JP2007101398A - 炉心特性評価ツール - Google Patents

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Abstract

【課題】最高燃焼度や燃料配置等のパラメータを考慮可能とし、長サイクルに渡って取り替え燃料体数等の正確な評価が可能な炉心特性評価ツールを提供する。
【解決手段】2次元以上のモデル炉心を対象にした出力分布計算結果を基に、炉内のQ、L、Iの各位置(Qは燃料集合体の1の頂点が炉心の外部に面する位置、Lは同じく2辺が炉心の外部に面する位置、Iは同じく1辺が炉心の外部に面する位置である)毎に当該位置に配置された燃料集合体の中性子漏洩による反応度低下Δρを予め算出しておく反応度低下量算出ステップと、炉心特性評価の対象となっている炉心に対して、各位置毎に当該位置に配置された燃料集合体は反応度低下量算出ステップにて算出されたΔρだけ反応度が低下するものとして初期条件を作成するステップと、作成された初期条件をインプットして炉心を対象に特性評価を行うステップとを有していることを特徴とする炉心特性評価ツール。
【選択図】図2

Description

本発明は炉心特性評価ツールに関し、特に各燃料の出力分担を考慮する一点炉用の炉心特性評価ツールに関する。
発電用軽水炉においては、炉内に装荷される核燃料(以下、原則として「燃料」と記す。また、実際の取り扱いや評価は「燃料集合体」を単位としてなされるが、これも単に「燃料」と記すことがある)は幾つかのバッチ(グループ)に分けられ、各サイクル運転ごとにバッチを単位として新燃料が装荷され、同数の燃焼済みの(実際には「核分裂」であるが、慣行に従って「燃やす」、「使用する」等と記す)燃料が炉から搬出される。またこれに併せて、次のサイクルの運転でも継続して燃やされる(炉に装荷される)燃料の炉内での配置換えがなされる。
但し、炉内の実際の中性子分布は中心部ほど高い等の不均一性があるため、次のサイクルでの燃料の燃焼度は炉内のどの位置に配置されるかにより相違する。また、炉内の中性子分布を可能な限り平坦にするため、反応度の高い新しい燃料集合体は、4体(4個)を1単位として装荷されるのが原則である。これらのため、複数サイクルの運転に使用されたバッチの燃料については、次の運転に際してそのバッチの一部のみが炉から搬出されてしまうこともある。
これらのため、原子炉の運転に際しては、10サイクル程度の長期的な燃料の運用の検討、即ち将来の各運転サイクルにおいて新しい燃料集合体が何体装荷され、どの程度燃焼した燃料が何体搬出されるか、サイクル長(運転継続日数あるいは1サイクルでの燃料全体の出力)をどの程度にするか等の検討が必要不可欠になる。この場合、その検討に用いる解析、計算コード(手法、手段)として、簡単かつ高速に炉心のサイクル長あるいは取替体数を評価できるため、一点炉ツールが多用されてきた。この一点炉ツールは、炉内の各バッチ毎の燃料の反応度変化をある関数で近似し、各バッチの燃焼度に応じた反応度を参照して炉心の平均の反応度を求め、これに基づいて運転サイクルの長さや各サイクル毎の新燃料の装荷体数を予測するものである(特許文献1)。
この場合、一点炉ツールは炉心を1個の点とみなしているため、炉内で各燃料集合体がどの様に配置されているか、いわゆる装荷パターンは全く考慮できず、各バッチ毎の燃料の出力分担は全て同じ(1.0)としている(非特許文献1)。
しかし、実際の炉心では炉内の燃料配置、特に中性子が漏れ易い外周部にどの程度の反応度の燃料をどの様に配置するかによって、炉外への中性子の漏洩量が変化し、炉心の反応度も変化するため、最大8体程度(サイクル長の場合1500MWd/t)程度の誤差が生じることがある。
また、各バッチの燃料の燃焼度は全て、単純にサイクル燃焼度と装荷回数の積となり、取り出し平均燃焼度のみ評価可能であり、装荷位置についてのデータの相違によりアウトプットされる各燃料の燃焼度の差や最高燃焼度等の重要なパラメータがどの様に変化するか等の評価は出来なかった。
