JP2007225576A - 検出試薬、検出素子、および検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズモン共鳴による検出に利用することが困難とされていた金属を用いた、高感度で安定的な検出が可能となる、検出試薬、検出素子および検出方法を提供すること。
【解決手段】プラズモン共鳴効果を示す金属からなる複数の層を有する粒子であって、この粒子の表面に標的物質捕捉体を備えていることを特徴とする検出試薬。ならびに、前記粒子が固定された基板であって、基板に固定されたこの粒子の表面に標的物質捕捉体を備えていることを特徴とする検出素子。更にこれらの検出試薬あるいは検出素子を用いた光学的な検出方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、検体中の標的物質を検出する検出試薬、検出素子、およびそれを用いた検出方法に関する。
近年、健康問題や環境問題、更には食の安全性の問題に対する意識の高まりと共に、これらの問題に関与する生物学的、化学的物質(以下、標的物質と記載する)を検出する方法が望まれるようになってきた。
標的物質を検出するには高感度な検出技術が必要となる。というのは、標的物質が含まれる試料の採取量は限られていることが多く、更に、血液中の蛋白質などの場合、様々な物質が混在した中に極微量しか含まれていないことがあるためである。このような理由から、標的物質の検出方法において、微量な検体に含まれる微量な標的物質を検出できるような高感度の検出技術が求められている。
このような要求に応えるためのひとつの手法として、金属の粒子のプラズモン共鳴を利用した測定方法の開発が進められている。
特許文献1には、媒質の屈折率を検出するため、基板に固定化された金属微粒子のプラズモン共鳴を用いたことを特徴しており、さらにその金属微粒子が10〜20nmの金微粒子であることを特徴としている局在プラズモン共鳴センサーが開示されている。
また、特許文献2には、コアシェル型微粒子、およびその作製方法に関する発明が開示されており、このコアシェル型微粒子は、非導電性コア粒子に導電性シェル層を形成させた構成を特徴としている。この特許文献には、プラズモン共鳴効果を利用して電場増強効果を増大させることなどに応用できることが更に開示されている。
また、プラズモン共鳴効果が最も顕著に現れる金属としては銀がよく知られており、微粒子の場合、他の金属微粒子よりも吸収スペクトルの幅が細く、周辺の屈折率の僅かな変化を測定するには適している。そして、金属の微細構造におけるプラズモン共鳴を利用した表面増強ラマン散乱(SERS)のラマン散乱強度の増大にも銀の微細構造を用いた場合、他の金属を用いるよりも増大効果が大きいことが知られている。
特許第3452837号 米国特許第6344272号
しかし、特許文献1では金属微粒子として、金微粒子が用いられている。また、特許文献2では、導電性シェル層として金を用いた微粒子について作製方法が記載されている。つまり、これらは事実上金のプラズモン共鳴を利用したものであり、感度向上に関しては余地がある。そこで、プラズモン共鳴効果が顕著に現れる、銀の微粒子や、銀の導電性シェル層を用いることにより高感度化を図ることが考えられるが、上記特許文献1、特許文献2の構成に銀を用いた場合、銀の耐食性が問題となる可能性がある。
特に、本発明のような標的物質を検出する場合、標的物質を含む検体は水系の溶液の状態で存在することがほとんどであるため、検出する過程で銀表面が腐食することが考えられる。検出中に銀などの金属表面が腐食されてしまうと、検出における安定性や信頼性に問題が出てしまい、高感度な検出を実現することが困難となってしまう。
よって、本発明の目的は、金属含有層を複数層構成とすることにより、高感度で、安定的な検出が可能となる、検出試薬、検出素子、検出方法を提供することにある。本発明の他の目的は、顕著なプラズモン共鳴効果を呈しながら、耐食性が十分でない等の問題のため、プラズモン共鳴を利用した検出測定に使用することが困難とされていた金属の検出試薬への利用を可能とする技術を提供することにある。
本発明は上記問題点を鑑みなされたもので、安定性、信頼性に優れ、高感度な検出を実現できる、検出試薬、検出素子および検出方法を提供する。
即ち、本発明の第1の発明は、検体中の標的物質を検出するための検出試薬であって、誘電体からなる中心層と、該中心層の表面の少なくとも一部に存する第一の金属含有層と、該第一の金属含有層の表面の少なくとも一部に存する第二の金属含有層とを有する粒子と、
該粒子の表面に備えられた、前記標的物質を特異的に捕捉する標的物質捕捉体と、を有することを特徴とする標的物質検出試薬である。
本発明の第2の発明は、検体中の標的物質を検出するための検出素子であって、(1)基体と、(2)誘電体からなる中心層と、該中心層の表面の少なくとも一部に存する第一の金属含有層と、該第一の金属含有層の表面の少なくとも一部に存する第二の金属含有層とを有する、前記基体に固定された粒子と、(3)前記基体に固定された粒子の表面に備えられた、前記標的物質を特異的に捕捉する標的物質捕捉体と、を有することを特徴とする標的物質検出素子である。
