JP2007176979A - 燃料原液改質装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料原液の微細化処理の処理効率を向上することが可能な燃料原液改質装置を提供する。
【解決手段】燃料原液を改質処理する装置であって、圧送される燃料原液を加速させる第1および第2ノズル2,3およびノズルにロータ面4a,5aを向けて配置されて燃料原液が衝突される回転自在な第1および第2ロータ4,5を燃料原液の流れ方向に交互に複数設け、ロータには、ロータ面の外周部に位置させて、流通する燃料原液でロータを回転させると同時に、その回転で燃料原液の流れにせん断力を作用させて旋回流を生じさせつつ燃料原液を破砕する第1および第2斜方スリット6,7を貫通形成し、交互に設けたノズルおよびロータの燃料原液流れ方向下流側に、旋回流となって流れ込む燃料原液が衝突される凹曲面壁部8を有して、その内部で燃料原液を層流状態で撹拌混合させる混合チャンバ9を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】燃料原液を改質処理する装置であって、圧送される燃料原液を加速させる第1および第2ノズル2,3およびノズルにロータ面4a,5aを向けて配置されて燃料原液が衝突される回転自在な第1および第2ロータ4,5を燃料原液の流れ方向に交互に複数設け、ロータには、ロータ面の外周部に位置させて、流通する燃料原液でロータを回転させると同時に、その回転で燃料原液の流れにせん断力を作用させて旋回流を生じさせつつ燃料原液を破砕する第1および第2斜方スリット6,7を貫通形成し、交互に設けたノズルおよびロータの燃料原液流れ方向下流側に、旋回流となって流れ込む燃料原液が衝突される凹曲面壁部8を有して、その内部で燃料原液を層流状態で撹拌混合させる混合チャンバ9を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料原液の微細化処理の処理効率を向上することが可能な燃料原液改質装置に関する。
本願発明者は先に、特許文献1で、燃料原液改質システムを提案している。このシステムは、食廃油や廃油などの高粘度低品位な燃料原液を循環させる循環系路に、燃料原液を力学的に微細化する破砕部の流出口と燃料原液を電磁気的に微細化する磁場印加部の流入口とを直結して両者を一体的に結合して構成した低分子化装置を設け、上記破砕部は、燃料原液を加速するノズルと、該ノズルで加速された燃料原液の流れ方向にスライド自在に設けられ、燃料原液を破砕するロータとを、交互に複数組み合わせて構成され、上記磁場印加部は、燃料原液の流れ方向と直交する面内に異なる磁性の磁性体が交互に環状に配列されて構成されている。
実用新案登録第3111006号公報
背景技術によれば、燃料原液を効果的に微細化することはできるが、燃料原液を何度も循環させる必要があり、処理効率の面で改善の余地があり、本願発明者はこの点に着目してさらに鋭意研究を重ねたところ、燃料原液を力学的に微細化する部分に関して改良を施すことにより、処理効率を飛躍的に向上できることを見出して、本発明を完成するに到ったものである。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、燃料原液の微細化処理の処理効率を向上することが可能な燃料原液改質装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる燃料原液改質装置は、燃料原液を改質処理する装置であって、圧送される燃料原液を加速させるノズルおよび該ノズルにロータ面を向けて配置されて燃料原液が衝突される回転自在なロータを燃料原液の流れ方向に交互に複数設け、上記ロータには、上記ロータ面の外周部に位置させて、流通する燃料原液で該ロータを回転させると同時に、その回転で燃料原液の流れにせん断力を作用させて旋回流を生じさせつつ燃料原液を破砕する斜方スリットを貫通形成し、複数の上記ノズルは、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の該ノズルの口径を下流側の該ノズルの口径よりも小さく設定し、複数の上記ロータは、