一方、燃料配置を考慮して出力分担や最高燃焼度を評価するには、2次元以上のモデルによる炉心解析が必要であるが、当然必要な計算時間は飛躍的に増加し、このため検討可能なケースは制約される。
このため、以下に示すような一点炉ツールの改良が提案されている(非特許文献1)。
1.各バッチの相対出力は、内周部についてPと燃料集合体の反応度ρの関係を表す関数であるP=1.0+θ×ρで近似できる。ここに、θは傾きであり、ρはiのバッチの燃料集合体の反応度であり、iはバッチ番号(平衡炉心の場合には、装荷回数=バッチ番号)である。
2.外周部では中性子の漏洩により燃料集合体の反応度が減少するので、P=1.0+θ×(ρ−Δρ)で近似できる。ここに、Δρは、水平断面が正方形の燃料集合体のうち、2辺がL字状に外周に面するLコーナと1辺が外周に面するIコーナの漏洩量である。
3.サイクル末期では、ΣP×(ρ−Δρ)=0であるので、ΣP×ρ=ΣP×Δρ=ρとなる。なおここに、Σはi=1からNまでの和であり、Nはバッチ数であり、ρはLとIでの合計の漏洩反応度である。
4.NFを炉外に面する面数(0、1、2のいずれか)、RQを面当たりの中性子漏洩量として、ρ=(ΣP×NF×RQ)/(ΣP)にて評価する。
特開2002−286887号公報 "The Linear Reactivity Model for Nuclear Fuel Management", M.J.Driscoll, T.J.Downar, E.E.Pilat, The American Nuclear Society, February, 1990.
ただし、前記の改良されたツールでは、7面を燃料に囲まれている外周(Qコーナ)燃料、即ち四角形の燃料集合体の1の頂点のみが外周にある燃料は、無視しえない程度の中性子漏洩があるにもかかわらず炉内燃料として扱われている。このため、出力分布の予測精度は非常に低いと思われる。
またこの文献には、現実にこのツールを使用する際に不可欠なRQや個別のΣPの評価方法については、具体的には何等触れられていない。しかし、これらの値を正確に評価するのは、実際には非常に難しい。
このため、長サイクルに渡って、各バッチ毎に実際に各燃料集合体が配置されるパターンに応じて各燃料集合体の燃焼度の差や最高燃焼度等の重要なパラメータを精度よく評価することが可能であり、各サイクル毎に新しく装荷される燃料集合体の体数を精度よく評価することが可能な1点炉ツールの開発が望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、中性子漏洩による個々の燃料集合体の反応度低下量は、その燃料の属性(燃焼度、濃縮度等)に因らず、炉内の装荷位置のみで決まることを見出したものである。さらに、事前の精密な計算結果から得られたデータを使用して、評価対象の炉心の装荷パターン毎に各バッチ内の出力分布および燃焼度分布の差等を修正してインプットすることにより、装荷パターンを考慮することが可能な一点炉ツールとしたものである。またこの際、Qコーナに配置された燃料集合体の反応度低下をも考慮するようにしたものである。
以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1に記載の発明は、
2次元以上のモデル炉心を対象にした出力分布計算結果を基に、炉内のQ、L、Iの各位置(ここに、Qは燃料集合体の1の頂点が炉心の外部に面する位置であり、Lは同じく2辺が炉心の外部に面する位置であり、Iは同じく1辺が炉心の外部に面する位置である)毎に当該位置に配置された燃料集合体の中性子漏洩による反応度低下Δρを予め算出しておく反応度低下量算出ステップと、
炉心特性評価の対象となっている炉心に対して、Q、L、Iの各位置毎に当該位置に配置された燃料集合体は前記反応度低下量算出ステップにて算出されたΔρだけ反応度が低下するものとして初期条件を作成する初期条件作成ステップと、
