JP2007241372A - オブジェクト識別装置、オブジェクト識別方法、および、オブジェクト識別用プログラム - Google Patents

オブジェクト識別装置、オブジェクト識別方法、および、オブジェクト識別用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】照明や隠れなどにロバストなオブジェクト識別装置、方法、および、プログラムを提供する。
【解決手段】領域区分処理手段110によって、当該判定対象画像およびオブジェクト画像を所定の対比に適合する部分領域に区分して扱うため区分して正規化する処理を実行し、次いで、部分領域類似度算出手段120によって部分領域に区分された部分領域毎の類似度を算出し、これら算出された類似度に基づいて判定手段130が当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別するオブジェクト識別装置、オブジェクト識別方法、および、オブジェクト識別用プログラムに関する。
近年、顔の正規化基準点の位置ずれによるパタンの変動による影響が少なく、また、異なる人物の顔パタンの差異をより低次元の特徴ベクトルによって表現できるような特徴の抽出を行なうことにより、ロバストな顔の個人識別を実現することを指向した技術が提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1における提案では、顔画像の正規化パタンを原パタンの平行移動に対して不変な性質をもつフーリエスペクトルパタンにすべて一旦変換した後に、多数人物の顔画像のこの空間周波数領域での標本集合をKL展開することによりパタンを記述するに最適な正規直交基底画像群を求め、これを用いて入力パタンを展開することにより、展開係数を成分とする特徴ベクトルが得られることになる。
この方法によって、顔の切り出しにおける正規化基準点の位置ずれによるパタン変動の影響が少なく、かつ、異なる人物の顔パタンの差異をより低い次元の特徴ベクトルとして表現し得る特徴抽出が可能となり、該特徴を用いて識別系を設計すれば、ロバストな顔の個人識別をより容易に実現することができるようになるとされている。
特開平5−20442号公報(段落0007〜段落0009、、段落0035、図2)
しかしながら、上述した特許文献1に提案の技術では、照明が不均一に当たるなど、照明によって陰影が発生するような場合に、識別結果が影響される。また、フーリエスペクトルを算出する場合、依然として特徴点の位置決めをする必要があり、位置決めの不正確さが識別の結果に影響する。更に、眼鏡、マスクなどの隠れによって、識別結果が大きく影響される虞がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、照明の変化に影響され難く、位置決めの正確さが過度に求められず、部分的な隠れの影響を軽減することができるオブジェクト識別装置、オブジェクト識別方法、および、オブジェクト識別用プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
(1)判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別するオブジェクト識別装置であって、当該判定対象画像およびオブジェクト画像を所定の対比に適合する部分領域に区分して扱うための処理を行う領域区分処理手段と、前記領域区分処理手段によって区分された該部分領域毎の類似度を算出する部分領域類似度算出手段と、前記部分領域類似度算出手段による算出結果に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とするオブジェクト識別装置。
上記(1)のオブジェクト識別装置では、判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別するに際し、領域区分処理手段によって、当該判定対象画像およびオブジェクト画像を所定の対比に適合する部分領域に区分して扱うための、例えば区分して正規化するような処理を実行する。
次いで、部分領域類似度算出手段によって、このように部分領域に区分された部分領域毎の類似度を算出し、これら算出された類似度に基づいて判定手段が当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定する。
(2)前記判定手段は、前記部分領域類似度算出手段による部分領域毎の類似度に重み付けを行い、該重み付けされた類似度の合算値に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定するように構成されていることを特徴とする(1)のオブジェクト識別装置。
上記(2)のオブジェクト識別装置では、上記(1)のオブジェクト識別装置において更に、判定手段によって、部分領域類似度算出手段による部分領域毎の類似度に重み付けを行い、該重み付けされた類似度の合算値に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かが判定される。
