JP2007298483A - 交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡単な装置構成により、操業中でも可撓性ケーブルの断線の有無を精度良く確実に検出できる交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置を提供する。
【解決手段】電源側のブスバーと交流アーク炉における3本の電極との間に、それぞれ並列にして接続された複数の可撓性ケーブルk1〜k4と、係る可撓性ケーブルk1〜k4ごとの周囲に配置され、個々の可撓性ケーブルk1〜k4ごとの外周に沿った空芯の周囲にリング形状に巻き付けたコイルからなる複数の電流検出センサc1またはc2と、係る複数の電流検出センサc1またはc2ごとの出力電流値と、電源側の供給電流値とを比較することで、個々の可撓性ケーブルk1〜k4における断線の有無を検出するコントローラ(制御手段)26と、を含む、交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置20。
【選択図】図5
【解決手段】電源側のブスバーと交流アーク炉における3本の電極との間に、それぞれ並列にして接続された複数の可撓性ケーブルk1〜k4と、係る可撓性ケーブルk1〜k4ごとの周囲に配置され、個々の可撓性ケーブルk1〜k4ごとの外周に沿った空芯の周囲にリング形状に巻き付けたコイルからなる複数の電流検出センサc1またはc2と、係る複数の電流検出センサc1またはc2ごとの出力電流値と、電源側の供給電流値とを比較することで、個々の可撓性ケーブルk1〜k4における断線の有無を検出するコントローラ(制御手段)26と、を含む、交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置20。
【選択図】図5
Description
本発明は、交流アーク炉に使用される可撓性ケーブルの断線検出装置に関する。
3相式交流アーク炉では、アーク炉本体の内側に垂直に立設した3本の電極に対し、それぞれ数10KAの大電流を給電することにより、アーク炉本体の内側に予め装入したスクラップや合金成分などからなる原料を介して、上記3本の電極の各先端部に交互に生じるアークを発生させている。係るアークによって、上記原料を溶解して溶鋼などを溶製している。
ところで、一般に、交流アーク炉においては、前記3本の電極を昇降および旋回操作して、アーク炉本体への原料の装入や、炉蓋の開閉を行っている。このため、3本の電極と電源側との間には、各電極ごとに複数組の可撓性ケーブルが接続され、これらの可撓性ケーブルを介して、前記大電流を給電している。
ところで、一般に、交流アーク炉においては、前記3本の電極を昇降および旋回操作して、アーク炉本体への原料の装入や、炉蓋の開閉を行っている。このため、3本の電極と電源側との間には、各電極ごとに複数組の可撓性ケーブルが接続され、これらの可撓性ケーブルを介して、前記大電流を給電している。
前記可撓性ケーブルは、太径の絶縁カバーの内側に、冷却水を流す流路と、係る流路により隔てられた複数個の導線束とを有しており、前記3本の電極を昇降および旋回操作に追従可能とされている。互いに平行な多数の導線を結束した上記複数個の導電束は、上記電極の昇降および旋回操作に伴う捻り応力や、大型アーク炉の特徴である急峻な電流変動による電磁力が作用するため、次第に疲労して最後には断線状態に至ることがある。
ところで、可撓性ケーブルは、数tonの重量物であり、且つ交流アーク炉における3本の電極ごとに複数本を並列に接続されている。このため、上記断線状態を、操業中において個々の可撓性ケーブルを取り外さずに検出することが求められている。
ところで、可撓性ケーブルは、数tonの重量物であり、且つ交流アーク炉における3本の電極ごとに複数本を並列に接続されている。このため、上記断線状態を、操業中において個々の可撓性ケーブルを取り外さずに検出することが求められている。
従来においては、例えば、X線を照射してケーブル内部の健全な導線全体の断面積を求め、導線切れによるケーブル内部導線の劣化を診断する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
