JP2007261467A - ハイブリッド型車両 - Google Patents

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昌朗 小野
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治 渡辺
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Abstract

【課題】 ハイブリッド型車両の高性能化を達成すること。
【解決手段】 エンジン8と、エンジンの動力を受ける差動装置42と、差動装置にユニバーサルジョイント90を介して連結されたドライブシャフト9と、モータ21と、モータの動力をユニバーサルジョイントのアウタレース92に伝達するモータ出力伝達機構22と、を備えた構成のハイブリッド型車両である。また、発電用モータ11の回転軸111とエンジンの出力軸81との間には、それらを連結するエンジン出力伝達機構120を設け、バッテリ3は、発電用モータが出力軸から動力を得ることにより充電するようにし、発電用モータは、その回転軸が出力軸に対して平行となるように配置した。更に、発電用モータは、エンジンの出力軸と駆動輪側との駆動伝達を断続するクラッチ機構の上部に配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン及びモータにて駆動輪を駆動するハイブリッド型車両に関する。
一般に、ハイブリッド型車両(以下「HEV」)の課題としては、車両の小型軽量化、価格の低減化、動力エネルギー効率の向上(低燃費化)、常時充放電するための電池の長寿命化等が挙げられる。
近年では、ガソリンエンジン車の排気ガス汚染対策としての環境改善、燃費の低減化、低騒音化等を意図し、HEVの開発、市場への提供が加速されている。現在におけるHEVの代表的な車種としては、トヨタのコースターハイブリッドEVや、ホンダのシビックや、トヨタのプリウス等が上げられる。トヨタのコースターハイブリッドEVは、一充電走行距離を延長させるために発電しながら走行する自動車で、発電用にエンジンを使用するシリーズ方式のHEVである。ホンダのシビックは、エンジンに負担がかかる発進や加速時に電動機が作動し、動力源を補助するパラレル方式のHEVである。エンジンの燃費の低減や排出ガスの発生を低減するために、エンジンは走行を主体とし、場合により電池を充電する動力源として使用される。トヨタのプリウスは、シリーズ方式とパラレル方式の組み合わせで、状況に応じてシリーズ方式とパラレル方式を使い分けたり、両方作動させたりする方式のものであり、パラレル方式に追加し、専用の発電用モータを備え、パラレル方式よりさらにきめ細やかにエンジンの負担制御を行い、エネルギー効果を高めたシリーズ・パラレル方式のHEVである。
これらHEVに関する従来例を特許文献で見ると、例えば、特許文献1に開示されているように、車両の低速走行時に要求された急加速にも対応可能で、モータ等の小型化、ひいては車両の小型化及び軽量化を図ることが可能なパラレル方式のHEVや、特許文献2に開示されているように、エンジン動力を駆動輪と発電用モータに差動的に分配するモードから発電用モータのみに分配するモードへと移行できる手段(クラッチ)を備えることにより、停止中バッテリを充電でき、停止及び低速走行時でも駆動輪にモータ動力を供給できるようにしたシリーズ・パラレル方式のHEV等がある。
また、ハイブリッド型車両における駆動伝達の機構としては、通常、モータの動力が差動装置に伝達される構成が採用されている。かかる構成は、特許文献3乃至7等にも開示されている。
特開平7−336810号公報 特開平9−46821号公報 特開平7−285350号公報 特開平10−175455号公報 特開平10−287142号公報 特開2003−72392号公報 特開2004−144228号公報
