JP2007122909A - Cathode ray tube device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電界放出型陰極を用いた陰極線管装置に関する。 The present invention relates to a cathode ray tube apparatus using a field emission type cathode.
陰極線管は、ファンネルとパネルとからなる密封されたガラス外囲器と、ファンネルの細長いネック部内に配置された電子銃とを備える。電子銃から放出された電子ビームはファンネルの外周面上に搭載された偏向装置により偏向され、パネルの内面に形成された蛍光面に射突し、これを励起発光させて、所望の画像表示を行う。 The cathode ray tube includes a sealed glass envelope composed of a funnel and a panel, and an electron gun disposed in an elongated neck portion of the funnel. The electron beam emitted from the electron gun is deflected by a deflecting device mounted on the outer peripheral surface of the funnel and hits a fluorescent screen formed on the inner surface of the panel, which is excited and emitted to display a desired image. Do.
このような陰極線管に搭載される電子銃として、電界放出型陰極を備えた電子銃が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載された電界放出型陰極を備えた電子銃を図16を用いて説明する。 As an electron gun mounted on such a cathode ray tube, Patent Document 1 discloses an electron gun provided with a field emission type cathode. An electron gun equipped with a field emission cathode described in Patent Document 1 will be described with reference to FIG.
電子銃は、陰極構体50と電界レンズを形成する電極群とを備える。陰極構体50は、シリコン(Si)等の導電材料からなる基板54と、基板54上に設けられた絶縁膜55と、絶縁膜55上に設けられたゲート電極52とを備える。ゲート電極52には多数のゲート孔53が形成され、各ゲート孔53に対応する基板54上の位置に円錐状のカソード電極51が配置されている。電極群は、カソード電極51側から、EC1電極57、EC3電極58、Eb電極59をこの順に備える。EC1電極57とEC3電極58とは、電界レンズのプリフォーカスレンズを形成し、EC3電極58とEb電極59とは電子レンズのメインレンズを形成する。EC1電極57には、直径0.1mm〜2mmの1つのピンホールが形成されている。
The electron gun includes a
Eb電極59は、蛍光面(不図示)及び蛍光面の直前に対向して配置されるシャドウマスク(不図示)と同電位である。Eb電極59には24000V、EC3電極58には6000V、EC1電極57には200V、ゲート電極52には110Vの直流電圧がそれぞれ印加される。カソード電極51にはパルス電圧が印加される。パルス電圧の振幅は、最小値が20Vであり、最大値は70Vである。
The
カソード電極51から放出される電子56の放出量は、カソード電極51とゲート電極52との間の電位差で決まり、その関係式はファウラー・ノルドハイム(Fowler−Nordheim)の式で与えられる。前記電位差が小さく電子がカソード電極51から放出されなくなるしきい電圧をカットオフ電圧と呼び、この電子銃では40Vである。カソード電極51の電位が20Vであるとき、カソード電極51とゲート電極52との電位差は90Vとなり約500μAの電子が放出される。
The amount of
電界放出された電子56は、カソード電極51の表面近傍では広がり角が半角で約30°程度の分布を有した加速電子として振舞う。このため、電子レンズに入射した電子56のうち、入射角度が電子レンズの中心軸よりもそれた電子は電子レンズを構成する電極(EC1電極57、EC3電極58、Eb電極59)に衝突してしまう。
The field-emitted
特許文献1では、電子の電極への衝突を抑制するひとつの方法として、電子レンズの電極構造を最適化し、かつ、所定の電極(EC1電極57、EC3電極58)のいずれか1つにゲート電極52より低電位を印加することを開示している。
In Patent Document 1, as one method for suppressing collision of electrons with an electrode, the electrode structure of an electron lens is optimized, and a gate electrode is used as one of predetermined electrodes (
これにより、低電位が印加された電極が電界放射された電子56を反発するので、電子56が低電位が印加された電極に飛び込むことを抑制することができるとされている。
上記の従来の陰極線管において、蛍光面上に形成される2次元画像の明るさ(輝度)を変調するためには、陰極から放出され、蛍光面に射突する電子量(ビーム電流)をカソード電極51とゲート電極52との間の電位差で制御する。ビーム電流が増加するにともなって、陰極の前方近傍の電子密度が高まり、電子自身の持つ負電荷によって空間の電位は低下する。このような陰極前方の空間電位が低下した領域に、電子はカソード電極51とゲート電極52との間の電位差で与えられた速度で突入する。突入した電子のうち、空間電位が低下した領域を突破した電子のみが蛍光面を射突することができ、該領域を突破できない電子は陰極方向に跳ね返され、場合によっては陰極構体50の高電位部位に射突する。このように、陰極前方の空間電位が低下した領域は、陰極から放出された電子56にとって電界障壁として作用する。
In the conventional cathode ray tube described above, in order to modulate the brightness (luminance) of a two-dimensional image formed on the phosphor screen, the amount of electrons (beam current) emitted from the cathode and projecting on the phosphor screen is determined by the cathode. Control is performed by a potential difference between the
電界障壁を通過できない電子が陰極構体50の高電位部位、すなわちゲート電極52に射突すると、射突部においてゲート電極52が破壊したり、射突部からのガス放出による真空度の局所的劣化により陰極構体50が破壊したりするなどの問題が生じる。
When electrons that cannot pass through the electric field barrier hit the high potential portion of the
上述の電界障壁は電子ビーム自身の電荷により生じるから、電界障壁の高さはビーム電流に依存し、ビーム電流が大きくなるほど電界障壁は高くなり、従って、陰極構体50の高電位部位への電子の射突頻度も増大する。 Since the electric field barrier described above is generated by the charge of the electron beam itself, the height of the electric field barrier depends on the beam current, and the electric field barrier increases as the beam current increases. Increasing frequency also increases.
