JP2007267069A - 暗号システム、暗号鍵中継装置及びそれらに用いる量子暗号鍵配分方法 - Google Patents

暗号システム、暗号鍵中継装置及びそれらに用いる量子暗号鍵配分方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 距離の離れたリモート端末間で共通鍵を安全に共有可能な暗号システムを提供する。
【解決手段】 第1の中継局2内のアドレス制御回路23は共通鍵蓄積媒体24に対して読出しアドレスを指定し、共通鍵蓄積媒体24は指定されたアドレスの共通鍵を出力し、量子暗号回路22は量子鍵発生回路21からの量子鍵を使って共通鍵を暗号化して伝送路102を経由して第1のリモート端末1に伝える。アドレス制御回路23が指定したアドレスは通信回路25、伝送路201、第2の中継局3内の通信回路35によってアドレス制御回路33に伝わり、共通鍵蓄積媒体34へと出力される。共通鍵蓄積媒体34は指定されたアドレスの共通鍵を出力し、量子暗号回路32は量子鍵発生回路31からの量子鍵を使って共通鍵を暗号化して伝送路302を経由して第2のリモート端末4に伝える。
【選択図】 図1

Description

本発明は暗号システム、暗号鍵中継装置及びそれらに用いる量子暗号鍵配分方法に関し、特に共通暗号鍵を用いた暗号方式における量子による鍵配布方法に関する。
量子暗号鍵配布方法は、送信者と受信者との間で安全に乱数を生成・共有することができる。この量子暗号鍵配布方法では、(1)送信者から受信者へ光信号で乱数情報を送る際、1ビット当たりの光子数が1個以下となるようにして送るため、(2)盗聴者が送信者と受信者との間に分岐を仕掛けた場合、1ビット当たりの光子数が1個以下なので、盗聴者にとられた光子は受信者に届かない。
すなわち、(3)受信者は信号が届かないことによって、盗聴を検出することができる。この場合、(4)送信者と受信者とで共有できるビットは盗聴されていないビットである。ということから、送信者と受信者との間で安全に乱数を生成して共有することができる。
量子暗号方式では、この送信者と受信者との間で作成・共有した乱数をワンタイムパッド法での暗号鍵として利用することによって、情報理論で無条件安全性を達成することができる。ワンタイムパッド法は通信文と同じ長さの暗号鍵を用い、暗号鍵を1回で使い捨てることが特徴である。このワンタイムパッド法に使用する暗号鍵を安全に配送する具体的なプロトコルも提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
上記の提案を契機として量子暗号の研究が盛んになっている。量子暗号は物理法則が暗号の安全性を保証するため、計算機の能力の限界に依存しない究極の安全性保証が可能になる。具体的な量子暗号方式の実現手段については、以下の特許文献1にて提案されている。
特表2000−517499号公報 ベネット(Bennett)、ブラッサ−ド(Brassard)著 IEEEコンピュータ、システム、信号処理国際会議[IEEE Int.Conf.on Computers,Systems,and Signal Processing,Bangalore,India,p.175(1984)]
上述した従来の量子暗号鍵配布方法では、送信者−受信者間で安全に鍵を生成・共有することが可能であるが、送信者から受信者へ光信号で乱数情報を送る際、1ビット当たりの光子数が1個以下であるので、伝送途中に光子が消滅し、1000kmを超えるような遠方に共通鍵を伝達することができないという問題がある。
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、距離の離れたリモート端末間で共通鍵を安全に共有することができる暗号システム、暗号鍵中継装置及びそれらに用いる量子暗号鍵配分方法を提供することにある。
本発明による暗号システムは、量子暗号によって保護された第1の伝送路にて接続される第1のリモート端末及び第1の中継局と、前記量子暗号によって保護された第2の伝送路にて接続される第2のリモート端末及び第2の中継局とからなり、前記第1の中継局と前記第2の中継局とを接続してなる暗号システムであって、
前記第1及び第2の中継局各々は、共通鍵を蓄積する第1及び第2の共通鍵蓄積媒体と、前記第1及び第2の共通鍵蓄積媒体から出力される共通鍵を前記第1及び第2の伝送路を介して前記第1及び第2のリモート端末に送出する手段とを備え、
