JP2007300491A - 画像通信システム、画像通信方法、画像送信装置、画像受信装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

画像通信システム、画像通信方法、画像送信装置、画像受信装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】第三者による改ざん等の種類及び位置をピクセル単位で特定することができる画像通信システム、画像通信方法、画像送信装置、画像受信装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】画像送信装置は、原画像に対してピクセル単位で画像更新処理を施し、画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を画像受信装置へ送信する。画像受信装置は、画像に対する画像更新処理の種類に対応付けて画像データの破損率を記憶しておき、受信した画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を示す情報に基づいて該画像データの破損率を算出する。記憶してある破損率に略一致する破損率が算出されたか否かを判断し、一致しない破損率が算出された場合、異なる更新処理がなされた旨を示す情報を出力し、略一致する破損率が算出されたと判断した場合、対応する画像更新処理の種類を出力する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子透かしを用いて画像を送受信する画像通信システム、画像通信方法、画像送信装置、画像受信装置及びコンピュータプログラムに関する。特に、第三者による改ざん等の種類及び位置をピクセル単位で特定することができる画像通信システム、画像通信方法、画像送信装置、画像受信装置及びコンピュータプログラムに関する。
昨今の画像処理技術の急速な進展に伴い、デジタルコンテンツに対して巧妙な改ざんが行なわれ、デジタルコンテンツに対する同一性の保持が困難となっている。デジタルコンテンツに対する同一性を保持するために、例えばハッシュ関数を用いた電子署名を用い、電子署名が検出された場合にはデジタルコンテンツに対する改ざんが行なわれていないと判断する方法が良く用いられている。
しかし、電子署名を用いる方法では、改ざんが行われた場合にその位置を特定することが困難であり、電子署名が記録されている領域以外に対する改ざんを防止することはできないという問題点があった。斯かる問題を解決するために、最近ではデジタルコンテンツに電子透かしを埋め込んでおき、電子透かしの破損率に応じてデジタルコンテンツに対する改ざんが行なわれたか否かを検出する方法が開発されている。
例えば、保護対象となるデジタルコンテンツに、特定の攻撃に意図的に壊れやすくした脆弱型の電子透かしを、小さなブロック単位でコンテンツ全体に繰り返し埋め込んでおく。そして、破壊された電子透かしを同定し、改ざんされた位置を特定する。
電子透かしを用いる方法では、特定な処理に対して脆弱な性質を持たせた電子透かしを埋め込むことにより、改ざんの種類及び位置を特定することができる。例えば従来の静止画像の改ざん位置検出方法では、二次元離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)により、空間的な濃淡データを周波数領域データに変換している。この場合、例えばA/D変換された画像信号は、縦横(8×8)画素のブロックに分割され、該ブロック単位に画像信号は二次元離散コサイン変換(DCT)により、同数の変換係数に変換され、量子化される。
しかし、量子化される単位は、あくまでも縦横(8×8)画素のブロック単位であり、ピクセル単位で施された改ざんについては、空間周波数の大小のばらつきによっては看過されるおそれがあるという問題点があった。
また、画像を送受信する場合には、ネットワーク負荷を軽減すべく圧縮処理が行われた後に送受信されることが多い。しかし、圧縮・解凍処理による原画像の復元率は必ずしも100%ではなく、画像送受信のために必要な処理が正しく行なわれているにもかかわらず、何らかの改ざんが行なわれたと誤認識されるおそれも残されていた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、第三者による改ざん等の種類及び位置をピクセル単位で特定することができる画像通信システム、画像通信方法、画像送信装置、画像受信装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係る画像通信システムは、複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを送信する画像送信装置と、受信された画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置とを備えた画像通信システムにおいて、前記画像送信装置は、原画像に対してピクセル単位で前記画像更新処理を施す画像更新手段と、前記画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を前記画像受信装置へ送信する手段とを備え、前記画像受信装置は、画像に対する画像更新処理の種類に対応付けて画像データの破損率を記憶する手段と、画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を示す情報を受信する手段と、受信された画像更新処理の位置を示す情報に基づいて該画像データの破損率を算出する手段と、記憶してある破損率に略一致する破損率が算出されたか否かを判断する手段と、該手段で一致しない破損率が算出されたと判断した場合、異なる更新処理がなされた旨を示す情報を出力し、略一致する破損率が算出されたと判断した場合、対応する画像更新処理の種類を出力する手段とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る画像通信システムは、第1発明において、前記画像更新手段は、電子透かしの原画像への埋め込み処理であり、前記画像送信装置は、原画像に基づいて離散ウェーブレット係数をピクセルごとに算出する手段と、画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を設定する手段と、設定された量子化幅で電子透かしを埋め込む手段と、電子透かしを埋め込んだ状態で逆ウェーブレット変換処理を実行する手段とを備え、前記画像受信装置は、画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を記憶するようにしてあることを特徴とする。
第3発明に係る画像通信システムは、第2発明において、前記画像送信装置は、量子化する離散ウェーブレット係数をランダムに特定する手段と、特定された離散ウェーブレット係数を二値化する手段と、二値化された離散ウェーブレット係数が埋め込む前記電子透かしと一致するか否かを判断する手段と、該手段で一致しないと判断された場合、量子化幅で区分した量子区間であって離散ウェーブレット係数の絶対値がより小さい方向で離散ウェーブレット係数が一致する直近の量子区間の中央値に、また一致すると判断した場合、同一の量子区間の中央値に、それぞれ特定された離散ウェーブレット係数を変更する手段とを備えることを特徴とする。