一般に、電子銃の電極群の形状及び電位は、陰極線管で使用される全ビーム電流域で所望のビームスポット性能が得られるように設計される。ところが、上述の現象を回避するために大ビーム電流時において所望のビームスポット性能が得られるように電極群を最適設計すると、相対的に小ビーム電流時にビームスポット性能が劣化する。逆に、小ビーム電流時において所望のビームスポット性能が得られるように電極群を最適設計すると、大ビーム電流時に上述の陰極構体50への電子射突の問題が生じる。すなわち、使用する全ビーム電流域で所望のスポット性能を得ることが困難である。
In general, the shape and potential of the electrode group of the electron gun are designed so that a desired beam spot performance can be obtained in the entire beam current region used in the cathode ray tube. However, if the electrode group is optimally designed so as to obtain a desired beam spot performance at a large beam current in order to avoid the above phenomenon, the beam spot performance deteriorates at a relatively small beam current. On the other hand, if the electrode group is optimally designed so that a desired beam spot performance can be obtained at a small beam current, the above-described problem of electron projection onto the
この問題は、ビーム電流をゲート電極52に印加する電圧で制御する場合に顕著となる。すなわち、ビーム電流を大きくするためにゲート電極52に印加する電圧を高くすると、ゲート電極52とEC1電極57との間の電界(電子ビームの進行方向に対して正の電界)が弱められ、かつ、電子ビーム自身の電荷による電界障壁が高くなるからである。
This problem becomes prominent when the beam current is controlled by the voltage applied to the
更に、上記の問題は、電子ビームのクロスオーバーを形成する目的で陰極構体50に隣り合う電極の電位をゲート電極52の電位より相対的に低くした場合に顕著となる。なぜなら、このような場合には、電子ビーム自身の電荷に拘わらず、空間の電界は、陰極構体50に対して電子ビームの進行方向の前方側が負であり、上述のような陰極構体50への電子の射突が生じやすい電界分布となるからである。
Further, the above problem becomes conspicuous when the potential of the electrode adjacent to the
本発明は、上記の問題を解決し、陰極から放出された電子が陰極構体に射突するのを防止して、全ビーム電流域において解像度を向上することができる電界放出型陰極を用いた陰極線管装置を提供することを目的とする。 The present invention solves the above-described problems, prevents electrons emitted from the cathode from colliding with the cathode structure, and improves the resolution in the entire beam current region. An object is to provide a pipe device.
本発明の陰極線管装置は、電子ビームを放出する陰極と、放出された前記電子ビームを集束するための複数の電極とを備える。前記陰極は、複数の電子放出電極と、前記複数の電子放出電極をそれぞれ取り囲む複数の開口が形成されたゲート電極とからなる電界放出型陰極である。そして、前記陰極線管装置は、ビーム電流にかかわらず前記電子ビームが前記陰極へ射突するのを防止する手段を更に有することを特徴とする。 The cathode ray tube apparatus of the present invention includes a cathode that emits an electron beam, and a plurality of electrodes that focus the emitted electron beam. The cathode is a field emission cathode comprising a plurality of electron emission electrodes and a gate electrode formed with a plurality of openings surrounding each of the plurality of electron emission electrodes. The cathode ray tube device further includes means for preventing the electron beam from projecting onto the cathode regardless of a beam current.
本発明によれば、ビーム電流の増大時に生じる電子のエミッタヘの射突を防止することができる。これにより、従来、大ビーム電流時に生じていたエミッタヘの電子の射突によるエミッタ破壊を防止でき、全ビーム電流域で好適なビームスポット特性を得ることができる。その結果、解像度が向上した陰極線管を提供できる。 According to the present invention, it is possible to prevent the electrons from colliding with the emitter when the beam current is increased. As a result, it is possible to prevent the emitter from being destroyed due to the impact of electrons on the emitter, which has been generated at the time of a large beam current, and to obtain a suitable beam spot characteristic in the entire beam current region. As a result, a cathode ray tube with improved resolution can be provided.
以下、本発明を具体的な実施例を示しながら説明する。 Hereinafter, the present invention will be described with reference to specific examples.
(実施の形態1)
図2に示すように、本発明の実施の形態1に係る陰極線管は、パネル41及びファンネル42が接合されてなるガラス外囲器43と、パネル41の内面に形成された蛍光面44と、ファンネル42のネック部42aに内蔵された電子銃45とを備える。本発明の実施の形態1に係る陰極線管装置は、上記の陰極線管と、ファンネル42の外周面に搭載された偏向装置46と、駆動回路装置50と、高圧電源装置60とを備える。
(Embodiment 1)
As shown in FIG. 2, the cathode ray tube according to Embodiment 1 of the present invention includes a
駆動回路装置50は、ネック部42aの端部に設けられた導電端子を介して電子銃45の各部に所定の電位を供給する。高圧電源装置60は、ファンネル42に設けられた導電端子42bを介してガラス外囲器43内に高電位を供給する。
The
電子銃45から放出された電子ビーム47は偏向装置46により水平方向及び垂直方向に偏向され、蛍光面44を走査し、励起発光させて、所望の画像表示を行う。
The
図1は本発明の実施の形態1に係る電界放出型陰極を備えた電子銃45の、1つの電子ビーム通過孔の中心軸に沿った断面図である。電子銃45は、陰極構体1、第一電極2、第二電極3、第三電極4、集束電極5、最終加速電極6をこの順に備える。
FIG. 1 is a cross-sectional view along the central axis of one electron beam passage hole of an
一実施例では、第一電極2は板厚0.2mmで、直径0.5mmの電子ビーム通過孔2aが形成されており、第二電極3は板厚0.3mmで、直径0.5mmの電子ビーム通過孔3aが形成されており、第三電極4は板厚0.8mmで、直径0.85mmの電子ビーム通過孔4aが形成されている。陰極構体1のエミッタ8と第一電極2との距離は0.1mm、第一電極2と第二電極3との距離は0.25mm、第二電極3と第三電極4との距離は0.8mmである。
In one embodiment, the
集束電極5および最終加速電極6は実効的に約10mmの口径を有する立体構造の電極である。集束電極5と最終加速電極6との間の間隙の中心と陰極構体1との距離は35mmである。すべての電極はステンレス鋼材を成形したものである。
The focusing
最終加速電極6には30kV、集束電極5および第三電極4には7.5kV、第二電極3には1kVの一定の直流電圧が後述する電極電源回路53よりそれぞれ印加される。
A constant DC voltage of 30 kV is applied to the final acceleration electrode 6, 7.5 kV to the focusing
本実施例では、上記のような電極構成、材質、形状、電圧としたが、本発明は上記に限定されず、陰極線管の大きさ、用途、要求性能によって適宜変更することができる。 In the present embodiment, the electrode configuration, material, shape, and voltage are set as described above. However, the present invention is not limited to the above, and can be appropriately changed according to the size, application, and required performance of the cathode ray tube.
