JP2007224030A - 黄斑変性および関連する眼の症状の治療方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加齢性黄斑変性および関連する眼の症状の治療のための医薬と、これを使用する治療方法の提供。
【解決手段】 この医薬は、配列番号1の配列のペプチドとリン脂質とからなる複合体であり、典型的にはこのペプチド/リン脂質複合体はヒトに対して約1mg/kg〜20mg/kgの投与量で投与される。
【選択図】 図1
【解決手段】 この医薬は、配列番号1の配列のペプチドとリン脂質とからなる複合体であり、典型的にはこのペプチド/リン脂質複合体はヒトに対して約1mg/kg〜20mg/kgの投与量で投与される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、眼科学および視覚の細胞生物学の分野を指向するものである。特に、本発明は、非滲出型(乾燥型ARMD)および滲出型(湿潤型ARMD)を含む、加齢関連黄斑変性(ARMD)の治療、緩和、または予防に関するものである。本発明は、ARMDおよび関連する眼の障害を治療する新規な組成物および方法を包含する。一つの実施態様において、本方法はディスク状ペプチド/リン脂質複合体を使用するものであるか、または、本組成物はディスク状ペプチド/リン脂質複合体を含むものである。
加齢性黄斑変性(ARMD)は先進国で重篤な視覚喪失の主たる原因の一つである(H. Taylor等、Br. J. Ophthalmol., 2001; 85: 261-266; およびM. VanNewkirk等、Ophthalmology, 2000; 107: 1593-1600)。この疾患の早期、脈絡膜の血管新生による視力喪失が生じる前に、ブルッフ膜(Bruch's membrane)中に進行性の脂質の蓄積が存在している(D. Pauleikhoff等、Ophthalmology, 1990; 97: 171-178;F. G. Holz, Arch. Ophthalmol., 1994; 112: 402-406;G. Sheraidah等、Ophthalmology, 1993; 100: 47-51;および、R. F. Spaide等、Retina, 1999; 19: 141-147)。ブルッフ膜は網膜外側(outer retina)とその血液供給の脈絡毛細管との間の重要な接合点に位置している。進行性の脂質蓄積は、ブルッフ膜において水伝導性(hydraulic conductivity)および高分子の透過性の減少を生じさせ、そしてそれにより網膜の代謝を損ないうる(D. J. Moore等、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 1995; 36: 1290-1297;D. Pauleikhoff等、Ophthalmology, 1990; 97: 171-178;および、C. Starita, C., Exp. Eye Res., 1996; 62: 565-572)。ブルッフ膜中でのコレステロールおよび他の脂質の十分な蓄積の後、網膜色素上皮細胞(RPE)は、脈絡膜からの新しい血管の成長を促進する血管新生因子(例えば、VEGF、vFGF)の働きに応答することがありうる。
未解決の問題は、最終的に血管新生を導く脂質蓄積の病因である。興味あることに、ARMDでみられるブルッフ膜中での脂質の蓄積と、アテローム性動脈硬化症の動物モデルであるアポリポタンパク質E(アポE)欠損マウスのそれとは類似点が存在する(Stefan Dithmar等、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 2000; 41: 2035-2042;および、Mike Kliffen等、Br. J. Ophthalmol., 2000; 84: 1415-1419)。死後の眼の免疫組織化学により、網膜色素上皮細胞(RPE)の基底面でのアポEが証明された(D. H. Anderson等、Am. J. Ophthalmol., 2001; 131(6): 767-781)。培養RPE細胞は、脳で見られる量と匹敵しうる、大量のアポE mRNAを合成する。(D. H. Anderson等、Am. J. Ophthalmol., 2001; 131(6): 767-781)。
アポリポタンパク質EおよびアポE対立遺伝子は、いくつかの加齢性変性症、例えばアルツハイマー病およびアテローム性動脈硬化症と関連した共通の特徴を有するものであるだろう。これらの関連性はARMDでのアポEの可能な役割の最近の研究を刺激してきた。ARMDにおけるアポEの多形に関するいくつかの研究が、特定の対立遺伝子との連鎖を見出すために行われてきた(F. Simonelli等、Ophthalmic Res., 2001; 33: 325-328;C.C. Klayer等、Am. J. Hum. Genet., 1998年6月; 63(1): 200-6;および、E.H. Souied, Am. J. Ophthalmol., 1998; 125(3): 353-9)。アルツハイマー病とは対照的に、アポE−4対立遺伝子は、ARMDの罹病率の減少と関連していた。アポE−2対立遺伝子は、ARMDを有する患者でわずかに増加している。ARMDの病因における役割のさらなる裏付けとして、アポEは、ARMDの顕著な特徴のブルッフ膜での沈着であるドルーゼン(drusen)で検出されてきた(C.C. Klayer等、Am. J. Hum. Genet., 1998年6月; 63(1): 200-6;および、D.H. Anderson等、Am. J. Ophthalmol., 2001; 131(6): 767-7)。
ARMDにおけるアポEの役割は示唆されているがまだ確認はされていないが、このアポリポタンパク質はこの疾患の進行に影響するであろう様々な機能を有している。アポEは抗血管新生性であり(P.J. Browing等、J. Exp. Med., 1994; 180(5): 1949-54)、抗炎症性であり(Micheal E. Kelly等、Cellular Immunology, 1994年12月; 159巻, 2号:124-139)、そして抗酸化作用を有している(R.K. Tangirala等、J. Biol. Chem., 2001年1月5日: 276(1): 261-6)。これらは全てアポEの動脈硬化保護的特性と考えられるが、しかしまた、ARMDの進行に対する保護においても重要であるだろう。アポEの動脈硬化保護的特性が、その血漿脂質濃度に対する影響に起因していると当初は考えられていたが、血管性マクロファージの局所的作用がおそらく同程度に重要である。したがって、動脈壁中のマクロファージのアポEの選択的発現増進が、高脂血症にもかかわらずアテローム性動脈硬化症を減少させる(H. Shimano等、J. Clin. Invest., 95:469-476;S. Bellosta等、J. Clin. Invest., 1995; 96: 2170;および、A. H. Hasty等、Circulation, 1999; 99: 2571-2576)。反対に、アポE欠損マクロファージをC57BL/6野生型マウスへと再構成することによるアポE濃度の減少は、アテローム性動脈硬化症の進行を助長する(Fazio等、1994−引用文献が必要)。
動脈のアポE発現の動脈硬化保護的作用は、部分的にはコレステロールの逆輸送の促進から生じると考えられている(T. MazzoneおよびC. Reardon, Circulation, 1992; 86(Suppl.I): 1-2;ならびに、C.Y. Lin等、J. Lipid Res., 1999; 40: 1618-1626)。アポEがコレステロールの逆輸送を促進する機構は不完全にしか理解されていない。アポEの発現は、J774マクロファージ中のHDL3(T. MazzoneおよびC. Reardon, J. Lipid Res., 1994; 35: 1345-1353)および脂質不含アポリポタンパク質A1(C. Langer等、J. Mol. Med., 2000; 78: 217-227)へのコレステロール流出を増加させる。細胞表面のアポEはまた原形質膜からの流出を誘導しているという仮説が立てられている(C.Y. Lin等、J. Lipid Res., 1999; 40: 1618-1626)。