本発明の第3の発明は、検体中の標的物質を検出するための検出方法であって、第1の発明の標的物質検出試薬に検体を接触せしめる工程と、前記標的物質捕捉体と前記検体が接触することにより生じる物理的及び/或いは化学的変化を検出する工程と、を含むことを特徴とする標的物質検出方法である。
本発明の第4の発明は、検体中の標的物質を検出する検出方法であって、第2の発明の標的物質検出試薬に検体を接触せしめる工程と、前記標的物質捕捉体と前記検体が接触することにより生じる物理的及び/或いは化学的変化を検出する工程と、を含むことを特徴とする標的物質検出方法である。
本発明により、高感度で、安定的な検出が可能となる、検出試薬、検出素子、検出方法を提供できる。
以下、本発明について説明する。まず、本発明による検出試薬について説明する。本発明にかかる検出試薬は、検体中の標的物質を検出するための検出試薬であって、表面に前記標的物質を特異的に捕捉する標的物質捕捉体を備えた粒子を含む。さらにこの粒子が、誘電体からなる中心層と、この中心層の表面の少なくとも一部に存する第一の金属含有層と、この第一の金属含有層の表面の少なくとも一部に存する第二の金属含有層とを有することを特徴とする。
上述のように、誘電体からなる中心層の表面に金属含有層が形成されていることで、プラズモン共鳴に寄与する自由電子の割合が金属単一球の場合よりも大きくなるため前記粒子周囲での屈折率変化を効率良く生じさせることができる。そして、この金属層が第一の金属含有層と第二の金属含有層を含むことで、より検出感度を上げることが可能である。例えば、第一金属含有層にプラズモン共鳴効果の高い金属を用い、第二の金属含有層に、第一の金属含有層のプラズモン共鳴効果の劣化を防ぐ働きや、相乗効果によりさらにプラズモン共鳴効果を高める働きを有する金属を用いる。これにより高感度で安定的な検出試薬とすることができる。
以下、本発明による検出試薬についてさらに詳細に説明する。
(誘電体からなる中心層)
誘電体からなる中心層については、非導電性材料からなるものであればどのようなものでもよく、シリカ、ポリスチレン、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)などが挙げられる。これらの中ではコアシェル型粒子の作製に適したシリカが好ましい。
また、標的物質捕捉体を除いた粒子のサイズ(径)は、のぞましくは1nm以上500nm以下である。これより小さいサイズであると、本発明における効果を得ることが困難となる可能性がある。また、これより大きいサイズであると、検出試薬として使用する際に凝集沈殿がおきやすく、吸光、透過、散乱スペクトルなどのピークが減衰してしまい特性変化を検出することが困難となってしまう可能性がある。
(金属含有層)
本発明の標的物質検出試薬は、粒子状の中心層上に第一の金属含有層と、第二の金属含有層を有し、かつ第一の金属含有層は中心層の表面に接して、あるいはカップリング層を介して設けられている。
各金属含有層に含まれる金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、白金、亜鉛、これらの2種以上からなる合金を挙げることができ、各金属含有層は、これらの1種以上を含むことができる。
例えば、構造安定性及び/または検出感度の向上において効果的な2種以上の金属の組合せを第一の金属含有層と第二の金属含有層に振分け、単一金属を用いる場合に対して構造安定性及び/または検出感度の向上を図ることができる。
好ましい態様の一つとして、第一の金属含有層に検出で用いられる波長帯においてプラズモン共鳴効果を示す金属または合金を、第二の金属含有層に、第一の金属含有層が含む金属または合金との組合せにおいて構造安定性及び/または検出感度の向上を達成し得る金属または合金を含有させる。より好ましい態様においては、第一の金属含有層にプラズモン共鳴効果が顕著に現れる銀を用い、第二の金属含有層に金を用いる。
第二の金属含有層の第一の金属含有層に対する配置は、上記の効果が得られる範囲内で種々の態様を採り得る。例えば、第二の金属含有層が第一の金属含有層を被覆した構成とする場合、第二の金属含有層に腐食し難い金属を用いることで、第一の金属含有層に腐食の可能性の高い金属を用いることが可能となる。すなわち、標的物質の捕捉体による特異的な捕捉の測定中、この特異的な捕捉に起因する金属含有層の特性変化のみを測定するため、金属の腐食による金属含有層の特性変化の影響が小さくなる金属が好ましい。このような観点から、第一の金属含有層に銀を含有させ、第二の金属含有層に金を含有させることがより好ましい。
なお、第一の金属含有層の第二の金属含有層による被覆は、連続層での被覆でも、非連続層での被覆(たとえば第二の金属含有層を粒子として形成して第一の金属含有層の表面を覆うように配置する形態)でもよい。
また、この場合の腐食とは、金属が酸化物や水酸化物、塩を生じたりすることをいう。
更に、第二の金属含有層の金属はプラズモン共鳴効果を示し、かつ第二の金属含有層は、第一の金属含有層のプラズモン共鳴波長に近いプラズモン共鳴波長が得られる膜厚(粒子状の場合は外径)を有することが好ましい。
