JP2007288333A - 無線受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンテナ切り換え時におけるエラーの発生を低減し、地上デジタルテレビジョン放送波の移動体受信時における受信特性を向上させる。
【解決手段】車両50に設けられた無線受信装置において、アレーアンテナ100は、車両50の進行方向51に対して実質的にビーム方向を有する第1の放射パターンと、車両50の進行方向51の逆方向に対して実質的にビーム方向を有する第2の放射パターンとを有する。コントローラ20は、アンテナ100により受信された受信信号の信号レベルを検出し、検出した信号レベルが所定のしきい値未満となったときに、第1の放射パターンから第2の放射パターンに切り換え、もしくは、第2の放射パターンから第1の放射パターンに切り換えるようにアレーアンテナ100を制御する。また、放射パターンの切り換えに同期して、受信された受信信号の搬送波周波数をオフセット補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、車両などの移動体に搭載される、地上デジタル放送波を受信するための無線受信装置に関する。
2003年12月より3大都市圏において開始された地上デジタル放送は、現在そのサービスエリアを徐々に拡げつつあり、2011年には全国的にアナログ放送は停波され、デジタル放送に移行する予定である。地上デジタル放送はマルチパス耐性のあるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用しているため移動受信に強いことを特徴としている。移動受信ではフェージングによる特性劣化が問題となるが、これを改善する方法としてダイバーシチ受信が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
無線LAN端末やテレビ等の民生機器においては、受信機及びアンテナは性能を確保しつつ低消費電力、低コスト、小型であることが望ましい。これらを実現する手段として単一受信回路とRFスイッチで構成可能なアンテナ切り換えダイバーシチやアンテナ選択ダイバーシチが知られている(例えば、非特許文献2−4参照。)。
例えば、特許文献1においては、スペースダイバーシチ受信方式の効果を十分に生かしたまま、回路規模を小さくし、低消費電流化、低コスト化を行い、携帯用端末装置の小型化を実現するために、デュプレクサあるいはバンドパスフィルタの挿入損失、低雑音増幅器の雑音係数(NF)及び利得及び遅延器の挿入損失を考慮して、各アンテナブランチにおけるアンテナ入力端子から合成器までの受信信号のトータルの雑音係数及びトータルの利得が同等になるようにレベルダイアグラム設計することが開示されている。
特開2002−171210号公報。 J. Imai et al., "Experimental results of diversity reception for terrestrial digital broadcasting", IEICE Transaction on Communications, Vol.E85-B, No.11, pp.2527-2530, Nov.2002. W. C. Jakes, Microwave Mobile Communications, Wiley, New York, 1974. Afrashteh and D. Chukurcov, "Performance of a novel selection diversity technique in an experimental TDMA system for digital portable radio communications", Conf. Record Globecom 88, Hollywood, pp. 810-814, November, 1988. [4] M. Hamer et al., "Experimental vehicular angle-diversity antenna using mutual coupling," Proceedings of IEEE International Symposium Antennas Propagation 92, vol. 2, pp. 1089-1092, 1992. 電波産業会(ARIB),"地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式ARIB STD−B31 1.5版",2003年7月29日。 M. Taromaru et al., "Reactance diversity antenna for indoor reception of terrestrial digital TV broadcasting", Proceedings of 10th International Symposium on Microwave and Optical Technology (ISMOT2005), pp.182, Fukuoka, Japan, August 2005. H. Iwai et al., "Wideband propagation model for the analysis of the Effect of the multipath fading on the near-far problem in CDMA mobile radio systems", IEICE Transaction on Communications, Vol. E76-B, No. 2, pp.103-112, February 1993. 高田政幸ほか,"地上ディジタル放送におけるOFDMシンボル長とスキャッタードパイロットによる伝送特性,"映像情報メディア学会論文誌,Vol.52,No.11,pp.1658−1665,1998年11月。 山田宰編著,ディジタル放送の技術とサービス,コロナ社,東京,1993年。