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の該ロータの外径寸法を下流側の該ロータの外径寸法よりも小さく設定し、上記斜方スリットは、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の該斜方スリットの大きさを下流側の該斜方スリットの大きさよりも小さく設定し、交互に設けた上記ノズルおよび上記ロータの燃料原液流れ方向下流側に、旋回流となって流れ込む燃料原液が衝突される凹状壁部を有して、その内部で燃料原液を層流状態で撹拌混合させる混合チャンバを設けたことを特徴とする。
燃料原液に磁力を作用させる磁化ユニットを備えたことを特徴とする。
前記磁化ユニットが、燃料原液の流れ方向に沿って、交互に設けた前記ノズルおよび前記ロータから前記混合チャンバにわたってこれらを取り囲んで設けられることを特徴とする。
燃料原液には、界面活性剤が添加されていることを特徴とする。
本発明にかかる燃料原液改質装置にあっては、燃料原液の微細化処理の処理効率を向上することができる。
以下に、本発明にかかる燃料原液改質装置の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる燃料原液改質装置1は基本的には、図1から図5に示すように、燃料原液を改質処理する装置であって、圧送される燃料原液を加速させる第1および第2ノズル2,3およびこれらノズル2,3にロータ面4a,5aを向けて配置されて燃料原液が衝突される回転自在な第1および第2ロータ4,5を燃料原液の流れ方向に交互に複数設け、ロータ4,5には、ロータ面4a,5aの外周部に位置させて、流通する燃料原液でロータ4,5を回転させると同時に、その回転で燃料原液の流れにせん断力を作用させて旋回流を生じさせつつ燃料原液を破砕する第1および第2斜方スリット6,7を貫通形成し、複数のノズル2,3は、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の第1ノズル2の口径n1を下流側の第2ノズル3の口径n2よりも小さく設定(n1<n2)し、複数のロータ4,5は、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の第1ロータ4の外径寸法r1を下流側の第2ロータの外径寸法r2よりも小さく設定(r1<r2)し、斜方スリット6,7は、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の第1斜方スリット6の大きさ(s1×t1)を下流側の第2斜方スリット7の大きさ(s2×t2)よりも小さく設定し、交互に設けたノズル2,3およびロータ4,5の燃料原液流れ方向下流側に、旋回流となって流れ込む燃料原液が衝突される凹状壁部としての第1凹曲面壁部8を有して、その内部で燃料原液を層流状態で撹拌混合させる混合チャンバ9を設けて構成される。
燃料原液に磁力を作用させて当該燃料原液を磁化する磁化ユニット10が備えられる。磁化ユニット10は、燃料原液の流れ方向に沿って、交互に設けたノズル2,3およびロータ4,5から混合チャンバ9にわたってこれらを取り囲んで設けられる。燃料原液には、界面活性剤が添加される。
本実施形態にかかる燃料原液改質装置1の改質対象である燃料原液には、化石燃料はもちろんのこと、生物体である動植物から得られる油資源すべてが含まれ、これら単独、あるいはこれらの混合物、もしくはこれらに水を加えたものも含まれる。また、燃料原液には、本実施形態にかかる燃料原液改質装置1による改質後の凝集を妨げる意味で、予め燃料原液に界面活性剤を添加しておくことが好ましい。