ここで、中心層に接して、あるいはカップリング層を介して設けられる第一の金属含有層は、図1(a)にあるように誘電体からなる中心層101の周囲を完全に覆うように層102を為す場合だけではない。他にも、図1(b)のように誘電体からなる中心層101に金属含有粒子104が吸着しているような、完全に覆わない場合もある。また、この場合、図1(c)のように金属含有微粒子が複数層形成するような粒子も第一の金属含有層とみなす。また、図1(d)のような第一の金属含有層102を構成する金属からなる粒子が105が第二の金属含有層103に存する場合も本発明の粒子も含まれる。
更にまた、各金属含有層表面は凹凸であっても良い(不図示)。更に、検出試薬、検出素子を構成する粒子全体の形状は球状であっても、非球状であっても良い。
また、金属含有層を形成する際、後述するカップリング層が含まれる場合があるが、このカップリング層は、プラズモン共鳴効果を損なうほどの粒子全体に対する割合を占めない程度であれば、中心層上の構造中に含まれていても良い。
(標的物質/標的物質捕捉体)
本発明での標的物質および標的物質捕捉体について説明する。
標的物質捕捉体は、標的物質を特異的に捕捉するものであれば特に限定なく利用できる。標的物質の標的物質捕捉体による特異的な捕捉は、本発明の検出試薬および検出素子により検出試薬と検体との接触の前後の物理的/化学的変化量を検出可能であればいかなる種類の相互作用によるものでもよい。好ましい相互作用としては、抗原−抗体反応、抗原−アプタマー(特定構造を有するRNA断片)、リガンド−レセプター相互作用、DNAハイブリダイゼーション、DNA−タンパク質(転写因子等)相互作用、レクチン−糖鎖相互作用、等が挙げられる。
標的物質は、上記の相互作用を含む任意の相互作用によって標的物質捕捉体を特異的に捕捉することで、本発明の検出試薬および検出素子により検出されるものであれば、いかなる物質も限定なく検出対象となる。
標的物質および標的物質捕捉体としては、主に生体物質が挙げられる。生体物質としては、核酸、タンパク質、糖鎖、脂質及びそれらの複合体から選択される生体物質が含まれ、更に詳しくは、核酸、タンパク質、糖鎖、脂質から選択される生体分子を含んでなるものである。具体的には、DNA、RNA、アプタマー、遺伝子、染色体、細胞膜、ウイルス、抗原、抗体、レクチン、ハプテン、ホルモン、レセプタ、酵素、ペプチドの何れかから選択された物質を含むものであれば、如何なる物質にも本発明を適用することができる。更には、前記の「生体物質」を産生する細菌や細胞そのものも、本発明が対象とする「生体物質」として標的物質および標的物質捕捉体となり得る。
(検出試薬作製方法)
以下、本発明に係る検出試薬の作製方法について説明する。前記検出試薬は、例えば以下の工程を経ることによって作製できる。
(a)誘電体からなる中心層を準備する工程(図2(a))。
(b)中心層の表面に第一金属含有層を形成する工程(図2(b)、(c))。
(c)第一金属含有層の表面に第二金属含有層を形成する工程(図2(d)、(e)、(f))。(d)粒子表面に標的物質捕捉体を備える工程(図2(g))。
以下、各工程について詳細に説明する。
(a)誘電体からなる中心層を準備する工程
上述のように、誘電体材料としては、シリカ、ポリスチレン、PMMA等が挙げられる。これらの材料からなり、本発明に好適なサイズの粒子は種々の方法で作製することが可能である。例えば、アルコールや水中で、アンモニア等の触媒を用い、アルコキシシランの加水分解、縮合を行って、数十nm〜数μmのサイズのシリカ粒子を作製することができるStober法は簡便であり、好適である。ただし、このようなサイズの誘電体粒子は各種市販されており、金属含有層を形成するための機能を付加、もしくは機能を付加しない場合でも直接金属含有層を形成することができるものであれば、本発明に用いることが可能である。
(b)中心層の表面に第一金属含有層を形成する工程
第一金属含有層が、検出に十分な強度をもって、誘電体材料からなる中心層の表面に形成される方法であれば、いかなる方法を本工程に用いても構わない。中心層表面にカップリング層を設けて、前記カップリング層を介して第一金属含有層を形成する方法が簡便で好適である。
本工程における、カップリング層とは、金属と中心層表面を結合しやすくするための層を意味する。例えば、有機層として、チオール基、ジスルフィド基、アミノ基といった金属と結合しやすい官能基を中心層の表面に露出させる層であり、この層はカップリング材を用いることで形成可能である。例えば、誘電体材料がシリカである場合は、上記官能基を有するシランカップリング材で表面処理を行い、カップリング層を形成することができる。また、誘電体材料からなる中心層となりうる粒子として、表面に既にこれらの官能基が形成された粒子も市販されており、好適に用いることが可能である。さらには、複数の処理により、粒子表面にカップリング層を形成してもよい。例えば、表面にカルボキシ基が露出した市販のポリスチレン粒子に対して、2-アミノエタンチオールを結合させ、結果として、粒子表面にチオール基を露出させることも可能である。
