以下、この発明の実施の一形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、この発明が適用されたミュージックサーバおよびミュージックサーバを用いたシステムを概略的に示す。ミュージックサーバ50は、サーバ本体51と左右のスピーカユニット52L,52Rとからなる。サーバ本体51には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)パネルからなる表示部53と、CDを挿入するためのCD挿入部54とが設けられる。
なお、図1では省略されているが、サーバ本体51の機能をユーザが操作するための操作部がサーバ本体51に対して設けられる。さらに、サーバ本体51の機能をリモートコマンダによって遠隔操作するための、例えば赤外線信号を受信する信号受信部を設けるようにしてもよい。また、サーバ本体51は、CPUを有し、予め例えばROMに格納される所定のプログラムで制御される。
ユーザは、CD55をCD挿入部54にセットし、操作部で所定の操作を行うことで、CD55を再生させ、再生された例えば音楽をスピーカユニット52L,52Rによって楽しむことができる。また、CD55がテキストデータを含むCDテキストである場合は、表示部53に所定のテキストデータを表示させるようにできる。
ミュージックサーバ50は、内部に例えばハードディスクによる大容量の記録媒体を有している。所定の操作に基づき、CD挿入部54にセットされたCD55の音楽データを、この記録媒体に記録することができる。この際、CD55の再生速度と同一の1倍速で記録する方法と、再生速度より高速に記録を行う高速記録とが選択できる。高速記録は、所定の手続きで以って課金処理を行うことによって選択ならびに実行が可能とされる。
ミュージックサーバ50において、音楽データは、所定の方法で圧縮符号化され圧縮音楽データとされて記録され、例えば6GByteの容量を持つハードディスクに対して、1000曲程度を格納できる。ハードディスクに格納された曲目のリストが例えば表示部53に表示され、ユーザは、この表示に基づき任意の曲を選択して再生させることができる。また、ハードディスクは、ランダムアクセスが可能であるため、多数格納された音楽データを任意の順序で連続再生させることが可能である。
圧縮符号化には様々な方法を用いることが可能であるが、この例では、ATRAC2(Adaptive Transform Acoustic Coding 2) と称される方法が用いられている。これは、MDに用いられる圧縮符号化方式である、ATRACを発展させたもので、聴覚の性質に基づくマスキング効果および最小可聴限の周波数依存性を利用し、変換符号化とエントロピー・コーディングとを併用して音声データの圧縮符号化を行う。比較的小規模なハードウェアで、高音質を維持しつつ、高速にエンコード/デコードを行うことができる。
このミュージックサーバ50は、例えば公衆電話回線である通信回線61を介して外部のシステム、例えばインターネットに接続されたサーバであるインターネットサーバ60に接続できる。ミュージックサーバ50から通信回線61を介してこのインターネットサーバ60に接続することで、インターネット上にある様々な情報を得ることができる。インターネットサーバ60は、例えば市販の音楽CDのタイトル情報を格納したデータベースを有する。このデータベースに対して所定のキーを与えることで、CDに付随したデータ、例えばCDのタイトル情報を得ることができる。
また、インターネットサーバ60では、サービスに応じてミュージックサーバ50に対する課金処理も行う。上述した、CD55の高速記録は、インターネットサーバ60に対してミュージックサーバ50が通信を行うことによって課金処理がなされ、選択ならびに実行が可能とされる。
なお、ここでは、課金処理を、CDの付加情報を多数有するインターネットサーバ60で行うこととしたが、これはこの例に限定されない。例えば、インターネットに接続された別のサーバでこの課金処理を行うようにしてもよい。また、インターネットとは別の、例えば専用のネットワークで以って課金処理を行うようにすることも可能である。
携帯記録再生装置70は、ハードディスクあるいはフラッシュメモリ(フラッシュRAM)からなる記録媒体を有する。音楽の再生速度に追従できるのであれば、他の記録媒体を利用することもできる。この携帯記録再生装置70を接続線71で以ってミュージックサーバ50と接続することによって、ミュージックサーバ50に記録されている音楽データを携帯記録再生装置70に転送し、記録媒体に記録することができる。このとき、ミュージックサーバ50側では、転送された音楽データは、記録媒体上には存在するが再生不可の状態にされる。携帯記録再生装置70で用いられる記録媒体は、例えば200MByte程度の容量とされ、数10曲分の音楽データの格納が可能とされる。
ここで、この発明において用いられる上述の転送方法、すなわち、音楽データを転送した場合、転送先の記録媒体に音楽データが記録されると共に、転送元の記録媒体においては、転送された音楽データが記録媒体上には存在するが再生不可の状態にされることを、「移動」と称する。音楽データをこのように移動することで、音楽データの無制限な複製を防ぐことができる。
なお、上述では、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70とが接続線71で接続されるとしたが、これはこの例に限定されない。例えば、ミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70とに、互いに対応する装着部を設け、ミュージックサーバ50に対して携帯記録再生装置70を直接的に装着してデータのやり取りを行うようにできる。また、電気的な接続だけでなく、例えば赤外線信号によりデータのやり取りを行うIrDA(Infrared Data Association) に対応したインターフェイスを双方に設け、赤外線信号により音楽データの転送を行うようにしてもよい。
この携帯記録再生装置70は、乾電池や充電池などによるバッテリ電源によって駆動される。例えば、ミュージックサーバ50には対応する充電電源が設けられており、ミュージックサーバ50とこの携帯記録再生装置70とを所定の方法で接続することによって、携帯記録再生装置70の充電池に対して充電することができる。勿論、専用の充電電源を用いて携帯記録再生装置70の充電池に対して充電するようにもできる。また、携帯記録再生装置70は、バッテリ電源に限らず、例えば外部AC電源によって駆動することもできる。
さらに、ミュージックサーバ50に対して所定のインターフェイスを設けることで、様々なメディアと情報交換を行うことができるようになる。例えば、PCカード80に対応したインターフェイスを設けることで、PCカード80で配信される音楽データをミュージックサーバ50に取り込んだり、パーソナルコンピュータとミュージックサーバ50との間でデータのやり取りを行うことが可能となる。光ケーブルなどによるシリアルなディジタルインターフェイスを設けることによって、例えばMDレコーダ81のような、他のディジタル音楽データ記録再生装置との音楽データのやり取りを行うことが可能となる。この例では、MDレコーダ81にMD82が装着され、MD82から再生された音楽データがミュージックサーバ50に対して供給される。同様にして、IEEE1394などのインターフェイスを設け、例えばCATV(Cable Television)や衛星放送などのためのセットトップボックス83を接続するようにもできる。
なお、PCカードは、米国のPCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)と日本のJEIDA(日本電子工業振興会)の共同制定による、パーソナルコンピュータ用のカード型周辺機器の規格である。また、IEEE1394は、米国電気電子技術者協会に採択されたインターフェイス規格である。
