JP2007155532A - 差動式部分放電測定方法、装置及び差動検出インピーダンス - Google Patents

差動式部分放電測定方法、装置及び差動検出インピーダンス Download PDF

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Abstract

【課題】残留成分信号が小さく、外部ノイズを受けにくい差動式部分放電測定方法、装置及び差動検出インピーダンスを提供する。
【解決手段】電線2,3を並べ揃え鉄心4に巻き付け一次巻き線5、電線2巻き始め端6と電線3巻き終わり端7とを接続して中性端子8、残りの巻き終わり端9・巻き始め端10を第一端子11及び第二端子12、一次巻き線5の層の外周に電線13を巻き付け二次巻き線14とする。第一端子11に試料52一端を接続、第二端子12に平衡コンデンサ54一端を接続、試料52他端と平衡コンデンサ54他端を共に課電端子56に接続、中性端子8を接地、課電端子56と接地間に試験電圧を印加して二次巻き線14両端間に現れる電圧波形から試料52に生じた部分放電を測定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、残留成分信号が小さく、外部ノイズを受けにくい差動式部分放電測定方法、装置及び差動検出インピーダンスに関する。
インバータサージ電圧やMHzオーダの高周波電圧をエナメル線等の絶縁層を有する試料に印加したとき、その試料には、絶縁層を通した部分放電が生じる。このような部分放電を測定する方法・装置としては、例えば、非特許文献1に「ブリッジ回路による平衡検出法」が示されている。しかし、実測例や実用的な方法・装置は開示されていない。また、「検出インピーダンスと高周波フィルタによる検出法」では実測例が示されているが、この方法では部分放電の原波形が判らない。
従来の市販されている差動検出インピーダンスを使用し、試料にインバータサージ電圧を印加したとき、差動検出インピーダンスを経由して検出された検出信号を電圧印加信号と共に図4に示す。試料は、ツイストエナメル線で、静電容量16pFである。インバータサージ電圧は、負極性700Vの電圧を10秒印加後、立ち上がり時間約20n秒で正極性700Vの電圧に反転させた。図4に示したのは、このインバータサージ電圧の立ち上がり時の電圧印加信号と検出信号の波形である。
このインバータサージ電圧印加条件において、立ち上がり時に部分放電が生じることが別な方法で確認されている。しかし、図4の波形では、検出信号の中に残留成分や外部ノイズが含まれており、部分放電との区別ができないため、部分放電が発生したかどうか判定できない。
非特許文献1の「ブリッジ回路による平衡検出法」は、直流電圧、商用周波交流電圧などの比較的周波数の低い印加電圧による部分放電測定には応用できるが、インバータサージ電圧やMHzオーダの高周波電圧を印加したときの部分放電は測定できない。これは、試料、平衡コンデンサ、これらを繋ぐリード線からなるブリッジ回路によって平衡操作をしても不平衡成分が残留して完全に平衡にはできないからであると共に、このブリッジ回路に対して外部から来た高周波ノイズが誘導して検出信号に重なり、また、高周波の電圧を印加すると試料の絶縁層に流れる変位電流、充電電流が大きいため、これら高周波ノイズ、変位電流、充電電流を平衡操作によって部分放電測定に影響しない程度に低下させることができないからである。
差動検出インピーダンスを使用した差動式(平衡式)部分放電測定方法においては、作製上の制約から、試料と平衡コンデンサとが完全な電気的対称性を持つようにするには限界があり、平衡操作を行っても不平衡成分が残留し、部分放電が生じた際に、部分放電信号が不平衡成分によって生じる残留成分信号に重畳するため、小さい部分放電信号はこの残留成分信号にマスクされてしまい、部分放電を検知することができない。
また、試料や平衡コンデンサに外部ノイズが誘導したり、差動検出インピーダンスの一次巻線に誘導した外部ノイズが二次巻線に誘導したりする。これら外部ノイズが残留成分信号として生じるので、微弱な部分放電信号を検知することができない。
特開2003−143862号公報 電気学会技術報告書第739号第25頁第4.2.1表