(3)前記部分領域類似度算出手段は、画像特徴量を成分としたベクトルの内積に基づいて部分領域毎の類似度を算出するように構成されていることを特徴とする(1)のオブジェクト識別装置。
上記(3)のオブジェクト識別装置では、上記(1)のオブジェクト識別装置において更に、部分領域類似度算出手段が画像特徴量を成分としたベクトルの内積に基づいて部分領域毎の類似度を算出する。
(4)前記部分領域類似度算出手段は、画像特徴量を成分としたベクトルの内積に基づいて部分領域毎の類似度を算出するように構成され、且つ、該ベクトルの内積を得るに際し当該部分領域毎に複数方向のエッジの値をベクトルの成分として当該内積を算出するように構成されていることを特徴とする(1)のオブジェクト識別装置。
上記(4)のオブジェクト識別装置では、上記(1)のオブジェクト識別装置において更に、部分領域類似度算出手段が画像特徴量を成分としたベクトルの内積に基づいて部分領域毎の類似度を算出し、且つ、該ベクトルの内積を得るに際し当該部分領域毎に複数方向のエッジの値をベクトルの成分として当該内積を算出する。
(5)前記部分領域類似度算出手段は、画像特徴量を成分としたベクトルの内積に基づいて部分領域毎の類似度を算出するように構成され、且つ、該ベクトルの内積を得るに際し当該部分領域毎に複数方向および複数周波数に対するガボールフィルタによって算出して得た値をベクトルの成分として当該内積を算出するように構成されていることを特徴とする(1)のオブジェクト識別装置。
上記(5)のオブジェクト識別装置では、上記(1)のオブジェクト識別装置において更に、部分領域類似度算出手段は、画像特徴量を成分としたベクトルの内積に基づいて部分領域毎の類似度を算出し、且つ、該ベクトルの内積を得るに際し当該部分領域毎に複数方向および複数周波数に対するガボールフィルタによって算出して得た値をベクトルの成分として当該内積を算出する。
(6)前記領域区分処理手段、部分領域類似度算出手段、および、判定手段は、当該オブジェクト画像が人物の顔の画像である場合に適合するように構成されていることを特徴とする(1)のオブジェクト識別装置。
上記(6)のオブジェクト識別装置では、上記(1)のオブジェクト識別装置において更に、領域区分処理手段、部分領域類似度算出手段、および、判定手段は、当該オブジェクト画像が人物の顔の画像である場合に適合するため、人物の顔の画像を判定するに好適な仕様の装置が実現される。
(7)前記領域区分処理手段、部分領域類似度算出手段、および、判定手段は、当該オブジェクト画像が所定の記憶手段に保持されている複数の人物のうちの特定の人物の顔の画像である場合に適合するように構成されていることを特徴とする(1)のオブジェクト識別装置。
上記(7)のオブジェクト識別装置では、上記(1)のオブジェクト識別装置において更に、領域区分処理手段、部分領域類似度算出手段、および、判定手段は、当該オブジェクト画像が所定の記憶手段に保持されている複数の人物のうちの特定の人物の顔の画像である場合に適合するように構成されているため、このような特定の人物の顔の画像を判定するに好適な仕様の装置が実現される。
(8)判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別するオブジェクト識別方法であって、当該判定対象画像およびオブジェクト画像とを所定の対比に適合する部分領域に区分して該部分領域毎の類似度を算出することにより当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定することを特徴とするオブジェクト識別方法。
上記(8)のオブジェクト識別方法では、判定対象画像およびオブジェクト画像とを所定の対比に適合する部分領域に区分して該部分領域毎の類似度を算出することにより当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かが判定される。
(9)判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別するオブジェクト識別処理をコンピュータに実行させるための各処理であって、当該判定対象画像およびオブジェクト画像とを所定の対比に適合する部分領域に区分して扱うための処理を行う領域区分正規化処理と、前記領域区分正規化処理によって区分された該部分領域毎の類似度を算出する部分領域類似度判定処理と、前記部分領域類似度判定処理による算出結果に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定する判定処理との各処理をコンピュータに実行させることを特徴とするオブジェクト識別用プログラム。