ミュージックサーバ50は、内蔵アプリケーションとして、WWW(World Wide Web)ブラウザを持つようにできる。通信回線61を介してインターネットサーバ60と接続することによって、インターネット上にある、例えばHTML(Hypertext Markup Language) によって記述された様々なコンテンツを検索し、表示部53上に表示させることができる。
このような構成で以って、ユーザは、例えばミュージックサーバ50に格納されている音楽データを再生してスピーカユニット52L,52Rで聴くことができると共に、CD55をCD挿入部54にセットして、CD55を再生することができる。CD55を再生する際には、CD55のTOC(Table Of Contents) 情報が読み取られ、例えばトラック番号が表示部53に表示される。
また、ミュージックサーバ50とインターネットサーバ60とで通信を行うことによって、CD挿入部54にセットされたCD55のタイトル情報などを、通信回線61を介して自動的に得ることができる。得られた情報は、ミュージックサーバ50内に保存されると共に、必要に応じて表示部53に表示される。
より具体的には、ミュージックサーバ50からインターネットサーバ60に対して、ユーザIDなどのユーザ情報が送られる。インターネットサーバ60側では、受け取ったユーザ情報に基づき、照合処理や課金処理が行われる。また、ミュージックサーバ50からインターネットサーバ60に対して、メディア情報が送られる。インターネットサーバ60では、受け取ったメディア情報に基づき、例えば曲のタイトル,演奏者名,作曲者や作詞者名,歌詞,ジャケットイメージといった、音楽データに対する付加情報の検索が行われる。そして、インターネットサーバ60では、ユーザから要求された所定の情報をミュージックサーバ50に返信する。
例えば、メディア情報として、CD55のTOC情報をインターネットサーバ60に対して送る。インターネットサーバ60には、このTOC情報をキーとして上述の音楽データに対する付加情報が検索可能なデータベースが構築されている。インターネット上の他のWWWサーバを検索することで付加情報を得るようにしてもよい。インターネットサーバ60によって、受け取ったTOC情報に基づき、音楽データの付加情報が検索される。これは、例えば、TOCに含まれる、CD55に収録されている楽曲それぞれの時間情報に基づき検索することが可能である。
検索されて得られた付加情報がインターネットサーバ60からミュージックサーバ50に対して送られる。ミュージックサーバ50では、受け取った付加情報が表示部53に表示される。なお、付加情報をHTMLファイルに埋め込んで送ることで、ミュージックサーバ50において、内蔵されるWWWブラウザで付加情報の表示を行うことができる。
なお、付加情報にインターネット上の他のURL(Uniform Resource Locator)が記述されていれば、このミュージックサーバ50においてそのURLで示される、インターネット上のホームページなどにアクセスするようにできる。
さらに、インターネットサーバ60と通信を行うことによって、CD挿入部54にセットされたCD55の音楽データを、ミュージックサーバ50の記録媒体に、CD55の規定の再生速度よりも高速で、例えばCD55の1枚分の音楽データを2分程度で記録することができる。インターネットサーバ60と通信を行わないときには、規定の再生速度と等速の1倍速での記録となる。
さらにまた、携帯記録再生装置70と接続線71で接続することで、ミュージックサーバ50に格納されている音楽データを携帯再生装置71に転送して移動することができる。移動された音楽データは、接続線71による接続がなされていない状態でも、携帯記録再生装置70で再生することができ、例えばヘッドホン72で聴くことができる。転送され移動された音楽データは、ミュージックサーバ50では、再生不可の状態とされる。
図2は、ミュージックサーバ50の構成の一例を示す。先ず、このミュージックサーバ50において、通常のパーソナルコンピュータの構成と同様に、互いにバスで結合されたRAM5,ROM6,フラッシュRAM7,およびCPU8とが設けられる。CPU8がバス40に接続される。CPU8により、ミュージックサーバ50の全体の動作が制御される。
ROM6には、このミュージックサーバ50の動作を制御するためのプログラムが予め記憶される。ミュージックサーバ50において、このプログラムに基づき、後述する入力手段1の操作に対応した動作がなされる。RAM5,フラッシュRAM7には、プログラムを実行する上でのデータ領域、タスク領域が一時的に確保される。または、ROM6にはプログラムローダが記憶されており、そのプログラムローダにより、フラッシュRAM7にプログラム自体がロードされることも可能である。
入力手段1は、例えば、プッシュ式および回動式のキーからなる。入力手段1は、これに限らず、ジョグダイヤルと呼ばれる回動プッシュ式のキー、LCD上のタッチパネルなどでもかまわない。勿論、押下することで反応するスイッチ機構を用いることもできる。この入力手段1の操作に応じた信号がバス40を介してCPU8に供給される。CPU8において、この信号に基づきミュージックサーバ50の動作を制御するための制御信号が生成される。ミュージックサーバ50は、この制御信号に応じて動作される。
バス40に対して、赤外線インターフェイス(IrDA I/F)ドライバ3および/またはUSB(Universal Serial Bus)ドライバ4が接続される。これらのドライバに対してキーボード2が通信あるいは接続可能なようにされている。キーボード2を用いることによって、例えば記録される音楽データに対応する曲名、アーティスト名等の入力が容易にされる。また、赤外線インターフェイスドライバ3あるいはUSBドライバ4を介してデータ転送を行うように構成してもよい。なお、これら赤外線インターフェイス3およびUSBドライバ4は、省略することが可能である。
CD−ROMドライブ9がバス40に接続され、CD−ROMドライブ9に対して上述のCD55がセットされる。このCD−ROMドライブ9では、セットされたCD55から規定の再生速度で以って音楽データが読み出される。また、このCD−ROMドライブ9では、規定の再生速度よりも高速な、例えば規定の再生速度の16倍や32倍といった速度で、CD55の音楽データを読み出すことができる。
なお、CD−ROMドライブ9は、この例に限らず、音楽データが記憶されている他のメディア、例えば光磁気ディスクやDVD(Digital Versatile Disc:商標) に対応するようにしてもよい。また、メモリカードに対応したドライブを用いることもできる。さらに、CD−ROMドライブ9から読み出されるデータは、音楽データに限られない。画像データやテキストデータ、プログラムデータなどを読み出すようにもできる。
バス40に対して、ハードディスクドライブHDD10が接続される。HDD10には、CD−ROMドライブ9から読み出された音楽データが記録される。HDD10に音楽データが記録される前処理として、CD−ROMドライブ9で読み出された音楽データは、バス40ならびにオーディオ用のDRAM11を介して、圧縮エンコーダ12に供給される。
圧縮エンコーダ12では、例えば、上述したATRAC2によって音楽データの圧縮符号化がなされる。なお、圧縮エンコーダ12による音楽データの圧縮の速度は、CPU8の制御に基づき、低速および高速の2つの速度が用意される。低速圧縮は、CD−ROMドライブ9での1倍速の再生速度に対応する。圧縮の速度は、例えばCD−ROMドライブ9による再生速度に応じて切り替えられる。圧縮エンコーダ12において、例えば、圧縮速度に応じたエンコードアルゴリズムが駆動される。
なお、圧縮エンコーダ12における圧縮速度の変更は、この方法に限定されない。例えば、圧縮エンコーダ12のクロック周波数を切り替えることによって行ってもよい。また、それぞれ別のハードウェアを用意するようにしてもよい。さらに、高速圧縮が可能な圧縮エンコーダ12において、処理を間引きして行い低速圧縮とすることも可能である。
圧縮エンコーダ12で圧縮符号化された圧縮音楽データは、DRAM11を介してHDD10に記録され蓄積される。
ここで、圧縮エンコーダ12により圧縮符号化された圧縮音楽データがHDD10に蓄積されるように構成されているが、CD−ROMドライブ9から読み出される音楽データを直接的にHDD10に記録ならびに蓄積するようにもできる。