既に従来技術の問題点を述べたが、まとめると、測定装置自体が発生する残留成分信号を極力小さくし、外部ノイズを受けにくい測定装置が望まれる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、残留成分信号が小さく、外部ノイズを受けにくい差動式部分放電測定方法、装置及び差動検出インピーダンスを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の差動式部分放電測定方法は、2本の電線を並べ揃えて鉄心に巻き付けて一次巻き線とし、一方の電線の巻き始め端と他方の電線の巻き終わり端とを接続して、該接続部を中性端子とし、残りの巻き終わり端と巻き始め端とを第一端子及び第二端子とし、この一次巻き線からなる層の外周に電線を巻き付けて二次巻き線とし、第一端子に試料の一端を接続し、第二端子に平衡コンデンサの一端を接続し、試料の他端と平衡コンデンサの他端を共に課電端子に接続し、上記中性端子を接地し、上記課電端子と接地間に試験電圧を印加して、平衡操作後に、上記二次巻き線の両端間に現れる電圧波形から試料に生じた部分放電を測定するものである。
また、本発明の差動式部分放電測定装置は、2本の電線を並べ揃えて鉄心に巻き付けて一次巻き線とし、一方の電線の巻き始め端と他方の電線の巻き終わり端とを接続して、該接続部を中性端子とし、残りの巻き終わり端と巻き始め端とを第一端子及び第二端子とし、この一次巻き線からなる層の外周に電線を巻き付けて二次巻き線とし、第一端子を試料の一端を接続するための接続端子とし、第二端子を平衡コンデンサの一端を接続するための接続端子とし、試料の他端と平衡コンデンサの他端を共に接続するための課電端子を設け、上記中性端子を接地し、上記課電端子と接地間に試験電圧を印加する試験電圧印加装置を設け、上記二次巻き線の両端間に現れる電圧波形を記録する電圧波形記録装置を設けたものである。
また、本発明の差動検出インピーダンスは、2本の電線を並べ揃えて鉄心に巻き付けて一次巻き線とし、一方の電線の巻き始め端と他方の電線の巻き終わり端とを接続して、該接続部を中性端子とし、残りの巻き終わり端と巻き始め端とを第一端子及び第二端子とし、この一次巻き線からなる層の外周に電線を巻き付けて二次巻き線としたものである。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)残留成分信号が小さい。
(2)外部ノイズを受けにくい。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明に係る差動検出インピーダンス1は、2本の電線2,3を並べ揃えて鉄心4に巻き付けて一次巻き線5とし、一方の電線2の巻き始め端6と他方の電線3の巻き終わり端7とを接続して、該接続部を中性端子8とし、残りの巻き終わり端と巻き始め端、つまり電線2の巻き終わり端9と電線3の巻き始め端10とを第一端子11及び第二端子12とし、この一次巻き線5からなる層の外周に電線13を巻き付けて二次巻き線14としたものである。
より詳しく説明すると、鉄心4は外径約50mm、内径約40mmのドーナツ状高周波鉄心である。電線や後述のシールド材、絶縁材は、鉄心4の表面に沿って外径から内径に渡るようにして巻き掛けながら周方向に進むことにより、トロイダル状に巻き付ける。以下、このように巻き付け方で層を形成することを外周に設けると言う。
鉄心4の直ぐ外周に、銅箔による1巻きの内側電気的シールド層15を設ける。内側電気的シールド層15には、循環電流防止用の縁切り部(図示せず)を設ける。この内側電気的シールド層15の外周に厚さ約0.2mmの絶縁被覆層16を設ける。
絶縁被覆層16の外周に絶縁被覆を有する2本の電線2,3を並べ揃えて鉄心4に10回巻き付けて一次巻き線5とする。2本の電線2,3の規格が互いに同じであることは言うまでもない。一方の電線2の巻き始め端6と他方の電線3の巻き終わり端7とを電気的に接続する。この接続部は、一次巻き線5の長さ、巻き数が共に中間値となる中間部である。この接続部を中性端子8とする。電線2の巻き終わり端9を第一端子11とし、電線3の巻き始め端10を第二端子12とする。
一次巻き線5の外周に厚さ約0.2mmの絶縁被覆層17を設ける。その絶縁被覆層17の外周に、銅箔による1巻きの外側電気的シールド層18を設ける。外側電気的シールド層18には、前述同様の縁切り部(図示せず)を設ける。この外側電気的シールド層18と前述の内側電気的シールド層15のそれぞれ一部にリード線(図示せず)を接続し、これらリード線を中性端子8に接続する。