さて、一般に知られているHEVは、エンジン、発電用及び駆動用のモータ、動力伝達機構等がエンジンの出力軸の延長上に二つの駆動源を搭載しており、駆動装置の全体の長さが長く、且つ重量も重い。また、そのためにこれら従来の駆動装置をミッドエンジン後輪駆動のような高性能車両に搭載するとヨーモーメントが増加して好ましくない。つまり、シリーズ・パラレル方式の高性能ハイブリッド型車両(以下「SPHV」と略す)の構造に関しては、この種の欠陥を補うことにより、ハイブリッド型車両の高性能化を達成することが必要とされている。すなわち、SPHVのエンジン、モータ(発電用・駆動用)及び動力伝達機構を含めた小型軽量化構造の構築や、保守、交換が容易なモータによる駆動用動力伝達機構の構築が求められており、駆動伝達の機構についても、これらの条件を踏まえつつ更なる合理化が求められている。本発明は、このような諸事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハイブリッド型車両の高性能化を達成することである。
本願第1請求項に記載した発明は、エンジンと、前記エンジンの動力を受ける差動装置と、前記差動装置にユニバーサルジョイントを介して連結されたドライブシャフトと、モータと、前記モータの動力を前記ユニバーサルジョイントのアウタレースに伝達するモータ出力伝達機構と、を備えた構成のハイブリッド型車両である。
本願第2請求項に記載した発明は、請求項1において、前記モータは、その回転軸が前記アウターレースの回転軸に対して平行となるように配置した構成のハイブリッド型車両である。
本願第3請求項に記載した発明は、請求項1又は2において、前記モータ出力伝達機構は、前記モータの回転軸に第1ギヤを設けるとともに、前記ユニバーサルジョイントのアウタレースの外周に第2ギヤを設け、前記第2ギヤが前記第1ギヤに従動するように構成してなるハイブリッド型車両である。
本願第4請求項に記載した発明は、請求項1又は2において、前記モータ出力伝達機構は、前記モータの回転軸に第1プーリ体を設けるとともに、前記ユニバーサルジョイントのアウタレースの外周に第2プーリ体を設け、前記第1プーリ体及び前記第2プーリ体にベルト体を巻回し、前記第2プーリ体が前記第1プーリ体に従動するように構成してなるハイブリッド型車両である。
本願第5請求項に記載した発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記モータに電力を供給するバッテリとして少なくとも一対のバッテリを備え、前記一対のバッテリは、当該ハイブリッド型車両の車体中心に対し、左右対称に搭載した構成のハイブリッド型車両である。
本願第6請求項に記載した発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記駆動輪は、当該ハイブリッド型車両の後輪であるとともに、当該ハイブリッド型車両の前輪は、前記バッテリを電源とする第2モータを動力とする第2駆動輪とした構成のハイブリッド型車両である。
本願第7請求項に記載した発明は、請求項6において、前記第2モータは、前記第2駆動輪に組み込まれたインホイールモータである構成のハイブリッド型車両である。
本願第8請求項に記載した発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記モータに電力を供給するバッテリを充電する発電用モータを備え、前記発電用モータの回転軸と前記エンジンの出力軸との間には、それらを連結するエンジン出力伝達機構を設け、
前記バッテリは、前記発電用モータが前記エンジンの出力軸から動力を得ることにより充電するようにし、前記発電用モータは、その回転軸が前記エンジンの出力軸に対して平行となるように配置した構成のハイブリッド型車両である。
本願第9請求項に記載した発明は、請求項8において、前記エンジンの出力軸と前記駆動輪側との駆動伝達を断続するクラッチ機構を備え、前記発電用モータは、前記クラッチ機構の上部に配置した構成のハイブリッド型車両である。
本願第10請求項に記載した発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記モータに電力を供給するバッテリを充電する発電用モータと、前記エンジンの出力軸と前記駆動輪側との駆動伝達を断続するクラッチ機構とを備え、前記発電用モータの回転軸と前記エンジンの出力軸との間には、それらを連結するエンジン出力伝達機構を設け、前記バッテリは、前記発電用モータが前記エンジンの出力軸から動力を得ることにより充電するようにし、前記発電用モータは、前記クラッチ機構の上部に配置した構成のハイブリッド型車両である。
