JP2007282131A - 撮像装置、映像信号処理回路、映像信号処理方法、並びにコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の色に対しより自由度の高い色変換を実現する映像信号処理方法を提案する。
【解決手段】複数の原色信号に対してマトリクス演算を用いて色変換処理する際に、入力された原色信号の色相が、複数の軸51〜66により不等分割された色平面上のいずれの領域に属するかを検出し、各領域とその領域を形成している各軸上の係数とを対応付けて記憶するとともに、入力された原色信号の色相が含まれる領域に対応する各軸上の係数を選択し、選択された係数を用いて、入力された原色信号に対するマトリクス係数を算出する。そして、上記算出したマトリクス係数を用いて、入力された原色信号を色変換処理する。
【選択図】図5
【解決手段】複数の原色信号に対してマトリクス演算を用いて色変換処理する際に、入力された原色信号の色相が、複数の軸51〜66により不等分割された色平面上のいずれの領域に属するかを検出し、各領域とその領域を形成している各軸上の係数とを対応付けて記憶するとともに、入力された原色信号の色相が含まれる領域に対応する各軸上の係数を選択し、選択された係数を用いて、入力された原色信号に対するマトリクス係数を算出する。そして、上記算出したマトリクス係数を用いて、入力された原色信号を色変換処理する。
【選択図】図5
Description
本発明は、選択された複数の色について、それぞれに色の調整が可能な色調整回路に適用して好適な映像信号処理回路、それを用いた撮像装置、映像信号処理方法、並びにコンピュータプログラムに関する。
従来、ビデオカメラ等の撮像装置において、撮像装置間の特性の違いは様々な問題を引き起こすことがある。一例を挙げると、1つの被写体を例えば3台のビデオカメラで撮影し、各ビデオカメラで撮像される映像をスイッチャーで切り替える場合、ビデオカメラ間の色相の違いがあると、切り替え前後の映像に違和感を覚えるということがある。
このような問題を解決するために、通常ビデオカメラには各種の補正機能が備わっているが、そのうちの一つとして、リニアマトリクス(Linear Matrix)回路を用いて色を補正する色調整回路がある。これは色信号毎の感度差などで生じる色の違いを吸収するためのもので、一般には9つのマトリクス係数による行列演算が行われる。しかし、これだけでは変換精度が良いとは言えず補正として不完全なことがある。また、この機能を積極的に使って映像の色を好みのものに変えたいといった要望があり、最近では複数の色相に対してマトリクス係数を設定できる、いわゆるマルチマトリクス(Multi Matrix)回路も使用されている。
例えば、特許文献1には、5色以上の色成分からなる入力色信号に対してマトリクス演算により色変換処理を行う際に、上記色成分のうち互いに作用する色成分についての相互要素を含めたマトリクス演算を行う技術が開示されている。
特開2006−013968号公報
ところで、一般的なマルチマトリクス回路では、回路規模やメモリといったリソースの制約もあり、通常は色空間を等間隔に分割し、そのうちのどこに係数を設定するかで実現している。この場合、ある特定の色だけを正確に変えたい、といった要求にこたえるのは難しいという問題があった。また、ある色だけを急激に変化させた場合、その色に近い色相の変化も急激になり、色ノイズが増えることもあるという問題があった。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、特定の色に対しより自由度の高い色変換を実現することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、複数の原色信号に対してマトリクス演算を用いて色変換処理する際に、入力された原色信号の色相が、複数の軸により不等分割された色平面上のいずれの領域に属するかを検出し、各領域とその領域を形成している各軸上の係数とを対応付けて記憶するとともに、入力された原色信号の色相が含まれる領域に対応する各軸上の係数を選択し、前記選択された係数を用いて、前記入力された原色信号に対するマトリクス係数を算出する。そして、前記算出されたマトリクス係数を用いて、前記入力された原色信号を色変換処理することを特徴とする。
上述の構成によれば、色平面を複数の軸を用いて不等分に分割したので、例えば所望の色を重点的に変換したい場合にはその色の近傍における軸間距離を小さくするなどして、特定の色を精度よく変換することができる。
本発明によれば、特定の色に対しより自由度の高い色変換を実現することができる。