前記初期条件作成ステップで作成された初期条件をインプットして前記炉心を対象に特性評価を行う特性評価ステップとを有していることを特徴とする炉心特性評価ツールである。
本請求項の発明においては、10サイクル程度までの炉心の特性評価を、基本的には一点炉ツールで行うが、特性評価の計算対象としている炉心の中性子漏洩による反応度低下Δρの平均値を、当該炉心の燃料の装荷パターンにおける各燃料集合体が占める位置に応じて、即ちQ、L、Iのいずれであるかに応じて、予め2次元以上のモデル炉心を対象にして精密な計算で算出されている値を使用して求める。このため、例えば一点炉ツールによる炉心評価の計算を開始する際の一点炉心のあるいは炉内燃料の反応度の初期値として、仕様から定まる固有の反応度ではなく、各燃料集合体が占める位置がQ、L、Iのいずれであるかに応じた中性子漏洩分の反応度低下を考慮したデータ(反応度)がインプット(入力)される。
また、例えば10サイクル先まで計算する場合、最初の1サイクルのみ炉内燃料配置を入力して10サイクル先まで計算してもよいし、各サイクル終了毎に計算結果をアウトプットさせ、その結果を基に解析者が次のサイクルの炉内の燃料配置を検討し、その下で次のサイクルの計算用に正確なデータを入力するようにしてもよい。
また、燃焼度の計算にも反映される。
また、より正確性を増すため、炉の中心部等完全に炉内に配置されている燃料についても、反応度低下Δρを考慮しても良い。但し、個々の燃料集合体の濃縮度と燃焼度は、運転時の反応度低下については、それらの相違が及ぼす影響が少なく、計算結果に与える影響が少ないこと、計算が複雑化することの面から、考慮しない方が良い。
また、2次元のモデル炉心を精密に解析するコードは、3次元用の高性能コードであってもよい。また、将来さらに高精度が要求されるときには、複数の3次元のケースを使用して得た結果の平均値を、計算の初期値に使用するようにしてもよい。
さらに、モデル炉心を対象としての修正用データの予めの算出は、計算のみでなく実測や実測と計算を併用してなされてもよい。
なお、一点炉ツール等の炉心特性評価ツールでの評価対象となる炉心特性の項目としては、各サイクル毎に、各バッチ毎の出力分布や(過去の燃焼を考慮した)燃焼度分布、最高燃焼度、新燃料の装荷体数等を挙げられる。また、最初の装荷パターンで、それらがどの様に変化するかも対象となる。
請求項2に記載の発明は、前記の炉心特性評価ツールであって、
配置パターンを複数ケース作成する複数配置パターン作成ステージと、
前記作成された各配置パターン毎に、2次元以上用の解析コードを用いて炉心の出力分布を算出する出力分布算出ステージと、
前記各配置パターン毎に、前記2次元以上用の解析コードを用いて算出された炉心の出力分布を用いて、内周部について出力Pと反応度ρの関係を充たす式からρを算出する反応度算出ステージと、
前記各配置パターン毎に、前記Q、L、Iの各位置毎に中性子漏洩により低下する反応度Δρを、燃焼度等から求まる反応度ρ’と前記反応度算出ステージから求めた反応度ρの差として求める反応度低下分布算出ステージと、
該反応度低下分布算出ステージにて各配置パターン毎に求められた当該各位置の反応度低下Δρを基に、前記Q、L、Iの各位置毎のΔρを求める各位置毎の反応度低下量算出ステージとを有していることを特徴とする炉心特性評価ツールである。
本請求項の発明においては、モデル炉心の配置パターンは、複数ケース採用される。必要な計算量と精度の兼ね合いで、好ましくは数ケースである。さらに、より精度を上げようとすれば、ループ数、LLLPを採用しているか否か等評価の目的に応じて、複数のパターンが作成される。
また、反応度算出ステージにおけるρの算出は、炉心の内周部の燃料集合体等についての、その出力Pと反応度ρの関係を充たす式からなされる。
