、図1に示す如く、軟質樹脂管内に挿入水を有する構造の長尺ピロ−4が、栽培土壌畝1上に設置されていて、前記長尺ピロ−はその長尺方向が前記複数のイチゴ株8の栽培列に沿うような位置で前記栽培土壌上に敷設され、前記長尺ピロ−の長尺方向の横断面における側面部が、複数のイチゴ株の各クラウン部15に近接するように敷設され、あるいは、2個の長尺ピロ−の横断面における側面部が複数のイチゴ株の各クラウン部15に近接して前記各クラウン部を両側から夾むように敷設され、前記長尺ピロ−のイチゴ果実側の上下位置は、果柄および前記イチゴ果実9の下部と、前記栽培土壌畝1の表層部との間の位置であることを特徴とする、イチゴ類栽培補助用長尺ピロ−の発明に至った。
また、前記長尺ピロ−において、図3に示すように、前記果実側の前記長尺ピロ−の上部に、農業シ−ト25が敷設されていることを特徴とする、イチゴ類栽培補助用長尺ピロ−の発明である。
さらに、前記長尺ピロ−において、前記長尺ピロ−の色相が、修正マンセル色票で無彩色N値8以上の高明度色、あるいは修正マンセル色票で無彩色N値4以下の低明度色であることを特徴とする、イチゴ類栽培補助用長尺ピロ−の発明である。
また、前記農業シ−トにおいて、前記農業シ−トの色相が、修正マンセル色票で無彩色N値8以上の高明度色、あるいは修正マンセル色票で無彩色N値4以下の低明度色であることを特徴とする、イチゴ類栽培補助用長尺ピロ−の発明である。
さらに、前記農業シ−トにおいて、使用時に表面になるべき側が不織布であって、前記農業シ−トの断面層中に鏡面金属層を有することを特徴とする、イチゴ類栽培補助用長尺ピロ−の発明である。
また、前記長尺ピロ−において、図7のシ−ム管タイプ47の如く、前記長尺ピロ−の長尺方向の横断面における側面の両端縁部が外側で接合され、耳部48を形成しているシ−ム管タイプであることを特徴とする、イチゴ類栽培補助用長尺ピロ−の発明である。
さらに、前記挿入水において、地下水、あるいは、別建ての冷水供給機あるいは温水供給機によって得られた冷水あるいは温水を、前記長尺ピロ−内に循環させることを特徴とする、イチゴ類栽培補助用長尺ピロ−の発明である。
(1) 軟質樹脂管内に挿入水を満たした構造の長尺ピロ−を、各イチゴ株の栽培列の長手方向に沿って、各イチゴ株のクラウン部に近接して栽培土壌上に設置し、前記長尺ピロ−上に、あるいは前記長尺ピロ−上の農業シ−トを介して、果柄およびイチゴ果実を乗せるだけの簡便な仕組みである。
したがって、極めて簡便な設備であるので低コストで設置できる。
(2) ハウス栽培イチゴ類の栽培における、前記第一の課題に対応する本発明の長尺ピロ−の第一の作用は次の如くである。
長尺ピロ−法は、簡単な仕組みで、ハウス内全体の保冷や保温あるいは栽培土壌畝の保冷や保温などの効果を大きく補完し、維持費が低廉で、用役消費が少ないにも拘わらず、イチゴ果実の収穫量を高め、品質を向上するる効果がある。
(3) 前記第二の課題に対応する第二の作用は次の如くである。
長尺ピロ−法は、イチゴ果実と、栽培土壌などの土壌関連物との直接接触を排するセパレ−ト機能と共に、イチゴ果実に対しソフトな接触状態にする枕床の如き機能を果たし、果実への圧力を緩和し、イチゴ果実の変形などを避けて品質向上に寄与する。
(4) また、結露の発生しやすい季間には、イチゴ果実が乗る長尺ピロ−上に不織布などのポ−ラスな構造の農業用シ−ト敷設することによって、前記農業シ−トの組織中に水分を吸収させ、表面に水滴などの水分凝集がないようにできると共に、さらにソフトな接触状態が得られ、イチゴ果実の変質や着色不均一などを防ぐ。
(5) 前記第三の課題に対応する第三の作用は、長尺ピロ−の採用によって、果実の裏側にも陽光などが反射して照射され、長尺ピロ−の色相を高明度色とすれば、さらに反射性が強化し、イチゴ果実の着色がより均一化して品質がより向上する。
また、前記前記農業シ−トを付加敷設する場合には、色相を高明度色とすれば、陽光などの上部への反射性をより強化でき、イチゴ果実の着色が均一化して品質が向上する。
また副次的に、イチゴ株自体も下部から陽光などの照射を受けて光合成を助け、生産性が向上する。
逆に冬季などに、長尺ピロ−、あるいは長尺ピロ−上の農業シ−トの色相を低明度色とすれば、昼間の陽光などの輻射熱を吸収し、前記長尺ピロ−の保温に寄与する。
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1は、ハウス栽培の土耕栽培法における、外なり法イチゴ株に本発明の長尺ピロ−を適用した略図である。
図1の図における左側に栽培土壌畝と長尺ピロ−の横断面図部2、および右側には栽培土壌畝1とその上部を示す斜視図部3を描いている。
横断面図部2には、栽培土壌畝1の畝横断面7と、挿入水6を満たした長尺ピロ−4の横断面部5を描いている。
また、斜視図部3には、栽培土壌畝1、長尺ピロ−4、イチゴ株8、イチゴ株のクラウン部15、およびイチゴ果実9を描いている。
図1において、栽培土壌畝1上にイチゴ株8が植えられていて、外なり法ゆえに図において栽培土壌畝1の左側および右側の前記イチゴ株は、果柄やイチゴ果実9が前記栽培土壌畝の両外側に向かって伸びている様子を示している。
長尺ピロ−4は、前記イチゴ株の2列の中央、左側および右側の3列設置されている例で描いている。
図1において、左側のイチゴ株8の畝の長手方向の株列は、左側の長尺ピロ−4と中央の長尺ピロ−4とに前記イチゴ株のクラウン部15が夾まれ、右側のイチゴ株8の畝の長手方向の株列は、右側の長尺ピロ−4と中央の長尺ピロ−4とに前記イチゴ株のクラウン部15が夾まれている。
このように、挿入水を満たした長尺ピロ−4の横断面の側面部が、前記イチゴ株のクラウン部15に近接しているので、前記挿入水の温度がクラウン部15に伝達される。
しかして、第一の作用であるイチゴ株のクラウン部の保冷や保温が可能になり、第二の作用であるイチゴ果実のソフトな枕床となり、第三の作用である陽光などの上部への反射などが可能になる。
図10は、従来の土耕栽培法で、植えられているイチゴ株部分の栽培土壌畝1の横断面部の略図である。
図10において、イチゴ株8は、根部14、クラウン部15、葉部16、果柄17およびイチゴ果実9などからなる。
栽培土壌畝1の表層部には、灌水管18が設置されていて、前記イチゴ株に適宜散水ができるようになっている。
図10のイチゴ株は外なり法であるので、図において左側のイチゴ株8は、果柄17とイチゴ果実9が栽培土壌畝1の左側の栽培土壌畝上に農業用フィルム19を介して乗っている。
図において右側のイチゴ株8は、果柄17とイチゴ果実9が栽培土壌畝1の右側の栽培土壌畝上に農業用フィルム19を介して乗っている。