本願第11請求項に記載した発明は、エンジン及びモータにて駆動輪を駆動するハイブリッド型車両において、前記モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリを充電する発電用モータとを備え、前記発電用モータの回転軸と前記エンジンの出力軸との間には、それらを連結するエンジン出力伝達機構を設け、前記バッテリは、前記発電用モータが前記エンジンの出力軸から動力を得ることにより充電するようにし、前記発電用モータは、その回転軸が前記エンジンの出力軸に対して平行となるように配置した構成のハイブリッド型車両である。
本願第12請求項に記載した発明は、請求項11において、前記エンジン出力伝達機構は、前記出力軸に第1ギヤを設けるとともに、前記発電用モータの回転軸に第2ギヤを設け、前記第2ギヤが前記第1ギヤに従動するように構成してなるハイブリッド型車両である。
本願第13請求項に記載した発明は、請求項11において、前記エンジン出力伝達機構は、前記出力軸に第1プーリ体を設けるとともに、前記発電用モータの回転軸に第2プーリ体を設け、前記第1プーリ体及び前記第2プーリ体にベルト体を巻回し、前記第2プーリ体が前記第1プーリ体に従動するように構成してなるハイブリッド型車両である。
本願第14請求項に記載した発明は、請求項11乃至13のいずれかにおいて、前記出力軸と前記駆動輪側との駆動伝達を断続するクラッチ機構を備え、前記発電用モータは、前記クラッチ機構の上部に配置した構成のハイブリッド型車両である。
本願第15請求項に記載した発明は、エンジン及びモータにて駆動輪を駆動するハイブリッド型車両において、前記モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリを充電する発電用モータと、前記エンジンの出力軸と前記駆動輪側との駆動伝達を断続するクラッチ機構とを備え、前記発電用モータの回転軸と前記エンジンの出力軸との間には、それらを連結するエンジン出力伝達機構を設け、前記バッテリは、前記発電用モータが前記エンジンの出力軸から動力を得ることにより充電するようにし、前記発電用モータは、前記クラッチ機構の上部に配置した構成のハイブリッド型車両である。
本発明によれば、ハイブリッド型車両の高性能化を達成することができる。
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1に示す本例のハイブリッド型車両1は、前後左右に駆動輪を設けた4輪駆動車である。同図においては、左側がその進行方向となっている。以下の説明においては、後輪を駆動輪7と称し、前輪を第2駆動輪4と称する。駆動輪7の動力源は、エンジン8及びモータ21であり、第2駆動輪ン4の動力源は、インホイールモータ6である。
第2駆動輪4は、インホイールモータ(特許請求の範囲における第2モータ)6によりそれぞれ駆動される。インホイールモータ6は、第2駆動輪4のホイールに組み込まれたモータであり、第2駆動輪4と駆動軸41を共有する構成となっている。インホイールモータ6としては、当該電気自動車の分野には種々の構造のものが知られているが、本例ではモータサイドプレート及び軸受がモータと車輪双方の構成部品を兼ねるよう機能複合化されたモータを走行動力とする電動車両の車輪の軸部とホイールリムとの間にモータの固定子と回転子を直接一体的に組み込んだダイレクトドライブ方式のインホイールモータ(登録実用新案1897814号)を使用した。インホイールモータ6の出力は特に限定はしないが、本例では 50kWのものを使用した。各インホイールモータ6には、バッテリ3から電力が供給される。
