JP2007172422A - 会合検出装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】人位置検出センサの最小単位として捉えられる空間分解能を超えた狭い範囲に併存する会合を検出することができるようにする。
【解決手段】位置情報取得部101は、移動体ID、エリアID、所在の継続時間の始期、終期からなるエリアコンテキストを取得する。同時的位置情報抽出部102は、エリアコンテキストを参照して同時的なコンテキストを抽出する。準同時的位置情報抽出部103は同時的と同視できるコンテキストを抽出する。会合情報検出部104は同時的なコンテキストから形成したコンテキストグラフの極大な完全部分グラフを判別してそれぞれ会合情報として検出する。
【選択図】図7
【解決手段】位置情報取得部101は、移動体ID、エリアID、所在の継続時間の始期、終期からなるエリアコンテキストを取得する。同時的位置情報抽出部102は、エリアコンテキストを参照して同時的なコンテキストを抽出する。準同時的位置情報抽出部103は同時的と同視できるコンテキストを抽出する。会合情報検出部104は同時的なコンテキストから形成したコンテキストグラフの極大な完全部分グラフを判別してそれぞれ会合情報として検出する。
【選択図】図7
Description
本発明は、対象者の位置情報に基づいて対象者の間の会合を検出する会合検出技術に関し、とくに、同時性に着目して位置検知の解像度の限界を克服するようにしたものである。
組織的な活動を科学的に分析するためには、組織を構成する個々のメンバの行動を実データに基づいて分析しなければならない。今日、人の位置を検出するために利用できる基礎技術は非常に多岐に渡るが、組織的な活動を分析するという目的に照らすと、それら基礎技術が可能にする、人の位置が単に分かるというだけでは不十分である。組織的な活動を分析するためには、誰と誰がどこで会合を持っているのかを検出できることが非常に重要である。
特許文献1の「作業時間収集方法及びその実施装置並びにその処理プログラムを記録した媒体」は、複数の作業エリアで複数の作業を行う作業者の作業時間を収集する手法を提案している。この提案では、ICカードを用いて作業者のエリアを特定し、作業者のスケジュール情報と照らして作業内容を特定し、作業内容毎の作業時間を集計することができる。
特許文献2の「イベント会場における各ブースでの滞在時間を算出するシステムおよび方法」は、イベント会場への来場者がどのブースにどれだけの時間立ち寄ったかを集計する手法を提案している。この提案では、ICカードを用いてイベント来場者の立ち寄ったブースとそのブースでの滞在時間を検出するとともに集計結果をICカードに記録することができる。
特許文献3の「行動管理装置、行動管理システム、及び行動管理方法」は、GPS内蔵のユーザが携帯端末を持ち歩くことで、当該ユーザの行動記録が自動的に作成されるようにする手法を提案している。この提案では、GPS内蔵の端末が一定間隔で端末の位置を測位し、それをもとに、どこに居たかを逐次記録することで、当該端末を所持しているユーザの行動記録を自動的に作成することができる。
このような先行技術は個人の行動をログとして記録することができるので、複数の位置検出対象者からログを収集した上、同一時刻・同一場所に存在した複数の位置検出対象者を見出すことにより、当該位置検出対象者間に会合が持たれたと推定して、会合を検出することができる。
しかしながら、現実には、位置情報を検出するための基礎技術には空間的な分解能の限界があり、「同一場所」として取り出せる空間を十分に狭められず、場合によっては、当該場所に複数の会合が併存したとしても、空間的な分解能の限界のためにそれら複数の会合や会合に加わっていない孤立者とを区別して検出することができない。もし仮に空間的な分解能の限界がなく、任意の精度で位置検出対象者の位置を取得できるようになったとしても、社会的な距離と物理的な距離が必ずしも単純に対応しないため、検出対象者間がどの程度の物理的な距離に居るときに会合と見なせば良いかを一概に判断することができない。例えば、友好的なメンバ同士が集まっている場合には比較的長い物理的距離で会合が成立しうるが、友好的でないメンバが付近に居る場合には、友好的なメンバ同士の会合の物理的な距離は左記の場合に比べて短くなる。
