JP2007088833A - 符号化装置及び復号装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フレームN−1とフレームNの相関が非常に低いような動画像に対してMCTF処理を行う場合、フレームNと似たMC画像フレームを作成することが困難となり、結果としてMCTFの符号化効率を向上させることが困難になる。
【解決手段】 MCTF部106は、Nフレームを基準フレームとし、N−1フレームを参照フレームとするが、更にN−1フレームと補助参照フレームのうち、基準フレームとの間で最も効率の高い領域を選択して基準フレームと共にMC処理を行うことにより、Nフレーム画像と同位相のMC画像を作成する。続いて、MCTF部106は作成したMC画像とNフレームとの間で、動き補償時間方向フィルタ処理を行い、H成分フレーム画像を作成し、更にMC処理で得た動きベクトルを基に、H成分フレーム画像の各画素をN−1フレームの対応する画素位置に重ね合わせることにより、L成分フレームを作成する。【選択図】 図1

Description

本発明は符号化装置及び復号装置に係り、特に動画像の時間方向に存在するフレーム間に対して動き補償を行うと共に、フレーム間のサブバンド分割を行って動画像信号を符号化する符号化装置、及び符号化された動画像信号を復号する復号装置に関する。
MPEG−1(Moving Picture Experts Group phase 1)、MPEG−2(Moving Picture Experts Group phase 2)、MPEG−4(Moving Picture Experts Group phase 4)に代表される従来の符号化方式では、符号化対象の信号の時間方向の冗長性を排除するため、動き補償を用いた予測符号化を行っている。また、これらとは異なる符号化方式であるAVC/H264(MPEG-4 Part10 Advanced Video Coding/H264)では、複数の参照フレームを持つことで参照フレームの選択に自由度を持たせ、符号化効率の向上を図っているが、特定のフレーム間の動き補償を行った後に差分を符号化するという基本的な構成において従来の動画像符号化方式と同様である。
また、近年、3次元DCT(Discrete Cosine Transform)や3次元ウェーブレット変換(wavelet transformation)などに代表されるように、動き補償予測を行いつつ、時間方向の直交変換を行う符号化方式の検討が各種行われている(例えば、特許文献1参照)。更に、従来の構成とは違う構成によってフレーム間の符号化を行う動き補償時間方向フィルタ処理(以降、MCTF)を行う符号化方式も検討されている(例えば、非特許文献1参照)。このMCTFを行う符号化方式は、複数のフレームによって構成されたGOP(Group Of Picture)を単位として処理を行い、このGOPに対してフレーム間の動き補償、及びフレーム間のサブバンド分割を行うことにより、より効率的な符号化を目指している。
図11は従来の一般的なMCTFを用いた符号化装置の一例のブロック図を示す。同図に示すように、この従来の符号化装置は、少なくとも、入力管理部202、MCTF部203、量子化部204、エントロピー符号化部205、及び多重化(MUX)部206により構成される。入力管理部202は、入力される動画像フレーム201の管理を行う機能を有する。一般に、この入力管理部202は、GOPを構成するために必要なフレーム数を、入力される動画像フレーム201から取得し、後述するMCTF部203に対して処理対象となるフレームを通知する機能を有する。
MCTF部203は、入力管理部202によって管理されているGOP内のフレームから、処理対象となる少なくとも2枚のフレーム(N−1フレームとNフレーム)を取得する機能を有する。ここで、N−1フレーム側は動き補償される側のフレームであるものとし、Nフレーム側は動き推定(以降、MEとする)及び動き補償(以降、MCとする)を行う際の基準となるフレームであるものとする。MCTF部203は、N−1フレーム、Nフレームに対してMEを行うことで、動きベクトル情報を取得して、後述のエントロピー符号化部205に対し通知する機能を有する。
また、MCTF部203は、取得した動きベクトル情報を用いてN−1フレームからMCを行い、N−1フレーム内の各画素とNフレーム内の各画素との対応関係を求めた後、この対応関係にある各画素に対してサブバンド分割を行い、更に、サブバンド分割によって得られる低周波数成分(L成分)をN−1フレームの対応する位置に格納し、高周波数成分(H成分)をNフレームの対応する位置に格納する機能を有する。MCTF部203は、この操作をフレーム内の全画素に対して行うことでMCTFの処理が完了する。次の処理対象となる少なくとも2枚のフレームが存在する場合には、入力管理部202からそれらのフレームを取得し、上述の処理を繰り返すことでMCTFの処理を継続する。
量子化部204は、MCTF部203から出力されるMCTF後の係数情報に対して所定の量子化を行い、量子化後の係数情報を後述のエントロピー符号化部205に対し通知する。エントロピー符号化部205は、量子化部204から通知される係数情報と、MCTF部203から通知される動きベクトル情報を取得し、取得した係数情報と動きベクトル情報に対してエントロピー符号化を行い、係数情報ビット列、動きベクトル情報ビット列をそれぞれ生成し、生成した係数情報ビット列及び動きベクトル情報ビット列を後述のMUX部206に対し通知する機能を有する。
MUX部206は、エントロピー符号化部205から取得した係数情報ビット列及び動きベクトル情報ビット列と、復号時に必要となる各種の制御情報を多重化してビットストリーム207を生成し、符号化出力する機能を有する。
図12は、図11に示した一般的なMCTFを用いた従来の符号化装置の動作を表すフローチャートである。以下に図12を用いて図11に示した従来の符号化装置の動作を説明する。まず、入力管理部202は、入力される動画像フレーム201から1GOPを満たす分の動画像フレームを蓄積する(ステップS301)。1GOPの処理に必要なフレーム数を蓄積すると、入力管理部202は、MCTF部203に処理対象となる少なくとも2フレームを通知する。
MCTF部203は、入力管理部202から処理対象となる少なくとも2フレーム(N−1フレームとNフレーム)を取得し、MCTF処理を行う(ステップS302)。1GOP内で必要なMCTF処理が完了すると、MCTF部203は、サブバンド分割後の係数情報を量子化部204に通知すると共に、MEによって取得したベクトル情報を、エントロピー符号化部205に通知する。
量子化部204は、MCTF部203から取得したサブバンド分割後の係数情報の量子化を行う(ステップS303)。量子化後の係数情報は、エントロピー符号化部205に供給する。エントロピー符号化部205は、量子化部204から量子化後の係数情報を取得すると共に、MCTF部203から動きベクトル情報を取得し、取得したそれぞれの情報に対して所定のエントロピー符号化を行う(ステップS304)。その後、エントロピー符号化後に得られる係数情報ビット列、動きベクトル情報ビット列をMUX部206に供給する。
MUX部206は、エントロピー符号化部205から入力された係数情報ビット列、動きベクトル情報ビット列を、復号時に必要となる各種の制御情報を多重化してビットストリームを生成する(ステップS305)。MUX部206は、生成したビットストリームを符号化結果として出力することで、一連の符号化処理が完了する。
図13は図11の符号化装置により得られたビットストリームを復号する一般的なMCTF復号装置の一例のブロック図を示す。図13に示す従来の復号装置は、少なくとも分離部(DEMAX部)1102、エントロピー復号部1103、逆量子化部1104、逆MCTF部1105、復号フレームバッファ1106により構成される。
DEMUX部1102は、取得したビットストリーム1101から、動画像信号を復号するための係数情報ビット列と、動きベクトル情報ビット列を取得する機能と、取得した係数情報ビット列と動きベクトル情報ビット列をエントロピー復号部1103に対し通知する機能を有する。