このようなカップリング層を中心層の表面に形成すれば、別途作製した第一金属含有層となる金属材料を含む微粒子(以下、第一金属含有微粒子)を中心層表面に担持させることが可能となる。担持方法としては、金属含有微粒子分散液に、前記カップリング層を形成した中心層を混合するという操作が簡便であり、好適である。このような操作を経ることで、図2(b)のような金属含有微粒子からなる第一金属含有層を形成することが可能となる。そして、さらに、前記金属含有微粒子を核として、さらに成長させることで、図2(c)のような、中心層の周囲をほぼ完全に覆うような形態の第一金属含有層を形成させることができる。成長処理は、金属や金属塩を含む溶液に、前記金属含有微粒子を表面に担持した中心層を混合し、還元処理を行うことで可能となる。還元処理には、還元剤の添加、pHの調整、加温、光照射、超音波処理等が挙げられる。
また、カップリング層としてスズやチタン等を含む無機層を形成し、スズやチタンの酸化に伴って金属イオンの還元を行い、第一金属含有層を形成することも可能である。
(c)第一金属含有層の表面に第二金属含有層を形成する工程
第二金属含有層が、検出に十分な強度をもって、第一金属含有層の表面に形成される方法であれば、いかなる方法を本工程に用いてもよく、前述のように第二金属含有層が形成されればよい。例えば、別途、第二の金属含有層となる金属材料を含む微粒子(以下、第二金属含有微粒子)を作製し、第一金属含有層表面に固定する方法や、直接第一の金属含有層表面に第二の金属含有層を形成する方法等が挙げられる。
前者の方法は、例えば、第一金属含有層表面にカップリング層を設けて、前記カップリング層を介して第二金属含有層を形成することで可能となる。本工程におけるカップリング層とは、第二の金属含有層と第一金属含有層表面を結合しやすくするための層を意味する。例えば、エチレンジアミンは両末端に金属と結合しやすいアミノ基を有し、本工程におけるカップリング剤として好適にもちいることが可能である。第一金属含有層の表面に前記カップリング剤による表面処理を行えば、別途作製した第二金属含有微粒子を前記第一金属含有層表面に担持することが可能となる。担持方法としては、第二金属含有微粒子分散液に前記カップリング層を形成した粒子を混合するという操作が簡便であり、好適である。このような操作を経ることで、図2(d)のような第二金属含有微粒子からなる第二金属含有層を形成することが可能となる。そして、さらに、工程(b)と同様な方法で、前記第二金属含有粒子を核として、成長させることで、図2(e)のような、第一金属含有層の周囲をほぼ完全に覆うような形態の第二金属含有層を形成させることができる。また、第二金属含有微粒子の担持処理とカップリング処理を交互に行うことで、図2(f)のような第二金属含有層を形成することも可能である。
後者の方法は、金属や金属塩を含む溶液に、第一金属含有層を形成した粒子を混合し、還元処理を行うことで可能となる。還元処理には、還元剤の添加、pHの調整、加温、光照射、超音波処理等が挙げられる。また、第一金属/第二金属の組み合わせが、銀/金である場合は、還元剤なしで塩化金酸溶液を混合することによっても、金層を形成することができる。これは、銀イオン/銀の標準還元電位より、塩化金酸イオン/金の標準還元電位のほうが高く、銀層が塩化金酸により酸化され銀と金の置換反応がおきるためである。よって、第一金属と第二金属の組み合わせによって、本方法を用いることも可能である。
(d)粒子表面に標的物質捕捉体を備える工程
上記(a)〜(c)の工程を経て作製された粒子表面に標的物質を特異的に捕捉する捕捉体を備える方法としては、いかなる方法でも良く、捕捉体としての機能を無くさなければ良い。捕捉体を固定化する方法としては、粒子表面にカップリング層を介して捕捉体を固定する方法や粒子表面に直接固定する方法等が挙げられる。
前者の方法は、粒子表面にカップリング層を設け、前記カップリング層を介して捕捉体を固定化することが可能となる。本工程におけるカップリング層とは、捕捉体と粒子表面を結合しやすくさせるための層を意味する。この場合、カップリング層に用いられる材料は少なくとも一つ以上である。例えば、粒子表面が金であり、捕捉体がアミノ基と親和性のある官能基を有する場合、両末端にアミノ基とチオール基を有するアミノエタンチオールを用いると、チオール基と金の親和性が強いため、金表面にアミノ基が現れた状態となる。そのため、粒子表面に現れたアミノ基と捕捉体が結合し、粒子表面に捕捉体が固定することが可能となる。
後者の方法は、捕捉体の方に粒子表面の材質に対して親和性の良い部位がある場合である。粒子表面は金属を含有しているため捕捉体側にチオール基、ジスルフィド基、アミノ基等、金属と親和性の良い官能基を有すると直接固定することが可能となる。
次に、本発明による検出素子について説明する。
(検出素子)
本発明にかかる検出素子は、検体中の標的物質を検出するために用いられる検出素子であって、基体と、この基体に固定された粒子と、この基体に固定されている粒子の表面に備えられた、標的物質を特異的に捕捉する標的物質捕捉体とを含む。この粒子は、誘電体からなる中心層と、この中心層の表面の少なくとも一部に存する第一の金属含有層と、この第一の金属含有層の表面の少なくとも一部に存する第二の金属含有層とを有することを特徴とする。
前記検出試薬と同様に、高感度で安定的な検出素子とすることができるが、本発明における検出素子は前記粒子が基体上に固定されていることを特徴としている。基体上に固定することにより、検出試薬の場合と異なり、溶液中だけでなく、気体中での測定が可能となる。気体中での測定が可能となると、測定の際、前記粒子とその周囲の屈折率差が大きくなり、標的物質を捕捉した際の変化を大きく検出することができる。
