JP2007199092A - Optical recording medium - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ホログラフィックメモリや多層光メモリのようにデータを三次元的に記録する記録層を有する光記録媒体に関する。 The present invention relates to an optical recording medium having a recording layer for recording data three-dimensionally, such as a holographic memory or a multilayer optical memory.
現在使用又は検討されている高容量光記録媒体としては、デジタルバーサタイルディスク(DVD:Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu−Ray Disk)、ハイディフィニションDVD(HD DVD:High Definition DVD)等が挙げられる。しかし、これらの媒体の容量としては、最高でも100GB程度と考えられており、これ以上の容量を有する高容量光記録媒体として、ホログラフィックメモリや多層光メモリに代表されるデータを三次元的に記録する(体積記録を行う)光記録媒体が検討されている。 Examples of high-capacity optical recording media currently in use or under consideration include digital versatile discs (DVD), Blu-ray discs, and high definition DVDs (HD DVD). It is done. However, the capacity of these media is considered to be about 100 GB at the maximum, and data represented by holographic memory and multilayer optical memory is recorded three-dimensionally as a high capacity optical recording medium having a capacity larger than this. Optical recording media that perform (volume recording) have been studied.
ホログラフィックメモリや多層光メモリなどの体積記録をする光記録媒体は、記録層の面内方向だけでなく、記録層の厚み方向にもデータが記録され、記録層の3次元にわたり記録が行われることから、大容量化が可能である。ホログラフィックメモリでは、各種多重方法により、面内の同じ場所に何度も多重記録がなされる。多層光メモリでは、面内の同じ場所で多層の記録層それぞれに記録用のビットが形成される。 Optical recording media that perform volume recording, such as holographic memory and multilayer optical memory, record data not only in the in-plane direction of the recording layer but also in the thickness direction of the recording layer, and recording is performed over three dimensions of the recording layer. Therefore, the capacity can be increased. In the holographic memory, multiplex recording is performed many times at the same place in the surface by various multiplexing methods. In a multilayer optical memory, a recording bit is formed in each of the multilayer recording layers at the same place in the plane.
体積記録をする光記録媒体では、大容量化のために、記録層が厚くなるに伴い入射した光が記録層を進む行程が長くなる傾向にある。ホログラフィックメモリにおいては、厚くなった記録層の全域にわたり干渉縞が均一に記録されることにより大容量化が可能になる。多層光メモリにおいても、厚くなった記録層の全域にわたり記録用のビットが均一に形成されることにより大容量化が可能になる。
そして、干渉縞を均一に記録するために、記録層の光学濃度(光吸収率)を記録光の進行方向に沿って減少させる提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
And in order to record an interference fringe uniformly, the proposal which reduces the optical density (light absorption rate) of a recording layer along the advancing direction of recording light is made | formed (for example, refer patent document 1).
大容量化のために、記録層を厚くしていくと、提案されている記録層の光学濃度を記録光の進行方向に沿って減少させることでは、反射型ホログラムには有効ではあるが、透過型ホログラムに関しては、干渉縞及びビットの光情報を均一に記録できない場合が考えられた。 If the recording layer is made thicker to increase the capacity, the proposed optical density of the recording layer is reduced along the traveling direction of the recording light. With regard to the type hologram, it has been considered that optical information of interference fringes and bits cannot be recorded uniformly.
そこで、本発明は、透過型ホログラムで記録する場合において、記録層が厚くても厚み方向に均一な光情報の記録ができる光記録媒体を提供することを課題とする。 Therefore, an object of the present invention is to provide an optical recording medium capable of recording optical information uniformly in the thickness direction even when the recording layer is thick when recording with a transmission hologram.
前記課題を解決するため、本発明の光記録媒体は、記録光を入射面から入射してホログラム及びビットの光情報を記録する記録層を有し、この記録層の記録光に対する光吸収率は、入射面から記録光の進行方向に向けて増加していることを特徴とする。 In order to solve the above-mentioned problems, the optical recording medium of the present invention has a recording layer that records the optical information of the hologram and the bit by entering the recording light from the incident surface, and the light absorption rate of the recording layer with respect to the recording light is , And increasing from the incident surface in the traveling direction of the recording light.
本発明によれば、記録層が厚くても厚み方向に均一な光情報の記録ができる光記録媒体を提供できる。 According to the present invention, an optical recording medium capable of recording optical information uniformly in the thickness direction even when the recording layer is thick can be provided.
次に、本発明の実施の形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態においては、記録層の厚み方向に複数のデータを記録するような体積記録をする光記録媒体について説明し、具体的には、ホログラフィ(干渉)を用いて光情報を記録するホログラフィックメモリについて説明する。 Next, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings as appropriate. In the embodiment, an optical recording medium that performs volume recording so as to record a plurality of data in the thickness direction of the recording layer will be described. Specifically, holographic recording optical information using holography (interference) The memory will be described.