エントロピー復号部1103は、DEMUX部1102から動きベクトル情報ビット列と係数情報ビット列を取得する機能と、取得した動き情報ビット列と係数情報ビット列に対し、エントロピー復号を行い、動きベクトル情報と係数情報を生成する機能と、生成した動きベクトル情報を後述する逆MCTF部1105に通知する機能と、生成した係数情報を後述する逆量子化部1104に対し通知する機能を有する。
逆量子化部1104は、DEMUX部1102から取得した係数情報に対して所定の逆量子化を行う機能と、逆量子化後の係数情報を後述する逆MCTF部1105に対し通知する機能を有する。逆MCTF部1105は、エントロピー復号部1103から動きベクトル情報を取得する機能と、逆量子化部1104から係数情報を取得する機能と、後述する復号フレームバッファ1106から参照フレームとして用いる復号済み画像フレームを取得する機能を有する。また、逆MCTF部1105は、動きベクトル情報と、係数情報と、復号済み画像フレームを用い、逆MCTF処理を行い、画像フレームを作成する機能を有する。また、逆MCTF部1105は作成した画像フレームを後述する復号フレームバッファ1106に通知する機能を有する。
復号フレームバッファ1106は、逆MCTF部1105から画像フレームを取得し、少なくとも1GOP分の復号済み画像フレームを蓄積し、参照フレームとして用いる復号済み画像フレームを逆MCTF部1105に対し通知する機能を有する。また、復号フレームバッファ1106は、蓄積した復号済み画像フレームを動画像フレームとして出力する機能を有する。
図14は図13に示した一般的なMCTFを用いた従来の復号装置の動作を表すフローチャートを示す。以下に図14を用いて図13に示した従来の復号装置の動作を説明する。まず、DEMUX部1102は、入力されるビットストリーム1101から動きベクトル情報ビット列と係数情報ビット列を取り出した後(ステップS401)、動きベクトル情報ビット列と係数情報ビット列をそれぞれエントロピー復号部1103に対し供給する。
エントロピー復号部1103は、DEMUX部1102から供給された動きベクトル情報ビット列と係数情報ビット列を取得し、それぞれのビット列に対して所定のエントロピー復号を行い(ステップS402)、その後、エントロピー復号後に得られた動きベクトル情報をMCTF部1105に対し供給し、係数情報を逆量子化部1104に対し供給する。
逆量子化部1104は、エントロピー復号部1103から取得した係数情報に対し所定の逆量子化を行い(ステップS403)、得られた逆量子化後の係数情報を逆MCTF部1105に供給する。逆MCTF部1105は、エントロピー復号部1103から動きベクトル情報を取得し、逆量子化部1104から係数情報を取得し、復号フレームバッファ1106から復号済み画像フレームを取得して、逆MCTF処理を行い、画像フレームの復号を行う(ステップS404)。そして、復号した画像フレームを復号フレームバッファ1106に供給する。復号フレームバッファ1106は、逆MCTF部1105から出力された復号済み画像フレームを一時保持した後、復号された動画像信号として出力する(ステップS405)。これにより、一連の復号処理が終了する。
特開平6−217291号公報 Seung-Jong Choi and W.Woods,"Motion-Compensated 3-D Subband Coding of Video",IEEE TRANSACTIONS ON IMAGE PROCESSING, VOL.8,NO.2,FEBRUARY 1999
従来の符号化装置のMCTF部203による動き補償時間方向フィルタ処理(MCTF)においては、N−1フレーム側が動き補償(MC)される側のフレーム、Nフレーム側が動き推定(ME)及びMCを行う際の基準となるフレームであるものとすると、まず、N−1フレーム、Nフレームに対してMEを行うことで、動きベクトル情報を取得する。次に、取得した動きベクトル情報を用いてN−1フレームからMCを行い、N−1フレーム内の各画素とNフレーム内の各画素との対応関係を求める。その後、この対応関係にある各画素に対してサブバンド分割を行う。サブバンド分割によって得られるL成分の係数情報をN−1フレームの対応する位置に格納し、H成分の係数情報をNフレームの対応する位置に格納する。この操作をフレーム内の全画素に対して行う。
図15はフレーム間に対して行われるサブバンド分割において、直交ウェーブレット変換のHaar基底を用いた場合の一般的なオクターブ分割の過程を示したものである。まず、図15(A)から(C)までがオクターブ分割の1階分解を行う際の処理過程を示している。ここで、図15に示されているフレームは、フレーム番号0から7までの8フレームを1GOPとし、フレーム間のオクターブ分割はこの1GOPを単位として行うものとする。また、最初のオクターブ分割1階分解を行う際の対象となるフレーム区間は、1GOP全体であるものとする。
まず、ここではウェーブレットの直交基底にHaar基底を用いるため、図15(A)において、2フレームを単位として対応する空間位置同士の画素間で直交変換を行う。直交変換により、L成分フレーム、H成分フレームが、図15(B)に示すように生成される。ここで、「L1」はオクターブ分割1階分解のL成分フレームであることを表し、その後の「−番号」は、GOP内のフレーム位置を表す。従って、例えば、「L1−0」は、L成分フレーム、オクターブ分割1階分解、GOP内の0番目のフレームであることを表す。通常、Haar基底による直交変換では、2フレームを単位として変換を行い、図15(B)に示すように偶数番目のフレームにL成分、奇数番目のフレームにH成分を格納する。
次に、図15(C)から(D)までは、オクターブ分割2階分解の処理過程を示している。オクターブ分割2階分解は、1階分解後L成分フレームであるフレーム、すなわちL1−0、L1−2、L1−4、L1−6について行う。オクターブ分割2階分解では、オクターブ分割1階分解の場合と同様に、2フレームを単位として直交変換を行い、図15(D)に示すように、L2−0、H2−2およびL2−4、H2−6を生成する。
以下、同様に、図15(E)、(F)に示すように、L成分フレームL2−0及びL2−4に対してオクターブ3階分解を行って、L3−0及びH3−4を生成し、最終的に図15(G)に示すような1つのL成分フレームL3−0と、7つのH成分フレームH3−4、H2−2、H2−6、H1−1、H1−3、H1−5、H1−7からなる1GOP分の係数フレーム列を得ることで、1GOPのフレーム間符号化が完了する。
図16は従来の各Nフレーム、N−1フレーム間のMCTF処理の過程の説明図を示す。まず、N−1フレーム画像(N−1フレーム目の画像)601とNフレーム画像(Nフレーム目の画像)602とからMC画像を作成する。ここで、Nフレーム画像602が基準フレーム、N−1フレーム画像601が参照フレームとなり、ME処理及びMC処理を行うことにより、Nフレーム画像602と同位相のMC画像フレーム603が作成される。
次に、MC画像フレーム603とNフレーム画像602との間で、動き補償時間方向フィルタ処理を行い、H成分フレーム画像604を作成する。次に、H成分フレーム画像604に対して逆MC処理を行う。すなわち、MC処理で得た動きベクトルを基に、H成分フレーム画像604の各画素をN−1フレーム画像601の対応する画素位置に重ね合わせることにより、L成分フレーム画像605を作成する。
図17は従来の各Nフレーム、N−1フレーム間の逆MCTF処理の過程の説明図を示す。まず、図示しない動きベクトルMVが入力され、L成分フレーム701及びH成分フレーム702のうち、H成分フレーム702を動きベクトルMVを用いてL成分フレーム701と同位相のMC画像を作成し、L成分フレーム701と作成した上記MC画像との差分を取り、N−1フレーム703を作成する。
次に、上記の動きベクトルMVを逆に使い、上記のN−1フレーム703を参照フレームとしてH成分フレーム702と同位相のMC画像704を作成する。続いて、H成分フレーム702とMC画像704に対し、動き補償時間方向フィルタ処理を行い、Nフレーム705を作成する。
