JP2007122197A - 地価分析システム、方法及びプログラム - Google Patents

地価分析システム、方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】地価分析対象地点を含むある程度の広さを有する所定の範囲に含まれる地点の実勢価格を、安価に且つ容易に分析できる地価分析システム、方法及びプログラムの提供を課題とする。
【解決手段】地図を表示する地図表示手段12と、地図に含まれる複数の地点における地価情報を記憶する地価情報データベース13と、地図上で地価分析の対象となる地点を含む所定の広さを有する地価分析対象範囲の指定を受ける地価分析対象範囲指定手段14と、地価分析対象範囲指定手段14によって指定された地価分析対象範囲に含まれる地点の地価情報を、所定の補正基準に従って補正することにより、地価分析対象範囲に含まれる地点の実勢価格を算出する実勢価格分析手段16と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、地価分析技術に係り、更に詳細には、ある程度の広さの範囲内における土地の実勢価格を分析する技術に関する。
従来、地価の指標としては、地価公示、地価調査、相続税及び固定資産税の路線価等が用いられてきた。しかし、これらの情報はそれぞれ価格時点、価格水準、発表方法が異なる。
すなわち、地価公示は、毎年1月1日の価格が3月下旬に発表される。また、地価調査は、毎年7月1日の価格が9月下旬に発表される。相続税路線価は、毎年1月1日の価格が8月上旬に発表される。更に、固定資産税路線価等は、原則として3年に一度、1月1日の価格が発表される。
また、地価公示および地価調査の価格水準は同一であるが、相続税路線価は地価公示の80%、固定資産税路線価等は地価公示の70%とされている。
そして、地価公示は国が官報で発表し、地価調査は都道府県が公報で発表し、相続税路線価は国税庁が相続税路線価図で発表し、固定資産税路線価等は各市区町村がそれぞれの方法で発表していた。
また、これらの公的地価データを、インターネット等で閲覧可能にしたホームページも各機関から発表されているが、課税の基礎等となっている評価額を公表するのが目的であり、任意の地域の実勢価格を分析するものではなかった。
そこで、最近は、これらの公的地価データに加え、取引事例を電子地図上の複数の地点の位置座標と関連付けて記憶させ、上記電子地図上で評価対象地点をプロットすることにより、その地点における土地評価を簡単にできる土地評価技術(例えば、特許文献1,2参照。)が考案されている。
これらの不動産の評価技術では、予め公示地、基準地、又は取引事例が前面路線価と関連付けられている。そして、地図上で評価する対象地を指定してその前面路線価を選択し、この対象地の前面路線価と、公示地、基準地、取引事例の前面路線価とを比較することにより、対象地の実勢価格を求めるように構成されている。
特許第2505142号 特許第3613473号
しかしながら、従来の不動産の評価技術では、評価すべき対象地が特定されていることを前提としている。
従って、対象地が特定されていない段階で、例えば所定の公共施設を中心としたある範囲内の地点における実勢価格がどの程度かを分析するようなことはできなかった。
一方、不動産仲介等の現場では、対象地の位置を特定しないで、某小学校の付近とか、何丁目の辺りとか、公共施設などを中心としたある程度の広さを有する範囲内の地点にお
ける実勢価格が求められることが多い。
しかし、従来の方法では、上記のように、対象地の位置が特定されていることを前提としているため、公共施設などを中心としてある程度の範囲内の地点における実勢価格を得ることができなかった。
このため、従来は、対象地を特定しないである程度の範囲内の地点における実勢価格を求める場合、不動産業者などが経験に基づいた相場観で対応していた。しかし、このようにして得られた実勢価格は、客観性及び正確性が低いという問題があった。
また、従来は、評価対象地点の位置を特定し、その前面路線価を選択する必要があった。この場合、比較的小規模な施設の配置や、個人の表札情報など詳細な情報を有する電子住宅地図、及び路線価のデジタルデータを不特定多数の評価者のパソコン画面上に表示する必要があり、その使用許諾料が非常に高額であり、コストアップになるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みなされたもので、ある程度の広さの範囲を指定することによって、その範囲内に含まれる地点の実勢価格を低コストで且つ容易に分析できる地価分析システム、方法及びプログラムの提供を課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
(1)本発明の地価分析システムは、
地図を表示する地図表示手段と、
前記地図に含まれる複数の地点における地価情報を記憶する地価情報記憶手段と、
前記地図上で地価分析の対象となる地点を含む所定の広さを有する地価分析対象範囲の指定を受ける地価分析対象範囲指定手段と、
前記地価分析対象範囲指定手段によって指定された前記地価分析対象範囲に含まれる複数の前記地点の前記地価情報を、所定の補正基準に従って補正することにより、前記地価分析対象範囲に含まれる前記地点における実勢価格を算出する実勢価格分析手段と、
を備えていることを特徴とする。
上記地価情報としては、地価公示、調査地価、相続税及び固定資産税の路線価を例示できる。
本発明では、例えば公共施設の位置を目安としてある程度の広さを有する地価分析対象範囲内の土地の実勢価格を求めるものである。このため、最小行政区画、公共施設、比較的大規模な民間施設及び建物などを特定できればよい。
従って、比較的小規模な民間施設及び建物の配置や、個人の表札情報などを特定する必要がないので、地図に求められる表示レベルが低い。従って、安価な電子地図を用いることができる。
また、地図上で前面路線価の指定を受けないので、前面路線価を地図上に表示する必要がない。このため、高価な路線価のデジタルデータを不特定多数の評価者のパソコン画面上に表示する必要がなくなる。
(2)前記地図の表示レベルは、市区町村、丁目、街区、公共施設、所定の規模以上の民間施設及び建物を表示し、それ以上の詳細な施設、建物、個人の表札情報等を表示しない程度とすることができる。
上記街区とは、住居表示法により道路、河川、水路、鉄道、軌道線路などの恒久施設によって画された地区をいう。1街区の標準は3,000m2〜5,000m2、戸数20戸から30戸程度とされている。