コレステロール輸送は、RPEからブルッフ膜への脂質流出のために、ARMDの病因において重要だろう。内膜性マクロファージと非常に良く似て、RPE細胞は生涯を通して脂質沈着を進行性で蓄積するが、血管壁マクロファージとは異なって、RPE脂質の源は網膜光受容体の外側部分(POS)であると考えられている(C.J. Kennedy等、Eye, 1995; 9: 262-274)。日毎に、それぞれのRPE細胞は、リソソーム酵素により1000個を超えるPOSを食作用し分解する。これらのPOSはリン脂質に富んでおり、そして光反応性色素のロドプシンを含んでいる。不完全に消化されたPOSがPRE中にリポフスチン(lipofuscin)として蓄積する。80才までに、RPE細胞体積のおおよそ20%がリポフスチンにより占められる(L. Feeney-Burns等、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 1984; 25: 195-200)。
ブルッフ膜脂質の分析により、リン脂質、トリグリセライド、コレステロール、およびコレステロールエステルの加齢性の蓄積が明らかになっている(F. G. Holz, Arch. Ophthalmol., 1994; 19: 141-147;および、C. A. Curcio等、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 2001; 42: 265)。これらの脂質の源はまた、血流由来であるよりむしろ主としてPOSから由来していると考えられている(F. G. Holz, Arch. Ophthalmol., 1994; 19: 141-147;および、R. F. Spaide等、Retina, 1999; 19: 141-147)。POS脂質はRPEからブルッフ膜へ流出しているとの仮説が立てられている。ブルッフのコレステロールエステルの沈着は血漿脂質の寄与を示唆しているが、それらのエーテルの生化学的分析はRPE細胞由来ACTAによる細胞内コレステロールのエーテル化を示唆している(C. A. Curcio等、ARVO Abstracts, 2002)。網膜からRPE細胞への脂質の輸送は詳細に研究されてきたが、RPEからブルッフ膜への脂質流出は良く理解されていない。さらに、病因的視点から、ブルッフ膜への脂質流出の制御が、加齢により生じる脂質誘導性の肥厚化の割合を決定するにあたって重要であるだろう。
マクロファージでのコレステロール逆輸送は、核ホルモン受容体リガンドにより、それらのABCA−1およびアポE発現に対する作用を介して、制御されている。肝X受容体(LXR)および/またはレチノイドX受容体(RXR)リガンドはそれらのトランスポーターのレベルを増加させ、そしてマクロファージでのコレステロール逆輸送を増加させる(P. A. Mak等、J. Biol. Chem., 2002年8月16日; 277(35): 31900-8;および、B. A. Laffitte等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2001年1月16日; 98(2): 507-12)。甲状腺ホルモンもまた、HepG2細胞でのアポEの発現を3倍増加させることが証明されている(B. A. Laffitte等、Eur. J. Biochem., 1994年9月1日; 224(2): 463-71)。
アテローム性動脈硬化症(AS)において、脂質は細胞外マトリクス中および食細胞性細胞、主にマクロファージの中に蓄積する。ASにおける脂質代謝の機構は詳細に研究されてきた。RPEによる脂質の処理ならびにそれに続くBMおよび血流中への脂質流出については、ASに関するものと同じ程度までには類似の研究がなされてこなかった。その結果、乾燥型ARMDに対する可能性のある治療手段が待たれている。
M. Navab等、Curr. Opin. Investig. Drugs, 2003; 4(9): 1100-4には、アテローム性動脈硬化症の治療用に経口的に送達するための、D−アミノ酸を含むアポA−I模倣ペプチドが記載されている。
米国特許公開公報US2002/142953は、脂質代謝および心血管性疾患に関連したアポリポタンパク質をコードするヒト組成物に関している。
R. F. Mullins等、FASEB J, 2000年5月; 14(7): 835-46には、ドルーゼンと、アテローム性動脈硬化性プラークを含む、他の細胞外沈着との間の組成的な類似性を記載している。特定すれば、ビトロネクチン、アミロイドP、アポEおよび脂質が、共通している構成成分に含まれる。より特定すれば、アポリポタンパク質Eが網膜色素上皮細胞で同定された。
米国特許公開公報US2002/142953は、脂質代謝および心血管性疾患に関連したアポリポタンパク質をコードするヒト組成物に関している。
R. F. Mullins等、FASEB J, 2000年5月; 14(7): 835-46には、ドルーゼンと、アテローム性動脈硬化性プラークを含む、他の細胞外沈着との間の組成的な類似性を記載している。特定すれば、ビトロネクチン、アミロイドP、アポEおよび脂質が、共通している構成成分に含まれる。より特定すれば、アポリポタンパク質Eが網膜色素上皮細胞で同定された。
E. Friedman, Amer. J. Ophthalm., 2000; 130(5): 658-663には、ARMDの病因におけるアテローム性動脈硬化症の役割を解説している。特に、この解説は、ARMDの血管新生形態を治療するための血管新生経路の、例えばVEGFのようなメンバーに対する標的化について述べている。血管新生物質の上位制御または作用への干渉が脈絡膜血管新生に関して有用であることが証明され、そして、代替的な実施態様において、スタチンがARMDの危険性を低下させるために有用となる可能性に注目すべきである。
D.H. Anderson等、Am. J. Ophthalmol., 2001; 131(6): 767-781では、アポリポタンパク質Eがドルーゼンと同じ場所で見つかり、おそらく網膜色素上皮細胞に由来しているだろうということが報告されている。
D.H. Anderson等、Am. J. Ophthalmol., 2001; 131(6): 767-781では、アポリポタンパク質Eがドルーゼンと同じ場所で見つかり、おそらく網膜色素上皮細胞に由来しているだろうということが報告されている。
米国特許6,071,924は、RPE細胞とレチノイン酸受容体アゴニスト(レチノイン酸を除く)とを接触させることにより、好ましくはそれによるAP−1依存性遺伝子発現の阻害により、網膜色素上皮細胞の増殖を抑制することに関している。特定の実施態様において、AP1アンタゴニストは、網膜色素上皮細胞の増殖またはそれに関連する疾患の抑制のために、それを必要としている患者に送達される。
米国特許6,075,032は、RPE細胞とAP−1アンタゴニストを接触させることによる脈絡膜の血管新生の阻害を目的にしている。
米国特許6,075,032は、RPE細胞とAP−1アンタゴニストを接触させることによる脈絡膜の血管新生の阻害を目的にしている。
米国特許5,824,685は、RPE細胞と、エチル−6−[2−(4,4−ジメチルチオクロマン−6−イル)エチニル]ニコチネート、6−[2−(4,4−ジメチルクロマン−6−イル)エチニル]ニコチン酸、およびp−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフチル)プロペニル]−安息香酸、から選択されるレチノイン酸受容体アゴニストとを接触させることによる、増殖性硝子体網膜症または牽引性網膜剥離の改善に関している。