ここで、MCTFの符号化効率を向上するためには、できるだけ高周波成分を取り除くこと、すなわち、H成分フレームの情報量をできるだけ少なくすることが重要である。これは以下の理由による。上述したように、MCTFでは2つのフレームを、L成分フレームとH成分フレームに分解するが、L成分フレームには大まかな情報が、H成分フレームにはディテールが含まれることになる。通常、隣接する2フレームは、相関が非常に強く、多くの情報がL成分フレームに集中されるべきである。その際、H成分フレーム内の情報も必然的に小さくなる。
符号化対象は、L成分フレーム1枚と情報量の少ないH成分フレーム1枚である。ところが、上記のL成分フレームへの情報の集中がうまくいかない場合、H成分フレームに多くの情報が残ってしまい、この場合はL成分フレーム1枚と、情報量をあまり削れなかったH成分フレーム1枚とを符号化することになる。この場合よりも、多くの情報が集中されたL成分フレーム1枚と、情報量の少ないH成分フレーム1枚とを符号化した方が有利であるのは明らかであり、そのためにできるだけH成分フレームの情報量を少なくすることが必要となる。
H成分フレームの情報量を削減するには、図16に示したMC画像フレーム603と、Nフレーム画像602との誤差が小さくなればよいが、そのためにはできるだけNフレーム画像602に近いMC画像フレーム603を作成すればよいことになる。
ところが、従来の符号化装置では、フレームN−1とフレームNの相関が非常に低いような動画像に対してMCTF処理を行う場合、参照フレームとなるN−1フレーム画像601内に基準フレームとなるNフレーム画像602と似たブロックがある確率は低く、Nフレーム画像602と似たMC画像フレーム603を作成することが困難となる問題が生じ、結果としてMCTFの符号化効率を向上させることが困難になる。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、基準フレームであるNフレームと、参照フレームであるN−1フレームとの間の相関が低い場合に、基準フレームと似た参照フレームを用意することにより、基準フレームと似たMC画像フレームを作成し、MCTFの符号化効率を向上させることができる符号化装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、本発明の符号化装置により得られた符号化出力を復号することのできる復号装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、第1の発明は、符号化対象の動画像信号の時間方向に存在する異なる2つのフレームのうち、一方のフレームを基準フレームとして他方のフレームの動き補償を行い、動き補償後の他方のフレームと基準フレームとの対応する画素同士で直交変換して、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割された低域側分割周波数帯域のL成分フレームと高域側分割周波数帯域のH成分フレームとからなるフレーム列信号を得る動き補償時間方向フィルタ処理を行い、フレーム列信号に対して量子化を行う符号化装置であって、
動き補償時間方向フィルタ処理されたL成分フレームを補助参照フレームとして蓄積する補助参照フレーム格納手段と、符号化対象の動画像信号の時間方向に存在する異なる2つのフレームのうち、一方のフレームを基準フレームとし、かつ、他方のフレームを参照フレームとし、基準フレームに基づき、参照フレームと補助参照フレーム格納手段からの2つのフレームとは異なる補助参照フレームとの動きをそれぞれ推定して、基準フレームと参照フレームと補助参照フレームとの対応する各ブロックの相対位置関係を示す動きベクトル情報を取得する動き推定手段と、動きベクトル情報に基づいて、参照フレームと補助参照フレームのうち、ブロック毎に符号化効率の高い方のフレームを選択して動き補償を行い動き補償画像を生成すると共に、ブロック毎に選択したフレームを示す参照フレーム制御情報を生成する動き補償手段と、動き補償画像に対して動き補償時間方向フィルタ処理を行って、2つの分割周波数帯域のうち高域側分割周波数帯域のH成分の係数情報を格納したH成分フレームを生成するH成分フレーム生成手段と、H成分フレーム生成手段で生成されたH成分フレームに対して、動き推定手段によって取得した動きベクトル情報を逆方向に適用して参照フレームとの対応する画素同士で直交変換して、2つの分割周波数帯域のうち低域側分割周波数帯域のL成分の係数情報を格納したL成分フレームを生成すると共に、生成したそのL成分フレームを補助参照フレーム格納手段に蓄積するL成分フレーム生成手段と、H成分フレーム生成手段で生成されたH成分フレームとL成分フレーム生成手段で生成されたL成分フレームとからなるフレーム列信号に対して量子化を行う量子化手段とを少なくとも備え、量子化後のフレーム列信号と参照フレーム制御情報と動きベクトル情報とを少なくとも出力することを特徴とする。
この発明では、あるフレームのペアを符号化する際に、通常の参照フレームとは別に、既に符号化を終えたL成分フレームから得た補助参照フレームを参照可能とし、マクロブロック毎に通常の参照フレーム、又は補助参照フレーム、又は両者の中から、最も効率の高いと思われる領域を選択し、動き補償に使用することにより、通常の動き補償時間方向フィルタ処理(MCTF)では相関が高くないペア(基準フレームであるNフレームと参照フレームであるN−1フレーム)で動き推定(MC)精度が低く、符号化効率が悪くなるような場合でも、基準フレームと似たMC画像を作成することにより、動き補償時間方向フィルタ処理(MCTF)後のH成分フレームの情報を削減することができる。
また、上記の目的を達成するため、第2の発明は、第1の発明の量子化後のフレーム列信号と参照フレーム制御情報と動きベクトル情報とを少なくとも入力として受け、量子化後のフレーム列信号から基準フレームの動画像信号を復号する復号装置であって、量子化後のフレーム列信号を逆量子化して、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割された低域側分割周波数帯域のL成分フレームと高域側分割周波数帯域のH成分フレームとからなるフレーム列信号を復号する逆量子化手段と、動きベクトル情報を用いて逆量子化手段からのフレーム列信号中のH成分フレームに対して動き補償を行って、フレーム信号中のL成分フレームと同位相の動き補償画像を生成し、その動き補償画像とフレーム列信号中のL成分フレームとの差分をとり、第1の発明の符号化装置で用いた参照フレームを復号する参照フレーム復号手段と、復号された基準フレーム及び参照フレームを蓄積するフレーム格納手段と、動きベクトル情報を逆方向に適用して、復号された参照フレームと参照フレーム制御情報に基づいてフレーム格納手段から補助参照フレームとして読み出された基準フレームとのうち、ブロック毎に符号化効率の高い方のフレームを選択して動き補償を行い、逆量子化手段からのH成分フレームと同位相の動き補償画像を生成する動き補償手段と、逆量子化手段からのH成分フレームと動き補償手段で生成された動き補償画像との対応する画素同士で直交変換して、参照フレームとは異なるフレームである基準フレームを復号する逆方向の動き補償時間方向フィルタ処理を行うと共に、復号した基準フレームを補助参照フレーム格納手段に蓄積する処理手段とを少なくとも有することを特徴とする。
この発明では、量子化後のフレーム列信号と参照フレーム制御情報と動きベクトル情報とを少なくとも入力として受け、量子化後のフレーム列信号から基準フレームの動画像信号を復号するに際し、符号化装置で用いた参照フレームを復号し、その参照フレームと参照フレーム制御情報に基づいてフレーム格納手段から補助参照フレームとして読み出された基準フレームとのうち、ブロック毎に符号化効率の高い方のフレームを選択して動き補償を行い、逆量子化手段からのH成分フレームと同位相の動き補償画像を生成するようにしたため、符号化装置側で削減されたH成分フレームの情報量を復元することができる。
本発明の符号化装置によれば、基準フレーム及び参照フレームとなるNフレームとN−1フレームとの間の相関が低い場合においても、基準フレームと似たMC画像を作成することにより、動き補償時間方向フィルタ処理(MCTF)後のH成分フレームの情報を削減することができ、その結果、MCTFの符号化効率を向上させることができる。