第4発明に係る画像通信方法は、複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを送信する画像送信装置と、受信された画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置とを用い、画像を通信する画像通信方法において、前記画像送信装置にて、原画像に対してピクセル単位で前記画像更新処理を施し、前記画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を前記画像受信装置へ送信し、前記画像受信装置にて、画像に対する画像更新処理の種類に対応付けて画像データの破損率を記憶し、画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を示す情報を受信し、受信された画像更新処理の位置を示す情報に基づいて該画像データの破損率を算出し、記憶してある破損率に略一致する破損率が算出されたか否かを判断し、一致しない破損率が算出されたと判断した場合、異なる更新処理がなされた旨を示す情報を出力し、略一致する破損率が算出されたと判断した場合、対応する画像更新処理の種類を出力することを特徴とする。
第5発明に係る画像通信方法は、第4発明において、前記画像送信装置にて、原画像に基づいて離散ウェーブレット係数をピクセルごとに算出し、画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を設定し、設定された量子化幅で電子透かしを埋め込み、電子透かしを埋め込んだ状態で逆ウェーブレット変換処理を実行し、前記画像受信装置にて、画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を記憶することを特徴とする。
第6発明に係る画像通信方法は、第5発明において、前記画像送信装置にて、量子化する離散ウェーブレット係数をランダムに特定し、特定された離散ウェーブレット係数を二値化し、二値化された離散ウェーブレット係数が埋め込む前記電子透かしと一致するか否かを判断し、一致しないと判断された場合、量子化幅で区分した量子区間であって離散ウェーブレット係数の絶対値がより小さい方向で離散ウェーブレット係数が一致する直近の量子区間の中央値に、また一致すると判断した場合、同一の量子区間の中央値に、それぞれ特定された離散ウェーブレット係数を変更することを特徴とする。
第7発明に係る画像送信装置は、複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを、受信された画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置へ送信する画像送信装置において、原画像に対してピクセル単位で前記画像更新処理を施す画像更新手段と、前記画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を前記画像受信装置へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
第8発明に係る画像送信装置は、第7発明において、前記画像更新手段は、電子透かしの原画像への埋め込み処理であり、原画像に基づいて離散ウェーブレット係数をピクセルごとに算出する手段と、画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を設定する手段と、設定された量子化幅で電子透かしを埋め込む手段と、電子透かしを埋め込んだ状態で逆ウェーブレット変換処理を実行する手段とを備えることを特徴とする。
第9発明に係る画像送信装置は、第8発明において、量子化する離散ウェーブレット係数をランダムに特定する手段と、特定された離散ウェーブレット係数を二値化する手段と、二値化された離散ウェーブレット係数が埋め込む前記電子透かしと一致するか否かを判断する手段と、該手段で一致しないと判断された場合、量子化幅で区分した量子区間であって離散ウェーブレット係数の絶対値がより小さい方向で離散ウェーブレット係数が一致する直近の量子区間の中央値に、また一致すると判断した場合、同一の量子区間の中央値に、それぞれ特定された離散ウェーブレット係数を変更する手段とを備えることを特徴とする。
第10発明に係る画像受信装置は、複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを送信する画像送信装置から受信した画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置において、画像に対する画像更新処理の種類に対応付けて画像データの破損率を記憶する手段と、画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を示す情報を受信する手段と、受信された画像更新処理の位置を示す情報に基づいて該画像データの破損率を算出する手段と、記憶してある破損率に略一致する破損率が算出されたか否かを判断する手段と、該手段で一致しない破損率が算出されたと判断した場合、異なる更新処理がなされた旨を示す情報を出力し、略一致する破損率が算出されたと判断した場合、対応する画像更新処理の種類を出力する手段とを備えることを特徴とする。
第11発明に係るコンピュータプログラムは、複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを、受信された画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置へ送信する画像送信装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記画像送信装置を、原画像に対してピクセル単位で前記画像更新処理を施す画像更新手段、及び前記画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を前記画像受信装置へ送信する手段として機能させることを特徴とする。
第12発明に係るコンピュータプログラムは、第11発明において、前記画像送信装置を、原画像に基づいて離散ウェーブレット係数をピクセルごとに算出する手段、画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を設定する手段、設定された量子化幅で電子透かしを埋め込む手段、及び電子透かしを埋め込んだ状態で逆ウェーブレット変換処理を実行する手段として機能させることを特徴とする。
第13発明に係るコンピュータプログラムは、第12発明において、前記画像送信装置を、量子化する離散ウェーブレット係数をランダムに特定する手段、特定された離散ウェーブレット係数を二値化する手段、二値化された離散ウェーブレット係数が埋め込む前記電子透かしと一致するか否かを判断する手段、及び該手段で一致しないと判断された場合、量子化幅で区分した量子区間であって離散ウェーブレット係数の絶対値がより小さい方向で離散ウェーブレット係数が一致する直近の量子区間の中央値に、また一致すると判断した場合、同一の量子区間の中央値に、それぞれ特定された離散ウェーブレット係数を変更する手段として機能させることを特徴とする。