また、この例では、端子13に接続されたマイクロホンからアンプ14を介して入力される音声信号や、ライン入力端15から入力される音声信号がA/Dコンバータ16を介して圧縮エンコーダ12に供給される。これらの音声信号を圧縮符号化してHDD10に対して記録することができる。さらに、光ディジタル信号が光ディジタル入力端17からIEC958(International Electrotechnical Commission 958 )エンコーダ18を介して圧縮エンコーダ12に供給される。光ディジタル信号として供給された音声信号を圧縮符号化してHDD10に記録することが可能である。勿論、これらの信号入力手段を全て有している必要はない。
なお、上述では、圧縮エンコーダ12は、ATRAC2をエンコードアルゴリズムとして用いているとしたが、これはこの例に限定されない。すなわち、圧縮エンコーダ12では、情報圧縮されるエンコードアルゴリズムであれば、他のものを用いることも可能である。例えば、ATRAC(商標)、MPEG(moving picture coding experts group )、PASC(precision adaptive sub-band coding)、TwinVQ(商標)、RealAudio(商標)、LiquidAudio(商標)といったエンコードアルゴリズムを用いるようにしてもよい。
バス40に対してモデム20が接続される。モデム20には、例えば公衆電話回線やCATV、あるいはワイヤレス通信といった外部ネットワーク19が接続される。このミュージックサーバ50は、モデム20によって外部ネットワーク19を介しての通信が可能とされる。
外部ネットワーク19を介して、ミュージックサーバ50が例えばインターネットに接続され、ミュージックサーバ50と、遠隔地のインターネットサーバ60との間で通信が行われる。ミュージックサーバ50からインターネットサーバ60に対して、リクエスト信号やCD−ROMドライブ9にセットされるCD55に関連する情報であるメディア情報、ミュージックサーバ50のそれぞれに予め与えられたユーザIDならびにユーザ情報、また、ユーザに対する課金情報などの各種情報が送出される。
これらの情報がインターネットサーバ60に受け取られ、受け取ったユーザIDなどのユーザ情報に基づき、照合処理や課金処理が行われると共に、受け取ったメディア情報に基づき、音楽データの付加情報が検索され、ミュージックサーバ50に返される。
ここでは、音楽データの付加情報を返信する例を示したが、ユーザの要求に基づき、音楽データが外部ネットワーク19から直接的に供給されるようにすることも可能である。すなわち、ユーザは、ミュージックサーバ50を用いてインターネットサーバ60から音楽データのダウンロードするようにできる。また、メディア情報に対応して音楽データが返信されるようにできる。これによれば、例えば、所定のCD55のボーナストラックが配信により取得されるようにできる。
圧縮エンコーダ12により圧縮符号化されてHDD10に記録され蓄積された圧縮音楽データは、再生のために読み出されると、バス40を介して圧縮デコーダ21に供給される。圧縮音楽データは、圧縮デコーダ21で圧縮符号化を解かれ、D/Aコンバータ22およびアンプ23を介して端子24に導出される。そして、端子24からスピーカユニット52L,52Rに対して供給され、音楽が再生される。なお、図2では省略されているが、D/Aコンバータ22からアンプ23を介して端子24に到る経路は、ステレオ出力に対応して2系統設けられる。同様に、端子24も、ステレオに対応して2つ存在する。
なお、圧縮デコーダ21では、圧縮エンコーダ12におけるエンコードアルゴリズムに対応したデコードアルゴリズムが用いられる。また、この圧縮デコーダ21および上述の圧縮エンコーダ12は、ハードウェアを持たずに、CPU8によるソフトウェア処理であってもよい。
表示部53を構成するLCD26がLCDドライバ25を介してバス40に接続される。CPU8からバス40を介してLCDドライバ25に対して描画制御信号が供給される。この信号に基づきLCDドライバ25によってLCD26が駆動され、所定の表示がなされる。
LCD26には、例えば、ミュージックサーバ50の操作メニューが表示される。また、LCD26には、HDD10に記録され蓄積された圧縮音楽データの、例えばタイトルリストが表示される。さらに、LCD26には、例えば選択され再生される圧縮音楽データに対応するフォルダやジャケットイメージが表示される。
このLCD26の表示に基づき、入力手段1としてのポインティングデバイスや、キーボード2を操作することで、指示された音楽データが再生制御される。また、選択された音楽データの消去や、選択された音楽データの外部の機器への複製や移動の制御も、LC26の表示に基づき行うことが可能である。例えば、入力手段1がLCD26上に設けられたタッチパネルである場合、LCD26の表示に従いタッチパネルを触れることで、ミュージックサーバ50の操作を行うことができる。このように、LCD26をインターフェイスとして、HDD10に記録され蓄積された音楽データがユーザにより管理ならびに制御される。
この実施の第1の形態では、ミュージックサーバ50と外部の一般的な情報機器とのインターフェイスとして、IEEE1394とPCカードに対応している。バス40に対して、IEEE1394ドライバ29を介してIEEE1394インターフェイス28が接続される。同様に、バス40に対して、PCカードドライバ30を介してPCカードスロット31が接続される。
IEEE1394インターフェイス28によって、ミュージックサーバ50と例えばパーソナルコンピュータとの間で、データのやり取りを行うことができる。また、IEEE1394インターフェイス28によって、衛星放送用のIRD(Integrated Receiver / Decoder)や、MD、DVD、ディジタルビデオなどから音楽データを取り込むようにできる。さらに、PCカードスロット31にPCカードを装着することで、外部記憶装置やその他のメディアドライブ、あるいは、モデム,ターミナルアダプタ,キャプチャボードなどの様々な周辺機器の拡張が容易である。
インターフェイス34は、このミュージックサーバ50と、対応する他の記録再生装置との間で音楽データなどのやり取りを行うためのインターフェイスである。他の記録再生装置には、例えば上述の図1に示される、携帯記録再生装置70が適用される。これに限らず、他の記録再生装置は、別のミュージックサーバ50であってもよい。
バス40に対して、インターフェイスドライバ33を介してインターフェイス34が接続される。対応する他の記録再生装置には、インターフェイス34と対になるインターフェイス35が設けられている。インターフェイス34および35とを所定の接続線71で電気的に接続することで、例えば、HDD10に記録され蓄積された音楽データを、ミュージックサーバ50から他の記録再生装置に転送することができる。
ミュージックサーバ50の各部に対して、電源ユニット45から電源が供給される。また、電源ユニット45は、携帯記録再生装置70に対して充電を行うための機能も有する。さらに、CPU8によって電源ユニット45の所定の機能を制御することができる。図2では省略されているが、ミュージックサーバ50には充電電力を出力するための充電端子が設けられる。
図3は、CD−ROMドライブ9で読み出された音楽データがHDD10に記録されるまでの信号フローを、概略的に示す。CD−ROMドライブ9から読み出された音楽データは、バス40を介して、一旦バッファメモリとしてのDRAM11に記憶される。そして、DRAM11から音楽データが所定のタイミングで読み出され、バス40を介して圧縮エンコーダ12に供給される。圧縮エンコーダ12は、上述のステップS13あるいはステップS14で、所定の圧縮速度とされている。音楽データは、圧縮エンコーダ12で圧縮符号化され、再びバッファメモリとしてのDRAM11に一旦格納される。そして、DRAM11から所定のタイミングで読み出された圧縮音楽データがバス40を介してHDD10に供給され、記録される。