また、本発明の復号装置によれば、符号化装置側で削減されたH成分フレームの情報量を復元するようにしたため、通常のMCTF処理では相関が高くないペア(NフレームとN−1フレーム)であっても、基準フレーム(Nフレーム)の動画像信号を正常に復号できる。
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる符号化装置の一実施の形態のブロック図を示す。本実施の形態は、符号化対象の動画像信号の時間方向に存在するNフレーム及びN−1フレームのうちのNフレームを基準フレームとしてN−1フレームの動き補償(MC)を行い、動き補償後のN−1フレームとNフレームの対応する画素同士で直交変換して、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割された低域側分割周波数帯域のL成分フレームと高域側分割周波数帯域のH成分フレームとからなるフレーム列信号を得る動き補償時間方向フィルタ処理(MCTF)を行い、上記のフレーム列信号に対して量子化及びエントロピー符号化を行う符号化装置であって、図1に示すように、入力管理部102、補助参照フレームバッファ103、補助参照フレーム制御部104、符号化方向制御部105、MCTF部106、量子化部107、エントロピー符号化部108、多重化部(MUX部)109によって構成される。
入力管理部102は、入力される符号化対象の動画像信号である動画像フレーム101の管理を行う機能を有し、入力される動画像フレーム101からGOPを構成するために必要な数のフレームを取得、格納し、後述するMCTF部106に対して処理対象となるフレームを供給する。また、入力管理部102は後述する補助参照フレームバッファ103に対し補助参照フレームとして用いる動画像フレームを供給する機能も有する。
補助参照フレームバッファ103は、入力管理部102から補助参照フレームとして用いる動画像フレームを取得して、その補助参照フレームを少なくとも1フレーム分格納する機能を有する。また、補助参照フレームバッファ103は、後述する補助参照フレーム制御部104から補助参照フレーム制御情報を取得する機能や、後述するMCTF部106に対し補助参照フレームを供給する機能も有する。補助参照フレームバッファ103に格納される動画像フレームは、現在符号化処理中のGOP内のフレームであってもよいし、既に符号化を終えたGOP内のフレームであってもよい。
補助参照フレーム制御部104は、後述するMCTF部106において、MCTF処理を行う際に用いる補助参照フレームを決定する補助参照フレーム制御情報を生成し、生成した補助参照フレーム制御情報を、補助参照フレームバッファ103と、後述するMCTF部106に対し通知する機能を有する。また、補助参照フレーム制御部104は、後述するMCTF部106からMCTF処理過程情報を取得する機能を有する。上記の補助参照フレームの決定には、所定の方法を用いる。例えば、GOPの最初で予め決定してもよいし、MCTF部106から取得したMCTF処理過程情報を用い、適応的に決定してもよい。
符号化方向制御部105は、MCTF処理を行う方向を決定してMCTF部106に通知する機能を有する。符号化方向の決定には所定の方法を用いる。例えば、GOPの最初で符号化方向を予め決定してもよいし、各GOPで、両方向の符号化を行い、処理結果に応じて符号化方向の決定を行ってもよい。両方向符号化を行う場合は、符号化方向制御部105は一方向の処理結果を記憶する機能を有する。
MCTF部106は、入力管理部102より取得した処理対象フレームと、補助参照フレームバッファ103より取得した補助参照フレームと、符号化方向制御部105より取得した符号化方向情報とにより、補助参照フレーム制御部104より取得した補助参照フレーム制御情報を基に、基準フレームと参照フレーム又は補助参照フレームの対応する各ブロックの相対位置関係を示す動きベクトル情報を生成し、MCTF処理を行い、係数情報を生成する。
また、MCTF部106は、補助参照フレーム制御部104に対しMCTF処理の処理過程情報を出力する機能と、後述する量子化部107に対し係数情報を出力する機能と、エントロピー符号化部108に対し動きベクトル情報と符号化方向情報と参照フレーム制御情報を出力する機能を有する。
量子化部107は、MCTF部106から出力フレームとして得られる係数情報(換言すると、動き補償後の参照フレーム又は補助参照フレームと基準フレームの対応する画素同士で直交変換して、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割された低域側分割周波数帯域のL成分の係数情報を格納したL成分フレームと、高域側分割周波数帯域のH成分の係数情報を格納したH成分フレームとからなるフレーム列信号)を取得し、その取得した係数情報に対して所定の量子化を行い、得られた量子化後の係数情報をエントロピー符号化部108に対して出力する。
エントロピー符号化部108は、量子化部107から量子化後の係数情報を取得し、MCTF部106から動きベクトル情報と符号化方向情報と参照フレーム制御情報を取得し、これら取得した各情報に対して各々所定のエントロピー符号化を行い、係数情報ビット列と、動きベクトル情報ビット列と、符号化方向情報ビット列と、参照フレーム制御情報ビット列を生成する。
また、エントロピー符号化部108は、生成した係数情報ビット列と動きベクトル情報ビット列と符号化方向情報ビット列と参照フレーム制御情報を後述するMUX部109に出力する。MUX部109は、エントロピー符号化部108から出力された、係数情報ビット列と、動きベクトル情報ビット列と、符号化方向情報ビット列と、参照フレーム制御情報ビット列を取得し、取得したこれら係数情報ビット列と、動きベクトル情報ビット列と、符号化方向情報ビット列と、参照フレーム制御情報ビット列と共に、復号時に必要となる各種の制御情報を多重化してビットストリーム110を生成し、符号化出力する。
次に、本実施の形態の動作について、図2の動作説明用フローチャートと共に説明する。まず、図1の入力管理部102は、入力される動画像フレーム101を取得し(ステップS1)、1GOPを満たす分の動画像フレーム101を蓄積する(ステップS2)。符号化方向制御部105は、入力管理部102に蓄積されている動画像フレームに基づいて、例えば、複数の動画像フレームからなるGOPの最初で予め決定した、MCTF処理を行う符号化方向、あるいは各GOPで、両方向の符号化を行い、処理結果に応じて決定した、MCTF処理を行う符号化方向を示す符号化方向情報を生成し、MCTF部106に供給する(ステップS3)。
また、入力管理部102は、MCTFの対象となるフレーム群であるN−1フレームとNフレームをセットし(ステップS4)、MCTF部106に供給する。補助参照フレーム制御部104は、MCTF部106からのMCTFの処理過程情報に基づいて、補助参照フレームバッファ103に蓄積されている動画像フレームの中からMCTF処理に使用する補助参照フレームを決定し、決定した補助参照フレームを指示する補助参照フレーム制御情報を補助参照フレームバッファ103に供給する。補助参照フレームバッファ103は、補助参照フレーム制御部104で決定した補助参照フレームをMCTF部106に対し出力する(ステップS5)。
MCTF部106は、入力管理部102から取得したMCTF対象フレーム群(N−1フレームとNフレーム)と、符号化方向制御部105から取得した符号化方向情報と、補助参照フレームバッファ103から取得した補助参照フレームとを使用し、上記のNフレームを基準フレーム、上記のN−1フレームを参照フレームとし、これらフレームと補助参照フレームのME及びMCを行い、MC後のN−1フレーム又は補助参照フレームと基準フレームの対応する画素同士で直交変換して、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割された低域側分割周波数帯域のL成分フレームと高域側分割周波数帯域のH成分フレームとからなるフレーム列信号を得るMCTF処理を行う。その後、MCTF部106は、動きベクトル情報、符号化方向情報、参照フレーム制御情報をエントロピー符号化部108に供給し、フレーム列信号である係数情報を量子化部107に供給する(ステップS6)。