このように地図の表示レベルを比較的粗くすることにより、安価な地図を使用できる。なお、地図の表示レベルとしては、更に詳細な情報、例えば住居番号を表示する程度、若しくは殆ど全ての施設、建物、個人の表札情報などを表示する程度でも良い。
(3)前記地価情報記憶手段には、路線価、地価変動指数、前記実勢価格と前記公示価格との比を示す開差率データ、地域ごとに設定される地域要因データが記憶されていることが好ましい。
(4)前記路線価を示す線分上に、複数の地価モデルポイントを設定し、前記地価モデルポイントの位置座標及び前記地価情報を関連付けて記憶する地価モデルポイント作成手段を、更に有することが好ましい。
この場合は、路線価を線分として表示する必要がないので、高価な路線価デジタルデータを不特定多数の評価者のパソコン画面上に表示する必要がなくなる。また、路線価を線分として地図上に表示する場合より、地価の分析をより詳細にすることができる。
また、所定の地価分析対象範囲において、不均一な長さの線分で設定される路線価を、略均一な地点間隔の地価モデルポイントでの地価に変換できるので、平均値の算出がきわめて容易になる。
(5)前記地価モデルポイントは、前記路線価を示す線分の両端を示す地点、及び前記線分を所定の長さで等分して得られる点に設定できる。
(6)前記地価分析対象範囲指定手段は、前記地図上で円、楕円、又は三角形以上の多角形によって範囲を指定することが好ましい。
(7)前記補正基準としては、路線価の価格時点の地価変動指数と評価日時点の地価変動指数との比に基づく時点修正率、公示価格と実勢価格との比に基づく開差率データ、又は環境に基づく地域要因の格差率である地域要因のうち少なくとも一つとすることができる。
(8)前記地図上に表示される地域が複数のブロックに分割され、前記ブロックに対して前記地域要因の格差率が設定されるのが好ましい。この場合は、地価モデルポイントと地域要因の格差率とを一対一で関連付けて記憶させる方法に比べて、データ量を大幅に低減できる。
(9)前記実勢価格を表示する実勢価格表示手段を更に有することが好ましい。この場合は、実勢価格表示手段を見ることによって、得られた実勢価格を即座に認識できる。
(10)前記実勢価格表示手段は、前記実勢価格をヒストグラムで表示し、又は前記実勢価格を代表する典型値を表示するようできる。
(11)ネットワークに接続されたインターフェースを介して前記地図、前記地価情報、及び前記実勢価格をネットワーク上の利用者端末に提供する手段を、更に備えることが好ましい。
この場合は、利用者の端末で、地価分析対象範囲の地価分析の操作を行うことができる。
(12)ネットワークに接続されたインターフェースを介してネットワーク上のサーバから、前記地図、前記地価情報、及び前記実勢価格を参照する手段を、更に備えることが好ましい。この場合は、利用者の端末の構成を簡略化できる。
また、本発明は、コンピュータが以上のような処理を実行する方法であってもよい。また、本発明は、コンピュータに、以上の機能を提供させるプログラムであってもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。
ここで、コンピュータが読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。
このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
また、コンピュータに固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
なお、上記各構成要素は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
本発明によれば、区画、施設、建物などの表示レベルが低い地図を使用し、且つ前面路線価を線分として地図上に表示することなく、簡単に地価分析を行うことができる。
従って、安価な地図を使用し、且つ高価な路線価デジタルデータを不特定多数の評価者(使用者)のパソコン画面上に表示する必要がなくなるので、コスト低減が可能になる。
また、地価分析対象地点を特定することなく、公共施設などを中心とするある程度の広さを有する地価分析対象範囲を指定することによって、その範囲内の地点における地価分析ができるので、一般の利用者が地価分析対象地点をあいまいに指定して気軽に地価分析をすることができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)に係る地価分析システム、方法及びプログラムについて説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
<地価分析システムの構成>
図1は、本実施形態に係る地価分析システム1の構成を示す。この地価分析システム1は、地図を記憶する地図データベース(地図記憶手段)11、地図を表示する地図表示手段12、上記地図に含まれる複数の地点における各種の地価情報を記憶する地価情報データベース(地価記憶手段)13、地図上で地価分析の対象となる範囲(以下、地価分析対象範囲という)の指定を受ける地価分析対象範囲指定手段14、路線価を示す線分上に複
数の地点(以下、地価モデルポイントという)を設け、この地価モデルポイントと路線価とを関連付けて記憶させる地価モデルポイント作成手段15、及び地価分析対象範囲内の前記地価モデルポイントにおける実勢価格を分析する実勢価格分析手段16を備えている。
なお、上記実勢価格とは、実際の不動産取引において売り手と買い手の需要が釣り合う金額、すなわち、不動産の時価であり、実際の取引で付けられた価格のことである。取引がない場合には、その土地の周辺の取引から推定するのが一般的である。
また、この地価分析システム1は、上記実勢価格分析手段16によって分析された地価モデルポイントの実勢価格を表示する分析結果表示手段17、及び分析結果を印刷する印刷手段18を備えている。
なお、図1中の符号19はインターネット、20はインターネットに接続されたパソコン(端末装置)である。
上記各構成要素11から18は、ネットワークを介して、例えばインターネット19上のサーバーに設置されている。また、これらの各構成要素11から18は、インターネット19を介さずに、例えばクライアントのサーバ上に設置されていても良い。
次に、上記各構成要素11から18について説明する。地図データベース11には、次に説明するように、表示レベルが比較的低い簡単な地図データが格納されている。