米国特許6,372,753は、少なくとも1つのAP−1アンタゴニストおよび少なくとも1つのレチノイン酸受容体(RAR)アゴニスト(レチノイン酸を除く)とを提供することによる、網膜色素上皮細胞の増殖に由来する眼疾患の阻害に関している。
米国特許6,372,753は、少なくとも1つのAP−1アンタゴニストおよび少なくとも1つのレチノイン酸受容体(RAR)アゴニスト(レチノイン酸を除く)とを提供することによる、網膜色素上皮細胞の増殖に由来する眼疾患の阻害に関している。
WO 01/58494は、眼細胞と、血管新生阻害物質をコードしている核酸配列を含む発現ベクターおよび神経分化誘導物質とを接触させることによる、加齢性黄斑変性のような眼疾患の治療または予防に関している。特定の実施態様において、血管新生阻害物質および神経分化誘導物質は、例えば色素上皮細胞由来因子(PEDF)のように、一つで同一のものである。
WO 02/13812は、インスリン作用増強剤、好ましくはペルオキシゾーム増殖因子活性化受容体y(PPARy)アゴニストの、眼疾患のような炎症性疾患の治療のための使用に関している。
WO 02/13812は、インスリン作用増強剤、好ましくはペルオキシゾーム増殖因子活性化受容体y(PPARy)アゴニストの、眼疾患のような炎症性疾患の治療のための使用に関している。
WO 00/52479は、ARMDを含む、ドルーゼン関連障害(ドルーゼン形成を伴う全ての障害)の診断、治療および予防に関している。特定の実施態様には、サイトカインのアンタゴニスト、腫瘍壊死因子(TNF)−αのような、免疫細胞の増殖または分化を阻害する薬剤の有効量を提供することに関した方法がある。
WO 2004/098506およびUS 2004/0266663は、アテローム性動脈硬化症に類似の病因的機構の制御による加齢性黄斑変性の治療を記載している。特定の実施態様では、コレステロール逆輸送成分、例えばトランスポーターおよびHDL画分を、加齢性黄斑変性の診断および治療の標的として用いている。さらなる特定の実施態様では、網膜色素上皮細胞および/またはブルッフ膜の脂質含量が、アポリポタンパク質AI、特に模倣ペプチドを送達することによって減少している。
WO 2004/098506およびUS 2004/0266663は、アテローム性動脈硬化症に類似の病因的機構の制御による加齢性黄斑変性の治療を記載している。特定の実施態様では、コレステロール逆輸送成分、例えばトランスポーターおよびHDL画分を、加齢性黄斑変性の診断および治療の標的として用いている。さらなる特定の実施態様では、網膜色素上皮細胞および/またはブルッフ膜の脂質含量が、アポリポタンパク質AI、特に模倣ペプチドを送達することによって減少している。
Jorge G. Arroyoは「Age-related macular degeneration-I and II」、UpToDate(オンラインサービス)(2005年9月19日に最終的に修正された)において、加齢性黄斑変性に関する背景となる情報、例えば、病因論、疫学/危険因子、臨床症状、診断、治療および予防を提供している。
J. L. Duncanは「Mouse models may provide new insight into the relation between cholesterol and age related macular degeneration」、[bjo.bmjjournals.com(2005年12月5日)からダウンロード]において、LDL受容体欠損マウスにおける知見が早期ARMDの機構に関する見識を提供できることを記載している。
J. L. Duncanは「Mouse models may provide new insight into the relation between cholesterol and age related macular degeneration」、[bjo.bmjjournals.com(2005年12月5日)からダウンロード]において、LDL受容体欠損マウスにおける知見が早期ARMDの機構に関する見識を提供できることを記載している。
M. Rudolf等は「Increased expression of vascular endothelial growth factor associated with accumulation of lipids in Bruch's membrane of LD receptor knockout mice」、[bjo.bmjjournals.com(2005年12月5日)からダウンロード]において、LDL受容体欠損マウスがブルッフ膜中に脂質粒子の蓄積を示し、それが脂肪摂取後に増加することを記載している。
斑学会(Macula Society)2006年会合(www.maculasociety.org)の予備プログラムによれば、第29回斑学会年会(2006年2月22-25日に開催される)(ノース・サンジエゴ、カリフォルニア州)の抄録の一つは、Jorge G. Arroyoによる「An Epidemiologic Study of Age-Related Macular Degeneration (AMD) in Carriers of the Apolipoprotein A-I-Milano Mutation: A novel Treatment Approach to AMD」である。
斑学会(Macula Society)2006年会合(www.maculasociety.org)の予備プログラムによれば、第29回斑学会年会(2006年2月22-25日に開催される)(ノース・サンジエゴ、カリフォルニア州)の抄録の一つは、Jorge G. Arroyoによる「An Epidemiologic Study of Age-Related Macular Degeneration (AMD) in Carriers of the Apolipoprotein A-I-Milano Mutation: A novel Treatment Approach to AMD」である。
S. Nissen等、JAMA, 2003年11月; 290: 2292-2300には、アテローマ体積が組換えアポA−Iミラノ−POPC複合体の処置後減少するという研究を開示している。
アポA−Iアゴニストペプチド(典型的には15〜30アミノ酸長)はアポA−Iの活性を模倣する。特に、このアポA−Iアゴニストは脂質に結合し、両親媒性ヘリックスを形成し(脂質の存在下で)、HDL−様複合体を形成し、そしてLCATを活性化する[例えば、米国特許6,004,925(1999年12月21日発行)および米国特許6,630,450(2003年10月7日発行)、それらの内容は参照により全体で本願に組み入れられる]。
アポA−Iアゴニストペプチド(典型的には15〜30アミノ酸長)はアポA−Iの活性を模倣する。特に、このアポA−Iアゴニストは脂質に結合し、両親媒性ヘリックスを形成し(脂質の存在下で)、HDL−様複合体を形成し、そしてLCATを活性化する[例えば、米国特許6,004,925(1999年12月21日発行)および米国特許6,630,450(2003年10月7日発行)、それらの内容は参照により全体で本願に組み入れられる]。
したがって、ドルーゼンならびに網膜およびブルッフ膜のような他の眼組織の病変の、大きさおよび脂質含量を減少させることにより、加齢性黄斑変性を治療、緩和または予防するための新規な処置方法への必要性が存在する。
本発明は、ペプチド/リン脂質複合体を用いた、哺乳類における加齢性黄斑変性または関連する障害の治療のための、方法および組成物を含むものである。一つの実施態様において、ペプチド/リン脂質複合体は、アポA−Iアゴニストペプチド[ESP24218(配列番号1)と名づけられた]、スフィンゴミエリンおよび1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)を含み、この複合体はETC−642とよばれる。