農業用フィルム19は、前記イチゴ果実が栽培土壌に直接触れて痛むのを防ぐため、前記イチゴ果実が栽培土壌1に直接触れないようにするためのもので、PE(ポリエチレン)樹脂フィルム、あるいはPVC(塩化ビニル)樹脂フィルムなどが使われている。
図2は、土耕栽培での外なり法イチゴ株に長尺ピロ−適用例の畝部分の横断面略図である。
図10に対し、図2は本発明の長尺ピロ−4を適用した場合で、栽培土壌畝1にイチゴ株8が生育している様子を示していて、イチゴ株8は、根部14、クラウン部15、葉部16、果柄17、およびイチゴ果実9などからなる。
栽培土壌畝1の表層部には灌水管18が設置されていて、前記イチゴ株に適宜散水ができるようになっている。
図2において、挿入水6が満たされている長尺ピロ−4は、2列のイチゴ株8の左側、中央および右側に設置されていて、おのおの前記長尺ピロ−の前記横断面部の側面部がイチゴ株8のクラウン部15に近接し、クラウン部15を夾む如き位置に設置されている。
しかして、長尺ピロ−4の適用によって、前記第一の作用である挿入水6の温度管理によって、イチゴ株8のクラウン部15が各イチゴ品種に適したタイミングで、各イチゴ株の前記クラウン部を冬季においての保温、あるいは夏季においての保冷を行うことを可能にしている。
さらに、長尺ピロ−4の適用により、前記第二の作用である前記イチゴ果実を栽培土壌畝1に接触させないようにすることを可能にしている。
図2に示すイチゴ果実9がある側、つまり図における栽培土壌畝1の左側と右側の長尺ピロ−4自体が、前記イチゴ果実が栽培土壌畝1に直接触れないようにする役割を担うと共に、ソフトな枕床の役割を果たしている。
つまり、挿入水を有する薄い管壁の長尺ピロ−にイチゴ果実が乗る場合、長尺ピロ−は薄い管壁に囲まれた水であるので、柔らかくて弾力性があり、従来の栽培法の如く栽培土壌畝に農業用フィルムを介してイチゴ果実が乗る場合に比較して、格段にソフトであり、イチゴ果実の変形などのない良好な品質のイチゴ果実が得られる。
さらに前記第三の作用であるところの、夏季などのの高気温時に長尺ピロ−4を白系色などの高明度色にすることよって、放射率(emissivity)を低めて反射性を上げ、イチゴ果実の裏側にも陽光などを照射させ、イチゴ果実の着色の均一性などを向上させる結果になり、イチゴ株自体の炭酸同化作用を強めることができる。
さらに、陽光などの輻射熱による前記長尺ピロ−の加温を防ぐことができる。
逆に、冬季などは長尺ピロ−4を黒系色などの低明度色にすることによって放射率を高め、陽光などの吸収性を上げ、長尺ピロ−の加温に寄与させることができる。
図3は、土耕栽培での外なり法イチゴ株に長尺ピロ−と農業シ−ト敷設の適用例の略図である。
図2において、イチゴ果実9が乗る側である図における右側と左側の長尺ピロ−4が、季節やハウス内の温湿度条件によって、結露し凝集して水滴を生じ、前記イチゴ果実が水滴との接触によって着色斑、変形、あるいは腐食する場合がある。
かような恐れのある場合には、図3に描くように前記イチゴ果実が乗る側の長尺ピロ−4上に、農業シ−ト25を敷設する。
適用する前記農業シ−トとしては、結露してもその水分がシ−ト材料自体やシ−トの組織中に吸収されて表面が殆ど濡れない性質をもつ繊維集合体などがこれに相当する。
このように長尺ピロ−に前記農業シ−トを敷設しても、前記第一の作用である挿入水6の温度管理によってイチゴ株8のクラウン部15が各イチゴ品種に適したタイミングで、夏季においての保冷、冬季における加温を行う機能については、前記農業シ−トを敷設しない図2の場合と全く同様である。
なお、図3では外なり法であるので中央部の長尺ピロ−上にはイチゴ果実が乗らないので、前記農業シ−トは不要であり用いてない例で描いている。
長尺ピロ−上に前記農業シ−トを敷設することにより、前記第二の作用である前記イチゴ果実を栽培土壌に接触させない機能性が高まり、さらに、前記農業シ−トの敷設でソフトな枕床の機能性が高まり、イチゴ果実の接触部の変形や着色斑などの阻止性が、一段と向上する。
図3において、左側と右側の長尺ピロ−4自体は、前記農業シ−トに覆われるが、不織布や編織布などの繊維集合体の生地色は、一般に無漂白綿布の色相のイメ−ジで低明度色であるので反射性があり、イチゴ果実の裏側にも陽光などを照射し、着色均一性などの品質を上げることができる。
夏季の高気温時には、農業シ−ト25を白系色などの高明度色にすることよって、放射率を低めて反射性をさらに上げることができる。
しかして、第三の作用であるイチゴ果実の裏側にも陽光などを照射させ、イチゴ果実の着色の均一性などを向上させることができ、加えてイチゴ株自体の炭酸同化作用を強めることができる。
また、断面層中に鏡面金属層を有する農業シ−トを用いれば、反射性がさらに向上し、陽光などをイチゴ果実に万遍なく照射する役割をさらに効果的にし、加えてイチゴ株自体の炭酸同化作用をさらに強めることができる。
また、夏季における陽光などの輻射熱による前記長尺ピロ−の加温をさらに防ぐことができる。
さらに、断面層中に鏡面金属層を有する農業シ−トを用いれば、遮光性となり栽培土壌畝のその部分の雑草の生育を阻止できる。
逆に、冬季などは農業シ−ト25を黒系色などの低明度色にすることによって放射率を高め、陽光などの吸収性を上げ、長尺ピロ−の加温に寄与させることもできる。
このように、前記農業シ−トの併用の有無に拘わらず、前記第一の作用であるイチゴ株のクラウン部の夏季においての保冷、冬季における加温を行う機能があり、前記第二の作用であるイチゴ果実に対するソフトな枕床機能、および前記第三の作用である反射によるイチゴ果実の裏側への陽光などの照射機能を果たす。
なお、結露の恐れのない季節においても、長尺ピロ−上に前記農業シ−トを敷設すれば、イチゴ果実が乗ったときに、さらに接触がソフトになりイチゴ果実の品質がさらに良好になる。
図4は、土耕栽培での外なり法イチゴ株に、長尺ピロ−と農業シ−ト敷設適用の別例の略図である。
図4は、果柄が長い品種のイチゴ株の場合などに、横方向幅の長い長尺ピロ−4を適用した例で、前記長尺ピロ−の各外側の端部が、栽培土壌畝1の畝の肩部28より外側に垂れている例である。
かような横方向幅の長い長尺ピロ−を適用すれば、長尺ピロ−の作用範囲が広がり、果柄が長い品種の場合に、イチゴ果実全てに前記長尺ピロ−の作用がおよび、チゴ果実の変形などを防ぐ作用の範囲が広がる。
また、かような長尺ピロ−の適用によっても、前記第一の作用である各イチゴ株の前記クラウン部を冬季においての保温、あるいは夏季においての保冷を行うことが可能であることは、図3における場合の説明と同様である。
また、図4において左側と右側の長尺ピロ−は、農業シ−トによって隠れるので、この場合の農業シ−トの前記第二、第三の作用をもたらすための要件などは、図3における場合の説明と同様である。