この地図データベース11に格納されている地図データの表示レベルは、市区町村、丁目、街区、公共施設、所定の規模以上の民間施設及び建物が表示され、それ以上の詳細な施設、建物、個人の表札情報等が表示されない程度の表示レベルである。例えば、上記地図データの表示レベルとしては、某町某丁目某街区などを例示できる。
なお、上記より広い表示レベル、例えば東京都の23区、政令指定都市(大阪、京都、
横浜、神戸、名古屋、北九州、札幌、川崎、福岡、広島、仙台、千葉の12市)、最小行
政区画(市区町村)を表示する表示レベルとし、又はこれより詳細な表示レベル、例えば個人の表札情報まで表示する表示レベルとすることもできる。
上記地図表示手段12では、図2に示すように、地図データベース11から検索された地域を含む所定の範囲の地図21が表示される。
また、この地図表示手段12では、表示された地図21と同一範囲に含まれる地価モデルポイント54a,54b,54c・・・を地価情報データベース13から取得する。ここで、取得した地価モデルポイント54a,54b,54c・・・を、地図表示手段12の地図上に表示したり、或いは色を透明にして表示しないようにもできる。
なお、上記地価モデルポイント54a,54b,54c・・・は、後述のように、路線価を示す線分53上に設けられる地点であり、地価モデルポイント作成手段15によって作成され、地価情報データベース13に記憶される。なお、本実施形態では、路線価を示す線分53は地図21上に表示されない。
上記地価情報データベース13には、各種の地価情報が格納されている。この地価情報としては、路線価、地価変動指数、実勢価格と公示価格との比を示す開差率データ、環境に基づく地域要因データなどを例示できる。
なお、路線価とは、周知のように相続税の計算をする時に使用されるものである。土地の相続税は、時価を用いて計算するのが原則であるが、すべての土地の時価を計算するのは困難である。そのため、道路沿いに一平方メートルあたりの価格をつけてこれを路線価とし、この路線価に土地の面積を掛けて土地の相続を評価する。路線価は毎年発表される。
上記路線価は、一般に電子地図上の道路上に、始点、終点を含む2点以上の位置座標を有する線分として表される。すなわち、路線価は、道路上に同一価格の範囲を線分で表したものである。
この路線価は、道路上に同一価格の範囲を線分で表現できればよく、上記の相続税路線価に限らず、固定資産税路線価、或いは任意に取り決めた路線価でも良い。
但し、本発明の地価分析システム1においては、後述のように、上記路線価を地価情報データベース13に記憶するだけであり、地図表示手段12によって表示される地図21上には表示しない。これは、不特定多数の評価者(使用者)のパソコン画面上に、路線価のデジタルデータを表示するための使用許諾料が、比較的高価だからである。
上記地価変動指数は、例えば「某市の住宅地」というように、市区町村など所定の範囲における住宅地、商業地、工業地などの用途毎の、地価の変動を指数化したものであり、上記所定の範囲内の複数の地点における地価公示、地価調査、売買事例等に基づいて設定される。本実施形態では、市区町村毎の地価変動指数データが、地価変動指数コードとして格納される。
上記地価変動指数は、地価公示又は地価調査の継続地点における対前年変動率を市区町村毎に、用途毎に平均化し、それを毎年掛け合わせることにより、ある時点を100とする指数を作成するものである。最新の地価公示又は最新の地価調査が発表されてから現在までの変動率は、直近の対前年変動率を準用することにより、現在までの指数を作成することができる。
上記地価変動指数は、地価公示、地価調査のそれぞれに地価変動指数を作成して、どちらか新しい方を適用してもよい。また、地価公示、地価調査のそれぞれの地価変動指数を平均して地価変動指数を作成してもよい。本実施形態では、地価公示、地価調査のそれぞれの地価変動指数を平均して地価変動指数を作成する。
上記開差率データは、実勢価格と擬似的な公示価格との開差率データを示すデータであり、具体的には以下の式によって求められる。
開差率データ=(取引事例の標準化補正後の土地単価×路線価時点への時点修正率)/(取引事例の前面の相続税路線価/0.8)
ここで、(取引事例の前面の相続税路線価/0.8)の意義について説明する。現在の
ところ、公的評価の水準は、公示価格を100としたとき、相続税路線価は80、固定資産税路線価は70と決められている。
このため、取引事例の前面の相続税路線価を0.8で除することにより、擬似的に取引
事例付近の公示価格を算出することができる。同様に、取引事例の固定資産税路線価を使用した場合は、この固定資産税路線価を0.7で除することにより、擬似的に取引事例付
近の公示価格を算出することができる。
この開差率データは、例えば、市区町村などの所定の範囲、又は、住宅地、商業地、工業地などの用途ごとに作成されている。そして、この開差率データが、上記市区町村地価変動指数コード、用途別地価変動指数コードなどと関連づけられて保存されている。また、開差率データは、予め地図21上の座標と関連付けて保存することもできる。
また、開差率データは、売買事例が少ない地域においては、任意の定数、例えば(1.1)、(1.0)、(0.9)など、適宜な数値を設定することができる。開差率データを例えば1.1に設定すれば、公示価格の1割アップを実勢価格とみなし、開差率データを0.9に設定すれば公示価格の1割ダウンを実勢価格とみなすことができる。
なお、取引事例の標準化補正後の土地単価とは、土地の個別的要因の標準化補正がされた後の土地単価である。取引事例に建物がある場合は、次式によって建物価格を求め、この建物価格を取引価格から控除する。
建物価格=再調達原価×{1−(経過年数/総耐用年数)}
ここで、再調達原価とは、たとえばその建物を、その時点でもう一度建築した場合にかかる原価である。
このように、取引価格から建物価格を控除することにより、建物付きの事例を、更地の事例と同等の事例として取り扱うことができる。
次に、上記個別的要因の標準化補正について説明する。取引事例データは、土地の個別的要因、例えば角地、形状、面積、などの条件により価値が異なる。そこで、例えば標準的画地と取引事例とを比較して、取引事例が角地の場合は(+7)ポイント、形状が悪くなる場合はその程度に応じて例えば(−2)ポイント、面積が大きい場合はその大きさに応じて(−2)ポイント等と設定される。この場合、標準化補正は合計(+3)ポイントとなる。