更に、可撓性の水冷ケーブルにロープ型フレキシブル電流センサを巻き付け、直流低電流発生装置により個々の水冷ケーブルの両端に電圧を加えて、上記電流センサに設けた電流計により水冷ケーブルの電流値を計測すると共に、水冷ケーブル両端間の電圧差を電圧計で計測し、計測した電流値と電圧差とから当該水冷ケーブルの抵抗値を求め、係る抵抗値から当該水冷ケーブルにおける健全な導線全体の断面積を求める水冷ケーブルの寿命診断方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、可撓性の水冷ケーブルにロープ型フレキシブル電流センサを巻き付け、直流低電流発生装置により個々の水冷ケーブルの両端に電圧を加えて、上記電流センサに設けた電流計により水冷ケーブルの電流値を計測すると共に、水冷ケーブル両端間の電圧差を電圧計で計測し、計測した電流値と電圧差とから当該水冷ケーブルの抵抗値を求め、係る抵抗値から当該水冷ケーブルにおける健全な導線全体の断面積を求める水冷ケーブルの寿命診断方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記特許文献1のケーブル内部導線の劣化診断方法では、高価で且つ操作が煩雑なX線発生・照射装置が必要となるため、ケーブル内部導線の劣化を診断する作業に、多大な時間および手間を必要とする問題があった。
一方、前記特許文献2の水冷ケーブルの寿命診断方法では、水冷ケーブルの両端に電圧を加えて、前記電流センサに設けた電流計で水冷ケーブルの電流値を計測し、水冷ケーブル両端間の電圧差を電圧計で計測し、計測された電流値と電圧差とから当該水冷ケーブルの抵抗値を求め、係る抵抗値から当該水冷ケーブル中の健全な導線の断面積を求めている。このため、水冷ケーブルの両端に直流低電流発生装置を接続する手間が必要であると共に、操業中では水冷ケーブルの寿命の劣化を診断できない、という問題があった。
一方、前記特許文献2の水冷ケーブルの寿命診断方法では、水冷ケーブルの両端に電圧を加えて、前記電流センサに設けた電流計で水冷ケーブルの電流値を計測し、水冷ケーブル両端間の電圧差を電圧計で計測し、計測された電流値と電圧差とから当該水冷ケーブルの抵抗値を求め、係る抵抗値から当該水冷ケーブル中の健全な導線の断面積を求めている。このため、水冷ケーブルの両端に直流低電流発生装置を接続する手間が必要であると共に、操業中では水冷ケーブルの寿命の劣化を診断できない、という問題があった。
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、比較的簡単な装置構成にて、操業中においても可撓性ケーブルの断線の有無を精度良く確実に検出できる交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置を提供する、ことを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するため、発明者らの鋭意研究および調査の結果得られたものであり、個々の可撓性ケーブルに所謂ロゴスキーコイルからなる電流検出センサを巻き付け、その電流値と電源側の供給電流値とを比較する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置(請求項1)は、電源側と交流アーク炉における3本の電極ごととの間に、それぞれ並列にして接続された複数の可撓性ケーブルと、係る複数の可撓性ケーブルごとの周囲に配置され、個々の可撓性ケーブルごとの外周に沿った空芯または絶縁性の芯材の周囲にリング形状に巻き付けたコイルからなる複数の電流検出センサと、係る複数の電流検出センサごとの出力電流値と、前記電源側の供給電流値とを比較することで、個々の可撓性ケーブルの断線の有無を検出する制御手段と、を含む、ことを特徴とする。
また、本発明には、前記複数の可撓性ケーブルごとの周囲に配置された複数の電流検出センサの出力部と、前記制御手段の入力部との間に、接続切替スイッチが配置されている、交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置(請求項2)も含まれる。
即ち、本発明の交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置(請求項1)は、電源側と交流アーク炉における3本の電極ごととの間に、それぞれ並列にして接続された複数の可撓性ケーブルと、係る複数の可撓性ケーブルごとの周囲に配置され、個々の可撓性ケーブルごとの外周に沿った空芯または絶縁性の芯材の周囲にリング形状に巻き付けたコイルからなる複数の電流検出センサと、係る複数の電流検出センサごとの出力電流値と、前記電源側の供給電流値とを比較することで、個々の可撓性ケーブルの断線の有無を検出する制御手段と、を含む、ことを特徴とする。