一つの局面で、本発明は、ETC−642とよばれるペプチド/リン脂質複合体を含有する組成物を、それを必要とする患者に投与することにより、各種の形態(例えば、湿潤型、乾燥型;早期型、後期型)の加齢性黄斑変性または関連症状を治療するための組成物および方法を提供する。
方法、組成物および投与計画は本願において提供され、そして理論により制限されることなく、網膜またはブルッフ膜(例えば、ドルーゼン)における脂質性プラークからのコレステロールの流出および移動性を迅速に促進し、それにより、視力の改善、視力の喪失の予防、または視力の障害をもたらす黄斑変性の改善もしくは予防という利益を与えるような、安全で効果的でそして非外科的治療を包含すると考えられている。この作用機構は、直接的もしくは間接的に視力の改善もしくは視力の喪失の予防をもたらすか、または視力を減少させる網膜の血管新生を促進する病変の緩和をもたらす、改善された網膜もしくは脈絡叢の血流もしくは還流を包含する。
一つの局面で、本発明は、ESP24218(配列番号1)、スフィンゴミエリンおよび1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)を含むペプチド/リン脂質複合体の、それを必要とする哺乳類への投与を提供する。特定の実施態様において、ペプチド/リン脂質複合体は、本質的にESP24218(配列番号1)、スフィンゴミエリンおよび1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)から成っている。特定の実施態様において、ペプチド/リン脂質複合体は、本質的に、ほぼ等しい比率の、ESP24218(配列番号1)、スフィンゴミエリンおよび1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)から成っている。
典型的には、ペプチド/リン脂質複合体は無菌の液体医薬製剤として投与される。
特定の実施態様において、ペプチド/リン脂質複合体はヒトに対して、約1mg/kg〜約20mg/kgの投与量で投与される。ある実施態様では、ペプチド/リン脂質複合体はヒトに、約5mg/kg、約10mg/kgまたは約15mg/kgの投与量で投与される。当業者には本願に記載された投与量がヒト患者の体重を基にしていることが明らかであろう。
本願で提供された医薬製剤は、患者に安全に投与できるような、適切なpH、浸透圧、等張性、純度および無菌性のペプチド/リン脂質複合体を含んでいる。医薬製剤は一般に賦形剤を含んでいる。例えば、特定の実施態様では、無菌の液体医薬製剤は本質的にペプチド/リン脂質複合体および水性緩衝液から成っている。
定義
本願で用いられる以下の表現は以下の意味を有するだろう:
本願の明細書において、「ある(aまたはan)」という表現は1またはそれ以上を意味することができる。本願の特許請求の範囲において、「含まれる」という言葉と共に使用される場合は、「ある(aまたはan)」という言葉は、1またはそれ以上を意味してもいい。本願で「他の(another)」という表現は、少なくとも第二のまたはそれ以上を意味することができる。
本願で用いられる以下の表現は以下の意味を有するだろう:
本願の明細書において、「ある(aまたはan)」という表現は1またはそれ以上を意味することができる。本願の特許請求の範囲において、「含まれる」という言葉と共に使用される場合は、「ある(aまたはan)」という言葉は、1またはそれ以上を意味してもいい。本願で「他の(another)」という表現は、少なくとも第二のまたはそれ以上を意味することができる。
本願での「加齢性黄斑変性」という表現は、湿潤型および乾燥型形態の両方の、早期または後期での、約50才を越える個人における黄斑変性を意味している。一つの特定の実施態様において、これは、中心視野の減少そして進行した場合では法的盲(legal blindness)をもたらすような、網膜の斑領域の光受容体の破壊および喪失を伴っている。
本願での「ブルッフ膜(Bruch's membrane)」という表現は、脈絡毛細管を網膜色素上皮組織(RPE)から分離している5層の構造体を意味する。
本願での「ブルッフ膜(Bruch's membrane)」という表現は、脈絡毛細管を網膜色素上皮組織(RPE)から分離している5層の構造体を意味する。
本願での「脂質流出を増やす」または「増加する脂質流出」という表現は、脂質流出の増加した量および/または速度、促進する脂質流出、加速化する脂質流出、円滑にする脂質流出、上位制御される脂質流出、改善する脂質流出、および/または強化される脂質流出、を意味する。一つの実施態様において、流出は、リン脂質、トリグリセライド、コレステロール、および/またはコレステロールエステルの流出を含んでいる。
本願での「斑(macula)」という表現は、網膜の中心野の光感受細胞または光受容体を意味する。
本願での「黄斑変性」という表現は、網膜の中心野である斑の悪化を意味する。
本願での「黄斑変性」という表現は、網膜の中心野である斑の悪化を意味する。
「患者」という表現は、哺乳類のような動物を意味し、それには限定されないが、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等を含む。特定の実施態様では、患者はヒトである。
「治療する」、「治療している」または「治療」という表現は、疾患、障害および/またはその1またはそれ以上の症状を、緩和し、減少し、排除しまたは調節するような、既存の症状への治療的効果であるものを意味する。
「治療的に有効な量」という表現は、治療された病状または障害の1またはそれ以上の症状を、治療のない場合に生じる症状と比べて改善するために十分な活性成分の量を意味する。改善は一時的であるかまたは永久的でありうる。
「治療する」、「治療している」または「治療」という表現は、疾患、障害および/またはその1またはそれ以上の症状を、緩和し、減少し、排除しまたは調節するような、既存の症状への治療的効果であるものを意味する。
「治療的に有効な量」という表現は、治療された病状または障害の1またはそれ以上の症状を、治療のない場合に生じる症状と比べて改善するために十分な活性成分の量を意味する。改善は一時的であるかまたは永久的でありうる。
「予防的に有効な量」という表現は、病状または障害の1またはそれ以上の症状の発現または再発の予防をもたらすために十分な活性成分の量を意味する。
「予防する」、「予防している」または「予防」という表現は、患者を、疾患、障害および/またはその症状に罹ることから、妨げる、またはその危険性を減少させることを意味する。
「予防する」、「予防している」または「予防」という表現は、患者を、疾患、障害および/またはその症状に罹ることから、妨げる、またはその危険性を減少させることを意味する。
「医薬製剤」という表現は、活性成分および適切な希釈剤、担体、ビークル、または患者に投与するために適切な賦形剤、のいずれかを含む組成物を意味する。医薬製剤または組成物はETC−642を含むだろう。「組成物」および「製剤」という表現は、本願では交換可能に用いられる。この表現はまた混合治療の成分が同一のまたは別々の製剤である場合を包含していることをも意味する。この表現は、それには限定されないが、下記のように、経口、非経口、眼内、粘膜および局所用組成物を含んでいる。
「約」という表現は、名目上の値のプラスマイナス10%の近似値であることを示す相対的な表現であり、これは、一つの実施態様ではプラスマイナス5%、他の実施態様ではプラスマイナス2%であることを意味する。この開示の分野に関して、近似のこの範囲は、その値が特により狭い範囲を要求すると述べられている場合以外は、適切である。
「ラベル」という表現は、製品の容器の直ぐ上に書かれた、印刷されたまたは図示された表示、例えば、医薬活性成分を含有するバイアル上に表示された、書かれたもの、を意味する。