図4は、HDD10から読み出された圧縮音楽データが再生処理されて端子24に導出されるまでの信号フローを、概略的に示す。HDD10から読み出された圧縮音楽データは、バス40を介して、バッファメモリとしてのDRAM11に一旦記憶される。そして、DRAM11から圧縮音楽データが所定のタイミングで読み出され、バス40を介して圧縮デコーダ21に供給される。圧縮音楽データは、圧縮デコーダ21で圧縮符号化を解かれ、音楽データとされてD/Aコンバータ22に供給される。そして、音楽データは、D/Aコンバータ22でアナログ音声信号に変換され、アンプ23で増幅され端子24に再生出力として導出される。端子24にスピーカが接続されていれば、スピーカで再生された音楽を楽しむことができる。
図5は、この他の記録再生装置として用いられる、携帯記録再生装置70の構成の一例を示す。この携帯記録再生装置70は、概ね、上述の図2に示したミュージックサーバ50と同等の構成を有する。また、この携帯記録再生装置70は、通常は、ミュージックサーバ50側のインターフェイス34と携帯記録再生装置70側のインターフェイス35とが切り離され、単体として携帯されて用いられる。
先ず、この携帯記録再生装置70において、通常のパーソナルコンピュータの構成と同様に、互いにバスで結合されたRAM103,ROM104,およびCPU105とが設けられる。勿論、上述のミュージックサーバ50の構成と同様に、フラッシュRAMを設けるようにしてもよい。CPU105がバス130に接続される。CPU105により、携帯記録再生装置70の全体の動作が制御される。
ROM104には、この携帯記録再生装置70の動作を制御するためのプログラムが予め記憶される。携帯記録再生装置70において、このプログラムに基づき、後述する入力手段102の操作に対応した動作がなされる。RAM103には、プログラムを実行する上でのデータ領域、タスク領域が一時的に確保される。
入力手段102は、例えば、プッシュ式および回動式のキーからなる。入力手段102は、これに限らず、ジョグダイヤルと呼ばれる回動プッシュ式のキー、LCD上のタッチパネルなどでもかまわない。勿論、押下することで反応するスイッチ機構を用いることもできる。この入力手段102の操作に応じた信号がバス130を介してCPU105に供給される。CPU105において、この信号に基づき携帯記録再生装置70の動作を制御するための制御信号が生成される。携帯記録再生装置70は、この制御信号に応じて動作される。
ミュージックサーバ50において、HDD10から読み出され、この携帯記録再生装置70に対する転送を指示された音楽データは、インターフェイス34,インターフェイス35,およびインターフェイス34とインターフェイス35とを接続する接続線を介して、この携帯記録再生装置70に転送され供給される。また、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70とに、互いに対応する装着部が設けられている場合は、インターフェイス34とインターフェイス35とが直接的に接続され、音楽データの転送が行われる。さらに、IrDAによるインターフェイスが設けられている場合は、赤外線信号で以って音楽データの転送が行われる。
転送され供給された音楽データは、インターフェイスドライバ101からバス130を介して、この携帯記録再生装置70の音楽データ記録媒体であるHDD106に記録される。
なお、この携帯記録再生装置70では、音楽データ記録媒体は、HDD106に限らず、例えばフラッシュRAMを用いることもできる。また、音楽データの再生速度に追従できるものであれば、例えば光磁気ディスクといった、他の記録媒体メディアを利用することもできる。音楽データ記録媒体としては、例えば200MByte程度の容量のものを用いることによって、数10曲が記録可能である。
ところで、この例では、転送されHDD106に記録される音楽データは、既にミュージックサーバ50において圧縮符号化されが圧縮音楽データである。この携帯記録再生装置70では、この例に限らず、圧縮符号化されていない音楽データを供給され、HDD106に記録することもできる。例えば、ミュージックサーバ50のCD−ROMドライブ9にセットされたCD55から再生され読み出された音楽データを、インターフェイスドライバ101を介して、直接的にこの携帯記録再生装置70に供給する。但し、この場合には、記録可能な音楽データの数が大幅に制限されることはいうまでもない。
HDD106に音楽データが記録される前処理として、供給された音楽データは、バス130に接続されるオーディオ用のDRAM107に対して一時的に記憶される。そして、その音楽データがバス130を介して圧縮エンコーダ108に供給される。圧縮エンコーダ108は、ミュージックサーバ50における圧縮エンコーダ12と同等のエンコードアルゴリズム(この例ではATRAC2)によって音楽データの圧縮符号化を行う。圧縮符号化された圧縮音楽データは、DRAM107に供給され、再び一時的に記憶される。最終的に、このDRAM107に記憶された圧縮音楽データが読み出され、HDD106に記録される。
なお、上述したように、ミュージックサーバ50においてHDD10に蓄積されている圧縮音楽データが移動を指示されてこの携帯記録再生装置70に転送されたときには、HDD10におけるその圧縮音楽データは、HDD10上に存在するが再生不可の状態とされる。また、移動された圧縮音楽データは、再び移動元の記録媒体に戻されることで、移動元において再生可能とされる。このとき、移動先の記録媒体からは、その圧縮音楽データが削除される。
また、この例では、端子109に接続されたマイクロホンからアンプ110を介して入力される音声信号や、ライン入力端111から入力される音声信号がA/Dコンバータ112を介して圧縮エンコーダ108に供給される。これらの音声信号を圧縮符号化してHDD106に対して記録することができる。さらに、光ディジタル信号が光ディジタル入力端113からIEC958エンコーダ114を介して圧縮エンコーダ108に供給される。光ディジタル信号として供給された音声信号を圧縮符号化してHDD106に記録することが可能である。勿論、これらの信号入力手段を全て有している必要はないし、再生専用の携帯再生装置であれば、これらの信号入力手段を全て省略することも可能である。
HDD106から圧縮音楽データが再生のために読み出され、バス130を介して圧縮デコーダ115に供給される。圧縮デコーダ115で圧縮符号化を解かれた音楽データは、D/Aコンバータ116およびアンプ117を介して端子118に導出される。端子118には、例えばヘッドホン72接続される。ユーザは、このヘッドホンを装着することによって、再生された音楽を聴くことができる。なお、図5では省略されているが、D/Aコンバータ116からアンプ117を介して端子118に到る経路は、ステレオ出力に対応して2系統設けられる。同様に、端子118も、ステレオに対応して2つ存在する。
LCD120がLCDドライバ119を介してバス130に接続される。CPU105からバス130を介してLCDドライバ119に対して描画制御信号が供給され、LCD120が駆動されて所定の表示がなされる。LCD120には、携帯記録再生装置70の操作メニューやHDD106に記録された音楽データのタイトルリストなどが表示される。LCD120に対して、例えば選択され再生される音楽データに対応するフォルダやジャケットイメージを表示させるようにしてもよい。
このLCD120の表示に基づき、入力手段102としてのポインティングデバイスを操作することで、指示された圧縮音楽データが再生制御される。また、選択された圧縮音楽データの消去や複製ならびに移動の制御も、LC120の表示に基づき行うことが可能である。例えば、LCD120の表示に従い、入力手段102としてのタッチパネルを触れることで、携帯記録再生装置70の操作を行うことができる。このように、LCD120をインターフェイスとして、HDD106に記録された圧縮音楽データがユーザにより管理ならびに制御される。