外側電気的シールド層18の外周に厚さ約0.2mmの絶縁被覆層19を設ける。この絶縁被覆層19の外周に二次巻線用の内側電気的シールド層20を設ける。内側電気的シールド層20には、前述同様の縁切り部(図示せず)を設ける。この内側電気的シールド層20の外周に厚さ約0.2mmの絶縁被覆層21を設ける。
絶縁被覆層21の外周に絶縁被覆を有する電線13を10回整列巻きで巻き付けて二次巻き線14とする。二次巻き線14の巻き終わり端22から電線13を延ばしてなる外部リード23に、電気的シールド用の編組線(図示せず)を被覆し、二次巻き線14の巻き始め端24から電線13を延ばしてなる外部リード25に、同様の編組線を被覆する。
二次巻き線14の外周に厚さ約0.2mmの絶縁被覆層26を設ける。絶縁被覆層26の外周に二次巻線用の外側電気的シールド層27を設ける。外側電気的シールド層27には、前述同様の縁切り部(図示せず)を設ける。外側電気的シールド層27は二次編組帰線を兼ねる。
このようにして鉄心4に電線、シールド材、絶縁材を巻き付けた差動検出インピーダンス1を図示しない電磁気シールドされたケースに収納する。ケースは、電磁気シールド板で囲まれた電磁気シールド板室を複数連ねて設けたものであり、その内の1つの電磁気シールド板室に差動検出インピーダンス1を収納する。試料及び平衡コンデンサは隣接する別の電磁気シールド板室に収納するので、差動検出インピーダンス1と試料及び平衡コンデンサとの間を仕切っている電磁気シールド板にコモンモード鉄心を設置するとよい。また、差動検出インピーダンス1と減衰器との間を仕切っている電磁気シールド板にもコモンモード鉄心を設置するとよい。
次に、差動検出インピーダンス1を用いた差動式部分放電測定装置を説明する。
図2に示されるように、本発明に係る差動式部分放電測定装置51は、これまで説明した差動検出インピーダンス1の第一端子11を試料52の一端を接続するための接続端子53とし、第二端子12を平衡コンデンサ54の一端を接続するための接続端子55とし、試料52の他端と平衡コンデンサ54の他端を共に接続するための課電端子56を設け、差動検出インピーダンス1の中性端子8を接地し、課電端子56と接地間に試験電圧を印加する試験電圧印加装置(図示せず)を設け、二次巻き線14の両端間に現れる電圧波形を記録する電圧波形記録装置(図示せず)を設けたものである。
より詳しく説明すると、破線で示した電磁気シールド板57で囲まれた6つの電磁気シールド板室が形成され、第一室58には試料52と平衡コンデンサ54が収納される。なお、第一室58を電磁気シールド板57で2つに分割して試料52と平衡コンデンサ54を別々に収納してもよい。試料52はここではツイストエナメル線であり、その静電容量は約16pFである。平衡コンデンサ54は可変コンデンサである。平衡コンデンサ54の可変範囲は試料52の静電容量を含む必要があり、ここでは2〜30pFである。平衡コンデンサ54に対して可変インダクタンスや可変抵抗器を並列又は直列に追加してもよい。外部に設置されている課電端子56からの電線が第一室58に引き込まれ、試料52及び平衡コンデンサ54に接続される。一次巻き線5と中性端子8からの接地用電線は隣の第二室59から第一室58内へ引き出され、コモンモード鉄心60に巻かれる。中性端子8からの接地用電線は第一室58内で接地される。なお、第一室58内の接地電位と外部の接地電位は共通である。
第二室59には差動検出インピーダンス1が収納される。二次巻き線14は隣の第三室61に内へ引き出され、コモンモード鉄心62に巻かれる。第三室61には可変減衰器63が収納される。二次巻き線14は両端が可変減衰器63の別々の端子に接続される。可変減衰器63の減衰比は、1/1,1/10,1/100などに任意に調節できる。可変減衰器63の出力側の2本の電線は、共に分岐されて一方の組が第四室64内へ引き出されてコモンモード鉄心65に巻かれ、他方の組がコモンモード鉄心66に巻かれて外部出力端子67に接続される。外部出力端子67は、可変減衰器63の出力をオシロスコープなどの電圧波形記録装置で観測、記録するためのものである。
第四室64には可変減衰器63の出力を増幅するプリアンプ68が収納される。プリアンプ68の出力側の電線はコモンモード鉄心69に巻かれて外部出力端子70に接続される。外部出力端子70は、可変減衰器63の出力信号レベルが低い場合にプリアンプ68で増幅した出力を電圧波形記録装置に提供するためのものである。プリアンプ68は、バッファアンプであり、出力インピーダンス変換器である。