「ラベリング」という表現は、全てのラベル、および、あらゆる製品またはその製品の容器もしくは包装もしくは添付物(例えば、医薬活性成分の容器に含まれたまたは組み合わされた、添付文書、使用手引のビデオテープ、使用手引のDVD)の上に書かれた、印刷されたまたは図示されたものを意味する。
「ラベル」という表現は、製品の容器の直ぐ上に書かれた、印刷されたまたは図示された表示、例えば、医薬活性成分を含有するバイアル上に表示された、書かれたもの、を意味する。
「ラベリング」という表現は、全てのラベル、および、あらゆる製品またはその製品の容器もしくは包装もしくは添付物(例えば、医薬活性成分の容器に含まれたまたは組み合わされた、添付文書、使用手引のビデオテープ、使用手引のDVD)の上に書かれた、印刷されたまたは図示されたものを意味する。
ペプチド/リン脂質複合体および医薬製剤の製造
本発明の方法では、提供されたペプチド/リン脂質複合体は、ESP24218(配列番号1)および1またはそれ以上のリン脂質を含んでいる。特定の実施態様において、提供されたペプチド/リン脂質複合体は、ESP24218(配列番号1)、スフィンゴミエリンおよび1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)を含んでいる。特定の実施態様において、ペプチド/リン脂質複合体は、本質的にESP24218(配列番号1)、スフィンゴミエリンおよびDPPCから成っている。他の実施態様において、ペプチド/リン脂質複合体は、ESP24218(配列番号1)、スフィンゴミエリンおよびDPPCから成っている。
本発明の方法では、提供されたペプチド/リン脂質複合体は、ESP24218(配列番号1)および1またはそれ以上のリン脂質を含んでいる。特定の実施態様において、提供されたペプチド/リン脂質複合体は、ESP24218(配列番号1)、スフィンゴミエリンおよび1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)を含んでいる。特定の実施態様において、ペプチド/リン脂質複合体は、本質的にESP24218(配列番号1)、スフィンゴミエリンおよびDPPCから成っている。他の実施態様において、ペプチド/リン脂質複合体は、ESP24218(配列番号1)、スフィンゴミエリンおよびDPPCから成っている。
例えば、例示的なペプチド/リン脂質複合体ETC−642は、ESP24218(配列番号1)、合成両親媒性のペプチド、および2つの天然由来のリン脂質、スフィンゴミエリンおよび1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)から構成されている。ESP24218(配列番号1)、スフィンゴミエリンおよびDPPCは、ETC−642における個別の活性医薬成分または医薬物質ではない。ESP24218(配列番号1)、スフィンゴミエリンおよびDPPCは、原材料またはETC−642医薬物質を製造するために用いられる成分である。ETC−642はディスコイダルのペプチド/リン脂質複合体であると考えられている。
ESP24218(配列番号1)はペプチド/リン脂質複合体のペプチド成分であって、アポA−Iのヘリックス状反復を基にして設計された、ヘリックス状の構造および両親媒性を有する22個のアミノ酸のペプチドである。このペプチドは、インビトロのLCAT活性化において、脂質の存在下で、天然のアポA−Iの活性のほぼ100%を保持している。このペプチドは、当業者に知られているいずれの技術を用いても化学合成により製造することができる。このペプチドは、米国特許6,004,925に記載された合成方法によって製造でき、この文献は参照によりその全体が全ての目的のために本願に組み入れられる。典型的には、ESP24218(配列番号1)は、固体支持体上で段階的な化学合成により製造される。好ましい実施態様において、ペプチド中の全てのアミノ酸は、立体構造が天然型のL−α−アミノ酸である。一般に、このペプチドのアミノおよびカルボキシ末端は遊離している。ESP24218(配列番号1)のアミノ酸配列は図1に示され、以下のようである:H−Pro−Val−Leu−Asp−Leu−Phe−Arg−Glu−Leu−Leu−Asn−Glu−Leu−Leu−Glu−Ala−Leu−Lys−Gln−Lys−Leu−Lys−OH。リン脂質は当業者に知られているいずれの原料からも得ることができる。例えば、このリン脂質は、商業的な入手源から、天然の源材料から、または当業者に知られている合成もしくは半合成方法により、得ることができる(例えば、Mel'nichuk等、Ukr. Biokhim. Zh. 59(6): 75-7 (1987);Mel'nichuk等、Ukr. Biokhim. Zh. 59(5): 66-67 (1987);Ramesh等、J. Am. Oil Chem. Soc. 56(5): 587-7 (1979);PatelおよびSparrow, J. Chromatogr. 150(2): 542-7 (1978);Kaduce等、J. Lipid Res. 24(10): 1398-403 (1983);Schlueter等、Org. Lett. 5(3): 255-7 (2003);Tsuji等、日本薬理学雑誌120(1):67-69頁(2002)、
を参照する)。
を参照する)。
リン脂質は、当業者に知られているどのようなリン脂質であってもいい。例えば、このリン脂質は、低分子アルキル鎖のリン脂質、ホスファチジルコリン、卵ホスファチジルコリン、大豆ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、大豆ホスファチジルグリセロール、卵ホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジラウリルホスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ミリストイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ステアロイルホスファチジルコリン、1−ステアロイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン、1−オレオイル−2−パルミチルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジラウロイルホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ジミリストイルホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジン酸、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルセリン、脳ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、スフィンゴ脂質、脳スフィンゴミエリン、ジパルミトイルスフィンゴミエリン、ジステアロイルスフィンゴミエリン、ガラクトセレブロシド、ガングリオシド、セレブロシド、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジル酸、リソレクチン、リソホスファチジルエタノールアミン、セファリン、カルジオリピン、ジセチルホスフェート、ジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン、であっていい。このリン脂質はまた、上記のリン脂質のいずれかの誘導体または類似体であっていい。このリン脂質、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)はまた、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)ともよばれる。