上記(9)のオブジェクト識別用プログラムでは、所定のコンピュータにインストールされて稼動したときには、当該判定対象画像およびオブジェクト画像とを所定の対比に適合する部分領域に区分して扱うための処理を行う領域区分正規化処理と、前記領域区分正規化処理によって区分された該部分領域毎の類似度を算出する部分領域類似度判定処理と、前記部分領域類似度判定処理による算出結果に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定する判定処理との各処理が実行され得る。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、以下に参照する図においては、便宜上、説明の主題となる要部は適宜誇張し、要部以外については適宜簡略化し乃至省略されている。
図1は、本発明の実施の形態としてのオブジェクト識別装置を表す概念図である。このオブジェクト識別装置100は、判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別する装置であって、当該判定対象画像およびオブジェクト画像を所定の対比に適合する部分領域に区分して扱うための処理を行う領域区分処理手段110と、領域区分処理手段110によって区分された該部分領域毎の類似度を算出する部分領域類似度算出手段120と、部分領域類似度算出手段120による算出結果に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定する判定手段130とを含んで構成される。
部分領域類似度算出手段120における類似度は領域区分処理手段110によって区分された部分領域毎の特徴ベクトルを生成し、特徴ベクトルの内積に基づいてその程度が測られる。判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別するが、このとき、オブジェクトが人物の顔であるときには、この識別は顔画像か非顔画像かを識別することを意味する。
判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度を測るについて、先ず、取り扱う画像のサイズを一定のものにする正規化を行う。
図2は、本発明の実施の形態において識別の対象となる画像を画素に区分して取り扱う様子を説明するための概念図である。
本実施の形態では、オブジェクト画像である人物の顔の画像について、図2に示されたように、20×20画素または50×50画素の一定のサイズにする。これらの画素は本実施の形態における所定の対比に適合する。
学習に適用される数百乃至数千枚のオブジェクト画像についてこのような部分領域に区分して扱うための処理を行う。そして各部分領域について輝度を求める。
次いで、特徴ベクトルを算出する。特徴ベクトルを算出するについて、2通りの方法が選択的に適用され得るように構成されている。
即ち、一つの方法はエッジ検出オペレータによる算出方法であり、複数方向のエッジをエッジ検出オペレータで算出し、特徴ベクトルの成分とする。
例えば、次の数式1で示すものは、プレウィット(Prewitt)のエッジオペレータとして知られるものである。
Figure 2007241372
プレウィット(Prewitt)のエッジオペレータは、一次微分型だが、適用するエッジ検出オペレータとしては、例えばソーベル(Sobel)のオペレータのように他の一次微分型のオペレータでも良く、更にまた二次微分型のエッジオペレータでも良い。
Prewittのエッジオペレータでは4次元の特徴ベクトルを生成することができる。
次に数式2で示すものは、ガボールフィルタによる算出に適用する演算である。
即ち、この数式2に示すガボールフィルタの結果から、特徴ベクトルを生成する。
Figure 2007241372
ここに、 x:画素pの位置を示す、2次元のベクトル
k:周波数と算出する方向を示す、2次元のベクトル
σ:スケールパラメータ
である。
例えば、k(周波数と方向)を変更してGk(x)を求め、Gk(x)の絶対値(振幅)を特徴ベクトルの成分Ap jとする。
Figure 2007241372
ここに、 j:kを変更して算出した特徴ベクトルの成分数
(添え字0は、学習画像に対応した数値に使用している)
判別対象画像の大きさが20×20画素程度ならば、例えば、kの絶対値を1.0と1.5、算出する方向を0°、45°、90°、135°などとすれば良い。この場合、8次元の特徴ベクトルを生成することができる。これらの値は判定するオブジェクトの大きさや性質によって適宜変更されるものとする。
次には、平均特徴ベクトルを求める。即ち、オブジェクト画像で構成される多数の学習画像から、平均特徴ベクトルVp,0を生成する。
ここでは、上述した特徴ベクトルの算出の手順で求めた特徴ベクトルを多数の学習画像から求め、平均特徴ベクトルを生成する。
次いで、学習画像について、分散s次の数式4の演算を実行することによって求める。
Figure 2007241372
ここにNは、学習画像(オブジェクト画像)の数である。
以上は、学習画像に関する処理であったが、判定対象画像についても、特徴ベクトルの生成までは全く同様の処理を施す。
即ち、画像サイズに関する正規化を行い、輝度を算出し、特徴ベクトルを求める。そして、以上の準備的処理が完了すると、画素pの類似度を求めるための処理を実行する。この類似度は、次の数式5のような演算の実行によって達成される。