(検出素子作製方法)
以下、本発明に係る検出素子の作製方法について説明する。前記検出素子は、前述の検出試薬作製方法における工程(a)から(c)を経て作製した粒子を用い、さらに、粒子を基体上に固定する工程(e)を経ることによって作製される。
さらに、上記粒子を基体上に固定したものに、標的物質捕捉体を備える場合は、前述の検出試薬作製方法における工程(a)から(d)を経て標的物質捕捉体を備えた粒子を作製し、さらに本作製方法における工程(e)を行ってもよい。または、前述の検出試薬作製方法における工程(a)から(c)を経て標的物質捕捉体を備えていない粒子を作製し、さらに工程(e)を行って検出素子を作製し、後に、検出素子に対して標的物質捕捉体の固定処理を行ってもよい。
(a)誘電体からなる中心層を準備する工程
先に説明した試薬における工程が同様に利用できる。
(b)中心層の表面に第一金属含有層を形成する工程
先に説明した試薬における工程が同様に利用できる。
(c)第一金属含有層の表面に第二金属含有層を形成する工程
先に説明した試薬における工程が同様に利用できる。
(d)粒子を基体上に固定する工程
上記(a)〜(c)の工程を経て作製された粒子を基体上に固定する工程について説明する。本工程で用いられる基体は前記粒子を固定できるものであれば、材料、形状等に限定されるものではなく、ガラス、樹脂、シリコン等の無機材料等の基板が挙げられる。ただし、本発明での検出方法が透過光を用いる手法である場合、前記基体の材料は測定波長に対して透明であることが必要となる。
本工程で前記粒子を基体上に固定するには、カップリング層を介する方法が挙げられる。例えば、基体の材料がガラスである場合、シランカップリング剤を用いることにより、ガラス表面を修飾し、粒子と親和性の良い官能基(粒子表面が金属であれば、チオール基、ジスルフィド基、アミノ基等)が現れていれば固定化が可能となる。また、ポリスチレン基板にアミノ基で修飾されているものも、簡便かつ好適である。
(標的物質検出方法)
次に、本発明による標的物質検出方法について説明する。本発明は、検体中の標的物質を検出する検出方法であって、前記検出試薬や前記検出素子に標的物質を含む検体を接触せしめる工程と、前記検出試薬や前記検出素子が有する捕捉体と前記検体が接触した際、生じる物理的及び/或いは化学的変化を検出する工程とを含むことを特徴とする。ここで検出試薬または検出素子と検体との接触とは、検体中の標的物質が検出試薬または検出素子が有する標的物質捕捉体近傍に存在する若しくは接することをいう。前記標的物質が前記捕捉体近傍に存在する若しくは接することにより、本発明における粒子近傍の屈折率が変化する。その屈折率変化を以下で説明する手段により検出する。
本発明は、前記検出する工程における検出手段が、例えば光学的な検出手段であることを特徴とする。更に、本発明は、前記光学的な検出手段が、例えばプラズモン共鳴に起因する、光学特性変化を検出するものであることを特徴とする。本発明における検出方法は、例えば、光学的手法であり、更には例えばプラズモン共鳴を用いた手法である。通常、検体中の標的物質を検出する際、標的物質に蛍光や酵素などで標識する場合が多い。プラズモン共鳴を用いた場合は、標的物質に標識することなく検出が行える。
前記検出試薬を用いて標的物質を検出する場合、前記検出試薬は液体中に分散され、試薬同士が凝集されにくいことが好ましい。この検出試薬を含んだ溶液に、検出試薬に固定された捕捉体と複数の相補的な捕捉部位を持つ標的物質が含まれた検体を注入した場合、標的物質を検出試薬で挟むように捕捉体が特異的に標的物質を捕捉するため、図6のように検出試薬は凝集する。この凝集による光学的な変化を測定することにより、標的物質を検出する。
また、前記検出試薬を含んだ溶液に、検出試薬に固定化された捕捉体と相補的な捕捉部位を一つしか持たない標的物質が含まれた検体を注入した場合にも、捕捉体が標的物質を捕捉する。しかし、この場合、標的物質は抗体の捕捉部位を一つしか持たないため、上述のような凝集現象は起こらない。ただし、この場合についても検出試薬が標的物質を捕捉するため、検出試薬周囲の屈折率が変化する。その屈折率変化を光学的に検出する。
検出方法としては、如何なる手法を用いても良く、光学的な手法が好ましい。光学的な手法としては、プラズモン共鳴の共鳴条件の変化を透過、散乱または反射光で検出する手法、プラズモン共鳴による電場増強効果を利用した蛍光法、表面増強ラマン散乱法などが挙げられる。プラズモン共鳴の条件の変化を透過、散乱または反射光で検出する手法が更に好ましい。
検出には、前記検出試薬に光を照射するための光源、検出試薬を含んだ溶液を透過、若しくは反射、散乱された光、検出試薬から発光された光を受光する受光器が必要となる。光源としては、ハロゲンランプやハロゲンランプ、タングステンランプ等の白色光源、半導体レーザー、LED等が挙げられるが、プラズモン共鳴を用いる手法の場合、検出試薬のプラズモン共鳴が起こる波長帯の光を含むものであればどのようなものでも良い。また、蛍光法の場合、用いる蛍光の励起波長を有する光源であれば良い。更に、表面増強ラマン散乱法の場合は、ラマンシフトを検出するため、波長帯域の広い光源やCO2レーザのような波長可変光源であれば良い。受光器に関しては、検出に利用する特性変化に合わせて選択する必要がある。測定光の強度変化を検出する場合は、フォトダイオードや光電子増倍管(PMT)などを用いることが好ましい。スペクトル変化を検出する場合は、分光器を用いることが好ましい。