陰極構体1は、図1示すように、絶縁基板9、複数の電圧供給リード10、電圧供給端子11、エミッタ8を有する。
As shown in FIG. 1, the cathode assembly 1 includes an insulating
図3に示すように、エミッタ8は、基板15上に、先端が先鋭化された複数の円錐形状のカソード電極(電子放出電極)16、カソード電極16とその付近を除いて前記基板15上に形成された絶縁層17、絶縁層17上に形成され、各カソード電極16をそれぞれ取り囲む複数の開口18aを持つゲート電極18を備える。また、絶縁層17の表面には一対のボンディング端子19が形成されている。一方のボンディング端子19は基板15を介してカソード電極16に電位を供給し、他方のボンディング端子19は絶縁層17上に形成されたリードパターン20を介してゲート電極18に電位を供給する。これらボンディング端子19は、電圧供給リード10を介して陰極構体1に設けられた電圧供給端子11と接続されている。
As shown in FIG. 3, the
一実施例では、エミッタ8は、縦・横寸法がいずれも3mm、厚みは0.45mm、カソード電極16とこれを取り囲むゲート電極18の開口18aとからなる複数の対が配置された領域であるエミッタ領域は直径0.01mmの円形状である。ボンディング端子19はエミッタ8の端縁から約0.1mm離れた位置に一辺0.2mmの略正方形状に形成されている。カソード電極16の円錐形状の先端の半径は約10nmに先鋭化され、各カソード電極16を取り囲むゲート電極18の開口18aの直径は0.9μmである。1つのカソード電極16とゲート電極18の1つの開口18aとからなる対は2μm間隔で直径0.01mmのエミッタ領域全域に分散配置されている。
In one embodiment, the
基板15およびカソード電極16はシリコン(Si)、絶縁層17はSiO2、ゲート電極18およびリードパターン20はニオブ(Nb)、ボンディング端子19はアルミニウム(Al)からなる。ボンディング端子19と陰極構体1上に配置された電圧供給端子11とを接続する電圧供給リード10は線径20μmのアルミニウム線からなる。
The
図4に示すように、映像信号に含まれる輝度信号は、駆動回路装置50内のゲート電極電圧制御回路51および電極電圧切替え回路52に入力される。図4では、ひとつの輝度信号についてのみ図示しているが、カラー陰極線管の場合、赤、青、緑の各輝度信号に対応して3系統の駆動回路装置50が設けられる。
As shown in FIG. 4, the luminance signal included in the video signal is input to the gate electrode
エミッタ8のゲート電極18には、ゲート電極電圧制御回路51より、輝度信号に対応したビーム電流に応じた電圧(ここでは約80〜15V)が、導線、陰極構体1の電圧供給端子11、電圧供給リード10、ボンディング端子19を介して供給される。また、カソード電極16には、導線、陰極構体1の電圧供給端子11、電圧供給リード10、ボンディング端子19を介して0V(グランド電位)の一定電圧が印加される。
A voltage corresponding to the beam current corresponding to the luminance signal (about 80 to 15 V in this case) is applied to the
一方、第一電極2には、電極電圧切替え回路52より、輝度信号に応じて、小ビーム電流時には0Vが、大ビーム電流時には55Vが供給される。電極電圧切替え回路52が電圧を切替えるビーム電流の閾値は2.5mAである。
On the other hand, according to the luminance signal, 0 V is supplied to the
本実施例では、エミッタ8は上記のような構成、材質、形状、電圧としたが、本発明は上記に限定されず、陰極線管の大きさ、用途、要求性能によって適宜変更することができる。
In the present embodiment, the
以下、本実施の形態における作用を説明する。 Hereinafter, the operation in the present embodiment will be described.
カソード電極16から放出されるビーム電流は、カソード電極16とゲート電極18との電位差に依存し、この電位差が大きいほどビーム電流が大きくなる。電子ビームがカソード電極16から実質上放出されない状態(ビーム電流がゼロの状態)をカットオフ状態と呼び、上記の実施例では、ゲート電極16の電圧が15Vのときカットオフ状態となる。すなわち、ゲート電極電圧制御回路51は、ゲート電極18に印加する電圧を、ビーム電流がゼロであるカットオフ状態に対応した15Vから、輝度がピークとなるビーム電流(ここでは5mA)に対応した電圧までの間で制御する。
The beam current emitted from the
図5及び図6に、電子ビームの挙動と管軸上の電位分布とを示す。 5 and 6 show the behavior of the electron beam and the potential distribution on the tube axis.