以下、本発明の実施形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の撮像装置を適用したビデオカメラの基本的な構成例のブロック図を示すものである。
図1に示すビデオカメラは、所定のズーム位置にて光線(光学像)が入射するレンズ及び絞りを調節する絞り部などを含むレンズ光学系(図示略)と、赤色(R),緑色(G),青色(B)に対応して設けられ、各色ごとに光電変換を行うイメージセンサ1,2,3からなる撮像手段が光軸(光学中心)に沿って配置されている。イメージセンサ1,2,3の前面には、光学像の色情報を赤色,緑色,青色に分離する図示せぬ色分離光学系(フィルタ)が配置されている。このビデオカメラは、さらに、それぞれイメージセンサからの信号が入力されるビデオアンプ4,5,6と、A/D変換器7,8,9と、所定の信号処理を行う映像信号処理部16と、マイクロコンピュータ17と、操作部18を有する。
レンズのズーム位置及び絞り部1bの絞り羽根の絞り位置は、それぞれ図示せぬズーム位置検出装置及び絞り位置検出装置によって検出され、これら検出された信号は、マイクロコンピュータ17へ出力される。また、レンズ及び絞り部は、それぞれ図示せぬレンズ駆動装置及び絞り部駆動装置によって駆動される。レンズ駆動装置及び絞り部駆動装置は、マイクロコンピュータ17からの制御信号によって、駆動制御される。
本例では、赤色用、緑色用、青色用の色分離光学系及びイメージセンサを備えているが、例えば4色分、あるいはそれ以上の色分離光学系及びイメージセンサを備えていてもよく、この例に限るものではない。
一般にイメージセンサ(撮像部)は、該イメージセンサ上に配置された色分離光学系の前面に、レンズ光学系からの光線が入射される不図示のマイクロレンズが画素ごとに設けられている。このマイクロレンズに入射した光線が、色分離光学系を介してイメージセンサ1,2,3で受光される。イメージセンサ1,2,3は、CCD(Charge Coupled Device)等を用いた撮像素子により構成され、色分離光学系を介して入射されたR,G,B各色の原色画像から光電変換によりR,G,Bの原色信号(R信号,G信号,B信号)を各々生成し、それら3色の原色信号(色信号)をそれぞれビデオアンプ4,5,6に供給する。なお、上記映像信号は、動画のみならず静止画にも適用可能である。
ビデオアンプ4,5,6は利得調整手段であり、一例としてAGC(Automatic Gain Control)回路などを適用することができる。ビデオアンプ4,5,6は、原色信号のゲインを調整し、そのゲインが調整された原色信号をそれぞれA/D変換器7,8,9に供給する。A/D変換器7,8,9は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、映像信号処理部16に供給する。
本例の映像信号処理部16は、補正回路10、ゲイン調整回路11、色調整回路12、輝度調整回路13、ガンマ補正回路14、出力信号生成回路15から構成されており、上記ビデオアンプ4,5,6、A/D変換器7,8,9によって適切なレベルに調節され、量子化されたR,G,Bの原色信号は、まず映像信号処理部16の補正回路10に入力される。
補正回路10は、入力された3色の原色信号に対して所定の補間処理、それに伴うフィルタ処理、シェーディング処理などの信号処理を行い、ゲイン調整回路11に供給する。
ゲイン調整回路11は、補正回路10から入力される3色の原色信号が適切なレベルとなるようゲインを調整して、色調整回路12に供給する。
色調整回路12は、特許請求の範囲に記載した映像信号処理回路の一例であり、ゲイン調整回路11から入力される3色の原色信号から、画素ごとに色相を検出し、検出された色相に応じて後述する所定の色変換処理を行って色を調整し、輝度調整回路13に供給する。
輝度調整回路13は、映像信号を規定の範囲内に収めるために、色調整回路12より入力される各原色信号から輝度信号を抽出し、その輝度信号の高輝度域の振幅特性を抑えることによりイメージセンサ出力のダイナミックレンジを圧縮し、ガンマ補正回路14へ供給する。
ガンマ補正回路14は、輝度調整回路13から入力される3色の原色信号の各々について、CRT(Cathode Ray Tube)などのモニタ(受像機)のガンマ特性に合わせて補正を行い、ガンマ補正した各原色信号を出力信号生成回路15に供給する。