第五室71には直流電源装置(図示せず)が提供する直流電源から外部ノイズを遮断するためのフィルタ72が収納される。フィルタ72からプリアンプ68に向かう直流電源線は、第四室64内へ引き出され、コモンモード鉄心73に巻かれる。さらに、外部の直流電源装置からフィルタ72に向かう直流電源線は、第五室71へ引き込まれたところでコモンモード鉄心74に巻かれる。
電磁気シールド板57は、各室に収納された電気部材間でノイズが行き来したり、外部からノイズが浸入するのを防ぐことができる。また、室間に渡って配線される電線にはコモンモード鉄心を取り付けることで、電線を介してのノイズの行き来を防ぐことができる。
試料52、平衡コンデンサ54、これらを繋ぐ電線からなるブリッジ回路の平衡操作は既に行われているものとする。
以上の装置構成において、試験電圧印加装置により、課電端子56と接地間に試験電圧を印加する。印加する信号は、0Vから所望の試験電圧に瞬時に立ち上がり、その後、試験電圧を維持するステップ信号である。電圧波形記録装置により、ステップ信号の立ち上がりに同期して、二次巻き線14の両端間に現れる電圧波形を観測する。本実施形態では、2つの外部出力端子67,70のいずれからでも観測することができる。観測した電圧波形から試料に生じた部分放電を測定する。
本発明によれば、差動検出インピーダンス1において、2本の電線2,3を並べ揃えて鉄心4に巻き付けて一次巻き線5とし、一方の電線2の巻き始め端6と他方の電線3の巻き終わり端7とを接続して中性端子8としたので、電線2の巻き終わり端9である第一端子11から中性端子8へ流れる電流と、電線3の巻き始め端10である第二端子12から中性端子8へ流れる電流とは、鉄心4を回る向きが互いに逆になる。第一端子11から中性端子8までの一次巻き線5と、第二端子12から中性端子8までの一次巻き線5とはインピーダンスが同じであるから、第一端子11、第二端子12に同じ波形の電圧が印加されれば、両一次巻き線5に流れる電流の波形も同じとなり、両一次巻き線5による誘導作用は相殺され、二次巻き線14には電流が生じない。しかし、第一端子11、第二端子12に異なる波形の電圧が印加されれば、両一次巻き線5に流れる電流の電流の波形にも差異が生じ、その差異に応じた電流が二次巻き線14に生じる。
差動式部分放電測定装置51において、試料52と平衡コンデンサ54のインピーダンスに差がないものとすると、課電端子56と接地間に試験電圧を印加したとき、二次巻き線14には電流が生じない。しかし、試料52に部分放電が発生すると、両一次巻き線5に流れる電流の波形に差異が生じ、その差異に応じた電流が二次巻き線14に生じる。よって、電圧波形記録装置により二次巻き線14の両端間に現れる電圧波形を記録すると、その波形から試料52に生じた部分放電を測定することができる。
図3に差動式部分放電測定装置51による観測結果を示す。横軸は時間を表し、1刻みが50ns、縦軸は電圧を表し、1刻みが5Vである。下段が試験電圧信号、上段が検出信号である。図示のように、試験電圧の立ち上がり前後には検出信号に残留成分信号がほとんど現れず、立ち上がりから約70ns後に、正方向の立ち上がり約10ns、幅30ns、大きさ4Vの部分放電信号が現れている。この部分放電信号は、試験電圧を上げると数、大きさが増加し、試験電圧極性を反転させると反転する。すなわち、差動式部分放電測定装置51が部分放電を確実に検出し、部分放電以外の要因による影響を排除していることが確認された。
本発明の差動式部分放電測定装置51は、外部ノイズが大きい環境での部分放電測定や試験電圧の周波数が高い部分放電測定に適しており、実施形態で示したツイストエナメル線に限らず、様々な試料を測定に供することができ、例えば、インバータサージ下での誘電体、絶縁体の挙動を波形観測によって調査することに利用できる。
本発明の利点として、次のことが挙げられる。
1)MHzオーダあるいはインバータサージ電圧での部分放電を高感度で検出・測定することができる。
2)部分放電発生のメカニズム追求に有利である。
3)校正パルス発生器を試料に並列に接続して既知の電化注入を行えば、部分放電の大きさの校正が可能である。