第14発明に係るコンピュータプログラムは、複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを送信する画像送信装置から受信した画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記画像受信装置は、画像に対する画像更新処理の種類に対応付けて画像データの破損率を記憶しておき、前記画像受信装置を、画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を示す情報を受信する手段、受信された画像更新処理の位置を示す情報に基づいて該画像データの破損率を算出する手段、記憶してある破損率に略一致する破損率が算出されたか否かを判断する手段、及び該手段で一致しない破損率が算出されたと判断した場合、異なる更新処理がなされた旨を示す情報を出力し、略一致する破損率が算出されたと判断した場合、対応する画像更新処理の種類を出力する手段として機能させることを特徴とする。
第1発明、第4発明、第7発明、第10発明、第11発明及び第14発明では、複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを送信する画像送信装置と、受信された画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する。画像送信装置は、原画像に対してピクセル単位で画像更新処理を施し、画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を画像受信装置へ送信する。画像受信装置は、画像に対する画像更新処理の種類に対応付けて画像データの破損率を記憶しておき、受信した画像更新処理の位置を示す情報に基づいて該画像データの破損率を算出する。記憶してある破損率と一致しない破損率が算出された場合には、画像送信時とは異なる更新処理がなされた旨を示す情報を出力する。すなわち第三者により何らかの改ざんが行なわれた旨を示す情報を出力する。略一致する破損率が算出された場合には、対応する画像更新処理の種類を出力する。
これにより、ピクセル単位で画像データの破損率を比較することができることから、第三者による改ざんを確実に検出することができ、例えば通常行なわれるJPEG圧縮処理等に対する画像データの破損率を事前に記憶手段に記憶しておくことにより、第三者により改ざん処理がなされたか否か、及び改ざんされた位置を正確に把握することが可能となる。
第2発明、第5発明、第8発明、及び第12発明では、画像送信装置は、原画像に基づいて離散ウェーブレット係数をピクセルごとに算出し、画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を設定し、設定された量子化幅で電子透かしを埋め込む。電子透かしを埋め込んだ状態で逆ウェーブレット変換処理を実行する。画像受信装置は、画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を記憶しておき、記憶してある量子化幅を用いた二値写像関数により破損率を算出し、算出された破損率と画像送信装置で設定された破損率とを比較することによって、画像に対してどの画像更新処理がなされているのか判断することができる。また、記憶されていない、すなわち通常の処理と認識されていない量子化幅を算出した場合には、第三者による何らかの改ざんが行なわれたものと判断することができる。
第3発明、第6発明、第9発明、及び第13発明では、画像送信装置は、量子化する離散ウェーブレット係数をランダムに特定し、特定された離散ウェーブレット係数を二値化し、二値化された離散ウェーブレット係数が埋め込む電子透かしと一致するか否かを判断する。一致しないと判断された場合、量子化幅で区分した量子区間であって離散ウェーブレット係数の絶対値がより小さい方向で離散ウェーブレット係数が一致する直近の量子区間の中央値に、また一致すると判断した場合、同一の量子区間の中央値に、それぞれ特定された離散ウェーブレット係数を変更する。これにより、離散ウェーブレット係数を、より高い周波数にて二値化することができ、人間の視覚がより鈍感である高周波数成分に離散ウェーブレット係数を補正することにより、逆ウェーブレット変換により再現された画像中のノイズを減少させることが可能となり、より精緻に改ざんが行われたか否かを検出することが可能となる。
第1発明、第4発明、第7発明、第10発明、第11発明及び第14発明によれば、ピクセル単位で画像データの破損率を比較することができることから、第三者による改ざんを確実に検出することができ、例えば通常行なわれるJPEG圧縮処理等に対する画像データの破損率を事前に記憶手段に記憶しておくことにより、第三者により改ざん処理がなされたか否か、及び改ざんされた位置を正確に把握することが可能となる。
第2発明、第5発明、第8発明、及び第12発明によれば、画像受信装置は、画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を記憶しておき、記憶してある量子化幅を用いた二値写像関数により破損率を算出し、算出された破損率と画像送信装置で設定された破損率とを比較することによって、画像に対してどの画像更新処理がなされているのか判断することができる。また、記憶されていない、すなわち通常の処理と認識されていない量子化幅を算出した場合には、第三者による何らかの改ざんが行なわれたものと判断することができる。
第3発明、第6発明、第9発明、及び第13発明によれば、離散ウェーブレット係数を、より高い周波数にて二値化することができ、人間の視覚がより鈍感である高周波数成分に離散ウェーブレット係数を補正することにより、逆ウェーブレット変換により再現された画像中のノイズを減少させることが可能となり、より精緻に改ざんが行われたか否かを検出することが可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像通信システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の実施の形態に係る画像通信システムは、原画像に特定種類の改ざんに対して脆弱な電子透かしを埋め込んで送信する画像送信装置1、1、・・・、及び受信した画像に埋め込まれた電子透かしの破損率から、第三者による送信者が意図していない改ざん等の更新処理がなされたか否かを判断する画像受信装置2、2、・・・が、インターネット等のネットワーク網3を介してデータ通信可能に接続されている。
画像送信装置1は、少なくとも、CPU(中央演算装置)11、ROM12、RAM13、記憶手段14、ネットワーク網3に接続する通信手段15、マウス及びキーボード等の入力手段16、ディスプレイ等の出力手段17及び補助記憶手段18で構成される。
CPU11は、内部バス19を介して画像送信装置1の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部を制御するとともに、ROM12に格納された制御プログラム、又は補助記憶手段18であるCD−ROM、DVD等の(可搬型)記録媒体4を用いて記憶手段14に導入された制御プログラム5に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。なお、記憶手段14は、ハードディスク等の固定型記憶媒体であり、上述した制御プログラムの他、処理に必要なデータを事前に記憶しておく。