また、本発明には、前記複数の可撓性ケーブルごとの周囲に配置された複数の電流検出センサの出力部と、前記制御手段の入力部との間に、接続切替スイッチが配置されている、交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置(請求項2)も含まれる。
請求項1の交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置によれば、空芯または絶縁性の芯材の周囲に導線を螺旋形で且つリング形状に巻き付けた所謂ロゴスキーコイルからなる電流検出センサを複数の可撓性ケーブルごとの周囲に巻き付け、各センサが検出する電流値と、電源側の供給電流値とが制御手段で比較される。上記コイルからなる電流検出センサを用いると、係るコイルが巻き付けられた可撓性ケーブル以外の可撓性ケーブルからの電磁波の影響を受けにくくなる。その結果、他の可撓性ケーブルから発生する電磁波の影響を著しく低減できるため、正確な電流値が得られる。
このため、例えば、交流アーク炉における1本の電極に対し、4本の可撓性ケーブルが並列にして接続されている場合、各センサからの電流値と、電源側の供給電流値の4分の1とを比較し、前者の比率が予め設定したしきい値の60%以下になった際に、当該可撓性ケーブルを断線状態として、出力される。
従って、比較的簡単な装置構成やプログラムで済むと共に、少ない演算処理ステップにより、交流アーク炉に用いらる複数の可撓性ケーブルごとにおける断線状態の有無を、精度良く確実に検出することができる。
このため、例えば、交流アーク炉における1本の電極に対し、4本の可撓性ケーブルが並列にして接続されている場合、各センサからの電流値と、電源側の供給電流値の4分の1とを比較し、前者の比率が予め設定したしきい値の60%以下になった際に、当該可撓性ケーブルを断線状態として、出力される。
従って、比較的簡単な装置構成やプログラムで済むと共に、少ない演算処理ステップにより、交流アーク炉に用いらる複数の可撓性ケーブルごとにおける断線状態の有無を、精度良く確実に検出することができる。
請求項2の交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置によれば、例えば、交流アーク炉における1本の電極に対し、4本の可撓性ケーブルが並列にして接続されている場合、接続切替スイッチを切り替えることにより、個々の電流検出センサからの電流値と、電源側の供給電流値の4分の1との比較を、順次行うことができる。このため、一層少なく低コストな装置構成によって、個々の可撓性ケーブルにおける断線状態の有無を、精度良く確実に検出することができる。
尚、前記可撓性ケーブルには、水冷式のほか、空冷式や油冷式などの冷却方式のを備えた形態のものなどが含まれる。
また、請求項1の前記断線検出装置の場合、1本の可撓性ケーブルごとに、前記制御手段を用いても良い。但し、請求項2の接続切替スイッチを用いることにより、1基の交流アーク炉に例えば24本の可撓性ケーブルが平行且つ並列に接続されている場合、前記制御手段を1個で対応することが可能となる。
更に、請求項1の前記制御手段には、前記比較処理ステップを含む演算処理ソフトを搭載したコントローラやパソコンなどが適用され、これらの内部に組み込まれたタイマによって、検出作業を自動的且つ定期的に行うことも可能である。
加えて、請求項2における前記接続切替スイッチの切り替え操作は、定期的な検査の際に、手動で行っても良いが、例えばコントローラにタイマを内蔵することで、係るコントローラからの切替信号により、自動的に行うことも可能である。
また、請求項1の前記断線検出装置の場合、1本の可撓性ケーブルごとに、前記制御手段を用いても良い。但し、請求項2の接続切替スイッチを用いることにより、1基の交流アーク炉に例えば24本の可撓性ケーブルが平行且つ並列に接続されている場合、前記制御手段を1個で対応することが可能となる。
更に、請求項1の前記制御手段には、前記比較処理ステップを含む演算処理ソフトを搭載したコントローラやパソコンなどが適用され、これらの内部に組み込まれたタイマによって、検出作業を自動的且つ定期的に行うことも可能である。
加えて、請求項2における前記接続切替スイッチの切り替え操作は、定期的な検査の際に、手動で行っても良いが、例えばコントローラにタイマを内蔵することで、係るコントローラからの切替信号により、自動的に行うことも可能である。