図5は、ビーム電流が相対的に小さいとき(ここではビーム電流が1mAのとき)の電子ビームの挙動を示す断面図である。このとき、カソード電極16には0V、ゲート電極18には電圧Vaがそれぞれ印加されている。この状態は低い輝度信号に対応するから、電極電圧切替え回路52により第一電極2には0Vが印加されている。
FIG. 5 is a cross-sectional view showing the behavior of the electron beam when the beam current is relatively small (here, the beam current is 1 mA). At this time, 0V is applied to the
エミッタ領域から放出された電子ビーム束21は、第一電極2の電子ビーム通過孔2a、第二電極3の電子ビーム通過孔3a、第三電極4の電子ビーム通過孔4aを順に通過する。この際、電子ビーム束21は、第一電極2の近傍でボトルネック形状の最細点(クロスオーバー点)22を形成する。クロスオーバー点22を通過した電子ビームは、第二電極3と第三電極4との間に形成される予備集束レンズ電界によって予備集束され、集束電極5と最終加速電極6とによって形成される主レンズ電界に導かれる。主レンズ電界によって電子ビームは、集束ビームとなって蛍光面44へ射突し、ビームスポットを形成する(図5では集束電極5以降は図示せず)。
The
このときの管軸上の電位分布は、図5の下図の実線で示したように、エミッタ8から第一電極2の近傍までは減少し(電子ビームの進行方向に対して負の電界)、その後、増加する(電子ビームの進行方向に対して正の電界)。この電位分布の作用により、電子ビーム束21にクロスオーバー点22が形成され、所望のスポット性能を得ることができる。
The potential distribution on the tube axis at this time decreases from the
図5の破線は、カソード電極16にゲート電極18と同じ電圧Vaを印加する(即ち、ビーム電流がゼロ)以外は、各電極に実線の場合と同じ電圧を印加した場合での軸上電位分布を示す。実線と破線との差は、電子ビーム束21自身の電荷による空間電位の変化に起因する。電子ビーム束21が存在する場合(実線)は、存在しない場合(破線)に比べて、第一電極2近傍の電位がわずかに低下している。
The broken line in FIG. 5 shows the on-axis potential distribution when the same voltage Va as that of the
図6は、ビーム電流が相対的に大きいとき(ここではビーム電流が4mAのとき)の電子ビームの挙動を示す断面図である。このとき、カソード電極16には0V、ゲート電極18には電圧Vbがそれぞれ印加されている。この状態は高い輝度信号に対応するから、電極電圧切替え回路52により第一電極2には55Vが印加されている。
FIG. 6 is a cross-sectional view showing the behavior of the electron beam when the beam current is relatively large (here, the beam current is 4 mA). At this time, 0 V is applied to the
エミッタ領域から放出された電子ビーム束21は第一電極2近傍でクロスオーバー点22を形成した後、予備集束レンズ電界及び主レンズ電界によるレンズ作用を受け、蛍光面にスポットを形成する。以上は図5に示した小ビーム電流時の場合と同様である。
The
このときの管軸上の電位分布は、図6の下図の実線で示したように、エミッタ8から第一電極2の近傍までは減少し(電子ビームの進行方向に対して負の電界)、その後、増加する(電子ビームの進行方向に対して正の電界)。この電位分布の作用により、電子ビーム束21にクロスオーバー点22が形成され、所望のスポット性能を得ることができる。
The potential distribution on the tube axis at this time decreases from the
図6の破線は、第一電極2に印加する電圧を0Vとし、カソード電極16にゲート電極18と同じ電圧Vbを印加する(即ち、ビーム電流がゼロ)以外は、各電極に実線の場合と同じ電圧を印加した場合の軸上電位分布を示す。
The broken line in FIG. 6 indicates that the voltage applied to the
図6の一点鎖線は、第一電極2に印加する電圧を0Vとする以外は、各電極に実線の場合と同じ電圧を印加した場合の軸上電位分布を示す。一点鎖線と破線との差は、電子ビーム束21自身の電荷による空間電位の変化に起因する。電子ビーム束21が存在する場合(一点鎖線)は、存在しない場合(破線)に比べて、第一電極2近傍の電位が著しく低下している。これにより、エミッタ8に対して第一電極2近傍は強い負電界(電子ビームの進行方向に対して負の電界)となり、高い電界障壁が生じてしまう。
The one-dot chain line in FIG. 6 shows the on-axis potential distribution when the same voltage as that of the solid line is applied to each electrode except that the voltage applied to the
エミッタ8から射出された電子ビームは、カソード電極16とゲート電極18との間の電位差に相当する速度エネルギーを有する。エミッタ8の前方に強い負電界が形成された場合、射出された電子ビームのうち管軸方向の速度エネルギー成分が小さいもの、換言すれば、電子の進行方向と管軸とがなす角度が大きいものは、この強い負電界を越えて蛍光面に向かって進行することができず、エミッタ8側に戻ってしまう。エミッタ8側に戻った電子ビーム23は、相対的に電位の高いゲート電極18に射突する。
The electron beam emitted from the
本実施の形態では、大ビーム電流時、すなわち、輝度信号が大きい場合(たとえばここで示した4mAの場合)、電極電圧切替え回路52により、大ビーム電流時に対応した電圧55Vが第一電極2に印加される。第一電極2に正電圧を印加することにより、大ビーム電流時の軸上電位分布が、一点鎖線から実線に変化する。これにより、エミッタ8の前方の負電界強度は、電子ビームがない状態(破線)とほぼ同等となり、電界障壁が低くなり、電子ビームの通過が容易になる。この結果、大ビーム電流時において電子ビームの一部が戻ってエミッタ8に射突することを抑制することができる。
In the present embodiment, when the beam current is large, that is, when the luminance signal is large (for example, 4 mA shown here), the voltage 55 V corresponding to the large beam current is applied to the
以上のように、エミッタ8に隣り合う第一電極2に、ビーム電流の増大に伴い増大する電圧を印加することにより、電子ビーム束21自身の電荷によって強められたエミッタ8の前方の負電界強度を弱めることができ、その結果、ビーム電流の増大時に生じる電子ビームのエミッタ8ヘの射突を防止することができる。
As described above, by applying a voltage that increases as the beam current increases to the
(実施の形態2)
本実施の形態に係る陰極線管は、電子銃45の第一電極2及び第二電極3に印加する電圧を除いて実施の形態1と同様である。従って、実施の形態1と重複する説明を省略し、相違点を以下に説明する。
(Embodiment 2)
The cathode ray tube according to the present embodiment is the same as that of the first embodiment except for the voltage applied to the
図7に示すように、第一電極2には、電極電源回路53より、ビーム電流にかかわらず一定の直流電圧(ここでは0V)が供給される。第二電極3には、電極電圧切替え回路52より、輝度信号に応じて、小ビーム電流時には1000Vが、大ビーム電流時には1250Vが供給される。電極電圧切替え回路52が電圧を切替えるビーム電流の閾値は2.5mAである。
As shown in FIG. 7, a constant DC voltage (here, 0 V) is supplied to the
以下、本実施の形態における作用を説明する。 Hereinafter, the operation in the present embodiment will be described.