特定の実施態様では、ペプチド/リン脂質複合体の脂質成分はスフィンゴミエリンおよび1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)である。
スフィンゴミエリンは、生物学的膜およびヒトHDL、特にプレ−βHDLに存在する天然由来のリン脂質である。スフィンゴミエリンは、その骨格であり長い不飽和炭水化物鎖を含むアミノアルコールであるスフィンゴシンにより特徴付けられる。スフィンゴミエリンはまた動物材料から抽出するか、または当業者に良く知られた標準的な技術に従って化学的に合成することによって調製できる。スフィンゴミエリンはまた、リポイド(Lipoid)GmbH(ルードビッヒシャーフェン、ドイツ)のような商業的な調達先から購入してもいい。
スフィンゴミエリンは、生物学的膜およびヒトHDL、特にプレ−βHDLに存在する天然由来のリン脂質である。スフィンゴミエリンは、その骨格であり長い不飽和炭水化物鎖を含むアミノアルコールであるスフィンゴシンにより特徴付けられる。スフィンゴミエリンはまた動物材料から抽出するか、または当業者に良く知られた標準的な技術に従って化学的に合成することによって調製できる。スフィンゴミエリンはまた、リポイド(Lipoid)GmbH(ルードビッヒシャーフェン、ドイツ)のような商業的な調達先から購入してもいい。
DPPCは、グリセロール骨格および2つのパルミチン酸鎖から成る天然由来のリン脂質である。DPPCは、天然材料から精製するか、または当業者に良く知られた標準的な技術に従って化学的に合成することによって調製できる。典型的にはDPPCは化学合成によって製造される。DPPCは、アバンチ・ポーラー・リピドInc.(アラバスター、アラバマ州)のような商業的な調達先から購入できる。
一般に、このペプチド/リン脂質複合体はペプチドおよび脂質成分の共凍結乾燥により調製でき、このことは例えば米国特許6,287,590、6,455,088、6,004,925および6,376,464に記載されており、それぞれの内容は参照によりその全体が全ての目的のために本願に組み入れられる。例えば、凍結乾燥したペプチド/リン脂質粉末は、患者への投与のために再水和できる。ペプチド/リン脂質複合体を調製する他の方法は当業者に自明であろう。
一つの実施態様において、このペプチド/リン脂質複合体は適切な製薬用希釈剤を用いた溶液であっていい。他の実施態様では、ペプチド/リン脂質複合体の凍結乾燥調製物は、投与前に、適切な製薬用希釈剤を用いて水和するかまたは再構成することができる。他の実施態様では、このペプチド/リン脂質複合体は、それを必要とする患者に投与する前に、均一な溶液になるまで融解する凍結調製物であっていい。
このペプチド/リン脂質複合体は医薬製剤の形態で投与できる。本願で記載された医薬製剤は、例えば、受容可能な希釈剤、賦形剤、ビークルまたは担体の添加を含んでいる。当該技術分野で知られているように、1またはそれ以上の希釈剤、賦形剤、ビークルまたは担体の添加は、製剤を患者に投与しやすくし、そして延長された保存期間のような他の好ましい性質を与えることができる。
特定の実施態様では、ペプチド/リン脂質複合体は無菌の液体医薬製剤として投与される。
特定の実施態様では、ペプチド/リン脂質複合体は無菌の液体医薬製剤として投与される。
この医薬製剤は、通常は、製薬的に受容できる担体またはビークルを含んでいる。多くの製薬的に受容できる担体またはビークルを用いることができる。特定の実施態様で、医薬製剤は、本質的に、溶液中の無菌的重炭酸生理食塩水およびペプチド/リン脂質複合体から成っている。例えば、無菌的重炭酸生理食塩水の一つの利点は、凍結乾燥ペプチド/リン脂質粉末を水和して溶液中に分散したペプチド/リン脂質複合体を効果的に形成し、次いで直接ヒトに投与できることである。
他の実施態様では、普通の生理食塩水を製剤用担体またはビークルとして使用する。
他の実施態様では、普通の生理食塩水を製剤用担体またはビークルとして使用する。
他の適切な担体またはビークルには、デキストロース、グルコース、トレハロース、ショ糖、無菌水、緩衝化水、0.45%生理食塩水(普通の生理食塩水の半分)、および0.3%グリシンを含み、さらに安定性を増すために、アルブミンのような糖タンパク質を含むことができる。これらの製剤は、慣用で周知の滅菌化技術により滅菌できる。得られた水溶液は使用のために梱包され、または無菌下で濾過しそして凍結乾燥される。凍結乾燥調製物は次に投与前に無菌の水溶液と混合することができる。
医薬製剤はまた、適切な生理的条件に必要な製薬的に受容できる賦形剤、例えば、pH調整用および緩衝剤、および張性調整剤、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩化カルシウムを含むこともできる。抗細菌剤、例えば、フェノール、塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトニウムを、製品、特に複数回非経口的に使用することを意図した医薬製剤、の無菌性を維持するために加えることができる。懸濁化、安定化および/または分散化剤もまた本発明の製剤において使用することができる。
この医薬製剤は、あらゆる投与形態に適した種々の形態であってよく、その投与形態には、それには限定されないが、非経口、眼内、皮下、経皮、経粘膜および直腸投与が含まれる。
一つの実施態様で、この組成物は、非経口投与に適した医薬組成物として、日常的な操作方法に従って製剤化される。
非経口投与とは、消化管を介しない全ての投与経路を意味し、それには限定されないが、注射可能な投与(すなわち、静脈内、動脈内、筋肉内、皮内、眼内、および本願に記載されたようなもの)が含まれる(一般的には、RemingtonのPharmaceutical Science、第18版、Gennaro等編集、マック・プリンテング・カンパニー、イーストン、ペンシルバニア州、1990年、を参照する)。
本発明の医薬製剤は、眼の投与経路に適した形態であってよく、それには限定はされないが、硝子体内、眼内(イントラカメラル)、結膜下、テノン下、球後(retrobulbar)注射および局所投与が含まれる。一つの実施態様では、この医薬製剤は、硝子体内注射として投与される。本発明の注射可能な医薬製剤は眼科学的に受容可能である、すなわち、水性およい硝子液を含む眼の中に直接投与するために適している。
注射可能な医薬製剤は、水性または油性ビークル中の無菌の懸濁液、溶液または乳液であっていい。注射のための製剤は、単位投与剤形、例えばアンプル中または複数回投与用容器中に入れられてもよく、そして追加の保存剤を含んでもいい。
本発明の非経口投与剤形を提供するために使用される適切なビークルは、当業者には周知である。それには限定されないが、その例には、米国薬局方の注射水;水性ビークル、例えば、それには限定されないが、塩化ナトリウム注射水、リンガー注射水、デキストロース注射水、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射水、ならびに乳酸化リンガー注射水;水混和性ビークル、例えば、それには限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコール;ならびに、非水性ビークル、例えば、それには限定されないが、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジルが挙げられる。本願で開示した活性成分の溶解性を増す化合物もまた、本発明の非経口投与剤形中に配合することができる。
他の実施態様において、この医薬製剤は、適切なビークル、例えば、それには限定されないが、無菌無パイロジェン水、生理食塩水またはデキストロースにより、使用前に再構成するための粉末形態で提供できる。例えば、ESP24218(配列番号1)は、スフィンゴミエリンおよびDPPCを用いて共凍結乾燥することができる。他の実施態様では、この医薬製剤は、単位投与剤形で提供されそして使用前に再構成できる。