前記第1及び第2の共通鍵蓄積媒体各々は、その一部に同一の共通鍵を蓄積している。
本発明による暗号鍵中継装置は、量子暗号によって保護された伝送路にてリモート端末に接続されるとともに、他の中継局に接続される暗号鍵中継装置であって、
共通鍵を蓄積する共通鍵蓄積媒体と、前記共通鍵蓄積媒体から出力される共通鍵を前記伝送路を介して前記リモート端末に送出する手段とを備え、
前記共通鍵蓄積媒体は、その一部に前記他の中継局にて蓄積される共通鍵と同一の共通鍵を蓄積している。
本発明による量子暗号鍵配分方法は、量子暗号によって保護された第1の伝送路にて接続される第1のリモート端末及び第1の中継局と、前記量子暗号によって保護された第2の伝送路にて接続される第2のリモート端末及び第2の中継局とからなり、前記第1の中継局と前記第2の中継局とを接続してなる暗号システムに用いる量子暗号鍵配分方法であって、
前記第1及び第2の中継局各々に、その一部に同一の共通鍵を蓄積する第1及び第2の共通鍵蓄積媒体を設け、
前記第1及び第2の中継局各々が、それぞれ前記第1及び第2の共通鍵蓄積媒体から出力される共通鍵を前記第1及び第2の伝送路を介して前記第1及び第2のリモート端末に送出する処理を実行している。
すなわち、本発明の暗号システムは、互いに量子鍵による暗号化通信路にて接続される第1のリモート端末及び第1の中継局と、量子鍵によって暗号化通信路によって接続されてる第2のリモート端末及び第2の中継局と、第1及び第2の中継局に共通鍵蓄積媒体を有することを特徴としている。
さらに、本発明の暗号システムでは、第1のリモート端末と第1の中継局とにおいて、量子鍵による暗号化通信路を利用して第1の中継局内の第1の制御回路の指示する共通鍵蓄積媒体の共通鍵の一部を第1のリモート端末に暗号伝送し、第2のリモート端末と第2の中継局とにおいて、量子鍵による暗号化通信路を利用して第2の中継局内の第2の制御回路の指示する共通鍵蓄積媒体の共通鍵の一部を第2のリモート端末に暗号伝送し、第1及び第2の制御回路の指示する共通鍵蓄積媒体の共通鍵の一部を同一としている。
これによって、本発明の暗号システムでは、第1のリモート端末と第1の中継局との間、第2のリモート端末と第2の中継局との間の伝送路がそれぞれ量子暗号によって保護されており、盗聴に対して安全となり、一方、第1及び第2の中継局間の伝送路においてアドレス情報しか伝送されておらず、盗聴されても無害となるため、距離が大きく離れた第1及び第2のリモート端末間でも、第1及び第2の中継局を経由することによって、安全に共通鍵を保持することが可能となる。
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、距離の離れたリモート端末間で共通鍵を安全に共有することができるという効果が得られる。
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による暗号システムの構成を示すブロック図である。図1において、本発明の一実施例による暗号システムは第1のリモート端末1と第1の中継局2との間及び第2のリモート端末4と第2の中継局3との間をそれぞれ量子暗号によって保護された伝送路101,102,301,302にて接続して構成されている。尚、第1の中継局2と第2の中継局3との間は通常の伝送路201にて接続されている。
第1のリモート端末1及び第2のリモート端末4はそれぞれ量子鍵発生回路11,41と、量子暗号回路12,42とを含んで構成されている。第1の中継局2及び第2の中継局3はそれぞれ量子鍵発生回路21,31と、量子暗号回路22,32と、アドレス制御回路23,33と、共通鍵蓄積媒体24,34と、通信回路25,35とを含んで構成されている。
図2は本発明の一実施例による暗号システムの動作を示すシーケンスチャートである。これら図1及び図2を参照して、本発明の一実施例による暗号システムについて説明する。ここでは、距離の離れた第1のリモート端末1と第2のリモート端末4との間を第1の中継局2及び第2の中継局3を介することによって安全に共通鍵を共有する方法について説明する。
第1のリモート端末1と第1の中継局2とは近距離にあり、伝送路101によって接続された量子鍵発生回路11,21を利用することができる。同様に、第2のリモート端末4と第2の中継局3とは近距離にあり、伝送路301によって接続された量子鍵発生回路41,31を利用することができる。