4)放電発生に曝されている絶縁層界面の変質その他で部分放電の大きさ、波形、放電パルスの峻度等が変化した場合にも直接その変化を観察できる。
5)長いエナメル線で複雑な形状をしているとか、ある部分に欠陥がある試料の場合、伝播時間の差、波形変歪、波形の反射伝播等による特徴のある波形が観測されるが、この波形を解析して部分放電の現象を解明することができる。
6)外部出力端子67,70の出力信号に高周波フィルタ回路を追加すれば、従来の「検出インピーダンスと高周波フィルタによる検出法」よりも高感度検出ができる。
7)誘電体試料における誘電率の周波数特性や印加電圧依存性が残留成分信号として観測されるので、これを利用した非線形検出法として応用できる。
図1の差動検出インピーダンス1は、電気的シールド層15,18,20,27を備えたり、電気的シールド層をリード線により中性端子8に短絡したり、二次巻き線14の外部リード23に編組線を被覆したりしているが、外来ノイズや相互ノイズを遮断するのが目的であるから、ノイズの影響が少ない場合は省略してもかまわない。また、一次巻き線5と二次巻き線14の配置を変えて、二次巻き線14を内側に一次巻き線5を外側に設けてもかまわない。
図2の差動式部分放電測定装置51は、電磁気シールド板57で囲まれた複数の電磁気シールド板室を形成して電気部材を別室に収納したり、電気部材間を繋ぐ電線にコモンモード鉄心を取り付けたり、直流電源をフィルタ72に通したりしているが、外来ノイズや相互ノイズを遮断するのが目的であるから、ノイズの影響が少ない場合は省略してもかまわない。
図2の差動式部分放電測定装置51は、回路構成を変えてもよい。例えば、試験電圧を中性端子8に印加するものとし、課電端子56のほうを接地してもよい。このような構成にすると、片側が接地されている試料、例えば、高電圧半導体素子の部分放電測定が容易になる。ただし、差動検出インピーダンス1の一次巻き線5や電気的シールド層に高電圧が加わることになるので、その部分で部分放電が発生しないように、絶縁を確実に図るのが望ましい。
本発明の一実施形態を示す差動検出インピーダンスの断面構造図である。 本発明の一実施形態を示す差動式部分放電測定装置の構成図である。 本発明による観測波形の図である。 従来技術による観測波形の図である。
符号の説明
1 差動検出インピーダンス
2,3,13 電線
4 鉄心
5 一次巻き線
11 第一端子
12 第二端子
14 二次巻き線
51 差動式部分放電測定装置
52 試料
54 平衡コンデンサ

Claims (3)

  1. 2本の電線を並べ揃えて鉄心に巻き付けて一次巻き線とし、一方の電線の巻き始め端と他方の電線の巻き終わり端とを接続して、該接続部を中性端子とし、残りの巻き終わり端と巻き始め端とを第一端子及び第二端子とし、この一次巻き線からなる層の外周に電線を巻き付けて二次巻き線とし、第一端子に試料の一端を接続し、第二端子に平衡コンデンサの一端を接続し、試料の他端と平衡コンデンサの他端を共に課電端子に接続し、上記中性端子を接地し、上記課電端子と接地間に試験電圧を印加して、平衡操作後に、上記二次巻き線の両端間に現れる電圧波形から試料に生じた部分放電を測定することを特徴とする差動式部分放電測定方法。
  2. 2本の電線を並べ揃えて鉄心に巻き付けて一次巻き線とし、一方の電線の巻き始め端と他方の電線の巻き終わり端とを接続して、該接続部を中性端子とし、残りの巻き終わり端と巻き始め端とを第一端子及び第二端子とし、この一次巻き線からなる層の外周に電線を巻き付けて二次巻き線とし、第一端子を試料の一端を接続するための接続端子とし、第二端子を平衡コンデンサの一端を接続するための接続端子とし、試料の他端と平衡コンデンサの他端を共に接続するための課電端子を設け、上記中性端子を接地し、上記課電端子と接地間に試験電圧を印加する試験電圧印加装置を設け、上記二次巻き線の両端間に現れる電圧波形を記録する電圧波形記録装置を設けたことを特徴とする差動式部分放電測定装置。
  3. 2本の電線を並べ揃えて鉄心に巻き付けて一次巻き線とし、一方の電線の巻き始め端と他方の電線の巻き終わり端とを接続して、該接続部を中性端子とし、残りの巻き終わり端と巻き始め端とを第一端子及び第二端子とし、この一次巻き線からなる層の外周に電線を巻き付けて二次巻き線としたことを特徴とする差動検出インピーダンス。
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