JP2007258305A - 電子線描画装置、電子線描画方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な制御で高いスループットが得られる電子線描画装置、電子線描画方法及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半アレイ状に配置された複数のマイクロエミッタ型電子銃20と、マイクロエミッタ型電子銃にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積部10と、電荷蓄積部に電荷を書き込み可能な電荷書込回路と、マイクロエミッタ型電子銃から放出される電子線を被処理体に照射する電子光学系とを備え、電荷書込回路は描画する電子線パターンに応じて電荷蓄積部に電荷を蓄積し、それぞれの電荷蓄積部に蓄積された電荷量に応じた電子線を、それぞれに接続されたマイクロエミッタ型電子銃から一括して放出することにより被照射体に電子線パターンを照射する。
【選択図】図1
【解決手段】半アレイ状に配置された複数のマイクロエミッタ型電子銃20と、マイクロエミッタ型電子銃にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積部10と、電荷蓄積部に電荷を書き込み可能な電荷書込回路と、マイクロエミッタ型電子銃から放出される電子線を被処理体に照射する電子光学系とを備え、電荷書込回路は描画する電子線パターンに応じて電荷蓄積部に電荷を蓄積し、それぞれの電荷蓄積部に蓄積された電荷量に応じた電子線を、それぞれに接続されたマイクロエミッタ型電子銃から一括して放出することにより被照射体に電子線パターンを照射する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子線描画装置、電子線描画方法及び半導体装置の製造方法に関し、より具体的には、マイクロエミッタ型電子銃をアレイ配置した電子線放出源を有する電子線描画装置、電子線描画方法及び半導体装置の製造方法に関する。
電子線描画装置によるパターン描画は、光波長より短い電子線波長レべルの分解能の精度で描画可能なため、高い解像度のパターンを形成できるという特徴を有する。その反面、光露光によるマスク描画方式と異なり、完成パターンを小さな分割パターンビームで直接描画するため、描画に長時間かかる問題がある。しかし、高精度の細線パターンを形成できる特徴を持っており、光露光方式のリソグラフィ技術の次の技術、あるいは多品種少量生産の半導体装置の製造に有力なツールとして発展している。
電子線で直接パターンを形成する方法としては、小さな丸ビームをON/OFF制御しながら試料全面をスキャンしてパターンを形成する方法や、ステンシルアパーチャを通過した電子線をパターン描画するVSB描画の方式がおこなわれている。さらにVSB描画を発展させ、一定の決まった繰り返しパターンを1つのブロック的なアパーチャとして準備しておき、選択したアパーチャによるパターンを連続描画することで高速描画する電子線描画の技術も開発されている。さらに、描画精度を上げるため、高加速電子線を利用する方法も行われている。
これら従来技術に対して、本発明者らは、マイクロエミッタ型電子銃をアレイ配置した電子線放出源を用いることにより、空間電荷効果による解像度の低下を防止しつつ大電流ビームを用いて高解像度の電子線描画を可能にする電子線描画装置を発明した(特許文献1)。
特開2005−127800号公報
本発明は、簡単な制御で高いスループットが得られる電子線描画装置、電子線描画方法及びこれを用いた半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、アレイ状に配置された複数のマイクロエミッタ型電子銃と、前記マイクロエミッタ型電子銃にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積部と、前記電荷蓄積部に電荷を書き込み可能な電荷書込回路と、前記マイクロエミッタ型電子銃から放出される電子線を被処理体に照射する電子光学系と、を備え前記電荷書込回路は、描画する電子線パターンに応じて前記電荷蓄積部に電荷を蓄積し、それぞれの電荷蓄積部に蓄積された電荷量に応じた電子線をそれぞれに接続された前記マイクロエミッタ型電子銃から一括して放出可能としたことを特徴とする電子線描画装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、アレイ状に配置された複数のマイクロエミッタ型電子銃のそれぞれに接続された電荷蓄積部に、描画する電子線パターンに応じた量の電荷を蓄積し、それぞれの電荷蓄積部に蓄積された電荷量に応じた電子線をそれぞれに接続された前記マイクロエミッタ型電子銃から一括して放出することにより被照射体に電子線パターンを照射することを特徴とする電子線描画方法が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、被処理ウェーハを形成する工程と、前記被処理ウェーハにレジストを塗布する工程と、アレイ状に配置された複数のマイクロエミッタ型電子銃のそれぞれに接続された電荷蓄積部に、描画する電子線パターンに応じた量の電荷を蓄積し、それぞれの電荷蓄積部に蓄積された電荷量に応じた電子線をそれぞれに接続された前記マイクロエミッタ型電子銃から一括して放出することにより前記レジストに電子線パターンを照射する工程と、前記レジストを現像してマスクを形成する工程と、前記マスクを利用して前記被処理ウェーハを処理する工程と、を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、簡単な制御で高いスループットが得られる電子線描画装置、電子線描画方法及びこれを用いた半導体装置の製造方法が提供される。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子線描画装置に設けられる電子線放出源の概念図である。
また、図2は、その等価回路図である。
すなわち、この電子線放出源1は、縦横マトリクス状に配線された複数のゲート・バス・ライン12と、データ・バス・ライン14とを有する。ゲート・バス・ライン12には、ゲート・ドライバ72から制御信号が適宜供給される。一方、データ・バス・ライン14には、データ・ドライバ74から蓄積電荷に対応する信号が供給される。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子線描画装置に設けられる電子線放出源の概念図である。
また、図2は、その等価回路図である。
すなわち、この電子線放出源1は、縦横マトリクス状に配線された複数のゲート・バス・ライン12と、データ・バス・ライン14とを有する。ゲート・バス・ライン12には、ゲート・ドライバ72から制御信号が適宜供給される。一方、データ・バス・ライン14には、データ・ドライバ74から蓄積電荷に対応する信号が供給される。
ゲート・バス・ライン12とデータ・バス・ライン14との交差点付近には、スイッチング素子16が設けられている。スイッチング素子16は、例えば、MOSトランジスタのように制御電極と主電極とを有する。ゲート・バス・ライン12は、これらスイッチング素子16の制御電極に接続されている。一方、データ・バス・ライン14は、これらスイッチング素子の一方の主電極に接続されている。
そして、スイッチング素子16の他方の主電極は、電荷蓄積部(キャパシタ)10に接続されている。また、電荷蓄積部10の他端には、マイクロエミッタ型電子銃20が接続されている。すなわち、データ・ドライバ74からそれぞれのデータ・バス・ライン14に供給し、ゲート・ドライバ72によりそれぞれのスイッチング素子16を制御することによって、アレイ状に配置された電荷蓄積部10のうちの所望のものに所定の電荷信号を蓄積(充電)させることができる。これらゲート・バス・ライン12、データ・バス・ライン14、スイッチング素子16、電荷蓄積部10の構成や配置は、例えば、アクティブマトリクス型の液晶表示装置における駆動回路機構に類似したものとすることができる。
図3は、マイクロエミッタ型電子銃20の動作を説明するための概念図である。
また、図4は、マイクロエミッタ型電子銃20の構成をさらに詳細に表した模式図である。
また、図4は、マイクロエミッタ型電子銃20の構成をさらに詳細に表した模式図である。
すなわち、マイクロエミッタ型電子銃20は、エミッタ(カソード)21、グリッド22、ブランキングアパーチャ(グリッド)23、レンズ24などから構成されており、高電流の放出が可能である。グリッド22、23がエミッタ21と同電位あるいはエミッタ21よりも低電位(マイナス電位)である時には、図3(a)に表したように電子線eは放出されない。一方、グリッド22、23の電位がエミッタ21の電位よりも所定レベルまで高くなる(プラス)と、電界放出によりエミッタ21から電子線eが放出される。そして、本実施形態においては、この時、電荷蓄積部10に蓄積された電荷量に応じて、電界放出のしきい値電圧あるいは、電子線eの放出を調整できる。