出力信号生成回路15は、ガンマ補正回路14から入力される3色の原色信号を最終的な映像信号出力形式に変換し、外部へ出力する。一例として、出力信号生成回路15は、NTSC(National Television System Committee)又はPAL(Phase Alternating Line)等の信号規格に沿うように、3色の原色信号を色差信号に変換し、図示せぬサブキャリア信号を用いて変調するエンコーダ回路としての機能を有する。さらに、出力すべき映像信号がアナログ信号である場合には、上記エンコーダ回路が出力した量子化された色差信号をアナログ信号に変換するD/A変換器を備えた構成とする。
マイクロコンピュータ17は、制御部の一例であり、映像信号処理部16を構成する各回路を制御するとともに、レンズ及び絞り部等の光学系、ビデオアンプ4,5,6等の各部の動作を制御する。このマイクロコンピュータ17は、操作部18からの操作信号、もしくは予め規定されたトリガー又は設定等に基づいて、内蔵のROM(Read Only Memory)等の不揮発性記憶部に記録されているコンピュータプログラムに従い、所定の演算及び各回路に対する制御を行う。
さらに、マイクロコンピュータ17には、必要に応じて、図示せぬドライブ回路が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じてマイクロコンピュータ17に内蔵されるRAM等にインストールされるようにしてもよい。
操作部18は、ビデオカメラに配設されたボタンキーや当該ビデオカメラに搭載されたモニタの画面に表示されるアイコンに割り当てられたソフトキー等からなり、利用者の操作に応じた操作信号が操作部18から図示せぬインターフェースを介してマイクロコンピュータ17に入力される。
上述のように構成されるビデオカメラにおいて、被写体像がイメージセンサ1,2,3で光電変換されて赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の原色信号が生成され、次いで、ビデオアンプ4,5,6とA/D変換器7,8,9によって適切なレベルのアナログ信号に調節され、量子化されてデジタル信号に変換される。量子化された各原色信号(画像データ)は補正回路10、ゲイン調整回路11によって適切な補正及びゲイン調整処理等がなされた後、色調整回路12に入力される。色調整回路12に入力された各原色信号は、マイクロコンピュータ17からの指示に基づき所望の色調に調整されて輝度調整回路13に入力される。そして、輝度調整回路13で適切な輝度圧縮処理がなされた後、ガンマ補正回路14に入力され、ガンマ補正された各原色信号が出力信号生成回路15によって最終的な映像信号出力形式に変換されて出力される。
ここで、色調整回路12についてさらに具体的に説明する。最も一般的に用いられる色変換処理の計算式は以下のように表すことができる。
上記(1)式による色変換処理において、出力信号のRout,Gout,Boutに対して各変換係数(マトリクス係数)を設定することにより、それぞれ入力信号のRin,Gin,Binをどのような比率で混ぜ合わせるかを決めることができるが、例えば「赤色」だけを変えたい、といった要求にはこたえることができない。そこで、色毎に変換係数を設定できるようにし、より自由度を高めた色変換処理について説明する。
最初に、以下の(2)式によって輝度信号Yを求め、これより色差信号R−Y、B−Yをそれぞれ求める。この色差信号によって表現される色平面を図2に示す。この色平面は、R,G,Bの3次元表示を2次元に変換して表現したものであり、R−Y軸とB−Y軸が直交している。G成分は輝度信号Yに含まれる。
次に、入力信号(原色信号)の色相を検出し、入力信号の色が図2に示す色平面上のどの領域に位置するかを判定して、それぞれ(3)式で表される9個の変換係数を設定し、色毎に異なる色変換処理を施す。例として、色差信号R−YとB−Yからなる色平面を16等分した状態を図3に示す。図3において、第1の軸21〜第16の軸36が16等分した境界の色である。色差信号B−Yは軸21に、色差信号R−Yは軸25にそれぞれ一致している。各軸上に、色変換処理の計算式における行列内の変換係数を決めるのに使用される係数が決定される。これらはRin,Gin,Bin信号に対して演算され、それぞれの軸に係数を設定した場合、任意のn番目の軸上における色変換の計算式は、
軸間の係数については、例えば隣接する係数から線形に補間する、スプライン関数などの曲線で補間する、といった方法が考えられる。例えば、軸間の係数を線形補間する場合、線形補間後の変換係数をC´とすると、一例として以下のような式を用いて計算される。aは、領域内において入力された原色信号の色の位置により決定される係数である。
例えば、色調整回路12に入力されるある原色信号の色相が軸23及び24の間に位置する場合には、軸23及び24に設定された係数を用いてその原色信号に対する線形補間がなされる。