上記のように、空間的近接性のみに依拠した分析手法では、社会的な活動たる会合の検出精度には、今日利用可能な技術的な側面と、検出対象が社会的な活動であるという本質的な側面の両面において限界がある。これに対し、例えば会議室では通常は複数の会合が併存しないといったように、会合が持たれうる場所の性質が社会的に意義付けられている場合には、そのような背景知識を利用することで会合の検出精度を上げることが可能である。しかしながら、必ずしもあらゆる場所でそのような背景知識を利用できるわけではなく、それゆえ十分に検出できない場所も存在する。例えば、ラウンジやタバコ部屋や廊下など不特定多数の検出対象者が出入りするような場所では明確な背景知識が想定できないため会合の検出が非常に難しい。
このように、一つの人位置センサの検出範囲内に会合が存在してもセンサの分解能を超えるため、個々の会合を他の会合や孤立者と区別して検出することができない。一つの人位置センサの検出範囲内に存在する会合を他の会合や孤立者と区別して検出できるようにすることが望まれる。
特開平11−345250号公報
特開2001−101466公報
特開2003−76818公報
本発明は、以上の事情を考慮してなされたものであり、人位置を検出する基礎技術の最小単位で捉えられる検出範囲内に存在する会合を他の会合や孤立者と区別して検出できるようにする会合検出技術を提供することを目的としている。
本発明の原理的な構成例によれば、上述の目的を達成するために、対象検出範囲内に検出対象者が出入りするタイミングの同時性に着目し、ほぼ同時に動いている検出対象者の間には会合があったという解釈を行う。
以下、発明を詳細に説明するのに先だって、特許請求の範囲の記載について補充的に説明を行なっておく。なお、理解を容易にするために、図7に付した参照番号を用いて対応を明瞭にした。もちろん、本発明はこれに限定されない。
すなわち、本発明の一側面によれば、上述の目的を達成するために、会合検出装置に:検出の対象者の所在に関する時刻および位置を含む位置情報を取得する位置情報取得手段(101)と;上記位置情報を参照して複数の上記対象者が同一場所に同時に所在すると判定される同時的位置情報を抽出する同時的位置情報抽出手段(102、103)と;上記同時的位置情報に基づいて、上記同時に所在する対象者による会合を検出する会合情報検出手段(104)とを設けるようにしている。
位置情報は、位置情報検出用のサーバ装置を利用して当該サーバ装置から取得しても良いし、自ら位置情報取得手段を設けても良い。
検出された会合情報は所定の格納手段に格納されても良いし、出力手段により出力されても良い。
この構成においては、同時性に着目して人位置検出センサの最小単位として捉えられる空間分解能を超えた狭い範囲に併存する会合を検出することができるようになる。
この構成において、上記位置情報取得手段は、検出の対象領域に設置され上記対象者が当該対象領域に所在することを検知する位置センサを含み、上記位置情報取得手段が当該位置センサからの検知結果に基づいて上記位置情報を生成することが好ましい。この場合、上記位置センサは、対象者が携帯するRFIDタグを検知して、対象者の所在を検知したり、対象者が携帯する赤外線照射装置を検知して、対象者の所在を検知したりする。もちろんこれに限定されず種々の検知手法を採用できる。例えば、移動体通信装置や入出力管理用のIDカードを用いても良い。
また、上記同時的位置情報抽出手段は、典型的には、一方の対象者の位置情報と他方の対象者の位置情報とが、1の場所に関して、(a)当該場所に所在する継続時間の開始時点の時間差が所定の閾値以内である条件、(b)当該場所に所在する継続時間の終了時点の時間差が所定の閾値以内である条件、および(c)当該場所に所在する継続時間の開始時点の時間差が所定の閾値以内であり、かつ、当該場所に所在する継続時間の終了時点の時間差が所定の閾値以内である条件の少なくとも1つが満たされる場合に、両者が同時に所在すると判定して、当該位置情報を同時的位置情報として抽出する。
上記条件(a)または(b)が満たされる場合を、以下では「弱同時性」と呼ぶこともある。また、上記条件(c)が満たされる場合を、以下では「強同時性」と呼ぶこともある。
また、上記同時的位置情報抽出手段は、上記1の同時的位置情報により2人の対象者の一方が、他の同時的位置情報の一方の対象者であり、上記1の同時的位置情報の継続時間と上記他の同時的位置情報の継続時間の重複する時間に基づいて、上記1の同時的位置情報に関連する他方の対象者と上記他の同時的位置情報に関連する他方の対象者とが同時に所在すると追加的に判定してもよい。このような追加的な判定がなされる場合を以下では「準同時性」と呼ぶこともある。