図5は、土耕栽培での内なり法イチゴ株に、長尺ピロ−と農業シ−ト敷設の適用例の略図である。
図5において、横断面部5で示す挿入水6が満たされている長尺ピロ−4は、2列のイチゴ株8の左側、中央および右側に設置されている。
長尺ピロ−4の横断面部5の側面部がイチゴ株8のクラウン部15に近接して、イチゴ株のクラウン部が、中央の長尺ピロ−4とおのおの左右の長尺ピロ−4に夾まれている様子を示している。
内なり法であるので、中央の長尺ピロ−4の側にイチゴ株があるので、農業シ−ト25は中央の前記長尺ピロ−上に敷設されていて、イチゴ果実のない左側および右側の前記長尺ピロ−上には前記農業シ−トは用いてない例である。
また、かように長尺ピロ−4の適用により、前記第一の作用である挿入水6の温度によってイチゴ株8のクラウン部15が各イチゴ品種に適したタイミングで、冬季においての保温、あるいは夏季においての保冷を行うことが可能であることは、図3における場合の説明と同様である。
また、図5において中央の長尺ピロ−は、農業シ−トによって隠れるので、この場合の農業シ−トの前記第二、第三の作用をもたらすための要件などは、図3における場合の説明と同様である。
図6は、ベンチ栽培での外なり法イチゴ株に長尺ピロ−と農業シ−ト敷設の適用例の略図である。
図6において、ベンチ31上の容器30に充填されている栽培土壌29に植えられているイチゴ株に長尺ピロ−を適用し、さらに前記長尺ピロ−上に農業シ−ト25を敷設させた例である。
図6において、挿入水6が満たされている長尺ピロ−4は、2列のイチゴ株8の左側、中央および右側に設置されていて、前記長尺ピロ−の横断面5の側面部がおのおのイチゴ株8のクラウン部15に近接して、各イチゴ株のクラウン部15が2つの前記長尺ピロ−に夾まれている様子を示している。
図6の場合、外なり法であるので、イチゴ果実はおのおのイチゴ株の外側にあるので、左側、右側の長尺ピロ−4上に農業シ−ト25を併用し、中央部の長尺ピロ−4上にはイチゴ果実がない側の長尺ピロ−であるので、農業シ−トは用いてない例としている。
かように、ベンチ栽培法においても前記長尺ピロ−の適用により、前記第一の作用である、挿入水6の温度管理によってイチゴ株8のクラウン部15が各イチゴ品種に適したタイミングで、冬季においての保温、あるいは夏季においての保冷を行うことが可能であることは、図3の場合の説明と同様である。
また、図6において左側と右側の長尺ピロ−は、農業シ−トによって隠れるので、この場合の農業シ−トの前記第二、第三の作用をもたらすための要件などは、図3における場合の説明と同様である。
以上が、図面に基ずく本発明のイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−の態様の説明である。
次に、本発明のイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−の作用関連の説明をする。
本発明の前記第一の作用は、イチゴ株のクラウン部の保冷あるいは保温機能を果たすことである。
本発明の長尺ピロ−は、軟質樹脂管に通常の水である挿入水を満たしているだけの構造である。
前記軟質樹脂管の管壁の厚さは、フィルムあるいはシ−トと表現できる程度の薄い厚さであり、したがって弾力性があり感触がソフトな長尺ピロ−となり、さらに水は全ての物質中で比熱が最も高いという特徴がある。
しかしながら、防腐剤あるいは色剤などの僅かな添加物を添加する場合があり、これらは微量であるので本発明においては前記通常の水の範疇とする。
イチゴ株のクラウン部が保冷作用あるいは保温作用をもたらすところの、本発明の長尺ピロ−の挿入水の要件は、大別して自然吸放熱利用法と、別供給挿入水法とがある。
前者の自然吸放熱利用法は、挿入水を実質的に静止水とする方法で、基本的に日中と夜間とのハウス内の気温差を利用する方法で、イチゴ株のクラウン部の保冷、あるいは保温作用を果す仕組みである。
わが国の亜熱帯域のハウス栽培法では、春季の中頃や秋季の中頃においては一般に日中にかなり気温が上がり、一方夜間には気温が下がり、1日における気温の上下が激しい。
かような季節に適用する自然吸放熱による保冷作用は、気温が低温になる夜間に長尺ピロ−中の挿入水が冷却水となり、日中の気温上昇時に長尺ピロ−中の前記冷却水がクラウン部周辺を冷却する作用をする。
また、気温が高温になる日中に長尺ピロ−中の挿入水が温水となり、気温が低くなる夜間に前記温水がクラウン部周辺を保温する作用をする。
水の比熱はきわめて高いので、かような条件の季節では、自然吸放熱法でイチゴ株のクラウン部に保冷あるいは保温作用を与えることができる。
昼間と夜間の温度差が大きな季節や地域などにおいては、循環や交換を必要としない実質的な静止水のままでこのサイクルが繰り返される。
本発明の長尺ピロ−に、自然吸放熱作用を適用する場合は極めて経済的である。
なお、長尺ピロ−を適用しなくてもよい季節の場合は、長尺ピロ−を特に撤去せずに設置したままでもイチゴ株に害は与えない。
自然吸放熱の利用、つまり実質的に静止水による方法は、栽培地域における気候、昼夜の気温差、晴れる率、陽光の強さ、季節などによっては限界がある。
後者の別供給挿入水法は、かような場合に長尺ピロ−の挿入水を他の施設での適温水と交換したり、適温とした水を挿入として循環させる方法である。
なお、別供給挿入水法には、天然水である地下水を挿入水として用いる方法と、熱ポンプの利用などの人工で適温化させた水を挿入水として用いる場合とがある。
夏季における保冷の場合にあっては、早朝などの気温の上がりはじめに、挿入水を低温水と交換したり循環させてもよいし、冬季における保温の場合にあっては、夕刻などの気温が下がりはじめに、挿入水を高温水と交換したり循環させてもよい。
長尺ピロ−の挿入水は、適温の水と交換してもよいのであるが、その交換頻度は任意である。
したがって、長尺ピロ−の挿入水を交換するだけであっても、交換が間欠的であっても、また連続的であっても、循環させることには変わりないので、本発明では一日に1〜2回の交換から循環し放し迄の場合を含めて、循環と称するものである。
次に、地下水の利用について説明する。
主としてイチゴの栽培地域であるわが国の本州東部以南においては、地域にもよるが一般的に地下水の温度は大凡14〜18℃程度であり、イチゴの栽培に適する温度範囲である。
晩秋季、初冬季、あるいは早春季では、昼間の気温はイチゴ株栽培に何とか適合するが、夜間には著しく気温が低下する。
かような場合に、例えば気温の下がりはじめに長尺ピロ−の挿入水を、保温水として地下水と交換する。
また、晩春季、初夏季、あるいは早秋季では、イチゴ株栽培には昼間の気温は高すぎることがある。