図4は、(4)式に基づく線形補間を実現するマルチマトリクス回路例を示すものである。(4)式を係数aについてまとめると、
C´=a(C0−C1)+C1
となり、図4の回路は、実際にはこの計算式を実行する回路構成となっている。このマルチマトリクス回路は、従来の色調整回路の一例であり、色相検出回路41、係数保持回路42、係数演算回路43、マトリクス回路47から構成されている。
C´=a(C0−C1)+C1
となり、図4の回路は、実際にはこの計算式を実行する回路構成となっている。このマルチマトリクス回路は、従来の色調整回路の一例であり、色相検出回路41、係数保持回路42、係数演算回路43、マトリクス回路47から構成されている。
図4において、ゲイン調整回路11より入力される各画素のR,G,Bの原色信号(入力信号)は、まずマルチマトリクス回路の色相検出回路41へ入力される。色相検出回路41では、各色の入力信号から対象画素の色相を検出し、係数保持回路42へ出力する。
係数保持回路42は、内部にRAMなどの記憶部を備え、色相と軸上の係数を対応付けて保持しており、色相検出回路41で検出された色相情報に基づいて、適切な2つの係数、つまり入力信号の色の近隣に存在する軸上の係数を選択して係数演算回路43へ出力する。ここでは、(4)式を参照し、近隣の軸上の係数をC0,C1として説明する。
係数演算回路43は、まず加算器44により係数保持回路42から入力される係数C0と係数C1の負の値を加算器44にて加算し、その計算結果である(C0−C1)を乗算器45に出力する。乗算器45は加算器44から入力される(C0−C1)に、係数保持回路42から供給される係数aをかけて次の加算器46へ出力する。加算器46は、乗算器46から入力されるa(C0−C1)に係数C1を足し合わせて、例えば変換係数CRRとしてマトリクス回路47に出力する。係数演算回路43は、(4)式に示されているような9つの変換係数CRR〜CBBを計算して、それらをマトリクス回路47へ供給する。
マトリクス回路47は、(3)式のような3*3の行列演算(マトリクス演算)を実行する回路であり、本線を流れるRin,Gin,Binの入力信号に対し、係数演算回路43から供給された各変換係数を用いて色変換処理を行い、色変換後の各原色信号Rout,Gout,Boutを外部に出力する。
図4において、色相検出回路41で検出される色相情報に従って係数保持回路42から2つの係数C0,C1が出力され、これが係数演算回路43で線形に補間される。この処理が変換係数ごとに実行され、各変換係数がマトリクス回路47に供給される。そして、マトリクス回路47で本線の入力信号Rin,Gin,Binに乗算され、色変換された原色信号Rout,Gout,Boutが得られる。
このような処理では、計算が簡素化されるため、ハードウェアでは回路規模が小さく、ソフトウェアでは演算量が減るなどの利点がある反面、特定の色だけを変えたい、といった場合には精度を出しにくいという欠点がある。例えば、肌色は色相的に赤色に近いところにあり、肌色を強調すると、赤色まで強調されてしまうという問題が生じる。また特に、軸間の係数の補間をする上で、係数同士の補間が必ずしも最適とは言えず、軸間距離が遠い(色相の角度が大きい)ほどその影響が他の色に影響を及ぼす可能性が大きくなる。つまり、自然な色変換が行われなくなるので、例えば色が急に変わってその変わり目が目立ったり、色が不自然で汚く見えるなどの状態が生じる。
そこで、前述の軸位置を等分ではなく、任意の位置に配置できるようにした色平面の例を図5に示す。図5の例では、赤色だけを重点的に変換するため、R−Y軸57の付近に第3の軸53〜第11の軸61を配置し、残りを適当な間隔に分割して振り分けている。さらにこの例では、軌跡50で表しているように、色相によって係数の大きさを変えている。各軸をこのように配置することで、赤色付近だけを重点的に精度よく変換することなどが可能となる。
他の色、例えば青色を重点的に変換したい場合には、B−Y軸51付近に軸の間隔を小さくして配置すればよく、重点的に変換したい色に応じて軸配置を適宜設定することができる。なお、軸間での係数の補間は前述の場合同様、線形補間やスプライン関数などでの曲線補間が考えられる。
しかしながら、図5に示すような方式では、係数の補間に要する計算が膨大になりかねない。例えば、(4)式のような計算式おいては、係数aのステップ幅を一定にすることが望ましいため、一例として軸間位置をそのまま係数とする方法が考えられる。例えば、軸間距離が32(=25)で固定だった場合、上記(4)式は次のような整数演算に書き換えることができる。