一方、第1の中継局2及び第2の中継局3は、情報セキュリティに対して安全な環境にあり、両者は距離が離れているが、伝送路201によって接続されているものとする。
第1の中継局2及び第2の中継局3には、共通鍵蓄積媒体24,34が予め設置されている。共通鍵蓄積媒体24,34には、大量の共通鍵の候補が記録されており、厳重に警護されて第1の中継局2及び第2の中継局3に人手等で搬送されるとともに、第1の中継局2及び第2の中継局3の内部においても外部からアクセスされない高セキリティ環境で保護されているものとする。
第1の中継局2内のアドレス制御回路23は、不規則に、順番で共通鍵蓄積媒体24に対して読出しアドレスを指定する。共通鍵蓄積媒体24は指定されたアドレスの共通鍵を出力し、量子暗号回路22に伝える。量子暗号回路22は、量子鍵発生回路21からの量子鍵を使って共通鍵蓄積媒体24からの共通鍵を暗号化して伝送路102を経由して第1のリモート端末1内の量子暗号回路12に伝える(図2のa1参照)。量子暗号回路12では量子鍵発生回路11からの量子鍵を用いて量子暗号復号を行い、共通鍵を出力する(図2のa3参照)。
一方、第1の中継局2内のアドレス制御回路23が指定したアドレスは通信回路25によって伝送路201を伝わって第2の中継局3内の通信回路35によってアドレス制御回路33に伝わり(図2のa2参照)、アドレス制御回路33から共通鍵蓄積媒体34へと出力される。
共通鍵蓄積媒体34はアドレス制御回路33によって指定されたアドレスの共通鍵を出力する。共通鍵蓄積媒体24,34の内容は同じであるので、出力される共通鍵も同一であり、その同一の共通鍵が共通鍵蓄積媒体34から量子暗号回路32に伝わる。
量子暗号回路32は量子鍵発生回路31からの量子鍵を使って共通鍵蓄積媒体34からの共通鍵を暗号化し、伝送路302を経由して第2のリモート端末4内の量子暗号回路42に伝える(図2のa4参照)。量子暗号回路42では量子鍵発生回路41からの量子鍵を用いて量子暗号復号を行い、共通鍵を出力する(図2のa5参照)。
以上の動作において、伝送路102,302は量子暗号によって保護されており、盗聴に対して安全である。一方、伝送路201では共通鍵蓄積媒体24,34に対するアドレス情報しか伝送されておらず、盗聴されても無害である。
したがって、本実施例では、第1の中継局2及び第2の中継局3にそれぞれ収容された共通鍵蓄積媒体24,34のアドレスを指定することによって、距離の離れた第1のリモート端末1と第2のリモート端末4との間で共通鍵を安全に共有することができる。
図3は図1の共通鍵蓄積媒体24,34内部の記録論理構成を説明するための図である。図3において、アドレスA〜Eに対して互いに相関のない乱数A〜Eが記録されている。例えば、アドレスBが指定されると、共通鍵蓄積媒体24,34から乱数Bが出力されて共通鍵として利用される。アドレスBが盗聴によって解読されても乱数Bの内容をアドレBから推測することはできない。
このように、本実施例では、第1のリモート端末1と第2の中継局2との間の伝送路、第2のリモート端末4と第2の中継局3との間の伝送路がそれぞれ量子暗号によって保護されており、盗聴に対して安全である。一方、第1の中継局2と第2の中継局3との間の伝送路201では、共通鍵蓄積媒体24,34に対するアドレス情報しか伝送されておらず、伝送路201が盗聴されても無害である。したがって、本実施例では、距離の離れた第1のリモート端末1と第2のリモート端末4との間で共通鍵を安全に共有することができる。
尚、本発明では、上記の実施例において、第1の中継局2から第2の中継局3を介して第2のリモート端末4へと共通鍵を送出する場合について述べたが、第2の中継局3から第1の中継局2を介して第1のリモート端末1へと共通鍵を送出する場合についても適用可能である。
本発明の一実施例による暗号システムの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施例による暗号システムの動作を示すシーケンスチャートである。 図1の共通鍵蓄積媒体内部の記録論理構成を説明するための図である。
符号の説明
1 第1のリモート端末
2 第1の中継局
3 第2の中継局
4 第2のリモート端末
11,21,
31,41 量子鍵発生回路
12,22,
32,42 量子暗号回路
23,33 アドレス制御回路
24,34 共通鍵蓄積媒体
25,35 通信回路
101,102,