入力管理部102は、MCTF部106によるMCTF処理が所定のオクターブ分割数に至ったかどうかを判定し、所定のオクターブ分割数に至っていなければ前記ステップS4へ戻り、MCTFの対象となるフレーム群をMCTF部106に再びセットし、所定のオクターブ分割数に至っていれば次のステップS8へ進む(ステップS7)。ステップS8では、量子化部107による係数情報に対する所定の量子化処理を行い、エントロピー符号化部108に対し量子化後の係数情報を出力する。
エントロピー符号化部108は、MCTF部106から取得した動きベクトル情報、符号化方向情報、参照フレーム制御情報と、量子化部107から取得した量子化後の係数情報それぞれに対し、所定のエントロピー符号化を行い(ステップS9)、動きベクトル情報ビット列、係数情報ビット列、符号化方向情報ビット列、参照フレーム制御情報ビット列を生成する。その後、生成した動きベクトル情報ビット列、係数情報ビット列、符号化方向情報ビット列、参照フレーム制御情報ビット列をMUX部109に出力する。
MUX部109は、エントロピー符号化部108から上記の動きベクトル情報ビット列、係数情報ビット列、符号化方向情報ビット列及び参照フレーム制御情報ビット列を取得すると、復号時に必要となる各種の制御情報と共に、符号化出力を行うために多重化を行い、ビットストリーム110を構成する(ステップS10)。MUX部109は、生成したビットストリーム110を出力することで、一連の符号化処理が完了する。
次に、本実施の形態のMCTFの処理過程について更に説明する。図3は本実施の形態のMCTFの処理過程の説明図を示す。本実施の形態では図3に示すように、図16に示した従来のMCTFの処理過程とは異なり、MCの際に、補助参照フレーム301を用いることにより、従来に比べMC画像フレームの精度を高め、これによりL成分フレームの情報量を削減し、MCTF処理の符号化効率を向上させるようにしたものである。
図16を用いて従来のMCTF処理の問題点について説明する。図16は、N−1フレーム601とNフレーム602の相関が低い場合の例である。このような場合、Nフレーム602の網掛け部分と類似したブロックがNフレーム601内に存在しないため、N−1フレーム601を参照フレームとして用いたMC画像フレーム603の精度はそれほど高くならない。そのため、通常のMCTF処理ではH成分フレーム604の情報量が多くなり、符号化効率が下がってしまう問題が存在することは前述した通りである。
それに対し、本実施の形態では、図3に示すように、まず、図16と同じ相関が低いN−1フレーム画像601とNフレーム画像602のうち、Nフレーム画像602を基準フレームとし、N−1フレーム画像601を参照フレームとするが、更にN−1フレーム画像601と補助参照フレーム301のうち、基準フレーム(Nフレーム画像)602との間で最も効率の高い領域を選択して基準フレーム602と共にMC処理を行うことにより、Nフレーム画像602と同位相のMC画像303を作成する。
ここで、補助参照フレーム301は、後述するように、N−1フレーム画像601とNフレーム画像602の処理の際に、既に処理の終了したL成分フレームから取られる。従って、符号化方向がフレーム番号昇順であれば、補助参照フレーム301は時間的に前の方からとることになり、フレーム番号降順であれば、補助参照フレーム301は時間的に後の方からとることになる。
また、N−1フレーム画像601と補助参照フレーム301のうち、基準フレーム(Nフレーム画像)602と最も効率の高い領域とは、基準フレームとの間で得られた動きベクトルによる発生符号量と残差(予測誤差)による発生符号量との合計発生符号量が最も小さい領域ということであり、多くの場合、周りのマクロブロックと同じ動きをしており、かつ、基準マクロブロックとの差分が小さい領域であり、その領域の選択はMPEGで公知のME処理により行われる。更に、補助参照フレーム301が複数ある場合は、予め定めた1以上の数又は全てを使用する。
次に、本実施の形態では、MC画像フレーム303とNフレーム画像602との間で、動き補償時間方向フィルタ処理を行い、H成分フレーム画像304を作成する。次に、H成分フレーム画像304に対して逆MC処理を行う。すなわち、MC処理で得た動きベクトルを基に、H成分フレーム画像304の各画素をN−1フレーム画像601の対応する画素位置に重ね合わせることにより、L成分フレーム画像305を作成する。
本実施の形態では、Nフレーム画像602内の図3に示した網掛け部分と類似した部分が、補助参照フレーム画像301内に存在するため、図16に示した従来のMCTF処理に比べ、本実施の形態の構成をとることにより、MC画像フレーム303の精度を高くすることができる。そのため、MCTF処理により生成されるH成分フレーム304の情報量を削減することができ、H成分フレーム画像304の各画素をN−1フレーム画像601の対応する画素位置に重ね合わせることにより、L成分フレーム画像305を作成する際に、H成分フレーム304の情報量が従来より少なく、MCTFの符号化効率を向上させることができる。
次に、本実施の形態を用いたオクターブ分割について説明する。図4は図1の実施の形態の構成を用いた3階オクターブ分割を示す図である。図4において、フレーム1001からフレーム1008は入力されたフレーム番号0〜7の動画像フレームである。また、フレーム1023は既に符号化を終えたGOP内のフレームである。ここで、図4に示されているフレームは、フレーム番号0から7までの8フレームを1GOPとし、フレーム間のオクターブ分割はこの1GOPを単位として行うものとする。また、最初のオクターブ分割1階分解を行う際の対象となるフレーム区間は、1GOP全体であるものとする。
まず、ここではウェーブレットの直交基底にHaar基底を用いるため、2フレームを単位として対応する空間位置同士の画素間で直交変換を行う。また、本実施の形態では、符号化順をGOP内フレーム番号の降順であるとする。ただし、本実施の形態では、同時に2枚以上の参照フレーム(1枚の通常の参照フレームと1枚以上の補助参照フレーム)を用いてH成分フレームを作成する。H成分フレーム作成時には、動き検出処理において、各マクロブロックに対し通常の参照フレームと補助参照フレームから最も符号化効率の高いと思われる領域を検出する。ただし、本発明は動き検出に係るものではないので、その詳細な説明は省略する。
そして、通常の参照フレームに対応するフレームに対してのみ逆MCを行い、L成分フレームとする。なお、補助参照フレームは既に処理の完結したL成分フレームであれば、どれを使っても構わないが、ここでは、前GOPの時間的に一番最後のL成分フレームと、現GOP内の既に処理の終了したL成分フレームをとるものとする。
すなわち、まず、フレーム1007と1008についてMCTF処理を行って、H成分フレームであるフレーム1016を生成する。このとき、同一GOP内に符号化処理を開始しているフレームがないため、補助参照フレームは既に符号化を完了した前GOP内のフレーム1023のみである。MCTF処理の結果、H成分フレームであるフレーム1016を生成する。
次に、フレーム1005とフレーム1006についてMCTF処理を行う。この時点では既にフレーム1007の符号化を開始しているため、補助参照フレームとして、フレーム1023のほかにフレーム1007をとることができる。これにより、フレーム1006を基準フレームとし、フレーム1005を参照フレームとし、フレーム1023と基準フレームよりも時間的に後のフレーム1007とを補助参照フレームとしてMCTF処理を行ってH成分フレームである1014を生成する。
以下同様の手続きを行い、フレーム1001とフレーム1002のMCTF処理については補助参照フレームの候補は、フレーム1003とフレーム1005とフレーム1007とフレーム1023の4つとなる。ここでは、フレーム1001を基準フレームとし、フレーム1002を参照フレームとする。そして、上記の4つの補助参照フレームと参照フレーム1002のうち最も符号化効率の高いと思われるフレームと基準フレーム1001とに基づいてMCTF処理を行い、H成分フレーム1010を生成する。このようにして、1階分解のH成分フレームをすべて生成したら、続いて1階分解のL成分フレームの符号化を開始する。1階分解では、フレーム1003、フレーム1005、フレーム1007、フレーム1023を補助参照フレームの候補とする。なお、補助参照フレームが2以上ある場合は、予め定めた数の補助参照フレームを使用してもよいし、全ての補助参照フレームを使用してもよいが、予め設定する必要がある。
