JP2007196001A - 生体光計測装置 - Google Patents

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Tokiyoshi Ichikawa
祝善 市川
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Abstract

【課題】異常部位の特定が可能であり、また異常部位の酸素残留量の変化をモニタすることが可能な生体光計測装置を提供する。
【解決手段】複数の光照射位置から被検体に光を照射し、被検体を透過した光を複数の光検出位置で検出し、光照射位置と検出位置とで決まる複数の測定点の生体情報を処理し、ヘモグロビン濃度等を計算する生体光計測装置において、処理部は、酸素負荷直後から所定時間後の酸素化ヘモグロビン濃度又は積分値の経時的変化を計測し、計測結果から異常を生じている部位を特定するとともに、その部位における酸素残留時間を算出し、入出力部20に出力する。
【選択図】図3

Description

本発明は生体からの透過光、反射光或いは散乱を測定し、生体の情報、特に血行や血中ヘモグロビン変化等を計測する生体光計測装置に関し、特に悪性部位の判定を行なうことができ、悪性部位の高圧酸素療法と放射線治療法との併用にあたってのモニタや診断装置として有用な生体光計測装置に関する。
従来より生体からの透過光等を計測し、簡便かつ生体に害を与えずに血液中の酸素量を計測する酸素モニタが知られている。しかし従来の酸素モニタは一ケ所のみを計測するものであり、多点で、生体内部を計測する装置が臨床医学および脳科学等の分野で切望されていた。この要望に対し、可視から赤外の波長の光を複数の照射位置から生体に照射し、生体を透過した光を複数の検出位置で検出することにより生体内部を計測する装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
この装置は生体光計測装置或いは光トポグラフィ装置と呼ばれ、複数の計測点で計測された光強度信号をもとに計測点毎の血中酸化ヘモグロビン/脱酸化ヘモグロビン濃度の相対変化量を計算し、トポグラフィと呼ばれるヘモグロビン分布図を表示する。
このようなトポグラフィではヘモグロビン濃度の変化の様子から生体に生じている変化や異常を知ることができるが、トポグラフィは計測点の位置を座標として描出されているので、変化を生じている部位の特定が困難であり、トポグラフィからの診断が困難であった。
また悪性腫瘍のように病変によってはヘモグロビン濃度の変化の仕方の違いによって正常組織と識別可能なものがあるが、上記提案された生体光計測装置では特定の部位について他の部位との時間的な変化の違いを識別することは困難であった。
さらに悪性腫瘍の放射線治療は、悪性腫瘍の酸素濃度が高いときに行なうことが最も効果的であることが報告されており、酸素負荷から放射線照射までの時間を適切に選択することにより正常組織への障害効果を最小にして悪性腫瘍の細胞障害を効果的に行なうことができるとされている(非特許文献1)。しかし放射線照射タイミングを確実に知る手段はなく、経験に頼らざるを得なかった。
特願平9-98972号公報 特開平9-149903号公報 合志清隆ら、「癌治療と高気圧酸素」日本高気圧環境医学会雑誌33巻、22号、81〜90頁、1999
そこで本発明は変化が生じている部位の特定を可能にした生体光計測装置を提供することを目的とする。また本発明は変化が生じている部位からの生体情報、例えばヘモグロビン濃度変化を経時的に描出することが可能である生体光計測装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、特定の部位について酸素の残留時間を算出し或いは表示することが可能な生体光計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の生体光計測装置は、複数の光照射位置から各々異なる変調を受けた光を生体に照射する光照射手段と、前記生体内を透過した光を複数の検出位置で検出し、光照射位置との関係で決る複数の計測部位について、検出した光量に対応する電気信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段からの電気信号に基づき前記計測部位毎のヘモグロビン濃度を計算する信号処理手段と、前記信号処理手段の計算結果を表示する手段とを備え、前記信号処理手段は、酸素負荷を印加された前記被検体内の組織について、前記酸素負荷直後から所定時間後の酸素化ヘモグロビン濃度又は積分値の経時的変化を計測することを特徴とする。