かような場合に、例えば昼間の気温の上がりはじめに長尺ピロ−の挿入水を、保冷水として地下水と交換する。
長尺ピロ−の挿入水として地下水の循環利用は、低コストで適温の水が得られるので極めて効果的であり、前記自然吸放熱の利用と併用すればさらに効果的である。
次に、人工で適温化させた水を挿入水として用いる場合について説明する。
厳冬季など、昼夜とも気温が低い場合や、夜間に急激に気温が低下する場合などには、別建ての温水機による温水を挿入水として循環利用することができる。
また、夏季など、昼夜とも気温が高い場合や、昼間に急激に気温が上昇する場合などには、別建ての冷水機による冷水を挿入水として循環利用することができる。
図9は、別建ての温水冷水機による温水あるいは冷水を、挿入水として循環させる場合の一例である。
図9は、熱ポンプ(heat pump)利用による長尺ピロ−挿入水の循環システムの一例のフロ−略図である。
図9において、一単位の長尺ピロ−4の端末が通路管36によって連結し、前記長尺ピロ−の端末にある挿入水の入口37と出口38とで循環系を形作っている。
熱ポンプ39には、蒸発凝縮器兼用部40が備えられていて、通過する水を冷却したり加温できるようになっている。
熱ポンプ39内の圧縮器の切替弁によって、前記蒸発凝縮器兼用部を凝縮器として作用させた場合には、前記長尺ピロ−4の出口38の矢印42方向からの挿入水は、熱ポンプ39に入って加熱され、温水が矢印43方向から前記長尺ピロ−4の入口37に入って前記長尺ピロ−4に戻り、温水となった挿入水が前記長尺ピロ−内を循環する。
熱ポンプ39内の圧縮器の切替弁によって、前記蒸発凝縮器兼用部を蒸発器として作用させた場合には、前記長尺ピロ−4の出口38の矢印42方向からの挿入水は、熱ポンプ39によって冷却され、冷水が矢印43方向から前記長尺ピロ−4の入口37に入って長尺ピロ−4に戻り、冷水となった挿入水が前記長尺ピロ−内を循環する。
なお、放熱吸熱部41は、熱ポンプ39内の圧縮器の切替弁によって蒸発凝縮器兼用部40と逆の作用をする。
図9の例では熱ポンプを利用した場合であり、熱ポンプは一つの機器で切替えによって挿入水を加温したり冷却することができる。
しかしながら、長尺ピロ−内の循環水の加温は、ガスや石油燃料あるいは電力によるボイラ−、陽光輻射熱利用の加熱器、あるいはバイオマス加熱によるなど、公知の加熱原理に基づく装置が利用できる。
また、長尺ピロ−内の循環水の冷却は、冷凍器の利用、あるいは空冷法、気化熱利用の冷却など公知の冷却原理に基づく装置が利用できる。
以上が、本発明の長尺ピロ−の作用関連についての説明である。
次に、本発明のイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−の各材料や器材の仕様などについて記載する。
まず、長尺ピロ−について記載する。
長尺ピロ−の使用状態、つまり挿入水を有する状態の横断面形状は、図1〜図6において長尺ピロ−4として、上面と下面が平坦な延べ餅形の断面形状で描いている。
新品などの挿入水が無い状態の軟質樹脂管は、前記軟質樹脂管の管体壁部がフィルムあるいはシ−ト状で薄いので、畳まれた状態でロ−ル巻状で供給される。
軟質樹脂管内に挿入水を有する構造が長尺ピロ−であるが、本発明の長尺ピロ−においては、注入する挿入水には実質的に気泡や空気が含まれてないことが前提で、挿入水の挿入に当たっては極力空気が混入しないようにすることが肝要である。
図8は、前記軟質樹脂管内への挿入水の充填量と、長尺ピロ−の横断面形状との関係を示す略図である。
すなわち図8は、PE樹脂を用いたインフレ−ション成形法によるシ−ムレス管(接合部なしの管)タイプで、その管体壁の厚さが80μm、畳み幅が130mm(周長260mm)の筒状フィルムを用いて、挿入水の充填量と長尺ピロ−の横断面形状との関係を検討した結果である。
前記軟質樹脂管の断面形状が真円形になる計算上の挿入水の量は、前記軟質樹脂管の長さ30cmの場合で、2152ml(ミリリットル)であった。
図8は、2152mlをVとし、0.8V(1722ml)〜0.3V(646ml)の場合について、長尺ピロ−を水平の平面上に置いた場合の横断面形状について、左端を直交座標のたて軸に合わせ、段階的に描いた略図である。
Vで示す真円形を除き、何れも上面と下面が平坦な延べ餅形の断面形状を示し、安定している断面形状は、大凡0.6V程度以下であることが分かった。
図8は、観念的な断面形状イメ−ジを排除するための、空気を含まない場合の挿入水の充填量と長尺ピロ−の横断面形状との関係を検討した結果であり、本発明の長尺ピロ−の形状を前記結果が制約するものではない。
長尺ピロ−を構成する軟質樹脂管は、熱可塑性樹脂を押出しインフレ−ション成形法によって直接得られるシ−ムレス管タイプが一般的であるが、長尺の軟質樹脂フィルムを2枚重ねて、その長手方向の両端縁をヒ−トシ−ル法などで接合した得られるシ−ム管(接合部がある管)タイプでもよい。
図7は、図8による挿入水6の充填度が0.35V程度における、左図46はシ−ムレス管タイプ、および右図47はシ−ム管タイプによる長尺ピロ−の横断面形状略図である。
左図46のシ−ムレス管タイプは、軟質樹脂管の管壁49は一種類で構成される。
これに対し、右図47はシ−ム管タイプで、この場合は二種類の管壁50、51とすることが可能で、接合部の耳部48ができるのがその特徴である。
このようにシ−ム管タイプは、栽培土壌畝に前記耳部を利用してペグなどを用いて係止可能で、長尺ピロ−を固定するなどの目的に利用できる。
さらに図において、上側の管壁50と下側の管壁51とで異なるフィルムあるいはシ−トを使用することができる。
これを利用して、例えば、前記上側の管壁50を透明シ−トに、前記下側の管壁51を白色系や鏡面金属層を有するシ−トとする構造とすれば、陽光などが挿入水6に至り、前記挿入水を加温すると共に、前記第三の作用であるところのその反射性によってイチゴ果実の裏側への陽光照射を強めることが可能になる。
また逆に、例えば前記上側の管壁50を高明度色や鏡面金属層を有するシ−トとする構造とすれば、陽光などが挿入水6に至らずに反射するので、輻射熱による挿入水の加温を妨げると共に、高い反射性によって前記第三の作用であるイチゴ果実の裏側への陽光照射が強化される。
加えて鏡面金属層を有するシ−トを用いる場合には、その遮光性で栽培土壌の雑草の生育を抑制できる効果もある。
前記長尺ピロ−の横断面方向の幅の寸法は、軟質樹脂管の前記畳み幅でいえば、大凡100〜600mm程度が望ましいが、イチゴの品種、栽培土壌畝の大きさ、あるいはベンチ栽培法などの選択や設計によってあくまで任意サイズである。