本例のハイブリッド型車両1は、その車体中心に対し、左右対称に一対のバッテリ3が搭載されている。このような構成によれば、車体重量の左右のバランスが極力均等になるように調節することができる。尚、バッテリ3としては、鉛電池、ニッケル・水素電池、リチウムイオン電池等の何れでもよいが、車両の規模、特性等により、高出力、長寿命、充放電効率の良い電池を、目的に対応して選択使用する。バッテリ3の容量は目的に対応して選択使用するもので特定するものではないが、本例では2kWhのニッケル・水素電池を使用した。またバッテリ3の進行方向の前側には冷却風吸入口を、その後側に冷却風排出口を設けてある。
また、座席(図示はせず)の後部には駆動輪7を駆動する内燃式のエンジン8を配置し、座席と当該エンジン8との間の下部にはガソリン等の燃料タンクを配置している。更に、エンジン8の後部真後ろには発電用モータ11を配置している。発電用モータ11は、エンジン出力伝達機構120によりエンジン8側と連結されており、エンジン8の駆動力により発電し、インバータ10を介してバッテリ3に電力を供給し、バッテリ3を充電する仕組みになっている。つまり、バッテリ3は、発電用モータ11からの供給電力により充電され、第2駆動輪4を駆動するインホイールモータ6へインバータ5を介して電力を供給し、更に、駆動輪7を駆動するモータ21へインバータ23を介して電力を供給する。
エンジン8とモータ21は、駆動力の要求の度合い、例えば発進時、低速走行時、急登坂のような高負荷時、減速時、停止時等により、それぞれ単独若しくは合力で駆動輪7に駆動力を伝達するように構成されている。
エンジン8による駆動力は、クラッチ機構12、変速機構13、差動装置42、及びドライブシャフト71を介して伝達される。ドライブシャフト9は、その両端部にそれぞれデフ側ユニバーサルジョイント90、ホイール側ユニバーサルジョイント95を備え、差動装置42には、デフ側ユニバーサルジョイント90を介して連結されている。モータ21の動力は、後に詳述するように、モータ出力伝達機構22からデフ側ユニバーサルジョイント90のアウターレース92に伝達する構成となっている。
図4に示すように、本例では、エンジン8の後部上段に発電用モータ11を配設し、発電用モータ11の直下に油圧で作動するクラッチ機構12を配置している。発電用モータ11は、クラッチ機構12の上部に配置されている。図例したエンジン出力伝達機構120は、エンジン8の出力軸81に第1ギヤ121を設けるとともに、発電用モータ11の回転軸111に第2ギヤ122を設け、単一又は複数の中間ギヤ123を介して第2ギヤ122が前記第1ギヤ121に従動するように構成してなるものである。発電用モータ11へのエネルギーの入力は、エンジン8の動力エネルギーを、エンジン8とモータ11の間に設置したエンジン出力伝達機構120を介して行われる。すなわち、発電用モータ11の回転軸111とエンジン8の出力軸81との間には、それらを連結するエンジン出力伝達機構120を設け、バッテリ3は、発電用モータ11がエンジン8の出力軸81から動力を得ることにより充電される。発電用モータ11は、その回転軸111がエンジン8の出力軸81に対して平行となるように配置している。発電用モータ11とクラッチ機構12とを上下に並行して配置することによれば、エンジン、モータ、クラッチ機構が直列に配置されたHEVに較べて、車体の前後方向に対するそれらの設置スペースの短縮が可能となる。従って、車体全体の長さの短縮も可能である。
尚、本例では発電用モータ11とクラッチ機構12とを上下に並行に配置した状態を示したが、設置スペースを短縮するという点においては、それらを左右に並行に配置しでも同様の効果が得られるものである。
また、図5に示すように、エンジン出力伝達機構11は、エンジン8の出力軸81に第1プーリ体124を設けるとともに、発電用モータ11の回転軸111に第2プーリ体125を設け、第1プーリ体124及び第2プーリ体125にベルト体126を巻回し、第2プーリ体125が第1プーリ体124に従動するように構成してもよい。ベルト体126としては、ベルト又はチェーンを使用する。図4又は図5に示すエンジン出力伝達機構11によれば、発電用モータ11にエンジン8の動力を効率よく伝達することが可能である。