計測部位毎に素負荷直後から所定時間後の酸素化ヘモグロビン濃度又は積分値の経時的変化を計測し、表示することにより、ヘモグロビン濃度の経時的挙動が異なる組織、即ち正常組織と悪性腫瘍を識別することが可能となる。尚、本明細書において、生体を透過した光とは、透過光、反射光、散乱光を特に区別せずに光源から発せられて生体と相互作用した後に光検出器で検出されたすべての光を含む。
また本発明の生体光計測装置は、前記信号処理手段は、酸素負荷を印加された前記被検体内の組織について、酸素化ヘモグロビン濃度変化から前記組織に酸素が残留する残留時間を計測することを特徴とする。
血中の酸素残留時間を知ることができるので、血中酸素量に対応した治療等を行なう場合、最も適切な時点で治療等を行なうことができる。例えば正常組織の酸素残留時間と悪性腫瘍の酸素残留時間を知ることにより、悪性腫瘍の放射線治療において正常組織の障害が最小で悪性腫瘍の細胞障害が最大となる最も適切な照射タイミングを選んで、放射線照射を行なうことができる。
以下、本発明の生体光計測装置の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の生体光計測装置の一実施形態を示す構成図で、この光計測装置は、主として被検体9に光を照射するための光源部1と、被検体9を透過した光を検出する光検出部(フォトダイオード11及ロックインアンプモジュール12)と、光源部1及び光検出部の駆動を制御するとともに光検出部が検出した光量に基づき被検体9の生体情報を表すトポグラフィ等を作成するための計算を行なう制御部17とを備えている。本実施例では、2種の異なる波長の光を用いて、5つの光照射位置から生体に光を照射し、4つの光検出位置で検出する場合を説明するが、光照射位置や検出位置の数や発光する光の種類(数)はこれに限定されない。
光源部1は、複数の光モジュール2と、各光モジュール2が発光する光を変調するための発振部3と、各光モジュール2に接続された光ファイバ8とを備えている。光モジュール2の数は、本実施例では光照射位置に対応して5個である。
個々の光モジュール2は、二個の半導体レーザを備え、これら二個の半導体レーザから、可視から赤外の波長領域の異なる波長の光を照射する。波長は測定する対象によって異なるが、例えばヘモグロビン変化を測定する場合、780nm及び830nmの二波長の光を放射する。尚、光源部1は、半導体レーザの代りに発光ダイオードを用いることも可能である。
発振部3は、光モジュール2の半導体レーザの数に対応して、発振周波数の異なる10個の発振器で構成され、光モジュール2が発生する光にそれぞれ異なる変調、例えば振幅変調を与える。
光モジュール2が放射する二波長の光は、図示しない光ファイバ結合器を介して1本の光ファイバ、即ち照射用光ファイバ8内に導入される。
一端が光ファイバ結合器に接続された照射用光ファイバ8の他端は、後述する検出部の検出用光ファイバ10とともに、所定の配置となるように図示しない装着具に固定され、被検体に装着される。これら光ファイバの端面は被検体表面上に軽く接触しており、照射用光ファイバ8の他端から被検体9の表面上の異なる5個所の照射位置から照射され、被検体から反射された光を、被検体表面上の4個所の検出位置に配置された検出用光ファイバ10で検出するようになっている。装着具に装着された光ファイバの端部はプローブと呼ばれる。また光ファイバを被検体に装着するための装着具は、ベルト状やヘルメット状など検査対象に応じて種々の形状とすることができ、例えば特開平9-149903号に記載されているような生体光計測装置において公知のものを用いることができる。
図2に照射位置および検出位置の配置の一例を示す。図示する例では、5本の照射用光ファイバ8に対応して5つの照射位置R1〜R5が示され、これら照射位置R1〜R5は、検出位置D1〜D4と交互に正方格子上に配置されている。この時、隣接する照射位置と検出位置との中点を計測位置とすると、この場合、隣接する照射位置と検出位置との組合せが12通り存在するため、計測位置数すなわち計測チャンネルが12個となる。
検出部は、光信号を電気信号に変換する光検出器11と、変調信号を選択的に検出する検出回路12と、A/D変換器16とからなり、光検出器11は各検出用光ファイバ10に接続されている。図示する実施例では、光検出器11として、フォトダイオードを示しているが、光電子増倍管等、光電変換素子であれば他の素子も採用することができる。特に高感度な光計測が実現できるアバランシェフォトダイオードが望ましい。