本実施形態にかかる燃料原液改質装置1は、締め緩め自在なネジによって順次結合される5つの管状ユニット11〜15を備えて構成される。第1管状ユニット11は、電磁波等の進入を抑制するために非磁性材料で形成される。第1管状ユニット11には、これに形成される環状仕切り壁16で区分けして、燃料原液の流れ方向に沿って順次、流入側開口部17を一端に有する中空室18と、第2管状ユニット12が装着される第1凹部19とが形成される。中空室18には、環状仕切り壁16の内周に流出口部20aを螺着して、異物を除去するストレーナ20が収容される。中空室18の流入側開口部17には、図示しないポンプ等で圧送される燃料原液を中空室18に流入させるための原液流入孔21aを有する入口側ブッシング21が螺着される。入口側ブッシング21には、界面活性剤を導入する導入配管38が接続される。導入配管38には、界面活性剤の供給・停止を切り換えるバルブ39と、助剤の逆流を防止する逆止弁40が設けられる。入口側ブッシング21の原液流入孔21aを介して第1管状ユニット11に流入され、界面活性剤が添加された燃料原液は、ストレーナ20で異物が除去された後、その流出口部20aから第1凹部19側へと流入するようになっている。
第2管状ユニット12には、両端に凸部12a,12bが形成される。第2管状ユニット12の一方の凸部12aは、第1管状ユニット11の第1凹部19に螺着される。またこの一方の凸部12aには、ストレーナ20の流出口部20a内に挿入される突起12cが形成される。第2管状ユニット12には、突起12cを有する一方の凸部12aから他方の凸部12bにわたって、燃料原液の流れ方向に沿って順次、流入孔22と、流路断面積が順次狭まる錐体面状流路23と、これを流通する燃料原液の流速を加速させる第1ノズル2と、第1ロータ4を収容する第1ロータ収容室24とが形成される。流入孔22は突起12cに形成され、ストレーナ20の流出口部20aに連通される。
錐体面状流路23は、第2管状ユニット12に窪ませて形成した錐体状凹部25内に錐体状のブロック26を配置することによって、これら間に形成される。ブロック26は、錐体状凹部25の内周面に対し、適宜に連結されて支持される。ブロック26には、流入孔22と向かい合う壁面26aが形成される。錐体面状流路23は、流路断面積が広い一端が流入孔22側に連通され、流路断面積が絞られて狭い他端が第1ノズル2と連通される。第1ノズル2は、錐体面状流路23と第1ロータ収容室24との間に設けられて、これらを連通させる。第1ロータ収容室24は、その内径が第1ノズル2の内径よりも大きく形成される。
第1ロータ4は、第1ノズル2にロータ面4aを向けて、第1ロータ収容室24内に回転自在に設けられる。第1ロータ4はまた、第1ロータ収容室24内で燃料原液の流れ方向にスライド自在に設けられる。図3には第1ロータ4が示されていて、図3(a)はその正面図、図3(b)はその側面図である。第1ロータ4の外周部には、180°間隔で、一対の第1斜方スリット6が形成される。これら第1斜方スリット6は、第1ロータ4をその厚さ方向に斜めに貫通して形成され、それらの斜めの向きは第1ロータ4の周方向に沿って同じ方向に設定される。
ストレーナ20の流出口部20aから流出される燃料原液は、第2管状ユニット12の流入孔22に流入する。流入孔22に流入した燃料原液は、ブロック26の壁面26aに衝突し、これによって破砕され微細化されて、当該壁面26aに沿って広がりながら錐体面状流路23へと向かって流れる。燃料原液はさらに、錐体面状流路23へと繋がるブロック26周りでせん断作用を受けて破砕されつつ、錐体面状流路23へと流れ込む。錐体面状流路23は上述したように、燃料原液の流れ方向に沿って順次流路断面積が狭められるため、燃料原液は、その流体圧が再度高められて、第1ノズル2へと流入する。第1ノズル2を流通することで、燃料原液はその流速が加速され、第1ロータ収容室24に向かって噴出される。
第1ロータ収容室24に噴出した燃料原液は、第1ロータ4のロータ面4aに衝突し、これにより破砕されてさらに微細化され、ロータ面4aに沿って広がりながら第1斜方スリット6へと流れ込む。燃料原液は、第1斜方スリット6に流通することにより、第1ロータ4に一方向の回転力を生じさせてこれを回転させる。同時に、第1ロータ4が回転することで、第1斜方スリット6を通過する燃料原液はせん断力の作用を受け、これにより旋回流となって第1ロータ4から流出されつつ、流出する際に当該第1斜方スリット6によって破砕作用を受ける。燃料原液の流れが第1ロータ4によって旋回流とされることで、それまで破砕され微細化されてきた燃料原液に遠心力が作用し、燃料原液中の、例えば水などの重い分子が外側に、軽い分子が内側となるように分離作用が働く。また、この一方向回転の旋回流は、螺旋様の層流状態の流れとなる。