次に、駆動輪7への動力の伝達の仕組みを説明する。図5及び図6に示すように、ドライブシャフト9は、デフ側ユニバーサルジョイント90を介して差動装置42に連結されている。デフ側ユニバーサルジョイント90は、ドライブシャフト9のデフ側端部に設けられたインナレース91と、差動装置42にスプライン結合されるアウタレース92と、インナレース91及びアウタレース92の間に設けられたゲージ部93とを備えている。ゲージ部93には、その周方向に適宜ピッチで複数のボール94が装着されている。モータ21の回転軸211とデフ側ユニバーサルジョイント90のアウタレース92との間には、それらを連結するモータ出力伝達機構22を設け、モータ21の動力は、デフ側ユニバーサルジョイント90のアウタレース92に伝達する構成となっている。モータは、その回転軸がドライブシャフトに対して平行となるように配置した。
図例したモータ出力伝達機構22は、モータ21の回転軸211に第1ギヤ221を設けるとともに、デフ側ユニバーサルジョイント90のアウタレース92の外周に第2ギヤ222を設け、単一又は複数の中間ギヤ223を介して第2ギヤ222が第1ギヤ221に従動するように構成してなるものである。第2ギヤ222は、アウタレース92の外周に一体成形又は溶接されている。第2ギヤ222の歯部は、アウターレース92の回転軸周方向に沿って設けられている。
このモータ出力伝達機構22は、所定のボックス224の内部に収納されており、アウタレース92とボックス224との間は、オイルシール225にて密閉されている。モータ出力伝達機構22は、ボックス224の内部に支持することによってユニット化しており、かかるボックス224ごと着脱する構成となっている。具体的には、エンジン8、クラッチ機構12、変速機構13、及び差動装置42を所定のケースに収納してこれを動力伝達機構ユニット100とし、この動力伝達機構ユニット100に対してボックス224を着脱する構成となっている。このような構成によれば、メンテナンスが容易となる利点がある。各ギヤ221,222,223を必要に応じて適宜取り替えることも可能である。
尚、図6に示すように、モータ出力伝達機構22は、モータ21の回転軸211に第1プーリ体226を設けるとともに、デフ側ユニバーサルジョイント90のアウタレース92の外周に第2プーリ体226を設け、第1プーリ体226及び第2プーリ体227にベルト体228を巻回し、第2プーリ体が第1プーリ体に従動するように構成してもよい。ベルト体228としては、ベルト又はチェーンを使用する。図5又は図6に示すエンジン出力伝達機構11によれば、駆動輪7にモータ21の動力を効率よく伝達することが可能である。
本例における駆動輪7への駆動力の供給は、具体的には、エンジン8、クラッチ機構12、変速機構13、差動装置42、及びドライブシャフト9を介して左右の駆動輪7に駆動力を伝達する動力伝達機構ユニット100を主動力源としている。また、動力伝達機構ユニット100の左右両側に、モータ21及びモータ出力伝達機構22をそれぞれ設けており、各モータ21を駆動することにより、各駆動輪7にそれぞれ駆動力を供給することが可能である。尚、モータ21には、ドッグクラッチのようなクラッチを設けてもよい。通常は、エンジン8とモータ21を動力源とするが、エンジン8のみを動力源とするときは、そのドッククラッチを切り離すように構成してもよい。また、モータ21のみを動力源として駆動輪7に駆動力を供給する場合は、変速機構13をニュートラルにすることにより、モータ21のみの駆動としてもよい。
本例の特徴とするところは、次の(1)乃至(5)が挙げられる。すなわち、(1)一対のバッテリを車体中心に対し左右対称に搭載したことにより、車体全体の重量配分をバランス良く適切にしたこと、(2)座席の直後に後輪駆動用のエンジンを配設し、更にそのエンジンの直後に発電用モータと並行してクラッチ機構を設け、発電用モータをエンジンの出力軸の延長線上でないところに配置したことにより車体の全体の長さを短縮し、小型化したこと、且つそれらの駆動機構の重心が車体の中心に近くなったことによりヨーモーメントが小さくなり、SPHVの操縦性が向上したこと、(3)左右駆動輪の駆動をそれぞれ別のモータにしたことにより、駆動力を個々に制御できるようにしたこと、(4)モータ出力伝達機構をユニット化することにより、動力伝達機構ユニットに対する着脱を容易化したこと、(5)モータの動力をユニバーサルジョイントのアウタレースに伝達する構成を採用することにより、動力伝達の合理化を達成したこと、である。