検出回路12は、図示する実施例では複数のロックインアンプと増幅回路から構成されるロックインアンプモジュールで、照射位置かつ波長に対応した変調信号を選択的に検出する。図2に示す照射位置と検出位置の配置の場合、二波長の光を用いて12の計測位置を計測するので、計測すべき信号数は24となる。従ってロックインアンプモジュールは24個のロックインアンプを用いる。ただしデジタル変調を用いた場合には、変調信号検出としてデジタルフィルターもしくはデジタルシグナルプロセッサを用いる。A/D変換器16は、ロックインアンプモジュール12で計測した信号をデジタル信号に変換して制御部17に送る。
制御部17は、ロックインアンプモジュール12で計測した信号やその計算結果等を記録する記録部18と、予め記憶されたヘモグロビンの検量線等を用いてデジタル変換された計測信号を計算しトポグラフィを作成する処理部19と、制御部17に計測の条件等の必要な情報を入力するとともに処理部19が作成したトポグラフィ等をモニタに表示する入出力部20を備えている。
処理部19は、各計測位置ごとに二波長の検出光量を用いて、脳活動に伴う酸素化ヘモグロビン濃度変化、脱酸素化ヘモグロビン濃度変化、さらにはこれらヘモグロビン濃度総量としての全へモグロビン濃度変化を計算し、トポグラフィを作成する。この手法は、例えば特開平9-19408号等に記載されているのでここでは詳細の説明を省略する。また処理部19は、酸素化ヘモグロビン濃度変化及び脱酸素化ヘモグロビン濃度変化から特定の部位に酸素が残留する時間を計算するとともに残留時間に基づきその部位が悪性腫瘍であるか否かの特定を行なう。
入出力部20は、計測の条件等の他、X線CT装置やMRIなど他の画像診断装置で計測された画像データを入力するとともに、これらCT画像又はMR画像と並列して或いはCT画像又はMR画像上に処理部19が形成したデータを重ねてモニタに表示させる。
他の画像診断装置の画像データは、計測点毎に得られる生体光計測データと被検体の部位とを関連付けるために計測するもので、生体光計測に先立って、被検体に生体光計測のプローブを装着した状態で、計測点に対応する被検体上の場所に他の画像診断装置で画像化可能なマーカーを付して撮影することにより得られる。マーカーとして、X線CTの場合にはアルミ箔等の金属箔、金属球や造影剤を用いることができ、MRIの場合にはビタミンE等の脂溶性薬剤や造影剤等を用いることができる。
次に上記構成による生体光計測装置を、酸素負荷時における脳部の悪性腫瘍の診断に適用した場合の実施例について、特に処理部19の処理を中心に説明する。図3及び図4に処理部19の処理ステップを示す。
被検体頭部の左右に図2に示す配置のプローブを装着し、光源部1から光を発生し、光照射位置から照射するとともに検出部で12計測点についてそれぞれ二波長の光を検出する。信号処理部は、両方の波長の光の量から連立方程式により酸素化ヘモグロビン量及び脱酸素化ヘモグロビン量を算出する(ステップ301)。この計算は各チャンネル(測定点)毎に行なう。ステップ301を連続的に行ない、酸素化ヘモグロビン量および脱酸素化ヘモグロビン量をそれぞれ時間軸に対しプロットしたグラフを作成し、入出力部20を介してモニタに表示させる(ステップ302)。このような測定は酸素吸入の前から開始し、酸素吸入前に計測された値をベース値とする。その後、例えば2分間の酸素吸入によって酸素負荷を与えてヘモグロビン量の変化をモニタする。
図5(a)はモニタに表示されるグラフの一例を示したものであり、図示するように右脳及び左脳のそれぞれについて12の計測点についてグラフが表示される。尚、図示する例では、計測点数が少なく全ての計測点のグラフを表示した場合を示したが、計測点数が数10或いは100以上と多数になる場合には、一部の計測点、例えば後述する処理によって正常でないと判断された部位のみについてグラフ表示することも可能である。
図5(b)〜(d)は図5(a)の各計測点のうち左脳の計測点P3、P7及び右脳の計測点P10のグラフをそれぞれ示したものである。左脳の計測点P7のグラフで見るように、正常組織では酸素化ヘモグロビン量は酸素負荷後急激に上昇した後、急速に元の値に戻るのに対し、悪性腫瘍(計測点P10)では酸素負荷後も比較的長時間酸素が残留する。また機能低下を生じている部位(計測点P3)では酸素負荷後の上昇も少なく、減少の仕方も緩やかである。これらグラフの特徴から悪性腫瘍部位や機能低下部位を判定することができる。