Figure 2007241372
ここに<>の表記は、ベクトルの内積を表す。
そして、判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度を算出する。この類似度の算出は、次の数式6のように実行される。
Figure 2007241372
ここにwpは自己情報量であって、次の数式7によって算出する。
Figure 2007241372
自己情報量は生起した事象を受け取ったときの情報量を表すものであるが、ここでは重みをつける係数として用いる。
以上の演算結果によって、類似度rが一定の閾値より大きければ、オブジェクト画像と判定する。
一方、上述同様の演算によって非オブジェクト画像の類似度も算出して類似度の大小で判断してもよい。
特に、人物の顔の認識を行なう場合も、基本的には上述したところと同様である。即ち、認識の対象となり得る顔画像について処理を実行し、引き続いて認識対象の画像の処理を行う。
既述の各処理と同様に、先ず、画像の大きさの正規化の処理を行い、次いで、輝度の算出を行い、更に、特徴ベクトルの生成処理を実行し、次いで、平均特徴ベクトルを算出して認識の対象となる顔画像から、平均特徴ベクトルVp,0を生成する。そして、学習画像について説明したところと全く同様に、分散sを次の数式8の演算を実行して算出する。
この数式8は、数式4として既述のものと同じ内容である。
Figure 2007241372
ここにNは、学習画像(オブジェクト画像)の数である。
尚、以上の説明は、認識の対象となる顔画像の数が多いことを前提にしている。しかしながら、認識の対象となり得る顔画像の数が少ない場合は、別途に学習用の顔画像を用意して、Vp,0、spを求めても良い。
人物の顔の認識を行なう場合の判定対象画像の識別についても既述の一般的な判定対象画像の識別を行う場合と同様である。
以下にこの場合について説明するが、ここでは、判定対象画像i、認識の対象となる顔画像のうち、1枚を画像i(i=1〜N)とする。
先ず画像の大きさの正規化を行なう。即ち、判定対象画像と、画像iの大きさを一定の大きさに正規化する。次いで、輝度の算出を実行する。更に、特徴ベクトルの生成を行い、次いで、画素pの類似度を算出する。
画素pの類似度を、判定対象画像iの画素pの特徴ベクトルと、画像iの画素pの特徴ベクトルとの内積を各ベクトルの大きさで正規化した値で表す。
この類似度は、次の数式9のような演算の実行によって達成される。
Figure 2007241372
ここに<>の表記は、ベクトルの内積を表す。
そして、判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度を算出する。この類似度の算出は、次の数式10のように実行される。
Figure 2007241372
ここにwpは自己情報量であって、次の数式11によって算出する。
Figure 2007241372
自己情報量は生起した事象を受け取ったときの情報量を表すものであるが、ここでは重みをつける係数として用いる
以上の演算結果によって類似度riが最も大きくなる顔画像iが判定対象画像と一致すると判定することにより、識別が可能になる。
図3は以上説明した本発明の実施の形態における処理を要約的に表すフローチャートである。
先ず、判定対象画像の大きさを一定の大きさに正規化する(ステップS301)。次いで、判定対象画像の輝度を算出する(ステップS302)。更に、判定対象画像の構成画素ごとに特徴ベクトルを生成する(ステップS303)。
ステップS303で生成した判定対象の特徴ベクトルと予め求めた平均特徴ベクトルの内積を算出し、この内積を、さらに特徴ベクトル、平均特徴ベクトルの大きさで割り、各画素の類似度とする(ステップS304)。
ステップS304で算出した各画素(全画素)の類似度に重み付けて合算し、判定対象画像の類似度とする(ステップS305)。
予め定めていた閾値とステップS305で得た判定対象画像の類似度を比較する(ステップS306)。
ステップS306の比較の結果、類似度が閾値よりも大きければ(ステップS306:Yes)オブジェクト画像と判定し(ステップS307)、小さければ(ステップS306:No)非オブジェクト画像と判定する(ステップS308)。
図4は、以上説明した本発明の実施の形態を個々の処理機能別に見たときの構成を表すブロック図である。
図4における構成では、マイクロプロセッサを主体に構成されるシステムコントローラ410が、各機能ブロックとしての手段である、読み取った画像から輝度画像を生成する輝度算出手段420、読み取った輝度画像を一定の大きさに正規化する画像正規化手段430、エッジ算出手段441および/またはガボール特徴算出手段442を主体的に構成される特徴ベクトル生成手段440、特徴ベクトルの内積を算出しこの値得を対応する各画素の類似度とする内積算出手段450、画素ごとに求めた類似度に重みを付けて合算しこの合算値を画像の類似度とする重み付け算出手段460とバスで結ばれて、これらの機能ブロックを統括的に制御すると共にこれらの機能と共働して、本実施の形態における枢要な機能を果たす手段を構成している。