図1(a)に示すように、本発明の実施の形態に係るホログラフィックメモリは、記録層1を有している。記録層1は、記録光4および参照光が入射面25から入射されることによりホログラムを記録する。また、必要に応じて、記録層1の入射面25および出射面26のそれぞれに光透過性基板2、3を設けてもよい。
As shown in FIG. 1A, the holographic memory according to the embodiment of the present invention has a
記録層1には、周知のとおり、参照光と記録光4とが記録層1に照射されることによって光情報が干渉縞8として多重記録される。多重方式としては、シフト多重方式や、角度多重方式、波長多重方式、位相コード多重方式、ポリトピック(Polytopic)多重方式、これらの組み合わせによる多重方式を用いることができる。角度多重方式であれば、多重記録しようとする各光情報の記録光4ごとに、参照光の入射角度が変更される。具体的には、まず所定の入射角度に設定された参照光が光情報の記録光4に合わせ込まれるとともに、記録光4および参照光が記録層1の記録箇所に照射されることによって記録層1に図1(e)に示すように干渉縞8が形成される。
As is well known, optical information is multiplexed and recorded as interference fringes 8 on the
記録層1に干渉縞8が記録されると、記録層1内において、干渉縞8の明暗に沿って記録層1の素材が変化し、屈折率差や透過率差が生じることにより記録がなされる。現在、検討されている記録層1の素材としては、フォトポリマ材料、屈折率変調用色素型材料、ハロゲン化銀、重クロム酸ゼラチン、フォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料などが挙げられる。
When the
フォトポリマ材料は、高回折効率が得られること、低ノイズであること、記録後に完全に定着すれば保存安定性が良好であることから、注目を集めており素材開発が進められている。典型的なフォトポリマ材料は、バインダ、重合性モノマ、増感色素、重合開始剤などを含有している。また、重合時の収縮を抑えるため、バインダの代わりにポリオールとイソシアネートを重合させて作成する熱硬化性樹脂を用いても良い。 Photopolymer materials are attracting attention and are being developed because of their high diffraction efficiency, low noise, and good storage stability if they are completely fixed after recording. A typical photopolymer material contains a binder, a polymerizable monomer, a sensitizing dye, a polymerization initiator, and the like. Moreover, in order to suppress shrinkage | contraction at the time of superposition | polymerization, you may use the thermosetting resin produced by superposing | polymerizing a polyol and isocyanate instead of a binder.
バインダと重合性モノマとしては屈折率の異なるものを使用する。記録時に記録層1内に干渉縞8の明部と暗部が形成される。干渉縞8の明部においては、例えばラジカル重合モノマを使用した場合には、増感色素が励起し電子を放出し、放出された電子が重合開始剤に移動し、重合開始剤がラジカルを発生し、ラジカルがモノマに移動しモノマの重合反応が行われる。この結果、干渉縞8の明部では、隣接する暗部からも重合するモノマが集められ、モノマがリッチになり、干渉縞8の暗部では、モノマが抜けるのに対応して、バインダがリッチになる。これら、モノマリッチとバインダリッチによる異なる屈折率が干渉縞8の明部と暗部に生じることにより、干渉縞8を記録している。この結果、光情報は、異なる屈折率や光透過率として表わされる縞として記録層8内に記録される。また、カチオン重合モノマを用いた場合には、ラジカルの代わりに酸で反応が起こる。
As the binder and the polymerizable monomer, those having different refractive indexes are used. During recording, bright portions and dark portions of the
次に、参照光の入射角度が変更されるとともに、この参照光が他の光情報の記録光4に合わせ込まれる。そして、一の光情報が記録された記録箇所と同じ箇所に干渉縞8が形成されることによって他の光情報が重ねて記録される。以下、多重記録していく他の光情報の記録光4ごとに異なる入射角度の参照光が合わせ込まれることによって、記録層1の1つの記録箇所に複数の光情報が記録されていく。記録層1は角度選択性を利用して多重記録を行うことができる。
Next, the incident angle of the reference light is changed, and the reference light is adjusted to the
そして、1つの記録箇所への所定の光情報の多重記録が終了すると、記録層1の他の記録箇所へストップアンドゴー(Stop and Go)方式で移動する。他の記録箇所と一の記録箇所とは、一部が重なっていても、重なっていなくても良い。位置決めされた記録光4および参照光は、一の記録箇所での多重記録と同様に、複数の光情報を他の記録箇所に多重記録していく。
Then, when the multiplex recording of the predetermined optical information in one recording location is completed, the
そして、記録層1に対する所定の光情報の記録が終了すると、光情報の記録に使用されなかった重合性モノマは、レーザや白色光源で全面露光されて定着され、あるいは熱処理で定着される。
When the recording of the predetermined optical information on the
記録層1に記録された光情報としてのホログラムは、周知のとおり、再生照明光が各記録箇所に照射されることによって生成する再生光として読み出される。そして、各記録箇所に多重記録された複数の光情報のそれぞれは、各光情報が記録されたときの参照光の入射角度に設定された再生照明光が照射されることによって読み出される。
As is well known, the hologram as optical information recorded in the
なお、光記録媒体には、再生照明光を入射する面と再生光を出射する面とが互いに対向している透過型の光記録媒体と、再生照明光を入射する面から再生光を出射する反射型の光記録媒体とがある。反射型の光記録媒体の再生照明光を入射する面と異なる面には反射層が設けられている。反射層で再生照明光と再生光は反射され入射面と同じ面から出射される。一方、透過型の光記録媒体は反射層を有していない。実施の形態には、透過型の光記録媒体が好適である。 The optical recording medium emits reproduction light from a transmission type optical recording medium in which a surface on which reproduction illumination light is incident and a surface on which reproduction light is emitted are opposed to each other, and a surface on which reproduction illumination light is incident. There is a reflection type optical recording medium. A reflective layer is provided on a surface of the reflective optical recording medium different from the surface on which the reproduction illumination light is incident. The reproduction illumination light and the reproduction light are reflected by the reflection layer and emitted from the same surface as the incident surface. On the other hand, a transmissive optical recording medium does not have a reflective layer. A transmissive optical recording medium is suitable for the embodiment.