前記検出素子を用いる場合は、本発明における粒子は基体に固定されているため、前記検出試薬の測定のように検出試薬の凝集を測定するわけではない。ただし、前記検出素子に固定化された捕捉体と標的物質が結合することによる検出素子周辺の屈折率が変化する。この屈折率変化を光学的に検出する。検出に用いる光源、受光器については検出試薬で用いられるものと同様に、検出に利用する特性変化に合わせて選択する必要がある。
以下では、その他の実施例をもって本発明を説明するが、これらは本発明の範囲をなんら限定するものではない。
(実施例1)
本実施例は、中心層がシリカ、第一金属含有層が銀層、第二金属含有層が金層からなり、図1(b)のような構成の粒子を作製する例を示す。
まず、誘電体からなる中心層として、シリカ粒子を用意する。50mlのエタノールに2.7gの30%アンモニア水溶液と1.5mlのテトラエトキシシランを混合し、一晩撹拌する。これらの操作により、粒径100nmのシリカ粒子の分散液が作製される。
次に、シリカ粒子表面にカップリング層を形成し、別途作製する銀微粒子を担持させて、銀を含む第一金属含有層を形成する。まず、前記シリカ粒子の分散液10mlに20μlアミノプロピルトリメトキシシランを混合し、撹拌、静置する。さらに、95℃に加熱し、撹拌する。この間、随時溶媒を補充し、全体量が変わらないようにする。その後、遠心分離、エタノール分散による洗浄を繰り返し、最後に再びエタノールに分散させることで、シリカ粒子表面にカップリング層が形成されたアミノ化シリカ粒子分散液が作製される。次に、別途銀微粒子を作製する。まず、2.2mg硝酸銀と8.2mgのクエン酸ナトリウムを99mlの水に溶解し、アルゴン雰囲気下、氷浴中で15分間撹拌する。さらに、1mlの0.14M水素化ホウ素ナトリウム溶液を加え、1時間撹拌後、室温下に戻す。以上の操作により、粒径12nm以下の銀微粒子分散液が作製される。次に、アミノ化シリカ分散液を銀微粒子分散液に加え、撹拌後、静置する。その後、遠心分離、水分散による洗浄を5回繰り返し、最後に再び水に分散させることで、シリカ表面に第一金属含有層として銀層が形成されたシリカ/銀粒子の分散液が作製される。
次に、塩化金酸溶液を還元することで、金を含む第二金属含有層を形成する。シリカ/銀粒子分散液に0℃下で、撹拌しながら、塩化金酸、水素化ホウ素ナトリウム混合液を徐々に滴下する。塩化金酸、水素化ホウ素ナトリウム混合液の添加量は、形成したい第二金属含有層の厚みに応じて適宜決めることができ、本実施例では、10nmの金層を形成する。
以上の操作により、銀含有層表面に第二金属含有層として金含有層が形成されたシリカ/銀/金粒子を作製することができる。尚、この粒子の形状や、それぞれの層の厚みはSEMやTEMにより観察することが可能である。
(実施例2)
本実施例は、中心層がシリカ、第一金属含有層が銀、第二金属含有層が金からなり、図1(a)のような構成の粒子を作製する例を示す。
まず、実施例1と同様な方法で、シリカ粒子の分散液を用意する。
次に、シリカ粒子表面にカップリング層を形成し、銀を含む第一金属含有層を形成する。まず、トリフルオロ酢酸0.5mlと塩化スズ0.22gを40mlの水/メタノール混合溶液(50%/50%)に加え、スズ溶液を作製する。次に、シリカ粒子の分散液を、スズ溶液に加え、45分以上反応させる。その後、遠心分離、水分散による洗浄を繰り返し、最後に水に分散させることで、シリカ粒子表面にカップリング層が形成されたスズ被覆シリカ粒子分散液が作製される。次に、8ml硝酸銀水溶液(0.2mM)と、50μlホルムアルデヒド水溶液(30%)を混合し、硝酸銀溶液を作製する。スズ被覆シリカ粒子分散液に、硝酸銀溶液を加え、撹拌した後すぐに、アンモニア水溶液をすばやく加える。硝酸銀溶液の添加量は、形成したい第二金属含有層の厚みに応じて適宜決めることができ、本実施例では、15nmの銀層を形成する。その後、遠心分離、水分散による洗浄を繰り返し、最後に再び水に分散させることで、シリカ表面に第一金属含有層として銀層が形成されたシリカ/銀分散液が作製される。
次に、実施例1と同様な方法で、塩化金酸溶液を還元し、金を含む第二金属含有層を形成する。
以上の操作により、銀含有層表面に第二金属含有層として金含有層が形成されたシリカ/銀/金粒子を作製することができる。尚、この粒子の形状や、それぞれの層の厚みはSEMやTEMにより観察することが可能である。
(実施例3)
第3の実施例を、図3を用いて説明する。本実施例では、実施例2で作製した粒子表面に捕捉体が固定された、標的物質捕捉試薬の作製方法について説明する。尚、実施例2で作製した粒子の作製方法については、実施例1に記載されているため省略する。