長尺ピロ−の単位長さは任意であり、長い方の例では栽培ハウスの長辺程度の長さ、あるいは前記長さを往復で繰り返して、前記栽培ハウスの長辺程度の長さの数倍の長さでもよい。
また、単位長さの短い方の例では、長手方向に傾斜のある栽培土壌畝の場合などに適用し、数十cm程度の長さサイズの長尺ピロ−の複数個を直列状に並べて使用してもよい。
一般に栽培土壌畝あるいはベンチの長手方向が水平であれば長くでき、長手方向に傾斜があれば短くする。
長尺ピロ−の挿入水は、静止型であれ循環型であれ水の注入や排出が必要になる。
新品などの軟質樹脂管は、畳まれた状態であるので排水口がなくても水の注入が可能であり、注入水量に応じて断面形状が図8に示す如く変化する。
すでに挿入水を有する場合には、挿入水の排水口と注入口が必要であり、さらに図9に示すような複数の長尺ピロ−を繋いで用いる場合には、挿入水の各長尺ピロ−の端部に排水口と注入口に連なる通路管36の如き連結管が必要である。
長尺ピロ−を構成する軟質樹脂管は管壁が薄く、端部開口部を絞り込んでホ−スの締結具やゴム紐でホ−スや硬質管に繋ぐことが可能なようにして、これらを利用して適宜繋ぐものとする。
長尺ピロ−の管体は、PE樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、軟質PVC樹脂などの軟質樹脂が適合する。
これら軟質樹脂であれば、栽培土壌畝の凹凸に馴染み、安定した設置状態が得られ、かつ、イチゴ株のクラウン部への接触性が良好となる。
長尺ピロ−の管体の壁の厚さは任意であるが、強度などを考慮して少なくとも50μm程度以上が適合する。
また、軟質樹脂管である長尺ピロ−の管体の仕様は、半永久使用とするかシ−ズン毎の使い捨て方式にするかによって適宜定めるものとする。
自然放吸熱利用の場合など、保温に適用するときに陽光などの輻射熱の吸収を高め、加熱作用を効率よくするために、長尺ピロ−を黒系色などの低明度色として放射率を上げることができる。
着色は黒系色に限るものではなく、有彩色でも低明度色であればよい。
黒系色の場合、修正マンセル色票の無彩色(neutral)N値の例で示せば、大凡N4以下程度が望ましく、有彩色の場合は視感によって無彩色化して判断するものとする。
長尺ピロ−を構成する軟質樹脂管の着色は、前記樹脂管の原料樹脂にカ−ボン微粉末、顔料などを練り込むなどで得られる。
高気温の夏季などには、陽光などの輻射熱の吸収を低め、反射性を上げることも必要になる。
かような場合は、長尺ピロ−を実質的に白系色などの高明度色として、放射率を下げると、陽光などによる照射熱の吸収を避け、前記長尺ピロ−の加温を妨ぐことができる。
長尺ピロ−を高明度色とすれば反射性が上がって、イチゴ果実への陽光などの照射が高まり、着色均一性などイチゴ果実の品質が良好になる。
また、夏季などにおいては挿入水の加温を妨げる作用も高まり、イチゴ株に対する炭酸同化作用を強化する効果もある。
この場合の高明度色の程度は、修正マンセル色票の無彩色N値で示せば、大凡N8以上程度が望ましく、有彩色の場合は視感によって無彩色化して判断するものとする。
長尺ピロ−を構成する軟質樹脂管体壁を、その層中に鏡面金属層を有するフィルムあるいはシ−トとすれば、陽光などの反射性が著しく向上するので、前記第三の作用である陽光などの上部への照射がさらに高まり、イチゴ果実の品質向上につながる。
また、夏季などにおいては、陽光などの輻射熱による長尺ピロ−の挿入水の加温を妨げる作用もさらに高まり、反射が強まるのでイチゴ株に対する炭酸同化作用をより強化する効果もある。
以上が、長尺ピロ−についての説明である。
次に、農業シ−トの材料について記載する。
前記農業シ−トは、結露してもその水分が表面に凝集して水滴化せず、シ−ト材料自体やシ−ト組織中に水が吸収されて、その表面が殆ど濡れない性質をもつ農業シ−トであることを要する。
前記農業シ−トの材料としては、不織布あるいは編織布などの繊維集合体は、表面がポ−ラス構造でありソフトであるので適合する。
前記繊維集合体の繊維種は、吸水性の高い綿やレ−ヨンなどの再生繊維、PAN(ポリアクリル)繊維、PET、あるいはPPなどの合成繊維などが使用できる。
なお、合成繊維自体の吸水性は一般に低いが、繊維集合体の場合は毛細管現象などでその組織中に水分を多量に含むことができ、表面が濡れにくい。
不織布の例としては、PET繊維やPP繊維などのスパンボンド不織布、綿やレ−ヨンなどの繊維接合タイプの不織布、PET繊維やPP繊維あるいはPAN繊維の二−ドルパンチタイプの不織布などで、単位面積当たりの質量が60〜150g/m程度のものが適合する。
また、編織布は織目や編目が透けない程度の厚さで、単位面積当たりの質量が80〜200g/m程度のものが適合する
また、樹脂の連続発泡体シ−ト、樹脂のコルゲ−ト皺加工シ−トなどを採用する場合には、その表面に凹凸があってイチゴ果実との接触面積が小さく、組織中に水を含む機能を持つ必要がある。
要は、前記農業シ−トの材料については、ソフトであることを前提として、その材料中や組織中に水分を吸収して、前記農業シ−ト表面に実質的に水滴が存在しないシ−ト材料であることを要する。
次に、農業シ−トにおける陽光などの反射性や吸収性について記載する。
長尺ピロ−と農業シ−トをセットで見れば、一般に白系色などの高明度色の農業シ−トを敷設すれば、前記第三の作用であるところの陽光などを上部に大きく反射する性質が得られる。
高明度色の程度は、修正マンセル色票の無彩色のN値の例で示せば、大凡N8以上程度が望ましく、有彩色の場合は視感によって無彩色化して判断するものとする。
特に色付けしていない生地色の前記繊維集合体は、無漂白の綿布のイメ−ジの明度感であり明度は低くはないが、より高明度色とすればさらに反射性が上がる。
さらに、反射性を向上させるシ−ト材料としては、シ−トの断面層中に鏡面金属層を有するシ−トが陽光などの反射特性がよい。
長尺ピロ−上に敷設する農業シ−トを、不織布などの断面層中に鏡面金属層を有するシ−トにすると、前記鏡面金属層によって、ハウス内の陽光などが果実の裏側に強く反射して照射され、果実が万遍なく着色し、糖度も向上し、前記第三の作用が一段と強まる。
さらに、副次効果として、イチゴ株全体にも陽光などが下部から反射して照射され、光合成を助け生産性の向上にも寄与する。
また、断面層中に鏡面金属層を有するシ−トは遮光性も優れているので、陽光を遮って下部土壌に雑草が生育しない作用もある。
断面層中に鏡面金属層を有するシ−トの例として、本発明の発明者の考案である、登録実用新案第3078702号に開示の、鏡面箔状金属接合の合成樹脂フィルムの片面に鏡面反射を和らげるための布状繊維集合体が接合している層構造のシ−トが適用できる。