図8に、電子ビームの挙動と管軸上の電位分布とを示す。 FIG. 8 shows the behavior of the electron beam and the potential distribution on the tube axis.
エミッタ領域から放出された電子ビーム束21は、第一電極2の電子ビーム通過孔2a、第二電極3の電子ビーム通過孔3a、第三電極4の電子ビーム通過孔4aを順に通過する。この際、電子ビーム束21は、第一電極2の近傍でボトルネック形状の最細点(クロスオーバー点)22を形成する。クロスオーバー点22を通過した電子ビームは、第二電極3と第三電極4との間に形成される予備集束レンズ電界によって予備集束され、集束電極5と最終加速電極6とによって形成される主レンズ電界に導かれる。主レンズ電界によって電子ビームは、集束ビームとなって蛍光面44へ射突し、ビームスポットを形成する(図8では集束電極5以降は図示せず)。
The
図8の下図は、このときの管軸上の電位分布を示している。 The lower diagram of FIG. 8 shows the potential distribution on the tube axis at this time.
破線は、ビーム電流が相対的に小さいとき(ここではビーム電流が1mAのとき)の軸上電位分布を示す。このとき、カソード電極16には0V、ゲート電極18には電圧Va、第一電極2には0Vがそれぞれ印加されている。この状態は低い輝度信号に対応するから、電極電圧切替え回路52により第二電極3には1000Vが印加されている。
A broken line indicates an on-axis potential distribution when the beam current is relatively small (here, the beam current is 1 mA). At this time, 0 V is applied to the
実線は、ビーム電流が相対的に大きいとき(ここではビーム電流が4mAのとき)の軸上電位分布を示す。このとき、カソード電極16には0V、ゲート電極18には電圧Vb、第一電極2には0Vがそれぞれ印加されている。この状態は高い輝度信号に対応するから、電極電圧切替え回路52により第二電極3には1250Vが印加されている。
The solid line shows the on-axis potential distribution when the beam current is relatively large (here, the beam current is 4 mA). At this time, 0 V is applied to the
一点鎖線は、第二電極3に1000Vを印加する以外は、各電極に実線の場合と同じ電圧を印加した場合の軸上電位分布を示す。破線と一点鎖線との比較より、大ビーム電流時(一点鎖線)には、第一電極2近傍の電位が著しく低下している。これにより、エミッタ8に対して第一電極2近傍は強い負電界(電子ビームの進行方向に対して負の電界)となり、高い電界障壁が生じてしまう。従って、エミッタ8から射出された電子ビームのうちの一部23は、この高い電界障壁を越えることができず、エミッタ8側に戻り、相対的に電位の高いゲート電極18に射突する。
A one-dot chain line shows an on-axis potential distribution when the same voltage as that of the solid line is applied to each electrode except that 1000 V is applied to the
本実施の形態では、大ビーム電流時、すなわち、輝度信号が大きい場合(たとえばここで示した4mAの場合)、電極電圧切替え回路52により、電圧1250Vが第二電極3に印加される。この結果、大ビーム電流時の軸上電位分布が、一点鎖線から実線に変化する。これにより、エミッタ8の前方の負電界強度は、小ビーム電流時(破線)とほぼ同等となり、電界障壁が低くなり、電子ビームの通過が容易になる。この結果、大ビーム電流時において電子ビームの一部が戻ってエミッタ8に射突することを抑制することができる。
In the present embodiment, the voltage 1250V is applied to the
エミッタ8の前方の第一電極2近傍の電位は、これに隣り合う第2電極3に印加される電圧にも依存する。即ち、第2電極3に印加される電圧が大きいほどエミッタ8の前方の負電界は弱まり、第2電極3に印加される電圧が小さいほどエミッタ8の前方の負電界は強まる。
The potential near the
本実施の形態では、エミッタ8に隣り合う第一電極2に更に隣り合う第二電極3に、ビーム電流の増大に伴い増大する電圧を印加することにより、電子ビーム束21自身の電荷によって強められたエミッタ8の前方の負電界強度を弱めることができ、その結果、ビーム電流の増大時に生じる電子ビームのエミッタ8ヘの射突を防止することができる。
In the present embodiment, a voltage that increases as the beam current increases is applied to the
実施の形態1,2では、エミッタ8に隣り合う第一電極2、又はこれに更に隣り合う第二電極3に印加する電圧を、ビーム電流に応じて変化させたが、エミッタ8の前方の電界強度を変化させることができる電極であれば第一電極2又は第二電極3に限定されず、例えば第二電極3に極めて接近して、第二電極3に対して第三電極4側に電極を配置し、この電極に印加する電圧を同様に変化させても良く、この場合も上記と同様の効果が得られる。
In the first and second embodiments, the voltage applied to the
(実施の形態3)
本実施の形態に係る陰極線管は、電子銃45のエミッタ8の構成及びエミッタ8の各電極及び第一電極2に印加する電圧を除いて実施の形態1と同様である。従って、実施の形態1と重複する説明を省略し、相違点を以下に説明する。
(Embodiment 3)
The cathode ray tube according to the present embodiment is the same as that of the first embodiment except for the configuration of the
図9は本実施の形態3にかかるエミッタ8の断面斜視図である。ゲート電極18の外周を取り囲むように、ゲート電極18と同一面上に(絶縁層17上に)、略環状の周辺集束電極27が設けられている。また、絶縁層17の表面には、この周辺集束電極27と電気的接続されたリードパターン28及びボンディング端子29が設けられている。ボンディング端子29は、電圧供給リード10を介して陰極構体1に設けられた電圧供給端子11と接続されている。
FIG. 9 is a cross-sectional perspective view of the
図10に示すように、ビーム電流にかかわらず、第一電極2には一定の直流電圧(ここでは0V)が、第二電極3には1kVの一定の直流電圧が、電極電源回路53よりそれぞれ印加される。一方、エミッタ8の周辺集束電極27には、電極電圧切替え回路52より、輝度信号に応じて、小ビーム電流時には0Vが、大ビーム電流時には25Vが供給される。電極電圧切替え回路52が電圧を切替えるビーム電流の閾値は2.3mAである。
As shown in FIG. 10, regardless of the beam current, a constant DC voltage (here, 0 V) is applied to the
以下、本実施の形態における作用を説明する。 Hereinafter, the operation in the present embodiment will be described.