記録層1は、光が照射されることによって光情報が記録される層であって、厚みが200μm以上、好ましくは0.2〜2.5mm、より好ましくは0.5〜2.5mmである。厚みを200μm以上にすることにより、ホログラフィックメモリの製品化の際に要求される多重記録の回数を満足することができる。また、2.5mm以下にすることにより、光情報の記録に寄与しない材料を削減でき、製品化の際にコストを削減することができる。
The
重合性モノマとしては、重合性基があれば特に限定はなく、例えば、ラジカル重合性モノマ、カチオン重合性モノマ、これらのモノマを併用したものが挙げられ、具体的には、エポキシ基、エチレン性不飽和基等の重合性基を含む化合物が挙げられる。重合性モノマは、これらの重合性基を分子内に1つ以上含んでいればよく、分子内に2つ以上の重合性基を含む重合性モノマは、それらの重合性基が異なるものでもよいし、同じものでもよい。 The polymerizable monomer is not particularly limited as long as it has a polymerizable group, and examples thereof include radically polymerizable monomers, cationically polymerizable monomers, and combinations of these monomers, specifically, epoxy groups, ethylenic monomers. Examples thereof include compounds containing a polymerizable group such as an unsaturated group. The polymerizable monomer only needs to contain one or more of these polymerizable groups in the molecule, and the polymerizable monomer containing two or more polymerizable groups in the molecule may have different polymerizable groups. And the same thing may be used.
増感色素としては、記録光4の記録波長に吸収を有するものであれば特に制限はないが、記録波長における増感色素自体の光吸収係数εが低いものが好ましい。図1(b)に示すように、光吸収率rが大きくなるのは、記録層1で、増感色素が記録光4を吸収しているからである。そして、光吸収率rは、増感色素の記録層1内の濃度に依存している。光吸収率rを大きくするためには増感色素の濃度を高くすればよく、光吸収率rを小さくするためには増感色素の濃度を低くすればよい。図1(b)の実線6に示すように、記録層1の記録光4に対する光吸収率rは、入射面25から離れるにしたがい連続的または断続的に増加している。すなわち、入射面25から記録光4の進行方向に向けて増加している。このように増加させるために、増感色素の濃度を入射面25から記録光4の進行方向に向けて増加させている。また、実線6a乃至6cに示すように、光吸収率rは階段状に多段階に増加していてもよい。この階段状の増加も、増感色素の濃度を階段状に増加させることにより実現させることができる。このことにより後述する製造方法で容易に記録層を製造することができる。
The sensitizing dye is not particularly limited as long as it has absorption at the recording wavelength of the
図1(c)に示すように、記録層1の記録光4による光子密度nは、入射面25から記録光4の進行方向に向けて減少している。このように減少するのは、増感色素に記録光4が吸収されながら進行するからである。記録光4の記録層1内でのトータルの減少量は、記録層1に入射する記録光4の強度から、記録層1から出射する透過光5の強度を引いた量になる。記録光4の強度に対する透過光5の強度の比である透過率は、20%以上70%以下であることが望ましい。透過率が20%未満では、記録層1の入射面25側でのみ干渉縞が生成され、出射面26側では干渉縞が不完全であったり未生成であったりする場合があった。透過率が70%を超えると、記録光4が吸収されにくい状況であるので反応が進まない、いわゆる感度が悪い状況である。
図1(d)に示すように、光吸収率rと光子密度nの積(r×n)は、記録層1の全領域において、干渉縞が生成可能な積の下限値7を上回った。この積(r×n)は、反応に寄与する光子さらには電子の密度に相関関係を有する。下限値7は、定数と考えてよく、この下限値7を積が上回ることにより干渉縞の生成に必要な電子の密度を確保することができる。そして、記録層1の全領域において下限値7を上回っているのは、光子密度nの減少を補うように、光吸収率rが増加しているからである。そして、図1(e)に示すように、記録層1の全域にわたり干渉縞8を生成することができた。
As shown in FIG. 1C, the photon density n of the
As shown in FIG. 1D, the product (r × n) of the light absorption rate r and the photon density n exceeded the
逆に、図1(b)に示すような記録層1の記録光4に対する光吸収率rが、入射面25から離れるにしたがい連続的または断続的に増加している光記録媒体へ光情報を記録する場合は、図1(c)に示すように、記録層1の記録光4による光子密度nが、入射面25から離れるにしたがい連続的または断続的に減少するような記録光4を入射面25から入射させればよい。このように入射させる記録方法によれば、図1(d)に示すように、記録層1の全域にわたり積(r×n)をほぼ一定に保つことができるので、記録層1の全領域において積(r×n)が下限値7を上回ることが可能になる。さらに、この記録方法においては、記録層1内の任意の距離zにおける積(r×n)は、入射面25における(距離zがゼロにおける)積(r×n)の0.8倍以上で1.2倍以下であるような、光子密度の分布が実現できる記録光を入射させることが望ましい。このことにより、記録層1内の任意の距離zにおける積(r×n)をほぼ一定に保つことができるので、記録層1の全領域において積(r×n)が下限値7を上回ることが可能になる。
増感色素の具体例としては、シアニン系、メロシアニン系、フタロシアニン系、アゾ系、アゾメチン系、インドアニリン系、キサンテン系、クマリン系、ポリメチン系、ジアリルエテン系、フルギドフルオラン系、アントラキノン系、スチリル系等の公知の有機色素が挙げられる。また、これら以外にも増感色素としては、錯体色素が用いられても良い。
On the contrary, as shown in FIG. 1B, the optical absorption rate r with respect to the
Specific examples of the sensitizing dye include cyanine, merocyanine, phthalocyanine, azo, azomethine, indoaniline, xanthene, coumarin, polymethine, diallylethene, fulgidofluorane, anthraquinone, styryl. Known organic dyes such as those of the system are mentioned. In addition to these, a complex dye may be used as the sensitizing dye.