この図4の構成を図1の構成(機能ブロック)と対比して説明する。即ち、オブジェクト識別装置100における判定対象画像およびオブジェクト画像を所定の対比に適合する部分領域に区分して扱うための処理を行う領域区分処理手段110はシステムコントローラ410によって構成される。
また、この領域区分処理手段110によって区分された該部分領域毎の類似度を算出する部分領域類似度算出手段120は輝度算出手段420、画像正規化手段430、特徴ベクトル生成手段440、および、内積算出手段450によって構成され、更に、判定手段130は重み付け算出手段460によって構成される。
この実施の形態は、以上の各機能ブロックとしての、輝度算出手段420、画像正規化手段430、特徴ベクトル生成手段440、内積算出手段450、および、重み付け算出手段460がそれぞれ一つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成され、これらがシステムコントローラ410と共働することによって所要の機能を賄うように構成され得、或いはまた、上述のうちの複数の手段(機能ブロック)毎にひとまとまりのブロックとしてASICによって構成されるといった態様を採り得るが、更には、これの機能ブロックは、全て、一つのコンピュータにおいて本発明のアプリケーションプログラムによるアルゴリズムとして実現される態様を採り得る。
図5は、本発明の実施の形態としてのオブジェクト識別用プログラムによる処理機能を表すフローチャートである。
図5において、判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別する本発明の実施の形態としてのオブジェクト識別用プログラムでは、所定のコンピュータにインストールされて稼動したときには、当該判定対象画像およびオブジェクト画像とを所定の対比に適合する部分領域に区分して扱うための処理を行う領域区分正規化処理(ステップS501)と、ステップS501の領域区分正規化処理によって区分された該部分領域毎の類似度を算出する部分領域類似度判定処理(ステップS502)と、ステップS502の部分領域類似度判定処理による算出結果に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定する判定処理(ステップS503)との各処理が実行され得る。
この図5における処理を図3を参照して既述の処理と対応して見ると、領域区分正規化処理(ステップS501)は、判定対象画像の大きさを一定の大きさに正規化する処理(ステップS301)と、判定対象画像の輝度を算出する処理(ステップS302)がこれに対応する。
また、部分領域類似度判定処理(ステップS502)は、ステップS303で生成した判定対象の特徴ベクトルと予め求めた平均特徴ベクトルの内積を算出し、この内積を、さらに特徴ベクトル、平均特徴ベクトルの大きさで割り、各画素の類似度とする処理(ステップS304)がこれに対応する。
更に、判定処理(ステップS503)は、ステップS304で算出した各画素(全画素)の類似度に重み付けて合算し、判定対象画像の類似度とする処理(ステップS305)、予め定めていた閾値とステップS305で得た判定対象画像の類似度を比較する処理(ステップS306)、ステップS306の比較の結果、類似度が閾値よりも大きければ(ステップS306:Yes)オブジェクト画像として判定する処理(ステップS307)、小さければ(ステップS306:No)非オブジェクト画像と判定する処理(ステップS308)がこれに対応する。
以上説明したところから、本願における一つの発明は、判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別するオブジェクト識別方法であって、当該判定対象画像およびオブジェクト画像とを所定の対比に適合する部分領域に区分して該部分領域毎の類似度を算出することにより当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定することを特徴とするオブジェクト識別方法であると観念され得ることが明らかであろう。
本発明によれば、注目領域の近傍の画素についてエッジ検出オペレータまたはガボールフィルタの算出結果に基づいて特徴量を算出し、その上で、オブジェクト領域全体に渡って類似度の算出を行い、特徴点の位置決めをしないため、位置決めの正確さに識別結果が左右されない。また、部分領域毎に類似度を算出するため、部分的な隠れの影響や照明による陰影などの影響を軽減することができる。
以上を総じて、照明や隠れなどにロバストなオブジェクト識別装置(顔画像の検出と認識)が実現される。
本発明の実施の形態としてのオブジェクト識別装置を表す概念図である。 本発明の実施の形態において識別の対象となる画像を画素に区分して取り扱う様子を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態における処理を要約的に表すフローチャートである。 本発明の実施の形態を個々の処理機能別に見たときの構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態としてのオブジェクト識別用プログラムによる処理機能を表すフローチャートである。