第1ロータ4は、その表裏に作用する流体圧に応じて第1ロータ収容室24内をスライドし、表裏両側に発生する流体圧をバランスさせて燃料原液の流通性を向上するようになっている。
第3管状ユニット13には、両端に凹部13a,13bが形成される。第3管状ユニット13の一方の凹部13aには、第2管状ユニット12の他方の凸部12bが螺着される。他方の凹部13bには、第4管状ユニット14が螺着される。第3管状ユニット13には、一方の凹部13aから他方の凹部13bにわたって、燃料原液の流れ方向に沿って順次、第1ロータ4から流出された燃料原液の旋回状態を維持する旋回流室27と、燃料原液の流速を加速させる第2ノズル3が形成される。第1ロータ4から流出された燃料原液の旋回流は、旋回流室27を経過して、第2ノズル3へと流入され、その流速が加速される。第2ノズル3の口径n2は、第1ノズル2の口径n1よりも大きく設定される。燃料原液の流速が圧損等により順次低下していくことを考慮し、(流速×ノズル口径)で決まる単位時間あたりの流量が一定になるように、流速の減少に対応させてノズル口径が大きく設定される。
第4管状ユニット14には、両端に凸部14a,14bが形成される。第4管状ユニット14の一方の凸部14aは、第3管状ユニット13の他方の凹部13bに螺着される。第4管状ユニット14の他方の凸部14bには、第5管状ユニット15の一端が螺着される。第4管状ユニット14には、一方の凸部14aから他方の凸部14bにわたって、燃料原液の流れ方向に沿って順次、第2ロータ5を収容する第2ロータ収容室28と、混合チャンバ9を構成する凹状壁部としての第2凹曲面壁部29と、これら第2凹曲面壁部29と第2ロータ収容室28とを連通する噴出口30とが形成される。第2ロータ収容室28は、その内径が第2ノズル3の内径よりも大きく形成される。
図4には第2ロータ5が示されていて、図4(a)はその正面図、図4(b)はその側面図である。第2ロータ5は、第1斜方スリット6と同じ向きの一対の第2斜方スリット7を有して、第1ロータ4と同様に構成される。第2ロータ5の外径寸法r2は、第1ロータ4の外径寸法r1よりも大きく設定される。同一回転速度であれば、外径寸法の大きな第2ロータ5の最外周部分の周速度は第1ロータ4よりも大きくなり、従って、流速が低下した燃料原液であっても、第2斜方スリット7から流出される燃料原液を、強い強度の旋回流として流出させることができる。また、第2斜方スリット7の大きさ(s2×t2)が第1斜方スリット6の大きさ(s1×t1)よりも大きく形成され、これにより、ノズル口径の設定と同様に、流量の一定化を図ることができる。
第3管状ユニット13の第2ノズル3から第2ロータ収容室28に噴出される、分子の軽いものと重いものとが分離された状態の燃料原液の旋回流は、第2ロータ5のロータ面5aに衝突し、これにより破砕されてさらなる微細化が進み、ロータ面5aに沿って広がりながら第2斜方スリット7へと流れ込む。燃料原液は、第2斜方スリット7に流通することにより、第2ロータ5に、第1ロータ4と同じ方向の一方向の回転力を生じさせてこれを回転させる。同時に、第2ロータ5が回転することで、第2斜方スリット7を通過する燃料原液はせん断力の作用を受け、これにより旋回流がさらに強められて第2ロータ5から流出されつつ、流出する際に当該第2斜方スリット7によって破砕作用を受ける。
燃料原液は、第4管状ユニット14においてさらに微細化が促進され、かつ第1ロータ4よりも大径な第2ロータ5による効果的な遠心力の作用でさらなる旋回流化が確保されて、重い分子と軽い分子の分離作用も強められる。また、第2斜方スリット7はその向きが第1斜方スリット6と同じ方向であって、螺旋様の層流状態の旋回流が適切に維持される。第2ロータ5にあっても、その表裏に作用する流体圧に応じて第2ロータ収容室28内をスライドし、表裏両側に発生する流体圧をバランスさせて燃料原液の流通性を向上するようになっている。第2ロータ5を経過した燃料原液は、微細化されかつ分子の重いものが外側で軽いものが内側に分離された層流状態の旋回流として、噴出口30から噴出される。