RAM13は、SRAM、フラッシュメモリ等で構成されソフトウェアの実行時に発生する一時的なデータを記憶する。通信手段15は、内部バス19に接続されており、外部からのデータの取得、外部装置の動作制御データ等を送受信する。
入力手段16は、画像送信装置1を操作するために必要な文字キー、テンキー、各種のファンクションキー等を備えたキーボード、マウス等、および画像入力を受け付けるスキャナ等の入力装置である。出力手段17は、液晶表示装置、CRTディスプレイ等の表示装置であり、画像送信装置1で取り込んだ画像を表示したり、ユーザへ操作入力を促す画面を表示したりするための画像データの表示等を行う。なお、出力手段17をタッチパネル方式とすることにより、入力手段16の各種のファンクションキーの内の一部又は全部を出力手段17が代用することも可能である。
同様に、画像受信装置2は、少なくとも、CPU(中央演算装置)21、ROM22、RAM23、記憶手段24、ネットワーク網3に接続する通信手段25、マウス及びキーボード等の入力手段26、ディスプレイ等の出力手段27及び補助記憶手段28で構成される。
CPU21は、内部バス29を介して画像受信装置2の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部を制御するとともに、ROM22に格納された制御プログラム、又は補助記憶手段28であるCD−ROM、DVD等の(可搬型)記録媒体6を用いて記憶手段24に導入された制御プログラム7に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
RAM13は、SRAM、フラッシュメモリ等で構成されソフトウェアの実行時に発生する一時的なデータを記憶する。通信手段15は、内部バス19に接続されており、外部からのデータの取得、外部装置の動作制御データ等を送受信する。
記憶手段24は、ハードディスク等の固定型記憶媒体であり、上述した制御プログラムの他、処理に必要なデータを事前に記憶しておく。例えば、画像に対する更新処理の種類を識別する情報、離散ウェーブレット変換時の量子化幅、及び逆ウェーブレット変換時に期待される破損率をそれぞれ対応付けて記憶する破損率記憶部241を備えている。
図2は、破損率記憶部241に記憶されているデータ構成の一例を示す図である。更新処理の種類を識別する更新ID、離散ウェーブレット変換時に電子透かしを埋め込んだ量子化幅Δに対応付けて、逆ウェーブレット変換時に埋め込んだ電子透かしが破損している割合を示す破損率を記憶している。破損率は、画像送信時に埋め込んだ電子透かしのビット数のうち、画像受信時に抽出されるまでに破損した電子透かしのビット数の割合を示す値である。
入力手段26は、画像受信装置2を操作するために必要な文字キー、テンキー、各種のファンクションキー等を備えたキーボード、マウス等、及び画像入力を受け付けるスキャナ等の入力装置である。出力手段27は、液晶表示装置、CRTディスプレイ等の表示装置であり、画像受信装置2で受信した画像を表示したり、ユーザへ操作入力を促す画面を表示したりするための画像データの表示等を行う。なお、出力手段27をタッチパネル方式とすることにより、入力手段26の各種のファンクションキーの内の一部又は全部を出力手段27が代用することも可能である。
以下、上述した構成の画像通信システムにおける画像通信処理について、二次元画像に電子透かしを埋め込む場合を例として説明する。図3は、本実施の形態に係る画像送信装置1のCPU11の処理手順を示すフローチャートである。
本実施の形態に係る画像送信装置1のCPU11は、送信対象となる原画像の画像データを取得する(ステップS301)。取得する方法は特に限定されず、スキャナ等の入力手段16を介して直接読み込んでも良いし、通信手段15を介して外部から受信しても良い。CPU11は、取得した画像データを離散ウェーブレット変換する(ステップS302)。
CPU11は、取得した画像データに対して画像受信装置2にて検出したい更新処理、例えばJPEG圧縮/解凍処理のような非可逆的更新処理のうち一の更新処理を選択し(ステップS303)、離散ウェーブレット変換時の量子化幅ΔL (Lは離散ウェーブレット係数の周波数レベルであり、高い周波数から順に1からMの自然数で表す)を特定する(ステップS304)。
図4は、離散ウェーブレット係数の周波数レベルのイメージ図である。図4では、左上の画像が原画像であり、高周波数成分であることを示している。ここを周波数レベルLとする。周波数レベルLから順次周波数成分を減じることで、人間の視覚が周波数の変動に対してより敏感となる。したがって、周波数レベルがLからL−1、L−2、・・・、2、1となるにつれて、視覚上、原画像の原型を止めない画像へと変化していく。
CPU11は、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を特定する(ステップS305)。なお、m、nは自然数であり、画像の縦横のピクセル値を示している。例えば画像の左上を原点とし、右方向へ1からm、下方向へ1からnとして、該当するピクセルについて離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を特定する。
離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を特定する方法は、特に限定されない。例えば乱数を生成する関数cskeyにより離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を選択する。cskeyは、埋め込む電子透かしのビット長i(iは1から電子透かしの最大ビット長Iまでの自然数)の関数であり、cskey(i)と表すことができる。
CPU11は、特定された離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を二値化する(ステップS306)。例えば二値写像関数Qを用い、Q(fk,l (m、n))を求めれば良い。二値写像関数Qは、引数を離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)とし、量子化幅ΔL に応じて(数1)に示すように‘0’又は‘1’を出力とする関数である。
Figure 2007300491
なお、埋め込むべき電子透かしに合わせて、量子化幅ΔL により区分された量子化区間の中央値に離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を設定することが好ましい。そこで、CPU11は、周波数レベルごとに電子透かしωとQ(fk,l (m、n))とを比較して、一致するか否かに応じて以下に示す補正処理を実行する。図5は、本実施の形態に係る画像送信装置1のCPU11の二値化処理の手順を示すフローチャートである。