図25は従来技術の問題点を示す地上デジタルテレビジョン放送波のOFDMフレームを示す図である。地上デジタルテレビジョン放送は、図25に示すように配置されたスキャッタードパイロット信号を含むOFDMフレームで伝送される(例えば、非特許文献5参照。)。ここで、ダイバーシチの切り換え時に、シンボルにおいてエラーが発生するという問題点があった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、アンテナ切り換え時におけるエラーの発生を低減し、地上デジタルテレビジョン放送波の移動体受信時における受信特性を従来技術に比較して向上させることができる無線受信装置を提供することにある。
本発明に係る無線受信装置は、移動体に設けられた無線受信装置において、
上記移動体の進行方向に対して実質的にビーム方向を有する第1の放射パターンと、上記移動体の進行方向の逆方向に対して実質的にビーム方向を有する第2の放射パターンとを有するアンテナ装置と、
上記アンテナ装置により受信された受信信号の信号レベルを検出し、検出した信号レベルが所定のしきい値未満となったときに、上記第1の放射パターンから上記第2の放射パターンに切り換え、もしくは、上記第2の放射パターンから上記第1の放射パターンに切り換えるようにアンテナ装置を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記無線受信装置において、上記制御手段は、上記放射パターンの切り換えに同期して、上記受信された受信信号の搬送波周波数をオフセット補正することを特徴とする。
従って、本発明に係る無線受信装置によれば、検出した信号レベルが所定のしきい値未満となったときに、移動体の進行方向の前後方向の放射パターンを選択的に切り換えるので、図4に示すドップラー効果による周波数シフトの広がりが左右方向(φ=90度および270度)よりも小さくなり、受信信号のレベル変動が緩慢となり切り換え回数が減少し、切り換えによって生じるエラーを低減することができる。
また、上記放射パターンの切り換えに同期して、上記受信された受信信号の搬送波周波数をオフセット補正するので、地上デジタルテレビジョン放送波の移動体受信時における受信特性を従来技術に比較してさらに向上させることができる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
まず、従来技術における問題点について以下に考察する。以下の考察は本発明の創作につながったものである。上述のように、ダイバーシチの切り換え時に、シンボルにおいてエラーが発生することから、切り換えダイバーシチを地上デジタル放送の移動受信に適応するためには、切り換えによる位相の急激な変化が原因で生ずる伝送路推定誤差や切り換え雑音によって生じるシンボル誤りを考慮する必要がある。それ故、受信性能を良くするためには、ダイバーシチの切り換え回数は少ないほどよいと考えられる。
図26は、地上デジタルテレビジョン放送波を受信するときの車両50の前後方向に対する切り換えダイバーシチを示す平面図である。図26に示すように、半値幅90°以下の指向性アンテナのビームを車両50の進行方向51に対して平行な前後方向に切り換えダイバーシチを行い、地上デジタルテレビジョン放送波を受信する。移動体受信では、移動局周辺の地形や地物による反射、回折、散乱等でさまざまな方向から到来する多数の波が互いに干渉し合いフェージングが発生する。フェージングは周波数の違う複数の電磁波が合成されることによって発生する。いま、振幅1と角周波数(ω+Δω)とを有する電磁波と、振幅1と角周波数(ω+Δω)を有する電磁波のみが受信されて合成されるとき、その合成波は次式で表される。
Figure 2007288333
式(1)から、当該合成波の振幅A及び位相θは次式で表される。
Figure 2007288333
Figure 2007288333
従って、合成波の振幅は上記式(2)で表される角周波数で変動し、実際の環境では多数の電磁波が同時に到来し,フェージングとなっている。それ故、各電磁波の角周波数の差が小さいほどフェージングの変動周期が遅くなり切り換え回数は少なくなる。上記の式(2)及び式(3)における各角周波数ωa及びωbは一般にドップラー効果による角周波数(又は周波数)のシフトにより生じるが、ドップラー効果による周波数のシフトは、図4に示すように、電磁波の到来方位角によって異なり、同図より明らかなように、車両50の前後方向(φ=0又は80度)の方が,方位角の変化に対するドップラーシフトの変化が少ない。これにより、同じ指向性アンテナでもビームを車の前後方向と左右方向では前後方向で切り換えた方が受信周波数の広がりが小さくなり、切り換え回数も少なくなると考えられる。
地上デジタルテレビジョン放送は図25のようなOFDMフレームで伝送されており、一定の間隔で既知のパイロットシンボルが挿入されている。受信機は受信されたパイロットシンボルのひずみから、パイロットシンボルに作用する伝送路特性を推定し、得られた伝送路特性を利用してデータシンボルに対する特性を推定し、データシンボルのひずみの補正を行う。このとき、切り換えが発生するとその前後では受信波の振幅と位相が急に変化するためパイロットシンボルによる補正が上手く行われずエラーが発生する。従って、切り換え回数は少ない方がよい。以上のことから指向性アンテナのビームを車の進行方向に対し前後方向に向け切り換えダイバーシチを行うと、地上デジタル放送を受信性能が改善される。
図27は、従来技術において、地上デジタルテレビジョン放送波を受信するときの車両50の前後方向及び斜め方向に対する切り換えダイバーシチを示す平面図である。図27のように指向性アンテナのビームを車の進行方向に対し前後方向(斜め方向も含む)に向け切り換えを行う場合ドップラー周波数の影響を大きく受け、受信周波数が大きく変化する。例えば搬送波周波数をfcとし、最大ドップラー周波数をfdとすると、前方から後方向のビームに切り換わる場合、受信周波数は急に変化することになる。このような場合において、アンテナ切り換えによる受信周波数の変化に追随できないと受信特性が劣化する。以上の考察から以下に示す対策をとることが好ましい。
第1の実施形態.