ただしこのようなグラフから悪性腫瘍を判定することには熟練を要する。従って本実施例では、処理部19によって自動的に判定する。即ち、処理部19は、上述した各測定点のヘモグロビン量の時間的な変化に基づきどの測定点が悪性腫瘍であるかを判断する。このため酸素負荷後の経過時間をカウントし(ステップ303)、一定時間経過したらそれより所定時間前までの酸素化ヘモグロビン量の平均値を計算する(304)。そして平均値が閾値(例えばベース値)以上か否かを判断し(305)、閾値以上であれば該当するチャンネルに悪性腫瘍である旨のマークを設定する(306)。
ステップ303からステップ304に進む時点は、正常組織であれば酸素化ヘモグロビンが元の値(ベース値)に戻る時点から所定時間(t)過ぎた時点である。正常組織中の酸素化ヘモグロビンが酸素負荷後、元の値(ベース値)に戻るまでの時間はほぼ2分程度であることが知られているので、ここでは3分(t=3)経過するまでの時間を加え、5分に設定している。この時間は被検体の性別、年齢等によって適宜変更することができ、入出力部20から設定することができる。またヘモグロビン量の計算は、この所定時間tについて平均する。
この場合、ステップ305の閾値としてはベース値を使用できるが、装置の誤差等を考慮してベース+αd(dは酸素負荷をかける前の値の分散、αは係数で例えば3)とするのが実際的である。この閾値も入出力部20から設定することができる。
このように設定した場合、正常組織であれば5分経過後、その時点から過去3分間についての値はほぼベース値であるのに対し、悪性腫瘍の場合には酸素残留時間が長いため2分経過後5分経過するまでの間、酸素化ヘモグロビンはベース値よりも高い値を示す。従って上記ステップ305によって悪性腫瘍であることが判定できる。
以上のステップ301〜306を全てのチャンネルについて行ない、各計測点について悪性腫瘍か否かを判定する。尚、図3に示す実施例では、所定時間経過後に過去の酸素化ヘモグロビン値を計算することにより悪性腫瘍の判断を行なう場合を説明したが、脱酸素化ヘモグロビン値やこれらの差分を用いてもよい。さらに図5に示すグラフの酸素化ヘモグロビン曲線及び脱酸素化ヘモグロビン曲線で囲まれる面積(一定時間範囲の積分値)を計算し、この面積が所定値以上か否かを判断するようにしてもよい。
また上述したように例えば機能低下部位についても酸素吸入の立ち上がりが遅いという正常組織とは異なる特徴的なヘモグロビン変化が見られるので、この特徴をもとに機能低下部位の判定を行うことも可能である。この場合、例えば酸素吸入直後から所定時間後の酸素化ヘモグロビン量が所定値以下である場合を機能低下部位と判定することも可能であるし、吸入直後から所定時間までの積分値が所定値以下か否かを判断するようにしてもよい。機能低下部位の判断フローは、図3に示すフローに追加することも可能である。
次にこのように悪性腫瘍或いは機能低下であると判定された測定点と部位との関連付けについて説明する。以下、簡単のための悪性腫瘍の場合を説明する。
処理部19は上述した各測定点についての処理ステップが終了すると、公知の手法に基づきトポグラフィを作成する(401)。トポグラフィは、例えば酸素の多い領域を赤、酸素の少ない領域を青として色調の変化で表したり、階調表示することができる。このようなトポグラフィは、例えば酸素負荷前、負荷後一定時間経過後の2つ時点についてそれぞれ作成し、計測時刻とともに表示する。
次いでステップ306で悪性腫瘍マークがセットされた計測点をこのトポグラフィ上に特定のマークや色で表示することによりセットし(402)、この悪性腫瘍マークが付されたトポグラフィを、例えば図6に示すように、入出力部20から入力されている他の画像診断装置の診断用画像上に重ねて表示する(403)。この場合、既に述べたように診断用画像には生体光計測装置の各計測点の像も表示されているので(図6では省略されている)、これら計測点とトポグラフィの計測点とが重なるようにトポグラフィを拡大、縮小することにより、正確に重ねることができる。この場合、例えば診断用画像を白黒階調表示とし、トポグラフィを赤や青等の色調表示することにより、診断用画像の部位を確認しながら悪性腫瘍部位を特定することができる。或いはトポグラフィのうち悪性腫瘍マークがセットされた計測点のみを色調表示し診断用画像に重ねてもよい。さらに画像データを用いて後述する放射線治療における線量を計算する場合には、CTではCT値を示す白黒値を用いれば正確に計算することができる。