この場合には、補正前価格(単価)に100/103を乗じることにより、個別的要因による標準化補正後の価格を得ることができる。
また、上記路線価時点の時点修正率は、上記地価変動指数を用いて求められる。すなわち、路線価時点の時点修正率は、(路線価の価格時点の地価変動指数)/(取引事例の取引時点の地価変動指数)により算出される。
上記地域要因データは、その地域に属する不動産の価格の形成に全般的な影響を与える環境に基づく格差率のことである。この地域要因データとしては、各種の環境、例えば、地名、日照、通風、 街路の幅員、交通施設との距離、商店街との距離、嫌悪施設等の有
無、 騒音、大気の汚染、各画地の面積、配置及び利用の状態、街並み、眺望、景観等の
良否、都市計画、用途地域、建蔽率、容積率などを例示できる。
この地域要因データは、図3に示すように、例えば地図21上で座標により指定された範囲と、その地域要因格差率とに関連づけられて保存されている。本例では、幹線道路22から30m以内の範囲23の地域は騒音の格差率−2ポイント、などと設定されている。
また、この地域要因データの別の例としては、工場の周囲300m以内の範囲は大気汚染の地域格差率−5ポイント、駅の周囲400mは交通施設との距離の地域格差率+10ポイント、有名な地名と同一の地域は地名の格差率+3ポイントなどと設定できる。
そして、例えば騒音の地域格差率が−2ポイント、大気汚染の地域格差率が−5ポイント、交通施設との距離の地域格差率が+10ポイント、地名の格差率が+3ポイントの場合には、全体の地域格差率すなわち地域要因データは+6ポイントとなる。この場合は、各地価モデルポイントの価格(単価)に106/100を乗じることによって、路線価単位にしか反映できなかった地域要因を、より詳細に反映することができる。
また、騒音や地名による需要の強弱など、路線価には反映され難い地域要因を反映させることができる。
上記地域要因データの格差率は、地価モデルポイン54a,54b,54c・・・に関連付けて記憶されている。この地価モデルポイン54a,54b,54c・・・と各地域要因の格差率とは、図4に示すように、地価モデルポイントの格差率データベース55に記憶され、これが地価情報データベース13に格納される。
この地価モデルポイントの格差率データベース55は、各地価モデルポイント54a,54b,54c・・・について、各地域要因(地名、日照、通風など)の格差率をそれぞれ一対一で対応させたものである。
但し、上記のように、各地価モデルポイント54a,54b,54c・・・に対して、各種の地域要因の格差率を一対一で対応させると、情報量が膨大となり、地価情報データベース13の容量が非常に大きくなる。
そこで、次に説明するように、地図21上に表示される範囲を複数のブロックに区分し、各ブロックに対して各地域要因の格差率を記憶させることができる。この方法は、特に、地名に格差率を設ける場合に好適であるが、それ以外の地域要因についても適用できる。
例えば、図5に示すように、A町の周囲にB町、C町、D村、E村があり、A町,B町,E村を通して道路22が設けられているものとする。道路22には、A町及びB町を通して、同一の路線価を示す線分53が設けられている。但し、本発明では、線分53は地図上に表示されない。
また、線分53上には、複数の地価モデルポイント54a,54b,54c・・・が設けられている。これらの地価モデルポイント54a,54b,54c・・・には、その位置座標と地価情報とが関連付けて記憶されている。
ここで、例えば上記線分53を含む地価分析対象範囲24が指定されたものとする。この地価分析対象範囲24には、A町、B町、C町のそれぞれの一部分が含まれている。
一方、地図21上に表示される地域は、図6に示すように、例えば格子状に区分され、複数のブロックA1,A2・・・が設けられている。
また、各ブロックA1,A2・・・には、図7に示すように、そのブロックA1,A2・・・に含まれる地点の位置座標及び地名(最小行政区画など)が関連付けられ、これがブロック・位置座標データベース56に記憶されている。
更に、図8に示すように、A町、B町、C町、D村、E村について地名による格差率が設定され、これが地名・格差率データベース57に記憶されている。
そして、上記で指定された地価分析対象範囲24内の土地の実勢価格を分析する場合に
は、まず、この地価分析対象範囲24内の全ての地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の位置座標が、上記ブロック・位置座標データベース56(図7参照)から検索される。
これにより、各地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の位置座標が、どのブロック及びどの地名に属しているかが分かる。
次に、上記地名・地域格差率データテーブル57が参照され、各地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の属する地名が参照され、各地価モデルポイント54a,54b,54c・・・における各地域要因の格差率が判断される。
このように、地図21上に表示される地名を複数のブロックに分割し、各ブロックに対して格差率を設定することにより、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・と地名の格差率を一対一で対応させて記憶する方法に比べてデータ量を大幅に減少できる。従って、地価情報データベース13の容量も減少できる。
なお、上記のように地名によって地域要因の格差率を設定する場合は、地名が変わる境界線付近の地域を細かく分割して各部ロックの面積を小さくするのが好ましい。
この理由は、例えば有名な地名とこれに隣接する地名とで、地名の格差率が大きく異なる場合があり、このような場合に、その境界線付近の地域を細かく分割してブロックの面積を小さくすることにより、地名の格差率をより正確に反映できるからである。
また、上記の実施形態では、地名による範囲を複数のブロックに分割したが、公共施設や建物からの距離毎に地域を分割したり、土地の用途毎に複数のブロックに分割することができる。
例えば、新幹線に対して100m以内の距離にある場合、新幹線から10m離れる毎にブロックを変える、駅から500m以内の距離にある場合は、駅から50m離れる毎にブロックを変える、バス停から200m以内は、バス停から20m離れる毎にブロックを変えるなど、任意に区分できる。