また同じく、登録実用新案第3086688号に開示の、鏡面箔状金属接合の合成樹脂フィルムの両面に鏡面反射を和らげるための布状繊維集合体が接合している層構造のシ−トが適用できる。
前記2種類のシ−トは、陽光の反射性が高く、イチゴ果実の接触面が不織布などのソフトな繊維集合体面になっているので、本発明の長尺ピロ−上にに敷設する農業シ−トとして、適合性のよい材料と云い得る。
また逆に、冬季に保温の場合には、黒系色などの低明度色の農業シ−トとして、放射率を上げ陽光などを吸収して加温性を上げる使い方でもよい。
この場合、修正マンセル色票の無彩色のN値で示せば、大凡N4以下程度で効果があり、有彩色の場合は視感によって無彩色化して判断するものとする。
以上が、本発明のイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−の各材料や器材の仕様などについての説明である。
イチゴ種の女峰のイチゴ株を用いて、ハウス栽培の土耕法で、一季なり栽培における長尺ピロ−の適用の効果を検討した。
長尺ピロ−を構成する軟質樹脂管としては、PE樹脂によるインフレ−ション押出法によるシ−ムレス管タイプの軟質樹脂管を用い、前記軟質樹脂管の管壁の厚さを120μmとし、前記軟質樹脂管は製法や管壁が薄いので、新品は畳まれた状態でロ−ル巻状で供給されたものである。
図2ないし図3に描く如く、土耕法の栽培土壌畝1の横断面形は台形状で、その頂部の幅を約0.6m程度とした。
栽培土壌畝の長手方向を25mとし、イチゴ株は栽培土壌畝1の横断面頂部の中心に対称に20cm間隔で、前記栽培土壌畝の長手方向には25cm間隔に定植してあるところに、畳み幅240mmの軟質樹脂管を長手方向全長に敷設し、水を挿入すれば長尺ピロ−となる方法をとった。
長尺ピロ−になるべき前記軟質樹脂管の敷設方法は、図10に描く従来法の栽培土壌畝1の上部から農業用フィルムを除いた状態において、前記栽培土壌畝上の左右のイチゴ株8に対して、その中央部、左部外側、および右部外側の3個所に敷設した。
つまり前記軟質樹脂管の幅方向の端縁部が、イチゴ株のクラウン部に近接するように敷設した。
敷設した前記軟質樹脂管の一方の端には、出口孔を設けて前記出口孔を開閉できるようにして、他方の端にはフレキシブルなパイプを接続して、任意に挿入水を挿入できるようにした。
図8に示される前記軟質樹脂管が真円形になるべき挿入水の水量Vを予め計算で求めておき、水量0.35Vで、各実験目的に従った挿入水をポンプを利用して注入、交換、あるいは循環させて挿入水を満たして、長尺ピロ−とした。
前記挿入水を注入後の前記栽培土壌畝部の横断面は、農業シ−ト無しの場合の図2に示す長尺ピロ−4、あるいは、農業シ−ト敷設の場合の図3に示す長尺ピロ−4の如き横断面形態となり、前記挿入水を有する長尺ピロ−4の横断面5の側辺部が、イチゴ株8のクラウン部15を夾むように近接して敷設された。
図3に示す如く、農業シ−ト25を敷設の場合の前記農業シ−トとしては、PET繊維のスパンボンド製法による生地色の不織布を用い、その単位面積当たりの質量は120g/mである。
Figure 2007300908
表1は、一季なりイチゴ株であるので、イチゴ株の栽培期間が9月〜翌年6月で、これを各暦月別に1行目に示した。
以下、表1の左側の列の各項目の説明をする。
ハウス開放状態欄において、開とはハウス開放あるいは通風処置などを行ったという意味で、閉とはハウスの密閉性を高める処置などを行ったという意味である。
ハウス内気温欄において、各時刻におけるハウス内の気温を示し、1日のうちの6時、14時、18時の選択は、長尺ピロ−使用欄以下の各温度測定の時刻に対応する。
従来法(ピロ−無し)欄は、夏季においては短日処理、ハウス開放あるいは通風処置など、また冬季においてはハウスの密閉性を高める処置など、従来の如く行う栽培法の場合である。
果実収穫量欄は、今回の実験栽培面積は10a(ア−ル)ないが、当業界の慣用として用いている栽培土壌面積10a当たりの収穫量(kg)に換算した値で示し、下欄の長尺ピロ−使用の下欄も同様である。
長尺ピロ−使用欄は、図2とはこの図に描く如く長尺ピロ−のみの場合、図3とはこの図に描く如く長尺ピロ−とその上部に農業シ−トを敷設の場合を指す。
ピロ−色欄は、生地とは、長尺ピロ−のPE樹脂管がほぼ透明の生地色、黒色とは黒系色のことで、修正マンセル色票で無彩色N4程度の低明度色とした。
農業シ−ト色欄は、生地とは材料のままの色相、黒色とは、黒系色で低明度色とした場合であり、修正マンセル色票で無彩色N4程度の低明度色である。
白色とは、白系色で高明度色とした場合であり、修正マンセル色票で無彩色N8程度の高明度色である。
鏡面入とは、断面層中に鏡面金属層入りの不織布で、表側の不織布が生地色の場合である。
自然吸放熱法、地下水利用法、および別建て調温法欄は、長尺ピロ−の挿入水の種別である。
ピロ−温度欄は、無作為に選定したイチゴ株10個の近傍の長尺ピロ−の温度の表面平均温度で、保冷の場合の測定時刻は、1日のほぼ最低気温を示す6時、ほぼ最高気温を示す14時に定めて測定した温度である。
保温の場合の測定時刻は、1日の日中の気温をほぼ反映した18時、夜間の最低気温をほぼ反映した6時に定めて測定した温度である。
なお、上欄のハウス内気温欄の測定時刻は、前記時刻に対応する時刻の気温である。
次に、表1の結果を説明する。
表1の表示歴月には若干のずれ込みがあり、その表示歴月を主体とした1ケ月間という意味で捉えている。
歴月9および10月はイチゴ株の成長期であってイチゴ果実の収穫はない。
9月は長尺ピロ−のみの図2、10月は農業シ−ト敷設の図3の態様とした。
9月は夏季の名残りで14時、18時のハウス内気温は高く、保冷の必要があり地下水利用とした。
10月は14時と18時のハウス内気温がやや高いので、自然吸放熱法として保冷扱いとした。
11および12月は、6時と18時のハウス内気温が低いので、地下水利用法として保温扱いとした。
挿入水の循環方法は、18時と6時の30分前に長尺ピロ−の温度が地下水の温度前後に至るように循環させ、その後停止させる方法をとった。
11月は初収穫月で、12月ともに従来法に比較して長尺ピロ−使用の方がイチゴ果実の収穫量が多いことを示した。
1、2月は、寒冷季であり14時のハウス内気温はさほど低くないものの、6時、18時の気温はかなり低いので、別建て調温法として保温扱いとした。
1月は農業シ−トのない図2、2月は農業シ−ト敷設の図3に示す態様とし、別建て調温法としては、図8に示す如き熱ポンプ39による方法とした。
挿入水の循環方法は、熱ポンプ39の蒸発凝縮兼用部40からの挿入水入口37の温度を21℃として、各表示時刻の30分前に循環させ、その後表示各時刻で停止させて、長尺ピロ−の18時と6時の測定温度を得たものである。