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明が適用される3相式交流アーク炉Fと給電設備との概略を示す。
交流アーク炉Fは、図1に示すように、耐火物からなる炉本体1と、係る炉本体1の開口部を覆う炉蓋2と、係る炉蓋2に開設した複数の貫通孔3を貫通して炉内に先端(下端)部を挿入する3本(3相)の電極4〜6と、を備えている。尚、炉蓋2は、アーク炉F内に原料を装入したり、溶製した溶鋼Mを出湯する際に、図示しないクレーンまたはブームなどによって、取り外し可能とされている。
図1は、本発明が適用される3相式交流アーク炉Fと給電設備との概略を示す。
交流アーク炉Fは、図1に示すように、耐火物からなる炉本体1と、係る炉本体1の開口部を覆う炉蓋2と、係る炉蓋2に開設した複数の貫通孔3を貫通して炉内に先端(下端)部を挿入する3本(3相)の電極4〜6と、を備えている。尚、炉蓋2は、アーク炉F内に原料を装入したり、溶製した溶鋼Mを出湯する際に、図示しないクレーンまたはブームなどによって、取り外し可能とされている。
3本の電極4〜6は、全体が円柱形のカーボンからなり、それぞれホルダ7を介して、水平な導体支腕8の先端部に支持されている。係る導体支腕8は、図1中の矢印で示すように、昇降および水平旋回が可能な支柱9に支持されている。
上記電極4〜6は、それぞれの先端部の間において、アーク炉F内に挿入された原料を介して交互にアークを発生させることで、係る原料を徐々に溶解して溶鋼Mとすると共に、更に係る溶鋼Mを介して交互にアークを発生させて溶解し、所要の成分である溶鋼Mに溶製している。
尚、電極4〜6の各先端部が消耗してくると、支柱9を下降させることにより、原料や溶鋼M中に電極4〜6の各先端部を進入させている。また、電極4〜6は、相互に設定された電流が流れるように、支柱9および導体支腕8を昇降させることで、先端部に生じるアークの発生量(長さ)を変化させている。
上記電極4〜6は、それぞれの先端部の間において、アーク炉F内に挿入された原料を介して交互にアークを発生させることで、係る原料を徐々に溶解して溶鋼Mとすると共に、更に係る溶鋼Mを介して交互にアークを発生させて溶解し、所要の成分である溶鋼Mに溶製している。
尚、電極4〜6の各先端部が消耗してくると、支柱9を下降させることにより、原料や溶鋼M中に電極4〜6の各先端部を進入させている。また、電極4〜6は、相互に設定された電流が流れるように、支柱9および導体支腕8を昇降させることで、先端部に生じるアークの発生量(長さ)を変化させている。
図1に示すように、前記導体支腕8の基端には、端子10が取り付けられ、変圧器16の低圧側に接続されたブスバー14には、端子13が取り付けられている。係る端子10,13間には、3本の電極4〜6のうちの1本に対し、それぞれ4本の可撓性ケーブルk1〜k4のそれぞれ並列で且つほぼU字形にして接続されている。従って、交流アーク炉F全体では、合計12本の可撓性ケーブルk1〜k4が用いられている。個々の可撓性ケーブルk1〜k4には、数10kAの交流電流が流れるため、それらの周囲ごとに電磁波が発生している。
尚、変圧器16は、高圧側の電線18からの交流電流をアーク炉F用である所定の低電圧に降下させる。図1中の上記ブスバー14は、本発明における低圧側の「電源」である。
尚、変圧器16は、高圧側の電線18からの交流電流をアーク炉F用である所定の低電圧に降下させる。図1中の上記ブスバー14は、本発明における低圧側の「電源」である。
可撓性ケーブルk1〜k4は、図2の断面図で例示するように、断面がほぼ円形で且つ可撓性である絶縁カバー11の内側に、多数の導線を平行にして結束した複数の導線束12がその軸方向に沿って貫通している。係る導線束12同士の間を含む絶縁カバー11の内側には、冷却水Wが循環流通している。
即ち、可撓性ケーブルk1〜k4は、前記電極4〜6の昇降および旋回動作に追従できるように、3次元方向において変形が可能な水冷ケーブルである。
即ち、可撓性ケーブルk1〜k4は、前記電極4〜6の昇降および旋回動作に追従できるように、3次元方向において変形が可能な水冷ケーブルである。