CPU11は、二値写像関数Qを用い、Q(fk,l (m、n))を求め(ステップS501)、Q(fk,l (m、n))の値が電子透かしωと一致するか否かを判断する(ステップS502)。CPU11が、Q(fk,l (m、n))の値が電子透かしωと一致しないと判断した場合(ステップS502:NO)、CPU11は、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)が0以上であるか否かを判断する(ステップS503)。
CPU11が、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)が0以上であると判断した場合(ステップS503:YES)、CPU11は、視覚上画像のノイズが減少する方向、すなわち周波数が高くなる方向に量子化区間をシフトする。したがって、CPU11は、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)から量子化幅ΔL をデクリメントし(ステップS504)、量子化区間をより高い周波数の区間へとシフトする。
CPU11が、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)が0より小さいと判断した場合(ステップS503:NO)、CPU11は、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)が正の値をとるように量子化幅ΔL をインクリメントし(ステップS505)、量子化区間を正方向へとシフトする。
CPU11が、Q(fk,l (m、n))の値が電子透かしωと一致すると判断した場合(ステップS502:YES)はそのまま、他の場合には上述した処理によりも含めて、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を補正した後、CPU11は、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を現在の量子化区間の中央値に設定する(ステップS506)。図6は、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を量子化区間の中央値に設定する処理の概念を説明するイメージ図である。
図6(a)に示すように、量子化幅Δで区分されており、算出した離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の値が量子化区間2Δ〜3Δに存在する場合、二値写像関数Qを用いて算出したQ(fk,l (m、n))は‘0’、‘1’、‘0’、‘1’、・・・となっている。この場合、電子透かしω=0であるときには、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の値が存在する量子化区間2Δ〜3ΔのQ(fk,l (m、n))は‘0’であることから、両者は一致する。したがって、図6(b)に示すように、CPU11は、同一の量子化区間2Δ〜3Δの中間点の値に離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の値を補正する。
また、電子透かしω=1であるとき、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の値が存在する量子化区間2Δ〜3ΔのQ(fk,l (m、n))は‘0’であることから、両者は一致しない。したがって、図6(c)に示すように、CPU11は、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の絶対値がより小さい量子化区間Δ〜2Δの中間点の値に離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の値を補正する。
CPU11は、電子透かしをすべて埋め込んだか否かを判断し(ステップS307)、CPU11が、まだ電子透かしの最大ビット長Iだけ埋め込んでいないと判断した場合(ステップS307:NO)、CPU11は、処理をステップS305へ戻して上述した処理を繰り返す。CPU11が、電子透かしを最大ビット長Iまで埋め込んだと判断した場合(ステップS307:YES)、CPU11は、逆ウェーブレット変換を行い(ステップS308)、画像受信装置2にて検出したい更新処理のすべてについて、対応する電子透かしを埋め込んだか否かを判断する(ステップS309)。
CPU11が、まだ対応する電子透かしを埋め込んでいない更新処理が存在すると判断した場合(ステップS309:NO)、CPU11は、逆ウェーブレット変換された画像を原画像とし、他の更新処理を選択する(ステップS310)。CPU11は、処理をステップS304へ戻して上述した処理を繰り返す。
CPU11が、すべての更新処理に対応する電子透かしを埋め込んだと判断した場合(ステップS309:YES)、CPU11は、逆ウェーブレット変換された画像を画像受信装置2へ送信する(ステップS311)。
CPU11が、離散ウェーブレット変換時の量子化幅ΔLを特定する方法は、特に限定されない。例えば、更新処理ごとの離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の変化量の分散に基づいて量子化幅ΔLを特定する。図7は、本発明の実施の形態に係る画像送信装置1のCPU11の量子化幅特定処理のフローチャートである。
ステップS304において、CPU11は、周波数レベルを初期値、例えば‘1’に設定し(ステップS701)、選択された更新処理の離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の変化量νの分散σを算出する(ステップS702)。そして、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の変化量νが平均0、分散σのガウス分布に従うと仮定した場合の、変化量νの確率密度関数p(ν)を特定する(ステップS703)。変化量νの確率密度関数p(ν)は(数2)のように求まる。
Figure 2007300491
図8は、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の変化量νが平均0、分散σのガウス分布に従うと仮定した場合の確率密度関数p(ν)の一例を示す図である。電子透かしの破損率Dは、図8のハッチング部分の面積に相当することから、(数2)に基づいて、更新処理を受けた場合の電子透かしの破損率Dは、量子化幅ΔL を用いて(数3)のように表すことができる。
Figure 2007300491
(数3)において、erfは、確率密度関数p(ν)の面積をあらわす関数であり、右辺第2項は、量子化幅ΔL で囲まれた中央部分の面積を示している。CPU11は、電子透かしの期待する破損率Dの設定を受け付け(ステップS704)、(数3)から逆算して離散ウェーブレット変換時の量子化幅ΔLを特定する(ステップS705)。
CPU11は、すべての周波数レベルについて量子化幅ΔLを特定したか否かを判断し(ステップS706)、CPU11が、まだ特定していない周波数レベルが残存していると判断した場合(ステップS706:NO)、CPU11は、周波数レベルLを変更、例えば‘1’インクリメントして(ステップS707)、処理をステップS702へ戻して上述した処理を繰り返す。CPU11が、すべての周波数レベルについて特定したと判断した場合(ステップS706:YES)、CPU11は、処理をステップS305へ戻す。