眼組織の標的化は各種の方法のいずれかで達成できる。眼の水性または硝子液中への注射が一つの手段である。ETC−642のRPEの近傍部またはブルッフ膜への直接注射は、ARMDのいくつかの形態と複合体の標的化を提供する。一つの実施態様で、この複合体は、眼内持続型送達(例えば、ボシュロムのビトラザート(R)またはエンビジョン(R))を介して投与される。他の実施態様で、この化合物は後部眼窩下注射により送達される。
特定の実施態様では、医薬製剤は使用単位包装であっていい。当業者に知られているように、使用単位包装は、医療提供者により直に配布されるために標識されている、使いやすい、処方サイズの、患者に容易な単位である。使用単位包装には、所与の適用症のための典型的な治療間隔および有効時間に必要な量の医薬製剤を含む。本発明の方法は、例えば、平均的サイズの成人の雄性または雌性を4週間にわたって週毎に一回20mg(ペプチド相当で)/kgで治療するために十分な量の、ペプチド/リン脂質複合体を含む、医薬製剤の使用単位包装を提供する。したがって、上記の使用単位包装は、ペプチド/リン脂質複合体の4回投与量を、好ましくはそれぞれ、ヒトに投与するために、例えば無菌重炭酸溶液で水和される、バイアル中の凍結乾燥形態で、有するだろう。
この医薬製剤は、ラベルを付することができ、そして、その中に含まれている製剤を同定するためのラベリング、および、医療提供者および患者が、加齢性黄斑変性の治療および予防において使用できる他の情報、例えば、それには限定されないが、使用、投与量、投与間隔、有効期間、適応症、禁忌、警告、予防処置、操作法および保管方法等の手引書を伴うことができる。
さらなる実施態様では、本発明は加齢性黄斑変性を治療または予防するためのキットを提供する。このキットはペプチド/リン脂質複合体またはその医薬製剤と一緒に、ラベルまたは本発明の方法に従って加齢性黄斑変性を治療または予防するためにこのペプチド/リン脂質複合体またはその医薬製剤の使用に当たっての指示のラベリングを含んでいる。特定の実施態様では、このキットは、方法を実行するために有用な構成部品、例えば、このペプチド/リン脂質複合体またはその医薬製剤を送達するための器具、および、それらの器具を安全に処理するための構成部品、例えばシャープ(sharps)容器を含むことができる。特定の実施態様では、このキットは、充填済みシリンジ、単位投与または使用単位包装でのペプチド/リン脂質複合体またはその医薬製剤を含むことができる。
加齢性黄斑変性(ARMD)を治療するためのETC−642の使用
それを必要とする哺乳類における加齢性黄斑変性または関連する眼障害を治療するために十分なETC−642の投与量は本願中に記載されている。加齢性黄斑変性の治療に有用な投与量は、それを必要とする患者に静脈内投与される約20mg/kgまでのETC−642の投与量を含む。特定の実施態様では、この組成物および方法は、患者の体重を基に約1mg/kgから約20mg/kgの投与量でのETC−642の投与を含む。特別な実施態様では、この組成物および方法は、約5mg/kgから約10mg/kgの投与量でのETC−642の静脈内投与を含む。他の実施態様では、この組成物および方法は、約0.2mg/kgから約1mg/kgの投与量でのETC−642の眼内投与を含む。
それを必要とする哺乳類における加齢性黄斑変性または関連する眼障害を治療するために十分なETC−642の投与量は本願中に記載されている。加齢性黄斑変性の治療に有用な投与量は、それを必要とする患者に静脈内投与される約20mg/kgまでのETC−642の投与量を含む。特定の実施態様では、この組成物および方法は、患者の体重を基に約1mg/kgから約20mg/kgの投与量でのETC−642の投与を含む。特別な実施態様では、この組成物および方法は、約5mg/kgから約10mg/kgの投与量でのETC−642の静脈内投与を含む。他の実施態様では、この組成物および方法は、約0.2mg/kgから約1mg/kgの投与量でのETC−642の眼内投与を含む。
本発明によるETC−642の実際の投与量が投与経路、患者の身長、体重、年齢、病気の重さ、合併する医学的症状の存在等により変化しうることは当業者が理解するところである。例えば、欠陥のある腎または肝機能を有する高齢者の患者は、治療の一部として、約1mg/kgのより低い範囲(例えば、0.8mg/kgまたは0.9mg/kg)の投与量であるETC−642の投与量で治療できる。良好な腎および肝機能を有する重篤な心血管系疾患または肥満である関連障害の患者は、治療の一部として、例えば約20mg/kgのより高い範囲であるETC−642の投与量で治療できる。これらの投与量は、受容可能な危険性対利益プロフィルを有する有効量を含む、血液循環中の濃度範囲を達成する。
ETC−642の投与量は治療の期間にわたって変更できる。例えば、患者は、ETC−642の医薬製剤のより高い投与量にて3週間、週1回静脈内により治療され、そして次に、ETC−642の医薬製剤のより低い投与量にて4ヶ月に1回または患者の生涯にわたって1年に1回治療できる。そうした間欠的な投与量はブルッフ膜のドルーゼンの減少した大きさおよび数を維持するために投与できる。ドルーゼン中の脂質の減少した体積を維持するために患者の生涯にわたる間欠的な投与量は、本発明の範囲内である。
特定の実施態様において、ETC−642の単回高用量が患者に静脈内投与される。他の実施態様では、ETC−642の1またはそれ以上の高用量が患者に投与され、続いて1またはそれ以上の同一またはより低いETC−642の投与量が投与される。さらに、ETC−642の1またはそれ以上の低用量が患者に投与され、続いて1またはそれ以上の同一またはより高いETC−642の投与量が投与されることが含まれる反対のレジュメも使用できる。黄斑変性(例えば、湿潤型)のより進行したステージについては、特定の実施態様ではより高い投与量が最初に送達される。
特定の実施態様において、ETC−642は静脈内注入として投与される。特定の実施態様では、この組成物および方法は静脈内プッシュ注入としての投与を含む。特定の実施態様では、ETC−642は、短時間、例えば5分まで、例えば2〜5分までの静脈内プッシュ注入で、静脈内投与される。特定の実施態様では、ETC−642の投与は連続的静脈内注入を含む。特定の実施態様では、ETC−642は、一定の時間、例えば約1時間から3時間、好ましくは約30分から120分にわたって、連続的静脈内注入により投与される。連続的静脈内注入は、注入ポンプまたは器具により投与される。特定の実施態様では、ETC−642の投与は、連続的静脈内注入と静脈内プッシュ注入(「ボーラス投与量」)との組合せであっていい。ボーラス投与量は、連続注入の前、後またはその間に投与できる。
この組成物および方法はETC−642の静脈内注入を提供する。全ての適切な血管が注入のために用いることができ、これには末梢血管、例えば腕の肘前の窩、または胸の大静脈の中心線が含まれる。特定の実施態様では、医薬製剤は、頭部または肘正中皮静脈中に患者の腕の肘前窩で注入される。
ETC−642の投与のタイミング
特定の実施態様では、加齢性黄斑変性または関連症状の治療方法は、ETC−642のほぼ週毎、ほぼ1週間おき、ほぼ4、5、6、7、8〜10または11〜14日毎に、それを必要とする患者に投与することを含んでいる。一つの実施態様では、ETC−642はほぼ7日毎に投与できる。特定の実施態様では、ETC−642の投与は6ヶ月または一年毎の一回投与であっていい。特定の実施態様では、投与は、約1週間、約2週間、約3週間、約5週間、約6週間、約7〜12週間、約13〜24週間または約25〜52週間、続けられる。特定の実施態様では、ETC−642の投与は、約5週間にわたってほぼ7日毎である。特定の実施態様では、投与は、例えば約5週間後から間欠的であっていい。例えば、患者は、約5週間は週に1回、そして次の1年は約3から約4回治療される。特定の実施態様では、本願に記載の医薬製剤は、ブルッフ膜中のドルーゼンの減少した大きさおよび数を維持するために間欠的に患者に投与できる。例えば、ETC−642の適切な投与量を約7週間はほぼ10日毎に投与し、そして次に、例えば、その後約26週間または約52週間投与される。