上記1の同時的位置情報、他の同時的位置情報をそれぞれc1、c2とし、TC(c1,c2)を位置情報c1、c2の継続時間、TS(c1)、TS(c2)を位置情報c1、c2の開始時刻、TE(c1)、TE(c2)を位置情報c1、c2の終了時刻、λを所定の閾値とし、
が満たされるときに、準同時性が成立すると判定しても良いが、これに限定されない。
また、上記会合情報検出手段は、典型的には、同時的位置情報を辺、同時的位置情報により同時に所在すると特定される対象者を接点として形成されるグラフの節点数2以上の極大な完全部分グラフをそれぞれ会合と検出して会合情報を取得する。
なお、本発明は装置またはシステムとして実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、そのような発明の一部をソフトウェアとして構成することができることはもちろんである。またそのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品(コンピュータプログラム)も本発明の技術的な範囲に含まれることも当然である。
本発明の上述の側面および他の側面は特許請求の範囲に記載され以下実施例を用いて詳述される。
本発明によれば、人位置検出サービスにおいて、人位置検出センサの最小単位として捉えられる空間分解能を超えた狭い範囲に併存する会合を検出することができるようになる。
以下、本発明を詳細に説明する。
ラウンジやタバコ部屋や廊下など不特定多数の検出対象者が出入りするような場所では、会合が原因となって、会合を持っている検出対象者が同時にその場所に出るか同時にその場所に入るかあるいはその両方の行動を起こすことがしばしば観察される。そこで、本発明では対象検出範囲内に検出対象者が出入りするタイミングの同時性に着目し、ほぼ同時に動いている検出対象者の間には会合があったとの解釈をもとに、人位置を検出する基礎技術の最小単位で捉えられる分解能を超えて、会合の検出を行えるようにする。
まず、本発明の基本原理に即した構成例(図7参照)について説明する。
本発明の構成例では、以下のようなデータを処理対象とする。
位置情報は以下の4項組の情報cである。これを「エリアコンテキスト」と呼ぶ。
c=〈移動体ID,エリアID,開始時刻,終了時刻〉
c=〈移動体ID,エリアID,開始時刻,終了時刻〉
エリアコンテキストcについて各構成要素を取り出すための、以下の関数を定義する。
M(c)=cの移動体ID
A(c)=cのエリアID
TS(c)=cの開始時刻
TE(c)=cの終了時刻
M(c)=cの移動体ID
A(c)=cのエリアID
TS(c)=cの開始時刻
TE(c)=cの終了時刻
本発明の構成例では以下は同時性の定義を用いるが、本発明はこれに限定されない。
[弱同時性(Weakly Synchroneity)]
[強同時性(Strongly Synchroneity)]
上記定義を具体例を用いて図式的に表現すると図1のようになる。以下では説明の直感的理解のために下記図式表現を利用してホン発明の構成例の内容を説明する。
本発明の構成例はある特定の検出対象範囲におけるエリアコンテキストの集合に対して、以下に順を追って説明する手続を行うことで、会合を検出する。
本発明の構成例の最初の処理ステップはエリアコンテキストの集合から、エリアコンテキスト集合に含まれる全てのエリアコンテキスト間の同時性関係を集約して表現する、同時的コンテキストグラフを生成する処理である。同時的コンテキストグラフを図2を参照して以下に説明する。
同一エリア上の全てのコンテキストを節点とし、それらコンテキスト間に同時性が存在する場合には対応する節点の間に辺を設けたグラフを同時的コンテキストグラフGSと言う。
上記同時的コンテキストグラフの生成は、定義に則って、以下の処理で構成可能である。[所与]: 同一エリアのコンテキスト集合C
許容誤差ε
[同時的コンテキストグラフの生成処理手続]:
ステップS11:集合Cの各要素を節点集合とし、辺集合が空集合のグラフGsを生成する。
ステップS12:集合Ctempに集合Cの全ての要素をコピーする。
ステップS13:集合Ctempが空ならば終了する。
ステップS14:集合Ctempからコンテキストcを一つ取り除く。
ステップS15:集合Cの中から、
を全て見つけ、各々のc’について、cとc’間の辺をGsの辺集合に追加する。そののちステップS13に戻る。
許容誤差ε
[同時的コンテキストグラフの生成処理手続]:
ステップS11:集合Cの各要素を節点集合とし、辺集合が空集合のグラフGsを生成する。
ステップS12:集合Ctempに集合Cの全ての要素をコピーする。