また、地域要因の中心となる施設、建物としては、上記の例以外に、デパート(百貨店)、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、ガソリンスタンドなども含め、一般的に知られている施設、建物が好ましい。
この他、地図上の街区のうちでも、とりわけ環境のよい(より狭い)地域をブロックとし、このブロックは各差率が3ポイント増などとしてもよい。いずれにしても、ある程度の広さを有する範囲(複数の地価モデルポイントを含む広さ)をブロックとして、ブロック毎に各地域要因の格差率を設定することによって、データベースの情報量を大幅に減らすことができる。
また、上記の実施形態では、地名毎に複数のブロックに分割して、各ブロックに格差率を設定したが、適宜な方法でその地名に含まれる地価モデルポイントを検出し、検出された地価モデルポイントに地名の格差率を設定することができる。
このような地名に含まれる地価モデルポイントを検出する方法としては、周知のように、点と線の関係及び多角形の内外を検出する方法を例示できる。
この方法では、まず、点(地価モデルポイント)と線(地名の境界)との関係を調べる
。点と線の関係は、「点は線の左側にある」、「点は線の上又は延長上にある」、「点は線の右側にある」、の三つの何れかに該当する。
そして、ある点(地価モデルポイント)の線(地名の境界)に対する位置関係(左側、上若しくは延長上、又は右側の何れか)が判断された後、その点が多角形(地名の境界)の内側にあるか外側にあるかを調べる。この場合は、多角形の各辺を時計回り又は反時計回りに回転したときに、その点が辺の右側にあるか、左側にあるかで、その点が多角形の内側にあるか外側にあるかが判断される。
例えば、多角形(地名の境界)を反時計回りに回転した場合は、その点(地価モデルポイント)が辺の右側にあれば、その点は多角形の内側にあると判断され、その点が辺の左側にあれば、その点は多角形の外側にあると判断される。このような判断は、地価モデルポイントと地名の境界の位置座標を用いて、パソコンなどによって自動的に行うことができる。
このようにして、地名の境界部付近にある地価モデルポイントが、どの地名に属するかを判断することができる。
上記分析対象範囲指定部14では、図9に示すように、地価分析対象範囲24として、地図21上の任意の範囲、例えば最小行政区画、或いは公共施設、公共の建物などを中心とする任意の大きさの円が表示される。
なお、地価分析対象範囲24は、円に代えて、楕円形、長方形など3角形以上の多角形によって表示できる。これらの円、楕円形、長方形、多角形は、地価分析対象範囲24の広狭に応じて、その大きさを変化させることができる。
図1の地価モデルポイント作成手段15は、図10に示すように、座標変換部51、及び計算部52を備えている。
上記座標変換部51では、図11の上側に示すように、地価情報データベース13(図1参照)に格納されている路線価を示す線分53上に、均一な間隔を有する複数の地価モデルポイント54a,54b,54c・・・が設定される。
本実施形態では、路線価を示す線分53の始点及び終点を示す地点、及びこの線分53上に均一な間隔、例えば10m間隔で設けられた複数の地価モデルポイント54a,54b,54c・・・が設定される。
これらの地価モデルポイント54a,54b,54c・・・は、その位置座標、及び路線価と関連付けられて、地価情報データベース13に格納される。
そもそも路線価を示す線分53の長さと本数は、同一価格帯の区切り、街区などの区切り、或いはデジタルデータを作成するときに人為的に決められたものである。このため、路線価を示す線分53の1本を地価モデルポイント1個としたのでは、地価の分布を正確に表すことは出来ない。
そこで、本発明では、路線価を示す線分53の両端を示す地点、及び均一な間隔、例えば10m間隔で線分53上に設けられた複数の地点に、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・が設定される。
これにより、図2に示したように、地図21の道路25上に10m間隔で地価モデルポ
イント54a,54b,54c・・・を設定したのと同様な効果が得られる。
この場合、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の位置座標の間隔は、路線価の用途、地区区分等に対応させて、10mに限らず、20m、30m・・・と任意に設定できる。
例えば、工場地域等の場合は、土地の区画が比較的大きいので、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の間隔を、例えば30m程度に広くすることができる。
また、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の間隔は、一般的な住宅地の区画の大きさ程度であれば、例えば10m間隔など比較的狭い間隔で設定するのがよい。これにより、宅地一区画毎に実勢価格を分析できる。
更に、例えば工場地域と住宅地との境界の地域が地価分析対象範囲として指定された場合には、工場地域では地価モデルポイントの間隔が広く、住宅地では地価モデルポイントの間隔が狭くなるようことが起こりえる。
このような場合には、工場地域と住宅地とで、それぞれ別個に実勢価格を算出する、すなわち、用途毎に実勢価格を算出することができる。
このように、路線価を示す線分53上に、複数の地価モデルポイント54a,54b,54c・・・を設定し、その位置座標と地価情報とを関連付けて記憶することにより、路線価を一本の線分53で表す場合に比べて、地価の分布をより正確に分析することができる。
また、路線価を示す線分53上に地価モデルポイント54a,54b,54c・・・を設定することにより、不均一な路線価情報の分布個数を均一なポイントの分布に変換できるので、実勢価格の分析が容易になると共に、より詳細で正確な分析が可能になる。
図5の計算部52では、図11の下側に示すように、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・に対応する路線価の価格から、下式により擬似的な公示価格が求められる。この擬似的な公示価格は、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・に関連付けられて地価情報データベース13に格納される。
擬似的な公示価格=相続税路線価の価格/係数k