電源ユニット135からこの携帯記録再生装置70の各部に対して電源が供給される。電源ユニット135は、外部から電力を供給され充電される充電部からなる。充電部は、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70とが接続線あるいは装着部によって直接的に接続される場合、音楽データの転送と共に、ミュージックサーバ50から電力を供給され充電が行われる。勿論、外部の別の充電電源によって充電するようにもできる。なお、電源は、乾電池による電源を併用するようにしてもよい。
図6は、上述の携帯記録再生装置70の他の例を示す。なお、この図6において、上述の図5と共通する部位に対しては同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。図6に示される携帯記録再生装置70’は、上述の図5の構成に対して、HDD(あるいはフラッシュRAM)106’とバス130との間にスイッチ回路200が挿入される。スイッチ回路200の一方の選択端200aがバス130と接続され、他方の選択端200bがインターフェイス35と接続される。スイッチ回路200によって、HDD106’がバス130と分離される。
ミュージックサーバ50からの圧縮音楽データ転送の際は、スイッチ回路200において選択端200bが選択される。インターフェイス34および35を介して、HDD106’とミュージックサーバ50のバス40とが直接的に接続される。HDD106’は、恰もミュージックサーバ50の記録媒体であるかのように見える。ミュージックサーバ50のCPU8によって、HDD106’の直接的な制御が可能とされる。ミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70との間での、圧縮音楽データの移動や複写などを容易に行える。
次に、上述の構成で以ってなされる、この実施の一形態における動作について説明する。先ず、ミュージックサーバ50単独で実行される機能について説明する。図7は、CD−ROMドライブ9にセットされたCD55の音楽データを、ミュージックサーバ50のHDD10に記録する際の処理の一例のフローチャートである。
最初のステップS10では、ユーザによる、CD55の音楽データのHDD10への記録要求が待たれる。そして、例えばユーザによって入力手段1を用いて記録要求が出されると、処理はステップS11へ移行する。ステップS11では、要求された記録が高速記録か1倍速での記録かが判断される。例えば、上述のステップS10で記録要求が出される際に、ユーザによって、記録の方法、すなわち、記録を高速で行うか1倍速で行うかが共に指定される。
若し、ステップS11で、高速で記録を行うことが指定された場合、処理はステップS12に移行し、課金システムが起動される。課金システムによる処理は、後述する。課金処理が行われ、高速記録が許可されると、処理はステップS13に移行し、圧縮エンコーダ12において高速圧縮処理が起動される。そして、処理はステップS15へ移行する。
一方、ステップS11で1倍速で記録を行うことが指定された場合、処理はステップS14へ移行し、圧縮エンコーダ12で、低速圧縮処理が起動される。そして、処理はステップS15へ移行する。
ステップS15では、CPU8の制御に基づき、所定の速度で以ってCD−ROMドライブ9が駆動され、セットされたCD55に記録された音楽データが読み出される。読み出された音楽データは、圧縮エンコーダ12で圧縮符号化され、HDD10に対して転送され記録される。
ステップS16で、HDD10への圧縮音楽データの転送が終了したとされたら、次のステップS17でCD−ROMドライブ9からHDD10への転送が禁止とされ、さらに次のステップS18で圧縮エンコーダ12が停止される。
図8は、上述の図7のフローチャートのステップS12における課金処理の一例を示すフローチャートである。課金処理は、ミュージックサーバ50とインターネットサーバ60との間で通信が行われることによってなされる。図8Aは、ミュージックサーバ50での処理を示し、図8Bは、インターネットサーバ60での処理を示す。
課金処理が開始されると、先ず、図8Aの最初のステップS20で、ミュージックサーバ50とインターネットサーバ60との間で、所定のプロトコルで以って通信が開始される。ステップS21で、接続が確立され通信可能なことが確認されると、処理はステップS22に移行する。
ステップS22では、CD−ROMドライブ9にセットされHDD10に転送し記録するCD55のTOC情報がミュージックサーバ50からインターネットサーバ60に対して送出される。それと共に、高速記録を行う旨を示す高速記録情報がミュージックサーバ50からインターネットサーバ60に対して送出される。
一方、図8Bにおいて、インターネットサーバ60では、ミュージックサーバ50からの高速記録情報ならびにTOC情報が待たれる(ステップS30)。これらの情報が受信されたら、ステップS31で、TOC情報の検索が行われる。TOC情報を検索することによりCD55が特定される。
そして、次のステップS32で課金処理がなされる。課金は、例えば、予め登録されたユーザのクレジットカード番号に基づき、口座から引き落とされることで行うことができる。課金方法は、これに限らず、例えば、ミュージックサーバ50にプリペイドカードを読み取る機能を設けておき、設定された課金額がミュージックサーバ50に対して送出され、ユーザがプリペイドカードによって課金額を支払うという方法も考えられる。また、TOC情報に基づき、CD55の内容によって課金額を変えたり、HDD10への記録を禁止することもできる。
ステップS33で、課金情報がミュージックサーバ50に対して送出される。そして、図8Aにおいて、ミュージックサーバ50側で課金情報の確認がなされる(ステップS23)。また、インターネットサーバ60側でも、ミュージックサーバ50で課金情報が受信されたかどうかが確認される(ステップS34)。
図8Aに戻り、ステップS23で課金情報が確認されると、処理はステップS24に移行し、受信された課金情報などが表示部53に表示される。そして、ステップS25で、CD55の音楽データがCD−ROMドライブ9で高速で読み出され、圧縮エンコーダ12で高速圧縮がなされ、HDD10に対して記録される。このステップS25は、上述の図7におけるステップS15に対応する。
ところで、この実施の一形態では、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70との間で、連携動作が可能とされる。例えば、ミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70に対して音楽データを移動する際には、これらの間での連携動作がなされる。図9は、この移動の一例のフローチャートを示す。
先ず、最初のステップS40で、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70とが、インターフェイス34および35で接続されているかどうかが判断される。接続の検知は、例えばインターフェイス34および35との間で所定の信号のやり取りを行うことでなされる。また、これに限らず、ミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70とを接続する部分に、スイッチ機構を設け、機械的な手段で接続の検知を行うこともできる。
接続が確認されると、次のステップS41で、HDD10に記録され蓄積されている音楽データの、携帯記録再生装置70への移動が要求されているかどうかが判断される。例えば、表示部53に対してHDD10に蓄積されている圧縮音楽データがリスト表示され、ユーザによって、入力手段1としての所定のポインティングデバイスにより、このリスト表示から所定の圧縮音楽データが選択される。さらに、選択された圧縮音楽データに対して、携帯記録再生装置70への移動が指示される。
移動の指示の方法は、様々に考えられる。例えば、表示部53に移動を指示するボタンが表示され、このボタンを所定の方法で指定することで行うことができる。また例えば、圧縮音楽データを示すアイコンが表示され、このアイコンを、移動先の携帯記録再生装置70を示すアイコン上へと移動する、所謂ドラッグ&ドロップによって行うことも可能である。勿論、操作部に設けられたスイッチ機構の操作により移動の指示を行ってもよい。