重合開始剤としては、ラジカル発生剤、カチオン発生剤、酸発生剤等が挙げられる。 Examples of the polymerization initiator include a radical generator, a cation generator, and an acid generator.
バインダとしては、例えば、塩素化ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体、塩化ビニルとアクリロニトリルの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、アセチルセルロース、ポリカーボネート等が挙げられる。なお、バインダの屈折率は、重合性モノマの重合物(ポリマ)の屈折率との差が大きなものが好ましい。ただし、屈折率の差が大きすぎるような組み合わせでは、バインダと重合性モノマとの相溶性が低下し、その結果として光の散乱が大きくなる場合があるため、適当な屈折率のバインダが求められる。 Examples of the binder include chlorinated polyethylene, polymethyl methacrylate, copolymers of methyl methacrylate and other (meth) acrylic acid alkyl esters, copolymers of vinyl chloride and acrylonitrile, polyvinyl acetate, polyvinyl alcohol, polyvinyl formal, Examples thereof include polyvinyl butyral, polyvinyl pyrrolidone, ethyl cellulose, acetyl cellulose, and polycarbonate. The refractive index of the binder preferably has a large difference from the refractive index of the polymerized polymer (polymer). However, in a combination in which the difference in refractive index is too large, the compatibility between the binder and the polymerizable monomer is lowered, and as a result, light scattering may increase, so a binder with an appropriate refractive index is required. .
また、記録層1は、必要に応じて、増感剤、光学的増白剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、連鎖移動剤、可塑剤、着色剤等のこの種の光記録媒体の記録層の形成に常用されるものを含んでいてもよい。
The
現在、検討されている記録層1の素材の、フォトポリマ材料以外の素材としては、屈折率変調用色素型材料が挙げられる。屈折率変調用色素型材料は、干渉縞8の明部において、屈折率変調用色素の発色反応または消色反応を起こし、干渉縞8の暗部に対して、屈折率差や透過率差などの物性値の差を生じさせる。屈折率変調用色素型材料は、バインダ、増感色素、屈折率変調用色素と酸発生剤を有している。フォトポリマと同様に、干渉縞8が生成されると、干渉縞8の明部において、増感色素が励起し、電子が放出される。放出された電子は酸発生剤に移動し、酸発生剤より酸が発生する。この酸により屈折率変調用色素が消色反応により消色し、屈折率が変化する。あるいは、屈折率変調用色素が発色反応により発色し、屈折率が変化する。発色反応の場合は、屈折率変調用色素を特に色素前駆体と呼ぶ場合がある。
As a material other than the photopolymer material of the
また、現在、検討されている記録層の素材としては、ハロゲン化銀、重クロム酸ゼラチン、フォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料などが挙げられる。 In addition, examples of the material of the recording layer currently under consideration include silver halide, dichromated gelatin, photorefractive material, and photochromic material.
ハロゲン化銀は、感度が高く、比較的解像度も高いが、湿式処理が必要でかつ煩雑であり、また、散乱が大きく、耐光性が劣るという問題を有する。そのため、メモリ用途としては、改善する余地が大きい。 Although silver halide has high sensitivity and relatively high resolution, it has a problem that it requires wet processing and is complicated, has a large scattering, and is inferior in light resistance. Therefore, there is much room for improvement as a memory application.
重クロム酸ゼラチンは、回折効率が高く、低ノイズという特色を有するが、感度が低く、また、記録保存性が良好でないため、メモリ用途としては、改善する余地がある。 Bichromated gelatin has the characteristics of high diffraction efficiency and low noise, but has low sensitivity and poor recording storage stability, so there is room for improvement in memory applications.
フォトリフラクティブ材料は、書き換え可能という特色を有するが、記録時に高電圧印加が必要で、記録保持性が良好でないため、メモリ用途としては、改善する余地がある。 Photorefractive materials have the feature of being rewritable, but they require a high voltage application during recording and have poor record retention, so there is room for improvement in memory applications.
フォトクロミック材料も、書き換え可能という特色を有するが、感度が極めて低く、記録保持性も良好でないため、メモリ用途としては、改善する余地がある。 Photochromic materials also have the feature of being rewritable, but they have room for improvement as memory applications because of their extremely low sensitivity and poor record retention.