また、更新処理による離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の変化量νの分散σ算出の基礎となった画像は、外部から取得した原画像であるのに対し、実際に更新処理がなされる対象となる画像は、電子透かしが埋め込まれている画像である。したがって、より更新処理の推定精度を高めるためには、外部からの更新処理がなされたか否かの推定精度が高まるように量子化幅ΔLを補正することが好ましい。図9は、本発明の実施の形態に係る画像送信装置1のCPU11の、最急降下法による量子化幅ΔLを補正する処理のフローチャートである。
CPU11は、補正量子化幅ΔLAの初期値として、特定された量子化幅ΔLを設定する(ステップS901)。CPU11は、補正量子化幅ΔLAに対して微小量δを減じた値Δ- (ステップS902)、加減算をしない値Δ0 、(ステップS905)、加算した値Δ+ (ステップS908)をそれぞれ算出し、それぞれについて対応する更新処理に対する埋め込んだ電子透かしの破損率D’- (ステップS903)、D’0 (ステップS904)、D’+ (ステップS909)をそれぞれ算出する。
CPU11は、算出した電子透かしの破損率D’- 、D’0 、又はD’+ のそれぞれについて、破損率Dとの差の絶対値D- (ステップS904)、D0 (ステップS907)、D+ (ステップS910)をそれぞれ算出する。CPU11は、破損率Dとの差の絶対値D- 、D0 、D+ のうち、いずれが最小であるのか比較し、差の絶対値D- が最小であるか否かを判断する(ステップS911)。
CPU11が、差の絶対値D- が最小であると判断した場合(ステップS911:YES)、CPU11は、補正量子化幅ΔLAをΔ- に設定し(ステップS912)、ステップS902、S905、S908に処理を戻し、上述した処理を繰り返す。CPU11が、差の絶対値D- が最小ではないと判断した場合(ステップS911:NO)、CPU11は、差の絶対値D+ が最小であるか否かを判断する(ステップS913)。
CPU11が、差の絶対値D+ が最小であると判断した場合(ステップS913:YES)、CPU11は、補正量子化幅ΔLAをΔ+ に設定し(ステップS914)、ステップS902、S905、S908に処理を戻し、上述した処理を繰り返す。CPU11が、差の絶対値D+ が最小ではないと判断した場合(ステップS913:NO)、CPU11は、補正量子化幅ΔLAとして加減算をしない値Δ0 に設定する(ステップS915)。
このようにして補正量子化幅ΔLAを、設定した破損率Dとの差が最小である量子化幅ΔL に補正することができ、外部からの更新処理がなされたか否かの推定精度を高めることが可能となる。
画像受信装置2は、画像送信装置1で上述した処理により電子透かしを埋め込まれた画像の画像データ、更新処理の種類、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の選択に用いた関数cskey(i)、及び設定した更新処理ごとの破損率Dを受信し、画像の通信途上に想定した更新処理が行われたか否か、想定していない更新処理、すなわち何らかの改ざんが行われたか否かを検出する。図10及び図11は、本発明の実施の形態に係る画像受信装置2のCPU21の処理手順を示すフローチャートである。
画像受信装置2のCPU21は、画像送信装置1から、電子透かしを埋め込まれた画像データ、更新処理の種類、及び離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)の選択に用いた関数cskey(i)を受信し(ステップS1001)、離散ウェーブレット変換を行う(ステップS1002)。なお、設定した更新処理ごとの破損率Dは、画像送信装置1の記憶手段14に、画像受信装置2と同様の破損率記憶部を備えておき、画像の送信時に更新処理の種類に基づいて抽出して、併せて送信しても良い。
CPU21は、受信した更新処理の種類から順次一の更新処理を選択する(ステップS1003)。CPU21は、抽出したピクセルごとに、受信したcskey(i)が示す離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を特定する(ステップS1004)。なお、m、nは自然数であり、画像の縦横のピクセル値を示している。例えば画像の左上を原点とし、右方向へ1からm、下方向へ1からnとして、該当するピクセルについて離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を特定する。
CPU21は、特定された離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を二値化する(ステップS1005)。例えば(数1)に例示した二値写像関数Qを用い、Q(fk,l (m、n))を求めれば良い。二値写像関数Qの出力値をω’とする。
CPU21は、電子透かしをすべて抽出したか否かを判断し(ステップS1006)、CPU21が、まだ電子透かしの最大ビット長Iだけ抽出していないと判断した場合(ステップS1006:NO)、CPU21は、処理をステップS1004へ戻して上述した処理を繰り返す。CPU21が、電子透かしを最大ビット長Iまで抽出したと判断した場合(ステップS1006:YES)、CPU21は、抽出された電子透かしの破損率D’を算出する(ステップS1007)。
具体的には、受信したIビットの電子透かしω(i)(iは1からIの自然数)と、離散ウェーブレット係数fk,l (m、n)を二値化する場合に(数1)に例示した二値写像関数Qを用いて算出したω’(i)(iは1からIの自然数)との排他的論理和を算出し、Iビット中いくつのビットが一致しないのか、その割合を破損率D’として算出する。
CPU21は、記憶手段24に記憶してある破損率記憶部241を照会して、破損率D’を算出した更新処理に対応した破損率Dを抽出し(ステップS1008)、抽出した破損率Dと算出した破損率D’とが略一致しているか否かを判断する(ステップS1009)。CPU21が、略一致していると判断した場合(ステップS1009:YES)、CPU21は、画像送信時に想定していた更新処理が正当に実行されていると判断し、該更新処理が実行された旨を示す情報を出力する(ステップS1010)。
CPU21が、一致していないと判断した場合(ステップS1009:NO)、CPU21は、画像送信時に想定していない更新処理が実行されていると判断し、何らかの想定していない改ざん処理が実行された旨を示す情報を出力する(ステップS1011)。したがって、想定されていない改ざん処理が第三者によって実行された事実をピクセル単位で検出することができる。
CPU21は、画像送信装置1で想定した更新処理のすべてについて、対応する電子透かしを抽出したか否かを判断し(ステップS1012)、CPU21が、まだ対応する電子透かしを抽出していない更新処理が存在すると判断した場合(ステップS1012:NO)、CPU21は、他の更新処理を選択して(ステップS1013)、処理をステップS1004へ戻して上述した処理を繰り返す。CPU21が、すべての更新処理に対応する電子透かしを抽出したと判断した場合(ステップS1012:YES)、処理を終了する。