図11に、電子ビームの挙動と管軸上の電位分布とを示す。 FIG. 11 shows the behavior of the electron beam and the potential distribution on the tube axis.
エミッタ領域から放出された電子ビーム束21は、第一電極2の電子ビーム通過孔2a、第二電極3の電子ビーム通過孔3a、第三電極4の電子ビーム通過孔4aを順に通過する。この際、電子ビーム束21は、第一電極2の近傍でボトルネック形状の最細点(クロスオーバー点)22を形成する。クロスオーバー点22を通過した電子ビームは、第二電極3と第三電極4との間に形成される予備集束レンズ電界によって予備集束され、集束電極5と最終加速電極6とによって形成される主レンズ電界に導かれる。主レンズ電界によって電子ビームは、集束ビームとなって蛍光面44へ射突し、ビームスポットを形成する(図11では集束電極5以降は図示せず)。
The
図11の下図は、このときの管軸上の電位分布を示している。 The lower diagram of FIG. 11 shows the potential distribution on the tube axis at this time.
破線は、ビーム電流が相対的に小さいとき(ここではビーム電流が1mAのとき)の軸上電位分布を示す。このとき、カソード電極16には0V、ゲート電極18には電圧Vaがそれぞれ印加されている。この状態は低い輝度信号に対応するから、電極電圧切替え回路52により周辺集束電極27には0Vが印加されている。
A broken line indicates an on-axis potential distribution when the beam current is relatively small (here, the beam current is 1 mA). At this time, 0V is applied to the
実線は、ビーム電流が相対的に大きいとき(ここではビーム電流が4mAのとき)の軸上電位分布を示す。このとき、カソード電極16には0V、ゲート電極18には電圧Vbがそれぞれ印加されている。この状態は高い輝度信号に対応するから、電極電圧切替え回路52により周辺集束電極27には25Vが印加されている。
The solid line shows the on-axis potential distribution when the beam current is relatively large (here, the beam current is 4 mA). At this time, 0 V is applied to the
一点鎖線は、周辺集束電極27に0Vを印加する以外は、各電極に実線の場合と同じ電圧を印加した場合の軸上電位分布を示す。破線と一点鎖線との比較より、大ビーム電流時(一点鎖線)には、第一電極2近傍の電位が著しく低下している。これにより、エミッタ8に対して第一電極2近傍は強い負電界(電子ビームの進行方向に対して負の電界)となり、高い電界障壁が生じてしまう。従って、エミッタ8から射出された電子ビームのうちの一部23は、この高い電界障壁を越えることができず、エミッタ8側に戻り、相対的に電位の高いゲート電極18に射突する。
The alternate long and short dash line indicates the on-axis potential distribution when the same voltage as that of the solid line is applied to each electrode except that 0 V is applied to the peripheral focusing
本実施の形態では、大ビーム電流時、すなわち、輝度信号が大きい場合(たとえばここで示した4mAの場合)、電極電圧切替え回路52により、電圧25Vが周辺集束電極27に印加される。この結果、大ビーム電流時の軸上電位分布が、一点鎖線から実線に変化する。これにより、エミッタ8の前方の負電界強度は、小ビーム電流時(破線)とほぼ同等となり、電界障壁が低くなり、電子ビームの通過が容易になる。この結果、大ビーム電流時において電子ビームの一部が戻ってエミッタ8に射突することを抑制することができる。
In the present embodiment, at the time of a large beam current, that is, when the luminance signal is large (for example, in the case of 4 mA shown here), the electrode
エミッタ8の前方の第一電極2近傍の電位は、周辺集束電極27に印加される電圧にも依存する。即ち、周辺集束電極27に印加される電圧が大きいほどエミッタ8の前方の負電界は弱まり、周辺集束電極27に印加される電圧が小さいほどエミッタ8の前方の負電界は強まる。
The potential near the
本実施の形態では、エミッタ8に設けられた周辺集束電極27に、ビーム電流の増大に伴い増大する電圧を印加することにより、電子ビーム束21自身の電荷によって強められたエミッタ8の前方の負電界強度を弱めることができ、その結果、ビーム電流の増大時に生じる電子ビームのエミッタ8ヘの射突を防止することができる。
In the present embodiment, by applying a voltage that increases as the beam current increases to the peripheral focusing
実施の形態1,2,3では、第一電極2、第二電極3、又は周辺集束電極27に印加する電圧をビーム電流に応じて2段階に切り替えたが、3段階以上の多段階で切り替えても良く、又は、ビーム電流に応じて連続的に変化させても良い。
In the first, second, and third embodiments, the voltage applied to the
(実施の形態4)
本実施の形態4に係る陰極線管装置の概略構成は、実施の形態1で説明した図2と同じである。
(Embodiment 4)
The schematic configuration of the cathode ray tube apparatus according to the fourth embodiment is the same as that of FIG. 2 described in the first embodiment.