ステップS13:集合Ctempが空ならば終了する。
ステップS14:集合Ctempからコンテキストcを一つ取り除く。
ステップS15:集合Cの中から、
本発明の構成例の次の処理ステップは、以下に説明する準同時性の検出である。例えば、図6に示す例では、(c1,c2)、(c2,c3)、(c3,c4)の間に実線で示すように同時性があるが、この例では全体の態様が接着しているので、破線で示すように相互に同時性に準じた性質が特定されることが好ましい。準同時性はそのような拡張を意図したものである。なお、この処理はオプションであり、準同時性を導入しなくても良い。
準同時性(Semisynchroneity)はつぎのように定義される。
同一エリアの全てのコンテキストから作られる同時的コンテキストグラフGsにおける、Gs上の二つのコンテキストc1およびc2について所与の時間共有率λのもとで以下の3つの条件が成立するとき、c1とc2は準同時的であると言い、
と表記する。
条件1:c1とc2の間にパスが存在する。
条件2:c1とc2が同時的でない(c1とc2の間に辺がない)。
条件3:以下の式4が成立する(c1とc2の間での時間共有率がλ以上である)。
条件1:c1とc2の間にパスが存在する。
条件2:c1とc2が同時的でない(c1とc2の間に辺がない)。
条件3:以下の式4が成立する(c1とc2の間での時間共有率がλ以上である)。
準同時性とは、直接は同時的な関係にないエリアコンテキスト間でも、図4に示すように、他の同時的なエリアコンテキストを経て間接的に同時性が存在すると認められる関係である。同時的コンテキストグラフに準同時性の関係も含めると、同時的ではなくても他の同時性関係から間接的に同時だと見なせるコンテキスト(c1,c4)も扱えるようになる。
準同時性は、定義に則って、以下の処理で構成可能である。
[準同時性を含む同時的コンテキストグラフの生成処理手続]
[所与]: コンテキストグラフGs
時間共有率λ
[処理手続]:
ステップS21:グラフGsの相補グラフGs’を生成し、Gs’の辺集合の全ての要素を集合Eにコピーする。
ステップS22:集合Eが空ならば終了する。
ステップS23:集合Eから辺eを一つ取り除く。
ステップS24:辺eの接続している節点c,c’に、
であれば、グラフGsに対し、cとc’との間に準同時性関係を表す辺を追加する。そののちステップS22に戻る。
[所与]: コンテキストグラフGs
時間共有率λ
[処理手続]:
ステップS21:グラフGsの相補グラフGs’を生成し、Gs’の辺集合の全ての要素を集合Eにコピーする。
ステップS22:集合Eが空ならば終了する。
ステップS23:集合Eから辺eを一つ取り除く。
ステップS24:辺eの接続している節点c,c’に、
本発明の構成例の次の処理ステップは、図5に示すように互いに同時的なエリアコンテキストの極大な部分集合を抽出することである。この処理はすなわち、同時的コンテキストグラフ上で、極大な完全部分グラフを抽出する処理に帰着される。グラフ上で極大な部分グラフを抽出する一般的なアルゴリズムは既知であるので、この処理ステップはそうした既知のアルゴリズムを用いて実現することができる。準同時的関係も同時的関係と同一視し、同時的コンテキストグラフの部分グラフの中で、節点数2以上の極大な完全部分グラフを見出せばよい。
以上が本発明の基本原理に則った構成例である。図7は、この構成例の概要を示している。図7に示すように、この構成例の会合検出装置は、位置情報取得部101、同時的位置情報抽出部102、準同時的位置情報抽出部103、会合情報検出部104、および会合情報格納部105等を含んで構成されている。同時的位置情報抽出部102、準同時的位置情報抽出部103、会合情報検出部104のそれぞれは、上述した3つの処理ステップを実行するものである。位置情報取得部101は、処理に必要なエリアコンテキストの取得手段であり、会合情報格納部105は、処理結果として得られる会合情報の格納手段をなすものである。
次に本発明の会合検出装置の実施例1について説明する。
図8は実施例1におけるシステム構成図である。
実施例1では本発明を配備している会合検出サーバホスト30のほかに、人位置検出のインフラストラクチャとして、位置情報サーバホスト10と位置情報データベースサーバホスト20を想定している。また、本発明の処理結果を格納するサブシステムとして、会合情報データベースサーバホスト40も想定している。位置情報取得部31は一日毎といった定期的なタイミングやシステム管理者ないしは分析者からの指示により起動して上述した本発明の構成例の処理を行えばよい。