図1は本発明の第1の実施形態に係る、例えば地上デジタルテレビジョン放送波を受信するための、空間ダイバーシチアンテナである3素子の電子制御導波器アレーアンテナ装置100(以下、アレーアンテナ100という。なお、本実施形態では、アレーアンテナ100を用いているが、本発明はこれに限らず、前後方向に放射パターンを有して選択的に切り換えることができるアンテナ装置であればよい。)を備えた無線受信装置の構成を示すブロック図であり、図2は図1の3素子アレーアンテナ100の構造を示す正面図である。本実施形態に係る無線受信装置は例えば車両50などの移動体に搭載され、車両50の実質的に前後方向に指向性を有する2つの指向性パターンを有する3素子のアレーアンテナ100を備え、受信信号の信号レベルが所定のしきい値未満になったときに、現在設定している第1の指向性パターンから別の第2の指向性パターンに切り換えるとともに、当該指向性パターンの切り換えに同期して受信周波数をオフセット補正することを特徴としている。
本実施形態においては、図1及び図2に示すように、平面3素子のアレーアンテナ100を用いた。ここで、アレーアンテナ100は、
(a)2本のアンテナ素子10a,10bからなり、中央部に給電点Pを有する半波長ダイポールアンテナである給電素子10と、
(b)2本のアンテナ素子11a,11bからなり、給電素子10と平行になるようにかつ給電素子10から所定の距離d(例えば、d=0.05波長)だけ離れて配置され、中央部の各アンテナ素子11a,11b間に可変容量C1を有する可変容量ダイオードD1を有し、ほぼ半波長を有する無給電素子11と、
(c)2本のアンテナ素子12a,12bからなり、給電素子10と平行になり、給電素子10を間に挟んで無給電素子11とは反対側になるようにかつ給電素子10から所定の距離d(例えば、d=0.05波長)だけ離れて配置され、中央部の各アンテナ素子12a,12b間に可変容量C2を有する可変容量ダイオードD2を有し、ほぼ半波長を有する無給電素子12とを備え、これら3つの素子10,11,12が同一平面上に並置されるように構成される。
可変容量ダイオードD1には、コントローラ20から高周波阻止用インダクタL1を介して所定の第1のバイアス電圧が印加され、可変容量ダイオードD2には、コントローラ20から高周波阻止用インダクタL2を介して所定の第2のバイアス電圧が印加され、これらバイアス電圧を変化させることにより、無給電素子11,12の電気長が変化し、これに伴い、アレーアンテナ100の指向特性が変化する。本実施形態では、少なくとも、当該アレーアンテナ100を搭載した車両50の前後方向にそれぞれビーム方向の指向特性を有する指向性パターンを設定可能にバイアス電圧が印加される。このアレーアンテナ100を用いることにより、単一の受信回路でダイバーシチ受信ができ、RFスイッチも不要なため低コストで実現でき、低消費電力である。従って、本アンテナは民生機器端末装置における指向性ダイバーシチアンテナに適している(例えば、非特許文献6参照。)。すなわち、指向性ダイバーシチのブランチ切り換えには可変容量ダイオードD1,D2の静電容量C1とC2の値を切り換えることで行う。本実施形態では、コントローラ20に接続されたテーブルメモリ20mにおいて、車両50の実質的に前方方向にビーム方向を有する指向性パターンを設定するときの各可変容量ダイオードD1,D2に印加すべき各バイアス電圧が記憶されるともに、車両50の実質的に後方方向にビーム方向を有する指向性パターンを設定するときの各可変容量ダイオードD1,D2に印加すべき各バイアス電圧が記憶される。
図1において、アレーアンテナ100により受信された無線信号は、給電点Pから低雑音高周波増幅器21を介して周波数変換器22に入力され、周波数変換器22は入力される無線信号を所定の中間周波信号に低域周波数変換して中間周波増幅器23に出力する。中間周波増幅器23は入力される中間周波信号を増幅してOFDM復調回路30内のA/D変換器31に出力するとともに、無線信号の受信信号レベルを示すRSSI(Received Signal Strength Indicator)信号を発生してコントローラ20に出力する。コントローラ20は、テーブルメモリ20m内のバイアス電圧情報を参照し、入力されるRSSI信号により示される無線信号の受信信号レベルが所定のしきい値未満となったときに、切換信号SWSを発生して中間周波増幅器23及びGI比較回路34(以下、ガードインターバルをGIという。)に出力するとともに、現在設定されている指向性パターンを別の指向性パターンに切り換える。具体的には、コントローラ20は、現在前方方向の指向性パターンが設定されているときに、無線信号の受信信号レベルが所定のしきい値未満となったとき後方方向の指向性パターンを設定する。また、コントローラ20は、現在後方方向の指向性パターンが設定されているときに、無線信号の受信信号レベルが所定のしきい値未満となったとき前方方向の指向性パターンを設定する。
OFDM復調回路30は、A/D変換器31と、GI除去回路32と、加算器33と、GI比較回路34と、低域通過フィルタ(以下、図面においてLPFと示す。)35と、離散高速フーリエ変換回路(以下、DFT回路という。)36と、シンボル判定器37と、スキャッタードパイロットシンボル検出器(以下、SC検出器という。)38と、低域通過フィルタ39と、パラレル/シリアル変換器(以下、P/S変換器という。)40とを備えて構成される。
OFDM復調回路30のA/D変換器31は入力されるアナログ中間周波信号をデジタル中間周波信号に変換してGI除去回路32及びGI比較回路34に出力する。GI除去回路32は、入力される中間周波信号に含まれる、フレーム間のGIの信号部分を除去した後、加算器33に出力する。