特定の実施態様では、加齢性黄斑変性または関連症状の治療方法は、ETC−642のほぼ週毎、ほぼ1週間おき、ほぼ4、5、6、7、8〜10または11〜14日毎に、それを必要とする患者に投与することを含んでいる。一つの実施態様では、ETC−642はほぼ7日毎に投与できる。特定の実施態様では、ETC−642の投与は6ヶ月または一年毎の一回投与であっていい。特定の実施態様では、投与は、約1週間、約2週間、約3週間、約5週間、約6週間、約7〜12週間、約13〜24週間または約25〜52週間、続けられる。特定の実施態様では、ETC−642の投与は、約5週間にわたってほぼ7日毎である。特定の実施態様では、投与は、例えば約5週間後から間欠的であっていい。例えば、患者は、約5週間は週に1回、そして次の1年は約3から約4回治療される。特定の実施態様では、本願に記載の医薬製剤は、ブルッフ膜中のドルーゼンの減少した大きさおよび数を維持するために間欠的に患者に投与できる。例えば、ETC−642の適切な投与量を約7週間はほぼ10日毎に投与し、そして次に、例えば、その後約26週間または約52週間投与される。
この治療により処置される患者および疾患
本発明は加齢性黄斑変性または関連障害または形態(湿潤型、乾燥型、早期、後期)を治療するための新規な組成物および方法を提供する。
本発明は加齢性黄斑変性または関連障害または形態(湿潤型、乾燥型、早期、後期)を治療するための新規な組成物および方法を提供する。
ある実施態様では、本発明の組成物および方法は、加齢性黄斑変性または関連障害の兆候または症状を有する患者の治療をするものである。加齢性黄斑変性(AMDR)は、視力の障害および拡張した眼の検査における特徴的な所見の存在に基づいている。乾燥型のARMDの患者では、拡張した眼の検査でドルーゼンがみられる。そうした患者では、網膜の幾何学的萎縮の円形または長円形のパッチが、脱色素化した領域として明らかであり、RPEの色素のまだら模様を伴った色素の増加が見られるだろう。湿潤型のARMDの患者では、拡張した検査で、網膜下液体、出血、および脂質の流出が観察されるだろう。そうした患者では、斑領域での灰色がかった変色として血管新生が現れるだろう。さらなる加齢性黄斑変性(AMDR)に関する情報、例えば、疫学、病因論/危険因子、臨床的発現、診断、治療および予防については、Jorge G. Arroyoの「Age-related macular degeneration −I and II」、UpToDate(オンラインサービス)(2005年9月19日に最終的に修正された)に含まれており、これは参照によって本願に組み入れられる。
一つの実施態様では、本発明の組成物および方法は、加齢性黄斑変性または関連障害を発症する危険性のある患者の治療を提供する。いくつかの可能性のある危険因子が同定されてきており、その中で年齢および喫煙だけが確実に危険性を増やすと考えられる因子である。さらなる危険因子は、上記のJorge G. Arroyoの「Age-related macular degeneration −I and II」、UpToDate(オンラインサービス)に記載されている。
本発明の様々な実施態様が記載されてきた。この記載および例示は本発明を説明するためであって、限定するものではない。実際、当業者には、記載された本発明の実施態様の様々な実施態様に対して、本発明の精神または下記に付した特許請求の範囲から離れることなく、修正が可能であることが明らかであろう。全ての引用した参考文献は参照によりそれらの全体が本願に組み込まれる。
Claims (15)
- ペプチドが配列番号1の配列のペプチドである、ペプチド/リン脂質複合体の、それを必要とする患者の加齢性黄斑変性(ARMD)の治療または予防用の医薬を製造するための使用。
- リン脂質が、ホスファチジルコリン、卵ホスファチジルコリン、大豆ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジラウリルホスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ミリストイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ステアロイルホスファチジルコリン、1−ステアロイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン、1−オレオイル−2−パルミチルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジラウロイルホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ジミリストイルホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジン酸、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルセリン、脳ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、脳スフィンゴミエリン、ジパルミトイルスフィンゴミエリン、および、ジステアロイルスフィンゴミエリン、から成る群から選択される、請求項1に記載の使用。
- リン脂質が、ジパルミトイルホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、および、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン、から成る群から選択される、請求項2に記載の使用。
- ペプチド/リン脂質複合体が、配列番号1の配列のペプチド、スフィンゴミエリン、および、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンを含有する、請求項1に記載の使用。
- ペプチド/リン脂質複合体が、配列番号1の配列のペプチド、スフィンゴミエリン、および、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンから本質的に成る、請求項1に記載の使用。
- ペプチド/リン脂質複合体が、約1mg/kg〜約20mg/kgの静脈内投与量で投与される、請求項1に記載の使用。
- ペプチド/リン脂質複合体が、約5mg/kg〜約10mg/kgの静脈内投与量で投与される、請求項6に記載の使用。
- ペプチド/リン脂質複合体が、約0.2〜約1mg/kgの眼内投与量で投与される、請求項1に記載の使用。
- ペプチド/リン脂質複合体が、約0.2mg/kgの眼内投与量で投与される、請求項8に記載の使用。
- ペプチド/リン脂質複合体が、約0.5mg/kgの眼内投与量で投与される、請求項8に記載の使用。
- ペプチド/リン脂質複合体が、約1mg/kgの眼内投与量で投与される、請求項8に記載の使用。
- ARMDが、非滲出型または乾燥型加齢性黄斑変性である、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。
- ARMDが、滲出型または湿潤型加齢性黄斑変性である、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。
- 複合体が、医薬製剤として投与される、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。
- 医薬製剤が、無菌液体医薬製剤である、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。
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