現在のところ、公示価格を100としたとき、公的評価の水準は、相続税路線価が80、固定資産税路線価が80と決められている。本実施形態では、相続税路線価を用いるので、上記係数kを0.8とする。同様に、固定資産税路線価による地価モデルポイントの場合は係数kを0.7とする。
図1の実勢価格分析手段16は、図12に示すように、検索部61、及び地価分析部62を備えている。
上記検索部61では、地図データベース11から表示すべき地域が検索される。また、上記地価分析部62では、例えば円によって指定された地価分析対象範囲24(図4参照)内の地価モデルポイント54a,54b,54c・・・における擬似的な公示価格が、下記式により補正される。これにより、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の実勢価格が算出される。
実勢価格=擬似的な公示価格×時点修正率×開差率データ×地域要因データの格差率
上記時点修正率は、価格時点の地価変動指数を擬似的な地価モデルポイントの価格時点の地価変動指数で除することによって算出される(時点修正率=価格時点の地価変動指数/擬似的な価格モデルポイントの価格時点の地価変動指数)。価格時点は、価格分析日現在、又は予め指定された任意の価格時点とすることができる。擬似的な地価モデルポイントの価格時点とは、地価モデルポイントを作成するときに使用した路線価の価格時点である。
上記開差率データは、上記のように、価格変動指数コードと関連づけられて保存されている。この開差率データとしては、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の所在する市区町村、用途地区区分に対応する開差率データの平均値を取得することができる。
また、指定された地価分析対象範囲24(図4参照)を含む所定の範囲内で、用途地区区分に対応する開差率データの平均値を取得してもよい。また、上記平均値としては、最頻値、中央値でもよい。また、標準化偏差を取得してもよい。
上記地域要因データの格差率は、地域要因データの種類ごとに、座標により指定された範囲と関連づけられて保存されている。地価モデルポイント54a,54b,54c・・・が、前記座標により指定された地価分析対象範囲24内に入る場合には、当該地域要因データの格差率を乗ずる。
例えば、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・が、図3に示したように、ある幹線道路22より30mの範囲23に入る場合には、例えば格差率が(−2)ポイントとなり、擬似的な公示価格に0.98を乗ずることにより、実勢価格が求められる。こ
れにより、よりきめ細かに地域要因データを反映することができる。
図13は、上記実勢価格分析手段16による実勢価格分析処理のフローチャートを示す。この実勢価格分析処理では、先ず地価モデルポイント54a,54b,54c・・・が作成される(S101)。
地価モデルポイント54a,54b,54c・・・には、その位置座標と路線価が関連付けて記憶される。
次に、各地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の路線価から、疑似公示価格が求められる(S102)。次に、上記で算出された疑似公示価格に基づいて、各地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の実勢価格が算出される(S103)。
図1の分析結果表示手段17では、図14に示すように、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の実勢価格のヒストグラム、又は典型価格が表示される。典型価格としては、分布された実勢価格を代表する価格であり、最高値、最低値、平均値、最頻値、偏差値等により指定された値に対応する価格、又はそれらの価格帯を例示できる。
図1の印刷手段18では、図15に示すように、地図表示手段12で表示された地図21、地価分析対象範囲指定手段14で指定され地価分析対象範囲24、分析結果表示手段17で表示された実勢価格が印刷される。
図16は、本発明の地価分析システム1における地価分析方法のフローチャートを示す。
この地価分析方法では、まず、利用者の操作によって端末上で、地図データベース11
に格納されている地図の中から、地図表示手段12で表示する地域の検索が行われる(S110)。
次に、地図データベース11から検索された地域を含む一定範囲の地図21が、地図表示手段12に表示される(S112)。ここで、例えば地価分析対象範囲24が、円や多角形(ポリゴン)によって表示され、その大きさなどが調整される。これにより、地価分析対象範囲24が指定され、これが確定した時点で例えば分析ボタン25(図4参照)が押される(S113)。
次に、実勢価格分析手段16によって地価モデルポイント54a,54b,54c・・・の実勢価格の分析が行われ、分析結果のヒストグラム、典型価格などが分析結果表示手段17で表示される(S114)。
次に、操作者によって画面上の印刷ボタン(図示せず)が押されることにより、地図21、地価分析対象範囲24、地価分析結果である実勢価格などが印刷される(S115)。
このように、本発明の地価分析システム1は、情報の表示レベルが低く安価な地図データを使用し、且つ高価な路線価のデジタルデータを不特定多数の評価者(使用者)のパソコン画面上に表示することなく、地価の実勢価格を簡単に分析できる。従って、大幅なコストダウンを図ることができる。
また、地価分析対象地点の位置座標を特定することなく、地価分析対象地が属する最小行政区画や、その付近にある公共施設、大規模な建物など、地価分析対象地点をあいまいに指定することによって、地価分析対象地点における地価の実勢価格を求めることができるので、一般人でも気軽に実勢価格を分析できる。
更に、路線価を示す線分53上に均一な間隔で複数の地価モデルポイント54a,54b,54c・・・を設け、これらの地価モデルポイント54a,54b,54c・・・に位置座標及び路線価を関連付けて記憶するので、路線価を線分で表示する場合に比べて、より詳細で正確な分析が可能になる。
また、地価モデルポイント54a,54b,54c・・・が均一な間隔を有しているので、地価分析対象範囲内の各地点における実勢価格などの平均値を算出するのが容易になる。更に、不均一な長さの路線価を示す線分に基づいて実勢価格などの平均値を算出するに比べて、平均値の信頼性が高くなる。