図12は本発明の実施の形態4に係る電界放出型陰極を備えた電子銃45の、1つの電子ビーム通過孔の中心軸に沿った断面図である。電子銃45は、陰極構体1、第一電極2、第二電極3、第三電極4、集束電極5、最終加速電極6をこの順に備え、更に、陰極構体1と第一電極2との間にはトラップ電極7を備える。
FIG. 12 is a cross-sectional view along the central axis of one electron beam passage hole of an
一実施例では、第一電極2は板厚0.12mmで、直径0.5mmの電子ビーム通過孔2aが形成されており、第二電極3は板厚0.3mmで、直径0.5mmの電子ビーム通過孔3aが形成されており、第三電極4は板厚0.8mmで、直径0.85mmの電子ビーム通過孔4aが形成されている。陰極構体1のエミッタ8と第一電極2との距離は0.1mm、第一電極2と第二電極3との距離は0.25mm、第二電極3と第三電極4との距離は0.8mmである。
In one embodiment, the
トラップ電極7は板厚0.03mmで、電子ビーム通過孔7aの直径はエミッタ8側で0.2mm、第一電極2側で0.38mmのテーパー孔である。
The
集束電極5および最終加速電極6は実効的に約10mmの口径を有する立体構造の電極である。集束電極5と最終加速電極6との間の間隙の中心と陰極構体1との距離は35mmである。トラップ電極7を含むすべての電極はステンレス鋼材を成形したものである。
The focusing
最終加速電極6には30kV、集束電極5および第三電極4には7.5kV、第二電極3には1kV、第一電極2には0V(グランド電位)の一定の直流電圧がそれぞれ駆動回路装置50より印加される。また、トラップ電極7には、第一電極2よりわずかに高い電圧が駆動回路装置50より印加される(実施例では3Vとする)。
A constant DC voltage of 30 kV is applied to the final acceleration electrode 6, 7.5 kV to the focusing
本実施例では、上記のような電極構成、材質、形状、電圧としたが、本発明は上記に限定されず、陰極線管の大きさ、用途、要求性能によって適宜変更することができる。 In the present embodiment, the electrode configuration, material, shape, and voltage are set as described above. However, the present invention is not limited to the above, and can be appropriately changed according to the size, application, and required performance of the cathode ray tube.
陰極構体1は、図12に示すように、絶縁基板9、複数の電圧供給リード10、電圧供給端子11、エミッタ8を有する。
As shown in FIG. 12, the cathode assembly 1 includes an insulating
エミッタ8の概略構成は、実施の形態1で説明した図3と同じである。
The schematic configuration of the
エミッタ8のゲート電極18には一定の電圧(実施例では95V)が印加され、カソード電極16には輝度信号に応じた電圧(実施例では0〜75V)が印加される。カソード電極16の電位が0Vのとき、カソード電極16とゲート電極18との間の電位差は95Vとなり、最大のビーム電流(ひとつのエミッタ8当り5mA)が得られる。また、カソード電極16の電位が75Vのとき、カソード電極16とゲート電極18との間の電位差は20Vとなり、エミッタ8から実用上電子ビームが放出されない状態、即ち、いわゆるカットオフ状態となる。
A constant voltage (95 V in the embodiment) is applied to the
本実施例では、エミッタ8は上記のような構成、材質、形状、電圧としたが、本発明は上記に限定されず、陰極線管の大きさ、用途、要求性能によって適宜変更することができる。
In the present embodiment, the
以下、本実施の形態における作用を説明する。 Hereinafter, the operation in the present embodiment will be described.
図13は、ビーム電流が相対的に小さいとき(ここではビーム電流が1mAのとき)の電子ビームの挙動を示す断面図である。エミッタ領域から放出された電子ビーム束21は、トラップ電極7の電子ビーム通過孔7a、第一電極2の電子ビーム通過孔2a、第二電極3の電子ビーム通過孔3a、第三電極4の電子ビーム通過孔4aを順に通過する。この際、電子ビーム束21は、第一電極2の近傍でボトルネック形状の最細点(クロスオーバー点)22を形成する。クロスオーバー点22を通過した電子ビームは、第二電極3と第三電極4との間に形成される予備集束レンズ電界によって予備集束され、集束電極5と最終加速電極6とによって形成される主レンズ電界に導かれる。主レンズ電界によって電子ビームは、集束ビームとなって蛍光面44へ射突し、ビームスポットを形成する(図13では集束電極5以降は図示せず)。
FIG. 13 is a cross-sectional view showing the behavior of the electron beam when the beam current is relatively small (here, the beam current is 1 mA). The
ここで、電子銃を構成する電極群、とくに第一電極2および第二電極3の形状は、エミッタ8の形状およびこれから取出される電子ビームの挙動を鑑みて、好適なビームスポット特性が得られるように決定されている。具体的には、より小さく好適なビームスポット特性を得るためには、結像関係においてビームスポットに対して物点に相当するクロスオーバー点22の大きさを小さくし、かつ、クロスオーバー点22からの電子ビーム束21の発散角を小さくすることが有効である。
Here, the shape of the electrode group constituting the electron gun, in particular, the shape of the
本実施例の電界放出型陰極では、エミッタ8から放出される電子ビームは、カソード電極16とゲート電極18との間の電位差に相当する速度エネルギー(数十V)を持ち、半角で約30°の広がり角でエミッタ8より出射される。数十Vの速度エネルギーを持ち、約30°の広がり角で出射した電子ビーム束21は、エミッタ8の前面近傍で大きく広がる挙動を示す。先述のクロスオーバー点22を充分小さくするためには、エミッタ8の前面近傍で大きく広がった電子ビーム束21を凸レンズ作用の電界レンズで集束する必要がある。そのために、第一電極2にゲート電極18よりも低い電圧が印加され、且つこの第一電極2の電子ビーム通過孔2aの開孔径は、電子ビーム束21と干渉しない程度で充分に小さいことが望ましい。このような第一電極2により、エミッタ8の前面近傍に強い凸レンズ作用を有する電界レンズを形成することが可能となる。
In the field emission cathode of this embodiment, the electron beam emitted from the
一方、トラップ電極7は、この第一電極2の電界レンズ作用に影響しないように、その形状が決定される。すなわち、トラップ電極7の電子ビーム通過孔7aの直径DT(実施例ではDT=0.2mm)は、エミッタ領域の外径DE(実施例ではDE=0.01mm)より大きく、且つ第一電極2の電子ビーム通過孔2aの孔径D1(実施例ではD1=0.5mm)より小さいことが好ましい。更に、トラップ電極7に印加される電圧VTは第一電極2に印加される電圧V1よりわずかに高いことが好ましい(実施例では、VT=3V、V1=0V)。
On the other hand, the shape of the
このような構成において、ビーム電流が大きい場合(ここでは最大の5mA)、図14に示すように、エミッタ8から放出された電子ビーム束21は第一電極2近傍でクロスオーバー点22を形成した後、予備集束レンズ電界及び主レンズ電界によるレンズ作用を受け、蛍光面にスポットを形成する。以上は図13に示した小ビーム電流時の場合と同様である。しかしながら、大ビーム電流時には、エミッタ8から放出された電子ビームのうちの一部23が第一電極2のビーム通過孔2aを通過せず、エミッタ8側へ戻る現象が生じる。