図3は、本発明に用いる電流検出センサの一形態であるコイルc1と、その使用状態を示す。図3の左側に示すように、コイルc1は、導線を断面円形で且つ螺旋形に巻き付けた空芯の所謂ロゴスキーコイルであり、一端に端子t1を有すると共に、他端の端子t2は、空芯を貫通している。係るコイルc1は、図3の中央で例示するように、可撓性ケーブルk1〜k4の外周に沿ってリング状に巻き付けられる。また、図3の右側で例示するように、コイルc1の内側に、断面ほぼ円形で且つリング形のセラミックまたは耐熱樹脂からなる芯材19aを挿入した形態としても良い。係る形態では、芯材19aの周囲に導線を螺旋状に巻き付けることにより、容易にコイルc1を製作することができる。
図4は、本発明に用いる電流検出センサの異なる形態であるコイルc2と、その使用状態を示す。図4の左側に示すように、コイルc2は、導線を断面ほぼ半円形で且つ螺旋形に巻き付けた空芯のコイルである。係るコイルc2も、図4の中央で例示するように、円弧形部分を外側にして、可撓性ケーブルk1〜k4の外周に沿ってリング状に巻き付けられる。また、図4の右側で例示するように、コイルc2の内側に、断面ほぼ半円形で且つリング形のセラミックまたは耐熱樹脂からなる芯材19bを挿入した形態としても良い。係る形態でも、芯材19bの周囲に導線を螺旋状に巻き付けることにより、容易にコイルc2を製作できる。
係るコイルc2によれば、可撓性ケーブルk1〜k4の外周に対し、比較的少ないスペースで巻き付けることができる。
係るコイルc2によれば、可撓性ケーブルk1〜k4の外周に対し、比較的少ないスペースで巻き付けることができる。
前記コイルc1,c2からなる電流検出センサ(c1,c2)によれば、互いにほぼ平行に接続された多数の可撓性ケーブルk1〜k4ごとから発生する電磁波の影響を受けにくいため、検出対象である個々の可撓性ケーブルk1〜k4の電流値を正確に検出することが可能である。
尚、ロゴスキーコイルである前記コイルc1,c2は、これらが巻き付けたられた可撓性ケーブルこど流れる一次電流に対応した微分波形の電圧が当該コイルc1,c2端子t1,t2間に誘起されるため、係る電圧を積分器(図示せず)に通すことで、上記一次電流が再現される。また、前記コイルc1,c2からなる電流検出センサによる交流電流の検出精度は、導線の巻数およびコイル自体の断面積に依存することに留意する必要がある。更に、前記空芯タイプのコイルc1,c2の場合、全体が柔軟性を有し、且つ軽量であるため、可撓性ケーブルk1〜k4への負荷も小さくすることができる。
尚、ロゴスキーコイルである前記コイルc1,c2は、これらが巻き付けたられた可撓性ケーブルこど流れる一次電流に対応した微分波形の電圧が当該コイルc1,c2端子t1,t2間に誘起されるため、係る電圧を積分器(図示せず)に通すことで、上記一次電流が再現される。また、前記コイルc1,c2からなる電流検出センサによる交流電流の検出精度は、導線の巻数およびコイル自体の断面積に依存することに留意する必要がある。更に、前記空芯タイプのコイルc1,c2の場合、全体が柔軟性を有し、且つ軽量であるため、可撓性ケーブルk1〜k4への負荷も小さくすることができる。
図5は、本発明による交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置20を示す概略図である。
図5に示すように、前記交流アーク炉Fにおける電極4〜6の何れか1本と接続されたアーク炉F側の端子10は、4個の端子10a〜10dに分岐し、これらに可撓性ケーブルk1〜k4の一端が個別に接続されている。一方、電源14側の端子13も、4個の端子13a〜13dに分岐し、これらに上記可撓性ケーブルk1〜k4の他端がそれぞれ個別に接続されている。
側面視でほぼU字形に撓んだ可撓性ケーブルk1〜k4ごとの中間には、前記空芯のコイルc1からなる電流検出センサが、可撓性ケーブルk1〜k4ごとの外周に沿ってリング形にして巻き付けられている。尚、係る電流検出センサには、前記コイルc2を用いても良い。
図5に示すように、前記交流アーク炉Fにおける電極4〜6の何れか1本と接続されたアーク炉F側の端子10は、4個の端子10a〜10dに分岐し、これらに可撓性ケーブルk1〜k4の一端が個別に接続されている。一方、電源14側の端子13も、4個の端子13a〜13dに分岐し、これらに上記可撓性ケーブルk1〜k4の他端がそれぞれ個別に接続されている。
側面視でほぼU字形に撓んだ可撓性ケーブルk1〜k4ごとの中間には、前記空芯のコイルc1からなる電流検出センサが、可撓性ケーブルk1〜k4ごとの外周に沿ってリング形にして巻き付けられている。尚、係る電流検出センサには、前記コイルc2を用いても良い。