そこで、ハロゲン化銀、重クロム酸ゼラチン、フォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料、フォトポリマ材料や屈折率変調用色素型材料など記録層1の材料を組み合わせてもよい。例えば、発色反応あるいは消色反応を起こす屈折率変調用色素型材料と重合反応を起こすフォトポリマ材料を組み合わせることにより、屈折率変調用色素型材料に対しても定着を行うことが可能になり、容易に屈折率差を獲得できるので、記録層1の素材としての適性を相乗的に獲得することができる。また、フォトリフラクティブ材料とフォトポリマ材料を組み合わせても、同様に、フォトリフラクティブ材料に対しても定着を行うことが可能になり、容易に屈折率差を獲得できるので、記録層1の素材としての適性を相乗的に獲得することができる。記録層1の素材としての適性を有する。
Therefore, the
また、光記録媒体は、記録層1を保持し保護するために、記録層1の左右に光透過性基板2、3を備えていてもよい。光透過性基板2、3の厚みは、0.05〜1.2mm程度であればよい。光透過性基板2、3の材料としては、例えば、ガラス等の無機物や、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アモルファスポリオレフィン等の樹脂が挙げられる。中でも、ガラス、ポリカーボネート、およびトリアセチルセルロースは、複屈折が小さいので好ましい。なお、光透過性基板2、3は、同一の材料で形成されていても、あるいは異なる材料で形成されていてもよい。また、光透過性基板2、3の表面には、反射防止コーティングや、酸素透過防止コーティング、水分透過防止コーティング、UVカットコーティング等が必要に応じて施されていてもよい。
Further, the optical recording medium may include light transmissive substrates 2 and 3 on the left and right sides of the
本発明の実施の形態に係るホログラフィックメモリは、まず増感色素の濃度を変えた記録材料を2種類以上作製する工程と、これらの記録材料を濃度の順に多層に塗布する工程とを備える製造方法によって得ることができる。また、塗布工程の替わりに、記録層1の型に記録材料を濃度の順に流し込んでもよい。記録材料としては増感色素の濃度の違いのみであるので、記録材料間に形成される界面の影響はほとんど無視できる。そして、塗布工程でも流し込みの工程でも、界面近傍の記録材料は相互に溶けあい、なだらかな濃度分布が形成されるので、このことによっても、界面の影響は無視できる。
A holographic memory according to an embodiment of the present invention includes a step of first producing two or more types of recording materials having different sensitizing dye concentrations, and a step of applying these recording materials in multiple layers in the order of the concentrations. It can be obtained by the method. Further, instead of the coating process, the recording materials may be poured into the mold of the
実施の形態に係るホログラフィックメモリによれば、記録層1の厚みが厚くなっても、厚み方向全域にわたり干渉縞8を生成することができる。この効果を他のホログラフィックメモリの例の例1と例2と比較することで、この効果の優位性を説明する。
According to the holographic memory according to the embodiment, the
図2(a)に示すように、例1のホログラフィックメモリとなる光記録媒体も、図1(a)の実施の形態のホログラフィックメモリと同様に、記録層11と光透過性基板2、3を有している。図2(b)に示すように、例1のホログラフィックメモリと実施の形態のホログラフィックメモリとは、記録層11の光吸収率rの曲線と、図1(b)の記録層1の光吸収率rの曲線6の傾向のみが異なっている。例1の記録層11の光吸収率rは、記録層11の入射面25からの距離zに依存せず一定である。この一定の傾向は、増感色素の濃度を、距離zに依存せず一定にすることにより実現できる。従来から用いられているホログラフィックメモリの大半では、例1のような増感色素の濃度が距離zに依存せず一定である記録層が採用されていると考えられる。
As shown in FIG. 2A, the optical recording medium serving as the holographic memory of Example 1 is similar to the holographic memory of the embodiment of FIG. 3. As shown in FIG. 2 (b), the holographic memory of Example 1 and the holographic memory of the embodiment include the curve of the light absorption rate r of the
図2(c)に示すように、記録層11に入射した記録光4による光子密度nは、距離zが大きくなるほど減少している。そして、減少量が図1(c)の光子密度nより大きくなっている。これは、入射側の光吸収率rが例1の方が実施の形態より大きいために、入射側に存在する高密度の光子が高い確率で吸収されているからと考えられる。
As shown in FIG. 2C, the photon density n by the
図2(d)に示すように、光吸収率rと光子密度nの積(r×n)は、記録層11の入射面25からの距離zが大きくなるほど小さくなっている。そして、距離zが200μm以上になるように、記録層11の厚みが厚くなると、出射面26側の領域で干渉縞が生成可能な積(r×n)の下限値を下回ってしまう場合が考えられる。このことにより、図2(e)に示すように、積(r×n)が下限値を下回った領域では、不完全な干渉縞9が生成されたり、干渉縞が生成されなかったりする。一方、入射面25側の特に入射面25の近傍では、積(r×n)が下限値7に対して必要以上に大きくなっている。これらのことに対応して、実施の形態では、図1(d)に示すように、入射面25側の特に入射面25の近傍の積(r×n)を下げ、出射面26側の積(r×n)を上げることに成功している。そして、この成功は、図1(b)に示すように、光吸収率rを入射面25側で下げ、出射面26側で上げていることに起因している。
As shown in FIG. 2D, the product (r × n) of the light absorption rate r and the photon density n decreases as the distance z from the
ホログラフィックメモリは、干渉縞として厚み方向にも情報を記録する。それゆえ、厚み方向に干渉縞が十分に記録がされないと記録容量が低下してしまう。図2(b)のように例1の光吸収率rが一定であると、距離zが増加するにつれてzの位置に到達する光子が減少してしまい、記録が不均一になってしまい、記録容量の低下が起こる。これを改善するために、図1(b)のように実施の形態では光吸収率rに勾配をつけ、光子密度nの減少を光吸収率rの増加で補い、積(r×n)が一定になるようにしている。このことにより、干渉縞の記録が均一になされ、記録容量を確保することができる。 The holographic memory records information in the thickness direction as interference fringes. Therefore, if the interference fringes are not sufficiently recorded in the thickness direction, the recording capacity is lowered. If the light absorption rate r of Example 1 is constant as shown in FIG. 2B, the photons that reach the position z decrease as the distance z increases, resulting in non-uniform recording. A decrease in capacity occurs. In order to improve this, in the embodiment as shown in FIG. 1B, a gradient is given to the light absorption rate r, the decrease in the photon density n is compensated by the increase in the light absorption rate r, and the product (r × n) is It is set to be constant. As a result, the interference fringes are recorded uniformly and the recording capacity can be ensured.
次に、本発明の光記録媒体を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 Next, the optical recording medium of the present invention will be described in more detail based on examples, but the present invention is not limited to these examples.