従って、描画すべきパターンに応じて予め電荷蓄積部10に電荷を蓄積しておき、しかる後に、全てのマイクロエミッタ型電子銃20のグリッド22、23に所定の電圧を印加すると、描画すべきパターンに応じた電子線パターンが放出され、一括露光が可能となる。後に詳述するように、本実施形態においては、それぞれのマイクロエミッタ型電子銃20から放出される電子線eの量を個別に制御する必要がないので、グリッド22、23は、共通化できる。つまり、アレイ状に配置されたマイクロエミッタ型電子銃20のすべてのグリッド22、23を共通接続してグリッド電位を与えるようにできる。
次に、上述の電子線放出源1を用いた電子線描画装置について説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る電子線描画装置における電子銃とビーム光学系の構成を例示する模式図である。
図5は、本発明の実施の形態に係る電子線描画装置における電子銃とビーム光学系の構成を例示する模式図である。
本具体例の場合、電子線放出源1に設けられた複数のマイクロエミッタ型電子銃20から放出される各電子線(電子線束)eの光軸上に、静電式主偏向対物レンズ53、偏向器54、XYステージ(図示せず)が配置されている。なお、静電収束方式の静電式主偏向対物レンズ53の代わりに、電磁収束方式の電磁式主偏向対物レンズを用いることもできる。複数のマイクロエミッタ型電子銃20は、前述したように同一平面にアレイ状に配置され、マイクロエミッタ・アレイを構成している。そして、それぞれのマイクロエミッタ型電子銃20に接続された電荷蓄積部10には、描画すべきパターンに応じた電荷が予め蓄積されている。
各マイクロエミッタ型電子銃20は、図4に関して前述したように、エミッタ(カソード)21、グリッド22、ブランキングアパーチャ(グリッド)23、レンズ24を有する。XYステージの上には、被処理物Wであるウェーハが載置されている。複数のマイクロエミッタ型電子銃20の配置は、例えば縦横に所定のピッチの格子状あるいは碁盤目状とすることができる。ただし、マイクロエミッタ型電子銃20の配置はこれに限定されることはなく、例えば、千鳥格子状などでもよい。
図6は、この電子線描画装置の構造をさらに具体的に例示した概念図である。
パターン設計データ81が入力されるパターン生成回路82には、電荷書込回路70と、ブランキング制御回路83と、レンズ制御回路84と、が接続されている。ここで、電荷書込回路70は、図1及び図2に関して前述したゲート・ドライバ72及びデータ・ドライバ74を含む回路である。
パターン設計データ81が入力されるパターン生成回路82には、電荷書込回路70と、ブランキング制御回路83と、レンズ制御回路84と、が接続されている。ここで、電荷書込回路70は、図1及び図2に関して前述したゲート・ドライバ72及びデータ・ドライバ74を含む回路である。
電荷書込回路70、エミッション制御回路85、ブランキング制御回路83、及びレンズ制御回路84は、電荷蓄積部10やマイクロエミッタ型電子銃20がマトリクス状に配置された電子線放出源1に接続されている。また、レンズ制御回路84は、静電式主偏向対物レンズ53に接続されている。一方、ステージ制御回路86は、XYステージ91、ブランキング制御回路83、及びトラッキング制御回路87に接続されており、トラッキング制御回路87は偏向器54に接続されている。
図7は、電子線描画装置の構成を例示するブロック図である。図7において図6に表したものと同様の要素には同一の符号を付した。
パターン設計データ81が入力されるパターン生成回路82には、電荷書込回路70、エミッション制御回路85、ブランキング制御回路83、レンズ制御回路84、及びステージ制御回路86が接続されている。
パターン設計データ81が入力されるパターン生成回路82には、電荷書込回路70、エミッション制御回路85、ブランキング制御回路83、レンズ制御回路84、及びステージ制御回路86が接続されている。
エミッション制御回路85は、各マイクロエミッタ型電子銃20のエミッタ21とグリッド22に適宜接続されている。本実施形態においては、各マイクロエミッタ型電子銃20から放出される電子線eの量は、それに接続された電荷蓄積部10に蓄積された電荷量により制御することができる。従って、本実施形態においては、エミッション制御回路85は、マイクロエミッタ型電子銃20のそれぞれのエミッションを個別に制御する必要はなく、例えば、すべてのマイクロエミッタ型電子銃20のエミッションを必要に応じて同時にオン・オフし、あるいは一括して放出量の調整すればよく、制御が大幅に簡略化される。