また、反応度低下量算出ステージにおけるΔρの算出も、各配置パターンの単純平均でなく、似た装荷パターンにおける算出値を重視する、LLLPの経済性を評価するのであるならばLLLPを採用した炉心の装荷パターンを重視する等同じ性質の炉心における算出値を重視し、またこのために重み付けがなされた平均であってもよい。
請求項3に記載の発明は、前記の炉心特性評価ツールであって、
前記反応度低下量算出ステップは、
1の配置パターンを作成する配置パターン作成ステージと、
前記作成された配置パターンに、2次元以上用の解析コードを用いて炉心の出力分布を算出する出力分布算出ステージと、
前記2次元以上用の解析コードから算出された炉心の出力分布を用いて、内周部について出力Pと反応度ρの関係を充たす式からρを算出する反応度算出ステージと、
前記Q、L、Iの各位置毎に中性子漏洩により低下する反応度Δρを、燃焼度等から求まる反応度ρ’と前記反応度算出ステージから求めた反応度ρの差として求める反応度低下算出ステージとを有していることを特徴とする炉心特性評価ツールである。
本請求項の発明においては、精度と計算コストの兼ね合いから、配置パターンは1ケースだけとしている。
ただし、配置パターンは、通常の炉心配置、LLLPの炉心配置等炉心配置の種類毎に作成され、各特性評価はその評価対象の炉心配置と同じ種類の炉心配置を基に予め作成されている詳細なデータを使用する様になされていてもよい。
請求項4に記載の発明は、前記の炉心特性評価ツールであって、
前記反応度算出ステージにおける内周部についてPとρの関係を充たす式とは、αとβを所定の定数として、P=α×ρ+βを充たす反応度ρの分布を算出する式であることを特徴とする炉心特性評価ツールである。
本請求項の発明においては、反応度算出ステージにおける内周部についてPとρの関係を充たす式とは、P=α×ρ+βを充たす反応度ρの分布を算出する式である。ここに、P、α、βの単位は無次元である。なお、炉心の内周部における燃料集合体等の出力Pとその濃縮度や燃焼度等の仕様から定まる反応度ρとの関係に線形近似を採用しているのは、計算が簡単であり、さらに精度は十分に充たされるからである。
請求項5に記載の発明は、前記の炉心特性評価ツールであって、
前記反応度算出ステージにおける所定の定数αとβは、各々1.7と1.04であることを特徴とする炉心特性評価ツール。
本請求項の発明においては、濃縮度が4.1%のウランを燃焼させる平衡炉心を対象とする正確な解析コードによるシュミレーションの結果、前記αは1.7とし、前記βは1.04としている。
なお、より高濃縮度の燃料であったり、MOX燃料であったりすれば、また別の値となると考えられる。
請求項6に記載の発明は、前記の炉心特性評価ツールであって、
前記配置パターン作成ステージは、
解析対象の原子炉を対象に作成されたものであることを特徴とする炉心特性評価ツールである。
本請求項の発明においては、解析対象の原子炉を対象に炉型ごとにモデル炉心が作成される。即ち、評価対象の炉心や当該炉心(原子炉)とサイクル長や取替え体数が似通った炉心を対象にして、過去に現実に採用された装荷パターン、これから採用される可能性が高い装荷パターンが採用される。従って、原則として、典型的なあるいは好ましい、経済的とされる装荷パターンが選定される。具体的には、ループ数の如何にかかわらず、多くの場合いわゆる1/4対称性を有し、新燃料は4体を単位として装荷され、新燃料は炉の外周や外周寄りに配置されるか、可燃性毒物と併用して炉心内部に配置され、新燃料の燃料集合体が相互に辺で接触することはないかあっても少ない等の特性がある。
また、LLLPの経済性を評価する場合には、複数サイクル使用された燃料を出来るだけ外周に配置した装荷パターンのデータが重要視され、さらに平均値の算出にあたり重み付けがなされてもよい。
本発明においては、基本的には必要な計算量が少ない炉心特性評価ツール、特に一点炉ツールであるため、計算は簡単であり、速度は速い。しかし、計算のためにインプットされるデータは、2次元以上の解析モデルによるQ、L、Iコーナにおける中性子漏洩による反応度の低下等を考慮して作成されたものであるため、各バッチ毎に各燃料集合体の出力、燃焼度分布、最高燃焼度等を精度良く評価可能であり、さらに新しい燃料集合体の体数の精度良い評価(推測)も可能となる。