両月とも、従来法に比較して長尺ピロ−使用の方がイチゴ果実の収穫量が多いことを示した。
3月は、6時、18時のハウス内気温が僅か上がったので、別建て調温法から地下水利用法として保温扱いとした。
なお、長尺ピロ−上に敷設の農業シ−トを黒系色の無彩色N4の低明度色としたが、比較のために別に作った生地の農業シ−ト使用の場合に比較して、前者の低明度色の農業シ−ト使用の方が18時の地下水の交換前で、大凡0.5℃高いことが分かり、農業シ−トを低明度色にすると、昼間の加温効果がややあることが分かった。
なおこの月は、従来法に比較して長尺ピロ−使用の方がイチゴ果実の収穫量が多いことを示した。
4月は長尺ピロ−のみの図2の態様としたが、6時のハウス内気温が低く、14時はハウス内気温が高いので、地下水利用法から自然吸放熱法に切り替えて保温扱いとした。
なお、4月は長尺ピロ−の色目として、長尺ピロ−を黒系色で無彩色N4の低明度色とした。
温度比較用に用意した生地色の長尺ピロ−に比較して、18時で0.7℃程度高いことが示されたので、長尺ピロ−を低明度色にすることは、昼間における加温効果がややあることが分かった。
この月は、従来法に比較して長尺ピロ−適用の方がイチゴ果実の収穫量が多いことを示した。
5月は農業シ−ト敷設の図3の態様とし、14時のハウス内気温がかなり高くなったので、自然吸放熱法から地下水利用として保冷扱いとした。
また、陽光による加温の影響を見るために比較用として、図3に示す栽培土壌畝1の中央部の長尺ピロ−4を白系色の無彩色N8の高明度色とした。
結果、高明度色の中央部の長尺ピロ−の方が、不織布を介してイチゴ果実が乗る方の長尺ピロ−に比較して、挿入水交換前の14時で、0.4℃程度低いことが示されたので、長尺ピロ−を高明度色にすることは、昼間の加温阻止効果がややあることが分かった。
この月は、従来法に比較して長尺ピロ−使用の方がイチゴ果実の収穫量が多いことを示した。
6月は農業シ−ト敷設の図3の態様とした。
この月は夏季に入り、14時、18時のハウス内気温がさらに高くなったので、引き続き地下水利用として保冷扱いとした。
6月の農業シ−ト色欄に鏡面入りとあるのは、シ−ト層中に鏡面金属層を有する不織布の農業シ−トを用いたものである。
前記農業シ−トの仕様は、鏡面金属層は鏡面メタライジングフィルムで、厚さは22μm、PET樹脂フィルムにアルミニュ−ムを蒸着した鏡面フィルムである。
不織布層については、表面部には単位当り質量が45g/mのPET繊維のスパンボンド不織布、裏面には単位当り質量が20g/mのPET繊維の同不織布を用いた。
前記接合層はPE樹脂の薄膜で、PE樹脂を溶融ラミネ−ト法で前記不織布と接合している構造である。
なお、鏡面フィルムの両面に不織布を接合した理由は、前記鏡面メタライジングフィルムの鏡面反射性を大きくは損なわずに、陽光などを反射させるためと共に、陽光などがぎらぎらと鏡面反射して農作業者などに支障をきたすグラリング(glaring)欠陥を防ぐためである。
但し、本実施例の場合では、イチゴ果実に対するソフトな枕床作用を与える作用が主要機能である。
また、長尺ピロ−下の土壌の雑草の生育が殆どないことが確認された。
この月は従来法に比較して、より反射性を高めた農業シ−ト敷設の長尺ピロ−使用の方が、イチゴ果実の収穫量が格段に多いことを示した。
以上の結果から、ハウス栽培によるイチゴ栽培において、長尺ピロ−を採用することでイチゴ果実の収穫量の増収が図かれることが分かった。
また、その地域や気象条件など、またハウスの管理状況などに最も適合した、季節ごとの挿入水を自然吸放熱法つまり静止水法、地下水利用法、別建て調温法を適宜選択することによって、合理的に増収がはかれることが分かった。
また、長尺ピロ−や農業シ−トの高明度化は、夏季などの昼間の加温阻止効果がややあり、また、長尺ピロ−や農業シ−トの低明度化は、冬季の昼間の加温を補助する効果がややあることが分かった。
また、シ−ト層中に鏡面金属層を有する陽光などの反射性のよい農業シ−トの適用で、イチゴ果実品質が一層良好になり、その遮光性によって下部土壌の雑草生育阻止効果も明確化した。
長尺ピロ−法に農業シ−トを付加した場合の作用の検討のため、表1の中から歴月11月、翌4〜6月のデ−タと、この月間において表1にない追加実験によるデ−タを得て、農業シ−トの敷設の有無の比較を行った。
なお表2において、農業シ−ト有無欄の、無とは、図2に示す如く農業シ−トの敷設の無い長尺ピロ−のみの態様を指し、有とは、図3に示す如く長尺ピロ−上に農業シ−トを敷設した態様を指す。
Figure 2007300908
表2において、暦月欄の自然吸放熱法とは、長尺ピロ−の挿入水が実質的に静止水で循環していなく、地下水とは、地下水を間欠的に循環させた場合である。
イチゴ果実の収穫量欄は、表1に記載の数字は転記で、他は追加実験によるデ−タからである。
イチゴ果実品質欄は、収穫したイチゴ果実の品質とのことであり、個々のイチゴ果実の着色斑の程度を定性的に示した。
なお、果実品質は表2の最下欄の欄外にその果実品質評価基準を示している。その他はの表1に示す通りである。
表2によると、長尺ピロ−適用法においてハウス内の気温が低い季節である11、4月においては、長尺ピロ−上に農業シ−ト敷設、長尺ピロ−のみ、従来法の順でイチゴ果実の品質が良好であった。
この理由は、ハウス内の気温が低い季節では、従来法の場合では農業フィルムが結露してその影響があり、長尺ピロ−法のみの場合ではやや結露の影響を受け、その水滴が蒸発乾燥しにくい為と考えられる。
長尺ピロ−上に不織布の農業シ−ト敷設の場合は、前記農業シ−トの組織中に水分が吸収され、表面に凝集水滴などの発生が無いため、イチゴ果実の変質、発色斑などが生起しにくく、結露の影響が少ない結果を示したものと考えられる。
ハウス内の気温が高くなる季節の5月では、農業シ−ト有無はイチゴ果実品質にさほど差異がないことを示し、この理由は結露し難い高気温であること、および結露しても蒸発が速いためと考えられるが、両者とも従来法より品質がよいことを示した。
夏季に入る6月では、農業シ−トとして鏡面金属入りの不織布を採用したが、イチゴ果実の品質が最も良好であった。
これは前記農業シ−トの高反射性によるものと考えられ、イチゴ果実の裏側に陽光が十分照射され、また、イチゴ株への陽光などの増加で炭酸同化作用が強められたからと考えられる。
以上、従来法との比較において、長尺ピロ−適用の場合の農業シ−ト敷設の有無のイチゴ果実の品質への影響が分かり、農業シ−トとして鏡面金属層を有する不織布シ−トの起用が特に良いことが分かった。
管壁の薄い軟質樹脂管内に挿入水を有する長尺ピロ−を、各イチゴ株の栽培列の長手方向に沿って各イチゴ株のクラウン部に近接した栽培土壌上に設置し、前記長尺ピロ−に果柄およびイチゴ果実を乗せるだけの単純な仕組みであるので、極めて簡便で、低コストで設置でき、またメインテナンス費用も少なくて済み、用役消費も少なくて済む。