<光記録媒体の製造>
(実施例1、比較例1)
実施例1では、フォトポリマ材料を用いて光記録媒体のサンプルAを製造した。比較例1でも、フォトポリマ材料を用いて光記録媒体のサンプルBを製造した。まず、記録層を作製するために、3種類の塗布液♯1、♯2、♯3の調製を行った。表1に示すバインダ、モノマ、重合禁止剤、増感色素、重合開始剤ならびに溶剤としてのジクロロメタンの各素材を表1に示す質量比となるように秤量した。塗布液♯1、♯2、♯3では、増感色素の質量比のみが異なっている。秤量は赤色灯下で行った。
<Manufacture of optical recording media>
(Example 1, Comparative Example 1)
In Example 1, Sample A of an optical recording medium was manufactured using a photopolymer material. Also in Comparative Example 1, Sample B of an optical recording medium was manufactured using a photopolymer material. First, three types of
なお、表1中のCAB531−1は、セルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカル社製)を表わし、POEAは、アクリル酸2−フェノキシエチル(CasNo.48145−04−6)を表わし、MEHQは、4−メトキシフェノール(CasNo.150−76−5)を表わし、DEAWは、シクロペンタノン−2,5−ビス{[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メチレン}(CasNo.38394−53−5)を表わし、MBOは、2−メルカプトベンズオキサゾール(CasNo.2382−96−9)を表わし、o−Cl−HABIは、2,2−ビス[o−クロロフェニル]−4,4,5,5−テトラフェニル−1,1−ビイミダゾール(CasNo.1707−68−2)を表わす。
そして、赤色灯下で各素材が褐色ナス型フラスコに投入され、スターラで3時間攪拌することにより、3種類の塗布液♯1、♯2、♯3を得た。
In Table 1, CAB531-1 represents cellulose acetate butyrate (Eastman Chemical Co., Ltd.), POEA represents 2-phenoxyethyl acrylate (Cas No. 48145-04-6), and MEHQ represents 4 Represents methoxyphenol (Cas No. 150-76-5), DEAW represents cyclopentanone-2,5-bis {[4- (diethylamino) phenyl] methylene} (Cas No. 38394-53-5); MBO represents 2-mercaptobenzoxazole (Cas No. 2382-96-9), and o-Cl-HABI represents 2,2-bis [o-chlorophenyl] -4,4,5,5-tetraphenyl-1 , 1-biimidazole (Cas No. 1707-68-2).
Each material was put into a brown eggplant-shaped flask under a red lamp, and stirred for 3 hours with a stirrer to obtain three types of
次に、サンプルAに関しては、コータを用いて、光透過性基板2の上に、塗布液♯1を塗布した。塗布した塗布液♯1を40℃で3分間乾燥させた。さらに乾燥させた塗布液♯1の上に同じコータを用いて塗布液♯2を塗布する重ね塗りを行った。塗布した塗布液♯2を40℃で3分間乾燥させた。最後に、乾燥させた塗布液♯2の上に同じコータを用いて塗布液♯3を塗布する重ね塗りを行った。塗布したサンプルを40℃で3分間乾燥させ図1(a)の記録層1に相当する記録層が完成した。記録層1に光透過性基板3となるガラス板を貼り合わせ、サンプルAの光記録媒体を完成させた。サンプルAでは、増感色素の濃度が、入射面25側から階段状に上昇しており、図1(b)の実線6a乃至6cのように光吸収率rも入射面25側から階段状に上昇していると考えられる。すなわち、実施例1のサンプルAは、実施の形態の光記録媒体に相当している。
Next, for sample A,
サンプルBに関しては、コータを用いて、別の光透過性基板2の上に、塗布液♯2を3回重ねて塗布した。塗布したサンプルを40℃で3分間乾燥させ図2(a)の記録層11に相当する記録層が完成した。記録層11に光透過性基板3となるガラス板を貼り合わせ、サンプルBの光記録媒体を完成させた。サンプルBでは、増感色素の濃度が一定であり、図2(b)のように光吸収率rも一定であると考えられる。すなわち、比較例1のサンプルBは、例1の光記録媒体に相当している。
For sample B, coating solution # 2 was applied three times on another light-transmitting substrate 2 using a coater. The coated sample was dried at 40 ° C. for 3 minutes to complete a recording layer corresponding to the
(実施例2、比較例2)
実施例2では、屈折率変調用色素型材料を用いて光記録媒体のサンプルCを製造した。比較例2でも、屈折率変調用色素型材料を用いて光記録媒体のサンプルDを製造した。まず、記録層を作製するために、3種類の塗布液♯4、♯5、♯6の調製を行った。表2に示すバインダ、酸で消色する色素、酸発生剤、増感色素、ならびに溶剤としての塩化メチレンおよびアセトニトリルの各素材を表2に示す質量比となるように秤量した。塗布液♯4、♯5、♯6では、増感色素の質量比のみが異なっている。秤量は赤色灯下で行った。
(Example 2, comparative example 2)
In Example 2, Sample C of an optical recording medium was manufactured using a dye-type material for refractive index modulation. Also in Comparative Example 2, a sample D of an optical recording medium was manufactured using a dye-type material for refractive index modulation. First, three types of
なお、表2中のPMMA-EAは、メチルメタクリレートとエチルアクリレート(Aldrich社製、平均Mw:39500)を表わし、色素Aは、化学式(a)で示される第4級アンモニウム塩を表す。 In Table 2, PMMA-EA represents methyl methacrylate and ethyl acrylate (Aldrich, average Mw: 39500), and Dye A represents a quaternary ammonium salt represented by the chemical formula (a).
酸発生剤Aは、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロりん酸(CasNo.58109−40−3)を表わし、色素Bは、化学式(b)で示されるシアニン色素を表す。 The acid generator A represents diphenyliodonium hexafluorophosphoric acid (Cas No. 58109-40-3), and the dye B represents a cyanine dye represented by the chemical formula (b).