一方、ブランキング制御回路83は、ブランキングアンプ111を介して各マイクロエミッタ型電子銃20のブランキングアパーチャ23に接続されている。レンズ制御回路84は、レンズアンプ112を介して各マイクロエミッタ型電子銃20の静電式レンズ24と静電式主偏向対物レンズ53とに適宜接続されている。ステージ制御回路86は、XYステージ91に接続されているとともに、トラッキング制御回路87と偏向器アンプ113を介して偏向器54に接続されている。
パターン生成回路82は、パターン設計データ81とエミッション制御回路85から入力したエミッション情報とを基に、電荷書込回路70に書込情報を出力する。電荷書込回路70は、入力した書込情報に基づいて、マトリクス状に配置された電荷蓄積部10のそれぞれに所定の電荷を書き込む。
また、ブランキング制御回路83は、マイクロエミッタ型電子銃20の点灯制御を行なう。すなわち、ブランキング制御回路83は、ブランキングアンプ111を介して、各マイクロエミッタ型電子銃20のブランキングアパーチャ23に印加する電圧を制御する。つまり、ブランキング制御回路83は、各マイクロエミッタ型電子銃20に設置されたブランキング電極23に印加する電圧を制御する。ただし、本実施形態においては、各マイクロエミッタ型電子銃20から放出される電子線eの量は、それに接続された電荷蓄積部10に蓄積する電荷量により制御できるので、ブランキング制御回路83によって、各マイクロエミッタ型電子銃20のブランキング動作を個別に制御する必要はなくなる。このため、ブランキング制御回路83は、所定のタイミングですべてのマイクロエミッタ型電子銃20を同時に点灯させるだけでよく、ブランキング制御も大幅に容易となる。
一方、パターン生成回路82は、ステージ制御回路86にコントロール情報を出力する。ステージ制御回路86は、トラッキング情報をブランキング制御回路83とトラッキング制御回路87へ適宜出力する。トラッキング制御回路87は、偏向器54アンプ113を介して、偏向器54を制御する。レンズ制御回路84は、レンズアンプ112を介して、各マイクロエミッタ型電子銃20の静電式レンズ24と静電式主偏向対物レンズ53を適宜制御する。ただし、本実施形態においては、各マイクロエミッタ型電子銃20から放出される電子線eの量は、それに接続されている電荷蓄積部10に蓄積された電荷量により制御できるので、レンズ制御回路84が、各マイクロエミッタ型電子銃20の静電式レンズ24を個別に制御する必要はなくなり、制御は大幅に容易となる。
図8は、本実施形態の電子線描画装置の動作を例示するフローチャートである。
すなわち、本実施形態においては、まずパターン生成回路82において描画パターンが生成される(ステップS100)。しかる後に、描画すべきパターンに応じて、電荷書込回路70が電子線放出源1の電荷蓄積部10に電荷を書き込む(ステップS110)。
すなわち、本実施形態においては、まずパターン生成回路82において描画パターンが生成される(ステップS100)。しかる後に、描画すべきパターンに応じて、電荷書込回路70が電子線放出源1の電荷蓄積部10に電荷を書き込む(ステップS110)。
次に、マイクロエミッタ型電子銃20が点灯し、接続されている電荷蓄積部10に蓄積された電荷量に応じて電子線eがそれぞれ放出され、一括露光が実行される(ステップS120)。
しかる後に、XYステージ91が所定の距離だけ移動し、ステップS110に戻って次の領域の描画のための電荷の書き込みが実行される。
以上説明したステップを繰り返すことにより、例えば8インチあるいはそれ以上の大口径ウェーハの全面に電子線による描画をすることができる。
しかる後に、XYステージ91が所定の距離だけ移動し、ステップS110に戻って次の領域の描画のための電荷の書き込みが実行される。
以上説明したステップを繰り返すことにより、例えば8インチあるいはそれ以上の大口径ウェーハの全面に電子線による描画をすることができる。
ここで、実際の描画のスピードを見積もると以下の如くである。
すなわち、1024×1024個のマイクロエミッタ型電子銃20に接続された電荷蓄積部10に電荷を書込むために必要なゲート・ドライバ72及びデータ・ドライバ74の動作時間は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置の場合と同様レベルあるいはそれ以下とすることができ、16ミリ秒以下とすることができる。ここで、線幅50ナノメータのパターンを描画するためには、1024×1024のマイクロエミッタアレイがウェーハ上で約51マイクロメータに相当する縮尺率が必要とされる。ここで、20個の電子線放出源1に同時に書き込み、一括露光するシステムを想定すると、8インチのウェーハの全面に描画するために必要とされる電荷書込時間の合計は、約100秒となる。実際の描画の際には、ステージを移動する時間が必要とされるが、ここで、ステージの移動速度を毎秒100ミリメータとした場合には、8インチウェーハに対する描画速度は、1時間あたり約33枚となる。つまり、1時間あたり33枚の8インチウェーハに描画することができ、これは、従来の電子線描画装置を凌駕する処理速度である。