長尺ピロ−法は、簡単な仕組みで、ハウス内全体の保冷や保温、あるいは栽培土壌畝の保冷や保温などの効果を大きく補完し、ハウス関連設備や用役コストを大幅に低減化できる。
また、イチゴ果実と栽培土壌などの土壌関連物との直接接触を排するセパレ−ト機能と共に、ソフトな接触状態にする枕床の如き機能を果たし、果実への圧力を緩和し、イチゴ果実の変形などを避けて品質向上に寄与し、収率の向上に寄与する。
結露の発生しやすい季間には、長尺ピロ−に不織布などのポ−ラスな構造の農業用シ−トを敷設することによって、農業シ−トの組織中に水分を吸収させて、表面に水滴などの水分凝集がないようにできると共に、さらにソフトな接触状態が得られ、イチゴ果実の変質や着色均一性の向上など、さらなる品位向上効果が得られる。
長尺ピロ−の採用、あるいは前記農業シ−ト敷設の長尺ピロ−の採用によって、イチゴ果実の裏側に陽光などが反射照射され、イチゴ果実の着色が均一化して品位が向上する。
また、副次的にイチゴ株自体も下部から陽光などの照射を受け、光合成を増長させ光合成を助け生産性が向上する。
以上、ハウス栽培用の本発明のイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−は、生産性や品質を上げるために、多大な設備や用役を用いて行うハウス内全体の温度調整法や栽培土壌の温度調整法に比較して、極めて簡単な補助具であり補完具で、主として普通の水による静止水や地下水の利用なので、用役費が僅かであるにも拘らず、ハウス栽培イチゴの増産や品位向上に多大に寄与する。
また、他の農業分野などにも、本発明の長尺ピロ−の考え方や仕組みの援用が可能であり、農業分野への貢献に資するところが大きい。
土耕栽培法における外なり法イチゴ株に本発明の長尺ピロ−を適用した略図 土耕栽培での外なり法イチゴ株に長尺ピロ−適用例の畝部分の横断面略図 土耕栽培での外なり法イチゴ株に長尺ピロ−と農業シ−ト敷設適用例の略図 土耕栽培での外なり法イチゴ株に長尺ピロ−と農業シ−ト敷設適用の別例の略図 土耕栽培での内なり法イチゴ株に長尺ピロ−と農業シ−ト敷設適用例の略図 ベンチ栽培での外なり法イチゴ株に長尺ピロ−と農業シ−ト敷設適用例の略図 軟質樹脂管がシ−ムレス管タイプおよびシ−ム管タイプの長尺ピロ−の断面略図 挿入水の充填量と長尺ピロ−の横断面形状との関係の略図 熱ポンプ利用による長尺ピロ−の挿入水循環システムの概念略図 従来の土耕栽培における外なり法イチゴ株の畝部分の横断面略図
符号の説明
1 栽培土壌畝
2 栽培土壌畝と長尺ピロ−の横断面図部
3 栽培土壌畝とその上部の斜視図部
4 長尺ピロ−
5 長尺ピロ−の横断面部
6 挿入水
7 栽培土壌畝の横断面
8 イチゴ株
9 イチゴ果実
14 イチゴ株の根部
15 イチゴ株のクラウン部
17 イチゴ果柄
18 灌水管
19 農業用フィルム
25 農業シ−ト
28 畝の肩部
29 栽培土壌
30 ベンチ栽培法の栽培容器
31 ベンチ
36 通路管
37 挿入水の入口
38 挿入水の出口
39 熱ポンプ
40 蒸発凝縮兼用部
41 吸熱放熱部
42 矢印;挿入水の長尺ピロ−への出口方向
43 矢印;挿入水の長尺ピロ−への入口方向
46 左図;シ−ムレス管タイプの断面略図
47 右図;シ−ム管タイプ断面略図
48 シ−ム管タイプの耳部
49 シ−ムレス管タイプの管壁
50 シ−ム管タイプの一方の管壁
51 シ−ム管タイプの他方の管壁
V 長尺ピロ−横断面が真円形になるべき挿入水量

Claims (7)

  1. イチゴ類のハウス栽培における土耕栽培法、あるいはベンチ栽培法おいて、
    軟質樹脂管内に挿入水を有する構造の長尺ピロ−が、栽培土壌上に設置されていて、
    前記長尺ピロ−はその長尺方向が前記複数のイチゴ株の栽培列に沿うような位置で前記栽培土壌上に敷設され、
    前記長尺ピロ−の長尺方向の横断面における側面部が、複数のイチゴ株の各クラウン部に近接するように敷設され、
    あるいは、2個の長尺ピロ−の横断面における側面部が、複数のイチゴ株の各クラウン部に近接して前記各クラウン部を両側から夾むように敷設され、
    前記長尺ピロ−のイチゴ果実側の上下位置は、果柄および前記イチゴ果実の下部と、前記栽培土壌の表層部との間の位置であることを特徴とする、
    イチゴ類栽培補助用長尺ピロ−。
  2. 前記長尺ピロ−において、
    前記果実がある側の前記長尺ピロ−の上部に、農業シ−トが敷設されていることを特徴とする、
    請求項1に記載するイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−。
  3. 前記長尺ピロ−において、
    前記長尺ピロ−の色相が、修正マンセル色票で無彩色N値8以上の高明度色、あるいは修正マンセル色票で無彩色N値4以下の低明度色であることを特徴とする、
    請求項1、および2に記載するイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−
  4. 前記農業シ−トにおいて、
    前記農業シ−トの色相が、修正マンセル色票で無彩色N値8以上の高明度色、あるいは修正マンセル色票で無彩色N値4以下の低明度色であることを特徴とする、
    請求項2、および3に記載するイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−。
  5. 前記農業シ−トにおいて、
    使用時に表面になるべき側が不織布であって、前記農業シ−トの断面層中に鏡面金属層を有することを特徴とする、
    請求項2、3、および4に記載するイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−。
  6. 前記長尺ピロ−において、
    前記長尺ピロ−の長尺方向の横断面における側面の両端縁部が外側で接合され、耳部を形成しているシ−ム管タイプであることを特徴とする、
    請求項1、2、3、4、および5に記載するイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−。
  7. 前記挿入水において、地下水、あるいは、別建ての冷水供給機あるいは温水供給機によって得られる冷水あるいは温水を、前記長尺ピロ−内に循環させることを特徴とする、
    請求項1、2、3、4、5、および6に記載するイチゴ類栽培補助用長尺ピロ−。
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