第5管状ユニット15は、凹状壁部としての第1凹曲面壁部8を有する壁体31を収納する収納室32を有し、一端が第4管状ユニット14の他方の凸部14bに螺着されるとともに、他端に流出側開口部33が形成され、開口部33には原液流出孔34aを有する出口側ブッシング34が螺着される。壁体31は、ボルト35により第5管状ユニット15に取り付け固定される。第1凹曲面壁部8は、噴出口30に向けられて、第2凹曲面壁部29との間に、球状空間としての混合チャンバ9を区画形成する。混合チャンバ9は、第4管状ユニット14の他方の凸部14bおよび第5管状ユニット15の収納室32内面と、壁体31との間に形成される隙間を介して、原液流出孔34aと連通される。
混合チャンバ9が球状空間であり、かつ第1凹曲面壁部8と噴出口30が向かい合う配置であるので、噴出口30から噴出された燃料原液の旋回流は、第1凹曲面壁部8に衝突してさらなる微細化が促進されるとともに、衝突した燃料原液は、そのまま混合チャンバ9から流出することなく、第1凹曲面壁部8の形状によって、第2凹曲面壁部29との間の球状空間である混合チャンバ9内方へと押し返され取り込まれて相当の滞留時間滞留されるともに、この混合チャンバ9内での滞留中に、順次噴出口30から噴出される燃料原液の層流状態の一方向回転の旋回流によって繰り返し撹拌され、そしてこの層流状態の旋回流による撹拌作用であることから、乱流や層流状態でない旋回流による撹拌よりも、微細化された燃料原液粒子は凝集などを生じることなく微細化状態が適切に保たれ、この撹拌作用によって、それまで分離状態で流通されてきた微細化状態の分子の重いものと軽いものとが当該混合チャンバ9内で一気に効率よく混合されて、これによりきわめて良好に改質された燃料原液が生成される。
このようにして改質された燃料原液は、混合チャンバ9から原液流出孔34aを介して流出される。原液流入孔21aから流入される燃料原液は、粒子が大小さまざまで、また凝集していたり、分子結合状態もバラバラであって、均質性のないものであるが、管状ユニット11〜15で処理することにより、微細な粒子で分子結合状態も揃い、凝集状態もなくなって、均質で安定性のある燃料原液に改質することができる。また、添加した界面活性剤によって各粒子を包み込んだ状態にすることができて、改質した燃料原液の安定化を確保することができる。
さらに、燃料原液に磁力を作用させて燃料原液、例えばイオン化しやすい水分子などを磁化する磁化ユニット10が設けられる。本実施形態にあっては、磁化ユニット10は環状に形成され、管状ユニット11〜15の外側にこれらを取り囲んで設けられる。磁化ユニット10は、上下2つの磁石41のN極を向かい合わせ、左右2つの磁石41のS極を向かい合わせる配置で、背に磁性板42が取り付けられた4つの磁石41により管状ユニット11〜15を取り囲むようになっている。そしてこの4つの磁石41の組が燃料原液改質装置1の第1〜第5管状ユニット11〜15にわたって複数組設けられる。同じ極性の磁石41を向かい合わせる配置によれば、燃料原液の流れ方向と直交する面内において、隣接するN極とS極との間でおおよそ管状ユニット11〜15の外周部にその周方向に沿って強い磁界Mが生成される。管状ユニット11〜15の外周部は、旋回流Tによる遠心作用で水分子などの重い分子が集中して流れる領域であり、水分子を効果的に効率よくイオン化することができ、これによっても水分子等の重い分子の微細化を促進することができる。
この磁化ユニット10自体はよく知られているもので、管状ユニット11〜15中を流通する燃料原液に対して磁場を作用させることで、安定した電気的平衡を崩して低分子化を促進するとともに、再結合・再凝集を阻止して、電磁気的に燃料原液を微細化する。微細化された燃料原液の粒子は、界面活性剤の作用で包み込まれて、微細化状態が安定的に維持される。本実施形態にあっては、これら管状ユニット11〜15および磁化ユニット10を覆って、非磁性体の磁気遮蔽用筒状カバー36が設けられる。