L成分フレームの符号化もH成分フレームの符号化と同様に、フレーム番号の降順に行う。すなわち、H成分フレーム1016から逆MCによりL成分フレーム1015を生成し、次にH成分フレーム1014から逆MCによりL成分フレーム1013を生成し、次にH成分フレーム1012から逆MCによりL成分フレーム1011を生成し、次にH成分フレーム1010から逆MCによりL成分フレーム1009を生成する。L成分フレーム1009の符号化が終了したら、1階分解処理を終了し、2階分解処理を行う。以下同様の手続きをとるものとする。
2階分解処理では、L成分フレーム1015を基準フレームとし、L成分フレーム1013を参照フレームとし、前GOPのL成分フレーム1024を補助参照フレームとしてMCTF処理を行い、H成分フレーム1020を作成する。また、L成分フレーム1011を基準フレームとし、L成分フレーム1009を参照フレームとし、基準フレームよりも時間的に後のL成分フレーム1015と前GOPのL成分フレーム1024を補助参照フレームとしてMCTF処理を行い、H成分フレーム1018を作成する。その後、H成分フレーム1020を逆MC処理してL成分フレーム1019を作成し、H成分フレーム1018を逆MC処理してL成分フレーム1017を作成する。
3階分解処理においても同様の手続きを取ることにより、L成分フレーム1019を基準フレームとし、L成分フレーム1017を参照フレームとし、前GOPのL成分フレーム1025を補助参照フレームとしてMCTF処理を行い、H成分フレーム1022を作成し、H成分フレーム1022を逆MC処理してL成分フレーム1021を作成しMCTF処理を完了する。
このようなフレーム番号降順の構成をとるのは以下の理由による。N−1フレームとNフレームとの相関が低い場合の理由の一つとして、N−1フレームとNフレーム間でシーン切り替えがあった場合が考えられる。そのような動画像の場合、補助参照フレームと本来の参照フレームであるN−1フレームを、基準フレームであるNフレームから見て同一時間方向にとったときは、補助参照フレームと本来の参照フレームとの相関が高く、補助参照フレームと基準フレームとの相関が高くないことが予想される。
一方、上記の実施の形態のように、フレーム番号降順の構成をとると、上記の補助参照フレームと本来の参照フレームであるN−1フレームが、基準フレームであるNフレームを時間的に挟み込むような構成をとることができる。すなわち、参照フレームは既に処理の終了したL成分フレームから取る必要がある。あるフレームをデコード中、その時点で処理の終了していない(始まっていない)デコードフレームはまだ存在せず、参照できない。通常の参照フレームは時間的に基準フレームがNフレームであるときは、その一つ前のN−1フレームであり、時間的に基準フレームを通常の参照フレームと補助参照フレームとで挟み込むためには、補助参照フレームが時間的に基準フレームの後にある必要がある。
フレーム番号昇順に処理を行った場合、常に時間的に前から処理が完了していくため、補助参照フレームも常に時間的に前からしかとることができない。これに対し、フレーム番号降順に処理を行えば、時間的に後のフレームから処理が完了し、補助参照フレームを時間的に後からとることができるため、上記のように時間的に基準フレームを通常の参照フレームと補助参照フレームとで挟み込むことができる。
そして、補助参照フレームと本来の参照フレームであるN−1フレームが、基準フレームであるNフレームを時間的に挟み込むような構成をとったときは、本来の参照フレームであるN−1フレームと基準フレームであるNフレームとの間にシーン切り替えがあったとしても、基準フレームと補助参照フレームとの間にシーン切り替えがなければ、基準フレームと補助参照フレームとの相関は高くなるであろうことが期待できる。
ただし、本発明はフレーム番号降順のMCTF処理を強制するものではない。フレーム番号昇順のMCTF処理の方がフレーム番号降順のMCTF処理よりも符号化効率が高い場合は、フレーム番号昇順のMCTF処理をとることも可能である。
次に、本発明になる復号装置について説明する。図5は本発明になる復号装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図に示す復号装置は、分離化部(DEMUX部)502、エントロピー復号部503、逆量子化部504、逆MCTF部505、符号化方向制御部506、補助参照フレームバッファ507、補助参照フレーム制御部508、及び復号フレームバッファ509から構成される。
DEMUX部502は、図1に示した符号化装置により符号化されて出力されたビットストリーム501を入力として受け、そのビットストリーム501から動画像を復号するための係数情報ビット列と、動きベクトル情報ビット列と、符号化方向情報ビット列と、参照フレーム制御情報ビット列とを取得し、取得したそれら係数情報ビット列と動きベクトル情報ビット列と符号化方向情報ビット列と参照フレーム制御情報ビット列をエントロピー復号部503に対し出力する。
エントロピー復号部503は、DEMUX部502から取得した上記の動きベクトル情報ビット列と係数情報ビット列と符号化方向情報ビット列と参照フレーム制御情報ビット列に対し、それぞれ所定のエントロピー復号を行い、動きベクトル情報と係数情報と符号化方向情報と参照フレーム制御情報とを生成し、生成した動きベクトル情報は後述する逆MCTF部505に供給し、生成した係数情報は後述する逆量子化部604に供給し、生成した符号化方向情報は後述する符号化方向制御部506に供給し、生成した参照フレーム制御情報は後述する補助参照フレーム制御部508に供給する。
逆量子化部504は、エントロピー復号部503から取得した係数情報に対して所定の逆量子化を行い、得られた逆量子化後の係数情報を後述する逆MCTF部505に出力する。逆MCTF部505は、エントロピー復号部503からの動きベクトル情報と、逆量子化部504からの量子化後の係数情報とを取得すると共に、後述する符号化方向制御部506から符号化方向情報を、後述する補助参照フレームバッファ507から補助参照フレームを、後述する復号フレームバッファ509から参照フレームとして用いる復号済み画像フレームをそれぞれ取得し、取得したこれら動きベクトル情報と、係数情報と、符号化方向情報と、補助参照フレームと、復号済み画像フレームとを用いて逆MCTF処理を行い、画像フレームを作成する。逆MCTF部505は、作成した画像フレームを補助参照フレームバッファ507と復号フレームバッファ509にそれぞれ出力する。
符号化方向制御部506は、エントロピー復号部503から符号化方向情報を取得し、逆MCTF部505に対し通知する。補助参照フレームバッファ507は、逆MCTF部505から復号済み画像フレームを取得し、複数枚の符号済み画像フレームを蓄積する機能を有する。また、補助参照フレームバッファ507は、逆MCTF部505から要求のあった画像フレームを逆MCTF部505に対し出力する機能を有する。
補助参照フレーム制御部508は、エントロピー復号部503から参照フレーム制御情報を取得し、各ブロックに対し補助参照フレームバッファ507に蓄積されているどの補助参照フレーム(復号済み画像フレーム)を用いるかを決定する補助参照フレーム制御情報を補助参照フレームバッファ507に出力し、補助参照フレームバッファ507から決定した補助参照フレームを逆MCTF部505に供給させる。復号フレームバッファ509は、逆MCTF部505から復号済み画像フレームを取得して蓄積し、逆MCTF部505に対し要求のあった画像フレームを出力し、また、蓄積した画像フレーム510を出力する機能を有する。
次に、本実施の形態の動作について、図6のフローチャートと共に説明する。まず、DEMUX部502は、図1の符号化装置から出力され、所定の伝送路を経て入力されたビットストリーム501を入力として受け、ビットストリーム501から係数情報ビット列、動きベクトル情報ビット列、符号化方向情報ビット列、参照フレーム制御情報ビット列と、その他制御情報とを分離して取り出す(ステップS11)。そして、DEMUX部502は、分離した係数情報ビット列、動きベクトル情報ビット列、符号化方向情報ビット列、参照フレーム情報ビット列をエントロピー復号部503にそれぞれ出力する。