尚、駆動輪を駆動するためのモータは、動力伝達機構ユニットのケース内部に設けずともよい。故に、動力伝達機構ユニットは、ハイブリッド型車両用として設計されたものでなくとも、それを容易に転用することが可能である。すなわち、汎用性に優れているという利点もある。
以上説明したように、本例は高性能化を達成してなるハイブリッド型車両であり、公道走行用の小型車両、大型車両、或はレーシングカー等、各種車両として好適に利用することができる。また、本例における各部の構成は、特許請求の範囲に記載した技術的範囲において適宜に設計変更が可能であり、図例説明したものに限定されないことは勿論である。
ハイブリッド型車両は、公道走行用の小型車両、大型車両、或はレーシングカー等、各種車両として好適に利用することができる。
本発明の実施例に係り、ハイブリッド型車両の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係り、エンジン出力伝達機構及びその周辺要部を示す説明図である。 本発明の実施例に係り、エンジン出力伝達機構及びその周辺要部を示す説明図である。 本発明の実施例に係り、モータ出力伝達機構及びその周辺要部を示す説明図である。 本発明の実施例に係り、デフ側ユニバーサルジョイント及びその周辺要部を示す説明図である。 本発明の実施例に係り、モータ出力伝達機構及びその周辺要部を示す説明図である。
符号の説明
1 ハイブリッド型車両
3 バッテリ
4 第2駆動輪
41 回転軸
6 インホイールモータ
7 駆動輪
8 エンジン
81 出力軸
120 エンジン出力伝達機構
121 第1ギヤ
122 第2ギヤ
123 中間ギヤ
124 第1プーリ体
125 第2プーリ体
126 ベルト体
10 インバータ
11 発電用モータ
12 クラッチ機構
13 変速機構
42 差動装置
9 ドライブシャフト
90 デフ側ユニバーサルジョイント
91 インナレース
92 アウタレース
93 ゲージ部
94 ボール
95 ホイール側ユニバーサルジョイント
21 モータ
23 インバータ
211 回転軸
22 モータ出力伝達機構
221 第1ギヤ
222 第2ギヤ
223 中間ギヤ
226 第1プーリ体
227 第2プーリ体
228 ベルト体
100 動力伝達機構ユニット

Claims (15)

  1. エンジンと、前記エンジンの動力を受ける差動装置と、前記差動装置にユニバーサルジョイントを介して連結されたドライブシャフトと、モータと、前記モータの動力を前記ユニバーサルジョイントのアウタレースに伝達するモータ出力伝達機構と、を備えたことを特徴とするハイブリッド型車両。
  2. 前記モータは、その回転軸が前記アウターレースの回転軸に対して平行となるように配置したことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド型車両。
  3. 前記モータ出力伝達機構は、前記モータの回転軸に第1ギヤを設けるとともに、前記ユニバーサルジョイントのアウタレースの外周に第2ギヤを設け、前記第2ギヤが前記第1ギヤに従動するように構成してなることを特徴とする請求項1又は2記載のハイブリッド型車両。
  4. 前記モータ出力伝達機構は、前記モータの回転軸に第1プーリ体を設けるとともに、前記ユニバーサルジョイントのアウタレースの外周に第2プーリ体を設け、前記第1プーリ体及び前記第2プーリ体にベルト体を巻回し、前記第2プーリ体が前記第1プーリ体に従動するように構成してなることを特徴とする請求項1又は2記載のハイブリッド型車両。
  5. 前記モータに電力を供給するバッテリとして少なくとも一対のバッテリを備え、前記一対のバッテリは、当該ハイブリッド型車両の車体中心に対し、左右対称に搭載したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のハイブリッド型車両。
  6. 前記駆動輪は、当該ハイブリッド型車両の後輪であるとともに、当該ハイブリッド型車両の前輪は、前記バッテリを電源とする第2モータを動力とする第2駆動輪としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のハイブリッド型車両。