ステップS41で圧縮音楽データの移動要求があるとされたら、ステップS42で、移動が指定された圧縮音楽データのファイルサイズが調べられる。そして、次のステップS43で、携帯記録再生装置70のHDD106の空き容量が調べられる。そして、このHDD106の空き容量と、ステップS42で調べられた移動が指定された圧縮音楽データのファイルサイズとが比較される。この比較結果に基づき、移動が指定された圧縮音楽データがこのHDD106に記録可能であるかどうかが判断される。若し、記録可能であるとされれば、処理はステップS45に移行し、圧縮音楽データの転送が開始される。
一方、ステップS43で、携帯記録再生装置70のHDD106に空き容量が不足していると判断されれば、処理はステップS44に移行する。ステップS44では、移動が指定された圧縮音楽データのHDD106への記録が可能なように、HDD106に既に記録されている圧縮音楽データが削除される。そして、処理はステップS45に移行する。
この圧縮音楽データの削除は、HDD106に既に記録されている圧縮音楽データの、所定のパラメータに基づき自動的になされる。例えば、携帯記録再生装置70において、HDD106に記録されている圧縮音楽データ毎に再生回数をカウントしておき、再生回数の少ないものから削除することが考えられる。また、HDD106に記録された日付の古い順に削除するようにもできる。
さらに、自動的に削除する際に、ユーザにとって重要な圧縮音楽データが削除されてしまうこともあり得る。これを防止するために、ミュージックサーバ50の表示部53や携帯記録再生装置70のLCD120に警告表示を行い、ユーザの確認を得てから削除するようにもできる。さらにまた、ミュージックサーバ50の表示部53や携帯記録再生装置70のLCD120に対して、HDD106に既に記録されている圧縮音楽データのリストを表示させ、削除する圧縮音楽データをユーザ自身が選択するという方法もとれる。
上述のステップS43およびステップS44の処理により、移動が指定された圧縮音楽データの、HDD106への記録が可能な状態にされると、ステップS45で、ミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70への圧縮音楽データの転送が開始される。すなわち、HDD10から読み出された圧縮音楽データは、バス40ならびにインターフェイス34を介して携帯記録再生装置70に供給される。携帯記録再生装置70において、この供給された圧縮音楽データがインターフェイス35にHDD106に記録される。
転送された圧縮音楽データは、ミュージックサーバ50側のHDD10にも転送前と同様に存在している。この実施の一形態では、HDD10に存在する、該当する圧縮音楽データの再生が禁止とされる(ステップS46)。例えば、圧縮音楽データに対して再生禁止を示す再生禁止フラグが立てられる。これにより、該当の圧縮音楽データがミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70へと、仮想的に移動されることになる。したがって、各圧縮音楽データは、常に一つしか存在しないように管理され、不正なデータの複製が防止される。
そして、次のステップS47では、次の圧縮音楽データの移動要求があるかどうかが判断される。若し、さらに圧縮音楽データの移動を行いたい場合には、処理はステップS42に戻される。これ以上のデータの移動要求が無い場合には、一連の移動の処理が終了される。
なお、上述では、図9のフローチャートのステップS42〜ステップS46で1つの圧縮音楽データを移動するように説明されているが、これはこの例に限定されず、複数の圧縮音楽データをまとめて移動するようにもできる。
また、上述では、ステップS46の処理で、移動元であるミュージックサーバ50のHDD10において、移動された圧縮音楽データは、再生禁止とされるだけで存在はしているように説明したが、これは例に限定されず、削除するようにしてもよい。
ところで、上述では、圧縮音楽データをミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70へ移動する例について説明したが、逆方向への移動、すなわち、携帯記録再生装置70のHDD106に記録されている圧縮音楽データを、ミュージックサーバ50のHDD10へと移動させることも、図9のフローチャートと同様の処理に従って実行が可能である。
このとき、ミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70へ移動した圧縮音楽データを、再び携帯記録再生装置70からミュージックサーバ50へ移動することによって、ミュージックサーバ50において、該当する圧縮音楽データの再生禁止フラグが解除される。すなわち、該当の圧縮音楽データは、再びミュージックサーバ50において再生することができるようになる。
ところで、この発明では、上述の移動を行うに当たって、音楽データの移動先の携帯記録再生装置70のそれぞれに対して、固有の識別子を付す。そして、ミュージックサーバ50によって携帯記録再生装置70の識別子の管理を行う。これにより、不正な端末装置に対する音楽データの移動や複製を防止し、音楽データに対する著作権の保護を行う。
図10は、各携帯記録再生装置70に付された識別子が管理される移動先機器識別子管理表の一例を示す。各携帯記録再生装置70のそれぞれには、固有の識別子が予め付されている。携帯記録再生装置70において、識別子は、例えばROM104に予め記憶されている。携帯記録再生装置70の識別子が例えばインターフェイス34,35を介しての通信や、入力手段1による入力によりミュージックサーバ50によって取得される。ミュージックサーバ50において、取得された識別子に基づき移動先機器識別子管理表が作成され、作成された表が例えばHDD10の所定の領域に保存される。
また、各携帯記録再生装置70に対して、2段階以上のレベルからなる許可レベルを設定することができる。設定された許可レベルは、移動先機器識別子管理表に記述される。この許可レベルに基づいて、該当する携帯記録再生装置70に対する音楽データの複製ならびに移動の可否を判断することができる。この例では、より高度な許可に対して’H’が、低いレベルの許可に対して’L’が、さらに、許可されない場合には’x’が設定され、後述する有効期限の判定などに用いられる。
許可レベルは、ミュージックサーバ50において、携帯記録再生装置70毎に設定することができる。すなわち、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70とがインターフェイス34および35とで接続され、ミュージックサーバ50に携帯記録再生装置70の識別子が取得される。ミュージックサーバ50において、所定の操作に基づき移動先機器識別子管理表を編集する。これに限らず、携帯記録再生装置70において、ROM104などに記憶されることにより、予め設定しておいてもよい。
一方、ミュージックサーバ50に記録されている音楽データのそれぞれに対して、固有の曲データ識別子が付される。また、各音楽データに対して、そのデータが移動されているかどうかを示す移動フラグが付される。曲データ識別子は、上述した、CD55の音楽データをHDD10に記録するときに得られる、CD55に付随したデータ、例えばCD番号に基づき取得することが可能である。
図11は、各音楽データに付された曲データ識別子ならびに移動フラグが管理されるデータ管理表Aの一例を示す。各音楽データのそれぞれに対して、固有の曲データ識別子が付される。移動フラグは、該当する音楽データが移動されているかどうかを示すもので、移動フラグが’1’であれば、その音楽データが携帯記録端末70に移動されていることが示される。移動フラグが’0’であれば、そのデータは、移動されていない。
移動フラグが’1’とされ移動されている音楽データに対して、移動先の携帯記録再生装置70を示す移動先機器識別子が記述される。この例では、曲データ識別子’1000’の音楽データが’0010’の識別子を有する携帯記録再生装置70に移動されていることが示されている。