図8において、会合検出サーバホスト30は、ハードウェア資源およびソフトウェア資源を協働させて、位置情報取得部31、同時的位置情報抽出部32、準同時的位置情報抽出部33、会合情報検出部34および会合情報格納部35の機能ブロックを実現する。これら位置情報取得部31、同時的位置情報抽出部32、準同時的位置情報抽出部33、会合情報検出部34および会合情報格納部35は図7の位置情報取得部101、同時的位置情報抽出部102、準同時的位置情報抽出部103、会合情報検出部104、および会合情報格納部105にそれぞれ対応する。
位置情報サーバホスト10は、各エリアに配置された位置センサからの位置検出情報をネットワークを介して収集する。位置センサは、位置検出対象者が携帯するRFIDや赤外線バッジ等を検出するものである。
図9は、位置情報データベースサーバホスト20の管理するデータを表す。このデータはエリアコンテキストデータを含んでいる。
図10は、会合情報データベースサーバホスト40の管理するデータを表す。図10の上段のテーブルは会合ごとにエントリが設けられ、会合のエリア、強度、開始時刻、終了時刻が記録される。図10の下段のテーブルは、各会合に属するコンテクストデータを記録するものである。
図11は、同時的位置情報抽出部の行う処理を示す。この処理は先に本発明の構成例で説明したステップS11〜S15と同等である。
図12は、準同時的位置情報抽出部の行う処理を示す。この処理は先に本発明の構成例で説明したステップSS21〜S25と同等である。
図13は、会合情報検出部の行う処理を示す。この処理は先の構成例の処理の後処理として、検出された会合の「強度」(準同時的、弱準同時的、強同時的。図14)を判定し付加情報として追加する処理を加えている。図13の処理の詳細は以下のとおりである。ない、どの強度が実質的に強いかは種々の観点から決定することが可能であるが、この例では、準同時的、弱準同時的、強同時的の順に強くなるものとした。もちろんこれに限定されない。
[ステップS31]:同時的コンテキストグラフGs上の全ての完全部分グラフを枚挙し、それら部分グラフを要素とする集合Sを生成する。
[ステップS32]:集合Sが空集合かどうかを判別する。空集合であれば処理を終了する。空集合でなければステップS33へ進む。
[ステップS33]:集合Sから部分グラフgsを一つ取り除く。
[ステップS34]:部分グラフgsが強同時的関係しか含まないかどうか判別し、強同時的関係しか含まなければステップS35へ進み、それ以外を含む場合にはステップS36へ進む。
[ステップS35]:強度を「強同時的」であるとマークしてステップS39へ進む。
[ステップS36]:部分グラフgsが準同時的関係を含むかどうかを判別し、含む場合にはステップS37へ進み、そうでない場合にはステップS38へ進む。
[ステップS37]:強度を「準同時的」であるとマークしてステップS39へ進む。
[ステップS38]:強度を「弱同時的」であるとマークしてステップS39へ進む。
[ステップS39]:部分グラフgsのエリアコンテキストのエリアIDを会合情報のエリアIDとし、強度をマークされた強度とし、最早開始時刻を会合情報の開始時刻とし、最遅終了時刻を会合情報の終了時刻とする、会合情報を生成し、部分グラフgsのエリアコンテキストと共に会合情報格納部に送る。
[ステップS31]:同時的コンテキストグラフGs上の全ての完全部分グラフを枚挙し、それら部分グラフを要素とする集合Sを生成する。
[ステップS32]:集合Sが空集合かどうかを判別する。空集合であれば処理を終了する。空集合でなければステップS33へ進む。
[ステップS33]:集合Sから部分グラフgsを一つ取り除く。
[ステップS34]:部分グラフgsが強同時的関係しか含まないかどうか判別し、強同時的関係しか含まなければステップS35へ進み、それ以外を含む場合にはステップS36へ進む。
[ステップS35]:強度を「強同時的」であるとマークしてステップS39へ進む。
[ステップS36]:部分グラフgsが準同時的関係を含むかどうかを判別し、含む場合にはステップS37へ進み、そうでない場合にはステップS38へ進む。
[ステップS37]:強度を「準同時的」であるとマークしてステップS39へ進む。
[ステップS38]:強度を「弱同時的」であるとマークしてステップS39へ進む。