すなわち、1024×1024個のマイクロエミッタ型電子銃20に接続された電荷蓄積部10に電荷を書込むために必要なゲート・ドライバ72及びデータ・ドライバ74の動作時間は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置の場合と同様レベルあるいはそれ以下とすることができ、16ミリ秒以下とすることができる。ここで、線幅50ナノメータのパターンを描画するためには、1024×1024のマイクロエミッタアレイがウェーハ上で約51マイクロメータに相当する縮尺率が必要とされる。ここで、20個の電子線放出源1に同時に書き込み、一括露光するシステムを想定すると、8インチのウェーハの全面に描画するために必要とされる電荷書込時間の合計は、約100秒となる。実際の描画の際には、ステージを移動する時間が必要とされるが、ここで、ステージの移動速度を毎秒100ミリメータとした場合には、8インチウェーハに対する描画速度は、1時間あたり約33枚となる。つまり、1時間あたり33枚の8インチウェーハに描画することができ、これは、従来の電子線描画装置を凌駕する処理速度である。
次に、ショットの制御について、図7を基にブランキング動作を説明する。
ショットは、例えば、マイクロエミッタ型電子銃20の個々に設けられたブランキングアパーチャ(電極)23へ印加するブランキング電圧を制御することで行なう。描画を行なう時は、パターン設計データ81と電荷書込回路70、エミッション制御回路85により制御されているマイクロエミッタ型電子銃20の電流密度やグリッド電圧の情報とから、パターン生成回路82で、XYステージ91の移動速度を決定するとともに、ショット時間やショット待ち時間などのショットインターバルが決定される。
ショットは、例えば、マイクロエミッタ型電子銃20の個々に設けられたブランキングアパーチャ(電極)23へ印加するブランキング電圧を制御することで行なう。描画を行なう時は、パターン設計データ81と電荷書込回路70、エミッション制御回路85により制御されているマイクロエミッタ型電子銃20の電流密度やグリッド電圧の情報とから、パターン生成回路82で、XYステージ91の移動速度を決定するとともに、ショット時間やショット待ち時間などのショットインターバルが決定される。
この情報は、既に移動中のXYステージ91のトラッキング情報とともにブランキング制御回路83に送られ、描画したショットが高精度に繋がるようにブランキングのタイミングが演算されて、ブランキング指令値がブランキングアンプ111に送られる。ブランキングアンプ111は、送られた指令値に基づいてブランキング電圧をブランキングアパーチャ23に印加する。これによりブランキングが行なわれ、その結果、任意のパターンに成形されたビームが被処理物Wであるウェーハ上に一括照射される。
また、パターン生成回路82により求められた電荷書込回路70の制御にともない、ブランキングの他、ショットサイズ、照射エリアの形状変更を行なう指令値がレンズ制御回路84に適宜送られる。レンズ制御回路84は、各マイクロエミッタ型電子銃20のエミッタ21で生成されるビームサイズとパターンサイズとを適切な形状サイズに調整するために、適切なタイミングで、レンズアンプ112にレンズ励起条件の指令値を送る。レンズアンプ112は、この指令値によりレンズ励起条件を変更してレンズ24と対物レンズ53を適宜駆動する。
また、トラッキング制御回路87は、ステージ制御回路86より送られるトラッキング情報により、電子線の光路上の偏向器54を制御して照射位置のトラッキング補正を行ない、ショットが高精度に繋がるようにビーム照射位置を制御する。
なお、ブランキング電圧として+(プラス)Vを印加することで、ビーム偏向によるブランキングが行なえる。また、ブランキング電圧として− (マイナス)Vを印加することで、エミッタ先端の電界集中が緩和され、エミッションOFFによるブランキングが行なえる。