そして、赤色灯下で各素材が褐色ナス型フラスコに投入され、スターラで3時間攪拌することにより、3種類の塗布液♯4、♯5、♯6を得た。
Then, each material was put into a brown eggplant-shaped flask under a red lamp, and stirred for 3 hours with a stirrer to obtain three types of
次に、サンプルCに関しては、コータを用いて、光透過性基板2の上に、塗布液♯4を塗布した。塗布した塗布液♯4を40℃で3分間乾燥させた。さらに乾燥させた塗布液♯4の上に同じコータを用いて塗布液♯5を塗布する重ね塗りを行った。塗布した塗布液♯5を40℃で3分間乾燥させた。最後に、乾燥させた塗布液♯5の上に同じコータを用いて塗布液♯6を塗布する重ね塗りを行った。塗布したサンプルを40℃で3分間乾燥させ図1(a)の記録層1に相当する記録層が完成した。その後、40℃48時間乾燥を行った。サンプルCでは、増感色素の濃度が、入射面25側から階段状に上昇しており、図1(b)の実線6a乃至6cのように光吸収率rも入射面25側から階段状に上昇していると考えられる。すなわち、実施例2のサンプルCは、実施の形態の光記録媒体に相当している。
Next, for sample C,
サンプルDに関しては、コータを用いて、別の光透過性基板2の上に、塗布液♯5を3回重ねて塗布した。塗布したサンプルを40℃で48時間乾燥させ図2(a)の記録層11に相当する記録層が完成し、サンプルDの光記録媒体を完成させた。サンプルDでは、増感色素の濃度が一定であり、図2(b)のように光吸収率rも一定であると考えられる。すなわち、比較例2のサンプルDは、例1の光記録媒体に相当している。
For sample D,
<記録層の厚みの測定>
そして、サンプルA乃至Dの記録層の厚みが測定された。光情報記録層1、11の厚みの測定には、SONY社製DIGITAL MICROMETERが使用された。そして、光情報記録層1、11の厚みは、測定された光記録媒体の全体の厚みから光透過性基板2と3の厚みを差し引くことによって算出した。表3に示すように、実施例1のサンプルAの記録層の厚みは、250μmであった。実施例2のサンプルCの記録層の厚みは、500μmであった。比較例1のサンプルBの記録層の厚みは、サンプルAと同じく250μmであった。比較例2のサンプルDの記録層の厚みは、サンプルCと同じく500μmであった。
<Measurement of recording layer thickness>
Then, the thicknesses of the recording layers of Samples A to D were measured. For measuring the thickness of the optical
<光記録媒体の回折効率の測定とM♯の算出>
製造されたサンプルA乃至Dのそれぞれの光記録媒体に対して光情報の記録再生が行われた。そして、記録再生時における回折効率ηが、図3に示す回折効率測定装置Mによって測定された。
<Measurement of diffraction efficiency of optical recording medium and calculation of M #>
Optical information was recorded and reproduced on each of the manufactured optical recording media of Samples A to D. Then, the diffraction efficiency η during recording / reproduction was measured by a diffraction efficiency measuring apparatus M shown in FIG.
YAGレーザ源31から照射されたYAGレーザ光(波長:532nm)が、対物レンズ32、レンズ33、ビームスプリッタ34、ミラー35を経由することによって記録光L1として光記録媒体OM(サンプルA乃至Dに相当)の表面S1に照射された。この際、記録光L1の光記録媒体OMの表面S1に対する入射角度は15度に設定されるとともに、スポット径は8mmφに設定された。そして、ビームスプリッタ34で分離された光は、ミラー35を介して参照光L3として記録光L1に合わせ込まれた。その結果、光記録媒体OMの記録層では干渉縞が形成されることによって光情報がホログラム記録された。なお、この回折効率測定装置Mでは、スケジュール記録により、光記録媒体OMの記録層に光情報の多重記録を行った。このスケジュール記録により多重時に同じ回折効率ηを得ることができる。
The YAG laser light (wavelength: 532 nm) irradiated from the
このような多重化された光情報それぞれについて、記録と再生のそれぞれの際に、He−Neレーザ源38からミラー39およびミラー40を介して、波長633nmのHe−Neレーザ光L2を、光記録媒体OMの裏面S2に入射角度、約18度のブラッグ(Bragg)角で入射させた。そして、このときの露光量に対する回折効率ηの変化を観測した。回折効率ηを算出するために、光記録媒体OMの表面S1の側に設けられたパワーメータ41によって、He−Neレーザの回折光(再生光)の光量を測定した。回折効率ηは、光記録媒体OMの裏面S2に入射するHe−Neレーザの入射光量(He−Neレーザ源38からの出射光量)と、測定した回折光の光量に基づいて式(1)によって算出した。
η(%)=回折光の光量/入射光量×100・・・・(1)
For each of such multiplexed optical information, the He-Ne laser beam L2 having a wavelength of 633 nm is optically recorded from the He-
η (%) = diffracted light quantity / incident light quantity × 100 (1)
次に、多重化された光情報それぞれについての記録と再生のそれぞれの回折効率ηに基づいて式(2)によって、記憶容量の大きさの指標となるエムナンバーM♯を算出した。なお、この算出に際して、記録層の厚みを100μmに規格化したエムナンバーM♯を算出した。規格化には、測定した記録層の厚みを用いた。エムナンバーM♯は、光情報が多重化されればされるほど大きくなり、個々の光情報の回折効率が大きくなればなるほど大きくなるので、記憶容量を相対的に表していると考えられる。すなわち、エムナンバーM♯が大きいほど記憶容量が大きいと考えられる。なお、記録層の厚みでエムナンバーM♯を規格化しているのは、記録層の厚みの影響を排除してサンプルA乃至Dを比較するためである。
M♯=Σ(η1/2)・・・・(2)
Next, an M number M # serving as an index of the size of the storage capacity was calculated by Equation (2) based on the diffraction efficiency η for recording and reproduction for each multiplexed optical information. In this calculation, an M number M # with the thickness of the recording layer normalized to 100 μm was calculated. For normalization, the measured thickness of the recording layer was used. The M number M # increases as the optical information is multiplexed, and increases as the diffraction efficiency of the individual optical information increases. Therefore, the M number M # is considered to represent the storage capacity relatively. That is, the larger the M number M #, the larger the storage capacity. The reason why the M number M # is standardized by the thickness of the recording layer is to eliminate the influence of the thickness of the recording layer and compare the samples A to D.