また、初期値としてインプットするデータの修正に、2次元以上の解析モデルを使用して得られた結果を使用するため、Qの位置の燃料集合体の中性子漏洩も正しく反映されることとなり、計算の精度が一層向上する。
また、初期条件としての燃料の装荷パターンを複数ケースインプットして、各サイクルで必要な新しい燃料集合体の体数、炉心反応度等がどの様に変化していくか、相違していくか等の様子を正確にアウトプットさせ、各装荷パターンの経済性を評価することも可能となる。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
(評価対象の炉心)
引継ぎ元は、2ループの加圧水型原子炉(PWR)の平衡炉心であり、その初期条件は以下の要目である。
ウラン濃縮度: 4.10(wt/%)
サイクル長: 413(日)
稼働率: 100(%)
新燃料体数: 56
BOC燃焼度: 14.110(GWd/t)
EOC燃焼度: 29.441(GWd/t)
サイクル長: 15.331(GWd/t)
バッチ最高燃焼度:47.110(GWd/t)
取り出し燃焼度: 43.173(GWd/t)
バッチ数: 2.804(2サイクル使用された燃料集合体中12体は、3サイクルには使用されない)。
(モデル炉による解析)
前記評価対象の炉または同タイプの炉で、過去に実際に採用された燃料集合体の装荷パターンおよび将来生じる可能性が高い装荷パターンを幾ケースか採ってきて2次元モデル解析を行い、各装荷パターン毎に出力分布を求めた。この際、過去に実際に計算された装荷パターンについては、そのデータをそのまま流用した。
次に、各装荷パターン毎に、その個々の燃料集合体や燃料棒について、出力分布から求められた当該燃料の出力Pを用いて、P=1.7ρ+1.04となるρを計算した。
次に、各装荷パターン毎に、その各燃料について、そもそもの集合体反応度ρ’と計算により得られたρとの差Δρを求めた。これが、中性子漏洩による反応度低下量である。
なお、ここに、中性子漏洩量とは、個々の集合体表面からの中性子の正味の流出入量である。
各燃料集合体が、Q、L、Iおよび完全に炉心の内部の何れの位置にあるかに応じて、前記各装荷パターンで得られたΔρの値を平均した。これにより、各燃料集合体が、Q、L、Iのいずれかの位置に配置されているあるいは完全に炉心の内部に配置されているの何れであるかに応じて、中性子漏洩による反応度の低下量がおおよそ求められたことになる。
算出の結果、反応度低下量は、炉型によっても異なるが、Qの位置においては、おおよそ5〜10%であった。Lの位置においては、おおよそ30〜40%であった。Iの位置においては、おおよそ20〜30%であった。完全に炉心内部にある場合には、おおよそ3%以下であり、無視している。
(反応度と出力の相関)
図1に、2次元出力分布と集合体反応度との相関を示す。本図において、縦(y)軸はPであり、横(x)軸は反応度である。また、算出点が密に分布した場所は黒く塗りつぶし、疎に分布した場所は斜線を付してある。
図1の上側の図は、単純にP=1.07ρ+1.04で計算したまま、即ち補正前のおおよその分布を示すものである。この図に示される内周部の傾きと位置から、α=1.7とβ=1.04を求めた。しかし、本図の右側と中央部下方は、即ち外周部は、この式で示される線にのらず、結果的に計算結果の範囲が大きくばらついているのが判る。
下側の図は、外周部をこの式で示される線にのせるため、そもそもの(仕様から定まる固有の)集合体反応度に中性子漏洩による補正(Δρ)をした後のものであり、算出点は点線で示す
y=1.6865x+1.0429の線に綺麗にのっており、P=1.7ρ+1.04で近似出来ることが判る。