図5に示すように、4つの電流検出センサc1から個々に検出された電流は、他の可撓性ケーブルk1〜k4が発生する電磁波の影響を受けることなく、それぞれの出力部21を介して出力される。係る4つの出力部21は、切替スイッチ22の一端側に接続され、互いに切替可能とされている。係る切替スイッチ22の他端側は、変換器24および入力部27を介して、コントローラ(制御手段)26に接続されている。このため、4つの電流検出センサc1の何れかから検出された電流は、切替スイッチ22がオンの際に、コントローラ26に送られる。
一方、図5に示すように、ブスバー(電源)14側の端子13は、回路29および前記変圧器16に内蔵された電流検出回路28を介して、コントローラ26に接続されている。
尚、上記変換器24は、実効値の演算を行う。また、図5中の破線で示す符号23は、コントローラ26からの切替信号を切替スイッチ22に伝達する回路である。
一方、図5に示すように、ブスバー(電源)14側の端子13は、回路29および前記変圧器16に内蔵された電流検出回路28を介して、コントローラ26に接続されている。
尚、上記変換器24は、実効値の演算を行う。また、図5中の破線で示す符号23は、コントローラ26からの切替信号を切替スイッチ22に伝達する回路である。
コントローラ26では、インターフェースを介して取り込まれた電源14側の端子13からの電流値を4分の1に除算した電源側の電流値Ixと、前記4個の電流検出センサc1の何れか1個から検出された電流値Iyと、が比較される。
例えば、上記電流値Iyが電流値Ixの60%(比)以下である場合、係る電流値Iyが検出された可撓性ケーブルk1〜k4は、その前記導線束12が断線状態として判別される。尚、上記60%は、予め設定されたしきい値であり、常時コントローラ26の記憶部に入力されており、上記比較に伴う演算処理の際に使用される。
例えば、上記電流値Iyが電流値Ixの60%(比)以下である場合、係る電流値Iyが検出された可撓性ケーブルk1〜k4は、その前記導線束12が断線状態として判別される。尚、上記60%は、予め設定されたしきい値であり、常時コントローラ26の記憶部に入力されており、上記比較に伴う演算処理の際に使用される。
上記断線状態として判別された何れかの可撓性ケーブルk1〜k4は、例えば、コントローラ26から図示しないディスプレイに表示されたり、あるいは、記録紙に印刷される。これに基づいて、直後のアーク炉Fの操業停止時において、新たな可撓性ケーブルと取り替えられる。
上記電流値Iyの取り込み操作は、前記切替スイッチ22を回路23を介して切り替えることで、交流アーク炉Fにおける合計12本の可撓性ケーブルk1〜k4ごとについて行われ、その都度、電源側の前記電流値Ixと比較および判定が順に行われる。このため、交流アーク炉Fの連続操業中においても、係る判定が可能である。
上記電流値Iyの取り込み操作は、前記切替スイッチ22を回路23を介して切り替えることで、交流アーク炉Fにおける合計12本の可撓性ケーブルk1〜k4ごとについて行われ、その都度、電源側の前記電流値Ixと比較および判定が順に行われる。このため、交流アーク炉Fの連続操業中においても、係る判定が可能である。
以上のような本発明の断線検出装置20によれば、複数の可撓性ケーブルk1〜k4ごとに巻き付けたロゴスキーコイルタイプのコイルc1,c2を、それぞれ電流検出センサとしているので、検出対象ごとの可撓性ケーブルk1〜k4の電流値Iyを、隣接する他の可撓性ケーブルk1〜k4からの電磁波の影響を小さくして、正確に検出できる。しかも、制御手段であるコントローラ26では、電流値Ix,Iy同士を比較する演算処理を行うため、そのためのプログラムも簡素にすることが可能である。
従って、個々の可撓性ケーブルk1〜k4の断線状態の有無を、精度良く確実に検出できると共に、前記コイルc1,c2は可撓性ケーブルk1〜k4に常時巻き付けて着脱しないため、メンテナンスコストも低減することが可能となる。
従って、個々の可撓性ケーブルk1〜k4の断線状態の有無を、精度良く確実に検出できると共に、前記コイルc1,c2は可撓性ケーブルk1〜k4に常時巻き付けて着脱しないため、メンテナンスコストも低減することが可能となる。
本発明は、以上において説明した形態に限定されるものではない。
例えば、電流検出センサに用いるコイルは、断面が長円形または楕円形であり、螺旋形且つリング状に巻き付けた形態としても良い。