以上説明した本実施形態にかかる燃料原液改質装置1にあっては、燃料原液の流速を加速させる複数のノズル2,3を、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の第1ノズル2の口径n1が下流側の第2ノズル3の口径n2よりも小さくなるように設定し、かつまた斜方スリット6,7を、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の第1斜方スリット6の大きさ(s1×t1)を下流側の第2斜方スリット7の大きさ(s2×t2)よりも小さく設定するようにしたので、燃料原液の圧損による流速低下に対し、これらノズル2,3や斜方スリット6,7の寸法設定によって管状ユニット11〜15内での流量一定を確保でき、流量制御を安定化できて燃料原液の微細化処理の処理効率を向上することができる。
また、複数のロータ4,5に関し、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の第1ロータ4の外径寸法r1を下流側の第2ロータ5の外径寸法r2よりも小さく設定したので、燃料原液の速度低下に対応させて、第1ロータ4および第2ロータ5を適切に作用させることができ、すなわち、速度の早い段階では、小径で中心部と外周部との速度差が小さい第1ロータ4によっても強い遠心作用の旋回流を生成できるとともに、速度が低下した段階では、大径で中心部と外周部との速度差が大きくなる第2ロータ5の回転運動によって、燃料原液に生じさせる旋回流速度を大きくでき、このようなロータ4,5の設定と、上記スリット6,7の寸法調整による流量設定とによって、効率的な燃料原液の微細化や、分子の重いものと軽いものと分離作用、層流状態の旋回流の生成を、第2〜第4管状ユニット12〜14のいずれの位置においても適切に確保することができ、燃料原液を燃料原液改質装置1に通す操作回数を少なくすることができて、これによっても処理効率を向上することができる。
さらに、旋回流となって流れ込む燃料原液が衝突される第1および第2凹曲面壁部8,29を有して、その内部で燃料原液を層流状態で撹拌混合させる混合チャンバ9を設けたことにより、衝突する燃料原液を、単に平坦な壁に衝突させて飛散させるのに比べ、球状空間とした混合チャンバ9内で相当の滞留時間で、微細化され分離状態にある燃料原液をその層流状態の旋回流によって効率よく撹拌混合できて、燃料原液を通す一度の改質操作で燃料原液の改質品位を飛躍的に向上することができ、これによっても燃料原液の微細化処理の処理効率を向上することができる。
また、磁化ユニット10を、燃料原液の流れ方向に沿って、交互に設けたノズル2,3およびロータ4,5から混合チャンバ9にわたってこれらを取り囲んで設けたので、磁化ユニット10と管状ユニット11〜15との並列配置によって装置を小型化できるとともに、力学的微細化処理と電磁気的微細化処理を同時に行うことができ、別々に処理する場合に比べて、処理効率を向上することができる。燃料原液の改質処理は、燃料原液を繰り返し複数回、当該燃料原液改質装置1に流通させて実施するようにしてもよい。
図6には、本発明にかかる燃料原液改質装置の第2実施形態が示されている。第2実施形態では、第2管状ユニット12の錐体面状流路23に代えて、コーン状の流路43が採用されている。コーン状流路43は、流路断面積が広い一端が流入孔22側に連通され、流路断面積が絞られて狭い他端が第1ノズル2と連通される。第1管状ユニット11のストレーナ20から第2管状ユニット12の流入孔22に流入した燃料原液は、コーン状流路43の流路壁に衝突し、その後コーン状流路43で流体圧が再度高められて、第1ノズル2へと流入するようになっている。また、第2実施形態では、第5管状ユニット15の収納室32に収納される壁体31に形成される凹状壁部が、第1凹曲面壁部8に代えて、第1凹錐面壁部44で形成され、これに対応させて、第4管状ユニット14の第2凹曲面壁部も、第2凹錐面壁部45で形成されて、これら間に紡錘状の混合チャンバ9が区画形成される。このような形態の混合チャンバ9であっても、噴出口30から噴出される燃料原液の旋回流に対し、衝突による微細化、相当の滞留時間、層流状態の一方向回転の旋回流による撹拌作用が生じて、分離状態で流通されてきた微細化状態の分子の重いものと軽いものとが一気に効率よく混合され、これによりきわめて良好に改質された燃料原液を生成することができる。