301,302 量子暗号によって保護された伝送路
201 通常の伝送路

Claims (9)

  1. 量子暗号によって保護された第1の伝送路にて接続される第1のリモート端末及び第1の中継局と、前記量子暗号によって保護された第2の伝送路にて接続される第2のリモート端末及び第2の中継局とからなり、前記第1の中継局と前記第2の中継局とを接続してなる暗号システムであって、
    前記第1及び第2の中継局各々は、共通鍵を蓄積する第1及び第2の共通鍵蓄積媒体と、前記第1及び第2の共通鍵蓄積媒体から出力される共通鍵を前記第1及び第2の伝送路を介して前記第1及び第2のリモート端末に送出する手段とを有し、
    前記第1及び第2の共通鍵蓄積媒体各々は、その一部に同一の共通鍵を蓄積することを特徴とする暗号システム。
  2. 前記第1及び第2の中継局各々は、前記第1及び第2の共通鍵蓄積媒体に対してアドレスを指定する第1及び第2の制御回路を含み、
    前記第1の制御回路の指示する前記第1の共通鍵蓄積媒体の共通鍵の一部を前記第1の伝送路を介して前記第1のリモート端末に暗号伝送し、前記第2の制御回路の指示する前記第2の共通鍵蓄積媒体の共通鍵の一部を前記第2の伝送路を介して前記第2のリモート端末に暗号伝送することを特徴とする請求項1記載の暗号システム。
  3. 前記第1の制御回路は、前記第1の共通鍵蓄積媒体に指示したアドレス情報を前記第2の制御回路に出力し、
    前記第2の制御回路は、前記第1の制御回路からのアドレス情報を前記第2の共通鍵蓄積媒体に指示することを特徴とする請求項2記載の暗号システム。
  4. 量子暗号によって保護された伝送路にてリモート端末に接続されるとともに、他の中継局に接続される暗号鍵中継装置であって、
    共通鍵を蓄積する共通鍵蓄積媒体と、前記共通鍵蓄積媒体から出力される共通鍵を前記伝送路を介して前記リモート端末に送出する手段とを有し、
    前記共通鍵蓄積媒体は、その一部に前記他の中継局にて蓄積される共通鍵と同一の共通鍵を蓄積することを特徴とする暗号鍵中継装置。
  5. 前記共通鍵蓄積媒体に対してアドレスを指定する制御回路を含み、
    前記制御回路の指示する前記共通鍵蓄積媒体の共通鍵の一部を前記伝送路を介して前記リモート端末に暗号伝送することを特徴とする請求項4記載の暗号鍵中継装置。
  6. 前記制御回路は、前記共通鍵蓄積媒体に指示したアドレス情報を前記他の中継局に出力し、
    前記他の中継局が、その蓄積される共通鍵のうちの前記制御回路からのアドレス情報に基づいた共通鍵を前記他の中継局に接続されるリモート端末に暗号伝送することを特徴とする請求項5記載の暗号鍵中継装置。
  7. 量子暗号によって保護された第1の伝送路にて接続される第1のリモート端末及び第1の中継局と、前記量子暗号によって保護された第2の伝送路にて接続される第2のリモート端末及び第2の中継局とからなり、前記第1の中継局と前記第2の中継局とを接続してなる暗号システムに用いる量子暗号鍵配分方法であって、
    前記第1及び第2の中継局各々に、その一部に同一の共通鍵を蓄積する第1及び第2の共通鍵蓄積媒体を設け、
    前記第1及び第2の中継局各々が、それぞれ前記第1及び第2の共通鍵蓄積媒体から出力される共通鍵を前記第1及び第2の伝送路を介して前記第1及び第2のリモート端末に送出する処理を実行することを特徴とする量子暗号鍵配分方法。
  8. 前記第1及び第2の中継局各々が、前記第1及び第2の共通鍵蓄積媒体に対してアドレスを指定する第1及び第2の制御処理をそれぞれ実行し、
    前記第1の制御処理にて指示される前記第1の共通鍵蓄積媒体の共通鍵の一部を前記第1の伝送路を介して前記第1のリモート端末に暗号伝送し、前記第2の制御処理にて指示される前記第2の共通鍵蓄積媒体の共通鍵の一部を前記第2の伝送路を介して前記第2のリモート端末に暗号伝送することを特徴とする請求項7記載の量子暗号鍵配分方法。
  9. 前記第1の中継局が前記第1の制御処理において、前記第1の共通鍵蓄積媒体に指示したアドレス情報を前記第2の中継局に出力し、
    前記第2の中継局が前記第2の制御処理において、前記第1の中継局からのアドレス情報を前記第2の共通鍵蓄積媒体に指示することを特徴とする請求項8記載の量子暗号鍵配分方法。
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