まず、実施例2で作製した粒子に、金と親和性の高いチオール基を持つ、11−Mercaptoundecanoic acidのエタノール溶液を加え粒子を表面修飾する。その後、N−Hydroxysulfosuccinimide(同仁化学研究所社製)水溶液と1−Ethyl−3−[3−dimethylamino]propyl]carbodiimide hydrochloride(同仁化学研究所社製)水溶液を加える。これにより、粒子表面にスクシンイミド基が露出される。続いて、固定化する抗体として、標的物質に特異的な抗ヒトインスリンモノクローナル抗体/2−[N−morpholino]ethane sulfonic acid緩衝液(pH6.0)を加え、室温で2時間インキュベートする。金表面上に配置された前記スクシンイミド基と抗ヒトインスリンモノクローナル抗体のアミノ基を反応させることにより、2種類の抗ヒトインスリンモノクローナル抗体304、305を粒子表面上に固定化する。粒子表面上の未反応のスクシンイミド基は、Hydroxylamine Hydrochlorideを添加して脱離させる。
この場合、抗ヒトインスリンモノクロナール抗体には、インスリンのA鎖、B鎖それぞれを認識するものが存在している。本実施例では、微粒子表面にA鎖、B鎖それぞれを認識する抗体が図3(a)のように固定化されている。また、図3(b)、図3(c)にあるように微粒子表面にA鎖を認識する抗体304のみ(図3(b))、B鎖を認識する抗体305(図3(c))のみが固定化された微粒子も作製できる。以上の工程によって、表面に捕捉体が固定された粒子を含んだ試薬溶液が作製できる。
(実施例4)
第4の実施例を、図4を用いて説明する。本実施例では、実施例2で作製した粒子をガラス基板へ固定する方法について説明する。尚、実施例2で作製した粒子の作製方法については、実施例2に記載されているため省略する。
まず、アミノシランカップリング剤を用い、ガラス基板の表面にアミノ基があらわれるようにする。それから、実施例2で作製した粒子をガラス基板へ固定化する。本実施例では、アミノシランカップリング剤として、N−(2aminoethyl)−3−aminopropyltrimethoxysilane(チッソ社製 S320)の水溶液を用いる。このアミノシランカップリング剤水溶液に、よく洗浄されたガラス基板を1時間浸漬する。その後、ガラス基板を純水で洗浄し、実施例2で作製した粒子の分散液に2時間浸漬する。その基板を再度純水で洗浄することにより、実施例2の粒子401を図4(a)のようにガラス基板402上に固定することができる。基板固定後、実施例3と同様の処理を行うことにより、図4(b)のように基板に固定された粒子表面に抗ヒトインスリンモノクロナール抗体403を固定化できる。
(実施例5)
第5の実施例を、図5、6を用いて説明する。本実施例では、実施例3で作製した標的物質検出試薬を用いた標的物質の検出方法について、まず、検出装置構成について説明し、それから検出工程について説明する。
<検出装置構成>
図5は本実施例の概念構成図である。本実施例における検出装置は、光源としてハロゲンランプ501、受光器として分光光度計502、検出試薬の捕捉体と標的物質の結合をさせるための反応領域503からなる。本実施例において、ハロゲンランプ501と分光光度計502の位置関係は反応領域503を挟む配置となっており、反応領域503を通ってくる透過光、及び散乱光が分光光度計502で検出される。
<検出工程>
図6は反応領域503において、標的物質が検出試薬の捕捉体に捕捉されることにより、検出試薬の凝集が起こる様子を示したものである。
まず、実施例3で作製した、抗ヒトインスリンモノクロナール抗体(A鎖、B鎖両方を認識する抗体)を固定した検出試薬601を図6(a)にあるように、溶液中に分散させる。そこへ、図6(b)のように抗ヒトインスリンモノクロナール抗体の抗原となる、インスリン602を含む溶液を添加する。本実施例の検出試薬は一つの粒子にインスリンのA鎖、B鎖を認識する抗体が両方備えられてあるため、図6(c)にあるように、検出試薬が凝集を起こす。
この凝集により、検出試薬近傍に別の検出試薬が存在するため、プラズモン共鳴状態が変化する。
この凝集の様子が、分光光度計502において反応領域503を通ったハロゲンランプ501からの光の吸収スペクトルの変化として観察される。
本実施例では、検出試薬が凝集を起こす場合について記載した。しかし、検出試薬にインスリンのA鎖のみしか認識しない抗体、もしくはB鎖のみしか認識しない抗体が固定化されている場合についても、インスリンが捕捉されると検出試薬近傍の屈折率が変化する。この屈折率の変化により、プラズモン共鳴状態が変化するため、吸収スペクトルの変化が分光光度計502において観察される。
(実施例6)
第6の実施例を、図7、8を用いて説明する。本実施例では、実施例4で作製した標的物質検出素子を用いた標的物質の検出方法について、まず、検出装置構成について説明し、それから検出工程について説明する。
<検出装置構成>
図7は本実施例の構成概念図である。図7の検体中の標的物質を検出する検出装置は、タングステンランプ701、素子中の反応領域704および分光光度計707とからなっている。この実施例では、白色光を発生する、タングステンランプ701を用いているが、ハロゲンランプやキセノンランプ等、他の白色光源でも構わない。タングステンランプ701の発する入射光702は、コリメータレンズ703により平行光になり、反応領域704に入射される。反応領域704には、実施例4に記載の手法により作製された、標的物質検出素子705が配置されている。入射光702は、反応領域704を透過し、出射光706として反応領域704から出射される。この出射光706は、分光光度計707に入射される。