符号の説明
100…オブジェクト識別装置 110…領域区分処理手段 120…部分領域類似度算出手段 130…判定手段 410…システムコントローラ 420…輝度算出手段 430…画像正規化手段 440…特徴ベクトル生成手段 441…エッジ算出手段 442…ガボール特徴算出手段 450…内積算出手段 460…重み付け算出手段

Claims (9)

  1. 判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別するオブジェクト識別装置であって、当該判定対象画像およびオブジェクト画像を所定の対比に適合する部分領域に区分して扱うための処理を行う領域区分処理手段と、前記領域区分処理手段によって区分された該部分領域毎の類似度を算出する部分領域類似度算出手段と、前記部分領域類似度算出手段による算出結果に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とするオブジェクト識別装置。
  2. 前記判定手段は、前記部分領域類似度算出手段による部分領域毎の類似度に重み付けを行い、該重み付けされた類似度の合算値に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト識別装置。
  3. 前記部分領域類似度算出手段は、画像特徴量を成分としたベクトルの内積に基づいて部分領域毎の類似度を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト識別装置。
  4. 前記部分領域類似度算出手段は、画像特徴量を成分としたベクトルの内積に基づいて部分領域毎の類似度を算出するように構成され、且つ、該ベクトルの内積を得るに際し当該部分領域毎に複数方向のエッジの値をベクトルの成分として当該内積を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト識別装置。
  5. 前記部分領域類似度算出手段は、画像特徴量を成分としたベクトルの内積に基づいて部分領域毎の類似度を算出するように構成され、且つ、該ベクトルの内積を得るに際し当該部分領域毎に複数方向および複数周波数に対するガボールフィルタによって算出して得た値をベクトルの成分として当該内積を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト識別装置。
  6. 前記領域区分処理手段、部分領域類似度算出手段、および、判定手段は、当該オブジェクト画像が人物の顔の画像である場合に適合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト識別装置。
  7. 前記領域区分処理手段、部分領域類似度算出手段、および、判定手段は、当該オブジェクト画像が所定の記憶手段に保持されている複数の人物のうちの特定の人物の顔の画像である場合に適合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト識別装置。
  8. 判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別するオブジェクト識別方法であって、当該判定対象画像およびオブジェクト画像とを所定の対比に適合する部分領域に区分して該部分領域毎の類似度を算出することにより当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定することを特徴とするオブジェクト識別方法。
  9. 判定対象画像のオブジェクト画像に対する類似度に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを識別するオブジェクト識別処理をコンピュータに実行させるための各処理であって、当該判定対象画像およびオブジェクト画像とを所定の対比に適合する部分領域に区分して扱うための処理を行う領域区分正規化処理と、前記領域区分正規化処理によって区分された該部分領域毎の類似度を算出する部分領域類似度判定処理と、前記部分領域類似度判定処理による算出結果に基づいて当該判定対象画像がオブジェクト画像であるか否かを判定する判定処理との各処理をコンピュータに実行させることを特徴とするオブジェクト識別用プログラム。
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JP2016091447A (ja) * 2014-11-10 2016-05-23 セイコーエプソン株式会社 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
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