また、炉心計算出力と一点炉モデル出力の差は、従来はP=1.07ρ+1.04の式を使用する限り内周部の燃料集合体は大よそ±10%以内で比較的良好であったが、外周部の燃料集合体は、70%近くに達していた。しかし、本発明の計算では、即ち補正後の差は内周部、外周部ともほぼ±10%以内である。
(初期値としての反応度)
前記評価対象の炉心に対して、各燃料集合体毎にそれが装荷されている位置に応じて低下した反応度を数サイクル分平均したもののおおよその分布を、前記炉心の1/4対称性を示す図2に示す。図2において、中心と中心から5体程度の距離にある黒く塗りつぶした場所は、反応度が0から0.05まで低下した場所を示す。また、これらの間では、逆に0から0.05まで上昇している。このため、概ね反応度の変化はない。
しかし、炉心外周部にあるQ、LおよびIの位置では、反応度は大きく低下する。即ち、図2のLの位置の燃料集合体は0.35から0.4程度まで低下している。また、従来重視されていなかったQの位置も、0.05から0.10程度低下しており、一点炉ツールで評価する際に、決して無視しえないのが判る。
(一点炉ツールによる炉心特性の評価)
前記の反応度を初期値としてインプットして、一点炉ツールにより前記の平衡炉心を対象に10サイクル先までの炉心特性を評価した。
以上の他は、計算に際してインプットするデータおよび計算結果としてアウトプットされるデータは、従来から広く用いられている一点炉ツールと同じである。即ち、燃料集合体は、各バッチ毎に同じBOC燃焼度、EOC燃焼度、出力として計算がなされる。
さらに、以上の他は、解析対象の平衡炉心の諸データを入力した。
また、計算結果は、各サイクル毎に出力した。
(評価結果)
この反応度低下を反映して一点炉ツールで10サイクルにわたる炉心特性の評価を行った。なお、ウランの濃縮度、サイクル長(単位は日)、稼働率は不変とした。計算結果を、項目毎に説明する。
新燃料体数は、初期炉心(引き継ぎ元の炉心)が56.0であり、第1サイクルは55.3となり、以降のサイクルは56.8であった。
BOC燃焼度(単位は、GWd/t)は、初期炉心が14.110であり、第2サイクルまでは14.234、14.147と僅かに変動したが、第3サイクル以降はほぼ14.179から14.180に落ち着いた。
EOC燃焼度(単位は、GWd/t)も、初期炉心が29.441であり、第2サイクルまでは29.565、29.479と僅かに変動したが、第3サイクル以降は29.511に落ち着いた。
サイクル長(単位は、GWd/t)は、初期炉心が15.331であり、以降各サイクルとも、15.332であった。
バッチ最高燃焼度(単位は、GWd/t)は、初期炉心は47.110であったが、第1サイクルから第4サイクルまでは47.155、47.334、45.660、45.651であり、第5サイクル以降は45.656であった。ここに、バッチ最高燃焼度とは、各サイクルにおける各バッチのうち、最も燃焼が進んだバッチの燃焼度を指す。
取り出し燃焼度(単位は、GWd/t)は、初期炉心は43.173であり、第1サイクル以降第5サイクルでは、各42.566、42.271、42.344、42.347、42.346であり、第6サイクル以降は42.347であった。ここに、取り出し燃焼度とは、次のサイクルに使用されない燃料の平均燃焼度を言う。
バッチ数は、初期炉心が2.804であり、第1サイクルから第3サイクルまでは2.839、2.761、2.763と変化し、第4サイクル以降は2.762に落ち着いた。
以上の平衡炉心の再現性を図3に示す。図3に示す(1)から(4)の図は、各々各サイクルごとに(1)サイクル長(単位は、GWd/t。但し、図3においては煩雑となるので、縦軸への単位の記載は全て省略している。)と取り出し燃焼度(単位は、GWd/t)がどの様に変化するのか、(2)サイクル長と各サイクルにおいて新しく装荷される燃料体数(新燃料体数)がどの様に変化するのか、(3)新燃料体数とバッチ数{(3−バッチ数)×新燃料体数=2サイクルの燃焼で炉外に搬出される燃料体数)}がどの様に変化するのか、(4)バッチ最高燃焼度(単位は、GWd/t)と取出燃焼度(単位は、GWd/t)をどの様に変化するのかを示すものである。なお、これらの表の横軸は全てサイクル数である。