エントロピー復号部503は、DEMUX部502より取得した上記の係数情報ビット列、動きベクトル情報ビット列、符号化方向情報ビット列、参照フレーム制御情報ビット列それぞれに対し、所定のエントロピー復号を行い、係数情報、動きベクトル情報、符号化方向情報、参照フレーム情報を生成する(ステップS12)。そして、エントロピー復号部503は、生成した係数情報を逆量子化部504に供給し、生成した動きベクトル情報を逆MCTF部505に供給し、符号化方向情報を符号化方向制御部506に供給し、参照フレーム制御情報を補助参照フレーム制御部508に供給する。
次に、逆量子化部504は、エントロピー復号部503より供給された係数情報に対し所定の逆量子化を行い、符号化装置での量子化部107による量子化前の係数情報を復号する(ステップS13)。そして、逆量子化部504は、復号した係数情報(H成分フレーム及びL成分フレーム)を逆MCTF部505に供給する。
次に、補助参照フレーム制御部508は、エントロピー復号部503より取得した参照フレーム制御情報を基に逆MCTF部505で使用する補助参照フレームを決定し、その補助参照フレームを示す制御情報を補助参照フレームバッファ507へ出力する。補助参照フレームバッファ507は、蓄積されている復号済みの画像フレームのうち、補助参照フレーム制御部508で決定した補助参照フレームを読み出して逆MCTF部505にセットする(ステップS14)。
逆MCTF部505は、補助参照フレームバッファ507より取得した補助参照フレームと、エントロピー復号部503より取得した動きベクトル情報と、逆量子化部504より取得した量子化後の係数情報と、復号フレームバッファ509から取得した参照フレームとを用いて、前述したMCTF処理とは逆の逆MCTF処理を行い、画像フレームを作成する(ステップS15)。
続いて、逆MCTF部505は、符号化方向制御部506より取得した符号化方向情報を基に、作成した画像フレームの並べ替えを行い、並べ替え後の画像フレームを復号フレームバッファ509に出力して蓄積させる(ステップS16)。また、逆MCTF部505は並べ替え後の復号画像フレームを補助参照フレームバッファ508に供給して蓄積させる。最後に、復号フレームバッファ509は、蓄積された動画像フレームを出力し、一連の復号処理を完了する(ステップS17)。
次に、本実施の形態の逆MCTFの処理過程について更に説明する。図7は本実施の形態の逆MCTFの処理過程の説明図を示す。本実施の形態では図7に示すように、図17に示した従来の逆MCTFの処理過程とは異なり、逆MCの際に、補助参照フレーム711を用いることにより、従来に比べMC画像フレームの精度を高め、これにより逆MCTF処理の復号効率を向上させるようにしたものである。
図5に示した逆MCTF部505では、図7では図示を省略した動きベクトル情報MVが図5のエントロピー復号部503より入力され、その動きベクトル情報MVを用いて、逆量子化部504より取得した量子化後の係数情報を動き補償処理して、図7に示すL成分フレーム701とH成分フレーム702を復号し、H成分フレーム702からL成分フレーム701と同位相のMC画像を作成した後、更にL成分フレーム701と作成した上記のMC画像との差分をとり、図7に示すN−1フレームの画像703を作成する。
続いて、逆MCTF部505は、参照フレームであるN−1フレームの画像703と、更に図5の補助参照フレームバッファ507より取得した図7に示す補助参照フレーム711とのうち、上記の動きベクトル情報MVを逆方向に適用して、マクロブロック毎に符号化効率の高い方のフレームを選択して動き補償して、図7に示すようにH成分フレーム702と同位相のMC画像712を作成する。続いて、逆MCTF部505は、H成分フレーム702とMC画像712との対応する画素同士で直交変換する、前述したMCTF処理とは逆の動き補償時間方向フィルタ処理を行い、Nフレームの画像713を復号する。この復号されたNフレームの画像713は、符号化装置で基準フレームとして用いてMCTF処理した画像に相当する。
次に、図5の実施の形態を用いたオクターブ分割(復号)について説明する。図8は図5の実施の形態の構成を用いた3階オクターブ分割を示す図である。図8においては、フレーム番号0から7までの8フレームを1GOPとする。まず、ここではウェーブレットの直交基底にHaar基底を用いるため、2フレームを単位として対応する空間位置同士の画素間で直交変換を行う。
まず、図8(A)に示すように、L成分フレームL3−0とH成分フレームH3−4とから図示しない動きベクトル情報MV_30を用いて逆MCTF処理をして、同図(B)に示すように2つのL成分フレームL2−0とL2−4を作成する。上記の逆MCTF処理は図17と同様の処理である。
次に、図8(C)に示すように上記のL成分フレームL2−0が入力され、H成分フレームH2−2と動きベクトル情報MV_20とを用いて逆MCTF処理をして、同図(D)に示すように2つのL成分フレームL1−0とL1−2を作成する。また、図8(C)に示すように上記のL成分フレームL2−4が入力され、H成分フレームH2−6と動きベクトル情報MV_40とを用いて逆MCTF処理をして、同図(D)に示すように2つのL成分フレームL1−4とL1−6を作成する。
続いて、図8(E)に示すように、作成したL成分フレームL1−0が入力されると共に、H成分フレームH1−1と動きベクトル情報とが入力され、逆MCTF処理により同図(F)に示すように2つのL成分フレームが作成される。他のL成分フレームL1−2、L1−4、L1−6も同様にしてH成分フレームH1−3、H1−5、H1−7と動きベクトル情報とを用いて逆MCTF処理によりそれぞれ同図(F)に示すように2つのL成分フレームを作成する。これにより、図8(F)に示すように、8つのL成分フレームからなるフレーム番号0〜7の1GOP分のフレームが復号される。
以上説明したように、本実施の形態では、あるフレームのペアを符号化(復号)する際に、通常の参照フレームとは別に、既に符号化(復号)を終えたL成分フレームのうち、前のGOPの時間的に最後のL成分フレームと、同一GOP内で既に処理が終了したL成分フレームを補助参照フレームとして参照可能とし、マクロブロック毎に通常の参照フレーム、又は補助参照フレーム、又は両者(例えば、2つの画像の平均値をMCに使用する)の中から、最も効率の高いと思われる領域を選択し、MCに使用する。既に符号化(復号)を終えた領域をMCに使用するという決め事を守っていさえすれば、確実に復号できる。このような構成により、通常のMCTFでは相関が高くないペア(NフレームとN−1フレーム)でMC精度が低く、符号化効率が悪くなるような場合でも、相関の高い補助参照フレームが見つかれば符号化効率を上げることができる。
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、図1のブロック図に示した本発明になる符号化装置の一実施の形態や、図5のブロック図に示した本発明になる復号装置の一実施の形態を、コンピュータである中央処理制御装置に実現させるためのプログラムをも含むものである。このプログラムは、記録媒体から読み取られて中央処理制御装置に取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送され中央処理制御装置に取り込まれてもよい。
図9は図1の符号化装置の機能を中央処理制御装置により実現させる情報処理装置の一例のブロック図を示す。同図において、情報処理装置1200は、入力装置1201、出力装置1202、中央処理制御装置1203、外部記憶装置1204、一時記憶装置1205、通信装置1206から構成されており、コンピュータである中央処理制御装置1203によりMCTF処理を行う符号化装置の機能を実現させるものである。