以上のように本実施の形態によれば、ピクセル単位で画像データの破損率を比較することができることから、第三者による改ざんを確実に検出することができ、例えば通常行なわれるJPEG圧縮処理等に対する画像データの破損率Dを事前に記憶手段に記憶しておくことにより、第三者により改ざん処理がなされたか否か、及び改ざんされた位置を正確に把握することが可能となる。
また、人間の視覚がより鈍感である高周波数成分に離散ウェーブレット係数を補正することにより、逆ウェーブレット変換により再現された画像中のノイズを減少させることが可能となり、より精緻に改ざんが行われたか否かを検出することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る画像通信システムの構成を示すブロック図である。 破損率記憶部に記憶されているデータ構成の一例を示す図である。 本実施の形態に係る画像送信装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。 離散ウェーブレット係数の周波数レベルのイメージ図である。 本実施の形態に係る画像送信装置のCPUの二値化処理の手順を示すフローチャートである。 離散ウェーブレット係数を量子化区間の中央値に設定する処理の概念を説明するイメージ図である。 本発明の実施の形態に係る画像送信装置のCPUの量子化幅特定処理のフローチャートである。 離散ウェーブレット係数の変化量の確率密度関数の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る画像送信装置のCPUの、最急降下法による量子化幅を補正する処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る画像受信装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る画像受信装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 画像送信装置
2 画像受信装置
3 ネットワーク網
4、6 記録媒体
5、7 コンピュータプログラム
11、21 CPU
12、22 ROM
13、23 RAM
14、24 記憶手段
15、25 通信手段
16、26 入力手段
17、27 出力手段
18、28 補助記憶手段

Claims (14)

  1. 複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを送信する画像送信装置と、
    受信された画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置と
    を備えた画像通信システムにおいて、
    前記画像送信装置は、
    原画像に対してピクセル単位で前記画像更新処理を施す画像更新手段と、
    前記画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を前記画像受信装置へ送信する手段と
    を備え、
    前記画像受信装置は、
    画像に対する画像更新処理の種類に対応付けて画像データの破損率を記憶する手段と、
    画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を示す情報を受信する手段と、
    受信された画像更新処理の位置を示す情報に基づいて該画像データの破損率を算出する手段と、
    記憶してある破損率に略一致する破損率が算出されたか否かを判断する手段と、
    該手段で一致しない破損率が算出されたと判断した場合、異なる更新処理がなされた旨を示す情報を出力し、略一致する破損率が算出されたと判断した場合、対応する画像更新処理の種類を出力する手段と
    を備えることを特徴とする画像通信システム。
  2. 前記画像更新手段は、電子透かしの原画像への埋め込み処理であり、
    前記画像送信装置は、
    原画像に基づいて離散ウェーブレット係数をピクセルごとに算出する手段と、
    画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を設定する手段と、
    設定された量子化幅で電子透かしを埋め込む手段と、
    電子透かしを埋め込んだ状態で逆ウェーブレット変換処理を実行する手段と
    を備え、
    前記画像受信装置は、
    画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を記憶するようにしてあることを特徴とする請求項1記載の画像通信システム。
  3. 前記画像送信装置は、
    量子化する離散ウェーブレット係数をランダムに特定する手段と、
    特定された離散ウェーブレット係数を二値化する手段と、
    二値化された離散ウェーブレット係数が埋め込む前記電子透かしと一致するか否かを判断する手段と、
    該手段で一致しないと判断された場合、量子化幅で区分した量子区間であって離散ウェーブレット係数の絶対値がより小さい方向で離散ウェーブレット係数が一致する直近の量子区間の中央値に、また一致すると判断した場合、同一の量子区間の中央値に、それぞれ特定された離散ウェーブレット係数を変更する手段と
    を備えることを特徴とする請求項2記載の画像通信システム。
  4. 複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを送信する画像送信装置と、
    受信された画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置と
    を用い、画像を通信する画像通信方法において、
    前記画像送信装置にて、
    原画像に対してピクセル単位で前記画像更新処理を施し、
    前記画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を前記画像受信装置へ送信し、
    前記画像受信装置にて、
    画像に対する画像更新処理の種類に対応付けて画像データの破損率を記憶し、
    画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を示す情報を受信し、
    受信された画像更新処理の位置を示す情報に基づいて該画像データの破損率を算出し、
    記憶してある破損率に略一致する破損率が算出されたか否かを判断し、
    一致しない破損率が算出されたと判断した場合、異なる更新処理がなされた旨を示す情報を出力し、略一致する破損率が算出されたと判断した場合、対応する画像更新処理の種類を出力することを特徴とする画像通信方法。
  5. 前記画像送信装置にて、
    原画像に基づいて離散ウェーブレット係数をピクセルごとに算出し、
    画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を設定し、
    設定された量子化幅で電子透かしを埋め込み、
    電子透かしを埋め込んだ状態で逆ウェーブレット変換処理を実行し、