しかし、図5に示すような軸間距離が任意に設定できる手法では、軸間距離に応じて係数aの最大値が変化するため、最終的に軸間距離を除数とする割り算回路が必要となるなど、回路負担が増えてしまう。しかも、これらの値は軸位置を一度決定すると固定の値のため、回路として実装するには無駄が多い。そこで、割り算自体はマイクロコンピュータ17など他の演算処理装置を利用したソフトウェア処理で行い、実際には割り算結果を設定するような回路構成とする。このときの計算式は、軸間距離を1024(=210)とすると、次のように表すことができる。
このような演算を行うことで、簡便な乗算のみで軸位置を自由に設定できる回路が実現できる。この(6)式を係数aについてまとめると、
C´={a(C0−C1)+DC1}*Div+512
となる。この演算を実行する回路構成を図6に示す。
C´={a(C0−C1)+DC1}*Div+512
となる。この演算を実行する回路構成を図6に示す。
図6に示す回路は、図4の回路と比較して各変換係数について乗算器を2つ追設したマルチマトリクス回路であり、色調整回路12の一例である。計算精度を向上させるために丸め演算器も追設されている。本例のマルチマトリクス回路は、色相検出回路71、係数保持回路72、係数演算回路73、マトリクス回路80から構成されている。
図6に示すように、ゲイン調整回路11より入力される各画素のR,G,Bの原色信号(入力信号)は、まずマルチマトリクス回路の色相検出回路(色相検出部)71へ入力される。色相検出回路71では、各色の入力信号から色相を検出し、係数保持回路72へ出力する。
係数保持回路(係数保持部)72は、内部にRAMなどの記憶部を備え、色相と軸上の係数を対応付けて保持しており、色相検出回路71で検出された色相情報に基づいて、適切な2つの係数、つまり入力信号の色の近隣に存在する軸上の係数を選択して係数演算回路73へ出力する。さらに、外部の演算処理装置、例えばマイクロコンピュータ17で計算されたDiv、すなわち1/軸間距離となる係数を記憶している。色相情報に応じて選択された2つの係数に対応するDivの値が選択され、係数演算回路73へ供給される。ここでは、(6)式を参照し、近隣の軸上の係数、換言すると入力信号の色が含まれる領域を形成している2つの軸上の係数をC0,C1として説明する。
係数演算回路(係数演算部)73は、まず加算器74により係数保持回路72から入力される係数C0と係数C1の負の値を加算器74にて加算し、その計算結果である(C0−C1)を乗算器75に出力する。乗算器75は加算器74から入力される(C0−C1)に、係数保持回路72から供給される係数aをかけて次の加算器77へ出力する。加算器74及び乗算器75の処理と並行して、乗算器76が、係数保持回路72から供給される係数C1と、係数C0,C1で示される両軸の軸間距離Dをかけ合わせて加算器77へ出力する。加算器77は、乗算器75から入力されるa(C0−C1)と、乗算器76から入力されるDC1を足した結果[a(C0−C1)+DC1]を、乗算器78へ出力する。そして、乗算器78において、係数保持回路72から供給されるDivをかけて丸め演算器79へ出力する。
丸め演算器79は、所定のビットシフト量を示す丸め演算コードに基づいて、丸め演算処理を行うものである。この例では、計算結果にビットシフト量として512を加算し、丸め処理している。これにより、丸め操作後のデータは、切り捨て処理の場合と比較して元の値に対する誤差が少なくなる。そして、丸め演算後のデータを、例えば変換係数CRRとしてマトリクス回路80に出力する。係数演算回路73は、(3)式に示されているような9つの変換係数CRR〜CBBについて計算し、それらをマトリクス回路80へ供給する。
マトリクス回路(色変換演算部)80は、(3)式のような3*3の行列演算(マトリクス演算)を実行する回路であり、本線を流れるRin,Gin,Binの入力信号に対し、係数演算回路73から供給された各変換係数を用いて色変換処理を行い、色変換後の各原色信号Rout,Gout,Boutを外部に出力する。
図6に示したマルチマトリクス回路の動作を説明する。色相検出回路71に各原色信号が入力されると、色相検出回路71で検出される色相情報に従って係数保持回路72から2つの係数C0,C1、係数a、軸間距離D、1/軸間距離を示す係数Divのデータが係数演算回路73に出力される。2つの係数をデータにより、係数演算回路73で線形に補間される。この処理が変換係数ごとに実行され、9つの各変換係数がマトリクス回路80に供給される。そして、マトリクス回路80で本線の入力信号Rin,Gin,Binとかけ合わされ、色変換された原色信号Rout,Gout,Boutが得られる。