[ステップS39]:部分グラフgsのエリアコンテキストのエリアIDを会合情報のエリアIDとし、強度をマークされた強度とし、最早開始時刻を会合情報の開始時刻とし、最遅終了時刻を会合情報の終了時刻とする、会合情報を生成し、部分グラフgsのエリアコンテキストと共に会合情報格納部に送る。
図14は、本実施例の動作例である。エリアコンテキストの集合が与えられると、それらの間に会合を検出し、その検出結果を返す。
つぎに本発明の実施例2を説明する。
図15は実施例2のシステム構成図である。図15において図8と対応する箇所には対応する符号を付した。
図15において、本実施例は予定情報データベースサーバホスト50を備えており、同時的位置情報抽出部32は予定情報取得部36を経由して予定情報を取得し、昼休み休憩の開始やキックオフなどの大多数にとって共通のイベントなど同時性として意味を持たない部分を削除することで、更なる精度向上を図る。予定情報データベースサーバホスト50は、予定情報データベース管理サーバ51として動作して予定情報データベース52を管理する。なお、同時性として意味を持つかどうかは種々の観点や要素から決定可能なものであり、例えば、所定の人あるいは所定のグループを含む会合は意味のない会合として会合として検出しない等の設定も可能である。この場合には、人事情報や組織情報をディレクトリサーバ等を参照することができる。
図16は本実施例における同時的位置情報抽出部32の処理を表すフローチャートである。この処理は実施例1の同時的位置情報抽出部32の処理に加えて予定情報を参照して大多数が同時的に移動することが予定されるものを同時的位置情報から削除する処理(ステップS16)を付加したものである。図16において図11と対応する箇所には対応する符号を付した。
図17は本実施例における動作例を示す図である。この図で示すように、エリアコンテキストc1とc2の間の同時性は実は昼休み休憩の開始が原因で同時に動いたためであり、両エリアコンテキスト間の同時性関係は会合が原因とは認められないとして削除された結果、エリアコンテキストc1とc2の間の同時性は会合として検出されなくなっている。
つぎに本発明の実施例3を説明する。
実施例3のシステム構成図は実施例2と同様である。
本実施例では、会合検出の確度を評価するための情報とその評価関数が追加される。
図18はそれら追加情報および評価関数の説明図である。確度評価用の情報は、エリアコンテキストから算出したり、予めデータとして持っておく組織図やエリアの仕様などから容易に照会することができる。確度の評価関数は同時的コンテキストグラフGs全体から求められる係数と、検出される会合のサブグラフgsについて計算される係数の積からなる非線形評価関数であり、それぞれの係数は、確度評価用情報の種別ごとに予め設定されている次数(α,β,γ),重み(u,v,w),変移(x,y,z)により計算される項を合計したものになる。なお、fの定義式中、pij[k]というふうに括弧“[ ]”で表現している項は、pijの確度評価用情報のうちk番目のインデックスに対応する値を意味する。例えば、p46[2]とは、c4とc6の間の辺に結合されている確度評価用情報p46のうち2番目のインデックスに対応する値であり、「共有時間」を表し、その値は5である。節点に結合している確度評価用情報p(ci)[j]や、同時的コンテキストグラフ全体に結合している確度評価用情報p(Gs)[i]についても同様である。
上図に示した、確度評価用情報の一部はその名称からただちに意味が分かるが、一部は説明が必要なものがある。それらを以下に説明する。
図19は、「組織間距離」の説明図である。組織間距離とは、辺の両端の節点に関わる移動体が組織図上どの程度離れているかを、互いの所属部門に到達するまでに辿る組織図上の部門数によって定量化した値である。例えば、下図で、基点になっている移動体と同じ部門に属している他の移動体の距離は0であり、一つ上の階層の部門に直属の移動体は部門11を超えて到達するので距離1であり、部門12に属している他の移動体は部門11を超えてさらに部門12を超えて到達するので距離2である。
図20も参照する。「同方向入所」の真偽値については、分析対象のエリアの周辺エリアとの関連性をもとに、以下のように捉える。この真偽値はエリアコンテキストログのシーケンスから容易に計算できる(同じ方向にあるエリアから分析対象エリアに入ってきたら同方向入所と見なす)。「同方向出所」の真偽値についても、方向性が逆である以外は全く同様に考えることができる。
「通過可能」の真偽値については、分析対象エリアが突き当たりであり出入り口が1つしかない(通過不可能)か、出入り口が複数あっていろいろな方向から出入りできる(通過可能)かを表す。