なお、移動フラグが’0’とされ移動されていない音楽データに対しては、移動先機器識別子として、例えばこの例に示される’0000’のように、実際の携帯記録再生装置70に対して用いられない識別子が記述される。勿論、これはこの例に限定されず、移動フラグが’0’であるデータにおいて、この欄を単に空白としておいてもよい。
図12は、これら移動先機器識別子管理表およびデータ管理表Aとを用いた、音楽データの移動の処理の一例のフローチャートである。ミュージックサーバ50に記録されている所定の音楽データを、例えばそのユーザが所持する携帯記録再生装置70に対して移動させる。なお、この図12は、上述の図9に示されるフローチャートの関連部分を、より詳細に示したものである。
先ず、ユーザによって、携帯記録再生装置70がインターフェイス34および35とを介してミュージックサーバ50に接続される(ステップS50)。そして、ステップS51で、携帯記録再生装置70とミュージックサーバ50との間で所定のやり取りが行われる。これにより、接続された携帯記録再生装置70の識別子がミュージックサーバ50に取得される。
次のステップS52では、ミュージックサーバ50において、予め記憶されている移動先機器識別子管理表から、取得された識別子が検索される。ステップS53では、取得された識別子が移動先機器識別子管理表上から検索されたかどうかが判断される。
若し、ステップS53で、取得された識別子が移動先機器識別子管理表上に無いとされれば、この携帯記録再生装置70に対する音楽データの移動が許可されていないものとされ、処理はステップS60に移行し、ユーザに対して移動不許可の通知がなされる。これは例えば、表示部53にその旨表示されることによってなされる。そして、処理はステップS61に移行し、エラー履歴などが記憶され、一連のフローチャートが終了される。
一方、ステップS53において、該当する識別子が移動先機器識別子管理表上で見つかったら、ステップS54で、ミュージックサーバ50のHDD10に記録されている音楽データのうち、移動させたいものが選択される。そして、選択された音楽データを移動させることが指示される。
次のステップS55では、音楽データの移動元、すなわちミュージックサーバ50において、データ管理表Aから移動が指示された音楽データの識別子が検索される。そして、次のステップS56で、検索された識別子に対応する音楽データの移動フラグが調べられる。
ステップS57では、ステップS56で得られた音楽データの移動フラグに基づく判断がなされる。若し、移動フラグが’1’であれば、その音楽データは、HDD10から移動されていると判断される。上述したように、既に移動されている音楽データは、元に戻されない限り、HDD10に存在していないものと見做される。したがって、処理はステップS60に移行し移動不許可通知がなされ、ステップS61でエラー履歴などが記録され、一連のフローチャートが終了される。
一方、ステップS57で移動フラグが’0’であるとされれば、その音楽データの移動が可能であるとされ、処理はステップS58に移行する。ステップS58では、該当する音楽データが移動先の機器である携帯記録再生装置70に移動される。そして、ステップS59で、ミュージックサーバ50においてデータ管理表Aの該当する音楽データに対応する移動フラグを’1’とすると共に、移動先機器の識別子がデータ管理表Aに登録され、一連のフローチャートが終了される。
なお、移動先の携帯記録再生装置70でも、移動元であるミュージックサーバ50と同様に、データ管理表A’を有する。音楽データのミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70への移動に伴い、移動された音楽データの識別子が登録される。識別子が既に登録されているが移動フラグが’1’とされている場合には、移動フラグが’0’に変更される。また、必要であれば、移動先機器識別子が削除される。
なお、図12に示した音楽データ移動の処理は、この例に限定されない。例えば、移動先機器の識別子のチェックは、実際の音楽データの移動の直前に行うようにしてもよい。また、移動先機器に対して識別子を設定するのではなく、ユーザに対して個別に識別子、例えばユーザIDを発行するようにしてもよい。この場合には、移動先機器の識別子のチェックの代わりに、ユーザ識別子のチェックが行われる。勿論、移動先機器識別子およびユーザ識別子とを両方用いてチェックを行うようにしてもよい。
さらに、移動に限らず、音楽データを携帯記録再生装置70に対して複製するような場合にも、適用することができる。さらにまた、音楽データの、ミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70への移動(あるいは複製)に限らず、携帯記録再生装置70から他の携帯記録再生装置70’への移動ならびに複製、同様に、ミュージックサーバ50から他のミュージックサーバ50’への移動ならびに複製にも対応することができる。勿論、移動元および移動先は、ミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70に限らず、この方式に対応する他の電子機器であってもよい。
音楽データの不正利用をより確実に防ぐために、音楽データの暗号化を行うようにしてもよい。例えば、移動元および移動先の各機器に対して、それぞれ固有の暗号化鍵とその暗号化鍵に対応した復号化鍵とを持たせる。各機器のHDDに対して音楽データを記録する際には、音楽データに対して、その機器が有する暗号化鍵で以って暗号化を施す。暗号化されたデータは、対応する復号化鍵を用いない限り、復号化できない。
HDDに記録された音楽データを他の機器に移動(あるいは複製)する際には、先ず、移動先機器の識別子をチェックする。移動先機器の識別子が確認され移動が可能とされれば、移動元の機器において移動する音楽データを復号化鍵で以って復号化する。この復号化された音楽データが移動先機器に移動される。移動先機器において、復号化され移動された音楽データは、移動先機器が有する暗号化鍵で以って暗号化され、HDDに記録される。
一方、移動先機器の識別子をチェックして、例えば識別子が確認できないなどにより、移動が禁止されていれば、音楽データの移動を行わないか、あるいは、復号化しないままで音楽データを移動する。例えば復号化されないで移動された音楽データは、移動先では対応する復号化鍵がないため復号化できない。これにより、データの不正利用が防がれる。
このような暗号化による処理は、例えば上述の図12では、ステップS58において行うとよい。すなわち、音楽データを携帯記録再生装置70に対して移動あるいは複製する際に、予め暗号化されてHDD10に記録された音楽データは、HDD10から読み出されると共に、ミュージックサーバ50に固有の復号化鍵で復号化される。復号化された音楽データが携帯記録再生装置70に供給される。そして、携帯記録再生装置70において、供給された音楽データは、携帯記録再生装置70に固有の暗号化鍵で暗号化され、HDD106に対して記録される。
この実施の一形態では、音楽データに対して有効期限を設定することもできる。移動先機器識別子管理表において設定される、許可レベルが低く(許可レベル’L’)設定された移動先機器に対して、音楽データを移動すると共にデータの有効期限を設定する。その移動先機器において、設定された有効期限を過ぎたらその音楽データの再生が禁止される。
図13は、音楽データのそれぞれに有効期限を設定するようにされたデータ管理表Bの一例を示す。このデータ管理表Bは、ミュージックサーバ50のHDD10や携帯記録再生装置70のHDD106などに保存される。各音楽データに対応した曲データ識別子のそれぞれに対して、有効期限が設定される。この例では、「yyyy/mm/dd/hh/mm」として、「西暦/月/日/時間/分」で有効期限が設定される。
なお、データ管理表Bにおいて、有効期限は、全ての音楽データに対して設定される必要はない。また、このデータ管理表Bは、上述のデータ管理表Aと組み合わせて用いることもできる。この場合、組み合わされた表の項目は、曲データ識別子,移動フラグ,移動先機器識別子,および有効期限とからなる。