更に、複数の可撓性ケーブルごとに巻き付けたコイルの電流検出センサごとに発信機を取り付け、係る発信機から無線で、前記制御手段のコントローラなどに対し、検出した電流値を送信するようにしても良い。
尚、本発明は、その趣旨を有する範囲において、適宜変更することができる。
例えば、電流検出センサに用いるコイルは、断面が長円形または楕円形であり、螺旋形且つリング状に巻き付けた形態としても良い。
更に、複数の可撓性ケーブルごとに巻き付けたコイルの電流検出センサごとに発信機を取り付け、係る発信機から無線で、前記制御手段のコントローラなどに対し、検出した電流値を送信するようにしても良い。
尚、本発明は、その趣旨を有する範囲において、適宜変更することができる。
F……………交流アーク炉
k1〜k4…可撓性ケーブル
c1,c2…コイル(電流検出センサ)
14…………ブスバー(電源側)
20…………断線検出装置
21…………出力部
22…………切替スイッチ
26…………コントローラ(制御手段)
27…………入力部
k1〜k4…可撓性ケーブル
c1,c2…コイル(電流検出センサ)
14…………ブスバー(電源側)
20…………断線検出装置
21…………出力部
22…………切替スイッチ
26…………コントローラ(制御手段)
27…………入力部
Claims (2)
- 電源側と交流アーク炉における3本の電極ごととの間に、それぞれ並列にして接続された複数の可撓性ケーブルと、
上記複数の可撓性ケーブルごとの周囲に配置され、個々の可撓性ケーブルごとの外周に沿った空芯または絶縁性の芯材の周囲にリング形状に巻き付けたコイルからなる複数の電流検出センサと、
上記複数の電流検出センサごとの出力電流値と、前記電源側の供給電流値とを比較することで、個々の可撓性ケーブルの断線の有無を検出する制御手段と、
を含む、
ことを特徴とする交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置。 - 前記複数の可撓性ケーブルごとの周囲に配置された複数の電流検出センサの出力部と、前記制御手段の入力部との間に、接続切替スイッチが配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006128964A JP2007298483A (ja) | 2006-05-08 | 2006-05-08 | 交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006128964A JP2007298483A (ja) | 2006-05-08 | 2006-05-08 | 交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007298483A true JP2007298483A (ja) | 2007-11-15 |
Family
ID=38768083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006128964A Withdrawn JP2007298483A (ja) | 2006-05-08 | 2006-05-08 | 交流アーク炉用可撓性ケーブルの断線検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007298483A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101009693B1 (ko) | 2008-07-24 | 2011-01-19 | 현대제철 주식회사 | 전기로의 버스 연결장치 |
CN106024268A (zh) * | 2016-06-28 | 2016-10-12 | 国营芜湖机械厂 | 一种轴类小零件纵向磁化装置 |
JP2020118481A (ja) * | 2019-01-21 | 2020-08-06 | 大同特殊鋼株式会社 | 水冷ケーブルの劣化検出方法 |
CN112379207A (zh) * | 2020-11-26 | 2021-02-19 | 国网福建省电力有限公司检修分公司 | 一种护层电缆状态综合监测装置及盗割监测方法 |
-
2006
- 2006-05-08 JP JP2006128964A patent/JP2007298483A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090804 |