上記色変換処理は、撮影時に、予め設定された色調となるよう自動的に所定の色変換処理が実施されるようにしてもよく、あるいは、操作部18からの操作信号を受けたマイクロコンピュータ17が、係数保持回路72に指令を出し、操作信号に応じて軸分割した各軸の係数が係数演算回路73に出力されるようにしてもよい。
以上説明した構成によれば、R−Y軸及びB−Y軸よりなる色平面を一例とする色平面において、当該色平面を任意の数の軸を用いて不等分に分割、すなわち色平面を任意の数、任意の大きさに分割し、それぞれの領域に変換係数(マトリクス係数)を設定するようにしたので、所望の色を精度よく変換することができる。例えば、所望の色の色相近傍では、軸間距離を小さくとることによりその色を重点的に変換することができる。
また、隣り合う領域間の変換係数を演算する際、除算を行わずに乗算のみで演算する構成としたので、色調整回路(マルチマトリクス回路)を少ない回路負担で実現できる。すなわち、回路規模の増加を最小限に抑えつつ、より自由度の高い色変換が可能である。一般に、乗算演算より除算演算の方が回路規模及び演算量が大きく、2〜3倍あるいは数倍になることが知られており、本発明により、回路規模、演算量の増大を最小限に抑えられる。
また、色調整回路(マルチマトリクス回路)では除算を行わずに乗算のみの演算を実行する回路構成とし、外部で計算された除算結果(1/軸間距離)のみを色調整回路に設定するようにしたので、軸間距離に応じた各係数の変更が簡単に行え、色平面上の領域の大きさや範囲を自由に設定することができる。
なお、上述した色調整回路12を含む映像信号処理部16(図1参照)の処理は、ハードウェアにより実行することができるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムコードを、マイクロコンピュータ17に内蔵するROM等の記憶部に格納する。特に、本発明による映像信号処理(色変換処理)をソフトウェアにより実行させる場合は、それらの処理を実行するためのプログラムコードを新たに記憶部にインストールすることで、映像信号処理部16に対して本発明による色変換処理機能を拡張することができる。
本発明は、上述した実施形態例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(演算処理装置)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の例の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の例の機能が実現される場合も含まれる。
また、上述した実施形態においては、R,G,Bの3色の色変換処理について説明したが、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒の4色、あるいはそれ以上の数の色を組合わせて表現された色平面上においても、本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
また、上述した実施形態においては、本発明による撮像装置をビデオカメラに適用した例を説明したが、これに限らず、例えば、デジタルスチルカメラ、それと同等の機能を有するその他の装置等であってもよく、様々な装置に広く適用可能である。さらには、撮像装置から映像信号を受信する受像機が本発明の映像信号処理機能を備え、受像機側でこの映像信号処理、すなわち色変換処理を行うようにしてもよい。
1、2、3…イメージセンサ、12…色調整回路、17…マイクロコンピュータ、18…操作部、50…係数の大きさの軌跡、51〜66…軸、71…色相検出回路、72…係数保持回路、73…係数演算回路、74,77…加算器、75,76,78…乗算器、79…丸め演算器、80…マトリクス回路
Claims (6)
- 複数の原色信号に対してマトリクス演算を用いて色変換処理する映像信号処理回路を備えた撮像装置において、
前記映像信号処理回路は、
入力された原色信号の色相が、複数の軸により不等分割された色平面上のいずれの領域に属するかを検出する色相検出部と、
各領域とその領域を形成している各軸上の係数とを対応付けて記憶するとともに、入力された原色信号の色相が含まれる領域に対応する各軸上の係数を選択する係数保持部と、
前記係数保持部にて選択された係数を用いて、前記入力された原色信号に対するマトリクス係数を算出する係数演算部と、
前記係数演算部にて算出されたマトリクス係数を用いて、前記入力された原色信号を色変換処理する色変換演算部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 前記色平面は、前記原色信号より生成される色差信号を用いて表現される