図7には、本発明にかかる燃料原液改質装置1の第3実施形態が示されている。第3実施形態では、第5管状ユニット15の出口側ブッシング34にパイプ37を接続してこのパイプ37内に微細化後の燃料原液を流通させる一方で、このパイプ37を取り囲んで磁化ユニット10を設けていて、このように管状ユニット11〜15と磁化ユニット10とを直列配置するようにしてもよいことはもちろんである。なお、第3実施形態にあっても、燃料原液には界面活性剤が添加される。上記実施形態にあっては、凹状壁部として第1および第2凹曲面壁部8,29や第1および第2凹錐面壁部44,45を例示して説明したが、これらに代えて、断面コ字状の壁部を採用してもよいことはもちろんである。
1 燃料原液改質装置
2 第1ノズル
3 第2ノズル
4 第1ロータ
4a 第1ロータのロータ面
5 第2ロータ
5a 第2ロータのロータ面
6 第1斜方スリット
7 第2斜方スリット
8 第1凹曲面壁部
9 混合チャンバ
10 磁化ユニット
2 第1ノズル
3 第2ノズル
4 第1ロータ
4a 第1ロータのロータ面
5 第2ロータ
5a 第2ロータのロータ面
6 第1斜方スリット
7 第2斜方スリット
8 第1凹曲面壁部
9 混合チャンバ
10 磁化ユニット
Claims (4)
- 燃料原液を改質処理する装置であって、
圧送される燃料原液を加速させるノズルおよび該ノズルにロータ面を向けて配置されて燃料原液が衝突される回転自在なロータを燃料原液の流れ方向に交互に複数設け、
上記ロータには、上記ロータ面の外周部に位置させて、流通する燃料原液で該ロータを回転させると同時に、その回転で燃料原液の流れにせん断力を作用させて旋回流を生じさせつつ燃料原液を破砕する斜方スリットを貫通形成し、
複数の上記ノズルは、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の該ノズルの口径を下流側の該ノズルの口径よりも小さく設定し、
複数の上記ロータは、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の該ロータの外径寸法を下流側の該ロータの外径寸法よりも小さく設定し、
上記斜方スリットは、燃料原液の流れ方向に沿って、上流側の該斜方スリットの大きさを下流側の該斜方スリットの大きさよりも小さく設定し、
交互に設けた上記ノズルおよび上記ロータの燃料原液流れ方向下流側に、旋回流となって流れ込む燃料原液が衝突される凹状壁部を有して、その内部で燃料原液を層流状態で撹拌混合させる混合チャンバを設けたことを特徴とする燃料原液改質装置。 - 燃料原液に磁力を作用させる磁化ユニットを備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料原液改質装置。
- 前記磁化ユニットが、燃料原液の流れ方向に沿って、交互に設けた前記ノズルおよび前記ロータから前記混合チャンバにわたってこれらを取り囲んで設けられることを特徴とする請求項2に記載の燃料原液改質装置。
- 燃料原液には、界面活性剤が添加されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の燃料原液改質装置。
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JP2005373941A JP2007176979A (ja) | 2005-12-27 | 2005-12-27 | 燃料原液改質装置 |
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JPS51135878A (en) * | 1975-05-20 | 1976-11-25 | Kozo Nishiyama | Emulsifying apparatus |
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-
2005
- 2005-12-27 JP JP2005373941A patent/JP2007176979A/ja not_active Ceased
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