中央処理制御装置1203は、入力装置1201から入力された、あるいは外部記憶装置1204に予め記録されていた、あるいは通信ネットワークを介して配信されて通信装置1206により受信した、コンピュータプログラムを取り込み、図1の入力管理部102に相当する入力管理手段1301、補助参照フレームバッファ103に相当する補助参照フレームバッファ1302、補助参照フレーム制御部104に相当する補助参照フレーム制御手段1303、符号化方向制御部105に相当する符号化方向制御手段1304、MCTF部106に相当するMCTF手段1305、量子化部107に相当する量子化手段1306、エントロピー符号化部108に相当するエントロピー符号化手段1307、MUX部109に相当するMUX手段1308を、上記のコンピュータプログラムに基づきソフトウェア処理にて実現する。
図10は図5の復号装置の機能を中央処理制御装置により実現させる情報処理装置の一例のブロック図を示す。同図において、情報処理装置1400は、入力装置1401、出力装置1402、中央処理制御装置1403、外部記憶装置1404、一時記憶装置1405、通信装置1406から構成されており、コンピュータである中央処理制御装置1403により逆MCTF処理を行う復号装置の機能を実現させるものである。
中央処理制御装置1403は、入力装置1401から入力された、あるいは外部記憶装置1404に予め記録されていた、あるいは通信ネットワークを介して配信されて通信装置1406により受信した、コンピュータプログラムを取り込み、図5の復号フレームバッファ509に相当する復号フレームバッファ1501、補助参照フレームバッファ507に相当する補助参照フレームバッファ1502、補助参照フレーム制御部508に相当する補助参照フレーム制御手段1503、符号化方向制御部506に相当する符号化方向制御手段1504、逆MCTF部505に相当する逆MCTF手段1505、逆量子化部504に相当する逆量子化手段1506、エントロピー復号部503に相当するエントロピー復号手段1507、DEMUX部502に相当するDEMUX手段1508を、上記のコンピュータプログラムに基づきソフトウェア処理にて実現する。
本発明の符号化装置の一実施の形態のブロック図である。 図1の符号化装置の動作説明用フローチャートである。 本発明符号化装置におけるMCTFの処理過程を示すための図である。 本発明符号化装置におけるフレーム間のオクターブ分割の一例の説明図である。 本発明の復号装置の一実施の形態のブロック図である。 図5の復号装置の動作説明用フローチャートである。 本発明復号装置における逆MCTFの処理過程を示すための図である。 本発明復号装置におけるフレーム間のオクターブ分割の一例の説明図である。 本発明の符号化プログラムを実行する情報処理装置の一例のブロック図である。 本発明の復号プログラムを実行する情報処理装置の一例のブロック図である。 従来の符号化装置の一例のブロック図である。 図11の符号化装置の動作説明用フローチャートである。 従来の復号装置の一例のブロック図である。 図13の復号装置の動作説明用フローチャートである。 Haar基底を用いたフレーム間のオクターブ分割の一例を示す図である。 従来のMCTFの処理過程の一例の説明図である。 従来の逆MCTFの処理過程の一例の説明図である。
符号の説明
101、510 動画像フレーム
102 入力管理部
103、507 補助参照フレームバッファ
104、508 補助参照フレーム制御部
105、506 符号化方向制御部
106 MCTF部
107 量子化部
108 エントロピー符号化部
109 MUX部
110、501 ビットストリーム
502 DEMUX部
503 エントロピー復号部
504 逆量子化部
505 逆MCTF部
509 復号フレームバッファ

Claims (2)

  1. 符号化対象の動画像信号の時間方向に存在する異なる2つのフレームのうち、一方のフレームを基準フレームとして他方のフレームの動き補償を行い、動き補償後の前記他方のフレームと前記基準フレームとの対応する画素同士で直交変換して、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割された低域側分割周波数帯域のL成分フレームと高域側分割周波数帯域のH成分フレームとからなるフレーム列信号を得る動き補償時間方向フィルタ処理を行い、前記フレーム列信号に対して量子化を行う符号化装置であって、
    前記動き補償時間方向フィルタ処理された前記L成分フレームを補助参照フレームとして蓄積する補助参照フレーム格納手段と、
    前記符号化対象の動画像信号の時間方向に存在する異なる2つのフレームのうち、一方のフレームを基準フレームとし、かつ、他方のフレームを参照フレームとし、前記基準フレームに基づき、前記参照フレームと前記補助参照フレーム格納手段からの前記2つのフレームとは異なる前記補助参照フレームとの動きをそれぞれ推定して、前記基準フレームと前記参照フレームと前記補助参照フレームとの対応する各ブロックの相対位置関係を示す動きベクトル情報を取得する動き推定手段と、
    前記動きベクトル情報に基づいて、前記参照フレームと前記補助参照フレームのうち、前記ブロック毎に符号化効率の高い方のフレームを選択して動き補償を行い動き補償画像を生成すると共に、前記ブロック毎に選択したフレームを示す参照フレーム制御情報を生成する動き補償手段と、
    前記動き補償画像に対して前記動き補償時間方向フィルタ処理を行って、前記2つの分割周波数帯域のうち高域側分割周波数帯域のH成分の係数情報を格納した前記H成分フレームを生成するH成分フレーム生成手段と、
    前記H成分フレーム生成手段で生成された前記H成分フレームに対して、前記動き推定手段によって取得した前記動きベクトル情報を逆方向に適用して前記参照フレームとの対応する画素同士で直交変換して、前記2つの分割周波数帯域のうち低域側分割周波数帯域のL成分の係数情報を格納した前記L成分フレームを生成すると共に、生成したそのL成分フレームを前記補助参照フレーム格納手段に蓄積するL成分フレーム生成手段と、
    前記H成分フレーム生成手段で生成された前記H成分フレームと前記L成分フレーム生成手段で生成された前記L成分フレームとからなるフレーム列信号に対して量子化を行う量子化手段と
    を少なくとも備え、量子化後の前記フレーム列信号と前記参照フレーム制御情報と前記動きベクトル情報とを少なくとも出力することを特徴とする符号化装置。
  2. 請求項1記載の前記量子化後のフレーム列信号と前記参照フレーム制御情報と前記動きベクトル情報とを少なくとも入力として受け、前記量子化後のフレーム列信号から前記基準フレームの動画像信号を復号する復号装置であって、
    前記量子化後のフレーム列信号を逆量子化して、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割された低域側分割周波数帯域のL成分フレームと高域側分割周波数帯域のH成分フレームとからなるフレーム列信号を復号する逆量子化手段と、
    前記動きベクトル情報を用いて前記逆量子化手段からの前記フレーム列信号中の前記H成分フレームに対して動き補償を行って、前記フレーム信号中の前記L成分フレームと同位相の動き補償画像を生成し、その動き補償画像と前記フレーム列信号中の前記L成分フレームとの差分をとり、請求項1記載の符号化装置で用いた前記参照フレームを復号する参照フレーム復号手段と、
    復号された前記基準フレーム及び前記参照フレームを蓄積するフレーム格納手段と、
    前記動きベクトル情報を逆方向に適用して、復号された前記参照フレームと前記参照フレーム制御情報に基づいて前記フレーム格納手段から前記補助参照フレームとして読み出された基準フレームとのうち、ブロック毎に符号化効率の高い方のフレームを選択して動き補償を行い、前記逆量子化手段からの前記H成分フレームと同位相の動き補償画像を生成する動き補償手段と、
    前記逆量子化手段からの前記H成分フレームと前記動き補償手段で生成された前記動き補償画像との対応する画素同士で直交変換して、前記参照フレームとは異なるフレームである前記基準フレームを復号する逆方向の動き補償時間方向フィルタ処理を行うと共に、復号した前記基準フレームを前記補助参照フレーム格納手段に蓄積する処理手段と
    を少なくとも有することを特徴とする復号装置。
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