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記係数演算部で算出されるマトリクス係数をD´、前記領域を形成している各軸上の係数をC0,C1、前記入力された原色信号の前記領域内における位置により決定される係数をa、軸間距離をD、1/軸間距離を示す係数をDivとするとき、
前記係数保持部に前記軸間距離Dに応じて係数Dが設定されるとともに、前記係数演算部へ出力され、前記係数演算部においてマトリクス係数の算出に用いる計算式が、
C´={aC0+(D−a)C1}*Div
で表される、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 複数の原色信号に対してマトリクス演算を用いて色変換処理する映像信号処理回路
入力された原色信号の色相が、複数の軸により不等分割された色平面上のいずれの領域に属するかを検出する色相検出部と、
各領域とその領域を形成している各軸上の係数とを対応付けて記憶するとともに、入力された原色信号の色相が含まれる領域に対応する各軸上の係数を選択する係数保持部と、
前記係数保持部にて選択された係数を用いて、前記入力された原色信号に対するマトリクス係数を算出する係数演算部と、
前記係数演算部にて算出されたマトリクス係数を用いて、前記入力された原色信号を色変換処理する色変換演算部と、
を備えることを特徴とする映像信号処理回路。 - 複数の原色信号に対してマトリクス演算を用いて色変換処理する映像信号処理方法において、
入力された原色信号の色相が、複数の軸により不等分割された色平面上のいずれの領域に属するかを検出するステップと、
各領域とその領域を形成している各軸上の係数とを対応付けて記憶するとともに、入力された原色信号の色相が含まれる領域に対応する各軸上の係数を選択するステップと、
前記選択された係数を用いて、前記入力された原色信号に対するマトリクス係数を算出するステップと、
前記算出されたマトリクス係数を用いて、前記入力された原色信号を色変換処理するステップと、
を備えることを特徴とする映像信号処理方法。 - 複数の原色信号に対してマトリクス演算を用いて色変換処理するコンピュータプログラムであって、
入力された原色信号の色相が、複数の軸により不等分割された色平面上のいずれの領域に属するかを検出する処理と、
各領域とその領域を形成している各軸上の係数とを対応付けて記憶するとともに、入力された原色信号の色相が含まれる領域に対応する各軸上の係数を選択する処理と、
前記選択された係数を用いて、前記入力された原色信号に対するマトリクス係数を算出する処理と、
前記算出されたマトリクス係数を用いて、前記入力された原色信号を色変換処理する処理と、
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006109098A JP2007282131A (ja) | 2006-04-11 | 2006-04-11 | 撮像装置、映像信号処理回路、映像信号処理方法、並びにコンピュータプログラム |
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Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JPS6429079A (en) * | 1987-07-24 | 1989-01-31 | Nippon Denki Home Electronics | Chrominance signal correction system |
JP2003101803A (ja) * | 2001-09-21 | 2003-04-04 | Nikon Corp | 信号処理装置 |
-
2006
- 2006-04-11 JP JP2006109098A patent/JP2007282131A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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JPS6429079A (en) * | 1987-07-24 | 1989-01-31 | Nippon Denki Home Electronics | Chrominance signal correction system |
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