このように診断用画像上で悪性腫瘍部位が特定されるので、診断用画像から得られる他の情報と併せて信頼性の高い診断を行なうことができる。
以上述べたように、生体光計測装置の処理部の機能として、各測定点毎のヘモグロビン量の時間的変化を表示する機能をもたせたことにより、異常を生じている部位を特定することができ、診断上非常に有効な生体情報をわかりやすい形で取り出すことができる。特に部位毎の時間的変化の違いから異常部位を自動的に判定する機能をもたせることにより、熟練を要せずに容易に異常部位の判定と表示を行なうことができる。
尚、この実施例では生体光計測データと被検体の部位とを関連付けるために、生体光計測のプローブを装着した状態で他の画像診断装置で撮影し、このデータを生体光計測装置に入力する場合を説明したが、MRIやCTによる撮影と生体光計測を別々に行った後、3次元入力装置、例えばニューロナビゲータを用いてMR画像やCT画像上に光トポグラフィを重ねることも可能である。
また上記実施例では、悪性腫瘍マークをセットしたトポグラフィを診断用画像上に重ねて表示する場合を説明し、そのような手法が診断上最も有効であるが、表示手法はこれに限定されず、例えばトポグラフィと診断用画像をモニタ上に並べて表示してもよい。この場合には、診断者は診断用画像に表われた生体光計測装置の計測点の位置をトポグラフィと対照しながら、部位の特定ができる。
以上、本発明の生体光計測装置を、酸素負荷時における脳部の悪性腫瘍の診断に適用した場合の実施例を説明した。次に本発明の生体光計測装置を、悪性腫瘍の放射線治療に適用した場合の実施例を説明する。
既に述べたように悪性腫瘍の放射線治療において、腫瘍組織に酸素負荷をかけ、酸素が滞留している間に放射線を照射することにより高い治療効果が得られることが知られている。この実施例では、この知見に基づき、悪性腫瘍における酸素残留時間を検出し、これを放射線治療に利用する。
図7は、本発明の生体光計測装置を組込んだ放射線治療システムの概要を示す図であり、生体光計測装置71と、治療用の写真を撮影するとともに治療のシミュレーションを行う撮像シミュレーション装置、ここではCT装置72と、マイクロトロン等の放射線照射を行なう治療装置73と、酸素吸入器74とから構成される。
このシステムの動作を図8を参照して説明する。酸素吸入器74を用いて、まず生体光計測装置71による計測を行ない患者の悪性腫瘍部位の特定と、酸素負荷状態とした場合の酸素残留時間の計測を行なう(ステップ801、802)。酸素残留時間の計測は正常部位と悪性腫瘍部位の各々について行う。各酸素残留時間計測の手順については後述する。悪性腫瘍部位の特定は、前述の実施例と同様であり、酸素化ヘモグロビン量の減少を監視し、一定時間後にベース値に戻らなかった場合を悪性腫瘍と判断し、これを予め生体光計測装置のプローブを装着してCT装置72で撮影した画像上にセットする(ステップ803)。但し、この場合には、CT装置72の画像を生体光計測装置71に転送或いは入力しておくのではなく、悪性腫瘍と判定された計測点の情報をCT装置72に送り、CT装置72側で該当する計測点に悪性腫瘍マークをセットする。
CT装置72は、CTで撮影した画像データを用いて、治療装置の放射線ビームから見た画像(DRR画像)を合成し、表示する(804)。オペレータはこの画像を見て、線量計算をシミュレーションして最適な照射野、門数を決定する(805)。CT装置72は、この設定によって決る照射野形状の制御パラメータMLC(Multi Leaf Collimeter)を治療装置73にデジタル信号として転送する(806)。
以上の様な準備が終了した後、CT装置72に表示された悪性部位を見ながら患者の対応部位に治療中心(アイソセンター)マークを付けて、治療装置のアイソセンターを患者のマーク部位に合わせる(807)。酸素吸入を開始し、その時点から正常組織の酸素残留時間経過後、悪性腫瘍の酸素残留時間までの間に放射線照射を行なう(808)。
処理部19で行う酸素残留時間計測の手順の一例を図9に示す。図9には悪性腫瘍部位について酸素残留時間を計測する場合の手順を示したが、この処理は、図3に示す処理によって悪性部位と判断された計測点と正常部位と判断された計測点の両方について行う。図9のフローにおいてステップ902〜904は図3のステップ303〜305と同様であり、設定された比較的短い時間毎に例えば過去1分程度の酸素化ヘモグロビン値の平均値を求め、それがベース値+3d以内かどうかを判断する。平均値がベース値+3d以内になった時点で、平均をとった時点のうち一番早い時点(酸素負荷からその時点までの時間)を酸素残留時間とする(906)。尚、悪性腫瘍或いは正常部位と判断された計測点が複数ある場合には、複数の計測点について上記処理を行い、その平均をとることが望ましい。