図5は図1の無線受信装置のGI比較回路34によるGI比較処理を示す図である。公知のように各1フレームの最後のデータDfを当該フレームの直前のGIとしてコピーして挿入しているので、GI比較回路34は、図5に示すように、切換信号SWSに同期して、各1フレームの最後のデータDfを、その直前のGIと位相比較し、位相比較結果Δφの信号を次式で表される位相補正量φ(t)として低域通過フィルタ35を介して加算器33に出力する。
Figure 2007288333
次いで、加算器32は、GI除去回路32から出力されるGIが除去された中間周波信号と、低域通過フィルタ35から出力される位相比較結果Δφの信号とを加算することにより、位相補正することにより周波数オフセット補正し、補正後の中間周波信号をDFT回路36に出力する。上述のように位相補正量φ(t)を計算することにより、周波数オフセットを算出して受信信号の搬送波周波数のオフセット補正を行う。なお、上記補正では、無線信号の周波数オフセットを補正しきれないので、さらに、データシンボルのパイロットサブキャリアを利用して微調整を行う(後述するSC検出器38,低域通過フィルタ39及びシンボル判定器37の動作参照。)。
DFT36は入力される補正後の中間周波信号を所定の複数M個の帯域信号に離散高速フーリエ変換した後、シンボル判定器37及びSC検出器38に出力する。ここで、シンボル検出器37と、SC検出器38と、低域通過フィルタ39とは上記複数M個の帯域毎に設けられる。SC検出器38は入力される中間周波信号の中からスキャッタードパイロットシンボル信号を検出し、検出したスキャッタードパイロットシンボル信号を低域通過フィルタ39を介してシンボル判定器37に出力する。シンボル判定器37は入力されるある帯域の中間周波信号に基づいて、検出したスキャッタードパイロットシンボル信号に同期してシンボルの判定を実行し、判定結果のデジタルデータシンボル信号をP/S変換器40に出力する。P/S変換器40は入力されるパラレル信号である複数M個のデジタルデータシンボル信号をシリアルデジタルデータ信号に変換した後、復号器41に出力する。復号器41は入力されるシリアルデジタルデータ信号に対してビタビ復号化処理やリードソロモン復号化処理などの所定の復号化処理を実行して、復号後のデジタルデータを出力する。
図3は、第1の実施形態に係る図1の無線受信装置を搭載した車両50がX軸の方向51に進行するときに地上デジタル放送波の入射無線信号52を、X軸に対する方位角φで受信する場合を示す平面図である。図3の場合において、本実施形態に係る無線受信装置のアレーアンテナ100は、実質的にX軸方向に平行なビーム方向を有する指向性パターンと、実質的に−X軸方向に平行なビーム方向を有する指向性パターンとを有し、コントローラ20は、中間周波増幅器23からのRSSI信号に基づいて、受信信号の信号レベルが所定のしきい値未満になったときに、現在設定している第1の指向性パターンから別の第2の指向性パターンに切り換えるとともに、当該指向性パターンの切り換えを指示する切換信号SWSに同期してGI比較回路34を含む回路(32−35を含む回路)に対して受信周波数のオフセット補正を実行させる。
図4は、図3の場合において、方位角φに対する、フェージングで変化する受信信号レベルfdcosφ(fdは最大ドップラー周波数)を示すグラフである。図4から明らかなように、方位角φが0度又は180度付近(P1,P3)では、フェージングで変化する受信信号レベルfdcosφは、方位角φが90度又は270度付近(P2,P4)に比較して緩やかに変化している。従って、本実施形態では、方位角φが0度90度の2個の放射パターンを有し、これらの間で切り換えることにより受信信号レベルを緩やかに変化させることができる。
第2の実施形態.
図6は、本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の中間周波増幅器23に設けられるアナログフィルタの積分回路を示す回路図である。図6のアナログフィルタの積分回路は、入力端子T1と出力端子T2との間に、抵抗R1と、抵抗R1に接続するキャパシタC1又はC2(互いに異なる容量を有する。)を切換信号SWSに同期して選択的に切り換えるスイッチSW1とを備えて構成される。図6の積分回路では、スイッチSW1の接点a側に切り換えたときの積分回路の積分定数と、スイッチSW1の接点b側に切り換えたときの積分回路の積分定数とを互いに異なるように設定しておき、切換信号SWSに同期して、スイッチSW1を接点aから接点bに切り換え、もしくは、接点bから接点aに切り換える。これにより、当該積分回路の積分定数を変化させて、受信した無線信号の搬送波周波数をオフセット補正することを特徴としている。
第3の実施形態.
図7は本発明の第3の実施形態に係る無線受信装置の中間周波増幅器23に設けられるアナログフィルタの積分回路を示す回路図である。図7のアナログフィルタの積分回路は、入力端子T11と出力端子T12との間に、入力抵抗R1と、演算増幅器A11と、その帰還抵抗R12及びそれに並列に接続される回路とを備えて構成される。ここで、帰還抵抗R12及びそれに並列に接続される回路は、2個のキャパシタC11,C12(互いに異なる容量を有する。)を切換信号SWSに同期して選択的に切り換えて接続するスイッチSW2を備えて構成される。図7の積分回路では、スイッチSW2の接点a側に切り換えたときの積分回路の積分定数と、スイッチSW2の接点b側に切り換えたときの積分回路の積分定数とを互いに異なるように設定しておき、切換信号SWSに同期して、スイッチSW2を接点aから接点bに切り換え、もしくは、接点bから接点aに切り換える。これにより、当該積分回路の積分定数を変化させて、受信した無線信号の搬送波周波数をオフセット補正することを特徴としている。
第4の実施形態.