In such a configuration, when the beam current is large (here, maximum 5 mA), the
これは、大ビーム電流で、かつ、1点に電子ビーム束21が集中するクロスオーバー点22近傍において、電子ビームの電子自身の負電荷により空間の電位が低下し、電子ビームの進行方向に対して強い負の電界が生じるため、管軸方向の速度エネルギーの小さい電子ビームがこの負電界によって減速され、蛍光面に向かう方向の速度を失ったのち、ゲート電極18の高電位に引きつけられ、見掛け上、エミッタ8側へ戻るために生じる。
This is a large beam current, and in the vicinity of the
図16に示した従来の電子銃では、エミッタ側へ戻った電子ビームは、高電位であるゲート電極52の表面に突入し、陰極構体50の破壊を引起していた。ところが、本発明では、エミッタ8側へ戻った電子ビームは、ゲート電極18に突入する前にトラップ電極7に吸収される。これは、トラップ電極7が第一電極2よりわずかに高電位に設定されていること、及び、トラップ電極7の電子ビーム通過孔7aの直径DTが、エミッタ領域の外径DEより大きく、且つ第一電極2の電子ビーム通過孔2aの直径D1より小さいことにより実現される。
In the conventional electron gun shown in FIG. 16, the electron beam returned to the emitter side enters the surface of the
従って、本実施の形態によれば、電子ビーム電流の大小にかかわらず、全ビーム電流域において、エミッタから放出された電子ビームが陰極構体1に射突するのを防止することができる。 Therefore, according to the present embodiment, it is possible to prevent the electron beam emitted from the emitter from colliding with the cathode assembly 1 in the entire beam current region regardless of the magnitude of the electron beam current.
なお、上記の実施例ではトラップ電極7の電子ビーム通過孔7aの周縁形状を円形としたが、本発明はこれに限定されず、楕円形、長円形、各種多角形などいずれであってもよい。また、例えば、図15に示すように、トラップ電極7が、同一平面上に配された複数の電極で構成され、その結果、電子ビーム通過孔7aの周縁が不連続であってもよい。この場合には、電子ビーム通過孔7aの直径DTは、図示したように、管軸と平行な方向から見たときの、エミッタ領域の中心を通る最小径で定義される。トラップ電極7の電子ビーム通過孔7aがこのような各種形状をとる場合であっても、上記と同様の効果を得ることができる。
In the above embodiment, the peripheral shape of the electron
本発明の利用分野は特に限定されず、例えばテレビジョンまたはコンピュータディスプレイ等のカラーブラウン管に広範囲に利用できる。 The application field of the present invention is not particularly limited, and can be widely used for color cathode ray tubes such as a television or a computer display.
1 陰極構体
2 第一電極
3 第二電極
4 第三電極
5 集束電極
6 最終加速電極
7 トラップ電極
8 エミッタ
9 絶縁基板
10 電圧供給リード
11 電圧供給端子
15 基板
16 カソード電極(電子放出電極)
17 絶縁層
18 ゲート電極
18a 開口
19 ボンディング端子
20 リードパターン
21 電子ビーム束
22 クロスオーバー点
23 エミッタ側に戻る電子ビーム
27 周辺集束電極
28 リードパターン
29 ボンディング端子
41 パネル
42 ファンネル
42a ネック部
43 外囲器
44 蛍光面
45 電子銃
46 偏向装置
47 電子ビーム
50 駆動回路装置
51 ゲート電極電圧制御回路
52 電極電圧切替え回路
53 電極電源回路
60 高圧電源装置
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
17 Insulating
Claims (5)
前記陰極が、複数の電子放出電極と、前記複数の電子放出電極をそれぞれ取り囲む複数の開口が形成されたゲート電極とからなる電界放出型陰極であり、
前記陰極線管装置は、ビーム電流にかかわらず前記電子ビームが前記陰極へ射突するのを防止する手段を更に有することを特徴とする陰極線管装置。 A cathode ray tube apparatus having an electron gun comprising a cathode for emitting an electron beam and a plurality of electrodes for focusing the emitted electron beam,
The cathode is a field emission cathode comprising a plurality of electron emission electrodes and a gate electrode formed with a plurality of openings surrounding each of the plurality of electron emission electrodes;
The cathode ray tube apparatus further comprises means for preventing the electron beam from projecting onto the cathode regardless of a beam current.
前記トラップ電極の電子ビーム通過孔の径は、1つの前記電子放出電極と1つの前記開口とからなる対が複数配置された領域であるエミッタ領域の径よりも大きく、且つ、前記第一電極の電子ビーム通過孔の径より小さく、
前記手段は、前記トラップ電極と、前記トラップ電極に、前記第一電極より高い電圧を印加する駆動回路装置とを含む請求項1に記載の陰極線管装置。 The electron gun has a first electrode forming an electric field lens for focusing an electron beam emitted from the cathode, and a trap provided adjacent to the gate electrode and the first electrode. An electrode,
The diameter of the electron beam passage hole of the trap electrode is larger than the diameter of the emitter region, which is a region where a plurality of pairs of one electron emission electrode and one opening are arranged, and the first electrode Smaller than the diameter of the electron beam passage hole,
2. The cathode ray tube device according to claim 1, wherein the means includes the trap electrode and a drive circuit device that applies a higher voltage to the trap electrode than the first electrode.
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