こうして求めた酸素残留時間のうち、正常部位についての酸素残留時間を用いて治療装置73の放射線照射開始を決め、悪性腫瘍組織の酸素残留時間を放射線照射終了を決める。これにより、酸素が残留している最も効果的な時間内で放射線治療を行なうことができる。
尚、この実施例では予め生体光計測によって酸素残留時間を求めておき、それによって放射線治療の開始、終了のタイミングを決定する場合を示したが、生体光計測装置の装着具として放射線を反射、吸収しない材料を用いることにより、放射線治療のモニタとして生体光計測装置を利用することも可能である。即ち、生体光計測装置を装着した状態で、酸素吸入を行い、残留酸素濃度を監視しながら、悪性腫瘍部位が適切な放射線照射タイミングとなったときに治療を行うことも可能である。
またこの実施例では、悪性腫瘍部位の特定と、悪性腫瘍組織における酸素残留時間とを共に生体光計測装置71によって行うようにしているが、悪性腫瘍部位の特定は生体光計測装置71に代えて或いは併用して別の診断装置で行ってもよい。
本発明の生体光計測装置によれば、複数ある計測点毎にヘモグロビン濃度または積分値の変化を測定し、表示させることにより、ヘモグロビン濃度の経時的変化について正常組織と異なる挙動を示す悪性腫瘍をその部位との関係で判別することができる。またヘモグロビン量の時間経過から、悪性腫瘍における酸素残留時間を算出し、表示させることにより、悪性腫瘍の放射線において適切な照射タイミングを設定することができる。特に本発明の生体光計測装置で得られた情報を他の診断装置で得られた治療用或いは診断用画像に組込むことにより、悪性腫瘍部位への放射線照射が容易になる。
本発明の生体光計測装置の実施形態を示すブロック図。 光照射位置および検出位置の配置の一実施例を示す図。 本発明の生体光計測装置の動作の一実施例を示すフロー図。 図3のフローに続く動作のフロー図。 本発明の生体光計測装置によって表示されるヘモグロビン濃度の時間経過の一例を示す図。 本発明の生体光計測装置によって表示されるヘモグロビン濃度の時間経過の一例を示す図。 本発明の生体光計測装置を組込んだ放射線治療システムの一実施例を示す概念図。 本発明の生体光計測装置を放射線治療に適用した一実施例を示すフロー図。 本発明の生体光計測装置による酸素残留時間を算出する手順の一例を示すフロー図。
符号の説明
1・・・・・・光源部
2・・・・・・光モジュール
11・・・・フォトダイオード(光検出部)
12・・・・ロックインアンプモジュール(光検出部)
17・・・・制御部
19・・・・処理部
20・・・・入出力部

Claims (2)

  1. 複数の光照射位置から各々異なる変調を受けた光を生体に照射する光照射手段と、前記生体内を透過した光を複数の検出位置で検出し、光照射位置との関係で決る複数の計測部位について、検出した光量に対応する電気信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段からの電気信号に基づき前記計測部位毎のヘモグロビン濃度を計算する信号処理手段と、前記信号処理手段の計算結果を表示する手段とを備えた生体光計測装置において、
    前記信号処理手段は、酸素負荷を印加された前記被検体内の組織について、前記酸素負荷直後から所定時間後の酸素化ヘモグロビン濃度又は積分値の経時的変化を計測することを特徴とする生体光計測装置。
  2. 複数の光照射位置から各々異なる変調を受けた光を生体に照射する光照射手段と、前記生体内を透過した光を複数の検出位置で検出し、光照射位置との関係で決る複数の計測部位について、検出した光量に対応する電気信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段からの電気信号に基づき前記計測部位毎のヘモグロビン濃度を計算する信号処理手段と、前記信号処理手段の計算結果を表示する手段とを備えた生体光計測装置において、
    前記信号処理手段は、酸素負荷を印加された前記被検体内の組織について、酸素化ヘモグロビン濃度変化から前記組織に酸素が残留する残留時間を計測することを特徴とする生体光計測装置。
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