<検出工程>
図8のブロック図を用いて、本実施例における検出工程について詳細に説明する。流入口801と流出口802を検出素子に結合する。また、分光光度計803と光源ユニット804との光軸上に反応領域が来るように検出素子の位置を調整する。この状態であらかじめ、反応前のスペクトルを、分光光度計803を用いて検出する。その後に805のポンプを駆動し、インスリンを既定量検出素子の反応領域806に供給し、インスリンと抗インスリン抗体の抗原抗体反応により標的物質であるインスリンを、抗インスリン抗体を介して検出素子に捕捉させる。反応後、分光光度計803により、スペクトルを測定する。この際のスペクトルと反応前のスペクトルを比較する。この差が、検出素子近傍に標的物質が捉えられたことによる、検出素子のプラズモン共鳴状態の変化となっている。このプラズモン共鳴状態の変化が、表示ユニット807に表示される。スペクトル測定後、インスリンは流出口802から排出され、廃液リザーバ809に送られる。また、分光光度計803、光源ユニット804、送液ポンプ805、表示ユニット807での入力または出力は、中央演算子808を通して処理される。
本発明の粒子に関する構成図である。 本発明の検出試薬を作製する手順の工程図である。 本発明の実施例3に関する検出試薬の構成図である。 本発明の実施例4に関する検出素子の模式図である。 本発明の実施例5に関する検出装置の構成概念図である。 本発明の実施例5に関する検出工程を示す図である。 本発明の実施例6に関する検出装置の構成概念図である。 本発明の実施例6に関する検出装置のブロック図である。
符号の説明
101 誘電体からなる中心層
102 第一金属含有層
103 第二金属含有層
104 金属含有粒子
105 金属含有粒子
201 誘電体からなる中心層
202 第一金属含有微粒子
203 第一金属含有層
204 第二金属含有微粒子
205 第二金属含有層
206 標的物質捕捉体
301 誘電体からなる中心層
302 第一金属含有層
303 第二金属含有層
304 インスリンのA鎖を認識する抗ヒトインスリン抗体
305 インスリンのB鎖を認識する抗ヒトインスリン抗体
401 粒子(実施例1で作製したもの)
402 ガラス基板
403 抗ヒトインスリンモノクロナール抗体
501 ハロゲンランプ
502 分光光度計
503 反応領域
601 検出試薬
602 インスリン
701 タングステンランプ
702 入射光
703 コリメータレンズ
704 反応領域
705 標的物質検出素子
706 透過光
707 分光光度計
801 流入口
802 流出口
803 分光光度計
804 光源ユニット
805 送液ポンプ
806 反応領域
807 表示ユニット
808 中央演算子
809 廃液リザーバ

Claims (7)

  1. 検体中の標的物質を検出するための検出試薬であって、
    誘電体からなる中心層と、該中心層の表面の少なくとも一部に存する第一の金属含有層と、該第一の金属含有層の表面の少なくとも一部に存する第二の金属含有層とを有する粒子と、
    該粒子の表面に備えられた前記標的物質を特異的に捕捉する標的物質捕捉体と、
    を有することを特徴とする標的物質検出試薬。
  2. 前記第一の金属含有層、及び前記第二の金属含有層のそれぞれが、金、銀、銅、アルミニウム、白金、亜鉛及びこれらの2種以上からなる合金からなる群から選択された1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の標的物質検出試薬。
  3. 検体中の標的物質を検出するための検出素子であって、
    (1)基体と、
    (2)誘電体からなる中心層と、該中心層の表面の少なくとも一部に存する第一の金属含有層と、該第一の金属含有層の表面の少なくとも一部に存する第二の金属含有層とを有する、前記基体に固定された粒子と、
    (3)前記基体に固定された粒子の表面に備えられた、前記標的物質を特異的に捕捉する標的物質捕捉体と、
    を有することを特徴とする標的物質検出素子。
  4. 検体中の標的物質を検出するための検出方法であって、
    請求項1に記載の標的物質検出試薬に標的物質を含む検体を接触せしめる工程と、請求項1に記載の捕捉体と前記検体が接触することにより生じる物理的及び/或いは化学的変化を検出する工程とを含むことを特徴とする、標的物質検出方法。
  5. 検体中の標的物質を検出するための検出方法であって、
    請求項3に記載の標的物質検出素子に標的物質を含む検体を接触せしめる工程と、請求項3に記載の素子表面に前記検体が接触した際、生じる物理的及び/或いは化学的変化を検出する工程とを含むことを特徴とする、標的物質検出方法。
  6. 前記検出する工程における検出手段が、光学的な検出手段であることを特徴とする請求項4又は5に記載の標的物質検出方法。
  7. 前記光学的な検出手段がプラズモン共鳴に起因する、光学特性変化を検出するものであることを特徴とする請求項6に記載の標的物質検出方法。
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