次に、描画精度(ショット繋ぎ精度)について説明する。前述したようにパターンは各マイクロエミッタ型電子銃20からの一括露光により、それぞれ別の時間に別のステージ位置での描画(ショット)が繰返されて、徐々に繋がってゆく。ショット間の繋ぎを高精度で行なうことは、微細配線描画では重要となる。本実施形態では、XYステージ91の移動時の現在位置を例えばレーザ干渉計を使った既知の方法により検出する。そして、この位置情報を元にトラッキング補正を行ない、トラッキング制御回路87と電子線の経路中に設けた偏向器54により、ビーム照射位置のトラッキング補正を実施することで、高精度なショット繋ぎ精度を確保している。
また、以上のように構成された電子線描画装置において、同一構成のマイクロエミッタ型電子銃20を多数アレイ状に配置することで、予備のマイクロエミッタ型電子銃20のアレイとして使用することも可能である。何らかの原因で、マイクロエミッタ型電子銃20のうち故障したエミッタなどが生じた場合、エミッタレイおよび電荷書込回路を予備側に切り替えることで、即座に描画を再開することができるため、装置の解体/修理/調整などの事態を回避することが可能になる。
上述の実施の形態によれば、0.05μmデザインルール以上の任意パターン成形において、ビーム成形絞りをあらかじめ用意する必要が全く、無いマスクレス描画を可能にし、空間電荷効果による解像性の劣化を全く受けずに、すべて同一のスループットを確保することができる。
また、レジスト感度を低下させても必要十分なスループットを維持しうるため、ショットノイズあるいはカンタムノイズと呼ばれるような、現像処理後のレジスト・ラフネスに関与するような成形パターンのヨタリ不良を回避することが可能となり、微細配線パターンのリソグラフィの品位の向上が可能となる。
以上に説明したように、上述の各実施の形態によれば、空間電荷効果による解像度の低下を防止しつつ大電流ビームを用いて高解像度の描画を可能にする電子線描画装置を実現することができる。
図9は、本発明の実施の形態にかかる半導体装置の製造方法の要部工程を表すフローチャートである。
半導体メモリや演算回路などの半導体集積回路装置、あるいはトランジスタやダイオード、発光素子などのディスクリート半導体装置などを製造する際に、微細加工が可能なリソグラフィー・プロセスが用いられることが多い。本実施形態によれば、この微細加工プロセスを高精度かつ高スループットで実行できる。
半導体メモリや演算回路などの半導体集積回路装置、あるいはトランジスタやダイオード、発光素子などのディスクリート半導体装置などを製造する際に、微細加工が可能なリソグラフィー・プロセスが用いられることが多い。本実施形態によれば、この微細加工プロセスを高精度かつ高スループットで実行できる。
例えば、半導体基板基板の表面に半導体層や絶縁層あるいは導電体層などが形成された被処理ウェーハを形成する(ステップS200)。そして、この表面に感光性のフォトレジストを塗布する(ステップS210)。次に、このウェーハを本実施形態の電子線描画装置に導入しレジストに露光する(ステップS220)。すなわち、図1〜図8に関して前述した電子線描画装置において、マイクロエミッタ型電子銃から放出される電子線により露光する。前述したように、電子線描画装置の電荷蓄積部10に蓄積された電荷を、一括して真空中に放出させ、任意形状の電子線パターンを得ることができる。この電子線パターンは、後段に設けられている縮小電子光学系により適当なサイズに縮小され、被処理物Wとしての被処理ウェーハ上においてレジストに照射されてこれを感光する。
しかる後に、レジストを現像(ステップS230)し、レジストのマスクを形成する。そして、このマスクを利用して被処理ウェーハを処理する(ステップS240)。具体的には、例えばマスクを利用して被処理ウェーハをエッチングし、所定の微細パターンを形成することができる。または、このマスクを利用してイオン注入法などにより、被処理ウェーハに選択的に不純物を導入することもできる。
本実施形態によれば、図1〜図8に関して前述した電子線描画装置を用いることにより、高い集積度を有する半導体集積回路や、微細な構造を有する各種の半導体装置を正確にかつ高スループットで製造することができる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこの実施形態及びその具体例には限定されない。例えば、電子線描画装置を構成する各部の構造や配置、機能、動作、サイズなどについては、当業者が適宜選択したものも、本発明の要旨を含む限りにおいて本発明の範囲に包含される。
1 電子線放出源
10 電荷蓄積部
12 ゲート・バス・ライン
14 データ・バス・ライン
16 スイッチング素子
20 マイクロエミッタ型電子銃
21 エミッタ
22 グリッド
23 ブランキングアパーチャ
23 ブランキング電極
24 静電式レンズ
53 静電式主偏向対物レンズ
54 偏向器
70 電荷書込回路