  7. 前記第2モータは、前記第2駆動輪に組み込まれたインホイールモータであることを特徴とする請求項6記載のハイブリッド型車両。
  8. 前記モータに電力を供給するバッテリを充電する発電用モータを備え、
    前記発電用モータの回転軸と前記エンジンの出力軸との間には、それらを連結するエンジン出力伝達機構を設け、
    前記バッテリは、前記発電用モータが前記エンジンの出力軸から動力を得ることにより充電するようにし、
    前記発電用モータは、その回転軸が前記エンジンの出力軸に対して平行となるように配置したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載のハイブリッド型車両。
  9. 前記エンジンの出力軸と前記駆動輪側との駆動伝達を断続するクラッチ機構を備え、前記発電用モータは、前記クラッチ機構の上部に配置したことを特徴とする請求項8記載のハイブリッド型車両。
  10. 前記モータに電力を供給するバッテリを充電する発電用モータと、前記エンジンの出力軸と前記駆動輪側との駆動伝達を断続するクラッチ機構とを備え、
    前記発電用モータの回転軸と前記エンジンの出力軸との間には、それらを連結するエンジン出力伝達機構を設け、
    前記バッテリは、前記発電用モータが前記エンジンの出力軸から動力を得ることにより充電するようにし、
    前記発電用モータは、前記クラッチ機構の上部に配置したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載のハイブリッド型車両。
  11. エンジン及びモータにて駆動輪を駆動するハイブリッド型車両において、
    前記モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリを充電する発電用モータとを備え、
    前記発電用モータの回転軸と前記エンジンの出力軸との間には、それらを連結するエンジン出力伝達機構を設け、
    前記バッテリは、前記発電用モータが前記エンジンの出力軸から動力を得ることにより充電するようにし、
    前記発電用モータは、その回転軸が前記エンジンの出力軸に対して平行となるように配置したことを特徴とするハイブリッド型車両。
  12. 前記エンジン出力伝達機構は、前記出力軸に第1ギヤを設けるとともに、前記発電用モータの回転軸に第2ギヤを設け、前記第2ギヤが前記第1ギヤに従動するように構成してなることを特徴とする請求項11記載のハイブリッド型車両。
  13. 前記エンジン出力伝達機構は、前記出力軸に第1プーリ体を設けるとともに、前記発電用モータの回転軸に第2プーリ体を設け、前記第1プーリ体及び前記第2プーリ体にベルト体を巻回し、前記第2プーリ体が前記第1プーリ体に従動するように構成してなることを特徴とする請求項11記載のハイブリッド型車両。
  14. 前記出力軸と前記駆動輪側との駆動伝達を断続するクラッチ機構を備え、前記発電用モータは、前記クラッチ機構の上部に配置したことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか記載のハイブリッド型車両。
  15. エンジン及びモータにて駆動輪を駆動するハイブリッド型車両において、
    前記モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリを充電する発電用モータと、前記エンジンの出力軸と前記駆動輪側との駆動伝達を断続するクラッチ機構とを備え、
    前記発電用モータの回転軸と前記エンジンの出力軸との間には、それらを連結するエンジン出力伝達機構を設け、
    前記バッテリは、前記発電用モータが前記エンジンの出力軸から動力を得ることにより充電するようにし、
    前記発電用モータは、前記クラッチ機構の上部に配置したことを特徴とするハイブリッド型車両。
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