実施形態に係る地価分析システムを示す図である。 実施形態に係る地図及び地価モデルポイントを示す図である。 実施形態に係る地域要因データを示す図です。 実施形態に係る地価モデルポイント・格差率データベースを示す図である。 実施形態に係る格差率の設定方法を示す図である。 実施形態に係る地名にブロックを設定する方法を示す図である。 実施形態に係るブロック・位置座標データベースを示す図である。 実施形態に係る地名・格差率データベースを示す図である。 実施形態に係る地価分析対象範囲を示す図である。 実施形態に係る地価モデルポイント作成手段を示す図である。 実施形態に係る地価モデルポイントの作成方法を示す図である。 実施形態に係る実勢価格分析手段を示す図である。 実施形態に係る実勢価格分析処理のフローチャートである。 実施形態に係る地価分析結果を示す図である。 実施形態に係る地価分析結果の印刷例を示す図である。 実施形態に係る地価分析方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1 地価分析システム
11 地図データベース
12 地図表示手段
13 地価情報データベース
14 地価分析対象範囲指定手段
15 地価モデルポイント作成手段
16 実勢価格分析手段
17 地価分析結果表示手段
18 印刷手段
19 インターネット
22 幹線道路
24 地価分析対象範囲
25 分析ボタン
51 座標変換部
52 計算部
53 路線価を示す線分
54a,54b,54c 地価モデルポイント
55 地価モデルポイント・格差率データベース
56 ブロック・位置座標データベース
57 地名・格差率データベース
61 検索部
62 地価分析部

Claims (36)

  1. 地図を表示する地図表示手段と、
    前記地図に含まれる複数の地点における地価情報を記憶する地価情報記憶手段と、
    前記地図上で地価分析の対象となる地点を含む所定の広さを有する地価分析対象範囲の指定を受ける地価分析対象範囲指定手段と、
    前記地価分析対象範囲指定手段によって指定された前記地価分析対象範囲に含まれる複数の前記地点における前記地価情報を、所定の補正基準に従って補正することにより、前記地価分析対象範囲に含まれる前記地点における実勢価格を算出する実勢価格分析手段と、
    を備えていることを特徴とする地価分析システム。
  2. 前記地図の表示レベルは、市区町村、丁目、街区、公共施設、所定の規模以上の民間施設及び建物を識別でき、これより細かい施設、建物、個人の表札情報などを識別できない程度であることを特徴とする請求項1に記載の地価分析システム。
  3. 前記地価情報記憶手段には、路線価、地価変動指数、前記実勢価格と前記公示価格との比を示す開差率データ、地域ごとに設定される地域要因データが記憶されていることを特徴とする請求項1または2に記載の地価分析システム。
  4. 前記路線価を示す線分上に、複数の地価モデルポイントを設定し、前記地価モデルポイントの位置座標及び地価情報を関連付けて記憶する地価モデルポイント作成手段を、更に有することを特徴とする請求項3に記載の地価分析システム。
  5. 前記地価モデルポイントは、前記路線価を示す線分の両端を示す地点、及び前記線分を所定の長さで等分して得られる複数の地点に設定されることを特徴とする請求項4に記載の地価分析システム。
  6. 前記地価分析対象範囲指定手段は、前記地図上で円、楕円、又は三角形以上の多角形によって範囲を指定することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の地価分析システム。
  7. 前記補正基準は、路線価の価格時点の地価変動指数と評価日時点の地価変動指数との比に基づく時点修正率、公示価格と実勢価格との比に基づく開差率データ、又は環境に基づく地域要因の格差率のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の地価分析システム。
  8. 前記地図上に表示される地域が複数のブロックに分割され、前記ブロックに対して前記地域要因の格差率が設定されることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の地価分析システム。
  9. 前記実勢価格を表示する実勢価格表示手段を更に有することを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の地価分析システム。
  10. 前記実勢価格表示手段は、前記実勢価格をヒストグラムで表示し、又は前記実勢価格を代表する典型値を表示することを特徴とする請求項9に記載の地価分析システム。
  11. ネットワークに接続されたインターフェースを介して前記地図、前記地価情報、及び前記実勢価格をネットワーク上の利用者端末に提供する手段を備えることを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の地価分析システム。
  12. ネットワークに接続されたインターフェースを介してネットワーク上のサーバから、前記地図、前記地価情報、及び前記実勢価格を参照する手段を備えることを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の地価分析システム。
  13. コンピュータが、
    地図上で所定の広さを有する地価分析対象範囲の指定を受けることによって、前記地価分析対象範囲に含まれる地点の実勢価格を分析する地価分析方法であって、
    地図を表示するステップと、
    前記地図に含まれる複数の地点における地価情報を地価情報記憶手段に記憶するステップと、
    地価分析対象範囲指定手段によって前記地図上で地価分析の対象となる地点を含む所定の広さを有する地価分析対象範囲の指定を受けるステップと、
    前記地価分析対象範囲指定手段によって指定された前記地価分析対象範囲に含まれる複数の前記地点における前記地価情報を、実勢価格分析手段によって所定の補正基準に従って補正することにより、前記地価分析対象範囲に含まれる前記地点における実勢価格を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする地価分析方法。
  14. 前記地図の表示レベルは、市区町村、丁目、街区、公共施設、所定の規模以上の民間施設及び建物を表示し、これより細かい施設、建物、個人の表札情報などを表示しない程度であることを特徴とする請求項13に記載の地価分析方法。