図8は本発明の第4の実施形態に係る無線受信装置の中間周波増幅器23に設けられるトランスバーサルフィルタを示す回路図である。
図8において、入力端子T21と出力端子T22との間にトランスバーサルフィルタが挿入される。入力端子T21を介して入力される中間周波信号は、スイッチSW4の接点a側を介して、クロックCLKに同期して所定の遅延時間のみ入力信号をそれぞれ遅延させる複数N個の遅延器61−1乃至61−N並びにスイッチSW5−Nの接点a側及び緩衝増幅器63−Nを介して加算器64に出力されるとともに、スイッチSW4の接点a側、スイッチSW5−0の接点a側及び緩衝増幅器63−0を介して加算器64に出力される。また、遅延器61−1から出力される中間周波信号はスイッチSW5−1の接点a側及び緩衝増幅器63−1を介して加算器64に出力され、以下同様にして、遅延器61−n(n=2,3,…,N−1)から出力される中間周波信号はスイッチSW5−nの接点a側及び緩衝増幅器63−nを介して加算器64に出力される。また、入力端子T21を介して入力される中間周波信号は、スイッチSW4の接点b側を介して、クロックCLKに同期して所定の遅延時間のみ入力信号をそれぞれ遅延させる複数N個の遅延器62−1乃至62−N並びにスイッチSW5−Nの接点b側及び緩衝増幅器63−Nを介して加算器64に出力されるとともに、スイッチSW4の接点b側、スイッチSW5−0の接点b側及び緩衝増幅器63−0を介して加算器64に出力される。また、遅延器62−1から出力される中間周波信号はスイッチSW5−1の接点b側及び緩衝増幅器63−1を介して加算器64に出力され、以下同様にして、遅延器62−n(n=2,3,…,N−1)から出力される中間周波信号はスイッチSW5−nの接点b側及び緩衝増幅器63−nを介して加算器64に出力される。加算器64は入力される(N+1)個の信号を加算した後、増幅器65を介して出力端子T22から出力する。
以上のように構成されたトランスバーサルフィルタにおいては、スイッチSW3−1乃至SW3−N、スイッチSW4、及びスイッチSW5−0乃至SW5−Nが、コントローラ20からの切換信号SWSに同期してそれぞれ、接点a側から接点b側に切り換えられ、もしくは、接点b側から接点a側に切り換えられ、対応するアレーアンテナ100の放射パターンに応じてトランスバーサルフィルタの処理回路を切り換え、これにより、受信された無線信号に対して適切に波形等価処理を実行して受信した無線信号の搬送波周波数をオフセット補正することができる。
第5の実施形態.
図9は本発明の第5の実施形態に係る無線受信装置の中間周波増幅器23に設けられるトランスバーサルフィルタを示す回路図である。図9のトランスバーサルフィルタは、帰還差動型であって、図8のトランスバーサルフィルタに比較して以下の構成が異なる。
(1)スイッチSW4の前段に、加算器64に代えて加算器71を設けたこと。
(2)加算器71は、入力端子T31からの中間周波信号から緩衝増幅器63−0乃至63−Nからの各信号を減算しその減算結果の信号を、スイッチSW4の接点a側を介して遅延器61−1に出力するとともに、スイッチSW4の接点b側を介して遅延器62−1に出力する。また、加算器71は減算結果の信号を増幅器65を介して出力端子T32から出力する。
以上のように構成されたトランスバーサルフィルタにおいては、スイッチSW3−1乃至SW3−N、スイッチSW4、及びスイッチSW5−0乃至SW5−Nが、コントローラ20からの切換信号SWSに同期してそれぞれ、接点a側から接点b側に切り換えられ、もしくは、接点b側から接点a側に切り換えられ、対応するアレーアンテナ100の放射パターンに応じてトランスバーサルフィルタの処理回路を切り換え、これにより、受信された無線信号に対して適切に波形等価処理を実行して受信した無線信号の搬送波周波数をオフセット補正することができる。
図10(a)は図2の3素子アレーアンテナ100の可変容量ダイオードD1,D2の静電容量(C,C)を(8,0.8)[pF]に設定したときの水平面指向性パターンを示す図であり、図10(b)はそのときの方位角φ(度)に対する放射波の位相の変化を示すグラフである。図11(a)は図2の3素子アレーアンテナ100の可変容量ダイオードD1,D2の静電容量(C,C)を(0.8,8)[pF]に設定したときの水平面指向性パターンを示す図であり、図11(b)はそのときの方位角φ(度)に対する放射波の位相の変化を示すグラフである。
図1及び図2の第1の実施形態においては、上述のように、指向性ダイバーシチのブランチ切り換えのために、可変容量ダイオードD1,D2の静電容量C1,C2の値を切り換えることで行う。ここで、静電容量値は市販の可変容量ダイオードD1,D2で実現でき、本実施例においては、(C1,C2)=(8,0.8)又は(0.8,8)[pF]に設定した。アレーアンテナ100を形成した誘電体基板として、基板厚1.6mmのFR−4ガラスエポキシ材料にてなり、その材料パラメータは比誘電率εr=4.2、誘電損失tanδ=0.02であった。素子間隔d=0.05λとした。ここで、λは500MHzでの波長である。指向性パターンはモーメント法電磁界シミュレーターIE3Dのシミュレーション結果を使用した。同パターンを図10及び図11に示す。ここで、図10は、車両50の前方方向の指向性を有する放射パターンであり、図11は、車両50の後方方向の指向性を有する放射パターンである。
次いで、発明者により実行された計算機シミュレーションとその結果について以下に説明する。図12は本発明の実施例に係る移動受信の伝搬モデルであって、(a)は時刻t=tにおける状態の平面図であり、図12(b)は時刻t=tにおける状態の平面図であり、図12(c)は時刻t=tにおける状態の平面図である。図12の移動受信の伝搬モデルにおいて、各矢印の太さは電力の大きさを表す。レイリーフェージングを設定するにあたり、ポアソン過程に従って発生や消滅を繰り返す、複数の独立な素波が存在する想定した(例えば、非特許文献7参照。)。平均素波数を100とし、各素波の発生から消滅までの平均存在区間長を20メーターのフラットフェージングを仮定し、各素波の位相は0〜2πの一様分布に従うとする。表1にシミュレーションパラメータを示し、図13にシミュレーションモデルのシステムの構成図を示す。
[表1]
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最大ドップラー周波数fd 5Hz、20Hz
遅延スプレッド 0sec
平均素波数 100
素波の平均存在区間長 20メーター
変調方式 64QAM
サブキャリア数 5617
有効シンボル長 1msec
GI長 125μsec
しきい値C/N 17dB