    前記画像受信装置にて、
    画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を記憶することを特徴とする請求項4記載の画像通信方法。
  6. 前記画像送信装置にて、
    量子化する離散ウェーブレット係数をランダムに特定し、
    特定された離散ウェーブレット係数を二値化し、
    二値化された離散ウェーブレット係数が埋め込む前記電子透かしと一致するか否かを判断し、
    一致しないと判断された場合、量子化幅で区分した量子区間であって離散ウェーブレット係数の絶対値がより小さい方向で離散ウェーブレット係数が一致する直近の量子区間の中央値に、また一致すると判断した場合、同一の量子区間の中央値に、それぞれ特定された離散ウェーブレット係数を変更することを特徴とする請求項5記載の画像通信方法。
  7. 複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを、受信された画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置へ送信する画像送信装置において、
    原画像に対してピクセル単位で前記画像更新処理を施す画像更新手段と、
    前記画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を前記画像受信装置へ送信する手段と
    を備えることを特徴とする画像送信装置。
  8. 前記画像更新手段は、電子透かしの原画像への埋め込み処理であり、
    原画像に基づいて離散ウェーブレット係数をピクセルごとに算出する手段と、
    画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を設定する手段と、
    設定された量子化幅で電子透かしを埋め込む手段と、
    電子透かしを埋め込んだ状態で逆ウェーブレット変換処理を実行する手段と
    を備えることを特徴とする請求項7記載の画像送信装置。
  9. 量子化する離散ウェーブレット係数をランダムに特定する手段と、
    特定された離散ウェーブレット係数を二値化する手段と、
    二値化された離散ウェーブレット係数が埋め込む前記電子透かしと一致するか否かを判断する手段と、
    該手段で一致しないと判断された場合、量子化幅で区分した量子区間であって離散ウェーブレット係数の絶対値がより小さい方向で離散ウェーブレット係数が一致する直近の量子区間の中央値に、また一致すると判断した場合、同一の量子区間の中央値に、それぞれ特定された離散ウェーブレット係数を変更する手段と
    を備えることを特徴とする請求項8記載の画像送信装置。
  10. 複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを送信する画像送信装置から受信した画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置において、
    画像に対する画像更新処理の種類に対応付けて画像データの破損率を記憶する手段と、
    画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を示す情報を受信する手段と、
    受信された画像更新処理の位置を示す情報に基づいて該画像データの破損率を算出する手段と、
    記憶してある破損率に略一致する破損率が算出されたか否かを判断する手段と、
    該手段で一致しない破損率が算出されたと判断した場合、異なる更新処理がなされた旨を示す情報を出力し、略一致する破損率が算出されたと判断した場合、対応する画像更新処理の種類を出力する手段と
    を備えることを特徴とする画像受信装置。
  11. 複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを、受信された画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置へ送信する画像送信装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
    前記画像送信装置を、
    原画像に対してピクセル単位で前記画像更新処理を施す画像更新手段、及び
    前記画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を前記画像受信装置へ送信する手段
    として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  12. 前記画像送信装置を、
    原画像に基づいて離散ウェーブレット係数をピクセルごとに算出する手段、
    画像更新処理の種類ごとに、破損率に対応する量子化幅を設定する手段、
    設定された量子化幅で電子透かしを埋め込む手段、及び
    電子透かしを埋め込んだ状態で逆ウェーブレット変換処理を実行する手段
    として機能させることを特徴とする請求項11記載のコンピュータプログラム。
  13. 前記画像送信装置を、
    量子化する離散ウェーブレット係数をランダムに特定する手段、
    特定された離散ウェーブレット係数を二値化する手段、
    二値化された離散ウェーブレット係数が埋め込む前記電子透かしと一致するか否かを判断する手段、及び
    該手段で一致しないと判断された場合、量子化幅で区分した量子区間であって離散ウェーブレット係数の絶対値がより小さい方向で離散ウェーブレット係数が一致する直近の量子区間の中央値に、また一致すると判断した場合、同一の量子区間の中央値に、それぞれ特定された離散ウェーブレット係数を変更する手段
    として機能させることを特徴とする請求項12記載のコンピュータプログラム。
  14. 複数のピクセルからなる原画像の一部又は全部に対して、送受信に必要な画像更新処理を施した画像データを送信する画像送信装置から受信した画像データに施された画像更新処理の種類及び位置を検出して、原画像に対して前記画像更新処理と異なる更新処理が行われたか否か及び異なる更新処理の種類を特定する画像受信装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
    前記画像受信装置は、画像に対する画像更新処理の種類に対応付けて画像データの破損率を記憶しておき、
    前記画像受信装置を、
    画像更新処理が施された画像データ並びに施された画像更新処理の種類及び位置を示す情報を受信する手段、
    受信された画像更新処理の位置を示す情報に基づいて該画像データの破損率を算出する手段、
    記憶してある破損率に略一致する破損率が算出されたか否かを判断する手段、及び
    該手段で一致しない破損率が算出されたと判断した場合、異なる更新処理がなされた旨を示す情報を出力し、略一致する破損率が算出されたと判断した場合、対応する画像更新処理の種類を出力する手段
    として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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