  15. 前記地価情報記憶手段には、路線価、地価変動指数、前記実勢価格と前記公示価格との比を示す開差率データ、地域ごとに設定される地域要因データが記憶されていることを特徴とする請求項13または14に記載の地価分析方法。
  16. 地価モデルポイント作成手段によって、前記路線価を示す線分上に、複数の地価モデルポイントを作成し、前記地価モデルポイントの位置座標及び地価情報を関連付けて記憶手段に記憶するステップを、更に含むことを特徴とする請求項13から15の何れかに記載の地価分析方法。
  17. 前記地価モデルポイントは、前記路線価を示す線分の両端を示す地点、及び前記線分を所定の長さで等分して得られる複数の地点に設定されることを特徴とする請求項16に記載の地価分析方法。
  18. 前記地価分析対象範囲指定手段によって、前記地価分析対象範囲の指定を受けるステップでは、前記地図上で円、楕円、又は三角形以上の多角形によって地価分析対象範囲の指定を受けることを特徴とする請求項13から17の何れかに記載の地価分析方法。
  19. 前記補正基準は、路線価の価格時点の地価変動指数と取引事例の取引時点の地価変動指数との比に基づく時点修正率、公示価格と実勢価格との比に基づく開差率データ、又は環境に基づく地域要因の格差率のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項13から18の何れかに記載の地価分析方法。
  20. 前記地図上に表示される地域が複数のブロックに分割され、前記ブロックに対して前記地域要因の格差率が設定されることを特徴とする請求項19に記載の地価分析方法。
  21. 実勢価格表示手段によって前記実勢価格を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項13から20の何れかに記載の地価分析方法。
  22. 前記実勢価格を表示するステップでは、前記実勢価格をヒストグラムで表示し、又は前記実勢価格を代表する典型値を表示することを特徴とする請求項21に記載の地価分析方法。
  23. ネットワークに接続されたインターフェースを介して前記地図、前記地価情報、及び前記実勢価格をネットワーク上の利用者端末に提供する手段を備えることを特徴とする請求項13から22の何れかに記載の地価分析方法。
  24. ネットワークに接続されたインターフェースを介してネットワーク上のサーバから、前記地図、前記地価情報、及び前記実勢価格を参照する手段を備えることを特徴とする請求項13から23の何れかに記載の地価分析方法。
  25. コンピュータに、
    地図上で所定の広さを有する地価分析対象範囲の指定を受けることによって、前記地価分析対象範囲に含まれる地点の実勢価格を分析させる地価分析プログラムであって、
    地図を表示するステップと、
    前記地図に含まれる複数の地点における地価情報を地価情報記憶手段に記憶するステップと、
    地価分析対象範囲指定手段によって前記地図上で地価分析の対象となる地点を含む所定の広さを有する地価分析対象範囲の指定を受けるステップと、
    前記地価分析対象範囲指定手段によって指定された前記地価分析対象範囲に含まれる複数の前記地点における前記地価情報を、実勢価格分析手段によって所定の補正基準に従って補正することにより、前記地価分析対象範囲に含まれる前記地点における実勢価格を算出するステップと、
    を実行させることを特徴とする地価分析プログラム。
  26. 前記地図の表示レベルは、市区町村、丁目、街区、公共施設、所定の規模以上の施設及び建物を表示し、これより細かい施設、建物、個人の表札情報などを表示しない程度であることを特徴とする請求項25に記載の地価分析プログラム。
  27. 前記地価情報記憶手段には、路線価、地価変動指数、前記実勢価格と前記公示価格との比に基づく開差率データ、地域ごとに設定される地域要因データが記憶されていることを特徴とする請求項25または26に記載の地価分析プログラム。
  28. 地価モデルポイント作成手段によって、前記路線価を示す線分上に複数の地価モデルポイントを作成し、前記地価モデルポイントの位置座標及び地価情報を関連付けて、記憶手段に記憶するステップを、更に実行させることを特徴とする請求項27に記載の地価分析プログラム。
  29. 前記地価モデルポイントは、前記路線価を示す線分の両端を示す地点、及び前記線分を所定の長さで等分して得られる地点に設定されることを特徴とする請求項28に記載の地価分析プログラム。
  30. 前記地価分析対象範囲指定手段によって、前記地価分析対象範囲の指定を受けるステップでは、前記地図上で円、楕円、又は三角形以上の多角形によって前記地価分析対象範囲の指定を受けることを特徴とする請求項25から29の何れかに記載の地価分析プログラム。
  31. 前記補正基準は、路線価の価格時点の地価変動指数と取引事例の取引時点の地価変動指
    数との比に基づく時点修正率、公示価格と実勢価格との比に基づく開差率データ、又は環境に基づく地域要因の格差率のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項25から30の何れかに記載の地価分析プログラム。
  32. 前記地図上に表示される地域が複数のブロックに分割され、前記ブロックに対して前記地域要因の格差率が設定されることを特徴とする請求項31に記載の地価分析プログラム。
  33. 実勢価格表示手段によって前記実勢価格を表示するステップを更に実行させることを特徴とする請求項25から32の何れかに記載の地価分析プログラム。
  34. 前記実勢価格を表示するステップでは、前記実勢価格をヒストグラムで表示し、又は前記実勢価格を代表する典型値を表示することを特徴とする請求項33に記載の地価分析プログラム。
  35. ネットワークに接続されたインターフェースを介して前記地図、前記地価情報、及び前記実勢価格をネットワーク上の利用者端末に提供する手段を備えることを特徴とする請求項25から34の何れかに記載の地価分析プログラム。
  36. ネットワークに接続されたインターフェースを介してネットワーク上のサーバから、前記地図、前記地価情報、及び前記実勢価格を参照する手段を備えることを特徴とする請求項25から35の何れかに記載の地価分析プログラム。
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