M # = Σ (η 1/2 ) (2)
サンプルA乃至DのエムナンバーM♯を表3に示す。実施例1のサンプルAのエムナンバーM♯は、4.0であった。実施例2のサンプルCのエムナンバーM♯は、1.6であった。比較例1のサンプルBのエムナンバーM♯は、3.5であった。比較例2のサンプルDのエムナンバーM♯は、1.2であった。 Table 3 shows the M numbers M # of samples A to D. The M number M # of the sample A of Example 1 was 4.0. The M number M # of the sample C of Example 2 was 1.6. The M number M # of Sample B of Comparative Example 1 was 3.5. The M number M # of the sample D of Comparative Example 2 was 1.2.
実施例1のエムナンバーM♯は、比較例1のエムナンバーM♯より大きくなっている。このことから、実施例1の記録層のほうが記録容量が大きいことがわかる。なお、多重化の回数は、実施例1と比較例1とで等しいので、実施例1の記録層のほうが比較例1より回折効率ηが大きいことがわかる。これは、実施例1のほうが、厚み方向により深いところまで均一な干渉縞が生成されているためと考えられる。実施例1は、実施の形態の光記録媒体に相当し、比較例1は、例1の光記録媒体に相当しているので、実施の形態の光記録媒体によれば、記録層の厚みが250μmと厚くても、厚み方向により深いところまで均一な干渉縞が生成できると考えられる。 The M number M # of Example 1 is larger than the M number M # of Comparative Example 1. From this, it can be seen that the recording layer of Example 1 has a larger recording capacity. Since the number of times of multiplexing is the same in Example 1 and Comparative Example 1, it can be seen that the recording layer of Example 1 has a higher diffraction efficiency η than Comparative Example 1. This is considered to be because the uniform interference fringes are generated in the first embodiment deeper in the thickness direction. Since Example 1 corresponds to the optical recording medium of the embodiment, and Comparative Example 1 corresponds to the optical recording medium of Example 1, according to the optical recording medium of the embodiment, the thickness of the recording layer is Even if it is as thick as 250 μm, it is considered that uniform interference fringes can be generated deeper in the thickness direction.
また、実施例2のエムナンバーM♯は、比較例2のエムナンバーM♯より大きくなっている。このことから、実施例2の記録層のほうが記録容量が大きいことがわかる。多重化の回数は、実施例2と比較例2とで等しいので、実施例2の記録層のほうが比較例2より回折効率ηが大きいことがわかる。これは、実施例2のほうが、厚み方向により深いところまで均一な干渉縞が生成されているためと考えられる。実施例2は、実施の形態の光記録媒体に相当し、比較例2は、例1の光記録媒体に相当しているので、実施の形態の光記録媒体によれば、記録層の厚みが500μmと厚くても、厚み方向により深いところまで均一な干渉縞が生成できると考えられる。 In addition, the M number M # of Example 2 is larger than the M number M # of Comparative Example 2. This shows that the recording layer of Example 2 has a larger recording capacity. Since the number of multiplexing is the same in Example 2 and Comparative Example 2, it can be seen that the recording layer of Example 2 has a higher diffraction efficiency η than Comparative Example 2. This is presumably because the uniform interference fringes are generated deeper in the thickness direction in Example 2. Example 2 corresponds to the optical recording medium of the embodiment, and Comparative Example 2 corresponds to the optical recording medium of Example 1. Therefore, according to the optical recording medium of the embodiment, the thickness of the recording layer is Even if it is as thick as 500 μm, it is considered that uniform interference fringes can be generated deeper in the thickness direction.
以上のように、実施の形態、実施例1、実施例2によれば、記録層が厚くても厚み方向に均一な光情報の記録ができる光記録媒体を提供することができる。 As described above, according to the embodiment, Example 1, and Example 2, it is possible to provide an optical recording medium capable of recording optical information uniformly in the thickness direction even when the recording layer is thick.
1 記録層
2、3 光透過性基板
4 記録光
5 透過光
6 光吸収率曲線
6a 下段の光吸収率曲線
6b 中段の光吸収率曲線
6c 上段の光吸収率曲線
7 干渉縞が生成可能な積(r×n)の下限値
8 干渉縞
9 不完全あるいは未生成の干渉縞
11、12、13 記録層
14、15 反射層
16、17 集光した記録光
18、19 光吸収率がゼロと仮定した場合の光子密度曲線
20、21 光子密度曲線
22 記録層が薄い場合の積の曲線
23 記録層が厚い場合の積の曲線
25 入射面
26 出射面又は反射面
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記記録層の前記記録光に対する光吸収率は、前記入射面から離れるにしたがい連続的または断続的に増加していることを特徴とする光記録媒体。 An optical recording medium having a recording layer for recording optical information by recording light entering from an incident surface,
The optical recording medium according to claim 1, wherein the light absorption rate of the recording layer with respect to the recording light continuously or intermittently increases as the recording layer moves away from the incident surface.
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2006
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