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アンテナ及び 無指向性アンテナ(a)
ダイバーシチブランチ アレーアンテナ100(b)(c)
無指向性アンテナの空間ダイバーシチ(g)
アレーアンテナ100の空間ダイバーシチ(d)(e)(f)
アレーアンテナ100の指向性ダイバーシチ(h)(i)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
図13のシミュレーションモデルのシステムにおいて、入力データは64QAMマッピング回路71に入力されて、64QAMで変調されてマッピングされた後、IDFT回路72に入力される。IDFT回路72は入力される変調されたデータ信号を離散逆フーリエ変換した後、GI挿入回路73でGIが公知の通り挿入され、それぞれ平坦な周波数特性を有する通信路であるマルチパスフェージングチャンネル74,75に送信される。これらのチャンネル74,75で伝搬された信号が空間ダイバーシチを構成するアンテナ76a,76bで受信された後、コントローラ80により制御されるスイッチ77により、アンテナ76a,76bでそれぞれ受信された2つの信号のうち1つの信号を選択的に受信し、加算器78に出力される。加算器78は入力される受信信号と、所定の白色ガウス雑音とを加算した後、GI除去回路81及び電力検出器79に出力する。電力検出器79は入力される受信信号の信号電力レベルを検出してコントローラ80に出力し、コントローラ80は入力される受信信号の信号電力レベルを所定のしきい値Pthと比較し、しきい値Pth未満であるときにスイッチ77を現在の接点から他方の接点に切り換えるように制御する。一方、GI除去回路81は入力された受信信号の中からGIを除去した後、DFT回路82に出力し、DFT回路82は入力される受信信号を離散フーリエ変換した後、チャンネル比較器83及びチャンネル評価器84に出力する。チャンネル評価器84は入力される受信信号について所定のパイロットシンボルを検出してチャンネル検出器83に出力し、チャンネル比較器83は入力される受信信号に基づいて、検出されたパイロットシンボルを参照して受信信号のシンボルデータを得て64QAMデマッピング回路85に出力する。64QAMデマッピング回路85は、入力されるシンボルデータについて64QAM復調処理を実行しかつデマッピング処理を行ってベースバンドデータ信号を得てBER測定器86に出力し、BER測定器86は入力されるベースバンドデータ信号について所定の参照データとの照合に基づいてビットエラーレート(BER)を測定して表示出力する。なお、図13のシステムの受信側は、図1の無線受信装置と同様の構成を有する。
図14は、本発明の実施例に係るアンテナ切り換えダイバーシチを用いたときの受信信号の電力レベルの時間変化を示すグラフである。本実施例では、スイッチ・アンド・ステイ法を用いてダイバーシチブランチ及び放射パターンを切り換えている(例えば、非特許文献2参照。)。すなわち、各シンボルの受信電力としきい値Pthとを比較し、しきい値Pthを下回った場合に切り換え、次のシンボルから他方のブランチで受信する。いったん切り換えると受信電力がしきい値Pth未満であっても新しいブランチでそのまま受信し、再び受信電力がしきい値Pthを下回るまで切り換えを行わない。切り換えはシンボルとシンボルの間で理想的に行われるものとした。しきい値C/N(Pth)(以下、搬送波対雑音電力比をC/Nという。)は静止時においてビット誤り率1×10−2を実現するC/Nより若干小さい17dBに設定した。
図15は、本発明の実施例に係る指向性/空間ダイバーシチブランチを用いたときの放射パターンを示す図であって、図15(A)はダイバーシチ無しの1つのブランチを用いたときの放射パターンを示す平面図であり、図15(B)は切り換えダイバーシチを用いたときの放射パターンを示す平面図である。シミュレーションでは、図15に示すような9種類の放射パターン、無指向性アンテナ(a)、指向性アンテナ(アレーアンテナ100)(b)、(c)、アレーアンテナ100の空間ダイバーシチ(d)、(e)、(f)、無指向性アンテナの空間ダイバーシチ(g)、アレーアンテナ100の指向性ダイバーシチ(h)、(i)を使用した。空間ダイバーシチの各ブランチは無相関とした。
次いで、シミュレーション結果について以下に説明する。まず、それぞれの場合のレベル交差回数と切り換え回数を比較した。これらの結果を以下に示す。
図16は、図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、ダイバーシチ無しのときに、平均化された受信信号によって正規化されたしきい値レベルに対するドップラー周波数によって正規化されたレベル交差回数を示すグラフである。図16において、(a)はダイバーシチ無しの無指向性アンテナの場合であって、(b)及び(c)はアレーアンテナ100を用いた指向性アンテナの場合である。図17は、図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、アレーアンテナ100による空間ダイバーシチのときに、平均化された受信信号によって正規化されたしきい値レベルに対するドップラー周波数によって正規化されたレベル交差回数を示すグラフである。図17において、(d),(e),(f)はいずれもアレーアンテナ100の空間ダイバーシチを用いた場合である。図18は、図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、無指向性アンテナによる空間ダイバーシチ及びアレーアンテナ100による指向性ダイバーシチのときに、平均化された受信信号によって正規化されたしきい値レベルに対するドップラー周波数によって正規化されたレベル交差回数を示すグラフである。図18において、(g)は無指向性アンテナの空間ダイバーシチの場合であり、(h)及び(i)はアレーアンテナ100の指向性ダイバーシチの場合である。
すなわち、レベル交差回数を図16に示し、切り換え回数を図17及び図18に示す。各図には、非特許文献2から得られる無指向性アンテナのレベル交差回数の理論値を表示した。図16から分かるように無指向性アンテナのシミュレーション結果は理論値とほぼ一致し、アレーアンテナ100(b)と(c)とではレベル交差回数に大きな差はなかった。また、図17及び図18から分かるように、移動体の前後方向のビームで切り換えダイバーシチを行う(d)と(h)は移動体の左右方向のビームで切り換えダイバーシチを行う(e)や(i)よりも切り換え回数は少なくなった。移動体の左右方向のビームで空間ダイバーシチを行う(e)と指向性ダイバーシチを行う(i)とでは切り換え回数に大きな差は見られなかった。移動体の前後方向のビームで指向性ダイバーシチを行う(h)が最も切り換え回数が少なく、無指向性アンテナの空間ダイバーシチ(g)に比べ平均受信電力で正規化されたしきい値レベル−14dB以上−4dB以下の範囲において切り換え回数は約40%低減されている。