「最大同席人数」は分析対象時刻区間中に最大何人が分析対象エリアに存在したかを表す。
「職位」は移動体の組織上のポジション(部長,課長,係長,…)をコード化したものである。
「同時性」は同時性の強さをコード化したものである(強同時的=3,弱同時的=2,準同時的=1)。
「共有時間」は二つのエリアコンテキストの時刻区間が重なる長さでありTcにより計算できる。
「予定情報有り」の真偽値については、実施例2と同様に、外部の予定表情報を利用し、同時的関係と重なる予定情報の存在の有無を表す。
このように、本実施例では様々な確度評価用情報を用いることにより、検出された会合がどの程度確かであるのかを総合的に判断することができるようになる。このような拡張により、データベースのデータ構造および処理手順が図21、図22、図23のように変更される。
図21の会合情報データベース群の例では会合の内容が「強同時的」、「準同時的」(図10)というラベルでデジタル的に表示されるのではなく、アナログ的な確度として表される。利用者は、所定の閾値を設定して設定レベル以上のものを会合として把握しても良い。「強同時的」、「準同時的」(図10)というラベルを併せて用いても良い。
図22の同時的位置情報抽出部の処理は、ステップS17により確度評価用情報を付加するようにしている。図11と対応する箇所には対応する符号を付した。
図23の会合情報検出部の処理は、以下のとおりである。
[ステップS31]:同時的コンテキストグラフGs上の全ての完全部分グラフを枚挙し、それら部分グラフを要素とする集合Sを生成する。
[ステップS32]:集合Sが空集合かどうかを判別する。空集合であれば処理を終了する。空集合でなければステップS33へ進む。
[ステップS33]:集合Sから部分グラフgsを一つ取り除く。
[ステップS40]:部分グラフgsのエリアコンテキストのエリアIDを会合情報のエリアIDとし、確度をf(gs,Gs)の計算結果とし、最早開始時刻を会合情報の開始時刻とし、最遅終了時刻を会合情報の終了時刻とする、会合情報を生成し、部分グラフgsのエリアコンテキストと共に会合情報格納部に送る。
[ステップS31]:同時的コンテキストグラフGs上の全ての完全部分グラフを枚挙し、それら部分グラフを要素とする集合Sを生成する。
[ステップS32]:集合Sが空集合かどうかを判別する。空集合であれば処理を終了する。空集合でなければステップS33へ進む。
[ステップS33]:集合Sから部分グラフgsを一つ取り除く。
[ステップS40]:部分グラフgsのエリアコンテキストのエリアIDを会合情報のエリアIDとし、確度をf(gs,Gs)の計算結果とし、最早開始時刻を会合情報の開始時刻とし、最遅終了時刻を会合情報の終了時刻とする、会合情報を生成し、部分グラフgsのエリアコンテキストと共に会合情報格納部に送る。
以上で実施例の説明を終了する。
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例えば、上述の例では、位置情報サーバホストの位置情報を用いて会合情報を生成しているが、位置検出対象者のRFIDタグ等の位置検出用の携行機器に位置情報を記憶保持して、事後的に回収して会合情報を取得しても良い。この場合、クライアントサーバシステム等でなく、スタンドアローンの構成としても良い。また、実施例では会合情報出力部をとくに示さなかったが、ホスト10、20、30、40やその他のホストを用いて表示・出力を行なえることはもちろんである。
10 位置情報サーバホスト
20 位置情報データベースサーバホスト
30 会合検出サーバホスト
31 位置情報取得部
32 同時的位置情報抽出部
33 準同時的位置情報抽出部
34 会合情報検出部
35 会合情報格納部
36 予定情報取得部
40 会合情報データベースサーバホスト
50 予定情報データベースサーバホスト
51 予定情報データベース管理サーバ
52 予定情報データベース
101 位置情報取得部
102 同時的位置情報抽出部
103 準同時的位置情報抽出部
104 会合情報検出部
105 会合情報格納部
20 位置情報データベースサーバホスト
30 会合検出サーバホスト
31 位置情報取得部
32 同時的位置情報抽出部
33 準同時的位置情報抽出部
34 会合情報検出部
35 会合情報格納部
36 予定情報取得部
40 会合情報データベースサーバホスト
50 予定情報データベースサーバホスト
51 予定情報データベース管理サーバ
52 予定情報データベース
101 位置情報取得部