中性子漏洩による低下を補正することにより、集合体反応度がどのように変化するかを示す図である。 反応度低下量の数サイクル分の平均を示す図である。 平衡炉心を対象にして、10サイクル先までの炉心特性を評価した結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 2次元以上のモデル炉心を対象にした出力分布計算結果を基に、炉内のQ、L、Iの各位置(ここに、Qは燃料集合体の1の頂点が炉心の外部に面する位置であり、Lは同じく2辺が炉心の外部に面する位置であり、Iは同じく1辺が炉心の外部に面する位置である)毎に当該位置に配置された燃料集合体の中性子漏洩による反応度低下Δρを予め算出しておく反応度低下量算出ステップと、
    炉心特性評価の対象となっている炉心に対して、Q、L、Iの各位置毎に当該位置に配置された燃料集合体は前記反応度低下量算出ステップにて算出されたΔρだけ反応度が低下するものとして初期条件を作成する初期条件作成ステップと、
    前記初期条件作成ステップで作成された初期条件をインプットして前記炉心を対象に特性評価を行う特性評価ステップとを有していることを特徴とする炉心特性評価ツール。
  2. 配置パターンを複数ケース作成する複数配置パターン作成ステージと、
    前記作成された各配置パターン毎に、2次元以上用の解析コードを用いて炉心の出力分布を算出する出力分布算出ステージと、
    前記各配置パターン毎に、前記2次元以上用の解析コードを用いて算出された炉心の出力分布を用いて、内周部について出力Pと反応度ρの関係を充たす式からρを算出する反応度算出ステージと、
    前記各配置パターン毎に、前記Q、L、Iの各位置毎に中性子漏洩により低下する反応度Δρを、燃焼度等から求まる反応度ρ’と前記反応度算出ステージから求めた反応度ρの差として求める反応度低下分布算出ステージと、
    該反応度低下分布算出ステージにて各配置パターン毎に求められた当該各位置の反応度低下Δρを基に、前記Q、L、Iの各位置毎のΔρを求める各位置毎の反応度低下量算出ステージとを有していることを特徴とする請求項1に記載の炉心特性評価ツール。
  3. 前記反応度低下量算出ステップは、
    1の配置パターンを作成する配置パターン作成ステージと、
    前記作成された配置パターンに、2次元以上用の解析コードを用いて炉心の出力分布を算出する出力分布算出ステージと、
    前記2次元以上用の解析コードから算出された炉心の出力分布を用いて、内周部について出力Pと反応度ρの関係を充たす式からρを算出する反応度算出ステージと、
    前記Q、L、Iの各位置毎に中性子漏洩により低下する反応度Δρを、燃焼度等から求まる反応度ρ’と前記反応度算出ステージから求めた反応度ρの差として求める反応度低下算出ステージとを有していることを特徴とする請求項1に記載の炉心特性評価ツール。
  4. 前記反応度算出ステージにおける内周部についてPとρの関係を充たす式とは、αとβを所定の定数として、P=α×ρ+βを充たす反応度ρの分布を算出する式であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の炉心特性評価ツール。
  5. 前記反応度算出ステージにおける所定の定数αとβは、各々1.7と1.04であることを特徴とする請求項4に記載の炉心特性評価ツール。
  6. 前記配置パターン作成ステージは、
    解析対象の原子炉を対象に作成されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の炉心特性評価ツール。
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