図19は、図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=5Hzのときの1つのブランチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。図20は、図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=20Hzのときの1つのブランチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。すなわち、図19及び図20において、アンテナ1本の場合のビット誤り率特性を示す。図19及び図20から明らかなように、最大ドップラー周波数fdが5Hzの場合は結果に大きな差はないが、20Hzではドップラー効果の影響を受けにくい、移動体の左方向にビームを向けたアレーアンテナ100(c)が他のアンテナより性能が良くなった。図20のC/Nの高い部分ではパイロットシンボル間のランダムFM雑音が原因の位相の急激な変化によって生じる伝送路推定における誤差によりノイズフロアが発生している。
図21は、図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=5Hzのときのアレーアンテナ100による空間ダイバーシチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。図22は、図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=5Hzのときの無指向性アンテナによる空間ダイバーシチ及びアレーアンテナ100による指向性ダイバーシチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。図23は、図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=20Hzのときのアレーアンテナ100による空間ダイバーシチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。図24は、図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=20Hzのときの無指向性アンテナによる空間ダイバーシチ及びアレーアンテナ100による指向性ダイバーシチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。
すなわち、図21乃至図24に切り換えダイバーシチのビット誤り率特性を示す。各図には参考として無指向性アンテナ1本の場合のビット誤り率を表示している。図21乃至図24から、指向性アンテナを用いてダイバーシチ受信を行うとビット誤り率特性を改善できることが分かる。切り換え回数と同様に、移動体の左右方向のビームで空間ダイバーシチを行う(e)と指向性ダイバーシチを行う(i)とでは特性に大きな差は見られず、移動体の前後方向のビームで切り換えダイバーシチを行う(d)と(h)で特性が良くなった。特に切り換え回数が最も少なかった、移動体の前後方向のビームで指向性ダイバーシチを行う(h)が最もビット誤り率特性を改善した。図24から符号化率3/4と7/8の畳み込み符号とリードソロモン符号の誤り訂正符号によって訂正可能であるビット誤り率1×10−2(例えば、非特許文献9参照。)において約4dBのダイバーシチ利得が得られた。無指向性アンテナの空間ダイバーシチは切り換えによって生じる伝送路推定における誤差が原因でかえって無指向性アンテナ1本より特性は劣化した。
以上説明したように本実施形態によれば、地上デジタル放送の指向性切り換えダイバーシチ受信特性を切り換えにより生じる伝送路等化における誤差を考慮して計算機シミュレーションを用いて評価し、指向性切り換えダイバーシチの有用性を示した。特に、移動体の前後方向のビームで指向性切り換えダイバーシチ受信を行うと、最も特性が改善し、切り換え回数は40%低減、最大ドップラー周波数20Hzビット誤り率1×10−2において最大ダイバーシチ利得4dBが得られた。
以上の実施形態においては、車両50の前後方向にビーム方向を有する2つの放射パターンを形成するためにアレーアンテナ100を用いているが、本発明はこれに限らず、これら2つの放射パターンを選択的に切り換え可能なアンテナ装置であればよい。
以上詳述したように、本発明に係る無線受信装置によれば、検出した信号レベルが所定のしきい値未満となったときに放射パターンを選択的に切り換えるので、アンテナ切り換え時におけるエラーの発生を低減し、地上デジタルテレビジョン放送波の移動体受信時における受信特性を従来技術に比較して向上させることができる。また、上記放射パターンの切り換えに同期して、上記受信された受信信号の搬送波周波数をオフセット補正するので、地上デジタルテレビジョン放送波の移動体受信時における受信特性を従来技術に比較してさらに向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る、空間ダイバーシチアンテナである3素子アレーアンテナ100を備えた無線受信装置の構成を示すブロック図である。 図1の3素子アレーアンテナ100の構造を示す正面図である。 第1の実施形態に係る図1の無線受信装置を搭載した車両50がX軸の方向51に進行するときに地上デジタル放送波52を、X軸に対する方位角φで受信する場合を示す平面図である。 図3の場合において、方位角φに対する、フェージングで変化する受信信号レベルfdcosφを示すグラフである。 図1の無線受信装置のGI比較回路34によるGI比較処理を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の中間周波増幅器23に設けられるアナログフィルタの積分回路を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態に係る無線受信装置の中間周波増幅器23に設けられるアナログフィルタの積分回路を示す回路図である。 本発明の第4の実施形態に係る無線受信装置の中間周波増幅器23に設けられるトランスバーサルフィルタを示す回路図である。 本発明の第5の実施形態に係る無線受信装置の中間周波増幅器23に設けられるトランスバーサルフィルタを示す回路図である。 (a)は図2の3素子アレーアンテナ100の可変容量ダイオードD1,D2の静電容量(C,C)を(8,0.8)[pF]に設定したときの水平面指向性パターンを示す図であり、(b)はそのときの方位角φ(度)に対する放射波の位相の変化を示すグラフである。 (a)は図2の3素子アレーアンテナ100の可変容量ダイオードD1,D2の静電容量(C,C)を(0.8,8)[pF]に設定したときの水平面指向性パターンを示す図であり、(b)はそのときの方位角φ(度)に対する放射波の位相の変化を示すグラフである。 本発明の実施例に係る移動受信の伝搬モデルであって、(a)は時刻t=tにおける状態の平面図であり、(b)は時刻t=tにおける状態の平面図であり、(c)は時刻t=tにおける状態の平面図である。 本発明の実施例に係るシミュレーションモデルのシステムを示すブロック図である。 本発明の実施例に係るアンテナ切り換えダイバーシチを用いたときの受信信号の電力レベルの時間変化を示すグラフである。 本発明の実施例に係る指向性/空間ダイバーシチブランチを用いたときの放射パターンを示す図であって、(A)はダイバーシチ無しの1つのブランチを用いたときの放射パターンを示す平面図であり、(B)は切り換えダイバーシチを用いたときの放射パターンを示す平面図である。 図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、ダイバーシチ無しのときに、平均化された受信信号によって正規化されたしきい値レベルに対するドップラー周波数によって正規化されたレベル交差回数を示すグラフである。 図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、アレーアンテナ100による空間ダイバーシチのときに、平均化された受信信号によって正規化されたしきい値レベルに対するドップラー周波数によって正規化されたレベル交差回数を示すグラフである。 図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、無指向性アンテナによる空間ダイバーシチ及びアレーアンテナ100による指向性ダイバーシチのときに、平均化された受信信号によって正規化されたしきい値レベルに対するドップラー周波数によって正規化されたレベル交差回数を示すグラフである。 図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=5Hzのときの1つのブランチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。 図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=20Hzのときの1つのブランチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。 図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=5Hzのときのアレーアンテナ100による空間ダイバーシチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。 図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=5Hzのときの無指向性アンテナによる空間ダイバーシチ及びアレーアンテナ100による指向性ダイバーシチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。 図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=20Hzのときのアレーアンテナ100による空間ダイバーシチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。 図13のシミュレーションモデルのシステムについてのシミュレーション結果であって、最大ドップラー周波数fd=20Hzのときの無指向性アンテナによる空間ダイバーシチ及びアレーアンテナ100による指向性ダイバーシチの場合における搬送波対雑音電力比に対するビットエラーレート(BER)を示すグラフである。 従来技術の問題点を示す地上デジタルテレビジョン放送波のOFDMフレームを示す図である。 地上デジタルテレビジョン放送波を受信するときの車両50の前後方向に対する切り換えダイバーシチを示す平面図である。 地上デジタルテレビジョン放送波を受信するときの車両50の前後方向及び斜め方向に対する切り換えダイバーシチを示す平面図である。
符号の説明
10…給電素子、
11,12…無給電素子、
20…コントローラ、
20m…テーブルメモリ、
21…低雑音高周波増幅器、
22…周波数変換器、
23…中間周波増幅器、
30…OFDM復調回路、
31…A/D変換器、
32…GI除去回路、
33…加算器、
34…GI比較回路、
35,39…低域通過フィルタ(LPF)、
36…DFT回路、
37…シンボル判定器、
38…SC検出器、
40…P/S変換器、
41…復号器、
50…車両、
51…進行方向、
61−0乃至61−N,62−0乃至62−N…遅延器、
63−0乃至63−N…緩衝増幅器、
64,71…加算器、
65…増幅器、
100…アレーアンテナ、
A11…演算増幅器、
C1,C2,C11,C12…キャパシタ、
D1,D2…可変容量ダイオード、
L1,L2…高周波阻止用インダクタ、
P…給電点、
R1,R11,R12,
SW1,SW2,SW3−1乃至SW3−N,SW4,SW5−0乃至SW5−N…スイッチ、
T1,T11,T21,T31…入力端子、
T2,T12,T22,T32…出力端子。

Claims (2)

  1. 移動体に設けられた無線受信装置において、
    上記移動体の進行方向に対して実質的にビーム方向を有する第1の放射パターンと、上記移動体の進行方向の逆方向に対して実質的にビーム方向を有する第2の放射パターンとを有するアンテナ装置と、
    上記アンテナ装置により受信された受信信号の信号レベルを検出し、検出した信号レベルが所定のしきい値未満となったときに、上記第1の放射パターンから上記第2の放射パターンに切り換え、もしくは、上記第2の放射パターンから上記第1の放射パターンに切り換えるようにアンテナ装置を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする無線受信装置。
  2. 上記制御手段は、上記放射パターンの切り換えに同期して、上記受信された受信信号の搬送波周波数をオフセット補正することを特徴とする請求項1記載の無線受信装置。
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