72 ゲート・ドライバ
74 データ・ドライバ
81 パターン設計データ
82 パターン生成回路
83 ブランキング制御回路
84 レンズ制御回路
85 エミッション制御回路
86 ステージ制御回路
87 トラッキング制御回路
91 ステージ
111 ブランキングアンプ
112 レンズアンプ
113 偏向器アンプ
10 電荷蓄積部
12 ゲート・バス・ライン
14 データ・バス・ライン
16 スイッチング素子
20 マイクロエミッタ型電子銃
21 エミッタ
22 グリッド
23 ブランキングアパーチャ
23 ブランキング電極
24 静電式レンズ
53 静電式主偏向対物レンズ
54 偏向器
70 電荷書込回路
72 ゲート・ドライバ
74 データ・ドライバ
81 パターン設計データ
82 パターン生成回路
83 ブランキング制御回路
84 レンズ制御回路
85 エミッション制御回路
86 ステージ制御回路
87 トラッキング制御回路
91 ステージ
111 ブランキングアンプ
112 レンズアンプ
113 偏向器アンプ
Claims (7)
- アレイ状に配置された複数のマイクロエミッタ型電子銃と、
前記マイクロエミッタ型電子銃にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積部と、
前記電荷蓄積部に電荷を書き込み可能な電荷書込回路と、
前記マイクロエミッタ型電子銃から放出される電子線を被処理体に照射する電子光学系と、
を備え
前記電荷書込回路は、描画する電子線パターンに応じて前記電荷蓄積部に電荷を蓄積し、
それぞれの電荷蓄積部に蓄積された電荷量に応じた電子線をそれぞれに接続された前記マイクロエミッタ型電子銃から一括して放出可能としたことを特徴とする電子線描画装置。 - 複数のゲート・バス・ラインと、
複数のデータ・バス・ラインと、
前記複数のゲート・バス・ラインのいずれかに制御電極が接続され、前記複数のデータ・バス・ラインのいずれかに主電極の一方が接続され、前記複数の電荷蓄積部のいずれかに主電極の他方が接続された複数のスイッチング素子と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の電子線描画装置。 - 前記電荷書込回路は、前記複数のゲート・バス・ラインを介して前記スイッチング素子を制御するゲート・ドライバと、前記複数のデータ・バス・ラインを介して前記スイッチング素子に電荷信号を出力するデータ・ドライバと、を有することを特徴とする請求項2記載の電子線描画装置。
- 前記マイクロエミッタ型電子銃は、エミッタと、前記エミッタに電界を印加し電子線を放出させるグリッドと、を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子線描画装置。
- 前記複数のマイクロエミッタ型電子銃にそれぞれ設けられた前記グリッドは、共通接続されてなることを特徴とする請求項4記載の電子線描画装置。
- アレイ状に配置された複数のマイクロエミッタ型電子銃のそれぞれに接続された電荷蓄積部に、描画する電子線パターンに応じた量の電荷を蓄積し、それぞれの電荷蓄積部に蓄積された電荷量に応じた電子線をそれぞれに接続された前記マイクロエミッタ型電子銃から一括して放出することにより被照射体に電子線パターンを照射することを特徴とする電子線描画方法。
- 被処理ウェーハを形成する工程と、
前記被処理ウェーハにレジストを塗布する工程と、
アレイ状に配置された複数のマイクロエミッタ型電子銃のそれぞれに接続された電荷蓄積部に、描画する電子線パターンに応じた量の電荷を蓄積し、それぞれの電荷蓄積部に蓄積された電荷量に応じた電子線をそれぞれに接続された前記マイクロエミッタ型電子銃から一括して放出することにより前記レジストに電子線パターンを照射する工程と、
前記レジストを現像してマスクを形成する工程と、
前記マスクを利用して前記被処理ウェーハを処理する工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006078189A JP2007258305A (ja) | 2006-03-22 | 2006-03-22 | 電子線描画装置、電子線描画方法及び半導体装置の製造方法 |
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- 2006-03-22 JP JP2006078189A patent/JP2007258305A/ja active Pending
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