102 同時的位置情報抽出部
103 準同時的位置情報抽出部
104 会合情報検出部
105 会合情報格納部
Claims (12)
- 検出の対象者の所在に関する時刻および位置を含む位置情報を取得する位置情報取得手段と、
上記位置情報を参照して複数の前記対象者が同一場所に同時に所在すると判定される同時的位置情報を抽出する同時的位置情報抽出手段と、
上記同時的位置情報に基づいて、上記同時に所在する対象者による会合を検出する会合情報検出手段とを有することを特徴とする会合検出装置。 - 上記位置情報取得手段は、検出の対象領域に設置され対象者が当該対象領域に所在することを検知する位置センサを含み、上記位置情報取得手段が当該位置センサからの検知結果に基づいて上記位置情報を生成する請求項1記載の会合検出装置。
- 上記位置センサは、対象者が携帯するRFIDタグを検知して、対象者の所在を検知する請求項2記載の会合検出装置。
- 上記位置センサは、対象者が携帯する赤外線照射装置を検知して、対象者の所在を検知する請求項2記載の会合検出装置。
- 上記同時的位置情報抽出手段は、一方の対象者の位置情報と他方の対象者の位置情報とが、1の場所に関して、(a)当該場所に所在する継続時間の開始時点の時間差が所定の閾値以内である条件、(b)当該場所に所在する継続時間の終了時点の時間差が所定の閾値以内である条件、および(c)当該場所に所在する継続時間の開始時点の時間差が所定の閾値以内であり、かつ、当該場所に所在する継続時間の終了時点の時間差が所定の閾値以内である条件の少なくとも1つが満たされる場合に、両者が同時に所在すると判定して、当該位置情報を同時的位置情報として抽出する請求項1〜4のいずれかに記載の会合検出装置。
- 上記同時的位置情報抽出手段は、上記条件(a)または(b)が満たされる場合に、当該位置情報を同時的位置情報として抽出する請求項5記載の会合検出装置。
- 上記同時的位置情報抽出手段は、上記条件(c)が満たされる場合に、当該位置情報を同時的位置情報として抽出する請求項5記載の会合検出装置。
- 上記同時的位置情報抽出手段は、上記1の同時的位置情報により2人の対象者の一方が、他の同時的位置情報の一方の対象者であり、上記1の同時的位置情報の継続時間と上記他の同時的位置情報の継続時間の重複する時間に基づいて、上記1の同時的位置情報に関連する他方の対象者と上記他の同時的位置情報に関連する他方の対象者とが同時に所在すると追加的に判定する請求項1〜7のいずれかに記載の会合検出装置。
- 上記会合情報検出手段は、同時的位置情報を辺、同時的位置情報により同時に所在すると特定される対象者を接点として形成されるグラフの節点数2以上の極大な完全部分グラフをそれぞれ会合と検出して会合情報を取得する請求項1〜9のいずれかに記載の会合検出装置。
- 位置情報取得手段が、検出の対象者の所在に関する時刻および位置を含む位置情報を取得するステップと、
同時的位置情報抽出手段が、上記位置情報を参照して複数の上記対象者が同一場所に同時に所在すると判定される同時的位置情報を抽出するステップと、
会合情報検出手段が、上記同時的位置情報に基づいて、上記同時に所在する対象者による会合を検出するステップとを有することを特徴とする会合検出方法。 - 位置情報取得手段が、検出の対象者の所在に関する時刻および位置を含む位置情報を取得するステップと、
同時的位置情報抽出手段が、上記位置情報を参照して複数の上記対象者が同一場所に同時に所在すると判定される同時的位置情報を抽出するステップと、
会合情報検出手段が、上記同時的位置情報に基づいて、上記同時に所在する対象者による会合を検出するステップとをコンピュータに実行させるために用いられること特徴とする会合検出用コンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005371192A JP2007172422A (ja) | 2005-12-23 | 2005-12-23 | 会合検出装置および方法 |
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JP2005371192A JP2007172422A (ja) | 2005-12-23 | 2005-12-23 | 会合検出装置および方法 |
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2005
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