データ管理表Bにおいて設定された有効期限は、図10に示した移動先機器識別子管理表の許可レベルと共に用いられる。すなわち、移動先機器識別子管理表において、許可レベルが’L’とされた識別子を有する移動先機器に移動された音楽データに対して、有効期限が設定される。許可レベルが’H’の機器に対しては、有効期限が設定されない。勿論、許可レベルに応じて有効期限を段階的に設定することも可能である。
図14および図15は、有効期限が設定された場合の処理の一例のフローチャートである。図14は、移動元から移動先への音楽データの移動の処理の一例のフローチャートである。また、図15は、有効期限が設定された音楽データの、移動先での再生の処理の一例のフローチャートである。ここでは、移動元機器がミュージックサーバ50、移動先機器が携帯記録再生装置70とする。
図14において、ステップS79〜ステップS81が有効期限のチェックに関する処理であり、その他のステップは、上述の図12で示した処理と同一である。図12と同一部分は、簡略的に説明する。先ず、ステップS70で携帯記録再生装置70とミュージックサーバ50とが接続され、ステップS71で、接続された携帯記録再生装置70の識別子がミュージックサーバ50に取得される。
ミュージックサーバ50において、予め記憶されている移動先機器識別子管理表から、取得された識別子が検索され(ステップS72)、ステップS73で、取得された識別子が移動先機器識別子管理表上から検索されたかどうかが判断される。若し、取得された識別子が移動先機器識別子管理表上に無いとされれば、この携帯記録再生装置70に対する音楽データの移動が許可されていないものとされ、ステップS82に移行し、ユーザに対して移動不許可の通知がなされると共に、ステップS83でエラー履歴などが記憶される。
一方、ステップS73において、該当する識別子が移動先機器識別子管理表上で見つかったら、ステップS74で、移動させたい音楽データが選択され、移動の指示がなされる。そして、次のステップS75で、音楽データの移動元であるミュージックサーバ50において、データ管理表Aから移動が指示された音楽データの識別子が検索され、検索された識別子に対応する音楽データの移動フラグが調べられる。
ステップS76で、ステップS75で調べられた音楽データの移動フラグに基づく判断がなされ、若し、移動フラグが’1’であれば、その音楽データは、HDD10から移動されていると判断され、処理はステップS82に移行し移動不許可通知がなされ、ステップS83でエラー履歴などが記録され、一連のフローチャートが終了される。
一方、ステップS76で移動フラグが’0’であるとされれば、その音楽データの移動が可能であるとされ、ステップS77で、該当する音楽データが携帯記録再生装置70に移動される。なお、上述した、音楽データを暗号化して記録する場合には、このステップS77で、ミュージックサーバ50での音楽データの復号化と、携帯記録再生装置70での暗号化ならびにHDD106への記録とが行われる。
そして、次のステップS78で、ミュージックサーバ50においてデータ管理表Aの該当する音楽データに対応する移動フラグを’1’とすると共に、移動先機器の識別子がデータ管理表Aに登録される。
また、音楽データのミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70への移動に伴い、携帯記録再生装置70が有するデータ管理表A’の変更もなされる。データ管理表A’に対して、移動された音楽データの識別子が登録される。識別子が既に登録されているが移動フラグが’1’とされている場合には、移動フラグが’0’に変更される。また、必要であれば、移動先機器識別子が削除される。
移動元のミュージックサーバ50において、ステップS78でデータ管理表Aに対する登録等が行われると、処理はステップS79に移行する。ステップS79では、ミュージックサーバ50において、移動先機器識別子管理表から移動さ機器である携帯記録再生装置70の許可レベルが取得される。そして、次のステップS80で、取得された許可レベルに基づく判断がなされる。
許可レベルは、上述したように、高レベル許可の’H’,低レベル許可の’L’,および移動が許可されない’x’が設定可能である。若し、ステップS80で、許可レベルが’L’であると判断されたら、処理はステップS81に移行する。そして、ステップS81で、データ管理表Bにおいて音楽データ毎に設定されている有効期限のデータが携帯記録再生装置70に送信される。この有効期限データが送信されると、一連のフローチャートが終了される。
なお、送信された有効期限データは、携帯記録再生装置70において、移動された音楽データの情報と共にデータ管理表A’に対して登録される。
一方、ステップS80で、許可レベルが’H’であると判断された場合には、特に有効期限の設定が行われず、そのまま一連のフローチャートが終了される。
また、図14では省略されているが、ステップS80で許可レベルが’x’であると判断された場合には、例えば、処理がステップS82に移行して移動不許可通知がなされ、エラー履歴の記録が行われ(ステップS83)、処理が終了される。
次に、図15を用いて、携帯記録再生装置70における、有効期限が設定された場合の音楽データの再生について説明する。先ず、最初のステップS90で、移動された音楽データが所定の方法で選択され、再生が指示される。次のステップS91では、再生が指示された音楽データに関して、データ管理表A’が調べられ、その音楽データに対応する曲データ識別子に基づき有効期限が調べられる。
そして、ステップS92で、例えば携帯記録再生装置70が内蔵するタイマによって現在の日時が取得され、現在の時刻がその曲に設定された有効期限内にあるかどうかが判断される。若し、有効期限内であれば、ステップS93で、携帯記録再生装置70においてその音楽データが再生される。
一方、設定された有効期限を超過するなどして、既に現在の日時が有効期限内でないとされれば、処理はステップS94に移行し、携帯記録再生装置70のユーザに対して、指定された音楽データの有効期限を超過していることが通知され、その音楽データの再生が禁止される。勿論、このとき、その音楽データの再生は行われない。
ところで、上述の例のように、ミュージックサーバ50の電源ユニット45が携帯記録再生装置70のための充電機能を備える場合、これを利用して音楽データの不正利用を防止することができる。例えば、インターフェイス34ならびに35を、充電のための電力供給を行う充電端子と一体的に構成する。または、充電端子そのものを利用して、ミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70との間で所定の情報のやり取りを行えるようにしてもよい。
このような構成で以って、充電を行うために充電端子を接続した際に、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70との間でデータのやり取りを行い、携帯記録再生装置70の識別子を検査する。若し、ミュージックサーバ50に登録されている識別子が見つからない、あるいは、見つかっても許可レベルが低い場合には、上述の図12あるいは図14で説明したのと同様な方法で、充電を拒否するようにするとよい。
なお、上述では、音楽データの移動に対してこの発明が適用されているが、これはこの例に限定されない。すなわち、映像データやテキストデータなど、著作権が存在する他の形式のデータに対してこの発明を適用することによって、それらのデータの著作権を保護することができる。
以上説明したように、この発明によれば、移動元において、音楽データや他の著作権を有するデータの移動を許可する移動先あるいはユーザが管理される。そのため、それら著作権を有するデータが不正な機器で、あるいは不正なユーザに使用されることが防止あるいは制限できる。
また、この発明によれば、許可された移動先に対しては、データの移動を行うことができるため、著作権者の権利を保護しながらも、正規なユーザや機器では、そのデータを、移動あるいは複製経路に制限されずに利用することができる。